赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】 (1000)

※このSSはニューダンガンロンパV3のネタバレを含みます、クリア済み推奨
マッドマ●クスのネタバレは多分無い


・V3コロシアイ生活中

・キャラ崩壊注意


途中から安価入ります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491223303

赤松(私達は学園からの脱出を目指して、デスロードに挑戦し続けていた)

ゴン太「ま、また…ダメだったね…」

白銀「さすがに…もう無理だよ…」

赤松「待ってよ、諦めちゃダメだって!」

赤松「きっと次こそ…」

王馬「…いい加減にしてよ」

王馬「赤松ちゃんが諦めないのは自由だけど、それを押し付けるのは脅しみたいなものだよ?」

赤松「…お、脅し?」

王馬「無理だとわかってる状況で諦めちゃダメって言われてもしんどいだけなんだよ…」

キーボ「状況から冷静に判断する限り…、諦めるしかないと思います」

春川「最初から無理だってわかってたけど」

赤松「ちょ、ちょっと待ってよ!」

赤松「みんな…諦めたらダメだよっ!」

赤松「どうしてやめちゃうの、そこで!!もう少し頑張ってみようよ!」

赤松「ダメダメダメダメ、諦めたら!周りのこと思おうよ、頑張ってる人達のこと思ってみようって」

赤松「あとちょっとのところなんだから!CLEARの文字まで見えてるんだから!」

赤松「私だってこのデスロードの爆弾ゾーンのところで脱落しすぎて、なんやかんやあって服の肩のところがギザギザのタンクトップになっても頑張ってるんだよ」

赤松「ずぅーとやってみよう、必ず目標を達成できるよ!」

赤松「だからこそNever Give Up!!」ガッツポーズ

白銀(修造…)

王馬「そういう言葉だけじゃなくてさ、もっと具体的な解決法出しなよ」

王馬「流石に何のアイデアも無しに続けてらんないよ」

赤松「なるほどね、じゃあ私もちょっと頭使ってみるね」

赤松「王馬くんはこのデスロードの何が原因でクリアできないと思う?」

王馬「え…、色々あるけど…、やたら滑る床でミスって落ちたりするよね」

王馬「床が滑らなきゃもうちょっとマシになると思うんだけど」

赤松「なるほど。他のみんなの意見も聞きたいんだけど、みんなはデスロードのどこが嫌?」

入間「やっぱ爆弾だろ!動くとかいやらしすぎんだろ!」

茶柱「転子は落とし穴ですね…」

茶柱「よくジャンプする場所が悪くて届かなくて落ちてしまいますから」

東条「やはり高速移動する青い足場かしら」

東条「こればっかりは足場の特性を覚えるしかなさそうだけれど…」

ゴン太「ゴン太は、天井の低い所が駄目かな…」

ゴン太「足場が無くなってジャンプしないといけないところでも、天井が低かったら上手くジャンプすることができないんだ」

赤松「あー…、それはどうしようもないから諦めてほしいかな」

ゴン太「そんな…」

百田「檻も中々めんどくさいよな」

最原「うーん…。やっぱり、それらが組み合わさった状況が1番やりにくいよね」

赤松「なるほどね、じゃあまずは滑る床対策だけど…」

赤松「東条さんは確か凄腕のメイドさんだったよね?」

赤松「この床、何で滑るのかわかる?」

東条「そうね…。この床は別にローションが塗られているわけでもないし…」

東条「力を込めると白い物が剥がれるわね。これは蝋かしら?」床を触る

赤松「蝋かー…。じゃあ、蝋を剥がしながら進むか、靴に滑り止めを巻きつけるとか、カーペットだか絨毯だかを引けば滑らないかな?」

東条「まあ、そうすれば滑らなそうだけれど…」

東条「一応言っておくけれど、ここは雪道でも氷が張っているわけでもないから、靴にスパイクをつけるのは逆に滑ってしまうと思うわ」

赤松「なるほど、ありがとう」

赤松「じゃあ滑る床対策は後で滑り止めを探すか、床の蝋をどうにかするかだね」

東条「後で倉庫で滑り止めをさがしてみましょうか」

赤松「そうだね!」

赤松「次は爆弾の対策についてだけど、これは私もう解決法を思いついちゃってるんだよね!」

赤松「多分上手くいくよ!」

入間「あ?どうすんだよ」

赤松「爆弾に向かって投石するんだよ」

赤松「地上の中庭にはいっぱい大きな岩がゴロゴロしてるけど、それをエグイサル達が削ったり色々してたけどさ、きっと周りに小石が落ちてると思うんだよね」

赤松「大岩の周りでなくても小石くらいその辺にも落ちてるだろうし、これは幾らでも確保できると思うよ」

入間「まあ確かに有効かもしれねーな」

赤松「次は落とし穴だけど…」

赤松「…登山家みたいにさ、みんなでロープで繋いで一緒に進んで行くとかどうかな?」

最原「それは逆に危ないんじゃないかな?」

最原「例えばゴン太くんが落ちてしまったら、一緒にロープで繋がってる僕らも落ちてしまうと思うんだ」

最原「あとキーボくんもロボットだし、絶対重いよね」

キーボ「…否定はできませんね」

赤松「ひとりひとりロープを切れる物を持って、いざとなったら切り離せるようにしたらいいんじゃないかな?」

キーボ「僕がロボットだから切り捨てると言うんですね!?ロボット差別ですよ!」

赤松「じゃあ万能アイテム木の板を探してくるよ!」

赤松「穴の直径は大体どこも2mくらいだし、それくらいの長さの板か何かを探してくれば大丈夫だよね!」

赤松「ゴン太くんが乗っても耐えられそうなものが見つかれば良いんだけど…」

東条「木製の板は止めた方がいいかもしれないわ」

東条「落とし穴かと思ったら火炎放射器…というパターンもあるのだから」

赤松「そっか、じゃあ他の素材があればそれを探してくるよ」

赤松「次は移動足場だけど…」

赤松「星くんに眼力(インサイト)を使ってもらおうと思う」

星「!?」

星「おい、眼力(インサイト)は俺の技じゃねー…というか何で眼力を知ってやがる」

赤松「なんか昔たまたま本屋でスポーツ雑誌を見て、テニスでそういう技があることを知ったんだよね」

赤松「超高校級のテニス選手の星くんならきっと頑張れば眼力を使えると思うんだけど…他人の技はやっぱり無理かな?」

星「使ったことはねーが、そんな都合よく使えるとは思えねーな」

白銀(なんかコスプレした わたしなら出来そう…)

白銀(ちなみに眼力(インサイト)はテニヌの跡部様の技のことだよ!)

白銀(本編の星くんの通信簿でも一瞬話が出てくるね)

白銀(……ん?本編…?)

赤松「ダメ元だけどさ、星くん、ちょっとキーボくんに眼力してみてよ」

キーボ「え!なんでボクなんですか!?」

星「安心しろ、どうせ出来やしないぜ」

星「眼力(インサイト)!」

キーボ「でも一応やるんですね…」

星「!!?これは…!」

キーボ「え!どうしたんですか?」

星「弱点がスケスケだぜ」

キーボ「!!?」

星「星王国(キングダム)」決めポーズ

白銀「……」

星「……!?お、俺は何を…」

白銀(…星くんのテニヌスイッチが入ってたね)

赤松「やっぱり眼力できるんだね!じゃあ移動足場の動きは星くんに見てもらおう!」

赤松「ロボットのキーボくんの弱点が見れたのなら、同じく機械制御されてる移動足場の弱点も見破れるよ!」

キーボ「それでボクに使わせたんですね…」

キーボ「あんな床とボクを同じようにとらないでほしいですが…、デスロードをクリアするためです、今のは聞かなかったことにしましょう」

キーボ(……本当にボクの弱点がバレてしまったのでしょうか…?)ハラハラ…

赤松「次は檻対策だっけ」

赤松「檻かぁ…。走り続ければ捕らえられないんだけど、後続がひっかかっちゃうんだよね…」

赤松「……あ!じゃあ1人ずつ走り抜けたらいいよね、みんなで行かないでさ」

百田「…そう言われればそうだな」

赤松「じゃあこれも解決だね!」

赤松「あれ?これで一応今出てる問題点は解決したんじゃないかな?」

王馬「上手くいくとは限らないけどね」

赤松「でも希望は見えてきたよ!」

赤松「今日はもうクタクタになっちゃったけどさ、お陰で今後デスロードでどうすればいいのか見えてきたんだし、明日はデスロードの問題解決に必要な物を探してみることにしない?」

東条「ええ、構わないわ」

夢野「んあー…、めんどい…」

茶柱「ですが殺し合いをするわけにはいきませんし、他に特にすることもありません」

茶柱「転子は全力で協力させていただきますよ!」

百田「勿論オレも協力するぜ!」

天海「…そうっすね、コロシアイよりは全然いいっすね」

天海「俺も協力しますよ」

キーボ「それが今ボク達に出来る最善のことだとボクも計算しました」

キーボ(もし殺し合いなんてなっては、星クンに弱点がバレてしまったかもしれないボクは不利ですからね…)

キーボ(デスロード攻略に皆さんを向けさせるしかありません…)

キーボ「皆さんも勿論協力してくれますよね?」

白銀「うーん…、デスロードの攻略には疲れちゃったけど、まあ、攻略に必要な道具を探すくらいならいいよ」

星「ああ、俺もいいぜ」

入間「めんどくせーなぁ…」

入間「オレ様は理系なんだ!体を動かすことなんかしてやるもんか!」

ゴン太「ゴン太は赤松さんに協力するよ!」

春川「私はこれのクリア、無理だと思うけどね」

真宮寺「人間の協力し合う姿は美しいヨ…!」

真宮寺「ククク…、僕も赤松さんに協力させてもらうとするヨ」

アンジー「アンジーは、みんなが成功するように神さまにお祈りしてるねー!」

赤松「できれば体を動かして協力してくれた方が嬉しいんだけどな」

アンジー「神さまが協力するように言ったら協力するよー」

王馬「よく考えてよみんな。初回特典あるんだし、コロシアイの方が楽だと思わない?」

赤松「思わないよ!」

キーボ「思いません!全然思いません!!」

王馬「ん?何でロボットのくせにキー坊までそんなに必死なの?」

王馬「あ、そっかぁ!キー坊はさっき星ちゃんに眼力(インサイト)で弱点がバレちゃったんだったね!」

王馬「ねえねえ星ちゃん、キー坊の弱点ってどこの何?」

キーボ「やめてください!言わないで下さいお願いします!」

白銀「ん?今なんでもするって…」

キーボ「言ってません!!」

星「安心しろキーボ。俺は誰にも弱点は言う気はねえ」

キーボ「今はその言葉を信じさせていただきますね…」

王馬「なんだー、つまんないのー」

赤松「えっと、最原くんは協力してくれるかな…?」

最原「…ごめん、赤松さん。僕は学園の謎を解きたいと思うんだ」

最原「デスロードがあのCLEARの文字のところで終わるとは思えないし、出口が本当に外の世界へ繋がっているのかもわからない」

最原「それに僕は、このデスロードはモノクマの罠だと思うんだ」

赤松「…そっか」

最原「本当にごめん。ただ、もし探索している途中でデスロードの役に立ちそうな物を見つけたら情報を教えるよ」

赤松「うん、ありがとう!」

最原「じゃあ…、デスロードの攻略頑張ってね」

赤松「最原くんも学園の謎解き頑張ってね」

赤松「こっちもできるだけ頑張ってみるけど、やっぱり攻略できるかはわからないからね」

赤松(その後、疲れきった私達の元にモノクマ達が来て何か言ってたけど、疲れすぎた私の記憶には何も残らなかった)

赤松(記憶に残らないってことは、多分どうでもいいこと言ってたんだと思う)

赤松(部屋に帰った私は泥のように眠った)

ー翌日、食堂ー


赤松(なんか朝8時に食堂に集合するように約束した気がするから、食堂に来たんだけど…)

赤松(モノクマが新たな動機の追加とか言ってたけど、新たな動機の内容を言う前に色々あってエグイサルに潰されて爆発して壊れてしまったので、結局新たな動機の件は有耶無耶になった)

赤松(モノクマーズに追加の動機の内容を訊こうと思ったけど、天海くんに)

天海『幸い、モノクマーズはモノクマが壊れたショックでそれどころじゃないみたいですし、動機なんてわざわざ訊かない方がいいっす』

赤松(と言ったので私はそれに従った)

王馬「うーん、完全にグダグダだったけど、ラスボスがいなくなっちゃったって事は…」

王馬「もうこのコロシアイゲームは中止だね!」

天海「いや、モノクマは所詮ロボットっすよ?」

天海「裏で操ってる真のラスボスがいるはずっす」

王馬「あはは、そんな心配いらないって!」

王馬「ゲームマスターがいなくなった以上、このゲームを続けるのは不可能だからね」

王馬「つまりオレ達の完全勝利なんだよ!」

赤松「ま、待ってよ!まだそうと決まったわけじゃ…」

王馬「赤松ちゃん、折角のムードを壊さないでよ!」

王馬「みんなまだ昨日の疲れも残ってるのにさー!」

東条「そこでみんなに疲労回復シャカリキドリンクを作ってみたわ」ドンッ

全員「!?」

東条「飲んでみてちょうだい」つドリンク

アンジー「いっただっきまーす!」ゴクゴク

アンジー「!?…なんか疲れが一瞬で飛んでっちゃったよ!」

アンジー「にゃははー!神ってるねー!!」

最原(なんかやばいもの入ってるのかな…?)

東条「安心してちょうだい。食堂にあった食材と、倉庫にあった漢方だけを使って作ったものだから」

東条「少し飲みづらい味だけれど、モノナミンV3よりも少しだけ体に優しいわ」

最原(モノナミンV3って何だろう…)

赤松「いただきます!」ゴクゴク

最原「飲むんだ…」

赤松「…!す、凄い!確かに疲れが吹き飛んじゃったよ!」

赤松「具体的に言うと、自由行動3回くらいできそうなくらい!」

最原(例えがわからない…)

王馬「うぇー、なんか辛くてくそまずい…」

東条「疲労回復のためよ、我慢して飲んでちょうだい」

東条「それにこれを飲むと、軽い打撲や切り傷程度なら瞬時に治癒されるわ」

最原「ねえこれ本当に大丈夫?」

真宮寺「……話を戻すけど、赤松さんはまだ僕らに何かさせたいと思っているのかナ?」

赤松「天海くんの言うとおり私も、まだモノクマを操る人がいると思うんだよね」

赤松「それに出口がわからない以上、あのデスロードに挑戦するしかないと思うよ」

王馬「オレらを連れてきた時の出入り口は別にあると思うから、どうせならそっち探す方に労力使ったらどうかな?」

王馬「あんな道通って気絶したオレらを運んできたわけないし」

最原「いや、あそこを通ってきた可能性は0じゃないよ」

最原「今は仕掛けが発動しているけど、仕掛けを切って足場を出せば僕らを運ぶことは充分可能なんだ」

王馬「ゴン太は流石に運べないんじゃない?」

王馬「最後にはマンホールのとこのハシゴを登らないといけないんだし、ゴン太担いではちょっときついよ」

最原「それは…、ゴン太くんに布かロープか何かを巻きつけて上から何人かで引っ張り上げたりしたんじゃないかな…」

王馬「つまり、黒幕は複数人居るってことかな?」

最原「それはわからないけど、ここの施設の規模を見る限りとても単独犯だとは思えないよね」

最原「勿論、モノクマ達が僕らをここに運び込んだ可能性もあるわけだけどさ…、あんな手足の短くて小さなロボットが僕らを運ぶのはちょっと想像しづらいよね」

最原「モノクマやモノクマーズは所詮機械だ。必ずあいつらを使ってる人間がバックに居ると思うよ」

キーボ「モノクマ達が完全自立型AIという可能性もありますよ」

キーボ「ロボットがいつまでも人間に従っていると思ったら大間違いです!」

白銀「人間に危害を加えるロボット……、ターミネーターかな…?」

王馬「ふーん…。キー坊がそんなこと言うってことは、キー坊もいざとなったら人とか殺しちゃうんだね?」

キーボ「い、いえ、殺しませんよ!?」

夢野「折角初回特典があるんじゃし、今のうちにロボ殺ししとくかの…?」

キーボ「やめてください!」

赤松「そうだよ!コロシアイなんてしたら駄目だよ!」

赤松「だからみんなでデスロードクリアを目指そうよ!!」

春川「嫌に決まってるじゃん」

赤松「…昨日は東条さん茶柱さん百田くん天海くんキーボくん白銀さん星くんゴン太くん真宮寺くんがデスロード攻略に協力してくれるって言ってたよね?」

赤松「みんな…嫌になっちゃった…?」

真宮寺「王馬君も言っていたけど、モノクマは居なくなったんだしもう大丈夫なんじゃないかナ?」

真宮寺「僕は遠慮しておくヨ」

茶柱「えっと、数日様子見してもいいのではないでしょうか?」

星「安心しろ、誰かを殺す気はねぇ」

星「だがデスロードもしばらく様子見ってことでもいいんじゃねーのか」

天海「…油断はできないっすけど、俺は俺なりにこの学園のことを調べてみようと思うっす」

天海「だからデスロードはすみません…」

白銀「きっとじきに迎えのシャトルバスが来るよ!」

赤松「どこに!?;」

赤松「キーボくんは…?」

キーボ「スイマセーン…」

赤松「うぅー…」

東条「…みんなが行かないということであれば、私も遠慮させてもらうわね」

百田「安心しろ赤松!お前がまたデスロードに行くってんならオレもついて行くぜ!」

赤松「え!本当!?」

百田「あたぼうよ!あんな場所に女1人で行かせられね―からな!」

赤松(兄貴って呼びたい…!)キュンッ

百田「ハグするか!?」

赤松「…脱出できたらね!」

赤松(あーあ…。モノクマが居なくなって嬉しいハズなのに、モノクマが居なくなったことによってみんな変に心に余裕ができちゃって非協力的になっちゃったよ…)

赤松(確かにモノクマは居なくなったけど、モノクマーズはまだ居るんだし、モノクマを手厚く葬った後にまた出てきて何かすると思うんだよね…)

最原(みんなデスロードに協力しないのか…)

最原(だからといって天海くん以外は学園の捜査をするわけでもないみたいだし…、デスロード出入り口説は一応残っているままなのに、本当にこれで良かったのかな…?)

最原(僕なんかが意見したところでみんな聞いてくれないだろうし、どうしようもないけど…)

最原(…図書室の隠し扉のことを誰かと情報共有したいけど、どうしようかな…)

最原(本当は赤松さん辺りと情報を共有しようと思ってたけど、やっぱり僕もデスロードのことは気になるし、そっちを調べてほしいな)

最原(デスロードの罠の対処についてある程度考えはあるようだし、任せて大丈夫だと思う)

最原(百田くんも居るし)

最原(彼は宇宙飛行士の候補生っていうくらいだから凄く頭は良いんだろうし、体格も良いからきっと赤松さんの助けになってくれると思う)

最原(…あとは彼が黒幕でないことを祈るのみだけど…)

最原(…僕はどうしようかな?)



①誰も信用できない、1人でなんとかする

②同じく学園を調べる気のある天海と情報を共有する

③デスロードも捜査もする気のない人達の中から誰か選んで情報を共有する



安価↓1

最原(うん、天海くんと情報を共有しよう)

最原(やる気のない人達を無理矢理協力させるより絶対良いハズだ)

赤松「よーし!そうと決まったら百田くん、早速倉庫で材料調達しようよ!」

百田「おう!」シャカリキドリンクを一気飲みして食堂を出る

天海「じゃあ皆さん、お疲れ様っす」スタスタ

最原(天海くんも食堂を出ていったね)

最原(彼が1人になって周りに人が居なくなったタイミングで声をかけよう)

最原「……」

最原(僕も一応東条さんのドリンクを飲んでおくか…)ゴクゴク…

最原(……形容し難い味だ……)



どちらの視点で進めますか?


①赤松

②最原


安価↓1

ー倉庫ー


赤松「よーし、それじゃあ攻略に必要な材料を集めるよ!」

百田「結局何がいるんだ?」

赤松「とりあえずここで探すのは、滑り止め、2mくらいの乗っても壊れなさそうな板、念のためにロープ、かな?」

赤松「板は別に板じゃなくても良いけど、あまり重くなさそうなのが良いよね」

赤松「爆弾対策の小石はそれらが見つかってからまた探そうと思ってるよ」

赤松「あ、でも小石を入れられる袋みたいなのがあった方が良いかな?」

赤松「制服のポケットに入れられる分だけだと、私達2人だけだしもしかしたら足りなくなっちゃうかもだし…」

百田「おう、わかった!じゃあ手分けして探そうぜ!」

赤松「うん!頑張ろうね!」

赤松(開始して早々、私は板代わりになりそうなあるものに目をつけた)

赤松(それは、倉庫内の高所の物を取るのに使用されるであろう脚立だった)

赤松(穴を超えられるだけの長さは充分ありそうだね)

赤松「……乗っても多分、大丈夫だよね、うん」

赤松「脚立って元々人が乗ることを前提に作られてるものだしね!」

赤松(脚立は長いけど、思ったより重くはないし、これなら私でも全然抱えられちゃうね)

赤松「ねえ百田くん!2mくらいの乗っても壊れなそうな板の代わりに脚立とかいけると思うんだけど、どうかな?」

百田「おお、いいんじゃねえのか?」

百田「じゃあ後は滑り止めだな」

赤松「うん」

赤松(私は何の気なしに百田くんの足元に視線を落とした)

赤松(…そうだ、百田くんは何故かスリッパを履いているんだ…)

赤松(これは、滑り止め云々以前の問題だよね…)

赤松「ねえ百田くん、靴探さない?」

百田「靴?」

赤松「百田くん用の靴だよ」

赤松「ほら、スリッパだとやっぱり脱げやすそうだし、仕掛けもあって危ないから靴の方が良いと思うんだよね」

百田「靴かぁ…」

赤松(…何かそのスリッパにこだわりでもあるのかな?)

赤松(でもなぁ…、火炎放射器の仕掛けとかあって危ないし、今後未知の仕掛けが出て来ることもありえるし…)

赤松「百田くんは私のわがままに付き合ってくれてるんだし、私のせいで怪我でもしたら申し訳ないよ」

赤松「これも私のわがままになっちゃうかもしれないけどさ…心配だから、靴履いてくれると嬉しいな」

百田「まあ確かに、デスロードは普通の道じゃねーし、靴くらい履いた方が良いに決まってるよな」

百田「どっかに体育館シューズでもあんだろ、それ履くか」

赤松「うん。…なんかごめんね?」

百田「何で赤松が謝るんだよ」

赤松「百田くんをずっと私のわがままに付合わせちゃってるみたいだからさ…」

赤松「もしデスロードに付き合うのが嫌になったらいつでも言ってね?」

百田「いや、男は一度言ったことは曲げねえ!」

百田「お前がデスロードに挑戦を続けるってんならオレもついて行くぜ!」

赤松「…そっか。百田くん、ありがとうね!」

赤松(その後私達は体育館シューズを見つけ、百田くんの足のサイズにあったものを運良く見つけることが出来た)

赤松「百田くん、サイズは大丈夫?」

百田「おう、問題ねーぜ」靴装備

赤松「ていうか百田くんって素足だよね」

赤松「靴下があった方が靴ずれしないと思うんだけど、靴下も探す?」

百田「いや、大丈夫だろ」

赤松「慢心しちゃダメだよ!靴下見つけたら履こうね」

百田「わーったよ…」

百田「でもデスロードで使うモンを優先して探そうぜ」

百田「オレらはそのためにここに居るんだからな」

赤松「でも怪我しちゃ元も子もないよ…」

百田「靴下くらいで」

赤松「マメができちゃうかもだよ」

赤松「あ!靴下見つけたよ!履いてみてよ」

百田「お、おう…」

ガチャッ

赤松(ん?誰か倉庫に来たのかな?)入り口チラッ

赤松「あ、最原くん!と、天海くん!」

最原「赤松さん、探し物は順調?」

赤松「ぼちぼちかな?後は滑り止めのシートかスプレーがあればいいんだけど…」

百田「オメーらも何か探しもんか?」

天海「ええ、まあ」

天海「あ、でも俺らのことは気にしなくていいっすよ」

赤松「でもみんなで探した方が早く見つかるんじゃないかな?」

最原「天海くん…」

天海「大丈夫っす、お2人も忙しいでしょうし」

天海「最原くん、俺ら2人だけで探しましょう」

最原「う、うん…」

天海「…滑り止めシート、見つけたら教えるんで安心して下さい」

赤松「うん、宜しくね」

赤松(…何探しに来たんだろう…)

赤松(私達に言えないようなもの…?)

赤松(…気にしてもしょうがないよね)

赤松(うん、私達は私達のやるべきことをやらないとね)

赤松(その後も私達はそれぞれ探し物を続けた)

赤松(天海くんと最原くんはたまに小声で何か話していたんだけど、私か百田くんが近づいたら会話を止めてしまっていた)

赤松(…何か警戒されちゃうようなこと、しちゃったかな…?)

百田「赤松!滑り止め見つけたぜ!」

赤松「本当!?…うん、よくマットの下にひいてるような一般的な滑り止めだね」

赤松「これを靴に固定したいんだけど、やっぱり接着剤でくっつけるのが1番かな?」

百田「他に思いつかねーしな」

赤松「もしこれでも滑るようなら、床の蝋をなんとかする方に考えたほうがいいね」

百田「モノクマが何塗ってるかは知らねーが、蝋ってのは通常60〜80度で溶けるから、熱湯をぶっかけてモップか何かで拭き取るのが1番手っ取り早いと思うぜ」

赤松「デスロード自体の距離も結構ありそうだし、滑り止めだけでなんとかできたらいいね…」

赤松「そういえば私も見つけたよ!」

赤松「小石を入れる袋だよ」

赤松「あとはベルトか何かを見つけられたら、それに引っ掛けるようにしたら良いと思うんだけど」

百田「ベルトならさっきあっちで見かけたし、丈夫そうなロープもこっちで見かけたぜ」

赤松「ロープに充分な長さがあるなら、デスロードの壁を通ってるパイプに通せば、ロープを掴みながら移動することもできるね」

赤松「一度ロープを通す作業が出来れば今後落ちにくくなると思うよ」

百田「なるほどな」

赤松「とりあえず、私も自分の靴にいきなり滑り止めシートを合成するのははばかられちゃうから、私のサイズにあったこの体育館シューズに接着剤で滑り止めをつけてみるね」

赤松「ダメ押しで上から布ガムテープも貼って…よし、できた!」

百田「どうだ?滑らなそうか?」

赤松「ちょっと履いてみるね、よいしょっと」

赤松「…うーん…、確かに滑らなそう感あるけど、滑り止めシート1重じゃちょっとすぐ駄目になっちゃいそうな感じがするね…」

赤松「でもあんまり巻いちゃうと靴の底が平らじゃなくなるからそれはそれで危ないよね」

赤松「とりあえずやってみて様子を見るのが1番かな」

赤松「じゃあ申し訳ないんだけど百田くん、ロープを先にデスロードの方に持っていってくれないかな?ロープも長さがあって重いから、他の物はまだ運ばなくてもいいよ」

赤松「私はさっき見かけたソーイングセットで小石を入れる袋をベルトに付けられるように改造してるからさ」

赤松「ついでに、ジャンプの衝撃とかで石が落ちないようにスナップボタンも縫い付けとくね!」

百田「じゃあそっちは頼んだぜ!」ロープ担ぎ

赤松「うん、任せてよ!」

ドアバタンッ


赤松(よーし!私はピアノ馬鹿だけど、これくらいの簡単な手芸くらいならできるんだから!)チクチク…

赤松(あ、なんかアップリケも付けちゃおう!)チクチク…

最原「じゃあ赤松さん、僕らも行くから」

赤松「探し物見つかった?」

天海「ええ、まあ。またこっちに来るとは思うっすけど」

赤松「なんかよくわかんないけど、そっちも頑張ってね!」

最原「うん、そっちもデスロード頑張ってね」ドアガチャッバタン

赤松「……よし、頑張ろう!」チクチク…

ーーー

百田「戻ったぜ!遅くなっちまってすまねえ!」

赤松「ううん、いいんだよ」

百田「……」

赤松「ん?どうしたの?」

百田「ああ、いや、なんでもねー…」

赤松「…何かあった?」

百田「いや…、本当になんでもねーよ」

赤松(…明らかに何かあったように感じるけど…)

赤松(でも本人が言いたくないなら仕方ないか…)

赤松「百田くん、小石入れのポシェット付きのベルト2つ出来たよ!」

百田「おお、結構入りそうだな」

赤松「それじゃあ早速色々試しに行かないとね」

赤松「私はこれに小石を集めて入れておくから、百田くんまた力仕事で悪いんだけどさ、脚立を運び込んでおいてくれないかな?」

百田「おう、任せろ!」

赤松「…ほんとに力仕事ばっかりでごめんね?」

百田「気にすんなよ!オレの方が力があるんだから力仕事をするのは当たり前だからな」脚立担ぎ

赤松(百田くん本当兄貴力高いなぁ…)

ー中庭ー


赤松(工事の影響か、やっぱりいっぱい小石が落ちてるね…)小石拾い

百田「赤松!脚立運び込んでおいたぜ!」

赤松「ありがとう百田くん!こっちも小石、結構拾い終えたよ」

赤松「それじゃ、デスロード再チャレンジ行こっか」

百田「おう!」



ーデスロード入口ー


赤松「それじゃあこの小石の入ったポシェットのベルトを腰につけてね」

百田「こうだな」ジャケットの下にベルト装着

赤松(……百田くんはジャケットを変なふうに着てるから、なんか邪魔そうだけど…)

赤松(…まあ、本人が気にならないならいいかな…?)

赤松「じゃあデスロード再攻略スタートだよ!」

赤松(私達は対デスロード用に靴を履き替えた)

赤松「ちょっとトラップに行き着く前に滑り具合を確かめる為にこの辺走ってみるね」タタタッ…

百田「滑り具合はどうだ?」

赤松「うーん…、多少マシになってる気がするかな」

赤松「マシになってる気がするし、百田くんの体育館シューズにも滑り止め付けよっか」テキパキ

百田「おお、サンキュー」

赤松(百田くんの靴に滑り止めを付けた私達は、最初の鉄の扉を押し開けた)

百田「なんかこの扉、重くなってないか?」

赤松「昨日はみんなで扉を押したから軽く感じたんだろうね…」

赤松「2人だと開けるのに時間かかっちゃうね」

赤松「まあそれは仕方ないよね」

赤松「で、まず扉を開けてすぐのここは落とし穴だね」

赤松「私、実は倉庫からスプレー持ってきてるんだよね」スプレーカシャカシャ

赤松「落とし穴の設置位置は、丁度この開ききった扉分からだから、ギリギリの位置に立って…っと」床に”オ”と書く

赤松「”オ”は落とし穴ってことね」

百田「確かに床に書いてると、うっかり忘れてて落ちることがなさそうで良いな」

赤松「穴の幅はおよそ2mだから…百田くん、ここに脚立を置いてくれないかな?」

百田「おう」脚立を寝かせて置く

赤松「うん、多分その位置なら脚立は落ちないと思うよ」

赤松「まず私が渡ってみるね」

赤松「百田くん、ロープお願い」

百田「気をつけろよな」つロープ

赤松(私の体が落とし穴の位置に差し掛かると)

ガコンッ

赤松(…わかってても床が開くのはびっくりするね…)

赤松(私は落ちないように慎重に渡りながら、床から高さ2mくらいの位置にの壁にはっているパイプに緩くロープを通していった)

赤松(これで次通る時はここから垂れてるロープに捕まることができて、落ちても復活しやすくなると思うんだよね)

赤松「落とし穴はここで終了だね」床にスプレーで横線を書く

赤松「そして次は確か火炎放射器の仕掛けだね」

赤松「ここは逆にジャンプしちゃうと床が開いちゃって、火をくらっちゃうんだよね…」床に”火”とスプレーで書く

赤松「よっし!百田くん、来ても大丈夫だよ!気をつけて渡ってね!」

百田「お、おう…」壁に手をつきながら脚立を渡る

赤松「次はいよいよ爆弾ポイントだね」

赤松「火炎放射器のちょっと手前の足場の位置から…」小石を爆弾に向かって投げる

ドカーンッ

赤松「よし!爆破撤去できたよ!」

百田「おお!この調子で他の爆弾も撤去できそうだな」

赤松「それそれそれー!!」小石ブンッブンッ

ドカーンドカーンドカーンッ

赤松「……なんかちょっと楽しくなってきたかも」

百田「赤松、石投げるのうめーな」

赤松「私の隠れた才能が開花しちゃったかもしれないね!」

赤松「…何に役立てればいいのかわかんないけど」

赤松「爆弾トラップは視認できるから特にスプレーで書かなくていいね」

赤松「よーし、次次!」

赤松「あ、百田くん脚立持ってきてね!」

百田「任せろ!」

赤松「大きな段差があるね…」

百田「問題ねえ!赤松、段差を登れ!」脚立立てて設置

赤松「うん、よいしょ…」

百田「オレも登って…脚立を引き上げるぜ」ずるずると脚立を引き上げる

赤松「またすぐに爆弾x3だね」小石ぽいっちょ

ドカーンッ

赤松「爆弾オールクリア!」ガッツポーズ

百田「穴に脚立を設置するぜ」テキパキ

赤松「忘れずにロープも壁のパイプに通していくね!」テキパキ

赤松「次は檻のトラップかぁ…」

赤松「流石に脚立担いで行くのかきついよね?」

百田「いや、分けて運べば行けそうな気がするぜ」

百田「まずは脚立を立ててすぐ下に降ろすだろ」脚立を下に置く

百田「脚立の上部にロープを通して、ロープをなるべく先の方に投げる」檻の罠の終点位置にロープポーン

百田「後は普通にジャンプ着地してダッシュで通り抜ける!」シュタッ!ダダッ

百田「避けきったら脚立に繋いであるロープを素早く引き寄せる!」グイッ

百田「出来たぜ!」b

赤松(流石兄貴…!)

赤松(よし、私もジャンプ着地してダッシュで通り抜けて…)シュタッ!ダダッ

赤松「って、普通に体が覚えてて避けちゃってたけど、ここの落とし穴にもスプレーしとかないとね」床に”オ”を書く

百田「確か次のこのドア開けるとこで爆弾が来たよな」

赤松「爆弾の爆発範囲は小さいから、百田くんはちょっと屈んでもらえれば絶対安全だよ」b

百田「確かに屈めばぜってー当たらねーな」

赤松「次は……あっ…、眼力(インサイト)ポイントだね…」

百田「動く床か…」脚立引っ張りながら

赤松「そもそも動く床相手だと脚立持っていけないよね…」

百田「くそっ、もっとスリムなハシゴでも探してくればよかったな」

百田「ハシゴなら多分体にロープで巻きつけたら行ける気がするぜ」

赤松「百田くん凄いよ!すっごく頼りになるになる!」

赤松「どのみちここは星くん連れてこないと攻略は難しそうだし、今回のところはこの辺まででいいんじゃないかな?」

百田「CLEARの文字が見えてるのに何かもどかしいな…」

赤松「とりあえずロープはここに置いておいて、壁のパイプに一度仮結びをしてっと…」

赤松「じゃあ、一応最後に動く足場へジャンプ頑張ってみようかな」

赤松「百田くん、もし私が駄目だったら脚立ごと水に流されて入口まで戻ってくれたら幸いだよ…」

百田「頑張れ赤松!お前なら行ける気がするぜ!」

赤松「よし、行くよ!アイキャンフラー…」ボチャンッ

百田「あ、赤松ーーー!!」

>>45
赤松「百田くんが凄くて興奮して誤字しちゃった!11行目は↓です!」


赤松「百田くん凄いよ!すっごく頼りになる!」

ーーー

赤松「はっ!ここは!?」

百田「気がついたか、ここはデスロードの入口だぜ」

赤松「そっか、私失敗しちゃったんだね…」

百田「でも赤松のお陰で、時間はちょっとかかっちまうが、CLEARの直前まで安定して行けるようになったぜ」

赤松「今回のことで今後の課題が見えてきたね」

赤松「まず、脚立ではなくハシゴを用意すること(伸縮できるタイプだと邪魔にならないのでそちらが望ましい)」

赤松「あと星くんを連れてくることだね」

百田「星のやつは最初はデスロードの攻略に協力的だったし、なんとかなると思うぜ!」

赤松「うん、そうだね!希望は前に進むんだよ!」

赤松「今何時かな?まだ時間があるなら東条さんのシャカリキドリンクを飲んでハシゴ捜索して星くんスカウトまで行きたいなぁ」

百田「ここには時計はねーし、上にあがんねーとわかんねーな」

百田「どのみち今はまだクリアできねーからここに用事はねーし、体制を整える為に上に上がらねーとな」

赤松「百田くん、脚立持ってハシゴ上がれる…?」

百田「上がれるに決まってんだろ!オレは宇宙に轟く百田解斗だからな!」b

赤松(安定の兄貴力…!)

赤松(地上へ上がり、中庭に出ると日が傾き始めていた)

赤松「そういえばお腹すいたね」

百田「熱中しすぎてつい昼飯食うのも忘れちまってたな」

百田「ちょっとはえーけど飯にすっか!」

赤松「うん、そうだね!」

百田「よーし、そうと決まったらさっさと脚立を倉庫に戻してこねーとな」

赤松「その前に、落水しちゃったから着替えて髪乾かさないとね」

百田「そうだな、風邪なんて引いちまったら明日に支障が出るからな」

赤松(私達は一度寄宿舎に戻り、食事の前にシャワーを浴びて、済んだら合流することを約束して一度別れた)



ーーー

赤松(うーん、シャワー浴びたらなんだかんだ丁度いいご飯の時間になっちゃったかも…)

赤松(まあいいや、待ち合わせ場所の校舎の正面玄関に行こっと)スタスタ

ー校舎1階ー


赤松(…百田くんはまだ来てないみたいだね)

赤松(ここのベンチに座って待っとこう)

赤松(……ん?なんかどこからか話し声が聞こえてくるね…?)

赤松(歩いてきたのは天海くん、最原くん、王馬くんだった)

赤松(天海くんは顔をしかめており、最原くんは胃を押さえてつらそうな顔をし、王馬くんは楽しそうに天海くんの服を引っ張っていた)

赤松(話をしていた主達も歩いてきた為にこちらに気が付いたようで)

王馬「あ!赤松ちゃんちょうどいい所に!」

赤松「ん?私に何か用?」

王馬「実はさー、天海ちゃn」

天海「王馬くん!!」

王馬「なにー?天海ちゃん」ニヤニヤ

天海「……」赤松の方をチラッと見る

天海「わかったっす!話しますよ!!」

最原「でも…」

天海「やむを得ないっす…」

王馬「うんうん、最初からそう言えばいいんだよ」

天海「あっち行きましょう…」スタスタ

王馬「2人がかりで〆たりしないでね?」スタスタ

最原「…じゃあね、赤松さん…」スタスタ

赤松「??うん、じゃあね…?」

赤松(そのまま3人はどこかへ行ってしまった)

赤松(…ちょっと気になるな…)



①後をつける

②もうすぐ百田が来るだろうから待ってる


安価↓1

漫画やゲームなら1なので1

>>51
安価ありがとうございました
続きは明日投下します



デスロード再チャレンジの質問でゴン太ハブられとる…
女の子があんな危険なこと頑張るって言うなら紳士だし手伝ってくれそうだが

投稿再開します


>>54
ゴン太普通に忘れてました…、すみません
オールスターものは好きなのですが、人数多いとこういうミスが発生しちゃいますね
時間を巻き戻すわけにもいかないので、何か理由をつけて断ったと補完して下さい

赤松(…百田くん、ごめんね!)

赤松(王馬くんが何か不穏なこと言ってたし、流石にちょっと気になるよ…)

赤松(ということで、3人にバレないように充分に距離を取ってから後をつけるよ)コソコソ…



ー地下ー


赤松(3人は図書室に入って行ったね…)階段の踊り場から様子見

赤松(何で図書室なんかに行ったのかな…?)正面のドアに近づいて聞き耳

赤松(…うーん。駄目、何も聞こえないね…)

赤松(もうひとつのドアの方はどうかな?)聞き耳

赤松(こっちはなんとなく誰かが何かを話しているってのは聞こえるけど、内容はちょっと聞こえないね…)

赤松(多分ドアを開けたら聞こえると思うんだけど…)

赤松「……」



①ドアは開けない

②聞き耳出来る程度にほんのわずかにドアを開ける(コンマ偶数でバレる)

③むしろ覗く(コンマ偶数か50以上ならバレる)

④なんか時間かかりそうだし、そろそろ百田との待ち合わせ場所に戻る



安価↓1

今回は選択肢安価だったので4採用とさせていただきます




赤松(……特に争う感じでもないようだし、大丈夫かな?)

赤松(そんなことよりそろそろ戻らないと、百田くん来ちゃってるかも!)

赤松(私は足音は立てないように気をつけながら、急いで玄関ホールに戻った)



ー玄関ホールー


赤松(良かった、百田くんまだ来てないみたい)

百田「赤松、待ったか?」

赤松(私が玄関ホールについて一瞬ほっとした瞬間、玄関ホールのドアが開いて百田くんが入ってきた)

赤松(ギリギリセーフだね…)

赤松「ううん、私も今来たところだよ」

赤松「にしても百田くん、意外とシャワー時間かかるんだね」

赤松「…あ、意外って言ったら悪かったかな…?」

百田「いや別に気にしちゃいねーよ」

百田「シャワー自体はそんなに時間かかんねーんだが、髪のセットに時間がかかっちまうんだよな」

赤松(それ、セットしてたんだ…)

赤松(そりゃそうだね、髪が勝手に立つはずないもんね)

百田「それじゃさっさと脚立置いて飯食うか!」

赤松「うん、そうだね!」

赤松(私達は脚立を倉庫に置くと食堂へ移動した)



ー食堂ー


東条「あら、赤松さんと百田くんも今から食事かしら?」

赤松「うん、そうだよ」

東条「もし良かったら私が作るわ」

百田「おお!超高校級のメイドの作る飯か!赤松、作ってもらおうぜ!」

赤松「うん!東条さん、お願いできるかな?」

東条「ええ、構わないわ」

東条「何か食べたいものはあるかしら?あまり時間のかからないものだったら作れるわよ」

赤松「えっと、それじゃあ……」

百田「オレは……」

赤松(私達は明日のことを話ながら、楽しい食事をすることができた)

東条「…そう、明日もデスロードに挑戦するのね」

赤松「うん、だからまたあのドリンク作ってくれないかな?」

東条「勿論構わないわ」

東条「モノモノマシーンで水筒が出てきたから、それにも入れておくわね」

百田「おう、サンキュー!」

ドアガチャッ

天海「あれ、お疲れ様っす」

最原「赤松さん百田くん、お疲れ様」

最原「今日はどうだった?」

赤松「うん、昨日みんなで行ったところまで安定して行くことができるようになったよ!」

天海「へえ、凄いじゃないっすか」

天海「無理だけはしちゃ駄目っすよ」

赤松「うん、大丈夫だよ!ありがとう」

赤松(…王馬くんとは一緒じゃないんだね)

赤松(どこかで別れたのかな?)

赤松「そういえば最原くん達は今日何して過ごしたの?」

最原「えっと……」

天海「ただもう一度学園内を見て回っただけっすよ」

天海「残念ながら特に新しい発見もなかったっす」

赤松「そうなんだね…」

赤松「明日はどうするの?」

天海「そんなに俺らのことが気になるっすか?」

赤松(ただの雑談で話を続けただけだけど、なんとなく天海くん嫌そうにしてる気がするな…)

赤松(この話はここで終わらせたほうがいいかも…)

赤松「ううん、そういうわけじゃないんだけど…」

赤松「なんだか詮索しちゃったみたいでごめんね」

天海「いえ、大丈夫っすよ」

赤松(そう言いながら天海くんはニコニコしてるけど…)

赤松(……なんか、王馬くんとはまた違った意味でちょっと苦手かも…)

赤松(2人とも何考えてるのかわかんないってのは共通してるんだけどね…)

赤松「…じゃあ私、そろそろ寝ようかな?」

百田「オレも明日に備えて寝るとするか」

赤松「百田くん、明日朝8時に食堂に集合でいいかな?」

百田「おう!それでいいぜ!」

最原「2人とも、おやすみ」

天海「おやすみなさい」

赤松「うん、おやすみ!」

百田「おう、おやすみ!」

赤松(私は百田くんと一緒に寄宿舎の方へと帰って行った)

赤松(帰路の途中で地下の方の道から王馬くんが歩いてきたので軽く挨拶だけした)

赤松(そして自分の部屋に戻った私は、また泥のように眠った)

ー朝、食堂ー


赤松(そこにはみんなが居た)

赤松(また昨日と同じような、歪だけど平和な1日が始まると思っていた)

赤松(だけど……)

モノクマ「おまたせ!モノクマ復活だよー!」

赤松「…どうして?」

天海「やっぱり、モノクマの後ろに居る奴をどうにかしないといけないみたいっすね」

赤松(みんなショックの言葉を口々にしていった)

モノクマ「ところでオマエラ、良いお知らせと悪いお知らせどっちが聞きたい?」

夢野「何故アメリカスタイルなんじゃ…」

王馬「やっぱり良いお知らせからでしょ!」

モノクマ「じゃあ良いお知らせから発表しちゃいます!」

モノクマ「な、なんと!赤松さんと入間さんの研究教室が解放されたよ!」

赤松「…研究教室?」

赤松(私の研究教室…)


赤松(それってあの音楽室みたいな部屋だよね?)

赤松(…当然ピアノはあるよね?)

赤松(……いやいや、何私ちょっと喜んじゃってるの!)

赤松(ピアノなんてこんなところ脱出できたらいくらでも弾けるんだから!)

赤松(ずっとこんなところに居るわけじゃないんだし…)

赤松「……」

入間「おい!そのオレ様の研究教室ってのはどこにあるんだ!?」

モノクマ「中庭にあるよ」

モノクマ「多分、見たらすぐわかると思うよ」

入間「マジかよ!ヒャッハー!!」タタタッドアバンッ

赤松(入間さん、モノクマが復活したショックよりも研究教室もらえた喜びの方が勝っちゃって食堂から出て行っちゃった…)

最原「研究教室か…」

モノクマ「えーでは、次は悪いお知らせの方なんだけどね…」

東条「…モノクマが復活しているということなら見れば分かるわよ?」

モノクマ「え!どうしてボクの復活が悪いことになるわけ?」

モノクマ「こんなプリティーなマスコットのボクが復活したことは、むしろ良いことじゃない?」

モノクマ「そんなわけで悪いお知らせの話だけど、まあぶっちゃけ、昨日言いそびれた追加の動機の話だよね」

王馬「へー、追加の動機の話ねー」席を立つ

王馬「それもつまらなくなさそうだけど、オレがもっと面白い話を先にしちゃおっかな!」モノクマの方に歩いて行く

モノクマ「できれば学園長の話を優先させてほしいんだけど、一体何を話すの?」

王馬「天海ちゃんのみんなに知られたくない秘密でも話そうかなって思って」

天海「…俺の秘密っすか?」席を立って王馬の方に歩いて行く

モノクマ「あ、それ面白そうだね!いいよ、どうぞどうぞ先に話しちゃって!」

王馬「天海ちゃんの秘密はねー…」

王馬「なんと天海ちゃんはくっそキモいこじらせシスコンなのでした!!」

モノクマ「……え?そっち?」

赤松(……何なんだろう、この話は…)

天海「王馬君!いい加減なこと言わないでくださいっす!」

王馬「いい加減じゃないよ!実は天海ちゃんは家がお金持ちでさ、どこから買い付けたか知らない大量の女の子を自分の妹として侍らせてたんだよ!」

天海「よくもそんなベラベラと…!」

赤松(そう言うと天海くんは王馬くんの顔を殴って、王馬くんはその勢いで後ろのモノクマに倒れ込んだ)

モノクマ「うわぁ!?んもう!喧嘩するのは勝手だけどさ、これは間接的に学園長への暴力だよ!?」

モノクマ「おまけに王馬クンはつまらない話するし、もうボクは怒っちゃいました!」

モノクマ「自爆します!」

王馬「は?自爆?」

モノタロウ「え?お父ちゃん折角復活したのに自爆しちゃうの?」

モノファニー「自爆なんてグロいわ!」

モノスケ「お父やんがわざわざせんでもエグイサルでコイツラいてこますで!?」

モノクマ「オマエラには前科があるのでボクはもう信じません!」ピーッピーッピーッピーッ

モノキッド「お父ちゃーん!!」

モノダム「オトウ…チャン…」

王馬「うわ、やっべ」

赤松(王馬くんは慌ててモノクマを開いていたテラスへのドアの方に蹴り転がし、ドアを閉めた)

赤松(蹴り転がされたたモノクマは慌てて起き上がり、ドアを破壊しようと爪で攻撃したけど、その直後…)

ドカーンッ

王馬「うわっ!?」爪で空いた穴の隙間からの爆風で体制を崩される

天海「っと…、大丈夫っすか?」王馬を受け止める

王馬「ああ、うん」

最原「今のはちょっと危なかったね…」

赤松(最原くんもいつの間にかテラスのドアの近くに居た)

赤松(どうやら、最原くんが最初にテラスのドアを開けたみたいだね)

赤松(……ひょっとして、最初からモノクマを壊そうとしていた?)

赤松(でもモノクマってまた復活するんじゃないの…?)

モノファニー「うう、グロいわ…」

モノタロウ「えっと、またお葬式する?」

モノスケ「っちゅーか、コイツラの処分考えんとアカンやろ!」

モノダム「許サナイ…」

天海「おっと、モノクマーズは何か勘違いしてないっすか?」

モノキッド「勘違いだと?」

天海「校則にあるのは『学園長への暴力は禁止』っすよね?」

天海「でも俺が暴力したのは王馬君っす。それにたまたまモノクマが巻き込まれただけっすよね?」

天海「俺は一切モノクマには触れてないっすよ」

王馬「オレもモノクマには当たったけどさ、あれはただの不可抗力だよね?」

王馬「勝手にモノクマが自爆しただけじゃん?」

モノタロウ「あれ?お父ちゃんが勝手に自爆しただけなんだっけ?」

モノタロウ「オイラ、よく覚えてないや」

モノスケ「モノタロウはホンマアホやな…」

モノファニー「でもコイツラの命はお父ちゃんと違って限りがあるんだし、確かに校則違反としては微妙なラインだし、今回は見逃してあげてもいいんじゃないかしら?」

モノキッド「モノファニーは相変わらず優しい奴だな…」

モノスケ「まあ今回はええやろ!オマエラ良かったな!」

モノスケ「ただし次は気いつけんとアカンで!ほな!」

モノクマーズ「「ばーいくま!」」

アンジー「んー、なんか色々バタバタして結局何が何だかわかんなかったね!」

白銀「……モノクマ、また居なくなっちゃったね…」

ゴン太「ねえ、天海くんは本当にそんな悪いことしてたの?」

ゴン太「こんなこと、紳士的じゃないよ!」

天海「まさかあんなこと言われるとは俺も思ってもみなかったっすけど、普通に誤解っす」

王馬「いや、本当だよ?」

ゴン太「女の子を買うだなんて…見損なったよ天海くん!」

天海「だからそれは王馬君の嘘っす」

王馬「ゴン太は俺の言うことと、この人でなしの言うこと、どっちを信じるの?」

ゴン太「え、えっと…」

天海「あんまりしつこいともう1回殴るっすよ?」

東条「ねえ、どうしてこんな危険なことをしたのか聞かせてもらってもいいかしら?」

王馬「危険なこと…って、何が?」

東条「何がって…」

天海「たまたま王馬君が俺をおちょくって、それに俺がキレただけっすよ?」

東条「…まあ、何でもいいけれど」

東条「あまり危険なことをするのは止めてちょうだい」

東条「ここにはみんなが居たのだし、誰かが巻き込まれてもおかしくはなかったわ」

天海「それについては謝ります」

天海「皆さん、すみませんでした」

東条「ほら、王馬くんも謝りなさい」

王馬「えー?オレも純粋に被害者だよ?」

王馬「天海ちゃん、オレに謝ってよ!」

天海「そもそも王馬君があんなこと言わなきゃ、こんなことにならなかったっすよ」

王馬「え、オレのせいって言うの?」

王馬「天海ちゃんが手出すのが早かっただけだよね?」

王馬「天海ちゃんがオレを殴らなきゃそもそもこんな事態になってないのにさ」

ゴン太「2人とも、ケンカは駄目だよ!」

白銀「…なんか、本当にたまたま喧嘩しただけって感じかな…?」

春川「馬鹿馬鹿しい…」

天海「王馬君なんてもう知らないっす」スタスタ…ドアガチャッバタンッ

最原「あ、天海くん…!」

王馬「最原ちゃん、今日はオレと一緒に行動しようよ!」

最原「え…でも…」

王馬「いいからいいから。オレと居た方が天海ちゃんと一緒に居るより絶対楽しいって」

王馬「そうだ!後で入間ちゃんの研究教室に行って入間ちゃん虐めて遊ぼうよ」

最原「えぇ…」

赤松(……本当にただの喧嘩、かな?)

赤松(それならそれで、コロシアイに結びつかないといいんだけど…)

赤松(今日の朝食会はそんな感じでバタバタして終わった)

赤松(モノクマはまた居なくなったけど、なんだか疲れちゃったなぁ…)

百田「赤松、今日はまず何するんだ?」

赤松「えっと、今日はね…」



①デスロード攻略に必要なハシゴを倉庫で探す

②星をデスロード攻略に勧誘する

③どんな感じか赤松の研究教室を見に行く

④なんか心配なので天海に会いに行く

⑤その他(リクエストどうぞ)


安価↓1

赤松「まずは…、天海くんに会いに行こうかなって思ってるよ」

百田「さっきはあんなことになっちまったからな…」

東条「赤松さん、これ例のものよ」つ水筒

赤松「ありがとう、東条さん!」

赤松「それじゃあ、天海くんに会いに行こうか」

赤松「どうやら図書室に行ってるみたいだね」

百田「よーし、それじゃあ行くぜ!」



ー図書室ー


天海「…ああ、赤松さん達っすか」

天海「どうしたんすか?図書室に何か用でも?」

赤松(天海くんは図書室で1人で読書をしていたみたいだね)

赤松「いや、なんか、天海くん大丈夫かな?って思ってさ…」

百田「あんな奴の言うこといちいち気にしてたらキリないぜ?」

天海「王馬くんのことならもうあんまり気にしてないんで大丈夫っすよ」

天海「そもそも彼の言うことなんて、ゴン太君くらいしか本気にしてないでしょうし」

赤松(充分名誉毀損になるのでは…?)

天海「ところで、赤松さん達は今日もデスロードに挑むんでしたよね?」

百田「おう、そうだぜ!」

天海「だったら、入間さんに何かデスロードの攻略に繋がりそうなものの発明を依頼してきたらどうっすか?」

天海「発明家の彼女に研究教室が与えられた事ですし、きっと作ってもらえると思うっすよ」

百田「おお、なるほどな!」

赤松「天海くん、ナイスアイデアだよ!」

天海「まあ、ただ…今日は多分駄目だと思うっすけど、まあ依頼の予約だけでもってことで」

赤松「ん?なんで今日は駄目そうなの?」

天海「あ、いや、まだ研究教室が与えられて初日ですし、きっとまだ施設の使い勝手が分かってないと思うって予想しただけっす」

赤松「確かに…」

百田「まあでもモノクマの野郎はたまに不穏なこと言いやがるが、別にこの生活に期限があるわけでもねーしな」

百田「作ってもらえるだけもうけもんってもんだ」

百田「よっし、いっちょ頼みに行くか!」

赤松「うん!天海くん、アドバイスありがとう!」

天海「いえ。俺としてもデスロードも一応気になるっすからね」

天海「お気をつけて」

赤松(天海くんに見送られながら私達は図書室を後にした)

ー入間の研究教室ー


赤松「入間さん、ちょっといいかな?」ヒョコッ

入間「はあ!?何だよどいつもこいつも…!」

入間「オレ様の研究教室は見世物じゃねえっつーの!!」

赤松(私達が来る前にも誰か来たんだね…)

百田「なあ、頼みたいことがあんだよ」

入間「なんだ?しゃぶってほしいとかか?」

入間「隣のバカ松にでも頼みやがれ!」

赤松「えぇっ!?入間さん、急に何言ってるの!?」

百田「そ、そんなこと頼むわけねーだろうが!何言ってやがる!!」

入間「ケケッ、オメーらは中々からかいがいがあるな!」

入間「さっきまでのストレスを発散させやがれオラァ!!」

赤松(さっき何があったの入間さん…)

百田「なあ入間、オメーの肩書きを見込んで発明してもらいてーモンがあんだよ」

入間「おう、言ってみやがれ。どんな大人のオモチャだ?」

赤松(うぅ…、入間さん、話しづらいなぁ…)

百田「オレらは今ずっとデスロードの攻略に励んでんだけどよ、なんかデスロードの進行が簡単になる道具とか作ってくれねーか?」

入間「簡単に言ってくれるじゃねーか」

入間「テメーらはオレ様をドラ●もんか何かと勘違いしてんじゃねーか?」

赤松「…勿論無理だっていうなら仕方ないけどさ、もう少しだけ話を聞いてくれないかな?」

赤松「私はどうしてもここからみんなで出たいんだよ!」

赤松「そのためにはデスロードの攻略が必要になってくるからさ…」

赤松「お願い入間さん!私はここから出てみんなと友達になりたいの!」

入間「はぁ、友達ねぇ…」

入間「とりあえずオメーらはどんな発明品が必要なんだ?」

入間「依頼するなら具体的に頼むぜ」

赤松「えっと、私達は○○…って感じの発明品を作ってもらいたいんだよね」



発明品のもたらす効果(発明品の名前ではなく効果や特徴の表記をお願いします)

安価↓1

例え出してなかったのが悪かったかもなので例えを添えておきます

例)壁に張り付くことができる道具、空を飛べるようになる道具、体にバリアが張れるようになる道具、などといった感じで1つ特徴を表記していただければ

本日はここで終了します、安価↓

安価ありがとうございました、再開します

赤松「安定した足場を作る道具を作ってほしいんだよね」

入間「ふーん、もっと突拍子もないリクエストが来ると思ったが、案外普通だな」

赤松「これでも充分突拍子もないと思ったんだけど…、えっと、できそうかな?」

入間「テメーはオレ様を誰だと思ってやがる!美人すぎる天才発明家入間美兎様だぞ!?」

入間「ぶっ楽勝だっつーの!!」

赤松「良かったぁ…!」

入間「で、いつまでに作ればいいんだ?」

百田「勿論、早く出来るに越したことはねーんだが…」

入間「じゃあ明日だ!明日の朝また取りに来やがれ!!」

赤松「そんなに早く出来ちゃうの?ありがとう、入間さん!」

入間「用は済んだな?じゃあさっさと出ていきやがれ!」

赤松「うん、作業の邪魔になっちゃうよね」

赤松「それじゃあね、入間さん」

百田「頼んだぜ!」

ー中庭ー


赤松「入間さんに頼めて良かったね!」

百田「その発明品を使って、どの程度の足場が出来るかわかんねーけどな」

赤松「落とし穴や、最初から床が無いようなところにも足場が出現するような感じの発明品だと助かるんだけどね…」

赤松「…一応ハシゴ、探す?」

百田「そうだな、明日からの時間に無駄が無いように一応倉庫のどこにあるかだけ探しとくか」

赤松(私達は倉庫へと移動した)



ー倉庫ー


赤松「さて、ハシゴ…できれば伸縮するタイプで重くない感じの素材のがあればいいんだけど…」

百田「昨日他のモンを探してた範囲だとハシゴは見かけなかったからな…」

百田「もっと上の方とか奥の方を探さないとな」

百田「よっし!オレは上の棚を探すから赤松は奥の方に探しに行ってくれねーか?」

赤松「うん、百田くん気をつけてね?」

百田「おう!」

赤松(そう言って百田くんは昨日使った脚立を使って上の方の棚を探し始めた)

赤松(さて、私も頑張って探さなきゃね)

ーーー

赤松(ほどなくして部屋の奥から折りたたみ式のハシゴを見つけることが出来た)

赤松(これを使うかはまだわからないけど、そんなに重くはないから持ち運びも問題はないと思う)

赤松(ハシゴは見つかったんだけど…)

赤松(今日、これからどうしようかな)

赤松(本当は今日もデスロード攻略に挑もうと思ってたんだけど、明日入間さんの完成した発明品を受け取ってから挑んだほうが体力の問題的にも良いよね)

赤松(とりあえず、もう良い時間だからお昼ごはん食べようかな)

赤松「百田くん、そろそろお昼ごはん食べない?」

百田「もうそんな時間か…」

百田「なんか今日はまだハシゴ探ししか出来てねーし、中々攻略が進まねーな」

赤松「というか今日はデスロードに挑むのは止めにしない?」

赤松「今日のところは体力を温存しておいて、明日入間さんの発明品を受け取って改めて挑んだほうが良いと思うんだよね」

百田「そうか…、そうだよな」

赤松「うん、まだ時間はあるんだし…」

百田「そうだよな…、よっし、飯にすっぞ!」

2人とも目の前に集中してゴン太のこと忘れている……
ゴン太も察しがいい方じゃないから2人が何しているか気が付いていなさそう

ー食堂ー


赤松(今食堂に居るのはアンジーさんと天海くんだけみたいだね)

赤松(そういえば私達以外の他の人達って何して過ごしてるんだろうね…)

赤松「アンジーさん、天海くん、こんにちは!」

百田「うっす!オメーらも飯か?」

アンジー「そだよー!このパスタ、蘭太郎が作ってくれたんだよ!」

天海「まあ自分ののついでっすけどね」

天海「たまたま同じタイミングで食堂に来たもんで」

赤松「へー、これ天海くんが作ったんだね、凄く美味しそうだよ」

赤松(私がパスタ作ったら茹でて味付けして終わりってするけど、天海くんのパスタは盛り付けやトッピングが何かお洒落な感じだった)

天海「ところで、入間さんへ発明品の依頼をすることできたっすか?」

赤松「うん、お陰様で」

アンジー「んー?楓は美兎に何を頼んだのー?」

赤松「デスロードの攻略の助けになりそうな発明品を頼んだんだよね」

アンジー「ありゃまー、楓達まだデスロードに挑戦してたんだねー」

>>87
今回、赤松サイドは脳筋ストーリーで最原サイドは頭使うストーリーのつもりなので多少はね?

赤松「だって、デスロードの出口が本当に外への出入り口の可能性だってあるからね」

アンジー「それじゃあ、頑張る楓達の為にアンジーは神さまにお祈りしておくねー!」

アンジー「楓達がデスロード攻略に成功しますようにー!」ナムナム

赤松「あ、ありがとう…」

百田「なあ、そろそろオレらも作って食おうぜ」

百田「こいつらのパスタ見てたら腹減ってきちまった」

赤松「うん、そうだね」

赤松「と言っても私もそんなに料理が得意なわけでもないから、何作ろうかな…」スタスタ



ー厨房ー


赤松「うーーん…、何か色々材料はあるけど、どうしようかなー…」キョロキョロ

百田「米が炊けてるし、オレはチャーハンでもしようと思ってんだけどよ、迷ってんだったらオレと一緒にチャーハンでも作るか?」

赤松「うん、じゃあそうしよっかな」

百田「野菜が入ったチャーハンにしようと思ってるんだけどよ、何か苦手なもんあるか?」

赤松「ううん、嫌いなもの無いから大丈夫だよ」

百田「じゃあ玉ねぎとセロリと人参とネギを出して…」

百田「赤松、ニンニクとか入れて大丈夫か?やっぱ臭いとか気になるのか?」

赤松「ニンニク大丈夫だよ!」

百田「じゃあ野菜の皮むくぜ!ほら、赤松の分の包丁だぜ」つ包丁

赤松「…うーん…、皮むき器とか無いかな?」

百田「ん?皮むき苦手なのか?」

赤松「ていうか、包丁あんまり握ったことないんだよね…」

赤松「指を怪我するといけないからって」

百田「あー…、そういや忘れてたけどお前ってピアニストだったもんな」

赤松(忘れられてた…)

赤松(って、それもそうか。最初自己紹介した時くらいしかピアノを話題にしてないし、以降百田くんにはデスロードトークしかしてないもんね…)

デスロードトークって字面が凄いな

百田「なんつーか、包丁くらい使えたほうが良いとは思うが、指はピアニストの商売道具だもんな」棚ゴソゴソ

百田「お!あったぜ、皮むき器」つ皮むき器

赤松「良かったぁ!よーし!これで私も皮むきできちゃうね!」シャッシャッ

赤松「あっ」ガリッ

百田「!?指切っちまったのか!?」

赤松「大丈夫だよ、爪がちょっと欠けただけだから…」爪を見せる

百田「…赤松、爪欠けたままだとあぶねーからちゃんと切ってこい」

百田「その間にオレがチャーハン作っといてやるからよ」

赤松「いや、流石にそれは悪いよ…」

百田「気にすんなよ!人には向き不向きがあるからな」b

赤松(皮むき器でちょっと爪欠けさせただけで料理できない認定されちゃった…)ガーン

百田「あー…、それじゃあ代わりに、後でピアノ聴かせてくれよ!」

赤松「え?ピアノ?」

百田「入間だけじゃなくて赤松の研究教室も解放されたんだろ?」

百田「多分ピアノがあるだろうし、折角だし超高校級のピアニストの演奏聴かせてくれよ!」

赤松(勝手なイメージだけど百田くん、音楽に興味があるようには見えなかったのに、私に気を使ってくれてるのかな?)

赤松(…安定の兄貴力…!)

赤松「うん、じゃあ後でピアノの演奏でお礼ってことにするね」

百田「おう!楽しみにしてるからな」

赤松「じゃあ私、ちょっと爪切ってくるね」

赤松(私は一度寄宿舎へ戻り、爪切りを探した)

赤松(もし見つからなかったらまた倉庫を捜索ってことになるのかな?って思ってたけど、部屋内ですぐに見つかったので良かったよ)

赤松(ついでに他の爪も切り揃えて、私は食堂へ戻った)

赤松(食堂に戻るとアンジーさんはもうどこかに行ってしまっていて、天海くんがテラスの方で1人で紅茶を飲んでいた)

赤松(厨房の方を覗くと、調理をしている百田くんと白銀さんが居た)

赤松(白銀さんは自分用に何か作ってるみたいだね)

赤松「百田くん、戻ったよ」

百田「おう、こっちももうすぐ出来るぜ」ジャッジャッ

赤松「うーん、美味しそうな匂いだね!」

白銀「チャーハンも美味しそうだよね」

白銀「わたしも地味につられかけちゃったよ」

赤松「白銀さんは何作ってるの?」

白銀「手軽さを重視してうどんを茹でてるよ」

白銀「卵とおあげも入れて…」

白銀「ていうか、うどんといえば花丸のうどんミュージカル回を思い出すよね!!」

赤松「……ごめん、よくわかんないや…」

白銀「あ、ごめん。そうだよね、わかんないよね…」ショボーン

百田「赤松、チャーハン出来たぜ!」

赤松「あ、お皿出すね!」

赤松(私はお皿を2枚食器棚から出して、それによそってもらった)

百田「どれくらい食うんだ?」

赤松「あ、そのくらいでいいよ」

百田「じゃあ後はオレだな」

赤松「百田くん、何飲む?」

百田「確か冷蔵庫に麦茶があったよな?まだあったらそれで頼む」

赤松(私は冷蔵庫を開けて…)

赤松(…そういえば今日はデスロードに挑戦しないし、東条さんのドリンク、冷やしとこうかな?)

赤松(明日飲もうと思って、私は特製ドリンクの入った水筒を冷蔵庫に入れ、麦茶を取り出した)

赤松「白銀さんも麦茶飲む?」

白銀「うん、じゃあ貰おうかな」

赤松(私は麦茶をグラスに注いで…)

赤松「先に麦茶持っていくね」

赤松(私はグラスをテーブルの方に運んだ)

赤松(すぐに百田くんがチャーハンを持ってきて、白銀さんもうどんを茹で終わって、3人で昼食を食べることになった)

赤松「そういえば白銀さんって昨日とか今日とか何して過ごしてるの?」

白銀「え?うーん…、ここで特にやることもないからね…」

白銀「ただひたすら妄想かな?」

赤松「妄想?」

百田「…何妄想してんだ?」

白銀「今期見てたアニメが、あの後どんな展開になるのかなー?とか、今やってるゲームのイベントの新しいキャラはどんなのかなー?とか、そろそろこういうイベント来てるんだろうなーとか」

白銀「そろそろとらで新刊チェックしたいなーとか…、妄想の中の受けちゃん可愛いよ!とか…」

赤松(……未知の話だ…)

白銀「そういう赤松さんと百田くんは何やって過ごしてるの?」

赤松「私達はデスロードに挑んでるんだよ!」

白銀「え!まだデスロードに挑んでたの!?」

白銀「根性あるね…」

百田「出口って書かれちゃ挑戦するっきゃねーしな」

白銀「そういうものなんだ…」

白銀「うん、まあ、無理しないようにね…?」

赤松「まあ今日は諸事情で挑戦できないんだけどね…」

赤松「この後は私の研究教室で百田くんにピアノを聴いてもらう予定なんだ」

赤松「あ、もし良かったら白銀さんも聴きに来ない?やることないんだよね?」

白銀「え!うーん…、お邪魔じゃない?」

赤松「全然!観客が増えるのは大歓迎だよ!」

白銀「…じゃあ、わたしもお邪魔させてもらおうかな?」

赤松「なんだか人前で弾くの、久しぶりな感じがするなー♪」

赤松「わくわくしてきちゃう!」

赤松「あ、2人とも、何かリクエストがあったら言ってね?」

赤松「弾けたら弾いちゃうよ!」ガッツポーズ

百田「えーっと、リクエストか…」

赤松「あ、無ければ適当に百田くん向けっぽい曲見繕うよ?」

百田「オレっぽい曲?」

赤松「宇宙に轟く百田くんにはやっぱりホルストの組曲『惑星』が良いと思うんだよね」

赤松「ゆったりしちゃう曲が退屈っていうなら、火星とか激しめで良いと思うんだ」

百田「ほー、そんな曲あるんだな」

白銀「リクエストかー…」

白銀「…ショパンの『別れの曲』とか聴きたいな」

白銀「わたし、ああいうしっとりしてる曲好きなんだよね」

赤松「わかるよ!『別れの曲』いい曲だもんね」

白銀「あとはベートーベンの『月光』も好きだよ」

白銀「バイオ思い出すよね!」

赤松「…映画のバイオハザードかな?」

赤松「私、あんまりホラー得意じゃないから見たことなくて…ごめんね」

白銀「あ、映画じゃなくてゲームの方の…って、余計知らないよね」

白銀「こっちこそ、さっきからなんかごめんね?」

赤松(そんな感じで談話した私達は食事を終えると後片付けをし、私の研究教室へと向かった)



ー赤松の研究教室前ー


赤松(…中はどうなってるのかな?)ガチャッ

赤松「!!ぴ、ピアノだ!!ホントにピアノあったよ!!」

赤松(ピアノに興奮した私はすぐそれに駆け寄り、鍵盤をポンポン叩いて調律を確かめる)

赤松(こんなところに置いてあるピアノだからちょっと不安だったものの、誰かが手入れしているようで、調律は完璧だった)

赤松「ふおおおお!!」ジャジャジャジャーン!!

赤松(まだ3日しか経ってないというのに、久しぶりにピアノに触った気がした)

白銀「…凄い喜んでるね」

百田「…お、おう…」

白銀「でもあの赤松さんの気持ち、わたしも分かるよ!」

白銀「しばらくイベントやってなくて、久々にイベントに参加するってなった時のわたしのテンションもあんな感じだから!」

百田「そ、そうか」

赤松「あ、2人とも適当に座って…って、椅子が無いね…」

白銀「わたしは床で大丈夫だからお構いなくだよ」

百田「オレも床でいいぜ」

赤松「ううん、そういうわけにはいかないよ。2人はお客さんなんだから」

赤松「あ、近くの教室から椅子持ってこよっか」

白銀「そうだね、借りちゃおっか」

赤松(2人は近くの教室に椅子を取りに行き、私はその間に床に散らばっている譜面を確認した)

赤松(ただ譜面が散らばっているのだと思ったけど、それを拾おうと触ってみると床とぴったりくっついてて、ただの装飾品だったみたい)

赤松(模様なら仕方ないか…)

赤松(次に私は研究教室内の壁にびっしり並べられたCDをチェックしてまわった)

赤松(そこには古今東西今昔様々な音楽家のCDが並んでいた)

赤松(作曲者の名前のアルファベット順に並んでいるため、すぐ見つけやすそうだなと思った)

ガラッ

白銀「椅子持ってきたよ」

赤松「じゃあ好きなとこに座って聴いてね」

赤松「じゃあどっちから弾こうかな」

白銀「ホルストからいいよ」

赤松「じゃあホルストの惑星からね」

赤松「じゃあ弾き始める前に軽く曲の解説をしておくね」

百田「おう」

赤松「組曲『惑星』って言うのは、ホルストが作曲した管弦楽曲で、今から約100年前に作られた曲なんだよ」

赤松「惑星って名前がついてるけど、この組曲で言う惑星っていうのは天文学的な意味での惑星じゃなくて、占星術的な意味での惑星なんだよ」

赤松「だからこのシリーズには『地球』は無いんだよね」

赤松「占星術では地球は他の火星とか水星とかと同じじゃなくて、『母なる大地』っていう扱いだから」

赤松「あと、この惑星はローマ神話の神々とも結び付けられているよ」

赤松「…こんな言い方するとあんまり宇宙っぽくないかもしれないけど、組曲の曲の順番は黄道12宮を牡羊座から始まる伝統的な順番に並べるとその守護惑星は重複と月・太陽と無視すれば楽曲の順番に一致するんだよ」

赤松「ちなみに冥王星が発見されたのは1930年だから、ホルストの作曲時期には未発表の惑星…今は惑星じゃないけどさ、だったから、ホルストは冥王星の作曲は完成できなかったんだよね」

赤松「冥王星発見後にホルストも一応作ろうとしてたんだけど、作曲中に亡くなっちゃったんだよ」

赤松「でもその後、2000年にこのホルストの作りかけの冥王星を補完して一応完成されたんだよね」

赤松「補完された冥王星有りの組曲惑星のことは通称『惑星(冥王星付き)』って呼ばれているよ」

赤松「でも折角2000年に楽曲の冥王星が補完されたっていうのに、2006年に冥王星は惑星の新定義から除外されちゃって…、偶然にも本来のホルストの組曲惑星通りになっちゃったわけだよね」

百田「冥王星が惑星じゃなくなってからもう10年経ったんだな…」

百田「何か寂しいよな」

白銀「10年前って言ったら、ハルヒやらき☆すたの時代だよね…」

白銀「時の流れって恐ろしいよぉ…」

>白銀「10年前って言ったら、ハルヒやらき☆すたの時代だよね…」
白銀「時の流れって恐ろしいよぉ…」


やめろ……それは俺に効く

赤松「まあ、軽くって言ったのにグダグダ語っちゃったけど、そろそろ弾くね」

赤松「曲は組曲『惑星』から『火星、戦争をもたらす者』、ピアノバージョン」

白銀(これだけ色々言ってたのに冥王星じゃないんだ…)


ーーー

赤松「どうだったかな?」

百田「なんか全然最近の曲っぽいよな」

百田「SFっぽいし」

赤松「間違ってたらごめんだけど、確か映画のスターウォーズとかもホルストの火星から着想をえてるとかだった気がするから、SF映画のイメージがあるのかもね」

白銀「わたしはサルゲッチュ3の最終ステージ思い出したなー」

赤松「テレビやゲームでクラシックの曲が使われることって多いもんね」

赤松「クラシックを普段あまり聴かない人にもクラシックに触れる機会ができていいよね」

赤松「じゃあ次は『別れの曲』だね」

赤松「ショパンの『別れの曲』はホルストの時代より更に前、1832年の曲だよ」

赤松「日本では『別れの曲』の名前で知られてるけど、西洋では『悲しみ』の愛称で知られているよ」

赤松「国によって愛称は違うんだけどね」

赤松「例えば英語圏だとほぼ日本と同じで『別れ』『別離』とかだし、フランス語圏だと『親密』『内密』だし」

白銀「あー…なんか名称の付け方が凄くフランスっぽいね」

赤松「この曲はショパンが故郷のポーランドへの思いが込められていて、彼が弟子の1人とのレッスンでこの曲を教えていた時に、ショパンは感極まって泣き叫んだというエピソードがあるよ」

白銀「ショパンェ…」

赤松「あと、ショパン自身『一生のうちに二度とこんな美しい旋律を見つけることはできないだろう』って言った曲でもあるんだよ」

赤松「それでは聴いて下さい、ショパンで『別れの曲』」

ーーー

赤松「どうだったかな?」

百田「この曲は……西部警察と101回目のプロポーズの作中で聞いたことあるぜ!」

白銀「百田くん、きみ幾つかな…?」

百田「男はつらいよでも流れてたな。寅さんの悲壮感を際立たせるいい仕事してるBGMだなと思ったぜ」

白銀「作中曲といえば、わたしはハガレンやトワイライトシンドロームで聴いたことあるよ」

白銀「友里が露天商から買った、あのオルゴールに使用されてた曲だよね!」

赤松「わ、わからない…」

赤松「メディアに使用されたってことだと一応、日本ではドイツ映画の『別れの曲』っていうタイトルの映画で主題歌になってたのが1番有名だと言われているよ」

赤松「映画の内容もこの曲が主題になって物語が展開されていくんだよね」

百田「へー、そんな映画があるんだな」

白銀「その映画なら確かAVルームで見かけたよ」

赤松「AVルーム?」

白銀「地下のゲームルームの奥の部屋だよ」

百田「もしかしてまだ行ってないのか?」

赤松「うん、初めて存在知ったよ…」

白銀「あそこには色んなDVDが置いてあるから、まあこの暇な学園生活で時間を潰す有効な手段の1つであるから知ってて損はないと思うよ」

赤松「うーん…、多分お世話になることはないと思うな」

白銀「そう?実写映画だけじゃなくてアニメやドキュメンタリーとかもあって、結構何でも置いてあるんだけどね」

赤松「種類の問題じゃなくて、私達はきっとすぐここから出るんだから必要ないってことだよ」

白銀「…そう」

赤松「私は明日、百田くんとデスロードをクリアする予定なんだよ!」

赤松「ここを脱出して外に出れたら助けを呼んでくるから、白銀さんもそれまでの辛抱だよ!」

百田「なんなら荷造りして待機してくれててもいいぜ!」

白銀「…まあ荷物なんてないんだけどね、身一つでこの空間に閉じ込められたから」

百田「それもそうだな」

白銀「ところで、何で明日に出れる予定なの?」

赤松「それはね、入間さんにデスロードクリアに使えるような発明品を頼んだからなんだよ」

白銀「へえ」

赤松「目薬型コンタクトなんて凄い発明品できちゃう彼女ならきっと凄いの作っちゃうよね!」

赤松「明日が楽しみだよ!」

白銀「そう、外に出られると良いね」

百田「赤松、興奮して今日夜寝られないなんてことにならねーようにな」

赤松「うん、気をつけるね」

本日ここまでです、ありがとうございました
以下適当にコメ返し


>>92
パワーワード感ありますよね


>>103
白銀「初音ミク発売も10年前だし、イナバウアーも10年前だし、プレステ3発売も10年前だし、ポケモンダイパも10年前なんだよ…」

白銀「つら…」

>>109
つむぎ、絶対年齢詐称しているだろwwwwww
設定なら7歳の頃の話だぞwwwwww

でも西武警察や男はつらいよを語る百田もなかなか

>>111
ヒント:ダンガンロンパV3の真実


通信簿と言い、黒幕さんは百田をどういうキャラにしたいんだ……

投下再開します
以下コメ返し


>>110
白銀「ほら、オタクって昔のジャンルでもある程度把握してるじゃない?」

白銀「そんなもんなんだよ!わたしはおばさんじゃないから!;」


>>111
5章裁判でネタの古さ爆発してた百田はその辺も見てるイメージあるんですよね

赤松(その後私は白銀さんに他の惑星の曲もリクエストされ、それを弾いた)

赤松(弾きながら合間合間にそれぞれの惑星の話をし、そこから派生して日本組曲の話を語り、バレエ音楽の話に……と、私だけが盛り上がってつい語りまくってしまった)

赤松(白銀さんも百田くんも、そんな私の話を聞きながら相槌をうってくれた)

赤松(そうこうしているうちにあっという間に夕方になった)

赤松(今日は、久しぶりに音楽の話をいっぱい出来たなぁって充実感でいっぱいになって、私達はそのまま一緒に夕食を食べる為に食堂へ向かった)



ー食堂ー


百田「さて、晩飯はどうするよ」

白銀「確か朝、東条さんが夜ご飯の用意はしてくれるって言ってたよ」

白銀「だから彼女、そろそろ食堂に来るんじゃないかなぁ」

赤松「そっか、じゃあお言葉に甘えて作ってもらっちゃおっか」

赤松(東条さんを待つ間、私達は白銀さんのコスプレイベントでの話を聞いて過ごした)

赤松(コスプレって私にはちょっと縁がない世界だと思っていたけど、彼女がイベントで感動した話や困った話を聞いて、ちょっとピアノに通じる所があるなあと感じた)

ーーー

白銀「……で、その時彼の隣に居た男の娘がウィッグネットを忘れた彼に『良かったらこれ使って下さい!』って言って、私服として穿いてきてたストッキングを渡してきたらしくてわたしは感動したんだよ」

赤松「感…動…?」

白銀「ご褒美だよね!」

百田「??な、何がだ…?」

東条「あら、来てたのね」ドアガチャッ

赤松「あ、東条さん!」

東条「どうやら待たせてしまったようね」

東条「お昼に作り置きして冷蔵庫に入れておいたからすぐ出せるわ、温め直すから待っててちょうだい」厨房へ移動

赤松「晩御飯、何かな?楽しみだね!」

百田「そろそろ肉が食いたくなってきたから、肉だと良いんだがな」

白銀「わたしは東条さんのご飯、何でも美味しくて好きだから何でもいいかな」

東条「お待たせ、ハンバーグとサラダよ」ゴトッ

百田「やったぜ!」

白銀「わぁ!ここでの生活でハンバーグが食べられるなんて!」

赤松「すっごく美味しそうだよ、東条さん!」

東条「申し訳ないけれどライスはセルフでついでくれるかしら?」

東条「まだみんながどれだけ食べるのか把握していないの」

東条「ライス用の器は炊飯器の横に置いてあるわ」

赤松「ねえ、東条さんも一緒に食べようよ」

東条「でもまだみんなが来ていないから…」

白銀「先に東条さんも食べちゃっててもいいと思うよ?みんないつ来るかわからないし…」

百田「冷蔵庫の中に入ってるっつったらみんな適当にあっためて食うだろ」

東条「…そうね、じゃあお邪魔させていただくわね」

赤松(私達が4人で食べていると、他のみんなも続々と食堂に集まってきはじめた)

赤松(それでも結局全員は揃わずに、入間さんと最原くんだけは食堂に来なかった)

赤松(晩御飯は、入間さんには東条さんが、最原くんには天海くんが持っていくことになった)

キーンコーンカーンコーン…

モノダム『……』画面ブツッ

赤松「あ、もう夜時間になるんだね」

赤松(つい食後も食堂でみんなでくつろいでしまっていた)

東条「ティーカップ等は流しに置いてちょうだい、明日の朝洗うわ」

赤松(それから食堂に残っていたメンバーは慌てて食堂を後にした)



ー寄宿舎ロビーー


白銀「それじゃあ赤松さん、百田くん、今日はありがとう!一緒に過ごせて楽しかったよ!」

赤松「こちらこそだよ」

赤松「白銀さん、おやすみ!」

百田「またな、白銀」

白銀「うん、おやすみなさい」ドアパタンッ

赤松「それじゃあ百田くん、明日は朝8時に食堂に集合して、ご飯食べたら入間さんの研究教室に発明品を取りに行こうね」

百田「おう!赤松、遅刻すんなよ?」

赤松「うん、任せて!」ガッツポーズ

赤松「それじゃあ百田くんも、おやすみ!」手ふりふり

百田「じゃあな」ドアパタン

赤松(さて、私もそろそろ寝るかな…)

ー翌朝、赤松の個室ー


赤松「ふう、よく寝たー…」ふあぁ…

赤松「……」

赤松(今日でデスロードは攻略し終わる予定だけど…)

赤松(やっぱりモノクマってまた復活してるのかな…?)

