綺礼「……」
璃正「……」
時臣「な、なんだこれは……これは、なんだこれは……これは…………」
蛇「シャーッ」にょろんっ
蛇「シャーッ」にょろん!
綺礼(蛇、だな……)
璃正(蛇にしか見えない……)
時臣(なんだこれはなんだこれはなんだこれはなんだこれはなんだ)
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【某所にて】
切嗣「……なんですかこれぇ」
銀腕< ゴトッ
アイリ「……腕?」
切嗣「召喚に失敗したのか、これは」
アイリ「い、いいえ? パスは繋がっているわ」
切嗣「しかしあれはただの腕では……」
アイリ(後ろから翁の吐いてる音が聞こえて来る……)
【某所】
ウェイバー「ぅっ、うっ、ぇぐ……ひくっひっく……」
ウェイバー「ぁぁあ……ぅっく、うぇえ……」
「いつまで泣いてるんだお前は」
ウェイバー「だっ、だち、だって……このボクが、そんな立派な姿にぃい……っ」
「えぇい情けない姿を見せるな!! この馬鹿!」
ウェイバー「う、うるさぁい!」
【某所にて】
雁夜「ただいま……と」ガサガサ
雁夜「はは、久しぶりにカップ麺を食べるな」
< コトッ
雁夜「……」
雁夜「……」
雁夜「立派なテーブルだよな、本当に」
雁夜「…………」
雁夜「丸い、本当に……良い机だなぁ……」
【数日後、某所にて】
龍之介「おっかしいなー、何かそれっぽい光とか出たから悪魔でも呼んだと思ったんだけど」
龍之介「本が出ただけじゃん、ドラえもんみてぇ」スッ
龍之介「んー……お? よく見たらこれ、人の皮じゃん」
龍之介「スッゲー! はは、なんて書いてあるのか分かんねー! デザインはcoolだけど!」
< パラパラッ
龍之介「さて、と」ポンッ
縛られた子供「むー!! むぅぅ!!」ジタバタ
龍之介「この本見て思いついたんだけどさ」
縛られた子供「むぅぅぅぅっ……!!」
龍之介「ボク、絵本になってみないかい?」
【言峰教会】
切嗣「……」
雁夜「……」
ケイネス「……」
ソラウ「ねぇケイネスぅ……早くこんなとこ出てホテルに戻りましょう……?」
ケイネス「……少し待ってくれ」
ソラウ「うふふ、焦らさないで、ね?」
ケイネス「……うむ」
雁夜(あんなイチャついてる奴等も聖杯戦争参加者なのか……思っていたよりも和やかだな)
雁夜(……テーブルなんかを持って来た俺は何なんだろう)
切嗣(あの男、何故あんな円卓を背負ってるんだ?)
璃正「あー……既に気付いてるとは思いますが、この場に居る者は全員聖杯戦争の参加者であるマスター候補です」
璃正「そして同時に、召喚に失敗した者達でもあるかと思います」
時臣「私もその一人でね、ハハハ」
綺礼(停戦協定発令と同時にマスター達を呼び出したのは、仲間を集う為だったのか……)
雁夜「えっ……召喚に失敗?」
切嗣(……5人もいるぞ……)
ケイネス(全員、私のような泣き黒子でも出来たのか?)
璃正「そこで、今回に限り異常事態でもあるため……」
璃正「い、一時的に……召喚に失敗して何かしら『別の生き物』などを喚んでしまった者は、教会に引き渡して頂きます」
時臣(試しに他の動物でも燃やすなりすれば何か反応があるかもしれない)
時臣(何しろ……霊基盤では全員召喚出来ている様だからな)
ケイネス「待ちたまえ」
璃正「何でしょう」
ケイネス「私はホクロなのだが」
璃正「!?」
切嗣「待て……そもそも何も召喚されなかった場合は?」
璃正「それは有り得ないかと、霊基盤には七騎全て召喚されている反応が出ているので」
切嗣「なんだと……」
雁夜「お、おい! まさか俺のサーヴァントはこのテーブルとか言うんじゃないだろうな!?」
ケイネス「ハッハッハッハ! これは面白い、聖杯戦争に参加しようと言うのにアンティークを持ち出す輩がいたとは!」
雁夜「アンタは黒子を召喚したんだろ!?」
ケイネス「私のは一種の憑依召喚だ、神秘を身に纏っている分……君よりは優れていよう」
雁夜「なんで目を逸らしてんだよ」
雁夜「というか、時臣……手前は生物だったってことじゃないだろうな」
時臣「……これは失礼したね、その通りだよ」
時臣「何にしても今回の聖杯戦争は失敗だ、そうだろうアインツベルンのマスター」
切嗣「確かにこれは話にならない」
ケイネス(ほう、あのアインツベルンのマスターとはあんな男だったのか)
ケイネス(もしも仮にまともに聖杯戦争を始めていたならば、私の足元にも及ばなかっただろうな)ククク
切嗣「まず、我々を出し抜いて回収したサーヴァント(?)を燃やしたり破壊するといった事がない事を保証すべきだ」
雁夜「……!」
切嗣「そこの二人が知っているかは知らないが、遠坂と監督役がグルの可能性だってある」
時臣「……本気で言っているのかね?」
ケイネス「本気かどうかはともかく、出し抜かれる可能性があるなら私からも言いたい事がある」
雁夜「そ、そうだぞ時臣!! 俺達を騙そうたって……」
ケイネス「出来ればこの泣き黒子はこのままにしたいのだが」
雁夜「!?」
時臣「!?」
綺礼(雲行きが怪しくなってきた)
綺礼(建前上、私も召喚には失敗した事になっている)
綺礼(令呪も失ってしまった、と)
綺礼(だが、違う)
綺礼(私は令呪を三画使い、ギリギリの所で『見逃された』に過ぎない)
綺礼(……この状況を見て、何も思わない事を願おう)
綺礼(あの大剣のアサシンはまだ現界している以上、この様子を見ている筈だ)
璃正「……」チラ…
時臣(仕方無い)フルフル…
璃正「分かりました、ではそちらは最後に除去するということで」
ケイネス(よし、後はこの黒子と同じ魅了の効果を持つ礼装を作れば解決する)
ケイネス(ソラウのこの姿を手放す訳には行かないのだ)
ソラウ「んふ……」ウットリ
璃正「聖杯戦争は中止として、ここに来ていない残りのマスター達がのちに集まった時に改めて招集をします」
< 「ちょっと待ったぁぁーー!!」
バンッ!
璃正「何者……!」
ウェイバー「僕は聖杯戦争のマスター、ウェイ……
ケイネス「ウェイバー・ベルベット君じゃないかね」
ウェイバー「っ、ひぃ!?」
長髪男「ひぃじゃない!……コホン、もう少し落ち着いたらどうなんだこの馬鹿!」
ウェイバー「コホンって落ち着いてるように見せて馬鹿ってなんだ! 例えお前が僕の…
長髪男「ええぃ、黙れ!」ガバッ
ウェイバー「むぐっ!?」
璃正「……君達は?」
時臣「恐らく残りのマスターだろう」
長髪男「私はサーヴァントだ」
時臣・切嗣・雁夜・ケイネス「「 !!? 」」
未来の自分(ライダー):もし士郎がエミヤを召喚した場合って考えれば分かる
初代様(アサシン):原作通り『ハサン』が召喚されてるから分かる
腕(セイバー):セイバーの私物(加工済み)だしまぁ分かる
本(キャスター):キャスターの私物だしまぁ分かる
蛇(アーチャー):何を飛ばしたり放ったりするの?
ホクロ(ランサー):何を薙ぎ払ったり貫いたり刺したりするの?
机(バーサーカー):机自体が荒れ狂うの?
>>57
円卓が勝手に暴れるとか…みんなで一緒にご飯とか出来ないだろうが!
璃正「お待ち下さい、既に停戦中なのだが?」
ケイネス「なに、おかしな真似をする訳ではない」
ケイネス「本当にサーヴァントの器かどうか、少々この私が見てやろうというだけだ」
長髪男(……)スッ
長髪男「私とマスターはここへ宣戦布告に来たつもりだったが、どうやら何か事情がおありのようだ」スパァ
ウェイバー「ちょ、ライダー!?」
長髪男「黙ってろ……どうだろう、あなた方より私の方が経験には優れている身、一つ話を聞かせては貰えないだろうか」
雁夜(ちょっと待ったーって言ってたから、話を聞いてたのかと思ったけど何も知らないのかよ!)
切嗣(あれがライダーのサーヴァントか)
長髪男(念の為、ロードエルメロイ対策の結界は張っているが……苦しい言い訳でもしなければこの展開はまずい)スパァ
長髪男(人理焼却の戦いの際とは違い、今の私は並のサーヴァントに劣る程度のキャスター……それ以下の力しかない)
長髪男(皮肉だがな……)
時臣「……ふむ、では問おうかライダーのサーヴァント」
時臣「我々は君のマスター以外全員、召喚に失敗した」
時臣「よって聖杯戦争はそもそもの前提となるサーヴァントが不在の為に頓挫の危機にある、この状況をどう見るのかね」
長髪男「……」
長髪男(なんで失敗したんだ?)
綺礼(何故失敗したんだとでも言いたげな顔だな)
切嗣(そんな顔で周りを見るな、こっちが聞きたいくらいなのに)
雁夜(よく考えてみたらこんなテーブルしか召喚出来なかった俺って……)
ケイネス(あの男、何故私を一番困惑した顔で見ているのだ)
【……で、】
長髪男「ではこうしてはどうか」
長髪男「数日、私がこの聖杯戦争で起きていることを調査する」
長髪男「その間は停戦として、各々は召喚物またはサーヴァントを教会に渡さずに保留」
長髪男「調査の結果を見てから改めてどうするか考える、これならば誰も現時点で損はしない」
長髪男「……間違っても、先手を打って他のマスターを暗殺したりはしない事だ」
切嗣「言われなくともそのつもりだ」
綺礼「……(何故私にも?)」
ケイネス(どうも煙に巻かれた気がするが、まぁいい)
ケイネス(どうせあの場で戦闘になったとしても私が勝利していたのは間違いあるまい)
ケイネス(暫くはソラウと日本を楽しむとしようか)スタスタ…
長髪男(ぼんやりとしか覚えてないが、この聖杯戦争に参加するのは【3度目】か)
長髪男(まさか自分がサーヴァントとして召喚されるとは思わなかったが……)
長髪男(この聖杯戦争、何故全員が召喚失敗したのかを調査するとして)
長髪男(まずは、例のキャスターとマスターを探し出すか)
雁夜「はぁ……」トボトボ
長髪男「……」
長髪男「何処かで見た様な……机? 盾……いや、まさかな」
長髪男「……」
長髪男(『円卓』じゃないのか今の!?)バッ
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