提督「チッ」大井「ふん」北上「アハハ」 (70)
提督
「(俺の名前はT、提督をやっている者だ)」
提督
「(最初は分からないことだらけの新米だったが、今では艦娘の数も100を越え、大戦力の一つとして数えられるようになった)」
提督
「(そんな俺にも、ひとつだけ悩みがあった)」
大井
「………………」
提督
「………………チッ」
提督
「(俺は、艦娘が苦手だ)」
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提督
「(何を考えている分からない。怖がられる。女しかいない)」
提督
「(酷くストレスが多い環境だ。最重要拠点のひとつの最高責任者、気の休まる暇もない)」
提督
「(特にこの、大井。こいつと数名の艦娘はことあるごとに俺に突っかかってくる跳ねっ返りだ)」
提督
「言いたいことがあるならハッキリと伝えたらどうだ」
大井
「はぁ? 私が提督に? 自意識過剰なんじゃないですか?」
提督
「………………」
提督
「(何度辞めようと考えたかも分からない。こいつらがいなければ戦えないとは言え、俺がそれの犠牲者になる必要はないと思っていた)」
提督
「(その度に初期艦である吹雪に説得されてきたが、もう限界かも知れない)」
提督
「なら何故俺の膝から離れない」
大井
「意味が分かりませんが」
提督
「(俺には、艦娘の考えていることが、分からない……)」
はい
苦手なら提督にならなきゃ良かったのにって突っ込んだら負け?
>>5
苦手な仕事だからって投げ出すのは社会のゴミだって習わなかったか……? 社長に……
提督
「(重い……クソ……これはなんの拷問だ……)」
大井
「………………」
提督
「……………………」
大井
「……そこ、間違ってますよ」
提督
「………………」
大井
「………………」
提督
「…………何なんだ。これになんの意味があるというんだ」
大井
「またですか。なんなんですか? うるさいんですけど」
提督
「俺の膝の上に座ってる意味が分からないんだ」
大井
「は?」
提督
「最近のお前は更に訳が分からない。そんなに俺を辞めさせたいのか」
大井
「辞めるってなんのことですか? ここからいなくなるんですか?」
提督
「待て。艦娘の力で首を絞められると本気で死ぬ」
大井
「自分だけ安全な場所に逃げるつもりですか。最低な奴」
提督
「……く……。それもこれもお前たちのせいじゃないか」
大井
「何がですか」
提督
「俺がよく分からないのを良いことに、引っ掻き回しているじゃないか」
大井
「………………」
提督
「とにかく、退いてくれ。仕事ができない」
大井
「嫌です」
提督
「………………はー……。分かった、そういうことだな。俺に仕事をさせない為の行動だった、と」
大井
「違います」
提督
「何が違うんだ。やはり、俺を辞めさせたいのだろう」
大井
「指輪ください」
提督
「…………指輪……? ……あ、あぁ、ケッコンカッコカリか? いきなりなんだ」
大井
「ください。ふたつ」
提督
「……なるほど、理解したぞ。指輪をつけて強くなりたいということだな。そうか、渡せというアピールだったのか」
提督
「だが、指輪はひとつしかない」
大井
「ならそれでいいです」
提督
「…………いや、それは……」
大井
「………………」
提督
「お前なら出来る。任せたぞ、大井」
大井
「それでいいんです」
提督
「(結局俺は大井に指輪を渡してしまった。何故だか、渡さなければ悪いことが起こりそうな気がしたからだ)」
提督
「(だが、この判断は間違いだったのかも知れない……)」
おやすみ
タイトルはあれだけど大井さんと北上さん優遇するだけで他艦娘とも絡みます
次の日
ガチャ
ドンッッッッッ!!!!!
提督
「(………………は?)」
金剛
「ヘーイ提督ゥー。指輪を頂戴ネー」
加賀
「もちろんくれるわよね?」
川内
「大井に渡して、私たちにはないってことはないよねー!」
提督
「(こいつら……そこまで戦力向上を目指していたのか……)」
提督
「悪い。あれはひとつしかないものなんだ。まだ試験段階で、量もない」
金剛
「………………なんで、大井には渡して、私たちにはないのさー?」
加賀
「…………」
川内
「…………」
提督
「(目が怖い……なんだ? 何が起きているんだ……?)」
提督
「そういわれてもな……。それは俺にどうこうできる件ではない。指輪が入手でき次第くれてやるから、待ってろ」
ガシッ
提督
「(いきなり、後ろから腕を捕まれた。誰だ……?)」
時雨
「……提督」
提督
「(ニッコリと笑っているが、俺にはそれが笑顔には見えなかった)」
提督
「待て。お前らは俺に何をする気だ?」
金剛
「怖いことはしないよ? でもネ、ズルいと思うんデース。私たちだって、提督から指輪を貰えるの、楽しみにしてたのに」
加賀
「…………」
川内
「だよねー」
提督
「(近付いてくる艦娘。怖い。俺は何をされるんだ……)」
時雨
「だから……約束してもらいたいんだ」
提督
「な、何をだ……?」
時雨
「一日一人10分。提督は、艦娘のやることに一切抵抗しない」
提督
「……!?」
提督
「な、なんだそれは? 俺は……何をされるんだ!」
加賀
「決まっているわ」
川内
「……夜戦、しよ?」
提督
「(俺は四人の空気に圧倒され、結局約束という名の脅しを呑んでしまった)」
提督
「(……夜戦ってなんのことなんだ……俺が艦娘に勝てるわけないだろう……)」
ガチャ
大井
「失礼します」
北上
「来たよー」
提督
「こんなときになんだ……チッ」
大井
「聞きましたよ。大変なことになっているって」
提督
「お前のせいじゃないか」
北上
「そう? 超がつく程の鈍感な提督が悪いんじゃないかなぁ」
提督
「どういうことだ……」
北上
「まぁ大井っちもどさくさ紛れになっちゃったのは悪いと思うけどねー」
大井
「ごめんなさい、北上さん」
北上
「嬉しそうに指輪を撫でながら言われてもなー」
提督
「お前はなんの話をして」
北上
「提督。10分間。抵抗しないでね」
提督
「なに……?」
キングクリムゾン!!!
ここってエロ禁?
ならこのままキンクリ
エロ禁みたいなのでキンクリ
提督
「北上……お、お前……」
北上
「残念、時間切れ。……でもさー、良いよね?」
提督
「どういうつもり、なんだ」
北上
「えー? これだけしても分からないの? それともさー……分からないふりしてるだけだったりして?」
提督
「……なん、だと?」
大井
「ダメですよ北上さん。提督はこれで本気なんですから。キスして気持ちよくしてあげるだけじゃ、わかるはず無いんですよ」
提督
「分かったぞ。今のを記録していたのだろう。残念だったな、俺はそれをばらまかれたとしても何ら怖くはない。これでも信用はあるんだ」
大井
「ほら」
北上
「アハハ、ダメだねこりゃ」
提督
「ふん、すぐに辞めてやるぞ。こんな鎮「は?」
提督
「ぐおっ!?」
北上
「……………………乙女にここまでされて、逃げ出すなんてさー。あり得ないよね?」ゴッ
提督
「何を……!」
大井
「好きなんですよ。皆、あなたのことが」
提督
「………………す、き?」
北上
「バカなんじゃないかなぁ。今まで皆ちゃんとアピールしてたのにさー。鈍感ってレベルじゃないよねー」
提督
「すき…………好き? 好意? ……ははっ、嘘をつくのが下手「黙れ」いたいっ」
北上
「……良いけどさ、向き合ってよ。いい加減。私たちと。ねぇ」
提督
「……嘘だ……嘘だ!! 俺は好かれてなんていない!! 散々嫌がらせをしてきただろう!!」
大井
「例えば?」
提督
「俺は食べられないと言っているのにおかずをどんどん乗せられた!」
北上
