ちひろ「モバPさんは人によって態度が違います」 (171)
Case.1
ぺたぺた、
P「はい、湿布はこれでよし……あとは差し入れもあるんで、遠慮せずに召し上がってくださいね」
早苗「はう……っ!! ご、ごめんねP君、わざわざ部屋まで来てくれるなんて……こんな散らかった部屋で悪いけど、っうぅ……」ズキズキ
P「もう、あんまり無理しちゃダメだって言ったじゃないですか……心配したんですよ?」
早苗「ふぅ……反省してるわ……その、せっかくP君が取ってきてくれたお仕事だから、やりすぎちゃって……」
P「はい、そこまで。いつも通りの元気な早苗さんに早く戻ってくださいね。あまり落ち込んじゃダメですよ?」
早苗「……P君、そうね。ありがとうね」
P「それじゃ俺はそろそろ……って、どうかしました?」
早苗「あーん」アーン
P「へ?」
早苗「ほら、腰、こし」アーーン
P「もう……世話が焼けるんですから」
早苗「あっ、生意気言ったなあーんむっ」パクッ
P「はいはい……あーん」
早苗「あーん……っ、んふふっ!」
P「……」ナデナデ
早苗「あっ、コ……コラッ! お姉さんになんてことをっ!」カァッ
P「いえ、なんだか鳥のひなにエサをあげてるみたいで、可愛らしかったので」ナデナデ
早苗「ふ、ふんっ! いつもだったらギッタンギッタンにしちゃうんだけど、今は腰が痛いから見逃してあげるわっ、もう、仕方ないなー、ふふ……うふふっ!」テレテレ
――――――――――――――――――――――――――――――――
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●REC
P「…………」グテー
薫「あっ、おかえりっ、せんせぇっ。せんせぇ……おつかれさま?」
P「ああ、うん……ちょっと今日ドタバタしてて」
薫「じゃあじゃあっ、ごろんってしちゃおうよ! かおるがひざまくらしてあげるー!」
P「……いいかな」
薫「えへへ、もちろん!」
なでなで、なでなで、
P「ああ――ぁ、薫は柔らかいなあ……」グテー
薫「ひゃん……もー、せんせぇ、ヘンなトコさわっちゃだめだよぉ?」ナデナデ
P「……ふあぁ、それでさ、早苗さんがなかなか放してくれなくて。でもひとりにしちゃうとさみしいだろうから、つい長居しちゃって」
薫「んー、たいへんだったんだねー。おしごと、ちこくしそうになったの?」
P「まあ何とか間に合ったんだけど……ああ、お昼ごはんたべそこねてたな、そういえば」グー
薫「あっ!! せんせぇ、ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、ひざまくらちゅーだんしてもいいっ?」
P「え? うん」ムクッ
薫「すぐもどってくるからねっ」トットット
薫「はいせんせぇ、あーん」
P「あーん……うん、うまいっ」モグモグ
薫「えへへ! お昼につくってたの、せんせぇのために少しのこしてたのわすれちゃってたっ!」
P「そっかー、こんなに上手に料理できるなんて、薫のだんなさんになるひとは幸せだろうなー」
薫「!! えへ、えへへっ、じゃあせんせぇは、ずーっとしあわせだねっ!」
P「んー?」
薫「だってかおる、ずーーーっと、せんせぇといっしょにいるからっ!!」
P「そっかー、じゃあずっとよろしくな、薫」ホクホク
薫「うんっ! えへへ……あ、せんせぇ?」
P「おごちそうさまでした……ん、どうしたの?」
薫「おくちゆすいだら、また、おひざにきていいよ?」
P「……薫、かおる……」zzz
なでなで、なでなで、
薫「えへへっ、せんせぇ、あまえんぼさんなんだから……でもだいじょうぶ。ずーっと、かおるがそばにいるからね……せんせぇ」ナデナデ
Case.2
P「よくやったぞ千秋、レッスン通りの力を出せたみたいだな」
千秋「はーっ、は……っ、ふふっ、ありがとう。でも――何か言いたいこと、あるんじゃない?」
P「――分かるか?」
千秋「ええ、どうしてかしらね? でも――分かるの。Pさんが私に何か、言いたがっているのが。きっとそれは後から言うつもりだったのでしょうね」
P「ああ。今は千秋の達成感を大事にしたかったからな」
千秋「お気遣い、嬉しく思うわ。でも私にとっての達成とは、トップに立つことよ。遠慮なんていらないわ」
P「――そうだな。逆に気を遣わせてしまったようだ。すまない」
千秋「……っ、いいえ」
P「ん?」
千秋「いえ、その……あなたのこと、信じているから。なんでも言って欲しいの。私についてこられるのは、Pさんだけだから」
P「ははっ、信頼されているんだな、俺も」
千秋「ええ、心より信頼しています、プロデューサー……なんて、ふふっ」
P「じゃあ戻ってから――レッスン場に来てくれないか。アップテンポの曲だと、ダンスと歌唱のズレが少々目立つ」
千秋「やっぱりPさんには見抜かれていたわね、私もそう感じていたの。感覚が残っている今のうちに……分かったわ」
P「よし。だが……」ナデナデ
千秋「きゃっ? な、何よ突然……こんなところで」モジモジ
P「ん? 違ったか? 少し褒めて欲しそうな顔をしていたと思ったんだが……」ナデナデ
千秋「……そんなところまで見透かされてるなんて、敵わないわね」カァッ
P「ははっ、千秋はけっこう分かりやすいからな」ナデナデ
千秋「そう……図星を突かれて、嘘を吐くのは性に合わないから……拒絶はしないわ。ん、んん……っ」テレテレ
――――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
雪美「おかえり……P…おつかれ?」
P「ああ、うん……ちょっと長引いちゃって」
雪美「ごろん…する?」
P「…………いいかな」ノソッ
雪美「…………いい」
なでなで、なでなで、
P「……ふあぁ、それでさ、千秋おねえさんってとってもマジメだろう? こっちがぼんやりしたらいけないからな……」
雪美「うん……おねえさん…がんばりやさん……」
P「それで、おねえさんも疲れてただろうに、すごくやる気だったから……止められなくなっちゃって」
雪美「Pも…がんばりやさん…とっても………えらいえらい」
P「そうかなあ……」
雪美「そう……がんばったPに、ごほうび」
なでり、なでり、
P「ふぁ……」
雪美「うん……。だから…いまは……いっぱい…やすむ……ご主人様の……とくとうせき……」
なでなで、なでなで、
P「なんだか、眠くなってきた……」ムニャムニャ
雪美「P…おねむ……? ふふ……Pなら…いい。いい子だから……私が…Pのあたま……だっこしてて…あげる」
P「ふぅ……ぁ。ありがとう……いいにおい、だな……雪美……」zzz
雪美「おやすみ……なさい…P………くんくんする……まるで……ぺロみたい………ご主人様なのに…………」
ちゅ……っ、
雪美「……おやすみ…………ふふ…だいじょうぶ……Pには…私が……ずっと……いるから…離れないから……」
Case.3
P「若葉さん。モバナガ乳業のイメージキャラクター続投の件、考えていただけましたか?」
若葉「はい~、お受けさせていただきます……ふぅ」
P「……何か、気になることでもありましたか?」
若葉「あっ、いえいえっ! なんでもありませんよ~、うふふ~」アセアセ
P「若葉さん、俺たちの間に隠し事はなしのはずですよ? お仕事は信頼から始まるんですから、思ったことはなんだって言ってください」
若葉「Pさん……すみません、気を遣わせてしまいましたね~」
P「それで、どうしたんですか?」
若葉「ええと~、今度のモバナガさんとのCMがどんなものになりそうかって、何かお話を聞いていたりしませんか?」
P「詳細までは確認していませんが、おそらくは今までのCMの続編のようになるかと思います」
若葉「前回は、お花でいっぱいの草原の真ん中で走り回った後、ごくごく牛乳を飲むっていうものでしたね~」
P「花の妖精みたいで、とても綺麗でしたよね」
若葉「うふふ~、Pさんったら褒め上手なんですから。でも、オトナのお姉さんを口説くにはまだまだ……あ」
P「ん?」
若葉「……ところで、あの~、業界最大手の会社のイメージキャラクターなんて大役を頂いておいて、こんなこと申し上げるのも失礼なんですが~」
P「……はい」ゴクリ
若葉「その~、もっと……もっと、オトナのお姉さんっぽいお仕事って、お願いしたりはできないでしょうか~。たとえば、お、おさけ、のCMとか~」ドキドキ
P(お酒って言った自分にドキドキしてる顔だ)
若葉「ああっ、でもでもでもっ!! 今のお仕事が全然不満な訳ではないんですよっ? むしろ感謝してもしてもしきれないくらいで――」
P「若葉さん」
若葉「はっ、はい!」
P「俺の仕事は、若葉さんに満足してもらえる仕事をしていただくことですから。見くびらないで下さいよ、必ず取ってきます!!」
若葉「はっ――はいっ!」パァァッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
桃華「Pちゃま、おかえりなさい♪ お湯、先にいただきましたわ」トットット
P「おーう……」
桃華「もうっ、お疲れなのは分かりますけど、身体をきれいにしないとくつろごうにもくつろげませんわよ? さあ、早くPちゃまも――」
P「そうだな……」ノソノソ
桃華「わたくし、待っていますからね♪」
ごそごそ、ごそごそ、
桃華「改めて――おかえりなさいませ、Pちゃま♪ すんすん――、はい、とってもいい匂いですわ。ちゃんときれいにしないと、落ち着いて眠れませんものね。よしよし」ナデナデ
P「桃華――」ギュー
桃華「あん――っ、うふふっ、大きなベッドなのですから、そんなに強く抱き締めなくても……まるで赤ちゃんみたいですわね、Pちゃま♪」
P「ごめん……痛かったか?」
桃華「いいえ――ただ、Pちゃまが甘えんぼさんだと再確認しただけですわ♪ それで――今日のPちゃまはどうでしたの?」
P「ああ……ちょっと、難しいことがあったな」
桃華「と、言いますと?」
P「うーん、誰とは言いにくいが……ある人のお望みのお仕事が、中々取り付けられなくて」
桃華「確かに、そういうこともあるのでしょうね……」
P「もしかしたらイヤイヤお仕事させちゃってるんじゃないかって考えたら、俺、ちょっと自信無くしそうで……」
桃華「!」
ぎゅーっ、
P「――っ」
桃華「そんなこと、ありませんわ。Pちゃまは一所懸命ですもの」ギュー
P「桃華……」ギュッ
桃華「その方も――頑張ってるPちゃまのこと、分かっているハズです。それにPちゃまなら、絶対に大丈夫。だってPちゃまはこーんなに頑張っているんですから」ナデナデ
P「ありがとう……ありがとうな、桃華」
桃華「ふふっ、Pちゃまったら、お昼はあんなに格好良くて、わたくしを覆ってしまえるくらい身体も大きいのに――夜は本当に、甘えんぼさんですわね。でも」
ぎゅぎゅー、
桃華「わたくしは大人なPちゃまも、赤ちゃんみたいに甘えたがりのPちゃまも……ぜんぶ、ぜーんぶ、受け入れて差し上げますわ」
P「……っ」
ぎゅ……ぅ、
桃華「あは……ぁ、Pちゃま、息がくすぐったいですわ……まったく、大人だったり、赤ちゃんだったり、今度は……どーぶつさん、ですの?」クスッ
ちゅ……、
桃華「ん……っ、いいですわ、どうぞいらして……わたくしはどこにもいきませんわ……ずっと、Pちゃまのお傍に…………ふ、ぁ」
CASE.4
P「…………」
真奈美「ああ、この前の件なら反省している。私にも落ち度はあったな」グッグッ
P「…………」
真奈美「あの程度のランニングなら散歩感覚だからな、時間ももったいないし、コースを知ってもらうだけだし、まあスーツでも大丈夫かと思ってしまったんだ。君には悪いことをした」グッグッ
P「…………」
真奈美「しかし君も水くさい。ひとこと言ってくれれば私もミスに気付けたというものを――いや、これも責任転嫁だな」グッグッ
P「…………」
真奈美「……おい、大丈夫かい」グイッ
P「ひぐっ?!」ピキーン
真奈美「ふむ……私のアシストする長座体前屈に集中していた、ということにしておいてやろう。何せ君には、女に抑え込まれて悦ぶ趣味なんか無いだろう?」
P「そ、そうです、ね……」プルプル
真奈美「はぁ、身体の硬さは相変わらずだな……体力の方は、少しはマシになってきたようだが」
P「ふー、そうですか?」
真奈美「ああ。はじめはどうなることかと思ったが――何事も根気だな。君がいつも、我々に言っている事さ。有言実行するくらいの甲斐性はあったわけだ」
P「ええ、付き合っていただいている真奈美さんのメンツも掛かっていますからね」
真奈美「言うじゃないか。それだけの軽口が叩けるなら安心だな――じゃあ」
タッタッタッタッ、
真奈美「付いてこいっ! 今日こそはちゃんと走れるな、P」
P「はい、お願いしますっ」
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
晴「おう、おかえりー、って……情けねーなー。帰るなりヘバってんじゃねーよ」
P「おう……」プルプル
晴「ったく、仕方ねえやつだなー。ほらっ! 引っ張ってやるから、さっさと立てっ! スーツ皺になっちゃうぞ? 社会人だろ?」グイッ
P「ぐぅ……世話を、掛けるな」
晴「ホントだぜ……ねむいんなら早くしろよ? 明日も仕事なんだからなっ!」
ごそごそ、ごそごそ……
P「……はーっ」
晴「……やっと、ベッドまでたどり着いたな。遅いんだよ、まったく……」ドキドキ
P「ごめんなー、ふ、ふわ……ぁ」ギュー
ぴたっ、
晴「……っ、く、食いながら寝るわフロで寝るわ、挙句歯みがきしながら寝るわ……そんなに、ハードだったのか?」ドキドキ
P「仕事もだが、トレーニングにも行ってな……今日は真奈美さんに付き合ってもらったんだが、まだまだ……」
晴「Pはフィジカル的なの、全然だもんな……」
P「しかしこうまで疲れちゃうと、不安になってくるよな……」
晴「!」
P「運動不足の期間が長かったからとはいえ……学生の頃とは全然違う気がしてなあ……」
晴「ま、まあ気にすんなよ、なっ? オレも最初は呆れたけど、サッカーの練習にも慣れて来てるし、少しずつやっていけばなんとかなるって」
P「そうかな……まだまだ道は長そうだけどな」
晴「心配すんなって、Pだったら、やればきっとできるから……それでも、不安なら」
ぎゅ……っ、
晴「……オレがずっとアシストしてやっから、さ……やれるよ、P」ギュー
P「それなら……晴にそこまで言ってもらえるなら、もっとがんばれそうだよ……ありがとうな、晴」
晴「あ……当たり前だろ? チームプレーだからな、ぜってー、置いてけぼりになんかしねぇよ……でも、Pも死ぬ気で付いてこいよ?」
P「……うん、がんばるよ」
晴「ふ、ふんっ、オレは、甘ちゃんには厳しいぞ? そう簡単にスタミナはつかねーからな、でもやってもらうぞ? ぜったい、ぜったいだからな……だって」シュルッ
ちゅぱ……っ、
晴「んん……っ、オレに、こ、こんなパジャマ、着させてるんだから……オレの言うことも、聞いてくれなきゃ、だよな……?」ドキドキ
ぎゅ……ぅ、
晴「は、ん……っ! だいじょうぶ、だよっ、お前の指示、オレの位置は、ココ、だから……ポジション、きまってるから」ギューッ
晴「……Pがいてほしい位置も、そこでいいから……っ、ずっと、ココにいろよ、な……? ん、ぁ…………っ」
Case.5
菜々「ふむにゃむにゃ……」zzz
P「…………」
菜々「くーっ、くーっ、く……っ」zzz
P「菜々さ……菜々、そろそろ事務所閉めるぞ。起きなさい」
菜々「んふぇ……ぇ?」
P「……ほ、ほら、こんなとこで寝ちゃうと風邪ひきま」
菜々「敬語はらめぇっ!!」ブワッ
P「ひ……っ?!」ビクッ
菜々「……めー、けーごはらめ、なの……ぉ」コテン
P「…………」ドキドキ
菜々「んむむ……Pしゃーん、Pしゃーん……えへへへへ」zzz
P(寝てるというより……もしや、酔ってる? いや、しかし……)クンクン
菜々「へへ、え、へへ……ひくっ」コロンッ
P(あ……ウィスキーボンボンの空容器が……お菓子箱に入ってたやつか? 気を付けないと……)
菜々「ナナに、けーご、つかっちゃうなんて……ナナは……ぁ、んむむ……ホントは……」zzz
P「!」
菜々「ホントは……ヒミツ、いーたいけろぉ、Pさん……ナナのころぉ……きらいに、なっちゃ、らめ……ぇ」グスッ
P「……きらいになんて、ならないよ」
菜々「…………っ」
P「どんな菜々も……ウサミン星から来てても、来てなくても……菜々がそこにいればいいよ」ナデナデ
菜々「んへへーっ」
P「……でも本当にそろそろ帰るぞ? 菜々もお腹出して寝ちゃったら冷え」
菜々「ほぐわっつ?!!!」ガバッ
P「はふっ?!!!」ゴブッ
>>>つうこんの いちげき !!
