ヘレン「映画部野外活動記録8」 (37)

※ここに警告文のあるものとする


事務所 机下特別室 シネマ・ボノノ




小梅「へ、ヘレンさん……マラソン…完走……お疲れ、様……」

文香「それと…お誕生日おめでとうございます。よろしければ、これを……」

ヘレン「WAO!プレゼント?なにを頂けるのかしら?」

文香「カンフューリーのジャケットです……へレンさんならお似合いかと思いまして」

奏「みんなでお金を出し合って買ったの。最高にクールよね、そのジャケット」

ヘレン「ワンダフル!とっても嬉しいわ!着てみても?」

奏「もちろん」

ヘレン「ンーフン、どうかしら!?」バッ

小梅「わあっ……とっても……似合って…る…♪」

文香「……サイズは問題ないでしょうか?」

ヘレン「バッチリ、ジャストフィットよ。素敵なプレゼントをありがとうね」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492234627


ヘレン「ところで、奈緒の姿が見えないけれど?」

奏「おかしいわね……昨日連絡した時は来るって言ってたのだけれど」


ガチャッ



比奈「急患急患~!」

由里子「ヘレンさん助けてー!」

小梅「わっ……ど、どうした…の…?」

奈緒「すごーい……たーのしー…」ブツブツ

奏「奈緒が虚ろな目でなにかブツブツ言ってるんだけど……」

文香「ど、どうなさったのですか?」

比奈「実は昨日、アタシの部屋で撮り溜めていたけものフレンズの一挙上映をしたんスけど……」

由里子「奈緒ちゃんがまんまと『けもフレロス症候群』に陥ってしまったんだじぇ~!」

奏「は?」


比奈「迂闊だった……奈緒ちゃんならある程度耐性がついてると思ってたんスけど……」

由里子「ジャパリパークに精神を囚われてしまってるんだじぇ……」

奈緒「最初から野生開放でいくぞ」

小梅「自分のことをヒグマだと思っている精神に異常をきたしたアイドル」

ヘレン「若干ゃ草」

文香「アニメ好きの方は難儀ですね……花に嵐の例えもあるさ、さよならだけが人生だ、の精神でいきたいものです」

比奈「アタシ達では奈緒ちゃんをどうすうることもできないっズ……」

由里子「もうヘレンさんしか頼れる人が……」

ヘレン「OK!丁度最近、けもフレロスの憂鬱を吹き飛ばす最高の映画が公開されたところなの。今日はそれを観に行きましょう!」

文香「それってもしかして……キングコングですか?」

ヘレン「YES!YES!YES!OH MY KONG!」


『映画部とゴリラパーク』

映画館



奏「今回は字幕?吹き替え?」

ヘレン「字幕の方が良いというタレコミがあったから、字幕にしましょう。チケットを買ってくるわ」スタスタスタ

小梅「キングコング……ビジュアルが…怖くて……さ、最高……だよね……」

奈緒「そうなのか?あたしはそれ、そんなに怖くないな」

小梅「ま、まだヒグマ……なんだ…ね…」

文香「……正直、今作は当たりで間違いないでしょうね」

奏「ええ、もうボンクラ臭がプンプンするわ。パンフレット、売り切れちゃわないかしら……」

文香「……先に確保しておきましょうか」

ヘレン「ヘーイ、発券完了よ」

奏「混んでる?」

ヘレン「隙間だらけって感じね。近いうちに上映終りそうよ、これ」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

館内


文香「ああ……本当に隙間だらけですね……」

小梅「前の方……全然人が……いない……」

奏「おかしいわね、ゴジラの時はあんなに人がいたのに。ゴジラもゴリラも同じじゃないの」

ヘレン「始まるわよ」

奈緒「ブツブツ……」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

上映中



奏(開幕から超スピードな展開ね……気を抜くと置いていかれそう……!)

小梅(いきなり……キングコング……迫力が……す、すごい……)

文香(様々なオマージュが散りばめられていますね……)

ヘレン(キングコングの動き、最高ね……!)

