御子柴「俺が…藍子のプロデューサー!?」 (34)

・『野崎くん』×デレマスのクロスオーバー、藍子Pなみこりんのお話です
・みこりんがTwitterにて「藍子」と呼んでくれたのが嬉しかったので
・一応前作『野崎「デレステ?」』を踏まえていますがほぼ関係ありません

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~二月某日~

@野崎の部屋

FULL COMBO!!

藍子『私、今すごく幸せです!』

御子柴「よっしゃ!ついにお散歩カメラのMASをフルコンしたぜ!」

御子柴(これで藍子Pとしてまた一歩前進したな…!)

野崎「ん?あぁ、デレステか」

御子柴「おう、野崎もやるか?」

野崎「いや、今はいい、ちょっと考え事をしててな…」

御子柴「?」

野崎「実は…」

御子柴「アイドルのステージ?」

野崎「ああ、芸能プロダクションとうちの月刊誌とのコラボだとかで、ステージのプロデュースの依頼が来てるんだ」

野崎「といっても、こちらからはデザインを提案するだけで、あとは向こうがいいようにしてくれるみたいだけどな」

御子柴「へー、漫画家ってそんなこともするんだな」

野崎「……なんだけど、なかなかうまくいかなくて…」

御子柴(まぁ、野崎はキャラ以外の画力がアレだからな…)

野崎「というわけで、御子柴、やってくれないか?」

御子柴「え…はぁ!?俺ぇ!?」

野崎「小物と花と効果はお手の物だろう」

御子柴「いやいや、俺より、背景担当の人とかのほうがいいんじゃねぇか?」

野崎「それが、ほりせ…背景の人は、今の時期は忙しそうなんだ」

野崎「それに、御子柴はデレステをやってるだろう、アイドルのステージとかには詳しいんじゃないか?」

御子柴「えぇ?つっても、三次元のアイドルは専門外だしなぁ…」

~その日の夜~

野崎『ダメなら断るけど、検討だけしてみてくれないか?』

御子柴「って、野崎は言ってたけど…」

御子柴「俺はただのアシスタントだぞ?さすがにちょっとなぁ…」

野崎『御子柴の描く花はきれいだから、さぞかし素敵なステージが描けるだろうな』

御子柴「……まっ、まぁでも、どうしてもって言うなら、仕方ないなぁ…///」

御子柴「とはいっても、アイドルなぁ…」

御子柴「そうだ、藍子をイメージしたステージにしようかな…それなら考えられそうだ」

御子柴(藍子のイメージ…そうだな、あったかくて、優しくて…)

御子柴(お花をたくさん使って…かわいい小物をさりげなくのぞかせたりして…)

御子柴(ふふっ、こんなことしてると、なんだかホントのプロデューサーみてーだな…!)

御子柴「ふぅ、けっこういい感じになったんじゃないか…?」

御子柴「ふわぁ…って、もうこんな時間か、寝よう…」

御子柴「Zzz…」

――
―――――
―――――――

御子柴「わっ」ポスン

御子柴(なんだ…?急にどこかから落ちてきたみたいな感覚が…?)

御子柴「…って、ここどこだ?…廊下…?」キョロキョロ

??「きゃっ」ドン

御子柴「あっ、す、すみません!」

??「いえ、こちらこそ、ちゃんと前を見ていなくて…」

御子柴「いや、こっちこそこんなとこで座り込んでたか…ら…」

御子柴「……え!?」

??「はい?」


御子柴「藍子…!?」


藍子「え…?」

御子柴(どういうことだ!?藍子が俺の目の前に…!?)

御子柴(ついに藍子が三次元に来てくれたのか!?それとも俺が二次元の世界に!?)

藍子「あっ、もしかして、ファンの方ですか?」

御子柴「!は、はいっ!」

御子柴(ファンっていうか、プロデューサーっていうか…!)

御子柴「あの、えっと、いつも、応援してます…!」

藍子「ふふっ、ありがとうございますっ」ニコッ

御子柴(………)

御子柴(……うおおおおおおお!!めっちゃかわいいぃぃぃ///)

ちひろ「あっ、プロデューサーさん!」

御子柴「!?」

ちひろ「藍子ちゃんと一緒だったんですね、ちょうどよかったです♪」

御子柴「!!??」

ちひろ「ささ、こちらにどうぞ!」

御子柴「??」

御子柴(どういうことだ…鬼…悪魔…じゃなくて、ちひろさんまで!?)

御子柴(…ん?あ、そういうことか…なるほど…)

御子柴(これ、夢だな!?夢じゃなきゃおかしいよな!?そりゃそうだよな!?)

御子柴(藍子を想うあまり、こんな夢を見てしまうとは……グッジョブ、俺!)

ちひろ(ふふ、そうですかねぇ♪)

御子柴(!?こいつ…直接脳内に…!)

ちひろ(今年はツイッターで藍子ちゃんのことも宣伝してもらえましたし、お誕生日とのことなので、特別にご褒美です♪)

御子柴(……?宣伝?確かに藍子のことは呟いてたけど…?)

ちひろ(まぁまぁ、細かいことは置いといて)

ちひろ(夢かどうかは、あなた次第、ですよ♪)

御子柴(……?)

ちひろ「藍子ちゃん、こちらが今回のこのステージのプロデュースを手掛けた、少女漫画家の夢野先生です」

ちひろ「夢野先生がデザインしたこのステージで、藍子ちゃんがライブするんですよ」

御子柴(あ、これ、寝る前に俺が描いてたステージのデザインじゃねーか…)

御子柴(なるほど、プロデューサーって、そういう感じの意味か…)

ちひろ(そうなんです、さすがに高校生がアイドルのプロデュース業ってのも設定しづらくて)

御子柴(ナチュラルにテレパシーで会話するのやめてもらえません?)

ちひろ(とにかく、ちょっと強引ですけど、御子柴さんは今、藍子ちゃんのプロデューサーですよ♪)

御子柴(俺が…藍子のプロデューサー…!?)

御子柴(なんだよそれ…めちゃくちゃいい響きじゃねーか!)

藍子「プロデューサーさん!今回は素敵なステージの企画、ありがとうございますっ」

御子柴「お、おう…」

御子柴(くそっ…せっかく目の前に藍子が居るのに、かわいすぎて直視できねぇ…///)

藍子「夢野先生…現役高校生だとは聞いてましたけど、男性の方だったんですね!『恋しよっ』のイメージと違って、ちょっとびっくりです」

御子柴「えっ、『恋しよっ』を知ってんのか!?」

藍子「はい!友達におすすめされて、貸してもらったのがきっかけで…」

御子柴(マジかよ!こっちの世界にも『恋しよっ』があるのか!すげぇな野崎!)

藍子「キュンとしちゃうようなあまずっぱいストーリーも素敵だし、それに…」

藍子「背景のお花とか小物もみんなかわいくて、私、大好きですっ!」

御子柴(~~~っ!!)

御子柴(生きてて良かった……!)ジーン

藍子「それで、夢野先生は…」

御子柴「あ、えーと…俺、本名は御子柴って言うんだ、そっちで呼んでもらえると助かる」

御子柴(そもそも俺は『夢野咲子』じゃねぇしな…)

藍子「そうなんですね、よろしくお願いします、御子柴さん♪」

御子柴「お、おう」

御子柴(うおおおおお/// 藍子に名前呼んでもらえたあああああ///)


ちひろ「リハーサルまでまだ時間がありますし、しばらくお二人でお話されてはどうですか?」

御子柴「あ、でも、本番前ならいろいろ大変だろうし…」

藍子「大丈夫ですよっ、せっかくだから、色々お話聞きたいですし♪」

御子柴(やっぱりいい子だな…/// それにかわいい///)

御子柴(……)

御子柴(俺、慣れてない女子と会話するのは苦手なんだけど…)

藍子「最近撮った猫ちゃんの写真がお気に入りで…」

御子柴「おっかわいいな!俺も猫飼ってるんだぜ!」

藍子「そうなんですか?」

御子柴「ノアっていう名前で…あ、写真もあるぞ」

藍子「わぁ、かわいい!」

御子柴「だろ!?この他にも…」

御子柴(藍子となら、すげー話しやすい…!)じーん

藍子「?御子柴さん?」

御子柴「あ、いや、なんでもねぇよ…」

御子柴(でもやっぱりかわいすぎてちゃんと顔が見れねぇ…///)

御子柴「それで、友達に佐倉ってヤツが居てさ…」

スタッフ「あのー…高森さん、そろそろリハの時間が…」コンコン

藍子「えっ、もうこんな時間!?」

御子柴「え!?いつの間に!?」

藍子「すみません…私ったらいつもこうで…」

御子柴(これが噂の藍子のゆるふわタイム…!恐るべし…)

スタッフ「高森さん、リハ入りまーす」

藍子「リハーサル、よろしくお願いしますっ」ペコッ

御子柴(うわぁ、俺が描いてた通りのステージだ…)

藍子「~♪」

御子柴(藍子が俺の目の前で歌ってる…夢みてぇだ…いや夢なんだけど…)

スタッフ「はい、オッケーです、次の曲を…」

藍子「……あのっ、すみません、もう一度、今のとこ確認お願いできますか?」

スタッフ「はーい、了解でーす」

御子柴「……藍子はやっぱり、すげーなぁ…」

御子柴(まだ高校生で、俺と同い年くらいなのに、あんなにしっかりしてて…)

御子柴(俺がギャルゲーやったりガチャガチャしてる間に、藍子は仕事して、レッスンして、ファンのために努力してて…)

御子柴「…俺、何やってんだろ…」

御子柴「リハお疲れさま」

藍子「あっ、御子柴さん、ありがとうございました!」

御子柴「ステージもいい感じになってたじゃねぇか」

藍子「そうなんです!お花も小物もいっぱいで、こんな素敵なステージにしてもらえるなんて…」

藍子「御子柴さんのおかげですねっ♪」

御子柴(……)

御子柴「あのさ……」

御子柴「俺……実は、夢野咲子じゃねぇんだ」

藍子「えっ…?」

御子柴「夢野は俺の友達で…俺はアシスタントをしてるだけの、ただの高校生で…」

御子柴「このステージだって、藍子にはこんなセットが似合うかなって、そう思って描いただけなんだ」

御子柴「俺には、藍子みたいに一生懸命になれることもないし、人に誇れるようなこともなくて」

御子柴「……俺さ、真剣にがんばってる藍子を見て、月並みだけど、ホントすげーなって思ったんだ」

御子柴「だから、俺もちゃんと、『夢野咲子』の名前を借りるんじゃなくて、俺自身として向き合いたいなって…こんなこと急に言われても、困るだろうけど」

藍子「……」

藍子「私なんて、そんなにすごくないですよ」ニコッ

藍子「今でも競ったりするのは苦手だし、本番前は怖くなっちゃう時もあるくらいです」

藍子「それでも、私にはアイドルの仲間がいて、支えてくれる人たちが居て、御子柴さんみたいに、応援してくれる人たちが居て…」

藍子「みんなを笑顔にしたいなって思うから、だからがんばれるんです」

御子柴「……知ってるよ」

藍子「御子柴さん…?」

御子柴「藍子は誰よりも優しくて、誰よりも人の気持ちを考えてて」

御子柴「でも実は、誰にも負けないくらい芯が強くて」

御子柴「そんな藍子を知って、ずっと見てきたから、だから…」

御子柴「だから俺は、藍子のプロデューサーになったんだ」

御子柴(……ん?これ、何も知らない藍子からしたら、ストーカーみたいな発言じゃねーか!?)

御子柴「あ、えっと、そうじゃなくて、あの…」アセアセ

藍子「御子柴さん…」

藍子「そんなに私のことを見てくれていたなんて…嬉しいです」

御子柴「……!」

藍子「それに、御子柴さんは私のことを想って、このステージを作ってくれたんですよね?」

藍子「私、この素敵なステージを見たとき、すっごくがんばろうって、そう思えました」

藍子「その気持ちは、やっぱり、御子柴さんのプロデュースのおかげですよ♪」

御子柴(……俺…やっぱり、藍子の担当で良かった…!)

御子柴「…ライブ、プロデューサーとして、ファンとして、楽しみにしてるぜ!」

藍子「はいっ!」

~ライブ本番~

藍子「今回のステージは、みこ…夢野咲子先生がプロデュースしてくださいました」

藍子「夢野先生は、私と同じ高校生で…私とおんなじように悩んだりもしてて…」

藍子「一緒にお話できて、私ももっと魅力的なアイドルになろうって、勇気を貰いました!」

藍子「そんな素敵なプロデューサーさんからもらったこのステージで…」

藍子「ファンのみんな、関わってくれるみなさんに、幸せを伝えたいです!」

藍子「だからこの曲は、みなさんひとりひとりのための、あなたへ贈るプレゼント、ですっ」ニコッ

御子柴(……)

御子柴(たとえ夢でも…)

御子柴(俺は忘れないからな、今日のこのステージを…!)

藍子「それでは聴いてくださいっ…『青空リレーション』!」

ワアァァァ…

―――――――
――――
――

御子柴「……」

御子柴「夢から覚めちゃった、か…」

御子柴「…藍子のステージ…最高だったな…」グスッ

御子柴(とりあえずデレステつけよ…)

御子柴「あ、今日、バレンタインか…アイドルからチョコがもらえるのか…」

御子柴「ふふ、また藍子からプレゼントがもらえるな…」ポチッ



藍子「……御子柴さん、ありがとう♪」



御子柴(……!今の声は…!?)

御子柴(……夢、だったんだよな…?)


『夢かどうかは、あなた次第、ですよ♪』

@野崎の部屋

御子柴「野崎、昨日言ってたコラボステージの話だけどさ」

野崎「ああ、無理なら断るし、気にしなくていいぞ?」

御子柴「いや、ちょっと考えてみたんだけど…こんなのどうだ?」

野崎「おお!いい感じじゃないか!やるな御子柴!」

御子柴「へへ、俺だってやればできるんだよ!」

御子柴「その代わり、お前は『恋しよっ』の連載の方をがんばれってくれよ!」

御子柴(藍子が楽しみにしてくれてたからな…!)

野崎「御子柴…!」じーん

御子柴(俺に何ができるのかわかんねぇけど…)

御子柴(藍子にまた会えるときまでに、俺も一生懸命になれることを見つけたいな…!)

御子柴(とりあえず今は、藍子のプロデュースをがんばるぜ…!)


藍子『これからも、プロデュースよろしくお願いします♪』

おわりです
読んでくださった方、もしいらっしゃればありがとうございます

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