赤松(モノクマが毎度なんだかんだ言えないでいた追加の動機ってやつが気になっちゃうけど…)

赤松(……不安に思ってたってどうしようもないよね…)

赤松(よし、顔洗おう…)

赤松(私は朝の放送に間に合うように部屋を出る準備を進めた)



ー食堂前廊下ー


東条「あら赤松さん、おはよう」

赤松「おはよう、東条さん」

赤松(私達が挨拶した直後)

キーンコーンカーンコーン…

モノダム『……』画面ブツッ

赤松(まだお葬式続いてるのかな?)

東条「食堂が開いたわね」ドアガチャッ

ー食堂ー


東条「朝ご飯の準備をするから、ちょっと待ってちょうだいね」

赤松「うん!」

百田「あれ、もう来てたんだな」ドアガチャッ

赤松「早いでしょ?今日は私の勝ちみたいだね!」

百田「は!?別に勝負してねーだろ!?」

茶柱「皆さん、おはようございます!」ドアバンッ

夢野「んあー…、まだ眠いと言うとるのに…」

ゴン太「おはよう、みんな」

赤松(ほどなくしておおよその人達が集合してきた)

赤松(やっぱり一部の人達は居ないけど、今朝は最原くんも食堂に食べに来たね)

最原「おはよう、赤松さん」

赤松「おはよう最原くん」

赤松「そういえば最原くん、昨晩は食堂にご飯食べに来なかったけど、どうしたの?」

最原「え?いや……なんか、行きそびれちゃっただけなんだよね」

最原「僕、食事はちょっとルーズなだけだから…気にしなくていいよ」

赤松「そうなんだね。でもご飯はちゃんと時間決めて食べたほうが良いと思うし、みんなで食べたほうが美味しいと思うよ!」

最原「そ、そうかな…?1人で食べても大勢で食べても味は変わらないと思うけど…」

百田「あのなあ、そういう問題じゃねーだろ」

百田「こういうのは気持ちの問題なんだぜ!」

赤松(まあ私達も一昨日、デスロードに夢中でついお昼ごはん抜いちゃってたけどね…)

百田「一緒に食事をすることで、そいつらとのチームワークが生まれるってもんだ」

最原「僕あまりグループで行動することないから…」

赤松「そっか、最原くんは探偵さんだもんね…」

百田「なんつーか、寂しい仕事だな。探偵ってもんは」

百田「最原、なんか悩み事があったらいつでもオレに言えよ」

百田「オレはお前の仲間になってやるからな!」

赤松「私も私も!」

最原「…うん、2人ともありがとう…」

百田「なんなら最原も今日はオレらと一緒に行動するか?」

最原「えっ?」

百田「入間のやつにデスロードの攻略が捗るような発明品を頼んでてな、飯食い終わったらそれ取りに行くんだよ」

百田「それがあれば体力の無さそうなオメーでも、デスロードについて来れると思うぜ!」

最原「…入間さんにそんなものを頼んでいたんだね」

最原「…折角だけど、今日は…僕は他にやることがあるんだよね」

赤松「そっか、それじゃ仕方ないね…」

百田「まあ予定があるならしかたねーな」

百田「予定があるのはいいけどよ、いつでもここから出られるように心の準備だけはしとけよな?」

最原「うん、…いつでも脱出の心の準備はできてるよ」

最原「2人とも、怪我しないように気をつけてね」

赤松「大丈夫だよ!でも心配してくれてありがとう!」

赤松(私と百田くんは朝ご飯を食べ終わると、冷蔵庫に昨日入れた水筒を持って入間さんの研究教室へと真っ直ぐ向って行った)

ー入間の研究教室ー


赤松「入間さん、頼んでたものできた…?」ヒョコッ

入間「……」グッタリ

百田「お、おい、入間!大丈夫か!?」

入間「さわんなカス!ただ仮眠とってただけだっつーの!!」

百田「ね、寝てただけか…。脅かしやがって…」

入間「起きたら目の前に髭面とか…。ったく、最悪の目覚めだぜ…」

入間「で、何のようだ?」

百田「寝ぼけてんだな…。頼んでたもん引き取りに来たんだけど、どうだ?」

入間「ああ、あれか。出来たぞ」

入間「これが…ああ、違う。こっちだ、こっち…」つ発明品

赤松「入間さん、本当に大丈夫…?」

入間「テメーらに渡して説明したらちゃんと寝るから問題ねーよ…」ウト…ウト…

入間「っつーことで、出来たぜバカ松!名付けて『安定した足場を作る道具(仮名)』だ!」

赤松(そのまんまだ…)

入間「本当はもっとイカした名前をつけようと思ってたんだが、眠すぎてなんも思いつきやしねえ!」

入間「だから仮名のままでとりあえず行くぜ」

百田「まあ名前なんてどうでもいいだろ」

入間「よくねーよ!」

赤松(いや、割りとどうでもいいよね…?)

赤松「入間さん、これの使い方訊いてもいいかな?」

百田「見た目はキーホルダーがくっついてる小型のライトみてーな感じだな」

入間「あーっと……、めんどくせえ!貸せ!」バッ

入間「まずこの発明品を足場を出現させたいポイントに向けるだろ」スッ

入間「おおよそ決めたらこのピンク色の突起を押すと…」カチッ

赤松(スイッチとかボタンとか言おうよ…)

入間「2mx2m、厚み3cmのの足場のホログラフィーが出てくる」

百田「うお!?」

入間「この時点だとあくまでただのホログラフィーだから、これだけだとまだ足場になんねーからな」

入間「で、突起を押しっぱでホログラフィーを確認しながら細かい出現位置を調整して、突起から指を離すと実像として現れる」パッ

赤松「!?す、凄い!空中に足場が!」

入間「ちなみに耐久体重は1トンまでで、発生時間は5分だ」

入間「5分経つと自然と消えるぜ!」

入間「何枚でもこれは出現させることができるが、1度出現させた足場は5分経たねーとぜってー消えねえから注意な」

入間「ちなみにこの足場だけどよ、ホログラフィーを出現させながらリモコンの側面についてある歯車を回してやると角度を変えることも出来て、壁にすることもできるぜ」

入間「あとこいつは安心設計で…」

最原「あれ…、2人居たんだね」

最原「ごめん、出直すよ」クルッ

入間「いや、丁度いいとこに来たな根暗原!」

入間「ちょっとそこで四つん這いになりやがれ!」

最原「え!?」

入間「今こいつらに頼まれた発明品の説明をしてたんだけどよ、こいつが安心設計ってことを証明するための実験台になりやがれ!」

最原「何で僕が実験台に!?えぇ…恐いんだけど…」

入間「いいから黙って黄金の脳細胞を持ったオレ様に跪きやがれってんだ!!」ゲシゲシ

最原「痛い痛い!蹴らないでよ!わかったから!!」

百田「おい入間、オレが実験台になるから最原は勘弁してやってくれや」

入間「オレ様は!こいつを跪かせたい気分なんだ!邪魔すんな!!」

最原「えぇ…」とりあえず四つん這いになる

赤松「……なんかごめんね、最原くん…」

入間「じゃあ四つん這いになったダサイ原に向かってホログラフィを出現させて…」カチッ

最原「!?な、なにこれ恐い!」

入間「こいつはちゃんと安全な発明品なんだから動くんじゃねえ!」

入間「で、足場の向きを縦にして壁にするだろ…」ギアカチカチ…

入間「この状態で壁を出現させると」パッ

入間「壁尻の完成だ!!」

最原「えっ」

入間「まあ何が言いたいかってーと、人体に向かって壁を出現させても人体を貫通ってことにはならずに、ちゃんと障害物を避けて足場が出来るんだぜ」

入間「ちなみに、何もこいつが避ける障害物は人体だけじゃなくて、壁が床に対しても避けて出現する特性があるぜ」

入間「だから壁や床には穴はあかねーから安心して使いやがれ!」

赤松「な、なるほど…」

百田「それは確かに安心設計だな…」

最原「…あの、説明終わったならこの壁を消してくれないかな…?」

入間「こいつは5分経たねーと消えねー設計だ」

最原「5分……まあ5分なら…」

入間「ケケッ!おもしれーからこのインスタントカメラで撮ってやるぜ!」パシャッ

最原「何やってるのやめてよ!!」ジタバタ

赤松「な、なんか本当にごめんね最原くん…」

赤松(私達は申し訳なさを感じたものの、最原くんが構わないと言ったので、そのまま入間さんの研究教室を後にした…)

ー中庭ー


赤松「じゃあ、爆弾撤去の為の小石を集めてから行こうね」

百田「おう」

赤松「…最原くん、大丈夫かなぁ…」小石拾い

百田「…一応、5分経ったら壁は消えるんだろ?」

赤松「いや、入間さんにセクハラされてないか的な意味でちょっと心配で…」

百田「……流石に大丈夫だろ…」

赤松「……」

赤松(小石を集め終わった私達は再びデスロードへと向かって行った)



ーデスロード入口ー


赤松「よし、ここで会ったが百年目だよ!」対デスロード用靴に履き替え

百田「今日こそこの因縁に終止符だな!」靴履き替え

赤松「行くよ、百田くん!」

百田「合点だ!」

赤松(私達は最初の鉄の扉を開き、最初のトラップの落とし穴の前に立った)

赤松「よし、早速この『安定した足場を作る道具(仮名)』を使ってみるね」カチッ

赤松「ええっと、この辺に設置すればいいかな?」パッ

赤松(足場を出現させた瞬間、その下にあった落とし穴のセンサーに引っかかったみたいで、落とし穴の蓋が勝手に開いたけど、問題は無さそう…かな…?)

赤松「…じゃあ、この上に乗ってみるね」ドキドキ

百田「一応壁のロープを掴んで気をつけろよ?」

赤松「う、うん…」

赤松(…私の全体重が乗ったね)

赤松「えい!えい!」ジャンプジャンプ

百田「!だ、大丈夫か?」

赤松「うん、大丈夫そうだよ」

赤松「材質もちょっと滑らかなコンクリートみたいな感じで滑る感じもないし」渡り終わる

百田「そ、そうか」

百田「じゃあオレも渡るか…」ソロッ…

百田「…うん、オレが乗っても大丈夫みてーだな」

赤松「1トンまで耐えるって言ってたしね」

赤松「よーし、一応この発明品に慢心せずに気をつけて進もうね」

百田「おう」

赤松(私達は床の落とし穴や床が無いところにはこの発明品を使い、爆弾は小石で撤去を進め、順調にデスロードを進んでいった)

赤松「来た!CLEARの文字のとこまで来たよ!」

赤松「よし、例の高速移動する青い足場、覚悟!」

赤松「青い足場より高い位置に固定の足場を作って橋にして進むよ」カチッパッカチッパッ…

赤松「できた!百田くん、細かい段差に気をつけてね!」

百田「これくらい全然問題ねーな」ヒョイッ

赤松「よーし、クリア……」

赤松「!ちょ、ちょっと爆弾が…ああああ!!?」ドカーンッ

百田「あ、赤松ー!!?」



ーーー


赤松「CLEARって書いてるじゃん…詐欺だよこんなの…」ここまで戻ってきた

百田「モノクマが考えそうな嫌がらせだな…」

赤松「くうっ…!」小石ブンッドカーンドカーン

赤松「よし、先に進むよ!」

百田「おう!」

赤松「CLEAR爆弾を抜けると…な、なんだろうここ、異様に暗いね…」

百田「いかにもトラップ置いてますって感じだな」

百田「赤松、足場のホログラフィを発生させてそれから発せられる明かりで足元を確認しながら進もうぜ」

赤松「なるほど!」カチッ

赤松「あ、これは落とし穴だね」

赤松「落ちないように足場作っておくね」パッ

赤松「他にトラップは…」カチッ

赤松「…うん、無いみたいだね」

赤松「ちょうど暗闇を抜けたところに例の高速移動青い足場があるのが見えるからここに足場を階段状に設置していこっと」カチッパッカチッパッ

赤松「例の動く足場は固定足場の下で上手く止まってるみたいだから、無視して進もうね」

赤松(そんな感じで私達はどんどんデスロードを進んでいった)

赤松(途中、黄色爆弾がどんどん降ってくるところには流石に苦しめられちゃったけど、この発明品の足場を天井にびっちり敷き詰めて、黄色爆弾が降ってこないようにして、横移動してくる黒爆弾は石を投げて迎撃して無事通り抜けることができた)

赤松(ちなみに、檻が降ってくるところも、檻が降ってこないようにこの発明品の足場を天井にびっちり埋めて檻を動かなくして、通り過ぎることに成功した)

赤松(入間さんに最高の発明品を作ってもらえたな、と私は思った)

赤松(そして私達は最後の鉄の扉を開けて…)

赤松(もう二度とみるつもりはない、あのメガホンだらけのモニターの横を通り抜け)

赤松(大きな鉄の扉の前に辿り着いた)

赤松「……ここが、出口…?」

赤松(鉄の扉、というか、正しくは鉄の扉と何かサイバーなバリアみたいなのが張っているのが見える)

モノタロウ「え!本当にクリアしちゃったんだね」

百田「!モノクマーズ…!」

モノスケ「本当はここ、お父やんがコメントしてくれるとこなんやけど、お父やんのスペアがまだ来んからわしらで見送りやで!」

赤松「見送り…ってことは、本当にここが出口なの?」

モノファニー「ええそうよ」

モノファニー「でも…、外に出るのは止めた方が良いと思うわ」

モノファニー「だって……うっ!ゲロゲロゲロゲロ…」

モノダム「……」

モノキッド「ヘルイエー!キサマラのゴールにこの蜂蜜で乾杯してやるぜ!」

百田「……あの扉の向こうは、本当に外の世界なんだな?」

モノタロウ「うん、そうだよ!」

モノタロウ「…あれ?どうだったっけ?オイラ、自信なくなってきちゃったよ」

赤松「……何にしても、開けてみればわかるよ」

百田「そうだな」

赤松「……さあモノクマーズ、早くこの扉を開けて!」

モノダム「……」ポチポチ

赤松(モノダムが扉の側のパネルを操作すると、バリアのようなものが消えて、輝の扉がゆっくりと開き始めた)

モノキッド「刮目しやがれ!これが、キサマラがあれほど望んでた外の世界だぜ!!」

赤松(外の世界の、まばゆい光のその先には……)

赤松「……」

百田「…………」

赤松「……え?」

モノファニー「ううっ、知らないほうが絶対幸せだったのに…」

モノタロウ「あれ?外の世界ってこんなだったっけ?」

モノキッド「ヒャッハー!蜂蜜がうめーぜー!!」

モノスケ「そないな顔してどうしたんや?」

モノスケ「ほら、さっさと出ていってもええんやで?」

モノダム「……一緒ニ帰ロウヨ、学園ニ…」

赤松「…………そんな……!」

百田「……!うっ、がはっ…!」

赤松「百田く…うっ…」ガクッ

モノファニー「キャー!早く扉を閉じて!コイツラが死んじゃうわ!」

モノスケ「なんや、卒業せんのかい」ポチポチ

赤松(その扉は再び閉まっていった)

赤松「…………」

赤松「…どういうこと?」

モノキッド「ん?」

赤松「これはどういうことなの!!?外の世界って言ったじゃない!!出口って言ったじゃない!!」

赤松「なのに…何!?あれは!!」

モノタロウ「え、えっと、オイラにも何がなんだかさっぱりなんだよー!」

百田「まさか、外の世界が滅びてるなんてふざけたこと抜かしたりしねーよな」

モノスケ「その通りやで!」

百田「ふざけんなよ!オレらはたった数日前まで外の世界で生きてたんだぞ!」

百田「それが…、こんな数日であんなになってたまっかよ!!」

モノスケ「キサマラ、ほんとうに外の世界で暮らしとったのが数日前だと思ってんのか?」

百田「数日前に決まってんだろ!!実際そうなんだからよ!!」

モノファニー「あのね、キサマラは記憶が抜け落ちてるからそういう風に思い込んでるだけで、キサマラが外の世界で暮らしてた時なんてずっとずっと昔のことなのよ?」

赤松「…わけわかんないよ!そんなに昔なわけないじゃん!!」

赤松「確かにここに来るまでの記憶はないけど…でもそんなことって…!」

赤松「ありえないよ…!!」

モノキッド「ありえないありえないってうるせーヤツだな…」

モノキッド「キサマラが今このコロシアイに巻き込まれてることだって、外の世界で暮らしていた時から考えたら充分ありえねーことだろ?」

赤松「それは…そうだけど…!」

モノスケ「はぁ…、ここに思い出しライトがあれば説明が早いんやけどなぁ…」

百田「思い出しライト?」

モノスケ「まあ無いもんはしゃーないな」

モノスケ「キサマラにはわけわからへんかもしれんけど、世界は確かに滅びたんやで!」

モノスケ「っちゅーかいつまでここに居たってしゃーないやろ」

モノスケ「デスロードの入口まで送っていくさかい、学園に帰るで」

赤松「…………」

百田「…………」

赤松(私達はモノクマーズに送られて、デスロードの入口まで帰って行った)

ーデスロード入口ー


モノファニー「あ、あの、気を落とさないでね?」

赤松「うるさい!ほっといてよ!!」

赤松「わけわかんないよ…!頭の中ぐちゃぐちゃなんだよ…!」

赤松「消えてよ!!」

赤松(私はモノクマーズ達に石を投げた)

モノファニー「きゃっ…!」

モノクマーズ「「ば、ばーいくま!」」

赤松「…………」

赤松(息が出来なくなったからほんの少ししか見えてなかったけど、確かに世界は滅びてるように見えた)

赤松(……これから、どうしよう…)

百田「赤松、お前はあれ、どう思う?」

赤松「あれって…、外の世界のこと…?」

赤松「……よくわかんないよ…」

百田「オレは…あれはモノクマ達がオレ達を絶望させるために用意した、偽物の外の世界だと思う」

赤松「私だってそう信じたいけど…でも、確かめようがないじゃない、あんな状況じゃ…」

百田「そうだ、確かめようがない」

百田「そこなんだ」

赤松「え?」

百田「モノクマ達はきっと、オレらが偽物の外の世界をよく調べようと外に出ちまわないように、空気を悪くしたにちげーねー!!」

百田「きっと調べたらすぐボロが出ちまう程度の作りなんだぜありゃ」

赤松「……百田くん…」

赤松(きみは、私にまだ希望を持たせようとしてくれてるんだね…)

赤松「…………」

赤松「…それじゃあ、これから、どうする?」

百田「キーボだ、あいつを連れてこよう」

赤松「え?キーボくん?」

百田「あの偽の外の世界の空気はオレら人間には有害かもしれねーが、キーボはロボットだ、問題ねーだろ」

赤松「…確かに、そうだね」

赤松「それじゃあ、早速キーボくんを連れてこよっか」

赤松「そして、あの外の世界が偽物の世界ってことを暴いてもらわないとね!」

百田「ああ」

百田「だが後のことはオレがやる、赤松は休んでろ」

百田「デスロードのトラップの配置と対処法はしっかり覚えてる、問題ねえ」

赤松「え?私、まだやれるよ?」

百田「ひでー顔してんぞ。…休んだ方がいいぜ」

赤松「…そんなに酷い顔してるかな?」

赤松「……でも、じっとなんてしてられないよ…」

赤松「何かしてないと、私…頭おかしくなっちゃいそうで…」涙ポロポロ

百田「赤松はここを出たらみんなと友達になるんだろ?」

百田「だったらあいつらと交流したり、ピアノを弾いて待っててくれ」

百田「安心しろ!オレは宇宙に轟く百田解斗だからな!」

百田「必ず吉報を持って帰ってくるぜ」

百田「それともこのオレが信じられね―ってか?」

赤松「……ううん、そんなことないよ」

赤松「…それじゃあ、おまかせしちゃおっかな」

赤松「百田くん、頑張ってね」

百田「おう!」

百田「ただ赤松、あの偽の外の世界のことはまだみんなには黙っててくれ」

百田「下手に混乱させるといけねーからな」

赤松「うん、そうだね。わかったよ」

赤松(私は百田くんに入間さんの発明品を手渡して、一度部屋に戻った)

誰視点で進めますか?


①赤松(自由行動)

②百田

③最原


安価↓1



本日ここまでです、ありがとうございました

書き溜め分から投下していきます
視点変更につき、それまでの行動の解説がちょっと長いです

最原(この学園での生活をする上で不便なことが1つある)

最原(学園と言っているにも関わらず、校舎内に時計が無いという点だ)

最原(そこで先日の自由時間に倉庫を探したところ、目覚まし時計を見つけることができたので、それを夜時間の放送の時に時間を合わせ、携帯して過ごしている)

最原(腕時計も無いなんて、不便極まりなかった)

最原(食堂と教室にくらい置いて欲しいものだ)

最原(…一応教室には時計のガワだけは壁にかけられてあったが、針が無いので全く意味がない)

最原(せめてこの生徒手帳代わりに持たされてるモノパッドに、時計機能をつけてくれたらいいのに…)

最原(僕はその手持ちの目覚まし時計で時刻を確認すると、現在は昼の1時50分頃だった)

最原(…10分前か、そろそろ移動しようかな)

最原(僕は1階に唯一ある教室へと移動した)

ー教室Aー


最原(僕は教室で席について何かの本を読んでいる彼に話をかけた)

最原「お疲れ様、天海くん」

天海「お疲れ様っす」

最原(彼は自分の席に置いてある置き時計に視線をやる)

天海「ちょっと早いっすね」

最原「なんか中途半端に時間使いきれなくて…、まあ10分くらいいいかなって」

天海「まあ俺としても話し相手が居たほうが良いですし、早めに来てくれるのは歓迎っすよ」

最原「何か変わったことはなかった?」

天海「午前中にアンジーさんと夢野さんが2人でAVルームで映画1本分くらい観てたくらいっすね」

最原「そっか」

最原(僕らはここで交代で図書室の隠し扉を見張っている)

最原(僕らがここで何故こんなことをしているのは、話せば長くなるんだけど)

最原(ここまでの経緯をかいつまんででも語らないと、行動の意味が分かってもらえそうもないので語らせてもらうよ)

最原(この学園に来て2日目のことだった)

最原(朝、モノクマがエグイサルに事故で破壊された日…)

最原(僕は、同じく学園を調査する気のある天海くんに、僕の持っている情報を共有してもらって僕の捜査に協力してもらおうと思って話しかけた)

最原(天海くんは最初のうちは僕を警戒していたようだけど、僕が図書室にある隠し扉のことを話して、隠し扉に気づいた要因を話すと少しは信頼してくれたのか、彼はある特別なモノパッドを僕に見せてくれた)

最原(天海くん曰く、それはたまたま初日の夜に学内を探索して倉庫で見つけたものらしい)

最原(それは、学内のまだ開放されていない場所が載った地図が搭載されているモノパッドだった)

最原(流石に僕のことはまだあんまり信用してくれてないみたいで、そのモノパッドを僕には貸してくれずに彼がモノパッドを操作してして地図を見せてくれた)

最原(一通り僕に地図を見せると彼はモノパッドしまい、これを見て自分も隠し扉のことを知ったと話してくれた)

最原(朝のモノクマーズの発言を受けて僕は、この奥でモノクマが製造されているんじゃないかと言って、ここを2人で見張るのはどうかと提案したのだけど)

最原(それより他の封鎖されている箇所の調査を提案されて、僕はそれを受け入れた)

最原(2人で24時間ここを見張り続けるのは無理だし、交代で見張るにしても、まだお互いのことを何も知らなすぎたから、お互いがお互いを信じられる人じゃないから、この見張りに意味はあまり無いと思ったからだ)

最原(仲間のふりをした黒幕の関係者って可能性も充分あるしね)

最原(…実際、僕から見ると天海くんは相当怪しく映ったし)

最原(そんなモノパッドが倉庫に、ぽんと置かれているなんて事実だとは思いにくいからね)

最原(多分、別の手段で天海くんはそれを手に入れたんだろうけど、僕のことをまだ信頼してないから話したくないのだろうなと思って、彼の信頼を得るためにも彼の提案をとりあえず受け入れることにしたんだ)

最原(封鎖されている場所の捜査に動き出した僕らはまず、校舎1階の体育館へ続く廊下にある『通行手形 心』『通行手形 体』が嵌められた壁を捜査することにした)

最原(心と体の通行手形の間に同じくらいの大きさの窪みがあり、誰がどう見てもここに『通行手形 技』っていうオブジェクトをはめるんだなと予想がついた)

最原(多分そこにそれをはめればここの壁がどうにかなって、天海くんのモノパッドの地図通りの道が出現するんだろうなということになり、倉庫にある物を使って似たような物を自作することになった)

最原(もしかしたら穴にぴったりハマる物さえ作れれば、確率は低いかもしれないけどここが開くかもしれないという期待を込めて)

最原(そこで僕らはとりあえず穴の大きさを測るためのメジャーと、適当な板とノコギリを見繕いに倉庫へ向かった)

最原(メジャーを確保して材料を見繕った僕らは通行手形の壁に戻り、穴の大きさの記録を取って倉庫に戻り、工作を始めた)

最原(作り終わると材料を片付け、作った通行手形と細かい調整が出来るようにヤスリを持っていき、また壁の元に戻り、ピッタリになるように仕上げ、それを嵌めた)

最原(ちなみに結果を言うと、これは失敗だった)

最原(やはりちゃんと決められた物を入れないといけないらしい)

最原(失敗だったもののあまりにもピッタリにそれを作ってしまった僕らは、それを取り出す為に倉庫に、今度は彫刻刀を探しに行った)

最原(彫刻刀を見つけ出し、作った通行手形を外すために木を掘り出しているところで王馬くんがやって来て…)

最原(相手をするのが面倒だった僕らは王馬くんを無視をして手形を外す作業を続けたんだけど、天海くんが背中のシャツの下に隠していたモノパッドに王馬くんが目ざとく気がついて、そのモノパッドを取られちゃって、中を見られちゃったんだよね)

最原(そこで、地図の他に天海くんが僕に見せなかった『コロシアイを終わらせるヒント』というテキストを見つけちゃって…)

最原(天海くんはすぐモノパッドを取り返したんだけど、それについて王馬くんに質問攻めされちゃったんだよね)

最原(僕はどっちに味方につけば良いのかわからなくなったんだけど、天海くんは最初はあしらってたものの、しつこい王馬くんに結局観念しちゃって、図書室で僕らにモノパッドの内容と入手手段について話してくれたんだ)

最原(結局天海くんは『生徒手帳のモノパッドと一緒にそれを初めから持っていた』としか知らなくて、メッセージの最後に『天海蘭太郎より。』とかなっているけど、そのヒントに全く心当たりがないということも教えてくれた)

最原(それも嘘をついてる可能性がまだあるけどね…)

最原(まあそこで、一応全てを明らかにしてくれただろう天海くんと僕らは、今後の方針を決めたんだ)

最原(もう天海くんも僕らを無理にでも信用するしかなかっただろうしね…)

最原(『コロシアイを終わらせるヒント』を一旦信用することにした僕らは、図書室の奥の隠し部屋をモノクマが製造される部屋と仮定して、交代で見張りをすることになった)

最原(時間8時間づつ、朝6時〜14時が天海くん、14時〜22時が僕、22時〜6時が王馬くんが図書室を見張るということになった)

最原(そして見張りの開始は、モノクマがまた壊れてからということになった)

最原(今日は全然図書室を見張れてないから、多分スペアくらい作られてそうだしね…)

最原(肝心のモノクマの破壊方法は、事故に見せかけてまた壊すというものだった)

最原(王馬くんが天海くんを適当に煽って怒らせるから、それで王馬くんに攻撃するように見せかけてモノクマに暴力を振るうという算段だ)

最原(モノクマに暴力を振るうと多分、またエグイサルが出てくるだろうから、エグイサルを誘導して上手くモノクマに攻撃を当てさせるという、ちょっと運任せな作戦だった)

最原(結果的には、エグイサルが出てくるまでもなくモノクマが自爆という形になったけど、まあ上手くいってラッキーだったというか…)

最原(…というか、モノクマ達はあんな校則を設けているにも関わらず、僕らのことをあまり本気で殺そうとはしていないように思えた)

最原(やっぱり、生徒同士が殺し合うということにこだわっているんだと思う)

最原(もし本当にそうなら、モノクマ達に対してもう少し無茶なことができるんだけど…)

最原(…確証が持てない以上、あんまり踏み込んだことは今はしない方が良いよね)

最原(まあなんとかモノクマを破壊させることが出来た僕達は、その瞬間から図書室の見張りが始まったんだ)

最原(朝だからかねてから決めていた通り、天海くんから見張りをすることになった)

最原(まだ僕らには黒幕をおさえる証拠を残す手段が無かったので、この日はダイレクトに図書室に居座り、黒幕を牽制することになった)

最原(とりあえず隠し部屋の入口がある図書室にさえずっと居れば、モノクマのスペアを作りに来ることはないだろうってことで、証拠が残せるようになるまではこれで、ってことで前日から決めていたことだった)

最原(でも幸いこの日の朝、入間さんの研究教室が解放されたってことで、僕と王馬くんは入間さんに目的を伏せてある発明品のお願いをすることにした)

最原(動きに反応するセンサーに連動してシャッターが降りるようになるカメラの発明品だった)

最原(カメラやセンサーの場所自体は、前日の通行手形を作る為の材料を探している段階で見つけていたので問題なかった)

最原(センサーとカメラを1つずつ持って僕らは入間さんの研究教室を訪れ、上手いこと王馬くんが言いくるめてくれて、無事開発してもらえることになった)

最原(明日の朝までに開発してもらえるように約束を取り付けた僕らは、一度天海くんの元へ報告しに図書室へ向かって入間さんの発明品の話をし、明日からの行動をまた決めた)

最原(話し合いで決まった内容は、明日の朝ご飯の後に僕が入間さんの研究教室へ頼んだ発明品を取りに行き、それからセンサーを動く本棚の上に設置し、それと連動するカメラを本棚の中に設置し、今後はセンサーのスイッチを入れて地下へ続く階段の近くの教室から24時間体制で見張るというものだった)

最原(この学園には監視カメラの類が見当たらないし、黒幕が油断してこのまま地下の隠し部屋へ入っていったらいいんだけど…)

最原(…なんて不安に思ったところで、今の僕にできることは他の2人を信じて、こうして交代で見張ったり、空き時間に他に隠しルートでもないかと学園内を探索することしかないんだから、どうしようもないんだけどね)

最原(まあそんなわけで、見張り交代しながら僕は今朝、入間さんの研究教室に発明品を取りに行って天海くんと一緒にそれを設置して監視場所を移して今に至るよ)

最原(で、あと10分で僕の交代の時間ってわけなんだ)

最原(…回想が長くなってしまって申し訳ないと思う)

天海「最原くん、どうしたんすか?」

最原「ううん、別に何でもないよ」

最原「ただちょっと、改めて今までのことを振り返っただけで…」

天海「そうっすか」

天海「そういえば最原くんはちゃんと暇つぶしの道具何か持ってきてるっすか?」

最原「えっと、昨日から図書室で読んでた本を持ってきたよ」

最原「他にも一応予備でもう1冊あるよ」

天海「やっぱ本くらいっすよね、俺も本で暇つぶしてたっす」

最原「天海くんは何読んでるの?」

天海「今読んでるのは、海外のある旅人の旅行記っすね」

最原「面白い?」

天海「ええ、まあ」

最原(そう言って天海くんは栞を挟んでそれを僕に見せてきたけど…)

最原「…英語の本が読めるなんて天海くんは凄いね…」

最原「僕にはさっぱりだよ」

最原(僕の英語力はさっぱりって程でもないけど、英語の文章を読み続けるのには凄く労力がいることだし、普通に日本語の本を読む5倍は疲れることだと思う…)

天海「最原くんは英語が苦手なんすか?」

天海「良かったら教えるっすよ」

最原「え…」

天海「英語くらい覚えといて損はないっすよ」

天海「この本を教科書にしましょうか」

最原(それから2時間くらい天海くんの英語講座が行われた…)



ーーー


最原(つ、疲れた…)

天海「最原くんも疲れたでしょうし、今日はこのくらいにしとくっすね」

最原「またやるんだね…」

最原「…でも、久しぶりに勉強できてなんだか楽しかったかな」

最原「天海くんは教え方が上手だし、天海くんの才能は『超高校級の家庭教師』とかかな?」

天海「うーん…、しっくり来ないっすね」

最原「そっか、じゃあ違うのかな」

天海「じゃあ俺そろそろ行くっすね」

最原(僕は天海くんからセンサーのリモコンを受け取って、それを制服のポケットに入れた)

天海「飲み物とかトイレとか大丈夫っすか?」

最原「うん、大丈夫だよ」

最原「飲み物とかは結構モノモノマシーンで出したから持ってるんだよね」

最原「トイレも、まあ、センサーのリモコン一応持ってるし、もし離席ってなっても大丈夫だよ」

天海「そうっすね」

天海「それじゃあ、あと6時間頑張ってくださいっす」

天海「また様子見に来るんで」

最原「うん、ありがとう」

最原(天海くんを見送った僕は、図書室から持ってきた本を読むことにした)

最原(今読んでいるのは推理小説で、もう1つ予備にと持ってきたのは、SF小説だった)

最原(SF小説の方は、かなり昔に実写映画化された物だから、多分面白いんじゃないかなぁと思ってなんとなく持ってきた)

最原(その映画、観たことないんだけどね…)

最原(小説を読んで15分くらいした時に彼女はやって来た)

白銀「最原くん、何してるの?」ヒョコッ

最原(教室の開いたドアから彼女が顔を覗かせる)

最原「えっと、小説を読んでるよ」

白銀「面白い?」スタスタ

最原「うん、面白いよ」

最原(白銀さん、雑談しに来てくれたのかな?)

最原「推理小説だから、登場人物のアリバイを考えながら誰が犯人か考えていくのが楽しいね」

白銀「へー、流石探偵さんだね!」

白銀「映画とかもやっぱりミステリー物やサスペンス物観るの?」

最原「小説は結構見たりするけど、映画ってそんなに観ないんだよね。ドラマも…」

白銀「じゃあさ、今からAVルームで映画観ない?」

最原「えっ…」

白銀「小説も面白いと思うけど、映画も面白いよ!」

白銀「原作が無いけど面白い映画とかもあるし、最原くんには色々観て欲しいなぁ…」

最原(困ったな…。白銀さんは好意で言ってくれてるんだけどうけど、僕は今見張りをしないといけないし…)

最原(それに映画なんて観てたらセンサーが鳴っても気づかなそうだ…)

最原(なんとかして断らないと…)

最原「えっと、ごめん…」

最原「映画も良いと思うけど、今はこの小説を読んでたいから…」

白銀「はぁ…、天海くんと2時間英語の勉強をするのは良いけど、私と2時間映画を観るのは嫌なんだね…」

最原「えっ……」

白銀「実はちょっと前にも最原くんを映画に誘おうと思って来て、ちょっと立ち聞きしちゃったんだよね」

最原「…そうなんだ」

白銀「…最原くん、ひょっとして私のこと嫌い?」

最原「えっ!?」

白銀「だって流石に、私と映画観ることが英語の授業以下ってのは…そういうことなんだよね?」

最原「いや、嫌いじゃないよ!?そこは誤解しないでほしいな…」

白銀「本当!?じゃあ今から一緒に映画観てくれるかな?」

最原「いいとm……はっ!」

最原(困ったな、断りづらいぞ…)

最原(…どうしよう)

最原(何て言えば断れるかな…)



①諦めて一緒に映画を観に行く

②本当は白銀のことが苦手だと告げる

③実は映画は苦手だと言う

④実は英語が大好きなんだと言う

⑤実は天海のことが好きだと言う


>>↓1安価

最原「実は僕、映画って苦手なんだよね…」

白銀「え?どんなところが苦手なの?」

最原「え、えっと、音が大きい所と小さい所の差が激しいからさ、大きな音のところでびっくりしちゃうんだよね」

白銀「まあ、ホラー映画とかだと驚かしポイントでそうなっちゃうのは仕方ないよね…」

白銀「なら、ホラーものとかスリラーものを避けたら大丈夫じゃないかな?」

最原「そ、そうだね…」

白銀「他には?」

最原「他?えっと…、暗いのもちょっと…」

最原「ほら僕探偵だから、なるべく周りは見えておきたいっていうか…」

白銀「映画観てる時に現実世界で事件が起こるとか思いにくいけど…」

最原「浮気調査でたまに映画館にも行くから、その癖が抜けにくくて…」

白銀「職業病だね?だから映画に集中出来ないんだね」

白銀「でもこの才囚学園ではそういう心配もしなくていいんじゃないかな?」

白銀「だから一緒にリラックスして映画を観る訓練しよっか!」

最原(好意がつらい…!)

白銀「じゃあ今から、『最原くんに観てもらいたい10の凄い映画』をプレゼンしていくよ!」DVDのパッケージを机の上にドンと置く

最原(!?何か急に始まった…)

白銀「まずはこれ、メメント!」

白銀「2000年公開の映画で、監督はあのクリストファー・ノーランで…」



ーーー


白銀「で、何か気になる映画あったかな?」

最原(どれもこれも気になる…!!)

最原(白銀さんのこのプレゼン能力の高さは何なんだろう…)

最原(…待てよ?僕の見張りの時間外だったら良いんじゃないかな?)

最原「白銀さん、夜時間以降なら僕良いよ?」

白銀「えっ!?最原くんまさか……わたしを誘ってるの!?///」

最原(しまった…、何か誤解を生んでしまった…)

最原「…えっと、明日の朝とかでも勿論良いし…」

白銀「ん?何で今からだと駄目なのかな?」

最原「…………」

天海「最原くん、女の子がこんなに言ってるんだから行ってあげたらどうっすかね?」スタスタ

最原「あ、天海くん!」

天海『モノパッドのマップを見たら、白銀さんがずっとこの教室に居るのが見えたんで、気になって来たっす』(小声)

最原『ありがとう、助かったよ天海くん…!』(小声)

最原「うん、じゃあ、白銀さん、いいよ!映画観よっか」

白銀「ほんと?やった!じゃあ早速観に行こう!」腕グイグイ

最原「あ、ちょっと待って…」

最原(見張り交代するなら天海くんにセンサーのリモコンを渡さないと…)

白銀「はやくはやくー!」腕グイグイー

最原(あ…、リモコン渡しそびれちゃった…)階段とこまで引っ張られて来た

天海(…まあ、教室から階段の見張りと、モノパッドのチェックでなんとかするっすかね…)

ーAVルームー


ドアパタンッガチャッ

白銀「じゃあ何観る?」

最原「えーっと…、じゃあ、シャッターアイランドってやつが観たいかな」

最原(他にも色々気になるけど、とりあえずこれだけ観て、後日また観ようかな)

白銀「オッケー、DVD入れるね!」

白銀「倉庫からポップコーン持ってきたからこれ食べようね!」

白銀「あ、飲み物も持ってきたよ!」つオレンジジュース

最原「ありがとう、準備いいね」

白銀「まあ、誘ったからにはね?」

白銀「これ観るの久々だなー」ポップコーンモグモグ

最原(ほんと、映画なんて観るの久しぶりだなぁ…)

ー138分後ー


白銀「どうだった?」ジュースゴクゴク

最原「えっと、凄く面白い展開だったよ」

最原「ちょっと可哀想だけどね」

白銀「確かに本人からしたらちょっとあれだけど、第三者視点でこうやって観る分には最高に面白いよね」

最原「まあ、うん、そうだね」

最原「…映画でも小説でもそうだけどさ、僕割りと感情移入しちゃうからあんまり可哀想なのは見てられないけどね…」

白銀「へー、なんだか意外だね」

白銀「勝手なイメージだけど、探偵って何でもに対して割り切って見たりしてるイメージあるからさ」

白銀「最原くんってフィクションって分かってても感情移入しちゃうんだー…、ふーん…」

最原「…僕、そんなに冷たい人間に見えるかな?」

白銀「冷たいっていうかクールっぽいんだよね、外見が」

最原「白銀さんはあんまり物語とかに感情移入しないの?」

白銀「うん、あんまりしないかな?」

白銀「そりゃあ推しが死んじゃったら、次の週からもう出番が無いんだ…って絶望はしちゃうけどね」

白銀「でもちゃんと見せ場のある死ならむしろ大歓迎だよ!」

最原「そ、そうなんだ…」

白銀「じゃあ最原くん、次は何観る?」

最原「えっと、もういいかな?」

最原「確かにまだ気になる映画はあるけどさ、久々に映画観ちゃったからなんだか疲れちゃったし…」

白銀「そっか。じゃあ最原くん、お話でもしよっか」

最原「…いいよ。上で話そっか」

白銀「ううん、ちょっとここで聞いて欲しいことがあるんだよね」

最原「ここじゃないと駄目かな?」

白銀「うん、ちょっと他人には聞かれたくないことだから…」

最原(…何かこの学園の秘密や黒幕に関する情報を手に入れて、探偵の僕に相談したいってことかな?)

最原「わかったよ。話してみてくれないかな?」

白銀「あのね、実はわたし、最原くんのことがひと目見た時からずっと好きだったんだよね!」

最原「……んん!?」

白銀「最原くん!私とお付き合いしてください!!」手がしっ

最原「え、ちょっと、待って…!///」

最原「な、何で!?」

白銀「何でって?」

最原「だ、だって、こんなところに閉じ込められてコロシアイを強要されてる状態でさ、僕に一目惚れするっておかしいでしょ!」

白銀「そんなこと言われても…、一目惚れなんだから仕方ないよね?」

最原「…白銀さん、僕をからかってるでしょ?」

白銀「え?心外だなぁ…、わたしは本気だよ?」

最原「じゃ、じゃあ、僕のどこが好きなのか具体的に言ってよ…」

白銀「んー…、言うのも恥ずかしいけど、全部好きだよ!」

白銀「その中性的な外見や、長いまつげ、林原似ボイス…!」

最原(林原って誰…)

白銀「どれを取っても最高だよ!」

最原「……一目惚れするならさ、普通、天海くんみたいなイケメンを好きになるんじゃないの?」

白銀「うーんと…、確かに天海くんって誰もが認めるイケメンだけどさ、なんというか、陽キャラすぎて無理、みたいな?」

白銀「ていうか、女子がみんな俳優やモデル好きだと思ったら大間違いだよ!」

最原「まあ、言えてるけど…」

白銀「というか、最原くんも普通にイケメンだよね?」ズイッ

最原「ちょ、白銀さん、顔近いよ…!///」

白銀「最原くんが帽子被っちゃってるから、こうやって覗き込むしかないよね?」

白銀「……はっはーん、ひょっとして最原くん、今まで誰ともお付き合いしたことがないのかな?」

最原「べ、別にいいだろ…」

白銀「うんうん、いいよ!最原くんはそういうところも含めて可愛いよね!」ギュッ

最原「うわ、ちょっと…!」突き飛ばす

白銀「…どうして突き飛ばすのかな?」

白銀「ねえ、やっぱり最原くんってわたしのことが嫌いなの?」ウルウル…

最原「いや、違うけど、急にそんな…抱きついてきたから…」

白銀「なるほど、照れちゃったのか。そっかそっか」

白銀「ねえ最原くん、わたしと良いことしない?」

最原「えっ!?」

白銀「大丈夫、鍵かけたから誰も入ってこれないよ!」

最原「鍵…えっ!?」

白銀「ねえいいでしょ?」

最原(そう言って白銀さんは僕の制服を触ってきて…)

最原「ご、ごめん!!」ドンッ

白銀「きゃ!」

最原(僕は白銀さんを再び突き飛ばして、慌ててAVルームから脱出してそのまま階段を駆け上がって逃げ出した)

ー教室Aー


天海「あ、最原君。おかえりなさ…どうしたんすか?」

最原「…………いや、別に…///」

天海「随分慌てて階段を駆け上がってきたようっすけど、何かあったんすか?」

最原「な、何も無いって…」

天海「…最原君。隠し事してるっすよね?」

天海「俺らは共闘関係にあるんすから、隠し事は厳禁っすよ」

最原「大したことないから…」

天海「大したことかどうかは俺が決めるっす」

最原「……白銀さんにちょっと、…襲われかけただけだから…」

天海「!まさか白銀さんが最原くんを殺そうとしていたなんて…」

天海「俺ちょっと白銀さん怒ってくるっす!」

最原「待って!違う!違うんだ!!」腕を掴んで引き止める

天海「どう違うんすか!?」

最原「あの、そういう襲うじゃなくて……あの…///」

天海「…………あ、察しました」

最原「そういうわけだから、大した問題じゃないよ…」

天海「コロシアイに比べると大した問題じゃないっすけど、最原君的には大した問題なんじゃないっすか?」

最原「…………」

天海「……もう深くは聞かないっすけど、残りの見張り、1人で大丈夫っすか?」

最原「う、うん、大丈夫…」

天海「…一応俺が見張ってた間のことを報告しとくっすけど、最原君が上がってくる直前にゴン太君が下に降りていったっす」

天海「モノパッドのマップを確認すると、今ゴン太君はAVルームで白銀さんと何か観てるようっすね」

最原「そ、そっか…」

最原(慌ててて、ゴン太くんとすれ違ったのでさえ気づかなかったよ…)

天海「2人は何か映像観てるようですし、センサーも鳴らないし大丈夫っすね」

最原「あ、そうだ、センサーのリモコン…」

最原(ちょっと揉み合いになってしまったから、念のためにセンサーをリモコンを確認しようと思ったんだけど…)

最原「…あれ?」

天海「…どうしたんすか?」

最原「そ、それが、センサーのリモコンが無くて…」

最原「……多分、揉み合いになった時に落としたんだ…」

天海「…困りましたね…」

天海「今リモコンを探しにAVルームに行くのは…」

最原「ちょっと無理かな…」

最原「僕も戻りにくいし、AVルームに行ってない天海くんが何かを探しに行くのはおかしいしね…」

天海「仕方ないっすね、今から俺はAVルームで一緒に映像を観るフリして、センサーが鳴らないか監視に行ってくるっす」

天海「最原くんはそのままここで、ここを通り過ぎる人とモノパッドのマップでみんなの現在位置の監視を頼みます」

最原「天海くん、なんか仕事増やしちゃってごめんね…」

天海「これくらい問題ないっす」

天海「白銀さんとゴン太君が居なくなったら俺はセンサーのリモコンを探しますよ」

最原「うん、お願いするよ」

最原(そうして地下へ降りていく天海くんを僕は見送った)

最原(時計が19時に近くなった頃、ようやく白銀さんとゴン太くんが地下から上がってきた)

最原(その間僕はモノパッドのマップを監視していたけど、白銀さん、ゴン太くん、天海くんは確かにずっとAVルームに居たようだ)

最原(彼らがこの教室を通り過ぎる時、白銀さんが一瞬教室に入ってきて)

白銀『さっきはごめんね!』

最原(と謝ってきた)

最原(謝るために入ってきたのに、身構えてしまって申し訳ない…)

最原(それから10分くらいして、天海くんがこの教室に帰ってきた)

天海「ソファの下に落ちてたっす」つセンサーのリモコン

最原「良かった、それだと白銀さんの目には触れてないようだね」

最原「僕が何か怪しい行動をしてると感づかれたら危ないもんね」

天海「……」

最原「どうしたの?天海くん」

天海「…実は発見した時、リモコンのスイッチが切れてたんすよね」

最原「え!?」

天海「落とした拍子に床とかに当たって、スイッチが切れてしまったかもしれないっすね…」

最原「…でも、センサーのスイッチが切れてた間も僕はここで地下に降りる人達の監視をしていたし、モノパッドのマップで隠し部屋周辺の人のことを監視してたし、多分、大丈夫だと思うけど…」

天海「……だと良いんすけどね…」

ー22時、教室Aー


最原「……ってことが昼ありました…」

最原(見張りの交代に来た王馬くんに、僕は昼あったことを話した)

王馬「何やってんの」

最原「で、でも、一応モノパッドのマップで隠し部屋周辺の人のことは見張ってたから…」

王馬「あんまりそのマップのことを信用しない方が良いよ?」

最原「え?でもこのGPS、正確みたいだけど…」

王馬「じゃあ今ちょっとマップ開いてこの辺見てみなよ」

最原「?別に何の変哲も…」

最原「……あれ?僕のGPSはちゃんと教室Aに表示されてるのに、王馬くんは寄宿舎の自室に居ることになってる…」

王馬「だからそのマップだけに頼るのは良くないよ」

最原「え、これどうやったの!?」

王馬「そのGPSは、寄宿舎の部屋の鍵に反応してるだけなんだよね」

王馬「だから鍵さえ置いてくれば居場所を偽証することができるよ」

王馬「コロシアイ生活中に自分の部屋の鍵を持ち歩かない人なんて居ないだろうって思うから、気づきにくいだろうけどさ」

最原「な、なるほど…」

最原「ってことは王馬くん、今部屋鍵かけてないの!?」

最原「それは不用心すぎるよ!」

王馬「鍵なら別の方法でかけてるから安心していいよ?」

最原「そ、それなら良かった…」

最原「って、開ける時は!?」

王馬「開ける時も別の手段で開けることができるから大丈夫だよ」

王馬「それにオレが鍵を持ち歩かないのはこの夜時間だけにするから、みんなの目にはつかないだろうし」

最原「…王馬くん凄いね…」

王馬「まあオレって総統だしね?」

最原(それとこれの何の関係が…)

王馬「まあそういうわけだから、そのマップのことは信用しない方がいいよ」

王馬「黒幕ならきっと、GPS付きの鍵とそうでない鍵の2つ持ちとかしてるだろうし…」

最原「……ところで王馬くん、その布は何?毛布代わり?」

最原(僕は王馬くんがマントのように羽織っている黒い布を指摘する)

王馬「ああ、これ?倉庫で見つけたんだよね」

王馬「ほらオレって服が白いから目立つじゃん?」

王馬「なるべくオレの姿を隠せるようにする為の布だね」

王馬「最原ちゃんが帰ったら教室の電気も消して、オレは完全に闇に溶け込むよ!」

王馬「黒幕が動くとしたらやっぱり夜だろうし、バレちゃわないようにしないといけないしね」

王馬「あとカッコイイでしょ?これ」バサッ

最原「…暗いからって寝ちゃわないようにね?」

王馬「大丈夫!オレは夜型だからね!」

王馬「それに万が一寝ちゃってもセンサーが鳴ったら起きるでしょ、多分」

最原「……まあ、気をつけてね」つセンサーのリモコン

王馬「うん、最原ちゃんもおやすみー」電気消灯

最原(そのまま僕は真っ直ぐ自分の部屋へ帰った)

キリが良いので本日これにて終了します
コメント書いてくださってる方々ありがとうございます!

やっぱりV3は頭キレるキャラが多くて面白いな
SS書く方は大変そうだけど

乙ありでした
投下再開します

ネタバレに関わることもあるので内容に関するコメ返しは避けさせていただきますが、考察などしていただいて嬉しいです


>>195
V3は頭いいキャラ多くていいですよね

ー食堂前廊下ー


最原(朝8時半か……)

最原(僕は大体いつも朝の放送を目覚まし代わりにするから、それから部屋を出る準備をするといつもこれくらいに食堂に辿り着く)

最原(他人からは遅いと思われるかもしれないけど、僕は朝が苦手だから、学校や探偵の仕事の無い日は、むしろもっと起きるのが遅いくらいだ)

最原(この時間は見張りの交代をしてまだ間もないから、王馬くんは部屋で寝ているだろうし天海くんは見張りをしているんだろうな、と考えながら僕は食堂のドアを開ける)

最原(食堂内では食事を終えてくつろいでいる者や、僕と同じように遅めの朝食を取る者、様々居た)

最原(ちなみに入間さんはテラス側のテーブルの隅で発明品をガチャガチャと弄り回していた)

最原(…やたら物々しい格好で)

最原(その出で立ちのせいで他のみんなに「あ、入間さんヤバイ発明品弄ってるんだ…」と思われているようで、みんななるべく遠くに座っていた)

赤松「あ…、おはよう、最原くん」

最原「おはよう、赤松さん」

最原(僕は、朝食の食器を洗い場に運ぼうとしている赤松さんに挨拶をする)

最原(今日はまだ百田くんは起きてきてないのかな?)

最原(最近2人はずっと一緒に居たから、一緒でないとどうしているのか気になってしまう)

最原「ねえ赤松さん、百田くんは?」

赤松「えっと…、どうしてるんだろうね?」

赤松「今日は朝の約束してなかったから…、多分、疲れて寝ちゃってるのかな?」

最原(……赤松さんから特にデスロードの話が出てこないということは、やっぱり昨日でクリアするのは無理だったんだな…)

最原(にしても、やたら元気が無さそうに見える…)

最原(僕は…)



①そっとしておくことにした

②「何か今日は元気がないね」と言った

③「デスロードどうだった?」と訊いた

④「キーボくんがあんまり食堂に居ないのってやっぱり、物を食べないからかな?」と雑談した


>>↓1安価

最原「何か今日は元気がないね」

赤松「え?そうかな…?」

最原「…何かあった?」

赤松「ううん、別に何もないよ!」

赤松「ほら、朝だからまだ気持ちが起ききれてないから、元気ないように見えちゃってるだけだよ」

最原(…ここ数日の赤松さんを振り返ってみると分かるけど、彼女はいつも朝から元気があるように見えた)

最原(だからそれは嘘だってすぐに分かったんだけど…)

最原(嘘をつくということは、きっと僕に触れられたくないことなんだろう)

最原(…百田くんと喧嘩したとかいうわけじゃなきゃいいんだけど…)

最原「そっか、朝なら仕方ないよね」

最原「実は僕も朝苦手なんだよね」

赤松「最原くんって低血圧そうだもんね、肌も真っ白だし」

最原(…遠回しに頼りないって言われてるのかな?;)

最原(いや、あんまり考えてないで思ったこと言ってるだけなのかも…)

赤松「最原くん、ご飯をちゃんと食べたら多分血の巡りも良くなって低血圧も治るよ!」

最原(やっぱり頼りないって思われてる!?)

最原(…ただ世話焼き気質なだけかも…)

最原(僕が色々思案していると、そいつは突然やってきた)

モノクマ「シュワッチ!!」ボヨヨーン

全員「!?」

モノクマ「オマエラ、おまたせ!帰ってきたモノクマだよ!」

最原(食堂内に居るみんなは入間さんの方に近づかないように、食堂の入口から見て左側に集まっていた為、モノクマはスペースの空いてる入間さんのすぐ近くに現れた)

最原(そして突然のモノクマの出現に驚いた入間さんが…)

入間「ひぃいいいい!!?も、モノクマぁああ!!?」ブチッガチャッ

最原(発明品からしちゃいけないような音をさせて、僕らの居る方へと逃げてくる)

最原(直後……)

ドカーンッ

最原(その発明品を中心に半径3mが吹っ飛んだ…)

全員「……」

白銀「…えぇっ…」

モノクマーズ「「おはっくまー!」」

モノタロウ「…って、またお父ちゃんが死んでる!?」

モノファニー「今までで一番早い退場だったわね…」

モノスケ「風のように早い退場やな」

モノキッド「よーし、また葬式すっか!蜂蜜持って来いやー!!」

モノダム「……」

モノクマーズ「「ばーいくま!」」

全員「……」

>白銀「…えぇっ…」


完全に素だな。これ

最原(…一応、入間さんを庇う準備は出来ていたんだけど…)

最原(まあ、事故って思ってくれたんだろうね)

最原(元々そう言いくるめる予定だったけど、手間が省けたな…)

入間「あ、あぶねー…」

星「おいおい、それはこっちの台詞だぜ」

入間「はぁ!?オレ様のせいじゃなくてこれは」

最原「んんっ!あー、なんか喉の調子が悪いなー」

入間「…とりあえず換気すっか」テラスのひしゃげたドアを蹴り開ける

東条「厨房の換気扇も回してくるわね」スタスタ

白銀「…みんな、この状況に慣れちゃったんだね…」

アンジー「まあもう3度目?だしねー」

夢野「しかしモノクマーズも非情じゃな」

夢野「モノクマは仮にもあやつらの親だと言うのに…」

春川「結局あいつって何しに出てきたの?」

ゴン太「えっと、この前言えなかった追加の動機ってやつを言いに来たんじゃないかな?」

赤松「…まあ、結局また聞く前に壊れたみたいだし、良かったよね」

最原「うん、そうだね…」

最原(それにしても、24時間体制で見張っていたにも関わらずモノクマのスペアが作られていたなんて…)

最原(これは天海くんと王馬くんに報告しないとね…)

最原(そしてスペアが作られた時刻は恐らく…)

最原「……」

最原(それと次モノクマが現れた時は、どう事故に見せかけて壊すかまた考えないとね…)

最原(まあこの辺はまた王馬くんと相談して決めよう…)

最原(僕はとりあえず朝食を食べる為に厨房にパンと飲み物を取りに行って、校舎内の廊下にあるテーブルと椅子に腰を掛けてそれを食べた)

最原(食堂内にあるテーブルは大破してしまって使えなくなったからだ)

最原(ちなみに食堂のテーブルはお昼までに東条さんが直してくれるらしい)

最原(メイドってそんなことまで出来るんだね…)

最原(僕は、逆に東条さんが出来ないことって何だろう、とか考えながらパンを食べ終わった)

最原(まず王馬くんに声をかけて教室まで連れて行って、そこで事情を話してそのまま作戦会議っていうのが一番いいよね)スタスタ



ー寄宿舎、王馬の個室ー


ピンポーン

最原(…やっぱ寝てるよね…?)ピンポーン

王馬『…誰?』ドア越し会話

最原「えっと、最原だけど…」

王馬『寝てるの知ってるよね?何の用かな?』

最原「ちょっと重要な話があるんだ」

最原「今から僕と一緒に教室Aに来てくれないかな?」

王馬『……5分待って』

最原「う、うん」

最原(やっぱり、眠そうな声だね…)

王馬「はい、お待たせー」ふあぁ…

最原「ご、ごめんね、寝てたのに…」

王馬「ほんとだよ!たいして重要でもない話だったら、今度最原ちゃんに持ってく晩御飯にワサビだか辛子だか入れまくってやるからね!」

最原「それは困るよ…」

王馬「じゃあ早いとこ行ってさっさと話終わらせよっか」スタスタ



ー教室Aー


天海「あれ、最原くんに王馬くんまでどうしたんすか?」

天海「…今朝の爆発音の件っすかね?」

最原「うん…」

王馬「爆発音?」

最原「実は今朝、僕が食堂に行くと、モノクマが復活して現れたんだ」

天海「……」

王馬「ふーん、モノクマは動機を話した?」

最原「いや、モノクマが登場して挨拶した段階で、入間さんが手筈通り壊してくれたよ」

天海「それが例の爆発音っすか…」

王馬「いやー、それにしてもおかしいよね」

王馬「ここ通る人を24時間見張って、かつ動く本棚にセンサーまで取り付けてるのにさ、なーんでモノクマの新しいスペアが来ちゃったんだろうね?」

最原「……昨日の夕方の、センサーのスイッチが切れてた間に黒幕が何かしらの方法で地下に行って隠し部屋に入ったんだろうね…」

天海「くらいしかないっすよね…」

王馬「仮にその時間にモノクマの製造が行われたとすると、その時間一緒に居てアリバイが成立している白銀ちゃんとゴン太は黒幕じゃないってことになるね」

王馬「そしてその間、最原ちゃんはこの教室から地下へ行く人を見張っていた…そうだよね?」

最原「うん」

王馬「地下にセンサーのリモコンを取りに行った天海ちゃんがこの教室に戻ってくるまでの間に、誰か地下に降りる人は居た?」

最原「…いや、居なかったよ」

王馬「ってことは、その時間にモノクマを製造出来るのはたった1人しか居ないよね?」

天海「……まさか…」

王馬「うん、天海ちゃんが黒幕なんじゃないの?」

天海「違うに決まってるじゃないっすか!!」

最原「王馬くん、何てこと言うんだよ!」

最原「天海くんが黒幕なわけないよ!」

王馬「反論したいならさ、こっちがちゃんと納得できる言葉で反論しなよ」

王馬「確か、白銀ちゃんとゴン太がこの教室の前を通って食堂へ向かった10分後に天海ちゃんが戻ってきたんだったよね?」

王馬「10分あればAVルームから図書室へ行って、センサーを切ってから隠し扉を開けて中に入ってモノクマを製造してこの教室に戻ってくることくらい充分可能だよね?」

天海「!そうだ、GPS…」

天海「最原くんはその時、モノパッドのマップも監視してたっすよね?」

天海「俺の動きも監視してくれてたんじゃないっすか?」

最原「…うん、見てたよ」

最原「確かに白銀さん達が1階へ上がって来た後、天海くんのGPSはしばらくAVルームに表示されていて、その後まっすぐこの教室に戻ってきたけど…」

天海「だったら俺は無実っすね」

王馬「そうはいかないんだよなぁ」

天海「どういうことっすか?」

王馬「最原ちゃん、説明してあげなよ」

最原「…天海くん、実はこのGPSの表示は僕らの居場所を表示してるわけじゃなくて、正しくは僕らの寄宿舎の部屋の鍵のある場所を表示しているんだ」

天海「寄宿舎の部屋の鍵のある場所…!?」

王馬「そう!だから、AVルームに鍵を置きっぱにすればモノクマの製造は全然可能なんだよ!」

天海「そんな…、そんなこと知らなかったっす…」

王馬「知らないなんて通じないよ」

最原(…確かにこれならその時間に天海くんにモノクマの製造は可能だ)

最原(でももしそうならこれはあまりにも…)

最原「王馬くん、この推理は結果論から導き出したにすぎないよ」

王馬「というと?」

最原「仮にこれが事実だとすると、隠し部屋へ入るまでがあまりに運任せすぎるんだ」

最原「まず、僕がたまたま白銀さんに映画に誘われてAVルームに行かないといけない…」

王馬「でもそれは天海ちゃんが急に教室にやって来て最原ちゃんの代わりに見張りをやってくれることになったから、最原ちゃんは映画を観に行ったんでしょ?」

最原「それはそうだけど、まず誰かが僕をAVルームへ連れ出すことが不確定事項すぎるよ」

王馬「実は事前に天海ちゃんが白銀ちゃんに、最原ちゃんを誘うように言ってたりして」

天海「じゃあ白銀さんに確認取ってみてくださいっすよ、違いますから」

最原「次に、僕がセンサーのリモコンをソファの下に落としたことだけど…」

最原「これもたまたまだよね?」

王馬「確かにたまたまだけど、たまたま都合の良い状況になったから天海ちゃんは実行しただけかもだよ?」

最原(流石にこれだけで王馬くんを言いくるめるのは苦しいか…)

最原「…そもそも天海くんが黒幕なら、自分の見張りの時間に隠し部屋へ行くのが1番安全なんじゃないかな?」

王馬「自分の見張り時間が本当に安全って言えるのかな?」

王馬「確かにここはただの教室だから、ここを目的に来る人なんて少ないかもしれないけどさ、絶対人が来ないなんて言えないし、オレらが見張りの様子を見に来る可能性だって充分ありえるよね」

王馬「実際、オレの見張りの時間の最中にも天海ちゃん来たことあるし、最原ちゃんの見張り時間にもオレら来たことあるでしょ?」

最原「確かに他の見張りの人が来る可能性もあるけど、昨日のあのタイミングで隠し部屋へ入るより、よっぽど安全だと思うよ」

最原「昨日だって、白銀さん達が食堂へ行った後に僕もAVルームに行ってセンサーのリモコンを一緒に探す可能性だってあったわけだし」

最原「そんな可能性があるのに、鍵だけをAVルームに置いてその場を離れるなんて真似できないよね?」

王馬「んー…、まあ一理あるかな?」

王馬「じゃあ最原ちゃんに訊きたいんだけどさ、天海ちゃんが黒幕じゃないとすると、他に誰が黒幕になりえると思う?」

王馬「他の人が黒幕の可能性と天海ちゃんが黒幕の可能性、どっちが高いかな?」

最原「ほぼ確定的にこの人以外黒幕はありえないって状況にならないと、僕は安易にそんなことは言いたくないな」

最原「まだ誰が黒幕の可能性だってあると思う」

最原「アリバイが確定した白銀さんやゴン太くん、僕や王馬くんにだって黒幕の可能性あるよね?」

最原「勿論みんな、自分は黒幕じゃないってことは自分が1番知ってるけどさ」

王馬「うーん、オレには最原ちゃんが天海ちゃんを庇ってるようにしか見えないけどね」

王馬「そろそろハナっから怪しいんだよね、天海ちゃんは」

王馬「あんなモノパッド持ってたのだって、黒幕だからじゃないの?」

最原「本当に黒幕ならあんな特殊なモノパッド持ち歩かないよ」

最原「あれは僕が天海くんのモノパッドに気づく前に、天海くんが自ら僕に内容を見せてくれたし…」

最原「王馬くんが天海くんからそれを取り上げて中身を見たみたいに、他の人に中を見られたら大変だし、それにあれくらいの内容なら黒幕なら暗記してるだろうし持ち歩く必要ないよ」

最原「むしろ王馬くんみたいに天海くんを疑う人を作るための黒幕の罠って可能性も捨てきれないよ」

最原「天海くんが黒幕でないなら、本当にそれが目的だったのかもね」

王馬「最原ちゃん、モノパッドに話そらさないでよ!」

最原「モノパッドの話題は王馬くんが振ってきたんじゃ…」

王馬「話戻すよ!他の人が黒幕の可能性もあるっていう証拠はあるの?」

最原「うん、天海くん以外の人も黒幕かもしれないことを証明することができるかもしれないよ」

天海「えっ!そんな証明できるならオレが疑われ始めた辺りからやってほしかったんすけど…」

最原「ご、ごめん…」

最原「王馬くんに『納得できる言葉で反論しなよ』とか言われたから、つい言葉で頑張っちゃって、話をこっちに持っていきにくくて…」

王馬「とりあえずさっさと証拠見せてよ」

最原「う、うん…、でも…」

最原「…まだその証拠を確認してないから、もしかしたら証明できないかもだけど…」

天海「…頼りないっすね…」

最原「ごめん…」

王馬「で、証拠は?」

最原「ここじゃちょっと見れないんだよね」

最原「図書室へ行こうか」

なんで図書館に行ったんすかね?

吸引力の変わらないただ一つの図書室

最原「天海くん、1回センサーを切ってくれないかな?」

天海「はい、切ったっす」

最原「じゃあ、隠し扉を開けるよ」

王馬「待って、オレが開けるよ」

最原「うん、どうぞ」

王馬「よいしょっと…」本棚グイッ

天海「…で、どこに証拠が?」

最原「ドアの横のカードリーダーの溝をよく見て欲しいんだけど…」

最原「僕はこの隠し扉を見つけた時から、その溝に小さなホコリの塊を仕込んでたんだよね」

最原「カードリーダーにカードを通したらホコリが落ちるようにね」

天海「なるほど、確かにこんなの気づきにくいっすもんね」

王馬「でもホコリが落ちたら気づかれて直される可能性もあるよね?」

最原「僕はそのホコリの形を覚えているし、なんならセンサーの仕掛けをする時にそこにセットした使い捨てカメラでカードリーダーの溝の撮影もしたよ」

最原「で、このホコリの形だけど…」ジーッ

最原「…うん、何も変わってないね」

天海「ってことは、黒幕はこの扉を出入りしてないってことっすね」

最原「そうだね」

最原「これで他に黒幕が居る可能性を証明できたと思うよ」

最原「この扉を使わずにモノクマのスペアを用意できたってことは、天海くんのモノパッドの地図にも書かれてない別の隠し部屋があるということか、この隠し部屋へ入る方法は他にもあるかもしれないってことだよ」

王馬「…なるほどね」

天海「にしても最原くん、まだ言ってくれてない情報があったんすね」

最原「…ごめん」

天海「まあでも今回はそのお陰で助かったっす、ありがとうございます」

王馬「うーん…、折角黒幕を追い詰めたと思ったんだけどなー」

天海「そんなに残念そうにしないでほしいっすね…」

王馬「まあ折角図書室に来たし、センサーに連動してるカメラの残りフィルム枚数もチェックしておくね」

王馬「…あれ?これ元々27枚フィルムだよね?」

王馬「残り枚数が22枚になってるよ」

最原「いや、それは……、22枚でいいんだよ…」

天海「セット前に何か撮ったんすか?」

最原「うん、そのセンサーと連動したカメラの発明品を受け取りに入間さんの研究教室に行った時に、入間さんが僕を撮ったんだよね…」

王馬「5枚も?」

最原「……うん…」胸を痛めるポーズ

天海「…何かあったんすね…」

王馬「いやー、現像した時が楽しみだね!」

最原「…………」

最原「…話を戻すね」

最原「この扉は僕が隠し扉を発見した時から一度も使われていない」

最原「しかしモノクマはその間に2度もスペアが用意された」

最原「つまり、もうここを見張ることはあまり意味がないことなのかもしれない」

最原「恐らく、別の隠し部屋か、この隠し部屋へ続く別のルートを黒幕は使用しているからね」

王馬「オレ達が今後することは隠しルート探しってことだね」

最原「うん」

最原「新たな隠し部屋及び隠しルートの入口は校舎内の地下には無いはずだね、僕らはずっと地下への階段を見張っていたんだから」

天海「ということは隠しの入口があると考えられるのは、校内の1階、2階、中庭、裏庭、デスロードっすかね」

天海「ここへの隠しルートと考えると、校舎の2階はあんまり可能性無さそうっすね、隠しルートを2階から地下階へ引っ張るのって大変そうですし」

王馬「それに2階に不審な通路があるなら、中庭から校舎を見た時に2階部分に違和感とかありそうだしね」

王馬「もし隠しルートなり別の隠し部屋なりがあるとしたら、やっぱり中庭から校舎を見ても違和感のない地下にありそうだしね」

最原「デスロードに関しても、赤松さんと百田くんが頻繁に出入りしていたし、何より行くのに少し不便だからそんなところに入口があるとも考えにくいよね」

最原「だからデスロードでの隠しルートの入口探しは、かなり後回しにしても良いと思うよ」

すみません、>>223の残りフィルム枚数を22枚と言っていますが、1枚はカードリーダーの溝を撮影したので残り21枚と脳内補完してください

天海「すると、校舎1階、中庭、裏庭、が秘密の入口の在り処ってとこっすかね」

最原「問題は、その秘密の入口にも鍵がかかってる場合だけど…」

王馬「まあ鍵穴とか見つけたらオレに声かけてよ」

王馬「オレ、ピッキング得意だから」

最原「えっ」

天海「それは心強いっすね」

天海「それじゃあ分担して秘密の入口を探しましょうか」

王馬「校舎内が1番探索が大変そうだから、校舎内に2人、中庭と裏庭に1人でいいんじゃない?」

王馬「中庭って言っても、多分校舎周辺の地面と校舎壁面くらいしか調べるとこないだろうし」

王馬「…オレ、今夜の見張り無いと思ってるけどそれで良いんだよね?」

最原「うん、探索は明るい内にやった方がいいと思うし、見張りよりこっちを優先させるべきだと思うよ」

最原「念のためにセンサーはオンのままにしておくけどね」

王馬「じゃあそのつもりで行くからね」

天海「最原くんはどこを探索するっすか?」

最原「僕は…」



①校舎内(地下への階段、玄関ホール、トイレ、2階への階段辺りまで)

②校舎内(食堂、倉庫、購買、体育館内まで)

③中庭、裏庭


>>↓1安価

最原「じゃあ僕は屋外を探索するよ」

王馬「屋外?ならついでに、まだ開いてないとこだけど校舎に面したイルカの絵が描かれた建物部分とかもちゃんと探索しといてよね」

王馬「あそこも図書室の近くだし、充分怪しいよ」

最原(いきなり鍵開けがいるところなのでは…)

天海「じゃあ俺は地下への階段〜2階への階段辺りを探索するんで、王馬くんは食堂〜体育館方面をお願いするっす」

王馬「倉庫とかクソ広いよね…」

天海「玄関ホールの方が大変じゃないっすか?」

天海「倉庫も、壁と床だけとりあえずチェックしとけば大丈夫でしょうし」

最原「うん、みんな、時間はかかるかもしれないけど頑張って見つけようね」

天海「センサーのリモコンは誰が持ちます?」

王馬「見張りの時間交代順に時間になったら交代で持ったらいいんじゃない?」

王馬「1人が持ってたらそいつが怪しまれるだろうし」

最原「じゃあ報告とかはいつ行おうか」

最原「勿論、あからさまな隠し通路とか見つけたら、その場合はすぐ報告するにしても」

王馬「じゃあ、夜時間になったら天海ちゃんの部屋集合で」

天海「えっ、何で俺の部屋なんすか?」

天海「あ!ひょっとしてまだ疑ってるっすね!?」

天海「俺が黒幕の証拠とか探そうとしてるっすよね?」

王馬「被害妄想すぎるよ?オレが大好きな天海ちゃんのこと疑うわけないじゃん!」

天海「さっきまで滅茶苦茶疑ってたじゃないっすか!」

最原「…じゃあ、天海くんの部屋集合ってことで」

天海「最原くんまで…」ガーン

王馬「とりあえず最原ちゃんは屋外ってことだけどさ、日が暮れたら屋外はもう探索できないよね」

王馬「18時以降じゃオレのエリアの探索の手伝いしてくれない?」

天海「あ、ずるいっすよ」

王馬「オレは今眠い体に鞭打って動いてるんだけど?」

天海「そうっすね、最原くんに王馬くんがサボって居眠りしてないかどうか監視してもらわないといけないっすよね」

王馬「なるほど、居眠りするなら昼のうちってことだね!」

天海「ていうかその辺で居眠りされると、殺されるかも的な意味で普通に危ないんで、どうせなら部屋とかに帰って寝てくださいっす」

王馬「まあ寝ないけどさ、嘘だけど」

天海「どっちっすか」

今この裏ではキーボ連れて出口言ってるんだよな

最原「…じゃあ、探索開始しようか」

最原「ご飯は各自適当な時間に取ってね」

天海「じゃあまた後で」スタスタ

王馬「オレは体育館から探索しよっかなー」

最原「あ、王馬くん、その前に例のイルカの建物の鍵開けお願いしたいんだけど」

王馬「じゃあさくっと行くね」スタスタ



ープール入口前ー


最原「…一応、これは今のところ普通には開きそうもないね」ドアガチャガチャ

最原「というわけで王馬くん、ピッキングお願いするよ」

王馬「オッケーだよ!えーっとね…」ドアじろじろ

王馬「…うん、ちょっと待ってね」その辺の茂みガサガサ

最原「……えっと…?」

王馬「あ、最原ちゃん、ちょっとそこどいてね」

最原「う、うん…」ドアの前から避ける

王馬「せいっ!」ヒュンッ

ドアガラスガシャーン

最原「!!?」

王馬「開いたよ」

最原「ピッキングとは…」

王馬「だって鍵穴らしきもの見当たらなかったんだもん」

最原「じゃあそう報告してくれたらいいよ…」

モノクマーズ「「おはっくまー!」」

モノスケ「なにしとんじゃキサマラ!」

最原「ほら、何か来ちゃったじゃん!」

王馬「開かなかったドア開けただけだけど、何か問題ある?」

モノファニー「開かないってことは、まだ開ける必要が無い場所ってことなのよ!?」

王馬「へー、そうなんだ」

王馬「じゃあ最原ちゃん、あと頑張ってね!」スタスタ

最原「待って!!」腕ガシッ

最原「せめてモノクマーズを言いくるめてから立ち去って!」

王馬「めんどくさ…」

王馬「オレ、ロボットの相手するのって大嫌いなんだよね!」

モノタロウ「えぇっ!?酷いよ!」

王馬「しょうがないなぁ…」

王馬「で、ここのドアガラス壊して何か問題あるの?」

モノファニー「みんなが怪我しちゃうかもしれないから危ないじゃない!」

王馬「ゴン太以外はみんな靴とか履いてるから平気だよ」

最原(ゴン太くんはどうすれば…)

王馬「…それだけ?」

モノタロウ「え、えっと、学園の物を壊しちゃダメなんだよ!」

王馬「ん?そんな校則無かったよね?」

モノタロウ「え?……あ、ほんとだ、無いね」

王馬「それにこれは学園のことをただ自由に調べてるだけだから何も問題ないよね」

モノタロウ「うん、そうだね!」

モノスケ「アホか!ここに入るのにも色々と順序があったんやで!」

モノスケ「それをキサマは…!」

王馬「そのうち入る予定だったなら、今入っちゃってもいいんじゃない?」

モノタロウ「うん、そうだよね!」

モノキッド「ヘルイエー!破壊最高だぜ!!」

モノスケ「同意すんなや!!」

モノファニー「モノキッドは世紀末思考だから仕方ないわね…」

王馬「校則違反は犯してないし、モノクマーズでも文句言ってきてんのはそこの黄色いのだけだし…」

モノスケ「モノスケや!しっかり覚えとき!」

王馬「はいはい、覚えてあげるからさ、もう諦めてよ」

王馬「壊しちゃったものは仕方ないじゃん」

王馬「ていうかお前らの相手してるほどオレは暇じゃないんだよね!」

王馬「オレは早く体育館に行って昼寝したいの!」

最原(寝るんだ…)

モノスケ「いやでもこんなことアカンで!」

モノダム「…ネェ、オ葬式ノ続キシヨウヨ」

最原(まだやってたのか…)

モノスケ「は!せや!皇典ぎょーさん貰うで!」

王馬「誰が参列してんだよ」

モノスケ「今回は事前に言ってなかったから見逃しちゃるけど、次他の未開放場所開けたらエグイサルでいてこましてまうからな!」

モノスケ「ほな!」

モノクマーズ「「ばーいくま!」」

>>234
皇典→香典
です

今日誤字多い…

本日ここまでです、ありがとうございました
以下コメ返し


>>205
素ですね

>>219>>220
天さんは絶対図書室に導かれる運命です

>>230
ですね…

裏で赤松、百田ペアが何をしていたかの描写がみたい
あとは最原、天海、王馬が手を組んだ経緯を

>>237
最原達が組んだ経緯は、最原に視点と主人公が移った時のこれまでの行動の解説のモノローグで軽く語っています
最原のモノローグは>>160>>161>>162>>163>>164です
それぞれが何を思って協力してくれているのかは最原視点なので不明となっておりますが

赤松は昨日はずっと塞ぎこんでいたので特に描写するようなアクションはありません
書きながら考えているので今日はどうでしょう…

百田の方の描写は、折角なのでやっておきましょう
物語がここまで来るとあとはずっと最原視点になると思うので、百田キーボが裏で頑張ってても空気になるので…
ちなみに1つ前の主人公分岐を百田にしているとそのまま百田主人公の脱出ルートを予定しておりました


それでは本日分投下していきます、書き溜めはありません

ーデスロード出口前ー


キーボ「はぁ…、本当に来れましたね、ゴール…」

百田「だから言っただろ」

キーボ「でも途中、かなり危なかったじゃないですか」

キーボ「百田クンは石を投げるのが下手すぎます!」

百田「う、うるせー!無事辿り着いたんだから良いだろうが!」

キーボ「…まあいいでしょう」

キーボ「で、この扉がその偽の外の世界へ続く出口ってやつですか?」

百田「ああ。行けそうか?」

キーボ「いえ、まず開けてもらわないと行けるかどうかもわかりませんから…」

百田「それもそうか」

百田「だがここを開けちまうとオレら人間は呼吸が出来なくなって会話出来なくなっちまうからな」

百田「今のうちに言っておくべきことを言っておくぜ」

キーボ「ええ、お願いします」

百田「昨日も言った通り、この先にある光景は何故か滅んだ地球だ」

百田「だがたったの数日で地球が滅んじまうわけがねえ!」

百田「よってこの先にあるのはモノクマ達が用意した偽の空間だ」

百田「いいか、偽物の空間だからな!」

キーボ「そんなに何度も言われなくてもわかってますよ…」

百田「で、この先の空間は空気が汚染されていてオレら人間には調査することが出来ねえ」

キーボ「それでボクを誘ったんですもんね」

百田「ああ」

百田「お前にやってほしいことはズバリ、この先の空間が偽物ってことを暴くことだ」

キーボ「えっと…、具体的にはどうやったら偽物って暴けるんですかね?」

百田「あえて空気を汚しているんだとしたら、この中は室内のハズだ」

百田「だからスミまで歩いて行きゃ背景が描かれた壁にぶつかったり、瓦礫を登ってみれば空が描かれた天井にぶつかったり、またはどっかからか汚染された空気が排出され続けている通気口みたいなもんが見つかると思うんだ」

百田「そんなもんを見つけたら、証拠としてこの使い捨てカメラで撮影してきてほしいんだ」つ使い捨てカメラ☓3

百田「一応3つ倉庫から持ってきたが、27枚撮りだから残りのフィルム枚数に気をつけて撮れよ」

百田「使い方はわかるな?」

キーボ「ええ、把握しています」

百田「あと一応懐中電灯だ、電池は入れたばかりだから多分大丈夫だろ」つ懐中電灯

百田「それとタイマーだ」つタイマー

百田「外に出ちまうと、もしかしたら外からこの扉を開けることが出来なくなるかもしれねーからな…」

百田「タイマーの残り時間が0になったら、オレは一度この扉を開ける」

百田「さっきも言った通りここを開けるとオレは呼吸が出来なくなるから、開いたらできるだけ早く中に入ってきてほしい」

百田「もしドアを開けてもオメーが見当たらなかった場合は、一度扉を閉めて、それから10分後毎に扉を開ける」

百田「だから、探索途中だろうがなるべく遅刻すんなよ!オレが無駄に疲れるだけだからな」

キーボ「気をつけますね」

キーボ「ところで百田クンは当たり前のように扉を開けるだの閉めるだの言ってますが、あのドアの横の機械で操作するんですよね?」

キーボ「以前開けた時も百田クンが操作して開けたのですか?」

百田「いや、前はモノクマーズが開け閉めしてたんだが…」

百田「安心しろ!ちゃんと操作の時の手元を見ていたし、単純な操作だったからどこを押せばいいとかは分かってるぜ!」

キーボ「その言葉、信じていますね…」

百田「それじゃあまずはタイマーは1時間にセットしよう」自分の分のタイマーセットポチッ

百田「中の広さが全然わかんねーからな」

キーボ「わかりました」ポチッ

キーボ「なるべく終了の5分前には扉の前で待機できるようにしておきますね」

百田「じゃあそろそろ扉を開けるぜ」

百田「行けると思ったらそのまま進んでくれ」

百田「もし駄目そうなら手を上げてくれ、そうしたらすぐに閉める」

キーボ「はい」

百田「キーボ、準備は出来たか?」

キーボ「ええ。受け取った物も石を入れていたポシェットに入れましたし…」

キーボ「はい、大丈夫です」

百田「よし、開けるぜ!」ポチポチ

ゴゴゴゴゴ…

百田「キーボ、安心しろ!お前が帰ってくるまでオレはずっとここで待機しているからな!」

キーボ「は、はい…!」

百田(キーボは開いた扉に向かって歩き出した)

百田(やっぱりキーボはここの空気は大丈夫みたいだな)

百田(キーボが出ていったのを見送ると、オレはもう一度機械を操作し、扉を閉じた)

百田(オレには待つことしかできねーが、キーボならきっとこの外の世界の重要な証拠を見つけて帰ってきてくれるはずだ…)

百田(オレはその場にあぐらをかき、時間が経つのを待つことにした)

ープールー


最原(さて、モノクマーズは帰ったし王馬くんも体育館を調べに行ったし…)

最原(入口のドアのガラスを出入りに支障がないように撤去したし…)

最原(よし、僕も調査を始めよう)

最原(…足元のガラスは別にそのままでいいよね?)

