海未「ぷ…ぷわぷわーお…」 (47)
○月×日 晴れ
今日は昨日に引き続きライブに向けての練習が主だったのですが今回のライブは新しい試みとしてユニットに分かれてパフォーマンスを行う時間が設けられたので各ユニットに分かれての練習となりました。
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海未「本日から各ユニットに分かれての練習となりますが…」
凛「わ~希ちゃん凄いにゃ~」
希「そうやろ?ここをこうすると…こう?な?」
凛「にゃ~どうなってるの?」
海未「二人共…私の話を聞いているのですか?」
希「でな、ここでこうなってこうなるのだ」
凛「わぁ、希ちゃんは魔法使いにゃ」
希「スピリチュアルやろ?」
海未「凛!希!」
凛「ん?」
希「何か言った?」
海未「はい……校庭10周と」
希「え?」
凛「え~?どうして?」
希「今日はユニット練習やん?わざわざいつでも出来るランニングをやるの?」
凛「そうにゃそうにゃ。そんな必要ないよ」
海未「はあ…こんな事でベストパフォーマンスが出来ますか?」
凛「だ、大丈夫だよ。それよりもダンスの練習をしようよ?」
希「うんうん。それがいい」
海未「残念ながら私達の曲はまだ出来上がってないのです」
凛「え~」
希「それじゃあ分かれて練習する意味ないやん」
凛「そうだよ」
海未「はあ…口答えばかり…先が思いやられますね」
○月△日 晴れ
今日の練習もユニットに分かれての練習でした。絵里、にこ、真姫のグループの曲が出来たらしく私に作詞の依頼があったのですがキューティパンサー…一体これにどう言う歌詞をつければいいのでしょうか?
海未「はい。次腕立て伏せ50回!」
凛「え~ちょっと休憩したいにゃ」
希「そうやね。無理し過ぎて体を壊したら元も子もないやん?皆んなが皆んな海未ちゃん並みの体力がある訳やないんよ?」
海未「確かに…一理ありますね。それじゃあ休憩にしましょうか?」
凛「うん」
希「言ってみるもんやね」
海未「それでは今から15分後に再開します」
のぞりん「はい」
絵里「海未ーーー!」
海未「絵里?どうしたのです?」
絵里「今休憩中?」
海未「はい。今から」
絵里「そう。ちょうど良かったわ。私達の曲が出来たんだけど」
海未「そうなのですか?」
絵里「ええ。それでね?一応作詞も3人でしてみたんだけどなかなか海未の様に上手くいかなくって…ちょっと面倒見てくれないかしら?」
海未「ええ。私でよければ」
絵里「これなんだけど…音源とタイトルと少しだけ詞も書いてあるの」
海未「なるほど」
絵里「よろしくお願いします」
海未「はい。確かに預かりました」
絵里「それじゃあ私は戻るわね」
海未「はい」
ペラ
海未「キューティパンサー…ですか…なかなか…私には思いつかないタイトルですね」
凛「ふぅ…疲れたにゃ~」
希「もう1分しかないやん」
海未「まあ取り敢えず家に持ち帰りましょう。さあ、そろそろ練習再開です」
凛「え~」
◯月□日 雨
今日は雨なので室内練習です。凛と希も体力がついてきた様で最近は文句を言わなくなってきました。二人共やる時にはやるのですね。絵里達の新曲が出来た為途中練習を抜けたのですが安心して任せる事ができました。
海未「という事でこれがキューティーパンサーの詞です」
絵里「ありがと海未」
にこ「どれどれ?中々良いじゃない!」
真姫「後は微妙な調整くらいね」
海未「はい。それとこれ」
真姫「これは?」
海未「私達の曲なのですが」
真姫「なるほど。これに曲をつければ良いのね?」
海未「はい。お願い出来ますか?」
真姫「ええ。大丈夫よ」
絵里「ところで海未?」
海未「はい?」
絵里「穂乃果達の方は順調なのかしら?何か聞いてる?」
海未「いえ…特には…」
絵里「そう」
海未「今度練習に顔を出してみようと思います」
絵里「そうね。その時は私も一緒に行くわ」
海未「はい」
○月○日 曇り
真姫のおかげで私達の曲も完成し練習にも一段と身が入る今日この頃です。真姫達も流石と言うべき完成に近づいているようです。穂乃果達も曲のタイトルが決まったらしく作詞の依頼が来たのですが…ぷわぷわーお、キューティーパンサー以上に難航しそうな気がします。
海未「49…50…」
凛「にゃ~やっと終わったにゃ~」
希「はあ…はあ…疲れた…」
海未「さあ、次は」
希「なあ、海未ちゃん?」
海未「なんです?」
希「ウチ等の曲がこないだ出来たやん?」
海未「はい」
希「聞いてみてびっくりしたんやけど…思いっきり昭和歌謡曲って感じやん?」
海未「はい。その様に真姫にお願いしましたから」
希「うん。って事はダンスとかもそんなに激しくないやんな?」
海未「そうですね?」
希「必要かな?歌の練習の前の筋トレ?ウォーミングアップになるかな?」
凛「それ凛も思ったにゃ」
海未「必要です。それにライブはユニット曲だけではないのですよ?μ'sの曲だって歌うのです。体力作りはやっておいて損はありません」
希「はい」
凛「希ちゃん…」
海未「それでは次」
絵里「ちょっと良いかしら?」
海未「絵里?」
希「えりち!良いところに」
絵里「穂乃果達から曲の依頼が来ないから真姫が心配しててね?少し様子を見に行こうと思うんだけど」
海未「なるほど分かりました。凛と希は少し休憩をしていて下さい」
希「ナイスやえりち」
凛「流石絵里ちゃんにゃ」
海未「それでは生きましょう?」
穂乃果「ふわぁ~なんだか眠くなっちゃうね?」
ことり「穂乃果ちゃん授業中も寝てたよね?」
穂乃果「あははそうだっけ?少しお昼寝してからランニングしようか?」
花陽「でも雨降りそうだよ?」
穂乃果「そっかぁ」
ことり「所で穂乃果ちゃん?」
穂乃果「え?」
ことり「私達曲づくりしてないよね?」
穂乃果「あっ…」
花陽「忘れてたの?」
穂乃果「じ、じゃあ今日は曲作りをしようか?」
花陽「真姫ちゃん達はタイトルと詞を少しだけ考えて海未ちゃんに作詞をお願いしたみいだよ?」
穂乃果「そうなんだ。海未ちゃん何にも言ってくれないんだもん。私達もそうしようか?」
ことり「うん。取り敢えずお茶淹れるね?」
穂乃果「さすがことりちゃん!」
海未「何ですかこの空気は?」
絵里「た、弛みきってるわね」
穂乃果「げっ海未ちゃん…絵里ちゃん…」
海未「げっとは何ですか」
穂乃果「な、何しに来たのかな?」
海未「あなた達の進捗がどれくらいなのかと思いまして」
絵里「来てみたら案の定…曲だって考えてるの?」
穂乃果「え?あっ…」
海未「考えてますよね?のんびりお茶を飲んでるくらいですから」
穂乃果「いや…まあ…」
海未「ちょっと見せてくれませんか?」
穂乃果「え?あの…あれだよ?まだ少ししか…ねえ?」
ことり「え?う、うん」
花陽「そうだね」
海未「そうですか?なら少しでいいので見せて下さい」
穂乃果「あの…タイトル!タイトルしか出来てないの。それねでなかなか思いつかなかって」
海未「では、タイトルだけでいいので教えて下さい。作詞は私も手伝いますから」
穂乃果「えっと…ぷ…」
ことり「穂乃果ちゃん?」
海未「ぷ?」
穂乃果「ぷわ…ぷわ…を…ね?」
絵里「ぷわぷわーお?」
穂乃果「え?」
絵里「ぷわぷわーおってタイトルなの?」
穂乃果「えっと…うん…まあ」
絵里「どう?海未?書けそうかしら?」
海未「ぷ…ぷわぷわーおですか?」
絵里「ええ。なるべく三人の世界観は尊重した方がいいわ」
海未「え、ええ。そうですね…ぷわぷわーおですか…」
海未「……………少し時間を下さい」
ガチャ
穂乃果「え?穂乃果達の曲のタイトルあれで決定?」
ことり「みたいだね」
花陽「ぷわぷわーお…」
○月●日 晴れ
穂乃果達から作詞依頼されたぷわぷわーお。全く詞が思いつきません。作詞を始めてからだいぶ経ち慣れてきて心のどこかで慢心があったようです。
海未「………」
凛「海未ちゃーん?腕立て伏せ終わったよ?」
海未「………」
希「海未ちゃん?」
海未「え?」
希「どしたん?ぼーっとして」
海未「い、いえ。それよりも腕立て伏せは終わったのですか?」
凛「とっくに終わったにゃ」
海未「え?も、もう終わったのですか?」
希「そりゃあ毎日やってるもん。ね?」
凛「ね!」
海未「そうですか…では次は腹筋を」
希「はっ!よしっ行くぞ凛二等兵」
凛「はい!希隊長!」
海未「…あの二人は順応するのが早いですね」
○月▲日 晴れ
ぷわぷわーおとは一体何なのでしょう?そもそも私はぷわぷわーおを知りません。感情の表現の一つなのでしょうか?
