男「俺はSSを書きたい!」友「はい?」 (40)
学校内
男「ネットで面白いSSを読んで、俺も書きたくなった。」
男「でSSを書くのってどうすればいいの?」
友「ネットスラングのググレカスという言葉はご存知ですか?」
男「何それ?」
友「人に尋ねる前に、スマートフォンなり、パソコンなりで調べなさいという意味です。」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490015340
男「でだ。俺はSSを書きたいんだ。どこのサイトがいいんだろ?」
友「私の話を聞いてください。そもそも私も知りません。」
男「いーじゃん、調べて教えてよ。友なら説明うまいし。」
友「はぁ~(溜息)。あなたは言い出したら聞かないし、今回だけですよ。」
男「ありがとう!。」
数分後
友「少し調べました。このサイトのなんていかがでしょうか?」
男「お~、いいね。決定!」
友「ではルールが書いてある自治スレッドを読んでください。」
男「長い文章だな、解りやすく短く。」
友「アホな君に対する最低限の注意は、名前欄は空欄で本名を書き込まないこと。」
男「なんで名前欄なのに名前書いちゃだめなの?」
友「私はネットに個人情報を公開することの危険性の議論がしたいわけではない。君はただ分かったと返事をすればいい。」
男「うぅ…、分かった。」
友「メール欄にはアドレス等を書き込まずにsagaと入力すること。」
男「分かったけど、sagaって何?」
友「フィルターという機能がある。特定の言葉を自動的に変換する機能です。乱暴な言葉を伏せ字にしてくれたりします。」
友「でもSSの内容が作者の意図せず、変換されると困るから、それを避けるためです。いいですか?」
男「わかった。」
友「必ず完結させて、HTML化依頼をすること。」
男「これは俺もわかる。放置や荒らしになっちゃうからだな。でもHTML化依頼って何?」
友「大雑把に言うと、使わなくなったスレッドを過去ログ倉庫に格納する必要がある。そのために必要な作業。依頼はHTML化依頼スレッドでできる。」
男「なるほど。」
友「これで最低限ですが大丈夫ですか?」
男「大丈夫!。最高のSS投稿して感想をたくさんもらうんだ!。じゃあな友。また明日。」
翌日
男「…何のSSを書けばいいのかわからない。…」
男「…いろいろ読んだら、オリジナルは書く人少ないからオリジナルにしようと思ったのだけどな。…」
男「…どうしよう…。」
友「どうしようと言われましても、あなたは最高のSSを書いて感想をたくさん貰いたいのですよね?。」
友「なら二次創作でもよろしいんじゃないですか?」
男「…二次創作…」
友「あなたはよく知らない人の文章を読みますか?、あまり読まないのでは?。」
友「二次創作なら、元々の作品が好きな人なら興味をもって読んでくれるかもしれません。」
男「確かに!それだ!」
男「よし二次創作で最高のSS投稿して感想をたくさんもらうんだ。じゃあな。また明日。」
友「昨日は言い忘れましたが、必ず投稿する前に一度見せてくださいよ!。」
男が走り去っていく。
友「…不安しか感じない…。」
翌日
男「…」
友「妙に静かですが、どうしました?」
男「…SS投稿したんだ…。」
友「私に見せる前にですか!?。大丈夫でしたか?、個人情報を書き込まなかったですか?」
男「…俺はどんだけアホなんだよ…。」
友「私になんで見せなかったのですか?」
男「面と向かって見せるのは恥ずかしい。」
友「はぁ(溜息)それでどうしたんですか。」
男「…好きなアニメの二次創作SS投稿したんだけど、なんも反応なかった…。」
友「ちゃんと完結宣言して、HTML化依頼出しましたか?。」
男「…HTML化依頼は忘れてた。」
友「はぁ…(溜息)。今からしましょう。それと反応は気長に待ちましょう。」
男「…はい。」
翌日
男「やったぞ!。」
男「いつも見ているSSまとめサイトにまとめられて、そこのコメント欄に数個のコメントがついた!!。」
友「よかったですね。」
男「この数個のコメントしてくれた人は少なくとも、俺の書いた文章を読んでくれたんだ。嬉しすぎる!!」
友「どんなコメントでしたか?」
男「元々の作品についてのコメントが大半だったよ。誤字の指摘とかもあったけど、放送終了したアニメの二次創作だから懐かしむ感じのコメントだった。」
友「それは当初の目的だったあなたのSSに関する感想は貰えていないのでは?」
男「確かにそうだけど、今はとにかく嬉しい。ミュージカルとかで突然に歌いだす人の気持ちがわかったよ。」
友「そうですか」
男「次は何を書こうかな?。何がいいと思う?」
友「では放送終了したアニメの二次創作でそういうコメントならば、現在放送中のアニメの二次創作はいかがですか?」
男「それだ!。今まさに放送していて、さらに話題作なら読んで貰いやすくて、反響も増えるかも」
男「ありがとう。グフフ、よし、次はもっと良いものを書くぞ!」
友「明らかに調子に乗ってますが、大丈夫ですが?」
男「大丈夫だって。グフフ。」
訂正
友「明らかに調子に乗ってますが、大丈夫ですが?」
↓
友「明らかに調子に乗ってますが、大丈夫ですか?」
数日後
男「………………………………………」(死体のような目)
友「大体想像つきますけど、大丈夫ですか?」
男「………………………………………」
友「SS投稿したら叩かれたとかですよね。」
男「!」
友「私は投稿内容を知らないので何も言えませんが、どんな風に叩かれたのですか?」
男「…いろいろ」
友「思い出したくないのは解りますが、正確にお願いします。」
男「…小学生のキッズかな、とか…」
男「…痛いキモイ頭おかしい、とか…」
男「一行目でそっとじ、とか」
男「内容もクソで作者はもっとクソ、あとがきはさらにクソ、とか」
男「作者の自分に酔ってる感は異常、とか」
男「精神異常者だろ、とか」
男「この黒歴史が一生ネットに残るとか可哀相、とか」
男「俺は小学生じゃないし、そりゃもっと面白いものもたくさんあるけど、ここまでボロクソに書かなくてもいいだろ!。」
男「はあ、はあ(息切れ)」
友「…」
男「ネットで反論に反論を重ねて大炎上。とか見たことあるけど気持ちがわかったよ。何とか反論のコメント書くのは我慢したよ。」
男「これからも反論は書く気はないけど、あとがきに書いてるときに、感じたこと、考えたこと書いてなにが悪いんだよ。」
男「…同じ人間なのに、どうしてここまで酷いこと書くんだよ…。」
友「…言いたいことはそれで終わりですか?」
友「では、私なりの返答をしましょう。」
男「…」
友「なぜ酷いこと書くんだよと言っていますがそれはネットの中だからです」
友「自分にどんなに正当性があっても現実で相手の人格攻撃するような人物が、学校もしくは職場でまともに人間関係を気付けるとは思えない。」
友「となると酷い暴言を書いた人物も、現実では普通の人のはずです。」
友「現実では普通の人の心の内にある正直な意見に触れられたのは貴重な体験で、そこから学ぶべきこともあるはず。」
男「…そんなこといっても、この暴言から何を学べっていうんだよ。…」
友「小学生かなって言われた。国語の成績が悪いのだから当たり前。書かなきゃ書けるようにはならないから、書くしかない。」
友「痛いキモイ頭おかしい。プロでもなんでもないんだから叩かれるのは当たり前。」
友「一行目でそっとじ、これは貴重な意見です。少なくも本文を見るまでは興味をもってくれていたのだから、一行目から興味を引くものにすればいい」
友「内容もクソで作者はもっとクソ、あとがきはさらにクソですか。あとがきに何を書いたか自分でいってましたよね。」
友「感じたこと、考えたことを書いたと、二次創作のSSを読みに来たのにどうでもいい作者の心情を読まされたのだから当然です。」
友「ラーメン屋でラーメン頼んだら、マズイラーメン出てきて、どや顔でラーメン作りの難しさを語る店長とかうざいですよね」
友「自分に酔ってる感は異常ですか、SSを書いた高揚感と達成感を文章の中にまで出てるということだと思います。独りよがりにならないように。」
友「精神異常者、現実で見せない部分をネットの中で表現しているのだから、異常者に見られて当然。」
友「黒歴史が一生ネットに残る。いいじゃないですか。黒歴史でも誰が書いたかなんてわからないのだから。」
男「………………………友。」
友「私がアドバイスしたり、あなたと友達付き合いしてるのは、とりあえずチャレンジする姿勢が嫌いじゃないからです。」
友「それに全部が否定的な意見ばかりなわけでもないですよね。」
男「…………うん」
友「それに反応がないのが辛いって言ってたじゃないですか。」
男「…うん」
友「SS投稿しなければわからなかったことがたくさんあるはず。言ってみてください。」
男「…」
友「いつも短くわかりやすくと言うのに自分はできないのですか?」
男「批判は受け止める。文章書くのはヘタクソ。でも書くしかない。プロでもないのだから叩かれて当然。まえがきとあとがきで妙な自己主張しない。」
友「できるじゃないですか。」
男「うん、よ、よ~し。」
男「なんか持ち直してきた。今度は何のSSを書こうかな」
友は少し笑った。
友「あんなに叩かれたのにまだ書くんですか?」
男「そうだよ。だって」
男「俺はSSを書きたい!」
終わり
後日談
友「今度は何を書いているのですか。」
男「読んで貰いやすい台本形式での、オリジナル物のSSだ!。俺が感じたことを、なにを言われようが書くんだ。」
男「俺はプロじゃないのだから、好きなことを書くぜ!」
友「どれどれ」
男「どーよ!!」
友「………………………………………………。」
友「………………………。」
友「………。」
友「…これは酷い。」
男「………………………………………………え!?。」
友「…」
男「…」
終わり
読んで頂き、本当にありがとうございました。
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