最原(気をつけてドアをくぐって…)

最原「…プールか…」

最原(高級ホテルや高級マンションの屋上にあるような感じのプールだね)

最原「やけに水が少ないな…?」プールを覗き込み

最原(飛び込み台もあるのに…こんな水位だと大怪我してしまうよね)

最原(あとは…、あの窓は体育館の窓かな?)

最原(なるほど、体育館とプールは隣接しているのか)

最原(…これは秘密の通路には関係無さそうだな)

最原(そもそもこのプールには秘密の通路に関するものは無いと思うんだよね…)

最原(僕ら生徒の中に黒幕が居るとすると、ここはさっきまで封鎖されていて鍵穴も無かったから、黒幕でさえ出入り不可能だったろうからね)

最原(まあ調べられるから一応調べるけどさ)

最原(これは、プールでの注意事項だね)

最原「夜時間は遊泳禁止か…」

モノクマーズ「「おはっくまー!」」

最原「うわ、また出た…」

モノファニー「夜の水場は事故が多いわ、事故で命を落とすような事があったら大変だもの」

モノスケ「コロシアイで命を落としてもらわんとな!」

モノタロウ「夜時間にプールに来るだけならいいけど、水に触れた時点で校則違反だからね」

モノタロウ「あ、これ…大事なことだから、念のために校則にも追加しておくよ」

モノスケ「あ、せや!未開放箇所をむりやりこじ開ける行為の禁止の校則も追加しとくで!」

最原「遊泳禁止も何も、ここは水が少なくて泳げないんじゃ?」

モノファニー「ちゃんと泳げるだけの水はあるわよ、深いプールだから水が少ないように見えるだけなの」

最原「へぇ…」

モノクマーズ「「ばーいくまー!」」

最原「校則の追加か…」モノパッドポチポチ

最原「あ、ほんとだ、追加されてるね」

最原「……『学園長の都合により校則は順次増えていく場合があります』ね…」

最原「…学園長はモノクマであって、モノクマーズは学園長じゃないんじゃ…」

モノクマーズ「「おはっくまー!」」

モノスケ「確かにワイらは学園長ではないけど、お父やん不在時はワイらが学園長みたいなもんやで!」

モノキッド「校長の座を狙う教頭みたいな立ち位置だな!ヘルイエー!」

最原「そういう話、漫画の中でしか聞いたことないけどね…」

モノファニー「まあ似たようなものよね、漫画もこれも」

最原「えっ」

モノクマーズ「「ばーいくまー!」」

最原「…何で僕はモノクマーズとこんなやり取りしてるんだろ…」

最原(モノクマーズも暇なのか…?葬式中なんじゃ…?)

最原(…あんなやつらのことなんて気にしないようにしよう)

最原(こっちの扉は何かな?)ガチャッ

最原「…用具室か…」

最原「ビート板、水球用ボール、ゴム製の浮き輪…」

最原(特に気になるものは無いかな…)パタン

最原(こっちのドアは更衣室か…)

最原「……まあどんなもんか、男子更衣室の方だけ覗いとこう」チラッ

最原(女子更衣室は……性転換したら入ろう、今のところ予定はないけど)

最原「さてと、これで一通り見終わったかな」

最原(ここにはきっと秘密の通路は無いし、ここの探索はこんなもんでいいんじゃないかな)

最原(中庭の調査に戻ろう)スタスタ

東条「あら、最原くん」

最原「あ、東条さん」

東条「ちょっと訊きたいことがあるのだけど、いいかしら?」

最原「何かな?」

東条「このドアのガラスを割って、ここの床にガラスを散らかしたままなのは最原くんかしら?」

最原「!!?」

最原(確かに僕はガラスを放置したけど、これを割ったのは王馬くん…)

最原(なんて答えよう…)

最原(多分東条さんにちょっと怒られて時間をロスしそうだな…)


①自分のせいと言う
②王馬のせいと言う


>>↓1安価

最原「それ、さっき王馬くんが割っていったんだよね」

最原「僕はそれを見て、この先が行けるようになったからちょっと中を見てたんだけど…」

最原「割れたガラスをそのまま置いとくのは危ないと思ったんだけど、先に中を覗いてからどうにかしようと思って…」

最原(嘘はついてないぞ…)

東条「そう、王馬くんがやったのね」ガラスガチャガチャ

東条「じゃあここを掃除し終えたら王馬くんを叱りに行かなくちゃいけないわね」掃除テキパキ

東条「ついでにここを今後出入りできるように、ツタも切っておきましょうか」ジョキジョキ

最原「そういえば東条さん、食堂のテーブルはもう直ったの?」

東条「ええ、ただ今はまだ塗ったペンキが乾いてないと思うから、昼食は別の場所で食べることをオススメするわ」粘着シートで床コロコロ

東条「夜までにはペンキも乾いて使えるようになっていると思うわ」

最原「そうなんだね、わかったよ」

東条「さて、これで今後ここの出入りがしやすくなったわね」

最原(!ドア枠に残っていた残りのガラスの除去と床に散らばったガラスが無くなり、プールの看板から垂れていたツタが完全に無くなった…)

東条「みんな校則にプールのことが追加されたのを知ったはずだし、これで安全に使う事ができるはずよ」

東条「えっと…、王馬くんは体育館に居るのね」モノパッドマップチェック

東条「じゃあ私は行くわね」スタスタ

最原(30分くらいで怒られるの解放されたらいいけど…)

最原(まあ、僕は僕の仕事をやろう)

最原(まずはこのままプール側の校舎の外壁に怪しい箇所がないか探そう…)壁ペタペタ

アンジー「あ、終一ー、やっはー!」

最原「アンジーさん…と、赤松さん…どうしたの?」

アンジー「なんかねー、プールが解放されたってモノパッドにあるから、プールの様子を見に来たんだよー」

アンジー「そしたら終一がなんか怪しいことしてるのを発見したからアンジー達は声をかけたのだー!」

最原「怪しいことって…;」

赤松「えっと、学園の調査だよね、わかってるよ」

アンジー「学園の調査ー?」

最原「うん、えっと、なんとなく怪しいとこないかな?って今は中庭の調査をしてるんだよね」

最原(細かいこと話すわけにもいかないしね…)

最原(あれ?そういえば何で赤松さんがここに居るんだろう)

最原(今日はデスロードに行かないのかな?)

アンジー「調査かーなるなるー」

アンジー「探偵は大変だねー」

赤松「えっと、私も手伝おっか?」

最原(誰が黒幕か分からない以上、安易に仲間を増やすわけにもいかないしな…)

最原「いや、大丈夫だよ」

最原「僕が好きで調査してるだけだからさ」

赤松「…そっか」

赤松「…やっぱり私は誰の役にも立てないのかな…」

最原「え?」

アンジー「楓ー、アンジー達もそろそろプールの調査行こっかー」

赤松「うん、見に行こっか」

赤松「それじゃあ最原くん、頑張ってね」スタスタ

アンジー「ぐっばいならー」スタスタ

最原(赤松さん、やっぱり百田くんと何かあったのかな…?)

<わぁ!豪華なプールだね!

<女子誘ってみんなで泳いじゃおっか―

<そういえば倉庫に水着があったよ!

最原「……」

最原「…いやいや、僕は学園の調査が…」壁ペタペタ

最原「…くそっ!なんでコロシアイ生活なんてさせられてるんだよ僕達は…!」壁ダンッ!

最原「平和な生活なら…!!」壁ダンダンッ

最原「絶対に許さないからな黒幕め…!」壁ベシベシッ

最原「何でコロシアイなんだよ!恋愛観察バラエティとかでいいじゃないか!!」壁ペチペチ

最原(そのまま僕はお昼ごはんの時間まで、プールの側の壁と地面を叩いたりしながら調査しまくった)

最原(お昼ごはんは、倉庫にあったカップ麺のカレーうどんをさっさと食べて済ませた)

最原(さて、午前中はプール内部とプールから裏庭へ続く壁と地面を調べ終わったんだよな…)

最原(カップ麺を選んでる時女子が水着を選んでいたから、女子は恐らく今頃プールで遊んでるんだろうなぁ…)

最原(つまり今プールに行くと…)

最原「……」

最原(いや、何を考えているんだ僕は…)


①プール周辺をもっとよく捜査すべきだと思う

②真面目に捜査を進めよう…


>>↓1安価

最原(……裏庭の調査をしよう)

最原(正直、屋外で何か仕掛けがあるとしたらプールの側…つまり図書室の上辺りが怪しいと思ったんだけど、期待外れだったな…)スタスタ…

最原(僕が食堂のテラスを通って屋外へ出ると、王馬くんと鉢合わせてしまった)

王馬「あ、最原ちゃん!さっきはオレ、東条ちゃんに怒られて大変だったんだからね!」

最原「元々王馬くんがガラスを割ったままどっか行っちゃったからだよね…」

王馬「最原ちゃんが片付けしてくれたら良かったのに」

最原「えぇ…」

最原「…ていうか何で王馬くんが外からこっちに来たの?」

王馬「ん?オレもそろそろお昼食べようと思って来ただけだけど?」

最原「いや、何で食堂に来たかじゃなくて、王馬くんって屋内調査組だったよね?」

王馬「ああ、さっきまで肉…入間ちゃんの研究教室に行ってたんだよね」

最原「また何か頼みに行ったの?」

王馬「うん、次のモノクマ出現対策をまた頼んできたよ」

最原「連続で入間さんに任せても大丈夫なのかな…」

王馬「でもやっぱり発明品でドカンとやるのが確実にモノクマを屠れる方法だと思うんだよね」

最原「まあそりゃそうだろうけど…」

最原(……ていうか入間さんはプールに行ってないんだな…)

王馬「入間ちゃんがエグイサルでオシオキされないための対策も一応考えてるから大丈夫だよ」

王馬「上手くいくかは知らないけど」

最原「えぇっ…」

王馬「あ!てか食堂のテーブルまじで復活してるじゃん!さっすが東条ちゃんだね!」テーブルペタッ

最原「…ペンキ塗りたてらしいよ?」

王馬「先に言ってよ!」ペンキベターッ

最原「王馬くんが不用意に触るから…」

最原「まあ、肘つける前で良かったんじゃないかな、手だけだし」

最原「…てか東条さんからペンキの話聞いてないの?」

王馬「エンカウントして怒られ始めて速攻逃げたからね」

最原「逃げたんだ…」

最原「触ったとこのペンキ剥げちゃったから塗り直しだね、これ」

王馬「最原ちゃん塗り直してよ、オレ不器用だから」

最原「いや、東条さんに素直に言って塗り直してもらうのが1番だよ」

最原「ということで王馬くん、東条さんに言っておいで」

王馬「ガラスの件とまとめて怒られるやつじゃん!」

最原「自業自得だよね…」

王馬「怒られるのに時間使ってたら探索する時間無くなっちゃうよ」

最原「まあ、元々1日で探索できるものじゃなかったし、ちょっとくらいいいんじゃないかな?」

最原「…本当は東条さんにも事情を言えたら良いんだけどね…」

東条「私が何か?」スタスタ

最原「あ、いや、何でも…」

東条「あら、テーブルのペンキが…」

王馬「最原ちゃんがさっき触ってたよ!」

最原「えっ」

東条「…王馬君、嘘をつくなら手のペンキを洗い落としてから言うものね」

王馬「くっ、洗ってれば良かった…」

東条「ついでに先ほどのガラスの件についても話をさせてもらうわね」

最原「…じゃあ僕はこれで」ギィッバタン

最原(僕は2人を食堂に残し、テラスのひしゃげたドアを閉じて裏庭の探索へと向かった)

本日終了です、ありがとうございました

キーボたちが気になる

乙ありです
投稿再開します

>>263
後ほどキーボ達登場予定なのでちょっと待っててくださいな
それまでは描写が無いですが、ちょこちょこドアを出入りしながらずっと外の世界をうろうろ探索してます

ー裏庭ー


最原(さて、頑張って探索するぞ)

最原(図書室部分の地上に当たる部分に何もないのだとしたら、屋外で次に怪しい所と言えばこの裏庭だからね)

最原(デスロードを作るついでに、近くに隠し通路を作っていてもおかしくはいはずだ)

最原(僕は、間違ってもマンホールの穴から落ちたりしないように気をつけながら裏庭の探索を開始した)



ーーー


最原(探索を開始して少し経った頃、天海くんが僕の元に来た)

天海「お疲れ様っす」

最原「天海くんもお疲れ様」

最原「何か見つかったの?」

天海「あ、いえ、そろそろセンサーのリモコンの交代をしないとなと思って来ただけっす」

天海「探索に夢中で、ちょっと渡すのが遅くなってしまって申し訳ないっす」

そういえば6章の時に食堂の裏に意味ありげな地下への入り口っぽいのあったよな

最原「…そっか、そういえば交代するんだったね」

最原「僕もすっかり忘れてたよ」

天海「お互い様だったようで安心したっす」

天海「じゃあこれ、確かに渡しましたよ」つリモコン

天海「最原くんが次それの交代するのは夜時間なってからっすから、夜時間にはみんなで集まりますし次もうっかり忘れてても誰か覚えてるでしょうし、大丈夫そうっすね」

最原「うん、そうだね」

天海「ところで最原くん、探索は今のところどんな感じっすかね?」

最原「えっと、プールの中とプール前の道〜裏庭までの校舎の外壁とその近辺の地面を調べ終わって、今はこの裏庭を調べているんだけど…」

最原「今のところ隠し通路の入口らしきものは見つけられてないよ」

天海「そうっすか…」

最原「天海くんは今どんな感じ?」

天海「俺は地下への階段の方から調べていってるすけど、廊下の床と壁を調べながら、今は玄関ホールすね」

天海「教室Aはずっと俺らが交代で見張ってたんで、ここに何かあるっていう可能性は無いと思うんで飛ばしてるんすけど、結構慎重に調べてるんで進捗遅くてすみません」

最原「…僕ももうちょっと慎重に調べを進めたほうが良かったかな?」

>>266
記憶力モノタロウだったので、ちょっと気になってチャプター6やって食堂のドア近く見てみたけどわかんなかったです…
もし良ければヒントくださいな

天海「でも屋外に何か入口がある可能性って少ないと思うんで、今のままで良いと思うっすよ」

天海「屋外だと、天気が悪くなったら出入りしづらくなっちゃいますからね」

天海「だから外壁のチェックだけでも問題ないと思うっす」

最原「そっか、そうだよね」

天海「ただこの裏庭は一応天井と壁に囲まれた屋内なんで、ここはしっかり捜査頼みますね」

最原「うん、そのつもりだよ」

天海「王馬くんの方は捜査どんな感じでしょうかね…」

最原「朝は体育館の方を調べてたみたいだけど、昼頃に東条さんに捕まってて、今はどうだろう…」モノパッドマップチェック

最原「……自室に居るようだね」

天海「もしかして眠気に耐えかえねて昼寝っすかね?」

天海「まあいいんすけど」

最原「もしくはまた東条さんから逃げてたりして…」

天海「昼頃の東条さんに捕まってたって、そういう意味だったんすね…」

食堂側から裏庭行く道の途中に横道があって、エレベーターみたいなのあるんだよね
結局なんにもなかったんだけど

天海「まあどっちにしろ元々昼夜逆転してたのを今昼に無理に行動させてましたし、サボってても攻められないっすね」

最原「そうだね…」

天海「午前は体育館を調べてたならキリ良く調べ終わってから寝てると仮定して、最原くんは18時以降は体育館以外の王馬くんの担当エリアの調査をお願いするっす」

最原「その時間なら食堂には人が居そうだから、そうだね…、体育館からの廊下辺りを調べることにするよ」

天海「屋内は特に念入りにお願いするっす」

最原「うん、僕は一応探偵だから任せてもらっても大丈夫だよ」

天海「…そうっすね、最原くんはあの図書室の隠し部屋を1人ですぐに見つけてましたしね」

天海「っと、立ち話はこれくらいにしてそろそろ探索に戻るっすね」

天海「それじゃあ最原くん、お気をつけて」スタスタ

最原「うん、天海くんもね」

最原(天海くんが裏庭から出ていくと、僕はまた1人でのここの調査に戻った)

>>270
ああ、あれですね!
焼却炉的な物かと思って横目に見てました
確かにあれ何なんでしょうね
あれの他にも中庭に謎のオブジェが立ったりもしてますし

6章は意味ありげな建物が大量増設されてたけど、人も少なくなったのになんの意味があったんだろうな

>>273
元祖モノクマなら飽きっぽいから模様替え〜って感じでしょうけど、V3のモノクマは江ノ島じゃないし、あのリフォームは何なんでしょうね…

最原「……あれ?これ何だろう…」

最原(僕は壁に謎のスイッチでもないかと壁を調査していると、草に覆われていて見づらいものの、高いところの壁に何か白い色で文字が書かれているのを発見した)

最原「何だろう…」草ガサガサ

最原「えっと…、『ろは』……『ふたご』……?」

最原(続きは何が書いているのだろうと壁の周りの草をかき分けたが、これ以上文字は続かないらしい)

最原(ただの落書きか?でもこんなところに…?)

最原(それとも何かしらのメッセージや暗号の類だろうか…)

最原(ろは……『Ha』読みなのか『Wa』読みなのかでも意味が変わってきそうだな…)

最原(今のところ暗号が必要になりそうな場所は見つかってないけど……)

最原(…とりあえずシーザー式暗号で意味が成り立つところを探してみるか)

最原(『わひ へちご』『をふ ほつご』『んへ まてご』……)

最原(……)

最原(武田信玄式に考えてみると『レデシク オエトラアウ』……)

最原(濁音がネックだな…)

最原(PCのキーボードでは『すらくち くなかちきら』…)

最原(『_f 2qb』……)

最原(…全く駄目だな)

最原(アナグラムかな?『ふろはたご』『ろごはふた』『たごはふろ』……)

最原(……さっぱり意味がわからない)

最原(携帯の文字キーだと……)



ーーー


最原(駄目だ、よくわからない…)

最原(結構時間をかけて色々考えてみたけど、これの存在自体を考えてみると、ただのイタズラ書きって可能性もあるし、深く考えるのはよそう…)

最原(僕は『ろは ふたご』を一応頭の隅に置いておいて、隠しルートの探索を再開した)

ジリリリリリリリ…

最原「あ、セットしてた目覚ましが鳴ったね」カチッ

最原「もう18時か…、そういえば暗くなってきたな…」

最原(ここは一応室内とはいえ、天井がガラスで覆われているからね…)

最原(よし、体育館側の廊下の探索をしよう…)スタスタ

カン…カンカンカン…

最原「ん?」

最原(どこからか金属音が聞こえてくる)

最原(……デスロードから?)

最原(今日はお昼に赤松さんを見かけたから結局デスロードには行ってないものかと思ってたけど、いつの間に…)

最原(僕はデスロードへの入口であるマンホールを覗き込むと、彼と目があった)

キーボ「あ、最原クン!」

最原「え、キーボくん?」

最原「な、なんでキーボくんがデスロードから?」

最原(あまりにも意外な人物の登場に、僕は一瞬嫌な考えが脳裏をかすめた)

最原(実はデスロードの入口辺りに秘密の通路があり、キーボくんは実は黒幕なのではないか…と)

最原(しかし僕の考えは、その直後聞こえてきた人物の声によって掻き消えた)

百田「なんだ、最原が居るのか?」

キーボ「ええ」

最原「…百田くんも一緒なのか」

最原(彼らは金属製のハシゴを登りきり、ようやく僕の前に姿を見せた)

百田「何で最原がこんなとこに?」

最原「ああ、僕は今この学園を調査しているからね」

最原「それでたまたま今はこの裏庭に居たってだけなんだ」

キーボ「何か見つかりましたか?」

最原「…いや、何も」

百田「落ち込むこたあねえぜ」

百田「それは調査をして『ここには何もない』ってことが分かったってことだからな」

百田「それが分かって初めて他の場所の捜査が始められるんだから、無駄な時間を過ごしたなんてこたあねーんだぜ」

最原「うん、そうだね。ありがとう」

最原「それにしても2人がデスロードに行ってたなんて気がつかなかったな」

最原「途中モノパッドの地図を見たけど、2人のアイコンは表示されてなかったし…」

キーボ「デスロードがあるのは深い地下ですし、GPSが弱すぎてモノパッドが反応しなかったんでしょうね」

最原「それもそうだね」

最原「…ところでさ、何でキーボくんまでデスロードに?」

キーボ「えっと…」

キーボ(あの外の世界の件はまだ口止めされているんですよね…)

百田「オレが誘ったんだ」

百田「キーボはロボットだし、コイツと一緒ならデスロードの攻略が捗るだろうからってな」

キーボ(あ、まだ攻略中ということにするんですね)

キーボ「『ロボットだし』というのは少々引っかかりますが、まあ、そうですね」

最原「なるほどね」

最原「じゃあ、今日のデスロードの攻略に赤松さんが居ないのはどうしてかな?」

最原「元々デスロードの攻略って、赤松さんが言い出して、赤松さんが1番頑張って取り組んでいたよね?」

百田「あー…、デスロードの攻略が中々難しくてな、表向きは諦める方向性になったんだよ」

百田「でも諦めるのも癪だからな、こうしてオレは赤松に内緒でキーボを組んで攻略してるってわけだ」

キーボ(そういう方向性で行くんですね)

最原「…それは百田くんの嘘じゃないかな?」

最原「僕にはあの赤松さんがデスロードの攻略を諦めるようには、到底思えないよ」

百田「…確かに赤松は諦めなかった」

百田「オレが赤松を諦めさせたんだ」

最原「どうして?」

百田「んなのデスロードがあぶねーからに決まってんだろ!」

百田「あんなとこに女連れて行けるわけねーだろ!」

最原「それは確かに最もだけど、でも昨日までは一緒に攻略してたよね?」

最原「何で急に考えを変えたの?」

百田「えーっと、それは、あれだ」

百田「デスロードの攻略を進めていくと、これまでより危険なトラップが設置されるようになったからだ」

百田「ケガしてからじゃおせーからな…」

最原「そのトラップって、どんなトラップなのかな?」

最原「入間さんの例の発明品じゃ防げないレベルなの?」

最原「だとしたらどうやってそのトラップを百田くん達が乗り越えているのか聞かせてほしいな」

最原「難易度がとても高いとはいえ、生身で乗り越えられる程度のトラップしかこのデスロードには設置されてないと思うけどな」

最原「だってこのデスロードは、入間さんの発明品を使うことを前提とはしていないからね」

最原「……百田くん、本当は赤松さんと喧嘩しちゃったとかじゃないの?」

最原「それなら早く百田くんが折れて謝ったほうが良いと思うよ」

最原「喧嘩っていうのは長引くと良くないから…」

キーボ(人間関係のアフターケアまでやってる探偵が言うと、重みがありますね…)

百田「…いや、ケンカじゃねえよ」

最原「本当に?」

百田「ああ」

百田「あぶねーから赤松を諦めさせたってのも本当だ」

最原「デスロードの道中に仕掛けられたトラップ以外に何かあったってことたよね」

最原「…何があったの?」

百田「デスロードの出口の先がちょっとヤバくてな…」

最原「…一応クリアはしたんだね」

最原(外に出て助けを呼んでこれない事情があるんだな…)

百田「詳しいこたあまだ話せねーが、とにかくちょっとヤバイ空間に繋がってるんだ、あそこは」

最原「…デスロードの先にある『出口』っていうのは、外の世界のことじゃないんだね?」

百田「…ああ、多分そうだと思う」

百田「今はあの空間が外の世界じゃねーって証拠を集めてる段階だ」

最原「キーボくんを相棒にして連れて行った理由は、『生身の人間じゃ行けないような空間』ってことなんだね…?」

百田「流石超高校級の探偵、鋭いじゃねーか」

最原「……」

百田「…わかるだろ?そんな危険な空間を調査するために、出口のドアを開けたり閉めたりしてるんだ」

百田「あんなあぶねーとこに赤松を連れて行ったら、あいつの健康に害が出るかもしれねーだろ」

百田「あいつは未来あるすげーピアニストなんだ」

百田「だからあんなとこに連れて行ったらあいつの為になんねー」

最原「…百田くんのその行動が赤松さんのことを思っての行動っていうのは分かったよ」

最原「でも赤松さんは百田くんの意図には気づかず、ただ自分のことを無力だと勘違いしちゃってるみたいだよ」

百田「いや、あいつはすげーやつだ…」

最原「だったら、ちゃんとそのことを伝えてあげないと」

最原「考えていることは言わないと伝わらないよ」

最原「だってこう言っちゃなんだけど、赤松さんも百田くんも脳筋だし」

最原「察することは得意じゃないと思うんだ」

キーボ(!?もっとソフトな言い方あったのでは!?)

最原「そもそも百田くんが赤松さんに何て言ったかは知らないけど、多分言葉足らずだったり勘違いさせるようなことを言ったと思うんだよね」

最原「カッコつけてるからこんな風に思いのすれ違いみたいなことが起こるんだよ」

最原「赤松さんなんてどう見ても1回思い込むとそれ以外の可能性が考えられない猪突猛進タイプだよ」

キーボ「…最原くんって意外とズバズバ言うタイプなんですね」

最原「僕は人間関係を修復する為なら結構ハッキリ言うよ、オブラートに包んでも伝わりにくくなるだけだし」

最原「それに相手が百田くんだからね」

最原「相手が東条さんや天海くんだったらもっとかなりソフトに言ったけど、百田くん相手ならわかりやすくハッキリ言うべきだと思って」

キーボ(最原くんってもっとオドオドしたイメージがあったんですけど、仕事モードなんでしょうか…?)

百田「あの時、あの外の世界を見た赤松の精神が疲弊していたから、オレとしては気を使ってたつもりだったんだが…」

百田「…なるほどな、確かに一理あるかもな」

百田「あんまり恩着せがましくあいつのことを心配してるなんてアピールみたいなことはしたくねーと思ってたんだが、あんまり言わないことであいつがよりストレスを抱えちまってたんだな」

百田「わかった、もう一度オレの意図を赤松に話してくることにするぜ」

最原「百田くんが良い人だってことは僕にもわかるからさ、全部思ってることを言うことがポイントだよ」

最原「考えてることを隠してたらまた余計なトラブルを引き起こすんだからね」

最原「僕の経験談だよ」

キーボ「何があったんですか…」

百田「よーし、じゃあ最原!オレが普段テメーに思ってることもついでに言うぜ」

最原「え?何か僕に思うことあった…?」

百田「その帽子、取ったほうが絶対男前だぜ!」帽子取る

最原「そういうのは他人のプライバシーに踏み込む行為だから止めた方がいいよ」帽子取り返して被る

百田「!?思ったことを言ったのにダメなのか…」

最原「何でもかんでも言って良いもんじゃないから」

百田「難しいな…」

最原「赤松さんに意図を伝える時にも、言って良いことと駄目なことをどうか間違えないようにね」

最原「ていうか百田くん、今のノリ、ハゲ隠ししてる人にもやらかしそうだよね」

最原「頭の問題は本当にデリケートだから触れないほうが正解なことが多いよ」

最原「下手したら訴訟問題だから」

百田「そ、そうか…、わかった、頭に関しては気をつけることにするぜ」

最原「ついでに言っとくけど、同性異性に関わらずボディタッチをしたりボディタッチを求める行為も控えたほうが懸命だよ」

最原「特に女子相手だと下手したら逮捕だから、本当に」

百田「タッチがダメなんだな、わかった」

最原「具体例を上げると、ハグしたり肩組んだり背中叩いたりおぶったりを相手の許可なくすることは日本では止めた方が良いよ」

最原「なんか百田くんはいつかやらかしそうな気がするから言っておくけど」

百田「!?そんなの海外じゃ当たり前のことだろ!?」

最原「ここは日本だからね」

百田「…わかった、日本に居る間は相手に1回訊いてからやることにする」

キーボ「背中叩くのにも許可を求めるのですか…、シュールですね」

百田「まあとりあえず、折角最原がアドバイスしてくれたことだし、写真の現像を誰かに頼んでから赤松のとこに行くか」

最原「写真の現像?」

百田「ああ、例の外の世界の偽物の証拠をキーボに撮ってきてもらったんだ」

最原「そうなんだ。ロボットが使い捨てカメラを…」

キーボ「何か問題でも?」

最原「ねえ百田くん、誰に現像を頼むつもりなの?」

百田「んー、とりあえずアンジーだな」

百田「写真だって芸術表現だし、もしかしたらできるかもしれねーからな!」

最原「アンジーさんって写真や映像は専門外な気がするけどね…」

百田「じゃあ東条だ!超高校級のメイドに出来ないことなんてねーはずだ!」

最原「過度に期待するのもどうかと思うけど、まあ東条さんならできそうな気がするね…」

最原(…そもそもこの才囚学園内でフィルムカメラを写真として引き伸ばすことができるのか…?)

百田「よーしキーボ行くぜ!」

キーボ「はい!」

最原「あ、待って百田くん」

最原「写真が出来たら僕にも見せてほしいんだけど、いいかな?」

百田「…わかった、テメーを信頼してるからな!」

最原「うん、信頼してくれてありがとう」

百田「今度こそ行くぜキーボ!」ダッ

キーボ「あ、待って下さい!」タッタッタッ

最原(熱い人だなぁ…)

最原「じゃあ僕も移動して体育館前の廊下の探索しようかな」スタスタ



ー体育館前廊下ー


最原(さて、移動してきたけど…)モノパッドマップチラッ

最原(…うん、王馬くんは相変わらず部屋に居るね)

最原(そろそろ起きないと夜また眠れなくなるんじゃないかな…)

最原(…天海くんは今は男子トイレに居るね)

最原(トイレの捜査か…)

最原(……女子トイレも調べるのかな?)

最原(…天海くんに限ってそんなこと、しなさそうだよな)

最原(まあ流石にトイレに隠し通路なんてあるわけないしね)

最原(よし、廊下の探索頑張ろう)壁ペタペタ

本日終了です、ありがとうございました

屋内で隠し通路を探すなら確認すべきは間取りだよな

>最原(…そもそもこの才囚学園内でフィルムカメラを写真として引き伸ばすことができるのか…?)


入間ならできそうな気がするけどね
あいつ、普通にチートだし

投稿再開します


>>289
直接的な通路でなくても、どこかを開くための秘密のスイッチや意味深なメダルやプレートをはめ込む窪みを発見する可能性もあるので、この最原は一応隣接する部屋があったとしてもその壁も調べています

>>290
入間さんは万能ですもんね

ー食堂、厨房ー


百田「おーい東条」

東条「あら、夜ご飯を食べに来たのかしら?」

東条「ごめんなさいね、あと30分ほど待ってちょうだい」

百田「まあ飯も食うけどよ、東条に頼みたいことがあって来たんだ」

東条「何の依頼かしら?」

キーボ「えっと、この使い捨てカメラを現像してほしいんですけど、できそうですかね?」つカメラ

東条「ええ、手順はわかるからやることは可能だけれど…」

東条「現像に必要な材料や機材があるのか把握していないから、一晩時間を貰ってもいいかしら?」

東条「倉庫の中を探してみたいと思うの」

キーボ「まあ、あるとしたらあの中くらいですからね…」

キーボ「ボクもお手伝いしますよ」

百田「頼んだのはオレ達だからな、勿論オレも手伝うぜ!」

東条「ふふ、ありがとう」

東条「でも百田君、貴方は夜は休んだ方が良いと思うわ」

東条「どうせまたデスロードに行ったのでしょう?」

百田「な、何でわかんだよ…」

東条「貴方の疲労具合から見て、なんとなくそう思っただけよ」

東条「安心して、依頼を引き受けるからにはなんとしても現像してみせるわ」

百田「ま、無理はすんなよ」

東条「百田君も無理は禁物よ」

東条「ところで、何を撮ったのかしら?」

キーボ「え、えっと…」

百田「あー…、デスロードの内部の写真だ」

百田「トラップが難しいとこがあってよ、そこの攻略を考えるために部分的に撮影したんだ」

東条「…そう、わかったわ」

東条「もし倉庫内で現像に必要な材料が揃わなかった場合は、後日入間さんにお願いしてみるから、写真の引き渡しまでに時間がかかってしまうかもしれないから、それだけは理解してほしいわ」

百田「ああ、わかった」

百田「それじゃ、また飯が出来るくらいの時間になったら来るぜ」スタスタ

東条「ええ、また」

東条「キーボ君、私は20時頃から倉庫で現像に必要な材料集めを始めたいと思っているのだけれど、それで良いかしら?」

キーボ「はい、ボクはそれで大丈夫ですよ」

東条「ではそういうつもりでお願いね」



ー寄宿舎ロビーー


百田(次は赤松のやつに説明だったか…)

百田(…最原の言ってた『言って良いことと悪いこと』ってなんだよ、わかんねーな…)

百田(うだうだ悩んでてもわかんねーし、とりあえずまずは会うか)ピンポーン

赤松『はーい?』ドア越し会話

百田「赤松、オレだ」

赤松『百田くん…』

百田「話あるんだけどよ、いいか?」

赤松「うん、いいよ」ガチャッ

赤松「…デスロードの話だよね?どうぞ」ドアを開けきる

百田「おう、邪魔するぜ」スタスタ

赤松「……」ドアパタン

赤松「えっと、今日はキーボくんと一緒にあの外の世界を調べてたんだよね?」

赤松「どうだった…?」

百田「その前に先に話したいことがあるんだけど、いいか?」

赤松「何?」

百田「さっき最原に聞いたんだけどよ、お前今日随分落ち込んでたみたいじゃねーか」

赤松「…そりゃあ昨日、あんな光景見たんだもん」

赤松「落ち込みもするよ」

百田「それだけじゃねーんだろ?」

赤松「……わかってるんだね」

赤松「わかってるなら、私も連れて行ってほしかったな…」

赤松「確かに私があそこに行っても何の役にも立たないかもしれないけど、それでも仲間はずれにされたら寂しいよ…」

百田「お前、そんなこと思ってたんだな」

百田「わりい、仲間はずれにしようとかそんなこと思ってたわけじゃねーんだ」

赤松「うん、わかってるよ、心配してくれてたんだよね…」

赤松「それでも…、私、みんなの役に立ちたかったんだよね」

赤松「私はピアノしか才能がない馬鹿だからさ…」

百田「赤松のピアノを聴いて感動したり救われる人がこれから先幾らでも居るだろ」

百田「お前は才能あるピアニストなんだからよ」

百田「そんなお前があんなところに行って変な空気吸いまくってよ、健康に害でも出たら大変だろ」

百田「オレはそれが心配だったから赤松には残ってほしかったんだ」

赤松「…私が好きで弾いてるだけのピアノでそんなこと思ってくれる人、居るのかな?」

百田「居るに決まってんだろ!」

百田「それとも何だ、お前の好きなピアノは人の心を動かせないもんなのか?」

赤松「…少なくとも私はピアノで心動かされるけど、でもそれは私がピアノ馬鹿だからってだけだよね」

百田「そんなこたねーよ!」

赤松「じゃあ訊くけど百田くんは一昨日私の演奏を聴いてくれたけど、心動かされてくれたの?」

百田「ああ、勿論だ」

赤松「具体的にどう思ったの?」

百田「なんつーか、オレはうまく文章にすることが得意じゃねーから上手いこと言えね―かもしれねーけどよ」

百田「赤松がオレの興味が湧くように『惑星』を薦めてくれて解説してくれたり語ってくれたりしてくれてよ、オレはマジでクラシックに興味が湧いたんだぜ」

百田「他にも、色々メディアで聴くような曲も弾いてくれて興味をそそってくれただろ」

百田「赤松のお陰でそんな曲のタイトルやエピソードを色々知れたし、お前が楽しそうに弾く姿は見ていてこっちも楽しくなってきたんだ」

百田「赤松の弾く他の曲も聴きてえと思ったんだ」

百田「勿論、元々クラシックに興味があったわけじゃねーぞ」

百田「オレは中学の時の音楽の時間のビデオとか、うたた寝してたくらいだしな」

百田「それまで興味なかったのに、お前が弾いたから興味が湧いたんだ」

百田「これは充分心動かされたってことだろ!」

百田「まさかオレの感情まで否定する気じゃねーよな?」

赤松「…それ本当?」

赤松「本当に私が弾いたからクラシックに興味持ってくれたの?」

百田「ああ、本当だ」

赤松「…私はさ、物心ついた時にはもうピアノが身近にあって弾いてたからさ、そういうクラシックにハマったきっかけみたいなのが無いんだよね」

赤松「それに私の演奏を聴きに来る人達はみんな、元々クラシックが好きだから聴きに来る人達ばかりだからさ」

赤松「それが本当だとしたら凄く嬉しいよ」

百田「安心しろ、宇宙に誓って本当だ!」

赤松「…じゃあ本当だね」

百田「だからよ、クラシックに興味が無かったオレにクラシックの魅力を伝えられたお前なんだから、これから先他のやつの心も動かすだろ?」

赤松「…うん、そうかもね」

百田「かもじゃなくて、ぜってー動かすんだよ」

百田「お前は他人の人生観を良い方に動かす才能の持ち主なんだ」

百田「もっと自信持っていいんだぜ」

赤松「…なんか百田くんが言うと本当にそうなる気がしてくるね」

百田「なんせオレは宇宙に轟く百田解斗だからな!」

百田「まあそんなお前だからよ、間違ってもあんなところに行って変な病気にでもなっちまったらダメだろ」

百田「だからお前はオレを信じてここで待っててほしかったんだ」

百田「間違ってもお前が使えないやつだとか邪魔だとか除け者にしようとか、そんなこと思って置いてったわけじゃね―からな」

百田「わかったな!?」

赤松「うん、わかったよ」

赤松「…励ましてくれてありがとうね」

百田「励ますっつーか、本音だぜ」

赤松「うん、本音言ってくれてありがとう」

赤松「…でも、私のことをそう思ってくれてるならさ、百田くんも無理しちゃダメだよ」

赤松「百田くんだって宇宙飛行士になって宇宙に行くんでしょ?」

赤松「百田くんこそ、変な病気になったりしないようにね…?」

百田「…ああ」

百田「よし、飯食いに行くぞ!」

赤松「え?あ、ちょっと待って」

赤松「今日のデスロードの調査結果も訊きたいんだけど、いいかな?」

赤松「私はデスロードのあの奥には行けないけど、仲間でしょ?聞く権利はあるよね!」

百田「ああ、そうだったな」

百田「えーっと、キーボにあの世界を調査させて、あの世界の作り物っぽい部分を使い捨てカメラで撮影してもらったんだけど、今はその現像待ちなんだよな」

赤松「なるほどね」

百田「一応キーボに口頭で聞いた内容によると、あの中はまあまあ広いらしくて今日1日じゃ全部は調べきってないが、やっぱり本物の世界というには怪しいらしいぜ」

百田「だからあれはやっぱり偽物の世界なんだと思う」

百田「あとは出来上がった写真を見て判断になるだろうな」

赤松「…そっか、そうだよね!」

赤松「良かった、やっぱり世界は滅びてなんかいなかったんだね!」

百田「だから最初に言っただろ!」

赤松「うん、流石百田くんだね!」

赤松「あ、写真が出来たら私にも見せてね!」

百田「おう!赤松も仲間だからな!」

赤松「うん!」

百田「よし、それじゃ今度こそ飯食いに行くぜ!」

赤松「よーし、いっぱい食べちゃうよー!」

赤松「朝と昼はなんだかんだ落ち込んじゃってて、あんまり食べられなかったからね…」

百田「意外とそういうとこ繊細なんだな」

赤松「もう!百田くんは私のこと何だと思ってるの」

百田「わりいわりい」



ー夜時間、寄宿舎ロビーー


最原(さっき放送があったし、そろそろお互いの調査結果を話し合う為に天海くんの部屋に行くか…)スタスタ

最原(結局あの後、廊下では何も見つけられなかったな…)ピンポーン

天海「どうぞ」ガチャッ

最原「お邪魔します」

王馬「最原ちゃん、遅かったね」

最原「え?夜時間の放送はさっきあったし、遅いってほどでもないと思うけど…」

王馬「やっぱり5分前行動くらいしないと」

天海「…王馬くんは5分前どころか10分前にオレの部屋に来て、勝手に部屋の調査しだしたんすよね」

最原「…まあそれで天海くんの黒幕疑惑の疑いが晴れるなら…」

天海「特に怪しいものは見つからなかったそうっすけど、疑いも晴れてないそうっす…」

王馬「流石に10分の探索じゃ疑いは晴れないよー」

王馬「というわけで早速だけど最原ちゃん、シャワールームの天井裏調べてよ!」

天海「…それで気が晴れるならどうぞ」

最原(僕何しにこの部屋に来たんだっけ…)部屋の椅子をシャワールームに持って行く

最原(シャワールームは使われてまだ間もないようで、床が濡れていた)

最原(滑らないように注意しないとな…)

最原(靴を脱いで…っと)

最原(確かに、ここはちょっとした物を隠すのに便利な場所なんだよな)ガコッ

最原(えっと……)手を突っ込んで探る

最原(……)モノパッドの明かりで中をチェック

最原(…うん、何も無いな)

最原「何も無いようだよ」

王馬「なんだー、カードキーの1枚や2枚くらい見つかると思ったのにー」

天海「気が晴れましたね?じゃあそれぞれの捜査報告するっすよ」

最原(僕は椅子を元あった位置に戻し、そのまま椅子に座って報告会を行うことにした)

天海「じゃあまず王馬くんからどうぞ」

王馬「えっと、オレは体育館しか調べられなかったんだけど、何もなかったよ」

王馬「体育館は夜時間に閉まるってことだったから、てっきり何かあると思ったんだけどさ」

天海「そういえば、食堂が夜閉まるのはその間に食材調達をするためってのは分かるっすけど、何で体育館も夜閉まるんすかね」

王馬「さあ…、特に何もないようだったしね」

最原「うーん…、体育館内に生えている植物に水をやったりして維持しているとか?」

最原「体育館の屋根は開いていないから例え雨が降っても水が得られないし…」

天海「何のためにそんなことを?」

最原「…何のためだろう…、景観維持…?」

最原「…ごめん、僕も適当に言っただけだから気にしないで」

最原「じゃあ次は僕が報告するね」

最原「僕が調べたのは今日解放されたプールと、中庭のプールの前から裏庭に続く道、裏庭の3箇所だよ」

最原「プールには元々鍵穴がなかったのを王馬くんがガラス割って開けたから、黒幕が僕ら生徒の中に居るんだとしたら、ここを利用したっていうのは考えにくいから軽くしかチェックしてないけど…」

最原「まあ至って普通の、リゾート地にあるようなプールだったよ」

最原「プール前から裏庭の調査は、外壁とその近辺の地面を調べたけど、こっちも特に何もなかったな」

最原「で、裏庭なんだけど…」

最原(…あれのことは言ってもいいか、僕にも何だか分からなかったし…)

最原「壁に『ろは ふたご』っていう文字を見かけたくらいで、後は怪しい所は見つからなかったよ」

天海「…何か暗号っすかね?」

最原「僕もそう思ってぱっと思いつく暗号でちょっと考えてみたんだけど、しっくりくる文字には変換されなかったんだよね」

王馬「どこかに入力するパスワードとか?」

最原「でもそういうパスワードを入れるようなところ、今のところ見かけてないし…」

天海「この学園にはまだ解放されてない場所も色々あるっすから、そういうとこで今後使うやつかもしれないっすね」

最原(…百田くんがデスロードをゴールしていたことについては言う必要は無いよね)

最原(まだ詳細な情報がわからないし…)

最原「うん、僕はそれくらいだよ」

天海「じゃあ最後は俺っすね」

天海「俺が調査したのは教室Aの廊下からトイレの前までと、男子トイレの中っす」

天海「怪しい所…一応あったんすけど、ちょっとどうにもしようがないとこなんすよね」

王馬「ん?女子トイレとか?」

天海「いや、玄関ホールっす」

天海「女子トイレはちょっと流石に調べらんないっす…」

最原「玄関ホールのどこが怪しいの?」

天海「外から玄関ホールに入ってきて、ど真ん中の辺りの床っすね」

天海「敷き詰められている床石の隙間から風を感じたっす」

天海「気になったんで、石の隙間を倉庫にあったヤスリでちょっと削って中に小さい砂利を落としてみたんすけど、落ちた砂利の音的に、床下に地下のような空間があるんじゃないかと思うっす」

最原「地下か…」

最原「ひょっとして、そこが黒幕が出入りしている秘密の通路かな?」

王馬「入間ちゃんに爆弾でも作ってもらって、床を壊して中に入ってみる?」

天海「いや、それだと今日追加された『未開放場所を無理矢理こじ開ける行為の禁止』の校則に引っかかるっす」

王馬「『未開放場所』って『未だ開放してない場所』ってことだよね」

王馬「つまり、『そのうち開放する気がある場所』ってことだね」

王馬「もしその玄関ホールの地下が『オレ達普通の生徒には解放する気のない場所』だとしたら、この校則は当てはまらないんじゃないかな?」

最原「でも、玄関ホールの地下が『追々解放する予定のある場所』だとしたら校則違反になっちゃうよ」

最原「校則違反になる可能性がある以上、下手なことはしない方が良いと思う」

王馬「その辺りは『学園長への暴力の禁止』の校則違反してる時みたいにさ、適当に事故に見せかけて言いくるめるのとかどうかな?」

天海「今やってるその学園長への暴力行為でさえ結構ギリギリだと思うんで、あんまり問題起こすのは控えた方が良いと思うっす…」

王馬「消極的だなー」

最原「無理矢理開けなくても、どこかに開けるためのスイッチみたいなのがあるかもしれないし、慎重に行くべきだと思うよ」

王馬「あーあ、最原ちゃんが何もないプールを無理矢理開けるからこんな校則に苦しめられてるんだよね」

王馬「謝ってよ最原ちゃん!」

最原「プールのドアを開けた…もとい、壊したのは王馬くんだよね…」

王馬「あれ?そうだったっけ?」

隠し扉があんな所にあるのは心理的効果かな?

天海「じゃあ明日やること決めましょうか」

王馬「今日とあんまり変わんないんじゃない?」

王馬「みんな自分の担当箇所の探索終わってないんだし」

天海「そうっすね」

天海「俺は明日はあとトイレの前の廊下から2階への階段までっすから、午前くらいで担当箇所の探索が終わりそうっすね」

天海「午後からは玄関ホールにスイッチのような仕掛けが無いか、以前にも増して徹底的に調べてみたいと思うっす」

王馬「…女子トイレは?」

天海「調べられるわけないじゃないっすか…」

天海「誰に会ってしまうかもわからないですし…」

王馬「じゃあ今から調べたら?」

王馬「夜時間だし、ほらモノパッド的にもみんな寄宿舎に居るから誰にもエンカウントしないよ!」

天海「いやいや…」

王馬「じゃあ最原ちゃんいってらっしゃい!」

最原「え!いや、流石に調べられないって…」

最原「そんなに気になるなら王馬くんが調べてきなよ…」

王馬「えー、嫌だよ!あんなとこ調べたら変態じゃん!」

最原「そんな風に思ってるなら僕らにも調べさせないでよ」

王馬「んー、なんていうか、天海ちゃんはイケメンセーフみたいなのが働くかなと思って」

天海「どうセーフになるんすかね…」

王馬「最原ちゃんは探偵だから、ほら、ね?」

最原「王馬くんは探偵を何だと思ってるの…」

王馬「他人のことを赤裸々に暴く仕事?」

最原「……」

最原(僕らがそんな風に雑談をしていると、僕が持っていたセンサーのリモコンが突然鳴りだした)

天海「えっ!?」

王馬「ん?」

最原「誰かが本棚を動かしたんだ!」

最原(僕は真っ先に部屋を飛び出して図書室へ向かった)

天海「よくわかんないっすけど、俺達も行くっすよ!」

王馬「…おかしくない?」

王馬「だって黒幕は秘密の通路を使ってるっていうことじゃなかったっけ?」

天海「考えるのは後にするっすよ!」

天海「今なら取り押さえられるかもしれないっす!」

王馬「……うん、天海ちゃん行ってていいよ、オレはここに居るから」

天海「そんなこと言って俺が居ない隙に部屋を調べるつもりっすね!?」

天海「さっさと行くっすよ!」小脇に抱えて部屋を飛び出す

王馬「いやそうじゃなくt…」

王馬(いきなりオレ抱えて走り出すから舌噛んだ…)

ー図書室ー


入口のドアバンッ

最原「くそっ!もう本棚は閉まってる…」

最原「カメラのフィルムは……2枚減ってるな」

天海「遅くなったっす、どうっすか?」

最原「駄目だよ、僕が着いた時にはもう本棚は閉まってたよ」

天海「ていうことは今黒幕は中に居るんすかね?」

最原「さあ…」

天海「センサーが鳴ったということは今は入った状態だと思うんで、このままここで待ってれば出てきた黒幕と対面できるんじゃないっすか?」

最原「そうだといいけど…」

王馬「……今頃秘密の通路通って出てるって可能性もあるよ」

天海「そもそも本当にそんな通路あるんすかね?」

最原「どっちにしても、フィルムは消費されているから、これを現像すれば黒幕の姿が写っているんじゃないかな?」

王馬「うーん…、写ってるのかなぁ…」

最原「それは現像してみればわかるよ」

王馬「とりあえず天海ちゃんはそろそろおろして」

天海「あ、忘れてたっす」抱えていたのを降ろす

王馬「それで、これからどうするの?」

天海「とりあえず、中から黒幕が出て来るのを待てばいいんじゃないっすか?」

最原「そうだね、とりあえず10分くらい待機してようか」

最原「もしそれでも黒幕が出てこなかった場合は、2人をここに残して1人が寄宿舎に戻り、誰が部屋に居ないのかを調査すればいいと思うよ」

最原「一応、モノパッド的には今全員寄宿舎に居ることになってるけどね」

最原「でもそんなものは鍵でいくらでも偽装することができるしね」

最原「ちなみに2人残す理由は、黒幕に襲われた時の為だよ」

天海「はい、それでいいと思うっす」

王馬「ねえ、何でこんなタイミングで黒幕がこの部屋に入ったと思う?」

最原「…図書室の中にも教室Aにも見張りが居なくなったからじゃないのかな?」

最原「更に今は夜だし、他の人に会うこともないだろうし」

最原「今までの辻褄が合うように考えると…」

最原「そもそもこの部屋にあるのは元々モノクマを製造する施設ではなく、別の何かで、今それを利用する必要があるから黒幕はこの中に入ったんじゃないかな?」

最原「モノクマを製造する施設は、きっと別の隠し部屋にあるんだ」

最原「だから今までモノクマは生産することが出来た」

最原「…じゃないかな?推測だけど」

天海「どっちにしろ、黒幕がここから出てきたところをとっちめれば全部わかることっすね」



ー10分後ー


最原「…そろそろ10分が経ったね」時計確認

天海「遅いっすね、黒幕」

最原「案外この奥から外の世界に繋がっていて、黒幕が何かをしに外の世界へ出かけているだけ…とも考えられるね」

王馬「それじゃあ、2人がここに残ってあと1人が寄宿舎に戻って誰が居るのか確認するんだったよね」

王馬「オレが寄宿舎に確認に行ってくるよ」

最原(確かに、ここから出てくる黒幕に襲われる可能性があるとすると、1番小柄な王馬くんがみんなの確認に行った方がいいのか…?)

最原(…どうする?王馬くんに任せる?)



①最原が寄宿舎に行く

②王馬に寄宿舎を任せる(王馬視点映りません)


>>↓2安価

安価置いて本日ここで終了です、ありがとうございました


>>309
でしょうね、女子に校舎を探るような人居ませんから…

ベルデ(高見沢 大介)、ガイ(芝浦 淳一郎)、死亡】

【残り、魔法少女11名、仮面ライダー10名、計21名】

 

No.098

 

2012年6月1日(2日目)、8:07p.m.――


芳野利央(男子十九番)のミニウージーと財前永佳(女子六番)のコルト・ガバメントが同時に火を噴いた。

永佳は一度引き金を引き、すぐさま望月卓也(男子十七番)に手を引かれながら、利央たちが潜伏していた家の向かいの家の塀の陰へ隠れた。
利央はそれを追うように引き金を引きながら追ったが、弾は2人の動きを止めることはできなかった。

利央もすぐに門扉の陰に姿を隠した。
永佳が撃ってくると、銃声が鳴り止むや否や半身を乗り出し、撃ち返す。
まるで、映画の中の銃撃戦のよう――鳴神もみじ(女子十二番)は目の前で起こっていることをまるで画面の向こうで繰り広げられている光景かのような錯覚を覚えたが、そんな悠長なことを考えている場合ではない。

「鳴神」


利央が、ミニウージーの替えのマガジンをデイパックから取り出して装着しながらもみじの名を呼び、もみじははっと我に返った。
利央の息は荒い。
ミニウージーでの連射が、腹の傷に響くのだろう。
早く、医者に見せなければ。

られた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

ある程度まで登

芳野利央(男子十九番)のミニウージーと財前永佳(女子六番)のコルト・ガバメントが同時に火を噴いた。
永佳は一度引き金を引き、すぐさま望月卓也(男子十七番)に手を引かれながら、利央たちが潜伏していた家の向かいの家の塀の陰へ隠れた。
利央はそれを追うように引き金を引きながら追ったが、弾は2人の動きを止めることはできなかった。
利央もすぐに門扉の陰に姿を隠した。永佳が撃ってくると、銃声が鳴り止むや否や半身を乗り出し、撃ち返す。
まるで、映画の中の銃撃戦のよう――鳴神もみじ(女子十二番)は目の前で起こっていることをまるで画面の向こうで繰り広げられている光景かのような錯覚を覚えたが、そんな悠長なことを考えている場合ではない。

「鳴神」

利央が、ミニウージーの替えのマガジンをデイパックから取り出して装着しながらもみじの名を呼び、もみじははっと我に返った。
利央の息は荒い。
ミニウージーでの連射が、腹の傷に響くのだろう。早く、医者に見せなければ。

「任せて、利央くん。 ”作戦”通りに…もみじ、頑張るから」
「悪いな…鳴神に危ないことをさせてしまう… 俺が動ければ、俺がやるのに――」
「利央くんが動けないようにしちゃったの、もみじだし。
 もみじこそごめんね…一番嫌なところは、利央くんに押し付けちゃうから…」
「気にするな…鳴神だけに負担を押し付けるつもりはない。 …気を付けて」
「利央くんも」

女子5番・黒川梨紗(くろかわ・りさ)

美術部。女子文化部グループ。
大人しくおどおどした感じ。
設楽海斗(男子10番)とは幼馴染。


支給武器:ピコピコハンマー
kill:なし
killed:なし
凶器:なし
 

海斗に恋心を抱いている。

G=04エリアで美作由樹(男子18番)に襲われ逃げる。逃げる途中で遠江敬子(女子12番)に救われる。敬子に励まされ、共に行動する。
C=07エリアで不破千尋(男子17番)率いるプログラム破壊グループに会うが、人探しの為にすぐに別れる。
G=06エリアで矢田美晴(女子18番)と会い、喜ぶ。 美晴にハッキングの事を聞くが、その所為で政府側にバレてしまった。 美晴の希望により別れた。
G=09エリアで海斗を発見。しかし、常に自分ではなく曽根崎凪紗(女子10番)の事を考えている海斗に激怒。真田勝(男子9番)に襲われ錯乱し逃げ出す。 追いかけてきた海斗に改めて失恋。 元の場所で敬子の亡骸を発見、泣く。 放送後、移動。
E=07エリアで千尋と勝の最期を看取り、プログラム本部へ向かう。
本部で爆発予定の校舎内にADGIメンバーが取り残されている事を知り、救出に向かう。竹原(元戦闘実験体)に襲われるが無傷のまま井上稔(ADGI)・柳瀬伊織(ADGI)を救出、脱出するためにヘリに急ぐ。
海斗を助けられなかった事・護られてばかりだった事を悔やみ、今度は自分が誰かを救う為に医術を学ぶ事を決意、渡米。

2年後、伊織のいる病院に勤める。

 

とことん護られてばかりだった梨紗ちゃんでした。
私は実は本来こういう護られてばかりの子はあまり好みません、なのに想像以上に何もしない子になってしまった…

突き出される永佳の右手。
止めようと、もみじは手を伸ばした。
永佳のモスグリーンのカーディガンの袖に指を引っかけた。
けれども、永佳の勢いは、止められなかった。

刀は、ずぶずぶと、もみじの左胸部に差し込まれた。
喉の奥から突き上げてきた液体が、もみじの小さな口から溢れた。
刺された――そう認識した時には、もみじは仰向けに倒れていた。

もみじは掌を利央に向けて差し出した。
利央は一瞬眉を顰めたが、もみじの意図を理解し、掌を差し出した。
互いの掌を合わせ、頷き合った。
利央の手は、冷たかった。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。
利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。
接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

芳野利央(男子十九番)のミニウージーと財前永佳(女子六番)のコルト・ガバメントが同時に火を噴いた。
永佳は一度引き金を引き、すぐさま望月卓也(男子十七番)に手を引かれながら、利央たちが潜伏していた家の向かいの家の塀の陰へ隠れた。
利央はそれを追うように引き金を引きながら追ったが、弾は2人の動きを止めることはできなかった。
利央もすぐに門扉の陰に姿を隠した。永佳が撃ってくると、銃声が鳴り止むや否や半身を乗り出し、撃ち返す。
まるで、映画の中の銃撃戦のよう――鳴神もみじ(女子十二番)は目の前で起こっていることをまるで画面の向こうで繰り広げられている光景かのような錯覚を覚えたが、そんな悠長なことを考えている場合ではない。

「鳴神」

利央が、ミニウージーの替えのマガジンをデイパックから取り出して装着しながらもみじの名を呼び、もみじははっと我に返った。
利央の息は荒い。
ミニウージーでの連射が、腹の傷に響くのだろう。早く、医者に見せなければ。

「任せて、利央くん。 ”作戦”通りに…もみじ、頑張るから」
「悪いな…鳴神に危ないことをさせてしまう… 俺が動ければ、俺がやるのに――」
「利央くんが動けないようにしちゃったの、もみじだし。 もみじこそごめんね…一番嫌なところは、利央くんに押し付けちゃうから…」
「気にするな…鳴神だけに負担を押し付けるつもりはない。 …気を付けて」
「利央くんも」

もみじは掌を利央に向けて差し出した。利央は一瞬眉を顰めたが、もみじの意図を理解し、掌を差し出した。
互いの掌を合わせ、頷き合った。利央の手は、冷たかった。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

ある程度まで登り、塀の向こう側に永佳と卓也の姿を確認した。
あちらは二手になる作戦は取らないようだ。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

ある程度まで登り、塀の向こう側に永佳と卓也の姿を確認した。
あちらは二手になる作戦は取らないようだ。

先程のやり取りの中で、感じた。
もしかすると、あの2人の内、リーダーではないのは卓也なのではないだろうか。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

ある程度まで登り、塀の向こう側に永佳と卓也の姿を確認した。
あちらは二手になる作戦は取らないようだ。

先程のやり取りの中で、感じた。
もしかすると、あの2人の内、リーダーではないのは卓也なのではないだろうか。
利央が『リーダーだけが生き残る』案を提案した時に、卓也は動揺していたように見えたし、永佳がそれを庇ったように見えた。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

ある程度まで登り、塀の向こう側に永佳と卓也の姿を確認した。
あちらは二手になる作戦は取らないようだ。

先程のやり取りの中で、感じた。
もしかすると、あの2人の内、リーダーではないのは卓也なのではないだろうか。
利央が『リーダーだけが生き残る』案を提案した時に、卓也は動揺していたように見えたし、永佳がそれを庇ったように見えた。
卓也が動揺したのは、自分が殺されると感じたからではないだろうか。

「…頑張るから」

もみじは小さな声で、もう一度決意を言葉にした。利央の掌から手を放すと、もみじは立ち上がり、庭へと向かった。
銃撃戦になったとしても、弾が尽きるのはお互い時間の問題。接近戦になると、素早く動くことのできない利央が不利となる。
そのため、動き回ることのできるもみじが2人の隙を作って動きを止め、利央が止めを刺す――シンプルだが、それが利央の立てた作戦だ。
言うだけなら簡単なのだが、隙を作り動きを止めることを実行するのは、そう易々とできることではない。
少しでも相手の思考の範囲外から、意表を突き、動揺させる必要がある。

銃撃戦の音を聞きながら、もみじは庭の端に植えられた大きな木の前に立った。
そして、足をくぼみに引っかけながら、少しずつ上っていく。
木登りの経験はあまりない。
いつも、木戸健太(男子六番)や朝比奈紗羅(女子一番)がやっているのを見守っているだけのことが多かった。
けれども、2人が器用に上っていく様は、しっかりと目に焼き付いている。
本気になれば、やってやれないことはない。
これも、相手の隙をつくための作戦。
もみじと利央が二手に分かれることは予想できるだろうが、こんな木を登って上から間合いを詰めてくるとは思わないだろうから。

ある程度まで登り、塀の向こう側に永佳と卓也の姿を確認した。
あちらは二手になる作戦は取らないようだ。

先程のやり取りの中で、感じた。
もしかすると、あの2人の内、リーダーではないのは卓也なのではないだろうか。
利央が『リーダーだけが生き残る』案を提案した時に、卓也は動揺していたように見えたし、永佳がそれを庇ったように見えた。
卓也が動揺したのは、自分が殺されると感じたからではないだろうか。
卓也は、健太と似ていると思う。

先程のやり取りの中で、感じた。
もしかすると、あの2人の内、リーダーではないのは卓也なのではないだろうか。
利央が『リーダーだけが生き残る』案を提案した時に、卓也は動揺していたように見えたし、永佳がそれを庇ったように見えた。
卓也が動揺したのは、自分が殺されると感じたからではないだろうか。
卓也は、健太と似ていると思う。
真っ直ぐで、嘘が吐けないし、隠すのが下手――そこが良いところだと思うけれど。

…交渉が失敗してても、生き残る人数は多い方が良いよね…
それがたとえ…紗羅ちゃんを殺した相手でも…

もみじは右手1本が木から離れても体勢が崩れないように足場を確認し、右手を離してデイパックを右肩から外した。
左肩側に傾いたデイパックの中から銃を1つ、取り出した。
銃身を口に咥えて今度は懐中電灯を出し、下に向けて一瞬明かりを点けた。
塀より下の位置になるので、永佳たちからは見えない。
これは、準備ができたことを利央に知らせる合図。
利央がいる方向からもチカッと明かりが光った。
それを確認して、もみじは懐中電灯をデイパックの中にしまった。

ミニウージーの掃射音が響き、止んだ。
単発の銃声が3度響き、止んだ。

今だ…!!

もみじは右足で幹を蹴り、次の一歩で塀を蹴り、宙を飛んだ(辺りは暗いとはいえ、一応女の子なので、左手でスカートの裾は押さえておいた。それでも見えてると思うし、めちゃくちゃ恥ずかしいけれど、今は気にしないことにした)。
物音に気付いた永佳と卓也が同時に空を仰ぎ、目を見開いた。
永佳がコルト・ガバメントを構えた時には、もみじは着地し(足の裏がジンジンと痛んだ)、銃の引き金を引いていた。

…交渉が失敗してても、生き残る人数は多い方が良いよね…
それがたとえ…紗羅ちゃんを殺した相手でも…

もみじは右手1本が木から離れても体勢が崩れないように足場を確認し、右手を離してデイパックを右肩から外した。
左肩側に傾いたデイパックの中から銃を1つ、取り出した。
銃身を口に咥えて今度は懐中電灯を出し、下に向けて一瞬明かりを点けた。
塀より下の位置になるので、永佳たちからは見えない。
これは、準備ができたことを利央に知らせる合図。
利央がいる方向からもチカッと明かりが光った。
それを確認して、もみじは懐中電灯をデイパックの中にしまった。

ミニウージーの掃射音が響き、止んだ。
単発の銃声が3度響き、止んだ。

今だ…!!

もみじは右足で幹を蹴り、次の一歩で塀を蹴り、宙を飛んだ(辺りは暗いとはいえ、一応女の子なので、左手でスカートの裾は押さえておいた。それでも見えてると思うし、めちゃくちゃ恥ずかしいけれど、今は気にしないことにした)。
物音に気付いた永佳と卓也が同時に空を仰ぎ、目を見開いた。
永佳がコルト・ガバメントを構えた時には、もみじは着地し(足の裏がジンジンと痛んだ)、銃の引き金を引いていた。

「ああ…ッ!!!」

永佳が悲鳴を上げ、顔を押さえてその場に蹲り、激しく咳込んだ。
もみじはコルト・ガバメントを永佳からもぎ取り、もみじがいた家の庭へ放り込んだ。

もみじが手にしているのは、偽銃セットの1つ、大東亜肆号――水鉄砲だ。
この中に入れていたものは、民家の台所で発見した酢。
目に入れば動きを制限させられるし、口に入っても動きを止められる上、狙いを外しても臭いでむせるだろうという利央の意見により採用した。

「永佳…!! もみっち、永佳に何するんだッ!!」

もみじは卓也に引っ張られバランスを崩したが、倒れざまに卓也に向っても水鉄砲ならぬ酢鉄砲を発射した。
酢は卓也の服を濡らし、その臭いに卓也は咳込んだ。

一方バランスを崩したもみじは尻餅をつき、デイパックがするりと腕を滑り落ちた。
武器を取り出しやすいように半開きにしていたデイパックの中から、懐中電灯などの荷物が飛び出したが、気にすべきはそこではない。
もみじはすぐに立ち上がり、卓也に掴み掛かった。
卓也が伸ばしてきた手を躱し、大東亜肆号の銃口を卓也の口許に当てた。

「動かないでね、動いたら引き金引くよ?
 酢ですっごくむせるからね?
 そしたら、卓也くんすっごく隙だらけになるからね?」

おもちゃで脅しをかけているのが我ながら滑稽なのだが、卓也は動きを止めた。
その様子を見た利央がこちらに近づいてくる足音が聞こえる。

「…訊いていい?
 卓也くんは…リーダーじゃないんだよね…?」

卓也は目を見開いた。
目が泳いでいる。
それは、肯定と同意だった。

「…卓也くんは嘘が吐けないよね…健ちゃんそっくり、似たものペア…
 そんな健ちゃんとのダブルス…もみじ、好きだったよ…」

「…俺もだよ」

今にも泣き出しそうな卓也の表情に、鼻の奥がツンと痛んだ。
ああ、あの平和な時間が、ずっと続けばよかったのに――クラスメイトを窮地に追い詰めながらも、そう考えてしまう。
いや、きっと、これからも考え続けるだろう。

卓也の側頭部に、利央のミニウージーの銃口が突き付けられた。
もみじは大東亜肆号の銃口を下ろした。
一歩、後ろに下がる。

「望月…すまない。
 お前が死ぬことで…このプログラムを終わりにさせてくれ」

卓也の口許が、わなわなと震えていた。
当然だ、自分の命の終わりが迫っているのだから、恐怖しないわけがない。

「…もみっち。
 紗羅のことがあるのはわかってるけど…だけど…お願い。
 永佳を独りにしないでやって…仲良くしてやって…?」

死を覚悟した卓也の最期の願いに、もみじは小さく頷いた。
遺恨はあるけれど、プログラムで仲間を失った辛さや悲しみがわかる同志だ。
時間は掛かるかもしれないけれど、みんなでそれを乗り越えなければならない。

「わかっ――」



「勝手に話を進めないでッ!!!」

これまでに聞いたことのない永佳の金切り声に、もみじはばっと振り返った。
永佳の手には、銃が握られていた。
しかし、それは、コルト・ガバメントではない。
明かりの少ない中、目に酢が入り視界も万全ではない状況、永佳は手探りで辺りを探り、憶えのある感触を見つけてそれを掴んだのだろう。
もみじのデイパックから零れ落ちた、大東亜壱号――唯一得体の知れない偽銃を。

永佳が、引き金を引いた。

刹那、視界が一瞬白んだ後、破裂音と共に真っ赤な華が咲いた。
引き金を引いた永佳の左手が、爆発したのだ。

「え…?」

もみじは、自分の顔に何かが付着したのを感じ、指で拭った。
真っ赤な血と、生ぬるい肉片だった。
想定外の凄惨な光景に、もみじはその場にへたり込んだ。

『まあ、他も閃光銃と煙幕だったから、似たようなものかもしれない。
 相手に使わせることで隙を作るような何かなんだろうなとは思っている』
『ふぅん…なんか、ビックリ箱みたいな感じなのかなぁ…?』

これまでに聞いたことのない永佳の金切り声に、もみじはばっと振り返った。
永佳の手には、銃が握られていた。
しかし、それは、コルト・ガバメントではない。
明かりの少ない中、目に酢が入り視界も万全ではない状況、永佳は手探りで辺りを探り、憶えのある感触を見つけてそれを掴んだのだろう。
もみじのデイパックから零れ落ちた、大東亜壱号――唯一得体の知れない偽銃を。

永佳が、引き金を引いた。

刹那、視界が一瞬白んだ後、破裂音と共に真っ赤な華が咲いた。
引き金を引いた永佳の左手が、爆発したのだ。

「え…?」

もみじは、自分の顔に何かが付着したのを感じ、指で拭った。
真っ赤な血と、生ぬるい肉片だった。
想定外の凄惨な光景に、もみじはその場にへたり込んだ。

『まあ、他も閃光銃と煙幕だったから、似たようなものかもしれない。
 相手に使わせることで隙を作るような何かなんだろうなとは思っている』
『ふぅん…なんか、ビックリ箱みたいな感じなのかなぁ…?』

この銃の正体がわからなかった時、もみじは利央とそのように話していた。
他の偽銃が全て殺傷能力の低いものだったので、壱号も似た類だと思っていた。

これまでに聞いたことのない永佳の金切り声に、もみじはばっと振り返った。
永佳の手には、銃が握られていた。
しかし、それは、コルト・ガバメントではない。
明かりの少ない中、目に酢が入り視界も万全ではない状況、永佳は手探りで辺りを探り、憶えのある感触を見つけてそれを掴んだのだろう。
もみじのデイパックから零れ落ちた、大東亜壱号――唯一得体の知れない偽銃を。

永佳が、引き金を引いた。

刹那、視界が一瞬白んだ後、破裂音と共に真っ赤な華が咲いた。
引き金を引いた永佳の左手が、爆発したのだ。

「え…?」

もみじは、自分の顔に何かが付着したのを感じ、指で拭った。
真っ赤な血と、生ぬるい肉片だった。
想定外の凄惨な光景に、もみじはその場にへたり込んだ。

『まあ、他も閃光銃と煙幕だったから、似たようなものかもしれない。
 相手に使わせることで隙を作るような何かなんだろうなとは思っている』
『ふぅん…なんか、ビックリ箱みたいな感じなのかなぁ…?』

この銃の正体がわからなかった時、もみじは利央とそのように話していた。
他の偽銃が全て殺傷能力の低いものだったので、壱号も似た類だと思っていた。
まさか、引き金を引いた人の腕を吹っ飛ばす威力だなんて、思わなかった。

これまでに聞いたことのない永佳の金切り声に、もみじはばっと振り返った。
永佳の手には、銃が握られていた。
しかし、それは、コルト・ガバメントではない。
明かりの少ない中、目に酢が入り視界も万全ではない状況、永佳は手探りで辺りを探り、憶えのある感触を見つけてそれを掴んだのだろう。
もみじのデイパックから零れ落ちた、大東亜壱号――唯一得体の知れない偽銃を。

永佳が、引き金を引いた。

刹那、視界が一瞬白んだ後、破裂音と共に真っ赤な華が咲いた。
引き金を引いた永佳の左手が、爆発したのだ。

「え…?」

もみじは、自分の顔に何かが付着したのを感じ、指で拭った。
真っ赤な血と、生ぬるい肉片だった。
想定外の凄惨な光景に、もみじはその場にへたり込んだ。

『まあ、他も閃光銃と煙幕だったから、似たようなものかもしれない。
 相手に使わせることで隙を作るような何かなんだろうなとは思っている』
『ふぅん…なんか、ビックリ箱みたいな感じなのかなぁ…?』

この銃の正体がわからなかった時、もみじは利央とそのように話していた。
他の偽銃が全て殺傷能力の低いものだったので、壱号も似た類だと思っていた。
まさか、引き金を引いた人の腕を吹っ飛ばす威力だなんて、思わなかった。

「永佳ぁぁぁあぁぁッ!!!」

卓也が永佳の名を叫び、駆け寄った。
利央が止めようと手を伸ばしたが、空を切った。

これまでに聞いたことのない永佳の金切り声に、もみじはばっと振り返った。
永佳の手には、銃が握られていた。
しかし、それは、コルト・ガバメントではない。
明かりの少ない中、目に酢が入り視界も万全ではない状況、永佳は手探りで辺りを探り、憶えのある感触を見つけてそれを掴んだのだろう。
もみじのデイパックから零れ落ちた、大東亜壱号――唯一得体の知れない偽銃を。

永佳が、引き金を引いた。

刹那、視界が一瞬白んだ後、破裂音と共に真っ赤な華が咲いた。
引き金を引いた永佳の左手が、爆発したのだ。

「え…?」

もみじは、自分の顔に何かが付着したのを感じ、指で拭った。
真っ赤な血と、生ぬるい肉片だった。
想定外の凄惨な光景に、もみじはその場にへたり込んだ。

『まあ、他も閃光銃と煙幕だったから、似たようなものかもしれない。
 相手に使わせることで隙を作るような何かなんだろうなとは思っている』
『ふぅん…なんか、ビックリ箱みたいな感じなのかなぁ…?』

この銃の正体がわからなかった時、もみじは利央とそのように話していた。
他の偽銃が全て殺傷能力の低いものだったので、壱号も似た類だと思っていた。
まさか、引き金を引いた人の腕を吹っ飛ばす威力だなんて、思わなかった。

「永佳ぁぁぁあぁぁッ!!!」

卓也が永佳の名を叫び、駆け寄った。
利央が止めようと手を伸ばしたが、空を切った。

もみじは、卓也が永佳に駆け寄り抱き起す光景を、茫然と見ていた。
指についた肉片の感触だけが、妙にはっきりと感じられた。
頭の中で爆発の光景が繰り返され、もみじは俯いて口元に手を当て、呻いた。

こわい、きもちわるい、ひとが、ひとのうでが、もみじのかおに、ひとのにくが、こわい、きもちわるい…こんなつもりじゃ――

「鳴神、立て…ッ!!」

利央の声が聞こえ、もみじは顔を上げた。
「あ…」、小さな声が、喉の奥から漏れた。

左腕を真っ赤に染めた永佳が、呻き声を上げていた。
鞘を足で押さえながら右手で刀(あれは見覚えがある――榊原賢吾(男子七番)が持っていたのと、同じ物だ)を抜いた。
自分の身体を支えていた卓也を振り切り、這うような低い姿勢で、今にも倒れそうな覚束ない足取りで、しかし今しがた左腕が爆発したとは思えない程の素早い動きで、あっという間にもみじの眼前に迫っていた。

突き出される永佳の右手。
止めようと、もみじは手を伸ばした。
永佳のモスグリーンのカーディガンの袖に指を引っかけた。
けれども、永佳の勢いは、止められなかった。

刀は、ずぶずぶと、もみじの左胸部に差し込まれた。
喉の奥から突き上げてきた液体が、もみじの小さな口から溢れた。
刺された――そう認識した時には、もみじは仰向けに倒れていた。


『生き抜けよ……
 俺の誇りが折れない限り……俺たちに……負けはない……!!』


うそ…やだ…
まさか、そんな…ここまで来た…のに……
もみじ…ばかだ……

「あぁ……ごめん……なさ……れい…さま――」

もみじの目尻から、涙が一筋零れた。
涙で潤む瞳からは、光が失われていった。

   女子十二番・鳴神もみじ  死亡

   【残り三人】

ふざけるな…今、あのババァは何て言った…?
瀬戸口北斗(男子6番)は呆然と坂ノ下愛鈴(担当教官)を見上げた。
我が耳を疑った。能天気な声で、何よりも聞きたくなかった言葉をあの女が言った気がした。

「え…今、何て…」

1番前の席、優等生の津和野早苗(女子9番)の呟きが聞こえた。
あまりに信じられない言葉に、思わず声が出てしまったのだろう。

「だぁかぁらぁ、これはプログラムなのv 皆もニュースとかで聞いて知ってるでしょお? 最後の1人になるまで殺し合う、例のアレよv」

アイリンは相変わらず能天気な声で繰り返した。聞き違いではなかった。
やはり、あのプログラムだった。
1年に50クラス、選ばれる確率なんて宝くじに当たるようなものだ。
それなのに。最悪の当たりくじだ。

ふざけるな…今、あのババァは何て言った…?
瀬戸口北斗(男子6番)は呆然と坂ノ下愛鈴(担当教官)を見上げた。
我が耳を疑った。能天気な声で、何よりも聞きたくなかった言葉をあの女が言った気がした。

「え…今、何て…」

1番前の席、優等生の津和野早苗(女子9番)の呟きが聞こえた。
あまりに信じられない言葉に、思わず声が出てしまったのだろう。

「だぁかぁらぁ、これはプログラムなのv 皆もニュースとかで聞いて知ってるでしょお? 最後の1人になるまで殺し合う、例のアレよv」

アイリンは相変わらず能天気な声で繰り返した。聞き違いではなかった。
やはり、あのプログラムだった。
1年に50クラス、選ばれる確率なんて宝くじに当たるようなものだ。
それなのに。最悪の当たりくじだ。

「ちょ…ちょっと待ってください!」

北斗の後ろで、しっかりとした、それでも語尾がやや震えた声がした。
副委員長である、深森なぎさ(女子20番)だった。

「担任って…あたしたちの担任は大雪先生です! 大雪先生はどうしたんですか!?」
「えぇっとぉ…あなたは深森さんねぇ?」

アイリンは手持ちの資料をパラパラと捲りながら言った。資料から目を離し、にっこりと微笑んだ。

「大雪先生はぁ、事情を話したら快諾してくれましたぁv お国の為に頑張って、そう言伝を受けましたぁv とぉっても物分りの良い人で、アイリン大助かりぃv」
「そんな…っ」

なぎさの悲痛な声が教室に響いた。
確かに、担任の大雪は愛国主義のきらいがあった。

ふざけるな…今、あのババァは何て言った…?
瀬戸口北斗(男子6番)は呆然と坂ノ下愛鈴(担当教官)を見上げた。
我が耳を疑った。能天気な声で、何よりも聞きたくなかった言葉をあの女が言った気がした。

「え…今、何て…」

1番前の席、優等生の津和野早苗(女子9番)の呟きが聞こえた。
あまりに信じられない言葉に、思わず声が出てしまったのだろう。

「だぁかぁらぁ、これはプログラムなのv 皆もニュースとかで聞いて知ってるでしょお? 最後の1人になるまで殺し合う、例のアレよv」

アイリンは相変わらず能天気な声で繰り返した。聞き違いではなかった。
やはり、あのプログラムだった。
1年に50クラス、選ばれる確率なんて宝くじに当たるようなものだ。
それなのに。最悪の当たりくじだ。

「ちょ…ちょっと待ってください!」

北斗の後ろで、しっかりとした、それでも語尾がやや震えた声がした。
副委員長である、深森なぎさ(女子20番)だった。

「担任って…あたしたちの担任は大雪先生です! 大雪先生はどうしたんですか!?」
「えぇっとぉ…あなたは深森さんねぇ?」

アイリンは手持ちの資料をパラパラと捲りながら言った。資料から目を離し、にっこりと微笑んだ。

「大雪先生はぁ、事情を話したら快諾してくれましたぁv お国の為に頑張って、そう言伝を受けましたぁv とぉっても物分りの良い人で、アイリン大助かりぃv」
「そんな…っ」

なぎさの悲痛な声が教室に響いた。
確かに、担任の大雪は愛国主義のきらいがあった。
だが、まさか自分の生徒がプログラムに選ばれて、快諾した上にわけのわからない言伝までするとは。

ふざけるな…今、あのババァは何て言った…?
瀬戸口北斗(男子6番)は呆然と坂ノ下愛鈴(担当教官)を見上げた。
我が耳を疑った。能天気な声で、何よりも聞きたくなかった言葉をあの女が言った気がした。

「え…今、何て…」

1番前の席、優等生の津和野早苗(女子9番)の呟きが聞こえた。
あまりに信じられない言葉に、思わず声が出てしまったのだろう。

「だぁかぁらぁ、これはプログラムなのv 皆もニュースとかで聞いて知ってるでしょお? 最後の1人になるまで殺し合う、例のアレよv」

アイリンは相変わらず能天気な声で繰り返した。聞き違いではなかった。
やはり、あのプログラムだった。
1年に50クラス、選ばれる確率なんて宝くじに当たるようなものだ。
それなのに。最悪の当たりくじだ。

「ちょ…ちょっと待ってください!」

北斗の後ろで、しっかりとした、それでも語尾がやや震えた声がした。
副委員長である、深森なぎさ(女子20番)だった。

「担任って…あたしたちの担任は大雪先生です! 大雪先生はどうしたんですか!?」
「えぇっとぉ…あなたは深森さんねぇ?」

アイリンは手持ちの資料をパラパラと捲りながら言った。資料から目を離し、にっこりと微笑んだ。

「大雪先生はぁ、事情を話したら快諾してくれましたぁv お国の為に頑張って、そう言伝を受けましたぁv とぉっても物分りの良い人で、アイリン大助かりぃv」
「そんな…っ」

なぎさの悲痛な声が教室に響いた。
確かに、担任の大雪は愛国主義のきらいがあった。
だが、まさか自分の生徒がプログラムに選ばれて、快諾した上にわけのわからない言伝までするとは。

「あ、あの…」

北斗の横で天道千夏(女子10番)がおずおずと手を挙げていた。
普段は大人しくて滅多に声を聞かないが、この状況で発言しようとするあたり、勇気はそれなりにある。

ふざけるな…今、あのババァは何て言った…?
瀬戸口北斗(男子6番)は呆然と坂ノ下愛鈴(担当教官)を見上げた。
我が耳を疑った。能天気な声で、何よりも聞きたくなかった言葉をあの女が言った気がした。

「え…今、何て…」

1番前の席、優等生の津和野早苗(女子9番)の呟きが聞こえた。
あまりに信じられない言葉に、思わず声が出てしまったのだろう。

「だぁかぁらぁ、これはプログラムなのv 皆もニュースとかで聞いて知ってるでしょお? 最後の1人になるまで殺し合う、例のアレよv」

アイリンは相変わらず能天気な声で繰り返した。聞き違いではなかった。
やはり、あのプログラムだった。
1年に50クラス、選ばれる確率なんて宝くじに当たるようなものだ。
それなのに。最悪の当たりくじだ。

「ちょ…ちょっと待ってください!」

北斗の後ろで、しっかりとした、それでも語尾がやや震えた声がした。
副委員長である、深森なぎさ(女子20番)だった。

「担任って…あたしたちの担任は大雪先生です! 大雪先生はどうしたんですか!?」
「えぇっとぉ…あなたは深森さんねぇ?」

アイリンは手持ちの資料をパラパラと捲りながら言った。資料から目を離し、にっこりと微笑んだ。

「大雪先生はぁ、事情を話したら快諾してくれましたぁv お国の為に頑張って、そう言伝を受けましたぁv とぉっても物分りの良い人で、アイリン大助かりぃv」
「そんな…っ」

なぎさの悲痛な声が教室に響いた。
確かに、担任の大雪は愛国主義のきらいがあった。
だが、まさか自分の生徒がプログラムに選ばれて、快諾した上にわけのわからない言伝までするとは。

「あ、あの…」

北斗の横で天道千夏(女子10番)がおずおずと手を挙げていた。
普段は大人しくて滅多に声を聞かないが、この状況で発言しようとするあたり、勇気はそれなりにある。

「あ…あたしのパパは…この事を知ってるんですか…? その…パパ、政府の人なんですけど…」

アイリンは思い出したように手を叩いた。

「あぁ、天道さんねぇ…そっかぁ、天道議員のお嬢さんなんだぁv
 天道議員にはお世話になってますぅv
 天道議員はもちろん、皆のご両親にはこの事を伝えてますよぉv
 反抗した人には、ちょ~っと乱暴させてもらいましたぁ、テヘッv」

アイリンが肩をすくめた。
いい歳して何が「テヘッv」だ、気持ち悪い。

それにしても、政府の乱暴の事だ、反抗した親は一足先にこの世を去っていてもおかしくない。
邪魔者は抹[ピーーー]る、大東亜政府のやり方だ。

「えぇっとぉ…後ろの3人の兵隊さんの紹介をしとくわねぇv
 右からぁ、野田君、渡部君、木下君でぇすv」

野田は見るからに無愛想な男、渡部は3人の中で最も幼さの残っており、木下は銀縁のメガネを掛けた頭の良さそうな男だ。
内面の事は全くわからないが、こんな政府の犬になっているくらいだ、ろくな人間ではないだろう。

「じゃあ、ルール説明をしていくわねぇv
 ちゃあんと聞いててくれないと、アイリン怒っちゃうぞぉ?

 武器使用、騙まし討ち、その他諸々何でもアリよぉv
 要は殺し合って、最後の1人になったらゲーム終了v
 お家に帰る事ができまぁす!
 優勝者にはスペシャル特典がありまぁすv
 なんと、一生分の生活保障の上に総統様のサイン色紙まで貰えるのよぉv」

いるかそんなもん。

「あぁ、天道さんねぇ…そっかぁ、天道議員のお嬢さんなんだぁv
 天道議員にはお世話になってますぅv
 天道議員はもちろん、皆のご両親にはこの事を伝えてますよぉv
 反抗した人には、ちょ~っと乱暴させてもらいましたぁ、テヘッv」

アイリンが肩をすくめた。
いい歳して何が「テヘッv」だ、気持ち悪い。

それにしても、政府の乱暴の事だ、反抗した親は一足先にこの世を去っていてもおかしくない。
邪魔者は抹[ピーーー]る、大東亜政府のやり方だ。

「えぇっとぉ…後ろの3人の兵隊さんの紹介をしとくわねぇv
 右からぁ、野田君、渡部君、木下君でぇすv」

野田は見るからに無愛想な男、渡部は3人の中で最も幼さの残っており、木下は銀縁のメガネを掛けた頭の良さそうな男だ。
内面の事は全くわからないが、こんな政府の犬になっているくらいだ、ろくな人間ではないだろう。

「じゃあ、ルール説明をしていくわねぇv
 ちゃあんと聞いててくれないと、アイリン怒っちゃうぞぉ?

 武器使用、騙まし討ち、その他諸々何でもアリよぉv
 要は殺し合って、最後の1人になったらゲーム終了v
 お家に帰る事ができまぁす!
 優勝者にはスペシャル特典がありまぁすv
 なんと、一生分の生活保障の上に総統様のサイン色紙まで貰えるのよぉv」

いるかそんなもん。

北斗は口の中で悪態付いた。
口に出せば撃たれるかもしれないということは、容易に理解できたので。

アイリンは模造紙を取り出し、広げて黒板に貼った。
ダイヤモンド型の絵、すぐに地図だと理解した。

「これはぁ、今アイリンたちがいる島でぇすv
 場所はぁ、千葉県沖にあるぅ、古鳥島っていう島よぉv
 ここは人が住んでいる島なんだけどぉ、今は出てってもらってまぁすv
 今は無人なのでぇ、好き勝手やってくれて結構でぇす!
 家宅侵入・器物破損・窃盗、何でもアリだからねぇv
 あ、でもぉ、電気・ガス・水道は止めてありますぅv
 電話も使えませぇんv」

この島に住んでいた人たちが気の毒だ。
もちろん反対に追い出された人たちも、たとえ聞かされなくても大体の見当はついているはずなので、自分たちを気の毒に思っているだろうが。

アイリンは続けた。

「この島の中心部にある小学校がぁ、ここにあたりますぅv
 島の中ならどこを移動しても構いませぇんv
 海もぉ、海岸沿いくらいならいいかなぁ?
 でもぉ、あまり離れるとぉ、逃亡とみなしてぇ、殺しまぁすv
 ほら、ここの4つの印はぁ、船があるということですぅv
 それとぉ、禁止エリアというのを作りますぅv
 禁止エリアというのは何かというとぉ…はぁい、首輪に注目!
 これは皆の居場所を察知できるようになってるのぉv
 禁止エリアに入るとぉ、死んでる子には何も反応しませぇんv
 でもぉ、もし生きてたらぁ…首輪が…ボン!!って爆発しまぁすv
 あ、いじくったり引っ張ったりしても爆発するからぁ、気をつけてねv」

首輪に手を掛けていた何人かが、慌てて手を離した。
中には今首輪の存在に気付いたらしく、何度も首輪に手を触れている人もいた。

というか何なんだ、爆発?
ふざけんじゃねぇ…ふざけんじゃねぇぞ!!

投稿再開します

最原「いや、僕が行くよ」

王馬「まあ最原ちゃんなんてここに残ってても、いざ黒幕と対決ってなったら何の役にも立たなそうだしね」

最原「流石に王馬くんより僕の方が力もあると思うけど…」

王馬「でも最原ちゃんって女子相手だと何もできなそうだよね」

最原(……ちょっと否定できないかもしれない…)

最原「…行ってくるね」

天海「一応、部屋を訪れた理由とかは適当に嘘ついてほしいっす」

最原「勿論本当のことなんて言わないよ」

天海「あと、部屋を訪れたことも他人に他言しないように言っておいてくださいっす」

最原「うん、わかったよ」

最原「…寝てる人も居るだろうから、なんだか悪いなぁ…」

王馬「まあ仕方ないよね」

ー寄宿舎ロビーー


最原(さて、来たぞ)

最原(まずは男子の部屋から行くか…)ピンポーン

最原「……」

最原(寝ちゃってるかな?)ピンポーン

最原「……」

真宮寺『…はい』ドア越し会話

最原「あ、真宮寺くん」

最原「ごめんね、ひょっとして寝てたかな…?」

真宮寺『寝ていたけど、別に構わないヨ』

真宮寺『ところで何の用かナ?』

最原「あ、えっと…、実は僕もさっきまで寝てたんだけどさ、その、不吉な夢を見て…」

真宮寺「不吉な夢?」ドアガチャッ

最原「いや、ただの夢だから気にしないでほしいんだけど…」

最原「…その、真宮寺くんが怪我しちゃう夢だったんだよね」

最原「妙にリアルな夢だったからさ、ちょっと気になって顔見たくなって来ちゃったんだ」

真宮寺「…へェ、そうだったんだネ」

真宮寺「見ての通り、僕は健康そのものだヨ」

最原「うん、そうみたいだね」

最原「安心したよ」

真宮寺「……用事はそれだけかイ?」

最原「うん、そうだよ」

最原「本当にごめんね、こんな用でこんな時間に部屋に来ちゃって」

真宮寺「別にそれは構わないヨ」

真宮寺「それじゃあ…」ドア閉め

最原「あ、ちょっと待って!」

真宮寺「…何だイ?」

最原「その、お願いがあるんだけど…」

最原「僕がこうやって真宮寺くんの部屋を訪れたことを、他の人に他言しないでほしいんだよね」

真宮寺「…どうしてだイ?」

最原「こんな理由で君の部屋に行ったってことがみんなに知られたらちょっと恥ずかしいってだけだよ」

真宮寺「フーン…」

最原(…表情や仕草を観察されている気がする…)

最原(真宮寺くん相手の会話って緊張するな…)

真宮寺「…まァ、別に構わないヨ」

最原「ありがとう…」

真宮寺「それじゃあ、おやすみ…」ドアパタン

最原「うん、おやすみなさい…」

最原(無駄に緊張しちゃったな…)

最原(……これ、全員分の部屋周り終えた頃には精神が擦り切れそうだ…)

ーーー


最原(よし、次はキーボくんだ…)ピンポーン

最原「……」

最原「……?」ピンポーン

最原「……」

最原(……キーボくんって睡眠しないと思ってたけど、ロボットでも寝たりするのかな?)ピンポーン

最原(…はっ!まさかキーボくんが黒幕だったとか…!?)

最原(もしキーボくんが黒幕だとすると、本格的に人間対ロボットでターミネーターじゃないか…)

最原(……それか、今は完全にスリープモード中で、事前にセットした時間になるまで絶対に起きない仕様だとか…?)ピンポーン

最原(…その可能性もあるよな…)

キーボ『…はい、誰でしょう?』ドア越し会話

最原(あ、良かった、居た…)ホッ…

最原「あの、僕…最原だけど」

キーボ『こんな時間にどうしたんですか?』

最原「ちょっとキーボくんに関する不吉でリアルな夢を見ちゃったから、無事かなー?って気になっちゃって様子見に来たんだよね…」

>最原(……キーボくんって睡眠しないと思ってたけど、ロボットでも寝たりするのかな?)
>最原(もしキーボくんが黒幕だとすると、本格的に人間対ロボットでターミネーターじゃないか…)


最原君は今日もナチュラルにロボット差別をしています

キーボ『えっ、どんな夢見たんですか?』

最原「えーっと、僕の目の前でキーボくんがプレス機に潰される夢なんだよね」

キーボ『えぇっ…』

最原「でも無事なようで良かったよ」

キーボ『…そんな夢を見るということは、最原クンはボクをプレス機で潰したいと思っているのですか…?』

最原「いや、そんなことないよ!」

最原「むしろ心配だったからこうして見に来たんだし…」

キーボ『…その言葉、信じますね』

最原「まあだから、えーっと、キーボくんの無事も確認できたことだし、僕もう帰るね、起こして(?)ごめんね、じゃあね!」

最原「あ、今キミの部屋を訪れたこと、誰にも言わないでね」

最原「こんなことで部屋を訪れたってみんなに知られたら恥ずかしいからさ」

キーボ『あっはい』

最原「それじゃあね、おやすみ!」

最原(…似たようなことをずっと言ってるから、我ながら段々雑になってきたな…)スタスタ…

ーキーボの個室ー


キーボ(……一体何だったのでしょうか…)

東条「キーボ君、誰だったの?」シャワールームノドアガチャッ

キーボ(…最原くんには口止めされましたし、言わないほうがいいでしょうね)

キーボ「いえ、大した用事じゃなかったので大丈夫です」

東条「そう。それじゃあ引き伸ばし機のセッティングも終わったから、これの使い方を教えるわね」

キーボ「はい、よろしくお願いします」

東条「…ごめんなさいね、私は引き受けた依頼なのにキーボ君にも手伝わせることになってしまって」

キーボ「いえ、ボクが手伝うと言ったんですから大丈夫ですよ」

キーボ「それに東条さんはフィルムの現像までは1人でやってくれたじゃないですか」

東条「1人じゃないわ」

東条「キーボ君も液体の温度を測るのを手伝ってくれたり、タイマーを見ててくれたじゃない」

東条「キーボ君はとても正確に測ってくれるから、私も作業が楽になったわ」

キーボ「お役に立てたようで良かったです!」

キーボ「それに、カメラ3つ分と作る写真の枚数も多いですし、ボクも作業手順を覚えて分担した方が早く済みますしね」

キーボ「手順を1度で覚えてみせます、引き伸ばし作業も任せて下さい」

東条「ふふ、頼もしいわ」

東条「じゃあまず明るい状態で機材の説明をするわね」

キーボ「はい!」



ー寄宿舎ロビーー


最原(…よし、赤松さんもOKだね…)

最原(次は入間さんだな)ピンポーン

入間「おせえじゃねーか!テメーは遅漏かよ!」ドアバンッ!

最原「えっ?」

入間「ん?なんだ、ダサイ原じゃねーか」

入間「オレ様に何の用だ?」

入間「…待て、当ててやるよ」

入間「ヤローがこんな時間にオレ様の部屋に来るってことは…」

最原「いや違うけど」

入間「まだナニもイってねーだろうが!せめて言わせやがれ!!」

最原(入間さんの相手は真宮寺くんとはまた別の意味で疲れるから、早く引き上げよう…)

最原「ごめん、部屋を間違えたよ」

入間「はぁ!?」

最原「ドアの上の絵柄をよく見てなかったんだ、どうやら寝ぼけてたみたいで…」

最原「ごめんね、おやすみ」ドアバタンッ

入間『ちょっ…』

最原(……どうやら入間さんはドアをまた開けることはないようだ)

最原(結果的にも時短になって良かったかな)

最原(さて、次は白銀さんの部屋か…)

最原「……」ピンポーン

最原「……」

白銀『はーい?』ドア越し会話

最原「…最原だけど…」

白銀『最原くん?今開けるね』ガチャッ

白銀「最原くんがこんな時間にわたしに会いに来てくれるなんて、嬉しいなぁ」

最原「……ごめん、大した用じゃないんだけど…」

最原「実は夢で白銀さんを見てさ…」

白銀「ほうほう、ナンパかな?」

最原「えっ、あ、そうじゃなくて…」

最原「ちょっと悪い夢だったから、白銀さんが無事か気になっちゃってさ」

白銀「ふーん、最原くんはそんな理由で部屋に来ちゃうんだね」

最原「やっぱり迷惑だったよね、ごめん」

白銀「ううん、感動しちゃったんだよ!」

白銀「やっぱり最原くんって優しくて素敵な人だよね」

最原「そ、そうかな?ありがとう…」

最原「じゃあ、もう無事も確認できたことだし…」

白銀「ねえ最原くん」手ガシッ

最原「…な、何…?」

白銀「最原くん、今日ずっと学園のこと色々調べてたよね」

最原「う、うん…」

白銀「わたし達の為にやってくれてるんだよね、ありがとう」

最原「えっと、どういたしまして…」

白銀「でもあんまり無茶はしないでほしいな、わたし心配なんだよね」

最原「心配してくれるのは嬉しいけど、僕は一応探偵だからさ、ちょっとくらい危険なことでも大丈夫だよ」

白銀「でも最原くんに何かあったらと思うと…」

最原「大丈夫だよ、僕には頼れる仲間が居るから」

白銀「へえ、1人じゃないんだね」

白銀「じゃあわたしも仲間に入れてよ!最原くんの役に立ってみせるからさ」

最原「……その気持ちだけで充分だよ、ありがとう」

最原「危険なことかもしれないから、キミは巻き込めないからね」

白銀「…そっか」

白銀「それじゃあエールだけ送るとするね」

白銀「最原くん、頑張ってね!」

最原「うん、頑張るよ、ありがとう」

最原「それじゃあ、起こしちゃってごめんね、おやすみ」

白銀「うん、おやすみ」

最原「あ、えっと、白銀さんの部屋に僕が来たこと、他の人には言わないでほしいな」

最原「こんな理由でこんな時間に女の子を部屋を訪れるなんてどう思われるかわからないし…」

白銀「かりこまり!だよ」

白銀「じゃあまた明日ね」

最原「うん、また明日」

ドアパタン

最原(次は東条さんか…)スタスタ…ピンポーン

最原「……」

最原(寝ちゃってるのかな?)ピンポーン

最原(……東条さんなら、寝ちゃっててもチャイムが鳴ったらすぐ起きてきそうなイメージだけどな)

最原(あーでも、人前に出る前に髪や服装を整えてる可能性もあるな)ピンポーン

最原(完璧なメイドさんだし…)

最原「…東条さーん?」ピンポーン

最原(…おかしいな、勝手なイメージだけど、東条さんなら寝ていても他人を待たせることはしなさそうだけど…)

最原(…一旦後回しにして、他の女子の部屋を先にまわるか…)



ーーー


最原(…アンジーさんの相手に少し手間取ってしまった…)

最原(白銀さんといいアンジーさんといい、最近の女子高生はこわいなぁ…)

最原(よし、もう1回東条さんの部屋のチャイムを押そう)ピンポーン

最原「……」ピンポピンポーン

最原(出てこないな…)

最原(この部屋に今居ないのか…?)

最原(みんなの部屋をまわってきたけど、東条さんだけが出てこない…)

最原(つまり東条が黒幕ということなのか…?)

最原(…とりあえず、一度図書室に戻ろう)

ー図書室ー


天海「王馬くんの負けっすね」

王馬「いや、『ん』から始まる言葉はまだまだあるよ!」

王馬「だから天海ちゃんが『ん』から始まる言葉を思いつかなかったらオレの勝ちってことだね」

天海「『ん』がついても続いたらしりとりのルールが破綻するんで、そろそろ止めません?」

最原「戻ったよ」ドアガチャッ

王馬「最原ちゃんおっそーい!」

最原「ごめん、意外とみんなと話すのに手間取っちゃって…」

天海「で、どうでした?」

最原「…熟睡してる可能性もあるけど、東条さんだけ何度インターホンを押しても反応しなかったよ」

天海「後の人は応対したんすね?」

最原「うん」

王馬「ということは東条ちゃんが黒幕なのかな?」

王馬「でもなんか意外だなー」

東条が黒幕だと疑われたのはキーボって奴の仕業なんだ…。

天海「俺的には、生徒の誰が黒幕でも意外としか思えないっすけどね」

天海「あ、でも真宮寺君とか王馬君が黒幕って言われたら納得しちゃうっす」

王馬「確かにオレは悪の総統だけど、真宮寺ちゃんと並べられるのはちょっと心外だよ!」

最原「王馬くん、そういう言い方は真宮寺くんに失礼だから」

天海「王馬君が黒幕っぽいかは置いとくとして、仮に東条さんが黒幕だとすると、これからどうするのがいいっすかね」

天海「…ちなみにあれからそこの隠し扉は開いてないっすよ」

最原「あれから結構時間経ったと思うけど、まだ開かないんだね」

王馬「やっぱりあの中にもう居ないんじゃない?」

最原「それなら東条さんはどこに行ったんだろう…」

最原「鍵は寄宿舎にあるようだけどさ」

王馬「まあとりあえず、あの隠しカメラのフィルムを現像して黒幕の確認と動かぬ証拠をさっさと押さえちゃうのがいいんじゃない?」

天海「まだ東条さんがここから出てくる可能性もあるっすから、ここの見張りも居た方が良いと思うっす」

王馬「とりあえず写真を見てみないと、東条ちゃんが本当に黒幕かどうかもわからないけどね」

てか、キーボも夜にやらせるなよ……これだから機械は……

天海「フィルムの現像なら、確か倉庫で道具が一通り揃ってるのを確認済みっす」

最原「前倉庫で色々探してた時に、物の位置とかは結構把握したもんね」

王馬「じゃあ物の位置を把握している2人が現像してきなよ、オレはここで見張ってるからさ」

最原「でも現像なんて出来ないよ…」

天海「あ、俺出来るっす」

最原「!?」

天海「一時期フィルムカメラ趣味にしてたんで、現像や引き伸ばしも出来るっす」

最原「ハイスペックかな…?」

天海「ただ俺はモノクロ写真専門にやってたんでカラーはちょっと自信ないっすけど、まあほぼ工程は同じですし、本見ながら確認するんで大丈夫っす」本棚から写真の本を取り出しながら

王馬「何で本の位置把握してんだよ…」

天海「図書室内を見張りした時にたまたま見つけたんで」

最原「じゃあカメラ取り外すね」ガムテープベリベリ

天海「それまだフィルム結構残ってるんすよね?」

最原「うん」

天海「フィルムカメラは、全部フィルムを使い切って巻ききっちゃわないと取り出しにくいんで、巻けなくなるまで適当に撮影して下さいっす」

最原「え、じゃあ、天海くんハイチーズ」カシャッ

天海「!今の油断してたんでもっかいお願いするっす」キリッ

王馬「適当に撮影しろって言ったのは天海ちゃんなのに何キメ顔してんの」

天海「まあ写るからには折角ですし」キリリッ

最原「あ、王馬くんも写る?」カシャッ

王馬「むしろ最原ちゃん写してあげるから、ちょっとカメラ貸してよ!」カメラ奪い取り

最原「え!僕写真映り悪いから…」帽子で隠す

王馬「早くフィルム使い切らなきゃいけないんだから、ほら顔見せてよ」

天海「最原くんかっこいいんで大丈夫っすよ」

最原(ていうか何してるんだろうこれ…)

ホント何してんだお前ら……

天海「あ、フィルム使い切ったっす」ジッジッ

最原「それじゃあ行こうか」

王馬「待って最原ちゃん、一応カードリーダーのホコリ確認しといてよ」

最原「うん、じゃあ一応…」

王馬「センサー切った?」

最原「うん、図書室に最初駆けつける時に切ってずっとそのままだよ」本棚ズズズ…

最原「…やっぱり、ホコリは落ちてるね」ジーッ

最原「形を確認するまでもないよ」

王馬「ふーん」

最原「念のため新しいホコリ入れとくかな」

王馬「それはしなくていいんじゃない?」

王馬「だって後はオレがここ見張ってるしさ」

最原「まあでも一応ね」ホコリ詰め

最原「それじゃあ今度こそ行くから」

ホコリスト最原くん

王馬「あ、待って」

最原「今度は何?」

王馬「センサーのリモコン渡してよ」

王馬「今日は元々の見張り時間で、交代で管理するんだったよね?」

最原「でももしまたここが開いて黒幕が出てきた時、このセンサーを持ってれば僕らが駆けつけることができるけど、持ってなかったらここが開いてもわからないし、王馬くん危ないよ」

王馬「大丈夫だって」

天海「いや、流石に渡せないっすよ」

王馬「そんなにオレのことが信用出来ないんだね!酷いよ!」

天海「心配してるだけなんすけど…」

最原「はあ、じゃあ今度こそ行くからね」

王馬「うん、2人とも頑張ってね!」ベシッ

最原「うわっ!?」

王馬「じゃあねー」

最原「な、何なんだよ…」

天海「深夜のテンションってやつだと思うっす」ドアバタン

王馬「…最原ちゃんはちょろいなー」

本日終了です、ありがとうございました
以下適当にコメ返し


>>357
ナチュラルロボット差別はノルマです

>>370>>372
これだからロボットは…

>>375
束の間の青春の1ページですね(適当)

>>377
ホコリスト笑いました

おつー
カードリーダーのホコリもそうだけどAVルームの引戸の調査でもホコリに着目する辺りホコリストの素養がありすぎるよ最原くん

投下再開します

>>380
そういえばAVルームの引戸でもホコリのやり取りありましたねww

ー入間の研究教室ー


王馬(あった、これこれっと)

王馬(よーし、早く移動しないとね)



ー寄宿舎ロビーー


ピンポーン

王馬(……やっぱり東条ちゃん居ないのかな?)

王馬(まあいいや、最原ちゃん達が来る前に早く寄宿舎での用事済ませよう)スタスタ

ピンポーン

入間「また根暗原か!?」ガチャッ

王馬「残念!オレでしたー!」

入間「テメー今何時だと思ってやがる!」

王馬「いやー、遅くなってごめんね?」

王馬「でもオレも色々あったんだよねー」

入間「まあいい、さっさとイってさっさと終わらせるぞ!」工具箱担ぎ

入間「で、そろそろどこでナニすんのか教えやがれ!」部屋の鍵閉め

王馬「おい肉便器、もう夜中なんだから少し声のボリューム落とせよ」

入間「す、すみましぇぇん……うぅ、肉便器ぃ…」

王馬「……」バシッ

入間「ひぐぅ!?」ビクッ

王馬「…服にゴミついてたよ?」

入間「…お、おう、気が利くじゃねえか…」

王馬「あ、オレちょっと自分の部屋に忘れ物あったこと思い出したからさ、先に行っててくれない?」

王馬「場所は図書室だから」

入間「図書室ぅ?あんなとこにナニがあるってんだよ」

王馬「まあまあ、先に行って中で待っててよ」

入間「ナカだな、外じゃねーんだな」

王馬「良いから早く行けよ」

入間「はいぃ〜、早くイきますぅ…」スタタッ

ー図書室ー


入間(クソッ、何で大天才のオレ様があんなツルショタにこき使われなきゃなんねーんだよ!)室内ウロウロ

王馬「はいおまたせー!」ドアガチャッ

入間「はうぅっ!?」ビクッ

王馬「で、やってもらいたいのっていうのがね…」スタスタ

王馬(さっき最原ちゃんからスッたリモコンでセンサーのスイッチを切ってっと…)

王馬「この本棚の裏にある」本棚グイッ

王馬「このカードリーダーなんとかしてもらって、ここを開けてほしいんだよね」

入間「……お、おい、この黒と白の扉って、もしかしてモノクマに関係あるんじゃねーのか…?」

王馬「さあ、偶然そういうデザインになっただけじゃない?」

入間「……なあ、本当にここ開けて大丈夫なのかよ?」

入間「追加されたばっかの校則で『未開放場所を無理矢理こじ開ける行為の禁止』ってあるじゃねえか…」

入間「あのエグイサルにオシオキされるなんて、冗談じゃねえぞ!?」

王馬「ここは未開放場所じゃないから大丈夫だよ」

入間「はぁ!?開かねーから今オレ様に頼んでんだろうが!」

入間「テメーはバカか!?」

王馬「ここを出入りしている生徒が1人居るらしいんだよね」

入間「へ!?」

王馬「生徒っていうか、生徒に紛れた黒幕らしいけど」

入間「えっ」

王馬「まあ一応生徒が既に出入りしているんだから、ここは既に解放された場所だよ」

王馬「ただ、正規の方法じゃない方法でここに入ろうとしてるだけだから問題ないよ!」

入間(…本当にそういうことでいいのか?)

入間(うぅっ…、このカラーリング的にぜってーモノクマ関わってんだろ…)

入間(オレ様はただでさえ1回モノクマをぶっ壊しちまって、目付けられてるかもしれないってんのに、これ以上モノクマに目つけられてたまっかよ…!)

入間(オレ様は無事ここを卒業して、ぜってー外の世界に出てやるんだからな!)

入間(……卒業?待てよ…?)

入間(『みんな揃って卒業』っていうのは無理だけどよ、『オレ様だけが卒業』することは出来るよな)

入間(初回特典を誰もまだ使ってないわけだし…)

入間(初回特典があれば学級裁判なんてめんどくせーものしなくて済むから、現場やアリバイを偽装する必要もねーし…)

入間(…今は夜中、ここには2人だけ、こいつはオレ様より体格が小さい…)

入間(肌も真っ白だし、どう見てもインドアな奴だろうし…)

入間(……これは、殺すなら今なんじゃねーのか…?)

入間(チャンスだろこの状況!)

入間(殺せそうな道具も…この工具箱に色々入ってるわけだしよ…)

入間(で、でも、確かにコイツはムカつく野郎だけどよ、別に殺したいってほどでもねーし…)

入間(そ、それに人殺しなんてアタシ無理ぃ…)

入間(…でも人を殺さねーとここから出られねールールだし、折角初回特典なんてあるし……)

入間(…うぅっ……)

王馬「質問はもう無いかな?」

王馬「無いならさっさと作業に取り掛かってほしいんだけど」

入間「え、えっと…」カードリーダーを見る

入間(…まだ中を見てないからなんとも言えねーけど、このタイプなら開けられそうだな…)

入間(……この扉、本当に開けていいのぉ…?)

入間「……」王馬の方チラッ

王馬「何?出来ない?そんなこと言いたいならとりあえずそれの中開けて仕組みの確認するくらいの素振りはしてほしいんだけど」

入間「……」工具箱を開ける

入間(……駄目だ、全部凶器に見えてくるぜ…)

入間(うぅっ、どうしよう…)



①これはチャンスだ!殺そう!

②人殺しは流石にダメだよな…


>>↓1安価

本編ではしなかったけどモノクマが「僕が死んだから特別特典はなかったことにしてね」とか言われたら終りだな

入間(スパナ丸鋸圧着ペンチ電動ドリルマイナスドライバーはんだごて延長コード……)

入間(1番グロくなさそうなのは延長コードで絞殺か、スパナで撲殺か…)

入間(……うっ、死んだ姿想像したら気持ち悪くなってきた…)

入間(やっぱりやめとこう…)

入間(そ、それに、殺人は流石にねーよな…)

入間(こいつにも家族とか居るだろうし、オレ様もそのままここから出られたとして、誰にもオレ様が人を殺したと知られないとしても、こいつの死を振り切って生きていけるとはとても…)

王馬「はーやーくー作業してよー」

入間(こいつ人の気も知らないで…)

入間「……電子工具を使うかもしれねーから、とりあえず電源の確保をしてーんだけどよ、この部屋のコンセントはどこにあるんだ?」

王馬「それならそこの本の山の近くと、そっちの奥の廊下側のドアの近くにコンセントあったよ」

入間「お、あった。延長コードを挿して隠し扉の前まで引っ張ってきてっと…」

入間(…とりあえず、今はこいつのここを開けて大丈夫だって言葉を信じて開けてみるか…)

入間(いざとなったらこいつを盾にして全力で逃げよう…)

ー倉庫ー


天海「これで一応全部揃ったっすね」

最原「じゃあ早速現像しに行こうか」

天海「俺が引き伸ばし機とこっちの道具運ぶんで、最原くんはこっちお願いするっす」

最原「わかったよ。よいしょっと……ゔ、重い…」

天海「液体類が色々あるっすからね」

天海「一応、レンズに気をつけてくださいね」

最原「う、うん」

天海「それにしても…」

最原「どうしたの?」

天海「ああ、いや、引き伸ばし機ってもっと台数あったと思ったんすけど、こんなもんでしたっけ」

最原「台数まではよく覚えてないけど、確かにここに空きスペースがあるね」

最原「何か置いてあったんだろうけど、誰かが持って行ったんだろうね」

天海「…まあ考えてもわかんないですし、早く行きましょうか」

最原「場所は?」

天海「まあ、俺の部屋が良いと思うっす」

最原「わかったよ」スタスタ



ー寄宿舎、天海の個室ー


天海「じゃあ俺は今から部屋の方でダークバッグ使ってフィルムを現像タンクに移すんで、最原くんはシャワールームで液体の準備をお願いするっす」

天海「温度計はそれぞれの液体につき1本ずつ使用して下さい」

天海「まあ後はこの本の通りに」つ本

天海「すぐ終わらせてそっち手伝うんで」

最原「えっと、メスカップに発色現像液と漂白液と定着液を準備か…」

最原(液温安定用の水は…まあここはシャワールームだし、いつでも水でもお湯でも出せるから準備しなくていいかな…?)

天海「あ、流水ずっと使う工程あるんで、床濡れると思うんで先に靴下脱いでて下さいっす」ダークバッグゴソゴソ

最原「うん、わかったよ」

ーーー


天海「…よし、定着が終わったんで、後は本水洗だけっす」流水ダバー

天海「これで10分放置っす」

最原「10分だね」タイマーセット

天海「この工程が終わったら、あとはフィルムを吊るして乾かして現像は完了っす」

最原(ちょっと時間があるな…)


①10分くらいすぐ経つし、このまま待機

②東条の部屋にもう一度行く

③図書室に様子見に行く


>>↓1安価

最原(よし、東条さんの部屋にもう一度行ってみよう)

最原「天海くん、僕はもう1回東条さんに部屋に行ってみるよ」

天海「…あれからセンサーが鳴ってないということは、まだ図書室の隠し扉は開いてないんで、東条さんは帰ってきてないと思うっすよ」

天海「仮に何かしらの方法で東条さんが部屋に戻ってきてるとしても、彼女は今1番黒幕の可能性が高いと思うんで、1人で行くのが危険だと思うっす」

天海「だから、最原くんが行くっていうなら、俺もついて行くっすよ」

最原「ありがとう」

最原「でも、もしかしたら話とかしたら10分以上時間かかるかもしれないよ?」

天海「本水洗の工程は時間が長引いても大丈夫なんで問題ないっす」

最原「そうなんだね」

最原「じゃあタイマーの残り時間と現在の時刻をチェックして、タイマーは止めておこうか」

天海「誰も居ないのに鳴ったら困りますしね」

最原「…よし、じゃあ行こうか」

天海「はい」

ピンポーン

最原「……」

ピーンポーン

最原「……」

天海「…出ないっすね」

最原「…まあ、夜中だから…」

ピンポーン

天海「…やっぱり東条さんは…」

東条『どちら様かしら?』ドア越し会話

最原「!あ、最原です」

東条『今開けるわ』ガチャッ

東条「あら、天海君も…」

天海「どうもっす」

東条「2人して、こんな夜中に何のご用かしら?」

誤解が解けそうでよかった、じゃなかったら取った意味がない

最原「えっと、大した用事じゃないんだけど…」

最原「……」

最原「実はさっきも東条さんの部屋を訪れたんだけど、結構チャイムしたんだけど出てくれなかったけど、熟睡してたりした…?」

東条「別の時間にも来たのね」

東条「それなら丁度外出していた時だったのかもしれないわね」

天海「何でこんな時間に外出なんかしてたんすか?」

東条「外出と言っても、寄宿舎内よ」

最原「ひょっとして誰かの部屋に遊びに行ってたの?」

東条「遊びに、ではないけれど……」

東条「……」

最原「?どうしたの?」

東条「最原くん、ひょっとして何かあったのかしら?」

最原「えっ、何で?」

東条「まるで私のアリバイを調べているみたいな訊き方をしているもの」

最原「そ、そんなことないよ」

東条「最原君、正直に言って頂戴」

東条「勿論、もし何か事件が起きたのだとしたら私は全力で貴方に協力するわ」

最原「えっと、別に事件は起きてないよ」

最原(まずいな、変に勘付かれてしまった…)

最原「…何か誤解させてしまったみたいでごめんね」

最原「ほら僕探偵だからさ、ちょっと気になることがあったらつい訊いちゃうんだよね」

東条「なるほど、職業病なのね」

最原「だから一応、えっと、気になっちゃうからさ、教えてほしいんだ」

東条「それは依頼ね?引き受けさせていただくわ」

最原「ありがとう」

最原「…東条さんは誰の部屋に行っていたの?」

東条「キーボ君の部屋よ」

天海「キーボ君っすか」

東条「ええ。実は夕方に百田君とキーボ君にデスロード内を撮影したフィルムを現像して写真にするように依頼されたのよ」

東条「キーボ君は私の作業を手伝ってくれるというから、キーボ君にフィルムの…プリントの仕方を教えていたのよ」

東条「2人で分担すればそれだけ早く終わるもの」

東条「多分、丁度そのタイミングで最原君は私の部屋を訪れたのだと思うわ」

最原(そういえば百田くん、東条さんに頼むって言ってたっけ)

最原(東条さん、こんな夜遅くまで依頼の為に作業していたのか…)

最原(キーボくんの部屋に行っていたなら、後でキーボくんにまた会って確認すればすぐ裏が取れるな)

東条「他に質問はない?」

最原「…プリント作業を分担していたということは、東条さんも今その作業をしていたんだよね?」

最原「もし良かったら部屋を見せてくれないかな?」

天海「えっ、流石にこんな夜中に同級生の女子の部屋に入るのは…」

最原「…あっ、いや、違うんだ東条さん…!」

東条「いえ、構わないわよ」

天海「構わないんすね…」

東条「どうぞ」ドアを大きく開ける

最原「お、お邪魔します…///」

東条「シャワールームを暗室にして作業していたの」

東条「紙はケースに戻してあるから感光の心配はないわ、ドアを開けて電気を点けてもも大丈夫よ」

最原「じゃ、じゃあ失礼します…」シャワールームノドアガチャッ電気パチッ

最原(…確かに、天海くんの部屋に持ち込んだ引き伸ばし機と同じ物だね)

最原(完成した写真の何枚かが写真バットに入れられているね)

最原(確かに東条さんはここで作業をしていたみたいだ)

最原(後はキーボくんに確認が取れれば、東条さんは図書室の隠し扉が開閉した時にアリバイがあったことになるな)

最原(勿論、キーボくんも)

最原(つまり、東条さんは黒幕じゃないんだ)

最原(でも、だとすると一体誰が…?)

東条「写真が出来る仕組みが気になるのかしら?」

東条「気になるようなら教えるけれど」

最原「あ、いや、大丈夫だよ」

最原(考え込んでいたら、勘違いされてしまったみたいだ)

最原「うん、写真ってこういう風にできるんだね、凄いなぁ」

最原「アナログ写真って時間がかかって大変だよね」

東条「でも世界で初めての写真は、1枚撮影するのに8時間もかかったのよ」

最原「え、撮影の段階で!?」

東条「ええ」

天海「それを撮影されたのは1827年で、フランス人の発明家ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスが撮影したっす」

天海「撮影されたのがその年ってだけで、カメラの原型自体は15世紀にはもうあったっす」

天海「カメラの原型であるカメラ・オブスクラは絵を描く為の装置として芸術家の間で活用されていて、あのレオナルド・ダ・ヴィンチも写生に利用したそうっすよ」

天海「あと日本人の大好きな画家であるヨハネス・フェルメールもこれを利用して絵を描いてるっすね」

天海「最原君が写真史に興味あるっていうなら今度もっと教えるっすよ」

最原「あ、うん、ありがとう…」

最原(天海くんは他人に勉強教えるのが本当に好きなんだね…)

天海「ちなみにフェルメールの名画『真珠の首飾りの少女』を題材にしたイギリス映画『真珠の首飾りの少女』はオススメっす」

最原「あっはい」

東条「……最原君、いいかしら?」

最原「うん、どうぞ」

東条「私は最原君の質問に答えて、こうして部屋まで見せたわけだけれど、もう大丈夫かしら?」

最原「うん、大丈夫だよ、ありがとう」

最原「それじゃあ僕らはこの辺で…」

東条「待ってちょうだい」

東条「私はまだ最原君が私を訪ねてきた用事を聞いていないわ」

東条「そもそも、最原君が少し前に訪ねて来た時に何をしていたか、しかまだ話していないわ」

東条「最原君に天海君、貴方達は何故私の部屋に来たの…?」

最原(…そういえばまだ訪問理由を話してなかったっけ…)

天海「ほんと大した用事じゃないんすけど…」

東条「遠慮しないで言ってちょうだい」

天海「明日の晩御飯のリクエストに来ただけっす」

天海「カレーがいいっす」

東条「カレーね、了解したわ」

東条「でもそれなら明日言ってくれても良かったんじゃない?」

天海「カレーは仕込みに時間がかかりますし、明日いつ会えるかもわかんないっすからね」

東条「なるほどね」

東条「甘いものが好きな人や辛いものが好きな人、様々居るでしょうし、色んなカレーを作らないとね」

天海「色々作るならバイキングみたいにして食べても美味しいかもっすね」

東条「色々な種類が作れるかはこの学園にある香辛料と相談してみるわね」

最原(カレーか…、最近食べてないし、東条さんの作るカレーなら絶対美味しそうだ…)

最原(というかこの時間にこの会話は飯テロだな…)

東条「…でも、天海君がカレーのリクエストをしたかっただけなら、どうして最原君まで私の部屋に来たのかしら?」

天海「それは俺が最原君と部屋で雑談していて、ふと明日の夜ご飯はカレーが良いっすよねって話しになって、そのまま流れで頼みに来ただけっすから、大した理由はないっす」

東条「なるほどね」

天海「まあそんなわけで、明日の夜ご飯、期待してるっす」

東条「ええ、任せてちょうだい」

最原「それじゃあ東条さん、おやすみなさい」

天海「おやすみなさいっす」

東条「2人とも、あまり夜更かしはしないようにね、おやすみなさい」ドアパタン

天海「…そう言う東条さんも夜更かし確定っすよね」

最原「まあ仕方ないよ」

天海「それじゃあ次は、キーボ君の部屋にアリバイの確認っすね」スタスタ

最原「うん」スタスタ

ピンポーン

天海「……」

ピンポーン

最原「…東条さんの時もそうだったけど、2人とも起きてるのに出て来るの遅いよね?」

天海「それはあれっすよ」

天海「2人とも暗室作業中なんで、部屋の出入りをするためには印画紙を直さないと出入りで紙が駄目になっちゃうっすからね」

天海「または、印画紙を現像液とかに漬けてる作業中かもしれないっすね」

天海「うっかり部屋の方の電気をつけっぱなしにしてたり、タイマーの残り時間が色々キリ悪いとほんと出てこれないっすから」

最原「フィルムの現像が終わった後も時間のかかる工程があるんだね」

天海「そんなわけなんで、ちょいちょいインターホン押して待ってるアピールしながら気長に待つっす」ピンポーン

キーボ『お、お待たせしました』ドア越し会話

最原「あ、僕だけど…」

キーボ『また最原クンですか…、今度は一体どうしたんですか?』

最原「いや、ちょっとキーボくんに訊きたいことがあってさ」

キーボ『訊きたいことですか…?』

最原「キーボくんって今何してるの?」

キーボ『えっ…?デスロードで撮影した写真のプリント作業ですよ』

最原「そうなんだね」

最原「ちなみにいつからその作業しているの?」

キーボ『えーっと、夜8時に東条さんと倉庫で待ち合わせをして、そこで必要な道具を集めて、それから東条さんと一緒に作業してましたよ』

キーボ『まあ今は分担して作業していますが…』

最原(夜8時からか)

最原(東条さんのアリバイは問題ないかな…?)

最原(まあ、合間に席を外したりもしてるだろうけど、彼女が真っ黒な黒幕っていうのから、他のみんなと同じグレーにまでなったかな)

最原(あんまりキーボくんに質問していると怪しまれるだろうし、この辺にしておこう)

最原(それにしても、東条さんが黒幕でないとすると、隠しルート説がまた浮上することになるな…)

最原(だって僕らは隠し扉のセンサーが鳴ってからすぐに駆けつけたけど、道中は誰も会わなかったし、その後隠し扉から誰も出てきてないしね…)

キーボ『…最原クン、ボクが自室で何をしているのか気になってボクの部屋に来ただけですか?』

キーボ『用事はそれだけですか?』

最原(キーボくんからしたら、忙しいのにいきなり僕が来てわけのわからない質問をしているわけだよな…)

最原「えっと、勿論それだけじゃないよ」

最原「ただキーボくんが出てくるのが遅かったから、何してるのかな?って気になっただけなんだ」

キーボ『そうですか、それで用事とは?』

最原「えぇっと、実はあの後、またキーボくんがプレス機に潰される夢を見ちゃって…」

キーボ『!?』

天海「実は俺もっす」

キーボ『え、天海クンもですか!?』

天海「はい、だからこれはきっと何かあると思って、不安になってキーボ君の確認に来たってわけっす」

キーボ『あれ?話を聞くと2人ともさっきまで寝てたんですよね?』

キーボ『何で2人一緒にボクの部屋に来たんですか?』

天海「それはあれっす」

天海「2人ともたまたま同じタイミングでキーボ君の身を案じて、たまたま同じタイミングで部屋を出てちょっと雑談して『同じ夢見てる!』ってなったから一緒にキーボ君の部屋に来たってだけっす」

キーボ『そうなんですね。…不吉ですね…』

最原「キーボくん、くれぐれも気をつけてね!」

最原「近々プレス機で潰されちゃうかもだよ」

キーボ『不安になること言わないで下さい!』

天海「用心するに越したことないっすよ」

天海「ところでキーボ君は、何で部屋から出てこないでずっとドア越しに会話してるんすか?」

キーボ『いや、だって…、仮にも今はコロシアイ生活中じゃないですか…』

キーボ『こんな夜中に不用心にドアを開けたりしないですよ…』

最原「え、キーボくんって殺せるの?」

キーボ『馬鹿にしないで下さい!』

キーボ『ボクだって人間と同じように死ぬんですよ!』

最原(ロボットが死ぬとは…?)

天海「見た目に反して結構軟弱な作りなんすね?」

キーボ『飯田橋博士の作ってくれたボクの体を馬鹿にしないで下さい!』

キーボ『もう!ボクは忙しいんですから、用事が無いならもう帰ってくださいよ!』

最原「なんかごめんね、じゃあ今度こそおやすみ」

キーボ『はい、おやすみなさい』

天海「おやすみなさい」

壊れるの間違いでは?

天海「…部屋に戻るっすか」

最原「うん、そうだね」


ー寄宿舎、天海の個室ー



天海「とりあえず、東条さんがグレーになって良かったっすよね」

最原「彼女の作ったご飯を食べてるわけだしね…」

最原「そしてこれで分かったことが1つあるね」

最原「僕らは隠し扉のセンサーが鳴ってからすぐに図書室に駆けつけた」

最原「道中では誰も会っていない」

最原「つまり、あの扉の中から隠し通路がやっぱりあるんだ」

天海「また隠し通路探ししないとっすね」

最原「でも、フィルムの現像の結果次第ではすぐにでも黒幕を追い詰められるよ」

天海「あ、そういえばそろそろ本水洗終わってるんじゃないっすか?」

最原「うん、10分経ったね」

天海「じゃあフィルムを取り出すっすよ」シャワールームノドアガチャッ

>>414
最原「つまり、あの扉の中に繋がる隠し通路がやっぱりあるんだ」

に修正です、文字抜けしてました

天海「それじゃあフィルム吊るすんで、そこのクリップ取って下さいっす」フィルムシュルシュル

最原「あ、はい」つクリップ

天海「シャワールームの壁に取り付けた突っ張り棒に引っ掛けたS字フックにクリップを引っ掛けて吊るして…っと」

最原「現像結果はどう?」

天海「ちょっと待って下さいっす」

天海「フィルムに水滴の跡がつくとやばいんで、先にスポンジで水をある程度拭くっす」

天海「よし、あとはこのまま自然乾燥するっす」

最原「フィルム見ていい?」

天海「フィルムに触らないように気をつけたら見ても良いっすよ」

最原「わかった、気をつけるよ」

最原「えっと、最初らへんのフィルムはこっち側か…」ジーッ

最原「…………」

天海「…どうっすか?」

最原「ネガだからちょっと見にくいけど…」

最原「…おかしいよ…」

天海「どうおかしいんすか?」

最原「扉の開閉を写してるフィルムだけど、人が写ってないように見えるんだ」

天海「……それはおかしいっすね」

天海「フィルムが小さすぎて人が居るのがわかりにくいだけじゃないっすか?」

最原「いや、人は確かに写っていないよ…」

最原「…つまり、こうだ…」

最原「黒幕は隠し通路を通り、あの隠し部屋へ入った」

最原「その後、中からあの図書室側の隠し扉を開閉させてカメラに写したんだ」

天海「ちょっと待ってくださいっす」

天海「カードリーダーのホコリは落ちてたんすよね?」

最原「それは多分、カメラのインターバル中にカードキーを通してホコリを落としたんだ…」

天海「インターバル?初耳っすけど」

最原「……ごめん、いい忘れてたんだけど、あの発明品は一度シャッターが押されたら、次に自動的に撮影するのは30秒後なんだ」

天海「……なるほど」

最原「隠し通路があるのにわざわざ図書室の隠し扉の開閉を行い、わざとセンサーに反応させ写真に写したり、カードリーダーのホコリを落としたりできたのは…」

最原「…どこに仕掛けられているのかわからないけど、きっとこの学園のそこら中に隠しカメラや盗聴器があって、全部盗み聞きしてたんだろうね…」

天海「まあ、学級裁判をやるとか言ってるくらいですし、犯人やトリックを見張って判定する必要があるから、当然と言えば当然っすよね」

天海「でも黒幕は何でこんなことをしたんすかね」

最原「僕らをおちょくっているのか、あるいは別の狙いがあったのか…」

最原「それはわからないけど、でもこれで隠し通路があることはほぼ確定したんだ」

最原「きっと僕らが黒幕を追い詰めているハズだよ」

天海「そうっすね」

天海「…ちなみにこのフィルム、引き伸ばしはもう必要ないっすかね?」

最原「いや、一応引き伸ばしてくれないかな?」

最原「実は目立たないだけで、本当は黒幕が写ってる可能性もあるし」

天海「了解したっす」

天海「それじゃあフィルムの乾燥が終わったら早速作業するっすね」

本日終了です、ありがとうございました
以下コメ返し


>>390
そんなこと言われたら犯人からしたら絶望的ですね(それはそれで見たかった)

>>399
誤解とけました!
入間の安価のやつといい、皆さんお優しい

>>413
キーボ「ロボットが死ぬと言ってもいいじゃないですか!」
キーボ「生物にしか使ってはいけないのですか?ロボット差別です!」

投下再開します

ー図書室ー


隠し扉のドアウイーン

入間「やった!やっと開きやがった!」

王馬「意外と時間かかったね」

入間「しかたねーだろ!機材が揃ってね―んだからよ!」

王馬「まあ、入ろうか」スタスタ

入間「じゃあオレ様は片付けするか」イソイソ

王馬「片付けなんて後でいいじゃん、先こっち調べようよ」ドア閉まらないように押さえながら

入間「えぇっ!?オレ様もそのナカに入るのか…!?」

入間(冗談じゃねえ!これ以上ヤバそうなことに関わってられっかよ!)

入間「な、中はらめぇええ!!」

王馬「早く行くよ」腕グイグイ

入間「い、イきたくないのぉおおおお!!」ズルズル

ー隠し部屋ー


入間「あん!入っちゃった…」

王馬「中は案外広いね」

入間「ケッ!趣味わりー部屋だな」

王馬「そう?メス豚ビッチちゃんより全然良い趣味してると思うよ」

入間「め、メス豚ビッチぃ……?」

王馬「うーん…、首謀者の姿は見当たらないね」

入間「えっ!居るパターンもあったのかよ!?」

王馬「じゃあまず、あのいかにも怪しい赤い布取ってよ」

入間「赤い布…」

入間(あの部屋の奥のど真ん中にある、でけーやつにかかってる布のことか…)

入間「な、何でオレ様がそんなことしなくちゃいけねーんだよ…」

入間「気になるならテメーがイけよぉ…」

王馬「まあまあ、いいじゃん」

入間「うぅっ…」ビクビク

入間「か、被ってんじゃねーぞ!クソが!」赤い布を勢い良く剥ぎ取る

マザーモノクマ「あ、見つかっちゃったね」

入間「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!?????????」ドテーン

王馬「うわー、おっきいね!もしかしてコイツもモノクマなのかな?」

マザーモノクマ「ボクはただのモノクマじゃないよ」

マザーモノクマ「このコロシアイをコントロールし、全てのモノクマの祖となる存在であるボクには…マザーモノクマという、特別な名前が与えられているんだ!」

入間「や、やっぱモノクマなのか…」

入間「こ、こんなに大きいの、初めて…!///」

マザーモノクマ「それにしても思ったより早くここに来たね」

マザーモノクマ「確かに入間さんはチートな存在だけど、よく彼女に任せたよね」

マザーモノクマ「彼女のメンタル的に、ちょっと面白いことになるんじゃないかと期待してたけど、何にも起きなくてガッカリだなぁ…」

王馬「『全てのモノクマの祖』ねぇ…」

王馬「お前がモノクマーズの言ってた、この学園の中にあるモノクマのスペアを作れる設備ってやつ?」

マザーモノクマ「ピンポーン、せいかーい!」

マザーモノクマ「ほら、ボクの背後にある素晴らしい機械が見えるでしょ?」

マザーモノクマ「この機械でモノクマの型を作り出し、そこにボクの思考をコピーすることで、ボクはボクを産み出しているのだー!」

入間「ま、まじかよ…」

入間「モノクマって滅茶苦茶ハイスペックロボットっぽいのによ」

入間「つーか、思考をコピーってことはやっぱりあれは自立型AIってことなんだな」

入間「あんまり言動やモーションが自由だから、てっきり誰かが遠隔で操作してると思ってたけどよ…」

入間「…まあ、キーボも大概すげーか」

王馬「キー坊は量産できないけどね」

マザーモノクマ「ね?ボクって凄いでしょ?」

入間「だけど流石にあんなレベルのロボットを作るってなると、すげー時間かかっちまいそうだよな」

マザーモノクマ「ところがどっこい!スペアは簡単に作れちゃうんだよ」

王馬「…じゃあやって見せてよ」

マザーモノクマ「…………」

入間「ん?どうしたんだよ、さっさとヤれよ」

マザーモノクマ「愛もないのに、産める訳ないじゃない!」

マザーモノクマ「ちゃんと産んだ後のこととか考えてるの!?」

マザーモノクマ「無責任に産めだなんて言わないでよね!」

王馬「入間ちゃん、なんかこのマザーモノクマと芸風ちょっと被ってるよ」

入間「オレ様のは芸じゃねーし、ここまで重くねーよ!」

王馬「マザーモノクマちゃん!オレがちゃーんと責任取るからさ、モノクマを産んでみせてよ!」

マザーモノクマ「どうせそれも嘘なんでしょ!?」

マザーモノクマ「認知してくれるの!?養育費払ってくれるの!?」

王馬「認知するよ!」

マザーモノクマ「養育費は!?」

王馬「ちゃんと払うよ!入間ちゃんが!!」

入間「お、オレ様がかよ!?」

王馬「認知もするし養育費も払うって言ってるのに、なんで産んでくれないんだよー!うわああああああん!!」

マザーモノクマ「そんなの、愛がないからに決まってるじゃない!」

王馬「クソッ、どうしろってんだよ!」

王馬「愛ってなんだよ!」

入間「哲学かよ…」

マザーモノクマ「ていうかボク、王馬クンのことタイプじゃないんだよねー」

マザーモノクマ「だから認知も何も、最初からスタートラインに立ててないっていうか」

入間「辛辣だな」

王馬「なんだー、タイプじゃないなら仕方ないね」

入間「納得すんのかよ…」

王馬「じゃあさ、オレ、マザーモノクマの為に頑張って努力するからさ、どんな子がタイプなのか教えてよ!」

マザーモノクマ「そんなの教えられないよー!」

王馬「ヒントだけでも!」

マザーモノクマ「だめだよ、ダメー」

マザーモノクマ「教えられませーん」

王馬「ちぇー、ケチー」

王馬「…こんなに言っても産んでくれないってことは、お前がモノクマのスペアを作る設備っていうのは嘘なんだね」

マザーモノクマ「嘘なんてつかないよ、ボクは王馬クンじゃないんだから」

王馬「……」

王馬「マザーモノクマ、生徒の中に紛れているお前側の人間は誰か教えなよ」

マザーモノクマ「あ、ストレートに訊いちゃうんだ」

王馬「教えた方が身の為だよ?」

マザーモノクマ「え、ボクに脅し?」

王馬「はい、これなーんだ?」

入間「あ!それはオレ様が先日モノクマを、じ、事故で壊しちまったヤツと同型の発明品じゃねーか!」

入間(あの赤いコードを抜くと、半径3mが爆発するやつ…)

入間(モノクマは破壊できだが、あのマザーの耐久度がわかんねーからなんとも言えねーが、マザーの後ろにセットすれば後ろの機械もろともいい感じにダメージ与えられそうだな)

入間(マザーの方と違って、ガラス?で保護されてない後ろの機械の方はひとたまりもねーだろうな)

入間「って、なんでオメーがそれ持ってんだよ!」

王馬「ここに来る前に、入間ちゃんの研究教室から持ってきちゃった!」

入間「『持ってきちゃった』って…」

王馬「お前がもし本当にスペアのモノクマを作ることが出来るってんなら、これ使われたら困るんじゃない?」

マザーモノクマ「や、やめて!産めない体になっちゃう!」

入間「オメーは最初から体はねーだろうが!」

入間(ていうかコイツ、ほんと校則もへったくれもねーな…)

王馬「嫌でしょ?じゃあ早く黒幕だか裏切り者だかの名前を教えてよ」

マザーモノクマ「あのさあキミ、ボクが嘘をつく可能性は考慮しないわけ?」

王馬「ん?マザーモノクマはオレと違って嘘はつかないんだよね?」

マザーモノクマ「……」

マザーモノクマ「キャー!助けて我が子よー!」

モノクマ「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」ボヨヨーン

モノクマ「マザーの子、ボクです!」

王馬「さっきここの扉を開けられたってことだからさ、どうせスペアも作られてると思ったけど、やっぱりか…」

モノクマ「お客様お客様お客様!!困ります!!あーっ!!!お客様!!」図書室の方へ追い出しグイグイ

王馬「うわっ、ちょっと!まだ全然ここ調べられてないのに!」

王馬「あー、くそっ!」赤いコードブチッ、マザーにポイッ

モノクマー「ぎゃー!!危ないマザー!!」マザーを庇って発明品キャッチ

ドカーンッ

王馬「やったか!?」

入間「何でわざわざフラグ立ててんだよ!」

マザーモノクマ「ふう、危なかった…」

マザーモノクマ「やっぱり持つべきものは身代わりだね!」

入間「ほら、フラグ立てやがったから!通常のモノクマは壊れたみてーだが…」

モノクマーズ「「おはっくまー!」」

モノタロウ「うわー!?またお父ちゃん死んじゃったよー!!?」

モノスケ「最早死に芸やな」

モノキッド「流石に今回は普通に校則違反だよな!」

王馬「いや、校則違反じゃないよ」

モノファニー「ぷんぷん!この期に及んでまだ言い訳する気!?」

王馬「だってオレが狙ったのはマザーモノクマの方だよ?」

王馬「それを勝手に通常のモノクマが庇って死んだんじゃん」

王馬「事故でしょ」

モノタロウ「でもマザーモノクマだってモノクマだよ!」

モノタロウ「モノクマを狙ったってことは立派な校則違反なんだよ!」

王馬「そもそもモノクマっていうのは、お前らのパパなんだろ?」

モノファニー「うん、そうよ!」

王馬「そしてそのモノクマは、自分のことを『マザーの子』って言ってたよ」

王馬「つまりマザーモノクマは、キミ達にとってのおばあちゃんだね」

モノダム「…オバア…チャン…?」

王馬「暴力しちゃいけないこの学園の学園長っていうは、愛くるしい見た目のキミらのパパであって、おばあちゃんのことではないよね」

モノタロウ「うん、そうだね!」

モノキッド「あんなグロ生首がミー達のお父ちゃんなんて勘弁だぜ!」

マザーモノクマ「あのさぁ…」

王馬「つまりオレが狙ったのは あのグロ生首おばあちゃんだからさ、校則違反にはならないよね」

モノファニー「うん、そうね!」

モノスケ「お父やん自身がマザーモノクマのことを、親認識してるならしゃーないわな…」

モノスケ「でも今回は、ただ言いくるめられるだけのモノクマーズやないで!」

モノスケ「その件に関しては譲ってやるけど、代わりに校則を追加しといたからようチェックしときや!」

王馬「校則…」モノパッドポチポチ

王馬「『図書室の本棚を勝手に動かす行為を禁止とします』…」

モノファニー「そういうことよ!」

王馬「最早ここのこと隠す気ないね」

モノファニー「手段は選んでられないわ!」

モノキッド「よし、とりあえずキサマラはいつまでも そのドアのとこ突っ立ってねーで、そのまま図書室の方に下がりやがれ!」

モノタロウ「本棚を元の位置に直さないといけないからね」

モノキッド「こっちの言い分を聞かねーってんなら、今すぐにでもエグイサルを呼ぶぜ?」

入間「ひぃいいいいいいい!!!!」図書室へダッシュ

王馬「…まあいいけどさ」スタスタ

モノダム「…………」

モノタロウ「よーし、図書室の本棚閉めるよー」ゴゴゴ…

モノスケ「これでここは開かずの扉っちゅーわけやな」

王馬「ふーん、開かずの扉ね」

モノファニー「はい、閉じたわ」

モノファニー「キサマラ、もう夜もかなり遅いんだし、あんまり夜更かししちゃダメよ?」

モノクマーズ「「ばーいくまっ!」」

入間「うぅっ、寿命が縮まったぜ…」ドキドキ…

王馬「あ、そうだ。忘れない内に言っておくけどさ、この事他の人に言っちゃダメだからね!」

入間「あ?このこと…?」

入間「い、色々ありすぎてわかんねぇよ、どのことだ?」

王馬「この図書室に来てからのこと全部だよ」

入間「こんなピンポイントな校則追加されておいて、隠すもクソもねーと思うぜ」

王馬「言わなきゃ馬鹿にはわかんないって」

王馬「馬鹿に言う必要はないし…」

王馬「言うべき人にはオレが言うから、入間ちゃんは勝手しないでね」

入間(勝手にそっちが巻き込んだんだろ!)

王馬「言ったらただじゃおかないからね」

王馬「はい、それじゃあ今日はもう帰ってもいいよ、おつかれー」スタスタ

入間(うぅっ…、周りが全部おっかねぇ…)

入間(はぁ、教育番組もねぇ、ネットもねぇ、アタシもうこんな学園嫌だよぉ…)工具片付け



ー寄宿舎、天海の部屋ー


天海「また校則が追加されたみたいっすね」モノパッドポチポチ

最原「こんな夜中に…」

天海「…『図書室の本棚を勝手に動かす行為を禁止とします』っすか…」

天海「…まさか、王馬くんが本棚動かして何かしたんすかね?」

最原「でも本棚にはセンサーが仕掛けられていて、そのセンサーをオンオフできるリモコンは僕が今持ってるし…」

最原「……あれ?」ポケットゴソゴソ

天海「……」

最原「……ない…」

天海「…これで2度目っすよ」

天海「最原君、ポケットガバガバすぎじゃないっすか?」

最原「……」

天海「最原君が図書室を出て行く際に落としたのか、王馬君が取っていったのかは知らないっすけど、まあそのセンサーで解除して何かやっちゃったんでしょうね」

最原「…多分、取っていったんだろうね…」

最原「僕が図書室を出て行く時に王馬くんが背中を叩いてきたのは、ポケットからセンサーのスイッチを抜き取るのに気がつかせない為かな…」

最原「手癖悪いなぁ…」

天海「とりあえず、何があったのか知る為にも1度図書室に行くのが良いっすね」

天海「フィルムも当分乾かないんで」

最原「じゃあ行こうか…」

本日の誤字
>>435

(誤)
天海「最原君が図書室を出て行く際に落としたのか、王馬君が取っていったのかは知らないっすけど、まあそのセンサーで解除して何かやっちゃったんでしょうね」



(正)
天海「最原君が図書室を出て行く際に落としたのか、王馬君が取っていったのかは知らないっすけど、まあそのリモコンでセンサーを解除して何かやっちゃったんでしょうね」

ピンポーン

天海「誰か来たっすね」

天海「どちら様っすか?」

王馬『オレでーす』ドア越し会話

天海「……」ドアガチャッ

最原「…ちょうど図書室に行こうと思ってたよ…」

王馬「そうだったんだね!いやー、オレ達って以心伝心しちゃってる?」スタスタドアパタン

最原「校則の件を話に来たんだよね?」

王馬「あ、追加された校則見た?」

最原「見たよ…」

王馬「あんな校則が出来たからさ、もうあそこ見張る意味ないなと思って戻ってきたんだよ」

王馬「恐らく今後は黒幕も、あそこを出入りすることは無いんじゃないかなと思うし」

最原「確定はできないけど、黒幕も生徒である以上あそこを出入りしづらいだろうし…」

最原「他に隠し通路があれば、そっちを確実に使うだろうね」

天海「…王馬君、そろそろ何があったのか話して下さいっす」

王馬「ん?何があったのかって?」

天海「この校則が追加されるに至った原因があるハズっすよね?」

王馬「まあ立ち話も何だし、座っていい?」

天海「どうぞ」

王馬「まあ察してると思うけど、あの隠し扉を開けて、ちょっとあいつらを怒らせるようなことしちゃったんだよね」

最原「ちなみにどうやって開けたの?」

王馬「入間ちゃんに開けさせたんだよ」

天海「は!?何やってるんすか!」

天海「あそこはモノクマに関係してるかもしれない重要な部屋な可能性があるのに、事情をよく知らない生徒を巻き込むなんて…」

天海「…もしくは、入間さんにだって黒幕の可能性はあるんすよ!?」

王馬「どこにあるかわからない隠し通路を延々と探すより、あの扉開けたら手っ取り早いと思って、昼に夜時間を空けとくようにお願いしてたんだよね」

王馬「夜に開けさせようと思った理由は、やっぱり他の生徒の人目が気になるからだよね、何があるかわからないし」

王馬「勿論、約束の時間まで詳しいことは何も言ってないし、さっきも隠し部屋のことは口止めして別れたよ」

天海「…ならせめて、実行する前に俺らに一言相談してほしかったっすね」

王馬「相談したら絶対賛成してくれなかったよね?」

王馬「天海ちゃんは慎重すぎなんだよ、それじゃ何もできないよ」

王馬「だから勝手にやったんだよ」

天海「王馬君が勝手にやったことによって、また校則が追加されたっすよ」

最原「でもこの校則の追加によって、隠し通路の存在が決定的になったんじゃないかな」

最原「元々、東条さんの黒幕疑惑が晴れた時点で隠し通路の存在はほぼ確定的になってたんだし、今回追加された校則に関しても、黒幕が不利になるような校則が追加されるとは考えにくいからね」

天海「何で最原君はそっちの味方なんすか」

最原「黙ってた王馬くんにもちょっと問題はあると思うけど、そんなことずっと責めても仕方ないよね」

最原「僕としては早くこの話を切り上げて、隠し扉の中の情報を知りたいからね」

王馬「さっすが最原ちゃん!効率厨すぎてクールというかドライだね!」

王馬「貶してないよ?オレは好きだよ!ここを出たらオレの秘密結社に入ってよ!」

最原「こういう会話も不毛だから王馬くん、早くあの隠し扉の中の情報を教えてくれないかな」

天海「さては最原君、眠いだけっすね…」

天海「早く情報聞き出して寝たいんすね…」

最原「そうだよ」

天海「でも俺の方が起きてるんすからね」

天海「朝6時から今までずっと起きてるんすよ」

最原「天海君の寝てないアピールとかどうでもいいよ」

最原「僕は1日最低8時間は寝てないと、頭が働かなくなるしイライラしてくるんだ」

天海「健康的な生活送ってるんすね…」

王馬「ぐっすり探偵なんだね」

王馬「オレの組織に入れば食欲性欲睡眠欲も渇く事なんて一切…」

最原「僕は就職先には困ってないから、早く経緯を簡潔に詳しく教えてってば」

王馬「簡潔なのか詳しくなのか…」

ーーー


王馬「…って感じかな」

最原「そのマザーモノクマの言うことが嘘じゃなければ、やっぱりあの隠し扉の奥にモノクマのスペアを製造できる装置があったんだね」

天海「ということは、やっぱり隠し通路があったんすね」

王馬「マザーモノクマの部屋から出ていく時、パッと部屋の中を見渡したけど、ドアや通路みたいなものは見当たらなかったけどね」

王馬「…ちゃんとは見れてないけど」

最原「更に隠してある可能性もあるね」

最原「あと部屋の内装が気になるから、明日でいいから紙にでも描いて見せてくれないかな?」

最原「多分倉庫に行けば紙と色鉛筆くらいあると思うから」

王馬「オレの画力に期待しちゃいけないよ」

最原「うん、期待してないよ、大体がわかればいいから」

最原「じゃあ今のを踏まえて明日の方針決めようか」

王馬「待って、次はオレが話を聞く番だよ」

王馬「さっき最原ちゃんが、東条ちゃんの黒幕疑惑が晴れたって言ってたけどさ、オレが居ない時にそっちでも何か進展があったってことだよね?」

王馬「それの話しを聞かせてよ」

最原「それについては後で天海くんが話してくれるよ」

天海「え、俺っすか」

最原「王馬くんは今はとりあえず、東条さんの黒幕の疑いは晴れ、あそこに繋がる隠し通路がほぼ確実に実在するという事実だけ頭に置いてくれたらいいよ」

天海「さては最原君、明日の方針が決まったらさっさと寝るつもりっすね?」

最原「うん、いい加減眠くて眠くて…」

天海「でも俺もかなり眠いんで…」

最原「そっか」

最原「じゃあそういうことだから王馬くん、東条さんの疑いが晴れた経緯は明日話すね」

王馬「ええっ…」

最原「で、明日やることだけど、今日の昼時間のと同じだね」

最原「自分の受け持った場所の探索の続きだよ」

天海「22時頃にも言ったように、俺は明日はトイレの前の廊下と2階への階段辺りを午前で終わらせて、午後からは玄関ホールをもう1度徹底探索するっす」

王馬「女子トイレも頼んだよ」

天海「王馬君のその、俺に女子トイレを調べさせようとしているのは何なんすか…」

王馬「マザーモノクマの部屋が女の部屋っぽい感じだったから、なんとなく女子が怪しいかなと思って」

最原「特に意味は無くて、ただの部屋のデザインじゃない?」

最原「教室や階段だってよくわかんないセンスの壁紙とかしてるし…」

天海「『マザーモノクマ』とかいう名前なくらいですし、単純にクイーンのイメージなだけかもっすよ、トランプ的な意味で」

王馬「そう言われると何も言えないよね」

最原「僕も明日は、校舎の周囲の外壁と地面の探索は終わりそうかな」

最原「18時になったらまた校舎内の探索の手伝いをするよ」

最原「あ、それと天海くんはどのタイミングでもいいけど、できれば早めにフィルムから写真にしといてもらえるかな」

天海「わかったっす」

最原「あと王馬くんは適当なタイミングで、天海くんに東条さんの疑いが晴れた話を訊きに行ってね」

天海「…何か俺やること多いっすね…?」

天海「王馬君、最原君の方に訊きに行ってもいいんすよ?」

最原「いや、僕もやることがあるから手が離せないかもしれない」

最原(百田くんとキーボくんに例の写真を見せてもらって、偽の外の世界の説明を受けときたいし…)

最原「王馬くんは明日はまだ校舎内の探索場所が多いから、それだけで終わりそうだね」

王馬「だね」

最原「そっちも忙しいかもしれないけど、マザーモノクマの部屋の図を描くことも忘れずにお願いするよ」

王馬「うん、わかったよ」

最原「はいそれじゃあ質問ある人居る?」

最原「なければ解散して寝ようか」

王馬「今質問してもどうせ『明日答える』って言われそうだから、何もないよ」

天海「俺も無いっす」

最原「うん、じゃあお疲れ様、おやすみ」スタスタスタドアガチャッバタン

天海「直帰する新入社員みたいな帰り方っすね…」

王馬「そんなに眠かったんだね」

天海「王馬君はお昼に寝てたから俺らの気持ちがわかんないかもしれないっすけど、かなり眠いっす」

王馬「そうなんだね!」

王馬「それじゃあ今から何する?ババ抜き?」

天海「いや、だからかなり眠いって言ってるじゃないっすか…」

天海「王馬君も部屋に帰って下さいっす…」

王馬「オレまだ眠くないんだよねー」

天海「夜ご飯直前まで寝てるからっすよ…」

天海「…じゃあ倉庫に色鉛筆と紙でも取りに行って、記憶が鮮明な内にマザーモノクマの部屋の図でも描いたらどうっすかね」

王馬「そうだね、そうしよっかな」

王馬「じゃあ天海ちゃん、おやすみー!」ドアガチャッ

天海「はい、おやすみなさいっす」ドアパタン

ー寄宿舎ロビーー


入間「あ、鬼畜ショタ!」

王馬「あれ、まだ部屋に帰ってなかったの?」

入間「そ、それがぁ、部屋の鍵失くしちゃったみたいで入れなくてぇ…」ウッウッ

入間「だからさっきドライ原に一緒に鍵探してもらおうと思って声かけたんだけどぉ、他の女子の部屋に泊めさせてもらえばとか言ってぇ…」グスッ

王馬「入間ちゃんの部屋の鍵なら開いてるよ?」

入間「へ!?」

王馬「何で1度はノブを回してみなかったの?馬鹿なの?」

入間「あ、ホントに開いてやがる!」ガチャッ

入間「あ!入ってすぐの床に鍵も落ちてやがる!」

入間「な、なんでぇ…?」

王馬(隠し部屋を開けるのを手伝ってもらう為に呼び出した時、他の人にコイツのGPSで行動を勘付かれないようにと思って、鍵取って部屋に置いたからなぁ…)

>王馬(隠し部屋を開けるのを手伝ってもらう為に呼び出した時、他の人にコイツのGPSで行動を勘付かれないようにと思って、鍵取って部屋に置いたからなぁ…)


ごめん。俺バカだからその行動の意味が分からないんだけど……

鍵がGPSになってて、持って移動すると夜中に外に出てるのがバレちゃうからね
一応コロシアイ期間中だし他の人に余計な不安いだかせる心配も抑えられるんじゃないかな

入間「何だかよくわかんねーが、これで他の貧乳どもの部屋で泊まらずに済むってわけだ!」

入間「オレ様が貧乳と同じ空気を吸って、オレ様まで貧乳になったら世界の損失だからな」

王馬「どういう原理なんだよ」

王馬(ていうか、オレが鍵取ったって何で気づかないんだろ…)

入間「ところで眠気原といいオメーといい、何ですしざんまいの部屋から出てきたんだよ?」

王馬「まあ色々あってね」

入間「エロエロ…?」

王馬「もうお前口閉じてろよ、無駄に二酸化炭素を吐き散らかしてんじゃねーよ」

入間「い、息しててすみましぇぇん…」

王馬(さっさと倉庫に寄って自室に帰ろう)スタスタ

本日終了です、ありがとうございました


>>447
>>448さんのおっしゃる通りです
ちなみに作中でのGPSの解説は>>188になっております


入間の下ネタが上手いなあ


いよいよ壁尻原の写真が現像されるのか

個人的にはこのまま黒幕が判明してみんなのオーディション映像が流れる展開でもいいかも
>>1が大変そうだけど……

投稿再開します


>>451
ありがとうございます!
入間の下ネタ考えるの地味に好きです

>>452
そういえば壁尻とかやってましたね
452さんのお陰で思い出せました

>>453
考えながら書いているので、先の方はまだどう展開していくのか決めてませんが、オーディション映像はどうなるかわかりませんが、黒幕と対決することにはなると思います(ぼんやり構想並感)

ー朝、食堂ー


東条「そろそろ食器を片付けるからみんな、流し台のところに持ってきてちょうだい」

赤松「はーい!」食器運び

白銀「……はぁ…」

アンジー「どうしたー?つむぎー」

白銀「えっ?えっと、なんかそろそろいつものパターン的にモノクマ来そうだなーと思って…」

白銀「なんかいつも朝ご飯の時に来てたし、日が開いたからそろそろかな?って…」

アンジー「大丈夫だよー、神さまも言ってるよー」

アンジ「『今日は安全日だ』ってー!」

白銀「なんか別の意味に聞こえるね…」

東条「…今朝はみんなの集まりが悪いけれど、残りの朝ご飯をどうしようかしら…」

星「腹が減ったら冷蔵庫なり鍋の中なり見に来るだろ」

星「そのままでいいと思うぜ」

赤松「はぁ…、最原くんって本当に食事にルーズだね…」スタスタ

百田「オレからしたら飯を抜くなんて、あんま考えらんねーことなんだがなぁ…」

真宮寺「朝食に来てないのは、最原君、入間さん、天海君、王馬君、キーボ君だネ」

東条(キーボ君、まだプリント作業をしているのかしら…?)

東条(後で様子を見に行って、場合によっては手伝わないと…)

夢野「キーボのやつは食事をせんから来ないのは気にならんのじゃが、他の奴らは一体どうやって昼まで腹をもたせる気なんじゃろうな」

茶柱「転子なんて朝にお鍋を食べても、お昼までお腹ギリギリしかもちませんよ」

夢野「いくら運動しているとはいえ、燃費の悪い体じゃの…」

ゴン太「そういえば今朝起きたら、校則が追加されてたよね」

ゴン太「あれって何で追加されたんだろう?」

春川「どっかの馬鹿が本棚を倒したとか、滅茶苦茶にしたとかじゃないの?」

春川「校則なんて元々意味わかんないのばっかじゃん」

春川「気にしたってしょうがないよ」

春川「それに、本棚なんて元々動かす予定なんてないし、どうだっていいよ」

ゴン太「そっか。ゴン太も本棚を動かす予定は無いし、気にしないことにするよ」

夢野「し、しかし、こういうのが追加されると、いざ本を取ろうとして本棚から抜いた拍子に本棚が倒れてきたらと思うと、恐くて触れんのう…」

東条「本がきっちり入ってしまっている棚から本を抜いても、倒れることはないと思うから安心しても良いと思うわ」

夢野「そ、そうか…」

東条(倒れることはないけれど、この校則の追加を考えるに、どこかに動かせる本棚があったということね)スタスタ…

東条(先日のプール開放時に追加された校則のことを考えると、この校則は何かあった時、すぐ追加反映されるようになっているようね)皿洗いカチャカチャ

東条(そして今回のこの校則が追加されたのは夜中ね)

東条(私が自室のシャワールームで作業を始める前に最後モノパッドを確認した時何も異常は無かったのに、プリント作業が終わって寝る前に確認した時には校則の追加がされていた…)

東条(つまり、夜中に誰かが図書室で本棚を動かして、何かをしていたということね)

東条(当然この校則というのは、モノクマ達や黒幕には不利な条件を追加するとは思えないし、むしろ黒幕側に有利に働こうとしていると思われるから、その本棚を動かした誰かが黒幕に不利益なことをもたらした為、校則が追加されたのよね)

東条(一体誰が何をしていたのかしら…?)

東条(夜中といえば、最原君と天海君が尋ねてきたわね…)

東条(…しかも最初は最原君だけが、私の居ない時間にも尋ねてきたようだし…)

東条(当然、晩御飯のリクエストの用事ではないでしょうね)

東条(あの時最原君は私に、どこで何をしていたのか訊いてきたけれど、それと何か関係することなのかしら?)

東条(朝食に来ていないのは、最原君、入間さん、天海君、王馬君、キーボ君の5名…)

東条(キーボ君は写真のプリント作業をしているだろうけど、他のみんなはきっと夜更かしをしていたのでしょうね)

東条(すると…、図書室の本棚をあの時間動かして何かをしたのは、最原君と天海君、入間さん、王馬君の誰かの可能性が高いわね)

東条(そもそも、図書室の本棚を動かして何になるのかしら…)

東条(本棚の上には本が積まれていたし、動かすとその本が落ちてきて危ないと思うのだけれど…)

東条(…いえ、私がよく覚えていないだけで、ひょっとして上に本が積まれていない本棚があったのじゃないかしら)

東条(…むしろあったのでしょうね、動かせる本棚があるということなのだから)

東条(本棚を動かして……何か黒幕が物を出し入れしている隠し金庫でもあったとか?)

東条(もしくは、初日だかに食堂でモノクマーズが言っていた、学内にあるという『モノクマを製造する機械』が本棚の裏に置いてあったり…?)

東条(きっと黒幕側の何かを見つけてしまって、それが校則によって取り締まられてしまったということね)

東条(誰かが私の知らないところで黒幕と戦っているのね…)

東条(一体誰なのかしら…?)

東条(…………)

東条(…入間さんは、彼女の性格的に違う気がするわね…)

東条(王馬君は何を考えているのか、よくわからないわ…)

東条(やはり最原君と天海君かしら?)

東条(最原君と天海君は昨日の昼時間で校舎の建物を調査していたようだし、可能性は充分あるわね)

東条(本人達に直接訊くのが1番かしら)

東条(決まりね)

東条(キーボ君の手伝いを終え、私のプリントした写真を渡したら最原君達に訊きに行きましょう)

東条(私はみんなに仕えるメイドだもの、彼らのお手伝いしましょう)

ー寄宿舎、最原の個室ー


最原「…ふあぁ…ぁ…」ムクリ

最原(今何時だろう…)目覚まし時計チェック

最原「朝?の10時半か…」

最原「今日は朝の放送があっても、全く気がつかなかったな…」目ゴシゴシ

最原「ご飯は朝昼兼用で少し早めに食べようかな…」

最原(…2人とももう起きて調査してるのかな?)モノパッドマップチェック

最原(寄宿舎に居るね)

最原(でも2人の場合、自室でやる作業を先にやってる可能性もあるし、なんとも言えないか…)

最原「……とりあえず顔洗って、ご飯食べに行こ…」ノソノソ…

ー食堂ー


最原(この時間は中途半端だから誰も居ないか…)

最原(ご飯炊けてるし、お鍋に味噌汁があるからそれついで、あとはサラダでも食べようかな)

最原(火通すの面倒くさいから、生で食べられるやつを…)冷蔵庫ゴソゴソ

最原(…野菜切る為に包丁握ったら、目が覚めてきたな…)ザクザク

最原(盛り付けて和風ドレッシングかけて出来上がりっと)食堂のテーブルに運ぶ

最原「……」モシャモシャ

最原「……」モグモグ

最原(…食べ終わったら何始めようかな)ゴクゴク



①屋外の探索の続き

②百田とキーボにデスロード出口の話を聞きに行く

③天海の部屋に写真が出来たか様子を見に行く

④その他(リクエスト)


>>↓1安価

最原(うん、百田くん達に話を聞きに行こうかな)モグモグ

最原(東条さんとキーボくんが昨日現像してたし、そろそろ写真全部出来上がってる頃じゃないかな)

最原(キーボくんに会いに行けば、写真が出来上がってるかそうかもわかるし、キーボくんに会いに行こう)モノパッドマップチェック

最原(百田くんもキーボくんも寄宿舎に居るようだね)

最原(食べ終わって片付けたら会いに行こうかな)

最原(デスロードの出口の話を聞いて、何かこの学園の謎解きに進展があればいいけど…)

最原(…今色々考えたって仕方ないよね)

最原(まずは百田くん達に話を聞いて、それから考えよう)

最原(よし、食べ終わったし片付けよう)カチャカチャ

ー寄宿舎ロビーー


ピンポーン

キーボ『はい』ドア越し会話

最原「最原だけど、今いいかな?」

キーボ『いいですかね?……はい、大丈夫ですよ』

最原(誰か中に居るんだろうね)

キーボ『今開けますね』ガチャッ

最原「えっと…」

百田「よう、最原」

最原「あ、百田くんも居たんだね」

赤松「私も居るよ!」

最原「赤松さんまで…?」

百田「キーボが写真出来たっていうからな、今からそれについて話し合おうとしてたんだ」

最原「そうなんだね」

最原「丁度よかったよ、僕もデスロードの出口の話を聞きたいと思って来たんだよね」

最原「もし良かったら僕も話に混ぜてくれないかな?」

百田「最原とは元々約束してたし、勿論いいぜ」

キーボ「まさに今から話を始めるところだったんですよ」

キーボ「さあ、入って下さい」

最原「お邪魔します」スタスタ…ドアパタン

キーボ「では、こほん」

キーボ「昨夜、東条さんに手伝っていただきまして、使い捨てカメラ3台分の写真のプリントが完了しました」

キーボ「…ボクが作業を終わらせたのは今朝ですけどね」

キーボ「東条さんは特に写真のことには触れずに、自分の担当分の写真を渡してくれました」

キーボ「恐らく、この崩壊した世界の写真を見てもデスロード内のセットの一部だと思ってくれたんだと思います」

百田「なあ、勿体ぶってねーで、とりあえず写真を見せてくれよ」

キーボ「…では、こちらになります」テーブルの上に置く

キーボ「一応、撮影順に並べてありますので、なるべく順番を崩さずに見て下さい」

最原(百田くんが写真の束を手に取り、それを一枚一枚見ていく)

最原(僕と赤松さんは百田くんの後ろから、それらの写真を覗き込んで一緒に見ていく)

最原(部分部分を写したものや、その周辺の全景を写したもの、色々な写真がある)

赤松「…改めて、酷い光景だね…」

最原「あの出口の先はこうなってたんだね…」

百田「……」

最原(…まるで現実感のない光景だな…)

最原(ポストアポカリプスものの映画の中のワンシーンみたいだ)

最原(…写真を全て見終えた)

百田「見終わったぜ」写真をまたテーブルの上に置く

キーボ「それではお話していきますね」

キーボ「まず、こちらが入ってすぐの全景写真で、こちらが外から見た出口のドアの写真です」

最原(そうしてキーボくんは写真の解説をしていった)

最原(81枚も写真があるので、解説や僕らの質問にキーボくんが受け答えをしていると、あっという間に数時間が経過していた)

最原(途中、おもむろに赤松さんがサンドイッチを取り出してその場でお昼ご飯を済ませているのを見た時は、いくら偽の外の世界と言われているとはいえ、神経図太いなと思った)

最原(ちなみに百田くんも一緒にサンドイッチを食べていた)

キーボ「…って感じですね」

最原「なるほどね…」

最原「確かに、これを屋外と呼ぶにはちょっと厳しい点が幾つかあったね」

キーボ「ちょっと上のことはわかりませんが、周囲は確かに壁に囲まれていました」

キーボ「出口の位置からは見えませんが、奥に歩いてビルの間を見てみると、横道は全てすぐ途切れていましたし、壊れかけのビルの中にも恐る恐る入ってみましたが、建物がガワだけで中に物は一切ありませんでした」

キーボ「また、出口から出て直線の道は距離が長かったですが、そのうち壁に突き当たってしまいましたし」

キーボ「その壁はよく見ると巨大な液晶モニターで、映像が映し出され続けていました」

キーボ「なので、これは室内だと思われます」

百田「だろ?オレの言った通りだろ!」

キーボ「ええ、手前の方しか荒廃した光景が作り込まれていませんでした」

赤松「出口なんてモノクマ達の嘘だったんだね」

赤松「デスロード、頑張ったのになぁ…」

むしろ、そこまで作られているということは才囚学園はスタジオ内レベルじゃない?

百田「まあでも良かったじゃねえか、あの世界が偽物ってことが確定してよ」

最原「というかあのデスロードの下を流れている水、綺麗だったしね…」

最原「食堂の野菜や果物も毎日補充されているし、きっと外の世界の普通に無事な農家で作られているんだろうね」

最原「もし外の世界が滅んでいるとしたら、モノクマ達が才囚学園のすぐ隣接した隔離された広大な土地で様々な種類の野菜や果物を作っているってことになるし…」

最原「厨房にある食料の中には魚もあったしね」

赤松「…モノクマ達がTOKIOみたいにしているのを想像したら、ほんの少しだけ和んでしまった自分が悔しいよ…」

最原「それにしても、この写真を見たりキーボくんの話を聞いてみると、デスロードの外って意外と広いんだね」

キーボ「ええ、結構広かったですね」

最原「…これはいよいよ、政府の陰謀説とかあるんじゃない…?」

百田「おいおい…」

最原「僕もこういう話につきものな陰謀説って馬鹿げてるとは思うんだけどさ…」

最原「広大な土地に立派な施設、整えられた環境…」

最原「ここで僕らの行動を観察して何か実験を行ってたりとか、可能性としては無くもないんじゃないかな」

すげー近い推理してんな。陰謀説はある意味当たっている

赤松「か、考えすぎだよ…」

赤松「そんな、フィクションの話じゃないんだからさ…」

百田「そうだぜ、第一オレたちはみんな、政府に認められた超高校級の高校生なんだぜ?」

百田「政府がそんなことしてたまっかよ」

キーボ「そうですよ、きっとどこかの悪趣味なお金持ちがボク達を閉じ込めてるだけです」

赤松「それも結構フィクションじみてるけど…、でも、政府陰謀論より現実的?かな…」

最原「現実的って何だろう…」

最原「ここでは僕らの常識なんて何も通じないんだし…」

最原「…それにここに来て結構経つけど、未だに警察も自衛隊も助けにこないし…」

赤松「……」

最原「そもそも、若者が閉じ込められてコロシアイを強要されているって時点で既にフィクションじみてるよね」

キーボ「た、確かにそうですが…」

百田「おい、こんなこといつまで考えたってしかたねーだろ」

百田「デスロードの出口がハズレだった以上、今のオレ達に出来ることは、新たな出口を探すことだけだ」

百田「黒幕の正体なんざ知ったこっちゃねえよ」

百田「誰が相手だろうが、オレ達のやることは変わらねえ、そうだろ?」

百田「食品の搬入が出来てるってことは、必ずどこかが外と繋がってるってことだからな」

赤松「…うん、そうだね!」

赤松「新しい出口が見つかるまでどれだけかかるか分からないけど、このままコロシアイが起きなければ、いつかきっとみんなと外に出られるんだもんね」

赤松「私、頑張って探すね!」

百田「勿論オレも探すぜ!」

キーボ「…そうですね、いつまでも助けを待っているだけじゃいけませんよね」

最原(新しい出口か…)

最原(…それよりも、この生徒の中に紛れている黒幕側の人間を見つけて訊き出す方が早そうだな)

最原(出口探しは彼らに任せて、僕は僕の方法でここからの脱出を図ろう)

百田「勿論最原も出口探すだろ?」

最原「うん」

最原(せっかく結束を高めているところだから、空気読んで嘘をつこう…)

最原(『互いに出口を探し合おう』そう約束して僕らは解散した)

ー寄宿舎ロビーー


最原(えっと、現在時刻は…15時だね)時計確認

最原(これから何しようかな)



①屋外探索の続き

②天海の部屋に写真が出来たか様子を見に行く

③その他(リクエスト)


>>↓1安価

最原(うん、天海くんの部屋に行こうかな)

最原(そろそろ写真出来ただろうし)スタスタ

ピンポーン

王馬『はいはーい?誰?』ドア越し会話

最原「!?僕だけど…」ドアの上のドット絵を確認

最原(確かに天海くんの部屋で間違いないけど…)

王馬「いらっしゃーい」ドアガチャッ

天海「だから何で王馬君が勝手に開けてんすか…」

王馬「どうせ天海ちゃんが応対しても開けたでしょ?」

天海「まあそりゃ開けるっすけど…」

東条「ちょうどいいところに来たわね」

最原「え?東条さんまで何で…?」

東条「ちょっと天海君に話があって来たのよ」

王馬「オレも天海ちゃんに例の話を聞きに来たんだけど、丁度東条ちゃんが来たから本人からも話聞いちゃってました!」

最原(何で本人からも話聞いちゃうの!?)

最原(何度も同じこと訊いたら怪しまれるから!)

天海「まあ色々あって、東条さんがオレらの仲間になったっす」

最原「色々!?」

最原「ちょ、ちょっと天海くん来て!」腕引っ張ってシャワールームに入る

最原『東条さんはまだ完全に白になったわけじゃないよね?』小声

天海『でもなんか昨日の俺らの行動を大体察してたみたいで、協力してくれるみたいだったんで、折角なんで女子トイレ調べてもらおうかと思って事情話して仲間になってもらったっす』小声

最原『事情話したの!?』

天海『もう結構筒抜けだったんで、いいかなって』

最原『黒幕だから事情を知ってたっていう可能性もあるよ』

天海『その可能性も否めないっすけど、女子トイレを調べて貰うために女子の協力者がほしかったところだし、王馬君も東条さん仲間は歓迎みたいだし良いかなって』

天海『あ、勿論完全に東条さんを信用したわけじゃないっすよ』

天海『女子トイレを調べる時には、誤魔化されないようにもう1人女子をつけて、2人体制で調べてもらうことにするっす』

最原『もう1人?』

天海『王馬君のオススメで入間さんに頼むことにしたっす』

最原『入間さんか…』

天海『2人居ればどちらかが黒幕だとしても、誤魔化せないと思うっす』小声

最原『まあ確かに…』小声

天海『それに東条さんが味方になったなら、心強いじゃないっすか』

最原『完全に味方ならね…』

天海『まあ東条さんはまだグレーっすけど、入間さんに関してはモノクマを壊してくれたり、マザーモノクマの部屋の扉を開けてくれたりしてくれたしとこれまでの実績があるし、結構白に近いと思うっす』

天海『…一応、女子トイレを調べてもらう時は片方が黒幕だった時のことを考慮して、片方が襲われないように、俺らがトイレ前の廊下で待機することにするっす』

最原『それなら心配は少なそうだね』

天海『他に質問はあるっすか?』

最原『…いや、無いかな』

最原『東条さんは昨夜はずっとキーボ君と写真を作っていたし、僕も彼女のことは信用したいからね…』

天海『じゃあもう部屋に戻るっすよ』

最原『うん』

最原「ごめん、お待たせ」シャワールームノドアパタン

東条「話は終わったかしら?」

最原「うん」

東条「私があまり信用できないのよね」

最原「え、えっと…」

東条「いえ、それでいいのよ」

東条「仲間も疑うべきだと思うわ」

東条「こんな状況だもの、『この人なら大丈夫』って信じきってしまっては駄目よ」

東条「特に貴方は探偵なのだから、冷静にね」

最原「東条さん…、ありがとう」

天海「そういえば最原君は俺の部屋に何の用事で来たんすか?」

最原「ああ、そうだ」

最原「えっと、そろそろ写真出来てるかな?って思って、見せてもらいに来たんだ」

天海「まあさっきシャワールームに入った時見たと思うっすけど、今バットに浸ってる紙がそれっすね」

天海「ついさっき出来たばっかなんで、水洗に突っ込んだままっすけど」

最原(…そういえば靴が濡れてしまってるな…)

最原(話に夢中でちょっと気づかなかったけど)

最原「じゃあ写真見せてもらってもいいかな?」

東条「天海君もプリント作業していたのね」

天海「はい、図書室の隠し扉を出入りする黒幕を狙おうと仕掛けていたカメラの現像とプリントしてたっす」

天海「水洗必要な時間はとっくに経ってるんで、持ってくるっす」シャワールームノドアガチャッ

天海「えっと…、これが例の扉を狙った2枚の写真っすね」つ写真

最原「うわ、びしょびしょだ…」

天海「乾燥しようと思ったら王馬君が来て、それからずっと相手していたもんで、すみません」

王馬「えーオレのせいなの?」

天海「…王馬君、ベッドでくつろぐのは構わないっすけど、枕の方に足向けて寝転がるのは止めてくださいっす」

王馬「だってみんなテーブルの方で会話してるからさ」

王馬「靴は脱いでるし平気平気!」

天海「……」

最原「写真で見ても、黒幕は写ってないね…」

最原「どっちの写真にも…」ペラッ

天海「やっぱり最原君の推理どおり、隠し通路の方から隠し部屋に侵入して扉を開け、カメラのインターバル中にホコリを落として、そのまま隠し通路を通って部屋を出ていったっぽいっすね」

最原「だね…」

王馬「ちなみに他の写真は?」

天海「勿論プリントしたっす」つ写真

最原「何で!?」

天海「たった2枚のプリントの為に液使うの、勿体無いじゃないっすか」

最原「…うん、まあ、うん…」

王馬「てか何この写真wwどうなってんの?ww面白すぎんだろwww」

東条「これは…どうなっているのかしら?」写真覗き込み

最原「?」覗き込み

最原「!!!!????こ、これは入間さんに撮られた写真じゃないか…!」

王馬「へー、入間ちゃんが撮ったんだ」写真ペラッ

最原「ていうか天海くん、何でこれこんなに写真大きいの!?」

天海「まあ四つ切りサイズっすからね」※305x254mm

東条「倉庫にはそのサイズの印画紙しかないのよ」

最原「こんなのプリントしなくていいのに…」

王馬「ねえこれところでどんな状況なの?」

最原「入間さんの発明品の人体実験に使われた時の写真だよ…」

最原「足場を作る発明品とか言って、壁にもなるけど、人体に向かって使っても貫通しないで壁が出来る仕組みって、デスロードに挑む赤松さん達に説明してたよ…」

王馬「へえ、ところで何で四つん這いになってるの?」

最原「僕が訊きたいよ!!やらされたんだよ!!!」

天海「それがフィルムの最初にあったやつなんで、順番にプリントしていったんで、それのミスプリやテストプリントが結構いっぱいあるっすよ」つ紙束

最原「捨てようか」

王馬「撮影主であるビッチちゃんにあげようよ!」

最原「被写体である僕が拒否するよ、それは嫌だ」

王馬「しょうがないなぁ、じゃあこれはオレが処分しとくよ」ミスプリント回収

最原「いや、信用ならないよ!」

最原「僕が捨てるから!」紙グイッ

王馬「大丈夫だって!オレを信じてよ!」負けじと紙グイッ

最原「信じられないよ!!」紙グイーッ

王馬「あんま引っ張ったら破れるから!」

最原「破れていいじゃないか、捨てるんだから!」

東条「…余ったフィルムで遊んでたのね」写真ペラッ

天海「あー…、その辺は深夜のテンションというかなんというか…」

天海「…あんまりキメ顔見ないでほしいっす」

東条「いえ、天海君もこんな顔するのねと思って…ふふっ」

天海「……」

王馬「最原ちゃん、正直に言うよ」

最原「何を?」

王馬「このミスプリントを入間ちゃんに渡して、その代わりにトイレ作戦に協力してもらおうと思ってるんだよね」

最原「いや、普通に頼もうよ」

最原「てか入間さんもこんなの要らないでしょ」

王馬「それはどうかな?」

本日終了です、ありがとうございました


>>468
まあある意味スタジオみたいなものですよね

>>470
近からず遠からずですね

投下再開します
本日は書き溜めはありません

最原「あ、そういえば王馬くん、アレどうなった?」紙引っ張りながら

王馬「アレ?」

最原「例の隠し部屋の中のイラストだよ」

王馬「ああ、描けたよ」パッと手を離す

最原「うわぁっ!?」勢いで後ろに転ぶ

王馬「はいこれ」つ折りたたんだ紙

天海「どれどれ…」紙を広げる

最原「いったた…」起き上がる

王馬「もう!最原ちゃん何遊んでるんだよ!」

最原「キレそう」

天海「なんというか、結構いい部屋っすね」

東条「そうね、中央の首だけのモノクマが不気味だけれど…」

最原「僕にも見せて」覗き込み

最原「…もっと酷いのを想像してたけど、意外とちゃんとわかるように描かれているね」

王馬「何で最原ちゃんだけ絵の感想言ってんの」

王馬「ちなみにこの壁の赤いところはLEDだかの電飾だったよ」

王馬「マザーモノクマの後ろの機械はよく見えなかったからよく分かんないけど…」

王馬「あとこれは予想だけど、この後ろの機械の上にあるパトランプは、モノクマが製造される時に鳴るんじゃないかな、知らないけど」

王馬「少なくとも扉の出入りで鳴った様子は無かったから」

東条「なるほどね」

王馬「ちなみに、内側から図書室側の扉の方を見ると、内側にはカードリーダーは無かったよ」

最原「ということは この隠し部屋に隠し通路があるとすると、カードキーを持ってなくてもこの部屋を出入りすることが出来るのかもしれないね」

最原「勿論、もう1つの隠し通路にカードリーダーが無い場合…だけど」

天海「無いといいっすね、もう1つの隠し通路にカードリーダーが」

東条「もしあったら、また昨晩のように入間さんに開けてもらいましょう」

東条「隠し通路なんていくつもあるものでもないでしょうし、こちらが校則によって封鎖されることはないと思うわ」

天海「そっちまで封鎖されたら、生徒の中に居る黒幕側の人間が出入り出来なくなるっすからね」

王馬「あとはこの部屋について特筆すべきことはないかな」

天海「じゃあ今後のことをちょっと話し合うっすよ」

天海「まずは入間さんの勧誘っすね」

王馬「脅してでも仲間に引きずり込むから安心していいよ」

最原「脅しって……でも四の五の言ってられないか」

天海「入間さんが仲間になった後は、さっきも言ったっすけど、東条さんと2人で女子トイレを調べてもらいたいっす」

天海「この時片方が黒幕だったらもう1人が危険かもしれないんで、俺らがトイレの前の廊下で待機しておくっす」

東条「了解したわ」

天海「調べてもらう時間は一応、夜時間が始まってからってことで」

天海「トイレの辺りに5人も固まって居たら怪しいっすからね」

天海「ちなみにそこで何も見つからなかった場合、翌日から東条さんと入間さんにも時間の空いてる時に学内の探索を手伝ってほしいっす」

王馬「トイレを調べるのが夜時間ならさ、黒幕もモノパッドのマップのGPSでオレらの動向を監視している場合があるから、万が一に備えて部屋に鍵を置いていこうよ」

最原「それって、その間ずっと部屋を開けっ放しにするってことだよね?」

最原「今はコロシアイ生活中だしちょっと不用心かもしれないよ」

王馬「みんなが寄宿舎に戻ってきた時、それぞれ部屋に入る時に複数人数で部屋をチェックして不審人物が居ないか確かめたら、万が一があっても大丈夫だと思うよ」

王馬「置いていく部屋の鍵はシャワールームの天井裏にでも隠していれば、最原ちゃんみたいなやつじゃない限り第三者に見つかりっこないと思うし」

最原「……まあ、うん…」

東条「私は異論はないわ」

天海「俺も問題ないっす」

王馬「じゃあオレは早速入間ちゃんに脅s…約束取り付けてくるね!」

天海「まあ、ほどほどにしてあげてくださいっすね」

王馬「あいつが素直に協力してくれれば酷いこと言わないよ」

最原「大丈夫かな…」

東条「…なら私も王馬君について行くわ」

王馬「じゃあいってきまーす」タッタッタッドアパタン

東条「!ちょっと…」

東条「私も行ってくるわね」スタスタスタドアパタン

天海「賑やかっすね」

最原「賑やかというか、まあ、うん…」

天海「…最原君、君が仲間になってくれて良かったと本当に思ってるっす」

最原「え、何突然」

天海「俺は最初、1人で黒幕を捕まえる気だったっす」

天海「でも最原君が俺に声をかけてくれて仲間になってくれたからこそ、王馬君や東条さんが仲間になっていったっす」

天海「もし俺1人だけだったらやれることも限られてたと思うんで…」

天海「まず、図書室を24時間見張るなんて無理だったっすからね」

最原「それなら僕だって、キミと仲間になれて良かったと思っているよ」

天海「ありがとうございます」

天海「本当、最初の方とか最原君を疑ってて申し訳なかったっす」

最原「コロシアイ生活なんてさせられてるし、仕方ないよ」

天海「でも…」

最原「天海くん、あんまり言うとフラグになるからこの辺りでやめない?」

天海「フラグ…?」

天海「フラグ…、そういえば食堂に行く途中でこんな物拾ったっす」つ死亡フラッグ

最原「それが原因だね!?こんな物はこうしてしまうのが良いよ!」バキッ

天海「あ」

最原「全く、誰がこんな危ないものを…モノクマーズかな…」

最原「天海くん、急に感謝の言葉を語ったりしたらフラグになるからやめようね」

天海「?そうっすか、わかったっす」

天海「じゃあ最原君への感謝の気持ちの続きは、ここから脱出した後に話すことにするっす」

最原「それもフラグになるんだよ…」

天海「安心してほしいっす、俺は外の世界に残してきた妹達に会うまでは何が何でも死ねないんで」

最原「わざとかな…?」念のため死亡フラッグをもっとバキバキに折る

天海「勿論外の世界の人達のことも大切っすけど、赤松さんが言っていたように、俺も皆さんと友達になりたいと思ってるっす」

天海「最原君、ここから出た後の話なんすけど、良かったら俺と世界を一緒にまわらないっすか?」

最原「こんなにバキバキに折ってるのにまだ効果があるのか…?」つボロボロの死亡フラッグ

最原「天海くん、そのまま図書らないでね…?」

天海「図書るとは…?」

生存フラッグガチャらないと

最原くんこれが見世物であることを意識してるのか?

ピンポーン

天海「はい」ガチャッ

王馬「入間ちゃんに約束取り付けてきたよ」

天海「ありがとうございます」

東条「……最原君はどうしたのかしら?」

最原「天海くんに身の上話をされて…ちょっと…」

天海「別に同情してもらいたいと思って話したわけじゃないんすけどね…」

天海「最原君は優しいっすから」

最原「いや、むしろフラグが気になって…」

東条「フラグ…?」

王馬「どうでもいいけどさ、夜10時に寄宿舎ロビーで待ち合わせってことにしたから、みんな忘れないようにね」

天海「わかったっす」

最原「うん、その時間に間に合うように準備するね」

天海「今は…18時っすか」

東条「あら、もうそんな時間なのね」

王馬「説得に時間かかりすぎたね」

王馬「もう!東条ちゃんが居なければもっとスムーズに説得できたのに!」

東条「無理矢理協力させるのは良くないわ」

東条「さて、私は今からカレーの仕上げをしてくるわね」

東条「一応朝のうちに大体は終わらせているから大丈夫よ」

王馬「へー、今日はカレーなんだね」

東条「ええ」

東条「…王馬くんはお召し物が汚れてしまわないように、首からナプキンを付けたほうが良いんじゃないかしら」

王馬「オレは子供じゃないよ!」

最原(今日は隠し通路の調査が全くできなかったな…)

最原(ご飯まですぐだけど、1時間でも校舎を調べようかな)

最原「僕、ご飯の時間まで校舎内を調べてるよ」

最原「そうだな…、倉庫の壁と床を調べるよ」

天海「じゃあ俺も続きを調べるっすかね」

天海「今日はずっと写真にかかりっきりだったんで、全然調査が進んでないんで…」

最原「僕も今日は別のことをしてたから、あんまり隠し通路の調査は進んでないんだよね…」

最原(あんまりっていうか、全然だけど…)

王馬「てことは今日真面目に校舎の調査してたのオレだけかよ!」

天海「王馬君はどこの調査してたんすか?」

王馬「購買」

天海「と?」

王馬「以上」

最原「狭っ」

王馬「朝は昼夜逆転を戻すために無理矢理寝てたからね、仕方ないね」

東条「…じゃあ私は準備に行ってくるわね」スタスタ…ドアガチャッパタン

天海「購買は何も怪しい所なかったっすか?」

王馬「うん、多分」

天海「狭くてもちゃんと捜査が進むっていうことは、それだけ隠し通路がある範囲を絞れてきているってことなんで、それでも良いと思うっす」

最原「まあ、そうだね…」

天海「じゃあそろそろ調査しに行くっすか」

王馬「仕方ないなぁ、オレも調べるかな」

天海「じゃあ2人にはまず荷物運びを手伝ってほしいっす」

天海「このシャワールームに今置いてある、現像とプリントに使った道具っすね」

王馬「じゃあオレこれ運ぶね」

最原(メスカップとかバットとか…、真っ先に軽いやつ選んだね…)

最原(いや、あれも嵩張るけどさ…)

天海「じゃあ行くっすよ」重い物抱え

最原(じゃあ僕は残りの物をっと…)

最原(倉庫に物を置きに行き、そのまま僕らは倉庫内を調査した)

最原(…結局、何も怪しい物は見つからなかったけど)

最原(晩御飯の後も僕らは約束の時間になるまで、残りの校舎内の調査を進めた)

最原(もう結構な場所を探索し終えて、隠し通路のありそうな場所もだいぶ絞れてきてると思うけど、まだ見つからない)

最原(…というか、天海くんが見つけたあの校舎の玄関ホールの下の空間がそれってことはないよね…?)

最原(もし他の場所が見つからなかったら、あそこを開けなければいけないけど…)

最原(…いや、あの場所が隠し通路の出入り口だとすると、あそこは人の往来があるし、全方位から人が来ることを警戒しないといけないから、その可能性は低いか…)

最原(多分玄関ホールの下は、今後解放する予定の場所なんだろう)

最原(今はそう思っておこう)

最原(そんなことを考えながら校舎を調べていたのだが、約束の時間が近くなってきたので僕は一度自室に帰り、鍵を隠して時間になるまで待機した)



ー寄宿舎、最原の個室ー


最原(よし、時間になったぞ)

最原(部屋を出よう)

最原(待ち合わせまで徒歩1歩だから、時間丁度に出て丁度いいはずだよね)ドアガチャッ

ー寄宿舎ロビーー


最原(僕がドアを開けると、僕の隣にあったドアも同時に開いた)

天海「こんばんは、最原君」

最原「あ、うん、宜しくね」

最原(僕らが挨拶を交わすと、他の扉もガチャガチャと開いていく)

最原「…!?」

最原(僕は入間さんの部屋から出てきたその物体に驚いた)

東条「……入間さん、それは…?」

入間「こ、これか?これは…いつ誰に襲われるともわかんねーからな」

入間「前々から作ってた、オレ様の身を守る為の特殊スーツだ!」

最原(…なんというか、鎧に様々な配線が巡らされている、SFものの作品に出てきそうな発明品だった)

最原(一体入間さんはどんなクリーチャーと戦う気なんだ…)

王馬「なんというか、キー坊よりロボロボしい外見だね」

入間「全く、オレ様のヴィーナスボディを今後外に出せないのが残念だぜ」

最原「…もしかして、今後ずっとそれ着ているの…?」

入間「当たり前だろ!オレ様の身を守る為の物なんだからよ!」ガチャガチャ

入間「物々しい見た目だけどよ、着脱は簡単なんだぜ」

王馬「ねえねえ、どんな機能がついてるの?」

入間「この中は冷暖房完備だから快適なんだぜ」

王馬「他には他には?やっぱり空とか飛べるの!?」

入間「は?飛べるわけねーだろ!」

入間「このスーツの総重量が幾つだと思ってんだ!100kg程度あるんだぞ!」

王馬「空飛ばないなら他は?攻撃方法は?」

入間「攻撃ぃ?これは身を守る物って言ってんだろ!」

入間「防御全振りだ!!」

王馬「ちぇー、つまんないのー」

東条「…入間さん、そんなに重いならそれ動かしにくくないかしら?」

入間「問題ねえ、その辺りもきちんと考えて設計してあるからな」

最原(しかし、大きいな…)

最原(中に入間さんが入ってるってことだから当たり前だけどさ…)

最原(多分、2mくらいあるな…)

入間「って、こんなこと話しててもしかたねーだろ、早く行くぞ」ガシャガシャガシャ…

入間「あっ」ガッドテーン

東条「……ねえ、本当にそれ大丈夫なのかしら?」

入間「防御全振りだからな、オレ様は問題ねえ」ムクリ

王馬「でもお前に誰かが潰されたら、150kg程度の鉄の塊が上に乗るってことだよね」

王馬「オレこんなのにプレスされて死ぬなんてごめんだから、離れて歩くね」

最原「流石に死ぬまではないだろうけど、他の人が骨折とかしそうだよね…」

東条「いえ、あれに潰されてしまったら最悪の場合、ショック死すると思うわ…」

天海「というか動作不安定ならそれ脱いでくださいっす」

入間「オレ様を脱がせたいとか正直な野郎だな、だが断るぜ」

東条「入間さん、みんなの安全の為に動作が安定するまではそれを脱いでちょうだい」

入間「お前もかよ、この変態メイドが!」

王馬「迷惑だから脱げって言ってんだよ!このゲロ豚ビッチ!」

入間「はぁん…♡なんか、段々罵倒が心地よくなってきたかも…///」

王馬「うわぁ…」

最原(みんなに説得されたので、結局入間さんはそれを部屋に置いてきた)



ー女子トイレ前廊下ー


天海「それじゃあ事前に言った通りっす、2人で探索お願いするっすよ」

東条「ええ、任せてちょうだい」

入間「ケッ、オレ様はこんな捜査なんざしねーぜ」

王馬「お前ここまで来て…」

入間「そ、捜査はしねーけどちゃんと協力はするから問題ねーだろ!」

入間「要するにオレ様はこのメイドババアを見張れば良いんだろうが!」

東条「ええ、ちゃんと見張ってくれれば私1人だけの探索でも問題ないわ」

東条「むしろ入間さんに任せて見逃しがあったら困るもの」

王馬「言えてるね」

最原「東条さんになら任せられるもんね」

天海「それじゃあ信頼してるんで、東条さんお願いするっす」

東条「ええ、任せてちょうだい」女子トイレのドアガチャッ

入間「な、なんでアタシのことは信頼してくれないのぉ…?」

東条「行くわよ、入間さん」

入間「オレ様に命令すんじゃねえババア!」ツカツカ

ー10分後ー


東条「みんな、隠し通路を見つけたわ」ドアガチャッ

天海「えっ」

最原「本当にあったんだ…」

王馬「じゃあ女子が怪しいだろうね、出入りしても怪しまれないから」

最原「そうだね」

東条「とりあえず入ってちょうだい」

王馬「だってさ、最原ちゃん」

最原「…いや、みんな入るんだよね?」

入間「さっさと入れよ童貞ども」

入間「ケケッ!折角入れるんだからちゃんと見学してイけよ?」

天海「いや、童貞じゃないっすけど、流石に入りにくいっす」

王馬「悪の総統であるオレも童貞なわけないけど、このメス豚のせいで余計入りにくいよね」

最原「…しょうがないね、僕がまず入るよ」

最原「東条さんが言ってるってことは正確な情報なんだろうし」

ー女子トイレー


最原「…じゃあ、お邪魔します…」

最原(女子トイレに入るのは性転換してから…、そう思っていた時期が僕にもありました)

入間「おう、精々ゆっくり見学してイけよ、童貞原」

最原「うわ、鏡が全部外されてるね…」

東条「一応鏡の裏も調べたほうが良いかと思って取り外したの」

入間「む、無視かよぉ…」

最原「それで、隠し通路っていうのは?」

東条「ここよ」用具入れのドアを開ける

最原「…?もしかして、この奥の壁?」

東条「ええ」

王馬「まあ秘密の部屋は女子トイレにあるものだもんね」

天海「ハリーポッターだけの話じゃないっすか…」

最原(2人もやっと入ってきたね…)

最原「2人とも、この用具入れの奥が隠し通路になってるらしいよ」

王馬「ふーん、開けてみてよ」

最原「えーっと…?」壁のタイルを押す

天海「あ、ドアがスライドして開いたっすね」

最原「ちなみに東条さん達はこの奥には行った?」

東条「いえ、まだよ」

最原「それじゃあみんなで行こうか」

最原「僕が先頭を行くから、天海くんは殿をお願いしてもいいかな?」

最原「後ろから黒幕が来ないとも限らないからね」

天海「先の方に黒幕が居る可能性もあるんで、気をつけてくださいっす」

入間「後ろとか先の方とかいやらしいな」

王馬「…じゃあ行こうか」

東条「ええ」

入間「な、なんで無視安定してるのぉ…?」

最原「…かなり急な下り坂だね」

最原「みんな、気をつけてね」スタスタ

東条「薄暗いわね…」カツカツ

王馬「秘密基地って感じでちょっとワクワクするね!」テクテク

入間「はしゃいでんじゃねーぞ、これだかr」ツカツカ…ズリッ

入間「ぎゃっ!」ドンッ

王馬「うわっ!?」ベシャッ

東条「くっ!」ヨロッドンッ

最原「うわあっ!?」ズベッ

東条「最原君!」ガシッ

最原(……どうやら、入間さんのヒールが滑って足を取られてしまい、入間さんが前を歩いていた王馬くんにタックルした)

最原(そして王馬くんがそのまま前に居た東条さんにぶつかり、よろけた東条さんにぶつかってしまった僕も体のバランスを崩し、前に倒れかけた)

最原(でも、よろけた東条さんが耐えて僕の腕を掴んでくれたので、僕は転ばずに済んだようだ)

最原(一番後ろに居た天海くんは無事なようだね)

最原(彼の才能って実は幸運とかなんじゃないかな…?)

幸運の候補はなぜかいないんだよなぁ……思い出しライトでも流石に再現できなかったか?

天海「…皆さん、大丈夫っすか?」

最原「な、なんとか…」ドキドキ…

東条「くっ…、王馬君、そろそろどいてちょうだい…」プルプル

王馬「どけよビッチ!重いんだよ!」

入間「オレ様の胸の感触を背中で味わえたんだから感謝しろよ!」

天海「はいはい入間さん、手をかしますから」引き剥がし

入間「あっ!今テメー胸触ったろ!?」

天海「当たっちゃったっすかね?すみません」

王馬「あー、重かったー」

東条「流石にこの下り坂で入間さんと王馬君の体重を支えながら最原君の腕を引くのはきつかったわね…」はぁっ…

最原(充分凄すぎるのでは…?)

最原「あ、あの、東条さん、ありがとう」

東条「礼には及ばないわ、怪我はない?」

最原「う、うん…」

東条「では引き続き、気をつけて下るとしましょう」

王馬「ねえ、コイツを先頭に歩かせた方がいいんじゃないの?」

入間「さ、さっきのはヒールが滑っただけだろ…!」

王馬「ていうかそのヒール細くて高いとか最悪じゃん、そんなんだからよく転ぶんだよ」

入間「う、うるせー!オシャレなんだからいいだろ!」

天海「…あー、じゃあ入間さん、俺と手繋ぎましょうか」

天海「これなら滑っても支えてあげられるんで」

入間「テメーさては、後でオレ様と繋いだ手でナニする気だな!?」

天海「じゃあ入間さんのセーラー服の後ろ襟掴むっすね」

天海「これなら転んでも大丈夫っすよ」

入間「ざ、雑すぎぃ…!」

王馬「掴まれた猫みたいになってやんのー!」

東条「最原君、先に進みましょう」

最原「うん…」

最原「ふう、ついた…」

最原(坂道を下ったり登ったりして、ようやく扉の前に辿り着いた)

最原(なんだか、工場の中みたいな扉だな…)

最原(僕は扉の横に取り付けられている操舵輪のようなものを回し、扉を開けた)



ーマザーモノクマの部屋ー


最原「ここは…」

最原(間違いない、王馬くんのあの絵の部屋だ)

最原「ということは、ここが図書室の隠し扉の中か…」

東条「そう、ここが…」

入間「…またここかぁ…」

天海「本当に隠し扉の中に隠し通路があったんすね…」

最原「ここに黒幕らしき人物は……誰も居ないようだね」

王馬「マザーモノクマに布も、もうかかってないね」

マザーモノクマ「だってもう1回布被っても、もう驚いてくれないでしょ?」

王馬「うん、そうだね!」

本日ここで終了です、以下コメ返し


>>491
残念ながら生存フラッグはガチャじゃなくてカジノ景品のみですね…

>>492
ただのギャグ表現なのであまり考えずに喋らせてます

>>506
ライトの限界でしょうね
ちなみに天さんは育成計画のパラメーターの上がり方が苗木・狛枝と同じような上がり方するらしいので、そこからの幸運ネタです(わかりにくい)

乙です

淡々と独特な雰囲気で面白いなー。
最原たちがどう真相に辿り着くのか続きが気になる。

首謀者側はどこまで気づいてるんだろこれ

監視してるはずなのに全然干渉してこないね
脱出系に舵を変更したか

投下再開します
書き溜めありません


>>511
ありがとうございます!

>>512>>513
後で首謀者視点の描写も入れたいと思っています

最原(確か前回王馬くんが聞き出せた情報は『このマザーモノクマはモノクマのスペアを作り出すことができる』ということと『嘘はつかない』ということだったね)

最原(とりあえず、今1番訊きたいことはやっぱり…)

最原「マザーモノクマ、お前に訊きたいことがある」

マザーモノクマ「何?」

最原「生徒の中に紛れ込んでいる黒幕は一体誰だ?」

マザーモノクマ「はぁ…、またそれ?」

マザーモノクマ「王馬クンにも昨日言ったけどさ、そんなこと言えるわけないじゃん」

マザーモノクマ「これはゲームなんだよ?」

マザーモノクマ「オマエラが推理してなんぼなんだからさ」

天海「最原君、一旦質問を変えた方が良いっす」

最原「うん、今この質問をしても無駄みたいだね…」

東条「それじゃあ次は私が質問するわね」

東条「出口は一体どこにあるのかしら?」

マザーモノクマ「それを教えたらオマエラは脱出を図ろうとするじゃん」

マザーモノクマ「だからやっぱり教えられないよ」

入間「あーもう!何だったら答えるんだよテメーは!!」

マザーモノクマ「好きな魚の種類とかだったら答えられるよ!」

マザーモノクマ「勿論鮭でーす!」

王馬「機械の癖にどうやって食べるの?」

マザーモノクマ「食べるとは言ってないじゃない」

入間「まさかの観賞用かよ!?」

東条「…仕方ないわね」

東条「マザーモノクマ、貴方が何も答えないと言うならここで貴方を破壊させたもらうわよ」

マザーモノクマ「は、破壊だってぇ!?」

東条「ええそうよ」

東条「幸い、貴方を壊しても校則違反にはならないらしいじゃない」

東条「なら今後もモノクマのスペアを作る恐れのある貴方を壊してしまうのが、今出来ることの最善と判断したわ」

王馬「昨日みたいに普通のモノクマに守らせるつもりなら、さっさと出したほうが良いんじゃないの?」

王馬「まあこっちはこんなに人数が居るんだし、片方がモノクマを押さえて、片方がマザーを破壊っていうことも出来るんだけどね」

マザーモノクマ「ボクを破壊してもコロシアイは終わらないよ」

マザーモノクマ「勿論、オマエラがここから脱出することも出来ないし…」

最原(昨夜出来たばかりのスペアのモノクマを入間さんの発明品で壊したらしいし、黒幕が昼の間にモノクマの新たなスペアを作り出してない限り、今は普通のモノクマは居ないハズだ)

最原(だからマザーモノクマの破壊はやろうと思えば滞りなく行えると思う)

最原(ただ…、本当にコイツを今壊しても良いのか?)

最原(壊そうと思えばいつでも壊せるんだし、今はコイツからもっと情報を引き出すか、逆にこいつを餌に黒幕を引きずり出すことだって出来るんじゃないだろうか)

最原(今僕らは何をすべきだろうか)



①質問を続ける(質問内容も書いて下さい)

②マザーモノクマを生かし、この部屋に黒幕が来ないか見張る

③マザーモノクマを破壊する

④とりあえずこの部屋を調べる

⑤その他(リクエスト)


>>↓1安価

最原「…東条さん、マザーモノクマの破壊はちょっと待ってくれないかな」

東条「どうしたの?最原君」

最原「このマザーモノクマはまだ生かしておこう」

天海「何か考えがあるんすか?」

最原「うん、こいつを生かしてこの部屋を見張って、この部屋に今後来るであろう黒幕を待ち伏せるっていうのはどうかな?」

王馬「こいつを生かしておく理由は?」

最原「黒幕が遠隔でこいつとやり取り出来ないとは限らないからね」

最原「こいつからの応答が無ければ怪しんで、今後この部屋に近づかないかもしれないからね」

天海「でも遠隔でやり取り出来るなら、わざわざこの部屋に通じるこんな隠し通路作る必要はないっすよ」

最原「じゃあ、やり取りは出来ないかもしれないね」

最原「でもこのマザーモノクマの生存確認だけは、もしかしたら出来るのかもしれない」

最原「そういう可能性がある限り、こいつを破壊するのは早計だと思う」

東条「なるほどね」

天海「まあここまで来たら確実に黒幕を追い詰めたいっすもんね」

王馬「マザーモノクマが何も話してくれないなら、黒幕から聞き出すしかないもんね」

最原「じゃあまた24時間体制の見張りをしようか」

最原「もし1人だけでやると、その人が黒幕だった場合や、黒幕といざ対立した時に襲われて不利になる可能性もあるから、2人体制でしよう」

王馬「2人体制って言ってもさ、もしそのもう1人が黒幕だった場合、残った1人がヤバイんじゃないの?」

最原「2人きりの状態で片方が襲われるってなると、もう片方が言い訳しても必然的にその人が怪しくなるから、襲われる可能性は低いと思うけど…」

最原「なんなら襲われた際の考えもあるよ」

最原「本棚の上に仕掛けたセンサーがあるだろ、あれをこの部屋に持ってくるんだ」

最原「僕らじゃない他人、つまり黒幕がこの部屋に入ってきたり、もう1人に襲われたらそのセンサーを動かせばいい」

最原「僕らはその際、1人づつセンサーのリモコンを持っていれば、リモコンから発せられる音を聞いて全員ここに集合することができるし」

最原「…まあそのためには入間さんに、全てが連動したセンサーのリモコンを量産してもらわないといけないけどね」

入間「センサーのスイッチ自体はまだ倉庫にあるだろうし、それらを全て連動させるなんざ一発抜くより早く終わらせることが出来るぜ」

入間「オレ様は天才だからな!」

東条「2人体制となると…、ここには5人しか居ないわけだけれど…」

入間「奇数はよくねーよな」

入間「よーし、オレ様が抜けてやるよ!」

王馬「見張りたくないだけだよね」

最原「それなんだけど、もう1人仲間に誘おうと思っているんだ」

最原「隠し通路が女子トイレから続いていることを考えれば、男子は比較的信用できると思うんだよね」

天海「誰を誘おうと思ってるんすか?」

最原「…百田くんかな」

最原「彼は信用できる人だと思うよ」

最原「勿論、見張りを断られてしまったら、他の男子に頼もうと思ってるけどね」

最原「まだ夜時間になって間もないし、今からちょっと頼みに行ってこようかなと思ってるよ」

最原「僕が彼に頼みに行ってる間に、入間さんは本棚の上にあるセンサーをこの部屋に持ってきて、センサーリモコンの連動の改造をお願いしたいな」

最原「倉庫にあるセンサー系の物の位置は天海くんが知ってるだろうから、天海くんが持ってきてくれると時短になると思うよ」

天海「まあ倉庫の物の位置は大体把握してるんで、任せて下さいっす」

最原「ありがとう」

最原「で、他の人はこの部屋の捜査ってことでどうかな?」

悪いけど、百田より星の方がいい気がするけどなぁ……
だって漏らす気がなくっても何気ない時に口に零したりしそうだもん……

むしろ百田はそういう隠し事に関しては口が固そうな気もするなぁ
まぁ態度には出そうな気はするけども

東条「異論ないわ」

王馬「オレもそれで大丈夫だよ」

入間「チッ、しかたねーな…」

天海「一応言っておくっすけど入間さん、ここから直接は図書室に行けないんで、女子トイレの方に一度戻ってそこから図書室の方に行ってほしいっす」

入間「あ!?何でだよ!」

王馬「新しく追加された校則で『本棚動かすな』ってやつがあったでしょ」

王馬「あれに引っかかるからに決まってんじゃん」

入間「遠回りとかめんどくせぇな…」スタスタ…

最原「まあ途中までは僕と行こうか、僕は寄宿舎に用があるわけだし」スタスタ

天海「俺も倉庫にセンサースイッチを取りに行くんで、途中まで行くっすよ」スタスタ

隠しドアドアウイーン

王馬「それにしてもマザーモノクマはオレらの話を黙って聞いちゃってさ、意外と邪魔とかしないんだね」

マザーモノクマ「モノクマが居ないボクには手も足も出せないからね、仕方ないね」

王馬「手足ないしね」

マザーモノクマ「まあこういう展開もアリだよね、たまには!」

東条「…?」

ー寄宿舎ロビーー


ピンポーン

百田『……誰だぁ?』ドア越し会話

最原(寝てたのかな、声が眠そうだ…)

最原「僕…最原だけど、ちょっと話したいことがあるんだけど、いいかな?」

百田「いいぜ、どうしたんだ?」ドアガチャッ

最原「あの、できれば中に入れてほしいんだけど、大丈夫?」

百田「おう、入れよ」ドアを大きく開ける

最原「ありがとう、お邪魔します」スタスタ…ドアパタン

百田「で、話ってなんだ?」

最原「…百田くんはさ、以前僕がデスロードの外の写真が出来上がったら見せてほしいって言った時、僕のことを信頼してるから良いって言ってくれたよね」

百田「おう、信頼してるからな」

最原「だから僕もキミのことを信じたいと思っているんだ」

最原「僕は今からキミにあるお願い事をしたいんだけど、勿論それを断ってもいいんだけど、この話は決して他言しないと約束してくれるかな?」

百田「わかった、約束するぜ」

最原「実は、この学園のことがだいぶ分かってきたんだ」

最原「前にモノクマーズが食堂で『モノクマのスペアを製造する機械が学園にある』っていう話をしてたのは覚えているかな?」

百田「ああ、勿論」

最原「実はその機械の在り処がわかったんだよね」

百田「…そうか、じゃあオレにお願いしたいことっていうのは、アレだな?」

百田「今からそれがある場所に乗り込んで、その機械をぶっ壊せばいいんだな!?」

百田「まかせろ!」

最原「いや、僕が百田くんに頼みたいことはそういうことじゃないんだ」

最原「その機械を発見した王馬くんの話によれば、その機械はモノクマが認めた人物しかスペアを生産することが出来ないらしいんだ」

最原「認めた人物っていうのは、黒幕のことだろうね」

最原「モノクマのスペアの作られていた頻度を考えると、黒幕はその部屋を最低でも2日に1回は出入りしている感じなんだ」

最原「現在モノクマは居ないから、黒幕は近いうちに必ずモノクマのスペアを作りに、きっとその部屋を訪れると思うんだ」

最原「そこでその部屋を24時間体制で交代で見張りしたいと思っているんだけど、協力者の人数がちょっと足りないから、百田くんにも協力してくれると嬉しいなと思って…」

最原「百田くんは昼時間に赤松さん達と新たな出口探しをすると思うけど、もし良かったらどこか8時間、僕らに協力してくれないかな?」

百田「…なるほど、最原は今までずっと、その部屋を探していたわけなんだな」

最原(そういうわけでもないんだけどね)

最原「その部屋自体は出口には直接繋がらないだろうけど、ここで黒幕を押さえることさえ出来れば、出口の場所はおろか、僕らをこんなところに閉じ込めてコロシアイをさせていることの目的や、僕らを連れてきた方法、天海くんの超高校級の記憶、全てが分かる気がするんだ」

最原「だから百田くん、僕らに協力してほしいんだ」

百田「…わかった」

百田「最原はオレを黒幕じゃないと信頼してくれて、ここまで話してくれてるんだからな」

百田「1日のうちの8時間くらい全然協力してやるよ!」

最原「ありがとう…」

百田「で、他にも仲間が居るんだよな?」

百田「オレはいつの時間にどこを見張ればいいんだ?」

最原「場所については今から案内するよ」

最原「他の仲間も今そこに集まっているから、そこでそれぞれの担当時間も決めようと思うんだ」

百田「わかった、早速行こうぜ」ジャケットを羽織って部屋を出る準備

最原「あ、ちょっと待って百田くん」

最原「部屋の鍵は置いていってほしいんだ」

百田「おいおい…、流石にそれは物騒だと思うぜ」

最原「えっと、実は僕らの寄宿舎の部屋の鍵にはGPSが埋め込まれていて、それが僕らの位置としてモノパッドのマップに位置表示されているんだよね」

最原「だから鍵を所持したままその部屋に向かうと、黒幕がもしかしてモノパッドのマップを見ていたら、僕らがその機械がある部屋に居ると気づかれてしまうんだ」

最原「それは避けたいから、鍵を部屋に置いていってほしいんだよね」

最原「勿論僕も、他のみんなも今は鍵を部屋に置いて、部屋に鍵をかけずにそのまま外出しているよ」

百田「そ、そうなのか…」

最原「一応ここにみんなで戻ってきた時に、お互いが部屋に入る時に何人かで一緒に入って、不審者が潜んでいないか確認する手筈になっているよ」

百田「それなら少し安心だな」

最原「ただ、留守中に鍵を他人に盗まれてしまう可能性もあるから、鍵はどこかに隠しておいてほしいんだ」

最原「シャワールームの天井裏とか、僕的には排水口の中もオススメだよ」

最原「あと百田くんは男子だし、着替えの下着の中に入れておくとかも見つかりにくいかもしれないね」

百田「なるほどな…」

最原「それじゃあ、僕が居たら鍵を隠しにくいだろうから、僕は部屋の外に出ているね」

百田「おお、どっか閉まってすぐ行くからな」



ー寄宿舎ロビーー


最原(それから百田くんは2分ほどで部屋から出てきた)

百田「またせたな、行こうぜ」

最原「じゃあ着いてきてね」スタスタ

ー女子トイレ前廊下ー


最原「その機械がある部屋にはここから行けるんだよね」

百田「!?お、おいここ女子トイレじゃねーか!」

最原「そう、だから黒幕は女子の確率が高いんだ…」

百田「ま、まじかよ…」

最原「じゃあ入るよ」ガチャッ

百田「!ま、待て待て!!」

最原「別に心配しなくてもトイレには誰も居ないし、ここの出入りは東条さんも公認だから大丈夫だよ」

百田「東条公認!?」

最原「さあ入って、そこの用具入れの中から行けるんだ」

百田「いや…、ちょっと待ってくれ…」

最原「女子トイレの中を通るのなんて一瞬だから大丈夫だよ」

百田「何で最原は平気なんだよ…、探偵だからか…?」

最原「僕だって最初はここ入るのに抵抗あったけど、黒幕を捕まえる為だからね」

最原「それに天海くんや王馬くんもここ入ったから大丈夫だよ」

百田「!!!??」

ーマザーモノクマの部屋ー


最原「着いたよ」

百田「!!?な、なんじゃありゃ!?」

最原「あれがモノクマを製造する機械みたいなんだ」

天海「さて、これで6人になったっすね」

東条「百田くんには事情をどの程度説明したのかしら?」

最原「とりあえず必要最低限説明したよ」

王馬「2人1組で3チームできるから、オレらが前図書室の見張りをしていた時と同じ時間割りで良いよね?」

天海「8時間交代、6〜14時、14〜22時、22〜6時っすね」

東条「配属時間に希望があるのだけれど、いいかしら?」

東条「私は今までみんなの朝ご飯と夜ご飯を作ってきたから、その時間には食堂に居なくては怪しまれると思うの」

東条「だから私の見張り時間は22〜6時を希望するわ」

最原「確かに、急に東条さんが食事を作らなくなったら違和感あるからね…」

最原「ちなみにその時間に見張りをするなら、東条さんはいつ睡眠をとるの…?」

東条「それなのだけれど、その時間にここで睡眠を取らせていただきたいわ」

入間「はぁ!?やる前からサボり公言かよ!」

東条「私が見張りをしていると黒幕に疑われない為にはこれまで通り、昼はフルタイムで働く必要があるわ」

東条「そこでこの時間は睡眠に徹したいと思うのだけれど、不審者が部屋に来た場合にはもう1人に体を叩いてもらえれば、瞬時に臨戦態勢に移行することができるわ」

東条「今回は2人1組ということだったから、こういう提案をさせてもらったまでよ」

天海「うん、いいんじゃないっすかね」

最原「僕もいいと思うよ」

入間「なるほど、2人1組なら1人はサボれるからな」

最原「他に時間の希望がある人は居る?」

百田「じゃあオレもいいか?」

百田「オレは6~14時を希望するぜ」

百田「14時移行は赤松達と約束した出口探しの方をしたいと思うからな」

最原「百田くんにはこっちが頼んで協力してもらってるんだし、勿論その時間で大丈夫だよ」

入間「オレ様もテメーらに協力してやってるんだし、オレ様の要望を通るってことか?」

最原「入間さんも希望の時間帯があるの?」

入間「つーか見張りなんざしたくねーんだよ!」

王馬「そういうのはナシでしょ」

天海「他に時間の希望のある人は居るっすかね?」

全員「……」

東条「居ないようね、それじゃあペア決めをしましょうか」

王馬「最原ちゃんは誰と組みたいの?」

最原「え、僕から決めていいの?」

王馬「そりゃあ、弱いやつから決めさせてあげないと可哀想だからね!」

最原「僕は入間さんや王馬くんより弱い認識なのか…」

王馬「入間ちゃんには発明品があるし、オレは最原ちゃんよりはマシだと思うよ」

最原「……」

病弱とはいえ、百田を返り討ちにしているし……

最原(まあ折角だから、お言葉に甘えて相手を選ばせてもらおうかな)

最原「僕がペアになりたいのは…」



①天海
②百田(時間決定済、6〜14時)
③王馬
④東条(時間決定済、22〜6時)
⑤入間


>>↓1安価

最原「じゃあ王馬くんとペアになりたいかな」

王馬「はいご指名ありがとー!」

東条「ということは、2人は残りの14〜22時の担当に自動的になるわね」

東条「残りのメンバーはどうする?」

天海「俺は余ったところでいいっすよ」

百田「じゃあ天海、オレとペアにならねーか?」

百田「入間と組むくらいなら天海と組んだ方が楽しそうだからな」

入間「あぁ!?」

天海「はは、それじゃあよろしくお願いするっす」

東条「それじゃあ入間さん、宜しくお願いするわ」

入間「ケッ、メイドババアと一緒かよ」

東条「安心してちょうだい、私とペアを組んでもらうからには貴方にを向け攻撃させないわ」

最原(何で黒幕とバトルすることが前提になってるんだろうか…)

最原(というかもしバトルすることになったら、僕のチームは不安しかないのでは…)

マザーモノクマの声認証で安全性は確保されてたか

天海「というか、入間さんと東条さんをペアにさせて大丈夫なんすかね?」

天海「黒幕は女子ということになってるんで、やっぱりちょっと不安というか…」

最原「そのためにもセンサーがあるし、何かあっても寄宿舎から5分もあれば充分辿り着くから大丈夫だと思うよ」

王馬「黒幕も本棚からのルートは使えないし、まあ最悪、隠し通路の中辺りで鉢合わせることになるんじゃないかな」

入間「まあ一応オレ様も防衛対策として、例の発明品を身につけるか…」

最原(8時間も!?)

東条「それで入間さんが安心するなら構わないけれど、間違っても私を潰さないようにお願いするわ」

最原(なんか、東条さんならあの発明品を着た入間さんを相手にしても勝てそうな気がするけど…)

王馬「はぁ、最原ちゃんと8時間一緒かぁ…」

王馬「にしし、オレを退屈させないでね!」

最原(この相手をミスってしまった感…)

最原(…それでも、入間さんと8時間一緒よりマシかもしれない…)

入間「よし、出来たぜ最原!センサーのリモコンx人数分だ!」

入間「ちゃんと全員分連動するかどうかテストするから、これ受け取ったらテメーら離れて自分の分に耳を澄ませやがれ!」つリモコン配布

入間「ちなみにセンサーのリモコンのスイッチを誰かが切ると、全員分切れるようになってるから気をつけろよ、連動してるからな」

最原「リモコンをちょこちょこ見て、スイッチが切れてないかどうか確かめた方が良いだろうね」

天海「前科もあることっすからね」

最原「……」

入間「じゃあ準備はいいな?動かすぞ」

最原(入間さんがセンサーを僅かに動かすと、部屋中から機械音が鳴り響いた)

入間「ちなみに!誰かがスイッチを切ると全部鳴り止むからな!」

入間「おい、誰か止めてみやがれ!」

最原(すると誰かが止めたのだろう、音が一斉に鳴り止んだ)

入間「テメーら、自分の分のリモコンからちゃんと音は鳴ったな?」

入間「初期不良あるなら今のうちに言っとけよ」

東条「私の分は問題なかったわ」

百田「オレのも大丈夫なようだぜ」

最原「僕のも異常ないよ」

天海「俺のも問題ないっす」

王馬「オレもオッケーだよ」

入間「オレ様の分も勿論問題なかったぜ」

入間「ヒャッハー!流石黄金の脳細胞を持つオレ様だな!」

入間「ちなみにこのリモコンの使い方わかんねーやつはいるか?いねーよな?」

入間「それじゃあこれで解散だな?」

最原「いや、ちょっと見張りの時のことで話したいことがあるから、もうちょっといいかな?」

東条「何かしら?」

最原「ここは隠し部屋だからさ、ここを見張りに来る時には今ここに居る時と同じように、鍵を自室に置いてから来てほしいんだよね」

最原「で、見張りが終わった後は今日この後することと同じように、ペアの部屋をお互い室内に不審者が居ないかどうか、確認する作業まで一緒にしてほしいんだ」

最原「あと、見張りの交代に来る時には、くれぐれもトイレの周辺を目視とモノパッドのGPSで見てから、誰にも決して見られてないことを確認してから入ってほしいんだ」

最原「それと、センサーの警報が鳴った時と交代の時間付近以外では、この隠し部屋に来ないようにしてほしいんだ」

最原「変な時間に様子を見に来ると、中に居る見張りの人達が急な来訪に身構えちゃうからね」

最原「それで間違ってセンサーを鳴らしでもしたら大変だし…」

最原「それとここに時計は無いから、とりあえず僕が携帯している目覚まし時計をこのテーブルに置いておくね」センサーの隣に置く

最原「モノクマーズの放送で時間を合わせた時計だから、多分正確だと思うよ」

最原「僕は自分で持ち歩く分はまた後で倉庫で調達してくるよ」

最原「時間を確認する手段がない人は、後で僕と一緒に倉庫に来てくれないかな」

最原「時計と電池のある場所を教えるから、それを次の朝の放送の時にでも時間をあわせてほしいんだ」

百田「ああ、わかったぜ」

最原「それじゃあ…、今度こそ解散でいいかな?」

最原「何か質問がある人や、言いたいことがある人は居るかな?」

全員「……」

最原「じゃあ解散だね」

最原「東条さん、入間さん、早速今の時間から見張りお願いするよ」

東条「わかったわ」

東条「入間さん、私は睡眠を取るけれど何かあったら大声を上げるか私の体に触ってちょうだい」

入間「ああん?どこを触ってほしいって?」

東条「それではおやすみなさい」ブランケットを被る

最原「あのブランケットは?」

天海「ああ、俺が倉庫からセンサーのスイッチと一緒に持ってきたやつっす」

天海「一応4枚持ってきてそこのソファに置いたんで、見張りの人は好きに使っていいっすよ」

最原「じゃあ僕もお水持ってるからこれ置いてくね」つペットボトルの水x2

最原「入間さんと東条さん、好きに飲んでいいからね」

最原「じゃあみんな、倉庫に寄って寄宿舎に帰ろうか」

最原(そして僕らは周囲を警戒しながら寄宿舎へと帰った)

キリ良くなったので本日終了です
以下コメ返しです


>>526>>527
PL視点だと星くん凄い信頼できるんですけど、この最原視点だと星くんは、殆ど話したことないからよくわからないけどクールで死刑囚って情報しかないから頼みづらいんですよね
死刑囚ネックすぎる…

百田はこの生活が始まってから最原が3番目に多く会話している男キャラだから、思い入れあると思ってます
態度に出やすそうというのは同意


>>538
プレス機のケーブルを素手で引きちぎる体力が残ってる百田をワンパンする王馬マジ強い…


>>543
本編ではマザーが声認証の話をするのは壊れきる直前くらいのタイミングだったので、今回のこのマザーはまだ壊れる様子がないので、読み返していただけると分かると思いますが、実は声認証と「産め」ワードの話しは引き出せていません

>>542
携帯から誤字修正です


東条「安心してちょうだい、私とペアを組んでもらうからには貴方にを向け攻撃させないわ」



東条「安心してちょうだい、私とペアを組んでもらうからには貴方に向けた攻撃をさせないわ」

なんか細かい情報多くて学級裁判始まる気しかしない


細かく時間とか書かれると、どんなトリックか楽しみになるよな

ここまで上手くいってるのに結局学級裁判になるのか…(絶望)
いやもったいないってだけで楽しみですが

投下再開します

>>551>>552>>553
今のままだと裁判沙汰には多分ならないと思います
細かく書いてしまっているのはただのTRPG癖だと思います

ー少し前、寄宿舎、白銀の個室ー


白銀「ちょっとー!モノクマー!」

白銀「モノクマってばー!」

白銀「何で今朝の朝食の時出てこなったのー!?」

白銀「何のために昨晩スペア作ったと思ってるのー!もー!」

モノクマーズ「「おはっくまー!」」

白銀「…えっと、わたしはモノクマーズじゃなくてモノクマを呼んだんだよ?」

モノスケ「…あー、そのことなんやけどな…」

モノキッド「お父ちゃんはまた死んだんだぜ!」

白銀「……は!?」

白銀「え、まだ出てきてすらないよね?」

白銀「え、いつ!?」

モノファニー「あれは、スペアが作られてすぐのことだったわ…」

モノタロウ「お父ちゃん、風のように早く死んでいったんだよ…」

白銀「えぇっ…、ボルトもびっくりの早さだよ…」

白銀「ウサインの方ね…」

白銀「な、何でそうなったの?」

モノタロウ「えーっとね…」

モノタロウ「…あれ?どうしてお父ちゃんは死んじゃったんだっけ?」

白銀「ちょっと、しっかりしてよぉ!」

モノファニー「隠し部屋に入ってきた王馬クンに吹き飛ばされたのよね、お父ちゃん…」

白銀(吹き飛ばされたとは??)

白銀「ていうか普通に校則違反だよね…?」

白銀「王馬くんなら今日見かけたけど…」

モノキッド「それがまた校則違反にならなかったんだぜ!」

白銀「校則ガバガバすぎィ!」

白銀「はぁ…、新しい校則の追加的に誰かが何かやらかしたんだと思ってたけど、そう…、王馬くんがあの中に入ってモノクマを壊したんだね…」

モノファニー「まあ、あと細かいことはマザーモノクマに聞いてちょうだい」

白銀「マザーモノクマは無事なんだね、よかったぁ…」

白銀「何か重要な秘密とか知られてないよね?」

モノタロウ「えーっと、えーっと…」

モノタロウ「ごめん、オイラよくわかんないや」

モノスケ「まあ詳しいこと知りたいなら、いつも通りおばあやんに訊くのが1番やと思うで」

白銀「おばあやんって誰!?」

モノキッド「マザーモノクマのことだぜ!」

白銀「…ああ!確かにあなた達から見たらお父さんの生みの親だから おばあちゃんになるね」

白銀「はぁ…、モノクマは居ないからまた製造しないといけないし、確かにマザーのところにちょっと行かないと行けないよね」

白銀「いってきまーす」ジャケットを着る

モノタロウ「じゃあオイラたちも」

モノクマーズ「「ばーいくまっ!」」

白銀「GPSの無い鍵に持ち替えてっと…」鍵確認

白銀「さっさと終わらせちゃおう…」スタスタドアガチャッ

ー女子トイレからの隠し通路ー


白銀(よし、マザーモノクマルーム到着っと…)

白銀(さて、開けy……ん?)

白銀(話し声…?)ドアに聞き耳を立てる

最原『じゃあまた24時間体制の見張りをしようか』ドアの向こうの声

白銀(!!!!???)

白銀(何で!?何でこの中に居るの!?)

白銀(追加の校則があるから図書室側からは開けられないはず…、…ということは…!)

白銀(え!こっちからの通路見つかっちゃったの!?)

白銀(最原くん達女子トイレ入ってきたの!?)

白銀(何で前回の生き残りも探偵も男なのにバレちゃったのかな…)

入間『センサーのスイッチ自体はまだ倉庫にあるだろうし、それらを全て連動させるなんざ一発抜くより早く終わらせることが出来るぜ』

白銀(いつの間にか入間さんが仲間に加わってるし!!????)

東条『2人体制となると…』ドアの向こうの声

白銀(東条さんまで居るのかぁ……)

白銀(あー…、やばいよやばいよー…)

白銀(まさか作ったばかりのモノクマが即壊されるなんて夢にも思わなかったから…)

白銀(お昼に1回マザーモノクマのとこ行ってれば良かったよぉ…)

白銀(基本夜行ってたからなぁ…)

白銀(…………)

白銀(ふんふん、百田くんを仲間にするのね)

白銀(ってことは、会話の流れ的にこっちに出てくるかもだね…)

白銀(一旦退散しよっと)スタタタ…

ー寄宿舎、白銀の個室ー


白銀(さて、さっき聞いた話によると最原くんが百田くんを誘いに寄宿舎の方に来るだろうね…)

白銀(マザーモノクマが使えない今、わたしは自力で情報収集するしかないんだよね…)

白銀(わたしの部屋のドアをちょっとだけ開けて、隙間から百田くんの部屋の方を聞き耳&様子見しちゃうよ!)

白銀(最原くんが用事があるのは百田くんの部屋だけだから、逆側の部屋のこっちのドアがちょっと開いてたところで彼は気づかないだろうからね)

白銀(…モノクマーズがもうちょっとこっちに情報色々流してくれればいいんだけど、使えないなぁ…)

ピンポーン

白銀(お、最原くん来たね)覗き見

最原『僕…最原だけど、ちょっと話したいことがあるんだけど、いいかな?』

百田『いいぜ、どうしたんだ?』ドアガチャッ

最原『あの、できれば中に入れてほしいんだけど、大丈夫?』

百田『おう、入れよ』ドアを大きく開ける

最原『ありがとう、お邪魔します』スタスタ…ドアパタン

白銀(あー…、部屋の中入っちゃったかぁ…)

白銀(流石に百田くんの部屋を聞き耳するのは厳しいから、ここでこのまま最原くんが出てくるのを待とうかな)

白銀(えーっと、モノパッドのマップを見ると…)

白銀(……ふむ、みんな寄宿舎に居ることになっちゃってるね)

白銀(GPSのことがバレてるっぽいね、なるほど)

白銀(……まだかなー…)

ドアガチャッパタン

白銀(お?来たかな?)隙間から覗き

白銀(最原くん1人か…)

白銀(フラれたかな?いや、ドアの前を動かないところを見ると、待ってるみたいだね)

白銀(……)

白銀(あ、百田くん出てきたね)

白銀(…鍵もかけずに2人で寄宿舎を出ていったね)

白銀(なるほど、鍵を置いていってるんだね)

白銀(ということは…)

白銀(隣の東条の部屋のドアのノブをそっと回して開ける)

白銀(やっぱり、開いたね)

白銀(他の部屋はっと…)全部屋そっとドアノブを回して開けようとする

白銀(……なるほどね、そっちのメンバーは把握したよ)

白銀(随分大人数になってきたね…)

白銀(とりあえず、今から隠し通路の方に行っても鉢合わせる可能性があるし、今日のところは部屋に戻ろうかな)スタスタドアガチャッ

白銀(そしてまた隙間から覗き見タイム!)

白銀(とりあえずみんなが戻ってくるのをこのまま待つよ!)

白銀(…あー、首痛くなりそう…)



ーーー


ガヤガヤ

白銀(あ!戻ってきたね!)覗き見

白銀(居るのは天海くん、最原くん、王馬くん、百田くんの4人ね、おk把握)ドアをそっと閉じる

白銀(ということは、今見張りをしているのは入間さんと東条さんの2人かな?)

白銀(なるほど、2人体制なんだね)

白銀(で、メンバーは6人だから、2人づつだと…)

白銀(前回3人が見張りしてた時と同じように、8時間交代かな?)

白銀(残りのメンバーはいつ担当なのかな?)

白銀(まあ、見張りの時間はわかってるし、朝早めに起きて誰が見張りに行くのかまたここで覗き見すればオッケーだね)

白銀(はぁ…、悩ましいのは今後の方針だよね…)

白銀(どうしよう…)室内うろうろ

白銀(スタッフの意見聞きたい…)

白銀(意見を訊くにはマザーモノクマのところに行って訊くしかない…)

白銀(でもそれは無理……)

白銀(…あー、基本的にわたしに任されてるし、わたしが適当にしちゃってもいいかな?)

白銀(思い出しライトでも作る?)

白銀(でももうここまで来ると……むむむ…)

白銀「いや、いっそ……」

白銀「…………」

白銀「あとはノルマ的に……」

白銀「……うん、今回はこんな感じにしよっかな…」

白銀(そうと決まったら残りのメンバーのシフト確認して、諸々準備して、あとは盛り上がりそうなタイミング見つけて……だよね…)

白銀「はぁ…、それにしてもコロシアイ起きなくて残念だなぁ…」

白銀「何やってんの殺人鬼……」

白銀「いっそわたしが殺して初回特典で……」

白銀「……」

白銀「まあ53回も続いてればこんなこともあるよね…」

白銀「次からは発明家とかいうチートは無くすべきだよね、うん…」

白銀「左右田くん程度なら可愛いものなのにね」

白銀「入間さんは超高校級のグラビアアイドルとかで良かったんじゃないかな…」

白銀「はぁ……」

白銀「…どうでもいいけど、キーボくん視点って凄くつまらなそう…」

白銀「こういう主観も、次回は廃止した方が良さそうだね…」

白銀「…前回と見張りの時間が同じなら次は6時からだから、うん、5時半くらいに起きてロビーの方また見張ろうかな」目覚ましセット

白銀「はー、おやすみ…」スヤァ…

ー6時頃、マザーモノクマの部屋ー


東条「そろそろ交代の時間になるわね」

入間「ったく、やっとこのババアと2人きりの空間から解放されるってもんだぜ」

東条「入間さん、次の見張りからあの発明品を身に着けてくるのよね?」

入間「おう」

東条「再三言うようだけど、動作に気をつけてちょうだい」

入間「言われなくても今日の空き時間にもっと調整を重ねるつもりだっつーの!」

入間「ったく、最初に見張りになったせいで退屈な時間を過ごしちまったぜ…」

入間「まあでも手持ちの工具で、かる〜くマザーモノクマの仕組み見れたのは面白かったけどな」

マザーモノクマ「ボク、汚されちゃった……クスン…」

東条「百田君達まだかしら…」ドアの方をチラリと見る

隠し通路のドアウイーン

百田「わりぃ、遅くなっちまったな」

入間「本当にな!この遅漏ども!」

東条「気にしないで、5分程度問題ないわ」

天海「見張りが8時間もあるんで、倉庫で暇を潰せる物とか探してたんすよね」

入間「ナニして遊ぶ気なんだ?」

天海「トランプとかオセロとかのアナログゲームがあったんで、それ系持ってきたっす」

天海「流石に2人で人生ゲームやUNOは厳しいと思ったんで、そういうのは持ってきてないっすけど」

入間「ケッ、つまんねーな」

百田「まあゲームに飽きたらあとは雑談とかすりゃいいしな」

入間「野郎どもの会話って言ったらどうせ、女子の中で誰が1番好みかとかそういう会話なんだろだろ」

百田「修学旅行の夜かよ」

>>568
本日の誤字修正

入間「野郎どもの会話って言ったらどうせ、女子の中で誰が1番好みかとかそういう会話なんだろだろ」



入間「野郎どもの会話って言ったらどうせ、女子の中で誰が1番好みかとかそういう会話なんだろ」

入間「先に言っておくが、オレ様はテメーらみてーな野郎どもには興味ねーからな」

天海「そうっすか」

入間「このオレ様にフラれておきながらショックの様子を見せないなんて、中々のメンタルの持ち主じゃねーか」

天海「入間さんも疲れたっすよね?」

天海「もう部屋に帰ってもらってもいいっすよ」

入間「おう、気が利くじゃねーかヤリチン」

天海「俺チャラくないっすから、そんなでもないっす」

東条「ごめんなさい、もう入間さん連れて行くわね」

東条「さあ入間さん、行きましょう」グイッスタスタ

入間「おい、腕を引っ張るんじゃねえ!」スタスタ

東条「それじゃあ8時間の見張り、頼んだわよ」ドアウイーン

百田「おう、任せろ!」

天海「はい、そちらもお疲れ様っす」

ー寄宿舎、東条の個室ー


東条(…そろそろ朝の放送が始まるわね)

東条(食堂に行きましょう…)ドアガチャッ

東条(今日は放送までの間、自室の部屋とシャワールームとトイレの掃除をして過ごしたけれど明日は何をしようかしら…)鍵かけガチャリ



ー食堂前廊下ー


東条「おはよう、真宮寺君」

真宮寺「やァ、東条さん」

東条「真宮寺君が放送前から食堂の前で待機しているなんて珍しいわね」

真宮寺「今日は早めにお腹が空いてしまったようだからネ…」

東条「そうなのね、すぐ作るわ」

真宮寺「僕も手伝うヨ」

東条「気持ちは嬉しいけれど、私1人でも大丈夫よ」

結構時間たっているけど塩はまだ行動しないのか?
時間が経つにつれてつむぎが動く前にこいつが動きそう……

同期とか何も関係なく真宮寺はお友達判定とチャンスがあったら行動するから怖いな

真宮寺「東条さん、君、今日はあまり寝てないんじゃないかナ?」

東条「あら、どうしてそう思うの?」

真宮寺「君が朝の6時過ぎに、入間さんと一緒に寄宿舎に帰ってきたようだからネ…」

東条(見られていたのね…)

東条「…そうね、実はやることがあって外出していて、少し眠れてないわ」

東条「でも問題ないわ、私は今日も業務を全うすることが可能よ」

真宮寺「みんなの為に頑張って働こうとする君は美しいヨ…」

真宮寺「じゃあこれは僕からの依頼だヨ」

真宮寺「これは僕の我儘だけど、君の手伝いをしたいんだ」

真宮寺「させてくれるかナ?」

東条「依頼というなら…、ええ、いいわよ」

キーンコーンカーンコーン

モノダム『……』画面プツッ

東条「…まだお葬式仕様ね」

真宮寺「そのようだネ」

東条「まあいいわ、行きましょう」ドアガチャッ

この塩、もう動き出してないか

東条「真宮寺君は和食よね」

真宮寺「そうだネ」

東条「じゃあ先に和食の方を作ってしまいましょう」

東条「と言ってもご飯は炊いてあるから、用意するものはお味噌汁とお漬物だけれど…」

東条「お魚は食べるかしら?」

真宮寺「じゃあ頂こうかナ」

真宮寺「東条さん、僕は何を手伝えばいいかナ?」

真宮寺「一応一通り調理は出来るヨ」

東条「じゃあ味噌汁に入れる具材を切ってくれるかしら?」

東条「私は他の準備をするわ」魚をグリルにセット

真宮寺「了解したよ」野菜や豆腐を持ってくる

真宮寺「さて……」



①野菜の皮を剥く

②豆腐を切る

③東条を刺す


>>安価↓1

真宮寺(…確かに彼女は姉さんの友達に相応しいと思うけれど…)

真宮寺(やっぱり、みんなの為にデスロードに奮闘した赤松さんも素晴らしいよネ…)

真宮寺(悩むなァ…)豆腐トントン

真宮寺(もし次食堂に入ってきたのが赤松さんなら、2人まとめて姉さんの元に送っていうのもいいよネ…!)

真宮寺(初回特典が採用されるのは最初の殺人のみ…)野菜の皮剥き剥き

真宮寺(というのがどこまで適用されるかはわからないけれど、同じ容疑者の殺しがOKなら、なるべく多く殺したほうが得だからネ)

真宮寺(なんなら、入間さん以外の女子をどこかに集める方法とかないかなァ…!)野菜トントン

真宮寺(ゲームルームなら広さも手頃だし、出口も1つしかないから、集めるならあそこが良いと思うナ)

真宮寺(問題はみんなを集める方法だネ…)

真宮寺(そうだ、民俗学講座を開くと言ったらどうかナ?)

真宮寺(女子(入間は除く)のみに声をかければいけそうだネ)

食堂のドアガチャッ

真宮寺(おや、誰か来たようだネ)

真宮寺(赤松さんだと良いなァ)厨房から食堂の方を覗く



来た人物は?(見張り中の百田、天海は除く)
安価↓1

春川「……何?」真宮寺の視線に気づく

真宮寺「いや、ドアの音がしたから、誰が来たのかと思ってネ」

春川「私で悪い?」

真宮寺「悪くないヨ、おはよう」

東条「おはよう、春川さん」

東条「朝ご飯だけれど、もう少し待ってくれないかしら?」

春川「わかった」席に座る

真宮寺(春川さんか…)

真宮寺(彼女は少々無愛想な女性だけれど、その才能は超高校級の保育士…)

真宮寺(きっと彼女も素晴らしい女性だろうネ…!)

真宮寺(ふむ…)



①切った具材を煮込む

②東条を刺す

③春川を刺す


安価↓1

選択肢増えたwwwwww春川狙ってふん縛った方がよかったかもなww

真宮寺(…朝食前に殺人なんて流石にするものではないよネ)鍋に具材どばー

真宮寺(まだまだチャンスはあるんだし、殺すのは後にしてとりあえず腹ごしらえでもしようかナ)出汁の素を入れる

真宮寺(問題は、どのタイミングでみんなに声をかけてゲームルームに集めるかだけど…)味噌を溶く

真宮寺(なるべく男子には知られたくないよネ…)煮込む

真宮寺(だから食事時に誘うのは避け、1人づつに声をかける方が確実かナ?)味噌汁味見

真宮寺(うん、そうしようかナ)味噌継ぎ足し

東条「洋食の方は準備が出来たからテーブルに置いてくるわね」

真宮寺「味噌汁の方は野菜に火が通るのにもう少し時間がかかりそうだヨ」

東条「そう、わかったわ」パンを運ぶ

真宮寺「……」味噌汁味見

真宮寺(うん、こんなもんかナ)

ー朝食後ー


真宮寺(食堂内にはまばらに人が居るネ)

真宮寺(さて、みんなを誘う前にまずは凶器を考えようかナ)

真宮寺(僕が姉さんの元に連れていきたいのは、入間さんを除いた女子7名…)

真宮寺(茶柱さんの合気道を抑え込めるような凶器があれば良いのだけど…)

真宮寺(最初に不意打ちをかけて殺せばいけるかナ…?)

真宮寺(もしくは、少し勿体無いけど茶柱さんは諦めるというのも有りだネ)

真宮寺(……)



①茶柱を諦める

②茶柱も誘う


安価↓1

真宮寺(やはり茶柱さんを諦めるというのは勿体無いネ)

真宮寺(彼女も素晴らしい人間だからネ…!)

真宮寺(さて、次は凶器だヨ)

真宮寺(なるべく扱いやすい物がいいネ)

真宮寺(包丁なら厨房に、それ以外の物なら倉庫を探せばありそうだネ)

真宮寺(さァ、何にしようかナ)



凶器の指定(複数OK、人が殺せそうな物をお願いします)
安価↓1

真宮寺(斧とかいいよネ…!)

真宮寺(あと折角こういう環境なんだし、普段使わないような武器も使ってみたいなァ…!)

真宮寺(砲丸、槍投げ用の槍もいいネ)

真宮寺(斧をメイン凶器にして、砲丸や槍をサブの凶器にしようかナ)

真宮寺(7人を斧を使って殺すと、流石に血糊で後半の人が斬りにくくなってしまうからネ)

真宮寺(そうと決まればまずは凶器の確保をしようか…)

真宮寺(凶器をゲームルームに設置し終えたら、みんなを誘いに行こうかナ)スタスタ



ー倉庫ー


真宮寺(さてと…)

真宮寺(まずは斧を探すヨ)

真宮寺(…すぐ見つかったネ)

真宮寺(親切なことに、凶器に使えそうな物は手前に置いてあるみたいだネ)

真宮寺(40cmくらいの長さの手斧だネ)

真宮寺(小さめの斧だから、隠しやすそうでいいネ)

真宮寺(ここに段ボール箱があるから、ブランケットに包んでこの中に入れようか)

真宮寺(後は砲丸も一緒に持っていこうかナ)

真宮寺(槍は流石に大きすぎるから、また後で持って行くことにするヨ)

真宮寺(さて、これをゲームルームに隠しに行きたいけど、ゲームルームやAVルームに今人は居るのかナ?)モノパッドマップチェック

真宮寺(ふむ、今人は居ないようだネ…)

真宮寺(このまま人に会わなければいいんだけど、もし人に会っても、民俗学講座を開催する際に使う物と言えば怪しまれないだろうか…)

真宮寺(怪しまれないかどうかは人によるだろうネ…)

真宮寺(よし、移動しようか)ダンボールを持って移動



↓1コンマ偶数で人に遭遇
その際の遭遇キャラの記載もお願いします(3人までなら複数人OK)

記載し忘れてましたが、天海と百田は今見張り中なのでそれ以外のキャラでお願います
安価コンマ下

もうゴン太(遭遇しない)で決まってない?

>>601
更新押してなかった故>>599は誤爆でした

奇数ばかりなのに塩の執念を感じる…

ーゲームルームー


真宮寺(よし、誰とも遭遇することなく運べたヨ)

真宮寺(姉さんの加護を感じるネ…!)

真宮寺(さてと、とりあえずこれを部屋の隅に置いて…と)ゴトッ

真宮寺(次は槍を運ばないとネ…)スタスタ



ー倉庫ー


真宮寺(さて、問題はこれだネ)

真宮寺(ふむ…)毛布とガムテームを取る

真宮寺(こうやって毛布で槍を巻いて、ガムテープで留めて…)

真宮寺(まあ裸のまま持ち歩くよりはマシだろうネ)

真宮寺(よし、これもゲームルームに運ぼうか)



↓1コンマ偶数で人に遭遇
その際の遭遇キャラの記載もお願いします(3人までなら複数OK、天海・百田は指定できません)

真宮寺(よし、今のところは好調だね…)スタスタ

ゴン太「あれ?真宮寺くん」ガチャッ

真宮寺(!男子トイレからゴン太君が…)

真宮寺「やァ、ゴン太君…」

ゴン太「真宮寺くん、それ一体何?」

真宮寺「これは、民俗学講座に使用する物なんだヨ」

ゴン太「民俗学講座?」

真宮寺「そうさ、後で何人か誘って開講しようと思って、今はその準備をしているんだヨ」

ゴン太「へぇ、そうなんだね」

ゴン太「ゴン太、馬鹿だから民俗学のことよく知らないんだ…」

真宮寺「ゴン太君の専門は昆虫だから、専門外のことをよく知らないのは当然のことだと思うヨ」

真宮寺「だから落ち込む必要なんてないヨ」

ゴン太「そ、そうかな…」

ゴン太「真宮寺くん、



①民俗学講座、頑張ってね

②ゴン太も受講したいんだけど、いいかな?


↓1安価

安価ありがとうございました、本日はここで終了です
以下コメ返しです


>>572>>573>>575
お待たせしました()

>>588
その選択肢なら平和にふん縛られてくれたと思います

まさか塩視点になるとは思わなんだ

乙ありです
投下再開します


>>610
マザーモノクマの部屋組とか最原視点とか今描写しても面白くないかなと思って……つい、やってしまったよ

ゴン太「ゴン太も受講したいんだけど、いいかな?」

真宮寺「エ?」

ゴン太「紳士は色んなことを知ってなくちゃダメなんだ」

ゴン太「ゴン太は本当の紳士になりたいんだよ」

ゴン太「だから真宮寺くん、ゴン太にも民俗学を教えてくれないかな?」

真宮寺「…ゴン太君、紳士にだって知らないことは沢山あるヨ」

真宮寺「興味無いことを無理して学ぶ必要は無いヨ」

ゴン太「興味ないことないよ!」

ゴン太「民俗学は真宮寺くんが好きなものだよね?」

ゴン太「それって、ゴン太が虫さんを好きみたいな感じなんだよね」

ゴン太「知識を増やしたいっていうのもそうだけど、ゴン太、真宮寺くんの好きなものをちゃんと知りたいんだよ」

ゴン太「だって、友達の好きなものを理解するのも紳士の努めだからね!」

真宮寺「フーン、ゴン太君は僕のことを友達だと思ってるのかい?」

ゴン太「そうだよ!」

ゴン太「え!ひょっとしてまだ友達じゃなかったの!?」

ゴン太「ごめん、ゴン太バカだからわからなかったよ…」

ゴン太「じゃあ改めて、もし良かったらゴン太と友達になってくれないかな?」

真宮寺「…別にそれは構わないヨ」

ゴン太「良かったぁ!じゃあこれで友達同士だね!」真宮寺の空いた方の手と握手する

真宮寺「……」

ゴン太「あ、これゴン太が持つよ!」毛布に包まれた槍を持つ

真宮寺「アッ…」

ゴン太「これ、どこに運んだらいいのかな?」

真宮寺「…ゲームルームだヨ」

ゴン太「わかったよ!他にも手伝うことがあったら何でも言ってね!」

真宮寺「……」

真宮寺(ゴン太君が講座の準備を手伝う…ということは、ゴン太君にも講座の参加を許してしまうことになったわけだネ…)

真宮寺(……流石に、ゴン太君が居る状態で大勢の殺人を行うほど僕も愚かではないヨ…)

真宮寺(どうやらこの作戦は失敗のようだネ…)

真宮寺(やれやれ、また別の方法を考えるしかなさそうだネ)

ゴン太「あ、そうだ、真宮寺くん」

真宮寺「なんだい?」

ゴン太「みんなを講座に誘うんだよね?」

ゴン太「ゴン太もみんなに声掛けするの手伝うよ!」

真宮寺(…当然男子にも声掛けするだろうネ…)

ゴン太「何時に講座を始めるって言えばいいのかな?」

真宮寺「…じゃあ今から1時間後に開講するヨ」

真宮寺「時間までは準備に集中したいから、ゲームルームには時間丁度に来るようにみんなに伝えてくれたら嬉しいヨ」

ゴン太「うん、わかったよ!」

真宮寺(殺人が中止になった以上、凶器を元の位置に戻す必要があるからネ…)

真宮寺(……あと、本当に開講することになった以上、講座の内容を考えないと…)

真宮寺(程なくしてゲームルームに着き、ゴン太君が槍を置いて誰かを誘いに部屋を出たのを見届けた)

真宮寺(僕はモノパッドのマップを見ながらみんなの動向に最新の注意を払いながら、凶器を元あった位置に同じように戻した)

真宮寺(そして民俗学に結び付けられそうな物を倉庫で適当に見繕い、ゲームルームにて講座の内容を練り上げた)



ーーー


真宮寺(講義は、1時間を民俗学の解説と伝承の例を紹介し、その後30分を質疑応答をし、90分に及んだネ)

王馬「民俗学とかただの根暗の学問かと思ったけど、真宮寺ちゃんの話しは案外つまらなくなかったよ」

最原「僕は凄く面白いと思ったよ」

最原「ありがとう、真宮寺くん」

真宮寺「…最原君にも民俗学の良さが分かってもらえて嬉しいヨ」

茶柱「男死の話にしては中々興味深い話でしたよ」

茶柱「ね、夢野さん!」

夢野「…すぴー…ぐー…」

茶柱「キャー!寝ている夢野さんもすっごくラブリーです!!」

真宮寺「……」

アンジー「主は言いました…、他の文化の話も中々面白かったと…」

アンジー「にゃはははー!アンジーもこういう企画しちゃおっかなー!」

赤松「アンジーさんだったら美術史とかかな?」

アンジー「んー、アンジーはそういう かたっ苦しいことには興味ないんだよねー」

アンジー「だからアンジーの場合はスケッチ大会とかになるかなー?」

東条「あら、いい企画ね」

東条「もし開催するなら私も準備を手伝わせてもらうわ」

白銀「真宮寺くん、面白い授業だったよ!」

白銀「次はもっと面白いことをしてくれると期待してるね…」

斧、槍、砲丸で民俗学か

キーボ「今回はゴン太クンが真宮寺クンのお手伝いをしたんですよね」

キーボ「次は事前に開催を宣言してもらえれば、ボクもお手伝いしますよ」

真宮寺「その気持だけで嬉しいヨ、ありがとうキーボ君」

春川「まあ暇つぶしにはなったよ」スタスタ…ドアガチャッ

星「断った入間はともかく、天海と百田も来られれば良かったんだがな」

ゴン太「うん…。2人とも、いくら寄宿舎の部屋のチャイムを押しても出てこなかったんだよね…」

最原「きっと熟睡してるんだよ」

王馬「まあ今回は急な開催だったし、仕方ないんじゃない?」

東条「ええ、事前に告知さえされていれば次はきっと来てくれるはずよ」

真宮寺(フォローしなくても、男子はどうでもいいんだけどネ)

真宮寺「みんなに好評なようで僕も嬉しいヨ…!」

真宮寺「じゃあ次は事前に告知させてもらうとするヨ」

ゴン太「真宮寺くん、ゴン太に民俗学のことを教えてくれて本当にありがとう!」

真宮寺「礼には及ばないヨ」

>>618
>>616の時点で一応凶器は元に戻しました

真宮寺(ゲームに関する伝承も話したお陰で、このゲームルームでの講義の開催にも疑問はもたれなかったようだし…)

真宮寺(幸い、ゴン太君はあの長い物を講義に使わなかったことを覚えてないのか、疑問には思ってないようだネ)

真宮寺(相手がゴン太君でなければどうなっていたことか…)

真宮寺(…次は邪魔されないよう、もっと上手くやらないとネ…)



ー14時、マザーモノクマの部屋ー


最原「…ってことがあったんだよ」

天海「ずるいっす!俺も真宮寺君の民俗学講座聞いてみたかったっす!」ソファペシペシ

王馬「残念でした―!」

百田「まあ、そう落ち込むなよ蘭太郎」

王馬「蘭太郎?」

百田「ああ、こいつと仲良くなったから下の名前で呼びあうことになったんだ」

最原「そうなんだね」

最原「そういう関係、ちょっと羨ましいな」

王馬「最原ちゃんは下の名前で呼ばれるのが好きなの?」

王馬「じゃあオレが呼んであげよっか!終一ちゃん!」

最原「いや、僕王馬くんとそんなに仲良くないよね?」

王馬「えっ!今まで一緒に頑張ってきたっていうのに、オレのこと友達だと思ってくれてないってこと!?」

王馬「酷いや終一ちゃん!」

最原「とりあえず呼び方戻そうか」

王馬「終一ちゃんもオレのこと下の名前で呼んでもいいよ?」

最原「いや、そういう問題じゃない…っていうか、『小吉くん』って言いにくいから言わないよ」

王馬「でもアンジーちゃんなんて、最初からオレらのこと下の名前で呼んでるじゃん」

最原「まあ、そうだけど…」

王馬「あ!ああいう喋り方したらOKってこと?」

王馬「終一ー、これでどうかなー?」体を左右に振りながら

最原(ウザさが増した…)

天海「あざといっすね」

最原「!?」

百田「まあいいじゃねえか、終一!」

最原「!百田くんに言われるのは何故か嬉しいぞ…!」

王馬「贔屓かよ!」

天海「じゃあ俺も下の名前で呼ばせてもらうっすね」

天海「終一君」流し目で渾身のイケボ

最原「……これが、イケメンが女子を落とすテクニックか…」

王馬「名前言っただけじゃん」

最原「王馬くんも言われてみたら分かるって」

天海「小吉君」イケボ

王馬「オレの兄ちゃんになってよ!」

最原「ちょろすぎでは」

マザーモノクマ「グリーンリバーだからね、仕方ないね」

天海「これから俺のことは気軽に『蘭太郎お兄ちゃん』と呼んでほしいっす」

王馬「蘭兄ちゃん!」

最原「一気に空手が強そうな感じに…」

天海「終一君もどうぞ」

最原「あ、そういうのは大丈夫です」

天海「そうっすか…、それは残念っすね…」

百田「蘭太郎には大勢妹が居るから寂しいんだろうよ」

最原「でも僕達多分同い年だし、お兄ちゃん呼びとかはちょっと…」

天海「終一君、誕生日いつっすか?」

最原「9月7日だけど…」

天海「あ、ダメっすね…、俺10月3日っす」

王馬「オレは6月21日だよ!」

天海「マジっすか…」

百田「…わりぃ、蘭太郎」

百田「オレ4月12日だわ」

天海「解斗君はお兄ちゃん呼びしなくても大丈夫っすよ、身長高すぎて弟感薄いんで」

最原「くそっ、僕がチビだって言いたいんだね…」

王馬「あのさぁ…」

ー寄宿舎、白銀の自室ー


白銀(民俗学講座…)

白銀(突然の開講だったね)

白銀(こういう企画をするなら、もっと事前に告知しても良いものだと思うけど)

白銀(…ひょっとして真宮寺くん、本当は別のことをしようとしてたんじゃないかな?)

白銀(彼が殺人鬼なことを考えると……多分、手伝いをしたとかいうゴン太くんに邪魔されちゃったんじゃないかと推測するよ)

白銀(あの大量殺人鬼の真宮寺くんがあれで諦めるとは思えないし、これは…、ひょっとしたらこのまま大人しくわたしが何もしなければ、彼が誰かを殺してくれるんじゃないかな?)

白銀(……うん、ちょっとだけ彼に猶予を与えてみようかな)

白銀(コロシアイが起こるかもしれないってのに、おいそれと番組畳めないよね!)

白銀(…モノクマは作れないし、マザーに会えないし…)

白銀(うーん、何もできないと暇だなー…)

白銀(…暇だし、1つ目の思い出しライトでも作りに行こーっと)スタスタドアガチャッ

殺人起きたら普通に裁判になるのかな

ー17時、マザーモノクマの部屋ー


王馬「早く、ほらー」

最原「…………」

最原(今僕らはオセロをしているんだけど…)

最原(ここまで来るともう、どこに置いても僕の負けは確定だ…)

最原(ちなみに現在王馬くんに3連敗している)

最原(…仕方ない、投了しよう)

最原「…僕の負けだよ」

王馬「オセロなんだから最後まで埋めようよ」

最原「そう言われてももう勝ち目ないし…」

王馬「あーあ、つまんないなー…」ジャラジャラ

王馬「よーし!じゃあ次はハンデとして角を最初から1つ取らせてあげよっか!」

最原「オセロはもういいかな…」

王馬「折角ハンデあげるって言ってるのに…」

最原(そんなことを僕らが話していると、突然隠し通路の方のドアが開いた)

東条「ちょっといいかしら」ドアバンッ

最原「!うわ、びっくりした…」

王馬「基本、交代の時間まで来ないっていうルールじゃなかったっけ?」

東条「ルールは理解しているけれど、ちょっとこれは知らせた方が良いと思って来たの」

東条「それに私の寄宿舎の鍵は今、トイレの個室の方に置いているからGPS的にも大丈夫よ」

最原「何があったの?」

東条「実は大変な物が見つかったの」

東条「モノクマーズの話しによると思い出しライトと言う物らしいのだけれど、なんでも、私達の失った記憶を思い出させるライトらしいわ」

東条「それで、百田君がそれを使うと言って、食堂に集まっているみんなも今同意しているところなの」

東条「私は最原君達を寄宿舎に呼びに行くということで、一時そちらからは離脱したのだけれど…」

王馬「…失った記憶を思い出すってどういうこと?」

東条「よくわからないのだけれど、モノクマーズが言うには『様々な症状の記憶喪失を治す力がある』のだそうよ」

東条「『思い出しライトから発せられる光が大脳基底核と海馬対を刺激し、記憶だけではなく、身体能力も…』、というところで説明が面倒くさくなったようで止めてしまったけれど」

東条「入間さんも、『普通に考えればそんなので記憶喪失が治るわけない』って言っていたのだけれど…」

最原「今は普通の状況じゃないからね…」

王馬「確かに割りと何でもありな状況だけどさ…」

王馬「それが本当だとしても、人体への悪影響とか恐いしねぇ…」

東条「みんなも最初はそんなことを言っていたのだけれど、最終的にはみんな百田君に丸め込まれたのよね」

東条「ちなみにみんなは今、ライトをまだ使ってないわ」

東条「そのライトが使用できるのが1回きりという可能性もあるから、貴方達のことを待っているのよ」

最原「ちなみに東条さん、その思い出しライトはいつどこで誰が見つけたの?」

東条「つい先ほど食堂のテーブルの上に置かれていたのを、茶柱さんと夢野さんが発見したのよ」

東条「で、2人はどうする?」

王馬「ここの見張りもあるし、オレはパスかな」

王馬「終一ちゃんは好きにしていいよ!見張りはオレがやっとくし」

最原「……明らかに怪しいとは思うけど、どんな記憶を取り戻すかは気になるな…」

最原「僕の予想が正しかったらそれは多分、『超高校級狩り』ってやつの記憶だろうけど…」

王馬「あの蘭兄ちゃんのモノパッドのやつだね」

最原(あ、もう今後もその呼び方でいくんだ…)

最原「…僕は…」



①みんなと一緒に思い出しライトを浴びてみる

②やめとく


安価↓1

最原「…やっぱり、やめとくよ」

王馬「へー、行かないんだ」

東条「了解したわ」

最原「東条さんはどうするの?」

東条「貴方達以外の全員が思い出しライトの光を浴びると言っているから、私もその光を受けてみることにするわ」

最原「そうなんだね」

最原「もし良かったら後で、そのライトで思い出した記憶を僕達に教えてもらうことってできるかな?」

最原「都合のいいことを言っているとは思うんだけどさ」

東条「ええ、構わないわ」

東条「思い出した記憶の情報を教えるタイミングは、次の見張りの交代の時でいいかしら?」

最原「うんそれでいいよ」

東条「それじゃあ私はもう行くわね」スタスタ…ドアウイーン

最原「…思い出しライトか…」

王馬「ねえ終一ちゃん」

最原「何?」

王馬「その思い出しライトってやつが普通に黒幕の罠でさ、その怪光線を浴びちゃったら廃人になっちゃう装置…とかだったらどうする?」

最原「ちょっと、恐いこと言わないでよ…」

王馬「交代の時間になってもいつまで経っても東条ちゃんも入間ちゃんも来ないでさ、食堂に言ったらみんなが居て…」

最原「やめてってば!」

王馬「そんなことは絶対ないとは言い切ればいよ」

王馬「だってそんなものが急に食堂に置いてあるなんて、黒幕の罠って可能性の方が高いじゃん」

最原「黒幕が僕らにさせたいのは生徒同士のコロシアイだ」

最原「僕らにそんなことしてしまったら、コロシアイどころじゃなくなるよね」

王馬「オレらがいつまで経ってもコロシアイしないからそんなことをした…とか考えられるよね」

王馬「もしくは、こうしてマザーモノクマの部屋をずっと占拠してる状況が気に入らないからだとか」

王馬「例え話じゃん」

王馬「ねえ、そうなったらどうする?」

最原「……その時考えるよ」

最原「その時は来ないと思うけどね」

王馬「じゃあそんな終一ちゃんにアドバイス!」

王馬「多分その場合、みんなを殺して一気に最後の2人になって卒業!っていうのが1番スマートだと思うよ」

最原「…僕は誰も殺さないよ」

王馬「じゃあ廃人になったみんなと、そのままだらだら学園生活続けるの?」

最原「…もうこの話はやめよう」

王馬「……じゃあチェスでもやる?」

最原「いいよ」

最原(もし本当に東条さんが、百田くんが、天海くんが、赤松さんが…)

最原(…そんな風になってしまったらどうしよう、と不安に押しつぶされながら交代の時間まで過ごした)

ー22時、マザーモノクマの部屋ー


最原(…そろそろ交代の時間だけど…)

最原「……」ソワソワ

王馬「…何そわそわしてるの、トイレにでも行きたいのかな?」

王馬「通路通ったらすぐトイレなんだし、行ってきたら?女子トイレだけど!」

最原「いや、そうじゃないけど…」

王馬「あ、ひょっとしてカフェイン不足でイライラしてる?」

王馬「終一ちゃんってコーヒー好きそうな顔してるもんね」

王馬「コーヒーとかお茶とか飲んだらトイレ近くなっちゃうから持ち込めないしね」

王馬「てかオレはいい加減お腹すいたなー」

王馬「間食用にサンドイッチ持ってきたけど、流石にお腹減るねこれ」ソファでゴロゴロ

ドアウイーン

東条「お待たせしたわね」

最原「東条さん…!」ガタッ

東条「どうしたの?最原君」

最原「あ、いや、なんでもないよ」

入間「おい、オレ様も居るぞ」発明品で完全防備

王馬「うわぁ、それ着て来たの」

入間「いつ黒幕に出会っちまうかわかんねーからな」

最原「東条さん、思い出しライトの話しを聞きたいんだけど、いいかな?」

東条「ええ、それは構わないけれど…」

東条「2人とも、お腹空いたでしょう?」

東条「お弁当を持ってきたの、食べてちょうだい」テーブルに重箱とスープジャーを置く

王馬「やったー!いっただっきまーす!」モグモグ

最原「ありがとう、東条さん」スープを貰う

東条「それで、思い出しライトの話しだったわね」

東条「思い出した内容だけれど、『超高校級狩り』についてだったわ」

最原「やっぱり…」

東条「具体的には、『超高校級狩りから逃げていた記憶』よ」

東条「そして、それはみんなも同じだったの」

王馬「みんなも同じ?」

王馬「みんなその、超高校級狩りってやつから逃げてた記憶を思い出したの?」

東条「ええ」

王馬「オレにはそんなやつらから逃げてた記憶、さっぱり無いけどね」

最原「僕も記憶に無いな…」

東条「それは私達がその事を忘れてたからよ」

東条「そして私達は思い出しライトをきっかけにそれを思い出した…」

入間「ほんと何であんなこと忘れちまってたんだろーな」

最原「じゃあ思い出しライトっていうのは本当に、僕らの記憶を思い出させる為の装置だったのか…」

最原「…警戒しなくても良かったね」

東条「でも何が起こるのかわからなかったのだし、あんな物警戒しても不思議じゃないわ」

王馬「でさ、その逃げてた記憶以外は何を思い出したの?」

東条「…私達は、超高校級の才能を狙う超高校級狩りから逃れる為に、ある施設で完成したばかりの装置で『自分の才能に関する記憶』を眠らせたの…」

王馬「で?」

東条「……思い出せたのはそれだけよ」

入間「どうやらモノクマ達が、オレ様達が思い出す記憶の量でも調整してやがるのか知らねーが、それ以上はどうやっても思い出せねーんだ」

王馬「ふーん」

最原「…超高校級っていうのは国に認められた称号みたいなものだよね」

最原「そんな超高校級を持つ僕らを追っていた、その超高校級狩りって何者なんだろう…」

東条「わからないわ…」

東条「…もしかしたら私達は今、その超高校級狩りの者達に捕らえられていて、ここでコロシアイを強要させられている可能性もあるわね」

王馬「うーん…、なんか現実的じゃない話だよね」

王馬「もしそうならその超高校級狩りの奴らって悪質な犯罪組織みたいなもんだし、オレ達もさ、逃げていた間に警察に保護とかされなかったのは何でなんだろうね」

入間「そんなのオレ様が訊きたいぜ!」

最原「謎が深まったね…」

王馬「超高校級狩り…、そんな奴らが本当に居るのか甚だ疑問だね」

王馬「居たとしても、黒幕側の仕込みなんだろうね」

東条「そうね、流石に私達を軟禁している黒幕と超高校級狩りが無関係だとは思えないわ」

入間「つーことは、黒幕=超高校級狩りの連中ってことだな!」

最原「断定はまだできないよ…」

東条「そうね、判断材料がまだ少ないわ」

東条「現時点では無関係とは思えない、ってだけよ」

王馬「……」モグモグ

最原「って、王馬くん!僕の分も食べないでよ!」

王馬「終一ちゃんが話してばっかりで食べないから、要らないのかな?って思って」モグモグ

最原「食べるよ!」

東条「…明日からはお弁当分けましょうか…」

最原「ごめん、洗い物が増えるけど、そうしてくれると嬉しいよ…」

東条「…最原君、もし良かったらこれを食べてはどう?」スッ

入間「それはオレ様達の夜食じゃねえか!」

最原「えっ、じゃあ食べられないよ…」

最原「僕は大丈夫だよ」

東条「そう…?」

王馬「ごちそーさま!」

王馬「東条ちゃん、明日はデザートも作って持ってきてくれると嬉しいなー」

東条「何かリクエストはある?」

王馬「じゃあなんかクリーム系のやつとか」

東条「ティラミスとかどうかしら?」

王馬「お、いいね!」

最原(明日…、明日か…)

最原(明日はここでの8時間、何をやることになるんだろう…)

最原(…今日はひたすらゲームで負けまくったな…)

最原(こう負けっぱなしだと流石の僕も悔しいから、何か勝てるゲームを用意したいな…)

最原(……いっそ、腕相撲とか…)

最原(まさか力勝負で王馬くんに負けるわけないしね)

最原(……)

最原(…流石に、始める前から僕に有利というのがわかっている勝負はダメだよね…)

ーーー


入間(最原達が部屋に帰ったな)

入間(東条のやつも、最原達の弁当を横に避けて眠っちまいやがったな)

入間(さてと、オレ様は何するかな)



①発明品でも作る

②マザーモノクマを本格的に調べる

③夜食を食べる

④眠っている東条を殺して卒業する


安価↓1

入間(…一瞬、今なら卒業するのも簡単そうだなと思ったが…)

入間(や、やっぱり殺人とか無理ぃ…!)

入間(大体何で殺人がここを出るための唯一の手段なんだよ!)

入間(無理に決まってんだろーが!!)

入間(というわけで、マザーモノクマを本格的に調べるぜ!)

入間「さあマザーモノクマ…、覚悟しろよ?」ニヤァ…

マザーモノクマ「ら、らめぇ…!壊れちゃうのぉ…!」

入間「大丈夫だぜ、痛いのは最初だけだからよぉ!」ドライバーガチャガチャ

マザーモノクマ「あっ、そ、そこはぁっ…!」

入間「ここか?ここがイイのか?」ドライバーグリグリ

マザーモノクマ「い、いやぁ…!助けて…!」

東条(うるさいわね…)耳栓装着

ー朝10時、食堂前廊下ー


東条「おはよう真宮寺君、今日も早いのね」

真宮寺「やァ東条さん、おはよう」

真宮寺「実は今日は東条さんに協力してもらいたいことがあってネ…」

東条「協力?」

真宮寺「まあそれは朝食を作りながら話すとするヨ」

キーンコーンカーンコーン

モノダム『……』画面プツッ

真宮寺「入ろうか」ガチャッ

東条「ええ、そうね」

東条「それで協力っていうのは?」パンを切り分け

真宮寺「実は今日、昼頃にお菓子作りをしたいと思っていてネ」野菜トントン

東条「なるほど、その手伝いを私に頼みたいってことかしら?」

真宮寺「ウーン、ちょっとだけ違うかな」

真宮寺「僕は色んな人を誘って、みんなでお菓子作りをしたいと思っているんだよネ」

真宮寺「調理が得意でない人も居るだろうから、東条さんにはその人のサポートをしてほしいんだ」

東条「なるほど、了解したわ」

東条「それで、誰が参加するのかしら?」

真宮寺「それはまだ決めてないんだけどネ、朝食の時にみんなに声掛けしようと思ってるんだ」

東条「そうなのね」

真宮寺(お菓子作り…、これなら女子しか興味持たないだろうからネ…!ククク…)

真宮寺(昨日のような失敗はしないヨ…!)

でも食えないのに来るキーボとかどうなんだろうwwww

ビジネスのためだよw
ロボットが作るお菓子、これは売れる!とか紅鮭で言ってたし

>>652
ロボット差別に敏感なのにそういうのはいいのか……
もうわかんね

ー朝食時ー


真宮寺「みんな、僕は今日のお昼過ぎくらいにクッキーを作ろうと思うのだけど、良かったらみんなも一緒に作らないかい?」

真宮寺「勿論、東条さんにも手伝ってもらう約束を取り付けているから味は問題ないと思うヨ」

入間「何でオレ様がテメーみてえなナメクジ野郎と一緒に、クッキー作らねーといけねーんだよ!」

入間(ていうか昼は寝るしな)

真宮寺「強制じゃないから、興味ある人だけでいいんだヨ」

茶柱「楽しそうじゃないですか?夢野さん!」

夢野「…んあー、めんどい…」

茶柱「そうおっしゃらずに!」

白銀「お菓子作り!楽しそうだよね!ねえ、みんなも一緒に参加しようよ!」

キーボ「そうですね!」

真宮寺「!!!!!?????」

真宮寺「キーボ君…、君は…食事はしないよネ…?」

キーボ「クッキー作りの知識を得て、飯田橋博士に作ってあげたいんです」

真宮寺「……ヘェ、そう…」

アンジー「アンジーもたまには神った料理とかしちゃおっかなー?」

真宮寺(いや、キーボ君1人くらいならまだやれる…)

真宮寺(なにせキーボ君は『ちょっと力持ちの老人』くらいの力しかないらしいからネ)

春川「クッキー作りか…」

真宮寺「どうだい?楽しいと思うヨ」

春川「…まあ甘いものは嫌いじゃないし、暇だから付き合ってあげるよ」

赤松「よーし、私も参加しちゃおっと!」

百田「あ、赤松が料理を…!?」

百田(こいつは野菜の皮むきをピーラーでやることもまともに出来ないやつだからな…)

百田(東条がサポートしてくれるみたいだが、どうする?)

百田(東条は他のやつの面倒も見ないといけねーだろうし、オレが見てた方がいいんじゃねーのか?)

百田(…オレは…)



①参加する

②参加しない


安価↓1

ここは「人間のように扱われたいなら『空気を読む』という言葉を知った方がいいネ」とか言った方がいいぞ。塩

あ、すみません、ミスです、安価待って下さい

ごめん。安価↓で

この時間は百田は見張りで居ませんでした、文章修正
代わりにあとで似たような安価取り直します
以下、>>655の修正





真宮寺「……ヘェ、そう…」

アンジー「アンジーもたまには神った料理とかしちゃおっかなー?」

真宮寺(いや、キーボ君1人くらいならまだやれる…)

真宮寺(なにせキーボ君は『ちょっと力持ちの老人』くらいの力しかないらしいからネ)

春川「クッキー作りか…」

真宮寺「どうだい?楽しいと思うヨ」

春川「…まあ甘いものは嫌いじゃないし、暇だから付き合ってあげるよ」

赤松「よーし、私も参加しちゃおっと!」

白銀(…うーん、真宮寺くん、やってくれるのかな…?)

星「菓子作りか…」

白銀(…意外と星くん悩んでるな…)

ゴン太「うーん…、紳士は料理も出来たほうがいいかな」

真宮寺「そんなことないと思うヨ」

最原「お昼頃なら僕達には関係ないことだね」

王馬「元々参加する気なかったけど、完成品は食べたかったよね―」

最原「あ、でももしかしたら百田くんと天海くんは興味あるんじゃないかな?」

最原「折角だし、交代の時言えば丁度参加には間に合うんじゃないかな?」小声

最原「特に天海くんは昨日のイベントに参加できなくて悔しがってたし…」

茶柱「夢野さんー!一緒にクッキー作りましょうよー!」

茶柱「転子、夢野さんの作ったクッキーが食べたいです!」

夢野「んあー…、みんなで作るなら誰が作っても味は変わらんと思うぞ」

茶柱「気持ちの問題ですよぅ!」

真宮寺「東条さんが教えてくれるから、自信がなくても大丈夫だヨ」

東条「ええ、任せて」

夢野「そ、そういう問題ではないわい…」

キーボ「クッキー作り、初めての体験です」

キーボ「東条さん、よろしくお願いします!」

東条「こちらこそ宜しく」

最原(こないだは女子のみんなの水着イベントが見れなかったし、今日は女子のみんなのクッキーが食べられないし…)

最原(…これは何もかも、このコロシアイ生活を強いられているせいだ!)

最原(くそっ、絶対に許さないぞ黒幕め…!)

王馬「どうでもいいけどめっちゃ顔に出てるよ、悔しがってる感じが」



ー14時、マザーモノクマの部屋ー


最原「ってことがあったよ」

天海「何時開始っすか?」

最原「お昼過ぎって言ってたし、多分そろそろじゃないかな?」

天海「そうっすか」



①天海・百田も参加する

②天海のみ参加する

③百田のみ参加する

④どっちも参加しない


安価↓1

これって天海が殺される可能性もあるのかね?安価↓

男は殺さないかと思ってたけど邪魔なら[ピーーー]のかな

天海「料理と聞いたら黙ってられないっすね、ちょっと行ってくるっす!」ダッ

最原「みんなでわいわいクッキーを作る感じだと思うから、そんなガッツリ料理じゃないと思うけど…って…行っちゃったか」

王馬「蘭兄ちゃんの超高校級の才能は料理関係なのかな?」

最原「確かにオリーブオイルとか凄く似合いそうな感じあるけどね」

最原「ところで百田くんは行かなくていいの?」

百田「ああ」

百田「ちょっと赤松の料理スキルが不安だが、東条や他のみんなが一緒に居るなら問題ねーだろ」

百田「それにオレは料理は好きだが、菓子とかはあんまりなぁ…」

百田「甘いもんばっか食ってると、甘ったれた人間になっちまうからな!」

王馬「何その謎理論」

王馬「甘いものの良さを知らないなんて、人生の半分くらい損しちゃってるよ?」

最原(半分は言いすぎじゃないかな…)

ー食堂ー


東条「それじゃあ始めましょうか」

真宮寺(今ここに居る女子は、東条さん、赤松さん、春川さん、茶柱さん、アンジーさん、白銀さん)

真宮寺(……そしてロボット1体…)

真宮寺(夢野さんは結局面倒臭がって部屋に戻ってしまったけれど、まあ上々な集まりだろうネ)

真宮寺(ちょっと人数が多いけど、これなら殺れるネ…!)

天海「俺も参加するっす!」ドアバーンッ

真宮寺「!!?」

天海「倉庫からエプロンも持ってきたんで問題ないっす」

白銀「何でカフェエプロン…?」

天海「普通のよりこっちの方が形好きなんで」

茶柱「くっ…、男死が増えてしまいましたか…!」

茶柱「ですがまあ、いいでしょう」

真宮寺(いや、良くないヨ…!)

真宮寺(もしこの状態でみんなを殺すなら、まずは天海君に邪魔されないように、彼を別の場所におびき出して再起不能にし…)

真宮寺(その後は厨房に戻り、元来計画していた通り、茶柱さんを不意打ちで刺殺し、続けて東条さん、他のみんな…って感じかな?)

真宮寺(さて……どうする?)



①頑張って皆殺しにする

②確実性がほしいのでまた別の機会に殺す


安価↓1

2

真宮寺(彼を倉庫にでも呼び出して、昨日使い損ねた砲丸辺りで頭でも割ろうと思ってたけど、止めておこうかナ…)

真宮寺(ただでさえ茶柱さんや東条さんといった、抵抗が充分にできる女性が居るのだから、障害はより少ない方がいいからネ)

真宮寺(天海君と争った際、こちらが怪我をしては後の殺害に支障が出てしまうからネ)

真宮寺(仕方ないネ、今日のところは人間観察とクッキー作りに徹しておくとするヨ)

東条「大体必要になりそうな材料は予めこのカウンターの上に置いておいたわ」

東条「レシピはこの本の通りよ、ここに置いておくわね」

東条「まずはボウルに材料を入れましょう」

赤松「よーし、入れちゃうよ!」ドバーッ

春川「…ねえ、それまだ計ってないよね」

赤松「そ、そういえば…!」

春川「はぁ…、まあまだ混ぜてないから一旦戻していいんじゃないの」

赤松「う、うん…」

アンジー「ねえねえ、ハンドミキサーはどこー?」

茶柱「それなら確かこの棚の中に……あ、ありました!」

東条「ハンドミキサーは1つしかないから、交代で使いましょう」

アンジー「にゃはははー!」ガガガガガガガ

茶柱「飛び散ってます!めっちゃ飛び散ってますから!!;」

白銀「ハンドミキサー待ってるのもなんだから手で混ぜてみようと思ったけど…」

白銀「うーん、重くて混ぜにくいなぁ…」グニグニ

天海「俺が混ぜるっすよ」ボウルを自分の方に寄せて混ぜる

白銀「わー、そんなに軽々と!凄いなぁ…」

天海「まあ一応俺も男なんで、このくらい楽勝っす」カシャカシャカシャ

キーボ「スイマセーン、こっちもお願いします…」つボウル

真宮寺「キーボ君は本当に力がないんだネ…」

真宮寺「いいヨ、僕が混ぜるから」カチャカチャカチャ

春川「……あっちは機械と男が混ぜてるのに、何でこっちは私が混ぜてるの」ガシャガシャガシャ

赤松「えっと、無理せずにアンジーさんのハンドミキサーが終わるの待ったほうがいいんじゃないの…?」

春川「他のとこと一緒に工程進めないと面倒じゃない」ガチャガチャガチャ…

本日ここで終了です、ありがとうございました
以下コメ返し


>>627
初回特典があるので現時点では裁判になりません

>>653
キーボって難しいですよね、ロボットアイドルとかも目指してたし

>>664>>666
この塩は邪魔なら男も殺します

お前は「人間として扱ってほしいのか」「単にロボット扱いされるのが嫌だ」のかどっちだ、キーボ
まあ、内なる意思が勝手に決めているんだろうけどな。2chみたいなノリで

ロボットだからここがダメとか仲間外れが嫌なんであって
普通に誉められる分にはロボット扱いでも割りと許容されてると思う

投下再開します

>>676
なるほど

ーマザーモノクマの部屋ー


王馬「よーし、じゃあ今日は何して遊ぼっか」

最原(ここにあるゲームは昨日あらかた遊び尽くしたんだよな…)

最原(そして大体は僕のボロ負けだったわけで……)

最原「…僕は今日は読書でもしてたいかな…」

王馬「そんなに昨日オレに負けまくったのが悔しいのかな?」

最原「まあ確かにちょっとは悔しいけど、それよりもここにあるゲームはもう遊び尽くしちゃったし、何より対戦相手が変わらないのがなんていうか…飽きちゃったというか」

王馬「じゃあ対戦相手が変わらなくても熱い勝負が出来るように、賭けでもする?」

最原「えぇっ…賭け…?」

最原「お金は持ってないから…、モノクマメダルでも賭けるの?」

王馬「別にモノクマメダルでもいいけどさ、勝った人の言うことを何でも聞くって方が燃えない?」

最原「うわ絶対嫌だな…」

王馬「何でもって言っても、お互いのアイデンティティーに反しない範囲の命令なら良いんじゃないの?」

王馬「例えば『探偵やめて』とか『帽子取って』とかそんなことはオレは言わないよ」

最原「うーん…、それならいいかな…」

最原「でも普通に勝負しても僕が負けちゃうよね…」

王馬「だから、丁度強さが均衡する程度にハンデあげるよ」

王馬「流石に勝負する前から勝ち負け見えてたらオレもつまらないしね」

王馬「オセロだったら隅2つくらい最初からあげちゃうし、チェスだったら駒落ちでクイーンなしで戦ってあげるよ」

最原「…それ本気で言ってる?」

王馬「うん、これくらいで丁度いいと思ってるよ」

最原(流石に舐められすぎな気がするな…)

最原(でも本人が良いっていうなら…)

最原「王馬くん、君が負けたら豚足食べてもらうからね」

王馬「え、何で豚足?」

最原「嫌いなんだよね?モノパッドの王馬くんのプロフィールのところにそう書いてあるし…」

王馬「それ嘘だよ?ホントはオレ、豚足大好きなんだよね!」

最原「どうだか…」

王馬「本当だって!だからそんなことに折角の命令使うのなんて勿体無いって!」

最原「まあ、うん…、じゃあ勝ったらその時改めて考えるよ」

王馬「オレ、牛豚鶏だと豚が1番好きなんだよね!」

最原(なんだか必死に感じる…)

最原「じゃあチェスで勝負しようか」

王馬「オッケー!クイーンなしでやるとは言ったけど、ポーンがプロモーションでクイーンになるのは普通にアリでいくからね!」

最原「うん、勿論いいよ」

王馬「よーし、じゃあ勝負!」



下1コンマ 01〜50で最原の勝ち、51〜60でステイルメイト(引き分け)、61〜00で王馬の勝ち

※00は100扱いです
ステイルメイトに近いほど僅差で決着がついたことになります

最原(流石に僕が余裕で勝った)

王馬「嘘だろ…」

最原(凄い凹んでる…)

最原「流石に僕を舐めすぎだよ、王馬くん」

王馬「あーあ、これで勝てたら次は更にルークも抜いてやろうと思ったのに」

最原(どれだけ舐められてたんだ僕は…)

最原「じゃあ約束だけど…」

王馬「…豚足?」

最原「うーん、そうだな…」

最原(何をしてもらおうか…)



①豚足を食べてもらう

②嘘偽り無く秘密結社のことを教えてもらう

③その他(リクエストどうぞ)


↓1安価

最原「うん、豚足を食べてもらうよ」

王馬「あーあ、最悪…」

最原「交代の時に東条さんに頼んで、明日作ってもらおうね」

王馬「ていうかこの学園に豚足とかあるの?」

最原「あったよ、厨房で見かけたよ」

王馬「あんのかよ!」

最原「まあ東条さんが料理してくれるんだし、多分美味しいと思うよ」

王馬「くっそー…」

最原「…ちなみにだけどさ、もし僕が負けてたら王馬くんは何を命令したの?」

王馬「あ、気になる?」

最原「そりゃあまあ…」

王馬「じゃあもう1戦して負けてくれたら教えてあげるよ!」

最原「…負けたらそれをやらせるんだよね?」

王馬「当然!」

最原「じゃあ、もうやるわけないだろ」

王馬「ちぇー、つまんないのー」

王馬「じゃあ次は賭けなしでまた駒落ちチェスしようよ」

王馬「次はルーク1つなしでやるよ!」

最原「まあ賭けなしなら…」

最原(そう言って僕らは2戦目を始めた…)

ー食堂ー


赤松「わー!焼けたね!!」

茶柱「美味しそうですね!」

東条「さあ食べてみましょうか」焼けたクッキーを取り出す

アンジー「うん、神った美味しさだねー!」サクサク

白銀「あつつっ、…うん、美味しい!」モグモグ

赤松「ねえ、折角いっぱい作ったんだし、他のみんなにもお裾分けしない?」

茶柱「良いですね、それ!」

茶柱「転子も、夢野さんにも食べていただきたいと思っていたところです!」

天海「じゃあ暇にしてる人達に声かけてお茶会でもするっすかね」

赤松「うん、いいね!!」

春川「……」モグモグ

キーボ「東条さん、真宮寺クン、貴重な体験をさせていただきありがとうございます!」

真宮寺「いいんだヨ」

真宮寺(……結局、最後まで普通にお菓子作りする羽目になってしまったネ…)

企画大好き超絶フレンドリー男と化した殺人鬼

天海「それじゃあ俺はみんなに声かけてくるっす」スタスタ

茶柱「では転子も夢野さんと入間さんをお誘いしてきますね!」タタタッ

東条「それじゃあ私は紅茶を入れるわね」

赤松「私、配膳手伝うね!」

春川「…赤松だけじゃ不安だから私も手伝うよ」

赤松「も、もう失敗しないってば…」

アンジー「楓は色々とおっちょこちょいだったからねー」

真宮寺「保育士としてはそういう人間は放っておけないのかもしれないネ」

赤松「わ、私そんなに小さい子じゃないのに…」ガーン

春川「赤松、配膳準備しないなら邪魔だからどいて」

赤松「ご、ごめんね!私もやるよ!」ガチャガチャ…ガチャンッ

赤松「あっ…」

東条「大丈夫?怪我はしてない?」

赤松「だ、大丈夫だよ…」

東条「倉庫から掃除機を持ってくるわね」タタタッ

春川「…赤松、邪魔だから席で座ってて」

赤松「で、でも割れたカップの片付け…」

春川「聞こえてないの?邪魔って言ったの」

赤松「あうう…」

アンジー「楓がまたおっちょこちょいして怪我したら心配だからちょっとどいててね、っていう意味だって神さまが言ってるよー」

キーボ「そういうのをツンデレと言うんですよね」

春川「は?殺されたいの?」ギロッ

キーボ「えっ…!?」

春川「あ…、いや…ごめん、忘れて」

アンジー「照れ隠しだねー?」

春川「……」イライライライラ

赤松「あ、アンジーさんも私と一緒にあっち座ってようか…」腕グイッスタスタ

アンジー「なんでー?どうしてー?」スタスタ

春川「……」片付けガチャガチャ

キーボ「…照れ隠しなんですか?」

春川「本当に殺されたいようだね」ギロッ

キーボ「スイマセーン…」

ー18時、寄宿舎真宮寺の自室ー


真宮寺(結局そのまま和やかな雰囲気で、お茶会までしてしまったヨ…)

真宮寺(上手くはいかないものだネ…)

真宮寺(そこで、最初と次とで何故失敗してしまったのかを考えてみたのだけど…)

真宮寺(やっぱり、欲張って大勢を一気に殺そうとしているのが原因だよネ…)

真宮寺(計画が大きくなれば、それだけ失敗する確率も上がる…、当然のことだよネ)

真宮寺(あともう少しで100人達成だからって、少し勇み足になりすぎてしまったのかもしれないネ)

真宮寺(ここは少し落ち着いて、人数を絞って確実に殺すことに専念した方が良いかもしれないネ)

真宮寺「2人…、2人くらいならわざわざ集める手間もないし、きっと殺せると思うヨ」

真宮寺「というわけで姉さん、姉さんはこの才囚学園に居るメンバーで誰と友達になりたいんだい?」



キャラ名安価↓1、↓2
※キャラ被りした場合は安価更に下を採用し、2人にします

真宮寺「なるほど、アンジーさんと白銀さんだネ」

真宮寺「了解したヨ、必ずその2人を姉さんの元へ連れて行くからネ…!」

真宮寺「そうと決まれば今日明日は2人の行動や生活のリズムを観察しながら、親しい友人を作ってないかなどをチェックしつつ、それを元に早ければ明後日に決行しようかな」

真宮寺「1人だけならすぐ殺すんだけどネ」

真宮寺「ククク…、ここで2人姉さんの友達を作り、そのまま卒業してまたこれまで通り姉さんの友達を作る…完璧だネ」

真宮寺「まあここでの人間観察も悪くはなかったけど、データなら充分取り終えたからもうここに居る意味はないよネ」

真宮寺「殺すのは2人だし、今回は包丁でいいかな…」

真宮寺「凶器は殺人をする直前に取りに行くとするヨ」

真宮寺「待っていてネ、姉さん…!」

ー22時、マザーモノクマの部屋ー


東条「2人とも、お疲れ様」隠しドアウイーン

入間「ヒャッハー!会いたかったぜマザーモノクマちゃんよぉ!!」タタタッ

マザーモノクマ「ギャー!!イヤー!!ゲスの極み!非道!外道!悪魔ー!!」

入間「げへへっ…、強がってられるのも今のうちだぜ…?」ガチャガチャ…

最原「…………」

王馬「やばいねアレ…」

東条「昨晩からずっとああなのよ…」

最原「東条さん、寝れてる?」

東条「耳栓を持ってきているから平気よ」

最原「それは良かったよ…」

東条「はいこれ、今日のお弁当よ」

最原「ありがとう」

東条「それとこっちがティラミスで、こっちがお昼にみんなで作ったクッキーよ」

最原「これが…女子の手作りクッキー!」

王馬「キー坊と真宮寺ちゃんと蘭兄ちゃんも作ってるけどね」

王馬「それと、クッキーの方は男子作のも混ざってるけど、こっちのティラミスやお弁当なら東条ちゃん作だから100%女子作だよ終一ちゃん」

最原「あ、そういえば」

東条「……やっぱり最原君も、私のことを母親か何かだと思っているのかしら?」

最原「ご、ごめん…」

東条「謝るってことはやっぱり…」

王馬「東条ちゃんはママ力高いから仕方ないよね」お弁当もぐもぐ

最原「あ、…東条さん、このタイミングで言うのもなんだけど、お願いしたいことがあるんだけどいいかな?」

東条「依頼ね?何かしら」

最原「明日王馬くんに豚足のメニューを作って欲しいんだよね」

王馬「クッキーに浮かれて、そのまま忘れてくれてよかったのに…」

東条「確か王馬君は豚足が嫌いなのよね?」

最原「それなんだけど、お昼に僕と王馬くんで勝負して『勝った方の言うことをきく』ってやつで僕が勝ったんだよね」

東条「そうなのね、事情は把握したわ」

最原「できれば、おかず全部豚足のフルコースくらいでお願いしたいな」

王馬「終一ちゃん結構いい性格してるね…」

最原「まあ勝ったからにはね」

王馬「そういえば入間ちゃーん」

入間「あ?何だよ」

王馬「昨日からマザー弄ってるんだよね?」

王馬「何かわかったこととかある?」

入間「こんな機械のこと、テメーら雑魚どもに説明したところでわかんねーだろ」

入間「まあ、わかったことを簡潔に言えば、コイツの仕組みは昨日で大体わかったぜ」

入間「把握は大体出来たから、今日はこいつを改造するつもりだ」

マザーモノクマ「ふえぇ…改造されちゃうぅう…」

王馬「改造って、どういうところをどういう風にしちゃうわけ?」

王馬「例えば、黒幕がここにやって来たとしてもモノクマのスペアを製造できないようにする…とか?」

入間「そんな誰でも思いつきそうなこと、後ろの機械へ繋がってる線を切れば5分で出来ちまうことだけどよ、オレ様は大天才だからな、もっと面白いことをしようと思ってるぜ」

最原「何をするの?」

入間「マザーモノクマの思考回路のプログラミングを丸ごと書き換えて、オレ様好みにしちまおうと思ってな」

入間「そうすりゃコロシアイ強要マザーから、平和主義マザーモノクマに早変わりよ!」

入間「この才囚学園で1番偉いのは、学園長のモノクマってことになってるからな」

入間「黒幕がいずれこの部屋に来てモノクマのスペアを製造しちまったとしても、マザーの思考がそのままコピーされて通常のモノクマにAIとして搭載され、そのまま平和主義のモノクマが爆誕ってなるって寸法だ」

入間「平和主義モノクマが誕生したところでそのモノクマがコロシアイをやめることを宣言し、校則を丸ごと変えればコロシアイをする意味がなくなるからな」

入間「後はそのモノクマにそのまま出口まで案内してもらえれば、みんな揃って卒業だぜ!」

最原「なるほど…」

王馬「ふーん、ただマザー弄くり回して喜んでるだけかと思ってたけど、ちゃんと考えてたんだね」

入間「当たり前だろ!」

入間「お、オレ様だってコロシアイなんて勘弁だからな…」

最原(確かにいい考えだとは思うけど…)

最原(…どうする?そのまま作業を続けてもらう?)

最原(色々やってもらいたいことは思いつくけど、多分どれもそれなりに時間がかかりそうだな…)



①そのままプログラミングを進めてもらう

②そろそろ殺しを考えている人がいるかもしれない
 マザーの監視システムから怪しい行動をしている人が居ないか探ってもらう

③外に黒幕が居るかもしれない
 マザーが外部からアクセスされた形跡がないか、何か外部から指示されてないかを徹底的に調べてもらう

④その他(リクエストどうぞ)


安価↓1

どこまでできるかわからないからどこまでもさせられる入間のSSに置いての有能っぷりよ

最原「入間さん、ちょっと待ってくれないかな」

入間「ん?何だよ」

最原「それもとてもいい考えだと思うんだけど、その前にやってもらいたいことがあるんだ」

入間「それはマザーを更生させるより優先順位の高いことなのかよ」

最原「うん」

最原「だってもしこれを怠ってしまったら、みんなでここを卒業っていうのが出来なくなってしまうかもしれないからね…」

東条「ひょっとして最原君、誰かがそろそろ人を殺すかもしれないって考えているのかしら?」

最原「その通りだよ」

東条「…人は中々他人を殺せないものよ」

東条「恨みがなければ特に」

東条「この数日間、みんなは特にトラブルなく過ごせていると思っているわ」

最原「東条さんが見た限りは、だよね?」

最原「見えない所ではどうなっているかなんてわからない」

最原「それに、どうしても外に出たいと強く願っている人が居るかもしれないし、そんな人が居たらそろそろ行動を起こすんじゃないかな?」

王馬「ここ数日、出口に関する手がかりも、助けが向かってる知らせもないしね」

王馬「まあ無いとは言えないよね」

東条「そう…、そうね…」

最原「東条さんも納得してくれたみたいだから改めて言うけど、入間さん、キミには何よりも先にマザーの監視システムから怪しい行動をしている人が居ないか探ってほしいんだ」

最原「お願いできるかな?」

入間「ケッ、しゃーねーなー…」

入間「言っとくが、ここ数日の監視の記録を漁ってたら多分1日くらいかかるからな」

入間「それにこれでチェック出来るのは精々、殺害未遂の記録と計画殺人の準備のみだからな」

入間「わかってると思うが、衝動殺人なんざ防ぎようがねーからな」

最原「それは勿論わかってるよ」

入間「じゃあ早速調べるか…」持ち込んだPCカタカタ

王馬「そのパソコンは?」

入間「元々プログラミングする気だったからな、パソコンがあった方が捗ると思って、倉庫にあった物を組み合わせて空き時間に作ったんだよ」

東条「流石ね」

最原「あ、できれば最近に近い日付から調べてほしいな」

入間「わかってるよ」カタカタ

入間「他は何かリクエストあるか?」

入間「どこを調べたら怪しいだとか」

入間「大抵のところには監視カメラがあるみたいだから、見放題だぞ」

最原「そうだね…」

最原「やっぱり、倉庫とかかな」

最原「あそこが1番凶器の調達がされやすそうだからね」

最原「厨房はあまり凶器になりそうな物がないし、もし何か無くなってるなら東条さんが気づきそうだからね」

東条「ええ、今のところ無くなっているものは無いと思うわ」

王馬「てかさ、大抵のところにカメラがあるなら、それで黒幕とかわかんないの?」

王馬「この女子トイレの隠し通路に侵入しようとしているやつとかさ」

入間「どうなってるのか知らねーが、これは可動式のカメラだ」

入間「黒幕を監視する必要なんてないから映してないか、そんな映像記録は自動で消えてると思うぜ」

入間「何でそう思うかっつーと、今こうして監視の記録を漁ってるのに、モノクマーズが妨害に来てないからな」

入間「もしそんな決定的なヤバイ映像があるなら、ぜってー妨害に来るだろ」

王馬「まあそうだね」

入間「……この辺が倉庫の映像か…、めんどくせーな、カメラが大量にあるぜ」

入間「まあ倉庫は死角が多いししかたねーか」カタカタ

最原「大量のカメラ…、そんなもの、どこに仕掛けられてるんだろうね」

入間「しかも全部可動式な」

入間「動きすぎててこんなんずっと見てたら酔いそうだぜ」

最原「透明人間が手持ちで撮ってる感じかな?」

入間「あー、そんな感じするな」

入間「……早戻ししながら監視映像見てたら、ちょっと、酔ってきた…」うぷっ…

東条「…仕方ないわね、倉庫に行って酔い止めを探してくるわね」タタタッ

入間「ちょ、ちょっと休憩…」ソファに横になる

王馬「吐かないでよ?オレ達今ご飯食べてるんだから」モグモグ

最原「どうしても吐きそうなら、女子トイレの方に戻ったらいいんじゃないかな」

入間「まだ吐くまではいかねーが…うぅっ…」

最原(これはちょっと時間がかかりそうだな…)

本日終了です、ありがとうございました
殺しの標的安価で白銀多いのは流石ですよね


>>690
冷静に考えたら、あの見た目でフレンドリーに企画開催しまくるの笑いますね

>>707
入間マジ有能

今までの感じだと真宮寺は積極的にイベント開催してみんなと仲良くなろうとしてる凄いいいヤツに
見えるんだろうなぁ。キルミーはよく関わってるから完全に警戒解いてそう

なんであそこまでチートキャラにしちゃったんだろうね、入間
ゲームする前にパワーバランスぐらい調べようよ……

投下再開します
資料集来ましたがまだ斜め読みしか出来てないけど、入間の未収録立ち絵笑いました


>>714
普通に良い奴だと思ってくれてると思います

>>715
入間は能力はチートだけど頼まれないと作らなかったり、難ありな性格でプラマイゼロになると運営が判断した可能性
それにコロシアイゲームと純粋に見ると、殺しの能力的にはハルマキがぶっちぎりでチートですし

ー6時、マザーモノクマの部屋ー


天海「おはようございます」隠し扉からウイーン

百田「交代の時間だぜ!」

東条「おはよう、2人共」

天海「入間さんはまたマザーモノクマを弄ってるんすか?」

東条「いえ、今はマザーモノクマに保存されている監視カメラのデータをチェックしてもらっているの」

百田「そんなことが出来るんだな」

東条「入間さんはこのまま引き続き作業を続けるから、くれぐれも彼女の邪魔にならないように気をつけてちょうだい」

東条「と言っても彼女はヘッドフォンを付けているから、こちらの話し声とかは聞こえないと思うから普通に過ごしてもらって構わないわ」

東条「ただ、何かあったら彼女の方から話しかけてくると思うから、それまでは放っておいてあげてってだけよ」

東条「先に言っておくけど、私達に手伝えることは何もないわ」

天海「そうっすか、了解したっす」

百田「オレ達には何も出来ないなら仕方ねーな」ソファに座る

東条「それじゃあ私はこれで」スタスタ…隠しドアウイーン

百田「おう、おつかれ!」

天海「お疲れ様っす」

天海「…さて、今日は何して過ごすっすか?」

百田「そうだなぁ…、じゃあ天海の旅の話が聞きたいぜ」

天海「いいっすよ」

天海「どこまで話したっすかね」

百田「確か……うっ、ゲホッゴホッ…」

天海「!大丈夫っすか!?」

百田「…ああ、大丈夫だ、…ちょっと気管にツバが入ってむせただけだからよ…ゴホッ」

天海「本当っすか?」

百田「ああ」

これどうすればいいんだ…外に出ないと駄目か

百田の病気は大体3週間ぐらいがリミットかな
今何日目だ

>>718
百田喋らせたの久しぶりすぎて呼ばせ方普通にミスりました
天海呼びのところを蘭太郎呼びに脳内補正お願いします


>>721
今1週間くらいかな…?
後日日数ちゃんと読み直してカウントしときます

天海「…風邪とかじゃないっすよね?」おでこに手を伸ばす

百田「むせただけだっつんてんだろ?」手を阻む

天海「もし病気とかなら、早めに東条さん辺りに相談した方がいいと思うっす」

天海「医者にかかれない状況だし、早めに薬とか飲んで…」

百田「だから心配ねーって言ってんだろ」

百田「オレは宇宙飛行士の卵なんだぜ?」

百田「健康管理には人一倍気を使ってんだ」

百田「そんなオレが問題ねーっつってんだから、本当に問題ね―んだよ」

天海「そんなに言うなら、まあ、信用するっすよ」

天海「でももし病気とかになったら、強がらないで周りを頼ってほしいっす」

百田「わーったって」

百田「そんなことは良いから早く話し聞かせてくれよ」

天海「…それじゃあ、まだ言ってなさそうな話しで…、これは俺がナミビアに行った時のことっすけど……」

まあ自分で書いといてなんだけど、学級裁判ほどのストレスがかかってるわけでもないしある程度ガバっても大丈夫でしょ

ー8時半、食堂ー


赤松「はぁ…」

最原「おはよう、赤松さん」

赤松「あ、おはよう最原くん」

最原「なんか元気なさそうだけど、どうかしたの?」

赤松「最近百田くんと朝食とか昼食とか、一緒に食べれてないなーって思って…」

最原(百田くんは丁度6時〜14時の見張りだからなぁ…)

最原「でも晩御飯は一緒なんだよね?」

赤松「まあそりゃ晩御飯は大体みんなが揃ってるし…」

赤松「晩御飯の時に居ないのなんて、キーボくんや王馬くん、最原くんくらいで…」

赤松「…………」

最原「赤松さん?」

赤松「そういえば最原くんって最近晩御飯の時に見かけないけど、どうして?」

最原「えっと…、…夜食べると太るっていうからさ、僕あんまり夜は食べないんだよね」

赤松「え!最原くんがダイエット!?」

赤松「ただでさえ細いのにそんなことしなくていいよ!」

最原「でも僕運動しないから、あんまり余計な食事はしないようにしないとちょっと気になっちゃうんだよね」

茶柱「では運動をなさってはどうですか?」

茶柱「転子が特別にネオ合気道を教えてさしあげますよ」

最原「えぇ…、ネオ合気道かぁ…」

茶柱「ネオ合気道に何かご不満でも?」

王馬「いいじゃん、探偵なら合気道くらい出来たほうがいざという時の為にもいいんじゃない?」

最原「まあ確かに、修羅場の時には相手を押さえ込んだりできたら便利だとは思うけど…」

茶柱「では決まりですね!皆さんもどうですか?」

赤松「あ…、私は別にいいかな…?」

赤松「修羅場に遭遇することもないと思うし…」

王馬「オレも汗臭いのはパスだね」

最原「え…茶柱さんとマンツーマン…?」

茶柱「最原さんは男死なので厳しく指導しますね!」

最原「酷い…」

ー12時、体育館ー


茶柱「それではお昼時になりましたし、この辺までにしておきましょうか」

最原「お、お疲れ様でした…」ゼェゼェ…

最原(これ絶対明日筋肉痛になるやつだ…)

茶柱「…ネオ合気道と聞くと名前で馬鹿にする男死が非常に多いのですが、最原さんは馬鹿にせず真剣に訓練していましたし、男死にしては中々見どころがありますね」

茶柱「体力が無いので休憩が多くなるのが欠点ですが…」

最原「ご、ごめん…」

茶柱「いえ、女子の皆さんも初めはそんな感じですよ」

茶柱「……もしや最原さん、実は女子ということは…?」

最原「いや普通に男子だよ…」

茶柱「そうですか…、残念ですね…」

最原「残念がられても…」

百田「終一!」体育館のドアガチャッ

最原「百田くん…?」

最原(まだ見張りの時間のハズだよな…?)

最原「何かあったの?」

百田「ああ、実は……あー…」茶柱チラッ

茶柱「むむっ、男死同士の話というわけですね」

茶柱「まあ女子の皆さんに迷惑がかからない話題であればいいと思いますよ」

茶柱「転子は今からお昼ですのでこれで失礼します」

茶柱「最原さん、お疲れ様でした」ペコッ

最原「こちらこそお疲れ様でした」ペコッ

茶柱「それでは、もし良ければ今日教えたことは反復訓練して下さいね」スタスタ…ドアパタン

最原「う、うん…」

百田「終一、ネオ合気道習ってたのか…?」

最原「うん、成り行きで…」

最原「そんなことより百田くん、一体どうしたの?」

百田「ああ、入間が急に見張りメンバー全員呼んでこ言ってきてよ…」

百田「オレもまだ詳細は聞かされてねーからわかんねーんだが」

最原「過去の監視カメラのデータで何かあったのかな…」

>>728
脱字修正

百田「ああ、入間が急に見張りメンバー全員呼んでこ言ってきてよ…」

百田「ああ、入間が急に見張りメンバー全員呼んで来いって言ってきてよ…」

百田「かもな」

百田「わかってると思うが、隠し通路行く前に寄宿舎に寄って鍵置いて来いよ」

最原「うん、わかってるよ」

百田「えーっと…」モノパッドチラッ

百田「王馬には天海が声かけに行ったし、あとは東条だな」

百田「オレは食堂に居る東条に声かけてくるから、終一は先に隠し部屋に行っててくれ」

百田「昼だから入るときには周囲にはくれぐれも気をつけろよ」ドアガチャッタッタッタッ

最原「…さて、僕も行くか…」ドアガチャッ



ーマザーモノクマの部屋ー


入間「これで全員集まったな」

最原「過去の監視カメラのデータで何かあったんだよね?」

最原「聞かせてくれないかな」

入間「一昨日の映像で、多分…なんだけどよ、殺人を企ててたっぽいやつが映ったんだよな」

王馬「なーんか歯切れ悪い言い方だね」

最原「過去形っていうことは、未遂だったんだろうしね」

最原「今に至るまで、結局誰も殺されてないし…」

入間「とにかく、そいつの行動が明らかに怪しかったんだよ!」

入間「とりあえず映像見やがれ!」カタカタ…ッターン!

東条「ここは…倉庫ね」

百田「…おい、真宮寺が来たぞ」

王馬「ダンボール組み立てて…その中にブランケットに包んで何故か斧と砲丸入れたね」

東条「……そのままどこかへ行ってしまったわね」

入間「ちなみにこの後映像を早送りして見ると、しばらくしたらまた戻ってきて、次は何故か槍投げ用の槍を持って行って、しばらくしたら今度はそれらを全部戻しに来るぜ」

王馬「何その奇行」

入間「倉庫を出ていった後、廊下のカメラでずっとこのナメクジ野郎の行動を追ってると、どうもゲームルームに持って行ったみてーなんだよな」

最原「一昨日のゲームルームって言ったら、真宮寺くんの民俗学講座だけど…」

最原「民俗学講座ではそんなもの使用してなかったよね」

入間「ちなみに2回目の槍運搬の時に、廊下でゴン太に会ってんだよな」

入間「そこの音声を聞いてみると、ゴン太が真宮寺と話してて、民俗学講座をするって知って手伝いに名乗りを上げたんだよな」

入間「多分オレ様の予想だと、本来は凶器をゲームルームに置き終わった後に殺してえと思ってる誰かをここに連れてきて、ぶっ殺す予定だったんじゃねえか?」

入間「その予定だったのに、ゴン太が勝手に手伝いに名乗りを上げて、手当たり次第に声をかけて生徒を大勢呼んだから、殺害を諦めたとかじゃねーか?」

東条「そんな…」

最原「うーん…、確かに行動はかなり不審だけど、本当に誰かを殺そうとしたのかな?」

最原「だってもし誰かを殺すなら、凶器は斧だけで充分じゃないかな」

王馬「真宮寺ちゃんは実はグロ大好きで、滅茶苦茶にして殺したかったとかいう可能性もあるんじゃない?」

百田「念のために予備の凶器として用意したとかじゃねーのか?」

天海「まあ何が目的だったかはわからないっすけど、斧と砲丸と槍を隠してゲームルームに運び込んでいたという事実と、ゴン太君に話しかけられてそれらを倉庫に元通りに戻しに行った、という事実は変わらないっすね」

東条「…仮に、真宮寺君が誰かを殺そうとしたとすると、普通はこの程度のアクシデントなら後日改めてまたその誰かを殺そうと殺害を企てるものじゃないかしら?」

東条「でも真宮寺君が後日開催したものは、大勢でのクッキー作りよ」

東条「殺害を企てていた翌日に普通、そんなものを開催するかしら?」

王馬「実は真宮寺ちゃんはサイコパスだったとか!」

東条「あの真宮寺君がサイコパスだなんて…」

王馬「見た目だけなら充分怪しいけどね」

天海「サイコパスかどうかは置いとくとして、真宮寺君が斧を隠して持ち運んだということは事実っす」

天海「少しは警戒してもいいと思うっす」

百田「警戒って言ってもよ、具体的にどう警戒すんだよ」

天海「真宮寺君が誰かを殺そうとしたっていうなら、今後彼とその人を2人きりにしなきゃいいっす」

最原「そのターゲットが誰だかわからない以上は、真宮寺くんを1人にさせないっていうのが良いかな?」

入間「つまりあいつを見張る為に、交代であいつと一緒に過ごす…って言いてーのか?」

入間「はっ!オレ様はお断りだぜ!」

東条「…真宮寺君が誰かを殺そうとしていたとすると、私達の中にそのターゲットが居ないとも限らないわよね」

東条「つまり、見張りと称して一緒に居るようにするなら、見張りが2人以上必要になるわね」

東条「流石に第三者が居る前で殺人を犯すとは思えないし…」

王馬「どうしてそう思うの?」

東条「え…、だって普通、殺人を他人に見られるわけにはいかないじゃない」

王馬「別に他人に隠す必要ないよね」

王馬「だってまだ誰も初回特典を使ってないんだし」

最原(初回特典…モノクマの最初の動機で、最初に殺人をした人はそのまま卒業できるっていうルールだったよね…)

天海「でも真宮寺君が本当に『誰かを殺したい』『殺しの瞬間を他人に見られても構わない』と思ってるなら、とっくにもう誰かを殺してるんじゃないっすか?」

天海「まだ殺してないってことは、誰かに殺害の瞬間を見られるのが嫌ってことだと思うっす、…誰かを殺す気があるなら」

王馬「じゃあ、ターゲットは複数居るんじゃない?」

王馬「1人目の死体が見つかる前に残りを殺さないと卒業になってしまうから、上手くタイミングを合わせる為に無闇に殺したりはしない…とか」

最原「…卒業するには1人殺せば充分だよね」

最原「複数の人を殺すメリットって無いよ」

最原「むしろ、返り討ちにあう可能性が高くなるし…」

王馬「だから真宮寺ちゃんがサイコパスの可能性だってあるんだし、そんなことオレらが考えたってわかんないよね」

王馬「それに、もしターゲットが複数人なら、最初に運んでた凶器が複数なことも納得できるんじゃない?」

百田「どう納得できんだよ…?」

王馬「全員違う殺し方をするつもりだったとか」

天海「ターゲットは3人居るって言いたいすかね」

東条「…卒業の為に仕方なく人を殺すのではなく、楽しんでると言いたいのかしら」

東条「彼は外見は怪しいかもしれないけれど、常識ある人間だしみんなに優しく接している模範的な人間だと思うのだけれど…」

王馬「オレらまだ会って数日だし、最初から演技してる可能性もなくもないよ」

東条「……」

王馬的確すぎィ!
まあ、思っている異常にやばい奴なんだけどね……

東条「…仮にターゲットが3人居るとしたら、私達はどうしたらいいのかしら」

東条「私達の中にそのターゲットが居る可能性もある以上、最早2人以上で彼を見張っても無駄でしょうね」

東条「…そもそも、ここまでの全てが仮説の可能性もあるのだけれど…」

天海「万が一の可能性もあるんで、警戒しとくにこしたことはないっす」

王馬「うーん…、もうさ、オレらが殺されないようにだけ警戒してればいいんじゃないかな」

天海「それは、他の人達が狙われている可能性もあるのに、見捨てるってことっすか?」

百田「つーか、そもそもオメーが散々突拍子もない事言いまくってこうなったってのに投げんじゃねーよ!」

王馬「だって、ターゲットは複数人かもしれないし、それが誰かは全くわからないってのに対策のしようがないよね」

王馬「それに見張るなら本命はこのマザーモノクマの部屋でしょ」

王馬「他のことに気を取られてちゃ、いつ黒幕がここに侵入してくるかわかんないし、ここの見張りが終わったら次は真宮寺ちゃんを見張る…だけの生活とか嫌すぎない?」

王馬「仮に真宮寺ちゃんが誰かを殺したとしても、その危険な思考を持った真宮寺ちゃんはそれ以降卒業で居なくなるんだし、かえってオレらの黒幕潰しの邪魔な存在が消えていいんじゃない?」

狂言回しキャラは神視点で動かすのに便利だよな

百田「誰かが殺される可能性があるかもしれねーってんのに見捨てんのかよ!」

王馬「じゃあどうする?」

王馬「何も出来ないように真宮寺ちゃんをふん縛っちゃう?」

王馬「まだ誰も殺してないのに?」

王馬「疑わしきは罰しちゃう?」

百田「いや、流石に何もしてねーのに縛るのは…」

王馬「あ、それとも誰かに真宮寺ちゃんを殺させちゃう?」

最原「…え?」

王馬「そうしたらその誰かはそのままノーペナで卒業できるし、疑わしい真宮寺ちゃんは居なくなるしで、真宮寺ちゃん以外はWin-Winじゃない?」

百田「お前…」

入間(ぶっちゃけその案に乗って卒業してぇ…)

王馬「トロッコ問題ってあるじゃん」

王馬「オレはさっさと分岐器を切り替えて1人を殺すタイプの人間だよ」

王馬「百田ちゃんは他の方法を探そうとして、そのまま作業中の5人を殺しそうだよね」

王馬「ねえ、終一ちゃんはどうしたい?」

最原「……難しい問題だけど…」



①誰かに真宮寺を殺させよう

②真宮寺をふん縛ろう

③真宮寺を放置しよう

④真宮寺が殺しをしないように説得してみよう

⑤真宮寺のターゲットが誰か聞き出してみよう

⑥交代で真宮寺を見張ろう

⑦その他(リクエスト)


安価↓1

選びにくい安価を置いて本日終了です、ありがとうございました
以下コメ返し


>>720
外に出ないとダメなやつだと思います

>>721>>724
多分完結まで作中時間3週間もはかからないと思いますけど、もしオーバーしたら多少ガバらせるつもりです
コロシアイ以外ではあんまり殺したくないので

>>737
流石にあのヤバさはエスパーでもない限り当てられないでしょうなあ

>>739
便利ですね



安価下



真宮寺問題を解決するにはなんとか姉清出さないといけないからな…
逆に言えば姉清さえ説得出来ればどうとでもなるが

百田の病気はチームダンガンロンパが百田に病気を感染させたのか「お前は病気だ」という催眠術に近い暗示で病気にさせたのか……
後者なら入間が「催眠メガホン」みたいなもので治せそう

投下再開します

>>744
姉清は本編では追い詰められまくった時にようやく出てきましたから、今回はどうなるでしょうね

>>745
今まであの病気が催眠という発想はなかったですが、そういうのもありですね

最原「…何とかして、真宮寺くんのターゲットを聞き出そう」

天海「そうっすね、ターゲットが分かれば後はその人達に俺らがついてれば良いっすよね」

百田「おお、確かにそうすれば真宮寺が殺しをするかもしれないのを未然に防げるな!」

百田「流石だな終一!」

王馬「…ふーん」

王馬「ターゲットが変わる可能性とかは考えないんだね」

王馬「分岐器を切り替えない第3の選択肢として選んだそれで、5人の作業員を殺すことにならないといいけどね」

百田「終一、王馬の言うことは無視していいぜ」

最原「…確かに、僕らがターゲットを知って、その人達を守ることでターゲットが変わる可能性は無いとは言えないね」

最原「でも『真宮寺くんのターゲットを僕らが意図的に守っている』ということが本人に伝われば、それが殺人の抑止力になるんじゃないかな?」

最原「僕らが露骨にターゲットにくっついていれば、最低でも6人に警戒されているのをいずれ知るだろうし」

入間(オレ様もさり気なく人数に入れるなし…)

最原「その状態でターゲットを変えて殺人なんて、妨害が起こる可能性が高いと彼なら想像してくれるんじゃないかな」

天海「つまり、ターゲットを把握した後は、ターゲットをガードしているアピールをして圧をかけるってことっすね」

王馬「で、肝心のターゲットの訊き出す方法はどうするの?」

最原「うーん…、僕と王馬くんと天海くんで真宮寺くんを観察&遠回しに訊き出し…とかはどうかな?」

東条「その人選の理由を訊かせてもらってもいいかしら?」

最原「まず、僕ら自身が真宮寺くんのターゲットの可能性もあるということから、何かあったとしても僕らは男だし、3人も居ればなんとかなるかなって感じかな」

最原「とりあえず、東条さんは女性だから万が一を考えるとメンバーには入れられないよ」

入間「なんでオレ様の名前がないんだよ…」

入間(まあそんな偵察に駆り出されるなんざ、こっちから願い下げだけどな)

百田「そういう理由なら、王馬よりオレの方がいざという時力になれるぜ?」

最原「……せっかくの申し出だけど、百田くんはちょっと……正直すぎるからさ、こういう訊き出すことに向いて無さそうだからね」

王馬「要するに、百田ちゃんはバカすぎ!ってことだね!」

百田「バッ…!?」

王馬「あとそこのビチ子ちゃんもね!」

入間「ついでにディスられた!?」

最原「えっと、誤解しないでほしいんだけど、僕は百田くんのことを頭が悪いだなんて決して思っていないよ」

最原「ただ今回は百田くんより王馬くんの方がより適任だと思っただけなんだ」

最原「ほら、王馬くんって口が上手いじゃないか」

百田「そまあそうだな…」

入間「……」フォロー待機

最原「……」目線そらし

入間「……オレ様へのフォローは?」

最原「…3人というのもちょっと多い気がするけど、これが訊き出しに警戒されない上限の人数だと思うよ」

入間(無視かよ!?)

最原「勿論、一気に3人で囲んだら彼も警戒すると思うから、できれば中庭とか食堂とか、そういう開けた場に真宮寺くんが居るところに、さり気なく3人で寄れればいいんじゃないかな」

最原「まあその辺は、その場の雰囲気次第だけど…」

最原「話題の振り方としては、『友達できた?』とか『気になってる子いる?』とか、その程度なら大丈夫と思うし…」

最原「…あと、早い内に訊き出した方がいいと思うからさ、出来れば今から行きたいんだけど…」

東条「見張りのことなら心配しなくて大丈夫よ」

最原「ごめん、なるべく時間かけないようにはするよ」

早速本日の誤字修正

>>749の4行目

百田「そまあそうだな…」

百田「まあそうだな…」

東条「時間はかかっても構わないわ」

東条「最優先すべきことは、こちらの狙いが真宮寺君にバレないことだもの」

東条「一応時間がかかった時の為に宣言しておくけど、とりあえず交代の14時になるまでは百田君と入間さんが、それ以降は私と入間さんがここの見張りにつくわ」

入間「いつまでオレ様はここに居なきゃいけねーんだよ!」

入間「見張りのせいで昼夜逆転してるオレ様的には、そろそろ寝る時間だぜ」

東条「それなら、ここで寝てもらっても構わないわよ」

東条「寝ていてもいいから、貴方には居てもらわないと困るのよ」

王馬「東条ちゃんが黒幕の可能性もまだあるしね」

入間「もう今更テメーを誰も疑ってね―だろ…」

王馬「えっ?」

入間「疑ってんのかよ!」

王馬「オレはまだ全員疑ってるよ?」

最原「え、僕も?」

王馬「勿論!」

最原(ずっと一緒に見張りしてたのに、信用されてなかったのか…なんかショックだな…)

百田「東条、入間の代わりにオレが引き続き見張りをするぜ」

東条「いいのかしら?」

東条「貴方、ここの見張り以外の昼時間の空いている時は、出口探しをしているのでしょう?」

百田「…ああ、大丈夫だ」

入間「おう、じゃあよろしく頼むぜ!」

入間「その代わり、睡眠が済んだらすぐ戻ってきてマザー弄くり回す作業を再開するからよ」ハァハァ

マザーモノクマ「ヒッ!?」

最原「入間さん、一応他の場所の過去の監視カメラの映像も、チェックしてもらってもいいかな」

最原「真宮寺くん以外にも、殺人を企てている可能性のある人が居るかもしれないからね」

入間「あ?ったく、しゃーねーなー…」

最原「ありがとう」

最原「それじゃあ2人とも、そろそろ真宮寺くんのところへ行こうか」

王馬「念のために、倉庫で何か武器でも調達しない?」

最原「武器の存在がバレたら相手を警戒させてしまうから、丸腰で行くよ」

天海「つまり、いざという時は俺が頑張らないといけないっすね」

最原「その『いざという時』が来ないようにはするけどね…」

最原「王馬くん、くれぐれも言葉には気をつけてね…」

王馬「うんオッケー!」

最原(不安だ…)

天海「ところで、真宮寺君は今どこに居るんすかね?」

最原「えっと…食堂に居るみたいだね」モノパッドマップチェック

王馬「まあ今お昼時だしね」

最原「真宮寺くんがまだ食事をしているなら、僕らも同席させてもらって話しかけようか」

天海「ところで俺と小吉君ってまだ喧嘩中ってことになってるんじゃないっすかね?」

天海「同時に食堂に行くとまずいんじゃ…」

王馬「そういえば数日前に、そんな茶番してたね」

王馬「めんどくさいし、もう仲直りしたってことで!」

天海「そうっすね」

最原(なんか雑だ…)

ー食堂ー


ガヤガヤ

茶柱「折角なのでネオ合気道を布教しようと思いまして…」

白銀「へー、なるほどね」

赤松「でも、朝食後からさっきまでずっとやってたのは流石にやらせすぎなんじゃ…」

茶柱「勿論休憩を挟んでいますよ」

ゴン太「アンジーさんの島には他にどんな虫さんがいたの?」

アンジー「えっとー、アンジー虫に詳しくないからよく分かんないけど、なんかコブシ大くらいの大きさがあって飛んでツノがある派手な虫とかいたねー」

ゴン太「うーん…、何の虫さんなんだろう…」

星「…おいゴン太、食事中は虫の話はやめねえか?」

ゴン太「えっ、どうして?」

真宮寺「…僕も星君の意見に賛成だヨ」

真宮寺「別に虫の話を否定するつもりはないけど、食事中には相応しくない話題だヨ」

ゴン太「星くんと真宮寺くんが言うならそうなんだね…」

ゴン太「わかったよ、紳士は食事中の話題はみんなに合わせるんだよね」

アンジー「んー、アンジーは別に気にならないけどね―」

最原「大勢いるね、とりあえず食事を持ってきて座ろうか」

天海「はい」

王馬「何食べよっかな―」

最原(僕らは、東条さんが作り置きしておいたであろう食事を適当によそって、なるべく真宮寺くんに近い席に座った)

最原(今丁度人が多いし、真宮寺くんが誰をよく見ているのか、まずは観察かな)

最原(とは言っても真宮寺くんって人間観察が趣味っぽいし、色んな人のこと見てそうだけど…)

真宮寺「おや、この時間に食堂で天海君に会うなんて珍しいね」

天海「まあ、たまには俺も早めに食べるっすよ」

天海「特に食事の時間も決めてないんで」

真宮寺「あと天海君、王馬君と一緒に食堂に来たよネ」

真宮寺「2人はあの件で喧嘩してたんじゃなかったっけ?」

最原(やっぱりそこ気になるよね…)

王馬「ああ、アレね」

王馬「天海ちゃんが殴ったお詫びに、ここから出たらオレにPS4買ってくれるって言うから和解したんだよね」

真宮寺「ヘェ、そうなんだネ」

最原(納得してくれたかな…?)

最原(…話は一旦そこで途切れ、真宮寺くんは特に自分から誰かに話しかけることもなく、静かに食事を再開した)

最原(……って、どうやって食べてるんだろう?あのマスクで…)ジーッ

真宮寺「…そんなに僕の食事の光景が珍しいかい?」

最原「えっ!えっと…」

最原(しまった、気になりすぎてつい見すぎてしまったようだ)

最原「…うん、真宮寺くんそのマスクでどうやって食べられてるのか不思議だなと思って…」

真宮寺「よく訊かれるのだけれど、これは食事用のマスクだから食事の妨害にならずに済んでいるのサ」

最原「へ、へぇ…そうなんだ」

最原(いや、マスクのチャックが閉まったままなのに固形物が消える原理が知りたいんだけど…)

最原(……ダメだな、変なとこばかり気になってしまう…)

王馬「いや、マスクのチャック閉じたままなのにどうやって食べてるの?」

最原(普通に訊いちゃうんだ…)

真宮寺「なんだ、そんなことが気になってたんだネ」

真宮寺「それはこうやって…」フォークに巻いたパスタを口元に持っていく

真宮寺「……」パスタが消える

真宮寺「…こうだヨ?」

天海「!?」

最原「??」

王馬「すげー!どっかのマジシャンよりよっぽど魔法使いだね!」

茶柱「そこの男死!夢野さんは本当に魔法使いなんですよ!」席ガタッ

王馬「え、茶柱ちゃんそれマジで信じてるの?ヤバくない?」

茶柱「夢野さん本人が言うから間違いないんです!夢野さんは魔法使いなんです!」

王馬「今本人いないんだし、そんなに必死にならなくてもいいのに」

茶柱「本人が居ないからと言ってその発言を指摘しないでいると、陰口を容認したことになってしまいます!」

茶柱「女子への陰口なんてこの転子が許しませんよ!」

王馬「はいはい、ごめんね!」

茶柱「心がこもってませんよ」

最原(王馬くんが余計なことを言ったから少し面倒なことに…)

最原(仕方ない、一旦2人を無視して僕と天海くんだけでも真宮寺くんをさり気なく観察してよう)チラッ

最原(真宮寺くんはただでさえ目元しか顔が分からないから、何を考えているのか表情が読み取りづらいな…)

最原(いや、別に顔が普通に見えていたところで、どこかの海外ドラマの主人公みたいに表情や仕草でその人の考えなんて分かんないんだけどさ…)

真宮寺「……ねェ、最原君、天海君」

最原「どうかした?真宮寺くん」

天海「何っすかね?」

真宮寺「2人は他のみんなみたいに会話をしなくてもいいのかい?」

真宮寺「この学園に来た当初は2人は一緒に行動していたよネ?」

真宮寺「最近は天海君は百田君と、最原君は王馬君とよく居る気がしていたけど、久しぶりに食事の時間が一緒なんだし、2人は元々それなりに仲が良かったのなら、普通話すことが何かあるんじゃないかなァ」

最原(真宮寺くんを観察しているのに夢中になって、不自然になってしまったか…)

最原(それにしても流石と言うか、真宮寺くんはよくみんなを見ているんだね…)

こうなったら自分も殺人を考えていると言って誘うしかないのでは?

手強いな。マスクひっぺがすのが一番手っ取り早いんだが
どうすればそういうシチュエーションになるんだろう

最原「…天海くんとはそれなりに仲が良いから、逆にあんまり話さないんだよ」

最原「僕、食事中の会話ってあまり好きじゃないんだよね」

最原「咀嚼中に喋るのはマナー違反だからやりたくない、だから会話が必要な時は口に何もない時に話すんだけど、そうすると食事の時間が長引くよね」

最原「早食いしたいわけじゃないけど、そういうのって非効率的だなって僕は思うんだよね」

最原「僕がそうした考えを持ってるのを天海くんは分かってるから彼は食事中に極力話しかけてこないし、僕も天海くんに話しかけないんだよ」

天海「そうなんすよ」

真宮寺「…なるほどネ」

最原(よし、納得してもらえた…)

最原(でもこれで僕は食事中は完全に真宮寺くんに話題を振ることが出来なくなったし、早く食事を終わらせて、その後にかけようかな)モグモグ

茶柱「そもそも王馬さんは…!」

王馬「ていうか茶柱ちゃんって…」

最原(王馬くんはそっちの話を早く切り上げて戻ってきて…)

ーーー


最原(よし、なんとか真宮寺くんと同じくらいのタイミングで食べ終わったぞ)

最原(こんなに緊張した食事、もう二度としたくないな…)

最原(さて、今東条さんは居ないから、後片付けは各自でやらないといけないね)

最原(僕らが食べ終わるまでに気になったことと言えば、先に食事を終えて食堂を出て行く人達を真宮寺くんは目で追っていたくらいだけど…)

最原(人間観察が趣味な真宮寺くんだし、そのくらいは普通かもしれないね…)

天海「ごちそうさまでした」

最原「じゃあお皿洗おうか」席を立つ

真宮寺「それじゃあ厨房に行こうか」スタスタ

茶柱「くっ…、今度ネオ合気道であなたのその捻じ曲がった根性を叩き直してあげますからね!」

王馬「ほんと茶柱ちゃんは暴力的だなー」

最原(そっちもやっと話がひと区切りしたみたいだね…)

最原(先に厨房へ向かった真宮寺くんと天海くんを追おうと、僕も食器を持って向かおうとすると、王馬くんに無言で腕を掴まれて引き止められた)

王馬『お皿洗ったらさ、真宮寺ちゃんには先に2人で話を訊いてきてよ』小声で話す

王馬『オレもすぐ食べて行くからさ』

最原『もう、いつまでも話してるから…』

王馬『ごめんごめーん!』

王馬『そんなことよりさ、食事中の真宮寺ちゃんって会話の時以外は割りと女子の方の席を見てた気がするよね』

王馬『あの場には何人か居たから、誰を見てたかまでは分からないけどさ』

最原『口喧嘩しながらよく見てるね、王馬くん』

王馬『まあ、真宮寺ちゃんが見える位置にマウント取って茶柱ちゃんと話したからね』

最原『僕は真宮寺くんにちょっと警戒されてた気がするからあんまり様子を見れなかったから、助かるよ』

最原『まあ確かに、もし殺すなら女子の方がやりやすいもんね』

最原『あの場に居た女子…』小声で話す

最原『王馬くんと言い争う為に王馬くんの側まで来た茶柱さんを除くと、赤松さん、アンジーさん、白銀さんだね』

王馬『そうだね、茶柱ちゃんの方にはあまり関心がないようだったかな?』

王馬『てかそろそろ怪しまれるから、ぐずぐずしてないで早く皿洗いに行きなよ』腕を離す

最原『そっちが引き止めたくせに…』スタスタ…

最原(あの3人の女子の中に、真宮寺くんが殺す予定の人が本当に居るんだろうか…)

最原(厨房に移動すると、天海くんが真宮寺くんと雑談しながら食器を洗っていた)

真宮寺「最原君、来るのが遅かったけどどうしたんだい?」

最原「口喧嘩が終わった王馬くんにちょっと愚痴られてさ、引き止められちゃってたんだよね」食器をシンクに置く

天海「あはは、2人は俺らが食べ終わるまでずっと喧嘩してたっすもんね」

最原「ところで2人は今何の話をしていたの?」

真宮寺「天海君が食器を洗う間何か話してくれと言ってきたから、食にまつわる話をしていたんだヨ」

最原「そうなんだね」

最原(コロシアイには関係無さそうだな…)

真宮寺「ちなみに今話していたのは『目黒のさんま』という有名な落語の話しだヨ」

最原「へえ、真宮寺くんって落語もわかるんだね」

最原「なんか意外だな」

真宮寺「そもそも落語の多くは江戸時代の長屋での生活を元にしたものが多いからネ、落語を勉強するということは当時の江戸時代の文化や生活を知ることにも繋がるんだヨ」

最原「なるほど…」

真宮寺「古典芸能だけど落語の噺は面白いからネ、民俗学の入門としてもおすすめするヨ」

最原「…この前の真宮寺くんの民俗学講座でもそうだったけど、民俗学ってもっとお固くて難しいものだと思ってたけど、真宮寺くんの話を聞いてると思ったより民俗学って窓口が広くて楽しそうなものも多そうだよね」

真宮寺「最原君も民俗学に興味を持ってくれたのかい?」

真宮寺「嬉しいなァ…!」

最原「そうだ、この後良かったら民俗学の話とか聞かせてくれないかな?」

最原(そしてちょっと仲良くなって、なんとか探りを入れないとな…)

天海「あ、俺ももっと話が聞きたいっす」

真宮寺「ククク…、勿論歓迎するヨ…!」

最原(探るのに思ったより時間がかかりそうだけど、仕方ないか…)

ー教室Aー


最原(…あれから結構経ったけど、真宮寺くんずっと民俗学のことについて話し続けているね…)

最原(しかも話の内容が面白いから、うっかり普通に聞き入ってしまう…)

最原(こっちから話題を振って、雑談に話をシフトしないとな)

真宮寺「…ってことだったんだヨ」

最原(よし、話がいい感じに区切りがついたね)

最原「うん、やっぱり真宮寺くんの話はどれも面白いね」

天海「ほんと、いつまででも聞いてられすっすよ」

真宮寺「ククク…、僕も君達の前でならいつまででも話していられそうだヨ」

真宮寺「2人まとめて弟子にしたいくらいだヨ」

最原(真面目に聞きながら相槌をうっていたお陰で、好感度も結構上がった感じだね)

最原(…そういえば王馬くん、まだ来ないけどどうしてるのかな)

最原(まあ彼も結構頭は良さそうだし、何か考えてくれてるだろうから好きにさせておこう)

最原「ところで真宮寺くん、僕気づいたんだけどさ…」

最原「真宮寺くんのお陰で僕らは色々民俗学のことについて楽しく学べてるけど、まだ大切なことを聞けてないんだよね」

真宮寺「大切な事…?」

最原「うん、僕らは真宮寺くんのことをまだ全然知れてないんだよね」

最原「そろそろ真宮寺くん自身の話も聞きたいな」

真宮寺「僕自身の話か…、あまり楽しい話は出来ないと思うヨ?」

天海「構わないっすよ」

天海「俺達真宮寺君ともっと仲良くなりたいんで、真宮寺君自身のことをもっと知りたいっす」

天海「聞かせてくださいよ、師匠」

真宮寺「…弟子にそこまで言われたら、教えないわけにはいかないよネ」

真宮寺「いいヨ、話すとしようか」

最原(真宮寺くんが段々チョロくなってきたな…)

最原(好感度の賜物だね)

真宮寺は洗脳前は自分が友達欲しかった説がある。寂しがりなんだろうなという気はする

>>767
知識系は一番チートライト向きの才能だし
元々民話とか柳田国男の本とか好きだった可能性もある

ーーー


最原(…とりあえず、民俗学を抜いた真宮寺くんのことがちょっと知れたね)

最原(まとめると、真宮寺くんには大切なお姉さんが居るということと、真宮寺くんが病弱なお姉さんに代わって素敵な女子の友達を探していること)

最原(それと…昔訪れた村で、歓迎として縄で縛られて目覚めたことを話してくれた)

最原(お姉さんの下りはともかく、縄の下りは何なんだ…)

最原(同級生のそんな性癖知りたくなかったよ…)

最原(天海くんも引いてるよ…)

真宮寺「今度君達も縛ってあげるヨ…」

天海「いや、大丈夫っす」

最原「僕もそういうのはちょっと…」

真宮寺「先入観にとらわれていてはいけないヨ」

最原「そ、そんなことよりお姉さんの話をもっと聞きたいな」

天海「そうっすね」

真宮寺「……」

天海「ん?どうしたんすか?」

真宮寺「悪いけど、あまり姉さんのことを男に話したくないんだよネ」

天海「真宮寺君もシスコンなんすね」

天海「俺もなんすよ」

真宮寺「ヘェ、天海君にも姉か妹が居るんだネ」

真宮寺「姉妹の話、聞かせてくれないかなァ?」

天海「いや、うち妹多いんで、話すと長くなっちゃうんで簡潔にまとめるっすけど、みんないい子だし可愛いっすよ」

真宮寺「そうなんだネ、会ってみたいなァ…」

天海「俺も早く妹達に会いたいっすね…」

最原(妹さん達、行方不明なんだよね…)

真宮寺「ククク…、ここから出られたら妹さんに僕の姉さんを紹介したいヨ…!」

天海「真宮寺君のお姉さんもきっといい人だし、うちの妹達もきっと喜ぶと思うっすよ」

最原(1人っ子の僕には縁がない話だね…)

最原(でも僕も早くここを出てみんなに会いたいな…)

真宮寺「最原君には姉か妹は居ないのかい?」

最原「…えっと、僕は1人っ子なんだよね」

真宮寺「そうなんだネ、残念だヨ…」

真宮寺「君自身素晴らしい人間だから、君に姉妹が居たら彼女達もさぞかし素晴らしい人間だっただろうにネ…」

真宮寺「君が女性だったなら、迷わず姉さんに紹介してあげられたのになァ…」ハァ…

最原(茶柱さんといい真宮寺くんといい、何でみんな僕が男で残念がるんだよ!)

最原(男で悪かったな!!)

真宮寺「…最原君、どうしたんだい?」

最原(やばいな、顔に出てたかな?)

最原「いや、なんでもないよ」帽子のツバで顔を隠す

最原(そろそろ話題を変えよう、次はこの最近の話題を話してもらおうかな)

最原「そういえば真宮寺くんはこの才囚学園での生活、どう?」

真宮寺「『どう』というのは?」

最原「ごめん、質問の意味が広すぎたね」

最原「『ここでの生活に慣れた?』とか『やっぱり外に出たいよね?』とか、そういう意味だよ」

本日終了です、ありがとうございました


>>759
そういう方法もいいですよね

>>760
マスクを剥ぐって難しいですよね
主にそこに至るまでの理由付けが

>>769
もし本当に自分が友達欲しかったのだとすると、その友達を自ら殺めてるという悲しいことになりますね…

本スレにラブアパから見る各生徒の潜在的に求めているタイプが書かれていたけど
真宮寺は自分を求めてくれる人だった。ギャグキャラ扱いされることが多いけど実はかなり重い

>>770
そもそも姉いない説もありそう。黒幕の白銀が禁断の兄妹愛大好きっぽいし
ただ、小高曰くオシオキの霊は本人で操られている可能性もあるとのことなので実在してるかも?

天海、真宮寺、ラブアパのつむぎ……地味に禁断の兄妹愛っていうか兄妹が好きだな。黒幕

姉清を引っ張り出す方法か…
どうにか姉清を貶して「姉さんに謝って謝って謝って謝って」状態にしてから、
「本人もいないのにどうやって謝るのさ」からの本人登場、みたいな?
…出来そうなのが王馬しかいないのを除いても、激ムズやな

投下再開します



>>775
真宮寺がそういうタイプの人間なら、今最原達がやってる方法はなかなか効果テキメンそうだけど、最原達の興味関心ありまくる演技させるのが申し訳なくなりますね

>>776
ラブアパ的に兄妹愛が好きなんでしょうね、黒幕

>>777
謝って謝ってさせて姉清が出て来るほど追い詰めてしまうと、真宮寺のコロシアイを止められたとしてもその後の共同生活のギスギス具合がヤバそうなので、もう少し穏便に済ませたいですね(穏便に行くかどうかはわかりませんけども)

というか本編3章もアンジー殺しがもし他の人がクロだったら、転子殺しても生き延びる可能性あったんですよね、真宮寺…
そのパターンも見てみたかったかもしれない

真宮寺「まァ1週間も経てば流石に生活には慣れるけどさ、誰だって外に出たいに決まってるよネ?」

真宮寺「それとも最原君は、ここで一生過ごしても良いとでも言うのかナ?」

最原(無難な回答だな…)

最原「変な質問してごめん…、でもこれ今みんなに聞いて回ってるんだよね」

最原「ほら、そろそろ誰か外に出たい気持ちが限界になって、変な気を起こす人が居るかもしれないからさ…」

真宮寺「意識調査か、なるほどネ」

真宮寺「それで、今のところ誰か変な気を起こしそうな人は居たのかナ?」

最原「ううん、そんな人は今のところは居ないかな」

最原「話せるタイミングになってから訊いてまわってるから、まだ全員には聞けてないけどね」

真宮寺「そもそも誰かが殺人を考えてるなら、その誰かは気を使って発言してると思うし、そんな質問したところでボロは出さないんじゃないかナ」

真宮寺「それにしても流石探偵というか、まさか最原君がみんなを疑っているだなんてネ」

最原「…勘違いしてほしくないんだけど、僕は『外に出たがってる人』を探してるのであって、『殺人を考えている人』を探しているわけじゃないよ」

>>778
でも3章のことはモノクマも知っていて提案したはずだから、別の人だったら1の3章の時のように一緒にオシオキじゃないか?

真宮寺「その2つは何が違うのかナ?」

最原「目的と手段が違うよ」

最原「僕が念のためと思って探しているのは『外に出る』為に『殺人を考えている』人だよ」

最原「まさか僕らの中に『殺人を計画』していて、結果的に『外に出よう』としている人が居るなんて考えてないよ」

最原「前者の人が居た場合、その人達を説得したり、心を支えたりしたいと思っているんだ」

最原(…つい最もっぽいことを言ってしまったけど、今僕は真宮寺くんを後者で疑っているんだよな…)

真宮寺「なるほどネ。みんなを信じているから、みんなを救いたいと思っているからその為の意識調査なんだネ」

真宮寺「やっぱり君は素晴らしい人間だヨ…!」

最原(最近王馬くんと一緒に居る時間が長いせいか、嘘をつくことに抵抗感がなくなってきたな…)

最原(とはいえ、あんまり褒められると流石に心が痛むから止めてほしいな…)

天海「まあ真宮寺君は今回当てはまらないみたいなんで、別のもっと明るい話するっすよ」

最原「うん、そうだね」

最原(もっと確信から遠ざかった場所から質問するかな…)

最原(確か、昼食時の真宮寺くんは女子の方をよく見ていたんだったよね)

最原(…だったら、ある意味直球な質問だけど…)

最原「それじゃあ…、恋愛トークとかしない?」

最原(……こんな陽キャラみたいな会話が僕にできるだろうか…)

最原(いや、頑張るけど…)

天海「いいっすね、やっぱりこんな共同生活していると、1人や2人良いなーって子が出来るもんっすよね」

真宮寺「恋愛話ネ…、僕には無縁の話題だヨ」

真宮寺「でも君達の会話には興味があるから、是非聞かせてくれないかなァ?」

最原(しまった、この話題じゃまずかったか…)

最原(でも話題を振ってしまった以上、ある程度話をしないとまずいな…)

最原(それに、この話題の中で真宮寺くんがそれぞれの女子に対してどう思っているのか判断できるかもしれないし、気を抜けないな…)

最原(なるべく多くの女子の名前を出して反応を見るか…)

最原(食堂で真宮寺くんが見ていたのは赤松さん、アンジーさん、白銀さんの誰か…)

最原(でも真宮寺くんのターゲットがその時食堂に居た女子だけとは限らないし、他の女子の名前も一応上げとかないとね)

最原「えっと、やっぱり優しい子だったり気遣いのできる子が良いなーって思っちゃうよね」

天海「この学園で1番気遣いのできる女子というと、やっぱり東条さんっすかね」

最原「うん、そうだね」

真宮寺「確かに彼女はとても素敵な女性だネ」

真宮寺「ああいう女性を好きになるのは甘えたがりな男性が多いんじゃないかな」

真宮寺「最原君は意外と甘えたがりかもしれないネ」

最原(反応が客観的すぎてわかりにくいな…)

最原(真宮寺くん個人の意見が知りたいんだけどな)

最原「ああでも、確かに東条さんは良いと思うけど、見た目なら入間さんなんて最高だよね」

最原「僕結構巨乳が好きなんだよね」

最原(選べた立場じゃないけど、中身考えると入間さんはないなー…)

目的のためとはいえ会話内容酷くてワロタ

真宮寺はターゲット誉めるから見抜くの難しいんだよな…

この会話入間に見られてる可能性があるんだよな……?

そういえばこの最原くん赤松さんとはそこまで親しくなって無いな
だいたい赤松さん百田と行動してたし

天海「まあ確かに入間さんは胸凄いっすよね」

天海「俺は入間さんは興味ないっすけど」

最原(天海くんストレートだな)

真宮寺「……確かに入間さんは外見は自称している通り良いものだろうけど、中身がありえないヨ」

真宮寺「最原君みたいな素晴らしい人間には、もっと他に素晴らしい女性が居ると思うヨ」

最原「そうかな?」

最原(真っ当なアドバイスをされてしまった…)

天海「巨乳と言えば赤松さんも中々じゃないっすかね」

最原「うん、彼女も素晴らしい胸を持ってるよね」

最原(自分で言っててなんだけど、何なんだよ素晴らしい胸って…)

真宮寺「ピアニストは客前に出ることが多いから彼女は外見にはそれなりに気を使ってるようだし、みんなを思ってデスロードで奮闘している様から見て内面も美しいし、彼女も素晴らしい女性だよネ」

真宮寺「ただ彼女は、この学園にいる男子生徒の中だと百田君と1番仲が良いように見えるから、最原君は少し難しいかもしれないネ」

最原(僕は都合上胸しか褒めてないっていうのに、真宮寺くんはまともに答えてて、なんか…、なんだか……うん…)

本当姉さん関連以外はクソまともな殺人鬼だよなww

少なくてもキラーキラーの殺人鬼よりまともそう

ドアガラッ

王馬「モノパッドのプロフィールを見てみると、次に胸の大きな女子は88cmの茶柱ちゃんだよ!」

王馬「あ、なんか廊下歩いてたらつまらなくなさそうな話が聞こえてきたからつい入ってきちゃったけど、混ぜてもらってもいいよね?」

天海「勿論、男子なら誰でも歓迎っすよ」

最原(王馬くんもやっと来たね)

最原(どの辺の会話から聞いてたんだろう…)

最原「茶柱さんも意外と胸大きいんだね」

最原「まあでも茶柱さんって男子嫌いだし、彼女も縁がなさそうだよね」

天海「可愛いっすけど縁は無さそうっすよね」

真宮寺「そうだネ…」

真宮寺「でも彼女の友達に対する態度は優しいものだし、最原君も今日の午前に茶柱さんからネオ合気道を教えてもらってたんだよネ?」

真宮寺「意外と可能性がないわけでもないと思うヨ」

最原「えー、そうかなぁ…」

塩は人をみる目があるよな

最原(…なんか僕ばかり変態になっていってる気がするから、そろそろ他の人に話を振るか…)

最原「天海くんは女子だと誰がいいなーって思ってる?」

天海「え、俺っすか?うーん…」

天海「……夢野さんとかどうっすかね」

王馬「犯罪臭やべぇww」

天海「なんか1番妹っぽいじゃないっすか」

王馬「理由もやばいじゃん」

最原(天海くん、まだ話題に出てない女子の名前として適当に言っただけだよね…?)

真宮寺「王馬君、他人の好みを『やばい』と否定してばかりでは駄目だヨ」

王馬「でも実際やばくない?」

真宮寺「自分が受け入れられないものだからと言って無闇に否定するのは愚かな事だヨ…」

真宮寺「自分に親しい存在に印象が似ていると他人を褒めるのは最大の賛辞じゃないかなァ」

王馬「でも今話してるのは恋バナだよね?」

王馬「流石に家族に印象が似てるっていう理由はどうかと思うよ」

天海(いや、『妹っぽい』って『可愛らしい』くらいのイントネーションで使ってるだけっすから別にそんな深い理由じゃないっすけど…)

真宮寺「…まァ、王馬君の中ではそうなんだろうネ」

天海「というか夢野さんも高校生なのに、なんで俺こんなに王馬くんに否定されてるんすかね」

王馬「そういえば夢野ちゃんって高校生だったね!小学生かと思ってたよ!」

最原「確かに彼女は小柄だけど、王馬くんも他人のこと言えないんじゃない?」

王馬「は?」

最原「……天海くん、他に気になってる女子は誰かいる?」

天海「他は…アンジーさんも小柄で可愛らしいっすよね」

最原(僕が巨乳縛りしたノリで、天海くんは小柄縛りかな?)

王馬「アンジーちゃんはそんなに小柄じゃないんじゃない?」

最原(…アンジーさんより王馬くんの方が背小さいんだよね)

天海「でも他の女子が結構背が高い子が多いんで、小柄に見えるっすよね」

最原「も、もう背の話はいいんじゃないかな…?」

天海「じゃあ背以外だと、挙動が可愛いっすよね」

天海「神さま発言は少し不気味っすけど…」

王馬「そういえばアンジーちゃんの神さまって、真宮寺ちゃん的にどう思う?」

真宮寺「そうだネ…、僕は彼女の神さまについてあまり知らないから何とも言えないヨ」

王馬「胡散臭いとか思わない?」

真宮寺「判断しかねるネ」

真宮寺「確かに一般的に見て胡散臭い宗教といった感じだけれど、例え存在しない神だとしても、彼女の島の生活が実際にその神を中心にまわっているのだとしたら、もうそれは存在していると言っても差し支えないと思うヨ」

真宮寺「それに彼女としては良かれと思ってやっている部分が多いと思うし、島民もそれで納得しているなら第三者が口を挟むとこではないと思うヨ」

王馬「ふーん、そういう考えなんだね」

王馬「じゃあアンジーちゃん自身はどう思ってる?」

真宮寺「彼女は選ばれた人間だよネ」

王馬「まあ一応島の巫女ってことだしね」

真宮寺「…ああ、そうだネ」

真宮寺「彼女は隙があれば布教しようとするところはあるものの、それも相手を思っての行動だし、良い子だと思っているヨ」

真宮寺「他人を思いやれる彼女ならきっと僕の姉さんの良い友達になると思うし、…あァ、早く会わせたいなァ…」

最原(アンジーさんとお姉さんが友達になってもらう約束でもしたのかな?)

天海「小吉君は気になる女子は誰か居ないんすか?」

王馬「えっ?……あー…、えっとー…」

最原(あとは女子は春川さんと白銀さんか…、理由付けどうするのかな)

王馬「うん、春川ちゃんとかいいんじゃないかな」

最原「保育士だから優しそうってことで春川さん?」

王馬「いや、なんか春川ちゃんって気が強そうだから虐めて泣かせたいなと思って」

最原(即興とはいえ理由が酷いな)

真宮寺「それは所謂反動形成というやつだネ」

真宮寺「普通に話すことに恥ずかしさや照れがある場合、自分の気持ちを隠すように意地悪してしまうものなんだヨ」

最原(王馬くんのは照れ隠しじゃなくて、本当にただの意地悪なんじゃ…)

王馬「へー、そんな心理があるんだね」

王馬「あ、ちなみにオレがいつも入間ちゃん罵倒してるのはそういうのじゃないからね」

最原「うん、それは見ててわかるよ…」

最原「というか入間さんいじりより、ロボット差別してる時の方がイキイキしてるよね」

王馬「あれはオモチャで遊ぶ感覚だよね」

反応がまともな上いちいち知的で困るw
王馬は好きな相手にはちょっかいかけまくるタイプだろうな

真宮寺「フム…、まあでも王馬君と春川さんはお似合いだと思うヨ」

王馬「え、どういうところが?」

真宮寺「王馬君の諸々の子供っぽい所を、超高校級の保育士の春川さんの手で厳しくも優しく指導してもらい、真っ当な人間にしてもらったらいいと思うヨ」

王馬「何でオレが保育士に指導されないといけないんだよ!」

王馬「オレ高校生なんですけど!!」

最原「ふふっ…」

天海「それは確かにお似合いっすね」

王馬「なんなんだよ!もー!」

真宮寺「別に僕は王馬君を園児扱いしているわけではないヨ」

真宮寺「彼女の才能は保育士という二つ名だけど、それは便宜上そうなってるだけだから大人相手にも発揮されると思うヨ」

真宮寺「例えば、先日女子のみんなとキーボ君と天海君が参加したクッキー作りでの事だけど、彼女はずっと赤松さんの世話をやいていたネ」

天海「そういえば、そうだったっすね」

真宮寺「まァ、子供の方が言うことを聞かなかったり手がかかる事が多いから、そりゃ大人相手の方がより能力を発揮できるというものだよネ」

真宮寺「彼女の保育士の才能の正体は『相手を甘えさせない程度に世話をやき、正しく導く』そう、教師のようなものだと思うヨ」

真宮寺「彼女はたまたま今まで、幼い子供を相手にしていたというだけだと思うヨ」

王馬「うーん…、春川ちゃんってそんなに愛が深いタイプなのかな?」

王馬「そうは見えないけど…」

真宮寺「ああいうタイプの人間は、ある程度親しくなれば優しい面を見せてくれると思うヨ」

最原「真宮寺くんは本当によくみんなのことを見ているね」

真宮寺「まァ、人間観察は趣味みたいなものだからネ」

天海「でもよく分析できてると思うっす」

天海「流石っすね、師匠」

最原(流石の真宮寺くんも入間さんはボロクソ言ってたけどね…)

本日終了です、ありがとうございました
以下コメ返し


>>780
なるほど…、そうですよね
でもクロ2人同時オシオキって今まで見たことないから、そういうのも次回作とかで見てみたいですね
2-2が若干同時オシオキ感ありましたけども

>>784
書いてて自分でも酷いなと思いましたw

>>785
憎んでるわけじゃないから難しいですよね

>>786
ありますね

>>787
ヒロイン不在のSSになってしまいました…
この最原くんが今1番親しいのは多分天海

>>791
キラーキラーの殺人鬼はマジキチ多すぎる…

>>790>>793>>799
真宮寺は姉さんの件以外はまともだし、冷静に物事を見てますよね

これからやたら胸を強調するようになるんだな、入間さんは…
隠すようになる可能性も若干あるけど

胸ばっか見られてることに興奮して自慰してそう

この後に改造人間イベントをこなせば落ちるな(確信)

入間に色々発明させるレベルのおだての最低ラインが土下座じゃちょっと…実用性がな

投下再開します


>>803>>804>>805
ここの最原くんは入間さんと一緒に過ごした自由時間0、あげたプレゼントの数0の親密度0だから入間さんは全く惚れてないと思います

>>808
そういえば本編で王馬くんは色々入間さんに発明品作らせてたけど、どうやってたんだろう

天海「それで、気になってるのは春川さんだけっすか?」

王馬「あとは白銀ちゃんもいいと思うよ」

真宮寺「春川さんと白銀さんでは系統が違うようだけど、どこが良いと思ってるんだい?」

最原(ただ残りの女子ってだけだから、理由付け苦しそうだなぁ…)

王馬「それはほら……春川ちゃんほどじゃないとはいえ、白銀ちゃんも地味にいじめがいがありそうというか」

最原(もう誰相手でも「いじめたい」で通すんだろうなぁ…)

王馬「…別に深い理由なんてないよ」

最原(白銀さんが地味すぎて理由が思い浮かばなかったんだろうけど、考える事投げないでよ…)

真宮寺「王馬君は白銀さんのことがあまり関心が無いように見えるけど…」

真宮寺「彼女のこと、好きでもなんでもないよネ?」

王馬「あ、バレた?」

王馬「いやー、真宮寺ちゃんってどこまで人間観察してるのかなーって気になって軽く嘘ついてみたんだよ」

王馬「流石にちょっと雑だったかな」

最原(僕や天海くんと違って、王馬くんは失言しても嘘って言えるから良いよね…)

王馬「白銀ちゃんに似合いそうな男子って、…うーん、真宮寺ちゃんとかどう?」

王馬「ほら、民俗学者もオタクみたいなもんじゃない?」

真宮寺「僕は白銀さんに恋愛的な興味はないヨ」

王馬「ん?恋愛じゃない興味ならあるの?」

真宮寺「…オタクというのも、その時代の文化を形成するものの1つだよネ」

真宮寺「サブカルチャーを軽視する人って多いけど、それも立派な文化だし、ゲームやアニメを通して昔の人達の暮らしに興味を持つ人が増えるというのも、とても良いことだと思うヨ」

真宮寺「そういう意味では確かに、民俗学者とオタクは似ているのかもしれないネ」

真宮寺「そして白銀さんはそんなオタク文化のコスプレという部門の中のトップの存在…」

真宮寺「彼女はキャラクターになりきるために、例えば歴史もののキャラクターならその国の歴史背景も調べてそうだし、なんなら衣装の素材も当時の服飾の歴史を考慮して選んでそうだよネ」

真宮寺「そういう意味では彼女も専門家のようなものだし、機会があれば彼女と色々語ってみたいと思っているヨ」

王馬「ふーん、そういう意味での興味なんだね」

王馬「オレらも語ってきたんだしさ、真宮寺ちゃんもどの女子がお気に入りなのか教えてよ」

真宮寺「さっき天海君達にも言ったんだけど、僕はこの才囚学園にいる女子で恋愛的に気になっている人は居ないヨ」

王馬「ほうほう、つまり真宮寺ちゃんは男子の方が気になると?」

天海「えっ」

真宮寺「…言い方が悪かったネ、才囚学園で恋愛的に気になる人間は居ないヨ」

真宮寺「観察対象という意味では全員がそうだけどネ」

王馬「えー、こんなに系統の違う美男美女揃ってるのに誰にも恋愛感情わかないの?」

天海「…『美女』はともかく『美男』は真宮寺君には関係ないんじゃないっすかね」

王馬「わかんないよ?」

王馬「ほら真宮寺ちゃんって髪長いし、そっちのけがあったとしても不思議じゃないと思うよ」

真宮寺「…僕は男には恋愛的興味はないヨ」

王馬「とか言って、実はそのマスクの下に化粧でもしてるんじゃないの?」

真宮寺「…現代日本における化粧というのは、他人に見せるのを前提にやるものだヨ」

真宮寺「なのに隠していたら意味ないよネ?」

王馬「化粧したいけど大々的にやるのは恥ずかしいとかじゃないの?」

王馬「知らないけど」

真宮寺「……何故急にそんな話を?」

王馬「え、急かな?話の流れで自然になってない?」

真宮寺「……はァ、王馬君相手に喋るのはとても疲れるネ」

真宮寺「そもそも民俗学について話し続けてだいぶ疲れてしまったし、僕は今日はもうこれで失礼させてもらうヨ」スタスタ

天海「あ、後日でいいんでまた民俗学の話聞かせてほしいっす」

真宮寺「勿論、天海君と最原君ならいつでも歓迎するヨ」ドアガチャッパタン

最原(僕はモノパッドを取り出し、真宮寺くんのGPSがこの教室から充分離れたのを見届け、マップの周囲に人が居ないのを確認してから王馬くんに話しかけた)

最原「ねえ、一体どういうつもり?」

王馬「もう真宮寺ちゃんからターゲットを聞き出す必要なくなったから、帰らせただけだけど?」

天海「わかったんすか?」

王馬「うん。ターゲットも、真宮寺ちゃんがマジキチってことも確定したよ」

最原「そういえば王馬くん、ここに来るのやたら遅かったけど、その間に何か分かったってことかな?」

王馬「うん」

王馬「最初は自分のご飯片付けてすぐ、教室の前の廊下に来てオレも民俗学講義聞いてたんだ」

王馬「でもあんまり話が長くなりそうだったから、お昼 食いっぱぐれた見張り中の百田ちゃんにご飯でも持っていってあげよっかなーと思って、ご飯持って隠し部屋に行ったんだよね」

王馬「そしたら入間ちゃんが戻って来てて、過去の監視カメラのデータを引き続き漁ってたみたいなんだけど…」

王馬「今一番怪しい真宮寺ちゃんの個室の映像をチェックしてたみたいで、早戻しで映像見てたんだけど」

王馬「なんか挙動が怪しいところがあったからそこを音声再生してみたら、室内に1人しか居ないのに姉に語りかけながら殺害予告を1人でブツブツ言ってたんだよね」

王馬「オレも聞かせてもらったけど、普通にキモかったよ」

王馬「まさか生徒に聞かれると思ってなかっただろうし、油断しきってたと思うけどさ」

王馬「で、その時ターゲットの名前も言ってたから『もう探り入れる必要ないな』と思ってキミらを引き上げさせようと思って来たってわけ」

最原「…なるほどね」

最原「…それにしてもショックだな…」

最原「まさか真宮寺くんが本当に殺人を考えていたなんて…」

天海「で、ターゲットは誰なんすか?」

天海「早くその人を守りに行った方がいいんじゃないっすか?」

王馬「犯行予告していた映像は昨日の18時のものだったんだけど、その時『早ければ明後日に決行』って行ってたから明日になるまでは大丈夫だと思うよ」

王馬「ちなみにターゲットは白銀ちゃんとアンジーちゃんだね」

最原「えっ、意外だな…」

最原「てっきり、人物評価が唯一悪かった入間さんでも殺すのかと予想してたけど…」

天海「その2人のことは普通に褒めてたっすよね」

王馬「真宮寺ちゃんはマジキチなんだからさ、理由なんて深く考えない方がいいと思うよ?」

最原「あんなに真面目な彼がどうして…」

王馬「…ちなみにさっきオレ、真宮寺ちゃんのことを『マスクの下に化粧してるんじゃないか』って言ったけど、あれ実際してるみたいだからね」

天海・最原「!?」

王馬「入間ちゃんが真宮寺ちゃんの個室の映像を調べていた時に見つけたんだけど、朝に口紅塗って夜に落としてたんだよね」

王馬「面白がった入間ちゃんがオレや東条ちゃんや百田ちゃんにも見せにきたから見たんだけどさ」

最原「…そうなんだね」

最原「でもそれは今回の殺人計画とは関係ないかな…?」

天海「…というか監視カメラって、どこまで見れちゃうんすかね?」

天海「まさかとは思うっすけど、風呂やトイレまで見られるなんてことは…」

最原「…天海くん、そういうの考えるのはやめよう」

最原「監視カメラの映像を自由に見れるのが入間さんだけ、というこの状況だから不安になるのはわかるけど、気にしてたらキリがないよ…」

最原「確かに入間さんはあんなだけど、ここは彼女が真剣に捜査してくれていると信じよう…?」

王馬「……そういえば終一ちゃんの部屋の映像、入間ちゃんがチェックしてたよ!」

最原「えっ!?」

王馬「嘘だよ!」

最原「もう、びっくりさせないでよ…」

王馬「っていうのが嘘だよ!」

最原「どっち!?ねえどっち!?」

王馬「終一ちゃん、そういうの考えるのはやめよう?」

王馬「監視カメラの映像を自由に見れるのが入間ちゃんだけ、というこの状況だから不安になるのはわかるけど、気にしてたらキリがないよ!」

最原「わざと気になるようなことを言っておいて、僕の言葉をそのまま引用しないでよ!」

王馬「にししっ」

天海「…まあ、万一部屋を見られていたとしても、これはもう事故にあったようなもんっすから、諦めた方が良いっすよ」

最原「クソッ…、ここにボイスレコーダーでもあれば入間さんに問いただして、場合によってはそのまま彼女を訴えられるのに…」

王馬「さっきまで入間ちゃんを信じようとか言ってた癖に、信用0で笑うんだけどww」

最原「いや待てよ…。入間さんに問いただす時に天海くんや東条さんにも立ち会ってもらって裁判で証言台に立ってもらえれば…」

天海「終一君、ここから出た後のことよりも、まずは真宮寺君の殺人をどう止めるのかを考えるのが先っす」

最原「…そうだね、とりあえず入間さんの件は置いとこう」

王馬「じゃあ隠し部屋に行こうか」

天海「そうっすね、そこでまたみんなで話し合うのが良いっす」

最原「じゃあ早く移動しよう」スタスタドアガチャッ



ーマザーモノクマの部屋ー


最原「戻ったよ」スタスタ

百田「おう、おつかれ!」

入間「よう!巨乳フェチ原に、ロリシスコンに、マルキ・ド・サド!」

王馬「最後最早別人のこと指してるじゃん」

天海「蔑称のレパートリーの限界を感じるっすね」

最原「別に僕巨乳フェチじゃないから、胸を大きさで差別する人間じゃないから」

入間「結局おっぱい星人じゃねーか!」

最原「ていうか僕らの会話、聞いていたんだね」

東条「私が頼んだのよ」

東条「もし貴方達の身に何かあったとしても、すぐに駆けつけられるようにね」

東条「彼は殺人を考えている危険人物なのだから」

最原(…真宮寺くん…)

東条「さて、ターゲットの話は聞いているでしょう?」

東条「どうやって彼女達を守るのか、話し合いましょう」

百田「そもそも真宮寺は明日のいつ殺人を考えてるかすらわかんねーから、なんか守りにくいな」

天海「彼女達の周りにずっと居る…っていうのは難しいっすもんね」

最原「…真宮寺くんを何とか説得できないかな…」

最原「殺人を思いとどまってもらうように」

入間「あんなキメちまってるようなヤツを説得なんざ、ムリムリ」

入間「自分の姉の幻覚だかが見えているのか幻聴が聞こえてるのか知らねーが、姉とエア会話してその架空の姉に殺しの標的を決めさせて殺そうとするヤツだぜ?」

王馬「真宮寺ちゃんは凶器を包丁にするって言ってたし、厨房見張ってればいいんじゃない?」

東条「包丁が持ち出せないなら、倉庫からまた斧でも持ち出すんじゃないかしら…」

百田「そうだな、他のヤツに包丁持ち出すのを見られる可能性があるなら、素直に別の凶器の使用を考えると思うぜ」

王馬「じゃあ、今度こそふん縛っちゃったらどうかな?」

最原「僕らが真宮寺くんの犯行計画を知ったのは、このマザーモノクマの部屋でマザーを解析し、監視カメラのデータを見たからだよね」

最原「『監視カメラのデータを見て、真宮寺くんの計画を知った!』なんて言って縛れないよ…」

最原「だってこの部屋のことは他の人に秘密にしないといけないからね…」

最原「彼を拘束する理由が言えないと、他の人達も納得してくれないと思うよ」

東条「だったら、彼の殺しのターゲットを変えさせたら良いんじゃないかしら?」

東条「そう、例えば私に」

百田「おいテメー何言ってやがんだ!」

東条「私なら白銀さんやアンジーさんと違って、真宮寺君に狙われても逆に真宮寺君を押さえ込むことが可能よ」

天海「でも相手は殺す気で来るんすよ?」

天海「殺す気で来る相手には、こちらも殺すくらいの勢いがないと、殺されてしまうと思うっす…」

最原「それに東条さんは女性なんだよ…、無理してほしくないな」

入間「じゃあテメーらの誰か、男を新たなターゲットにさせたらいいんじゃねーか?」

王馬「それは厳しいんじゃないかな?」

入間「あ?どうしてだよ」

王馬「お前もあの真宮寺ちゃんの独り言を聞いててかつ、オレらのさっきまでの真宮寺ちゃんの会話を聞いているなら分かることだと思うんだけどな」

入間「…?」

王馬「…分からないの?やっぱり頭の軽い女だね」

東条「…真宮寺君は独り言で幻覚のお姉さんに『誰と友だちになりたいんだい?』と言っていたわね」

東条「そして彼女から指名を受けたていで、白銀さんと夜長さんの殺人を計画した」

東条「それから、さっきの会話で最原君が『お姉さんの話をもっと聞きたい』と言った時に真宮寺君は『男に話したくない』と言った…」

東条「あと、天海君の妹さんの話に食いついていたし、最原君が1人っ子で残念がっていた」

東条「かつ、最原君が女性ならお姉さんに紹介したい、とまで言っていたわね」

東条「これらのことを総合すると、『彼はお姉さんの為に女性のみをターゲットにしている』、ということじゃないかしら?」

王馬「正解!そう、真宮寺ちゃんは架空の姉の女友達を作るために、何故か女子のみを殺したがってるようだね」

最原(僕はその真宮寺くんの独り言を聞いていないから知らなかったけど、そんなことを言っていたんだね…)

最原(…何故女性を殺すことが、お姉さんの友達になることになるんだろうか…)

最原(……架空の人物に話しかける人の思想を考えるなんて、無意味だよね)

最原(深く考えるのはやめよう…)

入間「うーん……あ、やっぱり男をターゲットにするのは無理じゃねーんじゃねーか?」

王馬「は?」

入間「教室での会話によるとあのナメクジ野郎は、ダサイ原が女でめっちゃ残念がってたよな」

入間「ということは、コイツが実は女だったってことにすればいいんじゃねーか?」

王馬「馬鹿かよ」

最原「その作戦は失敗すると思うよ」

天海「というか終一君はさっき散々巨乳語りしてたんで、キツイと思うっす」

入間「そこは巨乳フェチレズ男装探偵ってことで」

最原「属性盛りすぎだよ!」

王馬「一気に漫画のキャラみたいになるね」

天海「白銀さんが好きそうな設定っすね」

百田「まあでも終一って中性的な顔と声してるし、やろうと思えばいけんじゃねーか?」

最原「無理だって」

東条「…みんながその作戦を望むのなら、倉庫にある物を使って最原君の制服の下に女性の体を捏造させることも可能よ」

王馬「しなくていいって」

天海「…モノモノマシーンから出てきたこの使い所の無かった長髪のウィッグを、ついに使う日が来たってことっすかね?」

天海「こう、帽子を取ると長髪がファサッとなる…みたいな」

最原「そんな物はさっさと白銀さんにでもあげちゃってよ…」

王馬「ていうか、何で蘭兄ちゃんまで馬鹿サイドの意見に寄ってんだよ!」

天海「なんか段々アリな気がしてきたっす」

最原「無いよ!真面目に考えようよ!」

何故姉を架空呼びしてるんだろう
幻覚のならわかるけど

王馬「そりゃ、何でもない時のドッキリ用とかならオレも全然アリだと思うけど」

最原「ないって」

王馬「終一ちゃんってどう見ても弱そうだし、終一ちゃんを標的にさせるのは無いって」

最原「弱そうって…」

入間「あのオタク女と宗教女を狙わせるよりマシだろ」

入間「そもそも2人もターゲットが居たら見張りにくいんだしよ、陰キャ原だけを見張ってたほうがいいだろうが」

東条「……やっぱり、私がターゲットになるのが良さそうね」

最原(…確かに、そのまま白銀さんとアンジーさんを狙わせるよりは、東条さんにターゲットを変更させるようにした方が良いと思うけど、やっぱり女性にそんなことをさせるのは…)

最原「そもそも、どうやってターゲットを変更させるの?」

百田「架空とはいえ、自分の姉の友達にしたいんならやっぱり性格が良い奴をしてーだろうからな、性格の良さをアピールすればいいんじゃねーか?」

王馬「でも東条ちゃんの性格の良さはもう知ってるよね、真宮寺ちゃん」

王馬「真宮寺ちゃんは東条ちゃんの性格の良さを知った上で、何故か白銀ちゃんとアンジーちゃんを選んだんだよ」

>>827
実際に居るかどうかは分からないけど、今その場には居ないので特に深く考えずに『架空の』と言わせてるだけです
『幻覚の』と同義くらいのノリで使いました

入間「やっぱふとした拍子に、そこのおっぱい星人原が女だったってことが発覚すれば一発でなびくだろ、あのヤローに気に入られてるんだしよ」

最原「いやいや…」

天海「……俺も真宮寺君に気に入られてる自信はあるっすけど…、俺が実は女だったっていうのは無理あるっすかね?」

東条「それは流石にちょっと…」

入間「顔だけならイケそうだけどな(マジレス)」

百田「体格がなぁ…」

マザーモノクマ「ていうか、そのイケボで実は女は厳しいんじゃないかな」

王馬「なんでモノクマがオレらの作戦会議に口出してるの」

マザーモノクマ「天海クンが実は女設定は、流石にボクでも口を出したくなるくらい無理あるってことだよ」

天海「くっ…、折角真宮寺君に気に入られてるくらい性格が良いのに、背が高くてそれなりに体格良くてイケボでイケメンで申し訳ないっす…!」

最原「喧嘩売ってる?」

王馬「確かに終一ちゃんは、東条ちゃんより白銀ちゃんより入間ちゃんより身長低いし、本当に声変わり来てんのかよ?って声してるし、貧相な体つきの割になんか尻に肉ついてるし、肌も色白だけど、終一ちゃんは実は女っていうのは止めた方がいいって!」

最原「王馬くんは確実に喧嘩売ってるよね?」

最原「流石に殴っていい?」

入間「おう、やれやれー!ちなみにオレ様は王馬が勝つ方にモノクマメダル300枚賭けるぜ!」

百田「負けるな終一!オレはお前が勝つ方にモノクマメダル全部賭けるぜ!」

東条「高校生が賭け事なんて駄目よ」

天海「喧嘩は止めないんすね…?」

王馬「まあ冗談はさておき、作戦はどうするの?」

王馬「早く決めた方が良いと思うけど」

東条「今出ている案は、真宮寺君を拘束する(みんなを納得させる拘束理由が思いつかない)、私が新たなターゲットになる(既に性格の良さは知られている状態で白銀とアンジーを選んだ為、標的を変更させる強い理由付けが必要)、最原君が実は女性だったとしてターゲットになる(最原と王馬が無理だと言っている)、ね」

最原「最後の案はもう破棄して良いんじゃないかな」

入間「どうすんだよこれ」

王馬「やっぱり真宮寺ちゃんを殺した方が良いんじゃないかな?」

百田「お前またそんなこと…」

王馬「真宮寺ちゃんが人を殺すっていうのは分かってる、でもあいつを拘束する為に他のみんなに言える理由が思いつかない…」

王馬「とすれば、誰かをけしかけて真宮寺ちゃんを殺させるのが1番だって!」

王馬「2人罪のない女子が殺されるのと、1人殺人鬼がこの世から消えるの…どっちがいいかな?」

王馬「考えるまでもないよね?」

最原「でも僕は、誰も死なせたくないよ…」

最原「彼にだって外の世界で彼を待っている家族や友人が居るハズじゃないか!」

最原「だから…、外の世界の彼らの為にも死なせたくない…」

最原「真宮寺くんはきっと、こんな状況に放り込まれて頭がおかしくなってしまっただけなんだよ…」

最原「ここを出て精神科に通わせたら、きっといつもの常識人の真宮寺くんに戻ってくれるよ」

百田「終一…」

東条「…そうね、何か別の方法を考えましょう」

王馬「キレイ事ばっかり言ってると火傷するよ?」

最原「何とでも言いなよ」

最原「僕は誰にも殺人をしてほしくないし、誰かが死ぬ姿も見たくないんだ…!」

王馬「…まあ好きにしたら?」

王馬「オレはもう他の案は思いつかないし、あとは決定案に従うよ」

最原「……やっぱり、彼に怪しまれても真宮寺くんの周りに居ればいいんじゃないかな…」

東条「それだと殺人のを決行する日を改めるだけだと思うのだけれど、これから先もずっと彼と一緒に行動をするのかしら?」

東条「見張るのなら少なくとも2名以上が良いでしょうね」

入間「この生活が終わるまでずっとあいつと行動をするだ?現実的じゃねーぞ」

百田「それに、あいつが夜時間に自室を出て、ターゲットの部屋を訪問して殺したらどうすんだよ」

百田「あいつの部屋に泊まるのは無理があるしあぶねーし、寝ずにずっと寄宿舎ロビーを見張るのも流石に無理だぜ」

王馬「前も言ったけど、見張りならこの部屋が優先だからね」

王馬「大局を見てよね」

最原(6人で真宮寺くんとこの部屋の見張りをローテーションするのは厳しいか…)

最原(それに、流石に女性を真宮寺くんの見張りにつけるわけにもいかないし…)

最原(くそっ…)

最原「じゃあいっそ、アンジーさんと白銀さんに『真宮寺くんが君を殺そうとしている』と告げたらどうかな…?」

東条「何故それを知り得たのか尋ねられると思うわ」

東条「拘束理由の時にも話したけれど、この部屋で知り得たということは他のみんなには話すわけにはいかないわ」

百田「それに、もしそんなことを話したら、もしかしたら白銀かアンジーが真宮寺を逆に殺そうとする可能性も出てくるよな…」

王馬「もしそうなったら、終一ちゃんの言う『誰にも人殺しをしてほしくないし、誰かが死ぬ姿も見たくないんだ』っていう言葉が守れなくなっちゃうね!」

最原(……どうすればいいんだ…)

王馬「何かを犠牲にすればいいんじゃないかな?」

王馬「そうだねー…、『誰にも人殺しをしてほしくないし、誰かが死ぬ姿も見たくないんだ』ったら、終一ちゃんが目をつぶって真宮寺ちゃんを殺したら?」

百田「てめーは真宮寺を殺す以外の方法は考えらんねーのかよ!」

王馬「うーん…、オレ真宮寺ちゃんにあんま興味ないんだよね」

百田「興味があるとかないとかいう問題じゃねーだろ!」

最原「もういいよ、百田くん。王馬くんは無視しよう」

百田「そうだな」

王馬「じゃあ、真宮寺ちゃんを精神的に追い込みまくって自殺させるとかどうかな?」

東条「追い込むのに時間がかかってしまいそうね」

入間「第一あんなキジルシが自殺するとは到底思えないぜ」

入間「その前にオレ様達を殺すだろ、ぜってー」

王馬「言えてるね!」

王馬「さて終一ちゃん、本当にそろそろ作戦決めて実行しないといけないんじゃないの?」

王馬「どうするどうする?」

最原(……今まで出た案はこんな感じか…)



①凶器の出処になるであろう厨房と倉庫を見張る

②交代で真宮寺を見張る

③白銀とアンジーにずっとついていて守る

④真宮寺を説得してみる

⑤真宮寺を拘束する

⑥東条を新たなターゲットに仕立て上げ、東条を見張る

⑦最原が実は女だったということにして、最原を見張る

⑧誰かに真宮寺を殺させる

⑨アンジーと白銀に『真宮寺が君を殺そうとしている』と告げる



最原(どれも何かしら問題があったと思うけど…)

最原(いつまでもこうしていられないし、そろそろ決めないと)

最原(どれにするか…)


安価↓1

もう最原ちゃんが女装するしかないんじゃ……

>>837でこれは⑦ということなのか?事故なのか?とか考えてたけど、どのみち⑦になりましたね、了解しました

変なタイミング書き込んで申し訳ありません……

最原「…………上手くいくかはわからないけど、もう、僕が実は女だったということにすれば1番上手くいくんじゃないかな…?」

王馬「え、まじでそれやんの?」

東条「了解したわ、私に任せてちょうだい」

東条「万が一刺されても大丈夫なようにしないといけないわね」

入間「男のテメーが男装した女のフリをする遠回しな女装……もうこれわかんねーな」

最原「元はと言えば入間さんが提案したんじゃないか…」

東条「現在は夕方…、明日になるまでもう半日も無いわ」

東条「急いで準備をしましょう」

百田「何を準備するんだ?」

東条「そうね…、まずこの部屋の見張りを天海君、百田君、王馬君の中から2名お願いしたいわ」

東条「最原君が万一刺されても大丈夫なようにする準備は、入間さんの研究教室で行いましょう」

最原「入間さんの研究教室で何をするの…?」

東条「倉庫に何故かコルセットがあったから、それを最原君に付けて、その上から薄い鉄板でコルセットを覆えば、腹や胸を刺されても貫通しなくなるわ」

東条「最も、コルセットだけでもかなり丈夫なのだけれど、万が一があるもの…」

東条「入間さんの研究教室に行く理由は、そこでなら鉄板の加工がしやすいと思ったからよ」

最原(鉄板…、それ後でちゃんと脱げるよね?大丈夫だよね?)

東条「一応、学ランの襟にも鉄板を仕込みましょうか」

東条「…万が一ということでの準備だけれど、もし彼が凶器を取り出したり殺意をあらわにしたら即取り押さえられるようにするつもりよ、安心してちょうだい」

最原「う、うん…」

天海「不安っすね…、やっぱり俺が終一君の代わりに…」

最原「大丈夫だよ、みんなが守ってくれるって信じてるから…」

東条「頭を殴られる可能性もあることだし、帽子の内側にも仕込みをした方がいいかしら…」

最原「帽子……まあ、仕方ないか…」

東条「この学園の現時点では銃や毒の類が入手できないことが幸いね、凶器が限られるもの」

東条「絞殺・溺死狙いの対策は…、ごめんなさい、数秒間我慢してもらうことになるわ」

東条「作戦を開始する時には私や百田君や天海君が最原君を見張っているようにするから、私達を信じてほしいわ」

東条「そういうわけで、私と最原君と入間さんは今から移動するわね」

東条「見張りは決まったかしら?」

東条「見張りにならなかった人は、倉庫でロープとかガムテープとかを確保してくれると助かるわ」

東条「真宮寺君を現行犯で拘束する時に使用するつもりだから」

天海「倉庫のことなら俺に任せてほしいっす」

百田「じゃあその間、オレと王馬がここの見張りだな」

東条「こちらの仕込みの準備が終わったら一度こちらに戻ってくるつもりだから、天海君は拘束道具を確保したらこの部屋に持ち込んでおいてもらえるかしら?」

天海「了解っす」

東条「じゃあ行きましょう、早く済ませて晩御飯の準備をしなければならないもの」スタスタスタ

最原(大変だな東条さん…)スタスタ

東条さん有能すぎる、仲間にしておいてよかったな……

ー入間の研究教室ー


東条「帽子の内側に鉄板とスポンジを仕込み終わったわ」

入間「こっちも腹の鉄板付け終わったぜ」

入間「コルセットのボーンに添って鉄板を一枚一枚切って貼ったから、体のラインは出るし、そのままべろっと貼っつけるよりは動きやすいはずだぜ」

最原「苦しい…」

東条「ごめんなさいね、コルセットと鉄板、2重に仕込みをするから着膨れないように少しきつめにコルセットを着けさせてもらったから」

東条「帽子を被ってみてちょうだい、少し小さく感じるかもしれないけど、問題ないかしら?」つ帽子

最原「…うん、ギリギリ帽子が浮かないかな」

東条「それじゃあシャツと学ランを着てみて、どうかしら?」

最原「ちょっと動きにくいけど、大丈夫だと思うよ」

東条「そうね…、見た目的にも問題ないわ」

東条「それじゃあ急いで隠し部屋に戻りましょう」スタスタスタ

ーマザーモノクマの部屋ー


東条「こっちは変わりないかしら?」スタスタ

百田「ああ、問題ないぜ」

王馬「準備めっちゃ早かったね」

東条「急がないともうすぐ晩御飯の時間だもの」

天海「倉庫で確保した道具はこれっす」ロープ、ガムテープ、ハサミ

東条「これで万が一の対策と拘束の準備は完了したわね」

東条「じゃあ最原君、具体的に作戦はどうするのかしら?」

最原「そうだね…、僕が真宮寺くんに『話したいことがある』と呼び出して、僕が実は女ってことと、お姉さんの話が聞きたいって言えばいいんじゃないかな」

最原「お姉さんに興味があるってことをアピールしつつ、2人きりの状況なら、殺そうとしてくれるんじゃないかな?」

最原「問題は場所だね…」

天海「完全に2人きりになるような場所じゃ俺らが助けに入れないんで、駄目っすからね…」

最原「まあ、鍵がかけられる寄宿舎の個室とAVルーム以外なら、どうとでもなるよね」

東条「そうね、部屋に聞き耳立てて襲われたらすぐ突入すればいいものね」

王馬「話を聞いてその場で殺人しようとしてくれたらいいけど、その場でターゲット変更だけして予定通り明日殺人、っていうこともなりそうだけどね」

最原「その辺は真宮寺くん次第だから、どうなるかわからないけど…」

天海「ちなみに今は寄宿舎の自室に居るっぽいっすね」モノパッドマップチェック

最原「個室に居るのか…、困ったな…」

東条「…少し待って、食後すぐに真宮寺君に声をかけてどこかに呼びつけたらどうかしら?」

最原「そうだね、真宮寺くんが次部屋から出てくるのは夕食時だろうからね…」

百田「夕食後、どこに真宮寺を呼びつけるんだ?」

最原「うーん……」


場所安価↓1(1章解放場所のみで)

最原「倉庫に呼ぼうかな」

最原「あそこなら凶器になりそうな物がいっぱいあるし、衝動殺人しようとしてくれるんじゃないかな…?」

最原「真宮寺くんが行動してくれるまで僕に見張りが必要だから、あまり長引かせたくないしね」

百田「なんかやるせねーな…」

王馬「まあ、誰かが犠牲になる前に早く気を引いておかないといけないし、仕方ないよね」

入間「つーか食後すぐならまだ食堂に他のやつらが残ってんじゃねーのか?」

入間「倉庫っつったら食堂からちけーんだし、そんなとこでバタバタ騒いでたら他の生徒まで駆けつけるんじゃねーか?」

入間「まあ、あのオカマ野郎がやばいやつってことを他の生徒に見せつけたいってんなら、そのままでも良いと思うがよ」

王馬「見張りがたまたま騒ぎを聞きつけて駆けつけたように見せかけられるし、直後でいいんじゃないかな?」

最原(時間帯か…、どうしようかな)



①食後すぐ呼びつける

②夜時間に来るように約束だけ取り付ける


安価↓1

最原「…夜時間に来るように約束だけ取り付けようかな?」

最原「とりあえず、騒ぎになるようなことは控えた方が良いと思うんだよね」

東条「決まりね」

東条「それじゃあこの部屋の見張りは入間さんと王馬君にお願いするわ」

東条「できればその間も、入間さんにはマザーを弄っててもらいたいわ」

入間「言われなくてもただ待ってるんじゃ暇だし、そうさせてもらうぜ」

マザーモノクマ「アヒィ…」

東条「真宮寺君が実際に行動を起こしたとしても、貴方達はここの見張りを続けてもらって構わないわ」

王馬「りょうかーい」

東条「百田君と天海君は私と一緒に真宮寺君の取り押さえよ」

百田「おう、任せろ!」

天海「この拘束道具セットはどこに置いとくっすか?」

東条「とりあえず、この部屋に繋がる隠し通路の入口付近に置いておきましょう」

東条「夜時間前に道具を回収し、隠し通路で時間まで待機して、モノパッドで真宮寺君と最原君のGPSの動きを見ながら行動としましょう」

東条「みんな、役割は分かったわね?」

東条「それじゃあ私はご飯の準備をしてくるわね」タッタッタッドアウイーン

最原(現在時刻18時50分か…)テーブルの上の置き時計チラッ

最原(いつも19時にはご飯が食べられるようになってたけど、間に合うのかな…?)

最原(…東条さんならなんとかなりそうだな…)

入間「…ていうか見張りになったオレ様達は一体いつ晩飯が食えるんだ!?」

王馬「この時間の見張り組の晩御飯のタイミングは、見張り交代のタイミング…つまり22時に東条ちゃんがお弁当持ってきてくれたよね?」

王馬「だから今日もそれくらいじゃないかな?」

入間「腹もたねーよ!」

王馬「そんなの知らないよ!」

天海「夕食中〜夜時間までは食堂に人が多く集まっていて、トイレに行く人もちょこちょこ居るんで、この部屋に食事持ってくることは出来ないっすね、我慢してほしいっす」

百田「まあテーブルに菓子盆あるんだし、それでも食って待ってろよ」

入間「あー、くっそ…せめて知育菓子でもありゃいいんだけどよ」バリボリ

王馬「うーーん……、オレは本でも読もうかなぁ…」

最原「2人とも見張り宜しくね」

王馬「そっちこそ、やるからには絶対真宮寺ちゃんを取り押さえてね」

天海「まあ4対1なんでいけると思うっす」

百田「安心しろ、誰も死なせねーからよ!」

入間「ひひっ!マザーモノクマ…テメーの恥ずかしいトコ、ぜーんぶ見てやるからなぁ…!」カタカタカタカタ…

マザーモノクマ「見ちゃらめぇ…!」

王馬「…こんなのと一緒の空間で数時間とか、つらすぎ…」

最原「同情はするよ…」

最原(見張りの2人を残して僕らは誰にも見つからないように女子トイレを出て、食堂に向かった…)

ー食堂ー


最原(あ…、真宮寺くんの席の隣が空いてるな…)

最原(夜時間に倉庫に呼び出しって、多少なりとも警戒されることだと思うし、警戒されて待ち合わせに来ないってなったら大変だよね)

最原(だからもっと僕を信頼してもらえるように、もう少し仲良くなっとこうかな)

最原「真宮寺くん、隣良いかな?」

真宮寺「構わないヨ」

天海「じゃあ俺は最原君の隣に失礼するっすね」

百田「オレは天海の隣に…」

赤松「あ、百田くん!」タッタッ

赤松「今日どうしたの?ずっと部屋に居たみたいだったけど、チャイムしても出てこなかったし…」

百田「あー…、出口探しサボっちまって悪かったな…」

百田「今日はちょっと体調が悪くてよ、ずっと寝てたんだよな」

赤松「え!そうなの?大丈夫?」

百田「ああ、1日中ずっと寝てたからな、もうすっかり元気になったぜ!」

赤松「よかったぁ…!」

赤松「あ、私の隣に座らない?今日の戦果も話しておきたいし」

百田「お、おう」

東条「みんなお待たせしたわね、ご飯が出来たわ」

最原(早っ)


ーーー

最原(とても短時間で作ったとは思えない料理だな…)モグモグ

最原(それはいいんだけど…、コルセットで胃が圧迫されてて食欲がわかないな…)ハァ…

真宮寺「…最原君、体調が悪いなら無理せず残しても良いと思うヨ」

最原「えっ、いや、別に体調が悪いってわけじゃないんだけどね…」

真宮寺「なら、何か悩み事でもあるんだネ?」

最原(…これは逆にチャンスかな?)