「食いしん坊勢からおかず分けられたって、不器用なアピールだよねー」
大井
「むしろ食事に妥協しない人たちから料理を分けられるって、超が付くほど特別に想われてますよ?」
提督
「なっ……ぐっ! 休みの日はあっちこっちに引きずり回された! 俺に休日など無い!!」
大井
「100を越える艦娘を保有してて、かつその殆どから慕われてるあなたがそうならない方がおかしいかと」
北上
「嫌なら断れば良いのに」
提督
「断れるわけ無いだろ!! あんな脅しをかけられては!」
北上
「っていうか、ただのデートだよねー」
提督
「で、でで……デート!? ……そうだ! 酒の席に無理矢理連れていかれた! 俺は酒なんて飲まないのに、いつもいつも介抱を……便利な何かだと思われてるんだ!」
大井
「普段は他の子に譲ってるから夜くらい、って人も多いですよ。お酒が無いと派手なアピールが出来ないって人も」
提督
「…………いきなり廊下で襲われるぞ……?」
北上
「あーそれねー。提督分が切れるとそうなるみたいだよー」
提督
「提督分ってなんだ!?」
大井
「大変なんですよ? 獰猛になる人が多いんですから」
提督
「…………………………駆逐艦! 駆逐艦は俺を怖がっているぞ!?」
北上
「そりゃそうでしょー。提督、近づくなオーラ全開だもんねー。軽巡以上はあれでも、流石にねー」
大井
「でも提督が慕われる理由……あなたはまったく分かってないみたいですね」
提督
「嘘だ……そんな、バカな話……」
北上
「まぁそんな訳でさー。諦めなよ?」
提督
「………………う、嘘を……」
大井
「ん」チュ
提督
「んな」
大井
「嘘でも嫌いな人にはこんなことしません」
提督
「………………………………」
北上
「黙っちゃったよ」
大井
「ここにきてようやく自分の価値観が間違っていたことを突き付けられた訳ですから、仕方ないですよ」
提督
「……俺は……勘違いしていたのか……あれも、あれもそれも……好意から……!?」
北上
「確かに回りくどいのもいくつかあったかもしれないけど、ほとんどは分かりやすいと思うんだけどねー」
提督
「……未だに信じられん……」
大井
「分かりやすい方法がありますよ」
提督
「なんだ?」
大井
「放送で「一番始めに俺を捕まえた艦娘とケッコンカッコマジをします」とでも言えば、ここが戦争状態になりますね」
提督
「戦争状態!?」
大井
「間違いなく、明日までには鎮守府は消えてなくなりますね」
提督
「………………ふ、ふん! やはりお前は嘘をついている! そんな話があるものか!」
大井
「お試しになりますか?」
提督
「チッ! や、やってやる……!」
大井
「そうですか……残念ですが、命を賭けて頑張ります」
北上
「そうだねー。久々に……本気でやるよ」
提督
「………………」
キンクリの使い方がヘタクソ過ぎて内容がわからん
『……あー……俺だ』
『明日、一番早く……俺……の、隠した物を見つけた者に、一日俺とデートをする権利をやろう』
『もしそんなものはいらない者は、本日中に名乗り出れば間宮の券を渡す』
『え、なに? ……えー、艦装をつけることは禁じる』
『以上。ヒントは明日出す。これは余興である』
>>31
君が一番北上さんにされて喜ぶこと+キスとでも考えれば幸せになれるよ
提督
「ふ、ふふ……どうだ? これでお前らの嘘は暴かれるぞ! はは! ハハハ!!」
北上
「ヒヨったねー」
大井
「怖いんですね」
提督
「うるさいぞ! クソ! あぁ……こんなことに間宮券を大量消費してしまうなんて……」
大井
「そんなに言うなら、間宮券消費分は私たちが補填しますよ」
提督
「なに?」
北上
「ただし。もし間宮券を貰いに来た人が10人以下だった場合は……私たちと一日デートしてもらいますよ。もちろん報酬とは別枠で」
提督
「何を言い出すかと思えば……ふふん、良いさ。俺にはなんの不利益も無い提案だ」
北上&大井
「……」ニヤッ
おやすみ
なんで提督は頑なに嘘だと思いたがってるの?
>>35
宗教にはまった信者の心境みたいなもん
次の日
提督
「……まさか……明石と大淀以外は全員参加とはな」
北上
「だと思ったよねー」ペロペロ
大井
「私たちは知ってましたけどね」ペロペロ
提督
「くくく……! この……! 舐めるな……!」
大井
「まだ認めないつもりなんですか?」
提督
「認めんよ……デート券とは言え、本当にデートするとは限らんのだ。デートと称して俺に金を使わせたり、引きずり回すつもりなんだろう!」
北上
「あのさー。提督、本当にそう思ってるの? 堅くなだねぇ」
大井
「提督の過去に興味が出ますね、これ」
提督
「やめろ……思い出させないでくれ……」
北上
「えー? 教えて欲しいなー」ピチャピチャ
大井
「教えて……ください……」フッ
提督
「くぉぉ!! …………俺には……四人の姉がいるんだ……」
北上
「おお子沢山だねぇ」
提督
「女が強い家の末っ子で家で唯一男子……それはもう地獄日々だった!」
大井
「それは……」
提督
「おはようからおやすみまで、俺に休まる日なんてあろう筈もない……まるで奴隷が如く仕事をさせられ、時おり意味の無い暴力が俺を襲う!!」
北上
「あー……何て言うか……」
提督
「風呂にはいきなり入ってくるわ成長記録だとか言われて毎月素っ裸の写真を撮られるわ休みの日は全員の買い物に付き合わされるわ服は持ってかれるわ夜はベッドが狭いわ!!」
北上
「(ん?)」
提督
「休まるのは学校だけだった……俺の唯一の安全地帯……遅くなれば折檻され、勝手に遊びに行けば説教される」
提督
「ふ……まるで牢獄だったよ……」
提督
「しかも女ってのは表の顔を作るのが上手い。姉とは言え、何度それにだまされたかも分からんよ……」
大井
「(想像以上に過酷な生活だったのね……)」
北上
「そこまでならさ、なんでここに来たの?」
提督
「騙されたんだよ……。今でも忘れん……」
大将
『世界を救う任務だ。君のような有能で、相手の気持ちが分かる人間が必要なのだよ。大丈夫、君なら絶対に出来る仕事だ。やってくれるかね? ……なんてかたっくるしいのはここまでにして、女嫌いなのは知ってっけど、安心しろ。人間の女はいねぇから。ちょっと面倒くせぇ荷物はあっけど、お前ならできるから』
提督
「あんのクソ親父ィ……!!」ギリッ
北上
「そういえば、親戚なんだっけ?」
提督
「母さんの妹の旦那だよ……。俺はな! あのクソ親父に誘われた時に、男しかいない職場だって言われてたんだよ!! 何が人間の女はいないだふざけやがって……!!」
提督
「……はぁ……今さら言っても詮がない……。そういうわけでだ、未だに艦娘に嫌われているので移転願いを出そうとしたというわけだ」
北上
「ま、それは却下だけどね」
提督
「く……なんてことだ……」
大井
「私たち、まだ提督のことをよく知りませんでした。ごめんなさい、提督」
提督
「いや、謝る必要は……。こちらこそ申し訳ない……お前らが嫌いなわけではないんだ……」
大井
「提督……」
提督
「女は笑いながら俺を虐める、そういう認識しかなくてな……。お前らへの態度も悪くなってたような気がして、よりいっそう申し訳ない。だが、だからこそお前ら艦娘に好かれているなどと、絵空事にしか感じん」
北上
「んー、重症だねぇ……少なくとも、私たちは提督に酷いことなんてしないよ? だって、愛してるから……指輪欲しいな」
大井
「北上さんにも指輪を渡して、二人とも愛してください」
提督
「くっ……愛しかたなどわからんと言うに……! これすらも虐めの一種に感じてしまう……!」
大井
「あ、提督。そろそろ時間ですよ」
提督
「本当だ……降りてくれ」
『それでは、そろそろ開始の合図をする』
『物を見つけたら持って来い、正否の判定をする』
『それでは隠した物のヒントを三つやろう』
『1、俺はこれをたまに手に持っている』
『2、ここの鎮守府で持っているのは俺だけだ』
『3、俺はこれについては自信がある』
『ヒントにならなかったかも知れないが、頑張ってくれ。昼を過ぎてもまだ正解者がいなければ、追加のヒントを出す』
『これは余興である。怪我などの無いように』
おやすみ
余興である
↓1~5までで正解者がいたら安価で何か書きます
寝る前に覗いてみたら……お前ら……
俺はガッカリだよ……
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