的場梨沙「このロリコンっ」 (16)
・12歳
梨沙「おはようございます」
P「おはよう、梨沙。今日も気持ちのいい挨拶だな」
梨沙「あいさつは大事だってパパに言われてるから」
P「偉いな。梨沙も梨沙のパパさんも」
梨沙「ふふん、でしょ? 今日もバッチリお仕事こなしてあげちゃうわ!」
P「頼もしいな……それはそれとして、その恰好寒くないか?」
梨沙「なによ。昨日もこのくらい肌出してたでしょ?」
P「そうだけど、今日はちょっと気温が低いからな」
梨沙「大丈夫よ。オシャレには我慢も必要なんだから」
梨沙「ていうか、さっきからジロジロ見すぎ! このロリコンっ」
P「し、仕方ないだろう。こっちは心配してるんだから」
梨沙「あんまりコドモ扱いしてると怒るへくちっ」
P「………」
梨沙「………なにか羽織るもの、ある?」
P「あるぞ」ニヤニヤ
梨沙「な、なによ! なによっ!」
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・13歳
梨沙「おはようございます」
P「おはよう。どうだ、中学校は」
梨沙「んー。まあ普通ね。小学校が同じだった子もクラスに結構いるし、新しくできた友達もいい子だし」
P「そうか。うまくやれてるみたいでよかった」
梨沙「でも、セーラー服しか着られないのはちょっと残念ね。新しい服を買っても学校で自慢できないし」
P「なるほど。俺はセーラー服、いいと思うけどな」
梨沙「うわあ……ロリコン」
P「似合ってるって意味だよ。そんな邪な感情はないから」
梨沙「まあ、アタシもセーラー服自体は気に入ってるわ。冬になったら黒の長袖セーラーも着られるし、その時はPにも見せてあげる♪」
P「楽しみにしておくよ。ところで」
梨沙「うん?」
P「スカート短すぎないか? 寒くない?」
梨沙「ちゃんと校則でセーフな長さよ! ほんと、心配しすぎのロリコンなんだから!」
・14歳
梨沙「闇に飲まれよ!」
P「………」
梨沙「ごめんやっぱ今のなし」
P「俺はかわいいと思ったからいいんじゃないか?」
梨沙「け、穢れなき魂を穢す罪人!(このロリコンっ!)」
・15歳
梨沙「うーん……難しいわね」
P「お、受験勉強か。頑張ってるな」
梨沙「アイドル活動と勉強、両立してこそ一流でしょ? パパも褒めてくれるだろうし」
P「いいこと言うなあ。偉いぞ」
梨沙「ま、アタシだってもうコドモじゃないし。オトナのレディーの仲間入りね!」
P「そんな頑張っている梨沙に、新しくできたお店のパンケーキを買ってきたぞ。今食べる?」
梨沙「食べるっ! 甘いもの大好きなのよねー♪」
P(こういうところは子供のままだな)ハハッ
梨沙「うふふ、ロリコン♪」モグモグ
P「心を読まれた」
・16歳
梨沙「ふふふ……ついに、ついにパパと結婚できる年齢になったわ!」
P「結婚自体はできるけど、父親と結婚するのは法律上できないままだぞ」
梨沙「細かいことはいいのよ、まったくロリコンなんだから」
P「今のはロリコン関係ないだろう」
梨沙「関係なかったわね」
P「最近割と素直に認めるようになってきたな」
梨沙「アタシは昔から素直だもん」
P「………」
梨沙「なんで黙るのよ」ジトーー
P「いや、素直なのは素直なんだが……」
梨沙「それより、将来法律を変えるためにも勉強しなきゃいけないの。ちょっと教えてくれない?」
P「ああ、いいよ」
梨沙「じゃあこのテキストからテキトーに問題出して」
P「では問題。特定工種の工事だけを請け負う専門工事業者をカタカナ四文字でなんといいますか」
梨沙「ロリコン」
P「ゼネコンだ」
・17歳
P「梨沙ってかなり高校でモテてるんじゃないか?」
梨沙「まあね。アイドルなんだしトーゼンよ」
P「告白とかされたり?」
梨沙「んー、それはあんまりないわね。向こうもアイドルが恋愛禁止だってことはわかってるわけだし」
梨沙「ただ、それでもたまにそういう男子は来るけど」
P「断るとき、ちょっと気まずかったりするのか。やっぱり」
梨沙「まあ、そうね……好意を持ってくれるのは単純にうれしいし。断り方はいろいろ考えちゃうわよね」
梨沙「そういう意味では『アイドルだから』で断れるのはありがたいわ」
P「『パパよりいい男になってから出直してきなさい!』とか言ってるのかと思った」
梨沙「言わないわよ。だってそんなの無理だもん。パパは世界で一番かっこいいんだから」
P「はは、梨沙らしいな」
梨沙「言うとしたら、そうね……『パパは無理だから、せめてアタシのプロデューサー以上になってから出直してきなさい』かしら」
P「………」
梨沙「どうしたの?」
P「いや。俺、その枠に入るんだなあと思って」
梨沙「………」
