小梅「は、始まりました…SCP紹介ラジオ…第2回目、です…」
小梅「この番組は…SCP Foundationという創作サイトの中から、私…白坂小梅がSCPを紹介していく番組、です…そして…?」
幸子「カワイイボクこと、輿水幸子が小梅さんのお話を皆さんと一緒に聞く番組です!」
小梅「放送、大丈夫だったね…よかった…」
幸子「まさかハムスターに目を食べられる演技をラジオで放送することになるとは思いませんでしたよ…」
小梅「放送時間を、深夜にしておいて、正解…だね…」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491048812
幸子「さて!今日はゲストが来ているんですよ!」
小梅「ど、どうぞ~」
美穂「皆さんこんばんは!小日向美穂です!今日はよろしくね、幸子ちゃん、小梅ちゃん!」
幸子「よろしくお願いします!」
小梅「よろしく~…」
幸子「美穂さんは、SCPを知ってるんですか?」
美穂「うーん…実は全然知らないんだ…一応、スタッフさんにどういうものか簡単に説明してもらってはいるんだけど…」
小梅「スタッフさん…なんて言ってた?」
美穂「えっと、SCPは不思議な力を持ったもので、いくつか分類分けされてるってこと…くらいかな?」
幸子「あぁ…これは何も知らされずに驚かされるパターンですね…」
美穂「SFとか、おとぎ話みたいなものかと思ってたんだけど…もしかして違うの?」
小梅「き、聞いてみれば、分かるよ…ふふっ」
小梅「じゃあ、さっそく紹介していくね…」
小梅「SCP-2295 - The Bear with a Heart of Patchwork (パッチワークのハートがあるクマ) Object Class:Safe」
http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-2295 Anak ko作
美穂「わぁ、かわいいぬいぐるみだね!」
幸子「む…確かに可愛いですね…(前回がアレだったので油断はできませんが…)」
小梅「SCP-2295は、見た目通り、パッチワーク…いろんな布をはぎ合わせて作られた、クマのぬいぐるみだよ…」
小梅「外側の生地も、中身の詰め物も…普通の人形に使われてる材料と、変わらないんだ…」
小梅「見た目の特徴は、左胸に心臓型のピンが留めてあるよ…」
幸子「ハートじゃなくて、リアルなほうの心臓なんですね…」
小梅「SCP-2295は、普段はただのぬいぐるみなんだけど…臓器に損傷がある人が近づくと、活性化するんだ…」
美穂「損傷…内臓の病気とか、怪我してる人ってこと?」
小梅「うん…2m以内に入ると、動き出して…自分の口から、ハサミと白い糸、縫い針、鉤針編み用のフックとかを出して、それで生地と詰め物を材料に、臓器を作るんだ…」
美穂「く、口からハサミ…!?このクマさん、体の中にハサミをしまってるの…!?」
小梅「多分、元からは入ってない…と思う…生成してるって、書いてあるし…材料が近くにないときは、自分の体を材料にして、臓器を作るんだって…」
幸子「つまり、内臓のぬいぐるみを作るってことですか?」
小梅「そう…作られた臓器は、SCP-2295-1って分類されてるよ…」
小梅「その臓器は、近づいた人の損傷した臓器と同じ部分で、作り終わったら、ふっと消えちゃうんだ…同時に、近づいた人の意識が無くなるよ…」
小梅「その後、異常な手段で、その人の臓器とぬいぐるみの臓器が、置き換わるんだ…」
美穂「い、異常な手段…聞かない方がいい気もするんだけど、どんな方法なの…?」
小梅「…く、詳しくは書いてないから、分からないけど…多分、あんまり痛くない方法なんじゃないかな…?このSCPは友好的、みたいだし…」
幸子「友好的…もしかして、損傷した内臓の代わりに、新しい臓器に入れ替えようとしてるんですか?」
小梅「うん…置き換わったぬいぐるみの臓器は、どういうわけか、その人の体の中で、正常に機能するよ…」
小梅「血管も、組織も、ちゃんと繋がって…合併症もなくて、拒絶反応が出たこともなくて、その人は完全に回復するんだ…」
美穂「ぬいぐるみのお医者さんなんだね!この子が実際にいたら助かる人も増えるのに…」
小梅「いくつか、実験ログも紹介するね…」
対象:D-2353、38歳
診断:25年間の喫煙による肺への重大なダメージ
注記:SCP-2295は、黒の織物見本1枚と赤の織物見本1枚からSCP-2295-1を作成した。新しい’肺’は、健康な成人男性の肺と同様の容量で機能した。
対象:D-7894、24歳
診断:上半身・左脇腹・右足に及ぶ第一および第二度の火傷。実験中、D-7894は鎮静された。
注記:SCP-2295は5m×5mのパッチワーク生地を2つ縫い上げた。SCP-2295は布地を適切な大きさに切り取り、対象の火傷した部位に手動で一枚貼り付けることで複数のSCP-2295-1実体を作成し、この過程を繰り返した。
作成されたSCP-2295-1の層は真皮および表皮として機能し、回復時にD-7894は置き換えられた’皮膚’にも感覚があると主張した。対象は完全に回復した。
対象:D-2723、18歳
診断:脳出血
注記:SCP-2295は約1分間、苦しんだ様子で周囲の材料を掻き集めた。SCP-2295は、その後、???????社製ダヴミルクチョコレートのキングサイズ・キャンディバーを異常に生成し、対象に提供した。
SCP-2295は実験終了まで、’目’から生理食塩水を異常生成しながら、対象の右足首に縋りついていた。
幸子「すごいですね…材料はぬいぐるみと同じなのに、完全に治療できてるんですね…」
美穂「でも、なんでも治せるってわけじゃないんだね…脳は、置き換えたりできないからかな…」
小梅「お菓子を出して、泣きながら縋りついて…きっと、ごめんねって、言ってるんだろうね…」
小梅「このSCPは、大破した郵便配送車両の中で見つかったんだけど…そのときに、手紙が張り付けてあったんだ…」
小梅「お見舞いのカードで、表紙に「クマのカイロスくん」って書いてあったよ…内容も載せておくね…」
トミーへ
全ての傷を癒す事が出来るのは、時間だけだから
愛をこめて
おばあちゃんより
幸子「…おばあちゃんが、トミーくんに送った人形だったんですね」
美穂「大破した郵送車両から見つかったってことは…事故か何かで、トミーくんの元には、届かなかったんだね…」
小梅「病気になったお孫さんへの強い思いが、ぬいぐるみに宿って…SCP-2295になったんじゃないかなって、思うよ…」
小梅「じゃあ…次のSCP、いくね…?ふふっ…」
小梅「SCP-1048 - Builder Bear (ビルダー・ベア) Object Class: 元Safe 現Keter」
http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-1048 Researcher Dios 作
幸子「またクマのぬいぐるみですね、今日はクマ特集なんですか?」
小梅「うん...ゲストが、美穂さんって聞いてたから…ぬいぐるみ、持ってるんだよね?」
美穂「うん!プロデューサーくんって名前なんだけど、ふかふかで可愛くてお気に入りなんだよ!」
小梅「も、もしかしたら…その子も、SCP、だったりするかもしれない、ね…?」
幸子「もしそうだったら美穂さんの命が危ないですよ…」
美穂「えっ…どうして?さっきのクマさん、そんなに危なくなかったと思うけど…」
幸子「むしろさっきのが例外で、SCPは基本危ないのばっかりですから…それに小梅さん、このSCP、クラスが何かおかしくないですか?」
小梅「幸子ちゃん…SCPのこと、分かってきたみたいだね…」
小梅「SCP-1048は、最初の頃は安全だと思われてて、Safeクラスだったんだ…」
小梅「普通のテディベアとの違いは、見つからなかったんだけど…歩いたり、仕草でコミュニケーションをとったりできるんだ…」
小梅「その仕草がとってもかわいいみたいで、足に抱き着いたり、ダンスしたり…スタッフに子供の絵を描いたり…」
小梅「財団の職員や、スタッフ…Dクラス職員も、SCP-1048と交流した全員が、好意的な反応を示すよ…」
美穂「人懐っこいクマさんなんだね…やっぱり危険なようには思えないけど…」
小梅「収容されてから、7か月の間は…ただの動くテディベアだと思われてて、サイト24…職員が仕事をしてるところを、閉じ込めたりせずに、自由に歩かせてたんだ…」
小梅「でも…事件が起こったんだ…」
幸子「い、嫌な予感がします…」
小梅「ある日、サイト24の中で、SCP-1048に似てる形のテディベアが見つかったんだけど…それは、全身が…人間の耳で、作られてたんだ…」
美穂「み、耳!?」
幸子「たくさんの耳の塊のテディベアってことですか!?」
小梅「うん…この個体は、SCP-1048-Aって呼ばれてるよ…」
小梅「発見された時は、SCP-1048も一緒にいたんだけど…目撃者が言うには、SCP-1048-Aにサイト24を案内してるみたいだったって…」
小梅「すぐに捕まえようと、したんだけど…SCP-1048-Aが甲高い金切り声を上げて、10m以内にいた人の耳と目に激しい痛みを与えたんだ…」
幸子「…それで、捕まえられなかったってことですか?」
小梅「うん…その後も目撃情報は、あるんだけどね…」
小梅「さっきの金切り声…10m以内だったら、痛みだけで、済んだんだけど…」
小梅「5m以内にいた人は…体から、耳の形の腫瘍…つまり、全身から…いっぱい耳が生えてきて、たった20秒で、全身耳だらけに、なっちゃったんだ…」
美穂「…うっ…うぇっ…」
幸子「み、美穂さん!大丈夫ですか!?」
美穂「だ、大丈夫…ちょっと、想像しちゃって…」
小梅「それでね…全身耳だらけになった人は、全員3分以内に死んじゃったんだけど…検屍の結果、口と気管が、耳で覆われて窒息したのが原因だったんだ…」
幸子「外側だけじゃなくて、体の中にも生えてきたんですね…」
小梅「この事件の直後に、片耳だけ無くなってる研究員が、見つかったんだ…」
小梅「寝てるあいだに、未知の方法で切り取られたらしいんだけど、目撃者がいないから、詳しくは、わかってないよ…」
小梅「他に、耳を切られた人がいなかったから…遠くにいる誰かの耳が使われたのか、その研究員の耳を複製して使ったのかも、不明だよ…」
幸子「き、狂気の塊のようなSCPですね…」
小梅「7か月間は、ただの動き回るかわいいテディベアだって、思われてたのも…引き立ててる感じがして、いいよね…♪」
美穂「ぜ、全然よくないよ…」
小梅「ふふっ…じゃあ、次の事件、ね…」
幸子「ま、まだあるんですか!?」
小梅「その後、また別の似てるテディベア…SCP-1048-B、が発見されたんだ…」
小梅「動き方が不自然でぎくしゃくしてて…目撃者によると、SCP-1048-Bの中に別の何かがいるみたいだったんだって…」
小梅「最初は、特に反応しなかったんだけど…急に、身体のつなぎ目から…人間の幼児に似た手と腕を伸ばしてきたんだ…」
小梅「悲鳴を上げた目撃者が、SCP-1048-Bに、[データ削除]されたりで…目撃者も一緒に、セキュリティチームに[データ削除]されちゃったんだ…」
美穂「み、耳の次は子供の腕…ま、まさか…」
小梅「気付いた…?そう、発見された3時間後、オフィスで倒れてる女性の博士が見つかったんだ…」
小梅「博士は出血して…中絶処理されてて、妊娠8か月のお腹の赤ちゃんが、消えてたんだって…」
小梅「SCP-1048が、SCP-1048-Bを作るのに、その赤ちゃんを使ったんじゃないかって、言われてるよ…」
美穂「…あぅ」ドサッ
幸子「み、美穂さんっ!」
小梅「あっ…」
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幸子「えー…美穂さんは体調不良のため、急遽医務室に運ばれました…」
小梅「ここからは、二人で続けていくね…もうそろそろ、終わりなんだけど…」
幸子「…ほんとに大丈夫なんですかこの番組…」
小梅「し、深夜番組だから…ぎりぎり…」
幸子「深夜番組って言葉は免罪符にはなりませんよ…?」
小梅「えっと…ほかにももう一つ、SCP-1048-Cっていうのもいて…錆びた金属のスクラップでできてるよ…」
小梅「人間を材料には、してないんだけど…追跡中に、何人も攻撃してる…極めて暴力的、みたいだよ…」
小梅「SCP-1048-Bは、見つけた時に…多分、終了されちゃったけど…オリジナルとAとCは、今もまだ、収容できてないんだ…」
これはジョークではない。SCP-1048が持つ力の全容が解明されたわけではないのだ。
いまいましいアレがこれまでどれだけ生み出されたのか、だれがわかるんだ?─ Carver博士
小梅「こ、これでSCP-1048の紹介は終わりだよ…」
幸子「どうするんですか…美穂さんショックで倒れちゃいましたよ…?」
小梅「一応、ホラー番組ってジャンルになってるから…でも、これからはゲストのときはもうちょっと、怖くないSCPにしたほうがいいかも、ね…」
幸子「ボクだったら怖くて倒れてもいいんですか…」
小梅「だ、だって、幸子ちゃんだし…」
幸子「ボクの扱い酷すぎません!?」
小梅「お相手は…白坂小梅と…」
幸子「えっこの流れで終わらせるんですか!?こっ、輿水幸子でした!」
小梅「ば、ばいばーい…」
終わり
おまけ
美穂(作り話だって、分かってるのに…プロデューサーくんを見るのが怖くて、寮にも戻らずに卯月ちゃんの家に来ちゃった…)
美穂「ごめんね卯月ちゃん、急に押しかけちゃって…」
卯月「いえいえ、久しぶりに美穂ちゃんとお泊りできて、楽しいです!でも、何かあったんですか…?」
美穂「じ、実は…恥ずかしいんですけど、今日のお仕事で、小梅ちゃんの怖いお話を聞いちゃって…」
卯月「あっ…し、しょうがないですよ!小梅ちゃんのお話、すっごく怖いですし!」
卯月「ほら、今日はもう寝ちゃいましょう!私と美穂ちゃんと、プロデューサーくんの3人で!」
美穂「…え?」
今度こそ終わり
後日、小梅ちゃんと美穂ちゃんに謝りに行きました。
Pは事務所の偉い人に謝りに行きました。
おととい見た夢の中でスク水を着ていました。
なぜか温かかったです。
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