奈緒(……………………)



一同(わーい!たーのしー!)

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

上映終了



奈緒「オイオイオイ、最高かよ」

小梅「あ…復活した……」

奈緒「奏」ピシガシ

奏「奈緒」グッグ

ヘレン「とりあえず移動するわよ。近くに世界レベルの怪獣喫茶があるわ」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

怪獣喫茶



ヘレン「では、感想戦よ」

文香「Welcome to ようこそスカルアイランド」

奈緒「今日もどったんばったん大騒ぎ」

小梅「うっほほほー……うっほほほー……♪」

奈緒「いやもう大勝利でしょ」

奏「見事なまでに欲しいものを提供してくれたわね」

奈緒「パンパンパンって超スピードでキャラ紹介を済ませて、速攻キングコング登場!」

ヘレン「キングコングが一方的にヘリをなぎ払うシーンは最高だったわね」

奈緒「いやもう本当、どったんばったん大騒ぎだよ。ナパーム弾とゴリラとかさぁ、ズルでしょ。ズルだよズル」

文香「完全にバトルコングでしたよね……ああ、パンフレットにもストリートファイター2のブランカをモデルにバトルシーンを作ったとあります」

奈緒「頭悪すぎだろ、最高かよ」

文香「キングコングの神秘性、といいますか……キングコングを絶対な恐怖の対象にしようという意思が強く現れていましたね。大変、好感が持てます」


小梅「ほ、他にも…大きい……生物が……たくさん……いた、ね……」

ヘレン「そうね、予告の段階でも登場していたけど、モンスターだらけだったわね。ジャパリパークだったわ」

小梅「巨大蜘蛛の……シーン……あれ……食人族の……パロディ…かな……」

文香「……おそらくそうでしょうね。他にも多くのパロディシーンがありました」

奏「地獄の黙示録、ジュラシックパーク、片腕カンフー対空とぶギロチン……プラトーンっぽいのもあったわね」

ヘレン「私、サミュエル・L・ジャクソンがマザーファッカーって言わせてもらえないシーン大好きなのよね」

文香「あそこもニクい演出ですよね……この作品は本当にボンクラ映画好きの心をくすぐる演出が散りばめられています」

奈緒「ゼロ戦、ポントー、ミサイル、ナパーム、先住民、ゴリラ、巨大……美味しいところしかないよ」


文香「ただ……キングコングや素敵ギミックに全振りしているので、登場人物のドラマ性は少々薄かったですね」

奈緒「あー、確かにちょっと物足りなさはあったかもなぁ……」

奏「あの映画にドラマも入れ込んだら、邪魔になるだけじゃないかしら」

奈緒「いや~、うーん……でも、主人公はもう少し掘り下げられた気がするんだよなぁ……」

ヘレン「主人公っぽくはなかったかもね」

奈緒「そうそう、なんか、あんまり印象がないんだよね。もう一味欲しかったかなぁ」

奏「そう?正直、私は映画にストーリーいらない派だからなんとも言えないけど」


ヘレン「では、評価に移りましょう」

奏「文句なしのSランク。最高のゴリラだったわ」

小梅「わ、私も……Sランク……巨大蟲が……ポイント高い……です……」

奈緒「あたしもSだな。ありがとう、監督。信じてよかった」

文香「私は……A+、でしょうか。キャラクターの展開が少々ネックですね」

ヘレン「私はSランク。総評価Sランク。満場一致とはいかなかったけれど、世界レベル映画に認定!」

一同「わー!!!」パチパチパチ


奈緒「世界レベルぅ……ですかね」

奏「何?まだこっちに帰ってきていないわけ?」

奈緒「ああ、いや、大丈夫大丈夫。けもフレも続編あるみたいだし」

小梅「続き……楽しみだね…」

文香「……今度はゴリラのフレンズも登場してほしいですね」




『映画部とライダンラーイ』に続く

奈緒「うぃーっす」

小梅「あ、奈緒さん……おっすおっす……」

奈緒「今日、ヘレンさん来れないって本当?」

奏「ええ、ニュージーランドに行ってくるって」

奈緒「え、なんで?」

文香「ニュージーランドのご友人が結婚なさったようで……ウェディングハカを踊りに行ってくる、と」

