【安価】探偵剣士「一目惚れをしたら冒険が始まった」 (495)

登場人物の名前やら、細かな設定やらを安価で決めながら書いていきます

かなり細かく決めるので最初のうちはテンポが悪いかもしれません

エログロは基本禁止、書かれても容赦なく安価下もしくは最安価します

よろしくお願いします

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492478597

晴天の霹靂、突然刺されたような衝撃、夢かとばかり…

この状況を表す言葉は探そうと思えば無数に見つかるかもしれない

とにかく僕は生まれてこのかた味わったことのないほどの動揺に襲われていた

奇跡を感じるほどに似合うドレス、薄暗い場所なのにたなびく髪はまるで煌めいているかのよう、
今、目の前の階段を駆け下りてくる美しい少女にこの僕が…

ーーこんなにも魅了されていたーー

~時はさかのぼり~

ニャー!!フニャー!!

探偵「こらこら逃げない、飼い主がどれだけキミのことを心配したのか、考えてもみたまえ!」

その日、僕は少し大きめの猫を腕にがっしりと抱いていた
隙あらば逃げ出そうとするこの猫を飼い主に届けること
それが依頼だった
僕が人の頼みで、人探し、動物探し、物探しをするのは珍しいことじゃないーーなぜなら僕は探偵だからだ





夫人「まあ、本当に見つけて下さったの!?」

探偵「ええ、このくらいの事でしたらこの僕--…


主人公の名前↓1~3より選抜
一応夫人の名前↓4~6

ロック

主人公の名前は↓1~3まで選抜、カタカナでファーストネーム、ラストネームまでお願いします

↓4に夫人の名前(これは適当でもいいです)

あ、>>4も選抜対象にします
>>5とこのレスは安価下

>>4だけどフルネームでなら
ロック・シャルロット
に変えますね

探偵「ええ、このくらいの事でしたら僕--ロットン・グラスバレーの手にかかれば他愛もありません」

タニア夫人「まあ!」

ニャーゴ!!
ロットン「こ、こら逃げようとしない!」

名乗る時に、ほんの少しだけ大きな声を出したせいか、猫が暴れ出す

タニア夫人「お礼をしなくてはなりませんね、少々お待ちになって?」

ロットン「あ!いえ結構ですよ。私事のついででしたから」

僕はこの町の住人ではない
もっというと、この一向に僕に懐く気配のない猫を探すためにこの町にやってきたわけではない

>>11
こちらの不手際でお手数かけて申し訳ないです

タニア夫人「しかし、はるばる北からいらしたというのに…」

ロットン「では、少し情報をくださいませんか?この辺りで変わった事などあれば教えて欲しいのです」

猫を手渡しながらそう言った

迷い猫が思った以上に簡単に見つかったため報酬を貰う気はなかった
こういう時はだいたいこの質問をして、依頼主から周りに特に異常はない旨を聞いた末に、その場を後にする
そんな流れが決まっていたーーのだが

タニア夫人「変わったこと……」

ロットン(あれ?)

ところが今回はそうはいかなかった
タニア夫人は明らかに思い当たる節がある顔をしていたからだ

ロットン(なるほど、これは帰れなくなりそうだね)

ロットン「なにかあるのですか?」

タニア夫人「え、ええ。でも、外からのお客様にお話するような内容では…」

ロットン「いえ、ぜひ話を聞かせてはもらえませんか?」

タニア夫人「分かりました--しかし、話すなら私よりも相応しい方がいるわ。少々お待ちになってくださいまし」

ロットン「もちろんです」


そういうわけで、タニア夫人の家でしばらく待たせてもらう事になり
そう時間のかからないうちにある人物がやってきた

↓1誰?どんな人物?名前も

※基本的に名前もお願いします。主要人物以外の名前は適当で構いません。モブレベルのキャラにすら名前をつけていきますが、その都度こっちで記録していくので、どっかでまた再登場するかもしれません

「失礼致します」

入ってきたのは僕よりは年上、しかしまだ若いと言える女性だった
ちなみに僕は17歳だ

ロットン「こんにちはーー彼女は?」

タニア夫人「私の執事よ」

ロットン「執事の方ですか」

メイドなら何人も見たことがあるものの
女性の執事に会うのは初めてだった
女性の執事がいないわけではないと知ってはいるが、実際に見てすぐにピンとくるほどでもない

フランソワーズ「以後お見知りおきを」

きっちりとしたタキシードを着こなしているその人の佇まいからは、只者ではないということが伝わってくる

改めて周りを見回すと、やはりかなり立派な部屋だ
これだけ腕の立ちそうな執事が付いているところを見ても
成り行きで猫探しを依頼してきた夫人はそれなりに富豪と言えるだろう

……報酬をまともに貰おうとしていたら何が出てきていたのだろうか

ロットン「それで本題の方ですが」

タニア夫人「フラン、話してくれるかしら?」

タニア夫人は返答の代わりに一度頷くと、執事に促した

フランソワーズ「かしこまりました。僭越ながらこの街の皆様から相談を受けることが多々ありまして」

ロットン(うん、そんな感じはする)

フランソワーズ「その中でも最近よく耳にする噂がございます」

ロットン「なるほど」

フランソワーズ「この街のはずれに、放置されている屋敷があるのですが…」


ちなみにこの街の名前↓1
その屋敷で何が起こっているとされている?↓2

フランソワーズ「若い女性達が誘拐され囚われていると…」

ロットン「……」

ロットン(思ってたより大変な内容だった)

ロットン「そ、それは僕よりも、このスタット街の騎士にでも動いてもらった方がいいんじゃ…」

フランソワーズ「ええ、それが実はもう騎士の調査隊が一度見に行ったそうなのですが、特に異常はないとのことで…」

ロットン「異常はない…」

フランソワーズ「それに実際にこの街の若い女性で失踪したものは特にいないのですが…何しろ街の外れ、それも放置されている廃屋敷、そこへ通づる道付近で怪しい人物の目撃もいくつかあったそうなのです」

騎士達が本当に仕事を果たしたかどうか…は置いておくとして
外れとはいえ、街の中。異常が本当にあるならば、噂程度に収まっているというのはおかしい
しかし、放って置いても問題ないと思うには早計だ

ロットン「おそらく、若い女性達が囚われているというのは、噂が広まるに連れてある事ない事で情報が膨らんでしまったに過ぎないでしょう」

フランソワーズ「……」

フランソワーズはその顔に少し落胆の表情を浮かべた
このまま話を終わらせられてしまうとでも考えたのだろうか
騎士達にも『異常はない』という言葉でうやむやにされてしまっただけなのかもしれない

ロットン「しかし、だからと言って何もないとは言い切れません」

フランソワーズ「ええ!私もそう考えています!!」

今度は露骨に明るい顔をした

ロットン(この人意外と表情にでるな…)

フランソワーズ「コホン…失礼。ですから私も一度見に行こうと思ったのですが、私はタニア様から離れるわけにはいきませんので」

タニア夫人「フランは心配性すぎるのよ、気にせず行ってくればいいのに…」

フランソワーズ「そうはいきません。攫われているのが女性かもしれない以上、あなた様の身にもなにが起こるかわかりません」

タニア夫人「狙われているには『若い』女性でしょう?あなたはともかく、私のようなおばさんは大丈夫よ」

フランソワーズ「しかし…!」

なんとなくこの二人が普段どんな感じなのかが分かってきた
このまま見ているのも面白そうだと思ったが




ロットン「若干専門外な気もしなくはないですが--よければ僕の方で調べてみます」

タニア夫人「あら本当に?なんだか押し付けるような形になってしまって申し訳ないわ」

ロットン「これも仕事ですから。それに僕はやりたくない事はやらない主義です。この件は僕としても興味深い」

タニア夫人「でも今日はもう夜も遅いわ。もしよかったら、朝まで休んで行かれては?」

ロットン「いえ、すぐに発ちます。夜は夜で都合がいい事も多いので」

タニア夫人「そう…?でも一人だとーーあら!そうだロットンさん、だったらこのフランを連れていくといいわ」

フランソワーズ「タニア様!?」

ロットン「ありがたい申し出ですが、それについても、問題ありません。僕にも相棒がいますし、それにもしもの時の心得もあります」

ロットン(正直フランソワーズさんが来たら100人力な気はするけれど)

どうやらこの人、タキシードの裏にいくつかナイフを仕込んでいる
多分この人は強い人だ

そういうやり取りをした後、いよいよお暇しようと玄関までやって来た

フランソワーズ「ロットン様、最近王国の方から良くない者達が紛れ込んでいるとも聞きます。くれぐれもご注意を」

ロット「はい、肝に命じます。それと僕の事は『ロット』と呼んでください。その方が呼びやすいですから」

フランソワーズ「かしこまりました」

タニア夫人「またいつでもお越しになって?歓迎します」

ロット「ええ、機会があればぜひ」

ニャーゴニャーゴ!!

猫はタニア夫人の腕のなかでも暴れている
夫人はもう慣れているのか物ともしていないが

ロット(に、人間嫌いなんじゃないかなぁ…)

ロット「フランソワーズさん…」

フラン「私の事もフランとお呼びください。同じくその方が呼びやすいでしょう」

ロット「ではフランさん。待ち時間中に出てきた紅茶はとても美味しかったです。ごちそうさま」

フラン「それは良かった、恐縮です」

ロット「では、失礼します」

そう言って僕は、立派な玄関から外に出た





タニア「あれ?私、彼に紅茶を淹れたのがフランだって言ってないわよ?使用人は他にもいるのに…」

フラン「作用ですか?私が淹れたものだと完全に分かっていたご様子でしたが…なぜ?」

また後で書いていきます

あ、では次書くまでに思いついた世界やキャラ設定があれば教えてください
大まかには考えてますが、取り入れるかもしれません
小さなことでもいいです

ありがとう
じゃあ質問。世界観、という事だけど、>>1的には大まかにどんな感じのものを考えてる?
時代背景(中世風、あるいは現代風みたいな)が知りたい
あと魔法の存在はあり?それとも我々の世界のように科学オンリー?
変なのを出すわけにもいかないので、一応聞いておきたい

>>29
魔法あり科学もあり
今の所全くそんな要素ありませんがファンタジーです
魔物とかいます

どちらかというと中世風です

ならちょっと
『怪奇』…なにかの現象の一種。オカルト染みたもので基本的に誰も相手しなく騎士団に話したら笑われるだけ
ただし、それは存在し、いつかどこかで人々が巻き込まれているらしい
『職業』…この世界では現実より大事なものできちんとした職業センターに申請しなければならない。
自称=ニートできちんとセンターで申請して、試験を受けて…という手順を踏まなければ職業餅として認められない
基本的に1人に一つの職業だが、主人公のように複数の職業を持っているものは珍しくない(ただし、持ちすぎると器用貧乏とみられてしまうこともある)
『探偵』…職業の一つ。この世界では「探偵役所」という機関があり、そこで色んな探偵の種類などを分けている
例えば、武道派や完全頭脳派や能力系など色んな探偵に分けられており、そこで管理や統一されている(組織的なものではなく、交流場所が正しい)
探偵になったものは証明書としてカードが渡されるが、再発行には金と時間が掛かるため注意。
カードには名前と写真(時代背景に合わないなら絵)と分類や得意分類とランク(F~S)が書いてある


とりあえず考えて見た。考えるかも

名前 ヒュード・スクヤード

容姿 金髪の短髪(前髪一本垂れている)。顔は三枚目と言った所。
ラフそうな服装にほぼいつも加えているタバコがトレードマーク
軽そうな雰囲気だが、体格はがっちりしている。

備考 雑貨屋…とは言うが、武器、情報、日常用品など色んなものを扱っている(個人的な情報ネットワークやらがあるらしい)
元々は傭兵だったが、怪我をして退役している(だが、日常生活に影響はなく、たまに古傷が痛む程度)
一見軽そうな奴だが、仕事には誇りを持っているらしくいい加減なものや値段でけして売ったりしない。
店は『信頼が第一』の言葉が飾られている
ロットンとは昔から知り合いで彼の面倒見の良さから色々面倒を見てやったらしい(あくまでヒュード談)
好きなものはタバコ(ヘビースモーカー)と美人で胸が大きい女性


設定とか>>1によっていくつか消してもいい

それっぽい用語集

『魔物』…世界に存在する普通の動物とは違う異形の生物。いつから存在して、何処から来たのかは詳しいことは不明
種類は動物型、植物型、岩石型、機械型……etcといろんなタイプの種類があり、日々増えているという。
また生態系も様々。雑食もいれば全く食べない魔物もいる
食事のために生物を襲うこともあれば、襲うことが存在理由の魔物も存在する(全く無害なものも)
知能は基本的に低く、人とコミニケーションが取れないものばかり(取れても交友ができるとは限らない)
基本的には食料として持ちられないが、場所や生物によっては魔物を食料として食べるところもある
またペットとして買われたり、商売道具として捕まえられたり、裏の闘技場で使われたりする
(だが、基本的に魔物は恐れられているものなのでそういうことは好きくない)
そんな魔物を狩るための専用の職業が「魔物ハンター」であり、また魔物を使役する「魔物使い」なども存在する

『魔法』…人間が魔物と対抗するために作られた力の一つ。その歴史は何百年も前に遡る。
人間の体内にある魔翌力(これは誰の中にも存在する)を使い、それを具現化して外に出すのが魔法である。
誰の中にもあるからと言って、簡単に使えると限らない(生まれてすぐに使える天才も存在する)
使えるようにするには一般的に2つ。1つは厳しい修行を続けてコツコツとあげること。
2つは魔翌力を操れるものに魔翌力を注入してもらい無理やり眠っている魔翌力を引き出す。
2つ目はすぐに魔翌力を使えるようになるが高い可能性で死亡する可能性があるためお勧めはできない。
魔法の種類は基本は4属性「火」「水」「土」「風」であり、魔翌力を使えるようになったものはどれかを習得するのが普通である
ただし、これ以外の魔法は数多に存在し、↑の4属性を使えない特殊なものもいるいう
魔法の種類は魔物と同じくらいに日々増えており、図書館にある「魔法全書」など毎年書き換えられるほどである。
また古い魔法使いが書き残し本自体に魔翌力が残っている「魔導書」が存在するが、未だ誰も見たことがない

『魔翌力』…人間もとい生物に体内に存在する力。生命エネルギーの一種とも言われている。
魔法は魔翌力を変換して発動する。表に出せなくても生物なら誰にも持っているもの(持っていないものは特殊中の特殊)
魔翌力は魔法という形にしなくてもオーラのような不明慮の形で外に出すことができる
オーラは肉体や物の強化、回復として使うことができるが普通に強化魔法や回復魔法に使った方が効果が強かったりする
(ただし、オーラだとコストが魔法で使うよりいいらしく完全にどっちがいいとも言えない。強化法などが苦手な人はこっちの方が使えたりする)
生物の誰にも使えるので魔物も使えるはずだが……未だその例を見たものはいない
近年、魔翌力を使った装置や魔翌力を使うこと使える武器などを考案されているが……実用化には至っていないようだ。


なんか考えすぎてこんな長い文章に……
>>1さん、採用は本当に好きにしてください。深夜ノリで筆が進んだだけですから!

名前:アリア・クライシス

容姿:赤毛のポニーテールで赤目。手に黒い手袋をしている(これは手に傷や汚れをつけないため)
動きやすい格好をしていて、見た目は子供ぽい。ちなみに巨乳

備考:いつも元気で明るく天真爛漫な少女。小さいことはあまり気にせず、考えるよりも先に体が動くタイプ
職業は冒険家で色んな功績を残している。冒険の「ワクワク感」が楽しくって好きらしい。じっとしているのが好きではない。
武器はドリルやらハンマーやらつるはしなど壁などや者を破壊するものを使うが、素手でも十分強い。
基本的に異性相手が一緒でもスカートをパタパタしても平気など無防備ところがあるが、あまり女の子扱いされたことがなかったのかそういう扱いされるとドギマギしてしまうなど乙女心はあるようだ


ロットンの幼馴染のイメージで作ってみた。別に幼馴染どうか他人かは>>1次第ですが……

さてと…このあたりに…

ロット「おっと、悪いね遅くなったよ」

そこには僕の相棒を待たせていた

↓1~3選抜、どんな相棒?(人間ではなく割とちっちゃい生き物)

トリップ打ち間違えましたけど本人です
とりあえずタイトルと関係したトリップに設定してるため、そのうちまた変わるかもしれません

しゃべる剣(ファンタジーにありそうなやつ)

ごめん。きちんと読んでいなかった>>50はハムスターに変更で

じゃあしゃべる猫で

↓1~3 名前

キリュウ

ロット(さてと…このあたりに…)

ロット「おっと、悪いね遅くなったよキリュウ」

キリュウ「ほんとだヨ、まったくだヨ!どれだけ待たせりゃ気が済むんだヨ」


グレー色でさっきの迷い猫に比べるとだいぶ小さい猫が僕を待っていた


ロット「元はと言えば、キミがあの迷い猫と打ち解けられなかったのが原因じゃないか」

キリュウ「冗談じゃないヨ!この高尚なるワレ様がそんじょそこらの猫と仲良しこよしなんてできるわけないヨ」

ロット「確かにまあ僕が猫だとしたら、人間の言葉でしゃべる猫とは仲良くなれる気はしないね…」

キリュウ「な!ワレ様が悪いって思ってるのかヨ!」

ロット「さぁね」


この妙に饒舌にしゃべる猫こそが、残念ながら僕と行動を共にする相棒と言えるポジション、キリュウだ
タニア夫人に相棒がいるなんてタンカを切ってしまったけれど、状況的に言えば、単独行動と大差ない

キリュウ「さぁとはなんだヨ、さぁとは!」

長い間待たせていたせいか、いつもより一層機嫌が悪いみたいだ

プライドが無駄に高く、他の猫と差別化を図るためなのか、語尾に「ニャー」とかつけたりしない
代わりに「ヨ」と言うために、本人曰くそれなりに訓練したらしいが…

キリュウ「ガミガミガミ・・・!!」

ロット(しゃべる時点で差別化には大成功してるんだけどねぇ)

ロット「さ、無駄話はこのくらいにして行くよキリュウ」

キリュウ「分かってるヨ、お腹空いたヨ、今日止まる宿はそれなりのグレードの…」

ロット「考えとくよ、この後もそれなりに骨が折れそうだしね」


僕は町の地図を見ながらそう言った
フランさんが言っていた町はずれの屋敷というのは思っていたよりも遠そうだ

キリュウ「何が折れるって?――まさか、宿に行くんじゃないのかヨ!?」

ロット「うん、これから仕事さ」

キリュウ「シ~ゴ~トォ~?」

ロット「なんだ、気が乗らないのかい?嫌なら、先に宿だけ取ってキミを置いて行こうか?」

キリュウ「いつもいつも勝手に決めるなって言ってんだヨ!ワレ様が付いてないでロト坊に何ができるんだヨ」

ロット「いや、割と色々できるけど」

キリュウ「……」


キリュウは少し黙ると何も言わずに僕の肩に飛び乗ってくる

キリュウ「一緒に行ってやるって言ってんだヨ」

ロット「だったら最初からそう言えばいいじゃないか」

キリュウ「探偵ならそれぐらい察しろヨ」

ロット「めんどくさいなもう」

こんなやり取りは日常茶飯事だ
僕意外にこの生意気な猫とうまく付き合っていける人はそうはいないと自負できる

※しばらく考えてみましたが国の名前も安価を決めます

↓1~4までで2つ選抜(カタカナ)

僕たちは街灯が綺麗な街中を進んでいく…

やはり時間がかかりそうだ
この世界の情勢のついてでも整理してみようか

この世界は僕の居る「アルスタリス帝国」、そして「エルマゲド王国」のおおきな二つに分かれている
二つの国は人の行き来はあるものの、手を取りあっているわけではない
貿易、経済連携、その他あらゆる政治的協力は一切なく、かといっていがみ合っているわけでもない
二国はお互いにほぼ不干渉という形で平静を保っていた

だが――最近になって王国に変化が訪れた
何が原因かはわからないが、王国で環境問題、経済難、悪いことが起こるようになった
魔物も増えたという

これを受けて、王国の王が互いの沈黙を破り帝国に協力を申し出た
ところがこちらの皇帝はそれを無慈悲に却下、相変わらず王国に対し「何もしない」という方針を貫いている

王国の協力の意思は皮肉にも、互いの関係に亀裂を入れることにつながってしまったのだ

フランさんが王国から良くない連中が紛れ込んでいると言う噂について言っていたが――多分事実だろう
苦渋の決断による協力の申し出を跳ね除けられた王が、どんな思いでどんな奴らを送り込んでくるかは想像に難くない
実際に国境の検問所のいくつかで襲撃事件もあったそうだ

治安は徐々に悪くなってくる
そもそも僕が遠くの町からこの大きなスタット街にやってきたのだって、何かの仕事に役立つだろうと、その手の情報を得たかったからだ

ロット(もうこのままいけば、戦争でも起こるんじゃないんかな…)


ロット「……」

キリュウ「ロト坊?」

ロット「……」

キリュウ「ロト坊!!」

ロット「……」

キリュウ「ロットン・グラスバレエエエ!!!」

ロット「うわっ!!――やめたまえ、耳元でうるさいな」

キリュウ「なんど呼んでも反応しないからだヨ!なに考えてるんだヨ!?」

ロット「…この先の未来の事とか?」

キリュウ「そんなつまんないこと考えるより道を見ろヨ…こっちだヨ?」


キリュウは尻尾を進行するべき方向に向けた
申し訳程度にしか整備されていない森の道だ

ロット「これ、本当に街の中なのかい?」

キリュウ「先が思いやられるヨ…」

ロット「ま、立ち止まっても仕方ない。行こうか」



???「そなた」

ロット「はい?」

誰かに呼び止められる
比較的高い女性の声のほうへ振り向くと相手はこっちを見ずに続けた

???「その先に行くのかえ?」

ロット「え、ええ…それがなにか?」

???「ならば用心することじゃな、人生を変えるほどの大きな転機がそなたに起こるかもしれん」

ロット「はぁ…」

女性はそう告げると去っていった



ロット「・・・?何者?」

キリュウ「さっきすれ違ったんだヨ。――考えことをしたら周りが見えなくなる癖、いい加減治せヨ…」

ロット「性分だからね。それにしても転機って…」

キリュウ「人生を変えるって言うくらいだから、ひょっとしたら探偵を止めることになるかもしれないヨ?」

ロット「まさかぁ」


そのまま迷わずその道を進んでいった

ガサガサ……
所々に何かの影が見える

ロット(ここって、まだスタット街の中…のはずだよね?)

小さな声で肩の上に話しかける

キリュウ(そうだヨ)

察してくれているのか、小さな声で返答が帰ってくる

ロット(じゃあなんで--魔物がいるんだい?)

キリュウ(知らないヨ、どうするんだヨ?)

ロット(まあ幸いにも見つかっていないみたいだから、このまま屋敷に向かおう。無駄な戦いは避けるべきだ)

キリュウ(帰りも大変そうだヨ…)


騎士が調査をしたという情報がいよいよ怪しくなってきた
これだけいるんだから騒ぎが起こってもおかしくないだろう
さっきの人が言っていたのはこういうことか?
いや、でも転機とは程遠いような…

~屋敷~

コソコソと進み続けてやっとのところで目的地に辿り着いた
日は完全に落ち、当然街中とは違い街灯もない
一応街の中なのだが

肝心の屋敷の第一印象は…

ロット「でかっ」

キリュウ「なんでこんな立派なもん放置してるんだヨ」

これは屋敷というより豪邸ではないだろうか?
表札にも名が掘ってあるので間違いなく誰かが住んでいいたのだろうが

ロット(なぜこんな寂れた場所に…)

キリュウ「入るのかヨ?」

ロット「入るよそりゃ、これは街の誰もが気になってはいたけど恐れ多くて実際に調べる人はいなかったパターンだ」

キリュウ「えぇ…」


ガチャ…キィィ…

ロット「こう、ドアがあっさり開いてしまうのもどうなんだろうね」

中は真っ暗だった
それでいてホコリっぽく、歩くと床が軋む音がする

少し床に手を触れてみる

ロット「長年放置されているのは本当みたいだね」

ロット「どうするか…これだけ広いと探索するにも時間がかかりそうだけど」

ここに入ってから全く口を開かなかったキリュウが突然肩から飛び降りた

キリュウ「手分けするヨ」

ロット「え?手分けするのかい?」

キリュウ「ワレ様は早くここを片付けて、宿に行ってロイヤル猫缶と暖かいスープを飲んでふかふかのベッドの中で寝たいんだヨ!お腹すいたって言ったじゃないかヨ」

生意気な相棒はこの後の勝手な予定を奥へズカズカと進んで行った

ロット「ロイヤル猫缶ねぇ…」

ロット(それにしても珍しいな、奴は単独行動を嫌がるのに)

ロット(あ、しまった…)

キリュウを行かせてしまったのは失敗だった
こう部屋が暗いと暗視のきく猫の目はかなり頼りになったはずだ

ロット(はぁ、仕方ないか)

僕はかばんからマッチを取り出すと火をつけた
何がいるかわかったものじゃないから光を出すのはあまり良いとは言えないけれど、前を見ることすらままならないんじゃ仕方ない


そのままキリュウの行った方向とは別の方向へ軋む床を歩き続け、部屋もいくつか調べたが人気も目ぼしい物もない
単にしばらく放置されていた屋敷という印象しか持てなかった

キリュウ「「ギニャアアアアアアアア!!!」」


そんな叫び声が聞こえてくるまでは

ロット(久しぶりに聞いたなぁ)

キリュウが猫みたいに鳴くことは基本的にないが
とてつもなく怖い思いや、嫌な思いをした時はボロが出る
つまりは何かあったのだ

ロット(やっぱり何かあるなこの屋敷)

僕は全く慌てはしなかった
まあ、キリュウのことだからどうせなんとかしている
そのうちひょっこり戻って来るだろう

そしてしばらくして

~???~

広間に出た

ロット(ここが、一番奥かな……うわぁ…)

この屋敷はとても立派だ、だがどこに行っても劣化が激しく所々ボロボロ
しかしこの広間だけは違った

基本的には他の部屋と等しく見すぼらしい
だが2階に続く豪華な階段と、その奥を飾るステンドグラスは月の光を通して部屋を虹色で照らしている

自分はここにいて良いのだろうかと場違い感すら感じるほどだ


ロット(立派なものだなぁ…ほんとここの所有者は何をしているんだろうか?流石に放っておくには勿体無いと思うがね)

しかしだ、いくら立派だからといってそれだけである
怪しいところがないわけではないが、はっきりとした異常は依然として見つからなそうだ

いい加減キリュウの様子を見に引き返そうとしたところ



ーーある足音が聞こえた

コツンコツン…とヒールと床の音

ロット(ん?)

ーー振り向いてしまった

???「は…」

ロット「な…」

ーー見てしまった

ちょうどステンドグラスの付近
僕と同じくらいの少女が立っていた

ーー目があってしまった


「麗しい」
今までかつて人に対して感じたことのない感想が浮かぶ
雷が落ちたようだった
いやむしろその雷はその金髪の少女の手で落とされたに違いない

恋愛ごとになんて興味はなかったし、そんな経験も一切ない
だが、人には必ず好みがあるということを実感してしまう
まさに僕の好みという型にかっちりとハマったというか

おそらく僕の目は大きく開いているだろう
光が少ししかないその暗い部屋にも関わらず

ーー僕はその人に釘付けになっていたのだ

ゆ、幽霊なんじゃ……?

ロット「」

僕は自分が絶句していることに気づかないうちに
その少女はハッとすると、叫ぶように沈黙を破った

少女「た、助けてください!!」

ロット「え?」

突然の言葉に度肝を抜かれつつも状況を理解しようと
止まっていた頭を再起動する

ロット(しまった…)

ロット「ああ!待ちたまえ!僕は怪しいものじゃない!不法進入…ではあるけれど、これは調査のためで!!」

少女「助けてください!」

少女は階段を駆け下りてくる

ロット「落ち着いて!話を聞いてくれ!!」

少女はさらに僕に近づくとまっすぐに僕を見つめ再度

少女「助けてください!!お願いします!!」

ロット「いやだから……え?」

ロット(あれ、これもしかして…)

僕はなんて間抜けなんだろう…
少女は助けを呼んでいたわけじゃない
他でもない僕に直接助けを求めていたのだ


僕は素早く自分の呼吸を正し

ロット「落ち着いて、何があったんだい?」

少女「えっと…あの!」

この人もだいぶ余裕がないみたいだ
キリュウを回収してこの人と一度外に出た方がいいかもしれない




???「困りますねぇ、お嬢様」

少女「あ!」

ロット「……!」


男「勝手に動かれては危険ですよ?もし…そちらの方?お嬢様をこちらへ」

ロット「なるほどね」

少女は僕の後ろに隠れると、さらに下がろうとする

ロット「逃げる必要はないよ」

少女「はい?」

ロット「むしろできる限り僕から離れないでくれたまえ」

僕は後ろを向いていないため彼女がどんな反応を示しているかは定かではないが
少なくとも闇雲に駆け出したりはしないだろう

ロット「僕達はすでに囲まれているみたいだからね」

僕は腰からレイピアを抜きながら、正面の男にも聞こえるようにそう口にした

少女「え、ええ…」

怪しい男「ほう、気づいておられたとは」

ロット「恥ずかしながら、さっきまで全く気づかなかったよ」

怪しい男「それで、その細い刃物でどうするつもりで?」

ロット「レディ、彼らはどういう方々だい?」

少女「え…?」

突然の質問に戸惑っているようだ

ロット「二択にしよう、善人か悪人か」

彼女は一呼吸置いて答えた

少女「……悪人ですわ」

ロット「それだけ聞ければ充分だよ」

正面のやつ含め6人ほどか
どうなることやら


怪しい男「ほほう、この人数と戦うおつもりですか……バカな奴めが!!」

次回に続く

この少女の名前を募集します↓1~3(ラストネームまでカタカナでお願いします)

それ以降にこれから戦う敵の名前をテキトーな名前を募集

イヴ・ブラット=レイ

>>28ってもう募集していないの?

あと敵名は「ゾリット」

おっと忘れてた、乙
敵の名前というのは、今しゃべってた奴とかの個人名?それとも組織名?
わからんかったので両方あげてみる。前者なら「ディルク」、後者なら「双頭の蛇(アンフィスバエナ)」で

あ、補足します
>>85
常に募集します
書いてもらった設定は一応全部記録してあるので、そのうち拾うかもしれません

ですが一つだけ、この世界においても探偵はそんなにメジャーな仕事ではありません
むしろロットンみたいのは珍しいパターンのつもりです

>>86
いえ強大な組織などではなく
単にこれから戦闘する6人のことです
超適当で構いません

言葉が足りなくてすいません

敵名「バット」「スライ」「トゥルバー」「ギーク」「レード」


名前シバ(フルネーム不明)

容姿 西部劇の人間のような服装した老人。背筋もぴっしりしていてあごのひげがトレードマーク。髪は白髪

備考 ハードボイルドの雰囲気を纏った銃使い。今まで色んな修羅場をくぐってきた老獪を感じさせる
二丁の銃を使い、次々と任務をこなすので「死銃のシバ」と呼ばれている
ただ、本人はそこまで悪い人間ではなく、特に子供にやさしい人物。過去は一切の謎に包まれている

国設定でも作ってみる。ただ名前は安価で決めるだろうから(仮)で

北の国.....北国でほぼ一年中、雪が降っている。気温はとても低い
(現実の北海道やロシアなどのイメージで)
南の国.....一年中熱い南の国。独特の文化を持っている
(こちらは現実の沖縄やサイパンなどイメージ)
西の国.....乾いた土地に砂漠地帯が多い。また近年武装などする兵が増えているなど警戒態勢が強くなっている
(サウジアラビアあたりのイメージで)
科学の国.....科学や錬金術が発展している国。この国しかない技術や道具などがある
その情報は外部に漏らすことは固く禁じられている
魔法の国.....魔法が特に発展していて、魔法学校など存在しているなど国民がほぼ魔法を使える
自然の国.....緑豊かで自然がたくさんある国。動物、植物、魔物も速やかに生活している。文明レベルは他の国より衰える

サムライとか出ないかな

>>94
東の国の和の国(またはカタナの国)が思いついた

ムーフォーフォー、余はサムライガールが見たい
という訳でキャラ案投下

名前 フウカ(風花)
年齢 14歳
性格 明るく生真面目で誰にでも敬語を使う?
容姿 黒髪ショート、瞳の色は黒。そしてまったいら
動き易いようにアレンジを加えられた極東の民族衣装「キモノ」を纏う
備考 遥か東に位置するとある国の勇敢な戦士「サムライ」の少女
一人前のサムライとして認められるため、武勲を求めてはるばる武者修行の旅にやってきた
家宝の刀「ユキカゼ」を手に大人顔負けの強さを誇るが、まだまだ未熟でツメの甘いところがあり、どこか危なっかしい
幼少期より厳しくしつけられたため愛情に飢えており、心を開いた相手にはとことん甘える

どことは言わんがこうやってキャラ募集して結果エタったスレを見てきたから心配になってくる

>>101
そんなスレここにはごまんとある。
このスレはそうならないことを祈るだけ


>>1も変な人がいるから気を付けてね

怪しい男「ほほう、この人数と戦うおつもりですか……バカな奴めが!!」

ロット「馬鹿とは失敬な、これでも頭脳にはいささか自信があるんだ」

男の仲間1「いいや馬鹿だ、利口な奴はとっくに逃げてるはずだ」
男の仲間2「こんなヒョロっちいの俺で充分ですよっと」

仲間の一人がハンドアクスを構えた

ロット(来るか…?)

