幼馴染「キミはなんて答える?」
男「……は?」
幼馴染「聞こえなかった?もう一度言おうか」
男「いや、大丈夫だ」
幼馴染「そう?」
男「……」
幼馴染「……じー」
男「例え話、だよな」
幼馴染「そう言ってるじゃないか」
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男「……んー」
幼馴染「……んー?」
男「……少し考えさせてくれ」
幼馴染「えー」
男「えーってなんだ、えーって」
幼馴染「例え話なのに?」
男「例え話でもだ」
幼馴染「……そっかそっか」
男「何なんだ、急に」
幼馴染「いつもの気まぐれ。って言ったら、怒る?」
男「……怒りはせんが」
幼馴染「では、ご検討よろしく」
男「……」
男「……はぁ」
男(いつもの調子で考えるなら、ただからかっているだけなんだろうが)
男(今までのからかい方とは少し趣が違う気がしてならない)
男(俺の思い過ごしか……?)
男(……あいつが俺を、好き)
男(俺は、あいつを……?)
「……おい」
男「……?」
「授業中によそ見とは、いい度胸だな」
男「あ……」
「今日の課題、楽しみにしておけ」
男「たはは……」
幼馴染「……」
男(なんだ、このプリントの枚数は……)
男「ほんとに容赦ないな、全く……」
幼馴染「ご愁傷様」
男「……こりゃどうも」
男(ったく、誰のせいだと……)
幼馴染「ったく、誰のせいだと……」
男「……!?」
幼馴染「とか、思ってる?」
男「……いや、んなこたない」
幼馴染「……ふふ」
幼馴染「ウ、ソ、つ、き」
男「……失礼な」
幼馴染「僭越ながら言わせていただくと」
男「?」
幼馴染「キミはウソを付いてるとき、丸わかりなんだ。知らなかった?」
男「なんだと?」
幼馴染「クスクス……」
男「おい、待て。どうやって丸わかりなんだ?教えろ」
幼馴染「教えたら直しちゃうだろ?」
男「……むむ」
幼馴染「課題、ボクも手伝ってあげるから」
男「本当か?」
幼馴染「あくまでも手伝いだからね?」
男「分かってる分かってる」
幼馴染「ほんとかなぁ……」
男(そもそも、元はと言えば……)
幼馴染「キミはボクがいないとダメだなぁ」
男(……なんて言ったら、どうせまたからかわれるだけか)
幼馴染「ん?」
男「いや、なんでもない」
幼馴染「なんだよ、気になるなー」
つつく
男(どうせまたからかわれただけだろうしな……)
幼馴染「こら、無視するなー」
男「……ここ、分かるか?」
幼馴染「んと……そこはこの公式を使うんだよ」
男「ん、さんきゅ」
幼馴染「どういたしまして」
男「ちなみにこっちは……あてっ」
幼馴染「こーら。これじゃボクが全部やってるのと変わらんじゃないか」
男「分からん物は仕方あるまい」
幼馴染「授業をちゃんと聞いていれば、そう難しい内容でもないと思うけどね」
男「少なくとも今日はちゃんと聞けてなかったしな」
幼馴染「……全くもう」
男「……ふぅ」
幼馴染「とりあえず、一段落かな?」
男「あー、疲れた」
幼馴染「半分以上ボクがやったような……?」
男「……はいはい、今すぐ飲み物をご用意しますよ。お嬢様」
幼馴染「うむ、苦しゅうない」
男「おまたせ」
幼馴染「おや?デザートまでセットだなんて、キミにしては気が利くね」
男「持たせられただけだがな」
幼馴染「なるほど、合点がいった。後でお礼を言わなきゃ」
男「それで、どっちがいい?」
幼馴染「キミは?」
男「俺は甘いものに特に拘りなんてないからな……そっちが選んでくれ」
幼馴染「んー、それじゃこっちにしようかな」
男「随分渋い趣味だな」
幼馴染「おいしいもの、抹茶……あむ」
男「まぁ、そこには同意だな」
幼馴染「キミはそっちで大丈夫?」
男「だから、特に拘りはないから大丈夫だって……んぐ」
幼馴染「……むぅ」
男「む?」
幼馴染「食べ比べてみれば、拘りがうまれるかもしれない」
男「いや、別に俺は……」
幼馴染「つべこべ言わない」
男(そう言う事じゃなくて……)
幼馴染「ほら、あーん」
男「……」
幼馴染「……じとー」
男「……あーん」
幼馴染「どう?比べて」
男「……確かに、俺もこっちの方が好き、だな」
幼馴染「ふむふむ、なるほど」
男「これっていわゆる……)
幼馴染「それじゃ、ボクもそっちを一口……ぱく」
男(間接キス……いや、間接間接キス……?)
幼馴染「……ぺろり」
男「どうだ?」
幼馴染「やっぱり抹茶が捨てがたいなぁ」
男「左様ですか」
幼馴染「もぐもぐ……」
男(気にしてるのは俺だけ、か?)
続
幼馴染「おっと、もうこんな時間だ」
男「ん、ほんとだな」
幼馴染「それじゃ、また明日」
男「おう、ありがとな。助かったよ」
幼馴染「なぁに、別の問題に気を取られて欲しくなかっただけさ」
男「……?」
幼馴染「焦らされるのは好きじゃないから。数日以内にお願いね」
男「お、おう……」
幼馴染「あ、ケーキありがとうございました」
「あら、泊まっていかないの?」
幼馴染「はい、泊まりはまた次の機会にでも」
「残念だわぁ」
男「ほら、さっさと帰れ」
幼馴染「ふふ、じゃあね」
「酷い言いぐさねぇ」
男「……うっさいな」
「顔、赤いわよ」
男「――っ」
「あらもう、青春ねぇ」
男「……」
幼馴染「おはよ」
男「……ん、はよ」
幼馴染「凄い顔」
男「……ああ、知ってる」
男(ほとんど眠れなかったからな……)
幼馴染「……迷惑だった?」
男「何が」
幼馴染「ボクの質問」
男「……今更すぎないか」
幼馴染「ゴメン、そこまで悩ませるつもりはなかったんだけれど」
男「謝るこたねぇよ」
男「俺もここまで悩むとは思ってなかった」
幼馴染「……そっか」
男「ちなみに」
幼馴染「ん?」
男「好きってのは、友達として……とかって意味だったりするのか」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「のーこめんとで」
男「は?」
幼馴染「おっと、急がないと遅刻しちゃうなぁ」
男「まだそんな時間じゃないだろ……あ、おい。待てっ」
幼馴染「とうちゃーく」
男(大分早く着いちまったな)
幼馴染「ふー、いい汗かいた」
男(相も変わらずマイペースなやつ……)
幼馴染「ほい」
男「ぬ」
幼馴染「タオル、使う?」
男(また、そういう事を……)
幼馴染「……ん?」
男(しばらく見ないうちに、随分とたわわに……)
続く
幼馴染「……じろーり」
男「……はっ」
幼馴染「……」
男「いや、違うぞ。これはだな……」
幼馴染「目が怖いぞ?スケベ」
男「ぐあっ」
幼馴染「……まぁ、キミにならそういう目で見られても、悪い気はしないけれど」
男「……なぁ」
幼馴染「はい、なんでしょう」
男「例えの話、なのだが」
幼馴染「うんうん」
男「俺もお前の事が好きだ、と答えたら」
幼馴染「……」
男「お前はなんて答える?」
幼馴染「なんだか、どこかで聞いたような言葉だね」
男「そうか?珍しい事もあるもんだ」
幼馴染「……んー、そうだなぁ」
男「……ごくり」
幼馴染「ボクなら、一日待たせるような事はせず……」
男「せず?」
長なん地味「こうやって」
男「んぐっ!?」
幼馴染「ん……ぅ」
男「ぷはっ、あ」
幼馴染「……ぺろり」
男「な、あ……え……?」
幼馴染「ストレートに感情を表現すると思います」
男「……」
幼馴染「……」
男「これはズルいだろ……」
幼馴染「そうかなぁ?こうでもしないと、ちゃんと伝わってない気がしたから」
男「……たとえ話じゃなかったのか?」
幼馴染「ここまでやられて、まだそんな事を言ってるのかい」
男「いや、お前……」
幼馴染「嫌だった?」
男「……分かってて聞いてるだろ」
幼馴染「いや、内心ドキドキで心臓が飛び出しそうだよ」
男「ウソつけ」
幼馴染「ウソなもんか、確かめてみるかい?」
男「だから、そういう所が余裕そうに見えるんだっつの」
幼馴染「狼狽えるのはボクのキャラじゃないだろ?」
男「見てみたいけどな、俺は」
幼馴染「ボクは見せたくないの」
男「……なら」
幼馴染「ん」
男「……」
幼馴染「……んーっ」
男「――――」
幼馴染「ん、んーっ、んーっ!」
男「いて、いてててっ」
幼馴染「ぷはーっ……あ」
男「叩くこたないだろ」
幼馴染「真似るのが好きだね、キミも」
男「真似たわけじゃない。俺がしたかったんだ」
幼馴染「……ボクはそんなに長くやらなかったぞ」
男「そんなん、俺の勝手だろ」
幼馴染「……うー」
男「なるほど、確かに余裕たっぷりってわけでもなさそうだ」
幼馴染「……」
男「おい、こら。にじりよってくるな」
幼馴染「やられっぱなしも、性に合わないからね」
男「いや、誰かに見られたら……」
幼馴染「ボクは構いやしないさ」
男「負けず嫌いが……」
幼馴染「キミだって随分、余裕が出てきたじゃないか」
男「真似るのが好きなもんで」
幼馴染「ほら、キミも負けず嫌い」
男「……」
幼馴染「……」
男「ちなみに」
幼馴染「うん」
男「たとえ話ではなく、好きと言ったら」
幼馴染「ボクも大好き、って答えますよ」
男「食い気味だな、おい」
幼馴染「読めてたもの」
男「こいつ……」
幼馴染「スキありっ」
男「むっ」
幼馴染「……ちぅ」
男「……頬」
幼馴染「続きはまた今度、ゆっくりとね」
男「……真っ赤になると、更に可愛いな」
幼馴染「う、うるさい」
男「その顔を見るのが好きだって言ったら……どうする?」
幼馴染「……ばか」
ここで一旦本編は終わりです
何か読みたいシチュエーションあったらよかったらどうぞ
特になかったら依頼出してきます
ではまた
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