奈緒「へぇ~、交友関係広いんだなぁ。流石、世界レベル」

奏「だから、今日は私達4人だけってことね」

小梅「今日は……なに、観るの……?」

文香「……候補が多いので映画館で決めようかと」

奈緒「じゃあ、映画館向かおうか」



『映画部とライダンラーイ』

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

映画館



奏「ドラえもん、ララランド、ムーンライト、シング、モアナ、パッセンジャー、ゴーストインザシェル……気になる作品が多いわ」

奈緒「今の時間だと、ドラえもんかパッセンジャーかな」

文香「では、多数決で決めましょう……ドラえもんの方」

奈緒「ドラ」

小梅「ドラ」

奏「ドラ」

文香「あ、ではドラえもんですね……では、チケットを購入してきます」スタスタスタ

奈緒「ドラえもんのポスター見た?」

奏「オシャレなヤツでしょ?良かったわよね」

小梅「今回は……オリジナル、のお話し……なんだっけ……」

奈緒「楽しみだなー!」

~~~数十分後~~~


奈緒「なぁ、文香さん遅くないか?」

奏「そうね……平日だし、そんなに混んではいないはずだけど」

文香「お…お待たせしました……!」タッタッタ

小梅「あ……来た、よ……」

文香「すみません、発券に戸惑いまして……はい、チケットです」

奏「ありがとう……って、あれ?これパッセンジャーって書いてあるけど……」

文香「えっ!?」

奈緒「文香さん、またやらかしたな~~?このこの~~~?」ツンツン

小梅「ま、前にも……こんなこと……あったね……」

文香「す、すみません……ドラえもんをタッチしたつもりだったのですが……」

奏「ま、いいわ。パッセンジャーも面白そうだし、観ましょう」

奈緒「そうだね」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

館内



奈緒「これのCM見たけど、恋愛要素絶対あるよね。奏、大丈夫?」

奏「多分、危機を二人で協力して乗り越えるプラス恋愛って感じでしょ?なら、大丈夫」

文香「……ラブストーリーが全体を占めていなければ大丈夫、ということでしょうか?」

奏「そうそう」

小梅「は、始まる……よ……」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――


上映中



奈緒(うーん、CGは申し分ない……)

小梅(あ、このバー……シャイニングみたい……♪)

奏(テンポも良し、たまにはいるコメディ要素も良し……寿司ロボット良し……)

文香(必要最小限の登場人物で上手くお話しを回していますね……)


一同(……………………)

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

上映終了



奈緒「いや、なかなか」

奏「ええ」

小梅「なかなか……なかなか……」

文香「移動しましょうか……近くにゆっくりと寛げるオススメの喫茶店があるので」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

喫茶店



文香「では……感想戦です」

奈緒「思ってた以上に面白かったよな」

文香「……王道SF作品でしたね」

奏「そうね」

小梅「あの……バーテンダーロボット……可愛かった、ね……バーを見つける…ところも……シャイニングっぽくて……好き……」

文香「あれは絶対に意識していますね……あのバーテンダーとの会話は、ある意味で主人公の内面、主人公自身との対話も表しているように思えました」

奏「なるほどね……そういう見方も面白いわね」


奈緒「CGも良かったよね。宇宙船内の設備も実際にありえそうな感じで」

小梅「ロボットたちが……かわいい……」

奏「個人的には寿司ロボットが出てきたのが好印象ね」

文香「いいですよね、寿司ロボット……私はあの、フランス語でしょうか?適当な会話で話すロボットも好きですね」

奈緒「やっぱ寿司ロボットいいよね」

小梅「素敵……だよね……」

文香「……お寿司が食べたくなってきました」

奈緒「あとで行く?」

奏「行きましょう」


文香「……登場人物が少ないのもいいですね。キャラクターを覚えなくて良いので楽です」

奈緒「あれだけの人数でお話しって回せるんだね」

文香「……舞台の規模が小さいですからね」

奏「あの船員の人なんだけど」

奈緒「ん?」

奏「おきた艦長みたいだなって」

奈緒「ああ~、展望スペースのシーンとかね」

奏「おきた、おきた艦長……」

奈緒「あ?」

小梅「あっ……起きた、と……沖田を……かけてる……?」

文香「……ああ」

奈緒「…………」

奏「…………」


文香「……では、評価に移りましょうか」

奈緒「Aかな」

奏「私もA」

小梅「私も……A、です……」

文香「……私もAでしょうか。安定して観れますね」

文香「では……総評価はAランクで」

奈緒「おーし、決まった決まった。さ、寿司食べよ」

小梅「うに……うに食べたい……」

奏「小梅ちゃん、うに好きなの?」

小梅「うん……脳みそっぽくて……好き……♪」

奈緒「…………」


『映画部とキラークイーン』に続く


ヘレン「そういえば」

奈緒「ん?」

ヘレン「アカデミー賞関連の作品を観ていなかったわ」

文香「……そういえばそうですね」

ヘレン「話題作もチェックしておかないと」

奏「アカデミー賞関連だと、ララランドとムーンライトあたりかしら」

小梅「ムーンライト……どういう映画なのか……全然知らない……」

奈緒「確かに。ポスターだけは見たことあるけど」

ヘレン「では、今日はムーンライトを観ましょう」

一同「はーい」


『映画部とキラークイーン』

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

映画館



ヘレン「では、チケットを買ってくるわ」スタスタスタ

奈緒「黒人の話?」

文香「……だと思います」

奏「ポスターを観る限りだと、結構ストイックな作品っぽさそうね」

奈緒「ケレン味たっぷりそうだよな」

小梅「楽しみ……だね……」

ヘレン「ヘイヘイヘーイ、チケット確保できたわ」

奏「混んでる?」

ヘレン「まあまあってところね。公開からちょっと日も経っちゃったし」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

館内


奈緒「いやぁ、割と混んでない?」

ヘレン「そう?」

奏「やっぱり話題作なだけあって、観たがる人も多いのかしら」

文香「……始まりますよ」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

上映中


奈緒(あれっ?意外とあっさりとした画だなぁ……)

小梅(一章は麻薬地区のいじめられっこの黒人少年のお話……二章は高校生編……この人が大人になるまでのお話?)

奏(二章は……そうくるのね……あー……)

ヘレン(ふむ………)

文香(これは………)


一同(………………)

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

上映終了



奏「…………」グッタリ

奈緒「大丈夫か、奏?」

奏「だめ………」

文香「……これは、意見が分かれそうですね」

小梅「…………」

ヘレン「とにかく、移動しましょう。近くに、世界レベルのレストランがあるわ」

――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――

レストラン



ヘレン「感想戦よ」

奏「ラブストーリーじゃないの……」

奈緒「な~、ビックリしたよ。割とガッツリしてたからさあ」

文香「……いえ、ラブストーリーだけだと少々語弊がありますね。まとめましょう」

ヘレン「OK。まず、貧困地区に住む黒人の少年が大人になっていく過程を、少年編、高校生編、大人編の三つの章に分けた作品だったわね」

文香「黒人、麻薬に溺れる母親、虐め、同性愛を話の基点として、成長過程でそれとどう向き合っていくのか……と言ったところでしょうか」

奈緒「画の撮り方どうよ?」

ヘレン「私は良かったと思うけど」

奈緒「ほー?」

ヘレン「ケレン味のある映画を求めていたから、そう思っただけじゃないかしら」

奈緒「うーん……」

奏「あっさり気味っていうか……でも、正当派っていうわけでもないのよね。なんとも言えないわ」

文香「色調に関しては、劇場の設定による影響も大きいのかもしれませんね……もしかしたら、部屋でBDで観た方が数倍良く観れるかもしれません」


小梅「音の使い方は……上手かった……かな……」

ヘレン「静寂を上手く使った表現だったわね。生のそのままの音が活かされているのもグッド!」

文香「……役者の演技もとても良かったですね。ああいう演技を待っていました」

奈緒「この映画って、黒人、貧困層、ドラッグ、虐待、同性愛っていう要素があるけどさ」

小梅「ああいうことが……アメリカで問題に……なってる、の……?」

ヘレン「う-ん、問題というか、そもそも、そういう映画は前からあったしねぇ……」

文香「まあ……トランプ大統領の問題でまた話題になっている感じはあります」

奈緒「なんかさぁ……『怒り』とやってることは同じだよね、これ」

奏「あぁ……」

小梅「不幸とか、性癖とかの……詰め込み方は……そうかも……」

奈緒「詰め込み過ぎなんだよなー。ひと摘みでいいんだよ、ひと摘みで。たっぷり入れれば美味しい料理ってなわけねーんだって」

ヘレン「私はむしろ、たっぷり詰め込んだ割りに、胃もたれしない感じが素晴らしいと思うけどね」

奏「なんだかそう聞くと、人の不幸や性癖を芸術の食い扶持にされてるみたいで嫌ね」

文香「……意外とその考え方は大事かもしれません。そう、この映画の手法って、アート映画のそれですよね」

ヘレン「あー…」

文香「アート映画というのは……議論を場に巻き起こす、無関係を気取った人間を巻き込む、といった側面も持っています。なので、奏さんのように、こういった『芸術表現の手段』として不幸や性癖を利用することに辟易する、という意見が来ることも踏まえて、そういった議題の提供をこの映画は担っているのではないかと……」

奏「なるほど……」


奈緒「うーん……そうか」

文香「……ですが、アート映画にしては画やセリフ回しに少々パンチラインが足りませんし、ストーリーをメインにしてもカタルシスの開放がないのと、シーン毎の印象付けが甘いので、少々分かりにくい作品ですよね。やりたいことは解るのですが……」

ヘレン「この映画は、個人個人で観るべきだったわね。ちょっと今回はチョイスに失敗したわ」

文香「そうですね……部屋を真っ暗にして、独りぼっちでイヤホンをつけて観るのが、この映画の一番良い観方だと個人的には思います」

ヘレン「えーっと、他に何かあるかしら?」

奈緒「あ、高校生編の主人公がジョジョ4部の川尻になった吉良っぽかった」

小梅「似てた似てた……」

文香「あ、やはりそう思いましたか……私もそのせいで、集中して観れなくて……」

奏「いつキラークイーン出すのかとヒヤヒヤしたわ」

ヘレン「では、評価に移りましょう」

奏「………C+」

奈緒「うーん……ごめん、あたしもC+」

小梅「私は……え、A……かな……」

文香「私は……A-ですかね。こういう作品は大好物ですが、やはり、パンチラインの甘さが…」

ヘレン「私はA+つけるわ。日本だと感じにくいかもしれないけれど、海外ではとっても苦しい問題がテーマなのよね。興行収入が伸びて、こういう作品がもっと出てくることを望むわ」

ヘレン「では、総評価A-ってところかしら?」

一同「異議なし」


奏「疲れた……」

奈緒「疲れたな」

小梅「今度は……頭を使わない映画……ホラー映画を……観ようよ……」

奈緒「そうだなー」

文香「……ホラーではありませんが、グレートウォールとかは抑えておきたいですね」

奏「ゴーストインザシェルはどうする?」

奈緒「どうだろ……爆笑しにいくつもりで行くのも有りかな」

ヘレン「またなにか適当にチョイスしておくわ。では解散」


終劇

これにて終了ですー
カトリックについて色々勉強してますが、クラリス嬢の首からさげてる赤いペンダントってなにかキリスト教的な物なんでしょうか?

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom