モバP「てるこ~、可愛いぞてるこ~」 (54)

注) このSSはフィクションです。実在の掲示板やスレッドなどとは関係ありません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487844621

346プロダクション事務所


ドア<ガチャ

ちひろ「おはようございまーす」



モバP「てるこ~」

輝子「あの… だ、だから…私… てるこじゃ…」

モバP「てるこ~可愛いぞてるこ~」

輝子「いや、あの…」

幸子「どうしちゃったんですかプロデューサーさん!」

小梅「輝子ちゃん… 困ってるから……!」

ちひろ「…………」ポカーン

ちひろ「えっと…… あの、なにしてるんですか……?」

輝子「あっ、ちひろさん、な、なんか親友が変なんだ…」

小梅「う、うん」

幸子「そうなんですよ! 何とかしてください!」

ちひろ「……え? 変って……」



モバP「てるこ~、可愛いぞ~てるこ~」



ちひろ「そうみたいですね……(白目」

ちひろ「……いや」

ちひろ「実際問題、何でこんな状態になってるんですか?」

輝子「そ、それが…… 私達にはさっぱりで……」

幸子「ボク達が朝来た時にはもう、こうなってて……」

ちひろ「そ、そうですか……」

輝子「し、しかも…」


モバP「勿論さちこも可愛いぞ~さちこ~」

モバP「でもって、こうめも可愛いぞ~こうめ~」


幸子「輝子さんだけでなく、時たまボク達にもこうなるんです」

ちひろ「ええ……」

ちひろ「……う~ん」

ちひろ「いや、まさか、悪ふざけ…… じゃないですよね……? プロデューサーさん?」

モバP「の~、の~」

輝子「一応… 首を横に振ってるな……」

幸子「ということは、悪ふざけではないみたいですね」

ちひろ「あと…… 意思の疎通も出来ないわけでもない…と」

ちひろ「いや、でも困りましたねぇ…… コレでは仕事になりませんし」

モバP「てるこ~、可愛いぞてるこ~」

輝子「だ、大丈夫なのか? 親友?」オロオロ

幸子「輝子ちゃんも心配してますし」

ちひろ「って…… あれ?」

小梅「ど、どうかした……? ちひろさん」

ちひろ「いえ、あの、プロデューサーさんのネームプレート…… 変じゃありませんか?」

小梅「ネームプレートって… 胸ポケットに付いてるあの……?」

輝子「……」
小梅「……」
幸子「……」

輝子「……えっ?」
小梅「……えっ?」
幸子「……えっ?」

輝子「名前が……」
小梅「名前が……」
幸子「名前が……」



「「「『しいたけお』になってる……!?」」」



輝子「……いや」

輝子「しいたけおって誰だよ……」

輝子「親友の名前は○○だし……」

小梅「ちひろさんは… 誰だか知ってる……?」

ちひろ「いえ…… タレントのちいたけおさん、じゃないですもんね」

輝子「ああ… チイじゃなくてシイって書いてあるし……」

ちひろ「あの、プロデューサーさん、念の為社員証とか名刺見せてもらえますか?」

モバP「どうぞ~」

つ社員証&名刺

ちひろ「……これも『しいたけお』になってますね」

輝子「ど、どういう事なんだ……? これって……」

ちひろ「……あっ」

ちひろ「そういえば……」

輝子「フヒ? どうかした?」

ちひろ「いや、今思い出したんです……」

ちひろ「『しいたけお』という単語…… 見たことが有るなぁって」

幸子「ほ、ホントですか……!?」

ちひろ「はい、ただ、その見た場所っていうのが……」

ちひろ「……とある掲示板にある、輝子ちゃん専用スレッドなんです」

輝子「……フヒ?」
幸子「……?」
小梅「……?」

輝子「あ、あの… 専用スレって……?」

ちひろ「簡単に言うと、輝子ちゃんのファンが集うスレッドの事で」

ちひろ「『しいたけお』というのは、そのスレッド共通のハンドル名なんです」

幸子「な、なんだか独特な名前を使ってるんですね……」

小梅「う、うん… なんだか… キノコマニアな人っぽい名前だよね…」

ちひろ「そうですね。実際、きのこ板に有るスレッドですので」

輝子「……えっ?」
小梅「……えっ?」
幸子「……えっ?」

輝子「き、きのこ板……?」
小梅「き、きのこ板……?」
幸子「き、きのこ板……?」

幸子「えっと…… 名称から察して、やはり……」

ちひろ「はい、きのこに関する話題を話し合う板です」

小梅「じゃ… じゃあ…… 輝子ちゃんのスレッドがきのこ板に在るのは……」

幸子「輝子さんがきのこ大好きだからって理由……ですか?」

ちひろ「そうらしいです」

小梅「い、いいの…? それって…」

ちひろ「大丈夫…… かと思います」

ちひろ「きのこ板の皆さんは紳士的かつ寛容な方々なので、ご迷惑をお掛けしなければ…… きっと…… 多分……」

輝子(あっ)
小梅(これ)
幸子(聞いちゃいけないヤツですね)

幸子「……そ、そういえば、ちひろさんもよくご存知でしたよね」

幸子「その、輝子さんの専用スレッドの存在を」

ちひろ「……ふふっ」

ちひろ「お客さんのニーズを把握する…… それって商売の基本ですからね」

ちひろ「それさえ掴めばお金儲けなんて……」

ちひろ「ふふっ……」キラーン

輝子(あっ、マーケティングの一環だったんだ)
幸子(あっ、マーケティングの一環だったんだ)
小梅(あっ、マーケティングの一環だったんだ)