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
こずえ「……おかえりー?」トテトテトテ
P「た、ただいま……」ヨロヨロ
こずえ「どうしたのー? ぽんぽん……いたいいたいー?」
P「ちょっと第三種接近遭遇を起こしてね……」
こずえ「ふわーぁ……しょぞくはー?」
P「ウサミン星」
こずえ「……ふわぁ……こずえとちがうー……んー」
くいくいっ、
こずえ「ねるまえに……あいすくりーむ……たべるー? たべよー? たべろー」
ごそごそ、すりすり、
こずえ「ふわぁ……べっど……ふかふかー……ぷろでゅーさー……くにくにー」プニプニ
P「ふかふかーだな」
こずえ「ぽんぽん……いっぱーい。こずえのなかー……とけたあいすで……ぐちょぐちょー」サスサス
P「いっぱいたべたなー……ふぅ」
こずえ「んー? ぷろでゅーさーもー……ぽんぽん……いっぱいー?」サスサス
P「いっぱーい……だなー。でも……ウサミン星人のことで、あたまもぐるぐるーって、感じだ」
こずえ「うさみんー……みみみん……みみみん……きゃはー」
P「それそれ……こずえは覚えるのがはやいなー」ナデナデ
こずえ「みみみん……みみ……みみ……おいてけー……おいてけよー……なぁなぁ……ななー」
P「妖怪扱いはやめようなー」ナデナデ
こずえ「んーっ……なでなでー……もっとー」
P「はいはい……それでなー、ウサミンのヒミツ、たぶん気付いちゃって……さっきは強がっちゃったけど……俺、どうしたらいいのかなって」ナデナデ
こずえ「ふ……ぁ……ぅ?」
P「ヒミツがなくなったら、もっとなかよくできるかもしれないけど……もしかしたら、向こうが離れちゃわないかって……おたがい、ちょっとこわくてなー」ナデナデ
こずえ「……ぷろでゅーさー……こわいのー?」
P「そうだなぁ……おほしさまも、近すぎたらあぶないだろー?」
こずえ「……んー……じゃあこずえー……こわくないまほう……かけてあげるー……ぁむ」
ちゅ……れろっ、
こずえ「ふぁむ……みんとあじのまほう……ぷろでゅーさー……かかったよー……もうだいじょーぶー」ギュー
すりすり、すりすり……っ、
こずえ「こずえ……ずっといっしょに……いるー……まほう……ずっとつづくー……ふぁわ……」ギュッ
こずえ「まほう……たりないー? まほう……おかわりー? ぷろでゅーさー……ほしがりじょうずー……」
ちゅれろっ、ちゅぱ……っ
こずえ「ぷは……っ……あげるー……ぷろでゅーさーにあげるよー……こずえのなかの……ぐちょぐちょあいすー……だからー」シュリシュリ
ぴた……っ、
こずえ「こずえにも……ちょーだい? ぷろでゅーさーの……ぐちょぐちょー……ぷろでゅーさー……ぜんぶー……もらうー……」
Case.6
コツ、コツ、コツ……
時子「フン、主人を置いて何処へ行ったかと思えば……屋上とは。おだててもいないのに上りたがるなんて、豚以下の存在ね」
P「やあ……お疲れ様」
時子「……どういう心算かしら? この私に薄汚い階段を上らせておいての開口一番が、謝罪でも懺悔でもましてや畏怖でもなく……まさか煽りの口上?」
P「いや、さっきの仕事のことさ。今までで一番大きい舞台、部屋いっぱいの贈り物――悪いもんじゃないだろう、アイドルも」
時子「……ハァッ」カッカッカッカッ!!
グイッ!!
P「かは……っ?!」
時子「ふぅん? 上等なネクタイね。さぞや――締まり心地も良いことでしょう」ギリギリ
P「……はっ、そう思う、だろう? 女子高生アイドルからのプレゼント品だ」
時子「何故堂々と背信を告白できるのかしら……あのねえ? 勘違いされては困るの。だから教えてあげる」ギリギリ
時子「私の望みは、貴方の仕事は、あの狭い部屋を安物で満たすことでも、有象無象の偶像共に舌鋒で立場を弁えさせることでもない――後ろを御覧なさい」クイッ
P「……っ」クルッ
時子「見えるでしょう? この摩天楼の眼下で眠りこけている愚図共に教育を施し、総て時子様の下僕とすること――それが貴方の使命であり、私の使命」
時子「さあ、次は問うわ。その為に、私の為に、貴方は何が出来る?」
時子「私にはね、どうにも許せないものが三つあるの。脳に行く栄養が胸に行ってる奴、私に従わない無能、そして、従うことしか出来ない無能よ。貴方は――どうなのかしらね?」
P「――無能かどうか自分で語る気は無いが、俺に出来るのは、君を輝かせる為に働くことだけだ。その為なら豚にもなってやるが――全てに頷くつもりも無い」
時子「……私に歯向かうことになったとしても?」
P「その時は精々躾けてくれればいい。だが――その判断を後で悔やませるくらいなら、絶対に折れはしないがな」
時子「…………」ギリギリ
ぐいっ!
P「?!」
―――――かぷっ、
時子「……っは、あ」レロッ
P「…………っ」
時子「…………」
どんっ!
P「ぐ……っ」
時子「……不味いわね、味も何もあったもんじゃないわ」クルッ
カツカツカツカツ――ッ、
時子「次はレモン味のガムでも噛んでなさい。命令よ」ガチャッ
バタン――
P「……タバコでも吸っとけばよかったな」グイッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
みりあ「あー、プロデューサーおかえりなさーいっ!」ピョンッ
P「おーう……」
みりあ「プロデューサー、私ねっ? ちゃんとおるすばんできたんだよーっ! えらい? えらいよねー!」
P「えらいえらーい……」ナデナデ
みりあ「わーいっ! なでなでしてくれて嬉しいなっ、ありがとー! ほらほら、おふろも沸かしたんだからはやくはやくーっ!」ズルズル
P「お゛お゛お゛お゛お゛……」ズルズル
ごそごそ、ごそごそ……
みりあ「ねーえ、どうしたのー? おふろの時から……ううんっ、帰ってきた時から、ずっとお疲れみたいだけど……」ギュー
P「ああ……少し、お仕事でいろいろなー。心配してくれてありがとうなー」ポンポン
みりあ「はうっ、ん、えへへー! でもでも、私、プロデューサーのこと、なぐさめてあげたいなー……きょうは、どんなことがあったのー?」
P「んーと、そうだなー……最近入ってきた人とうまくおしゃべりできてるのか、ちょっとしんぱいなんだよ……」
みりあ「おしゃべりー? その人、おしゃべりあんまり好きじゃないの? みりあおしゃべり大好きだけどなー」
P「喋るのは多分大好きだと思うよ。逆に、俺のお話を聞いてもらうのに苦労しちゃってるかな……ふわぁ」
みりあ「プロデューサー、眠くなった? じゃあじゃあ、みりあがお顔、だっこしてあげるから……はい、どーぞ♪」
――ふにょんっ、
みりあ「ふわぁ……んっ、え、えへへー。プロデューサー、よくできましたー。じょーずに甘えられましたねー♪」ナデナデ
P「ふう……みりあはあったかいなー」
みりあ「えへへー……それでね? きっとその人も、まだ不安なんだと思うよー? 私もはじめのころ、不安だったから……」ギュー
P「そうかなー……んん……そういえばみりあも最初の方は、一応敬語とかも使ってたなー」
みりあ「そうだよー……だからその人も、プロデューサーのおはなし、ちゃんときいてくれるよ……まだちょっと照れくさいだけだよー」ナデナデ
P「そうだといいなー……んー……」
みりあ「その人、わるいひと? じゃないよねー? だからきっとその人も、アイドルになれて良かったって、プロデューサーに感謝してるはずだよ……」ナデナデ
みりあ「だいじょーぶだよ……プロデューサーががんばってるの、みんな知ってるから……わるいことなんて、誰もかんがえないよ……プロデューサー、すっごくがんばってるから」ギュー
みりあ「でも、たまにはおやすみして……いつも甘やかしてくれるから、たまにはみりあにいっーぱい甘えてくれたら、うれしいなー……」ナデナデ
すりすり、すりすり……
みりあ「はぅん……っ、大好きだから、ずっといっしょだからね……? プロデューサー……P、さん……」
Case.7
友紀「あはははっ、今日も我がキャッツの勝ちは揺るがなさそー!!」ケラケラ
P「……おーい友紀、大丈夫か?」
友紀「やーもうぜんっぜんだいじょうぶだからー! 酔ってない酔ってない!」グビグビ
P「……うーんいくら知ってる居酒屋とはいえあんまり飲み過ぎるとな……ていうか昼も、シャンパン勧められるままにもらい過ぎたんじゃないのか?」
友紀「そんなこと言ってぇ、プロデューサーもいっぱい飲んだんでしょー?」
P「友紀を寮に連れて帰るくらいの力は残してるさ」
友紀「やーんおっとなー! あたしの同い年じゃこうはいかないわー」
P「大人ね……でも友紀も、もう年齢的には大人なんだよな」
友紀「……えー、そう、だね! あは、あはは! 全然自覚はないんだけどなーいよっしナイスピッチ!」ブンブン
P「花嫁役も立派にこなせたし、ヒトっていつのまにか大人になってるもんだよな」
友紀「も、もー、なに語りモードに入っちゃってるのさー! ちょっと酔ってるれしょー!」ケタケタ
P「すこし、はな……」グビ
友紀「…………プロデューサーはさ」クピッ
P「んー?」
友紀「今日の、お仕事とかで……あたしがちゃんと大人だって、そう思えた?」
友紀「あたし、いつもこんなんで――見た目も童顔だし? あはは――ぜんぜん覚悟きまってないのにいつの間にか20歳になっちゃってて……みんな、こうなのかな?」
P「…………」
友紀「そんなあたしが花嫁役なんて……結婚とかあんまり考えてなかったから、しょーじき不安だったんだわー、たははー……ははっ、あたしも湿っぽくなっちゃてるねーこりゃ……」ポリポリ
P「……そうやって悩むのが、大人の一歩目だと思うよ、俺は」
友紀「プロ、デューサー……」
P「いいじゃないか、大人になろうって急がなくても……友紀はそのままでいいよ」グビ
友紀「……っ!」カァッ
ばしゃー
P「うおおおおおおおおおお?!」ズブズブ
店員「きゃああああああああすみません!!」バシャー
友紀(あっぶなー……あたし今完全に心のリリーフ炎上してたー……プロデューサーキマってなくてよかったー!)ドキドキ
P「あっいえだいじょうぶです……いえ、ホントに大丈夫ですから、うぷ……いえ、帰るのもそこなんで、帰れますし、いやきにしないでください……おぇ」
友紀(……そっかー、大人ってなかなか怒れないんだなー……あたしが居る手前もあるだろうし……プロデューサー、偉いなー……てかビールかけだなコレ……だいじょーぶかなー)
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
梨沙「もう、帰ってくんの遅すぎっ! いったい今まで何やって……ってお酒くさっ?!」ツーン
P「お、おーう……ごめんなー……」プルプル
梨沙「なにコレ、全身お酒まみれじゃない! あーもー早く脱ぎなさいよ! 床が汚れるからはやくはやくっ!!」グイグイ
P「うおおうおお……っ」グルグル
梨沙「うっわぁベトベトだぁ……コレ全部クリーニングに出さなきゃ……ってパンツまで脱がなくていいからっ! とっとと風呂場に行けーっ!」バシッ
P「うおっ、うお……っ」プルプル
梨沙「え、な、何よ小刻みに震えて……ま、まさか」
P「…………ェグ」コポ
梨沙「いやあああああああああああああああああああああ!!!!」
梨沙「あー…………エラい目に遭ったわ。クリーニング代くらいもらってくれば良かったのに……ヘンなトコでいいヒトなんだから」グテー
P「すまない……すまない……」
梨沙「ホントにね……トイレまで持ちこたえてなかったら蹴飛ばすトコだったわよ。スーツとかは全部カゴに入れた?」
P「……ああ」
梨沙「そ、じゃあアタシの馴染みのトコに出しといてあげるから……気分は?」
P「……だいぶ」
梨沙「ふうん、どれだけぶちまけたんだか……薬はまだあったかしら……?」ガサゴソ
P「……ありがとう」
梨沙「まったく……アンタ、パパからアタシのこと任されてるんでしょう? これじゃアタシがアンタのおもりじゃない。パパに言いつけちゃうわよ?」ガサゴソ
P「…………」プルプル
梨沙「ちょっとなんとか言ったら……え、え?! ちょっと泣いてる? 泣いちゃうの?!」ガビーン
P「だ、だって……だってもう自分が情けなくて……梨沙のパパとの約束も守れてないし……」プルプル
梨沙「あ、ああもうっ! だからって泣くことないじゃない……っ、ホラ顔拭いて、もう、世話が焼けるったら……はいチーン」
P「」ズビシャアァ
梨沙「きたなっ?! 満足げな顔してんじゃないわよっ! もう……ほらお薬っ! コレ飲んでさっさと寝なさいっ! 明日もあるんでしょう?」ゴン
P「……ごくん」ダラダラ
梨沙「ば、バカバカ! 口の端から超零れてるってっ、このバカァ!!」
P「ごめん……やっぱり俺……」プルプル
梨沙「めんどくさっ!!!」
ごそごそ、ごそごそ……
梨沙「……で、またこうなるのね」
P「…………」zzz
梨沙「まったく、酔っぱらって帰ってくるといつもこうなんだから……でもほかのコの時は、こんなにめんどくさくなるって話は聞かないなぁ……」
P「……りさー」ギュー
梨沙「ハイハイ、ここにいるからねー……はあ、ロリコンロリコンとは思っていたけど、マザコンまで入ってない? コレ。何より……慣れてきちゃってるアタシが一番恐ろしいわ」ポンポン
P「…………」ギュー
梨沙「酔った男に泣き付かれるなんてチョーめんどくさいシチュエーションなのにほっとけないなんて……アタシが優し過ぎるのかしら?」ナデナデ
P「…………」zzz
梨沙「ふぁ、ん……アタシも眠くなってきちゃった……はぁ、Pのせいで調子狂いっぱなしだわ……ヘンなの……ぜんぜん、パパみたいじゃないのに……ん」
しゅる……ぺらっ、
梨沙「ん、ん……もー、まだママじゃないんだからぁ……すってもなにもでないって……ぇ、は! んっ、ぁ……」zzz
Case.8
留美「……はぁ」パタン
P「どうしたんですか? 留美さん、溜息なんて吐いちゃうと、幸せが逃げちゃいますよ」カタカタ
留美「あら、ご忠告ありがとう。でもそのことなら心配ないわ。だって……」
P「……?」
留美「あと三十分ほどで事務所を出たら、今日は私に付きっきりのはずでしょう? だったら心配ないわ……私の幸せは、逃げていかないみたい」
P「そうですか……」チラッ
『いつまで許される? 働くシングル事情最前線!!』
P(あっコレ哲学的なやつだっ)
留美「……ああ、コレ? ふふっ、皆正直なこと書いているわね。恋も仕事も妥協できないみたい」ペラッ
留美「そう、妥協できないというのは、私も同感。幸せが『逃げていかない』というだけじゃ、満足できないの……それを捕まえない限り」
P「……欲張りなんですね」
留美「あら、今更? Pさんなら、とっくに気付いていると思っていたわ。女はみいんな、欲張り。勿論、あなたのお仕事相手もみんな、ね」
コツ、コツ、
留美「あなたとお仕事しながら、きっとお仕事以外のことも考えてるの」
P「プロデューサーとしては複雑な気持ちですね、それ。でもそれが……女のひとを輝かせているんでしょうね、きっと」
留美「分かっているじゃない、やっぱり……そうそう、私は、いつもあなたのことを考えているわ。あなたのことを考えていたら、ここまで来ることができた……」
P「それは男冥利に尽きる話ですが……しかし俺も欲張りですよ? 今だって留美さんと話しながら、違う女のひとのことを考えていたりしますからね」
留美「色好みね……でもそれも、そうやってきたから、ここまで来ることができたのかしら?」
P「そうかもしれませんね。皆を輝かせるのが俺の仕事ですから……だとしたら?」
留美「……ふふっ、もっと、もっともっと輝こうと思ったわ。数多の瞬きの中でも、一際眩くなろうとね」
P「……てっきり嫌われるものと思いましたが」
留美「嫌われるつもりだったの? ふふっ、いじわるね……さすがは、敏腕プロデューサー」クスッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
ありす「おかえりなさい……なんですかだらしない」
P「……ただいまー」
ありす「顔くらい見せてくださいよ……し、失礼じゃないですかっ。待っていた人間に顔も見せないなんて、人としてどうかと思いますっ」プイッ
P「ご、ごめんなー……せっかく待っててくれたのに」グイッ
ありす「い、今のは言葉の綾で、別にPさんのこと待ってなんて……ひどい顔」
P「ひどくない?」
ありす「す、すみません……だ、だけど、げっそりというか、とても疲れているみたいなので……お、おふろにしますか? おなかが空いているならごはんも……」
P「ごはん」
ありす「ごはんですか?」
P「ありすのつくったごはんを食べて、ありすの沸かしたお風呂に入って、ありすといっしょに眠りたい」
ありす「は……はいっ! もうっ、お仕事中はともかく、家ではあまえんぼうで、私がいないと、全然だめですねっ! えへ……えへへっ」パァァッ
ごそごそ、ごそごそ……
P「ああ……お布団、あたためてくれたんだな……」ギュー
ありす「さ、さ……最近きゅうに、肌寒くなりましたから……Pさんに風邪でも引かれたら、みんな困りますし、その……私も、困りますから……」ギュー
P「……しあわせだなー」ギュー
ありす「えへへ……わたしも、しあわせです……」ギュギュー
P「ごはんもじょうずになったな……おいしかった」ナデナデ
ありす「……っ」ギュッ
ありす(うれしい……うれしい、うれしくて……ないて、しまいそう……っ)ギュー
ありす「わ、わ……わたしが、まちがってたんです……いままでは、レシピ通りやれば、それでいいんだって……おもっていましたけど……っ」グスッ
なでなで、
ありす「ん……っ、レシピだけじゃなくて……たべてくれるひとのっ、Pさんの好みを、しって……じょうずに、なれました……ひくっ、Pさんにおいしいって言ってもらえて、しあわせ、です」ギューッ
P「……しあわせ、かー。しあわせって、なんなんだろうな」
ありす「……しあわせ、ですか?」
P「今日……ちょうどその話になってさー。俺はまだ、今の状態が続けば幸せだなって思うんだけど……それで考え過ぎちゃって、疲れちゃったかな」
ありす「……私も、Pさんと同じです。今のこの状態が……今が、ずっとつづいてほしい……でも」
P「?」
ありす「Pさんはもう少し待てば……待つことが出来るなら、もっと幸せにしてあげます」
P「それは、ありすが?」
ありす「い……いわせないでくださいっ、もう、Pさんはデリカシーにかけます……ふんっ」ギュー
P「……待てないって」
しゅる……っ、
ありす「え、あぁっ、Pさ……んっ」ドキドキ
P「待てないっていったら……どうする?」
ありす「んぁ……ま、またなきゃ、だめです、だめですけど……」…ジュンッ
ぺら……っ、ぐいっ、
ありす「あ、あまえるだけなら、ん、んゅ……ゆるして、あげます……こどもが、お、おとなにあまえるみたいに、なら……ふ、ぁ……っ……ぁ」
Case.9
P「ひとまずお疲れ様です――やっぱり俺が見込んだ通りだ、クラリスさんにお願いして良かった」
クラリス「私こそ、P様に選んでいただけたこと、とても嬉しく思います――少し、ほんの少し、意外にも思いましたけれど」
P「意外、でしたか? まあ確かに、今まではウェディングを祝福する立場にいたのでしょうが――おっと、休憩中に、何か口に入れておきますか?」
クラリス「――あの、ひとつ、確かめさせて頂いても、よろしいでしょうか」
P「――どうしたんですか、改まって」
クラリス「P様――貴方は、とてもお優しい方です。心よりの慈愛に満ち満ちていて、お傍に居るだけで、穏やかさに包まれていく自分が分かります」
P「そんな、大したものでは」
クラリス「だからこそ、不安なのです。P様は私の背景を慮るあまり、私の身に余るような施しを――与えていらっしゃるのではないかと」
P「身に余る……施し?」
クラリス「――ご存知の通り、私は傾きかけている教会の運営を継続させる為、何か手助けが出来ればと思い、アイドルの道を歩ませていただいています」
P「…………」
クラリス「争いは、よしとはしない性分ですが――ことアイドル活動において、それが切っては切れぬ概念であるということもまた、覚悟しております。しかしP様は――」
P「『私に情けをかけて、実力不足にも拘らず、他の娘に与えられるべき仕事を、持って来ているんじゃないか』……ですか? 花嫁のモデルを宛がわれるのが意外だったから?」
クラリス「…………」コクン
P「……はぁ、何を言い出すかと思えば。いいですか、クラリスさん」ポリポリ
P「俺は、この仕事はあなたにしか出来ないと思ったから、あなたにやっていただいているんです。他の誰かにしか出来ない仕事なら、その娘にさせます」
クラリス「――っ」ビクッ
P「あなたが慎み深いのは美徳です。ですが、自分を卑下しないで下さい――ねえ、クラリスさん。今回のお仕事、どうですか?」
クラリス「――とても、とても、幸せです。教会の景色も違って見えて、祝福される側に立って初めて、愛するもの同士の誓いが、如何に尊いか知ることが出来たようで」
P「――その気持ちは、クラリスさんにしか分かりませんし、その気持ちを活かした花嫁のモデルは、クラリスさんにしかできません。違いますか?」
クラリス「は……はい、はいっ」
P「……あ、もう休憩時間終っちゃいますね。じゃあお水だけでも飲んで、もうしばらく、頑張ってきてください――生意気なことを言ってすみません」ペコッ
クラリス「……頑張らせて、いただきます。私にしかできないお仕事を、謹んで――」
クラリス「――P様、私を、導いてください、病める時も、健やかなる、時も」キュッ
●REC
P「…………」グテー
舞「おかえりなさいプロデューサー! カバン持って行きますね、ってあれれ? なんだかとってもお疲れみたいですっ」
P「ただいま……いいや、大丈夫だよ……っと、ありがとう。重くないか?」
舞「だ、だいじょうぶ、ですっ! でも、プロデューサーこそ……もし私でよかったら、お話、してくれませんか?」
P「んー、心配かけてゴメンなー、でも」
舞「でも、じゃないです! プロデューサーに元気が無かったら、私も、元気じゃなくなっちゃいますっ! そんなのダメですっ」グッ
P「…………」
舞「とりあえず、リラックスしてからにしましょう! ね?」ニコッ
P「ん、ああ…………」
ぽちゃん……っ、
P「ふわ、あ……」
舞「ふぁ……きもちいい……プロデューサーのからだ、やっぱり大人で、おっきいです……私のからだ、すっぽり包まれちゃいました」ポワーン
P「そうか……? ふふっ、でも、身体ばっかりだよ」
舞「……今日、どうしたんですか?」チャポンッ
P「……叱るのって難しいなって思って、考えてたんだ」ポチャン…ッ
舞「え? プロデューサーが叱るなんて、珍しいですねっ? 麗奈ちゃん……とは限らないですけどっ、誰かイタズラでも?」
P「いいや、むしろ逆だ。なんて言えばいいんだろう……悪くはないけれど間違っているというか……とてもマジメなんだけれど、そのままじゃいけないって言うか」
舞「むむ……? なんだかとってもむずかしそうですね」
P「ああ、とってもむずかしいんだ……だから、身体の大きさばっかり大人になってもだめなんだよ」
舞「ダメだなんて……そんなこと、ないですよっ、プロデューサーは立派な大人ですっ」パチャンッ
P「でも……誰かを叱るっていうのは勇気がいるよなー、それで自分が、そんなこと言える資格があるのかなって考えたり、もし嫌われたらって考えたら……」ウジウジ
舞「もーっ! プロデューサーこそ、もっと自信を持ってください!」プンプン
P「うん……」
舞「そんなんじゃ私、プロデューサーのこと、き、きらいになっちゃいますよ?」
P「え……っ?」ズキッ
……ぽろっ
舞「ふ、ふーん……え? ぷ、プロデューサー? な、泣いて……」
P「あ、あれ……? も、もーなんだよこれ……ははっ、弱り過ぎだろ……ごめん、すぐ止め……」ポロポロ
舞「プロデューサーっ!」ギューッ
ばしゃんっ!!
舞「ごめんなさい、うそ、うそですからねっ? プロデューサーのことだいすきですから、だいすきです……から、泣かないでっ」ギュッ
P「俺こそ、ごめん……舞にきらいって言われちゃったら、もうぜんぶダメみたいに思っちゃって……なんかこどもみたいで、みっともないな……」グスッ
舞「こ、こども……い、いいこですねー、ぷろでゅーさーはいいこですから、ないちゃだめですよー……みんな、大好きですから、ぜったいきらいになったり、しませんから……」ナデナデ
ぎゅーっ、
舞「ちゃんと叱れる大人なプロデューサーも、やさしくてすてきないいこのぷろでゅーさーも……みーんなが、大好きですから、だから、泣かないで……」ナデナデ
ぎゅーっ、
舞「あ……っ、ふふっ、おたがいぎゅーってしたら、どっちが抱っこしてるか、分かりませんね……はん……ぁ、ん……っ」ナデ、ナ…
Case.10
美優「あ、汗でワンピースが透け……」ムチムチ
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つタオル
美優「あ、雨の滴で、衣装が透け……」スケスケ
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つカーディガン
美優「きゃあっ! 帯が木に引っ掛かってっ?!」クルクル
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つ逆回転
美優「ご、誤解されないようにインタビューに答えないと……こ、『恋する女性の役になる時は、大切な人のことを考』」
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つ『カメラ止めろ』
美優「少し、酔っちゃいました……Pさん、エスコートをお願……」クラクラ
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つ腕
美優「Pさん……か、噛みついちゃい、ます……が、がおー」カチカチ
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つウコン
美優「今日のおみやは……わ、私自身ですー……ちゃんとっ、お、お持ち帰りですよー……?」キャハキャハ
P「美優さぁぁぁぁぁぁん!」つ送迎
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
千枝「おかえりなさい、Pさんっ」ペタペタ
P「おうー……お? お風呂上がりだったのか、タオル一枚で出てきちゃ風邪ひいちゃうぞー……」
千枝「えへ、Pさんに早くあいたくて……ごめんなさい」
P「いや、ありがとうな……さあ、早くパジャマをきなさい。いつもならもう寝る時間だろう?」
千枝「はーいっ」ペタペタ
……くるっ、
千枝「Pさんもお疲れみたいですから……えへへ、はやく、来てくださいね……」
ごそごそ、ごそごそ……
千枝「ふぁ……えへ、Pさん……まってましたぁ……」ポカポカ
P「お待たせ……千枝、ずいぶん熱っぽいな、大丈夫か……?」
千枝「んっ……ら、らいじょーぶです……、Pさんのために、おふとん、あっためていましたから……」テカテカ
P「ありがとう……でも千枝も、風邪ひいちゃだめだぞ……ふぅ」ギュー
千枝「はぁい……P、さん、今日は、いつもよりおしごと、長引いちゃったんですね。もう、疲れちゃいましたか……?」ギュー
P「んー、グラビアにドラマに記念イベント、パーティーまでみっちり詰まっててな……ずっと気を張ってたよ、色んな意味で」
千枝「いろんな、イミ……?」ナデナデ
P「ふぅ……ぁ、んん、お姉さんに、ちょっと油断してるところがあって、フォローしてたんだ」
千枝「……おねえさん」ナデ、
P「どうしてかな、俺が付いていない時は、そんな失敗ほとんどなくなってたみたいだけど」
千枝「どんなことが、あったんですか……?」ナデナデ
P「……たとえば、洋服や衣装が濡れて、透けたり張り付いたりしても、気が付かなかったり……」
ぬぱ……ぁ、
千枝「んっ、この、汗かいちゃったパジャマみたいに、ですか……ぁ」ピト…ッ
P「う、うん……あとは、着物が脱げちゃいそうになったり……」ドキドキ
ぷち……っ、ぷちっ、
千枝「今の千枝のカッコだと……ボタンが、こんなふうに、とれちゃったり……?」ペラァ
P「うん、うん……すぅ、はぁ……あ、あとは、イケないこととか、普段隠してることを、言っちゃいそうになったり……んむっ?!」ムチュッ
むぎゅーっ、
千枝「え、えへへ……じゃあPさんは、そんなおねえさんにずっとドキドキして……ユウワクされちゃってたんですね?」
ぎゅっ、ぎゅ……、
千枝「それって、わるい子ですよね? イケナイことですよね? えへへ、Pさん、大人だと思ってたのになぁ……えへ……っ」ムギュッムギュッ
千枝「そんなわるい子Pさんには……えへへ、千枝が、おしおき、しちゃいますね……しつけちゃいます……はぁ……っ、もう、おねえさんを見ても、ドキドキしなくなるように」シュル…ッ
千枝「だいじょうぶです、ん…っ、から……千枝がいっしょにいてあげますから……Pさんが、ホントの大人になるまで……大人になっても、ずっと……」レロッ
Case.11
――ン、ズッ、ズンッ、ズズッ
恵磨「はっ、はぁっ、は、は――ぁ」ダラダラ
P(くっ、さすがは格上――今のラウンドこそ一位だったが、次も勝てなければ、バトルが決まってしまう……ッ!!)
恵磨「あ、アタシらしくないけど、ちょーっと、きっついかも……ぜーっ、ぜー……」
P(恵磨の体力も限界……しかし、勝たなければ駄目だ……ただ勝つだけじゃない、圧倒的に、恵磨こそがこのバトルを通しての勝者だと、会場全てに知らしめるように……ッ!!)
ズンッ、ズズンッ、ズッ、ズ、ズ――ッ!
P「恵磨――『あのステップ』……キメられるな」
恵磨「はーっ、は……はぁ? あ、『アレ』……って、アレぇ?」
P「ああ、『アレ』だ」
恵磨「あ、『アレ』は……! バトルの序盤でアタシの体力がある時、スタートダッシュ掛ける時って、プロデューサー言ってたっしょ?!」
P「――だが、今は今だ。このラウンドで勝ち、バトルを通して勝つためには、『アレ』しかない」
恵磨「ま――マジかよ……っ!! もつかな、保てるかな……スタミナがさぁ……!!」ブルブル
P「…………」スゥゥ
ズンッ、ズズンッ、ズッ、ズ、ズ――ッ!
P「イェェェイ!! エマッ、sayイェェェェェェイッ!!!!」ビリビリ
恵磨「?!!!」
P「イエエエエエエエエエエエエエエエイッ!!!!!!」ビリビリビリッ!
恵磨「……ハッ、ハハハッ、アハハハハハハ!!! sayイェエエエエエエエエエエエエエエエエエイッ!!」ビリビリビリッ!
P「イエエエエエエエエエエエエエエエイッ!!!!!!」ビリビリビリッ!
恵磨「イエエエエイッ!!!!! sayイェェェェェェェェェェェェェェェイッ!!!」ビリビリビリビリ!!!!!
恵磨「……あー、面白かった!! なんだよプロデューサー、シャウト出来んじゃん!! スーツにネクタイってのがケッサクだけどさぁ!!!」ケラケラ
P「……緊張は取れたか? プレッシャーは、程よくおさまったか?」
恵磨「……! へへっ、敵わないなー、ホント……ひとつだけ教えて……アタシがキメられると思うの、なんで? プロデューサーと……Pとアタシが、マブダチだから? それともオトナのヨユーで賭けてる?」
P「……まさか。友達ってだけでベットできるほど、俺は優しくないし、勇敢でもない。今までの経験と積み重ねを鑑みて、ひとつの可能性が見えただけだ――しかし」
ズン、ズン、ズン、ズン……ッ!!!
P「オトナってやつは、分の悪い賭けが嫌いじゃないんだよ……お前もそうだろう、恵磨……ッ!」ゴゴゴゴゴ
恵磨「へ……っ、カッケーじゃん!! そんだけのオッズがあればジューブンッ!! そいじゃひとつ……限界、超えてくるねッ!!!!!」ダッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
メアリー「アラ、おかえりなさい、ダーリン♪」
P「だ、だだい゛ま゛…………」ボロボロ
メアリー「What? 声がボロボロになっているワ。だいじょうぶ?」
P「ぢょっど、ラ゛イブで、がん゛ばりずぎで……」
メアリー「フーム……わかったわ♪ ダーリン、まずはオンセンに入ってらっしゃい。その間にアタシが、とっておきを用意しておいてあげるから♪」
P「お風呂がぜんぶ温泉って訳じゃないぞ」
メアリー「日本語のレッスンは後にしてちょうだい」
P「……あ゛~~~~っ」ポカポカ
メアリー「ダーリン♪ 準備は出来ているワ、このやわらかカウチへいらっしゃい? 今なら特別に、『ヒザマクラ』してあげるワ♪ ジャパニーズおもてなしって、アリスから習ったの」ポンポン
P「あ゛りがどう……ぞれ゛は?」ドッコイショ
メアリー「フフン♪ バスの後にはフルーツ牛乳がベストだけど……今のダーリンにはこっちネ、ハイ、ホットなハニーミルク!」
P「……んく、ん……」クピ
メアリー「どうかしら? ハニーの甘さが、ノドに染み込んでゆくでしょう? ロンドンでおおきな声を出し続けてたエマにも好評だったワ!」
P「なるほど……ん、ハニー……」コクン
メアリー「フゥン♪ ソレってアタシのことかしら? もう、Pったら、あまえんぼうさんなんだから♪」ナデナデ
P「……おいしー」コクコク
メアリー「よしよし……疲れ切ったダーリンをしっかり慰めるのも、レディのたしなみヨ」
なでなで、なでなで……
メアリー「とってもリラックスしているのネ、Pったら横になって、アタシのひざの上ですっかりとろけちゃってるワ♪」ナデナデ
P「……ふぅ~」グビ
メアリー「……ホントにおいしそうね……アタシの分も作ろうかしら」ナデリナデリ
P「…………」ゴクゴク
ごそごそ、ごそごそ……
メアリー「フゥ……アタシもダーリンも飲み過ぎちゃったみたいネ……おなか、パパまでとはいかないけれど、ポンポンになってるワ、フフッ♪」サスサス
ぺら……っ、
メアリー「キャ……ッ、ダ、ダーリンッ? アタシのパジャマめくっちゃダメ……What? 『ヒザマクラ』の次は、『ムネマクラ』ですって?」
すりすり、すりすり……
メアリー「んもう……♪」
みにゅ……ん♪
メアリー「……ッン、い、いまはちっちゃいけれど……すぐ、ダーリンのそのかわいいカオも、受け止めてあげられるレディに育ってみせるから……いまは、コレでガマンしてネ? んふぁっ、ん……」ニュクニュク
メアリー「そうよ……外ではレディを立てて、んっ、ホームでふたりきりになったら……Pのわがまま、ぜーんぶ受け止めちゃうワ……んひゃっ、はぅ、あ……ッ」
Case.12
清良「うふふ……隙あり♪」グイッ
P「なん、だと……ッ?! い、いつのまに――いつのまに俺を後ろ手に縛ったんですか?!」ガビーン
清良「たった今ですよ♪」
P「ぐ……、湿布を張ってもらうため、全幅の信頼をおいて油断しているところを狙うなんて……おのれ!」
清良「もう、ほんのイタズラですから、あんまり怒らないでくださいね?」
P「……はぁ、いえ、俺も乗っかってみただけなので、怒ってはいませんよ。ただ……」
清良「……ただ?」
P「……久しぶりだなーって、清良さんのイタズラ。ここしばらくは、むしろ取り締まる側だったような気がするんですが」
清良「…………プロデューサーが」キュッ
P「え……?」
清良「プロデューサーが……悪いんですよ? 貴方が……私の胸を、苦しくさせるから」ドキドキ
P「い、いえ、そんなつもりは……」ドキドキ
むぎゅーっ
清良「だから……私、決めたんです。プロデューサーを、堕としちゃおうって……はぁ……っ、あつい……っ、です……っ、プロデューサー、貴方と、いつまでも……」シュルッ
P「~~~~~~~~ッ!!!!」
清良「……なーんて言ったら、どうします?」ニコッ
P「」
清良「うふふふ♪」ニコニコ
P「だ、だましたなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
清良「うふふふふふふふ♪」ピューッ
P「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
P「…………」
P「……ふぅ、こんなところですか? 清良さん」ヤレヤレ
清良「はい、期待通りの反応、ありがとうございます♪ あ、でも……」
P「?」
清良「……仕返しなら、いつでもどうぞ? 油断して――待っていますから」
―――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「…………」グテー
千佳「Pくんおかえりーっ!! おつかれさまーっ!!」トテテテ
P「お、おう……ただいま……」シクシク
千佳「! ど、どうしたのPくん! ものすごーく疲れ切ったカオしてるっ!」
P「そ、そうかな……はは、はは……」シクシク
千佳「な、泣いちゃダメっ!」ギュー
ふにゅん♪
千佳「えと……ピカピカ―ン! Pくんの疲れよ、ふきとべ~」ムギュー
ふにゅーん♪
千佳「よーし、もうこれでだいじょうぶっ! Pくんの疲れは、ぜーんぶチカがふきとばしちゃったから!」ナデナデ
P「……心配してくれて、ありがとうな」
千佳「あとは……今日何があったか、チカに話してみて? Pくんをイジめるなんて、ぜーったい許さないんだから!!」
ごそごそ、ごそごそ……
千佳「よしよし、つらかったね……Pくん、オトナのじゅんじょー? をもてあそばれちゃった? んだね。チカの胸の中で安心していいよ……」ナデナデ
P「……はぁ」スンスン
千佳「意外とPくん、泣き虫なんだねー、チカ知らなかったよ」ナデナデ
P「ひぐっ」ダラダラ
千佳「ああっ、ごめんごめん!! はいいいこだよー、Pくん、だから泣かないでー……ええと」ナデナデ
ふにょん♪
千佳「ん……っ、こ、今度からちゃんと、Pくんを守ってあげるから……ところでPくんは、どんなことされちゃったのかなー……?」
P「ど、どんなことって?」
千佳「うん、Pくんを守るために……イタズラっこのやり方を、勉強しておかないと!」
P「……背中からぎゅーって抱き付かれて、俺が慌てちゃうのを、くすくす笑ってたんだよ……」
千佳「ん……それって、チカがイタズラっこだとすると……んしょ、こんなカンジ?」ムギュー
P「……うん」ゴソゴソ
ふにょん……ふにゅっ♪ すりすり……
千佳「ひゃふ……っ! んっ、ん……そ、それで……ぇ?」ピクンッ
P「……それで、捕まえようとしたら、ぴゅーって逃げちゃったんだ」
千佳「そ、そうなの……じゃあ、Pくん……つかまえようと、してみて?」ドキドキ
……むにっ、
千佳「はぁ……ん! えへ、えへへ……つかまっちゃったわ……Pくんじょーず」ドキドキ
ぎゅー、
千佳「んぁ……はぁー……チカ、魔法、封じられちゃった……ぁ、どうしよう、かな……? チカ、どうされちゃうのかな?」ドキドキ
千佳「……いいよ、Pくんがおこってるの、ぜーんぶチカが受け止めてあげるから……思い切りチカに甘えて……したいこと、シて、いいよ……? ん、あ……っ」シュルッ
Case.13
ちひろ「プロデューサーさんって、人によって全然接し方が違いますよね」
P「ん? ああ、俺の態度のことですか? まあ、全く同じって人はあんまりいないんじゃないですかね」
ちひろ「やっぱり大人の女性相手だと、気を遣うものですか?」
P「最低限はもちろん……あとは、個々人で気持ちのいい距離感を探っていくってところですね」
ちひろ「同じ20歳位でも、人によっては感じ方が違いますものね」
P「ええ。お互いを尊重し合う関係ならそれなりの距離感を意識しますけど、ざっくばらんな付き合い方の方が好みの様でしたらそのようには」
ちひろ「――私に丁寧語なのも、そういう意味ですか?」
P「まあ――そうですね」
ちひろ「じゃあ……P、P、くん?」ドキドキ
P「?!」
ちひろ「ど、どうかな、今度からもっと私を、近くに感じてもらえましたら――もらえたら、嬉しいんだけど」ドキドキ
P「……へぇ」スクッ
ドン、
ちひろ「きゃ――っ」ドキッ
ちひろ(壁ドン――まさか実在するとは……っ?!)
P「――ちひろ」
ちひろ「え、あ、きゃ―――んむ……っ」
ちゅろ……っ、
ちひろ「あ、ん――んはっ、あっ、んむっ、あぁ……!」
ちゅぱっ、れろちゅっ、んちゅっ、んれろ……ぉ、ちゅ……ぅ、ぱっ、
ちひろ「――――んはっ、はー、はー、はー、あ……っ」ポー
P「――ちひろさんとはもう長い付き合いですし、今の俺なら、これくらい、許されますか?」ニコッ
ちひろ「……と、トバシすぎですっ、もう……や、やっぱりまだ、ダメですっ、だめ……あっ、だめ……ん……ぁ」ドサッ
――――――――――――――――――――――――――――――
●REC
P「……ただいまー」
仁奈「おー……? よーやくかえりやがったですかー……」ペタペタ
P「仁奈? まだ起きてたのか。眠くないのか?」
仁奈「ねみーですけど……ふぁぁー……Pが帰ってきやがるときに、おかえりって言ってやりたかったでごぜーます……」
P「ごめんなー、遅くなっちゃって……ありがとう、嬉しいよ」ナデナデ
仁奈「ふにゅにゅ……」ゴシゴシ
ぱちくりっ!
仁奈「よーし、仁奈かんぜんふっかつでごぜーます! さあP、いっしょにおふろ入ってごはん食べて寝やがるです!」
P「……よーし、じゃあすぐに沸かして、ごはん作るからなー」
ちゃぽん……
仁奈「ふぁぁ……あったけーです……P、今日のおしごとはどーでやがりましたか?」ジャブジャブ
P「ふぁぁ……今日か―、今日は――ずっと事務所にこもりっきりで、書類を片付けてたなー」
仁奈「しょるい、でやがりますかー?」ザプザプ
P「さんすうのドリルみたいなもんだよ」
仁奈「う……じゃあPは、ずっとドリルをがんばってやがったんですね?」
もぐもぐ……
仁奈「ふごふご……ごくんっ! ずっとドリルじゃ、退屈でやがったんじゃねーですか?」モグモグ
P「んん……ちひろさんと一緒にやってたから、それほど退屈はしなかったよ。その分帰るのが遅れちゃったけど……ごめんなー」モグモグ
仁奈「へーきでごぜーます! もぐもぐ……仁奈は、Pが退屈しないで、みんなのためにお仕事してくれるのが、なによりでごぜーます! 楽しいのがいちばんでやがりますからね!」
P「……そう言ってくれると、頑張ったかいがあるよ。ありがとな」
仁奈「Pはがんばりやさんでやがりますねー」ナデナデ
ごそごそ……
P「ふぁぁ……でも疲れたなー、仁奈も眠いだろう?」ギュー
仁奈「ねみーでごぜーます……Pにだっこしてもらうと、もっとねみーです……あったかくて、あんしんして……Pも、いっしょでやがりますか……?」ギュー
P「ああ……」ギュー
仁奈「そーでやがりますか……」ギュー
仁奈「よかった……」ニコッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
ちひろ「いいえ、違うんです、確かに彼、小学生に対してちょっと甘えてるところがあるかなとは思います」
ちひろ「でもそれは、普段大人の女性にいつも気を遣っている裏返しだと思うんです」
ちひろ「子供相手だと気を遣わなくていいから、ありのままの自分をさらけ出してしまって――少し弱いところも見せてしまう」
ちひろ「そしてみんないいこだから、Pさんの疲れた心を自然と癒すことが出来る――そしてまた夜が明ければ、Pさんは立派な大人として出勤できるの」
ちひろ「そういう意味では、あなたたちティーンの女の子たちも、一人前の女性として扱われているということを、誇ってもいいのではないかしら?」
ちひろ「だから、その録画映像をもってPさんをゆすっても仕方がないことですよ。ええ、小学生の女の子に交代で通い妻をさせているなんて、きっと何かの間違い」
ちひろ「何度も言っているでしょう」
ちひろ(籠絡済)「Pさんは人によって態度が違います。ただそれだけです」
これでおしまいです
よんで下さった方、本当にありがとうございました。
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