雁淵ひかり「ハーイ!みなさんこんにちは~!ひかりちゃんねるへようこそ!」 (28)

ひかりの部屋

ひかり「ぶんぶんハーイゆーちゅーぶ」

ひかり「ん~........これはちょっと真似しすぎだよね.....」

ひかり「ハーイ!みなさんこんにちは~!ひかりちゃんねるへようこそ!」

ひかり「こっちの方がいいかな」

ひかり「とりあえず最初の入り方はオッケーと.......」

ひかり「お給料で機材も買ったし後はネタを何にするかだよな~」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1488532547


ひかり「みんなが見てくれるようなのっていったら結構過激なことしないとだめだよね~」

ひかり「あ!そうだ!冬のペテルブルクで頭からワインを被ってみよう」


早朝基地の外 マイナス15度


ひかり「ここにカメラを置いて......誰もいないことを確認..........」

ひかり「よし、撮影開始っと」

ひかり「.........ハーイ!みなさんこんにちは~!ひかりちゃんねるへようこそ!」

ひかり「自己紹介します!私は14歳でひかりって言います!これから面白い動画いっぱい撮ろうと思うのでよろしくお願いします!」

ひかり「記念すべき初投稿の今日はマイナス15度のこの銀世界の上でワインを頭から被ってみたいと思いま~す!絶対飲まないので違法じゃないですからね!」


ひかり「ではまずこのワインを開けて~.........よいしょっ.......上の制服を脱ぎます!うぅ~.....水練着一丁は寒いな~.........マイナス15度ですからねみなさん!?」

ひかり「よし!じゃあかけますよ!せーの」

...........ビチャビチャ.................................


ひかり「あああああああああ冷たいですううううううううううううううううううああああああああああああああああ寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い暑い!?寒い寒い冷たいああああああああああああああああ.............」

ひかり「はぁはぁ.............あぁ.........これは命の危険を感じました..............チャンネル登録良ければお願いします........」

ひかり「よし、撮影終了っと..........実際魔法使ってるからそこまで冷たくないんだけどね」

ひかり「さて帰ってシャワー浴びよう」

翌日

ひかり「昨日の動画の再生回数はどのくらいいったかな~?」

ひかり「............300回........まあそんなもんだよね..........」

ひかり「あっ......一件コメントが来てる........『14歳にしては発育よすぎるだろwwwwww』.................」

ひかり「...............ユーチューバーやめよ..............」

コンコン

ニパ「おーい!ひかり~!ラル隊長が呼んでるぞ~」

ひかり「はーい!今行きますね!ニパさんわざわざありがとうございます!」


ラルの部屋

ひかり「こんにちはラル隊長」

ラル「お、来たか.....単刀直入に聞くが.......」

ひかり「はい」

ラル「基地のワインを勝手に持ち出したのはお前か?」

ひかり「(ギク.................やば.........)え?も、持ち出してません........私ワインなんて飲めないですし.......」


ラル「それもそうだな....昨日急にワインのボトルが一本消えてな........一応隊員全員に聞いてるんだが.........まあ犯人の検討はついている.........悪かったな急に呼び出して」

ひかり「い、いえ大丈夫です!(ふうバレてなかった~)」

ひかり「失礼しました」



翌週
~ブリーフィングルーム~

ラル「今日は最近出たネウロイについての報告を行う.......」

ラル「おっと.......その前に一つ皆に見てもらうものがある」

ラル「よいしょっと..........」ガチャガチャ


サーシャ「ラル隊長.....一体何を?」

ラル「フフ........まあ見ればわかる」

ラル「再生っと...........」カチ


ひかり『ハーイ!みなさんこんにちは~!』


ひかり「!!???!??!??!??」

ニパ「これは...........ひかり?」

菅野「何やってんだこいつ?」


『私は14歳でひかりって言います!これから面白い動画いっぱい撮ろうと思うのでよろしくお願いします!』


クルピンスキー「ひかりちゃんってユーチューバーだったの?可愛いな~」

ひかり「.......................」



『ワインを頭から被ってみたいと思いま~す!』


ロスマン「な、何ですかこれは!!!」

サーシャ「ワインを盗んだのってまさか...........」

ひかり「........................」


『よいしょっ.......上の制服を脱ぎます!うぅ~.....水練着一丁は寒いな~.........』


ジョゼ「こんな真冬に.......狂ってますよ........」

下原「でもよく見たら魔法発動してますよ」

ジョゼ「あ、ほんとだ」

ひかり「.......................」



『あああああああああ冷たいですううううううううううううううううううああああああああああああああああ寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い暑い!?寒い寒い冷たいああああああああああ』


菅野「アハハハハハハハハハハ!こいつ馬鹿だろ!」ケラケラ

一同「............」

菅野「あれ?.............どした?.........」

ひかり「.......................」


『チャンネル登録良ければお願いします........』


ラル「停止っと...........」カチ

ひかり「...........................」

一同「...........................」

ひかり「隊長.............なぜこれを?」

ラル「そりゃあ動画サイトに載っければ誰でも見れるだろう」


ひかり「でもこれ......再生回数300回くらいだったはずじゃ........」

ラル「今の再生回数を見てみろ」

チラ

ひかり「!?!?!?!?????」

ひかり「300万回!??」

ラル「コメントもすごく多いぞ」

ひかり「...............あ..............あ.....................」ブルブル

ラル「先週の間に随分と話題になったようだな」

ひかり「ひっ................」

ラル「何か言うことは?」

ひかり「ワ........ワイン.......盗んで.........ご....めん........な..........さい..........」


ラル「よろしい.....食い物と飲み物の恨みはでかいというのを覚えておけよ」

ラル「特にこの.....最前線ではな」

ひかり「は、はひ.............」

ラル「いい返事だ..........では本題のネウロイの話に移る」




 ブリーフィングはいつも以上に重たい雰囲気で、喋っているラル隊長以外は誰一人として声を発する者はいなかった.....


 ブリーフィング後、二パさんやクルピンスキーさん、ジョゼさんや下原さんは私を慰めてくれた..........ロスマン先生とサーシャさんにはもちろん叱責されたが、彼女たち自身にも監督責任があるといってそんなに長くは怒られなかった......


 その後、ロスマン先生からインターネットリテラシーに関して徹底的に授業が行われた.......私だけでなく、菅野さんや二パさんにも.........


 ラル隊長はワインのことは許してくれていた.......しかし次は無いと笑顔で言っていた......


 私も含めて現代っ子にはインターネットリテラシーや常識が欠如しているのだ........もうあのような悲劇は繰り返してはならない.........

 
 502部隊のみんなは優しかったが、社会は許してくれない.......そして恐ろしいということも覚えておかなければならない..........

 
 私は未熟だったのだ....

 
 あの事件以降、私はバカなことはしないようになった.......痛いことも.....全部......

 
 しかし今でもまだ........あの事件を思い出して鳥肌が立って叫びたくなってしまう発作が襲ってくる......


 このお話は私から皆さん若い子たちへの警告です...........

 
 決して物語なんかじゃないんですよ.........



~完~

 

「皆さん、食事の時間ですよー」

グリニッジ標準時ヒトハチマルマル、下原定子の声と共に502メンバーが食卓に集まってくる。
テーブルには豪華な食事が並び、8人分の取り皿が用意されている。


……

『偽ウィッチに与える食事は無いわ』

502の実質的なNo.2、エディータ・ロスマンがこう言ったのは1ヶ月前のことである。戦果を上げない教え子に苛立ち、しびれを切らしたのだ。
部隊のNo.2の命令であるため他のメンバーも反論することができず、リハビリのためとは言え戦果を上げることの出来ない隊長も見て見ぬふりをする有り様である。

それからと言うもの、自分の服を噛んで飢えを誤魔化してきた “偽ウィッチ”。最初こそ同情していたメンバーであったが、次第に無関心となり、中にはロスマンの“訓練”に加担するものも現れ始めた。

……

このままでは死んでしまうと、食事を前にして泣きながら懇願する雁淵ひかり。しかしロスマンはこれを一蹴する。

「死ぬまででいいからここに居させて下さいと言ったのはあなたでしょう。スープが冷めるからどこかにいってくれない?」

ロスマンに続き、他のメンバーもひかりの“命乞い”を一蹴する。大声で泣き叫び暴れるひかりを抑えつけ、ズルズルと部屋に運ぶサーシャとニパ。
声にもならない叫び声は鍵がかけられた扉越しでも聞くことができたが、その命の叫びに耳を傾けるものは誰一人いなかった。



翌朝、一人の少女が布団の中で冷たくなっていた。
死因は飢餓による極度の栄養失調。
しかしその死顔は憧れの姉と共に空を飛ぶ夢を果たしたかのような明るい笑顔だったと言う。

ーひかりさんは陸戦部隊に移ってもらいますー

ロスマン先生が突如言い渡したこの辞令に泣き叫びながら抗議するひかり
空戦ウィッチとして十分な魔力を持たない妹を案じた姉の打診でもあった

一方のラル隊長も怪我で満足に戦えない自分と対照的なひかりに苛立ちを覚えていた
部隊内の綱紀粛正の名目のため見せしめ人事を行ったのだ

ひかりは激戦地カールスラントに到着すると傷心ながらも陸戦界の佐世保の英雄を目指そうと志を新たにし始めていた
しかし配属された先はユニットも存在しない通常陸戦部隊
ひかりは配属二ヶ月後、キャタピラが外れ動かなくなった戦車から避難する途中、ネウロイに首から下をごっそり吹き飛ばされ戦死
その報を聞いたロスマンは狐のような顔で笑ったという

今日も雁淵ひかりの夕食は野菜の切れ端や残飯といった生ゴミであった。役立たずに食わせる飯はない、ということで食事を出してもらえず仕方なく生ゴミを漁って飢えを凌ぐのである…。
誰しもが寝静まった深夜、空腹で重い体を引きずりながら台所へ行くひかり。
明かりをつけると誰かに見つかってしまうので、暗い台所でゴミ箱の蓋を開けて生ゴミを口に入れる。
生ゴミは冷たく、苦味や酸味といった不快な味がした。ひかりは気付けば涙を流しながら食べているのだった。
扶桑にいた頃を思い出す。扶桑では温かいご飯や味噌汁を毎日お腹いっぱい食べていた。それが今では繰り返す吐き気に耐えながら冷たい生ゴミで飢えを凌ぐ日々…。

「どうしてこうなったんだろう…」

あまりにも惨めで辛い現実に、声を押し殺して咽び泣くひかり。すると次の瞬間、パッと部屋が明るくなったかと思うと、そこには二人のウィッチがいた。

「こんなところで何をしているのですか?」

「ひかり…何してるの…?」

そのウィッチはロスマンとニパだった。
二人とも表情は氷のように冷たく、ひかりは顔から血の気が失せるのを感じた。

「まさか生ゴミを食べているなんて…。信じられません」

「まぁまぁ。確かにずっとご飯抜きだったからね。でも大丈夫だよ。今夜は特別にご馳走持ってきたから」

ニパは手に底の深い皿を持っており、その皿の中身をひかりに見せるのであった。

「え……これ…砂…?」

「基地の近くで採ってきた新鮮な砂だよ。お腹いっぱい食べてね」

「全部食べるまでここで見ていてあげます。いつも厳しい訓練に耐えてるご褒美ですよ」

ニパから皿とスプーンを渡されるひかり。二人は笑顔でこっちを見ている。本気だ。この二人は本気で自分に砂を食べさせる気なのである。
もしここで逃げたら、後で何をされるかわからない。ひょっとしたら砂よりも酷い物を食べさせられるかもしれない…。
スプーンを握る手が震える。涙で視界が歪む。そしてひかりはスプーンで砂をすくい、それを口へ運ぶのであった…。

基地の近くにある高い塔。そこに木に張り付いたセミの如く塔にへばりつく雁淵ひかりがいた。
今日の訓練は魔法持続力強化である。もし落ちれば確実に全身複雑骨折するであろう高さまで登らされて放置されたのである。

「こんな訓練で落ちるようなウィッチは偽ウィッチだから何をしてもかまいません」

ひかりの先生、エディータ・ロスマンが塔の下にいる汚い臭い男達数十人にそう告げる。
男達はひかりのプルプル震えて耐えている小さいお尻を視姦してオナニーしたり、滴り落ちるひかりちゃんの汗や涙をペロペロし、

「ひかりちゃああん!おじさんの胸に飛び込んできてええんやで!」

「ひかりちゃんの汗うっめぇぇ!おしっこも漏らしてぇ!」

「早く堕ちて犯させろや無能があ!」

と歓声や怒号がとばす。それを聞き青ざめて泣きながら重力に耐えるひかり。
しかし無能がゆえ程なく魔力切れとなり、重力には逆らえず地面に叩きつけられるひかり。幸か不幸か手足はバキバキに折れたものの、命に別状はなく、激痛で絶叫するよりも早く、ワッと一斉に男達が襲いかかる。
手足を骨折し、魔力も切れたひかりに抵抗する術はなく、まるで飢えた狼の群れに放り込まれた兎のように無慈悲に男たちに変態性欲をぶつけられるひかり。
ひかりの助けを求める悲鳴と男たちの怒号が響き渡る。
無慈悲な強姦は10時間に及び、祭が終わったひかりは服はすべて剥かれ、全裸で手足は曲がってはいけない方向に曲がり、全身噛み跡や痣だらけ、白濁液まみれで夜の寒風に晒されながら虫の息で横たわっていた。
それでも生きているひかりを見て、さすがスタミナだけはあるわねと他人事のように呟くロスマンであった。

「つらいよ……ニパさん助けて……」

誰もいない格納庫に呼び出されたニパにひかりが告げたのは助けを求める一言だった。
話の内容はロスマンによる日々の訓練と称した虐待。
いつもその様子を見ていたニパは話の内容についておおよそ予想はついていたが、
嗚咽しながら精一杯話すひかりの姿を目の前にして、真剣な表情で耳を傾ける。

ひかりは辛かった今までのことを洗いざらい話した。
ぶつけられた雪玉の中に石が入っていたこと、極寒のラドガ湖に突き落とされたこと、なにか失敗する度に頭をスパナで殴られたこと……

「よく耐えたね、ひかり。辛かったね……」

耐えきれなくなりニパの胸でわんわん泣くひかり。それを受け止めるニパ。そしていつも通りの優しい口調でこう告げる。

「何かあったら悩まずにいつでも相談してよね。どんなことがあってもわたしはひかりの味方だからさ!」

一人ぼっちじゃない。
理解してくれる人がいる。
ひかりの眼から大粒の涙がこぼれ落ちた。

……

次の日から、ひかりを待っていたのは苛立ったロスマンと、今まで以上に厳しい訓練、厳重に敷かれた監視体制。
そしてその様子を覗き見てほくそ笑むニパの姿であった。
厳しい訓練で息も絶え絶えなひかりを見て喜ぶ“理解者”の醜面をひかりはまだ知らない。
そしてその夜も、ひかりはたった一人の味方のもとへ相談に行くのであった……

ネウロイと闘う訓練と称し、飢えた野犬5匹と素手で闘うように命じるのは、502の教官であるエディータ・ロスマン。
訓練の内容を聞き、青ざめてガチガチ震えながら涙目で許しを請う雁淵ひかり。
隊長のグンドュラ・ラルにこの過激すぎる訓練について報告したものの、

「野犬相手に格闘訓練か。なかなか大した奴だ。頑張るんだぞ」

と軽くあしらわれてしまう。

かくして、極寒の森に1人放置されるひかり。ロスマンが飢えた野犬20匹をひかり目掛けて放つ。
襲い来る野犬の群に対しシールドを張るも背後にまわった1匹に足を噛みつかれる。
恐怖と激痛で集中力が途切れ、張っていた正面のシールドが消え、野犬達が一斉にひかりに襲いかかる。
腕や首や腹にいっぱい噛みつかれ、とても人間の声とは思えない物凄い悲鳴をあげるひかり。
か弱い抵抗も虚しく、骨が見えるくらい酷く噛み付かれて、
野犬共に両手や足を引っ張られ、今にも引き裂かれそうになっている。
恐怖と激痛で必死に助けを請うひかり。理性のある人間なら助けてくれたかもしれないが相手は野犬。
ひかりの願いは届くことは無く、その様子を遠くから眺めていたロスマンは渇いた笑いを浮かべたのだった。

氷点下27度を記録した深夜のペテルブルグ。
わぁー!凄い吹雪ですねー!と年相応にはしゃぐ雁淵ひかり。
その様子を見たエディータ・ロスマンはニヤリと笑いブレイク・ウィッチーズの三人に目配せする。

クルピンスキーの固有魔法マジックブーストで瞬時にひかりの背後に回り頭から水を浴びせると、そのまま羽交い締めにする。
全てを察したひかりは放して放して大声をあげて激しく暴れるも、管野にジタバタする脚を押さえつける。
その間にニパが基地の門を開ける。
抵抗もむなしく冷たい風が吹き抜ける門の前まで運ばれたひかり。

「直ちゃん行くよー!」

「おう!せーのっ!」

足跡一つとない雪の上に放り投げられる。続けてロスマンがスコップを投げつけ笑いながらこう言った。

「今晩は雪がたくさん積もるそうだから雪掻きをお願いね。ひかりさん」

ガチャリと門の鍵が閉められる音が吹雪の舞う極寒の大地に鳴り響いた。
そこでは大粒の涙も数秒と立たないうちに凍りついていた。

知る人ぞ知る同性愛者共の巣窟・507に左遷された雁淵ひかり
数日後、「ここではみんなが良くしてくれます」などという手紙と共に、お菓子が届く。

食べてみると、中には助けを求める手紙が入っていた……
扶桑の予備学校で習う、初歩的な暗号を解読すると、
「おねえちゃん たすけて
 よくしてあげると みんなが からだを さわってくる
 きたないもの なめさせられる さからえない
 このままだと ──」

だが、雁淵孝美中尉には戦いに集中してもらわなければ困る。
扶桑語を下原に解読させ、隊に有用な情報がないことを確認すると、
ロスマンの手で焼却処分される、ひかりのSOSであった

「あいつはお姉ちゃんじゃない…」「ネウロイが入り込んでお姉ちゃんを操ってるんだ…」「お姉ちゃんを助けなきゃ…」
深夜、一人、ブツブツ呟きながら何かを考え混んでいるひかり
翌日、孝美は部隊の手前、妹にも厳しく接しなければいけない日常に気を病んでいた。
しかし今日は非番の日。今日くらいは佐世保に一緒にいた時のように海軍カレーを妹に振る舞おうとひかりの部屋を訪れた
ガチャ「ひかー」
???「嗚呼アアアアアアーッ!!!」
けたたましい叫びと共に後頭部に衝撃が走る
「ネウロイィィィ!お姉ちゃんの身体からでていけェェェ!」倒れた孝美に馬乗りになり一心不乱に後頭部目掛けてスパナを振り下ろすひかり
「ひかッ…待って…何を…!」百戦錬磨のエースとはいえ、いきなり愛する妹に不意を突かれ、何も抵抗できないまま後頭部を殴打され続ける孝美

「ちょっ…!ひかり何をしているの!??」「テメェ!気でも狂ったかァっ!」
ニパと菅野が駆けつけた時には、既に孝美は意識を失い、死んだように横たわり
血の海の部屋でひかりが孝美に馬乗りになり呆けていた

坂本に変わる魔眼持ちが502から転属されてくると聞き期待に胸膨らませる501の隊員たち。しかりやって来たのは坂本の魔眼とは似ても似つかない固有魔法『接触魔眼』を持った欠陥ウィッチ、雁淵ひかりであった。


「あんな穀潰しが少佐の代わりでしかも501の一員だなんて私は納得いきませんわ!」

「まあ気持ちはわかるけどさ。力不足ではあるよなぁ、実際」

「そうね、上には進言しておきます」

「どうでもいいよー。死んだら死んだで自己責任じゃん」

「だな。次の出撃にわかるさ。力の無いものは死ぬ。それだけだ」


数日後、501にネウロイ出現の警報が鳴り響く。ひかりにとって501での初陣である。

「早く行こう、芳佳ちゃん!」

「うん!ひかりちゃん、みんな自分のことで精一杯だから自分の身は自分で守ってね!」

「は、はい!雁淵ひかり軍曹、出撃します!」


佐世保港に雁淵ひかり“少尉”が帰国したのはその戦闘から一か月後のことであった。

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