春香「は~は、春香の ハーハ ハルカノ」 (17)


雪歩「………」

春香「る~は、春香の ルーハ ハルカノ」

雪歩「………」

春香「か~は、春香の カーハ ハルカノ」

雪歩「………」

春香「三つ合わせて、は・る・か~」

春香「スーパーアイドル春香です~」

雪歩「………」


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雪歩「いいね!春香ちゃん」パチパチパチ

春香「でしょ?」

雪歩「うん、短いながらもテンポがいいし」

春香「だよね!」

雪歩「歌詞はともかく耳に残るメロディーだよ」

春香「そうそう……ん?」


春香「いや~歌詞も自信が」

雪歩「このメロディーは春香ちゃんが思いついたの?」

春香「……うん、昨日の夜に突然頭の中にメロディーが降りてきてね」

雪歩「あ~、たまにそういうのってあるね」

春香「そこに歌詞を当ててみたんだ」

雪歩「なるほど~」


雪歩「でも、スーパーアイドル春香です~は、無いな~って思うよ?」

春香「あ、はい」


雪歩「春香ちゃん まだ駆け出しなのに流石に欲張りすぎと言うか……」

春香「はい……」

雪歩「身の程を知った方がいいと言うか……」

春香「ですよね……」

雪歩「ごめんね、キツいこと言って……」

春香「ううん、雪歩は私のことを思って言ってくれてるのは わかってるから」

雪歩「春香ちゃん……」


春香「やっぱり、トップアイドル春香です~にしとけば良かったね」エヘヘ

雪歩「うん、もう少しキツいこと言おうか」ニコ


春香「スミマセンデシタ……」ズーン

雪歩「うん、わかってもらえて嬉しいよ」

春香「ハイ……」ズーン

雪歩「………」

春香「………」

雪歩「でもまあ、何度も言うけど この曲は悪くないよね」

春香「だよね!」ガバッ

雪歩「立ち直りが早いね、春香ちゃんは」

春香「これCDとか出したらミリオンいく?いっちゃうかな!?」

雪歩「すぐ調子に乗るね、春香ちゃんは」


雪歩「今ので15秒くらいの時間だし、CDで出すには短すぎるよ」

春香「た、確かに……じゃあネットに動画投稿してみるとか!」

雪歩「う~ん、それならいい……のかな?」

春香「うんうん!あ、それならさ」

雪歩「?」

春香「雪歩にバックコーラスをお願いしたいんだけど」


雪歩「バックコーラス?」

春香「うん!ハーハ ハルカノの部分」

雪歩「ああ、あのボソボソ言ってた所だね」

春香「う、うん……どうかな?」

雪歩「別にいいよ」

春香「本当?ありがとう雪歩!」

雪歩「ふふ、どういたしまして」

春香「それじゃあ、早速撮ろうか……スマホをセットしてっと」


雪歩「あ、春香ちゃん。その前に出演料の交渉をしたいんだけど」

春香「ええっ!?」



3時間後



春香「は~は、春香の」 ハーハ ハルカノ


春香「る~は、春香の」 ルーハ ハルカノ


春香「か~は、春香の」 カーハ ハルカノ


春香「み~っつ合わせて、は・る・か~」


春香「駆け出しアイドル春香です~」 ハ・ル・カ




春香「結構時間がかかったね」

雪歩「うん」

春香「まあその3分の2以上がギャラ交渉に費やされたんだけど……」

雪歩「春香ちゃんが意外と粘ったからね」

春香「でも、いいのが撮れたね」

雪歩「撮れたね」

春香「後は動画を投稿するだけだけど、勝手にしたら駄目だよね?」

雪歩「流石にね、プロデューサーや律子さんの許可をもらわないと」

春香「うん!」


春香「プロデューサーさーん!」

P「ん?どうした春香に雪歩」

春香「これ!これ見てください!」サッ

P「スマホだな」

春香「違いますよ!スマホじゃなくて動画を見てください!」

P「お、おう……」ジー

春香「これさっき雪歩と一緒に撮ったんですよ」

P「そうなのか……」ジー

春香「ちなみに歌詞とメロディーは私が考えました!……まあ雪歩に一部手直ししてもらいましたが……」

雪歩「ふふ」

P「………」ジー

春香「これを動画投稿しようと思っていますが いいですよね?プロデューサーさん!」


P「これセレマじゃね?」


春香「は?セレ……え?」

P「いや、セレマ」

春香「……私は春香ですけど?」

P「うん、知ってる」

春香「この動画も春香ですけど?」

P「いや、だからセレマだって」

春香「んん?」


春香「すみません、何を言われているのかちょっと……」

P「いや、そんなことを言われてもな」

春香「そもそもなんでセレマさんって人が出てくるんですか?」

P「ん?人?」

雪歩「違うよ春香ちゃん」

春香「雪歩」

雪歩「セレマはね、人の名前じゃないんだよ」

春香「え?プロデューサーさん、そうなんですか?」

P「そうだ、セレマは」

雪歩「Thelema(セレマ)……人生の哲学のこ」

P「日本の株式会社セレマのことだ」

雪歩「日本の株式会社セレマのことだね」


P「ほれ、これを見てみろ」サッ

春香「PCのモニターですね」

P「動画を見ろよ……そのセレマのCMだ」


https://www.youtube.com/watch?v=DoaDTgxMnWs


春香「………」

雪歩「………」

P「な?お前達が撮った動画って、まんまセレマのCMだろ?」

春香「………」

雪歩「………」

春香「そん…な……」

雪歩「春香ちゃん……」

春香「まさか……」

P「春香……」

春香「セレマのCMと、偶然被るなんて……」

P「いやパクっただろ」


春香「パクっていません!本当に偶然なんです!!そうだよね雪歩!?」

P「そうなのか?雪歩?」

雪歩「は、はい~私も知りませんでした……」

春香「うんうん!」

P「それなら、ただ付き合っただけなのか?」

雪歩「いえ、お金を貰って……だから……」

春香「雪歩ーー!この場でお金の話しはしないで!そんな話しをしたら」

P「雪歩に……金を?」ジーー

春香「ほらー!プロデューサーさんの私を見る目が怖くなってる!」


P「そうか……雪歩に金を握らせたのか……」ジーー

春香「プロデューサーさん!その表現は間違ってないけど間違ってます!」

P「そうなのか?」

春香「そうです!」

春香「今の私には信用というものは全くないと思いますが」

春香「しかし、パクったわけではない。そのことだけは天地神明に誓って、ウソ偽りない真実なんです!」

春香「二人ともどうか信じてください!」


雪歩「懐かしい台詞を出してきたね」

P「ますます、怪しさが増しているんだが……」

春香「本当なんですってーーー!!」




おわり

終わりです
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