男の仲間2「うらぁ!!」
ロット「おっと…!」

ついに豪快な一振りがやって来た
もちろん避ける

男の仲間2「まだまだぁ!!」

それからはラッシュをかけるようにその斧を振り回してきた

ロット「…っ!」
男の仲間2「うらうらうらうらぁっ!!!」

僕はそれをただひたすらに避け続けた
防ぐわけでも反撃に出るわけでもなく
避け続けたのだ

男の仲間3「なんだ?あいつ、手も足も出てねえじゃねえか」
男の仲間4「いいぞ!さっさとやっちまえ」

怪しい男「……」

男の仲間2「ちょこまかと…!」

ロット(よし)

そこで僕は一度後ろにステップを踏んで下がると
こう宣言した

ロット「そろそろ飽きて来ただろう?次で終わりにしようか」

男の仲間2「はぁ?てめぇ避けるのがやっとじゃねえか」

ロット「そうだね。でもまぁ、ケガをしたくなければここらでやめた方がいいと思うけどね」

男の仲間2「てめぇ…本物のバカみてえだな?そんなに弱えのにわざわざ挑発してくるたぁな?俄然やる気が出て来たーーな"ぁ!!!!」


男は突貫してくる
殺気を撒き散らしながら、確実に僕の息の根を止めてやろうとの思いで

男の仲間2「だぁ!!」

ロット(まずは、左斜め上からの袈裟斬り…右に避ける)

男の仲間2「うらぁあ!!!」

ロット(そのまま斧の刃の方向を変え、左薙ぎ…一歩下がる)

男の仲間2「しぃぃいねえええ!!!」

ロット(わざわざ振り上げて兜割り!!読み通り!)

男は隙だらけだった、僕はそいつが斧を振り下ろす前に……


ーーロット「月閃斬!!!」ーー

僕は一歩踏み出し、下から弧を描くようにレイピアを振るい、そしてそのままクルッと回ってその男に背を向けた


男の仲間2「ぐっ……ぐはぁあ……!!」

僕の見えない方で人が倒れる音がする

男の仲間1「ボ、ボビィィ!!!」

ボビー「冗…談だろ…こんなやつ…に」

ロット「忠告はしたはずだよ?」

男の仲間3「てめぇ!!」


後ろからじりじりと感じる怒りとは裏腹に、僕の目の前には先ほどの少女が心配そうにこちらを見ていた

少女(あ…あの、あまり手荒な事は…)

ロット(大丈夫、人を殺す趣味はないよ。急所は外してる。あの程度じゃ死なないさ)

少女(そうでしたの?ふぅ…)

まあ一般的な人にとってはあまり見たい光景ではないのは確かだ
特に見た所この人はこういった場に全く慣れていない

ロット(でも、それにも限界がある)

少女(え?)

ロット(おそらく…次は)


男の仲間4「隊長!!次は俺にやらせてください!ボビーの仇は俺が!」

ロット(隊長…?)

ボビー「おれ…死んでねぇぞ…」

男の仲間1「おいボビー、無理するなって!」

男の仲間3「傷は深くねえ、まぐれだまぐれ!」

ロット「あれ?おかしいな、殺す気でやったはずだったのだけどね」

怪しい男(隊長)「下手な芝居はよせよ、お前ーーわざとだろ?」

ロット(やっぱり気づかれてるか…!)

男の仲間4「隊長!」

怪しい男「だめだゾリット、こいつはみんなで徹底的に叩く」


まずい事になってきた
一人減ったとはいえ残りは5人、敵の命を奪わないようになんて気を使ってなんていられないどころか、僕一人で全員倒すのなんてもちろん無理だ
適当に凌いで、さっさと逃げ出すのが懸命…だが

それは僕一人だったらの場合だ
僕の後ろにいる少女を守りながらだと凌ぐも逃げるもかなり難しい

隊長「ゾリット、トゥルバー、先にかかれ。俺とグランツは回り込む」

グランツ「ラージャ!」

簡単ではあるが戦略を組んできている
これでは相当余裕がない!

ロット「レディ、手荒な事になるかもしれない、もしも隙があればここから逃げてくれ」

少女「それでは貴方様が!」


トゥルバー「無駄話はそこまでだ!!くらえ!!」

トゥルバーと呼ばれている奴がナイフを突き出してくる
この戦闘で初めて金属音が響く

ロット「くっ…!!」

レイピアで凌ぐも、すぐにゾリッ…なんだっけ?
とにかくそいつが槍を振りかざしてくる

ゾリット「死ねってんだよ!!」

ロット「ちぃっ!!」

紙一重、左の袖の下に隠れている小手で受け止め、弾く


グランツ「ほらよお!」

その後ろから剣を振りかざしてくる
この体勢じゃ避けるも防ぐもできない

ロット「かまいたち!!」

僕は素早くレイピアを振り衝撃波をぶつけようとする

グランツ「おお!!?あぶねえ」

ロット(まあ、避けるよねぇ…それより体勢を立て直さないと…)

僕は残っている隊長の方へ視線を向けた…


隊長「終わりだ!!」

ロット「なっ…!?」

男が構えていたのは拳銃だ
全員使っている武器が違う事には気づいていたが、飛び道具は予想していなかった
避けきる事はできない
避けたとしても後ろには少女がいる
なんとか弾くか?非現実的すぎる
いっそ突撃して刺し違えるか?性に合わない

頭ばかり働かせるが、隙だらけの体はそれについていかない
万事休すか?


と思われたその時だった

ーー「フローズンスパイク!!!!」ーー

隊長「何!?ぐわぁ!!!」

氷属性の攻撃魔法だ
氷のつららが男を真下から突き飛ばす

隊長「ぎゃあああ!!」

うん、間違いなくノックアウトだ

グランツ「カモン隊長!!!?」



ロット「ふぅ…遅かったじゃないか」

キリュウ「こっちも色々あったんだヨ!!てか何してんだヨ?そんな奴ら相手に」

ロット「今回は状況が特殊でね、助かったよ」


トゥルバー「猫だと!?」

少女「こ、子猫さん…?」

そう、キリュウはただの猫ではない
いやまあしゃべる時点でただの猫ではないのだが
そういう事ではなくて

キリュウ「まったくヨ…ーー具現せよ氷の針、雨の如く降りそそげ!!アイスレイン!!」

氷魔法が得意なのだ

細かな鋭い氷のつららが奴らに降り注ぐ
僕もあの魔法を受けた事があるが…とにかくうっとおしい魔法だ

グランツ「痛い!いってててて!!お、おいどうする?」

ゾリット「ね、猫が……喋ったああああ!!!!??」

トゥルバー「馬鹿今更そんな事に驚いてんなよ、ああチクチクうっとおしい!!」

グランツ「隊長、しっかりしてください隊長!」
カモン隊長「うーん……」
グランツ「ああ、だめだ!逃げよう!隊長は俺が運ぶ」

ゾリット「じゃあ俺はボビーを!!」

ロット(しめた!奴らは撤退する気だね)

トゥルバー「ええい、じゃあ俺は、とにかくあの女だけでも連れて行かねえと!!」

少女「…!」

トゥルバーは迷わず少女の元へ走った

ロット「させないって…はぁ!!」

僕はその進行方向を遮る形で立ちはだかり、なおかつレイピアを雑に振るう

トゥルバー「ぬわっ!邪魔をするな!!」

ロット「お縄にはかけないであげるからさっさと帰りなよ、じゃないと上にいる機嫌の悪い猫が今度は何を詠唱するか分かったものじゃないよ?」

トゥルバー「ちっ… クソが!!」

悪人の群れは逃げていった
これで戦闘終了といったところか

ロット「ーー行ったみたいだね」

少女「ーーはぁ…」

少女はどさりとヘタリ込む

ロット「ははは。ふぅ…疲れたねーーケガはないかい?」

僕も同じようにどさりと腰を下ろしながら聞く

少女「はい、無事ですわ!ありがとうございます」

笑顔で元気なハキハキとした声が帰ってくる

ロット「そ、そうかい、そりゃ重畳だよ。ははは…」

だめだ、顔を見ると妙にこっ恥ずかしいような感情に襲われる

ロット(落ち着けロットン、冷静に冷静に……)

キリュウ「おい、なんで逃しちゃったんだヨ?」

ロット「うわっ!!ーーキリュウか、言っただろう?状況が特殊なのさ」

階段の上からぴょんと降りてきたキリュウだった
僕は目の前のにいる少女にクイッと視線を送り、キリュウに伝える
当の少女は目を丸くして見ている

キリュウ「あー、本当に囚われてたのかヨ」

ロット「ああ、例の噂が正しかったとすれば他にもいるはずだけどーーどうだい?他にもキミと同じように囚われていたりする人は…?」

少女「いえ、私(わたくし)だけのはずですわ…逃げ出してきた時探してはみましたが、特に他にも連れ去ってきた様子でもありませんでしたの」

ロット「そ、そうか…うん」

キリュウ「……」

寝落ちしてのかな

ロット「いろいろ、事情を聞きたいところだけど。まずは自己紹介からいこうか。僕はロットン・グラスバレー、探偵さ」

少女「探偵様なのですか?私はてっきり騎士の方かと…お強いのですね、戦うような職の方ではないと思っていましたわ」

それにしてもこの人は表情がコロコロ変わるなぁ…

ロット「まあ一般的には戦闘する仕事ではないけれどね。それに戦うと言っても僕のこれは護身剣術みたいなもので…はは」

キリュウ「…………??」

ロット「こっちの猫はキリュウ、喋って魔法を使える以外は普通の猫だよ」

キリュウ「ふ、普通!?普通とはなんだヨ!!」

だから遠回しに普通じゃないと言っているんだけど

ロット「見ての通りプライドが無駄に高い」

少女「ふふ、可愛らしいですわ」

キリュウ「可愛いだと!!?ワレ様はただの猫じゃないんだぞ!!高尚な……

ロット「はいはい、あとであとで」

イヴ「私はイヴ・ブラット=レイと申します。よろしくお願いします」

ロット(イヴ…か)

イヴ「ロットンさん、その、助けてもらった身で失礼なのは承知してるのですが…」

ロット「僕のことはロットでいいよ。何かな?」

イヴ「私の素性については、その、お話できないと申しますか…」

ロット「なるほど、まあ名前だけ聞ければ充分さ。状況が状況だし話せないこともあるだろうしね」

イヴ「申し訳ありません」

ロット「とりあえず、一度ここから出て街中に戻ろうか」




キリュウ「…………ん~?」

>>115
はい、寝落ちしました…
現在電車の中で書いてます



キリュウ「おい、ロト坊」

キリュウが何やら少し小さめの声で、具体的に言えばイヴに聞こえないように話しかけてくる

ロット「どうしたんだい?」

キリュウ「お前なんかおかしくないかヨ?」

ロット(ギクゥ!!)

ロット「お、おかしい?この僕が?はははおかしなことを言うものだね。いやそれとも僕も疲れてるのかな、あはは」

キリュウ「いつもだったら、相手が素性を隠そうものなら、結局言葉巧みに全て聞き出すじゃないかヨ」

ロット「人聞きの悪い言い方をしないでくれ、相手が勝手に話してくれるだけさ」

キリュウ「まあそれはいいヨ。さっきからなんなんだヨ、その気持ち悪い苦笑い」

ロット「勝手に出ちゃうんだよ!」

キリュウ「なんだヨそれ」

ロット「それにイヴさんの素性がまったくわからないわけでもない、ある程度予想できるから聞かなかったんだ」

キリュウ「そうかヨ、じゃあとりあえず今はいいヨ」

とりあえずここまで

銃があるならこんなのもエエかなと。

魔法銃:最近開発された、『ノータイムでの魔法の使用』をコンセプトに作られた銃。弾丸を発射する機構に代わり、特殊な加工を施した魔法石が組み込まれており、そこに魔翌力を込め撃鉄で衝撃を与えて魔法を打ち出すことで、広範囲の殲滅力は無いが貫通力に優れた魔術を打ち出すことができる。
欠点としては『ある程度の魔翌力がないと使用できない』ことと『現状風属性魔法以外で成功例がない』こと。この欠点が仇となり未だに広まっていない。

でもって魔法銃を使うキャラクター投下

名前 フリックス・バードロイド

容姿 銀髪赤眼で、身長175cm前後の容姿の整った男。鉄製の軽鎧を身に付け、腰にカットラスと魔法拳銃を差している。また、背中にはリュートを入れたケースを背負っている。

備考 世界中を旅している吟遊詩人。年齢は20歳。自由奔放な風のような性格で、その性格を現してか風魔法を得意とする。また、とても器用で料理、裁縫その他諸々何でもござれ。楽器もリュート以外を巧みに演奏でき、詩もうまい。
右手にカットラス、左手に魔法拳銃をもって立ち回る独特な戦闘スタイルを持ち、その腕は30人の盗賊に囲まれても無傷で切り抜けることができるほど。その腕を買われて用心棒として働くこともある。

>>121
長所設定しわすれてました。追加で

長所は『弾薬が無いため比較的コスパがいい』ことと『通常の弾丸より貫通力が高い為重装甲も撃ち抜ける』こと。

キャラ以外にストーリーの展開を安価したりしないの?

えー更新が滞って申し訳ない
なかなか書こうと思ってた時間が忙しくて…

>>125
やります、ただこのスタット街を発つまでは大体決まってるのでもう少々お待ちください

僕達はその屋敷を後にし森の道を戻ろうとしていた

キリュウ「暗…」

もうおそらく深夜…どこか宿が空いていればいいけど

イヴ「私、このような場所に連れて来られていたのですね…」

イヴさんはボロくて立派な屋敷を見上げていう
ここまで暗くなるとさらに不気味だ
まるで幽霊屋敷

ロット(ふむ、奴らに連れさられてきた時は目隠しをされていたか)

ロット「イヴさん、見ての通りこの先はしばらく真っ暗だ、できるだけ僕から離れないでついてきて」

イヴ「はい、よろしくお願いしますわ」

ロット「よし行こう、キリュウ」

キリュウ「あいヨ」ぴょん

キリュウは僕の肩に乗ってくる、とりあえずはこれで大丈夫だ

イヴ「あの、灯りなど点けなくてもよろしいのですか?」

ロット「ああ、本来ならマッチに火でも灯すべきなんだろうけどーーこの辺り、魔物がいるみたいなんだ」

イヴ「魔物…」

ロット「だけど、大丈夫。暗い中でも抜群の視力を持つキリュウがナビゲートしてくれるよ」

キリュウ「全く人使いが荒いヨ」

ロット「いやキミは人じゃなくて猫だろう…」

イヴ「ふふ、仲がよろしいのですね」

少し楽しそうだ、表情までは見えないが
誘拐されてさぞかし不安だったはずだ、これくらいのコントでも救いになればいいが

しばらく進む、街灯の光まであと半分かという時

イヴ「キャ…」

ロット「おっと」

何かに躓いたのかイヴさんがよろけてくる
僕はそこで2点ほどハッとすることになる

ロット(やばい…いい匂いが)

これが1つ

イヴ「あ、申し訳ありません」

イヴは僕から離れると謝罪を口にする
僕はそれに返答を返す前に
近くにあった木に頭を打ち付けた

ロット(ガンガン!!

キリュウ「おい、ロト坊?」

イヴ「あ、あのーーどこか、おケガでも?」

どう見たってケガをした時にする行動じゃないが
それくらいしか思いつかなかったのだろう

ロット「いやいや!気にしないでくれ頼むから、こちらも気が利かなくてすまない」

イヴ「は、はぁ…」

キリュウ(お前やっぱおかしいヨ)

ロット(うるさい)

ロット「そ、それより…キミひょっとしてここまで長旅だったのかい?」

これがもう1つ

イヴ「え…はい、あの方達に捕まったあとは長い時間をかけて色んな所を転々とさせられました」

ロット「やはりか、だとするとだいぶ遠くから来たんだね」

イヴ「あの、どうしてお分かりになるんですか?」

ロット「歩き方がたどたどしかったからね、ここまでだいぶ歩いたとはいえ、そんなに消耗するほどじゃない」

イヴ「それだけでそこまで?」

ロット「いやそれだけじゃないよ、それでいて最低限の衣食住は整っていたと思われる。見た所さっきの屋敷では水浴びの類はできなそうだから、別の場所から…それも今日到着したんだろう?」

イヴ「す、すごいですわ!!」

ロット(彼女…いまどんな表情してるんだい?)

キリュウ(目が輝いてるヨ)

キリュウ「でも、なんで衣食住が整ってるってわかるんだヨ?」

ロット「それはさっき、彼女がよろけて来た時…」

しまった

イヴ「はい!」

ロット「え、えっと…勘だよ!探偵の勘さ」

キリュウ「はぁ?」

イヴ「探偵の勘」キラキラ…

言えるわけがない
奴らが攫った人物を長旅の中、杜撰に管理していたら
ドレスもみすぼらしくなるだろうし

何より「彼女からいい匂いなんてするわけがない」なんて

ロット「さて、長旅の後だとしたら、この道は辛いはずだ。何か僕にできることはあるかな?」

イヴ「では、お手をお借りしてもよろしいですか?」

ロット「あ…いや、それくらいならお安い御用だよ」

なんで気がつかなかったんだ
僕は慣れているからともかく
この暗闇を何の支えもなしに歩くのは常人でも辛いはずだ
最初から手を取るべきだった

ロット(はぁ、単独行動ばかりしてきたツケが回ってきたかな)

ロット「はいどうぞ、エスコートさせていただきます、レディ」

イヴ「ふふ、では…」

思ってたよりも強くギュッと手を繋がれる

ロット(ドクン…ドクン…

非常に不服ながら鼓動が早くなる
なるほど、人と手を繋ぐと鼓動が加速するのか
人と手を繋いだことなんて久しくない僕にはだいぶ勉強になる情報だ

ロット(なんて考えてる場合じゃない!キリュウが肩に乗ってるんだ、鼓動なんてすぐに伝わる。平静冷静、ひたすら素数を数えるか?)

キリュウ「ロト坊、お前まさかヨ…」

いけない、キリュウが余計な事に気付き始めてる


ロット「そ、そうだキリュウ、屋敷の中で悲鳴をあげていたじゃないか!何があったんだね?」

キリュウ「聞こえてたのかヨ!」


↓2何があったんだね?

すいません、わかりにくくなってしまいましたが、イヴさんがここまで連れて来られるまで、数日間かかりました
長い時間とはそれぐらいです


この下から↓2

キリュウ「人間から見たら割と綺麗な感じなんじゃねえのって感じの女が居たんだヨ」

ロット「どうでもいいけど、なんでキミはそんなに口悪いんだね?」


キリュウ「一応追いかけたんだヨ、そしてら居なくなってて、少し見渡したら…」

ロット「ふむ」

キリュウ「目の前に白骨死体があったんだヨ」

イヴ「死体…ですか?」

ロット「うーん、白骨は久々だなぁ」

イヴ「やはり慣れてらっしゃるのですね」

ロット「仕事柄ね、失踪した人を探したら遺体だったなんて事はザラにあるんだよ」

ロット「でもキリュウが、それくらいで悲鳴をあげるのかい?」

キリュウ「暗闇のなか目の前に骨があったら驚くヨ、骨が好きな犬じゃあるまいし」

骨が好きというのはまたコミカルな偏見を

キリュウ「まあそれだけじゃないけどヨ」

ロット「というと?」

キリュウ「少し…動いた、いやこっちを見た気がしたんだヨ」

ロット「彷徨う亡霊にでも取り憑かれたかね。この辺りに魔物がわく原因かもしれない、いずれにしてもここはもう一度調べに来る必要があるかもね」

イヴ「魔物…」

それにしても、放置されていたとされる屋敷に遺体か…
どうもキナ臭くなってきたな

ロット「そういえば今も周囲に魔物はいるかい?」

キリュウ「うん、チラホラいるっぽいヨ」

ロット「そう、明日一応騎士に報告しておこうか」

イヴ「あのキリュウさん?魔物というとどんなものが見えるのですか?」

キリュウ「んー?巨大なクモっぽいのとか、ヘビっぽいのとか」

イヴ(ゾッ…)

イヴさんの僕の手を握る力が一瞬強くなる

ロット「ま、また面倒なのがいるね、あはは」

キリュウ「一応、バリア張れるように詠唱しとくヨ」

キリュウ「ーー汝は冷気を集わせる聖者、我らの道を遮りし……」

少しだけ冷える感じがする
この魔法は確か突然襲いかかろうと、僕たちに急接近した者を凍らせる類の魔法だったはずだ

僕は密かにキリュウは猫の形をした魔物なんじゃないかと思っている

さて、少し光が見えてきた
イヴさんの顔も少し見えて来る

ロット「その格好じゃ少々目立つかな?」

イヴはそう言われて自分の服装を見渡す

イヴ「そうですわね…私、ドレスのままで」

ロット「そのまま捕まったのかい?」

イヴ「ええ」

ロット「ふむ…とりあえず」

僕は自分の被っていた鹿内帽を外すと彼女に被せる

イヴ「あ」

ロット「あとは…」

鞄から、チェックのマントを取り出す

ロット「これを身に纏うといいよ、多少不恰好ではあるけどね」

イヴ「いえ、なにからなにまでありがとうございます。なんだか新鮮な気分ですわ」

ロット「でもよく考えてみると、この時間に人が出歩いてるとは思えないけどね」

~スタット街(街中)~

ガヤガヤ

ところが僕らの予想していた風景は何処へやら
街は深夜でも充分すぎるほど賑わっている

イヴ「あら、人がたくさんいらっしゃいますわ」

キリュウ「この街は、夜でもこんな感じなんだヨ」

ロット「そうなのかい!?」

猫のキリュウは夜でも気ままに出歩いている事がある
知っていてもおかしくはないと思うが

ロット「さ、さすがスタットの街…忙しい街だ」

イヴ「スタット……」

ロット「とりあえず宿で夜を明かそうか、といっても朝までそう時間はないけど」

キリュウ「お腹すいたヨ…」

ロット「おつかれキリュウ」

ロット「イヴさん、君もそれでいいかい?詳しい方針は明日決めるとして、疲れてるだろう?」

イヴ「はい、あの…でも私、今お金が…」

ロット「そんなの気にしてる場合じゃないよ、とにかく体を休めるんだ」

イヴ「ロットさん…わかりました!しばらくは甘えさせていただきますわ!でもこのご恩、いつか必ず返させていただきます。お約束します!」

ロット「う、うん」

思ったより元気だな…
というわけで、近くに宿をとった

当然部屋は2つとった
彼女は同じ部屋で構わないと言い張るが、少なくとも僕がよくない

~宿(ロットとキリュウの部屋)~


ロット「どうだった?」

キリュウ「すっかり寝てるヨ、死んだように」

ロット「やめたまえ、縁起でもない」

僕はキリュウにイヴさんの様子を見に行ってもらってきたところだった
この点小さな猫は勝手がいい

キリュウ「それで?いい加減説明してもらえるんだヨな?」

ロット「ああ、答え合わせと行こうか」

ロット「まず彼女の素性だけど、これは正直大した問題じゃないし単純だ」

キリュウ「どっかの金持ち?」

ロット「の令嬢か何かだね、もしくは有権者の娘、帝族関係者」

キリュウ「見たまんまって感じだヨな」

ロット「誘拐されていたわけだし、助けてもらったとはいえ初対面の僕相手だ。バカ正直に身分を打ち明けたりはしないだろう。賢明な判断だよ」

キリュウ「で、どうするつもりなんだヨあの子」

ロット「明日ブラット=レイ家についての情報を探してみるよ。うまくいけば彼女の故郷も特定できるさ。そして送り届ける算段をつける」

キリュウ「そこまでするのかヨ?やっぱりお前…」

ロット「も、もちろん!護衛を雇って送ってもらう方向も考えてるさ!!僕だってそんなに暇じゃない!!」

キリュウ「ふーん」

ロット「でも引っかかる事が他にもあるんだ」

キリュウ「んー?」

ロット「彼女をさらった奴らだよ。あの5人を束ねていたリーダー、なんて呼ばれてたか覚えてるかい?」

キリュウ「忘れたヨ、あんなつまんねえ奴ら」

僕はそのつまらない奴に危うく殺されかけるところだったわけだけど

ロット「『隊長』だよ」

キリュウ「……で?」

ロット「本当になんとなくだけど、違和感を覚えるんだ。戦略を組み立て連携を取りながら標的を攻撃する事が奴らにはできていた。ハンドアクスの奴は大した事なかったけど」

キリュウ「ただの悪者じゃないっていうのかヨ」

ロット「うん、ありえないとは思うけど、なにかもっと大きな力が動いてるような気がするんだ」

キリュウ「へー」



ロット「……なんだ?今日はやけに興味なさそうだな?」

キリュウ「ああ約束を果たさない相棒のせいでヨ」

ロット「?」

キリュウ「ロイヤル猫缶はどうしたんだヨ!」

ロット(覚えてたか…)

ロット「明日…もう今日か、買ってくるよ。もうすぐ朝日が昇るし、休むには今しかないんだ」

キリュウ「本当だな?こちとらスタットには美味しいやつがあるって聞いてワクワクしてるんだヨ」

ロット「はいはい、おやすみ」

キリュウ「ロト坊!」

ー次の日ー

目が醒める
体を起こし、まずは周囲を確認
うん、宿の一室。寝る前と同じ光景だ

ロット「ふわぁあ…」

伸びをする、体の節々が多少筋肉痛のようだ

ロット(昨日はハードだったからね)

ロット「キリュウ?」

キリュウはいない、どこかへ行ったらしい

ロット(帽子帽子…ん?どこだ?)

いつも被っている帽子がない
ああそうだ、昨日イヴさんに渡していたんだ

そういえばイヴさんはどうしているだろうか?

部屋からでて隣の部屋の前に立つ

ロット(……どうすればいい?ノックすればいいのかな?)

中には彼女がいるはずだ
まだ寝ていたら邪魔になってしまう
あるいは着替えていたり…変えの服がないか

……宿の女将さんに聞けばいいか

「あら、おはようロットンさん」

ロット「おはようございます、僕の連れの子は出てきました?」

「あの綺麗な子かい?見てないよ?猫ちゃんはさっきどこかへ行っちゃったけどね」

ロット「奴はそのうち戻ってくるから大丈夫です」

「そうかい、朝ごはんはどうするんだい?だいぶ時間は過ぎちゃったけど出せるよ?」

ロット「僕はとりあえず大丈夫です。でもイヴさんが出てきたら、彼女にお願いできますか?」

「お安い御用だよ、お出かけかい?」

ロット「ええ、そんなに長い時間はかけません」

「はいよ、行ってらっしゃい」



ふぅ、とりあえずこれで大丈夫だろうか?
散歩がてら自由に散歩してみようか

↓1~3自由行動選抜

※なんでもありです。誰かに出会うでも、戦闘イベントでも、買い物でも。詳しく書いてもらっても簡単に書いてもらっても構いません。参考にスタットの街は大きな街なので割とできる事は多い方です。

名前:ジョー・J・リスパー

容姿:優しい感じのおじさん。基本的に細目
白いハットに白いトレンチコート

備考:ロットンの先輩の探偵。渋い大人という雰囲気を出している
面倒見がよく、ロットンも彼から色々教わった。
座標の銘は「何事も身も心も白くなければならない」


詳しい設定がない方が>>1が動かしいのかも

ガヤガヤガヤガヤ

ロット「それにしても、忙しい街だなぁ」

街は賑わい、人々は先を急ぐ
散歩するために町にでたというのに、あまり落ち着けなそうだ
田舎育ちの僕としてはそろそろ故郷に帰りたくなってくるが

ロット(とりあえず、これからの行動について考えるか)

やらなければいけないことと言えば

1、屋敷の異変について騎士団、または然るべき人物、機関に報告する
2、…ロイヤル猫缶とやらを買ってくる

そしてもう一つは…当然、「ブラット=レイ」つまりはイヴさんについての情報収集だ
彼女の身元を調べなくてはいけない
勝手に調べるのはどうかとも思うが、このままなぁなぁにしてしまうわけにもいかない

ロット(さて、動いてみようか)






ロット「やっぱり、そう上手くはいかないか…」

僕はロイヤル猫缶の入った袋を片手に街中でただずんでいた
結論から言ってしまうと彼女に関してはほぼ何も掴めなかった

何もだ

この町の役所、図書館、その他情報の集いそうな場所、人物を訪ねてみたが
ブラット=レイの名がヒットする事はなく、令嬢が攫われていたなんて話も聞けなかった

考えられる可能性としては大きく分けて2つある

彼女が一般階級またはそれ以下に位置する人間だった場合
僕の見立てが間違っていたということになる
だがその手の専門かではない僕でも、彼女の装いを一般の物とは思えない
あのドレスはどう考えても富豪か有力者関係の持ち物だ
あの集団が用意した服というのも考えにくい

そしてもう一つは…


ロット(ん?この匂いは…)

僕は妙に知っている匂いを感じて、そこで思考を途切った
煙の臭いだ

ゆっくりと振り返ると

「おっと、気づかれたか」

ロット「やっぱりヒュードさん!なんでここに?」

ヒュード「よう、なんでって言われても仕事だよとしか返せねえが…お前帽子どうしたんだよ?」


この万年タバコを口にくわえてる男は、僕の知り合いのヒュード・スクヤードだった
元傭兵の雑貨屋兼情報屋…らしいが、正直僕の知り合いの中でも最も胡散臭い人物で実際は何者なのやら

ロット「帽子はちょっと、貸していてね」

いや待てよ、この人がいるのは願ったり叶ったりじゃないか?

ロット「ちょうどよかった!!実は早急に知りたいことがあるんだ」

ヒュード「ほう、こいつは珍しいな。やっと俺の頼もしさが分かってきたか?今まで面倒見てきた甲斐」


僕が幼いころからの付き合いというだけで、面倒を見てもらった事はさらさらないが
突っ込むのはまた今度にしようか


ロット「ブラット=レイ、この名に聞き覚えがないかい?」

ヒュード「ブラット=レイ?なんだ貴族か何かか?」

ロット「おそらくは…」

ヒュード「ふーむ、そうだなぁ」


ヒュードは手帳をめくり始める
どうやら外れらしい、彼が手帳を見るということは、ブラット=レイについてピンときていないということだ
普段の彼なら辞書の如くさっと、その答えが出てくる

ロット「わからないみたいだね」

ヒュード「ああ、知らねえな。何かあったのかロト坊?」

彼は一度口からタバコを離すと、煙を吐きながら言った
ちなみに、キリュウが僕の事を「ロト坊」と呼ぶのは彼が原因だ

ロット「うん、実は…この町外れに屋敷があるんだ」

ヒュード「そうだな」

ロット「そこで、ある集団に捕らわれていた少女を助けたんだよ。僕と同じくらいの子だ」

ヒュード「ヒュー!やるじゃねえか」

ロット「うるさい、その子が名乗った名前がイヴ。イヴ・ブラット=レイ」

ロット「一般人だとは思えない、攫われるような人だ。なにか事情があるのか素性は隠したがっているんだよ」

ヒュード「それで、どうするつもりなんだ?」

ロット「どうしたいって、とりあえず素性を調べて、故郷まで送りたいところだけど…」

ヒュード「へぇ、別に依頼されたわけでもないのにか?」

ロット「え、いやまあそうだけれど」


ヒュード「単純にその子が、偽名を使ってるんじゃないか?」

ロット「あ、ああ…やはりそう思うかい?」

そうこれが、もう一つの可能性
彼女は素性どころか、名前も偽っている場合だ
そりゃ見つかるわけがない

ロット「でも、嘘をつくような子には…」

僕はハッとする
それは先入観じゃないか
外見や雰囲気から得られる情報など、先入観にしか繋がらない
何かを考える上で、真っ先に除外しなければならない要素だ

ロット「どうかしてるかもね、僕」

ヒュード「そういうこった、助けてくれた人間にまで何もかもをひた隠しにするなんざ、相当な厄介者だ」

ロット「うん…」

ヒュード「でもまあ、お前がそうなるのも珍しいな。なんだその子に惚れたか~?」

ロット「んな!!ば、バカを言わないでくれ!!僕がそんな…」

ヒュード「フハハ、いやこいつは傑作だ。ロト坊、いいんじゃねえの?長年一切なかった青春がお前の元にもご降臨されたってこった」

ロット「だから違うってヒュードさん」


参ったな、この人にだけは取り乱した姿を見せたくはなかったんだけど…

ロット「まったく…ん?」

鎧を纏った男たちがこちらにズカズカと歩いてきた
2人の騎士だ
ちょうどいい、屋敷について話をしておこうか

騎士「あー、少しお時間よろしいかな?ロッ――

ところが騎士の言葉が途切れた
僕は絶句する

騎士「ぬわぁ!!」

ドサッと、騎士が地に伏せる

ヒュード「一丁上がりっと…」

一本背負い
ヒュードさんが投げ飛ばしたのだ

騎士2「貴様!何をする!!」

ロット「ホント何してるんだいヒュードさん!?」


ヒュード「ロト坊、実は俺お前の言ってた屋敷を調べにはるばる来たんだよ」

ロット「…?」

ヒュード「いろいろ怪しい噂があるのに騎士が何もしねえって話を聞いてな」

ロット「何かあるのかい?」

ヒュード「さぁな?騎士様達が一枚噛んでるってことぐらいしか知らねえな?なあ?」

隊長…そんな響きが蘇る
あの連中の妙なチームワーク
マニュアルがありそうな丁寧な戦闘術

ロット「なるほど…奴らも、騎士団の関係者というわけだね」

ヒュード「どうやら、そうらしいな。俺が投げたってのに目の前の騎士様はお前に話を聞きたくてしょうがねえってツラだ」


顔は兜で隠れて見えないけれどね


騎士2「抵抗せずにこちらへ来てほしいのだがね」

騎士「いや、構わん!二人とも拘束しろ!!」

騎士(ピ―――――!!)


騎士が笛を吹くと、あらゆる所から鎧、鎧、鎧…
また囲まれていた


イヴさんが心配になってきた
一刻も早く戻りたいが…

ヒュード「よう、ロト坊。今でもその子をどうにかしたいか?」

ロット「うん」

ヒュード「ろくでもねえ事情を抱えてるかもしれねえぞ?」

騎士がこう出てくるくらいだ
もはや彼女の事情については検討もつかない

ロット「分かってるさ」

ヒュード「やりたくない事はやらねえってのがお前のモットーだろ?」

ロット「別にやりたくないわけじゃないさ、俄然やる気とも言えないけど」

ヒュード「女を抱えるんだ。覚悟はあるんだろうな?」

ロット「そんなものはないよ」


ヒュード「おいおいロト坊、そこはウソでもかっこいい一言をだな」

ロット「いいから、どうにかしてくれるんだろう?」

ヒュード「つまんねえ若造だぜ…じゃあやるか」


ヒュードは床に何かを叩きつけた

モクモクモク
真っ白な煙が辺りを覆った

騎士「ぬおっ!煙幕とは小癪な!!」



ロット「例の屋敷だけどね、キリュウがそこで白骨死体を見つけたらしい。女性のものだよ」

ロット「女性の霊か幻か、何かいるらしい」

恐らく、女性たちが捕らわれているなんて噂が生まれた原因だ

ロット「あと、周りに魔物が湧いていたみたでね。街中には出てきていないけど気を付けてくれヒュードさん」

ヒュード「おお怖え」


僕は走り去ろうとした


ヒュード「おいロト坊!餞別だ。持ってけ!」

ヒュードさんは、さっさとその場を後にしたい僕に何かを投げてきた

キャッチ!!

ロト坊「恩にきるよ」

ヒュード「あのニャー公によろしくな~」








騎士2「煙が晴れてきた…いないか」

騎士「探せ、まだ遠くには行っていないはずだ!!」

~宿~

ロット(よし、ここにはまだ誰も来ていない)

僕は急いで宿に入った
中には楽しそうに談笑している、イヴさんと女将さんがいた


イヴ「あ、おはようございますロットさん。先日はどうもありがとうございます」

女将さん「お帰りなさい、アンタ、相当なイケメンじゃないか。イヴちゃんを悪者たちから救い出したんだろう?」

ロット「残念ながら、僕も悪者と見なされたらしいですけどね」

女将さん「あら、なにかあったのかい?」


イヴ「ロットさん?どうかなさったんですか?できれば少し落ち着いてお話がしたいのですが…」

ロット「僕も色々聞きたかったんだけどね、イヴさんすぐに出発できるかい?どういうわけか騎士団が僕たちを捕まえようとしてるらしい」

イヴ「騎士様が…!?」


そのまま僕の泊まっていた部屋に転がり込んだ

ロット「キリュウ!!」

キリュウ(zzzZZZ)

良かった戻ってきていたようだ
寝てるけど

僕は自分の荷物とその猫をつかむとすぐに戻る

戻ると、事態を察してくれたのかイヴさんも準備をしてきたようだ

昨日渡した、帽子を被り、マントを羽織っている

ロット「いつぶりだろうね、こんなに余裕がないのは…女将さん、宿代はこれで!おつりは取っておいてくれ」

女将「あらま、毎度」

僕はお札を何枚か雑に渡した
その場を出ようとすると

ドンドン!!

騎士「出てきなさい!ロットン・グラスバレー!!その少女を引き渡してもらおうか!」

ロット「追いつかれたのか、気を付けていたつもりだったのに」

イヴ「あのロットンさん。やはりこれ以上迷惑をかけるわけにはいきませんわ…私のことはもう」

ロット「気にすることはないよ、イヴさん。僕もとっくに追われる身になってるんだ。運命共同体さ」

イヴ「ですが…!」


ええい、どうすればいい!

そうだ!さっきヒュードさんが渡してきたものはなんだ?

ヒュードが渡してきた小包を開けると


「スタット街の特産!ロイヤル猫缶」×5

ロット(買わなきゃよかったあああ)


キリュウによろしくってそういうことだったのか…

次回へ続く

名前:ブラッククロウ(あだ名はブラック)
容姿:黒カラス。
備考:キリュウと同じくしゃべる動物。こちらはカラス
キリュウとは知り合いでおせっかい焼き。風魔法が得意

名前 ニーナ・ホリーロック

年齢 20歳

容姿 紫髪でロングヘア。スレンダーなモデル体型で凛々しい顔つき。

性格 凛々しくクールで、清濁併せ飲める気概の持ち主

備考 弱冠二十歳にして小隊長を任されている女騎士。隊員や同期からの人望は厚いが、上層部にはあまり好まれていない。
個人戦では剣術と魔法を扱い、集団戦でも隊員との連携や巧みな戦術をみせる。また、物事を正確に把握する洞察力を持つ。
可愛いもの好きだが、彼女の可愛いの基準は少しずれている(この辺は>>1に任せます)。

僕たちは宿から、いや街から出ようとしていたが
宿の前には僕たちの事を捕らえようと騎士達が待ち構えている

ヒュードにもらったものはこの状況では役立たずに等しい

ロット(どうする…そもそもここから出られなければ、何も始まらないぞ)

女将さん「ロットンさん、裏口から行くといいよ!鍵を開けておいたからさ」

ロット「裏口…!助かります!」

女将さん「いいのいいの、お釣りのかわりさね」

ロット「さぁ、行こうイヴさん!」

イヴ「え、ええ…お世話になりました、おばさま」

女将さん「頑張りな、応援してるよ!」


裏口の扉を開け、外を覗く
古めかしく目立たない扉のせいか、誰かが待ち構えている様子はない…一見だけど


ロット「走るよ、準備はいいかい?」

イヴ「あ、あのロットさん」

まだ迷いがあるようだ
とても心の準備ができている様子じゃない

ロット「イヴさん、キミは騎士に追われる理由について心あたりはあるのかい?」

イヴ「……はい、多分私の想像通りです」

誰だってそうだが身に覚えもないのに騎士なんかに追われたら是が非でも逃げるはずだ

そうでないと言うことは彼女は追われる理由を知っている
だからこそ僕を巻き込むことに躊躇しているのだ

ロット「では、捕まったとして、その後キミがどんな目に合うのかも想像がつくのかい?」

イヴ「はい、それも分かってます。そして私が捕まってしまうとそれはきっと…その……」

彼女はそこで口を濁す
詳しく聞いている時間はないから気には止めない

しかしこれは意外だった
追われる理由は知っていても、捕まったあとどうなるかなんて罪を犯した人でも検討がつくわけがない
それこそ処刑されるほどの大罪でも犯さない限りは

もちろん彼女は罪人の類じゃない
罪人だとしたらあんなこそこそと攫ったりしないはずだ
それこそ写し絵付きで大々的に指名手配されてる輩は何人もいる
最近だとマスカレイドとかいう謎の怪盗とか

今でこそ大っぴらに僕たちの事を捕まえに来ているが
それは僕が彼女を救い出したせいで、計画が頓挫したからだ

貴族.....社会階級の上位にいる人物のこと。現実ヨーロッパの中世の貴族に近い。
基本的に自分の私腹を肥やしたりする性悪のものが多い。国民のためを考える貴族は稀
酒場.....情報を得るための場所。旅するものが良く集う。基本的に賑やか
幽霊.....現実と同じで死んだ人間がこの世にとどまる魂のこと。基本的に霊感がなければ見えない
この世界では『ネクロマンサー』や『シャーマン』などの職業があるため現実より人々にその存在は認められている
チョコボ(仮).....首は長く、大きな頭をしており大きな幅広のクチバシがある。長い2本の足があり、走るときは背中を曲げないので、乗用に用いることができる。また、成人を数名乗せられる程度の大きな体躯を持つ。ダチョウのように羽が退化しており、一部の種類を除けば飛翔することができない。
人々の生活にかかわりが強く、陸上用移動手段としてもいられることが多い。
色々な種類がいて、パーティーとしてもいられるものもある。種族は正確には不明だが動物と魔物中間と言われている。


最後はネタみたいなもの。使う倍は名前とともに少し変化させた方がいいかも。

名前:ジョパンド・ジョード

容姿:薄い黄色のぼさぼさ頭にみすぼらしい服。ただ相当の筋肉質の男
口髭を蓄えている

備考:指名手配犯の連続殺人犯。
異名は「肉盗みのジョパンド」。異名だけならただの肉泥棒だと思われるが、実際は人間の肉部分を気づかれずに手で引き裂き、バラバラになって死んだ者は数知れず
人間の肉を求めるのは「手の中にある人の肉が気持ちいいから」という異常者。
基本的に一人だが、人間の肉を求めるため犯罪組織に入ったりするが、我慢できずカニ仲間の肉を引きちぎることもある

「おい!いたぞ!!」

まずい!やっぱり話をしてる場合じゃなかったか

ロット「結論を急ぐ必要はないよ。でも今は、今ばかりは逃げるのが先決だ。わかるね?」

イヴ「ええ……いえ、はい!!」

ロット「いい返事だね。行こう!」


僕は右手で彼女の左手を取り
左手でレイピアを抜いた

騎士「まて!!ここは通さんぞ!」

ロット「ならば押し通る!!」

騎士「上等!来い!!」


僕はレイピアを構え直し、でも彼女の手は取ったままで突撃する


騎士「…!」

騎士は剣を横にして防御の構えを取り
そして僕は…

ロット「うおおお!!」

騎士「……ん?」

――何もせずにその騎士の横を走り去った
そこそこ気合の入った大声を出しながら

タッタッタ…

騎士「き、貴様ああああぁぁぁぁぁ…


ロット「悪いね、生憎僕は騎士道精神は持ち合わせていないし、正々堂々なんて興味がないんだ」

イヴ「な、なんだか少し気の毒ですわ…」

ロット「気の毒なのは僕たちの方さ、さっきの人はすぐに上に報告するだろう。そしてたちまち…





「まてえええ」
「やつをとッ捕まえろおおお」
「卑怯者目が!!」

ロット「わいのわいの、愉快な騎士達が大勢で追ってくるというわけさ」

イヴ「凄い迫力…」

ロット「後ろを振り返ってる余裕もないね」



騎士「来たな、卑怯者!!」

ロット「くっ…!」


進行方向に騎士が待ち伏せていた
まわり込むのはまあ当然だ

騎士「先ほどの屈辱忘れん。一切容赦はしないぞ!」


しかもさっきの奴だ
2度同じ手は通じないだろう
後ろからも追いかけられてる以上止まるわけにもいかない

騎士「うおおお!!!!」

ついにその騎士は凄い殺気でなりふり構わず切りかかってきた

イヴ「ロットさん!」

攻撃をかわして通り過ぎることはできないだろう
だが、レイピアで受け流すことができるのか?

ロット(ええい、ままよ!!ってやつだね)



だがその騎士に再び予想外が襲った

瞬時に何かの…凍る音?

イヴ「え?」

ロット「なんだ?」

騎士は凍っていた

―――――――――――――――

キリュウ「一応、バリア張れるように詠唱しとくヨ」

キリュウ「ーー汝は冷気を集わせる聖者、我らの道を遮りし……」

少しだけ冷える感じがする
この魔法は確か突然襲いかかろうと、僕たちに急接近した者を凍らせる類の魔法だったはずだ

―――――――――――――――


ロット「ああ、あの魔法まだ解いてなかったのか…」

キリュウ「zzZzzZZzZZZ」

しかしこの灰色の生き物はなぜこの状況でも寝ていられるのだろうか
しかも僕の肩の上で


イヴ「あの…無事なのでしょうかこのお方」

ロット「放っておけば時期に元に戻るはずだよ。割ったりしなければ――とはいえ」


いきなりの事で自然と足を止めてしまっていた僕たちの前に
他の騎士たちがじりじりと接近してきていた

ロット「まぁ、待ち構えているのが一人なわけがないだろうね」

騎士「ここまでのようだな、観念しろ!ロットン・グラスバレー!」

ロット「観念したらどうなるんだい?」

騎士「貴様を拘束する。処罰に関しては我々の決めるところではない」

ロット「僕の事じゃない。このレディーの事さ、なぜだか教えてもらえないからね」

イヴ「ロットさん…」

騎士「…それに関しても我々の知るところではない」

ロット「じゃあ、君たちは罪人かすらわからない少女を大義名分もなく捕まえようとしているわけかい」

騎士「ふん、それは貴様もだろう。どうしてその少女を庇う?」

ロット「どうしてだって?さぁ、どうしてだろうね?」

騎士「ふん、ぬかしておけ」


騎士「みんなかかれ!!」


あーこりゃ捕まるかな





自覚はないが、どうやら僕は運が良い方らしい
彼らがかかってくる中に一台の馬車が突っ込んできた

「ヒヒーン!!」

キキィ!と車両を止める音

「な、なんだ!?」
「誰だ、邪魔をするのは?」

馬車を操る運転手の男に見覚えはない
ではイヴさんの知り合いだろうか?

イヴ「……?」

いやそんな様子ではないな
じゃあ誰が?

その男はこちらを見向きもしないが代わりに
その馬車の中からある女の人が顔を出してきた

「ハーイ」と挨拶しながら

ロット「た、タニア夫人!?」

タニア「ご機嫌麗しゅう、ロットンさん」

他でもなくあの屋敷を調べるきっかけになった人物

騎士「ええい!次から次へと、構わんかかれ者共!」


騎士達が再び動き始めたその時
シュっと馬車から飛び出す影が

「ぬあ!?」
「ぐわぁ!!?」
「トホホ!!!?」

一気に3人蹴散らした

騎士「誰だ誰だ!!なんなのだ!!」

騎士が声を裏返しながら言う
あまりに上手く行かなすぎて、腹わたが煮えくり返るといった表情だ

フラン「…ふぅ、失礼いたしました」

ロット「フランソワーズさん!!」

騎士を蹴散らしたフランさんは服のホコリを払うと
一礼していた
その手にはコンバットナイフが握られている

ロット(と言うか強……)

ロット「いやまずいですよ!あなた達まで騎士に刃向かったら…」

タニア「あら、そう?」

しかしタニア夫人は余裕を崩してはいない
今もなお逃げ出そうとする例の猫を愛でている

タニア「ところでロットンさん。私達、これから少し他の街まで旅行に行こうと思っているの。もし街を発たれるなら少しご一緒しないかしら?送っていってもよろしくてよ?」

・紙幣......通貨。紙幣は国によって違い、国を越えると使えなくなることが多い。そのため特定の場所で紙幣を変えてもらうか質屋とかで物々交換などしてその国の紙幣を手に入れるしかない。ちなみに硬貨の方はどの国も共通


名前:ロゼッタ・オルフェイス

容姿:金髪の縦ロールの美少女。服装はお嬢様らしくドレス

備考:貴族のオルフェイス家の次女(長女と長女がいる5人家族)。1人称は「私(わたくし)」。お嬢様なので大抵のことはできる(家事関連は除く)
デンプレの高飛車お嬢様で顔を見ただけで「私に美貌にうっとりしましたの?」と少し自意識過剰。初対面の相手にも好き勝手に言う
ただし、根はいい子で友達(と取り巻き、使用人)など親しい仲には優しいく、家族が何より自慢で尊敬している。
武器はレイピアと鞭。努力家であり、負けたら「次は絶対勝つ!」と思って修行を励むほどの努力家+プライドが高い
昔から自分の「運命の人」が現れるのを待っている。恋愛には直進タイプで「これと決めた!」相手にはアタックしていく。


イヴの友達のイメージで作ってみた。それ以外に使ってOKということで

ロット「街から出るおつもりなんですか?」

タニア「ええそうよ、どうする?」

ロット「……」

運転手の男「まったく…なんでこんな事に」

タニア「あなた文句でも?」

運転手の男「ないと言えば、普通に嘘になるぞ~」

タニア「あら、私の愛する夫は随分情けないのね」


なるほど運転手の男は夫人の夫か…


フラン「タニア様、これ以上ここに留まるのはよろしくないかと思われますが」

タニア「そうねぇ…」


とはいえ、フランさんは呼吸一つ乱していない

イヴ「あの…この方たちは?」

ロット「信用はできる人達だよ、屋敷を調査するキッカケになった人達さ」


少し考えてはみたが、お言葉に甘えて馬車に乗せていってもらうのが
この状況において、もっとも確実だろう

ロット「うん、乗せていってもらえますか?」

タニア「ええ、もちろん。お乗りになって?」

ロット「イヴさん乗って!」

イヴ「は、はい!」

レディーファーストだ
タニア夫人がイヴさんの手を取り、馬車へと引っ張り上げる

騎士「奴ら逃げる気だ!!許すな!」


ロット「そう簡単に逃がしてはくれないか、これもお願いします」

見れば弓兵も何人か出てきている
銃に比べれば劣るとはいえ、充分厄介な代物だ
僕はキリュウと荷物を馬車の中へ放り投げ、騎士のいるほうへ向き直る

「構え!!」

号令にならい、横一列に並んだ兵が弓を引き始めた

フラン「邪魔はさせません」

「ぐわっ」
「ぬん!?」

フランさんが今まさに矢を放とうとしている兵を蹴り飛ばし、または切り付け体制を崩していく

「ええい構うな!放てる者だけ放てぃ!!」

ヒュン、ヒュンヒュン!

ロット「かまいたち!!」

こっちに向かってくる大半を矢を衝撃波で落とそうと試みた
が全部対処できるわけもなく

いくつかの矢はすり抜けて僕に向かってくる

キンッ!カキン!!

レイピアで2本弾く

ブス!!

ロット「痛っ…!」

一つ右肩をかすめる


イヴ「ロットさん!!」

タニア「ロットンさん、早く乗って!」

馬車の中に飛んできた矢をガードしていたのか、ボロボロの傘を持ったタニアさんが僕にそう促してきた


ロット「いえ、先に走りだしてください!!このまま僕たちが乗ってもハチの巣にされます!」

フラン「その意見に同意します。タニアさま」

タニア「…分かりましたわ。フラン?」

フラン「了解しています。この場はお任せください」


フラン「行って!!」

馬の声と共に馬車が動きだした

イヴ「ロットさん!!お願い、無事に戻ってきてください!お話ししたいことが…」


僕は離れていく馬車に大声で返答をする気はなかったので、とりあえず手を振った

フラン「ロット様、お怪我は?」

ロット「大丈夫です、この程度のかすり傷。問題ありませんよ」

フラン「では、騎士の攻撃を凌ぎながら私たちも町の外へ急ぎましょう」



――キリュウがパーティから外れました――
――フランソワーズがパーティに加わりました――

弓は依然として、馬車を狙っている
あと一回凌げば射程圏外にはなりそうだが

「構え!!」

ロット「フランさん弓兵は無視して、僕の援護をしてもらえませんか?」

フラン「何かお考えが?」

僕は頷き走りだした
猶予はあまりない

僕は馬鹿正直に正面から騎士の群れに突っ込んでいく
途中途中、周りから攻撃がくるが、どこからともなく飛んでくる投げナイフがそれを防いでいる
恐らくフランさんが凌いでいるんだろう

「射程に一般市民はもういません!」

「よし、次の合図で一斉に掃射しろ!!」

ロット(間に会え!)

僕が狙っていたのは弓兵の号令役、指揮官ただ一人
でもこのままでは間に合いそうになかった

ロット(くそう、なにかないのか!!このままでは…)

僕は全力で走っている
割と死ぬ気で走っている
それでも間に合わなくて、馬車が停止する羽目になったら割に会わない
正確な援護をしてくれてるフランさんにも示しがつかない
何よりかっこ悪い

しかし、迂闊なことに鞄は馬車に投げ入れてしまった
いっそレイピアを指揮官に投げてみるか?
もしかしたらフランさんの投げナイフ並に勢いが出るかも
どうせ安物のシルバーレイピアだ、思い入れなんてない

でもその後が問題だ
丸腰になった僕に残される選択肢なんて素直に両手をあげることぐらいだ

その時僕はポケットに入っているあるものに気が付いた

ロット(そうだ!これがあった…!)

指揮官「よし、では放…

カランコロン

指揮官「ん?なんだ?」
「なにかの缶が飛んできたようですが?」
「缶?」

ロット「隙あり!!」

僕は体勢を崩した指揮官の喉元に刃先を向けた

指揮官「ぬぉ、いつの間に!?」

ロット「ゼェ…ハァ…弓を降ろさせたまえ、他の人達も動きを止めろ」

僕が投げたのは例のロイヤル猫缶
ヒューゴがくれたセットではなく、僕がもともと買ってきていた単品の方だ
一瞬でも矢の発射が遅れればそれでよかった

指揮官「中止!中止!!」

これで、馬車には矢が届かない

さて、馬車への対処はできた
あとはどうにか逃げるだけだけど

騎士の集団の懐に飛び込んだ僕は当然いま囲まれているわけで

ロット「さて…」

フランさんが宙返りしながら、僕の背後に飛んできた

フラン「どうされるおつもりで?」

ロット「フランさん…そのまま逃げてくれてもよかったのですが」

フラン「申し訳ありません、もう後の祭りです」

ニヤっと笑みを浮かべながら言われる
わざわざここまで来てしまったら、フランさんもそう簡単には出られない

ロット「とりあえず…」

僕は未だにレイピアを突きつけた状態の指揮官を起こし

騎士団「な、何をする気だ!?」

右腕を指揮官の首元に回し
レイピアの刃を同じ首に向ける

要は人質だ

ロット(下手すりゃ僕も指名手配かな…)

ロット「これくらいしか思いつきませんでした」

フラン「いえ、最善の手です」

ロット「君たちに次ぐ!この首は君たちの行動次第だ!!道を開けたまえ!!」

指揮官「ひぇ…!!」


「う、どうする?」
「どうするって…」
「しかし馬車を行かせてしまった今、奴らをみすみす逃がすわけには…」

指揮官「な、何をやっておる!!道を開けんか!!」

ザザザッと騎士たちが動き始めた
流石は指揮官といったところか

僕たちは開いた道の方へ恐る恐る
だけど、急ぎ足で動き始めた

名前 グラン・ハンツ
年齢 67歳
性格 基本的に頑固爺。ただし、話が弾むと結構気立てがよい人物
容姿 白髪のボーズでいつも帽子をかぶって作業着を着ている人物
備考職業は鍛冶屋。その道50年以上のベテラン。妻には先立たれている。
実力はありながらも好き嫌いが激しく嫌いの相手には絶対作らないと決めているほどの頑固爺
ただし気に入った相手にはお代はただでも作ってやるという気前がいい人物である。
孫には甘く、お願いしたらついつい断れなくなってしまう

名前 エリス・ハンツ
年齢 15歳
性格 常識人。どちらかと現代っ子。
容姿 赤に近い茶髪の外ハネ。こちらは作業着じゃなくて普通の服(仕事中は作業着だが)。胸はC~Dの間
備考↑のグラン・ハンツの孫娘。よく祖父の手伝いをしている。
頑固爺で暴走しやすい祖父のブレーキ役。小さい子供からしたらお姉さん系
鍛冶屋の手伝いをしているが将来は鍛冶屋を継ぐ気はないようだ(両親は別の仕事をしている)


主人公の武器がいつまでも安物のレイピアだと不安なので鍛冶屋を

名前:ゴート
容姿:おっさん顔の大男。おたずね者のような服装で右手にはでかい鉄の義手をしている
備考:職業はハンター…というより金さえ積めば何でも引き受けるゲスな男
ある依頼中に右手を失い科学が発展した国で攻撃的な機会義手を手に入れた。
義手はそのまま攻撃として使えて、そこからマシンガンを撃ったりできる。義手をある程度伸ばして攻撃することも可能

名前:イヤード・ノンクライシス
容姿:金髪で片方が前に流れている。顔でムカツクやつだとわかる顔(イケメン)。ひょろい
備考:昔からその騎士団の国を支えているノンクライシス家の息子で親に甘えさせられてきた(しかもいい年こいて「パパ、ママ」呼び)
そのため、年ながらも騎士団副隊長の地位にいる
性格は一言で言えば「ナルシス、イヤミ、卑怯なゲスでクズ」で事足りる。
卑怯(他人を何かと動かすのに自分は動かない、すぐに自分の保身を考える……ect)や何事もすぐに人を責めては自分のことになると濁すなど卑怯な奴&自己保身しか考えない奴の典型的である
そして自分に楯突くものにはパワハラを行ったり、女性の隊員にはセクハラをしたりと遣りたい放題
しかも自分より上のものにはゴマをすったり調子がいいことを言ったりしてご機嫌取り。不満を持っている騎士団の隊員もいるようだ
実力は一応、名家出身であってなかなか脳で舞だが副団長の地位にいるほどではない。また、魔法も使えるがそれほどたいしたことない


イヤな奴が少ない気がしたので追加

今更だけど>>197の上はギラン・ハンツで。グランの名前のキャラはすでにいたわ
あと今から書くキャラは>>1のグロに触れないか心配

名前:グリフ・スワード
年齢:27歳
性格:大人しめの優男。気が利くいい男
容姿:緑髪の幸薄そうなイケメン。身長は175cm前後
備考:芸術家(分野は版画、彫刻、工芸、画家、デザイナーなど)
数年前はとある大きな街で妻と一緒に住んでいて仕事をしていたが妻が何者かによって殺害される。しかもそれはまるで芸術作品のように。彼はそのことに大いに悲しんだ。
それから彼は各地を旅しては、仕事の依頼を受けて生活している。
だが、彼の行く所(いつもではない)で妻が殺されたように芸術作品のようにされて殺されている。
彼はそのことを気に病んで「僕は呪われているだ…」と口にする。
【……実は最初の妻が殺された以降の芸術的な殺しの犯人は彼であり、作品のアイディアに悩んだり、インスピレーションが出ないときはこうして[ピーーー]ことでアイディアを浮かばせる。最初に悲しんだことは演技ではなく、本心だが、そのことで少しスランプ気味だったことも解消しており、今は犯人に感謝している。
自分が殺した被害者に対しては「死んだ人のことは可哀そうだと思うけど、僕の芸術の基になるんだからその人たちもきっと喜んでくれるはずだよ」ということを本気で考えているマジキチである】

更新が遅くなってすみません、今日は張り切って書いていきます

しかし、悪い奴がすぐに人質を取ろうとする理由がよくわかる
効果はこうも絶大だ

レイピアの刃をわざと太陽の光がもっとも反射するように傾けて、光らせてみると
それだけで兵士は後ずさりしていく

ロット(ふふ、これは少し楽しいかもしれないね)
フラン(ロットさま、あまりモタモタしているわけには…)
ロット(おっと、これは失敬しました)

いけない、いけないこれでは完全に悪者だ

ところで兵士の大群からは離脱できたものの
この人質というのはいつ開放すればいいのだろうか?

指揮官「ひぃ…勘弁してくれぇ」

これ以上こう腕に抱えたままだと、正直邪魔になってきてしまうのだけど
でも迂闊に話すと機会をうかがっている兵士たちが一斉に追いかけてくるだろう


ロット「ふ、フランさん」

フラン「はい、なんでしょう?」

ロット「この人どうすればいいんでしょうか?」

フラン「申し訳ありません、生憎私は人質を取った経験はないもので…」

下がりながら、指揮官を開放するタイミングを考えていたら
予想外なことが起こった

???「はぁぁああああ!!」

ロット「なに!?」

そう、人質に構わず兵士の一人が突進してきたのだ

フラン「くっ!速い!」

フランさんが僕の前に立つが、それすら無視し一目散に僕の元へ
僕はやむをえず、人質を放し、後ろへステップを踏む


ロット「…ま、まずい事になった」

もう後ろ盾はない
奴らが僕たちへの攻撃を躊躇する理由がなくなった

しかしこの兵士は何者だ?
騎士の一員、他の兵士と比べても特に特殊な装備は見当たらない
一般兵がこんな思い切ったことを?

指揮官「ば、バカ者!!私がいたのだぞ!!?」

???「失礼しました。処分は後程甘んじて受け入れます」

???「恐れながら奴からは指揮官様に対する殺気をまるで感じませんでした。これだけの敵に囲まれながら自暴自棄にもならず冷静な判断だったのでしょう」

???「指揮官を人質にしたのは逃げるためのパフォーマンスに過ぎない。だから斬りかかりました」

まるで答え合わせをするような口ぶりで話ながら、その人は兜を外し素顔を見せた

ニーナ「私はニーナ・ホリーロックという者です」

指揮官「しょ、小隊長どのじゃないか!なぜ君がこのようなところに…?」

ニーナ「それは後にしましょう」



ロット(この人、頭が切れるみたいだ。だけど、まだ他の兵は動きだしていない)

僕はフランさんに目配せする

フラン(逃げるなら今のうち――と言ったところでしょうか?)

多分そんな感じの視線が返ってきた

それに僕が頷く前に

ニーナ「指揮官様、奴らが逃げます。号令を」

ロット「げっ…」

指揮官「う、うむ。者どもかかれぃ!!」


うおおおおお

いい加減走りつかれてきたところだ
しつこいくらいの怒号が追いかけてくる
絶対に振り向きたくない

街の門まであとどれくらいだろうか

ロット「はぁ…はぁ…」

フラン「ロット様、もしよろしければ私がおとりになりますが?」

ロット「いや、無駄ですよ。フランさんがおとりになったところで、あの物量だと対して状況は変わりません」

ロット「僕たちを追いかける軍団が、貴方を追いかける大群と僕を追いかける大群に分かれるに過ぎないでしょう」

フラン「では…どうすれば、投げナイフももう底をつきました」

ちなみにフランさんの息は僕と違って乱れていない
どうなっているんだ?

ロット「せめて、一度隠れることができれば…」

フラン「でしたら私に考えがございます、次の角を右に曲がります」

ロット「え?」


曲がった刹那一瞬の出来事だった

視界が真っ暗になる
僕は何かの山の中にいた

そのうちに怒号の群れが過ぎ去っていく
それにしても騎士というより、あれじゃまるで山賊団のようなイカつさだ

ロット(えっと…そろそろいいのかな?)

状況が理解できないままもがいてみると
光が差し込んできた

ロット「これは…荷車?ははぁ、なるほど」

僕は荷車に積まれている藁の山の中に押し込まれたようだ
アサシンとかがこういうところに隠れるというのを聞いたことがある

辺りを伺い荷車から降りる

ロット「ケホッ…ゴホ」

むせながら、服の藁をはらう
となると結局、フランさんが一人で追いかけられているのだろうか?
といってもあの人なら多分大丈夫だ、簡単にやり過ごせるに違いない
というか一人の方が好都合なのだろう
不甲斐ないが僕は足でまといだったのだ

名前:ツヴァイ(アイン)・K・ガエン
年齢:16歳
性格:大人しくって落ち着いたちょっと抜けている優男/口が悪く、残虐な一面を見せて、態度も表と逆。
容姿:オレンジ髪のアホ毛ヘアーで身長165cm以上170以下きちんと騎士の鎧を着ている。大人しそう顔
/青髪のオールバックで騎士の鎧をきちんとつけていない。危険そうな顔
備考:騎士団の新人。後方支援で弓を使って仲間を支援する。魔法も使えるが基本的に補助魔法や回復魔法である。
少し気が弱く、頼みを断れずについつい引き受けてしまう。家は医者で薬草などにも詳しい。
騎士団に入ったのも「戦う騎士団のみんなの役に立つため」と変わったものであり、剣の腕も中々あるが彼は前線で戦うことはほぼない。
実は二重人格で、彼は『血を大量に見る』と裏人格のアインに人格が変わる。
使う魔法も攻撃的なものばかりになり、前線で積極的に戦う(それは周りのことも考えない戦い方)
原因は幼いころのいじめで偶然自分が怪我したことで大量の血を見てから出たと思われる
(元に戻る方法は異性とキス。これは母親と幼い頃キスしたから)
ツヴァイはアインについて何も知らない。ツヴァイがいい奴なので配慮していえない。


騎士団の新しいキャラ案。元に戻る方法は変更してもいいかも。今だとニーナがいつもしなきゃいけないし(笑)

名前:ログール(ログ)・カーティス
年齢:不明(見た目は70歳以上)
性格:スケベ心がある俗ぽくお茶目。ただし真面目になるときは真面目。弟子思い
容姿:ベースボールキャップらしい帽子を被ってサングラスをしているジジイ。
口髭と顎鬚が繋がっていて長い。
備考:酒場に入り浸っている爺さん。「ログ」「ログ爺さん」「ログ爺」などと親しまれている。1人称は「ワシ」。語尾は「~じゃ」(いつも付けているわけではない)
酒と大の女好き…というか超スケベ。女性を見ては尻を触ったりセクハラをしたりする(大抵は殴られる)
昔、この世界の危機を救った1人……と本人は言っているが誰も信じておらず、ホラだと思っている。名を遺した英雄や今を活躍している人の師匠であるとも言っているがそちらもホラだと思われている。
だが、魔法使いとしてはトップクラスで呪文などなしのノーモーションで上級魔法を使えたりする。使える魔法の数も多く中にも自作も。
また木製の杖を持っており、それを武器に敵を倒したりする(ちなみに杖はなくても普通に歩ける)
基本的に弟子を取らない主義だが、エッチなものを渡されるとすぐに引き受けたりする。慧眼であり、素質があるものにはきちんと剣や魔法などを教授する(勿論、エッチなことも)


主人公が弱いというか他人任せの所が多い気がするから強化のために

名前:ダニス・クラウン
年齢:37歳
性格:いい人だが、押しが弱い。
備考:タニア・クラウンの夫。一応、クラウン家の当主である。
ただし、婿養子であり、財産の管理や家の実権などは実質、妻のタニアが持っている。妻に尻を敷かれており、苦労人。
庭の手入れ、馬車の運転手、食事の買い物など雑用などが仕事。なお、本人は文句言いつつも色々してくれているので相性はいいのかもしれない。
ただ、周りから見ると一使用人として大差がない扱いをされているため「あの2人はどういう経緯でくっついたんだ……?」と使用人や近所では謎になっているとかないとか……


今更だけど>>187の夫人の夫の名前がなかったので作った。あとタニア夫人の姓も
タニア夫人の年齢が不明だから年齢は少し上な感じで。主人公以外の登場人物の年齢も教えてほしいけれど……

さて…ここから、どうするかな
このまま街からでて馬車を探すのもいい
フランさんを探すのもいいが

ロット(でもまあその前に…)

ロット「出てきてください、いるんでしょう?」

ニーナ「あら、気づかれていたようね」


建物の影からさっきの女騎士が現れる

ロット「……」

ニーナ「?」

ロット(本当にいた…)

気づいていたわけではなかった
出て来い!そこにいるのは分かってるぞ!なんて言ってみれば隠れているものが出てくるものだけど
まさか本当にいたとは…しかも厄介なのが

ニーナ「なんとか言ったらどうかしら?」

ロット「…じゃあ、こんにちは」

ニーナ「…あなた、大丈夫?」

本気で心配されている

ロット「いや、昨日から忙しくて少し疲れてるんですよ。できれば5分ほど休憩タイムが欲しいくらいで」

ニーナ「お生憎さま、こちらはそんなに時間が取れないの」チャキ

容赦なく抜剣する

ロット「ところで、この街の市民たちが先ほどから見当たらないんですが?彼らはどこに?」

ニーナ「そうね騎士団が街中なのにも関わらずこんな大騒ぎしてしまえば、みんな建物の中に籠ってしまうものじゃないかしら」

ニーナ「まあ、もっともそのきっかけを作ったのはあなた達なんじゃない?」

ロット「はぁ、僕はそんなに悪い事をしたんですかね?あなたは、この件の事情をどれだけ理解しているんですか?」

ニーナ「さぁ、私は別の件でさっきこの街に到着したばかりなの。詳しくは知らないわ」

ロット「別の件…?」


僕たちが追われている件とは関係ない別の件…
なんだ?ああ、そうか

ロット「屋敷…」

ニーナ「…!」

ニーナ「あなた、屋敷の関係者かなにかなの?」

ロット「やっぱり、あなたも屋敷の調査のために訪れたんですね?」

ニーナ「調査?何を言っているの?」

剣を降ろして聞き返してくる


なぜここで話がかみ合わなくなるんだ?
ヒューゴさんもあの屋敷のために来たくらいだ
この人確か小隊長だって言われていたような…?何も知らずに来たのか?