すぱーん
海未「あっ…」
弓道部員「はずしたの?」
海未「え?た、たまたまです」
弓道部員「そう」
海未「あの…つかぬ事をお聞きしますが」
弓道部員「え?何?」
海未「ぷわぷわーおを知っていますか?」
弓道部員「え?」
海未「あの…ぷわぷわーお」
弓道部員「へ?」
海未「いえ…何でもないです」
真姫「~~~~?」
海未「真姫」
真姫「!?」ビクッ
海未「あの…」
真姫「な、何よ急に?いるならいるって言ってよ。びっくりするじゃない」
海未「真姫はぷわぷわーおを知っていますか?」
真姫「は?」
海未「ぷわぷわーおです」
真姫「なによそれ」
海未「ぷわぷわーおです」
真姫「知らないけど」
海未「そうですか。練習の邪魔をして申し訳ありませんでした」
ガチャ
真姫「…分からないならネットで調べるとかしないのかしら?」
○月△□日 曇り
ぷわぷわーお…全然思いつきません。穂乃果に意味を聞いてもはぐらかされます…。ぷわぷわーおの意味が気になってしかたありません。授業中も身が入りせん。
教師「である時このXに何を代入するか…園田?答えてくれるか?」
海未「……」
教師「園田?」
海未「え?あっ、はい。ぷわぷわーおです」
教師「はあ?」
海未「え?あっ…すいません」カァァ
穂乃果「あちゃ~これは不味いかも」
ことり「……」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「あの、海未ちゃん?」
海未「なんです?」
穂乃果「無理ならいいよ?ぷわぷわーお」
海未「もう少し。もう少しだけ時間を下さい」
穂乃果「う、うん」
海未「あの…ところでぷわぷわーおって何なのでしょう?」
穂乃果「え?あっ、あれだよ?雰囲気?雰囲気…だよ?」
海未「もっと具体的な」
穂乃果「あっ…あー!?穂乃果用事を思い出したー!」
海未「穂、穂乃果?」
○月△○日 晴れ
ぷわぷわーおのぷわぷわの部分にだけ着目してみました。ぷわぷわ…もしかしたらふわふわの事を言っているのかもしれません。ふわふわした雰囲気なら確かにあの3人に合いますから…
海未「という事で雰囲気らしいのですが」
絵里「なるほどね。もしかしてぷわぷわーおってふわふわに近いんじゃない?」
海未「ふわふわ?」
絵里「ふわふわした雰囲気ってあの3人にピッタリじゃない?」
海未「確かに…ふわふわですか…何か思いつくかもしれません。ありがとございます絵里。やはり頼りになります」
絵里「ふふっ頑張って」
◯月◯●日 晴れ
そもそも私はふわふわもぷわぷわもしていないので全然思いつきません。ぷわぷわーお…ぷわぶわーお…最近夢にもぷわぷわーおが出てきます。何かもわからないのに…
穂乃果「海未ちゃんおはよー」
海未「おはようございます、穂乃果。今日はいつにも増して元気ですね」
穂乃果「えへへ。そうかな?」
海未「はい」
穂乃果「そう言えば海未ちゃんぷわぷわーお持ってきてくれた?」
海未「え?」
穂乃果「え?ぷわぷわーお持ってきてくれてないの?」
海未「あの…ぷわぷわーおとは?」
ことり「2人ともおはよう」
海未「ことり…」
穂乃果「ことりちゃん大変だよ。海未ちゃんがぷわぷわーお忘れて来ちゃったって」
ことり「え?そうなの?」
海未「も、申し訳ありません」
ことり「そうなんだ…」
穂乃果「穂乃果なんて昨日からぷわぷわして楽しみにしてたのに…」
ことり「私も今朝はぷわぷわーお食べるの我慢して来たんだけどな…」
海未「あの…先程からぷわぷわーおとは?」
穂乃果「え?海未ちゃん何言ってるの?ぷわぷわし過ぎだよ?」
ことり「もしかして先に一人でぷわぷわーおしちゃったのかな?」
穂乃果「えー。海未ちゃんズルい。穂乃果もぷわぷわーおしたかったよ」
海未「いや…あの…」
穂乃果「ぷわぷわーおしたかったよ」
ことり「ぷわぷわしたいよ」
穂乃果「ぷわぷわーおぷわぷわーお」
ことり「ぷわぷわぷわぷわ」
海未「や、やめて下さい」
絵里「あら?三人共何してるのかしら?」
海未「絵里?た、助けて下さい」
絵里「なーに?朝から?ぷわぷわし過ぎよ?」
海未「え、絵里まで…」
絵里「ぷわぷわ」
穂乃果「わーおわーお」
ことり「ぷわぷわぷわぷわ」
海未「い、いやぁぁぁぁぁぁ」
ガバッ
海未「ゆ、夢…」
シーン
海未「あ、汗が…びっしょり…」
○月▽日 晴れ
ぷわぷわーおの作詞を始めて数日。このままでは何も掴めないので私もふわふわしてみる事にしました。が、なかなか順応出来ません。希や凛が羨ましいです。
海未「ふわふわ…ふわふわとは……ことりや花陽のように振る舞えばあるいわ…」ブツブツ
希「園田指揮官」
海未「は、はい?」
希「腕立て伏せ終了しました」
海未「そ、そうですか。ではランニングを…」
希「すでに終了しております。他の指示を」
海未「えっと…えっと…」
凛「園田指揮官、様子がおかしいですよ?」
海未「え?そ、そんな事ありませんよぉ」
凛「…」
希「バカモーン」
凛「え?」
希「指揮官に対してなんて口の利き方をするんだ」
凛「も、申し訳ありません」
希「罰としてランニング追加だ。私も付き合う」
凛「はい!」
海未「あの二人は何事も楽しめて羨ましいですね。…私はふわふわしていたでしょうか?」
◯月◇日 くもり
ふわふわしようとこころがけるとぼーっとしてしまいます。ふわふわとは無なのでしょうか?それともただ単にわたしはねぶそくなのでしょうか?あいかわらずぷわぷわーおがゆめにでてきます
海未「………」ぼー
にこ「………」
海未「………」ぽかーん
にこ「海未…」
海未「………」
にこ「海未っ!!」
海未「はっ!?」
にこ「ぽけっとしてどうしちゃったのよ?らしくないわよ?」
海未「ごめんなさい。ふわふわしていたのです」
にこ「は?」
海未「作詞の為にふわふわしていたのです」
にこ「そ、そうなの…」
海未「は、はい」
にこ「そ、そう。ほどほどにね……」
海未「…」
○月◆日 はれ
そもそもわたしが作詞をするのはぷわぷわーおであってふわふわーおではありません。なのでふわふわしても何も思いつくわけがありません。ふわふわではなくぷわぷわしなくては…そもそもふわふわ自体意味を履き違えていたような気がします
海未「ぷわぷわ…ぷわぷわ…プカプカ…ふわふわ…ぷわぷわ」
穂乃果「あ、あの海未ちゃん。もう本当にいいから」
海未「何がですか?」
穂乃果「ぷわぷわーおだよ。穂乃果も自分で言ってて全然意味わかんないもん。ぷわぷわーおって何って感じだもん」
海未「大丈夫です。必ず完成させますから。そう言えばユニット名決まったみたいですね?プランタンでしたっけ?」
穂乃果「う、うん」
海未「プランタンが歌うに相応しいぷわぷわーおは素晴らしいです。待っていて下さい。では…」
穂乃果「海未ちゃん…まだ何も出来てないのに何で素晴らしいって分かるの…」
◯月◎日 晴れ
晴れやかな気分です。こんなに晴れやかな気分になったのはいつ以来でしょう?この数日ずっと出口の見えない長いトンネルを歩いてる気分でした。
海未「ぷわぷわーお…なんでしたっけ…ぷわぷわーおって」
希「海未ちゃん!」
海未「…どうしたのです?」
希「最近海未ちゃんの様子がおかしいから心配でね」
海未「私は…大丈夫です…そんな事より」
希「ぷわぷわーおやろ?」
海未「知っているなら話は早いです。作詞がありますから…」
希「もう少し楽に考えた方がええんやない?」
海未「え?」
希「世の中の全ての事に答えがあるわけじゃない。もっといい加減でもええんよ。海未ちゃんは真面目やからそう言うのは許せないかも知れないけどな」
海未「申し訳ありません。もうちょっと噛み砕いて説明を…」
希「つまり、ぷわぷわーおに意味なんてない」
海未「な、なんですって…」
海未「………………不思議だよー!スキスキぷわぷわスキスキぷわぷわ。キスキスぷわぷわキスキスぷわぷわ!くださいっ!」
穂乃果「海未ちゃん!凄い!凄いよ!よく思いついたね?ぷわぷわーおなんて」
真姫「確かに…私じゃ一生掛かっても書けないわ」
海未「それでは真姫。後はよろしくお願いします」
真姫「ええ」
海未「さあ、それでは私もリリーホワイトの練習に戻ります。今の気分はぷわぷわです!」
真姫「………便利ねぷわぷわーおって」
完
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