ちひろ「だから当然、幸子ちゃんや小梅ちゃんは勿論、皆さんの専スレも調査…… もとい閲覧してるんですよ」

輝子「あ、はい」
幸子「あ、はい」
小梅「あ、はい」

ちひろ「……ですが、しいたけおという単語が何であるかが分かっても、結局、問題解決のヒントにはならないみたいですね」

幸子「そうですね……」

輝子「単語の出所… だけじゃな…」

小梅「……ううん」

小梅「わ、分かったかも… しれない」

小梅「プロデューサーさんが、こ、こうなったワケ」

輝子「……え?」
幸子「……え?」
ちひろ「……え?」

幸子「ほ、本当ですか!?」

小梅「あ、うん…… 多分… だけどね」

小梅「実はね… きょ、今日のプロデューサーさんからはね…」

小梅「す、凄く強い… 思念… ていうかね… 情念を感じるの」

小梅「しかも、凄く… 大勢の人の情念が… い、入り雑じったような…」

小梅「な、なんだか… 沢山の霊に取り憑かれちゃった人… みたいな感じ…かな」

輝子「と… 取り憑かれたって……」

幸子「まさか……」

小梅「う、うん… もしかしたら… 何かの拍子で… そ、その専スレの人達の情念が…」

小梅「プロデューサーさんに… の、乗り移っちゃったんじゃないかな…?」

輝子「い、いや…… 流石に…… それは……」

幸子「いくら小梅さんの言うことでも……」

ちひろ「いえ……」

ちひろ「もしかしたら、小梅ちゃんの言う通りかも知れません」

輝子「……え?」
幸子「……え?」

ちひろ「実は…… 今のプロデューサーさんの状態と、そのスレの人達の書き込みの特徴が一致してるんです」

幸子「えっと… それって……?」

ちひろ「たとえばですね」



モバP「てるこ~、てるこ~」



ちひろ「そう、こんな感じで、そのスレの住人の方は、輝子ちゃんの事をてるこ~、とレスしてるんです」

ちひろ「それに……」



モバP「てるこ~、可愛いぞ~、てるこ~」



ちひろ「頻繁に可愛いと言ったり」



モバP「てるこ~、ナデナデしたいぞ~」ナデナデナデ

輝子「し、したいって言うか… してるけどな… フヒッ」



ちひろ「ナデナデしたいと言ったりしてるんです」

幸子「あっ、そうなんですか」
小梅「あっ、そうなんだ」

幸子「……でも、そう言われると、小梅さんの仮説も正しい気がしますね」

幸子「そもそも、プロデューサーさんがこんな事をするなんて有り得ないというか」

幸子「少なくとも尋常ではないワケですし」

ちひろ「最悪、警察沙汰も有り得る状態ですしね」



モバP「てるこ~、頬っぺたも柔らかくて気持ち良いぞ~、てるこ~」ホッペツンツン

輝子「し、親友… く、くすぐったいから…///」



幸子「……(アカン」
小梅「……(アカン」
ちひろ「……(アカン」

幸子「あの、小梅さん」

幸子「仮にそのスレの人達の情念がプロデューサーさんに乗り移ったのだとして」

幸子「その解決法とかは分かりますか……?」

小梅「……えっとね」

小梅「た…多分… その人達の想いを満たして上げれば… 良いんだと思う」

幸子「……?」
ちひろ「……?」

小梅「あ、あのね… たとえば……」

小梅「飢餓で亡くなった人の霊が… と、とある人に取り憑いちゃったとするでしょ」

小梅「で、そ、その霊を徐霊するには… どうすればいいのかと言うと」

小梅「取り憑かれた人が… お腹一杯になるまで何かを食べる。そ、それだけで… 大概の霊は成仏してくれるの」

小梅「空腹は嫌だ… な、何かを食べたい… そういった情念や想いから… 霊になってまでこの世に留まってしまったワケだから…」

幸子「なるほど…… 満たされなかった想いを満たして上げれば、独りでに成仏してくれるという事ですね」

小梅「う、うん」

小梅「だから… プロデューサーさんを元に戻すには」

小梅「そ、そのスレの人達の… 輝子ちゃんを愛でたいとか… 応援したいって強い情念を… 満たして上げる」

小梅「それだけで良いんだと思う」

ちひろ「……では、具体的には、何をすればいいんでしょうか? 私達は」

小梅「ん…… 放って置けば…いいんじゃないかな」

幸子「へぇ」
ちひろ「なるほど」

幸子「それだけ!?」
ちひろ「それだけ!?」

小梅「う、うん…… スレの人達の… 輝子ちゃんを愛でたいのにそれが出来ない」

小梅「そ、そんな満たされない情念が… プロデューサーさんに乗り移ったワケだから」

小梅「思う存分輝子ちゃんを愛でれば… お、自ずと情念は消えていくと思う…」

ちひろ「なるほど…」

幸子「流石小梅さんですね」


幸子「というワケなので、輝子さん、もう暫く相手をしてあげてください」



輝子「え゛っ、ちょっ」

モバP?「てるこ~、困り顔も可愛いぞ~、てるこ~」

輝子「えっ、その――」

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『てるこ~ 白銀の髪が艷やかで綺麗だぞ~てるこ~』

『そ、そうか……』



幸子「……どうでもいいんですけど、てるこ~って連呼しすぎじゃないですか……?」

ちひろ「まぁ、輝子ちゃんスレのお約束みたいなモノなので」

小梅「へー」

ちひろ「前スレであるPart9では450回程、前々スレであるPart8では500回程書き込まれたワードなんですよ」

幸子「多いよ!?」
小梅「多いよ!?」

幸子「というか何スレも有るんですか!? そんなスレが!?」

ちひろ「はい。今現在、10スレ目ですね」

幸子「ええ……(困惑」
小梅「ええ……(困惑」

ちひろ「今では『てるこ~』だけで意思疎通が出来るらしいですよ、住人の方は」

幸子「ええ……(困惑」
小梅「ええ……(困惑」

ちひろ「いやぁ、愛って… 凄いですねぇ」

幸子「そう… ですかね……」
小梅「そう… かなぁ……」



注)このSSを書き始めたのはPart.10の頃でした

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幸子「あのー、ちひろさん、所々」



『てるこ~…… ○万円ぶっ込んでも引けなかったぞ~てるこ~(泣』

『頼む慰めてくれてるこ~……』

『……え、あ、よしよし……?』ナデナデ

『不甲斐ない俺を許してくれてるこ~』

『あ、その、し、親友は頑張ったから……な?』ナデナデ




『てるこ~! ○万ブン回したら遂に来たぞてるこ~!!!』

『……え? あの、よ、良かった…… のか? 親友?』

『もう血と臓器しか無くなったけどやったぞ~ てるこ~! 褒めてくれてるこ~!!』

『えと…… よく分からんけど…… よく頑張りました……?』ナデナデ

幸子「ウン万円とかいう生々しい単語が飛び出してるんですけど…… これは一体……」

ちひろ「そうですねぇ……」

ちひろ「専スレの風物詩、ですかね……」

小梅「風物詩……?」

ちひろ「分かりやすく言うと、数ヶ月に一度、輝子ちゃんに関するグッズが貰えるチャンスが有りまして」

ちひろ「それの争奪戦をしている…… といった感じですかね」



『こっちは○万円も回しても引けなかったぞてるこ~(泣』

『うるせ~、泣き言は俺みたいに○○万出してから言いやがれだぞてるこ~(怒り』

『幾らつぎ込んだかより! どれだけ走ったかで自分を語れよ!!(ドン!』

『幾ら使ったかより、引けたか引けなかったかが全てだぞてるこ~(至言』



小梅「と、というか… もう… てるこ~が語尾みたいになっちゃってるね」

幸子「それに…… なんか札束の殴り合いが始まってしまった気がするんですけど……」

ちひろ「……ふふふっ」

ちひろ「それもまた……」


ちひろ「風物詩ですから(ニッコリ」


幸子「……」
小梅「……」

幸子(……鬼だ)
小梅(……鬼だ)


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『てるこ~、昨日はマイタケの天ぷらを作ったぞ~』

『そ、そうか… やっぱり… マイタケ君には天ぷらが一番だからな』


幸子「……あの、あれは一体?」

ちひろ「輝子ちゃんスレのあるあるネタですね」

ちひろ「作ったキノコ料理を書き込むんです」

幸子「へぇ~、なんだかキノコ板の人らしい書き込みですね」

小梅「と、というか……料理、出来るんだ」

小梅「スレの人…」


『てるこ~、今日は弁当も作ってきたからな~』

『沢山の作ってきたから、一杯食べるんだぞ~』


重箱<ドドンッ!


幸子「重箱ッ!?」

小梅「しかも…… 5段重ね……!?」

幸子「沢山にも程があるでしょ!?」

ちひろ「うーん、スレ住人の方は輝子ちゃんが小さいトコロも好きなんですが」

ちひろ「発育不良や栄養不良に陥ってるんじゃないかと心配してるので、その為でしょうね」

幸子「いや、だからって、あんなに作らなくても……」

『キノコの料理も沢山入ってるから、お昼を楽しみにしてくれてるこ~』

『フヒッ、流石… 分かってるな… 親友…』

『もちろんだぞ~、てるこ~』

『あと…… 昼まで……』

『に、二時間か… 待ち遠しい……な… フヒッ』



幸子「……ま、まぁ、輝子さんが喜んでるならいいんですけどね、はい」

小梅「ふふっ…… 輝子ちゃん… 本当に嬉しそう」

ちひろ「良いですよね、こういう光景って」


幸子(……ですが、何処から取り出したんでしょう)
小梅(……でも、何処から取り出したんだろ)
ちひろ(……ですが、何処から取り出したんでしょうね)



『お、重い……! 流石、5段重ね… だな……!』

『気合入れて作ったからな~ てるこ~』



幸子(あの重箱は……?)
小梅(あの重箱は……?)
ちひろ(あの重箱は……?)



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『てるこ~、PANDEMIC ALONE、凄く良かったぞ~』

『可愛くて~格好良くて~面白くて~』

『一粒で三度美味しい曲だったぞてるこ~』

『そ、そうか、そこまで言われると…… て、照れるな///』

『お~!照れ顔も可愛いぞてるこ~!!』


『それに、紅も滅茶苦茶格好良くて~、凄く良いカバーだったぞ~』

『流石はアニソングランプリ全国大会出場者だぞ~』

『い、いや、あれは原曲が… 邦楽屈指の名曲だったお陰…… だけど…な フヒッ///』

『でも、てるこの歌唱力が相まっての出来の良さだぞ~てるこ~』

『また、てるこのカバーを期待してるぞ~』



幸子「あの、ちひろさん……」

幸子「プロデューサーさんが輝子さんの曲を誉めてるのは理解できるんですけど……」



『で、試聴先はこ↑こ↓』
https://www.youtube.com/watch?v=LSlKeBYtJ7A
https://www.youtube.com/watch?v=H7RfHlQE4Ko



幸子「あれは一体何を……?」

ちひろ「あれは…… マーケティングですね」

幸子「……マーケティング?」
小梅「……マーケティング?」

ちひろ「スレ住人の方々は、輝子ちゃんに関するステマ&ダイマを
機会が有れば欠かさず行っているので、ついその癖が出たんだと思います」

幸子「はあ……」
小梅「そう… なんだ……」

ちひろ「本当に熱心なプロデューサーさん方ばかりで、頭が下がりますねえ」

幸子(いや、ダイマって何……?)
小梅(いや…… ダイマって何……?)

ちひろ「いやぁ、素晴らしいですね(ニッコリ」

幸子(あ、これアレな方の笑みだ)
小梅(あ、これアレな方の笑みだ)



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公式の試聴先が無いのでダイマ出来ませんが
機会があれば、是非是非 Lunatic Show も聴いてください。こちらも良い曲です(ステマ)

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『てるこ~、てるこ~』

『土産にシャツ買ってきてたんだったぞ~』

つキノコのイラスト入りのシャツ

『……え』

『あ、ありがとう……?』



幸子「また、唐突なプレゼントですね」

ちひろ「いえ、あれは……」



『今度から外出したり、事務所に来る時は、そういう首周りが緩くないシャツを着てくるんだぞ~』

『ダボダボなシャツを着るのは、自室に居る時だけにするんだぞ~てるこ~』

『……え?』

『そ、それは… ちょっと…』

『ま、まあ… 善処します… って事じゃ… ダメか……?』

『政治家みたいな物言いはダメだぞ~てるこ~』

ちひろ「ああ、やはり、輝子ちゃんの無防備すぎる普段着を心配しての事だったようですね」

小梅「……無防備な」

幸子「普段着……ですか……?」

ちひろ「ほら、輝子ちゃんの着ているシャツって、かなりダボダボで、胸元が大きく開いちゃってる物も有るじゃないですか」



『参考画像はこ↑こ↓(画像ダイマ』
http://imas-cg-cg-db.net/img/dc/151_5.jpg
http://imas-cg-cg-db.net/img/c/151_7.jpg



小梅「……あっ」

幸子「確かに、そうですね」

小梅「う、うん… 結構、見えちゃってる事とか有るしね… その…///」

幸子「デフォで肩紐が見えてしまってるシャツとかも着てますしね///」

ちひろ「はい。輝子ちゃんのそういったセクシャルな事に頓着が余り無い部分を
スレの方々は微笑ましくもあり、心配しているみたいですから」

幸子「……口調は変ですけど、実は」

小梅「うん… 良い人達… な、なんだね」



『で、でも、やっぱり、事務所の中なら、ダボダボのシャツでもいいかも知れないぞてるこ~///』



幸子「あっ、下心も無いワケじゃないんですね」

小梅「分かります……」

『ギルティ! ギルティ!!』

『オマエ、アウトー!』

『貴様の腐ったその性根っ、叩き直してやるわッ!』

『煩悩…… 退散ッ!』

バチィィィン!

『しっ、親友!?』



小梅「自分で…」
幸子「自分の頬を……」

ちひろ「不埒なユダには鉄槌を」

ちひろ「それが輝子ちゃん専用スレ住人の鉄の掟なんです」

小梅「そう…なんだ…」
幸子「そうなんですか……」

幸子(……でも、その体ってプロデューサーさんのなんですけど)
小梅(……でも、その体ってプロデューサーさんのなんだけど……)


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幸子「ところで……」


モバP「さちこ~、こうめ~、二人も可愛いぞ~」ナデナデナデ


幸子「なんで輝子さんだけでなく、ボク達まで愛でようとしてるんですか?」

幸子「輝子さんのファンなんじゃないんですか? そのスレの方々って」

ちひろ「あ、はい。確かに輝子ちゃんが大好きな人が集うスレッドでは有るんですが」

ちひろ「そこの住人の方は、輝子ちゃんと仲の良いアイドルも好きなんです」

小梅「……え?」

小梅「それって… どういう……?」


モバP「さちこ~、こうめ~、何時もてること仲良くしてくれて、ありがと~だぞ~」


小梅「……ああ」

幸子「そういうことなんですね」

ちひろ「はい。専スレの方々は、輝子ちゃんのファンだったり、サポーターだったりするんですけど」

ちひろ「同時に、輝子ちゃんの幸せを願う存在でも在りまして」

ちひろ「ですので、輝子ちゃんと仲良くしてくれる、幸せにしてくれるお友達にも、感謝と好意を持っているワケです」

ちひろ「特に、142′sやアンデス、インディビのメンバーに至っては兼任担当をされてる方も多いそうです」

幸子「へぇ~」
小梅「へぇ~」

ちひろ「輝子ちゃんの場合、一人ぼっちで、キノコが友達と自称していたので、余計にそういった想いを持つらしくて……」

ちひろ「もしかすると……」

ちひろ「アイドルをする中で、仲の良い友達を沢山作って、そして幸せに成って欲しい」

ちひろ「それがスレ住人の、一番の願いなのかも知れません」

小梅「……そっか」

小梅「輝子ちゃん… 凄く想われてるんだね… しかも、沢山の人に…」

幸子「……幸せ、ですよね」

幸子「それって…… 凄く……」


モバP「てるこ~、でも俺の一番はてるこだぞ~てるこ~」ナデナデナデ


幸子「台無しだーッ!?」
小梅「台無しだーッ!?」


モバP「でもでも、さちこ~もこうめ~も大好きだぞ~」ナデナデナデ

幸子「いいですから! そういうフォローは!」
小梅「いいから! そういうフォロー!」




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幸子「ところで、小梅さん、一つお訊きしたいんですけど……」

幸子「プロデューサーさん、いつであの状態なんですかね……?」

幸子「満足すればって仰ってましたけど……」

ちひろ「そうですねー、まだまだ長引くようなら、仕事に支障が出てしまいますし」

小梅「え… うーん…… そうだね……」

モバP「大丈夫です。ご心配には及びません」

モバP「我々も、もう少しで御暇出来そうですから」

小梅「だって……」

幸子「そうですか」
ちひろ「それなら安心ですね」

幸子「……普通に喋ってる!?」
小梅「……普通に喋ってる!?」
ちひろ「……普通に喋ってる!?」

モバP「あ、はい、最後の挨拶くらい、真面目に、照れ隠しも無しにしようかと思いまして」

幸子「あ……」
小梅「はい」
ちひろ「分かりました」

モバP「それで……」

モバP「いやぁ、今回お三方には大変お世話になりまして」ペコペコペコ

幸子「あ、いえいえ、それ程でも……」ペコペコペコ
小梅「あ、いえいえ、それ程でも……」ペコペコペコ
ちひろ「あ、いえいえ、それ程でも……」ペコペコペコ

モバP「私が持参した昼食、皆さんの分もと作ってきたものなので、もしよければ、是非」ペコペコペコ

幸子「あ、それはわざわざ有り難うございました」ペコペコペコ
小梅「あ、それはわざわざ有り難うございました」ペコペコペコ
ちひろ「あ、それはわざわざ有り難うございました」ペコペコペコ

輝子「な、なあ、それより、御暇って…もしかして…」

モバP「……ああ」

モバP「そろそろお別れの時間……って事、だな」

輝子「もう… なのか……?」

輝子「ほ、本当に、満足… したのか……?」

輝子「遠慮とか…… しなくて、いいんだぞ?」

輝子「わ、私… まだ、何もしてあげてないだろ……?」

モバP「……いや」

モバP「そんなことは…… ないさ」

モバP「確かに、短い時間だったかも知れないけれど……」

モバP「俺達は、本当に…… 幸せだった」

モバP「満たされず、行く宛ての無かった俺達の想いは……」

モバP「しっかりと満たされて、本来在るべき処へ還っていける」

モバP「輝子…… それは全部、お前のお陰だ」

モバP「俺達は…… 報われたんだ」


輝子「で、でも……!」

輝子「私……」

モバP「いいんだ、輝子…… いいんだ」

輝子「でも…… それでも……!」

モバP「……そんな泣きそうな顔しないでくれよ」

モバP「難しいかも知れないけど、最後は笑顔を見ていたいんだ」

モバP「輝子の、笑顔を」

輝子「え、笑顔…か……?」

モバP「ああ」

輝子「……わ、分かった」

輝子「……エガオ」

輝子「……エガオ」

輝子「……」
輝子「……」ブツブツ
輝子「エガオ……」ブツブツ

輝子「……フヒ」

輝子「フヒ…… フヒフヒ……!」



輝子「ヒャッハー!! パーティーはまだ始まったばっかじゃねぇかァァァッ!」

輝子「ここでトンズラなんて許さねぇぞォォォ!!」



幸子(あっ……)
小梅(うん……)
ちひろ(やっぱり……)

輝子「……あれ?」

輝子「…………………………………」


輝子「……あ、あの」

輝子「……その、すまん」

モバP「……いや」

モバP「輝子のヒャッハーを生で見られて、寧ろ良かったし、うん」


輝子「……でも」

輝子「やっぱり…… ダメだな…… 私は……」

輝子「こういう時にすら…… 上手く… 出来ない」

輝子「笑顔の一つも…… 出来ない…… なんて……」

モバP「……いいんだ。輝子は器用じゃなくても」

モバP「不器用でも、自分を表現出来る。偽らず、有りの儘に」

モバP「それって、本当に凄くて、尊い事だと俺達は思ってるんだから」

輝子「……でも」

輝子「……」

輝子「あっ、あの……!」

輝子「その……」

輝子「わ、私… 絶対に忘れないから……!」

輝子「何もしてあげられなかったから……」

輝子「笑顔の一つも、ちゃんと見せられなかったからさ……」

輝子「せめて… 絶対に」

輝子「今日のこと、皆のこと……」

輝子「忘れないから……!」

輝子「絶対に……!!」



モバP「……そうか」

モバP「ありがとう…… 本当にありがとう」

モバP「なんと言うか……」

モバP「うん、本当に満たされた感じがするな」

モバP「これで…… 思い残す事無く還れそうだ」


モバP「……じゃあな、輝子」

モバP「俺達は…… 輝子の幸せを願ってるから」

輝子「お、おいっ、まだ――」





『さらばだぞ~ てるこ~』



輝子「……」

輝子「行っちゃった、のか……?」

小梅「……うん」

小梅「もう… あの人達の気配は… しなくなったから…」

輝子「そう… か……」

輝子「……」


モバP「……アイドルに暗い顔は禁物だろ? 輝子」


輝子「……えっ!?」
幸子「……えっ!?」
小梅「……えっ!?」
ちひろ「……えっ!?」

輝子「し、親友!?」

幸子「大丈夫ですか!? プロデューサーさん!」

小梅「あ、あの… プロデューサーさん…」

モバP「ん、大丈夫、俺にも分かってるから」

モバP「何が起きてたのか」

輝子「そ、そうなのか?」

モバP「ああ」

モバP「『なんか変な夢を見てるなぁ』って感じだったんだが……」

モバP「うーん…… 現実に起こっている事だったんだな」

モバP「まさか、こんな超常現象を体験するとは思わなかったけどさ」

輝子「……それで」

輝子「親友の意識が戻ったってことは……」

モバP「……ああ、もう、行ってしまったな」

輝子「そう…か……」

輝子「……」

モバP「……輝子」

モバP「あの人達は本当に、輝子の幸せを願っていたんだ」

モバP「変な人達だったけど…… 本心から、輝子の幸せを願ってた」

モバP「輝子の今の気持ちは、俺にだって少しくらいは分かるつもりだ」

モバP「でもな、悲しむばかりじゃなくてな……」

輝子「……ああ、分かってる」

輝子「私にも…… 分かってるから」


輝子「……」

輝子「あ、あのさ…… 親友」

輝子「私って……」

輝子「凄く、幸せな人間… だったんだな」

輝子「沢山の人に、凄く、想われて… 愛されてたんだ」

輝子「少し前までは… 全然、考えられなかったのに……」

輝子「……もっと、頑張らないとな」

輝子「次… 会う時には…… 立派なアイドルになって」

輝子「ちゃんと、ありがとうって… 笑顔で言いたいから……」

輝子「……本当は」

輝子「もう…… 次なんて」

輝子「無いのかも…… しれないけど……」

輝子「それでも…… 私は……!」

モバP「……ああ、それは大丈夫だと思う」

輝子「……?」

モバP「最後に」

モバP「『Part.20になったらまた来るぞ~ てるこ~』」

モバP「って言ってたからな」

輝子「……フヒッ!」

輝子「じゃ、じゃあ、尚更頑張らないとな……!!」

モバP「ああ、そうだな」


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―――――
―――

幸子「一件落着……ですかね?」

小梅「うん…… い、色々… 有ったけどね…」

幸子「ところで……」

幸子「気になりませんか?」

幸子「スレの人達が、実際どんな感じなのか」

小梅「き… 気なる……かも」

幸子「……では」

小梅「うん」

ゴソゴソゴソ

スマホ<ハロー

幸子「えっと……」

幸子「確か、きのこ板にそのスレッドが有るんでしたよね」

小梅「う… うん…… ちひろさん… そう言ってたね……」

小梅「……あっ」

小梅「このスレじゃないかな?」

『【モバマス】星輝子スレ Part.10 』

幸子「あっ、それですね」

幸子「……じゃあ、見ちゃいます?」

小梅「……うん、見ちゃおうか」

幸子「では……!」スマホポチー


幸子「……」
小梅「……」

幸子「…………」
小梅「…………」

幸子「……………………」
小梅「……………………」

幸子「『てるこ~』 ばっかりやないかーーーい!!(グラスカチーン」
小梅「『てるこ~』 ばっかりやないかーーーい!!(グラスカチーン」


完!

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