直葉「お兄ちゃん…」 (29)

SAOの二次創作です。キャラの性格改変あるかな
あと時間軸も改変してます、多分


キリト「お~い、スグ飯できたぞ」

直葉「あ、うん。今行く」


季節は春、また新しい年の幕開け…ていうわけじゃないけど
もう既に、今年の3分の1は終了してるし

直葉「あれ?肉じゃが…めずらしいねお兄ちゃん」

キリト「ん?まあな、少し練習してたし」

直葉「あ、アスナさんのため?そうだよね、ちょっと前から練習してたもんね」


お兄ちゃんはこの2か月くらい料理の練習もしてた。器用だしすぐに上達してた。
その理由はアスナさんに振る舞うためだったはず


キリト「あ、まあ…な」


直葉「…?」

アスナさんのためっていうのが少し微妙だけど本音を言えば…でも
お兄ちゃんの手料理をしかも前よりも上達したものを食べられるのは嬉しかった

でも…なんだろ?お兄ちゃんの表情が曇った。あまり見せない表情かな



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490029643

最近はALOは新情報がないから、ログインしてもオフ会みたいに集会とレベル上げ
くらいしかしてないけど…

キリト「アスナとは、その」

直葉「なにかあったの?お兄ちゃん?」


キリト「いや…」

なんだろう…さらに表情が曇っている


直葉「どうしたの?喧嘩でもしたの?」

キリト「うぐ…さすがスグは鋭いな」


適当に言ったんだけど驚いた。この二人がケンカ?ちょっと信じられない


直葉「なにがあったの?アスナさんとケンカなんて信じられないんだけど…」


キリト「ああ…ええと…」

直葉「言いにくいなら言わなくてもいいよ。私が入れることじゃないかもだし」

キリト「いや、スグにならいいかなって思うしな」


ちょっと嬉しかった。なんだろう、お兄ちゃんが秘密を話してくれてるみたいで
アスナさんと順調に交際が続いてると、なんとなく疎外感があったから

次の日


メイ「直葉~おっはよ~」←オリキャラ


直葉「あ、メイちゃん。おはよ~」


メイ「どしたの?なんか暗い表情だけど」


昨日、お兄ちゃんからアスナさんとの不仲を打ち明けられて
その内容を聞いて、私も変な気分だった
メイちゃんが言ってる暗いて言うのとはちょっと違うけど


直葉「別に暗いってわけじゃないんだ」

メイ「そうなの?なんかあった?」


直葉「うん…」

普段一緒にいることが多いから気づかれたかな?
リア友の仲では唯一、お兄ちゃんへの想いを語った相手かな…
うう…我ながら恥ずかしくなってきた

メイ「どしたの?悩みなら聞くよ?友達でしょ」




直葉「実は、お兄ちゃんがさ」

メイ「お兄ちゃんって従妹の和人さんだっけ?」

直葉「うん」


メイ「禁断の恋の相手ね」


禁断の恋…そのネーミングは好きじゃない…確かにダメなことだけど
お兄ちゃんと私は従妹同士だし、法律的には大丈夫なはず


直葉「う…でも従妹だし…本当は」

メイ「あっれ~?まだ諦めてないんだ?」

直葉「そ、そんなことは…」


メイ「ま、いいや。その和人さんがどしたの?」

メイちゃんは気さくでリズさんに似てるところがある
ま、いいか。もうお兄ちゃんの話はしてるんだし


直葉「お兄ちゃんが恋人と不仲なんだ、今」

メイ「へ~そうなんだ」

直葉「あれ?反応薄くない?」

メイ「いやだってさ…不仲でも普通じゃない?」


直葉「そ、そうかな?」


メイちゃんの反応が思うのほか薄くてちょっと驚いた
私がお兄ちゃんに恋してると聞いたときは、凄く驚いてたのに
まあそれはそうだと思うけど

メイ「アスナさんだっけ?写真見せてもらったことあるけどあの人とでしょ?」

直葉「そうだけど」

メイ「…ふ~ん、仲悪くなったか」

なんだか、本当に驚いてない感じ。私からしたらあの二人がって思うけど


メイ「それで不仲の原因は?」

直葉「ああ、うん。お兄ちゃんが合コンに行ったみたいで…」

メイ「なるほど、彼女さんにバレたと」

直葉「あはは…そういうこと」


お兄ちゃんは昨日そう言っていた。リズさんが誘ったというか…
男に誘われるのが嫌だから、来てほしいと言われたらしい
リズさんのお願いならお兄ちゃんも承諾するよね

直葉「ところが、お兄ちゃんがさ、リズさんの知り合いの女性と仲良くなって」

メイ「え~和人さんってすごいね」

直葉「あはは…」

メイ「まあ直葉の従妹なら顔も良さそうだし、モテてもあれかな」

直葉「うん、お兄ちゃん。私がいうのもなんだけど、可愛い感じかな」

正直お兄ちゃんは兄妹目線を外してもイケメンな気がする
別に顔で好きになったわけじゃないけど

メイ「そっか、それで彼女にバレて今は不仲と」

直葉「うん、アスナさん。ちょっと泣いてたみたいで」

メイ「そっか~~」

ここまで聞いても、メイちゃんは淡白な反応。
私やお兄ちゃん、アスナさんは少し変わった人生を
送ってるけど…メイちゃんみたいな普通の人はこういう反応なのかな


直葉「ねえメイちゃん。こういうのもなんだけど、反応薄いよね」

メイ「え、そうかな?」

直葉「私、メイちゃんなら相談にのってくれるかもって思って話したんだけど」

メイ「ご、ごめん…怒ってる?」

直葉「あ、別に怒ってなんかないよ。ごめん」

メイ「ううん、こっちこそごめんね」

もちろん怒ってなんかない
前の禁断の恋の時とは反応が違うから驚いただけ
あの時は、もう終わった後だったけどすごい心配してくれたから…


メイ「前の直葉の恋の話はさ、私から見ても驚いたけど…今回のはさ」

直葉「そんなに驚くことじゃない?」

メイ「うん」


即答…メイちゃんは今は彼氏いないみたいだけど
慣れてるのかなやっぱり

メイ「合コンだけじゃなくてもさ、男の浮気で仲が悪くなるとか普通でしょ」

直葉「そ、そうかな…」

メイ「そうだって」

普通ならそうかもしれない、そう普通なら
でもあの二人は2年間も命のやり取りをする世界で結ばれた…
そんな絆の深い二人が、合コンなんかでっていう驚きが私にはある

その頃

リズ「は~~」

クライン「んだよ、若人が溜息なんてよ」

リズ「クラインに悩み相談なんて…なんでだろ」


クライン「てめぇ…お前が悩みがあるなんていうからわざわざ有給つかったってのに」

リズ「そうだったよね…ありがと」

クライン「で、聞いてみりゃキリトのことかよ」

リズ「はあ~~あの二人、わたしのせいでさ」

クライン「合コンか、ったく青春してんじゃねぇか」


リズ「キリトの奴がまさかあんなことになるなんて」

クライン「その場の空気でちょっと道外れたんだろ?」


リズ「うん…」

リズ「は~~あれからアスナと仲悪くなって」

クライン「お前が悩むことか?」

リズ「わたしが来てほしいって言ったんだよ、ボディガードとして」


クライン「で?アスナとはどうなんだ」

リズ「連絡とってない…色々申し訳なくて」


エギル「青春だな」


クライン「悪いな、酒場使わせてもらってよ」

エギル「そこは気にするな、まあ他の客もいるからあまり騒がれても困るが」


リズ「ど~しよ…」

クライン「どう思うよ?」

エギル「そうだな…」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

メイ「こういうこと言うと直葉は怒るかもしれないけどさ」

直葉「え?」


メイ「和人さんとアスナさん、出会いがちょっと特殊だよね」


それは…メイちゃんの言いたいことはなんとなく理解できる
ゲームで知り合った仲の二人。メイちゃんはそう言いたいんだろう

メイ「SAOの事件に巻き込まれたのは災難でもあるし、出会いでもあったんだと思うよ」

メイ「でもさ、なんて言えばいいのかな。SAOで交際って時点でさ」


直葉「…」

メイ「やめとこか、あんまりこういうこと言いたくないし」


メイちゃんは多分、私が不快に思うと思ってる。
メイちゃんは基本的に優しいからあんまり他人を悪く言うのは嫌う
でも…私は言ってほしかった。これは私が向き合うことだと思ったから


直葉「ううん、続けて。メイちゃんから見てどう見えてるのか」

メイ「直葉…いいの?」

この念押し…多分メイちゃんはこれから不快なことを言うんだと思う
ううん、違う。友達を心配しての助言だ、不快なんて言ったら失礼。
おそらく普通の生活を送ってる人からの目線の言葉…

メイ「じゃあどこから言えばいいかな」

直葉「長くなりそうだね」

メイ「不快だとおもったら言ってね?すぐやめるから」

直葉「大丈夫、私メイちゃんのこと嫌いになったりしないし」

メイ「私だって直葉のことは大好きだから、念のため言っておくけど」


大丈夫、私達の友情はこれで保たれるはず。私もメイちゃんも明日から
また親友でいられると思う。
これから話される内容にもよるかもだけど


メイ「じゃあ、趣味の話からしよっか」

直葉「趣味?」

メイ「そう、直葉の趣味は…まあ聞かなくても知ってる」

直葉「うん、ソーシャルゲームかな」

メイ「私はその趣味、別に悪いなんて思わないよ」


彼女はけっこうこういう趣味には寛容な方だと思う
私がついそういう話をしても嫌な顔をしないし
むしろ話も普通に聞いてくれる

メイ「でも、周りはあんまりそういうの好きじゃなくてさ」

わかってる…メイちゃんの友達は普通の学生、オシャレな子も多い
私もその人らとは仲良くしてるけど


メイ「私の友達の前で、あんまりそういう話はしてほしくないって思ったことはあるよ」

直葉「やっぱり…」

メイ「直葉は美人だしスタイルもいいからさ、あんまり言われないけど」


友達の間で、ALOとかの話が少し出た時、つい饒舌になったことがあったっけ
SAOの話はかなり大きな事件だから、事件として話すのは大丈夫だけど
ゲームの話になるとやっぱり言えない

メイ「直葉の見た目があれだったらさ、多分みんな離れると思う」


直葉「メイちゃんも?」

メイ「わかんない」


メイちゃんは明言してなけど、多分私の見た目が変でそういう趣味をもってたら
離れると示唆してるんだと思う

時間おいてまた更新します

メイ「世間てさ、そういうの厳しいじゃん」

直葉「そうかもね」

メイちゃんの言葉は的を射ていると思う
私だってソーシャルゲームをしてる人を遠ざけてた時もあるし
あれはお兄ちゃんが意識不明の時だけど

楽しさを教えてくれたのは長田君だったね


メイ「私が言いたいのは…経験が足りないんじゃないかな」


唐突な言葉に私は絶句した。いきなり趣味の話から確信の言葉が出てきたから


直葉「それって、お兄ちゃんたちがって意味?」

メイ「うん、直葉は別に経験不足とは思わないよ」

メイ「ただ、アスナさんと和人さんは…前から思ってたけど…」

メイ「少し浮世離れしてたんじゃない?直葉の話聞いてると」


…多分これが世間の本音。いや、メイちゃんの本音かな
趣味の話を最初にしたのは建前でこれが言いたいことなんだと思う

メイ「昔からゲームに嵌ってたなら色々経験不足になるんじゃないかな」

それは…否定できない。お兄ちゃんもアスナさんも社交的に話せるとは
思うけど…なんて言えばいいのかな
正直、私が言えたことではないけど…少し夢見がちな部分はあると思う


メイ「命のかかったゲームで強制的に2年間も過ごしたから絆はすごいと思うけど」


さらにメイちゃんは続ける


メイ「なんだろう、そういうところから解放されてさ、合コンとか世俗的なものに呑まれた和人さん見て…」

メイ「幻滅したんじゃない?」


直葉「わかる気はするよ…私も白馬の王子様に憧れてた時あるもん」

メイ「そうそう、そういう感じ。和人さんも男だしさ、少しぶれる時くらいあるって」


経験不足からくる二人の絆の裂け目…確かにそれはあるかもしれない
特にアスナさんはお兄ちゃんの為なら命もかけるはずだし余計に


メイ「軽く考えろとは言わないけど、少しほっといたら?」

直葉「でもさ…これでもしも二人が別れたら…」

メイ「別れたらその時じゃない?直葉にもチャンスが生まれるってことで」


メイちゃんの言葉にちょっと心が動く私がいた…うう、なにやってるんだろう
そんなこと考えたら駄目なのに
でも、現実では普通だし、私たちはSAOやALOじゃなく現実の付き合いを考えないと駄目だし


メイ「まあ、従妹同士とはいえ身内で付き合うのは今の世の中ではあんまりだけどさ」

直葉「…」


やっぱりダメかな私だと。メイちゃんはすぐに現実に引き戻してくれた


直葉「じゃあ…アスナさん以外だと…シノンさんとかリズさんとか」

メイ「へえ、和人さんってホントにモテるんだ」

直葉「うん、ちょっと腹立たしいけど」

私は率直な意見を言ってみた。みなさん大好きな人だけど
お兄ちゃんと過ごす時間が減るっていう意味では少し腹立たしいのは事実
なんだか今日は本音を言ってしまう、メイちゃんのせいかな?

メイ「別にさ、直葉が仲直りさせる必要ないんじゃない?当人の問題だし」

直葉「そ、そうかな?」

メイ「それより…和人さんとの時間、今の内に共有しとけば?」


メイちゃんは仲違いしてる今の間に、お兄ちゃんと過ごせって言ってる
アスナさんには悪いけど、それは私も考えてたことだ。背中を後押しされてる感覚

直葉「だね、ちょっと考えてみようかな」

メイ「がんばれ、直葉」


ありがとうメイちゃん、今度お兄ちゃんを紹介してみようかな?
あ、ダメか。またお兄ちゃんを好きになる人が増える。多分メイちゃんも
お兄ちゃんのことは気に入るはずだし

メイ「それとさ~今度和人さんに会わせてよ」

直葉「だめ」

メイ「ちぇ~」


メイちゃんの言ってた経験不足か…きっと私にも当てはまる
男の人とお付き合いなんてしたことないし、今もお兄ちゃんに行ってるし
そういえばこの前、遊びに誘われたことあったっけ?参加してみようかな


直葉「よしっ」

メイ「どうしたの。直葉?」

直葉「私も、色々経験しておこうと思ってさ」

メイ「あ~、男子とデートとかはした方がいいかもね」

直葉「うん」

メイ「ただし…知り合いの人をハンドルネームで呼ぶのはやめときなよ、引かれるから」

直葉「あ……」

しまった、気づかれてたか

その頃~

リズ「な、なにいってんの?」

クライン「あ?だからほっとけよそんなのは」


リズ「なな…!心配じゃないっての?」

クライン「別に死ぬわけじゃねぇしな、いいじゃねぇか青春で」

リズ「青春て…」


クライン「お前らにはそういう経験足りてないんじゃないか?これはいい経験だろ」

リズ「ぬ…!」


エギル「年相応の悩みだな。俺にも経験はあるが」

リズ「エギルに言われると…説得力があるわね」

クライン「おい、そりゃどういう意味だ?」

リズ「言葉の通りよ」

リズ「まあ確かに、合コンで彼氏とケンカとか当たり前かもだけどさ」

クライン「あの二人は無菌状態の恋愛してたからな、ショックもデカいんだろう」


エギル「あまり思いつめるな、様子を見るのも一つの方法だぞ」

リズ「様子見…」


クライン「よくよく考えたら、10代で結婚前提もくそもねぇだろ」


エギル「合コン程度で別れるのなら、まあそれも経験だな」


リズ「…なんか、二人ってドライ?」

エギル「命を懸けるSAOじゃないんだ。単純に考えているだけさ」

クライン「SAOでは無敵の勇者様もこっちでは普通の学生さまってな。微笑ましいよな」


エギル「まったくだ」


「わっはっはっはっは」

リズ「くっ、忘れそうになるけど、二人は社会人だった。人生経験の差が」

クライン「おうよ、まだママの所から離れられない若人とは違うのよ」

リズ「あんたに言われるとすっごい微妙だけど…」


エギル「そうだ、お前もアタックしてみたらどうだ?」

リズ「え?」

エギル「キリトのこと、まだ好きなんだろ?」

リズ「……」


エギル「キリトじゃなくても、この際、恋人を作ってみたらどうだ?」

クライン「まあな、ALO以外の心の拠り所ってのは大切だぜ?」


リズ「心の拠り所」


エギル「そういう意味ではキリト以外の方がいいか」

クライン「SAO事件関連ってのはどうしても奇異な目で見られるからな」

エギル「これから社会で生きて行く上で、大切なつながりになるかもしれないからな」


リズ「彼氏か…」

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