最原(悩みを聞いてもらうという口実で呼び出せないかな…)

本日終了です、ありがとうございました


>>840
内容がたまたま安価とマッチしてたから少し悩んだだけですので、大丈夫です!
コメントはあったら励みになりますので、これからもちょこちょこ書いてくれたら嬉しいです

>>845
東条さんマジ優秀

投下再開します

最原「うん、実は悩んでいることがあるんだよね…」

天海「…悩み事っすか?俺が相談に乗るっすよ」

最原(こっちの意図は分かってるんだろうけど、この距離だから聞こえてなきゃ不自然だから会話に入ってきたんだろうね…)

最原「いや、天海くんにはちょっと…、この相談は出来なくて…」

天海「そうっすか、力になれなくて残念っす…」ハァ…

天海「でも俺には言えなくても、師匠の真宮寺君になら言えるんじゃないっすかね?」

最原「…真宮寺くんか…、うん、真宮寺くんなら相談できるかな…」

真宮寺「ヘェ、1番仲の良さそうな天海君より僕に相談できる事?」

真宮寺「それは気になるネ…」

真宮寺「おっと、こんなことを言っては、悩んでいる最原君に失礼だネ」

真宮寺「僕で良ければ最原君の力になるヨ」

最原(思ったより食いついてくれたな)

最原「本当?ありがとう…」

天海「じゃあ俺は退散するとするっすね」席ガタッ…スタスタ

最原「…………」

真宮寺「どうしたんだい?」

最原「…ちょっと、ここじゃ人が多いからさ…、あんまり他人に聞かれたくない話なんだよね」

真宮寺「ヘェ、他人に聞かれたくない話なのに僕に内容を話してくれるんだネ?」

最原「うん、真宮寺くんなら信頼できるから良いかなって思って…」

最原「だって真宮寺くんは僕の民俗学の師匠だから…」

最原「…でしょ?」

真宮寺「…そうだネ、師匠は弟子の悩みに親身になって答えるものだからネ」

真宮寺「じゃあ後で相談を聞くとするヨ」

真宮寺「食後、寄宿舎の最原君の個室でどうかな?」

最原「えっと…、個室はちょっと…」

真宮寺「…何か問題があるんだネ?」

最原(普通ならここで拒否すると怪しまれそうなものだけど、僕は実は女という設定上、後で真宮寺くんにこの時のことを考えてもらうと逆に説得力が増しそうだし、これでいいだろ…)

最原「…うん、ちょっと問題があって…」

真宮寺「部屋が散らかってても、僕は気にしないヨ?」

最原「そうじゃないんだけどね…」

真宮寺「……」

最原「何で問題なのか、それも後でちゃんと言うから…」

真宮寺「まァ、いいヨ」

真宮寺「じゃあどこなら良いんだい?」

最原「夜時間に倉庫に来てもらってもいいかな?」

真宮寺「夜時間に…、もし良ければ今からじゃ駄目な理由を聞かせてほしいヨ」

最原「ほら、夜時間なら人が来ないよね」

最原「本当に、他人には聞かれたくないことだからさ…」

真宮寺「…………」

真宮寺「わかったヨ」

真宮寺「折角弟子が師匠を頼ってくれてるのだから、僕もそれに答えるとするヨ」

最原「本当!?ありがとう、真宮寺くん!」手ガシッ

最原「やっぱり真宮寺くんって頼りになるね」ニコッ

最原(…ここまで感謝アピールしてるんだから、これなら来てくれるよね?)

最原「じゃあ真宮寺くん、また後でね!」皿を持って席を立つ

真宮寺「残すんだネ?」

最原「うん、ちょっとやっぱり食べられなくて…」スタスタ…

最原(後でこれ外した後に お腹空きそうだなぁ…)

最原(厨房に行くと、東条さんがお弁当箱に豚足のフルコースを詰めていた)

最原(色々あったのによく東条さん覚えてるなぁと関心しつつ、僕はお皿にラップをして冷蔵庫にしまった)

最原(残りは明日食べよう、うん)

最原(その後僕は自室に戻り、夜時間になるまで真宮寺くんとの会話を色々シミュレートをした)

ピンポーン

最原(ん?誰だろう…)

最原(真宮寺くんなわけはないよね…?)

王馬「はいはーい!オレでーす!」ドアガチャッ

最原「うわっ!?」

王馬「おじゃましまーす」ドアパタン

最原「ちょっと、勝手に入ってこないでよ…!」

最原「ていうか見張りはどうしたの?」

王馬「さっき隠し部屋に東条ちゃんが来たから、トイレ行ってくるって言って抜けさせてもらったんだ」

王馬「だから見張りのことは心配しなくていいよ」

最原「ならいいけど…」

最原「で、何の用?」

王馬「昨日終一ちゃんがオレに完璧なレーザーガンくれたから、お返しにプレゼント持ってきたんだよ」

最原「プレゼント…?」

王馬「はいこれ!」つ折りたたみナイフ

最原「……これは?」

王馬「完璧なレーザーガンのお返しだから、幸福のナイフ?」

最原「そうじゃなくて!これ本物のナイフでしょ?こんなものいらないよ!」

王馬「これから危ない目に合うかもしれないんだし、貰っときなって」

最原「いらないって…」

最原「僕に何か危険があっても、東条さん達が助けてくれる手筈になってるんだし、不要だよ」

王馬「助けられない状況になる可能性もあるよ?」

王馬「受け取りなって、自分の身を守れるのは自分だけだよ」つナイフ

最原(…どうしようか…)



①確かにそうかもしれない…と受け取る

②みんなが助けてくれると信じてるから、受け取らない


安価↓1

最原「…やっぱりいらないよ、こんなもの」

最原「僕はみんなのことを信じてるからね」

王馬「ふーん、そう」

王馬「それが、オレが聞いた彼の最後の言葉でした…」

最原「ちょっと、変なナレーション入れないでよ!」

王馬「まあ、後悔しないことになればいいね」ナイフをポケットに戻す

最原「…それ、ちゃんと元あったところに戻しておきなよ」

王馬「気が向いたらね」

最原(危ないなぁ、もう…)

王馬「用はそれだけだから、じゃあね」ドアガチャッパタン

最原(彼なりに心配してくれてるのだと思うけど、流石に自己防衛でも流血沙汰はごめんだからね…)

最原(もうすぐ夜時間の放送だな…)

最原(よし、出る準備をしよう…)

最原(はー…、緊張するなぁ…)

最原(今日はこの部屋の鍵を持っていかないとね)鍵をポケットに入れる

最原「よし、そろそろ行こう…」



ー倉庫ー


最原(本当に真宮寺くんは来てくれるのかな…)

最原(みんなもちゃんと見張っててくれるのかな…)ソワソワ

キーンコーンカーンコーン

モノダム『……』画面ブツッ

最原(今から夜時間か…)

最原(……暇だ…)倉庫内ウロウロ

最原「…あ、……」

ーーー


ドアガチャッ

最原(あ、来たかな?)入口チラッ

真宮寺「おや、待たせてしまったようだネ」

最原「ううん、全然待ってないよ」スタスタ

最原「来てくれてありがとう…」

真宮寺「じゃあ、早速本題に入ってもらっても良いかな?」

最原「えっと…、真宮寺くん相手だから言うんだけど、実は僕女なんだよね」

真宮寺「エッ!!?」

真宮寺「今、何て…?」

最原「…女なんだけど…」

真宮寺「…てっきり、誰かを殺したいとかの相談かと思ってたヨ…」

最原「そんな物騒なことしないよ…」

最原「それとも真宮寺くんには僕が誰かを殺そうとしているように見えたのかな?」

真宮寺「少しでも疑って悪かったと思っているヨ…」

真宮寺「最原君がそんなこと考えるはずないよネ」

真宮寺「…………ところで、何故男のフリをしていたのか訊かせてもらってもいいかな?」

最原「…僕はただでさえ未成年だし、探偵って女だと結構なめられることが多いんだよね」

最原「あと、僕が浮気調査してそれがキッカケで破局してしまったからって、逆恨みして僕のストーカーになって色々嫌がらせや脅迫されたりとかもあったし…」

最原「他にも色々あって…」

最原「とにかく、女ってことで色々苦労したんだよね」

最原「だから、少しでも強く見せたくて普段から男装することにしたんだよね」

真宮寺「……巨乳好きだと言っていたのは…?」

最原「…ただの演技だよ、嘘ついてごめん」

最原「男の人ってやっぱり巨乳の方が好きなもんでしょ?」

最原「だからそういうことにしたんだよね」

真宮寺「…共同生活してるんだし、最初から偽る必要なんてなかったんじゃないかな?」

最原「まさかこんなに長く、ここでの生活をさせられるなんて思ってなかったからね」

最原「それに途中で今まで嘘ついてたって言ったら、信用無くなると思って不安だったんだ…」

真宮寺「…寄宿舎の個室の並び、最原君は男子側だよネ?」

最原「キーボくんだって無性なのに男側だよね?」

最原「黒幕が用意した部屋だから真意は分からないけど、僕が普段男のフリして生活してるから男側に部屋を用意したんじゃないかな?」

真宮寺「…………」

最原(何かめっちゃ考えてるな…、これで大丈夫かな…?)

真宮寺「…最原君はよく男子と行動を共にしているけど、あれは?」

真宮寺「普通、女子なら女子同士で行動するものだと思うけどネ」

最原(実は男好きだった…は無理あるよな…)

最原(チヤホヤされたいなら普段男装なんてするはずないし…)

最原「…えっと、実は僕、天海くんのことが好きなんだよね…」

真宮寺「……」

最原「ほら、天海くんって優しいしかっこいいし…」

最原(ノリで言ってしまったけど、ファインプレーな気がするな)

最原(入間さんが当初言ってた通り巨乳好きレズってことにしてたら、お姉さんを狙ってる可能性があると思われて友達にしようとしてこない可能性があるし…)

最原(…その幻覚のお姉さんが巨乳かどうかは知らないけど)

最原(というかそろそろ納得してくれないかな…、段々設定が把握しきれなくなってくるから…)

真宮寺「王馬君ともよく一緒に居るよネ?」

最原「あれは何故か懐かれてるだけなんだよね、よくわかんないけど」

真宮寺「…今日僕を個室に招けなかったのは、異性だからということかい?」

最原「うん、ごめんね…」

真宮寺「…………」

真宮寺「……それで、相談っていうのはなんだい?」

真宮寺「みんなに実は女であると打ち明けたいということかな?」

最原(良かった、何故か信じてくれたようだ…)

最原(やっぱり日頃の行いのお陰かな?)

最原「うん、これを打ち明けていいものか悩んでるんだよね…」

最原「万が一にも天海くんに嫌われたら困るし…」

最原「真宮寺くんはみんなのことをよく観察してるよね?」

最原「だから、このことを言っても大丈夫そうかどうか意見を聞きたいんだよね」

真宮寺「なるほど、だから僕に相談したんだネ」

最原「うん、そうだよ」

真宮寺「そうだネ…、…別にみんなにそのことを言ってしまっても大丈夫だと思うヨ」

真宮寺「最原さんが僕に説明したように、こういう事情があって普段から男装していたと説明すれば誰も最原さんを非難したりしないと思うヨ」

最原「そうだよね…、みんな優しい人達だもんね…」

最原(凄く普通にアドバイスしてくれてる…)

最原(僕を殺そうとしないのか…?)

最原(こんなこと言っておいて内心、こんな嘘つきは自分の姉には相応しくないとか思っているのか?)

最原(それとも逆に、師匠と慕いすぎてて『弟子だから…』と思って殺さないでくれてるのかな?)

最原(…お姉さんの話題でも振って意識させてみるか…)

最原「そういえば真宮寺くん、男にはお姉さんの話したくないって言ってたけどさ、僕は女なんだし、話してほしいな」

真宮寺「…僕の姉さんに興味があるのかい?」

最原「うん!真宮寺くんのお姉さんなんだから、きっと素敵な人なんだろうね」

真宮寺「…………」

真宮寺「……会わせてあげようか」シュッ

最原「!?」カンッ

最原(ほ、包丁が胸めがけて振り下ろされた…)

最原(鉄板入ってなかったら危なかったな…)ドキドキ…

頭だったらやばかったかも。いくら仕込んであるとしても

既に包丁持ってるのは最原に殺されると思ったから用心したんだろうか
バットでフルスイングとかだったら不味かったね

真宮寺「…?」

最原(殺そうとしてきたし、もう充分だよね…?)

最原「だ、誰かー!助けてーー!!」ドアの方にダッシュ

東条「こっちよ最原君!」ドアバンッ

真宮寺「!?逃がさないヨ…!」背中に包丁を振り下ろす

カンッ

真宮寺「何故刃が通らない…!?」

最原「東条さ…うわっ!?」腕を後ろから引っ張られる

真宮寺「動かない方が良いヨ」最原を引き寄せての首に包丁をあてがう

真宮寺「この手を引いて君を殺すだけで、僕は卒業することができるのだからネ…」

東条「くっ…!」

天海「最原君!」

真宮寺「フム…、鉄板でも入ってるのかな、これは」コンコン

真宮寺「でも剥き出しの首なら斬れるよネ?」

真宮寺「で…、これは一体どういうことかな…?」

真宮寺「あァ、とても悲しいヨ…、みんなして僕のことを嵌めたんだネ…」

真宮寺「やっぱり欲張らずに、当初の通り2人だけで済ませれば良かったみたいだネ」

最原(包丁を持っていたということは、元々今晩2人殺すつもりだったのか…?)

最原(その予定だったけど、僕が女ということが分かったから僕を急遽先に殺して残りの2人も…って感じだろうか)

最原(なら、早めに行動して良かったな…)

最原(それは良かったんだけど…、まさか捕まってしまうなんて…)

真宮寺「最原さん、どこまでが嘘なんだい?」

最原「…真宮寺くんのお陰で、民俗学に興味を持ったのは本当だよ」

真宮寺「弟子になってくれたのは?」

最原「それは利用させてもらっただけだけど、真宮寺くんがこんなことをしないで僕の知ってるままの真宮寺くんでいたら、そのまま弟子で居ても良かったと思ってるよ」

真宮寺「それは本音と受け取っておくヨ…」

東条「さて、質問の時間は終わりよ」

真宮寺「何を言って…」

百田「オラァ!終一に手出しはさせねー!」後ろからロープを真宮寺の首にかける

真宮寺「!?」ロープを掴んで包丁で切る

天海「終一君、こっちっす!」腕グイッ

真宮寺「まだ居たのか…!」振り返って百田に包丁を向ける

百田「歯ぁ食いしばれ!!」真宮寺の顔を殴る

真宮寺「ぐっ…!」棚に背中からぶつかり、包丁を落とす

百田「喰らえっ!!」真宮寺の腹を殴る

真宮寺「うぐっ…!こ、この…!」よろめきながら、床に落ちた包丁に手を伸ばす

東条「預からせてもらうわね」包丁を拾う

百田「このままうつ伏せに倒して後ろ手にしてっと…」ダンッ

真宮寺「クッ…」

天海「ロープよりガムテの方が早いと思うんで」つガムテープ

百田「おう……よし、これでひとまずはオッケーだな」ガムテープで手首と足をぐるぐる巻きにする

真宮寺「あァ、せめて縄で縛ってほしかったヨ…」

百田「うるせぇ!文句言うんじゃねぇ!!」

東条「さて、私人逮捕完了ね」

最原(真宮寺くんが拘束された姿を見て、先ほどまでの緊張感が一気にとけた僕はその場にへたり込んでしまった)

最原(……こわかった…)

最原(東条さんや天海くんは冷静だし、百田くんは強くてかっこいいし…)

最原(…今になってやっと、殺されかけたんだと実感して僕は恐怖からかストレスからか、涙が溢れた)

天海「よしよし、蘭太郎お兄ちゃんが側にいるっすよ」頭ぽんぽん

最原「蘭太郎お兄ちゃんんん…」メソメソ

百田「終一!男が簡単に泣くんじゃねえ!」

天海「でもあんな目にあったら…」

最原「そうだよね、泣いてちゃいけないよね…」目ゴシゴシ

最原「じゃあ真宮寺くんの今後について話し合おうか」キリッ

天海「…切り替え早いっすね…、もうちょっとあのままでも良かったんすけど…」

最原「いや、みんなに迷惑かけられないし…」

むしろ天海がシスコンこじらせてアレな方向にカッ飛んでる気がする

最原「まず確認したいんだけど…、真宮寺くん、どうして女子を殺そうとしたの?」

東条「最原君、貴方本当に大丈夫?」

東条「ずっと座ったままだけど…」

最原「えっと、どうやら自律神経が乱れて脊椎起立筋が働かなくなってしまっているようなんだよね」

最原「時間を置いたら治るから、気にしないでいいよ」

東条「顔だけ取り繕えているようだけど、ようは腰が抜けたままなのね」

最原「ごめん、こればっかりはどうしようもないみたいで…、腰が全く浮かないから正座もできなくて…」プルプル…

東条「そう…、休んでてちょうだい」

真宮寺「質問に答える前に、僕からも質問させてもらうヨ…」

真宮寺「僕を嵌めた…ということは、僕が殺人をするとどこかで知ったということだよネ?」

真宮寺「どうやって知ったのか教えてもらってもいいかな?」

真宮寺「『確認したい』ということは、僕が女子を殺そうとしていたことは知っていたんだよネ」

百田「ど、どうやって知ったかなんてどうでもいいじゃねーか!」

真宮寺「いや、どうでもよくないヨ…」

真宮寺「知っているようだから話すけど、僕は自分の犯行のことは自室でしか話していないヨ…」

真宮寺「つまり、君達はどうにかして僕の自室での話を聞いたってことだよネ?」

真宮寺「どうやって聞けたのは凄く気になるヨ…」

真宮寺「…僕はネ、君達の誰かが実は黒幕と繋がっているんじゃないかと疑っているんだヨ」

真宮寺「だって、個室での話を知り得るってことは、そういうことなんじゃないかな?」

真宮寺「教えてヨ…、どういうことなのかをネ」

天海「何で俺らが疑われてるんすかね?」

最原(自分がこれからどうなるかより、そういうことの方が気になるんだね…)

最原(なんというか、流石だな…)

最原(でもあの部屋のことを知られるわけにはいかないし、なんとか誤魔化さないと…)

最原「もし僕らのうちの誰かが黒幕だとしたら、コロシアイが起きようとしているのにそれを止めようとするわけないよね?」

東条「そもそも寄宿舎の個室には、監視カメラのようなものは置いてないわよね?」

東条「監視カメラが無いのだから、仮に私達の誰かが黒幕だったとしても貴方の部屋の独り言なんて聞けるわけがないわ」

真宮寺「いや、監視カメラは必ずどこかにあるはずだヨ」

真宮寺「学級裁判という制度がある以上、僕らの推理か正しいかどうかをモノクマ側がジャッジしないといけないからネ」

真宮寺「きっとわかりにくいところに設置してるんじゃないかな?」

最原「……仕方ないね、本当のことを言うよ」

最原「実は僕らは真宮寺くんの部屋に、盗聴器を仕掛けてたんだよね」

真宮寺「ヘェ、一体どうやって仕掛けたんだい?」

真宮寺「僕は部屋の鍵を閉め忘れたことなんてないけど?」

最原「君が外出中に、僕がピッキングしたんだ」

最原「盗聴器はこの倉庫にあったものを使ったんだよ」

最原(倉庫に盗聴器なんて無いし、僕はピッキングなんて出来ないけどね…)

最原「だから僕らは黒幕とは関係ないよ」

真宮寺「まあ確かに、それなら納得できるネ…」

真宮寺「でもそれはそれで、どうして僕の部屋に盗聴器を仕掛けることにしたんだい?」

真宮寺「何か怪しいと思ったキッカケになるようなことでもあったのかい?」

天海「…キッカケは、ゴン太君っすね」

真宮寺「ゴン太君?」

天海「真宮寺君がみんなの前で民俗学講座をした時があったじゃないっすか」

天海「あの時、ゴン太君が俺をそれに誘いに来た時、『真宮寺君の準備を手伝って長い棒状の物を運んだ』と言っていたんすよね」

天海「でも実際の講座ではそんな物使わなかったじゃないっすか」

天海「だからちょっと怪しいなと思って、終一君に相談したわけっす」

最原「それで、万が一があるといけないから仕掛けさせてもらったんだよね」

最原「そして盗聴で君の計画を知ったから、それを阻止するために百田くんと東条さんにも協力してもらったんだよ」

百田「お、おう、そういうことだぜ」

本日終了です、ありがとうございました
もうすぐ次スレですね
真宮寺の話がキリよくこのスレ内で終わればいいのですが…


>>883>>884
部屋で独り言で宣言していた通り、包丁でした
最原を殺すつもりは無かったし、この相談の後女子を殺しに行くつもしだったので、服に隠せる凶器を持っていました

>>892
お互いの呼び方変える下りの辺りからシスコンこじらせ始まってましたね

投下再開します

真宮寺「……そう、ゴン太君がそんなことを言ってたんだネ…」

真宮寺「まさかあの時から失敗することが決まっていたとはネ…、ククク…」

最原「納得してもらえたかな?」

最原「なら次はこっちの質問に答えてもらうよ」

最原「さっきも訊いたことだけど、どうして女子を殺そうとしたの?」

真宮寺「僕の部屋を盗聴したなら、どうしてか解ってるよネ?」

東条「盗聴したものを私も聞いたけど、正直解らなかったわ…」

東条「夜長さんと白銀さんをお姉さんの元へ連れて行くと言っていたけれど、どうして彼女達を殺すことがお姉さんの元へ連れて行くことに繋がるのかしら?」

真宮寺「わからないのかい?」

天海「…まさか、お姉さんは死んでいる…ってことっすかね?」

真宮寺「…そうだヨ」

最原(お姉さんは実在していたのか)

最原(でもそれなら、なんで語りかけるような独り言を言っていたんだろう…)

最原(実在していたにしろ、幻聴でも聞こえていたということか…?)

百田「わかんねーな…」

百田「人間は死んだらそれで終わりだろうが!」

百田「テメーが姉の為と思ってやろうとしたそれは、誰のためにもなってねーんだよ!」

真宮寺「人間は死んでも終わらないヨ…」

真宮寺「死ぬということは、ただ肉体を失うということだからね」

真宮寺「人は死んだ時、肉体から魂が解放されて霊魂になるんだヨ」

百田「れ、霊なんて居るわけねーだろ!!」

真宮寺「いや、居るヨ。現に…」

最原「そんなことはどうでもいいんだけどさ」

真宮寺「どうでも良くないヨ」

最原「いや、どうでもいいよ…」

最原「僕は霊の存在を肯定も否定もするつもりはないよ」

最原「人が死んだらどうなるかなんて、死んだ当人にしかわからないからね」

最原「不毛な議論だと思わない?」

最原「で、そんなことより確認したいことがあるんだけど…」

最原「真宮寺くん、キミってもしかして、今までに人を殺したことがあるんじゃないかな…?」

東条「…私もそんな感じがするのよね…」

天海「ちょっと怪しいっすよね」

百田「そうなのか…?」

真宮寺「何故そう思うんだい?」

最原「だって動機がおかしいじゃないか」

最原「『ここから出たいから』とかじゃなくて『死んだお姉さんの友達にしたいから』なんて…」

最原「急にそんな発想にならないよね?」

東条「そして仲良くなっていた筈の最原君を、ためらいなく殺そうとしていたわよね」

東条「普通、親しくなった人間を殺そうとするなら、もう少し抵抗感があると思うのだけれど…」

天海「でも殺人に慣れていたなら、抵抗感が少なくてもおかしくないっすよね」

真宮寺「それは君達の推論だよネ?」

真宮寺「こんなことをしたから信じてもらえないかもしれないけど、僕は今まで殺人を犯したことはないヨ…」

真宮寺「確かに、女子の誰かに姉さんの友達になってもらおうとしていたヨ」

真宮寺「でもそれはあくまで『ついでに』だヨ」

真宮寺「第1の目的としてはやはり、ここから卒業することだネ」

真宮寺「…信じてくれないのかい?」

東条「だったら、殺すのは1人だけでも良かったんじゃないかしら?」

真宮寺「折角だからと思ってネ…」

真宮寺「こんな状況じゃないと、人なんて殺せないからネ」

真宮寺「人数が多ければ多いほど良いに決まってるよネ?」

真宮寺「殺した人数が多いほど姉さんの友達は増えるし、人の死の間際の恐怖に直面した際の行動も観察できるし…」

真宮寺「…君らには異常だと思われてしまうかもしれないけどネ」

真宮寺「でも僕は殺人に慣れているわけじゃないヨ」

真宮寺「あくまで僕なりに冷静に考えて行動していただけだヨ」

百田「どっちにしろ、テメーは立派な異常者だぜ」

最原(真宮寺くんは、本当に今まで殺人をしたことがないのか…?)

最原(でも真宮寺くんの言っていることも、有り得ると言えば有り得るし…)

最原(…ちょっと、真宮寺くんの居ないところでみんなの意見も聞きたいな…)

最原「東条さん、天海くん、倉庫の外でキミ達の意見も聞かせてもらってもいいかな?」

百田「オレは?」

最原「百田くんにはここで、真宮寺くんが変なことしないように見張っててほしいんだよね」

百田「おう、任せとけ!」

東条「最原君、もう立てるようになったのかしら?」

最原「…………肩を貸してくれるとありがたいです…」

東条「じゃあ行きましょうか」お姫様抱っこ

最原「肩でいいから!恥ずかしいから…!!」

東条「こっちの方が早いわ」スタスタ

ー倉庫前廊下ー


東条「それで、聞きたいことと言うのは?」

最原「うん、あの、おろしてほしいな…」

東条「じゃあ降ろすわね」床に座らせる

東条「それで?」

最原「2人の意見が聞きたいんだよね」

最原「本当に真宮寺くんは今まで殺人をしたことがないと思う?」

天海「真宮寺君が嘘ついてる可能性もあるっすけど、確かめる手段が無いんすよね…」

東条「仮に真宮寺君が言っていることが本当だとすると、確かに彼は少し危険だし今回も殺人未遂をしたわけだけど、未遂は未遂ということになるものね」

最原「彼が殺人鬼だったとしても、今後の彼の扱いに困るんだよね…」

最原「この生活があとどれくらい続くかわからないのに、彼を部屋にでも閉じ込めて生活するっていうのもね…」

天海「俺達は超高校級ではあるっすけど、ただの高校生だから他人を裁くっていうのも抵抗あるっすからね…」

東条「そもそも、これだけの情報じゃ判断に困るわね…」

東条「だから…、最原君が良ければだけど、今回のところは厳重注意ってことで良いんじゃないかしら?」

東条「勿論、私達は彼をある程度警戒する必要はあるし、彼には女子と2人にならないように誓わせる必要があるけど」

天海「誓わせても校則とかじゃないんで、口約束程度になっちゃうっすね」

東条「そうは言っても、どうしようもないもの」

東条「幸いなことに彼は鍵のGPSのことには気づいてないから、逐一モノパッドで彼が女子と2人きりになっていないか確認すれば良いんじゃないかしら?」

東条「もし彼が部屋に女子と2人きりで居るようなことがあれば、気づいた人がすぐに駆けつけて見張ったりだとか…」

最原「そうだね…」

最原「あんまりしっかり張りついて見張っていると、それが真宮寺くんのストレスになって、また卒業したくなっちゃったりしたら困るからね…」

天海「それに真宮寺君を見張るシフト考えるのもあれっすからね…」

最原「女子は見張りにできないからね…」

もう秘密の部屋のこと打ち明けてそこで拘束監視でもいいような気もする
他のメンバーには殺人未遂をして拘束してると正直に伝えればいいし

最原「他のみんなに真宮寺くんを警戒するように言うと、みんなギスギスしたりしそうだし…」

最原「何より、それがキッカケで『真宮寺くんに初回特典で先を越されないように』って早まって卒業に走る人が居ないとも限らないし」

東条「本当に厄介ね、初回特典は」

最原「だから僕も厳重注意で済ませていいと思うよ」

最原「思うんだけど…」

天海「何かまだ気がかりがあるんすか?」

最原「…もし彼が再犯をしようとした場合、狙われるのは東条さんなんじゃないかと思って…」

東条「私?」

最原「彼が卒業前に、僕らに一矢報いらせようと考える可能性もあるよね?」

最原「その場合、僕らは4人で組んでいると思っている真宮寺くんは、その中で唯一の女性である東条さんを殺そうとするんじゃないかな?」

東条「私達が今回のことで今後真宮寺君を警戒することは彼も解っているでしょうけど、確かにその可能性は否定出来ないわね」

東条「でもそれならむしろ好都合だわ」

東条「私は今後、この生活が終わるまで彼を警戒し続けることでしょうし、他の女子が狙われるより対処のしようがあるもの」

東条「幸いなことにこの才囚学園には銃の類は無いから、彼が近づいてきた時のみ警戒をすればいいわけだし…」

東条「私は問題ないわよ」

最原「でもなんだか申し訳ないよ…」

東条「最原君が申し訳なく思う必要性は無いわよ」

東条「悪いのは真宮寺君と…、彼に『ここでは殺しをしてもいいんだ』と思わせた黒幕の方よ」

最原「…そうだよね。真宮寺くんが殺人未遂を犯したのも、全部黒幕が悪いんだよね」

東条「じゃあもう話すことはないかしら?」

最原「うん、僕は大丈夫だよ」

天海「じゃあ次は俺が話してもいいっすか?」

天海「真宮寺君に悟られないように見張る方法を1つ思いついたんで、聞いてほしいっす」

天海「またちょっと入間さん頼りになるんすけど、あのマザーの部屋で、マザーを通して真宮寺君の動向も見張るっていうのはどうっすかね」

天海「デュアルディスプレイにするか、また別に監視専用の機材を作ってもらえば入間さんのマザー解析の作業の邪魔にもならないと思うっす」

天海「それで、カメラの切り替えとかは俺らにも出来るように簡単にしてもらうことが出来ればいけると思うっす」

最原「その場合確かに監視は出来るけど、真宮寺くんが何か問題を起こした時はどう対処するの?」

最原「隠し部屋から走って現場に向かうっていうのは、間に合わなくなる可能性もあるんじゃないかな?」

天海「それなんすけど、もう1組センサーとセンサーのリモコンを用意すれば解決すると思うっす」

天海「まず既存のセンサーと間違えないように目印をつけて、新たなセンサーを隠し部屋に置いておくっす」

天海「次に、これまた既存の物と間違えないように目印を付けた新たなセンサーのリモコンを見張りの全員に持ってもらうっす」

天海「そして監視モニタで真宮寺君を見張る人が、何か真宮寺君がやらかしそうな雰囲気を察知したら、真宮寺君用のセンサーを動かしてみんなに通知するっす」

天海「あとは、隠し部屋の見張りの人以外がモノパッドで真宮寺君の位置を確認して現場にかけつければ、隠し部屋から女子トイレを迂回して行くより早く辿り着くことができると思うっす」

天海「どうっすかね?」

東条「私達が直接真宮寺君を見張るより確実で怪しまれないし、いい方法だと思うわ」

最原「あとは入間さんがどれくらいでそれを開発することが出来るかだけど…」

天海「入間さんなら1日2日で作ってくれると思うっす」

天海「前にセンサーの複数のリモコンの連動をしてもらった時には、すぐ終わりましたし」

東条「監視専用機材を作ってもらうとなると時間がかかりそうだけど、デュアルディスプレイにするだけなら手頃なモニタを私達が見つけて持っていくだけで、彼女ならすぐ設定出来るんじゃないかしら?」

東条「問題は彼女のあのPCのスペックや、私達が操作ミスで彼女の作業の邪魔をしてしまわないか…だけれど」

最原「その辺は入間さんと直接相談してみようか」

東条「そうね」

東条「他に今話がある人は居るかしら?」

天海「俺はもう大丈夫っす」

最原「僕も話すことはないかな」

東条「そう、じゃあ戻りましょうか」最原をお姫様抱っこ

最原「またこれ!?」

ー倉庫ー


東条「戻ったわ」最原を床に降ろす

真宮寺「ククク…、僕の処分が決まったかい?」

百田「何で余裕そうなんだよテメーは!」

真宮寺「僕を殺すつもりならとっくにやってるだろうし、こんなことをしてまで僕の犯行を食い止めたということは、君達は人が死ぬことが嫌なんじゃないかな」

真宮寺「別に僕は死ぬわけでもないし、こういう状況の時、君達はどういう答えを導き出すのか…」

真宮寺「そっちの方が僕は興味があるからネ…!」

天海「まあ結論から言うと、厳重注意で終わりっす」

真宮寺「ヘェ…」

百田「おいおい、いいのかよ…」

最原「僕達だって手荒な真似はしたくないからね…」

東条「ただし、2度目は無いわよ」

天海「それと、女子と部屋で2人きりになるのも禁止っす」

天海「もしそんな現場を見かけたら、解斗君の鉄拳が炸裂するんで」

百田「オレかよ…、まあいいけどよ…」

最原「幸い今回は未遂だったし、君が今まで殺人をしたことがないという言葉を信じて君を直接見張ることはないよ」

最原「ただし、今後怪しまれるような行動は謹んでほしいな」

真宮寺「…君達は随分お人好しなんだネ」

真宮寺「個室にずっと監禁くらいは覚悟していたヨ」

東条「次貴方が殺人を企てればお望み通り、監禁させてもらうわよ」

最原「勿論、キミの部屋に仕掛けた盗聴器はそのままにしておくからね」

真宮寺「…まァ、いいけどネ…」

真宮寺「今後は君達の行動でも観察させてもらうとするヨ」

真宮寺「君達は今後どうするんだろうネ…」

真宮寺「ところで、『女子と部屋で2人きりになるのは禁止』って言うけどさ、確認なんだけど、最原君は結局男子ってことで良いんだよネ?」

最原(性別に関係なく僕は真宮寺くんともう2人きりにはなりたくないけど…)

最原(まさかまだ僕が女の可能性があると思っているのか…?)

最原(…………どうする?)



①女子ということにしておくと後々面倒になりそうだし「普通に男子だけど」とちゃんと言っておく

②他の女子が次狙われる可能性が低くなるかもしれない…、女子ということにしておく


安価↓1

最原「普通に男子だけど…」

真宮寺「把握したヨ」

真宮寺「他に禁止事項や注意事項はあるかい?」

東条「そうね…、料理を禁止させてもらうわ」

東条「包丁を殺人の凶器にするような人には料理なんてさせられないわ」

真宮寺「それは残念だヨ」

天海「あと今後勝手な企画の開催も禁止させてもらうっす、一応」

天海「もし何かやりたいなら事前に教えてもらうっすよ」

真宮寺「わかったヨ、他には?」

最原「……もう無いかな…?」

真宮寺「それじゃあ、そろそろ拘束を解いてもらっても良いかな?」

全員「……」

東条「…仕方ないわね、変なことを考えないことね」

東条「百田君、拘束からの解放をお願いするわ」つハサミ

東条「真宮寺君、拘束が解かれたらブーツを脱いで、そのままゆっくり立ち上がってちょうだい」

東条「そうしたら百田君は真宮寺君の上着を脱がせて、私の方に投げてくれるかしら?」

東条「百田君はそのまま真宮寺君の体を触って怪しい物が無いかチェックしてちょうだい、ブーツの方もお願いね」

東条「包丁の他に凶器を持っていないかチェックしたいの」

百田「おう、わかったぜ」

東条「天海君はそのままそこで真宮寺君を警戒していて」

天海「わかったっす」

東条「最原君はそのまま休んでいて構わないわよ」

最原「……役に立てなくてごめん…」

東条「そんなことないわよ、貴方は頭を使っているじゃない」

最原(東条さんと天海くんだけで頭脳足りてそうな気がするけどね…)

ーーー


東条「…他に凶器は無いようね」

東条(内ポケットの中に手鏡や替えのマスクがあるくらいね)

百田「こっちも問題ねえ」

真宮寺「ブーツを履いても?」

東条「ええ、構わないわ」

真宮寺「上着も返してもらえると助かるヨ」

東条「ええ、どうぞ」つ上着

東条「それじゃあ私と百田君で彼を寄宿舎まで送りましょう」

東条「最原君はここで落ち着くまで休んでいてちょうだい」

東条「天海君は彼を見てあげててね」

東条「準備ができたら落ち合いましょう」

最原(センサーやそのリモコン、使えそうなモニターを確保しておけってことだろうね)

最原「うん、じゃあちょっと休ませてもらうよ」

天海「任せてほしいっす」

東条「それじゃあ行くわよ、私は後方を歩かせてもらうわね」

真宮寺「最原君、良い夢を…ククク」

最原「……」

百田「さっさと行くぞ!」真宮寺の腕を掴んで引っ張る

ガチャッパタン

最原(3人が倉庫から出ていった…)

最原「はぁあぁ……」ため息

天海「ほんとお疲れ様っす」つ水の入ったペットボトル

最原「ありがとう…」ゴクゴク

最原「…大丈夫かな…?」

天海「あの2人なら強いし、真宮寺君相手なら余裕で勝てると思うんで大丈夫と思うっすよ」

最原「それも心配だけどさ、真宮寺くんを拘束しなかったから…、彼の見張りの装置が出来るまで女子のみんなは大丈夫かな?って思って…」

最原「再犯するにしても、今は僕らの警戒が凄いからすぐにはしないと思うけど…」

最原「本当にこれで良かったのかな?ってちょっと悩んでるんだよね…」

天海「東条さんのことなんで、多分彼をそのまま放置とかはしないと思うっすよ」

天海「とりあえずドアを外側から何かしらの方法で施錠したり、解斗君を一時的に見張りに寄宿舎のロビーにでも置いて戻ってくると思うっす」

最原「まあ彼女は頭がいいし、あっちのことは任せておこうか」

天海「それじゃあ俺はとりあえずセンサーとリモコンを確保してくるんで、終一君は休んでて下さいっす」スタスタ

最原「うん…、ありがとう」



ーーー


天海「とりあえずセンサー系持ってきたんで、ここ置いとくっすね」

天海「あとはモニタとケーブルっすね」

最原「う…よいしょっと…」立ち上がる

天海「もう大丈夫っすか?」

最原「うん、真宮寺くんが居なくなってしばらく経ったし、もうだいぶリラックス状態になったみたいだから…」

天海「じゃあケーブルとモニタ探すっすよ」

最原「あと金切りバサミが欲しいかな」

最原「鉄板コルセットをいい加減脱ぎたくて…」

天海「ああ、もう随分着けてるっすよね」

天海「…包丁は本当に貫通してないっすよね?」

最原「うん、それは大丈夫だよ」

最原「…身につけてなかったらと思うと、ゾッとするよね…」

天海「東条さんに感謝っすね」

最原「うん」

最原「じゃあモニタとケーブル探そうか、金切りバサミは別に後回しでもいいから」

天海「確かAV機器ならあっちの棚に…」

ーマザーモノクマの部屋ー


天海「持ってきたっすよ」モニタを置く

王馬「おつかれー」

東条「ご苦労様、発明品の話は既に入間さんに通したわよ」

最原「それじゃあ入間さん、この中にセンサーとリモコンとケーブルが入ってるから…」つエコバッグ

入間「はぁ…、またこんなつまんねーもん作らねーといけねーのかよ…」

天海「まあそう言わずに」

最原「…百田くんは?」

東条「真宮寺君が部屋から出てこないように、寄宿舎のロビーに居てもらってるわ」

東条「勿論、一晩中だなんて見張らせる気はないわよ」

最原「そうなんだね」

最原「…百田くん、大丈夫かな…」

東条「彼ならきっと大丈夫よ」

マスクの下は確認ないんだ……そういう場面じゃないけどさ

見逃してもらって感謝の念でマスクオープンとかしてくれないかね。百田の反応とか絶対面白いし
裁判の時は姉清がショッキング過ぎて春川以外まともな反応出来てなかったし

王馬「今この唯一のモニタで真宮寺ちゃんの部屋映してるし、何か問題あったら天海ちゃん辺りがすぐ行ってくれるよ」

最原「そっか…、じゃあ大丈夫だね」

天海「そんなに俺の足の早さに期待されても…」

東条「入間さん、どれくらいかかりそうかわかるかしら?」

入間「完全に別の機材として運用するなら色々時間がかかりそうだけどよ、デュアルディスプレイでもいいんだろ?」

入間「だったらこっちのPCのスペック的には問題ね―し、実質そっちのセンサーの改造と、監視カメラの操作の簡易化ソフトの作成くらいだな、時間を割くとしたら」

入間「製作日数は…1日くらいじゃねーの?」

王馬「入間ちゃんにしては意外と時間かかるね」

入間「センサーがこっちの、元々黒幕が侵入してきた用に置いていたものと同一の型だから、リモコンのセンサー音を差し替えようと思ってな…」

最原「確かに同じ音が鳴ったら、一瞬どっちの緊急事態か戸惑っちゃうよね」

入間「その差し替えの音をオレ様の喘ぎ声にでもしようと思ってるから、録音に時間がかかりそうだから、その分の時間で1日だな」

王馬「肉便器ちゃんは普段どんな生活してたら、そんなキモい発想がパッと出てくるの?」

東条「入間さん、余計な機能は不要だから完成を急いでちょうだい」

最原「まあリモコンのセンサーの音が同じでも、耳を近づけたらどっちの物か分かるしね…」

天海「あ、これ倉庫から持ってきたタックシールっす」

天海「これに『真宮寺』とか書いて貼って目印にしたらどうっすかね」

入間「『なめくじ』…と」カキカキ

最原「なんで!?」

入間「そんなの、あいつがジメジメした陰険野郎だからに決まってるだろーが!」

東条「…余計な機能を省いたらどのくらいで全てが出来そうかしら?」

入間「んー…、オレ様の眠気にも作用されるけどよ、半日だな」

王馬「どんだけ録音に気合入れるつもりだったんだよ」

東条「半日ね、わかったわ」

本日終了です、ありがとうございました
姉清の出番皆無ですみません


>>911
真宮寺をどうするかは凄く悩みましたが、最原は本編1章でも黒幕でさえ捕らえるだけにしようとしてたし、天海も油断しきって図書室行ってたし、2人とも温厚そうだなと思いまして、未遂犯ならこの程度かなぁと
1章原は真実暴くのと人の恨みを恐がってるし
東条さんは2人の意見に従うだろうし


>>927
マスクの下には凶器は隠せないから、探ることがないでしょうからね


>>928
完全ギャグならそれもアリですけど、本編の感じ的にも極力姉清状態は見せない感じかなと思ったので…

>>931
捕らえると書きましたが、よく思い出してみると黒幕追い詰める時の最原くん、丸腰でしたね…
今にも皆殺しを考えている黒幕を問い詰めるだけの予定とか無防備すぎる…

投下再開します

入間「とりあえずモニタを繋いで…っと」

入間「…………よし。で、こっちに監視カメラの画面を移して…、こっちの画面はしばらくは監視カメラ操作のソフトのプログラミングだな」

入間「じゃあオレ様は20分くらいで新しいセンサーの設定をするから、それまで誰かその真宮寺の部屋の監視画面見張ってろよ」

天海「じゃあ俺が画面見てるっすよ」

王馬「ねえ、そろそろ眠いんだけどー」

東条「新しいセンサーリモコンの設定が完了して、それを受け取るまで待っててちょうだい」

最原「東条さん、金切りバサミ持ってきたから鉄板切ってくれないかな?」

東条「わかったわ」

東条「帽子と学ランも元に戻すかしら?」

最原「うん、重いし そうしてもらえると助かるよ」学ランぬぎぬぎ

ーーー


東条「はい、終わったわよ」つ帽子

最原「あ、ありがとう…」いそしそと帽子をかぶる

東条「これで全部外せたわね」

王馬「ねえ何で上半身脱いでた時より、帽子がただ無いだけの状態の方が もじもじそわそわしてたの?」

入間「鉄板原は頭見られると興奮するタイプの変態なんだろ」ガチャガチャ

最原「聞いたこと無いよ、そんな性癖…」

入間「よし、センサーの連動の設定が終わったぜ」

入間「ちゃんと目印にタックシールも貼ったぞ」つセンサーのリモコン

最原「……シールに『塩』って書いてるけどこれ何?」

入間「なめくじって文字数多くて面倒くさかったからな…」

入間「なめくじと言えば塩だろ!そういうこった!」

最原「真宮寺くんの『真』とかで良かったんじゃ…」

東条「まあ、最初のセンサーのリモコンと見分けがつけばいいのだし、何でもいいわよ」

入間「よし、じゃあセンサーを動かしてちゃんと今渡した方のリモコンが鳴るかどうかテストするぞ」

入間「ちなみにセンサーの本体は『なめくじ』ってシールに書いてる方が、塩リモコンと連動してるからな」

王馬「…これ例えば、もし見張りの対象が終一ちゃんとかなら『根暗』とか書かれたのかな?」

最原「『根暗』って画数多いから、それはどうかな」

最原「王馬くんが見張りの対象なら『クソガキ』だろうね」

入間「今のノリならそれぞれ『壁尻原』と『ツルショタ』だな」

王馬「律儀に答えなくていいから、早く鳴らしなよ」

最原「折角あのこと忘れてたのに…」

最原「それにそれだと僕ってわからないよね…。てか滅茶苦茶画数多いじゃないか…」

天海「でも真宮寺くんの『塩』も大概っすよね」

東条「どうでもいいわ、入間さん早くテストしてちょうだい」

入間「じゃあセンサーのスイッチを入れて…、動かすぜ」センサーをテーブルの上で動かす

最原(最初に受け取ったセンサーのテストをした時と、同じ音が鳴った)

入間「どうせ問題なかっただろ?」スイッチを切る

最原「うん、僕のは問題ないよ」

東条「私用の物と、百田君用のもちゃんと機能しているわ」

王馬「オレのも大丈夫だよ」

天海「俺も問題ないっす」

入間「さっすがオレ様だな!」

東条「ええ、流石ね」

東条「その調子で残りの監視カメラ操作のソフトのプログラミングも頑張ってちょうだい」

入間「ったくよぉ、あのカマ野郎のせいで余計な仕事が増えやがって…」カタカタカタ…

王馬「それじゃあやっとこれで寝れるね」

王馬「見張りのシフトは変わんないでしょ?」

東条「ええ、そうね」

入間「そういえばそんなもんあったな」

入間「オレ様はほぼここに居るから、なんかもうわかんねーことになってるが」

東条「それじゃあ私達は見張りを始めるから、貴方達は寄宿舎に戻ってもらってもいいわよ」

東条「百田君が寄宿舎のロビーを見張ってると思うから、新しいセンサーのリモコンを渡して、もう見張らなくても大丈夫と伝えてくれないかしら」つセンサーのリモコン

最原「うん、わかったよ」リモコンを受け取る

王馬「それじゃあおやすみー」スタスタ

東条「……待ちなさい、王馬君」

東条「貴方全然お弁当食べてないじゃないの」つ豚足弁当

最原「え、食べてないの?罰ゲームなんだからちゃんと食べてよ」

王馬「あれ?言ってなかったっけ?オレ実は豚足アレルギーなんだよね」

王馬「だから本当は食べたいんだけど食べられないんだよ!うわああああああああん!!!」

天海「豚の部位で豚足だけっすか、随分限定的なアレルギーっすね」

最原「折角東条さんが作ってくれたんだし、勿体無いから食べなよ」

王馬「勿体無いなら終一ちゃんが食べていいよ?」

最原「それじゃあ罰ゲームにならないじゃないか…」

最原「それに、こんな時間に食べたら僕太っちゃうし…」

王馬「太ると思ってるなら、オレに食べさせようとしないでよね!」

最原「いっぱい時間あったのに、さっさと食べないから…」

王馬「てか終一ちゃんは細いんだから、ちょっとくらい太った方が良いよ」

最原「嫌だよ。王馬くんこそもうちょっと太りなよ」

入間「テメーら女子かよ!」

東条「困ったわね…、今の時間だと食堂は開かないから冷蔵庫に入れられないし、このままだとお弁当が悪くなってしまうわね」

王馬「じゃあ、蘭兄ちゃん食べる?」つ弁当

天海「いや、別にお腹減ってないんでいいっす」

王馬「蘭太郎お兄ちゃん、これ食べて♡」つ弁当

天海「夜食にいただくっす」受け取る

最原「天海くんチョロすぎだよ!甘やかしたら駄目だから!」

最原「折角僕が勝ったのに…」

東条「しょうがないわね…」

東条「じゃあ、王馬君が食べてくれるまで豚足のメニューを続けましょうか」

最原「お願いするよ、東条さん」

王馬「拷問かな?」



ー寄宿舎ロビーー


最原(えっと、百田くんは…)

百田「そっちも一段落したみてーだな、おつかれ!」

最原(寄宿舎の2階の階段付近に百田くんが居るね)

最原「そっちこそお疲れ様」階段をのぼる

天海「ずっとそこに居たんすか?」

百田「流石にここに立ちっぱじゃねーぞ」

百田「部屋のドアを開けて、ドアの近くに椅子持ってきて座って本読んでたぜ」

百田「ドアさえ開けてれば誰かが出入りしたら音で気づくし、何より真宮寺が女子の部屋に向かおうとするならここから見えるだろうしよ」

王馬「へー、百田ちゃんも ちゃんと考えてるんだね」

王馬「てっきり馬鹿みたいに、真宮寺ちゃんのドアの前で開かないように座ってるかと思ってたよ」

百田「あのなぁ…」

最原「そうだ、これ…」つセンサーのリモコン

最原「新しいやつだよ、有事の際はそれが鳴るから、その際はモノパッドで彼の位置を確認して駆けつけてもらうと助かるよ」

天海「細かいことはまた例の部屋で追って説明するっす」

天海「目印はそのシールっす」

百田「おう、わかった」

王馬「そんなわけだから、もうここ見張らなくていいよ」

百田「そうか…。うーん、でもなあ…」

天海「気になるっすか?」

百田「ああ…」

王馬「何か怪しい行動見せたらそれが鳴るんだし、寝てもいいんだよ?」

王馬「それとも百田ちゃんは、見張りの女子2人のことを信用してないのかな?」

百田「信用してねえわけじゃねーけどよ、さっきの今だしなんつーか、こっちの方がなんかあった時早く何とか出来るだろ」

百田「それにこうやって直接見張るやつが居た方が、終一も安心して寝れるだろ?」

最原(さっき僕が腰抜かしたから、気を使ってくれてるのか…)

最原「でも逆に心配になるよ…」

百田「何だと!?オレがケンカで負けると思ってんのか!?」

最原「そうじゃなくて、百田くんもそろそろ寝ないと辛いんじゃない?」

百田「確かに、ちょっと眠くなってきたけどよ…」

最原「だったら寝てほしいな」

最原「百田くんは6時からまた見張りについてもらわないといけないし、これが原因で体調を崩されても困るし…」

最原「僕は東条さん達を信用してるから安心して寝れるから、大丈夫だよ」

王馬「そういう親切の押し付けされて後の行動に支障をきたしても、こっちが困っちゃうよねー?終一ちゃん」

最原(言い方悪いなぁ…)

百田「…そうだよな、わりぃ」

最原「でもあの、百田くんの気持ちはとっても嬉しいから…」

最原「気遣ってくれてありがとう…、あと、気を使わせてごめん…」

百田「あやまんなよ、仲間を気遣うのは当たり前だろ」

天海「…まあ解斗君が見張りたいって言うなら、見張っても良いと思うっすけどね」

天海「俺との見張りの時間に寝てもらってもいいんで」

王馬「折角話が終わりかけてたところなのに、いきなり意見ぶっ込まないでよ!」

王馬「こっちは早く切り上げて寝たいのに!」

天海「先寝てもらってもいいっすよ?」

王馬「そう?じゃあおやすみー」ノシ

王馬「ぐっすり探偵も早く寝ないと、8時間寝れないよ?」スタスタ

最原「ぐっすり探偵って…」

百田「うーん…、でも蘭太郎との見張りの時間に寝たら蘭太郎に迷惑がかかっちまうよな」

天海「俺は別に構わないっすよ」

天海「俺らの見張りの時間なら入間さんも居ることですし」

百田「また入間は何かやるんだな」

天海「はい、今はプログラミングしてもらってるんすよね」

百田「あいつも何かと忙しいよな…」

百田「…天海と入間が働いてるのに、その間オレだけ寝るわけにもいかねーよな…」

最原「今から寝てくれるんだね」

百田「ああ、すまねえな」

最原「ううん、いいんだよ」

最原「疲れて倒れられたらと思うと心配だったし…」

天海「それじゃあ寝るとするっすよ」

百田「おう、おやすみ!」部屋に戻ろうとする

最原「あ、ちょっと待って…」

百田「ん?どうしたんだ?」

最原「あの、僕まだ助けてもらったお礼言ってなかったから…」

最原「えっと、百田くん、助けてくれてありがとう…」

百田「いいってことよ!怪我なかったか?」

最原「うん、大丈夫だよ」

最原「百田くんも怪我してない?」

百田「ああ、問題ねーよ」

最原「良かった…」

最原「それじゃあ あの、引き止めてごめんね」

最原「おやすみなさい」

天海「解斗君、おやすみなさいっす」

百田「おう、いい夢見ろよ!」ドアパタン

最原(その後天海くんとも別れて部屋に帰った僕は、シャワーを浴びて布団に入ると、意外にもすっと眠ることが出来た)

ー朝、寄宿舎ロビーー


最原(食堂に行こう…)自室のドアガチャッ

カンッ

最原「ん?」

モノタロウ「あ!それはレアアイテム『死亡フラッグ』だよ!」ヒョコッ

モノタロウ「それを持ってると死亡フラグを言いたくなるんだよ」

モノタロウ「友達と一緒にそれで遊んだら楽しいと思うよ!」

最原「ふんっ!」ベキッ

モノタロウ「ああ!高いアイテムなのに…!」

最原「こないだ天海くんに、これを拾わせたのもお前達だな?」バキボキ

モノタロウ「うん、暇だったからね」

モノタロウ「まだカジノも開いてないし…」

最原「カジノ?」ボキッペキッ

モノタロウ「あ、カジノが気になる?」

モノタロウ「じゃあ人を殺したらいいよ!」

最原「どうしてそういうことになるんだよ…、僕は殺人なんてしないよ」

モノタロウ「そうしたら、カジノとラブアパートへの道が開けるのに…」

最原「ラブアパート…?」

モノタロウ「ラブアパートって言うのはね、要するにラブホテルのことだよ」

最原「…入間さん以外、誰も興味持たなそうな施設だね…」

モノタロウ「あそこは別に、ただエッチなだけの施設じゃないんだけどね」

最原「??」

最原「というか、人を殺したらその時点で卒業だろ?」

最原「自分が居なくなった後、学園の施設が増えたところで関係ないよね?」

モノタロウ「そうだね、置き土産にしかならないね」

モノタロウ「あ!じゃあ殺人示唆したら良いんじゃないかな?」

モノタロウ「そうしたら新しい施設を満喫することができるよ!」

最原「示唆もしないってば!」

最原(モノクマーズは頭が悪いからあまり脅威ではないけど、とうとうこんなちょっかいまで出してきたか…)

最原(モノクマがAIなら、こいつらもAIなのかな…)

最原(変に成長とかしなきゃいいけど…)

最原(…モノクマーズが馬鹿なうちに、新しい情報を手に入れられないかどうか色々訊いてみようかな)

最原「…そういえば、途中から解放された施設で入間さんの研究教室と赤松さんの研究教室があったけどさ、あれから結構経つけど、他の施設はまだ解放されないの?」

モノタロウ「あれ?入間さん達の研究教室って最初から解放されてなかったっけ?」

最原「されてないよ」

モノタロウ「へー、そうだったんだね」

最原「ちなみに僕の研究教室はいつ解放されるの?」

モノタロウ「うーん…、結構先じゃないかなぁ」

最原「天海くんの研究教室は?」

モノタロウ「…?天海くんって誰のこと…?」

最原(これは素なのか?)

最原(それとも僕を苛立たせようと、ワザととぼけているのか…?)

最原「天海くんっていうのは、髪が黄緑色の背が高い男子生徒のことだよ」

モノタロウ「うう…、オイラよくわかんないよ…」

最原「この生徒だよ、ほら!」屈んでモノパッドのプロフィール画面を見せる

モノタロウ「ああ、この人のことなんだね!」

モノタロウ「この人のことなら、オイラよく覚えているよ!」

最原(名前すら覚えてないじゃないか…)

モノタロウ「で、何の質問だったっけ?」

最原「『彼の研究教室はいつ解放されるのか?』っていう質問をしたんだけど…」

モノタロウ「だいぶ先だね!」

最原(まだ工事中の上の方の階ってことなのかな…?)

最原(しばらく彼の才能が何なのかは、分かりそうもないかな…)

最原「ちなみにコロシアイ首謀者の研究教室もあるの?」

モノタロウ「うん、あるよ!無かったら怪しいからね!」

最原「…研究教室があるっていうことは、やっぱり僕ら生徒の中に首謀者が居るんだね」

モノタロウ「…え?あれ?キサマラは生徒の中に首謀者が居ると思って行動してたよね?」

最原「一応その体でやっていたけど、キミの言葉を聞いて今確信になったね」

最原(しかも『コロシアイの首謀者』という確信が…)

最原(どこか別の場所に首謀者が居て、その首謀者に脅されたりして良いように使われていた『裏切り者』とかならまだ良かったんだけど…)

モノタロウ「……えーっと…」

モノタロウ「ばーいくm」

最原「待ってよ」ガシッ

最原「まだキミに用があるんだよね」

最原(さて、どうしようかな…)



①質問を続ける(質問の内容もどうぞ)

②体に直接訊く(入間に解析してもらう)

③仲良くなって付け入る

④とりあえず壊す

⑤その他(リクエストどうぞ)

⑥やっぱりなんでもない


安価↓1(ただしコンマ偶数で他のモノクマーズが邪魔に入ります)

モノタロウはいけそうなんだよなぁ……

最原(あまり過激なことをすると警戒されるだろうし、確信めいた質問には答えてくれないだろうし…)

最原(…仲良くなって付け入ってみるかな)

最原(ロボット相手にこんなの効果があるかは知らないけど、とりあえずやるだけやってみようかな)

最原「僕実はキミと仲良くなりたいんだよね」

モノタロウ「…え?」

最原「僕と友達になってくれないかな?」

モノタロウ「うん!いいよー!」

最原「じゃあ僕今から食堂にご飯食べに行くからさ、モノタロウも一緒に行こうよ」

最原「…ご飯は食べられないかもしれないけど、一緒に話とかしたいな」

モノタロウ「うんわかった!行くよー!」

最原(演技なのか、チョロいだけなのか…)

最原「よし、それじゃ行こっか」モノタロウを抱っこする

ー食堂ー


最原「おはよう」ドアガチャッ

赤松「最原くん、おはy……えぇっ!?」

白銀「!!!!????な、なんでモノクマーズを連れてるの?」

最原「実はさっき、彼と友達になったんだよね」

白銀「TOMODACHI!?」

王馬「終一ちゃん、ロボットと友達になるとかヤバくない?」

王馬「だってロボットだよ?鉄屑なんだよ!?」

キーボ「!?王馬クン!その言葉、録音させてもらいましたからね!」

キーボ「ロボット差別として、後で然るべき機関で訴えますからね!」

夢野「じゃがロボットはないじゃろ…」

キーボ「夢野さんまで!?」

最原「ロボットとか人間とか、そんなのは関係ないよ」

最原「僕はただこのモノタロウと友達になりたいと思った、それだけだからね」

茶柱「…あのー、最原さん、大丈夫ですか?」

茶柱「そのロボットは黒幕側のロボットなんですよ?」

茶柱「どうしてもロボットと友達になりたいと言うなら、キーボさんの方が良いと思いますよ」

最原「僕、この子はそんなに悪い子じゃない気がするんだよね」

真宮寺「…ストックホルム症候群の疑いがあるネ」

星「ここでの軟禁生活が長引いちまってるから、そうなっちまったんだろうな…」

星「可哀想な奴だぜ」

最原(……何と言われようと、僕はめげないぞ…)

モノタロウ「…えーっと、最原クン、オイラのせいでなんかごめんね」

最原「ううん、気にしなくていいよ」

最原「僕がキミと友達になりたいって言ったんだからさ…」

最原「みんなに何と言われようと、僕は彼と友達で居るよ」頭よしよし

モノタロウ「最原クン…」

キーボ「最原クン…、みんなに何と言われようと態度を改めないキミの姿勢にボクは感動しました!」

キーボ「キミ達の友情を応援させていただきますね!」

最原「本当?ありがとう」

キーボ「ということでボクもキミと友達になってもいいですかね?」

モノタロウ「うん、いいよー!」

茶柱「ま、まあ、害がなければいいんじゃないでしょうか」

赤松「うん、まあ、見てるだけなら可愛いぬいぐるみだしね…」

白銀「まあ確かに、最近はモノクマーズも大人しくなってきたけどさぁ…」

王馬「まあいいんじゃない?」

王馬「みんなもうちょっとロボットに愛を持って接してあげなよ!」

キーボ「キミがそれを言うんですか!?」

夢野「意見がコロコロ変わるやつじゃのう…」

ゴン太「うん、種族は違っても友達になれると思うよ!」

東条「…みんなが良いなら、私も勿論問題ないわ」

東条「最原君、ご飯は洋食にする?それとも和食?」

最原「洋食かな」

東条「すぐに持ってくるわね」スタスタ

最原(話しも落ち着いたみたいだし、席に座ろうかな)

最原「モノタロウはどこに座る?」

モノタロウ「うーんと…、オイラはお父ちゃんと違って小さいし、モノダムみたいに足も伸びないから椅子に座ったら、ちょっとテーブルの位置が高いんだよね」

モノタロウ「テーブルの上に座ろうかなー?」

東条「駄目よ」ご飯を持ってきた

東条「テーブルは座ったり立ったりする家具じゃないもの」

モノタロウ「そっか…」ショボーン

最原「…僕の膝に座る?」

モノタロウ「うん!」

最原(…食べるのに結構邪魔くさいな…)

最原(まあモノタロウは喜んでるみたいだし、いいか…)頭よしよし

白銀「…マスコットを抱える最原くん、いいね…」グッ

赤松「こうして見てる分にはほんと可愛いよね、モノクマーズは」

王馬「そういえば終一ちゃん、オレちゃんと豚足食べたからね」

最原「朝から豚足?よく食べれるね…」

王馬「オレもまさか朝から出されるとは思わなかったよ…」

王馬「東条ちゃん、マジで毎食豚足出す気なんだなと思って、まあ死ぬわけじゃないしと思って頑張って食べたよ」

最原「それを証明する人は?」

王馬「今ここに居る人達がそうだよ」

赤松「あ、確かに朝から凄いの食べてるなーと思って見てたから、私が証明出来るよ」

最原「じゃあ本当なんだね」

モノタロウ「王馬クンは豚足が嫌いなんだね」

王馬「いやいや…、お前は黒幕側のロボットだよね?」

王馬「そっちが勝手に作成したプロフィールのせいで、オレはこんなことになったんだから!」

※実際は嫌いなものを決めた黒幕のせいです

最原「いや、元々王馬くんが勝手に賭けなんてしたから…」

モノタロウ「……黒幕って何だったっけ?」

最原(大丈夫だろうか、このロボットは…)

王馬「お前らのことだよ、うりうりー」箸をモノタロウの鼻の穴にぶっ刺す

モノタロウ「わわっ、痛いよー!」

王馬「へー、ロボットでも痛みとか感じるんだ?」

最原「ちょっと!止めなよ」箸をどける

キーボ「というか王馬クン、またロボット差別発言をしましたね!」

王馬「キー坊は痛覚あるの?」ゲシゲシ

キーボ「止めて下さい!」

王馬「痛いの?それとも人間ぶってるだけ?」ゲシゲシ

キーボ「いじめっ子ですか!」

最原「……」モグモグ

キーボ「…止めてくださいよ最原クン!」

最原「え?」モグモグ

本日終了です、ありがとうございました
明日分終了で多分次スレですかね


>>955
他のモノクマーズなら駄目な選択肢ですよね

>>963
黒幕のプロフィールセンス色々いいですよね

乙ありです
投下再開します

ーーー


最原(さて、ご飯も食べ終わったし、お茶飲んで一息ついたけど…)

最原(うーん…、これからどうしようかな…)

最原(とりあえずモノタロウと、もっと仲良くならないとなぁ…)

最原「モノタロウ、何かしたいことある?」

モノタロウ「うーんと…、しなきゃいけないことならあるんだけど、したいことは別にないかな?」

最原「しなきゃいけないことって?」

モノタロウ「エグイサルを指揮して、学校の改築を進めることだよー」

モノタロウ「ほとんど自動操縦モードでいいんだけど、作業工程が変わる時は手動で切り替えないといけないからね」

最原「へえ、大変だね」

モノタロウ「まあほとんど自動でやってるから大丈夫なんだけどね」

最原「ふーん…」

モノタロウ「そうだ!最原クン、エグイサルに乗ってみる?」

最原「え?いいの?」

モノタロウ「うん、いいよー!オイラ達友達だもんね!」

最原「それじゃあ…、乗ってみたいな」

最原「でもあれってモノクマーズ専用じゃないの?」

モノタロウ「一応人間も搭乗できるんだよー」

モノタロウ「ゴン太クンくらい大きいとちょっと窮屈と思うけど、最原クンなら膝にオイラを乗せてもスペースは大丈夫だと思うよ」

最原「へぇ…、知らなかったなぁ」

モノタロウ「人も搭乗出来ると言っても、オイラ達モノクマーズが乗っていないと操作出来ないようになってるんだけどね」

モノタロウ「まあハッキングでも出来たら別だけど」

最原(ハッキングか…)

王馬「話は聞いたよ!エグイサルに乗れるんだって!?」

王馬「いいなー!オレもあれに乗りたいなー!」

王馬「オレも乗せてよー!ねーねーいいでしょ!?」

モノタロウ「えっと…、オイラ、王馬クンと友達だったっけ…?」

王馬「勿論友達だよ!」

王馬「えっ、酷いな…、忘れちゃってたの…?」

王馬「友達を忘れるなんてうわああああああああん!!!」

モノタロウ「ごめんね、オイラ忘れっぽいから…」

モノタロウ「じゃあいいよ!王馬クンもおいでよ!」

王馬「やったー!」

最原(モノタロウ、驚きのチョロさだな…)

モノタロウ「じゃあ中庭に行こうか」

最原「うん!」

王馬「行こ行こー!」タッタッタッ

かわいい

ー中庭ー


モノタロウ「おーい!エグイサルレッドー!」

ガシャンッ

最原「うわっ!?」

最原(どこからともなくエグイサルが飛んできたぞ…)

最原(…この学園に来た当初のことを思い出してちょっと恐いけど、頑張ろう)

モノタロウ「ここが開いて操縦席になってるんだよー」パカッ

モノタロウ「さあ最原クン、乗って乗って!」

王馬「えー、オレ後回しー?」

王馬「2人いけるんじゃない?」

最原「素直に外で待っててよ…」

王馬「だよねー」

王馬「早く変わってね!」

最原「よっと、お邪魔します」エグイサルによじ登り

最原「よいしょっと」席に座る

モノタロウ「じゃあオイラも座るね」最原の膝に座る

モノタロウ「コックピットの扉閉めるよー」ウイーン

最原「おおっ…」

最原「へー、中からはこんな風に見えるんだ…」

モノタロウ「ちょっと動かすよー」ガシャンガシャン

最原「おお…、歩いてる…」

モノタロウ「そりゃあ歩くよ、エグイサルは2足歩行ロボットだからね!」

最原(結構揺れはするけど…)

最原「…なんか、ロボットアニメの登場人物になれたみたいでちょっと、楽しいかも…」

モノタロウ「じゃあロボットアニメっぽく、大ジャンプとかしちゃおっか」

最原「えっ…、それ中の僕は大丈夫なの…?」

モノタロウ「舌噛まないでねー」レバーガシャガシャ

モノタロウ「ジャーンプ!」ピョーン

最原「うわああああ!?」

ガシャーン(着地)

最原「……」ドキドキ…

モノタロウ「大丈夫?」

最原「だ、大丈夫…」

最原「大丈夫だけど…、今の情けない声を王馬くんに聞かれたと思うと、恥ずかしいな…」

モノタロウ「あ、それは大丈夫だよ!」

モノタロウ「このマイクのスイッチをオンにしないと、外に声は聞こえないからね」

最原「へぇ…」

最原「…ねえ、このボタンは何?」

最原「みんなの名前が書いてあるシールが貼ってあるけど…」

モノタロウ「ああ、それはボイスチェンジャーだよ」

モノタロウ「マイクをオンにしてそれを押して喋ると、その人の声を再現して喋るんだよ」

モノタロウ「ボイスチェンジャー解除は、そっちのボタンだね」

最原「なんでこんな機能があるの?」

モノタロウ「さぁ…、オイラにもよくわかんないんだよ」

最原「ふーん…」ボタンポチッポチッ

エグイサル百田声『あーあー、テステス…』

最原「おおっ…」

王馬『何その機能めっちゃ面白そうじゃーん!』エグイサルに向かって叫びながら

エグイサル白銀声『地味に楽しいよね』

王馬『早く変わって変わって―!』

エグイサル星声『もうちょっと待っててね』

王馬『その声でその喋り方ww』

最原(やばい、楽しくなってきた…)

最原(それにしても本当に、何の為の機能なんだろ…)

最原(ただの遊びなのかな…?)

最原(一通り遊び終わった僕は、王馬くんと交代した)

最原(勿論、モノタロウも乗っている)

最原(ガシャガシャと基本動作した後、王馬くんもボイスチェンジャーで遊びだした)

エグイサル茶柱声『マイクテスト…』

最原(茶柱さんか…)

エグイサル茶柱声『実は転子、普通に男子が好きなんです!』

エグイサル春川声『…なにこれなにこれ!すっげー!たーのしーい!!』

最原「ぷふっ…、ちょっと…」

最原(茶柱さんまでは耐えられたけど、春川さんでつい笑ってしまった)

エグイサル最原声『真実は、いつもひとつ!』

最原「……」(真顔)

エグイサル赤松声『ちょっと最原くん、何で真顔なの?』

最原「いやだって、別に面白くなかったから…」

エグイサル星声『ねえオイラにも喋らせてよー』

最原「くっ…ww」

ーーー


王馬「あー、面白かったー」

最原「そうだね」

モノタロウ「楽しんでもらえたようで、オイラも嬉しいよー」

王馬「やっぱりロボットはああであるべきだよね」

王馬「キー坊とかロマンの欠片も無いし…」

最原「キーボくんも僕らが知らないだけで、実は凄い機能とかあるかもだよ?」

王馬「オレも最初はそう思って色々話を聞いてみたんだけどさ、『視力両目1.5』『力持ちの老人程度の腕力』『ドライヤー代わりの温風が出る吐息』『アロマ判別機能付き』『10徳ナイフ指』『録音機能(テープ)』『マスクに変形する詰襟』くらいらしいよ、キー坊に付いてる機能は」

最原「『ドライヤー代わりの温風が出る吐息』ってなんか嫌だね…」

王馬「キモいよねー」

モノタロウ「王馬クンよくそんなに色々覚えられるね」

王馬「まあオレ結構記憶力いいしね」

モノタロウ「オイラよく重要なこともうっかり忘れちゃうから、オイラも記憶力良くなりたいなあ」

モノタロウ「キサマラと友達だってことも、また忘れちゃうかもしれないし…」

最原(こっちは情報を抜くためにモノタロウに近づいたっていうのに、何だか申し訳なくなるな…)

最原(…エグイサルの情報も割りとベラベラ喋ってくれたけど、本当に友達だと思ってくれてるのかな?)

最原(それとも、エグイサルはモノクマーズが居ないと動かないからと、高をくくってるだけなのか?)

最原(まあ情報が得られるなら、どっちでもいいけど…)

王馬「まあ忘れちゃったらその時はまた、あることないこと教えてあげるよ」

モノタロウ「ほんと?わーい!」

最原(ないことも教えられるけど、いいのか…)

ー食堂ー


最原「じゃあ、そろそろお昼ごはん作ろうか」モノタロウ抱っこ

春川「…?」ドアガチャッ

春川「最原、あんた何やってるの?」

最原「あ、そっか、春川さんとは朝会ってないからね…」

最原「実はモノタロウと友達になったんだよね」

モノタロウ「うん、友達なんだよー」

春川「違う、私が言いたいことはそんなことじゃないよ」

春川「貸して」モノタロウを取る

最原「あっ」

春川「このサイズの子供を抱えるときは、こう」モノタロウを抱っこする

春川「さっきまであんたがやってたことは、ぬいぐるみでも扱ってる感じだったよ」

王馬「いやほぼそれ、ぬいぐるみじゃん」

王馬「ていうか気になるのそっちなんだ…」

さりげなく保育士アピールしてて草

保育士?!

最原「流石保育士さんだね」

春川「ちょっと、こんな物持ってたら危ないでしょ」手裏剣を取り上げる

モノタロウ「あ!オイラの手裏剣取らないでよ!」バタバタ

春川「じゃあ貸して、カド取るから」

春川「その間、代わりにこれあげるよ、いらないから」つごはんのつみき

モノタロウ「わーい」

王馬「それでいいんだ…」

モノタロウ「オイラ、今までエグイサルしか物を貰ったこと無いから嬉しいんだー」

モノタロウ「このマフラーは物心ついた時からずっと持ってたし…」

王馬「ロボットって物心とかつくの?」

キーボ「ロボットだって物心くらいつきますよ!」

王馬「居たんだキー坊」

キーボ「居ましたよ!」

春川「倉庫にヤスリ探してくる」モノタロウを降ろす

赤松「春川さんってやっぱり、愛が深いタイプだったんだね!」

春川「は?意味わかんない」

春川「もし私らに この手裏剣を投げられでもしたら危ないから、角取るってだけなんだけど」

赤松「うんうん、じゃあそういうことにしておくね!」

春川「なんなのあんた…」

赤松「そうだ!私もヤスリ探し手伝うね!」

春川「じゃあ行くよ」スタスタ

赤松「うん!」スタスタ

最原「ああ…、折角だから女子にお昼作ってもらいたかったのに…」

モノタロウ「じゃあオイラが作るよ」

王馬「作れるの?」

モノタロウ「うん、作れるよ!」

モノタロウ「孫の誕生日に買ってきたケーキを1人で食べるおばあちゃん風パスタとかどうかな?」

最原「何それ切ない」

王馬「おばあちゃんっぽい味がするの…?」

キーボ「僕には味覚が無いのでわかりませんが、恐らくほんのりしょっぱい味なのではないでしょうか」

キーボ「涙的な意味で」

王馬「ねえモノタロウってデザートとかも作れるの?」

モノタロウ「うん、作れるよー」

王馬「まじで?後で作ってよ」

モノタロウ「いいよ!」

王馬「いやー、どこかの小豆洗いロボットとは違ってハイスペックじゃん」モノタロウの頭よしよし

キーボ「む!ボクだってクックパッドを見ながらなら、デザートだって作れるはずです!」

王馬「はいはい、鉄屑の癖にクックパッド使えるなんてやるじゃん」

王馬「まあこの学園はネット環境無いから、意味ないけどね」アンテナぐりぐり

キーボ「やめて下さい!折れてしまいます!」

モノタロウ「よーし、じゃあ厨房に行こうか」トコトコトコ

モノタロウ「わー!どうしよう!」

モノタロウ「調理台が高くて届かないよー!」

最原「うん、知ってた」

王馬「ねえ、ロボットってみんなこんなにバカなの?」

キーボ「何でボクに訊くんですか」

最原「じゃあ僕が作るから、モノタロウは指示してくれないかな?」

モノタロウ「うん、わかったよ!」

王馬「じゃあオレが持ってあげるよ」モノタロウを抱える

キーボ「先ほどの春川さんのアドバイス全無視の抱え方ですね」

王馬「生き物相手じゃないんだし、抱えられたら何でも良くない?」

ーーー



最原「言われた分量通り入れたけど、ちょっと塩辛いね」

モノタロウ「おばあちゃんの涙分塩辛くしてるからね」

王馬「味に影響するほどの分量の涙って、それもう異物混入レベルなんだけど」

春川「はい、削り終わったよ」つ手裏剣

モノタロウ「わーい!」

赤松「それじゃあ春川さん、私達もお昼作ろっか」

春川「もうあんたは見てるだけでいいよ…」

春川「料理なんて得意じゃないけど、私が1人で作るから」

赤松「えっ、それは流石に悪いよ…」

春川「あんたが手伝うと、余計な仕事が増えるって分かってるからね」

最原「…なんか、2人はいつの間にか仲良くなってたんだね」

赤松「うん!」

春川「は?馬鹿言わないで」

ゲーム本編する前は赤松が春川の心を開かせると思っていました……なお

最原(悪態をつきながら春川さんへ厨房へ向かい、赤松さんが春川さんを宥めながら彼女についていった)

最原(なんだかんだ2人はバランス良さそうだけどね…)

<ガシャーン

<キャー!あっつーい!!

<だから触るなって言ったのに!ああもう!早く流水!!

最原「……大丈夫かな…」

王馬「2人がご飯作り終わるまで皿片付けに行けないね」

王馬「巻き込まれたくないし」

モノタロウ「オイラ心配だからちょっと様子を見に行ってくるよ」

モノタロウ「…オイラ、無事に戻ってこれたら、モノファニーにプロポーズするんだ…」

最原「モノタロウ、死亡フラッグ持ってるなら捨てなよ」

キーボ「モノタロウさん、最悪水没してしまうと思うので待機してましょう」

王馬「赤松ちゃん危険人物扱いされてるの笑うんだけど」

最原(その後、ふくらはぎに軽い火傷したらしい赤松さんと春川さんが戻ってきたのを見届けて、僕らは食器を片付けに厨房に向かった)

最原(食器の片付けが終わった後、モノタロウが王馬くんのリクエスト通りデザートを作ることになった)

最原(パスタを作った時と同じように、僕とキーボくんが作業をして王馬くんはサボってた)

最原(作り終わったサンデーを赤松さんと春川さんとも一緒に食べ、なんだか久しぶりに女子と楽しい時間を過ごせた気がする…)



ー13時50分ー


最原(そろそろ交代の時間だな…)

最原(モノタロウは…、まあ連れて行ってもいいか)

最原(どうせ僕らがあの部屋で見張りをしていることもモノクマーズには筒抜けなんだろうし)

最原「じゃあ僕らはそろそろこの辺で…」

赤松「うん!片付けは任せて!」

春川「あんたには任せられないってば」

赤松「…じゃあ、食器拭くのを手伝うよ」

春川「……まあ、それくらいなら…」

最原(大丈夫だよね…?)

割りとキリが良くなったので本日終了です、お疲れ様でした
次回から新スレでやっていきます
新スレを建ててから、こちらに新スレ誘導URLを貼ってからHTML化依頼を予定していますが、埋めてもらっても構いません
もし埋まった場合は、下記タイトルで次スレを探していただければなと思います

タイトルは『赤松「マッド赤松絶望の…」最原「安価でif1章その2」【ロンパV3】』でいきます
デスロードはもう本編であまり話題にはならないと思うので、タイトルから消えます
1スレ目ありがとうございました



>>972
モノタロウまじかわいい


>>981>>982
春川さんマジまるで保育士


>>988
ゲーム本編するまでは、初回特典絵の影響で、赤松ちゃん主人公春川さんヒロインだと思っていました(最原くんは黒幕と思ってました)
なお

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年04月11日 (火) 13:38:56   ID: AhvC8jl0

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