フレデリカ「青春ごっこ」 (26)


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フレデリカ「フンフンフフーン、フレディ」


杏「凄く夢の中で襲い掛かって来そうな切り出しだね」


肇「あれって夢の中で傷付くと現実にも反映されるんでしたっけ?」


文香「フレデリカさん相手なら、逃げ切るどころか倒せそうですね…」


フレデリカ「別に倒してしまっても構わんのだよー?」


杏「実際このメンツと茄子さんがいればなんとかなりそうだよね」


肇「誰か一人を囮にすればいいんですよね」


次はー、熱海ー、熱海ー


フレデリカ「あ、もう直ぐ熱海だよー」


文香「海が綺麗ですね…どなたか、泳ぎますか?」


杏「今の季節はマズイでしょ」



杏「まぁあのさ、サプライズはいいよ?楽しいし、でもさ」


肇「あ、温泉寄って行きます?」


文香「いいですね…ですが、どうせでしたらもう少し遠くに…」


フレデリカ「どっかで乗り換えて長野とか行ってみるー?」


文香「諏訪大社や諏訪湖巡りでもしましょうか…ある程度でしたら、ガイド出来ますよ」


杏「せめて荷物は用意したかったかな。なんで杏達JRに乗ってるの?」


フレデリカ「青春18切符で旅しよー!って」


文香「JRのみですが、一日中乗り放題ですから…」


肇「ボックス席での旅行って、それだけでワクワクしますよね」


杏「家で寝てた筈が東海道線にのってた杏に一言」


肇「動く家って素敵ですよね」



杏「そもそもなんで鈍行旅行する事になったのさ」


フレデリカ「アタシ達って学生でしょー?」


肇「ですが、アイドルと言う立場上恋愛は出来ません」


杏「まぁそーだね」


文香「では、それ以外で青春を謳歌する為に何をしてみようか、と言う話になり…」


杏「まだ分かる」


フレデリカ「じゃー旅行しよ?ってなってね」


杏「そこまでは分かる」


肇「では、より青春を求めるということで。青春18切符で旅行をしよう、と」


文香「どうせでしたら、行き先も何も決まっていない状態で」


フレデリカ「で、杏ちゃんに伝えると予定ちゃんと決めろ!って言われそうだから秘密にしといたんだー」


杏「クソムーブ。ってか決まらなかっただけでしょ」



杏「まぁみんな明日は休みみたいだしいいけどさ。今熱海って言ったよね?こっから諏訪まで5時間かかるよ?」


フレデリカ「まだお昼前だし、オヤツの時間には着けるんじゃないかなー?」


肇「あ、まだ時間があるようでしたら私たち四人の故郷巡りもしたいですね」


杏「北海道」


フレデリカ「フランス」


肇「すみません、私と文香さんだけにしましょうか」


杏「上諏訪から岡山まで10時間かかるよ」


肇「では、もう今から向かいましょうか」


文香「あの」

はよ



フレデリカ「旅っていいよねー、窓の外見てるだけでワクワクしない?」


文香「流れていく風景を見ているだけで、充分に幸せになれますね」


杏「せめて本から目を離して言おうよ」


肇「この辺りの風景は楽しいしですね。海に山にトンネルと」


フレデリカ「ポッキーとじゃがりこあるよー」


杏「人が少なくてボックス席だからこその楽しみ方だね」


文香「トランプならありますが…」


肇「もう少し、この和気藹々とした雰囲気でいたいので…」




フレデリカ「富士山見えないかなー?」


杏「富士駅から甲府に向かうから、その辺りで見えるんじゃないかな」


肇「あぁ、日々の疲れが癒されていきますね…」


文香「原因が何を…」


杏「二人は黙って外見てろ」


フレデリカ「富士山登ってくー?」


杏「杏何も持ってきてないって言ってるでしょ。あ、着替えどうしよ」


肇「現地調達でいいんじゃないですか?どうせでしたら、甲府周辺のお店でショッピングなんかも」


文香「いいですね…旅先の書店にも、新しい出会いがありそうです」


杏「本は基本全国同じなんじゃないかな」



富士ー、富士ー


杏「お、乗り換えだね。降りるよー」


フレデリカ「わぁお!空気が綺麗っぽい!」


肇「まだ車内ですよ?」


文香「ううっ…荷物が重いです…」


杏「すごい大荷物だね。何が入ってるの?」


文香「本です」


杏「知ってた」


肇「私も持つの手伝いますから。早くおりますよ」



肇「乗り換えまで、少し時間がありますね」


フレデリカ「じゃーお菓子買いに行こっか!」


肇「文香さん、杏ちゃん、荷物お願いします」


杏「らじゃー。杏はポテチとコーラを所望するよー」


文香「私は…紅茶を、お願いします」


フレデリカ「ご当地系ストラップとかないかなー」


肇「小学生じゃないんですから…」





文香「…長閑ですね」


杏「だねー。こんな日がずっと続けばいいのに」


文香「そうですね…」


杏「…ずっと続ける為にも、頑張らないとね」


文香「…ふふっ。まさか、杏さんの口から頑張るだなんて言葉が聞けるとは」


杏「…文香ちゃんは?」


文香「もちろんですよ…今は、とても充実していますから」


杏「…頼れよ」


文香「あ、お財布空っぽです」


杏「やっぱ自分でなんとかしろ」




フレデリカ「おまたせー。はい杏ちゃん、ファンタね」


杏「おい」


肇「はい、文香さん。水道水です」


文香「肇さん?」


肇「冗談ですよ、天然水です」


文香「…出発まで、少し時間がありますね」


フレデリカ「はい文香ちゃん、ミルクティーだよね?」


文香「…もう、それでいいです」




がたんごとーん


杏「あー…景色が変わらん。暇」


肇「山地の電車なんてそんなものです」


フレデリカ「クソ診断ごっこやる?」


文香「いいですね…外の風景で、やりましょうか」


肇「負けませんよ?」


杏「しょーがないなぁ。杏も本気だすか」


肇「…ふー…」


杏「すー…」




┌┐┌───────┐
│├┤┌─────┐│
│├┤│)))))))││
││││1620KHz |│
│││├─────┤│
││││ クソ診断││
││││ ここから││
│││└─────┘│
││└───────┘


杏「ザーッ!川!流れる川!ねぇ川流れてる!流れる川!水、勢いのある水!まるで小林幸子!ねぇ聞いて素敵な川!」


肇「水おいしい!一番好きな水一番好きな水です!一番好きな水一番好きな水一番好きな水おいしい!おいしい!」


フレデリカ「トンネルテンションが上がる!ちょっと減速!発破ぁ!隔絶!つまりは異界!耳詰まる!気圧差!明るい!やっぱり暗い!」


杏「草モグモグ!枯葉もおいしい!ほっぺた落ちちゃう!草うめえ!四葉で運勢もアップ!朝露も乗ってて最高!」


肇「池かと思ったら沼!池かな…すごく深い!ちょっと待っ……沼!ここにも沼!ちょうどいい温度!沼!」


文香「…うわぁ」


杏「…やり過ぎた」


肇「正直かなり恥ずかしいです」


フレデリカ「青春だねー」


杏「なんか違う」


文香「それと、小林幸子ではなく美空ひばりでは…」


杏「ごめん、何も考えず勢いで言ってた」


フレデリカ「クソ診断とはかくあるべきだねー」



文香「他に、青春と言えば…」


肇「やっぱり、ガールズトークじゃないですか?」


杏「うーん、却下」


文香「それよりも、もっと頭を使った会話を…」


フレデリカ「リクガメのスープ?」


肇「既に頭空っぽですね」


フレデリカ「面白い謎々ないかなー」


文香「3なのに4なもの、なんでしょうか?」


杏「私達だね」



杏「それにしても、ガールズトークねー…」


フレデリカ「ポテチあけるよー」


肇「ぱーん!ってさせないで下さいね」


文香「…あ、それでしたら…夕飯を、何にするかなんて話を」


杏「長野って言うとなんだろ?うなぎ?そば?かぼちゃぼうとう?」


文香「川魚やイナゴ、おやきに山菜と色々ありますね」


フレデリカ「んむむむむむむむ…」


肇「あーこれは弾けますね、こぼしますね」


杏「せっかく話題提供されたんだから乗ろ?」



肇「あとどのくらいで甲府ですか?」


杏「富士から3時間だから、多分半分くらいかな」


フレデリカ「まぁまぁのんびりいこ?先は長いよー」


文香「では、しりとりでもしますか?」


フレデリカ「どーせなら厨二っぽい単語でやる?」


文香「…ふふっ、懐かしいですね」


杏「朋ちゃんとやってたんだっけ?あれそんな昔じゃないでしょ」


文香「それほど、日々が濃厚で充実してるという事ですかね」


フレデリカ「ちなみにアタシの発言は全部しりとりになってたんだよー」


肇「え、ほんとですか?思い返してみます」


フレデリカ「うそだけど」


肇「…じーざす」



杏「そういえば、ユニット結成したての頃に3人で箱根の温泉に行ったよね」


フレデリカ「函館?」


杏「あー、函館も行きたいなぁ。カニとあんきも」


肇「あ…そうだったんですか」


フレデリカ「今度は四人で行こ?」


文香「でしたら、今晩は温泉巡りもいいかもしれませんね」


杏「四人で水族館も行きたいね」


フレデリカ「あ、それならフレちゃんオススメの水族館あるよー」


杏「杏もあるよ」


文香「私もです」


肇「ふふ、1日で3箇所は回りきれませんね」




こうふー、こうふー


杏「お、着いた。こっからあと1時間くらいかな」


フレデリカ「わぁお、街!」


肇「なんですかその、1週間砂漠で彷徨った遭難者みたいな感想は…」


文香「降りて、買い物でもして行きますか?」


杏「荷物増えるとめんどーだし諏訪ついてからでいいかな」


フレデリカ「じゃーまだ飲み物もお菓子もあるし乗っちゃおっか」




杏「さて…何話す?」


肇「話尽くした感ありますね」


文香「そう言えば…杏さんは、まだ怪談を話していませんよね?」


フレデリカ「そーいえば杏ちゃんだけまだやってないよねー」


杏「フレデリカちゃんのアレはおっけーなのか…まぁいいや、話どうしようかな」


肇「前にやった前説の、電気の話が気なります」


杏「それじゃ、それにしよっか。ちょっと待ってね話考えるから」


文香「では、その間に私が一つ。ランプに纏わるお話を…」


杏「あ、思いついた」


フレデリカ「それじゃーいってみよー!」


文香「…どうぞ」


杏「ごめん。えっとね、じゃあーー」



上諏訪ー、上諏訪ー


杏「ちょうど終わったね」


フレデリカ「ぴったりだねー、ぴったリカ~」


肇「空気が綺麗ですね…湖もすぐ近くみたいです」


文香「レンタルサイクリングもいいですが…のんびり、歩きましょうか」


杏「だねー、ずっと座ってたから歩きたいや」


文香「間欠泉センターもあるんですよ。それから山側へ行けば諏訪大社や…」


フレデリカ「文香ちゃん、楽しそーだね」


杏「お腹すいた」


肇「いい話になりそうだったのに…」



~旅館~


杏「おいしかったね。杏もう動けないや」


肇「温泉も気持ちよかったですね」


フレデリカ「まさかとっくに文香ちゃんが予約してたんだねー」


文香「すみません。どうせでしたらサプライズに、と…」


杏「宿代も払ってくれちゃって…しょうがないなぁ、明日の朝食は」


文香「後で回収します。一人当たり…」


杏「やっぱいいや」



フレデリカ「ベッドもいいけど、みんなで布団寄せて寝るのもいいよねー」


肇「畳の上で、外を眺めながら寝れるなんて…素敵です」


杏「んじゃ電気消してだべろっか」


文香「…枕投げは?」


杏「杏に勝ち目がないから却下」


肇「いいですね。修学旅行の夜の様な雰囲気」


フレデリカ「いつまで起きてんだおめーらー!」


杏「やっべ見回りきた!」


肇「寝たふり!寝てます!」


文香「…ふふっ」



杏「…眠くなってきた」


肇「寝ましょうか。明日は早起きしていろんな場所に行きましょう」


フレデリカ「ぐーすかぴー」


文香「…また、これからも。四人でこういったことを増やしていきたいですね」


杏「何言ってんのさ。毎日こんな感じでしょ」


文香「ふふっ…それもそうでしたね」


肇「それでは」


「おやすみなさい」


修学旅行の夜に戻りたい
お付き合い、ありがとうございました

お向かいでも未来ちゃと茜ちゃんで書いたので、よろしければ

乙。比較的のどかだったな。
青春18切符使ってどっか行きたいなぁ。

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