ロット「僕は調査だと思ったんですが…何しに来たんですか?」

ニーナ「あなたには関係ない――って返すところだけど。重要物資の輸送、その護衛よ」

ロット「重要物資…?」

まさか…いや、それってどうなんだ?

ロット「その物資の正体は?」

ニーナ「それ、答えてもらえると思って聞いているの?」

ロット「いいえ、まったく。じゃあ聞いたらどうですか?その物資がなんなのかをあなたは知らされていないのでは?」

ニーナ「ええ、そうよ。あなた色々知っているみたいね、どういうことなの?」

ロット「その物資が人間だったら、僕と同じくらいの少女だったとしたらどうしますか?」

ニーナ「!?」

ロット「、ある人の依頼で昨日あなたの目的地である屋敷に行ってきました」

ロット「そこで、5人の男から逃げてきた少女を偶然救出してきたんです」

ロット「その男たちの中で隊長と呼ばれていた男。名前は確か…」


思い出せ、一度だけだけどキリュウが奴をふっ飛ばした時に呼ばれた名前があったはずだ!

ロット「カモン隊長」

ニーナ「…あなた、名前を聞いてもいいかしら?」

ロット「ロットン・グラスバレー、探偵です」

話が纏まりそうだったから躊躇なくそう名乗った

ニーナ「そう…」チャキ

ロット「え?」


対峙していた相手は再び剣をこちらに向けた

ニーナ「確かにカモンという名の人とその舞台の合流する予定だったわ。あなたの言う通り、私はとんでもない事に首を突っ込もうとしていたようね」

ロット「じゃあ、なぜ剣を構えるんだい?騎士団は一体何をしようと」

ニーナ「勘違いしないでもらえるかしら?私は悪事に手を貸すつもりはない

ニーナ「でも、今やるべきことはあなたを捕まえること、これだけの騒ぎにしてしまった以上あなたを逃がすわけにはいかないの」

ニーナ「どうも私の事が気に入らない人達が上に何人もいるようなの。ただでさえ動きづらくなってきたのに、こんな汚れ仕事まで回ってくるようになってしまっては、部下に申し訳が立たないわ」

ロット「どうやら、騎士団っていうのは僕が思っていたより黒い集団のようだね」

ニーナ「ええ、返す言葉もない。詳しい話はまた後で聞かせてもらうわ、悪く――思わないで!」


刃と刃がぶつかり合う音、間一髪

勢いよく踏み込んできた騎士の攻撃を鞘から中途半端に抜いたレイピアで防いだのだ

ロット「ら、乱暴だなぁ…」


僕は少し下がり、相手の様子を少しみてから
結局仕方なく構えた

ロット「ふふ…」

ニーナ「あら、何がおかしいの?まさか私の事を舐めているわけかしら」

ロット「まさか、君は確実に僕より強いだろうと思ってるよ。ただ少し考えたことがあったんだ」

このあたりで敬語が抜けていることに気づいたが、口調を治す余裕はなかった

ロット「戦うのが本職じゃないんだけど、昨日から妙に剣を抜くことが多くてね、それも大体劣勢で」

ロット「しゃべる猫や古い付き合いのおっさん、果ては依頼人の執事さんに助けられてなんとかなってたものの…」

ニーナ(…しゃべる猫?)

ロット「正直僕は情けなかった。だから一対一である今この状況くらいは――気合を入れないとね!!」


多分、彼女を打ち倒すことは僕にはできない
殺す気でかかれば逆に重傷を負うのが僕なのは目に見えている

逃げるための隙を作る、それもできるだけずる賢く姑息な手で


ロット「はぁ!!瞬連斬」

連続切りを叩きこもうとするが、一手よけられ残りは弾かれる
まあ想定通り

ニーナ「…!…!」

騎士団らしく型には習った剣術のようだ
とても洗礼されているけども、それならば幾分か予測はしやすい

ニーナ「はぁ!!」

ピシッ

ロット(ん?なんの音だ?――えぇ!?)

いつの間にかレイピアにひびが入っていた
折れたりしたらシャレにならない

それに彼女の攻撃が見た目よりも重く感じる
さっきも見たように装備は他の兵と一緒の物だ
剣も例外じゃない

一振り二振りと隙なく繰り出される斬撃を前に
僕は反撃できなくなってきていた

ロット(でも少しわかってきた)


どうやら攻撃後、僕からの反撃を特に警戒しているらしい
やり口は僕と似ている、僕の反撃を防ぎ、その瞬間に僕の隙をついて勝負を決める――そんなところだろう
だったら…

ロット「今だ!!」

ニーナ(来たわね…)

僕はベルトに結んでいた鞘を彼女の眼前に放り投げた
それもクルクルと回転させながら目を引くように

ニーナ「…!?」

そして僕は、後ろにあった荷車に積んであった荷物の山を乱暴に崩そうとしたが―――そこで、手を止めた
彼女の腰に付いていた分厚い本に目がいったのだ
あれは…魔導書か

彼女の手からは魔法陣が浮かび上がっていた

ロット「まずい!」

ニーナ『フレアガン!!』

ロット「無詠唱!?うわあああ」


軽いいくつかの爆発音

ニーナ「惜しかったわね」

ロット「はぁ…はぁ…」

僕はなんとか立っていたものの、とてもこれ以上策が出そうにはなかった

ロット「妙に重いと思った剣は…魔法で強化でもしてたみたいだね…」

ニーナ「ご明察、あなたも腕が立つようだからこれ以上抵抗するならもう加減はできないわよ?」チャキ

ロット「くそぅ…」


どっちみち無詠唱でフレアガンを発動するような相手をどうにかできるわけがない
これはもう剣を捨て、両腕を上げるしかないか?


そんな時、緊急事態を知らせる鐘が響き渡り、また事態が変化した


「魔物だ!魔物がいるぞー!!!」

ニーナ「魔物?なぜ?こんな人の多い街に出てくるわけが」

ロット「屋敷の周りにいた奴らだよ!!それが街中に出てきたんだ」

ニーナ「…屋敷、どうも相当得体の知れない場所みたいね」

魔法とか魔物とか用語解説をしてほしいな。>>1にその余裕があればの話だけど

そう言って、彼女は剣を収めた

ニーナ「互いに運が良かったみたいね。この町中で魔物騒ぎが起こったなら、勇騎士としてはあなたを追うより優先すべき事項よ」

ロット「…市民が危険にさらされるから、というわけだね。うん、その方が騎士団らしい」

ニーナ「だから、あなたは今のうちにこの街から出るといいわ」

彼女は、僕の放り投げた鞘を広い手渡してくれる

ロット「話が分かる人で助かりました」

ニーナ「お詫びにこれも渡しておくわ、ポーションよ」

ロット「では遠慮なく」

受け取るが、その場では飲まないでおいた
敵の無力化に使う睡眠薬やしびれ薬だったら笑えない

ニーナ「さっきも名乗ったけれどニーナ・ホリーロックよ。機会があったらまたね、ロットン君」

ロット「ええ、よろしくお願いします」


そう言って彼女は騒ぎのする方へ走っていく
ああ、そうだ!!

ロット「例の屋敷に向かった僕の知り合いがいます!ヒューゴという…雑貨屋です、詳しい話を聞けるかもしれません!!」

ニーナさんは足を止めず一度振り返り、微かに頷いたかのように見えた


ロット(さて、あれだけ騎士団がいるからなんとかなるだろう――余計なことはせず、素直に逃げよう…)



>>224
はい、遅くなりましたがもうすぐ一区切りですので
採用した登場人物や設定も含めてまとめます

>>217
訂正

ロット「いいえ、まったく。じゃあ聞いたらどうですか?その物資がなんなのかをあなたは知らされていないのでは?」

ロット「いいえ、まったく。じゃあこう聞いたらどうですか?その物資がなんなのかをあなたは知らされていないのでは?」

名前:レッドハム、ブルーハム、イエローハム、グリーンハム
年齢:不明
性格:レッド(純粋、すぐに人の言ったことを信じてしまう。大雑把)、ブルー(真面目、実はむっつり)
イエロー(エセ関西弁で喋る。ボケ、ツッコミ、ノリのどれもいける)グリーン(少しナルシストで少しキザ、皮肉屋)
容姿:レッドは体の毛がどこかハネている。ブルーは逆にそういうのがなく身だしなみが整っている。
イエローは黒色の丸い眼鏡をかけている。グリーンは前髪が垂れている。
それぞれ対応する色のスカーフを身に着けている。
備考:>>213のログの部下であり仲間のような存在。チームであり、チーム名は「フォース・ハムズ」
キリュウのようになぜか人語を話せる。あちら違って隠すがなく普通に喋りだす。
全員オスでメスハムスターより人間の女に興味があるという変わった性癖(?)がある。
それぞれ得意とする属性魔法と武器は、レッド(火、ガントレッド)、ブルー(水、鞭)、イエロー(金、鉄製のハリセン)、グリーン(木、フェンシングの剣(エベ剣))。魔法は属性魔法以外も使える
それぞれ実力はあり、ハムスターと舐めていると普通に負ける。
現在、5人(?)目の土使いの仲間を募集中。その時はチーム名変更と茶色のスカーフを付けさせるらしい。
彼らがなぜ喋れるのか、ログとはどう知り合ったのか、なぜ人間の女に興味があるのかなどは謎に包まれている……

>>210を改変というか新しく設定追加などして2つに分けた
>>1の好きなように設定変更もしていいし、>>210のまま使ってもいい

名前:アイン・K・ガエン
年齢:16歳
性格:大人しくって落ち着いたちょっと抜けている優男。謙虚
容姿:青髪のアホ毛ヘアーで身長165cm以上170以下きちんと騎士の鎧を着ている。大人しそう顔
備考:騎士団の新人。後方支援で弓を使って仲間を支援する。魔法も使えるが基本的に補助魔法や回復魔法である。
少し気が弱く、頼みを断れずについつい引き受けてしまう。基本的に一歩下がった姿勢をする。マザコンの気があるが、彼自身は単純に家族好き。
礼儀正しく隊員や同期からの信頼や高感度は高い。
家は医者で薬草などにも詳しい。趣味は薬草探し、薬作り、魔法の勉強。そのため知識は深い。
騎士団に入ったのも「戦う騎士団のみんなの役に立つため」と変わったものであり、剣の腕も中々だが彼は前線で戦うことはほぼない。
二重人格だが、入れ替わっている間の記憶は一切なく、本人は戦闘でたまに記憶が飛ぶ病気だと思っている(親に言われたのもあるが)
周りはそんなアインに対して本当のことを言えなくなっている(言おうとしたやつは止められる)

名前:ツヴァイ
年齢:7、8歳 (正確には不明。人格ができてからの年)
性格:傍若無人。残虐な一面も見せる。ドS(特に女がいじめるのが好き)
容姿:青髪のオールバック(アホあり)で騎士の鎧をきちんとつけていない。危険そうな顔
備考:アインのもう1つの人格。 『血を大量に見る』をトリガーにこちらの人格と入れ替わる。
性格は前述してある通りに元の人格の欠片がないほど危険な男であり、口と態度が悪い。礼儀正しかったアインと違って言葉使いも汚い
(例:父さん→クソジジイ、ニーナ先輩→処女女、フリックくん→真面目バカ)
使う魔法も攻撃的なものばかり(物理的攻撃、自身を強化する魔法など)になり、前線で積極的に戦う(パワータイプ)
自分より強い相手には一応従うが、人によって挑発したり、ワザと怒らせたりと性格が悪い。
一応、主人格のアインに対しては考えており、迷惑はかけないようには”考えている”
アインと違って人格がアインの時でもこちらは記憶と知識を共有している模様
彼ができたのは幼い頃のいじめられっ子だったアインがいじめっ子達によって血が出る怪我をしたのが原因である。
(元に戻る方法は異性とキス。これは母親と幼い頃キスしたから)

―――――――――――――――

キリュウ(これはどういうことなんだヨ?)

ワレ様が昼寝から目を覚ますと、そこは例の小娘の腕の中

後ろには馬車があり、あと知らない女と男が一人ずつ
ロト坊はいない


キリュウ「おい、小娘」

イヴ「…あ、おはようございます。キリュウさん」

キリュウ「キリュウ様と呼べヨ。いや、そんなことより、ここはどこ?ロト坊は?何があったんだヨ?」

イヴ「実は…私たち騎士団の方に追われたんです」

キリュウ「はぁ?」


ダニス(タニアの夫)(お、おい、猫が喋ってるぞ…)

タニア「あら、凄いわねあの猫ちゃん」

ダニス(いやもっとこう驚きをだなぁ)


なんかこそこそ喋ってるけど聞こえてるからな人間ども
ん?あの猫…


タニアの猫「ニャー」

あの猫、ロト坊が探してた奴だヨな?
じゃああいつらが屋敷調査の依頼人かヨ

キリュウ「んで?続きは?」

イヴ「じゃあ、順を追ってお話しますね」





キリュウ「また厄介なことになったもんだヨ…」

イヴ「申し訳ありません私のせいで」

キリュウ「違ぇヨばか、大体ロト坊のせいだヨ」

イヴ「え?」

キリュウ「ロト坊は厄介ごとに巻き込まれる才能があると言ってもいいくらいなんだヨ」

キリュウ「だから気にすんなヨ、遅かれ早かれ似たようなことは起こってたんだろうヨ」

タニア「あら、あなた猫にしては中々男前なこと言うじゃない?」

キリュウ「そこらの猫とは違うだけだヨ。褒めても別になんも出ねえヨ?」


タニアの猫「ニャー!!ニ”ャァアア!!(離せー、俺を野生に帰せええ)」


うわー、やっぱ懐いてねーヨこいつ
てか逃げたがってるじゃねえかヨ、よっぽど過保護なパターンだな

イヴ「…」

心なしか、ワレ様の事を抱いている小娘の手が震えてるように感じる

キリュウ「なんだ?心配なのかヨ?」

イヴ「ええ、騎士の方々も凄い数がいましたし…私、まだ何も話していないのに…」

キリュウ「ふーん」

イヴ「あなたは心配じゃないんですか?」

キリュウ「これっぽっちも」

イヴ「そ、そうですか…でも、たしかフランソワーズさんという方も一緒に」

フランソワーズ?その人間は知らないな

ダニス「そうだ、フランちゃん大丈夫なのか?」

タニア「大丈夫よ、あなたと違って強いもの」

ダニス「俺だって腕っぷしは…」

タニア「ないでしょ?この前酔っ払いに絡まれてへたれてたじゃない」

ダニス「ぐぬぬ…」


名前:ジョール・リオル
年齢:38歳(本人は20代と言っている)
性格:面倒見がある性格。男好き。オネエ系
容姿:黒髪で青髭。マッチョで胸元をわざと開いている
備考:お姉系。オカマと言われるとお姉と訂正する。
酒場「レポル」の店主であり、好みの男の幅は広い(ショタから渋いオジさんまで)。勿論、言葉使いはオネ系
情報を与えてくれるだけではなく、冒険のためのアドバイスや人生相談まで乗ってくれる
元々は冒険者で怒ると男時代の言葉遣いが出る。実力はあったようで、今でも暴れる客に対して自分で対処している

そんな感じで待ちくたびれていると…

ゴーンゴーン!!

タニア「あら?」

ダニス「おい、この鐘は!」

時報かなにか、大きな鐘の音が聞こえてくる

イヴ「お、大きな音…」
キリュウ「なんの音なんだよ?この大きさは異常だろヨ?」

ダニス「この街の災いの鐘だ」

イヴ「災いの鐘…ですか?」

ダニス「ああ」


イヴ「?」

イヴにはどうにも状況が理解できていないようだった

キリュウ「なにか緊急自体が起こったんだヨ」

イヴ「緊急自体…」

ここまで言ってわからないのかヨ?
察しが悪いとかそういう問題なのか疑問だヨ

キリュウ「例えばサイクロンとか自然災害、殺人系の凶悪指名犯が見つかったとか…他には」

タニア「魔物の侵入とかかしらね」

イヴ「魔物!」

キリュウ「多分それだヨ、屋敷にいっぱいいたからヨ」

ダニス「おいおい大変じゃないか!!街は…家は大丈夫なのか?」

タニア「大丈夫でしょ、あれだけ騎士団がいたんだから」

イヴ「それよりもロットさん達は!」


どうだろな、そこそこの魔物にもそう簡単にはやられる奴じゃないけどヨ
しょうがない、少し様子を見に…

重い腰をあげ街に向かおうと、小娘の腕から降りると
シュタ!!っと着地音が聞こえた

キリュウ「?」

いや、ワレ様が小娘の腕の高さから飛び降りたところでこんな音しないだろヨ

タニア「あら!」

フラン「ただいま戻りました、お怪我はございませんか?皆さま」

ダニス「フランちゃん!いやいや、こっちのセリフだろ。心配したぞ」

フラン「恐縮です、ダニス様」

タニア「みんな無事よ。傘はボロボロになっちゃったけど」

フラン「後程新しい者をお持ちします」

イヴ「あ、あの…」

キリュウ「ロト坊はどうしたんだヨ」

フラン「……」

するとその人間は沈黙する

イヴ「あ、あの…?」

タニア「フラン?なにかあったの?まさか…」

フラン「――ね」

イヴ「ね…?」




フラン「ね、ね、猫が喋っている!?」

またこれかヨ



フラン「た、タニア様、少し休息をいただいてもよろしいでしょうか?不覚にも猫が喋ってるように見えてしまいました…」

ダニス「気持ちはわかるけど、それ現実だよ」

フラン「ば、バカな!?」

キリュウ「おい!」

フラン「は、はい!」

キリュウ「んなこたぁどうでもいいんだヨ!!ロト坊はどこで今何してるんだヨ?」

イヴ「一緒でいらっしゃったんでしょう?お願いします!教えてくださいませんか?」

フラン「え、ええ。そうでしたね」


フラン「失礼、取り乱しました。分けあって別行動になりましたが、恐らく無事かと思われます。そろそろこちらに…」


「やぁ、遅くなったよ」

イヴ「あ!」

ロット「いや、参ったね。厄介な人が…」

イヴ「ロットさん!!」
ロット「うわ!」

小娘が凄い速さで駆け寄って、涙目ですり寄る

イヴ「よかった…心配しましたわ」
ロット「う、うん。し、心配ありがとう…あはは」//

わかりやすいったらねえヨ

タニア「さあ、そろったようだから出発しましょう?乗って」

タニア「ほらあなた、モタモタしないで馬車を動かしなさい!」

ダニス「へいへい」

―――――――――――――――

馬車は動いている
時間はそろそろ夕暮れに差し掛かる

あれからキリュウにガミガミ言われたが、例の猫缶の袋を見せたらすぐに上機嫌になった

そろそろ一息は十分だろう、本題に入ろう

ロット「イヴ」

イヴ「はい、なんでしょうか?」

ロット「これからどうするつもりだい?」

イヴ「……その、なにも」

ロット「帰るアテぐらいはあるはずだ」

イヴ「いえ、ないんです。行く当てはどこにも…」

タニア「この子、ひょっとして記憶喪失とかかしら?」

フラン「しかし、名前は覚えていたようですが」

ああ、記憶喪失ではない。名前もそうだけど、あの時騎士団に追われた理由をハッキリと認知していた

イヴ「…でも、これ以上ご迷惑をおかけするわけにはいきませんわ。どこかで下していただければ、そこからは一人で」

ロット「よかったら一度僕の事務所まで来ないかい?少し遠いけれど」
僕は彼女の話を遮ってそう切り出した

イヴ「い、いけませんわ!私これ以上あなたを巻き込むわけには」

ロット「職業柄、厄介ごとに巻き込まれるのは慣れているんだ。気にすることはないよ」

イヴ「でも…これ以上…」

キリュウ「これ以上これ以上、うるさい奴だな小娘ヨ」

キリュウ「そんなに我様達の事が信用ならないのかヨ?」

イヴ「そんなとんでもない、こちらに連れてこられて、あなた方に会えた事はむしろ幸運だとすら」

イヴ「信用――という話でしたら、むしろ私の方が。本当の事をなにも話せていないのに…」

ロット「それは違うね」

イヴ「…違う?」

ロット「確かに君は多くを隠している。やむに已まれぬ事情でね」

ロット「でも、君は既に一つの真実を僕に話してくれたよ」

イヴ「…ですが私、本当に何も話していませんよ?」

ロット「じゃあ、君は名前すらも偽っていたというのかい?」

イヴ「……あ」

ロット「イヴ・ブラット=レイ…とてもじゃないが、咄嗟に思いつくような名前ではないし、こんな印象に残るような名前を偽名として予め考えておくとは思えないからね」

イヴ「で、でもそのくらいは人として当たり前のことですわ。本当の名前を名乗ったところで私が信用に値する人物かどうかなんて」

フラン「いいえイヴ様、このご時世、すまし顔で偽名を名乗る方は思ったより多くいます」

イヴ「え、そ、そうなのですか?」

タニア「あはは、イヴさんまるで自分の信用を無くしたいように見えるわよ?」

イヴ「いえ!そういうわけでは…私、さきほどから否定してばかりですわ」

ロット「イヴ、僕は探偵なんだ」

ロット「だから心配する必要も、なんなら何も話さなくても構わない。いつか暴いてみせるからね」

イヴ「……」

タニア「あらあら、乙女の秘密を暴くなんて、大胆な宣言をするのね」

ロット「ちょ,語弊を招く言い方をしないでください…!」



イヴ「ロットさん、なぜそこまでして頂けるのですか?」


聞こうか聞くまいか躊躇した様子で彼女は聞いてきた


ロット「…それは」

ロット(どうしよう、考えてなかった)

キリュウ(じー…

ロット「気になったんだよ。騎士団が…いや帝国政府が何を企んでいるのか」

ダニス「政府だって!!?なんだ、そんな厄介ごとなのか!?」

ロット「あくまで可能性ですが、今回の件がただ事じゃないのは確かです。僕がさっき対峙した騎士団の小隊長ですら事の本質を把握していなかった」

フラン「なるほど、確かに今回の件に対して、スタット街に集まった騎士団の規模はいささかおかしかった」

タニア「あら?そうなの?」

フラン「ええ、小耳に挟んだ兵士の会話から、あの後にも幹部格が集まってくる予定だったようです」

ダニス「だからこんな遠回りな道を行けって言ったのか」

ロット「あまり事件に関してこういった感想を口にするのは主義に反しますが」

ロット「この件は興味深い」

ロット「そしてこの件にはイヴが関わっている、放っておくわけにはいかないよ 」

イヴ「……!」


キリュウ「ふーん」

ロット(ウ、ウソは言っていないからね)


ロット「だから、ゆっくり考えるためにも事務所に一度戻ろうと思うんだ。本当はもう少し調べるべきなんだろうけど、こうなった以上スタット街に戻るわけにもいかない」

イヴ「本当に…本当に頼ってもよろしいのですか?」

ロット「うむ、どうせ僕も追われる身になりそうだしね」

イヴ「も、申し訳ありません…でも分かりました。そういうことでしたらよろしくお願いしますわロットさん」

ロット「よし、方針は固まったね。僕の村は北の方だ、何日かかかるだろうから気長に行こう」

ロット「……」

キリュウ「まさかこんなことになるなんてヨ。おいロト坊、今何考えてるんだヨ?」

ロット「いや、昨日の夜すれ違ったローブの人に言われただろう?」

『人生を変えるほどの大きな転機がそなたに起こるかもしれん』

ロット「あれ、あながち間違ってないなって」

キリュウ「ああ、いつか本当に捕まって、罪人としての人生に変わるかも知れないヨ?」

ロット「ははは、それは御免だね気を付けないと」


馬車は進んでいく、その先が
これから世界の命運を揺るがすような大きな大事に深く関わっていく第一歩となることを
僕は想像もしていなかった

プロローグend

プロローグ登場人物の簡単な紹介

ロットン・グラスバレー 17歳
私立探偵
レイピアなど細身の軽い剣を使った剣術を得意とする
戦闘力に関してはそこまで恵まれた才能があるわけではなく、機転を利かせて戦う
戦闘ではなんでもありだと考えているが、普段の基本的な礼儀は重んじる
調査するために入った街はずれの屋敷で、囚われていた少女イヴに一目惚れをし連れ出した
個人行動を好むがコミュニケーション力がないわけではない。女慣れはしていない

イヴ・ブラット=レイ 16歳
スタット街の屋敷に囚われていた姫様風の少女
素性ははっきりしない、嘘をついているわけではなく話せないとのこと
屋敷で謎の集団に捕らわれていたが、隙をついて逃げ出してくる
自分が騎士団に追われる理由を知っている

キリュウ 
相棒のしゃべる猫
プライドが高く性格がきつい、語尾に「ヨ」をつけて話す。たまに猫っぽい鳴き声も出る
氷系の魔法が得意、魔法を使う時は首にかけているラピスラズリを媒体にする
ロットンは密かに魔物なんじゃないかと疑っている

タニア・クラウン  32歳
探し猫の飼い主
おおらかな性格で、なんでも面白がる
我儘だが、聞いてもらえなくても文句は言わない
使用人使いは常識の範囲内だが、代わりにダニス使いが荒い
過保護すぎるせいでペットの猫は何度も逃げ出している
ロットンが屋敷を調査するキッカケになった人物

フランソワーズ  24歳
タニアに使えている凄腕執事、女性だがメイドではない
冷静沈着で、いろんな人に頼られている
ナイフ捌きがプロ並み
真面目過ぎて冗談が通じないきらいがある
ロットンが屋敷を調査するキッカケになった人物その2
馬車を町から脱出させるためにロットンと共に一時街に残った

ダニス・クラウン 37歳 募集キャラ(>>214)
夫、一応クラウン家の当主
いい人だが、押しが弱く心配性
妻に尻を敷かれており、苦労人
馬車を運転し、スタット街から隣町まで送ってくれる

ヒュード・スクヤード 40歳 募集キャラ(>>36)
ロットンと古い付き合いのやれることが多すぎる雑貨屋
キリュウとも付き合いがある
屋敷の調査のためにわざわざやって来る
騎士団からロットンを逃がした

ローブの女性 
ロットンに「転機が訪れる」と告げた謎の女性

ニーナ・ホリーロック 20歳  募集キャラ (>>170)
弱冠二十歳にして小隊長を任されている女騎士
物事を正確に把握する洞察力を持つ
剣術だけでなく、魔法にも長けており、ある程度の魔法なら無詠唱で発動できる
魔法を使う時は赤の魔導書を媒体にしている
物資輸送の任でスタット街にやってきた。
町はずれの屋敷の事情は何も知らなかったが、ロットンに気かされて事を把握
その後ロットンを拘束しようとしたが、街中で魔物騒ぎが起こったためそれに乗じて、ロットを見逃した

これらの設定はほぼそのまま使用します
(多少弄りました)

(>>43より)
『魔物』…世界に存在する普通の動物とは違う異形の生物。いつから存在して、何処から来たのかは詳しいことは不明
種類は動物型、植物型、岩石型、機械型……etcといろんなタイプの種類があり、日々増えているという。
また生態系も様々。雑食もいれば全く食べない魔物もいる
食事のために生物を襲うこともあれば、襲うことが存在理由の魔物も存在する(全く無害なものも)
知能は基本的に低く、人とコミニケーションが取れないものばかり(取れても交友ができるとは限らない)
基本的には食料として持ちられないが、場所や生物によっては魔物を食料として食べるところもある
またペットとして買われたり、商売道具として捕まえられたり、裏の闘技場で使われたりする
(だが、基本的に魔物は恐れられているものなのでそういうことは好きくない)
そんな魔物を狩るための専用の職業が「魔物ハンター」であり、また魔物を使役する「魔物使い」なども存在する

『魔法』…人間が魔物と対抗するために作られた力の一つ。その歴史は何百年も前に遡る。
人間の体内にある魔力(これは誰の中にも存在する)を使い、それを具現化して外に出すのが魔法である。
誰の中にもあるからと言って、簡単に使えると限らない(生まれてすぐに使える天才も存在する)
使えるようにするには一般的に2つ。1つは厳しい修行を続けてコツコツとあげること。
2つは魔翌力を操れるものに魔力を注入してもらい無理やり眠っている魔力を引き出す。
2つ目はすぐに魔力を使えるようになるが高い可能性で重障害を負う、最悪命を落とす可能性があるためお勧めはできない。
魔法の種類は基本は4属性「火」「水」「土」「風」であり、魔翌力を使えるようになったものはどれかを習得するのが普通である
ただし、これ以外の魔法は数多に存在し、↑の4属性を使えない特殊なものもいるいう
魔法の種類は魔物と同じくらいに日々増えており、図書館にある「魔法全書」など毎年書き換えられるほどである。

付け加えて、魔法を使うには一点に魔力を集中させるため、通常一時的に魔力を蓄積させる「媒体」が必要となる。一般的には天然の鉱石
もしくは術式を記した人工の魔導書などが媒体となる。魔導書の方が精度が高く扱いやすい、鉱石はより爆発的な効果を得られるが不安定
卓越した魔法使いならば、媒体なしで魔法を発動できるが体にかかる負担は大きくなる

皆さま久しぶりです

プロローグ終了までは書き留めてあったのですが、どうもここに上げるだけの作業ができずにいました
ごめんなさい<(_ _)><(_ _)><(_ _)>

安定して更新が続けられそうな目途が立ちましたので再開していこうと思います

さっそくですが、ここからロットン達は3つの町もしくは村を経由して、事務所を目指す展開にしようと思います
つきましては次の舞台についてを募集します

細かく書いてくださっても構いませんし、ただ単にこんな展開が欲しい的なのを簡単に書いてもらっても構いません
その中から選んで組み合わせて書いていこうと思います
今まで募集したキャラクターも使っていきます

因みにタニアさん達御一行は離脱しますのであしからず
よろしくお願いします

こんな感じ?

職人と冒険者の町【ツカーテ】

冒険者や職人を支援するギルドを中心とした町。
石造りの家屋と市場に集う屋台。絶えず響く鍛冶屋の鎚の音が印象的。
二つの大きな街道の交差点に位置し、東側には海に向かう大河が流れており、交通の要所としても有名。
宿、商店、鍛冶屋などなど、「ツカーテに来て揃わぬものなし」と言われるほど商業が発達していると同時に、多くの情報が集うため情報屋の激戦区でもある。
町全体を通して自立意識が高く、ギルドの組織している自警団は騎士団や国とのいさかいを起こすことが多い。その為国とは仲が悪いが、多くの冒険者や商人達を味方につけているため国としても手を出しづらい町である。

名前:オルバ・バーチャス(表記と呼び名はオバちゃん)
年齢:?歳
性格:噂好きで愚痴ポイ…よくいる世間のイメージのおばちゃん
容姿:ちょっと太っちょで髪色は白髪になっている。
備考:超噂好きで聞いたらすぐに誰かに話したくなってしまうオバちゃん。超早口のマシンガントークが得意(内容は噂、世間話、愚痴など色々)
1人称は「オバちゃん」。男はイケメンや渋い顔のタイプが好きでおっかけになったりする。
自分より下と思ったらとことこ舐める。ちなみに権力には弱い
偶然にもロットン達に行く度々に表れる。仕事は警備担当だったり門番だったりするが口が滑りやすかったりするので長く続かない
職業は一応、格闘家になっている(本人曰く「か弱いおばちゃん」らしいがそこら辺の魔物よりは普通に強かったりする)
年齢、家族関係共々不明。薬指に指輪を付けていて子供がいるが話によって息子やら娘に変わらるので色々謎。

すみません土曜日に更新します

名前:リゼッタ・ローゼス(リゼ)
年齢:23歳
性格:おせっかい焼きで面倒見がいい性格。多少大雑把
容姿:ピンクに少し赤色が混じったような髪。ショートヘアで巨乳。170cmより少し小さいくらい
備考:職人と冒険者の町【ツカーテ】の職人の1人。腕は中々。
初めてツカーテに来た相手に丁寧案内したリするなど、元気で面倒見がいい。ただし、正義感も強く、悪人などには考えずに手を出してしまう所も……
姉御気質で彼女を慕っている者も多く「リゼ姉さん」or「リゼの姉御」と呼ばれていたりする。
武器はハンマーでこれでセクハラしたり迷惑したりする客を倒したりする。
実は孤児で、町の職人たちによって育てられた。そのため町に育てられたといっても過言ではないのでそのために毎日町のために働いている。


村や町はどれが採用されるかわからないのでとりあえず色々書いてみる。
その町が採用されなかったら設定変更をお願いする。

名前 ジュライ
年齢 不明(20代前半~後半あたりだと思われる)
性格 社交的。嘘つき
容姿 逆立っている黒髪で長身イケメン。
備考 初めて会った相手でも仲良くしてくる人物(良く言えば人付き合いがうまい、悪く言えば馴れ馴れしい)
情報通で色んな情報を話してくれる。
その正体はマフィア「バロック」のボス。前ボスの実の息子
本人は家業のために仕方なくやっている点があるがマフィアとして優秀。ただし、フラッと姿を消して仕事をサボることがある。
ただし、普通の一般人と暮らしたい願望もあり、基本的に自分がボスだということは隠している
(子供時代はマフィアの関係者であることで苦しんでいた。「普通」というものにあこがれていて、普通の友達がほしいと思っている)
武器気マフィアであって銃を使う。普通の銃と魔法銃を使う

名前 ゴート
年齢 47歳
性格 真面目
容姿 スキンヘッドの大男。サングラスを掛けていて、いかにもマフィアという見た目
備考 マフィア「バロック」のメンバーの一人。幹部
先代に拾ってもらって以来、組織に尽くして幹部になった。今はジュライの護衛とお目付け役の一人も兼ねている
ジュライの実力は認めているがまだ若いことなどもあり苦労している。
家族は妻と子供4人(長女、長男、次女、次男)がいて、愛妻家で子煩悩。家族のためにがんばっている。

クレセントが登場したら「バロック」も詳しく考える

名前 ベジタリス・ダリエット
年齢 38歳
容姿 農業服(麦わら帽子を被っているああいうの)
備考 農業家。野菜作りに情熱をかけており、日々品種改良で上手い野菜作っている。
最近は苦みがなく、子供でも食べられるピーマンやにんじんを開発するなどうまくいっているようだ。
いつか自分の野菜をいろんなところで食べられるようになって、子供たちが野菜が好きになる「野菜ランド」を作るのが夢(なんかズレている気がするが…)
田舎者らしく1人称「ワシ」で語尾に「だべ」が付く。今の所、嫁さんを募集中だがなかなか来ない。


あと>>267の「ゴート」は「グラット・クルース」で
ゴートは>>199にすでにいた

名前:パーペス兄弟(レード・パーペス、ラッド・パーペス)
年齢:32歳 (両方)
性格:レードは少し気が強く、ラッドは逆に少し気が弱い。ラッドの方が優しい
容姿:二人とも30代なのに40代のように顔が老けている(顔にしわがある)
備考:双子の糸操り人形を使って人形劇を旅芸人。レードが兄でラッドが弟。
旅に来た場所で人形劇を人々に見せて金を貰っている。
実は裏社会でも名が知れている殺し屋で糸操り人形を使って呪術を使う
レードは向上心が強く誰が相手だろうが容赦なく殺せるが、ラッドは子供や女の子相手だと躊躇してしまう性格
兄弟仲は兄の方が優先だが悪くはない模様

名前:マヤ・リドビア
年齢:24歳
容姿:眼鏡をかけたスーツ姿のきっちりした女性。髪色はブロンド
備考:真面目な秘書。問題が起きても冷静に対処する。しっかり者
巨乳(Fカップ辺り)で美人なので職場の男たちの憧れの的(一部、彼女に叱られたいという変わった人もいるとか…)
ただし、私生活はズボラで家はゴミが溢れかえっており料理もできない。
好みのタイプは「私生活を支えてくれる人」(家事ができないため)

名前 ガーロ
年齢 58歳
性格 外道。我利私欲
容姿 胸元が開いた服。成金趣味身を思わせる装飾を付けた黒人
備考 高利の金貸しで、武器売りや奴隷売りなどをしている完全に"黒"の人物。
人呼んで「黒金のガーロ」(黒い金ばかり金の手元にあるから)
「金で買えないものはねぇ」という考えを持ち、信頼や人も金で買おうとする。
ほしいものはどんな手を使っても買おうとしている。遊び好きで女好きでもある。

>>270に容姿に「意外とガタイはいい。金色の趣味が悪いサングラスをかけている」と備考に「不動産もしている(どれも悪徳なものだが)」も追加で

>>265の土曜日に更新とは何だったのか……

名前:エリス・カーバイン
年齢:15歳
性格:大人しくドジッ子。ただし、自分を意見を通すときははっきりとモノを言う
容姿:魔女らしい黒い三角帽・黒マントの服装をしており、髪色は緑で薄い緑目。眼鏡で三つ編み
備考:昔から続く魔女の家系に生まれた少女。魔女の血を引く魔法使い。
ただし、昔から大切にされた来たので大人しいの少女。このままではいかないという祖母の考えより旅に出される。
基本的に箱入り娘でトラブルが起きることが多い。だが、意外もタフであり前向きな所もある。
得意魔法は「風」「土」。他に植物魔法や回復魔法が得意であり、魔法を使うために親に持たされた魔導書を使って魔法を安定させる。
おばあちゃん(もちろん魔女)子で魔法の師匠でもある。両親との関係は良好…というか親が過保護すぎるというレベル(旅のために色々渡しすぎている)
特技は魔法以外だと触媒の発掘と趣味は読書。読書は王道系の恋愛小説が好きだとか……(いつか自分もこういう恋愛したいという憧れもあるようだ)

名前 ラミィ
容姿 兎に似ている生物。
備考 エリスが旅前に祖母が渡した魔法生物(魔法で作られた人工生物)。耐久性は普通の生物と同じぐらい。
体に魔翌力を蓄積していて、最悪この子を使った魔法を使うことができる。
意識もあり、最悪エリスを守るために戦うように作られている。
普通の生物のように生きているように見える。エネルギーは周りの魔翌力から微弱に吸い取っている。

更新予定を守れず申し訳ないです
ちょっとやり直しをしていました

~???の町の宿のテラス~

この町に到着したその夜、宿のテラスでイヴはただずんでいた
今の彼女はあの立派なドレスではなくフランさんに分けてもらった服を纏い、相変わらず僕の帽子を被っている
流石にあのドレスをこの先も着続けているのは一緒に行動する身としては恐れ多い

(フラン「申し訳ありません、あまりふわふわした服は得意ではなくてこのくらいしかないのです」)

と渡してきたスーツは、言っちゃ悪いが本当に地味な色だったが、イヴは文句も言わずに着こなしている。
――そう、着こなしているのだ。もともとすらっとしたスタイルなおかげなのか、帽子からはみ出た髪が夜風にたなびかせられている様はなんと褒めるべきなのかすら分からない。

ロット(ああ、こんな助手が欲しい…)

スーツに鹿内帽、まさに探偵姿だ。そうでなくとも凄腕の仕事人に見える。



ロット(――いけないいけない、このまま凝視していたのがばれたら、どう思われるか)

耐えきれず話しかけることにした

ロット「何を眺めているんだい?」

イヴ「いえ、夜風が気持ちよくて――やっと、静かだなって少しぼうっとしていたのですわ」

ロット「そうかい」

なるほど、スタット街は真夜中でも騒がしい場所だった
それだけじゃなく彼女の話が本当なら誘拐されてきた身、落ち着ける時間なんてなかっただろう
とはいえここも、そこそこに血気盛んな町だ
昼間の騒がしさはスタット街と比べても引けをとらない

イヴ「――そういえば、やっと落ち着いてお話できますね」

ロット「え?」

少し見回してみる

ロット「ああ、そうだね」

キリュウはまた勝手にどこかへ行ってしまった
やつが茶々を入れてくることはとりあえずないが



ロット「え、えっと、なにか話したいことはあるかな?」

イヴ「え?いえ、ロットさんこそ、聞きたいことがあるのでは?」



ロット(そうか、なにか質問すればよかったのか)

突然二人きりだったという状況に戸惑った故、何を話せばいいのか全く思いつかなかった
しか、現時点で彼女の素性についてをこれ以上問いただす気は元々なかった

じゃあどうする?趣味とか聞けばいいのだろうか?
いやそれはいきなり踏み込みすぎだろうか?

ロット(ええと、ええと)

イヴ「??」


心なしか冷や汗をかきはじめた気がする

ロット(いけない、これ以上沈黙を続けては変に思われるじゃないか――そうだ!)

ロット「いや、今は特に君に質問する気はないよ、せっかく君も久々に心を休められる状況なんだしね」

ロット(うん、ごく自然に沈黙を破れたぞ)

イヴ「はい、お気遣いありがとうございます。確かに、私も今何をお答えするべきかまだ判断がついていないのです」

ロット「気に病む必要はないさ、隠しごとの一つや二つ慣れているからね」

イヴ「ふふ、ご職業柄ですか?」

ロット「まぁね――そうだ、それなら僕にも何か聞きたいことはないかい?」

聞いてばっかりいるより、僕の事を話してみるのも信頼を得る意味では建設的だ


イヴ「あ、えっとでは、なぜこの町に?」

ロット「この町?」

意外にもすぐに質問が返ってきたのはいいものの、それは僕に関することじゃなかった

イヴ「はい、たまたま近かったからここに来たとは思えなかったので」


求めていた答えとは違うが、気になるのは分かる

ロット「なるほど、いい質問だね」

ロット「もちろんこの『ツカーテ』を訪れたのにも理由はあるよ」


そう、僕たちはタニアさん達御一行にこの町「ツカーテ」の付近まで乗せてきてもらったのだ
この町に既に追手来ていないことを確認したうえで入り、この宿をとったわけで


ロット「この町は別段大きな町ではないけれど、職人と冒険者の町って言われている。独自のギルドという自治体があって、ギルドの支援の元、この町の商業はスタット街とはまた違う発展の仕方をしているんだ」

ロット「そのおかげか、まずなんでも揃う。物価は少々高いけどね」

だがボッタくりな物は見たことがない、高かろう良かろうというか、この町で出回る売り物の品質の信頼度は随一と言える

イヴ「なるほど、先ほどお見かけした雑貨屋の品揃えには、わたくしも驚愕いたしましたわ!できれば後で行ってみたいのですが」

ロット「もちろん構わないさ、明日行ってみようか」

女性は買い物好きと言うイメージがあるが、イヴもその例に漏れず少し楽しみそうだ

イヴ「ありがとうございます!!――あ、もちろん見るだけです!この後に及んでなにかをねだるなど…」//

ロット「まあそこまで深く考えなくてもいいさ、必要なものがあったら気軽に言ってくれたまえ。必要経費かどうかは僕が判断するよ」

イヴ「うっ…申し訳ありません」

そりゃ必要なものはあるだろう、なにしろ彼女はほぼ丸腰なのだから


イヴ「――つまり、ロットさんもなにかお求めなのですか?」

ロット「あ、いや――ま、強いて言うなら僕のレイピアにひびが入ってるから、安物の武器があれば取り替えたいけど」

ロット「どちらかというと、もう一つの理由がポイントなんだ」

イヴ「それは?」

ロット「うん、どういうわけかこの町の住人は基本的に騎士団の事を良く思っていないみたいなんだ」

イヴ「そうなのですか?」

ロット「ギルドが組織してる自警団があるんだけど、ほら今もそこで見回りをしてる人がいるだろう?」

僕はちょうどテラスから見える、屈強な人影を指さした


イヴ「あの槍を持った方がそうなのですか?」

ロット「ああ、自警団の腕章を付けてるね。ここの住人かもしれないし、たまたま立ち寄った旅の人がギルドからの報酬目当てでパトロールをしてたりするんだけど」

ロット「とにかく、この町でギルドの自警団である彼らと、何かに付け込んで立ち入ろうとする騎士達とのけんか騒ぎは日常茶飯事だ」

イヴ「ふふ、聞いただけだと治安が良いのか悪いのか…」

とイヴは苦笑いを浮かべる

ロット「いや、その点は安心していいと思うよ。ギルドもなかなか悪事は見逃さないから」

僕からみても、ギルドという組織は上手く機能しているように見える
頼まれて調査をしたことがあったけど、特に裏も無いようだった


イヴ「でしたら、むしろ親近感が湧いてきますわ!」

ロット(おっと)

今までイヴは比較的上流階級にいる人物そうに見えてたけど、やはり先入観に過ぎないのだろうか?
国に逆らう町の話を聞いて、価値観の違いを訴えたり、困惑する様子もない


イヴ「国に縛られず己が道を行く町…勇ましい感じがいたします!」

ロット(というか、本気で惚れ惚れしてるように見えるなぁ)



イヴ「――あれ?ところでロットさんがここを選んだ理由は?」

ロット「ん?ああ、だから僕たちに追手の騎士たちが迫ってきても、騎士が来るだけで騒ぎになるからすぐに分かるし、最悪この町にいればなんとかなったりもするだろうからね。この状況で一時身を置くなら打ってつけの場所なんだ」

イヴ「そこまで考えてこの町に」

ロット「まあできるだけ早く出発したいから、明日中には準備完了させるつもりだけどね」

ところで、僕は今、そこまで手持ちに余裕がないのを話すべきかを迷っている
元々スタット街から帰るだけのところだったし、イヴには悪いが宿代が倍増した事と
キリュウの生意気なおねだりを聞いてしまったのも手痛いものだった

ロット(うーん、できれば馬を一頭借りていきたいぐらいなんだけどなぁ)

最悪ギルドですぐに済む仕事を見つけて、少し稼ぐ必要があることも頭に入れておかねばならない
それとも誰かちょうど良く、この探偵を頼ってはこないだろうか?


イヴ「ところで、あのご婦人方はあの後どうするご予定でいらしたんですか?」

ロット「いや詳しくは聞いてないけれど、タニアさん達の向かった方角的には、『ノーソン』あたりを訪れるんじゃないのかな?近くに『ゴールデン・クレセント』もあるけど、まさかそっちに向かうとは思えないしね」

イヴ「ノーソン…ゴールデン・クレセント…ですか」

イヴはどこか釈然としていないようだった
というかピンと来ていないというべきだろうか?

これもまた憶測に過ぎないが、いかに箱入り娘だったとしても
ノーソンはともかく、あの問題だらけのクレセントを知らないとは思えない


いやいや、そろそろ彼女について事細かに分析するのは控えよう
しばらくは僕の事務所に向かうことを重要視しなければ



とりあえず、ここまで~

結局、ノーソン採用したのか……都市と書いてあるけどいいの?

>>282
ええ、もともとあまり条件を細かくするつもりはありませんし、都市について統一された定義付けはありませんから町のようなものでしょう

それ以外にも挙げられた設定は例外なく全部記録してるので
後々使うかもしれません

>>284
把握。できたらミスっている所や変な所は修復やそっちの都合で少しの設定変更は許されると思う

名前:エルヴィン・レックスファング
年齢:54
性格:男気に溢れるが、血の気の頑固親父
容姿:筋骨粒々で50代とは思えない若々しさを持つが、紫色の髪に所々白髪が生えている。立派な髭を生やしており、胸に刀傷と火傷の痕がある。背中には身の丈ほどの大剣を背負っている。
備考:「ツカーテ」のギルドの元締め。部下や住民からは「ボス」と慕われており、その男気に溢れる性格を慕われている。
レックスファング家は代々ギルドの元締めであり、その昔騎士団内による陰謀により追いやられた一族。昔から続く因縁と騎士団の腐敗した現状に対する敵対心が強い。
騎士団のニーナは実の娘(妻の旧姓がホリーロック)であり、ニーナが騎士団上層部に嫌われているのはこの為。現在は勘当状態であり親子仲は最悪だが、ひとかどに親心はある。

念のため言っておきますと「ニーナ」と「ツカーテ」を考えたものです。娘設定とかは>>1にお任せします。

>>197は「ツカーテ」にあいそうなのでキャラに困るときは
それぞれ名前は「ギラン」と「エリア」で(元の名前は被っているのがいたので)

名前:トロンボ・ファクシー
年齢:26(詐称の可能性あり)
性格:クズ。小物
容姿:出っ歯でとがった赤っ鼻。にきびがあり、髪の色はオレンジ。
備考:「ゴールデン・クレセント」にあるカジノのオーナー。
自分より立場が部下など立場の下のものには威張るが逆に立場が高かったりお得意様には媚びるという救いような男

オネェ語でしゃべる

ごめんなさい🙇。途中送信してしまった
備考の完成版

備考:「ゴールデン・クレセント」にある高級宿のオーナー。
自分より立場が部下など立場の下のものには威張るが逆に立場が高かったりお得意様には媚びる
しかも同業の客を取ったり、あることないことを噂にしたり、部下を使って営業妨害するなど救いようがない男
騎士や政治家に賄賂を渡しており、色々助けてもらっている。最近には薬物にも手を出している……という噂。
成長する前のクレセントにいたらしいが今のようになったのは謎。夢は政治家になることに
オネェ語でしゃべるが、好きなは年頃の女子(15~18歳あたり)一人称は「アタシ」「ボクチン」

町の名前:水の都市「ベルマール」
潟「アマーレ」の上に築かれた、運河が縦横に走る水の都。
(元ネタはイタリアのヴェネツィア)
水上バスなどが使われており、これで市街など移動することある。
この街では海上輸送が盛んであり、いろんな船が外交に来ていたりする。
またこの街で見られる力を使った水中サーカスというものも存在する。

水の都市と考えたけど上手く書けなく適当になってしまった
もし使うとなる場合は色々追加や変更していいかも

「ロットさん、私…あの時本当はロットさんの事を…」

ロット「イ、イヴ?」


何だか物々しい雰囲気が立ち込めている
ここはどこだ?
なんだか微妙に意識がはっきりせず、状況が呑み込めない
彼女は顔を赤らめ、何かを恥ずかし気に躊躇して打ち明けようとしているように見える

ロット(ん?待て…なんだこの状況は)//

「ロットさん、お願いします。一度目を瞑っていただけませんか?」

ロット「え、あ、ああ、分かったよ」

素直に目を瞑…
いややはり何かがおかしい、何も見えないはずなのに不思議と次の彼女の行動が映し出される
そして何故か目を瞑っている僕の姿も

誰の視点だこれは?

彼女の顔がどんどん、ロットン少年に近づいてゆく

ロット(いや、ちょっと待ってそれ以上近づいたらまずい事になるじゃないか!!)//

慌てて、その場から足を引こうとするが…

ロット(ええい、なぜ動かないんだ僕は!)


そろそろカウントダウン開始といったところか
5…4…3・・2・・1・・

バシーン!!


ロット「んん?」

キリュウ「いい加減起きろヨ!!寝坊なんて珍しい」

顔に妙な衝撃を受けて、目を開けると、目の前にキリュウがいて
後方には宿の天井の、控えめな花柄模様が写る

どうやらネコパンチで叩き起こされたようだ

ロット「……」

キリュウ「飯だせヨ」

ロット「……」

キリュウ「??――おい、ロト坊?」


ロット「年頃の少年か僕は!!!」
キリュウ(ビクゥ!!


なんてベタでどうしようもない夢を見てるんだ僕は…
恥ずかしくてしょうがない



キリュウ「…いや、お前は年頃の少年だろうがヨ」

~食事処~

イヴ「話に聞いた通り、ここも賑やかですわね」

ロット「うん、こっちの方がスタット街よりも忙しい街じゃないかな」


僕たちは宿の食事処で朝食を取っていた
彼女はきちんとスーツに着替えている
早朝でもアピアランスに抜かりはないようだ

この場所は宿の中ではあるものの、あまりゆっくりと落ち着いて食べるには向かない場所かもしれない
というのも、僕たち以外にも屈強な冒険者や少しイカツイ職人達が周りにいて
行儀の悪い事に大声で本日の予定などを語り合いながらガツガツと食べているのだ

ここは宴会場かと少々突っ込みたくなる

イヴ「今日はどうされるんですか?」

ロット「ああ、昨日も話した通りここを立つ準備をするよ。この町を回ってね」

イヴ「では今日はご一緒させてもらってもよろしいですか?」

ロット「もちろん構わないよ、例の雑貨屋も行くわけだしね」

イヴ「まあ!」


ロット「あ、あとギルドの方で手ごろな仕事があれば、やってみようと思ってる」

イヴ「お仕事…あ、探偵業でしょうか!」

ロット「まあ情報集めや探し物があればそれが一番理想的なんだけど、多分雑用、ちょっとしたお手伝いとかが大半じゃないだろうか…」


ちなみに、そういった仕事の報酬は大したものじゃないことがほとんどだ、小遣い稼ぎ程度にはなるだろうけど
もっとしっかりした見返りを求めるなら、やはり魔物退治や、少なくともこの町の外でやる仕事になってくる
別にそれをやること自体は吝かでもないのだが、短時間では終わらないから、先を急ぎたい身としてはちょっと都合が悪い

イヴ「あ、その…申し訳ありません、やはり金銭的な負担は増えますよね…」

ロット「いやいや!…まあ、そうだね。仕方ないことさ、だから簡単な仕事があったら手伝ってくれないかね?」

変に、ごまかすよりもこの方がやりやすいだろう

イヴ「はい、もちろんです!なんでもやりますわ!」


キリュウ「ロト坊…」

ここはうるさくてかなわんとばかりに、気だるげなキリュウが何かを訴えてくる

ロット「ああ、食べ終わったらすぐに行動しようか。モーニングコーヒーも飲む気になれないしね」

↓1~3自由行動選抜

※なんでもありです。誰かに出会うでも、戦闘イベントでも、買い物でも。詳しく書いてもらっても簡単に書いてもらっても構いません。これからこの自由行動系の安価を増やそうと思います


パーティメンバー
◎ロットン
・イヴ
・キリュウ

>>257より 職人と冒険者の町【ツカーテ】

冒険者や職人を支援するギルドを中心とした町。
石造りの家屋と市場に集う屋台。絶えず響く鍛冶屋の鎚の音が印象的。
二つの大きな街道の交差点に位置し、東側には海に向かう大河が流れており、交通の要所としても有名。
宿、商店、鍛冶屋などなど、「ツカーテに来て揃わぬものなし」と言われるほど商業が発達していると同時に、多くの情報が集うため情報屋の激戦区でもある。
町全体を通して自立意識が高く、ギルドの組織している自警団は騎士団や国とのいさかいを起こすことが多い。その為国とは仲が悪いが、多くの冒険者や商人達を味方につけているため国としても手を出しづらい町である。

ロットン、新しい武器を探しに色んな武器屋を回る

イヴがガラの悪い相手に絡まれそうな時に>>266のロゼッタが助けて、その縁で一緒に街を回る
キリュウは>>45のアリアと出会い飯を貰う。猫のキリュウに色々話しかけるアリア。
最終的にキリュウとイヴは合流する(同行者と共に)


長すぎて無理なら前半のイヴの部分だけで

名前:トーマ・アクゼリット
年齢:18歳
性格:お調子者。女好きだが情に熱い。
容姿:赤いバンダナを額に巻いている茶髪の青年。
備考:何でも屋兼モンスター使い。何でも屋を名乗っており、場合によってはトレジャーハンターなどをして生計を立てている。
極度の女好きで美女にあったら速攻で口説くほど。勿論、男に対しての態度は冷めている。(ただし、ロリNO。美少女、熟女OKという基準)
顔は悪くないが軽い性格と第一印象が良くないのが多いため、基本的に女性から好かれない。子供と(ある程度、知力がある)魔物にはなぜか好かれる。
女性相手に調子に乗ってあることないこと言ったリ、美女からのお願いなら報酬など後先考えずに受けたりしてしまう。
本人は「依頼人とあわよくばいい関係に…」と甘い考えをする(大抵、その目論見は失敗する)
そんな彼だが、無害なのに人間に親を殺された魔物や行く当てがない魔物などをほっとけずについ仲間にしてしまう場面がある。
魔物を外に残して自分だけ町の宿に泊まったり、依頼に失敗したら攻めたりする時もあるが本質的には彼は仲間の魔物に対しては思いやりがある方で信頼している。舎弟みたいなもの(普通の魔物使いは魔物を道具や奴隷など同じように使うのが普通)
戦闘はモンスター達と共に戦うスタイルで武器は手のガントレッド(爆薬が仕込んであるなど色々ギミックがある)。
魔法は使えないが、その分色んなものを使って戦う。相手によってビビって逃げ出すことも…(それでも仲間ほっときはしない)
1人称は「オレ」調子に乗っている時は「トーマ様」。願いは「ハーレムを作ること」

無駄に長くなってしまった。魔物は>>1に任すけど、無理ならこちらから何か考える。

名前:ライ
年齢:12
性格:ハングリー精神、仲間思い
容姿:みすぼらしい服装をしている茶髪の少年。
備考:「ゴールデン・クレセント」に住むスラムの少年。
スラムにあるグループのリーダー的な少年で活発。
生まれたころからスラム育ちで親の顔を知らない。元々は一人で行動していたが住む家や食べ物に困っていた子供を満つてることができるグループを作る。
どんなに貧困でも希望を忘れずに生きていく少年。

名前:ルナ(本名:ルーナ・H・アルドナイツ)
年齢:13
性格:少し気が強い、素直でない(若干ツンデレ)
容姿:紫色のハイブリット・ツインテールの少女。服は他のスラムの子供達よりは立派
備考:「ゴールデン・クレセント」に住むスラムの少女。ライ達のグループに所属。
数か月前にスラムで襲われている所を助けて、そのままライ達の仲間になった。
最初は我儘な所があったが順応していった。
グループではお姉ちゃん的な存在で子供たちに勉強を教えていたりする。
ライとはよく喧嘩するが、それは「喧嘩するほど仲が良い」という関係で本当に仲悪くはない。ライに対してツンデレな所がある(根はいい子であり、自分が悪いと思ったら謝ろうとはする)
実は、お嬢様で自分のことを周りが決めていく生活に嫌気がさしてスラムに来た。教養はよくたまにお嬢様らしいところが出たりする。

名前:ロベルト・カッツ
年齢:90歳
性格:お茶目で温厚で優しい人
容姿:麦わら帽子を被った農業服の白髪の爺さん。顎髭がチームポイント
備考: 大農園都市「ノーソン」の農業者の1人。
どこにもいそうな農家のおじさんらしさを漂わせており、ワザとボケて相手をからかうお茶目な一面も。
実は「黄金小麦」を作り出した張本人だが、騒ぎ立てられるのが嫌いで一般人のフリやボケたフリをしている。
90歳なのにエネルギッシュでまだまだ元気そうである。今でも自分で黄金小麦を栽培している。
「ノーソン」を農業都市にするまで何をしていたかは一切不明。噂だと冒険家をしていて荒稼ぎしていたらしい……

科学都市:ツクローゼ
科学が発展した都市。
見た目はただの板に見えるが遠くのものと連絡が取れる機器や「写真」という景色などを一定に収める事ができる機械など機械関係レベルがこの世界ではありえないほどの発展している
(ここで挙げられているのは日常レベル程度で詳しく所ではもっとすごいものが作られている)
最近では、どこかでは「超能力」という魔法と違うモノも研究されているというが詳細は不明
秘密保持のために出入りの検査は厳しく、違反した者には厳しい罰則が科される。

ギャンブル街:バルカラ(仮)
名の通りに街全体がギャブルする場所であふれている街。
黄金色の建物が多く、客も成金や金持ちなどが多い。
色々なカジノがあり、ここで一攫千金を狙うものも多い。
だが、実は裏では金を払えないものや借金しているものが重労働で死ぬまで働かせられている。
賄賂などは当たり前でそれで騎士団から目をつられていない。


自分の説明だと何か足りない所があるかもしれないから使うときは設定を追加をお願いします。>>1
バルカラは仮なのでいいので思いついたらそっちに変更で

名前:ローミリア・レナンシェル
年齢:不明(見た目年齢は20代前半)
性格:真面目。ミステリアスで感情が乏しい。
容姿:普段は眼鏡をかけているきりっとした女性。黒髪ロング。175cm程度
備考:真面目でまさに「仕事女」というイメージを持たせる女性。
真面目で冗談を言われてもそれを冗談とわからないタイプ。物静かで普段何を考えているかわからない。
その正体は魔物の「ラミア」。行き場を失ったラミアが人間に擬態して人間社会に紛れていた。
眼鏡は伊達で本来の姿では半人半蛇(色は紫色)で鉱石なしで魔法を使っても負担がないなど色々謎の所が多い。
本人は人間に敵意は無く、寧ろ人間社会に興味があるようだ。好きな食べ物は甘いもの。

またまた間が空いてしまい申し訳ありません
書き手としての信用は減るばかりですが再開していきます

「はーい、よってらっしゃーい!」

「うちの商品は余すことなく全部極上の一品だ!!」

「あんちゃん!盾が欲しけりゃ寄ってかないか?良いもん用意してるぞ」

ロット「悪いね、生憎盾は使わないんだ」

怒号のような呼び込みの中、防具屋か何かの商人が話しかけてくる

軽く断りを入れると、商人は大人しく引き下がってくれた
それもそのはず、この町では押し売りは厳禁されている
破ろうものなら然るべき集団から鉄槌が下されるのだ
…噂で聞いただけだが

イヴ「こ、ここの方達は売り込みに気合が入ってますわね」

ロット「ああ、いつ来ても驚かされるよ。経済が回るわけだ」

キリュウ「ハ、うるさいだけだヨ」

ロット「そういえばキリュウ、昨日の夜どこをほっつき歩いてたんだ?」

キリュウ「別に、モグラに会ってきただけだヨ」

ロット「モグラ?」

そんな話をしながらとりあえずギルドの役所に向かっていた

簡単な仕事があるか確認しておきたかったし
あわよくば、僕たちの追手の情報も聞けるかもしれない

ドンッ!

イヴ「キャッ!」

ロット「ん?」

なにか鈍い音とともに、イヴの小さな悲鳴が漏れる

ガラ悪「おいおい、譲ちゃん痛いじゃねえか、え?」

ガラ悪2「前見て歩けや!」

イヴ「も、申し訳ありません…」

ロット(はぁ…)

迂闊だった、もっと周りを見ておけばこんな事態には
人が多いとこういう連中も少なからずいるものだな
まったく嘆かわしい

ロット「やぁ、すまなかったね君たち。しかしこう人も密集する場所の中だ」

僕はイヴの前に押し入る

ロット「勘弁しては貰えないだろうか」

ガラ悪「うるせぇ!関係ねえ奴はすっこんでろ」ブン!!

ロット「うっ!」

僕はあっさりと殴り飛ばされた

ロット「いててて…」

キリュウ「おい大丈夫かヨ、ロト坊」

ロット「ああ、大したことないよ」

キリュウ「にゃろう氷漬けに…」

ロット「騒ぎが大きくなるからやめてくれ」

肩に乗っていたキリュウは上手く受け身を取ったようだ


イヴ「ロットさん!」

ガラ悪「おい、譲ちゃん。落とし前、どうつけるつもりだ?」

ガラ悪2「へへ、上玉だなこいつは」

ロット(随分悪質な奴らだなぁ…)

ロット「随分古典的な手でレディに詰め寄るんだね君たち、とても紳士の行いとは言えないけれど」

僕は少し大きな声でそう語りかける

ガラ悪「ああ?」

ロット「その趣味の悪い防具のクリーニング代でも欲しいのかい?」

ガラ悪「んだとてめえ?」

ガラ悪2「二度と喋れなくしてやろうか?」

狙い通り標的が変わったようだ
お約束すぎる鈍器を構えて僕に、ズガズガと詰め寄ってくる

イヴ「あ、あのあまり乱暴事は…」

ロット「まいったな、こんなところで剣を抜きたくはなかったんだけど」

キリュウ「挑発しといてよく言うヨ」

僕がレイピアを抜こうとすると

「待ちな、アンタたち」

ロット「ん?」

ガラ悪「ああ?」

赤い紙の女性が大きなハンマーを手に向かってくる
凄い気迫だ

女性「このツカーテで、荒れ事を起こそうたぁ、舐めてくれたねえ?」

ガラ悪2「おいおい、女が何しに来たか知らねえが、次々と部外者が…ぬぐっ」

詰め寄っていった男の胸倉をいともたやすく掴むと低い声で言った

女性「部外者?誰の事を言ってるんだいアンタ?このアタシの目をみて同じことを言ってみるんだね」

ガラ悪2「え、えぇ?」

キリュウ(誰だヨ、あのハンマー)

外野からはいくつか「姐御」とか「姉さん」といったワードが飛び交っている事に気が付いた

ロット(そう言えば前に聞いたことがあるぞ、この町には若くして「姐御」と呼ばれ慕われてる人物がいるとか)

名前は確か…

ロット「リゼッタ、だったかな?」

ガラ悪「な…に…?リゼッタ!?」
ガラ悪2「ヒェ!!」

男二人から極めて高い悲鳴のような声が漏れるのが分かった

リゼッタ「へぇ、坊やアタシの事を知っているみたいだねぇ。それでいて喧嘩しようとしてたのかい?」

リゼッタさんが僕を睨んできた
あれ?誤解されてる?

イヴ「あの、違うんです。私があの方達にぶつかってしまったのが発端で…その」

リゼッタ「…うーん?」

ガラ悪2「ああ、あのそろそろ話していただけるとその、幸いと言いますか?アハハッ」

リゼッタ「黙りな盆暗、それで先に吹っかけて来たのはどっちなんだい?」


ガラ悪「そりゃもちろんその坊主だ!!俺の防具の趣味が悪ぃだのなんだの…侮辱してきやがったんだ!!」

キリュウ「あ、こいつきたねえ!」

リゼッタ「本当かい?坊や、貧弱そうな割には随分言うじゃないか」

貧弱とは失敬な、まあ強くはないけど
とはいえ、詭弁だけど安い挑発をしたのが僕なのは事実だった

だけど、この場合状況証拠が僕の助けになる

ロット「いえいえ、お姉さん」

ロット「僕はまだ、剣を抜いてませんよ?」

ガラ悪「…な」

ガラ悪2(そろそろ首が苦しい…)

リゼッタ「うんうん、確かにそうさね。覚悟は良いんだろうね盆暗ども?」

リゼッタさんは空いた右手でハンマーを地に叩きつけ

ずし―――ん!!

ロット(えぇ、そんな音するの!?)

ガラ悪「ひっ…許してくれえええ!!」ドタドタドタ

稀に見る、見苦しい逃走劇だ

ガラ悪2「ああ、逃げるなんてズルいやズルいや!!」

リゼッタ「情けないねまったく…ほらアンタも」

ガラ悪2「へっ」

掴まれていた男は少し宙に浮くと

リゼッタ「一緒に」

ガラ悪2「ま、待って」

リゼッタさんは大きなハンマーを振り被り

リゼッタ「帰っちまいな!!」

男を叩き飛ばした

ガラ悪2「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ……



ガツンッ


ロット「」

キリュウ「んなバカな」

イヴ「す、凄い…逃げた方に命中ですわ」

リゼッタ「んー、久しぶりに良い打ち心地だったねぇ!!」

リゼッタ「さて…と、気をつけな、ここはよそ者だらけだからああいう奴もいるんだよ」

イヴ「あの、ありがとうございます!私が不注意だったばかりに…」

リゼッタ「いいさいいさ、アンタみたいな娘さんよりもそっちの坊やに言ったのさ」

リゼッタ「アンタ、お嬢さんを連れてるんだ。もっとしゃっきりしなさいな」

ロット「いやぁ、面目ないです。あまり団体行動は慣れていないもので、以後気をつけます」

キリュウ「まったく情けねえ奴だヨ」

ロット「なんだよ手厳しいな」

リゼッタ「へぇ、喋る猫ときた…珍しいねこりゃ」

ロット「えっと、僕はロットン・グラスバレーと申します。探偵です。その子はイヴ、こっちの猫はキリュウって言います」

イヴのラストネームはあえて言わないでおいた
名乗るかどうかは彼女の判断に任せている
ちなみにスタット街で彼女のことを調べた時は逆にイヴの名を挙げず、あくまで「ブラット=レイ」というラストネームを元に収集しようと試みていた。

リゼッタ「うんうん、アタシはリゼッタ・ローゼス。周りにはリゼって呼ばれてるよ。まだピチピチの23歳だけど、残念な事に彼氏は募集してないよ、へへ」

うん、別に聞いていない

イヴ「え、そんな。勿体無いですわ!美人ですのに!」

リゼッタ「う、うん?珍しい反応するね、アンタ」

両手を前でぎゅっと握りながらそう返すイヴに少し引き気味になるリゼッタさん、いやリゼさんでいいんだろうか?

リゼッタ「あ、そう言えばアタシの事は知ってたみたいだね」

ロット「いえ、噂に聞いた程度です。僕は初めて訪れたわけではないので」

リゼッタ「なんだそうなのかい?」

おっと、この町について探った事があるのを知られるのは良くない

仕方がないけど、幼馴染は出せなかったか……
まあ、リゼの方が不自然じゃないから別にいいか

イヴと正反対と言うべき幼馴染はいつか出してほしいな

ロット「でも、こうして町中を巡るのは初めてなんです。だから油断していたというのもあるのですが…」

キリュウ(初めて…ねぇ?)

ロット(キリュウ、こんなところで気まぐれないでくれよ?)

ないとは思うが、間違ってもあのハンマーで叩かれたりするのはゴメンだ

リゼッタ「ふんふん、ならアタシが案内してやるよ。ちょうど見回りしてたところなんだ」

イヴ「本当ですか、心強いですわ!」

ロット「実は明日には立つ予定なので、次の目的地まで旅の支度がしたい程度なんですが」

リゼッタ「なんだそんな事かい、だったら酒場の隣のある雑貨屋やよろず屋紛いのことをやってる店があるよ。大抵はそこで揃うだろうねぇ」

ロット「でも、その前に手持ちにそんなに余裕がなくて、簡単な仕事でもあれば見てみたいんですが」

リゼッタ「仕事……そういえば、坊やは探偵なんだっけね?うん、じゃあ親方のとこに来てくれないかい?少し話を聞いてやってほしい事があるんだけどさ」

ロット「……親方?」

>>324
あ、すいません
実は後に出す予定があるので今は控えてます

リゼ「いやちょうど良かったよ、アタシは頭でごちゃごちゃ考えるのは苦手でね、親方の相談を聞きたいのは山々なんだけどねぇ」

僕達はリゼさんについて歩いていた
助けてもらった上に、仕事の紹介とあっちゃ話を聞くこともせず断る訳にもいかない
いかに気が進まなくとも

なぜこんなに後ろ向きなのかというとそれは…

イヴ(あの、ロットさん顔色が少し悪そうですが、大丈夫ですか?)

どうやら青ざめているらしいな僕の顔

ロット(ああ、少し事情があってね…大丈夫だよ多分)

キリュウ「親方ってのはどういう奴なんだヨ?」

リゼ「んー?アタシのいる鍛冶屋の長のことさ、頑固な人だよ」

うん?ギルドのトップかと思ったら鍛冶屋の人か
良かった、心配事は杞憂に過ぎなかったみたいだ


~グラン鍛冶屋~

リゼ「親方ァ、面白い奴を連れて来たよ」

彼女は建物に入るなり大きな声で呼びかけた

イヴ「それで、何か心配事があったのでしょう?」

ロット「うん、僕はこの町について調査した事があるんだけど」

イヴ「調査ですか?」

ロット(うん、裏があるとかないとかそういう調査だよ。何しろ騎士団と対立してる町だからね

キリュウ(そん時ロト坊は身分を隠して、ギルドの長を口車に乗せて色々聞きだしたんだヨ)

ロット(ああ、調査が完了して裏がない健全な町だって事がわかったのはいいんだけど。その後僕が秘密裏に調査に踏み込んでた事がギルドに知れ渡り、トップの方は大層ご立腹だったらしい)

イヴ(あらまあ…)

キリュウ(でもお前偽名使ってたんじゃないのかヨ)

ロット(そうだけど、変装も控えめだったし流石にまた本人と面を向かわすわけにもいかないだろう?)

リゼ「なぁに、こそこそしてんだい?」

イヴ「キャッ!」
キリュウ(ビクッ

リゼ「へえ、お前も猫らしくビビるんだねぇ」

キリュウ「ビ、ビビっちゃいないヨ!ワレ様を誰だと思ってるんだよ」

リゼ「へへ、待たせたね。鍛冶屋の長でアタシの親代わり」

奥から作業着を着て、帽子を被った老年の方が歩いてくる

リゼ「でもってツカーテのギルドの長でもある」

ロット「へ?」

グラン「ああそうだ俺がグラン・ハンツだが?なんだ?面白い奴ってのはお前達のことか?いやに若えな」


ロット(ってご本人!?)
キリュウ(あーあ)

そういえばギルドのトップも凄腕の職人だとは聞いていた

リゼ「まあそう言わないでおくれよ、親方。なんでもこの坊や、探偵をやってるんだってさ」

グラン「探偵だぁ?あのいけ好かねえ奴を思い出すなおい」

ロット(絶対僕の事だ…)

そうだ先に名乗ってしまおう、リゼさんがいるから本名以外は使えないし
ポーカーフェイスだポーカーフェイス

ロット「お初にお目にかかります。ロットン・グラスバレーと申します。先ほどリゼさんに助けて貰った者でして、お役に立てる事があれば是非お聞きしたいと思っています」

イヴ「私は……助手のイヴ・ブラット=レイと申します。こっちの猫ちゃんはキリュウちゃんです」

キリュウ「猫ちゃんとか言うんじゃねえヨ!!」

イヴ「え?でも猫じゃないですか」

キリュウ「そーじゃねえヨ、言い方の問題だヨ」


僕はそのどうでもいいキリュウの肩書きや、イヴが突然助手を騙った事に対してすら気にする余裕はなかった

グラン(じーーー

明らかに目の前のお方の目つきが変わってらっしゃるのだ

リゼ「なんだ、イヴちゃん助手やってたのかい?」
イヴ「は、はい!今なりました!」
リゼ「へぇ????」

グラン「ほぉう?まだガキなのに生意気にも肝が座っている目をしてやがる。誰かを思い出すな?」

ロット「そうでしょうか?いえ僕などまだまだ若輩者ですよ。あ、ロットとお呼びください親方様」

表情を崩すな僕、1ミリたりとも

グラン「お前、ロン・スクヤードって作家の若者を知っちゃいねえか?」

ロット(はい僕のことでーす)

ロン・スクヤードという作家は僕がこの町を調査した時に作った架空の人物だ
ちなみにラストネームはヒュードさんから勝手に借りた

ああ、イヴに渡した帽子を被ってしまいたい

ロット「い、いえどちら様でしょうか?もしかしてその人物を探し出して欲しいとかでしょうか?」

まずい、初めて噛んだ

グラン「おう、そいつはいい提案だな……だが、まあいい」

ふう、助かった
いやもしかしたらバレているかもしれない

グラン「リゼの奴が連れてきたんだ、ロクでなしだとしても話くらいは聞かせてやる。おいリゼ、茶入れろ」

グランはそこにあるソファーにどしんと腰を下ろし
そう構えた

リゼッタ「あいよ、じゃあちょっと聞いてやってくれよロットくん」

ロット「はい、それじゃあお伺いします」

グラン「さてな…俺がこの町のドンであるわけだ。ツカーテの事情は誰よりも知っている。そう自負しているつもりだが、同じだけ面倒事も入ってくるってもんだ」

イヴ「さっきみたいに、その、あまり良い人とは言えない人達がやはりいるのでしょうね…」

キリュウ「あんなのは可愛いもんだろヨ、まあ何かと色々あるだろうヨな、ここ」

ロット「こらキリュウ」

グラン「ああそいつの言う通りだ、だがまあ大抵の事はなんとかなる。この町にゃ腕っ節のある旅の輩は常に多くいるし、リゼがあの得物をぶん回してりゃ、小物のロクでなしはケチョンケチョンだ」

つまりさっきの可哀想な荒くれ者のような光景は珍しくないと…

グラン「そんじょそこらのロクでなしぐらいなら、俺だって一捻りにしてやるさ、なぁ坊主?」(ボキッ、ゴキッ!

そういいながら彼はなぜか僕のことを睨みつけ、手の指や首を回し、おっかない音を出す

ロット「ええ、ごもっともです。関節鳴らすのやめてもらえますか?怖いので」

グラン「だが、最近ちょっと厄介な事になっててな…」

ロット「と言うと?」

さっきの前振りの内容から考えると
きっと力技でなんとかできない問題が起こってるんだろう


ギルドのドン、グランが困っている事とは?↓3まで選抜(なんでも構いませんが、内容は多少弄るかもしれません、出なければこちらで考えた展開を展開します)

期限はいつまで?
安価は「大切な孫娘が悪い奴らに捕まってしまった。そいつらの要求で昔、グランが作ったと言われる幻の名刀を渡せと言われているが、そんなものは存在しないためどうすればいいか困っている」で
孫娘も一緒に作られたのに出てこないので

ああ、いらっしゃいましたか元締めの方!!
ギルドのボスを登場させる時に>>286の人物のような人がいたような気がして探したんですが、なぜか見つからず

ちょっと設定を考えなおします


何かを探すときはCTRL+Fで検索が出るからそれで探せるよ
最近早くなっているから遅くならないで欲しい(強欲)

あと>>334の「存在しない」より「心当たりはない」で

???「盗賊団ならず者山賊とかのつまらねえ奴ら…が来るんだ」

その一言を発したのはグランさんではなく
後ろから現れた男だった

グラン「…おめぇ、どういう風の吹きまわしで入ってきたんだ?えぇ?」

???「アンタこそ、どういう意図があるのか知らないが。町の問題を勝手に漏らさないで欲しいな」


喧嘩が始まりそうな予感…
入ってきたその男とグランさんは存分に睨み合っている

キリュウ「誰だヨ今度は?」

リゼ「あっと、リーダーじゃないか!いらっしゃい」

???「おう、元気かリゼちゃん」

グラン「リゼ、挨拶なんぞいらん、こんな奴追い出してしまえ」

???「おいおい随分な話だな?そんな硬い頭持ってるとそのうち『老害』って言われるぞ?」

グラン「ああ??話の邪魔しに来ただけかと思いきや喧嘩しに来たのか??上等じゃねえか」

イヴ「え、えっととにかく落ち着いてください!!暴力で解決するのは良くありませんわ?」

リゼ「いいっていいってイヴちゃん、あの人達はいつもこうなんだ好きにやらせ……

と荒れる雰囲気よそに僕は考え事にふけっていた

ロット(賊…来るんだと言っていたが…)

全部まとめて「賊」として
この町のある場所であれ流通具合や発展具合をみて、賊が来るのは想像できなくも無い
例えばこの町を占拠して職人達を脅迫し、その技術力を好きにしようなんて考える輩は沢山いそうだ
そこまでしなくてもここには喉から手が出るほど略奪したくなる価値があるものは沢山あるし
騎士団とは違うアプローチの仕方で良質な情報も手に入る

だがそれには大きな問題がある
この町の防衛力だ
ここには強い旅人が何人もいる、常にだ
さらにはもともとこの町に住んでる人だって強い人が多い
リゼさんみたいにいるだけで抑止力になる人材がゴロゴロいる
戦力が多すぎる

つまりこの町で悪事を働こうとするには、どこからやって来てどんな強さを持つのかわからない旅人達や、この町の強者達を一度に相手することになる

グランさんも言っていた
賊がやって来ること自体たいした問題にならない筈なんだ
だが結局グランさんの言っていた困りごとは、「族の襲来」
何かベクトル違う話なんだろう
一体何が…

グラン「よっしゃもう我慢ならん、その性根を叩き直してやる!!」

???「は、アンタに叩き直されるほど性根は腐っちゃいない。そちらこそ大怪我でもして隠居する羽目にならなきゃいいがな」

キリュウ(結局話の続きはどうなったんだヨ)

リゼ「お、楽しくなって来たねぇ!」

イヴ「なってません!!」

ロット(思考中)

イヴ「ってロットさん!」ユサユサ

ロット「うん?」

不意に体を揺らされ、僕は無意識に遮断していた視界を取り戻す

ロット「どうしたの?」

イヴ「えぇ…?…見てくださいよ、お二人が喧嘩しそうなんです!」

ロット「あ、ああそうみたいだね…気は進まないけどそろそろ仲裁しないとか…話の続きも聞かなきゃいけないし」

っと立ち上がろうとした時に新たなる乱入者

女性「お父さん!また何しにここに来たの??」

???「すまないが、こっちは今忙しいんだ。話なら後に…お父さん??」

グラン「ぬぉ!!?エリス!?」

エリス「お爺ちゃんも、仲良くしないならもうお仕事手伝いに来てあげないんだから!」

グラン「うあああ頼むそんな寂しいこと言わないでおくれぇ」

エリス「まったく、なんで親子でここまで仲悪くするの?」

???「ふん、俺は一度だってこの人の事を親父だとは…」

グラン「やかましい、俺だっておめぇの事なんか」

エリス「はぁ…もうこの町出ようかな」

???・グラン「「ごめんなさい仲良くします許してください」」

エリス「分かればよろしい」

エリス「ごめんなさいリゼさん。毎回毎回こんなんで…お客様もいらっしゃるのに」

リゼ「いいよいいよ見てるぶんには楽しいからね!ご苦労様」


イヴ「えっと、なんとかなったのでしょうか?」

ロット「みたいだね」

エリス「ごめんなさいお客様、すぐに父を連れて帰りますので」

そう丁寧に挨拶してきた女性、どうやらエリスと言うらしいが、その子は見た所僕たちと同じくらいの年齢だと思われる

キリュウ(こいつがここの苦労人ポジションだヨな)

ロット「あ、それには及びません」

エリス「え?」

ロット「どうやら君の父からもお話を聞くべきだと思うので」

----------

さて、どうやらリゼさんがリーダーと称した彼の正体は「エルヴィン・レックスファング」という人物で「現在」のギルドの元締めをやっているらしい

長と称されたグランさんは元・元締めだったと言う事だ

ちなみに喧嘩を沈めた彼女は「エリス・H・レックスファング」と名乗った
ラストネームは違うがグランさんとエルヴィンさんは列記とした親子でエルヴィンさんの娘であるエリスさんはエルヴィンさんの娘であり、グランさんの孫だと言う事だ

そんなグランさんとエルヴィンさんを見て思う

ロット・イヴ(歳近いなぁ)

グランの年齢をもっと上にしておくんだった……せめて77とか
スマン、>>1

ちなみに

イヴ「えっと、グランさんが長とお聞きしましたが」

リゼ「ああそうさ!」

イヴ「でも、エルヴィンさんはリーダーと…」

リゼ「うん、あの人はリーダーだよ!」

キリュウ「いやどっちがトップなんだヨ???」

リゼ「ん?どっちもこの町の頂点に立つ男だろ?アタシはそう思ってるけど?」

エルヴィン「リゼはまだ理解してないのか…」

エリス「あのリゼさん、前にも説明しましたけど…」


キリュウ(どうやらこのハンマー女はあまりオツムがいい方じゃないらしいヨ…)

ロット(筋金入りの体育系ってやつかな?)

こんなやりとりもあったせいで僕達もこのややこしい関係を理解するのに時間がかかった

2人の不仲の原因はギルドの元締めの入れ替わりの時かららしい、なんでも強引な方法でエルヴィンさんがグランさんを下ろしたとか

ロット「さて、話を戻しましょうか?」

先が気になっていた僕が仕切る形になってしまったが
リゼさんが出してきたお茶を一口含んでからこう切り出した
いよいよ本題だ

ロット「賊がやって来る事の…何が問題になっているんですか?」

エルヴィン「ん?君は賊が来る事自体は問題じゃないと思っているのかね?」

ロット「ええ、さっきグランさんが仰っていましたから」

エルヴィン「ああそうなのか。確かに、賊ごときたいした問題じゃないが、こうあっさり言われてしまうのもどうなのかね…」

エルヴィン「問題は回数だ」

リゼ「ああやっぱり気のせいじゃないんだね。最近の襲撃の多さは」

エリス「ええ、ギルドでも対策を練っているみたいなんですが…」

ロット「つまり、襲撃が不自然に多くなってきたと?」

グラン「そうだ。いろんな奴らが来るが、金を出せだの町娘を差し出せだの、技術を洗いざらい吐きやがれだのそんなのは慣れてるもんだが」

イヴ「な、慣れちゃいけない気がしますわ」

キリュウ「人間の世界ってのは、汚ねえ世の中だヨな。くだらねえ」

エルヴィン「猫に言われちゃたまらないな…」

エリス(喋ってる…)

グラン「最近になって、幻の名刀はどこだ。だとか財宝が埋まってるなんて話を聞いて襲撃ついでに大穴を掘ってく奴らとか。あと酷えのだと、海賊が一枚で全域の水路状況がリアルタイムに移る魔法の海図ってのを求めてやってきた事もあったな」

イヴ「そんな凄い物もあるのですか!?」

エルヴィン「お嬢さん、君も訳のわからない情報に踊らされないように気をつけた方がいい」

イヴ「…つまり」

エリス「全部嘘なんです。誰がそんなこと言ったのか知りませんが」

キリュウ「なんだ、鍛冶屋のおっさんが幻の名刀作ったのかと思ったヨ」

リゼ「そうさな、幻レベルの名刀なんざいくらでもあるけど」

ロット(それはもう幻と言わないんじゃ…)

ロット「なるほど、虚偽の情報を流してここを襲わせてる誰かがいると」

エルヴィン「そういうことだ。住人も少しずつだが疲弊し始めているし、ここの治安がこのまま悪化し続けると、立ち寄る人も減っていくだろう」

ロット「町としての弱体化、そこをつくのが目的…?」

エルヴィン「そこまではわからないが…どちらにせよ…


ゴーン…ゴーン!ゴーン…ゴーン!

エリス「大変!」

イヴ「大きな鐘の音…この音ってもしかして」

グラン「ほらな、噂をすればなんとやらだ」

エルヴィン「ったく、3日程はゆっくりできてたのにな。今度はどちらの団体様が遊びに来たのやら」

2人は立ち上がって流れるように外に出ていく

ロット「リゼさん、襲撃の合図ですか?」

リゼ「みたいだねぇ」ボキッゴキッ

ロット「キリュウ、僕も行くから、イヴとエリスさんの事をお願いできる?」

キリュウ「ワレ様なしで大丈夫なのかヨ?」

ロット「まあ強い人はいっぱいいるし、様子を見ないと」

キリュウ「じゃあ仕事は受けるってことかヨ?」

ロット「愚問だよ。この謎、解かないと」

リゼ「アンタ、戦えるのかい??」

ロット「ええ、このレイピアは飾りじゃないので」

リゼ「そういや、さっきのならず者相手にも怯えた様子は見せなかったね、お手並み拝見と行こうか」

ロット「ご期待に添えるかはわからないけど」

リゼ「エリス、アタシは一応鍛冶屋の前を離れないけど一応しっかり隠れてなよ!」

エリス「ええ、手当ての準備はしておきます」

イヴ「ロットさん、あんまり無茶しないでくださいね?」

ロット「心配には及ばないよ、そこまで強くないなりには引き際はわきまえてるしね」

~鍛冶屋の外~

さて、町の広場にあった人混みはなりを潜め
襲撃者達とそれに立ち向かうエルヴィンさんやその他腕に自信のある旅人達、防衛者の真っ二つに分かれていた

防衛に手を貸せば報酬が支払われることからこちらの戦力も充実するわけだ

ならず者リーダー「聞いて驚くなよ?俺たちゃ、3つほど村を潰した事があるんだぜ??」

エルヴィン「はぁ…」

ならず者リーダー「………おい、なんとか言いやがれ」

エルヴィン「悪いな、こちらもそろそろ飽きてるものでね」

ならず者リーダー「っち、野郎どもやれぇ!!」

ウォォォ!!!

かくして戦闘は始まった

一旦ここまで

名前:コウ
年齢:不明(見た目は11~13あたり)
性格:生意気で皮肉屋。ただ子供らしいぽい所もあり
容姿:銀髪で銀目の少年。身長は153cmとやや低め
備考:賞金稼ぎとして生計を立てている少年。
親に捨てられたためか大人にはきつい言葉言う所あり。苗字は捨てられたときに捨てた
スケボーが好きで大体それで移動している。風魔法が使え、スケボーと併用することで空を自由に移動することができる。
武器は、改造ヨーヨー。普通のヨーヨー違い外側から針が出たり、針を飛ばしたりする特別製。他に色々ギミックあり。
子供には色々いいながらも優しいが大人には基本的に毒舌。ただ、優しそうな女性や大人の女性には素直な方(それでも完全に心を許したわけではない)
相手の挑発につい乗ったり、甘いものが好きなど子供らしい所は結構見られる。

名前:ビーク
年齢:15(当時、人間時)
性格:あまり喋らないが細かいことに気が利く。落ち着いている。
容姿:豚の獣人。 ある程度体を守る防具を着て、鎌槍を武器として使う
備考:元々は人間だったが、人間の頃からタラコ唇で[ピザ]だったためみんなからいじめられていた。15歳時にいじめられっ子に無理やり村の魔物の森に行かされて、それが原因で魔物になってしまった。
それ以外、村から拒絶されられて、彼は村を出て行った。
それ以来、元の姿を取り戻すために冒険を続けている。ただ、見た目が魔物であるため色々苦労が絶えない。
冒険途中で人を助ける。本人は元々あまり喋らない人間で勘違いされることもあるが彼の優しさはわかる人にはわかる。
魔物になったことで身体能力が向上しており、魔物と会話できるという利点がある。
いじめられっ子に対しては「恨んでいないと言ったら噓になる」ということだが、復讐しようとは思っていない。

名前:ヴァン・イェーガー
年齢:38歳
性格:豪快で小さいことは気にしない。気分屋。非情
容姿:ドレットヘアーの赤い鉢巻を巻いたオッサン。よく言って三枚目。ちょっと色黒い。
備考:トレジャーハンターであると同時に場合によっては賊に入る男…それが彼である。
社交的で初めて相手でさえすぐに仲良くなることができる能力を持っている。
目的のためには手段を選ばなく、味方だった相手にも簡単に殺すことができるほど非道になる。ただし、気分屋であるため殺すかその時の気分である。
好きなもの:女、酒、財宝、自分にとって価値があるもの。嫌いなもの:その時に自分にとって「ムカツク奴」。
トレジャーハンターしているための色々な魔法道具を手にしており、それを使って戦う。
主力武器はその時の気分しだいだが、最近は鉄球(アメリカンクラッカーに似たもので先のボールが鉄球になっている)を武器にしている。
ナイフも使い中々の腕を持つ(奥の手として一般的に珍しい銃を使う)

名前:レイン・イェーガー
年齢:34歳
性格:クール
容姿:髪の色はグレーの長身のイケメン。二枚目。
備考:苗字で分かるがヴァンの弟(ただし似ていないため「兄弟の契りを交わした仲」だと思われる)
ヴァンのことを「兄者」と言って慕う。ただ、ヴァンの行動などに怒る時もあり、決して彼を持ち上げてばっかりではない。
ヴァンからも信頼しており、自分で決められなかったことは彼に任せている(単にめんどくさいことを押し付けているともとれる…)
性格はクールで真面目でヴァンに振り回されることも多々あり。女性には紳士的な態度で対応し、モテるが異性に興味はない(同性愛者でもない)
好きなもの(こと):鍛錬、刀の手入れ、兄者。嫌いなもの(こと):自分達の邪魔をするもの。
東にあるとある島国いたことがあるのか、彼の武器は日本刀である。熟練者なのか斬撃を出すことができ、得意な技は居合である。
日本刀はいつも腰にさげていて、いつでも使えるように手入れている。
ヴァンとは何で兄弟になったのか、過去に何があったのか、どこ出身なのか全て謎に包まれている。

名前:アイル・ウォルス
年齢:不明(結構長生き)
性格:紳士。おせっかい焼き。
容姿:黒い紳士服の着た、猫(茶トラ猫)の獣人。
備考:猫の獣人で「案内人」という仕事をしている。
紳士的な男で人間や魔物関係なく優しく接する。紳士なので特に女性に優しい。
いくつもの魔法が使えるようで、いつも持っている杖に魔法石がはめられており、場合よって変えていく(道案内できるのもそういう魔法があるためだと思われる)
神出鬼没で場合には人間姿で現れたりする(その姿はダンディなおっさん的な感じ)
自分で言うくらいのおせっかい焼き。
棒術にも心得があるようで持っている杖でそこら辺の盗賊を倒すなんて朝飯前。

案内屋:名の通りに道案内をするのが主だが、場合によっては人生の悩みやこれからのことなどのアドバイスするアドバイザーの役割も兼ねている。
どこかの街や村で腰を落としている者もいるが、神出鬼没もいたりと様々。
戦闘能力もちまちまだが、少なくてもサーチ系や精神系の魔法を使えるものは多い。

レイピアをいつでも抜けるような状態にしておきながら少し周りを見渡しながら走ってみる

戦っているのはエルヴィンさん率いる少しきっちりとした服を着たギルドの人
どこから出てきたのか、この町で「冒険者」と呼称される旅の人

雇われパトロールにあたっていた人は意外にも後方に構えていた
なるほどこれでバックアップは万全ということか
確かに守らなきゃいけない民家や店がこの町には多い
防衛戦術をしっかりと練ってある事がわかる

一方「賊」側の人間を見てみる
不思議なものでどれも悪そうな顔をしているが、それ以外にはこれといって共通点は感じない
町を歩いていた時に見た顔もあるので、当然最初から何人かは既に潜入していたのだろう
いや、もしくは偶然居合わせた悪い冒険者が騒ぎに乗じてそちら側についているのだろうか?

ロット(おっと、あの3人組…)

騒ぎの裏をこそこそと足早に移動している3人組を見つけた

ロット(よし、ここは一つ僕はあの3人を対処しに行こう)





賊A「おい、どこかに手頃なガキでもいねえか?」
賊B「ちっ、民家は完全にガードされてやがる」
賊C「鍛冶屋に女がいただろ?あっちに行った奴らはどうしたんだよ?」

ロット「さぁ、どうなっただろうね?例えばハンマーで潰されてるとか」

心配ないとは思うが鍛冶屋には早めに戻った方がいいかもしれない

賊A「おい、ガキ。ちょうどいい、ちょいとこっちに来てくれや」

ロット「なるほど、正攻法で行っても勝てないから、人質を確保しようと企んでいたんだね」

賊C「なんだこいつ」

ロット「でも人質に取るには僕よりもっと小さな子を狙うべきだと思うがね?僕15だし」

賊B「は!いいか?ここの人間ってのはな、誰であれ若人には寛大なんだよ。てめえのような雑魚そうなガキには特にな!!」

慣れてはいるものの僕はそんなに弱々しそうに見えるだろうか?
あ、でもリゼさんにも同じことを言われたっけ

ロット「ところで何しに来たんだい君達は、幻の名刀?海図?」

賊B「あぁ?」

ロット「どこの情報に踊らされてここまで来たのかってことさ、きっと嘘っぱちだろうけどね」

すると3人はこそこそと話し始めた
耳をすませば聞こえてくるぐらいの声で

「……なんだ…?」
「…こいつ………知ってるのか…?」

図星を突いたらしい
ついでにもう一つ突こうか

ロット「それで薄々気づいてはいると願いたいけど、多分君達の軍団は勝てないだろうから逃げ帰った方がいいと思うよ?」

ロット「どうせただの寄せ集めだろう?別に通す筋もないじゃないか」

賊C「な!?」

ロット「おっと失礼、君達3人は長い付き合いかもね」

ロット「さっきトップが言った、村を3つ潰した云々がハッタリなのは自明として、共通点もなければ盗賊団としての常套手段すら見えてこないんだ」

ロット「真偽不明の情報を聞いた悪者達がどうやって集まったのかは知らないけど」

賊B「このガキャ生意気にベラベラと…!」

1人が勢いよく襲いかかってくる

賊B「ここまでわざわざ来といて手ぶらで帰ってたまるかってんだ!」ブン

振るわれた拳をサッと避け

ロット「抜剣・俊斬!」

レイピアを抜き切る

賊B「ん…ぐふぅ!!」バタ
賊A「な、なに!?」

ロット(いや本当簡単なお仕事…)ポキン



ん?なんだ今変な音がしなかった?

妙にレイピアを持っていた手が妙に軽い
目を移すと、どういうわけか刀身が短くなったものがそこに……

ロット「……あ」

賊C「ふへ…へへへ…」
賊A「どうしたんだよその情けねぇエモノはよ」

ロット(わ、忘れてたあああ!!!)

賊B「こ、この野郎」ヨロッ

ロット(わぁ、しぶとい…)

ロット「え、えっと…エスケープ!」

踵を返して走りだす

僕のレイピアはスタット街で、女騎士の手によってヒビを入れられていた
僕はというとそんなことすっかり失念していた

いつだか誰かさんに「武器に愛着を持て」なんて言われた事があるけど、確かに一理ある

賊B「待てこらぁぁぁ!!!」

ロット(えぇ、なんで走れるの…?くそう、何かないか何かないか!?)

僕は走りながらも肩から下げているカバンに手を突っ込む

マッチ、包帯、ポーション(期限切れ)、針金、ルーペ、サングラス

果物ナイフ!

ロット(これでもいいけど、もっと良いものは…お、これは!)


僕は足を止めて向きなおる

賊C「お、観念したのか??」

僕は格闘家をイメージしてファイティングポーズを取る

「札をちらつかせ勘弁してくださいからの騙しうち作戦」も考えたが、こっちの方が試してみたかった

賊A「おい、なんだそりゃ?」

ロット「僕が武道を心得てないと思う?まあ思うだろうね、試してみなよ」

賊B「今度は全員で滅多打ちだ!」
賊A「だらっしゃああ!!」

今度は3人でかかってくる、1人はナイフを持ってるからそれにだけ注意だ

息を吐きながら、いく数回の攻撃を避け下がる

賊C「!!」

ロット(今だ!)




ロット「結氷拳!!!」(仮)

そんな言葉を叫びながら手に持っている「ソレ」を賊Cに叩きつけた

賊C「フガッ

カシーン

賊Cは凍った

賊A・B「」

ロット「ふっふっふ、どうだい?何を隠そう僕の本業は氷の格闘家なのさ」(手、冷たい!!)

僕は冷えた手をブラブラしながらそう言った

賊A・B「」

ちょっと効きすぎたな…

ロット「ほら、マッチあげるから炙ってあげなよ、死なないとは思うけどね」

というわけで僕は呆然とする2人にマッチ箱を投げつけ、鍛冶屋にダッシュする

~鍛冶屋~

リゼ「お、来た来た。アンタやるじゃないか、まさか格闘家だったなんてねぇ。どうやったんだい?」

鍛冶屋に戻ると何人か打ちのめした後とみられる汗だくのリゼさんが待っていた
口ぶりからすると見ていたらしい

ここまで来る間にも、伸びていたり、逃げ出している賊の人影が何人か見えたので、そろそろ収束すると思われる

ロット「いえ…はぁはぁ」

少し息を整える

ロット「種明かしをすると大した話じゃないですよ。それっぽい技を叫びながら、ただの綺麗な石を押し付けただけです」

リゼ「石?」

ロット「ええ、ただ氷の魔法が封じ込められてるだけのね」

リゼ「あぁ、魔法ねぇ…なんだ」

あからさまにがっかりされた…

次ロットが使う武器を募集します
鍛冶屋に余ってる、比較的大したものではない武器です

↓3から選抜

キャラが多くなって来たので一度キャラ募集を閉めます

すいません生存してます
今日再開しようとも思ってます

なんかもういろいろ申し訳ない
書きます

~あらすじ~

舞台は政府とはまた違う自治体ギルドより町全体への支援の元、産業が独自の形で発展した職人の町「ツカーテ」。

元々産業や職人、その他価値のある物を目当てにやってくる賊の襲撃が多くあったこの町だが、
町の住民と外の人達の連携による、抜群の防衛力で今までも問題なく解決してきていた。

しかし、ここ最近になって何者かが流す事実無根の噂により、襲撃の頻度が激増。
この町を訪れたロットンとイヴ、ネコのキリュウの滞在中にも賊による襲撃に合う
ロットンは町にいた人達と一緒に賊の撃退に協力したのだった。

「おら、大人しくしろ」
「くそぅ…」

僕は盗賊の奴らが次々とお縄にかかっていく様子を眺めていた
この分なら特に問題なく収束しそうだ

イヴ「ロットさん、大丈夫でしたか?」

ロット「ああ、とりあえずはね…イヴは平気かい?」

イヴ「ええ、エリスさんとキリュウさんが居てくれましたし、鍛冶屋の前はリゼさんが守ってくださいましたから」

まあ確かにあのハンマーを潜り抜けるのは並みの人間じゃ無理そうだ


グラン「ふーい、終わった終わった」

グランさんは肩を軽く回しながら鍛冶屋に戻ってきた
彼が戻って来れるなら後はもう流れ作業だろう

グラン「おーい、リゼ。ビール」

リゼ「あいよ」

エリス「おじいちゃん、帰ってきて早々それはどうなの?」

グラン「いけねえか?一仕事したら飲むって決めてるんだよ俺ぁ」


ロット「……」

グラン「ん?なんだボウズまだいたのか?」

ロット「ええ、まだ話は途中でしたから」

ロット「今までの襲撃もあの規模で?」

リゼ「まちまちだけどねぇ…どうだったんだい親方?」

グラン「ふん、あんなの屁でもねえよ、いくらでも来いってんだロクでなしども」

ガッハッハと笑う彼は、仕事を終えビールを流し混んでいるせいか上機嫌だ
おかげでイマイチ答えになっていない…

ロット「うーん…」

キリュウ「話にならn…!!

とりあえずキリュウの口を塞ぐ
口は災いの元と言うが、キリュウはその元だ

イヴ「あれ?エルヴィンさんはどうされたんですか?」

グラン「ヤツの事なんか知らん、帰ったんじゃねえのか?」


エリス「父は多分すぐには戻って来ませんよ。いろいろと後処理があるので」

ロット「後処理?あ、そうか、あの賊の人達どうするんですか?」

エリス「間も無く、連絡しておいた騎士の人達が拘束しに来ると思います」

ロット「え……騎士…?」

キリュウ「んだヨ、結局捕まえるだけかヨ、ツマンネ」

イヴ「……」

イヴに目を移すと気持ち表情がぎこちなくなっている

リゼ「なんだい坊や、やましい事でもあるんかい?」

ロット「いえ、その…ギルドが騎士団と協力していた事に少し驚いたもので」

それは事実だった、ギルドは政府と険悪な仲だ、つまり騎士団との関係も同様
騎士を名乗る者をやすやすと町に入れたりしないと僕は記憶していた

グラン「まあな、こっちもゴタゴタ言ってられねえ状態なんだよ。ロクでなし供を全部捕まえてたら町が賊で埋め立てられちまう」

エリス「騎士団の方もこの件に対しては協力的と父から聞きました」

ロット「な、なるほど」

キリュウ「じゃあ、政府の奴らが悪人どもをけしかけて、この町を潰そうとしてんじゃねえのかヨ」

イヴ「確かにその流れで、盗賊の方達も捕まえられますね」

ロット「どうだろ、もしそれが目的なら協力なんてせずに、耐えかねたギルドが政府に助けを求めてくるのを待ちそうなものだけど…」

キリュウ「……お前意外と発想がエグいヨ」

ロット「なんだい、君の推理を検討しただけじゃないか」

でも確かに、噂を流している張本人の目的が掴めないと解決しない気がするなこれは…

リゼ「あ、例の騎士が来たみたいだね」

リゼさんは窓の外を覗きこんでそう言った
賊達を回収しに来ただけなら、とりあえずここにいれば僕達の存在は見つからずに済みそうだけど

ロット「少し探ってみるか…」

イヴ「ロットさん?」

ロット「イヴ、少しだけ帽子を返してくれるかな?」





エルヴィン「ああ、今日はざっとこのぐらいだ」

騎士「毎度ご苦労様です。いっそ我々も直接警備したいぐらいですが、上の意向でこれ以上の協力は…」

エルヴィン「構わないさ、あんた達が悪いわけじゃないし、この町にはギルドの流儀がある」

騎士「左様ですか、こちら収容所も随分手一杯になって来ました、そろそろ終息して欲しいところですが」


ロット(なるほど、少なくともこの件では友好的な関係が築けているみたいだ)

賊達はどんどん町の外に連れ出されて行く

ロット(さて…あの人かな)

騎士(指揮者)「どうだ、まだいるか?あれらで全部だな、なら満員になった所から収容所に戻ってくれ。…はぁ」

ロット「すみません、少しよろしいですか?」

騎士(指揮者)「はい?」

深く帽子を被った僕は指示出していた騎士に話しかけた

ロット「僕はロン・スクヤードと申します。少しこの件について聞きたいことが」

騎士(指揮者)「なんだい?ジャーナリストか何かかい?」

ロット「ええ、そんな感じです」

キモン「ふーん……、僕はキモンだ。何が聞きたい?」

ロット「いえ、なにぶんたまたま居合わせたもので、状況をあまり把握してないのですが、この襲撃者達はどうされるんですか?」

キモン「どうすると言っても、最寄りの『ヤスクワルト収容所』に収容するんだ、処分は後ほどだ。ツカーテへの襲撃が止んだらまとめて処理するんだろう」

法的措置は後回しか、さっきエルヴィンさんと話していた騎士も手一杯と言っていたが、収容所がいっぱいになってしまっているんだろう

キモン「おかげで、ウチ勤務の騎士達は疲れ果ててるよ。僕も上に応援を頼んじゃいるんだけどね…はぁ」

ロット「頼む…あなたはその収容所の?」

キモン「ああ、所長をやってるよ。と言っても異動して来たばかりだけどね」

ロット「なるほど、それは災難でしたね」

キモン「おっと、それじゃ我々も引き上げないと…ではまた…」

ロット「あ、最後にいいですか?」

キモン「なんだね?」

ロット「最近スタット街で一騒ぎがあったみたいですが、ご存知ですか?」

キモン「ああ、なんか魔物が住み着いてたらしいね。大騒ぎだったらしいけど被害はそこまで出なかったって聞いたよ」

ロット「そうだったんですか、良かった。実はスタット街に友人がいた者で」

キモン「それなら教える事ができて幸いだ、それでは」

ロット「ありがとうございました」

その人を見送った

ロット「ふぅ……」

僕達の事はそんなに騒がれていないのか?
それとも機密扱いで一般人に公表はしないのか
とにかく帽子を被っただけで正体が割れないなら、直ちにどうという事はなさそうだ

そしてヤスクワルト収容所…行ってみたら何かわかるだろうか?

エルヴィン「おう、どうした」

ロット「あ、エルヴィンさん。どうも」

僕は脱帽しながら、振り向いた

ロット「いえ、少し聞き込みを。それにしても驚きました」

エルヴィン「ん?ああ、俺たちが騎士団と上手くやってる事か?あの収容所の連中は話がわかるから今だけ休戦してるんだ」

ロット「お互いよくその気になれましたね?」

エルヴィン「まあ、ある差し金があったからな」

ロット「差し金?」

エルヴィン「おっと、俺は本部に戻ってやる事がある。鍛冶屋に戻るなら娘に早めに戻るよう伝えてくれ」

ロット「あ、はいわかりました。お疲れ様です」


彼はスタスタと去って行く
差し金については分からず終いだ

ロット(妙に話を切り上げられたような気がする…)

~鍛冶屋~

キリュウ「お、戻って来たヨ」

リゼ「おう、おかえり坊や」

ロット「えっと、ただいまです」

そろそろ坊やはやめてほしい

イヴ「どうでしたか?」

ロット「うん、そこまで焦る必要もなさそうだ」

帽子を返しながら答える

イヴ「そうでしたか、安心しましたわ」

ロット「まあ油断は禁物だけどね」

イヴ「もちろんですわ」

そういうと彼女は帽子を被り直した

キリュウ(すっかりその帽子も持ち主が変わったみたいだヨ)

リゼ「なんだい、あんたらやっぱり何かしたのかい?」

エリス「そんな風には見えないですけど……」

ロット(さて、どう言い訳するか)

グラン「……まあ、事情はあるんだろうよ。それより坊主、その腰に刺さってるやつ、まだ使えるのか?」

ロット「え、なんで気づいたんですか?」

僕は折れたシルバーレイピアを見せた

グラン「俺が何年この道でやってると思っとるんだ。そんなナマクラでこれからもやってくつもりなのか?」

ロット「いえ、流石にこれをこの先も使っていくわけには…、果物ナイフとしてなら使えるかもしれませんが」

アハハ、と笑いながらそんな返答をしてみる

グラン「はん、バカ言ってんじゃねえ、そんなもんで切ったリンゴが食えるかってんだ。それよりマシなもんなんか、探しゃいくらでもあるぞボウズ」

僕とは対照的にガハハと笑うグランさん

ロット「え、ええ…そりゃごもっともで」

キリュウ「探す必要もねえんじゃねえのかヨ?」

キリュウがそう言うとグランさんは笑い声を止め、ニヤリとした

ロット「ん?」

イヴ「あ、そうですわ!鍛冶屋を営んでらっしゃるんですよね?」

ロット(あ、そうか。ここは鍛冶屋…)

色々あったせいで、すっかり忘れていたけど、グランさんはここの親方という話だった
なるほどなるほど、この折れたレイピアの話題を持ちかけてくるわけだ

キリュウめ余計なことを…

リゼ「お、坊や何か持ってくかい?自慢の一品だらけだよ、ここの武具は」

ロット「えー、生憎、高品質な武器に見合うほど手持ちが…」

と両手をヒラヒラさせる

グラン「へ、なんだそんなことか、期待しちゃいねえよ」

こっちも期待していなかった返答が返ってくる

リゼ「坊やはさっきの人騒ぎに加勢してくれたからねえ、そういうことだろ親方?」

グラン「おうよ、働き者ってのは見合う報酬があってこそだ、ここは鍛冶屋であって武具屋じゃねえ、なにか考えてやってもいいぞ?」




ロット「あの、それは大変ありがたい限りなのですが…」


―――――――


イヴ「・・・・・」

キリュウ(あーあ、始まったヨ)

エリス「あの、ロットンさん、なんというか困っているように見えるんですが、何かご事情が?」

ロト坊の態度に違和感を感じたらしい、まあ普通の奴なら願ってもねえ話だろうヨ
こっちの鍛冶屋娘は商売熱心ってわけじゃねえみたいだヨ

イヴ「ええ、私にもわからないのですが…ひょっとしてあのレイピア気に入っていらしたんでしょうか?」

キリュウ「気にいる?とんだ冗談だヨ、あいつが剣を気にいる訳がないだろヨ」

イヴ・エリス「?」


イヴ「えっとつまりは?」

キリュウ「あいつ安もんが好きなんだヨ」

エリス「もちろん私は戦わないからわからないけど…武器って良いものに越したことはないものなんじゃ」

キリュウ「武器だからだヨ」

エリス「どういうことなの?子猫ちゃん?」

キリュウ「あ??」

イヴ「キリュウさん!」

キリュウ「ちっ…あいつの本業はあくまで探偵、戦うことは本職じゃないヨ」

キリュウ「それに、戦闘で何か手に負えないことに直面したときはさっさと撤退する事を念頭に置いてるんだヨ」

キリュウ「そんな時、例えば剣を弾かれてしまった時なんかに、わざわざ拾いに行きたくなるような武器は欲しくないんだとヨ」

エリス「あー、なるほど…」

イヴ「あんなにお強いのに…」

キリュウ「ワレ様もどうかと思うけどヨ」


キリュウ「あ、ちなみにワレ様が首にかけている魔法媒体は、一級品のラピスラズリだから話は…」


エリス「おじいちゃん!リゼさん!そんな急にお話を持ちかけてもお客さんは困惑しちゃうでしょ!」

リゼ「あー、うん。そうかもねぇ…」しょんぼり

グラン「なんだよ、ありがてぇ話じゃねえか?なぁボウズ」

ロット「いえ、少し考える時間が欲しいと言うか…ほら、まだ剣も見てませんし」

エリス「ほーら」

グラン「うっ…」


キリュウ「話、まだ途中だったのにヨ」

イブ「まぁまぁ!!」

―――――――

エリスさんが助け舟を出してくれたおかげで、なんとか商売熱心な二人から逃れることは出来そうだ…
どうやらエリスさんには腕っぷしの立つ二人も、弱いみたいだった

ロット「とはいえ…」

僕はもう一度折れたレイピアに目をやる
新しいものを用意しないといけないことには全く反論の余地がない

できればレイピアか細身の剣がいいなぁなんて思いながら、この鍛冶屋を少し見回してみると
気になるものが…

ロット(あれ、もしかしてこれ…)

大きな箱、そこにはさほど価値のなさそうな武器が乱雑に置かれていた
なにより…


リゼ「あれ、なにやってるんだいあいつは?」

エリス「どうか、されましたかロットンさん?そこにあるのは、売り物にならない失敗作や、ここで直接武具を買っていった人達が置いて行ったものなんですけど…」



キリュウ「おい、小娘。荷物をまとめておけヨ」

イヴ「え??」


グラン「「「出ていけこのロクでなしどもが!!」」」


店から叩きだされたのはそれから、間もなくのことだった

ロット「……なんで??」

イヴ「あたりまえですわ!」

ロット「え?」

イヴ「彼ご自慢のもっといいお品物がたくさん置いてあるなか、たまたま置いてあった使い古しのシルバーレイピアに目を輝かせていれば不機嫌にもなります」

ロット「ああ、なるほど、そういうことか…悪い事したなぁ」


初めてイヴに怒られた気がする
鍛冶屋にはあまり縁がなかったからなぁ…

キリュウ「まったくヨ」

ロット「…まあ、武器はなんとかするさ。まだ全然買い物してないし、ついでに手ごろなものを調達しよう」



今日は一度宿に戻ることにした
旅の支度と、頻発的襲撃事件の調査は明日に持ち込みだ

更新が途絶えてしまって申し訳ありません


↓1~3夜自由行動選抜

※なんでもありです。誰かに出会うでも、戦闘イベントでも、買い物でも。詳しく書いてもらっても簡単に書いてもらっても構いません。これからこの自由行動系の安価を増やそうと思います
何もでなかった場合はこちらで進行します

パーティ
・ロットン

>>257より 職人と冒険者の町【ツカーテ】

冒険者や職人を支援するギルドを中心とした町。
石造りの家屋と市場に集う屋台。絶えず響く鍛冶屋の鎚の音が印象的。
二つの大きな街道の交差点に位置し、東側には海に向かう大河が流れており、交通の要所としても有名。
宿、商店、鍛冶屋などなど、「ツカーテに来て揃わぬものなし」と言われるほど商業が発達していると同時に、多くの情報が集うため情報屋の激戦区でもある。
町全体を通して自立意識が高く、ギルドの組織している自警団は騎士団や国とのいさかいを起こすことが多い。その為国とは仲が悪いが、多くの冒険者や商人達を味方につけているため国としても手を出しづらい町である。

~宿~

一騒ぎ終え、僕たちは適当に夕食を取り宿に戻った
まだ暖かい季節なので、日が落ちるまでにはもう少し猶予がある

僕は、メモ帳とペンを片手に考え事をしていた

ロット(ふむ、『ヤスクワルト収容所』と…これで関係図はまとまったかな?収容所については詳細を調べるとして…そういえばエルヴィンが気になることを言ってたような)

~~~~~~~~~~
>>388
ロット「いえ、少し聞き込みを。それにしても驚きました」
エルヴィン「ん?ああ、俺たちが騎士団と上手くやってる事か?あの収容所の連中は話がわかるから今だけ休戦してるんだ」
ロット「お互いよくその気になれましたね?」
エルヴィン「まあ、ある差し金があったからな」
ロット「差し金?」
~~~~~~~~~~

ロット(差し金とは一体…?)

キリュウ「ロト坊、考え事なら口に出さずにやれヨ。うるせーヨ」

ロット「キリュウ、襲撃の時その要素を遠くからずっと見てた奴とかいなかったかい?」

キリュウ「たくさんいたヨ、戦えねえくせに様子は気になる野次馬なのか、単に心配で眺めてるのか」

ロット「ああ、そうかたくさんいるかぁ」

キリュウ「…んで?謎解きの時間かヨ」

キリュウが僕の考えを知りたい時は決まってこう聞いてくる

ロット「いや、まだ何もさ。強いて言うなら、何度もこの街を襲撃させて、その要素を観察」

ロット「この体制の穴を見つけた本命の盗賊団のご登場。とかだろうかね」

キリュウ「でもしっくり来ねえのかヨ」

ロット「まあ無理だと思うから、参加してみてわかったけど、ここの防衛力は凄まじいよ、役割分担もしっかりしてる。穴があったとしても、並の盗賊団じゃ戦力が足りないさ」

ロット「仮にツカーテ自警団が全員休んだって、常に多くいるこの街にやってきた滞在者(戦士たち)だけで事足りるよ」


>>402
訂正:
要素→様子

ロット「問題なのは滞在者の方だよ。この街にいる人は1日で目まぐるしく変化する。当然戦い方もひとによって様々だ」

キリュウ「例えば?」

ロット「大きな得物を担いで大声を上げながら軍勢を蹴散らしていく戦闘狂のような輩もいれば。僕みたいに誤魔化すのが得意な人もいる」

キリュウ「いやお前みたいのは、他にはいないと思うんだがヨ」

ロット「静かにしたまえ。何人かでパーティを組んでここに訪れている人達だって当然いるんだ。その全体の性質は日によって違うから、そもそも攻略法を立てることが現実的じゃない」

ロット「……まあ、まだ何も分からないんだけどさ」

キリュウ「へー」

ロット(相変わらず問うてきた割には、興味なさそうに聞くなぁ…)

キリュウは僕の話を聞きながら、砥石爪の手入れをしていた
爪でシャキン!と引っ掻いたりとかしない癖に

コン…コン

話がひと段落したいいタイミングで、部屋のドアからノック音

ロット「どちら様ですか?」

イヴ「私です。イヴです」

僕はそれを聞くや否や、少し早足でドアを開けた

ロット「や、やぁごきげんよう!」

イヴ「こんばんわ…ひょっとして間が悪かったでしょうか?」

ロット「とんでもない!いつでも歓迎さ」

自分の家でもないくせに歓迎してどうする

ロット「それで、どうしたんだい?」

イヴ「よろしければ、少しお出かけしませんか?」

お出かけ?
正直予想もしていなかった

ロット「構わないけれど、もう日が落ちるところだよ?」

イヴ「ええ、でも部屋に引きこもるにも少し早いかと思いまして。夕食も済んでいますし…その、まだ街のお店もやっていますし、見て回りたいと言いますか…」

確かにそれはある。普段の僕なら、この時間はまだうろついているものだ

つまるところ…暇なのだろう
無理もない、彼女はそこそこ好奇心のある方だと見えるし

ロット「うん、わかったよ。キリュウはどうす…ん?」

さてキリュウはというと窓を開けて外に出ようとしていた

ロット「行かないのかい?」

キリュウ「ワレ様はいけ好かねえモグラに会ってくるヨ、勝手に二人でいけヨ」

そう言ってピョイっと外に出て行った
だから何者なんだそのモグラ

イヴ「昨夜のモグラの方に会っていたみたいですが」

ロット「たまにいるんだよ、変な友達が」

~街中~

まだ比較的明るい商店街を、僕の探偵としての経験を話しながら歩いた

ロット「ああ、それでそのお爺さんの隠し財産の場所が突き止めることができたんだよ。結局教えなかったんだけどね」

イヴ「ふふ、色んな事件があるんですね」

ロット「何しろ穏やかな世の中じゃないらしくてね。皇帝と愉快な仲間達のお考えはよく分からないし、騎士団にも妙な奴らがいるみたいだし、王国の方から悪い人達が密入してるとかいう噂もあるし」

うーん、そう考えると悪情勢はもうじきピークを迎えそうな気がする

イヴ「………ロットさん」

ロット「何だい?気になるお店でもあったのかね?」

気軽に振り向きながらそう聞くと
立ち止まったイヴは、話を楽しんで聞いてくれていたさっきの雰囲気を一転させていた

至極真剣な顔をしている
やはり美人…ゔぉっほん!!凛々しい表情だ!!

イヴ「あの、ロットさんはなぜ探t…「「おい、あんちゃん!」」

しかしその真剣な声は、不愉快な大声で遮られた

???「おい、あんちゃん。兄ちゃん。お前さんだよお前さん」

繰り返しそう呼びながら、おっさんがだいぶ遠くから上機嫌で駆け寄ってきた

ロット「……やっぱり僕の事ですか」

???「他に誰がいるってんだ」

ロット「たくさんいると思いますが…」

大声だったものだから、すっかり注目を浴びてしまっている
そして話を遮られたイヴは少々むくれている

???「まあ細けえこたぁいいじゃん」

良くない

???「ちょっと面貸してくれや」

できるなら貸したくないが
何もかもを御構い無しに肩を組んでくる

ロット(酒くさ!!)

???「お、嬢ちゃんお連れさんかい?どうだ、嬢ちゃんも一杯やらねえか?」

イヴ「いえ、あの…その…困ってしまいます」


ロット「ええぃ!どちら様ですか!!?というか、本当に僕が誰だかわかって近寄って来たんですか??」

この酔っ払いようだと、僕を友人か何かと勘違いしていてもおかしくはない
当然僕は知らない

???「あぁん?探偵ってのはお前だろぉ?違わねえ筈だぞ?」

残念彼は知っていた
悪寒がする

ロット「どうして知ってるのさ……」

イヴ「お、お知り合いですかロットさん?」

ロット「いや、そんなはずは…」

???「ふぃ、親方がそう言ってたんだよ」

イヴ「親方さん?」

ロット「なるほど、グランさんだ」

合点が行く
僕は余りの酒臭さから、軽い頭痛を憶え
顔に手を当てながらそう言った

どうやらここの住人はみんなグランさんの事を親方と呼ぶらしい事が判明

この酔っ払いは僕達が去った、いや追い出された後にそこ(鍛冶屋)にお邪魔したのだろう
そこで僕の話をするグランさんはビールを飲んでいたはず
で、流れで飲みまくったと…

イヴ「という事はあの鍛冶屋さんの、お弟子さんでしょうか?」

親方と呼ぶくらいだからそう考えるのは当然だ
でも…

ロット「いや、違う。多分グランさんの事を親方と呼ぶ人は他にもたくさんいる筈だよ。非常に信じ難い事だけどこの人…」

僕は空いた手の指を彼の袖に向けた
その指の先には立派な腕章が付いている

ロット「わかるかい?」

イヴ「これ自警団の人達が付けていたものと……いえ、似てるでしょうか??」

イヴは若干離れた場所からその腕章を確認していた

ロット「うん、戦っている時に気づいたんだけど、この腕章、二つの種類に分かれているみたいなんだ」

ロット「一つはここの住民でもある団員、そしてもう一つが短期間雇われた外からの団員、旅人とかだね」

この二つは区別できるようにしてあったのだ

ロット「だけどこの人の腕章はそのどっちとも違う、つまり……!?」

???「ヒック」

この人どんどん体重かけてきてるような…重い!

ロット「はぁ…つまりこの人多分、リーダーなんだよ。自警団の」

イヴ「えぇ!?」

さてこの呑んだくれはジャック・テンペルという方らしい
なぜ「らしい」なんて曖昧な表現を使うかというと

ジャック「ZZZzzZz……」

ロット「重い…」

僕に肩を預けたまま睡魔に打ち負けたおじさんが誰だか、どこに住んでるかは通りがかりの親切な方が教えてくれたからだ

イヴ「書いてくれた地図通りだとすると、ここがジャックさんのお宅、という事になりますわ」

ロット「う、うん」

リーダーという事だから水準以上の住処を構えているもの…なんて偏見があるが
そうではないにしても、お世辞にも綺麗とは言えない
口には出せないが年季の入ったボロっちい家だった

まあ僕の事務所も似たり寄ったりなんだけれど…

ロット「さて、どうするかな。ジャックさんに起きてもらえれば……」

そんな事を考えているところで、イヴが行動を起こしていた

コン…コン!

イヴ「ごめんくださいませ、どなたかいらっしゃいませんか?」

ロット「イ、イヴ?」

イヴ「あ、申し訳ありません勝手に…でも、起こさずに済むのでしたら、そうしてあげたいですわ」

確かにぐっすりと眠っているし、泥酔していた事も考えると
相当荒々しく起こす事になりそうではあった

ロット「うん、わかったよ」

彼女の気遣いに、僕は素直に感心した
…そろそろ肩が限界だけれど

キィィ…

イヴ「あら、突然すみません。ジャック・テンペル様のお宅はこちらでしょうか?」

???「こんばんはです。はい、確かにここなんですが、リーダーにご用事でしたら、いま不在で……」

中から出て来たのは小さな女の子だった
しかし、来客の対応には慣れているのか、この時間の突然の来訪者相手にも特に物怖じする様子はない

ロット「あ、そのリーダーなんだけど、この人かね?」

ジャック「ZZZ」

???「………ごめんなさい、すぐ戻ります」
と、状況を理解したのか、奥に入っていった
30秒くらいでまた急ぎ足で戻ってくる

???「はぁ…」

ため息を吐きながら戻ってきた彼女の手にはフライ返し

そのまま僕に前まで来ると、そのフライ返しを振り上げた

ロット「え…?いや、ちょ!?」


ベシーーーーン!!!

~ジャックの家~

ジャック「痛ってぇ、酔いが覚めちまった」

ミルカ「毎日毎日飽きもせず酔いどれるリーダーがいる??」

ジャック「んなこと言ったら、食いもん扱う道具で大人の事ぶっ叩くガキだっていやしねえよ」

ミルカ「ガキじゃありませんもん」

ジャック「ガキだよガキ、そう見えるとかじゃなくて10歳ぽっちだろうがテメェ」

ミルカ「そう決めてるだけで、本当は12か13ぐらいかもしれないじゃない!」

ジャック「……てぇして変わりゃしねえじゃねえか」

ジャックさんを叩き起こした、その娘ミルカは僕たちの事を家に招き入れてくれた
着々とお茶の準備を進めるミルカさんと、少し小さめなちゃぶ台を挟み、僕達の正面に座るジャックさんはずっとこの調子だ

ロット「あ、あの……」

ジャック「ん、ああ悪ぃな。あんちゃん賊退治に加わってくれたんだろ?礼がしたくてな」

少なくとも僕に用事があった事は確かなようだ

ロット「いえ、それには及びませんよ。僕が無力化したのなんて3人だけですし」

ジャック「3人??何言ってんだ?」

ロット「へ?」

ジャック「お前さんが賊の一人を立派な氷細工に変えたもんだから、それを見たバカな賊の何人かが戦意喪失したんだよ。敵さんの士気に多大な影響を与えたってこった。考えたな兄ちゃん」

ロット(うわ、偶然…あと呼び方統一してくれないかな)

ロット「でもあの程度、魔法都市シュトルベルンとその周辺では日常茶飯事ではないですか。賊に魔法の知識がある人いなかったんですか」

ジャック「ああ、誰もいなかった。今回の襲撃は脳筋ばっかりだったよ」

ミルカ「おとうさんもそうじゃない」

ジャック「う、うるせぇ!」

ミルカ「それにしてもお兄さん魔法使えるんですね!いいなぁ、私も剣とか斧とかは使えないけど、魔法があれば自警団員として戦えるのに……」

ジャック「……」

ジャックさんは、娘のその言葉を聞くと少し複雑な表情を浮かべた
危険を犯してまで戦って欲しくないのか
別の意図があるのかは分からない

あと横にいるイヴが(魔法…魔法ですか)と微かに呟くのが聞こえてきた

ミルカ「もしよければ、魔法を使う上での心得みたいなものを教えてくれませんか?いつか絶対覚えようとは思ってるんですけど、何からやればいいのか分からなくて…」

ロット「ううん、僕、魔法使えないんだよ」

ミルカ「え?」

ジャック「なんだ、じゃあありゃ手品か何かか?」

ロット「えっとジャックさん。あれは僕の…仲間の魔法の力で、実は僕自身は魔法はからっきしダメなんですよ」

ジャック「そういうもんなのか。この町にも魔法なんかを使う奴はそう多くねえから、よく知らなかった」

ロット「ええ、それに魔法を使えてもそれだけで戦っていくには相当極めた人でないと難しいと聞きます」

僕はミルカの方へ視線を移しながら続けた

ロット「魔法を使うっていうのは、武器を振るう事とは違う形で体力と精神力を消耗する。無理をするとそれ以上に体に負担がかかるらしい。極めるのは剣なんかよりも断然難しい」

イヴ「そうなんですか??」

ロット「うん、そして素質も大きく関わってくる。ちょっと見てて?えーと…」

僕は、鞄から小さな石を取り出す

イヴ「そちらは?」

ロット「ソーダライトっていう鉱石さ、キリュウがぶら下げてるラピスラズリの関係者……もう残り少ないな…」




僕はそれを持った手を突き出し、一回深呼吸した

ロット(よし…)

ロット『凍てつく氷の盾よ!我が身を守…』

バチィィン!!

ミルカ「!?」
イヴ「きゃ!」
ジャック「おっと!」

僕の詠唱は途切れ、代わりに何かが僕の手で弾ける音が響く
3人の驚く声が重なった


ロット「痛てててて……全部言わせてすらしてくれないのか……」

イヴ「お怪我はありませんか!?」

ロット「うん、大丈夫だよ。でもこのソーダライトは…」

ジャック「粉々だな」

ミルカ「それに…さっきまで綺麗な青色だったのに、ただの石になっちゃったみたい」

ロット「一般的に魔法を使うって言うのは、魔力をこういった鉱石や宝石、人の手で作ったものだと、色々書いた魔導書などという『媒体』に一度蓄積させ、それを放つという事らしいです」

ロット「魔法を使えない人が使おうとするとこうなる。僕のソーダライトもただの石ころと化しました。これでは磨いて飾りにすることすらできません」

ジャック「分かっちゃいたが、あれってただ口上を覚えりゃいいってわけじゃないんだな」

ロット「はい、それこそ素質が関わる要素で、こうやって詠唱をしつつ、頭の中で、あらゆることを処理し、計算し、意識し、集中し、…僕らにはよくわからない感覚をつかむ必要があるらしいです」

ロット「素質のある人はその感覚を自然に身に着け、訓練した人では、詠唱なんかしなくても発動できる人だっています」


僕もスタット街で痛い目に合っている


ミルカ「…さっき、お兄さんが使おうとしてた魔法はどんな魔法なんですか?」

ロット「僕が唱えてた魔法は、氷の板を正面に展開して、敵の攻撃から身を守る『アイスシールド』、氷魔法を使う人なら基本中の基本らしい」

イヴ「じゃあ、キリュウさんは使えるのですか?」

ロット「キリュウに至ってはもっとすごい守る手段を何回も使えるから、もはや『アイスシールド』に用事はないよ」

イヴ「そ、そうなのですか」


ミルカ「…でも、努力すれば使えるようになるんですか?」

ロット「もちろん、僕なんかは少しだけしか練習してないからね。努力して覚えた人も数えきれないほどいるよ」

少しだけミルカさんの表情が明るくなるのに気づいた

何年か前に、魔法と言うものに憧れを持ったのは僕だって同じだ
文句を言いつつも付き合ってくれたキリュウを裏切るように
3日で投げだしたのを覚えている

ロット「でも、どれだけかかるかは分からない。シュトルベルンにある学校に通って、結局習得できなかったなんて例もあるからね」

ミルカ「そうですか……」
イヴ「そうですか…」

ロット「イヴ?」

イヴ「あ、いえ、なんでもございませんわ!もしよろしければ私もキリュウさんに教えを乞おうなどとは…」//

多分、奴は教えてくれないだろうけど…


ロット「いいかい二人とも?僕が話したかったのは魔法習得の難しさじゃない」

「二人」と聞いたイヴが少し恥ずかしそうにしている。

ジャック「ああ、そうだなロットン」

ロット「ロットとお呼びください」

ロット「最初に言ったけど、魔法は剣よりも体に負担がかかるものだ、限界が来れば初級魔術すら使えなくなるし、無理をすれば動けなくなってしまう事もある」

ロット「魔法が使えなくなってしまえば下がるしかなくなる、動けなくなってしまえば敵にとっては格好の的だしね」

ロット「過信は禁物なんだよ」


大切なのは魔法以外の攻撃手段を用意しておくことや、他人との連携ができるようになること
と言いたいところだけど

ロット「大切なことは自分にできることを全力でこなすことだよ、戦うこと以外にもたくさんあるんだからさ」

ミルカ「そう、ですね。リゼお姉さんみたいに戦ってみたいって少しは思ってたんですけど…私は今まで通り自警団のサポートを頑張ってみます」

イヴ「自警団のサポート?」

ミルカ「はい、こう見えて私色々…

ピィーーー!!


ジャック「おっと、やかんか…」

イヴ「いいよ、座っててお父さん」

ジャック「お、おう」

すいません明日はもうちょっと書きます

イヴ「あの子、見た目よりもずっと立派ですね」

ロット「ミルカさんって、娘さん…何ですか?」

ジャック「お、察しがいいな、どうしてそう思った?」

ロット「さっき10歳と決めてるだけだって、と言ってたので」

イヴ「はい、こちらでは歳を自分で決める文化でもあるのかと思いましたわ?」

ジャック「間違いなくそんな文化はねえが、なるほど、そりゃ変に思うわな」

ジャック「その通り、ミルカはどこのどいつが産んだのかすらわからねえ。そういう奴だよ」

ジャック「そもそも俺には嫁さんがいねえしな、ハッハッハ」

ロット・イヴ「……」

さっきまでの酔っぱらっていた状態のジャックさんを思い出す
まあとてもじゃないが女性は寄り付かなそうだ

ジャック「おい黙るなよ」

ロット「コホン、失礼しました」

ジャック「まあそんな事情もあり、俺が酒と女にだらしないせいか、苦労もかけちまってる。部下やギルド長にはよく、親子というより夫婦みてえだ。とからかわれる日々だ」

イヴ「でもそれだけ仲睦まじく見えてらっしゃるって事ですわよね?」

ジャック「さぁな…ま、これが続けばそれでもいいんだと思うけどな」

ジャック「そういう意味ではあんちゃん。アンタが話してくれた事はありがたかった。これでアイツが無茶な事をする心配が少しは減ったよ」

ロット「いえいえ、そんな」

ジャック「いや俺が言うより余所モンが言った方が聞くんだよこう言うモンはな。こりゃお礼は弾まねえと…な?」

そういえば元々そんな話だったような気もする…

ロット「あの今日の襲撃についてですが、本当にお礼なんてほどの事はしてませんよ?それに僕は自警団契約などしてませんから」

ジャック「だからこうやってわざわざ探し出したんじゃねえか。勝手に加勢するくらいなら、自警団に入っててくれてればもっと円滑に報酬を渡して終わりだったんだよ」

ああ…なるほど
でもそんな僕をわざわざ探し出す辺り、義理堅い組織である事は確かかもしれない

ロット「わざわざ探してくれただけで十分ですよ。ここはお気持ちだけと言う事で…」

ジャック「いいや、アンタにはこれからもっと厄介な事に首突っ込んでもらうんだ。何かしら渡しておかなきゃ気が済まねえ」

ロット「へ?…あの、一体どう言う?」

ジャック「とぼけたちゃいけねえよ。親方から聞いたんだ。よく言ってくれた。てぇしたもんだ」

話がイマイチ飲み込めないが、グランさんが何か言っていたとするなら

イヴ「あの、ひょっとして襲撃についての調査の事ではないでしょうか??」

ロット「うん、多分そうだね。ジャックさん」

ジャックさんは大きく頷く

なるほど、つまりは着手金を渡したいという事だろう
僕が途中で投げ出しにくくなるようにと…

ジャック「とりあえずはここに商店街の割引チケットやら商品チケットをたんまり用意しておいた、役立ててくれ。金が欲しいなら言ってくれればいくらか工面…」

ロット「いえ、結構です」

ジャック「おっと?」

ロット「問題が解決するまで報酬は一切受け取りません。それは僕が探偵として仕事をする上でのポリシーなんです」

ロット「心配しなくても、僕は受けると決めた以上、無責任に放ったらかして消えたりはしませんよ。もしも、本当に手に負えなくなってしまったらその事を正当な理由と共に、正直に打ち明けます」

ジャック「ほーう、なんか兄ちゃんが無責任じゃねえ根拠はあるのか」

ロット「僕、やりたい事しかやらない主義ですから」

ジャック「つまりこの問題に自分から突っ込んでいくってわけか。どうだ嬢ちゃん、こいつは信用に足る人物かい?」

イヴ「え、私の意見でしょうか?」

ジャック「おう」

イヴ「え、えっと…」

彼女は僕にチラッと視線を流す

ロット「好きなように答えてくれ、レディ」

イヴ「……はい、では僭越ながら」


イヴは少し呼吸を整え、そして満を持して切り出す!

イヴ「わかりません」

僕はちゃぶ台に突っ伏した

ミルカ「お茶持ってきましたよ~。お、お兄さん大丈夫ですか!?」

ジャック「ハハハ、ズコーっていったな、ズコーって」

ロット「イヴさぁん…」

僕史上今世紀最大に情けない声が出る

イヴ「ごめんなさいロットさん、でも…」

ロット「ううん、分かってるよ。むしろ正解」

正直な感想としてはこれが当たり前だ
ただキッパリと言われると色々と来るものがある

ロット「実は僕たち一緒にいますけど、出会って間もなくて…」

ミルカ「そ、そうなんですか!?」

ジャック「全く面白い奴らだな。で、嬢ちゃん、話まだ途中だろ?」

イヴ「はい」

僕はミルカさんが出してきたお茶をずずっと啜りながら続きを聞く

イヴ「信用で言えば、むしろ私の方がそれに足らないと思うのです。私、事情があって素性をほぼ明かせない身でして…だから私の意見など当てになりませんわ」

凄いかわし方だ、嘘は言っていないし、それでいて自分の意見を述べることを巧みに避けている

イヴ「でも、私が彼の事とても頼りにしている事は確かですわ」

よし、もっと頑張ろう

ジャック「まあどこのどいつか分からねえ奴なんかこの町には山程いるから、全く問題にはならねえが。なんだ、アンタらも色々と込み入ってるらしいな」

すいません、どういうわけか
>>17
>>251
でロットンが「17歳」となっていますが、正しくは「15歳」です
おそらくレス番号(>>17)から何かの間違いが発生したものと思われます
訂正します

ロット「ええ、まあ…あはは…」

ミルカ「お父さん、どうなの?」

ジャック「まあ主観になっちまうが悪いことする奴らには見えないな、他にお仲間さんは?」

ロット「あと猫が一匹います」

ジャック「ハハハ、いいねぇ。じゃ、改めてよろしく頼む。必要なら収容所の騎士にも話を付けとくが…」

ロット「それにも及びません。すでに収容所の隊長らしきキモンさんとはお話しましたので」

もちろん素性を隠してではあるが

ジャック「行動も速えと来たか、ガキのくせにうまくやるもんだ。ん、今いくつなんだ?」

ロット「僕は15です。僕達を子供扱いするのは構いませんが、ジャックさんもお酒飲んでばかりいると老化の進行が早くなるのでご注意を」

ジャック「げっ」

ミルカ「言われちゃってる」

イヴ「ふふ…」

後はお茶を頂きながら、たわいもない話をし、お茶飲んでけから始まり、風呂ぐらい入ってけ、泊まっていけとエスカレートするお誘いをはねのけてお暇した。
僕達は宿に戻るため夜道を歩く。

ロット「結局お店はたいして回れなかったね」

イヴ「いえいえ、機会はまたありますわ。それに、代わりに貴重な経験もできました」

ロット「貴重な経験ってどんなところが?」

イヴ「だって今日だけで、この街のギルドのトップ、元ギルドのトップで鍛冶屋の親方さん、それに自警団のリーダーさんまで、3人も凄いお方にお会いしたのですから」

ロット「…うん、たしかに。冷静に考えると凄いかもしれない」

3人とも会う機会自体はあるかもしれないが、一日でまとめてとなるとやっぱり珍しいというのも頷ける。

イヴ「それにしてもロットさん、私より一個下だったんですね。同い歳だと思っていましたわ」

ロット「え?それは…えっと、すみませんイヴさん」

確かに、なんとなく歳上ではないだろうかという疑問は持ちつつも、対等な話し方をしていた僕だが、はっきりしてしまうと少々バツが悪い。
言ってしまえば、むしろ2歳ほど歳上じゃないかと思っていたぐらいだ。

イヴ「いえ、お気になさらず、どうか今まで通りお話しください。私は誰と話すときもこの話し方ですから」

ロット「えっと、じゃあ……うん。ここでの滞在期間は予定より長くなりそうだけど。付き合ってもらって悪いね。何か不都合はあるかな?」

接し方についてはイヴが良いと言うのだから気にせず行こう、今更だ。

イヴ「いえ、絶対解決させましょうね!この街にも子供が多く見受けられますし」

ロット「うん、全力を尽くすよ」


宿に戻るとキリュウは既に爆睡していたので、僕もそれに倣ってベッドに横になった。どちらかと言えば寝つきは悪い方だけど、今日はすぐに眠れそうだった。

~早朝 見張り台~

「よぉ、見張りご苦労さん。交代だ」

雇われ自警団の男が一人見張り台に登ると、今まで見張りを務めていた男に声をかける。

「ん?あと二人はどうしたんだ?こっちの早朝見張りは3人だろ?」

「別に俺が早く来すぎただけだよ。二人もじきに来るだろう。上がっちまいなよ。集会所の婆ちゃんがコーヒー淹れてくれてるからよ」

「お、いいな。薄着しちまったから思ったより寒かったんだよ」

「じゃ、俺も上がらせてもらうわ。ふぁ~寝みぃ」

「俺も今日中にベルマールに向けて出発するから、戻って旅支度だぜ…じゃ、あとよろしく」

三人は降りていく、時間にルーズな他の早朝見張り二人はまだ来ないまま、その男は一人になった。

「お疲れさん…と、とりあえず一服するか」

男は巻きタバコに火を付ける。
見張り台から町の外を見渡し、遠くの方に魔物の群れがちっと見えるなぁなんて考えながら、一度吸い込んだ煙を吐き出した。

「ふぅ…ん?」

魔物が見えた反対側に視線をやった途端に彼は異変に気付く。

「な、なんだ!?あの大軍は!」

大軍、その言葉通り、いやそれ以上かもしれない。
子供だけでなく大人も多くがまだ寝静まっているような朝早くに、明らかに良識を持っていない柄の人間達がこの町に向かってきていた。

言わずもがな例の襲撃だが、その規模は今までと比べ物にならない。

「くそ、やべえ!他の二人はまだかよ!三人とも帰らせるんじゃなかった。早く鐘を……」

しかし、鐘が響くことはなかった。

「が、はぁ……!そん…な…矢が…!あん…な……遠く………がら……」

男は無念にも危険を住人や滞在者に知らせることもできないまま、息絶えた。


一旦ここまで、

ところで設定(キャラ、舞台、その他諸々)の募集でスレがいっぱいになってしまう事を恐れて、一度募集を打ち切っていますが。
自分としても何かしら材料は欲しいものですし、設定を書きたい人もいると思います(いればいいなぁ)

なので、こことは別の場所、ツイッターの方で募集するというのはどうなのでしょうか?
賛同者がいればこのスレ用のアカウントを作ります。
こちらのままで良いという事であれば、また募集する機会を設けます。

飛び起きた時にはもう既に、外が尋常じゃないほど騒がしくなっていた。
怒号や悲鳴、窓ガラスの割れる音や、銃声、爆発音。少なくともただ事ではない。

ロット「な、何が起きたんだ…?おい、キリュウ!起きてくれ!!」

堪らずキリュウを揺する。

キリュウ「…あぁ?なんだヨ…?」

我が相棒は目を覚ましてくれたものの、みょーんと体を伸ばし、呑気にあくびをかいてなんかいる。

ロット「ああもう!この騒ぎになんとも思わないのかい!?」

キリュウ「分かってるヨ…んでロト坊?なんでこうなったヨ?」

ロット「いや、分からない。また賊かなんかの襲撃なんだろうけど、それにしたって異常事態だ。一度宿の周り、ぐるりと様子を見てきてもらえるかい??」


ドンドンドン!!

あ、募集については今まで通りまた募集する機会を設けます。
ツイッターのアカウントも一応作りましたがまあいい活用法が見つかるまでは放置します(多分使いません)

部屋のドアから激しいノック音がした。僕は反射的に叫ぶ。

ロット「誰だ!!」

イヴ「私です!イヴです!!」

ロット「入って!鍵は開いてるから!」

イヴは部屋に入ると振り返りもせずにすぐにドアを閉めた。
バタン!!

ロット「ふぅ…」
イヴ「はぁ…」

二人とも大きくため息をつく

イヴ「おはようございますロットさん。何が起きているんです?」

イヴは顔を強張らせながらも挨拶を忘れない。
彼女の顔を無事見れたこともあって、僕はほんの少しだけ気が緩んでしまう

ロット「お、おはよう…じゃなくて!」

ロット(気を抜くな僕!)

一度自分の頬をピシャリと叩き気合いを入れる。

ロット「僕も気がついたらこの状況だったんだ。キリュウ!」

キリュウを掴み上げ窓を開ける、外には火の手すら見え始めていた。

キリュウ「オーケイオーケイ、行ってくるヨ。……ったく、とんだ目覚めだヨ…」

それを返事として受け取り、窓の外に放り投げた。

イヴ「ロットさん、どうされるのですか?」

ロット「さぁ、まだ何とも言えないけど……嫌な予感がする」

騒音は止む気配がない。
この短時間で様々な音を聞いたけれど、その中でも一番耳を劈いた音は、悲鳴でも怒号でも、物音でもない。

恐らく敵と思われる人の声だった。

ロット「じっとしてるわけにはいかないか、行こう」

イヴ「キリュウさんは!?」

ロット「大丈夫」
僕はバックから銀貨を一枚取り出した。

ロット「緊急時の合図でね、面はその場で待機、裏側は後で合流の意味なんだ」

窓の側に裏側を上に向けて置く、これでよし!

ロット「行こう!」

イヴの手を掴み駆け出した。

イヴ「は、はい!」

~エントランス~

玄関扉が軋む音がする。

給仕「あれま、どうしましょどうしましょ!」

ロット「給仕さん!宿にいた他の人達はどうしたんですか?」

給仕「みんな出て行っちまったよ、戦いに行ったのか逃げたのか知らないけど…」

ガタガタ!!

イヴ「ロットさん!玄関扉がもう壊れそうですわ!」

鍵はかかっているのだろうけど、いつ破られるか分かったもんじゃなかった。

ロット(くそぅ、レイピアもないのに!)

僕は仕方なく扉を抑える。

ロット「給仕さん、フライパンを火にかけてください!思いっきり強火で!」

給仕「え?フライパン?ええ?」

ロット「いいから早く!」

給仕「あ、あい分かったよ!」

給仕さんはアタフタしながら厨房へ走って行った。
灯油が無いとか言わないでくれて本当に良かった。

ガタガタ、ダンッ!ダンッ!

「「オラ、開けろオラァ!!」」
「往生際が悪ぃぞオイ!!!ウヒヒヒ」

イメージ通りの怒鳴り声、最後の下品な笑い声はなんだ。

ロット「開ける…わけ…ないだろ!」

イヴ「ロットさん!これを取っ手に!」

しめた!閂にちょうどいいモップを取ってきてくれた。

ロット「ありがとう、助かるよ!」

素早く取っ手にモップを通すと、抑えなくてもとりあえずは開かないらしい

が、この一本の木製の棒がいつまで持つかわからないのには変わりない。

ロット「よし、今のうちに……」



ミシミシ…バキ!

いよいよ扉が破られた。
斧を手に持つ屈強で悪そうな人が何人かなだれ込んで来きそうだ。

「ヒャッハー!ガキと女は来…」
ロット「大火傷にご注意くださーい!」

威勢の良い文言を言い終わるのなど待たずに、僕は火にかけてあったフライパンで思い切り殴りつけた。

ガーン!!スキンヘッドに命中

「痛!!!アチィィィイイ!!」

一旦ここまで

男は鈍い衝撃と、やけどに悶えている。痛そうだ…

ロット「うわ、ジューっていった…」

ならず者「テメェ舐めた真似しやがって!!」

奥にいる他のならず者が睨んできた。

ロット「最近こんな輩ばかりな気がするなぁ…みんな雰囲気が似てると言うか…」

ロット(それにしても、一人、二人、三、四、五…六七八…)

ロット「多いね!!?」

この宿を制圧するためだけに10を超える人間がここに来るのだから、外は相当酷いことになっていそうだ。

ならず者「よそ見してんなよ!!!うら!破岩撃!!」

ロット「おっと、危ない」

僕は床に亀裂が入るほど勢いよくふり降ろされた斧ををかわし、えぇい!とフライパンを振るう。

ならず者「ちぃ!」

男は思わず手でフライパンを抑えてしまう。
当然これは刃物でもなければ、打撃武器ですらないただの調理道具なのだが。

ジュー…

ならず者「あああ熱いいいぃぃぃいいいい!!!!!」
まあこうなるわけで…

男は手を冷やせる場所を求めてだろうか?逃げていった。
我ながらえげつない武器だ。

ロット「ほらほら、道をあけないと。熱いよ?」

ロット(できればフライパンが冷める前になんとか突破したいけど…!!)






ジュ~!ガン!ジュ!ジュ―!!ガーン!

ならず者「ヒィイ!」
ならず者「痛ぇ!!」
ならず者「熱い!!」

攻撃を受けながらも、何人か撃退することに成功する。
フライパンは強い武器だ。

ロット「ゼェ…ゼェ……だいぶ人数は減ってきたけど…えい!」

また近くにいた男に振りかざす。が…

ならず者「よっと」

ロット「な?掴まれた!」

男の手には分厚いガントレットが、なるほどこれじゃいくらフライパンが熱くても影響ない

ならず者「ちょっと、調子に乗りすぎたみたいだなクソガキが!」

僕は呆気なく組み伏せられ、フライパンも手を離れてしまった。

ロット「ぐっ…!!まずい!単純な力量差じゃ勝てっこない!!」

ならず者「そういうこった。じゃあ、まず手を潰すかなぁ、このあついあつーいフライパンでよぉ!」

するとその男はフライパンを慎重に手に取った。
どうもまだ冷めちゃいないらしい。



ロット「……でも、戦略では勝てるんだなこれが」

僕はきつい体制ながら視線をそのガントレット男に向けてニヤリと笑った。

ならず者「は?」

ロット「今だ!!玄関扉めがけて!!」

給仕「せぇぇい!!」

イヴ「はい!」

僕の声で給仕さんとイヴが、奥からなにかの粉が入った袋をいくつも投げ込んでくる、袋口が空いた状態で
ぶつけられたならず者たちはたちまち粉まみれになる。

ならず者「ケホッ…なんだこりゃ…、小麦粉??」

分けも分からず、男は僕に組み付きからの脱出を許してしまうのだった。

ならず者「あ、テメ!」

ロット「忠告はしたからね!」
ポケットに入れてあったマッチを一本、火をつけて投げながら、玄関から離れる。

ロット「伏せて!!」
給仕さんとイヴを抱えて奥に伏せた。






ドッカァァァァァアアーン!!!



玄関が豪快に吹き飛んだ。

ロット「……ほらね、大火傷にご注意って言ったでしょ?二人ともケガはないかい?」

イヴ「ええ、わた…くしは大丈夫です」

イヴは立ち上がって、服をパッと払った。

給仕「な、何が起きたの??」

給仕さんは腰が抜けたらしく、立ち上がれずにいる。

ロット「お手を」
給仕「あぁ、どうも…これ魔法なのかい?」

僕に引き起こされた給仕さんが聞いて来た。

イヴ「ロットさんやはり魔法を使えたのですか?」

ロット「ううん、昨日言った通り魔法はからっきしさ、これは魔法じゃないよ」

使えたとして、こんな爆破魔法なんて恐れ多くて扱おうなんて思わない。

ロット「聞いた事ないかい?『粉塵爆発』って言うんだ。」

給仕「フンジンバク…ハツ?」

ロット「はい、宙に舞った小麦粉の粉粒の一つ一つに次々と火が引火する事により爆発を引き起こす。僕が投げたマッチ一本が火種となってね」

イヴ「あ、聞いたことがありますわ!建物も吹き飛ばすという…」

ロット「まさかここまでうまく行くとは思わなかったけど…」

宿の立派な玄関は、扉だけでなく壁ごと吹き飛び、見るも無残な様子だ。
ならず者達も同様、生死についてはあまり考えたくはない。

ロット「あ、考えなしに玄関吹き飛ばしてごめんなさい。修理費については…」

給仕「そんなもんまた後でいいよ、逃げましょ、ほら!」
ロット「すぐに出ないで!」

外に出ようとする給仕さんを引き戻し、ゆっくりと外の様子を伺った。

ロット「酷いな、これじゃまるでそこそこの規模の戦場じゃないか…避難する場所は決まってますか?」

敵の数が視界で捉えられるだけでも目に見えて多い、どっからこんな戦力が…

給仕「ええ、避難所があるよ。みんなそこに逃げ込んでるはずさね」

ロット「……いや、できるならここで隠れてた方がいいかも知れない」

給仕「ここに!?」

ロット「この中を一人で避難所まで行くのは現実的ではありません。外に出るなら僕の側を離れない事、その代わり僕は避難所には行きませんし、どんな戦闘に巻き込まれるか未知数です。だったらむしろここで倉庫か何かに隠れていた方が安全という事もあるかも」

給仕「そんな事言われても……」

ロット「何より僕には避難所が安全であるか…もっと言えば無事であるかすら疑わしいです」

そう告げると、給仕さんは困った様子で黙り、考え込み始めた。

イヴ「ロットさん、ロットさん」

ロット「うん?」

イヴ「どこに向かうおつもり…でしょうか?」



ギルド本部に向かってみたいところだけど、鍛冶屋やジャックさんの家も心配だ。どこかにいるキリュウも探さなくちゃいけない。さてどうするか?


↓3までコンマが一番大きいもの(コンマ00は100とする)
1、ギルド本部
2、ジャックの家
3、鍛冶屋
4、その他(内容は後ほど自由安価)

ロット「ジャックさんの家に向かおう。単純に心配だ。あの人二日酔いかも知れないし」

イヴ「はい、ミルカちゃんも心配ですしね!」

イヴは両手で握りこぶしを作り、少し大きな声で賛同してくれる。

よし、方針は決まりだ。

~外~

給仕は結局倉庫の奥底に隠れる事にするという。

どうにか恐怖に打ち負けないで欲しいが、事が済んだら真っ先に様子を見に来るとしよう。

それはそうと……

ならず者「ぐへへへ」

ならず者「よう坊主、こんなとこで可愛子ちゃんとデートってか?」

ならず者「よくもまあやってくれたな、何人もてめーのせいで伸びちまってるよ」

その他数名確認、全員こちらに敵意

ロット「イヴさん、一度戻ろうか…」

イヴ「は、はぁ…」

ならず者「おいおいそんな事が許されると思ってんのかよ?」

ならず者「冗談だよなぁ?」

ならず者「なぁおい?」

もう、なんでこう、ウジャウジャと…

ロット「……も、もうどうなっても知らないぞ!!」

~ジャックの家~
敵「ぎゃ!」バタッ

悪い奴「こ、このオッサン強ぇ…」

ジャック「ったく、かったるい。何人いやがるんだ、あぁ?」

ミルカ「お父さーん、大丈夫ー??」

ジャック「あぁ、俺は平気だ。いいから引っ込んでろ~」

ミルカ「でも、他の人達が心配で…なんとか本部に行かないと…」

盗賊「所詮マッチョはノロマだろうが!!うらぁ!!」
ジャック「うるせぇ!」ブン!
盗賊「あれぇ!!??」バタッ

ジャック「…確かにな、どうしたもんか」

ジャックさんは、息一つ上がった様子はないが、一人で長い時間戦っていたようだ。

周りには彼が大剣で倒したと思われる悪者達が転がっている。

ロット「ジャックさん!!」

ジャック「お!あんちゃん、譲ちゃんも…」

ロット「ゼェ…ゼェ…だ、大丈夫ですか。こっちは…」

ジャック「なんだ、えれぇボロボロじゃねえか」

イヴ「ロットさん、かなり無理をなさってしまって…」

ジャック「…武器はフライパンだけか!??丸腰も同然じゃねえか、良くここまで来れたな」

ロット「えぇ、まぁ…。敵陣をフライパンと塩コショウとそこらの瓦礫とマッチとモップと柱時計とトイレットペーパーで潜り抜けてきたもので…ゼェ…」

ジャック(ああ…コイツなんでも使うタチか…)

ミルカ(塩コショウとか柱時計とか何に使ったんだろ…)

ジャック「…とりあえず、これ飲め。消費期限ギリギリだけど、ポーションビタミンB+だ」

ビンの蓋を開けて手渡して来たので、遠慮なく頂く事にする

ロット「ありがたく!!…ゴクッ」

ジャック「お前さんもいるか?ベッピンさん」

イヴ「い、いえ…幸い私は無傷なので。どうぞジャックさんがお使いください」

ジャック「そうかぁ」

ジャック(……ん?この敵陣で大した武器もなしに、譲ちゃんを守り抜いたのか?)

ロット「ゴクゴク…プハァ!それで、どういう状況ですか?」

ジャック「ああ、おかげ様で俺が自警団の頭だって事は知られてるみたいでな。正直身動きは取れない状況だよ」

頭を抑えにきた…か

ロット「なるほど、確かにここは宿よりも敵が密集してる気はしますね…」

ジャック「なんとかミルカの奴を本部に連れてってやりたいんだがな、じゃねえとあいつも仕事ができねえ」

自警団のサポート…、そういえば昨日そんな事を言っていた。

そこそこ重要な事らしい。

ロット「なんとか敵を減らすしかないでしょうね。僕も加勢します」

ジャック「いや、加勢って兄ちゃん武器…しゃあねぇ。ミルカ!!家の奥から適当に武器持ってこい!」

ミルカ「了解!!」

ロット「いいんですか?」

ジャック「どう考えたってその平べったいのよりぁマシだろ。なんか知らんが使いもしねえエモノが溜まってんだよ、気にすんな」

確かに、流石にフライパンでは心許ない。

ロット「イヴ、ジャックさんの家まで下がってくれ。ミルカさんと一緒にいてくれないかい?」

イヴ「はい、わかりました!」


ジャック「…なんでガキに『さん』付けなんだ?」

ロット「レディに対しての礼儀…というのは冗談で、昔からどうも呼び慣れてないと…」

「「てめぇらぁ、いつまで無駄話吹かしてやがるんだおぉい!!?そんなに舐めてんのかおおおいい!!」」

前方からの大声だ。力を入れて叫んでいる表情でもないので、彼は普段からこんな話し方なのかもしれない。

ロット「血気盛んですねぇ…」

ジャック「ああ、ああはなりたくねえだろ若人」

ロット「愚問ですよ。えい!」

僕はフライパンを、ズガズガと近づいてくるその無駄に活力あふれた大声男に投げつけてみる。

大声男「アウ!!」ガーン!

ロット(えぇ、なんで避けないの…?)

大声男「……フフフ、そうかそうか、じゃあてめえから潰すぅぅぅぅ!」

するとその男は鎖鉄球を振り回し始めた。

大声男「がぁああああああ!!!!」ドスドスドスドス!!!!

ズガズガ…からドスドス…と足音を大きくしながら向かってくる。そして意外と速い…

ロット「うわわわわ…!!」

僕はとりあえず背を向けていたほうへと走りだす。

大声男は腕の届く範囲に入ったジャックさんすら素通りして僕を追っかけてきた。

ジャック「……あいつ本当に大丈夫なのか??」

ロット(完全に僕狙いになったらしい、これ以上下がるとジャックさん家に近づいてしまう…)

ミルカ「お兄さん!!」

しかし、僕が走っていく方から僕を呼ぶ声が聞こえた。

ミルカ「お兄さんに合いそうな武器です!えぇい!」

イヴ「こちらもどうぞ!」

ロット(もう用意できたのか!)

僕はガシャガシャと音を立てながら投げ込まれた武器の中で一番近いものを手に取った。
とりあえず両手にあるのは、ゆるやかカーブした刃身を持つ、見慣れない剣だ。
短い物を左手に、長い物を右手で握る。

ロット(これはどっかで見たような…サーベルかな??いやでも…ちょっと違うような?)

大声男「しんねぇえええ!!!」

気が付くとすでに追いつかれていた。

ロット「くっ!」

二振りの剣をクロスして振り回された鉄球をなんとか受け止める。

大声男「凌いでんじゃねええええ!!!」

ロット「…双連斬!!」

受け止めた鉄球をそのまま流しつつ、二連撃を浴びせようとする……が。

大声男「ぬああああ!!!」

男は、僕が流した筈の鉄球を再度振り回し、そのまま今度は僕の攻撃を凌いだのだ。

ロット「凌がれた…!?」

大声男「ふんぬううう!!」

ロット「ぐっ…!!」

今度は鉄球攻撃をもろに食らい、吹っ飛ばされてしまった。
転げる僕とともに大きく砂煙が立つ。


ジャック「って、おいあんちゃん!」

ならず者「おっとおっさんの相手は俺たちだぜ???」

ジャック「ちっ!湯水のように湧いて出やがって…」



大声男「ざまぁねえなあああああ!!!……ああ?」

ロット「まだまだ…こんなものならね」

砂煙が止み、まだ立ち上がれる僕を見て、奴は顔をしかめた。

ロット(思い出した…この剣はカタナって言ったかな。意外と重い…、それに両刃じゃないから、少々扱いづらい)

僕はカタナを手放し、転げてる途中でつかんだもう一つめの武器。2個で1セットのチャクラムを構える。
前に見た、この武器を使って戦っていた人を思い出す。

ロット「これも初めて、見よう見まねだけど…デュアルスロウ!!!」シュ!

スナップを効かせながら、その男に向けて両方一緒にに投げた。

大声男「おおおう!!」

男はそれも避けた、そこそこ不意をついた遠距離攻撃だったはずだが

ロット(ただ大声出すだけじゃないみたいだね…、他の人達より戦い慣れはしてるみたいだ)

空を切ったチャクラムが手元に戻ってくる。

ロット「…それ!」

僕は戻って来るチャクラムをキャッチし、もう一度投げた。

大声男「舐めんじゃねえええ!!ふん!!!」

カキン、カキン!
今度は二つとも撃ち落とされた。

ロット「お見事」

しかし、そうなることは大体予想していたので、今度は驚くことはない。
奴がチャクラムを撃ち落とす隙に、こっちは「お目当てのもの」に手を伸ばす。

ロット「うん…やっぱりこれだね」

細身で、カタナよりかは軽い。
手になじむそれは普通の【ショートレイピア】だ。

ロット「準備万端だよ。かかっておいで?」

大声男「なぶり殺しにしてやるぅぅぅ!!!」

ロット(この人、攻撃の後の隙をカバーする芸当は持ち合わせてるらしい。流石にレイピア一本じゃあの鉄球をいなすのも無理があるだろう)

大声男「ぬがあああああああ!!!」

ロット(だったら…!)




男の鉄球は振り下ろされることなく決着がついた。
ロット「……月昇剣」

僕が出した結論は、重い鉄球の攻撃前の隙をに突き上げるだけだった。

大声男「がはっぁあ」バタッ

ロット「ふぅ……勝負あり、かな?」

一旦ここまで

ジャック「兄ちゃん、やるじゃねえか。大したケガもねえみてえだし」

ロット「ええ、まぁ…」
ロット(あばら骨が2本ほど折れるかと思った…)

ジャック「腕っ節ってよりかはあれだ。スマートって言えばいいか?」

ロット「お褒めに預かり光栄です。小細工が得意なだけですが……あれ?さっきの賊達は?」

ジャック「ん?ああ、そこに積み上げてあるけどどうした?」

ロット(人が山積みになってるぅぅぅ!!?)

おかしい、30人は居たはずだ。仮に僕が相手したのだけが、その中で強い方だったとしても。
あの量を一人で??
しかも撃退じゃなくてKO!!?

ジャック「ま、何はともあれだ。とりあえずギルドに行ってみるか。あっちは大丈夫だと思うけどよ。しっかしなんなんだこの軍勢は?どっかで見たような顔も居た気がーー」

ジャックさんはそこで突然固まった。いや側から見れば、僕も同じような反応を示しているはずだ。

僕がここに来るまでに凌いで来た人数、ここで倒した人数、その他見かけた何人もの敵達。
それだけでも十分軍隊並みだった筈だ。

しかしそれと同等とも思える軍勢が、たった今町の門から入って来たのだ。

ジャック「おい、マジで、あとどんだけいるんだって……」

さっき…ジャックさんが言いかけた、いや、言っていた事が僕は激しく気にかかっていた。

ロット「……さっき、知った顔が居るようなって言っていましたよね?」

ジャック「ああ、なんか知らんがずっとそんな気がするんだよ。は、これもあれか?酒飲みすぎの影響なのかねえへへへ」

どうやら思い当たる節があるようだ。

ロット「ええ、それが飲み過ぎの影響ならいいんですけどね…」

ジャック「??」



「おい、あいつだあいつ自警団のリーダーだ」
「あの時の借りを倍返ししてやるぜ」
「この人数がいれば八つ裂きに出来るだろ!一斉に行け!!」

ジャック「あの時の借りだぁ?何言ってーー」

ロット「ねえ君たち、一つ聞きたいんだけどね。ひょっとしてヤスクワルト収容所……」


僕は間を空けて言った。


ロット「陥落したのかい?」

ジャック「な!?兄ちゃんそりゃどういう?」

ロット「収容所は捕まえた襲撃者達で一杯一杯、騎士も酷く疲弊していたと聞きました。ありえない話ではないかと」

「ああご名答だよ!!あそこの騎士さんたちは楽しい奴らだったなぁ」
「ほぼ全員ぶっ殺してやったよ!ヒャハハハ」



ジャック「ああそうかよ、騎士ってのは本当に肝心な時にーーあんちゃん、収容所から出てきた奴らが全部こっちに流れるってわけか?だいぶ狂った戦力になるぞ!!」

ロット「はい、マズイかもしれません」

相当戦える人ならなんとかなるかもしれないけど、向こうにだって何人か強敵は居るはず。
加えて戦力的アドバンテージ、僕達は一般市民を守りつつ戦わなきゃいけない。
さらに頭を抑えられてこの状況では自警団の統制も取れていない、みんなの状況も分からずじまい。

そして…

ロット「考える時間すらない!!」

前方から何人もこちらに向かってくる。標的はジャックさんに定まっている様子だ。僕達が退けば、イヴやミルカさんにも危害が及ぶ可能性が…

ジャック「兄ちゃん構えろ!こうなった以上死ぬ気でやるしかねえぞ!」

ロット「はい!」





「おい人間どもヨォ、そこ、滑るから気をつけろヨ?」



「お、なんだ?足が滑って…!」
「止まらねえ!!」
「うぎゃあ!」

全員すっ転んだ。

ジャック「……壮観だな」


これは氷魔法『ビルドスケートリンク』。
本来は氷魔法を強化するための陣地を形成する『ホワイトフィールド』に若干の性質変化を加えたオリジナル魔法!つまりは…

ロット「キリュウ!ナイスタイミング!最近調子いいじゃないか」

キリュウ「はぁ?我様はいつも絶好調だろがヨ」

キリュウ「つーか、お前どっか行く時はコインだけじゃなくて行先残してけヨ!」

ジャック(これが噂に聞く喋る動物とやらか…珍しいもん見たな)


ーーーーーーーーーーーーー
ミルカ「しゃ、喋ってる!?」

イヴ「ええ、あの猫さんが、昨日話していたキリュウさんです」

ミルカ「凄い……、あでも、猫でも魔法使えるんですね、私できないのに…」シュン

イヴ「あ、あはは……」
ーーーーーーーーーーーーー

ジャック「つっても敵さんまだまだいるぞ!」

ジャックさんはそう言うと大剣を構え突撃する。
僕もそれに続かなくては

キリュウ「へ!腕がなるヨ。ロト坊、ワレ様は何すればいいヨ?」

ロット「よし、それじゃあイヴとミルカさんを頼んだ!あの家にいるから!」

僕は後ろに建つジャックさんの家を指差した。

キリュウ「よっしゃ!フルボッコにしてやる……え?」

ロット「じゃ、任せたよ!」




キリュウ「……なんだヨ、ワレ様、小娘達のお守りかヨ」

ロット(出来る限り接近戦にはしたくない、とりあえず牽制しながら、あのチャクラムを拾うことを目標にしよう)

ロット「3連かまいたち!!」シュ!

「うぉ、こいつ小癪な攻撃ばかりしやがって!」

ロット「あいにくと、まともに戦ってたら誰にも勝てやしないんでね!」

「そいつはモーニングスターのカズを倒した奴だ。気をつけろ!」

ならず者の1人が、僕が先ほど倒した男を指差してそう言った。
あの鉄球モーニングスターっていう武器らしい。

ジャック「ほいっと」
「うぎゃ!」
ジャック「あらよっと」
「いぎぃ!」
ジャック「ふぅ…あのなぁ、ただ数を揃えただけじゃなぁ……ゼェ」

「そう言いつつ息上がり始めてるように見えるが??」

ジャック「っ!うるせえ!」

僕より遥かに多くの量の敵を相手にしてるジャックさんにも若干だが疲れが見え始めた。

奥にアーチャーらしき隊列が見えた。
おそらく敵側の人間だ。
なんだろう、妙に考えられてるような…

ロット「ジャックさん!弓です!!」

ジャック「わかってらぁ!隆起壁!!!」

ジャックさんが大剣を地面に叩きつけると、その衝撃で地面が割れ、僕達の前に壁のようにせり上がった。

ロット(うわぁ、凄い…)

僕達は2人でその壁の影に隠れると、かすかに矢が風を切る音が聞こえる。

ジャック「おお放ってんな~」

ロット「回り込んでは…来ないようですね」

ジャック「壁はすぐ沈む、そう長くは持たないぞ」

ロット「はい、これが沈んだら、正面はチャクラムで牽制します」

ジャック「おうよ」

ズズズ……
壁になってくれた地面が元に戻っていく

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom