曜「スクールアイドル部でーす……」 (12)

曜「……大人気、スクールアイドル部でーす…………」

千歌「はぁ……」

曜「全然だね……」

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千歌「……ん?わぁ!」


花丸「キャッキャウフフ」

ルビィ「キャッキャウフフ」


曜「……美少女?ぅわぁたっ!」

千歌「あのっ!」

花丸「はぅわぁっ!」

千歌「スクールアイドル、やりませんか?」

花丸「ずらっ!?」

千歌「ずら?」

花丸「……っ!い、いぇ……」

千歌「だいじょうぶ、悪いようにはしないから!」

千歌「あなたたちきっと人気が出る!間違いない!」

花丸「うぅ……でもマルは……」

千歌「……さっ!……ささっ!」チラッチラッ

ルビィ「!!」

千歌「興味あるの!?」

ルビィ「ライブとか、あるんですか!?」

千歌「ううん、これから始めるところなの!だから、あなたみたいなかわいい子に是非!」

ルビィ「……!!!!??」

花丸「ずらっ」ジト目

千歌「?」

ルビィ「ピギャアアアアアアアアアアアア!!!!!!お、おねいちゃああああああ!!!!!」

曜「うわあっ!!」

花丸「ルビィちゃんは究極の人見知りずら」

ドサッサッ



善子「きゃああああああ!!!!?」


千歌「!!?」

ルビィ「!!?」

曜「!!?」

花丸「!!?」


ドゴォォオオッ

善子「……ううううぅぅぅ……あし…………」



ゴンッ


善子「ぐゎぁっ」


ボキッ



ツー--------


ダラァァァ

翌日の新聞には「少女の事故か?天使の堕天か!!?」との見出しで
三面記事の片隅に小さく掲載された。

ただの事故であって欲しいと思っていた。
だが彼女の広がった手が不思議なぐらい天を指し示していた。
その様子を見た人々が堕天使の降臨と思ったのも無理からぬ話かもしれない。

櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる。
その言葉通り、美少女の天使様は落下した場所に土葬された。

とても不幸な事のはずなのに、三本指のピースで至福の表情で安らかにしていた。
誰もが幸せな結末を迎えたとしか思えない光景。

そんな彼女に置き去りにされた私がいる。

三本指のピースにジャンケンで勝っているのはオラずら……グーはマルずら……
そんな妄想が頭をよぎる。

スクールアイドルの勧誘なんて来てほしくなかった。
私は閉じたグーで、ジャンケンに勝っていれば満足だったのだ。

だから今日も私の手は固く握りしめている。

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