梨沙「ば、バカッ! 言葉のあやよ! 恋愛枠じゃないわよ、アンタは!」
P「でも、パパの代わりとして候補にあがるということは……」
梨沙「違うから! ほんとに!」
P「………」
梨沙「アタシが言いたいのは、別に恋とか愛とかそういうアレじゃなくて、Pには」
P「………ぷっ」
梨沙「え? ………あーっ! アンタ、からかったわね!?」
P「はははっ! だってそうだろう。何年も付き合ってるんだから、梨沙が俺をどういう目で見てるかくらいわかってるよ」
梨沙「あーもうっ! バカ! ロリコン! ヘンタイ! ロリコン!」
P「なんでロリコンだけ2回?」
・18歳
梨沙「ねえ、P」
P「ん?」
梨沙「髪、切りたいんだけど」
P「え? 切るって、前髪そこまで伸びてもないような」
梨沙「そうじゃなくて。この長い髪、バッサリ」
梨沙「そういうの、アイドルが許可取らずに勝手にやるのはアレでしょ」
P「バッサリって……今までずっと髪伸ばしてたのに、どうして急に?」
梨沙「………」
梨沙「ほら、漫画でよくあるでしょ。女の子が髪を切るときは、どういう時か」
P「………」
P「梨沙……」
梨沙「辛気臭い顔しないでよ。アンタはいつもみたいに、バカっぽい顔でへらへら笑ってればいいの」
梨沙「いつも通り、ロリコンって言わせて」
P「………わかった」
梨沙「……ちょっと。なんで隣に座ってるのよ」
P「こうして女の子に寄り添おうとするの、ロリコンっぽいだろう」
梨沙「………ばか」
・19歳
梨沙「はい、パンケーキ完成! 味わって食べなさいよね♪」
P「おお、おいしそうだな」
梨沙「当然でしょ。アタシなんでもできるんだから」
P「はは、そうだな。しかし、どうして急にパンケーキを焼いてくれたんだ?」
梨沙「なんとなくよ、なんとなく。日頃の感謝とかでいいんじゃない?」
P「日頃の感謝って……梨沙もそれを素直に言えるようになったんだなあ」
梨沙「もうその辺で意地張るような歳でもないでしょ」
P「確かに」
P「……髪、伸びたな」
梨沙「そりゃそうよ。もう一年経ってるんだから」
P「そうだな」
梨沙「ていうか、ジロジロ見すぎ。やっぱりPはロリコンね」
P「前から思ってたんだけどさ、もうロリって年齢じゃなくないか?」
梨沙「まあ、そうね。来年には成人するし」
P「なのにロリコンって言われるのはおかしいような」
梨沙「いいのよ。一般的におかしくても、アンタはロリコンなの」
梨沙「ずっとアタシのロリコンプロデューサーでいなさい。いいわね!」
梨沙「……アタシが引退しても、ね」
P「……ああ」
梨沙「ふふ、それでよし!」
梨沙「……それと、もう一個!」
P「なんだ?」
梨沙「いい加減そろそろいい人見つけなさいよねっ」
P「今それを言うか~」
梨沙「これだけ付き合いが長いと、アタシもアンタが結婚するまで安心できないのよね」
P「……安心させられるように頑張るよ」
梨沙「頑張りなさいよね! ふふっ♪」
………
……
…
・??歳
梨沙「ほら、優しくだっこしてあげるのよ?」
P「ああ……やっぱりかわいいな。赤ん坊っていうのは」
梨沙「でしょ?」
P「こう、見ているだけで癒されるな」
梨沙「……それにしても、まさかこうなるとは思わなかったわね」
P「そうだな。まさかこうなるとは」
梨沙「まさか――」
梨沙「まさか、アタシのほうが先に子供作って親になっちゃうとはね」
P「10コ以上年下の子に先を越されるとは……うちもそろそろ赤ちゃんが欲しいな」
梨沙「頑張んなさいよね」
P「頑張るか……夜」
梨沙「すけべ」
P「今のはそっちから振ったんだろう」
梨沙「そうだったかしら」フフ
P「まあ、なんにせよ子供は欲しいな。かわいいし」
梨沙「ちなみに男の子がほしい? 女の子がほしい?」
P「うーん……どっちでもうれしいけど、女の子かな」
梨沙「そっか。やっぱり女の子なのね」
P「予想通りだったのか?」
梨沙「うん。だってPだもん」
P「俺だからって……その理由は?」
梨沙「聞かなくてもわかるでしょ? アタシが言いたいこと」
P「やっぱりアレか」
梨沙「そ、アレ」
梨沙「このロリコンっ♪」
P「赤ちゃんに対してロリは正しいのか?」
梨沙「そういう小さいこと気にするからロリコンなのよ」
おしまい
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
僕はロリコンではないですがロリコンって言葉の響きは好きです。梨沙はもっと好きです
総選挙もよろしくお願いします
シリーズ前作:佐藤心「徹底討論☆」 的場梨沙「プロデューサーはロリコンか!」
その他過去作:栗原ネネ「腕相撲ですか?」
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