小梅が幸子にSCPを紹介するSSです。
幸子「SCP?」 小梅「…うん」
幸子「SCP?」 小梅「…うん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489851800/)
の続きですが、読まなくても多分大丈夫です。多分。
紹介とともにリンクを見るとわかりやすいかもしれません。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490454205
小梅「は、始まりました…SCP紹介ラジオ…第1回目、です…」
小梅「この番組は…SCP Foundationという創作サイトの中から、私…白坂小梅がSCPを紹介していく番組、です…そして…?」
幸子「カワイイボクこと、輿水幸子が小梅さんのお話を皆さんと一緒に聞く番組です!」
小梅「番組に…なっちゃった、ね…」
幸子「なっちゃいましたね…どうしてこうなった状態ですよ…」
小梅「ちょっと前…幸子ちゃんに、好きなSCPを紹介してたんだけど…」
幸子「それをプロデューサーさんに見られていて、『こりゃいけるんですけど!』とか叫びながらこの企画が決まったらしいです…」
小梅「プロデューサーが、いろんなSCPを知りたいって…思ったのと、話を聞いてる時の幸子ちゃんのリアクションがよかったから…って理由らしい、よ?」
幸子「えぇ…まぁ確かにホラー映画の感想よりは反応しやすいとは思いますが…」
小梅「…あ、まずはSCPについて少し、説明しておくね…?」
幸子「ボクは前回聞きましたが、この番組は第1回目ですからね!カワイイボクと小梅さんの声を聴きに来た方達に楽しんでもらうには、説明が必要ですね!」
小梅「SCPっていうのは…異常な性質を持った、物、場所、概念…いろんなもののこと、だよ…」
小梅「SCPが存在する世界は…SCP財団っていう組織が、世界の安全を守るために…人類を保護するために、SCPを収容してる…って設定なんだ…」
幸子「SCPは、確保、収容、保護という意味の、Secure.Contain.Protectの頭文字からSCPと呼ばれているそうですよ」
小梅「SCPは、大きく3つのクラスに分けられていて…Safe(セーフ)、Euclid(ユークリッド)、Keter(ケテル)があるよ…」
幸子「Safeが一番安全、Keterが一番危険ということらしいんですが、以前聞いたSCPはSafeだったのに大分物騒なものでした…」
小梅「主な基準は…収容のしやすさと危険度、だからね…ちゃんと管理できるものだったら、Safeクラスだよ…」
幸子「見られたら夜中に無数の手に殴り殺されるものがSafe扱いですからね…リスナーの皆さんも、油断しないでくださいね?」
小梅「見られないように収容できるから、安全…ふふっ」
幸子「だからなんで嬉しそうなんですか…」
小梅「じ、じゃあ…紹介、始めるね…今回は、2つ紹介するよ…まずは、これ…」
小梅「SCP-173 - The Sculpture - The Original (彫刻 - オリジナル) Object Class: Euclid」
http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-173 Lt Masipag 作
幸子「で、出ましたね…SafeじゃないSCPが…!」
小梅「幸子ちゃんは、まだSafeのSCPしか、知らないもんね…」
小梅「このSCPは、一番最初に考え出されたSCPなんだ…」
幸子「これが、創作の原点というわけですね…夢に出てきそうな、不気味な姿です…」
小梅「うん…だから、SCPの中でも、一番有名だと思うよ…」
小梅「SCP-173は、コンクリートと鉄筋でできてる、生き物だよ…」
幸子「コンクリートと鉄筋なのに生きてるんですか!?」
小梅「しかも、人間に対してすごく敵対的なんだ…すごい速さで近寄ってきて…首を絞めたり、押し潰して切断しようとしてくるよ…」
幸子「く、首を…押し潰して…切断…」
小梅「刀とか、チェーンソーみたいに切るわけじゃないから…首の骨が折れる、すごい音が…聞こえるんだよ♪」
幸子「殺意に満ち溢れてるじゃないですか!そして小梅さん楽しそうですね!!」
小梅「こういう殺し方は…ゾンビとか、人間にはできないから…ふふっ」
幸子「ふふっ、じゃないですよもう…財団の人たちもよくこんなの捕まえられましたね…」
小梅「えっとね、SCP-173は…もう一つ、大きな特徴があるんだ…」
幸子「特徴、ですか?」
小梅「SCP-173は、誰かに見られてる間は、全然動けないんだ…だから、誰かがじーっと見つめてれば、運んでくることも、できるんだ…」
幸子「…つまり、だるまさんがころんだ、みたいな感じなんですね…」
小梅「そう…だから、その間にコンテナに運び込んで、閉じ込めてるんだ…これが、SCP-173の収容方法、だね」
幸子「と、とりあえず閉じ込められたならよかったです…一度閉じ込めてしまえば出られないなら、もう安全でしょうし」
小梅「…残念、でした」
幸子「えっ」
小梅「財団職員は…定期的にこのコンテナの中を、掃除しないといけないんだ…」
幸子「掃除!?なんでこんな危ないSCPのいるところを掃除しないといけないんですか!汚れたってほっとけばいいじゃないですか!」
小梅「幸子ちゃん…この写真の床に溜まってる、赤黒いものはね…SCP-173から出てきた、排泄物と血液なんだ…」
幸子「は、排泄物…血液…?」
小梅「つ、つまり…うn」
幸子「わあああああ小梅さん!!ボクたちアイドルですから!言葉にしたらいろいろまずいですから!!」
小梅「分かってる、よ…?慌てる幸子ちゃんが、見たかっただけ…♪」
幸子「やめてくださいよほんとに…ただでさえ内容がえぐいんですから…」
小梅「それでね…?そのまま放っておくとどんどん、それがコンテナの中に溜まっていって…コンテナの中が、いっぱいになっても出続けて…どうなると思う…?」
幸子「そ、そんなに出るんですか…多分、コンテナの壁が…あっ」
小梅「そう…コンテナが、壊れちゃうよね?壊れてできたコンテナの隙間から、大量のそれとSCP-173が…出てきちゃうよね?」
幸子「な、なるほど…そのための掃除なんですね…でも、じっと見つめてれば動かないんですよね?掃除する人と見つめてる人が一緒にコンテナに入れば大丈夫なんじゃ…」
小梅「うん…でも、どんな人でも、一瞬たりとも見逃さずに、なんてできない…よね?」
幸子「まぁ、確かに…でも、掃除が終わる間くらい…」
小梅「瞬きも、しないで…?」
幸子「あっ…って瞬きもダメなんですか!?」
小梅「どれくらいの速さで動けるのかは、分からないけど…SCPのゲームだと、瞬き1回の間に…10メートルくらいは、近づいてきてたよ…?」
幸子「コンテナの中でその速さだと…一度動かれたらもうアウトですね…」
小梅「ふふっ…だから、掃除のときは3人以上で入って、2人は呼びかけあいながら…瞬きの瞬間が重ならないように、見つめ続けなくちゃいけないんだ…」
幸子「命がけの掃除ですね…」
小梅「そうだね…だから、Euclidクラス…収容はできてる、けど…決して安全とは、言えない…Euclidは、そんなSCP達が分類されてるんだよ…」
小梅「ふぅ…これで、SCP-173の紹介は終わり、だよ…どうだった…?」
幸子「以前聞いたSCPのときよりも、ずっと疲れました…これよりさらに上のクラスがいるとかもう想像できないですよ…」
小梅「クラス分けは…収容の難しさも、あるんだけど…性質の内容、とか、被害によっても、決められるんだ…」
小梅「だから、SCP-173よりも収容自体は簡単だけど…KeterクラスのSCPも、いるんだよ…?」
小梅「つ、次は…そんなKeterクラスを、紹介するね…」
小梅「SCP-1616 - Nibbles (カリカリくん) Object Class: Keter」
http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-1616 原著者不明
幸子「…あれ?なんだか可愛いのが出てきましたね…」
小梅「うん…ハムスター、可愛いよね…和訳の名前も、可愛いし…カリカリくん…」
幸子「まぁボクほどではないですけどね!」フフーン!
小梅「動物とも張り合っちゃう幸子ちゃん…カワイイ…」
幸子「い、今はボクのカワイさは一旦置いといて…こんなハムスターがKeterなんですか?もっと怖そうなのを想像してたんですが…」
小梅「一応、遺伝子的にも、普通のハムスターなんだ…異常な特性が、あるだけで…」
幸子「…つまりその異常な特性が問題なんですね…」
小梅「SCP-1616は、普段の行動も、普通のハムスターとほとんど一緒なんだ…」
小梅「でも、その異常性は…食物の接種、ごはんのときに、現れるんだよ…」
小梅「SCP-1616は…目に見えたものを、口を付けずに、食べることができるんだ…」
幸子「口を付けずに…ですか?」
小梅「そう…例えば、ライラさんが食べようとしてるアイスを、遠くから見てるだけで、食べられちゃうんだ…」
幸子「その例えはライラさんがかわいそうなのでやめましょうよ…」
小梅「ふふっ…でね?SCP-1616の頬袋は、口の中に入れたものの大きさに合わせて、大きくなるんだけど…100kgのゾウの子供とかでも、口の中に入れられちゃうんだ…」
幸子「ぞ、ゾウ!?動物のゾウですか!?そんなでっかいものが小さいハムスターの口の中に入るって…頬袋が広がるってレベルじゃないですよ…」
小梅「だね…ほとんど、広がった頬袋しか、見えなくなっちゃうんじゃないかな…もちろん、それで頬袋が破れたり、傷ついたりはしないよ…?」
小梅「口の中に入れたものは、もぐもぐして食べるんだけど…有機物なら、木以外は、なんでも食べるみたい…無機物が口の中に入ったときは、ぺっ、て口から出して、食べないんだって…」
幸子「食べられるものは、なんでも食べちゃうんですね…つまり、このSCPに見られたら、いつ食べられてもおかしくないと…」
小梅「そういうこと…でもね?目に見えたものっていうのは…その場にあるもの、だけじゃないんだ…」
幸子「ど、どういうことですか…?」
小梅「写真とか、イラストに写ってるものも…食べることができるんだよ…?写ってるものが、どこにあるとか、関係なく…ね…」
幸子「そ、それってつまり、このSCPが、人が映ってる写真を見たら…」
小梅「うん…その人が、どこにいても、食べられちゃう、ね…」
幸子「そんな…そんなの、食べられる人からしたら、どうしようもないじゃないですか…」
小梅「だから…SCP-1616には、絶対に写真もイラストも、見せちゃいけないことになってるんだ…」
幸子「で、でしょうね…」
小梅「こ、このSCPの実験記録があるんだけど…その前に、SCP財団の職員について、少し説明するね…?」
幸子「職員…?この財団で実験してる人たちってことですか?」
小梅「そう…大きく分けると、ちゃんと財団で働いて、仕事や実験をしてる博士、研究員、エージェントみたいな人達と…その実験の指示に従って動く、Dクラス職員の2種類、だよ?」
小梅「Dクラス職員は、全員…死刑が決まってる犯罪者、なんだ…だから、その人たちにSCPの実験をやらせて、博士たちが結果を観察するのが、財団の日常なんだ…」
小梅「SCP-173のコンテナ掃除も、Dクラス職員にやらせてるんだよ…」
幸子「…死刑囚とはいえ、扱いが酷いですね…危ないSCPだとほとんど捨て駒じゃないですか…」
小梅「に、任期を終えたら、死刑も無しで解放してもらえるらしいから…悪い話じゃない、と思うよ…?それまで、生きていられるかは、分からないけどね…」
小梅「じ、じゃあ…実験記録を紹介する、けど…幸子ちゃん、これ、読んで」ペラ
幸子「何ですか?この紙…」
小梅「そのまま読み上げるだけだと、アイドルのラジオっぽく、ならないから…ちょっとアレンジして、幸子ちゃんを…Dクラス職員に見立てた文章に、したんだ…♪」
幸子「何やらせようとしてるんですかあああ!!!」
小梅「幸子ちゃんは、Dクラス職員のセリフ…私は、博士のセリフを、読むね…?」
幸子「聞いてませんよそんなの!自分が食べられちゃう記録なんて読みたくないですよ!」
小梅「こ、こういう演技もできるようになれば…もっと、お仕事の幅が広がる、よ…?」
幸子「…そ、そうかもしれませんが…」
小梅「…ってプロデューサーが、言ってた」
幸子「…絶対建前じゃないですか…」
幸子「フ、フフーン!いいですよ!このカワイイカワイイ輿水幸子は多芸ですからね!ドラマの撮影だと思えばなんてことないです!実際に上空1万メートルとかアフリカに連れていかれるのに比べれば!」
小梅「よ、よかった…じゃあ、始めるね…」
実験記録 1616-T6
コウメ博士「SCP-1616のケージをテスト台に置いて…レバーを、解除して。」
DサチコがSCP-1616のケージの掛け金を外す。
Dサチコ「オーケーです。なんだか、これカワイイですね。」
コウメ博士「指示されるまで…SCP-1616の観察を、続けて?」
Dサチコ「かわいがってもいいんですか?」
コウメ博士「…うん。」
DサチコはSCP-1616を手に取り、頭を撫で始める。DサチコはSCP-1616を下ろし、観察を開始する。
12分間、異常な行動は見られない。
Dサチコ「先生、これ本当にかわいいけど、もういいですか?」
コウメ博士「…」
20分間、異常な行動は見られない。SCP-1616はテーブルの丈に沿って往復している。
SCP-1616が停止し、座り込む。左の頬が3倍まで拡大したように見える。
Dサチコが大声で叫び始める。
Dサチコの眼球が眼窩に引っ込み始める。
Dサチコ「なんですかこれえええええ! ああ、信じられ…。なんなんですか!」
Dサチコは泣き出し、収容室のドアを激しく叩き始める。
Dサチコ「さっさとあっちいってください! あっち、ああくそ、なんでですか!」
Dサチコの左目は、この時点で消失した。SCP-1616の顎が前後しているように見える。
SCP-1616が頬からおのおのの眼球を押し出し、綺麗にし、口の中に戻す前にわずかな間かじっているのが観察される。
視神経が眼球に繋がっていて、SCP-1616の口の中へ入っていくのも見える。
幸子「…」
小梅「…ふふっ」
幸子「…丸呑みされると思ってたら…眼だけ…なんで眼だけなんですか…」
小梅「全部食べるとは、限らないからね…目が合ったんじゃないかな…」
幸子「しかもこれ、食べられてる途中でもまだ目が見えてますよね…?神経が繋がってるって…」
小梅「うん…頬袋の中に、食べるものを移動させるんじゃなくて…頬袋の中の空間を、食べるものがある場所に、移動する感じ…かな」
幸子「この人からすれば、目を、裏側から食べられて…うぅ…」
小梅「幸子ちゃん…頑張ったね…偉いね…」ナデナデ
幸子「な、なんで撫でるんですか…その、いいですけど…///」
小梅「…それでね、SCP-1616は、もちろん収容されてるんだけど…」
幸子「ま、まだ何かあるんですか…」
小梅「有機物を食べるって説明は、したけど…頬袋の中に入れて、ぺっ、ってするだけなら、目に見えるどんなものでも、できちゃうんだ…」
小梅「もし、SCP-1616が、収容されてるケージの壁を頬袋に入れたら…どうなると思う?」
幸子「えっと…食べられないから、口から出すんですよね?」
小梅「そう…つまり、収容してたケージの壁が、口から出てきて…壁があった場所からは、なくなっちゃう…よね?」
幸子「あっ」
小梅「そうならないように、定期的にえさを入れてるんだけど…もしそれが遅れたり、量が足りなかったりしたら…目に見えてるものを、食べちゃうよね…?」
幸子「簡単に、逃げられちゃうってことですか…」
小梅「もし街に出ちゃったりしたら…ビルの柱を、口に入れちゃうかもしれないし、歩いてる人を、食べちゃうかもしれない…」
小梅「そして…幸子ちゃんのポスターを、見ちゃったら…?」
幸子「ひいいいいいいっ!?」
小梅「これで、SCP-1616の紹介は終わり、だよ…?」
幸子「…なんて恐ろしい生き物なんですか…これがKeter…」
小梅「でも…Keterの中でも、おとなしい方だと思う、よ…?」
小梅「収容できなかったり…全く制御できないSCPも、いっぱいあるからね…」
幸子「こんな恐ろしいものの話を、ボクは聴き続けないといけないんですか…」
小梅「うーん…でも、Keterの紹介は、もしかしたら少なめかもしれない、よ…?」
幸子「そ、そうなんですか?なんでまた…小梅さんのことですし、Keterばっかりになるのかと…」
小梅「Keterクラスは…内容が練られてて、深いものが多いんだ…特に、場所のSCPなんかは、すごい量の文章だから…」
小梅「SCPを、よく知らない人に紹介するのは…難しい、かも…」
小梅「だから、紹介したいものと、できそうなものを相談しないと…何を紹介するかは、決められないんだ…」
幸子「…まぁ、そうですね、複雑な内容だと、理解するのも大変でしょうし」
小梅「だから、この番組では…なるべくわかりやすいSCPを、紹介していくね…?」
小梅「もし、他のSCPにも興味を持ったら…自分で調べてみると、きっと楽しいよ…?」
小梅「はい…今回の放送は、ここまで、です…」
幸子「今更なんですけど、これ放送して大丈夫なんですかね…収録放送ですけど…」
小梅「だ、だめだったら…ライブBDの初回特典に、するって…」
幸子「既にそこまで話が決まってるんですね…」
小梅「お相手は…白坂小梅と…」
幸子「輿水幸子でした!」
小梅「ば、ばいばーい…」
終わり
実験記録の部分は幸子に池袋博士作バーチャル体験してもらおうかと思ってましたがかわいそうなのでやめました。(今後やらないとは言ってない
私の技量ではリクエストに答えるのが難しいので、できそうなのだけいつかやる…かも
SCP-040-JPはみくよりも響子に近いと思ってます
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