梨子のある日の1日 (39)

今日は久しぶりに内浦から東京に戻ってきました
理由は私の大切な人と会うためです

梨子「ごめんね、待った?」

どうやら10分ほど待たせちゃったみたい
悪いことしちゃったな…

梨子「ほんとにごめんね…えっ?いつもの公園に行くの?」

梨子「いいよ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1487518551

あなたと行くのは決まっていつも公園になっちゃう
でも、都会の喧騒から少し離れて静かな場所に行くのは私も大好きだからすごく…嬉しかった

梨子「なんだか今日は嬉しそうだね?」

梨子「顔がにやけちゃってるよ」フフッ

梨子「え?そっちこそって?ふふっ…確かにそうかも」

公園をゆったりと歩いていて、まるで私たちだけ
時間がゆったり流れているように感じて、
とても心地良かったな…

梨子「少し休憩しよっか」

3人座れるくらいのベンチを中央に2人で座って体を落ち着けた。
季節はもうすぐ春だというのに、東京はまだ肌寒い…
そんなことをあなたは感じ取ってくれたのか私にこんなプレゼントをくれた

梨子「…これって、プレゼント?」

梨子「私なんかの為に…」

梨子「…開けて、いいかな?」

あなたは早く開けてみてと言わんばかりに大きく頷いてみせた

梨子「わあっ…!」

それはとっても可愛いくて、でもどこか落ち着いている雰囲気のあるマフラーだった

梨子「ありがとう!ずっと大切に使わせて貰うね!」

梨子「実は…私も、あなたに渡したい物があるんだ…」ガサゴソ…

実は私も用意してたんだ
でもあなたも準備していたことは予想外だったかな…ふふっ…

梨子「はい、あなたへの感謝の証だよ」

梨子「ふふっ…とっても嬉しそうだね」

あなたは私に開けてもいいかな?という同意を求めた
私もあなたがプレゼントをくれた時のように大きく頷いてみせた

プレゼントを見たあなたは眼を大きく見開いて笑ってた
なぜなら、私とプレゼントが同じだったから
ふふっ…こんな偶然ってあるんだね

梨子「驚いた?でも私も同じだよ?」フフッ

梨子「まさか二人して一緒だったなんてね」

梨子「あなたとはなかなか会えないから」

梨子「こうやってプレゼントを贈って、感謝を伝えたかったの」

あなたは本当に嬉しそうにしていた
それは私も一緒だよ?

梨子「そろそろ…歩こっか」

私たちはお互いにプレゼントのマフラーを首に巻き付けてゆっくりと歩き始めた

おわり

短かったけど読んでくれた人ありがとう

 この先、対峙するにこりんぱなトリオを簡単に倒して絵里を追うというテンプレ展開になるのですが……。
 毎回省略するのも芸がありませんよね?
 理性を取り戻した私は迅速に三人を組み伏せる事に成功したので、その過程を少しばかり述べておきましょう。


にこ「凛!」

凛「任せて!」


 本職スナイパーの花陽含め、機関銃の腕前が激下手な三人は手にしていた不要物を投げ捨てると、各々の愛用武器を取り出しました。
 機敏な動きを見せる凛が前衛となり、格闘技用グローブを嵌めた両手をぐるんぐるん振り回しながらこちらに駆けてきます。


凛「今度こそ海未ちゃん倒すよー!」

海未「今度こそ一瞬で倒されないことを願います」


 右腕を大きく振りかぶった凛に合わせて、私は左手を軽く前に出して迎撃態勢を取りました。
 いつも猪突猛進の凛ですが、しかしこの時は搦め手を用いてきて、掲げた右腕を振るうと思いきや左足による前蹴りで虚を突いてきました。


海未「おっとぉ!?」


 飛んできた足が私の腹部に刺さる直前に両腕を振り下ろして受け流しました。
 が、その間に射程圏内まで詰めた凛は、今度こそ振りかぶった両腕でコンビネーションブローを仕掛けてきました。
 縦横無尽に飛び交う拳は鋭くコンパクトな動きで、ちゃんと指導した成果を見せていました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

花陽『……も……もしもし……海未ちゃん……?』

海未「ええ、私ですよ」

花陽『あ、よかったぁ……』


 先の二人の元気な調子とは一変してか弱い声が電話口から聞こえてきます。
 三人目の彼女は小泉花陽と言い、気弱で引っ込み思案な性格をしていますが、それでも列記としたマフィアの構成員です。
 どうにも庇護欲を掻き立てられ、凛同様邪険には扱えないんですよね。


花陽『あの、えっと、ね』

海未「焦って話すことはありません、ゆっくりでいいですよ」

花陽『……うん……ありがとう、えへへ』

海未「それで、どうしました?」

花陽『あの……今……海未ちゃんの後ろ340mから360m地点にいるの』

海未「何故そんな色々すっ飛ばした私メリーさんみたいな言い回しをするのです?」


 なんて返事をする余裕も一瞬のこと。
 ハッとして危機を察知した私は飛び跳ね身を翻し、ソファの陰に隠れました。
 勢いよく体を動かしたことで頭痛が再燃しますが耐えるしかありません。

 隠れるのとほぼ同時、部屋の窓ガラスがガシャンと音を立てて割れました。
 盾にしたソファから、ボスッ、という何かの音がしました。

穂乃果「ったぁい……!」

海未「失礼しました。ですが緊急事態だったので」

穂乃果「わっ、何か壁が抉れてるんだけど。なにこれ? リフォーム失敗したの?」

海未「弾丸の仕業です。もう少しで壁ではなく穂乃果を抉るところだったんですよ」

穂乃果「弾丸? 私? どういうこと?」

海未「ここは危険です、場所を移しましょう」


 穂乃果の手を取り、屋外から狙われる範囲から離脱しました。
 いたいけな市民を守る正義の女主人公みたいで格好良いシチュエーションですね、気分が良いです。

 と、妙な悦に浸っていましたが、走り出した足は数歩と進まないうちに覚束なくなりました。


海未「……? ぅ、っぷ、ぉぇ」


 軽い吐き気を覚えると共に、足だけでなく体中から力が抜けていきます。
 ダイエットの為に断食を続けていると体の末端から痺れが生じて脱力状態に陥りますが、それを何段階も酷くした感覚です。
 体の異常に耐え切れず、机に手を付いて体を支えようとしましたがそれも叶わず、膝を着いてしまいました。

 毒、という言葉が脳裏を過りました。

 この先、対峙するにこりんぱなトリオを簡単に倒して絵里を追うというテンプレ展開になるのですが……。
 毎回省略するのも芸がありませんよね?
 理性を取り戻した私は迅速に三人を組み伏せる事に成功したので、その過程を少しばかり述べておきましょう。


にこ「凛!」

凛「任せて!」


 本職スナイパーの花陽含め、機関銃の腕前が激下手な三人は手にしていた不要物を投げ捨てると、各々の愛用武器を取り出しました。
 機敏な動きを見せる凛が前衛となり、格闘技用グローブを嵌めた両手をぐるんぐるん振り回しながらこちらに駆けてきます。


凛「今度こそ海未ちゃん倒すよー!」

海未「今度こそ一瞬で倒されないことを願います」


 右腕を大きく振りかぶった凛に合わせて、私は左手を軽く前に出して迎撃態勢を取りました。
 いつも猪突猛進の凛ですが、しかしこの時は搦め手を用いてきて、掲げた右腕を振るうと思いきや左足による前蹴りで虚を突いてきました。


海未「おっとぉ!?」


 飛んできた足が私の腹部に刺さる直前に両腕を振り下ろして受け流しました。
 が、その間に射程圏内まで詰めた凛は、今度こそ振りかぶった両腕でコンビネーションブローを仕掛けてきました。
 縦横無尽に飛び交う拳は鋭くコンパクトな動きで、ちゃんと指導した成果を見せていました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

花陽『……も……もしもし……海未ちゃん……?』

海未「ええ、私ですよ」

花陽『あ、よかったぁ……』


 先の二人の元気な調子とは一変してか弱い声が電話口から聞こえてきます。
 三人目の彼女は小泉花陽と言い、気弱で引っ込み思案な性格をしていますが、それでも列記としたマフィアの構成員です。
 どうにも庇護欲を掻き立てられ、凛同様邪険には扱えないんですよね。


花陽『あの、えっと、ね』

海未「焦って話すことはありません、ゆっくりでいいですよ」

花陽『……うん……ありがとう、えへへ』

海未「それで、どうしました?」

花陽『あの……今……海未ちゃんの後ろ340mから360m地点にいるの』

海未「何故そんな色々すっ飛ばした私メリーさんみたいな言い回しをするのです?」


 なんて返事をする余裕も一瞬のこと。
 ハッとして危機を察知した私は飛び跳ね身を翻し、ソファの陰に隠れました。
 勢いよく体を動かしたことで頭痛が再燃しますが耐えるしかありません。

 隠れるのとほぼ同時、部屋の窓ガラスがガシャンと音を立てて割れました。
 盾にしたソファから、ボスッ、という何かの音がしました。

 この先、対峙するにこりんぱなトリオを簡単に倒して絵里を追うというテンプレ展開になるのですが……。
 毎回省略するのも芸がありませんよね?
 理性を取り戻した私は迅速に三人を組み伏せる事に成功したので、その過程を少しばかり述べておきましょう。


にこ「凛!」

凛「任せて!」


 本職スナイパーの花陽含め、機関銃の腕前が激下手な三人は手にしていた不要物を投げ捨てると、各々の愛用武器を取り出しました。
 機敏な動きを見せる凛が前衛となり、格闘技用グローブを嵌めた両手をぐるんぐるん振り回しながらこちらに駆けてきます。


凛「今度こそ海未ちゃん倒すよー!」

海未「今度こそ一瞬で倒されないことを願います」


 右腕を大きく振りかぶった凛に合わせて、私は左手を軽く前に出して迎撃態勢を取りました。
 いつも猪突猛進の凛ですが、しかしこの時は搦め手を用いてきて、掲げた右腕を振るうと思いきや左足による前蹴りで虚を突いてきました。


海未「おっとぉ!?」


 飛んできた足が私の腹部に刺さる直前に両腕を振り下ろして受け流しました。
 が、その間に射程圏内まで詰めた凛は、今度こそ振りかぶった両腕でコンビネーションブローを仕掛けてきました。
 縦横無尽に飛び交う拳は鋭くコンパクトな動きで、ちゃんと指導した成果を見せていました。

穂乃果「ったぁい……!」

海未「失礼しました。ですが緊急事態だったので」

穂乃果「わっ、何か壁が抉れてるんだけど。なにこれ? リフォーム失敗したの?」

海未「弾丸の仕業です。もう少しで壁ではなく穂乃果を抉るところだったんですよ」

穂乃果「弾丸? 私? どういうこと?」

海未「ここは危険です、場所を移しましょう」


 穂乃果の手を取り、屋外から狙われる範囲から離脱しました。
 いたいけな市民を守る正義の女主人公みたいで格好良いシチュエーションですね、気分が良いです。

 と、妙な悦に浸っていましたが、走り出した足は数歩と進まないうちに覚束なくなりました。


海未「……? ぅ、っぷ、ぉぇ」


 軽い吐き気を覚えると共に、足だけでなく体中から力が抜けていきます。
 ダイエットの為に断食を続けていると体の末端から痺れが生じて脱力状態に陥りますが、それを何段階も酷くした感覚です。
 体の異常に耐え切れず、机に手を付いて体を支えようとしましたがそれも叶わず、膝を着いてしまいました。

 毒、という言葉が脳裏を過りました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

花陽『……も……もしもし……海未ちゃん……?』

海未「ええ、私ですよ」

花陽『あ、よかったぁ……』


 先の二人の元気な調子とは一変してか弱い声が電話口から聞こえてきます。
 三人目の彼女は小泉花陽と言い、気弱で引っ込み思案な性格をしていますが、それでも列記としたマフィアの構成員です。
 どうにも庇護欲を掻き立てられ、凛同様邪険には扱えないんですよね。


花陽『あの、えっと、ね』

海未「焦って話すことはありません、ゆっくりでいいですよ」

花陽『……うん……ありがとう、えへへ』

海未「それで、どうしました?」

花陽『あの……今……海未ちゃんの後ろ340mから360m地点にいるの』

海未「何故そんな色々すっ飛ばした私メリーさんみたいな言い回しをするのです?」


 なんて返事をする余裕も一瞬のこと。
 ハッとして危機を察知した私は飛び跳ね身を翻し、ソファの陰に隠れました。
 勢いよく体を動かしたことで頭痛が再燃しますが耐えるしかありません。

 隠れるのとほぼ同時、部屋の窓ガラスがガシャンと音を立てて割れました。
 盾にしたソファから、ボスッ、という何かの音がしました。

 この先、対峙するにこりんぱなトリオを簡単に倒して絵里を追うというテンプレ展開になるのですが……。
 毎回省略するのも芸がありませんよね?
 理性を取り戻した私は迅速に三人を組み伏せる事に成功したので、その過程を少しばかり述べておきましょう。


にこ「凛!」

凛「任せて!」


 本職スナイパーの花陽含め、機関銃の腕前が激下手な三人は手にしていた不要物を投げ捨てると、各々の愛用武器を取り出しました。
 機敏な動きを見せる凛が前衛となり、格闘技用グローブを嵌めた両手をぐるんぐるん振り回しながらこちらに駆けてきます。


凛「今度こそ海未ちゃん倒すよー!」

海未「今度こそ一瞬で倒されないことを願います」


 右腕を大きく振りかぶった凛に合わせて、私は左手を軽く前に出して迎撃態勢を取りました。
 いつも猪突猛進の凛ですが、しかしこの時は搦め手を用いてきて、掲げた右腕を振るうと思いきや左足による前蹴りで虚を突いてきました。


海未「おっとぉ!?」


 飛んできた足が私の腹部に刺さる直前に両腕を振り下ろして受け流しました。
 が、その間に射程圏内まで詰めた凛は、今度こそ振りかぶった両腕でコンビネーションブローを仕掛けてきました。
 縦横無尽に飛び交う拳は鋭くコンパクトな動きで、ちゃんと指導した成果を見せていました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

穂乃果「ったぁい……!」

海未「失礼しました。ですが緊急事態だったので」

穂乃果「わっ、何か壁が抉れてるんだけど。なにこれ? リフォーム失敗したの?」

海未「弾丸の仕業です。もう少しで壁ではなく穂乃果を抉るところだったんですよ」

穂乃果「弾丸? 私? どういうこと?」

海未「ここは危険です、場所を移しましょう」


 穂乃果の手を取り、屋外から狙われる範囲から離脱しました。
 いたいけな市民を守る正義の女主人公みたいで格好良いシチュエーションですね、気分が良いです。

 と、妙な悦に浸っていましたが、走り出した足は数歩と進まないうちに覚束なくなりました。


海未「……? ぅ、っぷ、ぉぇ」


 軽い吐き気を覚えると共に、足だけでなく体中から力が抜けていきます。
 ダイエットの為に断食を続けていると体の末端から痺れが生じて脱力状態に陥りますが、それを何段階も酷くした感覚です。
 体の異常に耐え切れず、机に手を付いて体を支えようとしましたがそれも叶わず、膝を着いてしまいました。

 毒、という言葉が脳裏を過りました。

花陽『……も……もしもし……海未ちゃん……?』

海未「ええ、私ですよ」

花陽『あ、よかったぁ……』


 先の二人の元気な調子とは一変してか弱い声が電話口から聞こえてきます。
 三人目の彼女は小泉花陽と言い、気弱で引っ込み思案な性格をしていますが、それでも列記としたマフィアの構成員です。
 どうにも庇護欲を掻き立てられ、凛同様邪険には扱えないんですよね。


花陽『あの、えっと、ね』

海未「焦って話すことはありません、ゆっくりでいいですよ」

花陽『……うん……ありがとう、えへへ』

海未「それで、どうしました?」

花陽『あの……今……海未ちゃんの後ろ340mから360m地点にいるの』

海未「何故そんな色々すっ飛ばした私メリーさんみたいな言い回しをするのです?」


 なんて返事をする余裕も一瞬のこと。
 ハッとして危機を察知した私は飛び跳ね身を翻し、ソファの陰に隠れました。
 勢いよく体を動かしたことで頭痛が再燃しますが耐えるしかありません。

 隠れるのとほぼ同時、部屋の窓ガラスがガシャンと音を立てて割れました。
 盾にしたソファから、ボスッ、という何かの音がしました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

 この先、対峙するにこりんぱなトリオを簡単に倒して絵里を追うというテンプレ展開になるのですが……。
 毎回省略するのも芸がありませんよね?
 理性を取り戻した私は迅速に三人を組み伏せる事に成功したので、その過程を少しばかり述べておきましょう。


にこ「凛!」

凛「任せて!」


 本職スナイパーの花陽含め、機関銃の腕前が激下手な三人は手にしていた不要物を投げ捨てると、各々の愛用武器を取り出しました。
 機敏な動きを見せる凛が前衛となり、格闘技用グローブを嵌めた両手をぐるんぐるん振り回しながらこちらに駆けてきます。


凛「今度こそ海未ちゃん倒すよー!」

海未「今度こそ一瞬で倒されないことを願います」


 右腕を大きく振りかぶった凛に合わせて、私は左手を軽く前に出して迎撃態勢を取りました。
 いつも猪突猛進の凛ですが、しかしこの時は搦め手を用いてきて、掲げた右腕を振るうと思いきや左足による前蹴りで虚を突いてきました。


海未「おっとぉ!?」


 飛んできた足が私の腹部に刺さる直前に両腕を振り下ろして受け流しました。
 が、その間に射程圏内まで詰めた凛は、今度こそ振りかぶった両腕でコンビネーションブローを仕掛けてきました。
 縦横無尽に飛び交う拳は鋭くコンパクトな動きで、ちゃんと指導した成果を見せていました。

穂乃果「ったぁい……!」

海未「失礼しました。ですが緊急事態だったので」

穂乃果「わっ、何か壁が抉れてるんだけど。なにこれ? リフォーム失敗したの?」

海未「弾丸の仕業です。もう少しで壁ではなく穂乃果を抉るところだったんですよ」

穂乃果「弾丸? 私? どういうこと?」

海未「ここは危険です、場所を移しましょう」


 穂乃果の手を取り、屋外から狙われる範囲から離脱しました。
 いたいけな市民を守る正義の女主人公みたいで格好良いシチュエーションですね、気分が良いです。

 と、妙な悦に浸っていましたが、走り出した足は数歩と進まないうちに覚束なくなりました。


海未「……? ぅ、っぷ、ぉぇ」


 軽い吐き気を覚えると共に、足だけでなく体中から力が抜けていきます。
 ダイエットの為に断食を続けていると体の末端から痺れが生じて脱力状態に陥りますが、それを何段階も酷くした感覚です。
 体の異常に耐え切れず、机に手を付いて体を支えようとしましたがそれも叶わず、膝を着いてしまいました。

 毒、という言葉が脳裏を過りました。

花陽『……も……もしもし……海未ちゃん……?』

海未「ええ、私ですよ」

花陽『あ、よかったぁ……』


 先の二人の元気な調子とは一変してか弱い声が電話口から聞こえてきます。
 三人目の彼女は小泉花陽と言い、気弱で引っ込み思案な性格をしていますが、それでも列記としたマフィアの構成員です。
 どうにも庇護欲を掻き立てられ、凛同様邪険には扱えないんですよね。


花陽『あの、えっと、ね』

海未「焦って話すことはありません、ゆっくりでいいですよ」

花陽『……うん……ありがとう、えへへ』

海未「それで、どうしました?」

花陽『あの……今……海未ちゃんの後ろ340mから360m地点にいるの』

海未「何故そんな色々すっ飛ばした私メリーさんみたいな言い回しをするのです?」


 なんて返事をする余裕も一瞬のこと。
 ハッとして危機を察知した私は飛び跳ね身を翻し、ソファの陰に隠れました。
 勢いよく体を動かしたことで頭痛が再燃しますが耐えるしかありません。

 隠れるのとほぼ同時、部屋の窓ガラスがガシャンと音を立てて割れました。
 盾にしたソファから、ボスッ、という何かの音がしました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

 この先、対峙するにこりんぱなトリオを簡単に倒して絵里を追うというテンプレ展開になるのですが……。
 毎回省略するのも芸がありませんよね?
 理性を取り戻した私は迅速に三人を組み伏せる事に成功したので、その過程を少しばかり述べておきましょう。


にこ「凛!」

凛「任せて!」


 本職スナイパーの花陽含め、機関銃の腕前が激下手な三人は手にしていた不要物を投げ捨てると、各々の愛用武器を取り出しました。
 機敏な動きを見せる凛が前衛となり、格闘技用グローブを嵌めた両手をぐるんぐるん振り回しながらこちらに駆けてきます。


凛「今度こそ海未ちゃん倒すよー!」

海未「今度こそ一瞬で倒されないことを願います」


 右腕を大きく振りかぶった凛に合わせて、私は左手を軽く前に出して迎撃態勢を取りました。
 いつも猪突猛進の凛ですが、しかしこの時は搦め手を用いてきて、掲げた右腕を振るうと思いきや左足による前蹴りで虚を突いてきました。


海未「おっとぉ!?」


 飛んできた足が私の腹部に刺さる直前に両腕を振り下ろして受け流しました。
 が、その間に射程圏内まで詰めた凛は、今度こそ振りかぶった両腕でコンビネーションブローを仕掛けてきました。
 縦横無尽に飛び交う拳は鋭くコンパクトな動きで、ちゃんと指導した成果を見せていました。

花陽『……も……もしもし……海未ちゃん……?』

海未「ええ、私ですよ」

花陽『あ、よかったぁ……』


 先の二人の元気な調子とは一変してか弱い声が電話口から聞こえてきます。
 三人目の彼女は小泉花陽と言い、気弱で引っ込み思案な性格をしていますが、それでも列記としたマフィアの構成員です。
 どうにも庇護欲を掻き立てられ、凛同様邪険には扱えないんですよね。


花陽『あの、えっと、ね』

海未「焦って話すことはありません、ゆっくりでいいですよ」

花陽『……うん……ありがとう、えへへ』

海未「それで、どうしました?」

花陽『あの……今……海未ちゃんの後ろ340mから360m地点にいるの』

海未「何故そんな色々すっ飛ばした私メリーさんみたいな言い回しをするのです?」


 なんて返事をする余裕も一瞬のこと。
 ハッとして危機を察知した私は飛び跳ね身を翻し、ソファの陰に隠れました。
 勢いよく体を動かしたことで頭痛が再燃しますが耐えるしかありません。

 隠れるのとほぼ同時、部屋の窓ガラスがガシャンと音を立てて割れました。
 盾にしたソファから、ボスッ、という何かの音がしました。

 欝々とした気分のまま車に揺られ、ドクの住処まで連れられました。
 相変わらず物で溢れ、その割には妙に整然としているようにも見える、カスタマイズされたとでも評すべき佇まいの医療部屋です。

 私室も兼ねる部屋の奥へと運ばれ、ベッドに寝かされると、いくつもの機器で身体の具合を診られました。
 我が身に触れる医療機器はどれもこれも高価そうですが、正規品でなさそうなものもチラホラ。
 実生活の一助にすらなりようもない武骨な機器類でも、ドクを取り巻く装飾品と看做すことで整合性の取れたインテリアのように思えるのが不思議ですね。

 ドクのOKが出たので、私はベッドのボタンを操作して上体を起こしました。


海未「何かわかりましたか?」

真姫「せいぜい毒の進行具合くらいね」

海未「そうですか……」

真姫「解毒に関してわかったことをまとめてあげる」


 まとめると言いつつも一々話の長いドクですから、改めて私が要点をまとめることにしました。


①毒を抑制するには人の体内成分(ex:唾液)を摂取する必要がある

②唾液を摂取する相手に抱く好意が強い程に毒の抑制効果が高まる

③というより唾液摂取時の感情が抑制効果に大きく作用すると言うのが正しい ←NEW!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom