長門「駆逐隊からバレンタインチョコをもらいたい」 (243)

陸奥「なに?」

長門「手作り本命チョコをもらいたい」

陸奥「……はぁ」

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長門「駆逐隊達は皆、今まさに台所だろうな」

陸奥「そうね。結構な人数が間宮さんに教わるって言ってたわ」

長門「そうか……」

陸奥「……」

長門「私は貰えそうか?」

陸奥「何言ってるのあなた。しっかりしなさいよ」

長門「手作り本命チョコが食べたい」

陸奥「しつこいわね。あの子達は提督の為に作っているのよ」

長門「なら私も提督になろう」

陸奥「あなたは艦娘でしょ」

長門「だが私は秘書艦だ。提督の右腕と言ってもいい」

陸奥「それは否定しないけど……」

長門「将を射んと欲すれば先ず馬を射よと言う言葉がある」

長門「提督のハートを射抜くには先ずこの長門を射抜くべきだ」

長門「と、駆逐隊に吹き込んできてくれないか」

陸奥「嫌よ」

長門「今日はチョコクッキーを作っているらしい」

陸奥「そんな情報を手に入れているだけでも若干引くわね」

長門「もし自分がクッキーを焼いたとして、陸奥ならどうする?」

陸奥「どうって?なによ?」

長門「提督に5つほどクッキーを渡す程で答えてくれ」

陸奥「そうね……とりあえず色々作ってみて見栄えのいい物を袋に入れて渡すかしら」

長門「つまり厳選されたクッキー以外は余るわけだ。それでも良い」

陸奥「手作り本命チョコが欲しいんじゃなかったの?」

長門「手作り本命チョコには愛情が入っているだろう」

長門「だがその愛情は生地を練る段階で入れているはずだ。型を取って焼いてからでは手も足も出んからな」

長門「つまり余ったクッキーにも生地を作った時点で愛情は含まれているのだ」

長門「もうそれでもいい」

陸奥「……」

長門「それか……味見だな」

陸奥「それなら良いんじゃない?ちょっと寄って余ったのを味見させて貰えば?」

長門「なにを言っている。味見するのは駆逐隊だ。料理を作れば誰だって味見するだろ」

陸奥「それはまあ……」

長門「味見をしたクッキーは栄養として体を巡るわけだ」

長門「それをいただこう」

陸奥「やめなさい」

長門「勘違いするな。本当に食べるわけじゃない。性的な意味で、だ」

陸奥「やめなさい!」

長門「ではこうしよう」

長門「体を巡る栄養はいくらか髪にも影響を及ぼすはずだ」

長門「つまり私が駆逐艦の髪を食べ」

陸奥「あんた、姉妹じゃなければ憲兵に突き出してるわよ」

山風「あの……」

長門「!!」

陸奥「あら」

長門「く、駆逐艦が何の用だ!?」

山風「ひっ……」ギュッ

陸奥「あらあら、そんなに怖がらなくて良いのよ」

山風「陸奥……これ……」

陸奥「クッキー?」

山風「うん。あのね……いつも、優しくしてくれるから……お礼」

陸奥「私に?」

山風「私、陸奥の事好き、だから……あの、この好きはクソレズじゃなくて……違う好きで」

陸奥「分かってるわ。私も山風ちゃんの事大好きよ」

山風「うん……ありがと。もう行くね……」

陸奥「またいつでもいらっしゃい」

陸奥「あー、左からの視線が痛い……」

長門「」

陸奥「近い!近い近い!鼻息がかかってるから!」

長門「よくもやってくれたな裏切り者め」

陸奥「別に裏切ったわけじゃないでしょ」

長門「黙れ!」

長門「いったいどんな汚い手を使ってそれを手に入れた!!」

陸奥「人聞き悪い事言わないでよ」

長門「貴様……!いくら姉妹と言えど許さんぞ!」

陸奥「いい加減にして。もう付き合ってられないわ」

長門「おい陸奥!どこへ行く!」

陸奥「……」

長門「陸奥……陸奥…………私も、駆逐艦と、仲良くなりたいんだ……」

陸奥「ちょっとガチ泣きは止めてよ……」

陸奥「いい?あなたは顔が怖すぎるの」

長門「そんなはずはない」

陸奥「あんたはそうでも子供達は怯えてるのよ」

長門「なにを言うか。これでも駆逐艦からは可愛らしい愛称で呼ばれているんだぞ?」

陸奥「愛称?」

陸奥「ちょうどいいわ。あそこに夕立ちゃんがいるでしょ?」

長門「うむ」

陸奥「まず私が行くからリアクションをちゃんと見てるのよ?」

長門「目の前で駆逐艦といちゃつく様を見せつけるとは……鬼だな貴様」

陸奥「10秒たったら長門も来ていいわよ。その時のリアクションの差をちゃんと見なさい」

陸奥「はーあい」

夕立「あっ、むっちゃんおはようっぽーい」

陸奥「何言ってるの。もうお昼すぎよ?」

夕立「夕立いま起きたっぽい!」

陸奥「あんまりダラダラしちゃダメよ?」

夕立「ぽーい♪」

長門「なにを話している」

夕立「げっ……長門秘書艦……」

長門「昼まで寝ていたと聞こえたが?だらけ過ぎだぞ」

夕立「ごめ……すみませんでした」

長門「なんだ?私にはぽいぽい言わんのか?」

夕立「いえ……失礼します」

長門「うむ」

陸奥「うむじゃないわよ。めちゃくちゃ怖がってたじゃない」

長門「バカな。ちゃんと今日もゲット長門さんと言う愛称で呼ばれていたではないか」

陸奥「ゲット?今日もって……ええ……」

陸奥「提督に渡すチョコレートは上手にできたかしら?」

暁「陸奥さん!もちろん一人前のレディーなんだからこれくらい朝飯前よ!えっへん!」

陸奥「今から提督の喜ぶ顔が眼に浮かぶわね」

暁「うーん、あとは陸奥さんみたいなナイスバディーな大人の身体さえあればなぁ」

陸奥「すぐに暁ちゃんも大きくなるわよ」

暁「ほんとに?私も早く陸奥さんみたくなりたいわ!」

長門「任務が無いからと言って訓練もせずチョコレートがなんだと?」

暁「ひっ……長門秘書艦……」

長門「そんな事では一人前の大人は程遠いな」

暁「わ、わたし……わたし……」

長門「まぁずっと子供のままでも私は構わんが」

暁「し、失礼します……」

長門「暁は相変わらず照れ屋だな」

陸奥「あれは怯えているのよ」

長門「そんなはずはない。私を今日もヒット長門秘書艦と呼んでいたではないか」

陸奥「あなた、頭の中おかしいんじゃないの?」

陸奥「どうして駆逐艦が好きなのにあんなにキツく当たるのよ」

長門「キツく当たっているわけでは無い。しっかりとした大人の姿を見せているのだ」

陸奥「めちゃくちゃ怖がってたわよ。暁ちゃんなんてガタガタ震えてたし夕立ちゃんなんてぽいぽい言わなくなったじゃない」

長門「きっと私に敬意を払っていたんだろう」

陸奥「あなた駆逐艦に怖がられるだけじゃなく嫌われるわよ」

長門「!!」

長門「ならどうすればいい!!」

陸奥「普通にしなさいよ」

長門「普通とはなんだ?」

陸奥「1人の時にときに鳥や猫に話しかけてるアレよ」

長門「バカな!私の威厳はどうなる!!」

陸奥「だったら威厳を守って駆逐艦に嫌われなさい」

金剛「ヘーイ!第三砲塔爆発丸と長門!なにしてるデース」

陸奥「ちょうど良かったわ。悪いんだけど睦月型の子達を私の部屋に来るよう言ってくれる?」

金剛「それはお安い御用デスけど……何かあったデスカ?」

陸奥「いえ、特に何も無いわ。ちょっと個人的な様なの」

金剛「オウ!そう言えば長門が仏頂面なのはいつもの事でしたネ!ではちゃんと伝えておきマース」

陸奥「さぁ長門。ちゃんとやるのよ?」

長門「分かってはいるが……この格好は……」

陸奥「大丈夫。あの子達を小動物と思いなさいか

長門「小動物……」

陸奥「さあ、今こそ本当の自分をさらけ出すのよ!」

くそ可愛い陸奥の私服を着た長門が全てをさらけ出す!

ガチャッ

睦月「おじゃましま~す」

陸奥「いらっしゃい」

睦月「お話があると聞いてやってきたにゃしい♪」

陸奥「みんなよく来てくれたわね」

望月「急な用って聞いたからねー。いったいなにー?」

陸奥「用があるのは私じゃなくてあっちなのよ」

長門「よく来たな」

卯月「げげっ……長門秘書艦……」

望月(やっばー……この前コタツで寝てて訓練遅刻したのバレたのかな)

睦月「あの、私たちになにの用でしょうか」

睦月「何か失敗したことがあったなら謝罪します」

陸奥「睦月ちゃん」

睦月「ですが最近は皐月の大発運用も上手くいき成果は確実に上がっているはずです。いったい何が問題」

陸奥「睦月ちゃん違うの!叱るために呼んだんじゃ無いのよ?だからにゃしいとか言って大丈夫だから」

皐月「ボク達と仲良くなりたい?長門秘書艦が?」

陸奥「そうなのよ」

長門「……」

弥生「あの……とてもそういう風には見えませんけど」

陸奥「長門、自分をさらけ出しなさい。顔が怖いままよ」

長門「とりあえず皆、この袋に息をくれるか」

陸奥「ごめんなさい、言いすぎたわ。そこまではさらけ出さないで」

長門「皆には謝らなくてはならない。知らず知らずのうちに怖がらせてしまっていたようだな」

文月「怒ってなかったの……?」

長門「私は秘書艦だ。厳しく当たることも多いが本当は子供が大好きなのだ」

如月「確かに司令官は校長先生みたいなもので、長門さんは担任の先生って感じだから……」

菊月「厳しく指導するのは当然だな」

長門「分かってくれるか?」

睦月「そういう事なら……」

陸奥「よかったじゃない」

長門「ああ!」

皐月「でもたまに血走った目でボク達をみてたよね?何もない時に」

長門「あれは視姦していたのだ。秘書艦として手を出すわけにはいかないからな」

陸奥「……」

長門「他にも可愛いものならなんでも好きなのだ」

長門「絶望的に似合わないのでスカートなど履かないのだがな、今回は己をさらけ出すためにはいている」

如月「あら、そんな事ないわよね?」

弥生「ごめんなさい。こういう時どういう顔すれば良いのか分からなくて。本当に表情かたくてすみません」

長門「こんなフリフリのスカートなんて私には似合わないのは分かっているんだ。でも好きなんだ!どうしようもなく!」

卯月「分かるっぴょん!卯月もフリフリ大好きでーす」クルリ

長門「フフッ……セックス」

皐月「可愛い動物も好きなの?」

長門「もちろん。5歳~10歳くらいの見た目が好」

陸奥「犬とか猫のことよね」

長門「犬猫か……確かに好きだな。たまに小鳥と話したりもする」

陸奥「小鳥と話し……?長門、あなたそこまで酷い……」

皐月「ボクもボクも!小鳥とお友達になりたい!」

小鳥「ピピピピピッ」

長門「ちょうど小鳥が窓際に来たようだな」

卯月「よーし、うーちゃんもお話しちゃいまーす♪」

長門「言葉だけで会話するんじゃない。目を見て心で挨拶するんだ」

睦月「心で?」

長門「そうだ。心を通わせて……」

長門「めを見て……こんにちわ。小鳥さん」

小鳥(げっ……ゴリラ……)

皐月「あっ!まってよー」

長門「ハッハッハッ、鳥もなかなか恥ずかしがり屋だからな。きっと初めて見る顔が多くてびっくりしたんだ」

皐月「そっかー。残念」

小鳥「くわばらくわばら……また握りつぶされそうになる所だった」

眠たいねうーちゃん

長門「そういう訳で実は可愛いものが好きなのだ」

如月「そうだったんですね」

長門「なのでみんなも遠慮せず飛びついて来てくれ!」

睦月「う、うーん……」

長門「どうした!遠慮はいらん!」

望月「いやー、なんか上司に今日は無礼講だーって言われても困るあんな感じ?」

睦月「今までのイメージが強すぎてちょっとお断りにゃしぃ」

長門「くっ……!」

文月「……」

望月「どったのー?ボーッとしちゃって」

文月「長門さんはー、文月達と仲良くなりたいのー?」

長門「もちろんだ」

文月「じゃあ文月が遊んであげる~♪」

睦月「にゃしぃ!?」

如月「ふ、文月ちゃん?遊んであげるだなんてそんな……」

文月「よおーし、じゃあお馬さんごっこだあー」

皐月「お馬さんごっこ!?」

文月「長門さんはお馬さんねー」

長門「よ、よし!皐月の為なら私は馬でもトイレにでもなんでもなろう!」

皐月「いや、ボクは別に……」

長門「なーに、1人も2人も変わらんさ!」

文月「はいよー、シルバー」ペシペシ

如月「文月ちゃん!?お尻を叩くなんてそんな……」

長門「バルルルルル!バルッ!ブィヒヒィィィン!!」

陸奥「長門落ち着いて。文月ちゃんはそこまで馬にリアリティーを求めてはいないわ」

皐月「か……かっこいい……!」

陸奥「子供の感性はよく分からないわ……」

皐月「じゃあ長門さんはボクのトイレだよ!」

如月「皐月ちゃん!せめて馬にしてあげて!」

皐月・文月「はいよー、ナガトー!」パシンッ

長門「くっ……!」ビクンッ

卯月「ううー……うーちゃんも遊びたいぴょん!」

長門「よし!かかってこい!」

卯月「うーちゃん、ひこーきごっこして欲しいぴょん!」

長門「飛行機ごっこ?お安い御用だ」

文月「文月もー」

皐月「順番だよ!」

長門「いいや、3人まとめて相手してやる」

陸奥「3人まとめてって、飛行機ごっこってあれでしょ?仰向けに寝転がって子供をスーパーマンみたいに持ち上げる」

弥生「別に……弥生はして欲しくなんていませんよ……別に……」ウズウズ

陸奥「長門、危ないんだから1人づつ……」

長門「よし、皆背中に乗ったな。では戦艦長門、飛ぶ!」ゴゴゴゴ

ブワッ

陸奥「長門……あなた……」

長門「飛ぶさ空くらい。駆逐艦の為ならな」

長門「ふぅ……飛行は流石に燃料を大量に使ってしまうな」

文月「疲れちゃったのー?」

皐月「次はボクが前だよ!」

長門「すまん、少し休憩させてくれ」

弥生「…………」

長門「どうかしたか?」

弥生「空……」

長門「任せておけ。今すぐ飛ぼう」

長門「ゼー……ッ、ハァー……ッ」

陸奥「長門、少しは休みなさい。鼻血出てるわよ」

長門「これは名誉の負傷だ。背中に駆逐艦が乗るという興奮のあまり鼻の毛細血管が切れてしまったらしい」

陸奥「今更だけどいよいよ本当に変態ね」

睦月「今日は色々ありがとにゃしぃ」

如月「私達はそろそろ用事があるので失礼しますね」

長門「そうか……、また、いつでも、くると、いい……」

陸奥「はいはい。とりあえず水飲んで落ち着きなさい」

皐月「えー、ボクもっとナガトナガトナガトさんと遊びたかったー」

如月「でもこれから司令官にチョコ渡しに行くんでしょ?」

皐月「そうだ、忘れてたよ。早く司令官にチョコ渡しに行かなきゃ!じゃあね!」

長門「ああ…………あっ、チョコ……か」

陸奥「チョコを貰うために仲良くなろうとしてたのに提督……」

ナガト、ナガト・ナガト

長門「くっ……!一体なぜ提督だけがチョコを貰えるのだ!」

陸奥「そりゃあ提督だからじゃない?私もあげたし」

長門「そうか。なら私も提督になろう」

陸奥「あなたは艦娘でしょ」

長門「ならば提督をその座から引きずりおろして一般人にするか……」

陸奥「やめなさい」

陸奥「まあ単純に考えて鎮守府に提督しか男性はいないし」

長門「ならば私も今日から男になろう。陸奥、私のことはお兄ちゃんと呼べ」

陸奥「そんな簡単になれるわけないでしょ。だいたい男性に無くてはならない物が私達にはついてないじゃない」

長門「男性に無くてはならない物だと?」

陸奥「……まって、今の無し」

長門「男性器の事か」

長門「陸奥よ、お前はどうしてすぐそう男性器の話をしたがるのだ」

陸奥「ちょっと、いつも言ってるみたいな言い方やめてよ!」

長門「まったく。口を開けばチン」

陸奥「わ、わー!」

長門「まあ確かに生やすのは無理だな。よし、ならば提督のソレを無くそう」

陸奥「やめて!」

長門「チッ、陸奥の股間談議などに耳を貸して時間を無駄にしてしまった」

長門「とにかく提督がいかにしてチョコを貰っているのか確かめに行こう」

陸奥「余計な事言うんじゃなかった……」

長門「陸奥、何をボーッとしている?まさかまだ破廉恥な事を考えているのか?」

陸奥「もう放っといてよ……」

睦月「受け取ってもらえてよかったにゃしぃ」

皐月「うん!弥生も嬉しそうだね!」

弥生「別に喜んでなんていませんよ」


長門「くそっ……あわよくば私も貰えないかと期待していたが一足遅かったか!」

長門「まあ良い。とにかく提督の元へ……ん?執務室から話声?誰かいるのか?まったく次から次へと……」

比叡「ひぇー。こんなにチョコを貰ったんですか」

提督「みんな気を使って律儀に守ってきてくれたよ。子供達はバレンタインどうこうじゃなくチョコ作りが楽しかったんだろう」

比叡「金剛お姉様からもですか?」

提督「ああ。そこにあるなんか高価そうなチョコは霧島と榛名から。で、あっちにある……」

比叡「ひえー!!金剛お姉様!!」

提督「1/1スケール等身大金剛チョコレートらしい」

提督「気を使ってくれるのは嬉しいけど食い切れなくて困ってるところだ。断る訳にもいかないし」

長門(なんと裏山けしからん……)

比叡「でもこれからまだまだ増えるんじゃないですか?例えば……はい、比叡特製手作りチョコレートです」

提督「ごめんなさい」

比叡「ひえー!チョコも受け取ってくださいよ!断らないんですよね!?」

提督「許してください」

比叡「ひどいですよ司令!」

提督「比叡、この鎮守府は2度壊滅しかけた事がある」

提督「一度目は鳳翔さんが風邪をひいてお前が夕飯作りを手伝った時、2度目は間宮さんが風邪をひいてお前が手伝いをした日だ」

提督「そんなお前が手作りチョコレートだと?」

比叡「悪気は無かったんです!あの時は砂糖と石灰を間違えて!あとたまたま牛肉を切らしていたから牛革の靴を!」

提督「俺を殺す気か!」

牛革の靴って食べられるんじゃなかったっけ?
チャップリンとかハガレンで食ってたような

比叡「でも見てください!間宮さんに手伝っていただいたので見た目は完璧ですよ!」

提督「見た目が普通な分余計に恐ろしいわ」

比叡「まあまあ、そう言わずに♪この一粒にギュッと凝縮しているんですから」

提督「貴様!何を凝縮しやがった!」

比叡「愛ですよ、愛!」

提督「愛ゆえに人は苦しまねばならぬとか勘弁してくれ!」

比叡「やれやれ、まあ司令がそう言う態度を取る事は想定内ですけどね」

比叡「なのでこの比叡が毒味しましょう」

提督「待て、早まるな」

比叡「大丈夫ですよ。間宮さん監視の元、何も加えずただ溶かして固めただけですから」パクッ

提督「あっ……」

比叡「うん、とっても甘くて美味しいですよ」

比叡「と言うわけで」

提督「なんだいきなり口を開けて」

比叡「言ったじゃないですか。この一粒にギュッと凝縮したって!なので受け取ってください」

提督「それを?」

比叡「早くしないと溶けちゃいますよー」

比叡「もうだいぶ溶けちゃいましたけど残さず食べてくださいね?」

提督「ここでか?」

比叡「寝室の方が良かったですか?でもお布団で食べるなんてお行儀が」

提督「よっこらせっくす」



長門「まさかあの2人があんな関係だったとは……」

陸奥「驚いたわね……比叡はクソレズだと思ってたのに……」

長門「まあ提督が誰とどうなろうが全く興味無いのだが」

長門「結局何も得るものは無かったな」

陸奥「こ、このことを誰かに話したら……」

長門「やめておけ第三砲塔爆発丸。金剛あたりが知れば戦争になるぞ」

陸奥「そうね……」

ガチャッ

酒匂「ピャーッ」

長門「なんだ酒匂。またピャーピャー言っているのか?まったく、お前はピャーピャー陸奥はチンチンうるさい奴らだ」

陸奥「言ってないわよ!」

酒匂「はい、長門さん。ハッピーバレンタイン!」

長門「これを……私にか?」

酒匂「うん!今日は大切な人や大好きな人にチョコレートをあげるひなんだって!」

酒匂「だから酒匂、阿賀野姉たちと司令と長門さんにチョコレート作ったの!」

長門「私が大切な人……」

酒匂「うん!長門さんは大切で大好きな人だよ!」

酒匂「ぴゃー……なんだか恥ずかしい……」

陸奥「あらあら、熱いわねぇ」

酒匂「あっ……第三砲塔丸さん。ごめんなさい、長門さんの分しか用意してなくて……」

酒匂「本当はみんなにあげたかったけど酒匂お小遣いが無くて5人分しか……」

陸奥「バカね。気にしなくていいわよ」

酒匂「ありがとう第三砲塔丸さん!じゃあ司令にも渡してくるね!」

陸奥「なんか私、忍たま乱太郎に出てくるキャラみたいに……」

長門「いいじゃ無いか第三協栄丸。呼び方なんてどうでも」

>>96
あれ?お肉がない?買い忘れた!→そうだ、下駄箱に革靴があったからあれ使おう!

これはいけない!

長門「そうかそうか……」

陸奥「なに?」

長門「フフフッ……」

陸奥「こわっ……」

長門「フハハハハハ!!」

陸奥「だから何よ!?」

長門「分からんか?この自信に満ち溢れる私の姿が」

陸奥「はあ?」

長門「今まで私はバレンタインチョコは貰えないのでは無いかと思っていた」

長門「しかし今、酒匂からチョコを貰って私はスランプを脱出したのだ!」

陸奥「……」

長門「どれほど素晴らしいアスリートにもスランプはある。しかしそれを抜け出た瞬間、そのアスリートは一皮むけとてつもない活躍を見せる」

長門「つまりスランプを抜け出した私は今からチョコレートを山のように貰うだろう!」

陸奥「あ、そう」

長門「そうだ、確か3月にはホワイトデーがあったな」

長門「さっそく準備に取り掛かるとしよう」

長門「数は10……30……いや、念のため駆逐艦全員分を用意するか」

陸奥「そんなのは貰ってから考えなさいよ。余ったら勿体ないでしょ」

長門「心配するな。特に趣味もなければファッションや酒などの娯楽も何もない貯蓄するだけの生活。それを解放する時がきたのだ」

陸奥「……」

長門「しかしこんな地味な部屋ではイマイチ盛り上がりに欠けるな」

長門「よし、陸奥。駆逐艦を迎え入れる飾り付けを始めるぞ」

陸奥「どうして私まで……」

長門「そう言うな。あとこの小型カメラを数カ所に設置して映像に残そうと思うんだが良い場所はないか?」

陸奥「あなた……こんな物何に使って……」

長門「誤解するな。盗撮などしていない」

陸奥「まだ何も言ってないんだけど」

長門「とりあえずこの植木鉢のここと、床板を外してここから……」

陸奥「どうしたら良いの……凄く手馴れてる。初犯の手つきじゃないわ……」

長門「睦月型に気むづかしいと勘違いされていたし陽気に迎え入れよう」

長門「少し飾り付けの材料とパーティーグッズなどを買ってくるか。少し留守番を頼む」



長門「と言うわけで三角帽子とヒゲ付き鼻眼鏡を買って来た訳だが」

陸奥「ブフッ……あ、あら、よく似合ってるじゃない。フフッ……」

長門「うむ、後は駆逐艦を待つばかりだな。これはお前の分のちょんまげカツラと鼻眼鏡だ」

陸奥「…………」

長門「…………」

陸奥「…………」

長門「…………」

陸奥「…………」

2月15日 0時

長門「…………」

陸奥「…………」

長門「…………」ピロロロロロ…

長門「さてと、部屋を片付けるか」

陸奥「そうね……」

長門「まったく、バレンタインだなんだと浮かれて……少し鎮守府はたるんでいるんじゃないか」

陸奥「そうね……」

長門「陸奥」

陸奥「なあに?」

長門「今夜は……一緒に寝てくれないか」

陸奥「そうね」

夕方

陸奥「だいぶ落ち着いたみたいね」

長門「落ち着く?私はいつもこうだろう」

陸奥(昨日一晩中メソメソしてたけど)

長門「そもそも私がチョコを欲しがった理由は単純に甘い物を食べたかっ」

陸奥「バレンタインは終わったんだから。こんな悲しい会話はもうやめましょ……」

コンコン……

長門「誰だ?」

電「し、失礼、します……」

長門(い、いい、電!ああ、なんて可憐なんだ。今すぐその柔肌をテイスティングしたい!)

陸奥(……とか考えてる顔ね)

長門「テイスティング……じゃなくて、何か用か?」

電「あ、あの……これを……」

陸奥「まあ綺麗。電ちゃんが作ったのかしら?」

電「はいなのです。お花の冠なんですけど……貰っていただけませんか……?」

長門「わ、私に……か?」

陸奥「長門に花の冠?昨日まで鼻眼鏡してた長門に?」

電「あのっ、迷惑……ですか?」

長門「いや、そんな事は無い。ありがたくいただこう」

電「本当ですか?嬉しいのです!じゃあ電が頭につけてあげますね」

長門「あ、ああ」


長門「……どうだ?」

電「とっても可愛いのです!」

長門「そうか。それならよかった」

陸奥「ちょ、ちょっと1枚写真とらせて!1枚だけ!ハァハァ……」

長門「とても嬉しいよ。私はこう見えて、その……可愛いものが大好きだからな」

電「やっぱり……!卯月ちゃんの言ってた事は本当だったのです!」

雷「へー……本当だったなんて驚きね」

陸奥「あら、あなた達まで」

雷「実は朝、卯月から長門が可愛い物好きだーって聞いたのよ」

響「響達はまた卯月の嘘だって言ってたんだけど、電が疑うのはかわいそう。卯月を信じるって聞かなくてね」

暁「こう見えて電は頑固なのよね。だからお花の冠をプレゼントして喜ぶか確かめてみたの」

雷「でも驚きだわ……あの長門さんが可愛い物好きだなんて」

雷「長門さんは大人の女性だからコーヒーもブラックしか飲まないって聞いてたし」

長門「私は甘いコーヒー牛乳しか飲めないぞ」

暁「寝るときはお豆電球も消して寝るくらい大人だって聞いたわ!」

長門「豆電球は付けるしベッドの周りは人形だらけだが」

響「寿司屋ではわさびに寿司を乗せて食べるとか」

陸奥「長門はいつもサビ抜きのたまごばかりよ?」

電「やっぱり長門さんは誤解されているだけで優しくて可愛い人なのです」

長門(おまかわ……)

暁「…………」キラキラ

長門「ど、どうかしたか?」

暁「決めたわ!私、長門さんみたいな大人になりたい!」

長門「わ、私の子供になりたいだと!?」

暁「だってコーヒー飲めなくてわさびも食べれなくて、お豆電球もつけててぬいぐるみと一緒じゃないとねれないのに一人前のレディーにしか見えないんだもん!」

陸奥「う、うん……?」

暁「長門さん!暁を一人前のレディーに鍛え上げて!」

長門「暁を鍛え……」

陸奥(あれは完全に犯罪者の目つき……!)

さあ伊13を掘る作業に戻ろうね……うーちゃん

長門「暁、お前は私を慕ってくれると言うのだな」

暁「もちろん!尊敬しているわ!」

長門「聞いたか陸奥……駆逐艦が私を……」

陸奥「良かったわね」

長門「私を……」

陸奥「泣かないでよ……」

長門「いつだったか……新たな駆逐艦が着任したと聞いて胸躍らせたものだ」

長門「しかも戦艦に憧れていると聞いて私は血湧き肉躍ったものだ」

陸奥「そういえばそんな事もあったわね」

長門「だが、はやる気持ちを抑えきれずその艦娘の元へ駆け出した私を非情な現実が待ち受けていた」

陸奥「清霜ちゃんはどちらかと言うと大和型……特に武蔵さんにベッタリだから」

長門「数日後、一緒にお揃いの眼鏡をかけサラシを巻いているのを見て私は気を失ったよ」

長門「だが暁は私に憧れ、私を慕ってくれている!こんなに素晴らしい事は無い!」

陸奥「はいはい」

長門「私は今ここに、暁を第2秘書として迎え入れよう」

暁「暁が秘書艦なの!?」

陸奥「提督に相談も無しに……」

長門「どうだ、これを機に長門型となる気は無いか?もちろん暁型と兼任で構わん」

暁「長門型戦艦暁……やる!やるわ!」

長門「よし、では私の妹としてしっかり頼むぞ。長門型戦艦2番艦暁よ」

陸奥「またバカな事…………ん?」

陸奥「ちょっ、ちょっと待って、2番艦?私は?」

長門「うむ……まぁ2番も3番も変わらんだろう」

陸奥「えっ!?私3番艦なの!?」

長門「すまん陸奥、お前には辛い思いをさせるな」

陸奥「ええー……」

長門「暁はビッグセブンの名に恥じぬよう長門型戦艦2番艦を」

陸奥「ああっ!ビッグセブンの称号まで!」

長門「秘書艦たるもの文字の読み書きは必須だ」

暁「はい!」

長門「今から私が漢字の読み書きを教える。秘書艦用の机に来い」

暁「秘書艦用の……」

長門「よし」ドサッ

陸奥「ちょっと長門、あなたが座ったら暁ちゃん座れないじゃない」

長門「椅子は1つしかないのだ」

暁「暁なら立ってても大」

長門「私が椅子になるしかないだろう!」

暁「だい……ろく、くちくたい……と」

長門「スーハー……スーハー……」

暁「長門さん、書けたわ」

長門「ん、ああ……いい調子だな」

暁「次は何を書けばいいの?」

長門「よし、次はこう書いてみよう」

「長門さん大好き。結婚したい」

暁「うぅ、漢字ね……わかったわ!でもなんで書いてあるのかしら?」

陸奥(公私混同……)

今日の夕飯まだ何も作ってないね、うーちゃん

暁「次はこの漢字ね」

長門「……」

暁「出来た!」

長門「暁、部屋の中で帽子をかぶったままなのは秘書艦としてどうかと思うのだが」

暁「そうなの?」

陸奥「どうせ髪の匂いを嗅ぎたいだけなんでしょ」

長門「ば、馬鹿なことを言うな。私は頭皮の匂いを嗅ぎたいだけだ!」

陸奥「素直に髪の匂いって言った方がマシだと思うけど……」

長門「素直に頭皮の匂いを嗅ぎたいだけなのだが」

陸奥(この曇りない目は間違いなく本心……本当の変態だわ)

長門「まぁ陸奥が言いたいことも分からんでもない」

陸奥「自覚はあるのね」

長門「いつもかぶっている帽子を脱がすのはかわいそうだと言うのだな」

陸奥「えっ?」

長門「安心しろ。代わりと言ってはなんだが猫耳を用意してある。これを付けるといい」

陸奥「あなた、まさかそれ……」

長門「か、勘違いするな。これは私が付けるためではなく、駆逐艦に付けさせるため用意していたのだ!」

陸奥「やっぱり……」

暁「これなら知ってるわ!コスプレーって言う大人の遊びよね!」

長門「まあそんなところだ」

暁「だったら私も付けなきゃ!……はいっ!」

長門「萌え……これが萌えと言うものなんだな!陸奥!」

陸奥「それが萌えかどうかなんて私には分からないけど、あなたが変態だと言う事は分かるわ」

長門「失礼な。子供に仮装をさせ可愛がるなんて珍しい事ではないぞ?」

陸奥「それはまぁ……私の考え過」

長門「さあ暁、セットでこのしっぽも付けようか。このプラグをア」

陸奥「言わせないわよ!!」バギッ

暁「うーん……せっかく秘書艦になったんだからもっと大人っぽい事がしたいんだけど……」

長門「フフッ……セッ」

陸奥「」スパン!

長門「何をする。痛いではないか」

暁「大人と言えばやっぱりお酒よね!」

長門「酒?」

暁「長門さんも大人なんだから飲むんでしょ?」

長門「いや、私は飲まないぞ」

暁「大人なのにお酒は飲めないの?」

長門「飲めないと言うよりも、飲まないようにしていると言った方がただしいか」

長門「私は秘書艦だからな。万が一の事態が発生した時、酔ってまともな指示を伝えられませんでしたでは済まんのだ」

陸奥「そうそい。長門ったら秘書艦になってから一滴もお酒飲まないのよね。まったく、真面目なんだか変態なんだか……」

瞼が重力に負けてきたので今日はゲームセットです

暁「かっ…………こいい!これこそ大人のレディーなのよ!」

長門「そうなのか?」

暁「みんなも聞いたでしょ!有事の際にすぐ動ける様レディーはお酒は飲まないの!別にお子様だから飲めない訳じゃないのよ!」

雷「でも大人はお子様ランチなんて食べないでしょ」

暁「うぅ……あ、あれはハンバーグとかウインナーとか好きな物がたまたま入ってたから頼んなだけだし!」

陸奥「あら、長門も外食する時はお子様ランチはよく食べるわよ?なんの恥ずかしげもなく」

長門「うむ」

電「長門さんはお子様ランチが好きなんですか?」

長門「色々と良い点はあるが……なによりカレーが甘口だからな。私は辛口のカレーは食べん」

暁「そうよ!私も大人のレディーとして辛口は食べないの!」

雷「大人は辛口を食べるんじゃないの?」

響「砲塔さんはどうなんだい?」

陸奥「なんか軽空母みたいな呼ばれ方してるけど……そうね、私は辛口も食べるけど大人だって甘口を食べる人もいるんじゃないかしら?」

暁「むしろ辛口甘口にこだわる方がお子様って事ね!えっへん!」

暁「さあ仕事仕事…………ねえ、どうしてこの引き出しは鍵が付いているのかしら?」

長門「ん?ああ、そこには最重要機密が入っているからな。秘書艦の私と提督しか鍵を持っていない」

暁「何が入ってるの?」

陸奥「ごめんなさいね。長門ったら堅物だからそれだけはいくら聞いても答えてくれないのよ」

暁「大丈夫!暁も秘書艦なんだから!」

陸奥「うーん……困ったわね……どうするの?長門」

長門「うむ、他の者には内緒だぞ?」

陸奥「あらぁ、私には絶対教えてくれなかったのにー」

雷「なになに?秘密のアイテム?」

暁「あっ、ダメダメ!これは秘書艦だけの秘密なんだから!」

雷「良いじゃない、ケチケチしないでも」

長門「いや、こればかりは暁の言う通りなのだが……」

響「なら響も秘書艦になるよ」

雷「じゃあ私も!」

電「わ、私も……みんなと一緒がいいのです」

長門「やれやれ……」

陸奥「知らないわよ?あなたが勝手に第2秘書とか決めるから」

長門「これがモテ期と言うやつか」

陸奥「はい?」

長門「お前たち!私の妹になる覚悟はあるんだろうな!」

響雷電「おーっ!」

暁「い、言っておくけど暁が第2秘書なんだからね!」

雷「そんなの何番でも良いわよ」

陸奥「あーあ、そんなに秘書を増やして知らないわよ?」

長門「本当にすまないな。陸奥……お前を長門型6番艦にしてしまって」

陸奥「」

雷「ねえねえ!早く開けましょう!」

長門「仕方あるまい」

陸奥「まったく……」

長門「……」

陸奥「……なによ?」

長門「悪いが秘書艦だけの秘密なのでな。席を外ーー」

陸奥「だったら!私も秘書艦やるわよ!!」

長門「陸奥……まさかお前も私の妹になりたいのか?」

陸奥「最初から妹でしょ。って言うかそれ、メンタル弱い子だったら傷つくわよ」

長門「うむ……では秘書艦に相応しいかのテストを」

陸奥「さっさと開けなさい。もう一緒に寝てあげないわよ」

長門「うむ……」

次回 提督が死ぬボタン

陸奥「これは……」

暁「何かのボタンかしら?スイッチ?」

長門「うむ。これは緊急時に連合艦隊を24時間いつでも即座に出撃させるスイッチだ」

雷「いつでもって、夜中でも?」

長門「もちろん」

雷「でもお酒を飲む艦娘だって沢山いるんだし、酔っ払いのまま出撃したら危なくない?」

長門「大丈夫だ。このボタンを押せばたちまち酔いも覚めるからな」

長門「出撃する連合艦隊は大和型に1航戦に装甲空母に戦艦に戦艦に戦艦に……頭が悪いゴリゴリの編成になっている」

長門「私は秘書艦の仕事があるから艦隊に組まれてはいないが、使用資源度外視の編成だ」

長門「ついでに基地航空隊も出撃する」

長門「以前手薄になった鎮守府を襲撃された馬鹿な鎮守府があったらしく、それに備えてとの事だ」

電「どうして酔いが覚めるんですか?」

長門「奴らにはこう言ってある。もしこのボタンを押し、指示が出て敵を撃滅すれば……」

長門「回らない寿司!食べ放題じゃない焼肉!バイキングではないスイーツ!それらを好きなだけ食わせてやると!」

陸奥「なんですって!?」

雷「そんなのお金がいくらあっても足りないわ!司令官は破産する気なの!?」

長門「その通り。提督は自らの破滅と引き換えに鎮守府を守るつもりなのだ」

電「たしかにその条件なら酔いも覚めるのです」

陸奥「って言うか、鎮守府が敵に急襲された時点で酔いから覚めなさいよ……」

響「でも同じ戦艦でも金剛型はあまり食欲につられそうには見えないね。紅茶くらいかな」

長門「金剛型には提督と一晩無限交尾権をやると言っている」

暁「むげん、こうびけん??」

響「セックスの事だよ」

暁「せっくす??」

響「チン」

陸奥「ストップストーップ」

電「己の破滅と引き換えに私達を守ろうとしてくれてるなんて……司令官さんはやっぱり優しいのです」

陸奥「でも危険な物に変わりは無いんだから引き出しに戻しま」


大淀「あーあー、こちら大淀、艦娘の皆さんにお知らせします。ただいま鎮守府前近海に敵深海棲艦が現れました」

大淀「手が空いている駆」


暁「さっそく秘書艦の仕事って訳ね!えいっ!」ポチッ

陸奥「あっ」

大淀「繰り返します。手が空いている駆逐艦の方で練度を高めたい方はーー」

大淀「はい?武蔵さんに赤城さん達まで……え?出撃?」

大淀「いえ、今回は駆逐艦イ級が2隻だけですので経験の浅い駆逐艦の子達に」

大淀「はい?連合艦隊??ですから敵はイ級が2隻だけで……ちょっ、あれなんですか!?今基地航空隊が……」

大淀「なんでこんな勝手な事……あっ!まって、勝手に出撃しないでください!!」

大淀「敵を倒せば焼肉?寿司?セックス??ちょっ、金剛さん!それどう言う事ですか!焼肉と寿司はともかく!」

大淀「ちょっと!まっ…………お、大淀も抜錨します!!」

雷「ちょっと!どうするのよ!!」

暁「わ、私は秘書艦の仕事をしただけだし……」

雷「あんたが余計な事したから司令官は死んじゃうかもしれないのよ!」

雷「借金まみれになって、取り返そうとギャンブルにはまっては負け、夜はヤケ酒!」

雷「そんな……どうしようもない司令官なんて…………わ、悪く無いわね……」ブルッ

私の意識はここまでです

長門「戦闘は終わったか。随分静かになったな」

電「凄い爆発音だったのです……」

雷「地鳴りも凄かったわ」

響「暁は机の下に隠れているね」

陸奥「……ねぇ、そのボタンって押せば出撃する艦娘へ連絡がいくのよね?」

長門「そうだが?」

陸奥「もちろん提督にも連絡がいくのよね?」

長門「当然だ」

陸奥「だったら提督が顔出さないのはおかしくない?」

長門「そう言えばそうだな」

提督「いやー、参った参った」

陸奥「提督!」

提督「バレンタインチョコの食べ過ぎでお腹こわすなんて幸せもんだ」

電「司令官さん、さっきの爆発音に驚かなかったんですか……?」

提督「爆発音!?トイレからそんなに凄い音出てた!?」

陸奥「そうじゃなくて外の爆発音よ」

提督「外の?」

金剛「ヘーイ、テイトクゥー!!戦果リザルトがうんぬんかんぬーん!」

提督「戦果?どこか行ってたのか?」

武蔵「ここにいたのか!探したぞ!」

提督「何か用か?」

赤城「提督、見てくださいこのパンフレット」

提督「三重県?」

大和「松坂牛や伊勢海老を初めてした素晴らしい所みたいですよ♪」

榛名「宿泊先はもちろんホテルじゃなく温泉付きの旅館にしました♪」

霧島「1番スィートな部屋を押さえておきました」

提督「へー、旅行か。いいな」

金剛「ではさっそく準備するデース!」

提督「俺も行っていいのか?」

金剛「何言ってるデース。提督がいないと始まらないネ」

武蔵「そうだとも。お前がいなくて(支払いは)どうするんだ」

榛名「そうですよ。提督がいないと……どうやって私たちだけで(セックスを)楽しむんですか♪」

赤城「提督、私……松坂牛(の一頭買いして)見たいです♪」

提督「よーし、じゃあたまには旅行いくか!」

提督「しかし大勢でいくとなるとお金の問題が……」

加賀「それなら大丈夫よ。私に任せて」

提督「い、いいのか?」

加賀「ええ。(提督の預金額とカード限度額は)全て把握しているわ」

もう一息で終わりますがまたかきます

提督「いやー、バレンタインのチョコと言いもしかしてモテ期きちゃってるのか?」

榛名「何言ってるんですか♪提督はいつだってモテモテですよ♪」

赤城「そうですよ!もうお腹ぺこぺこですよ!」

提督「わかったわかった。じゃあ行こうか」

蒼龍「では食欲組は一航戦のお二人の方へ、性欲組の方はこちらに集まってください」

提督「加賀、そのカバンはなんだ?」

加賀「今回の旅費です」

提督「ハッハッハッ、大層なカバンだ。さぞかしはいってるんだろうな」

加賀「ええ、(提督の)全財産が入っているわ」

提督「じゃあ俺も贅沢させてもらうか!」

加賀「もちろん(提督のお金だから)構わないけれど」

提督「冗談だよ。自分の分くらい自分で払うさ」

加賀「?」

陸奥「行っちゃったわね……」

長門「まぁいくらなんでも限度は守るだろう」

陸奥「だったらいいけど……」

雷「大丈夫よ!提督がどんなクズに成り下がっても私が責任を取るわ!」

暁「雷……」

雷「フフッ、今から楽しみだわ」

SSって書き始めるとどうして眠くなるんですか
寝落ちするまで書きます。もし前触れもなく力尽きたらすみません

3日後

陸奥「あら、帰ってきてたのね」

赤城「はい。とても楽しい旅行でした」

陸奥「満足できる旅ができたみたいで何よりだけど……」

加賀「そうね。味や料理の質には申し分なかったけれど、量にはいささか不満があります」

陸奥「そう」

加賀「まあでも予想以上の事もありました」

陸奥「予想以上?」

加賀「まさか戦艦や空母を1人で満足させるなんて驚きよ」ツヤツヤ

陸奥「絶倫!?」

赤城「金剛さんと榛名さんは足腰立たなくなって帰りが遅れていましたから」

陸奥「それでその絶倫提督は何処に?」

加賀「全て出し切ったんでしょうね。グラウンドのベンチで白くなっていたわ」

陸奥「ベンチ…………えっ、あの薄い影みたいなのが提督!?」

提督「………」

球磨「待つクマー」

多摩「待てと言われて待つ猫はいないにゃー」

提督「…………」


陸奥「凄いわね。あそこにいるはずなのに誰も存在に気付いていないわ」

提督「…………」



雷「すんすん……この辺りね」

霞「くんくん……この辺りかしら」


陸奥「ああ、早くもダメ男発見機の2人が……」

雷「司令官!お帰りなさい!いつ帰ってきたの?」

霞「はあ?もう帰ってきたわけ?クズがいなくなって清々してたってのに!」

提督「…………」

雷「し、司令官?どうしたの浮かない顔して……な、なにか悩みがあるの?」ゾクゾク…

霞「あんたがそんなんだと士気に影響するでしょ!悩みがあるならさっさと言う!」

提督「ちょっと考え事しててさ」

雷「大丈夫よ!私に任せて!!」

霞「ほんと迷惑だわ!早くしてよね!!」

雷「貯金が無くなっちゃった……?」

提督「別に欲しい物もなければ使い道もない金だったんだけどな」

提督「10年以上コツコツ貯めてた金がある日突然ゼロになったと思うと悲しくてさ」

提督「まあ約束だったしあいつらの喜ぶ顔が見れたから良いんだけど……」

雷「……それだけ?」

提督「えっ?」

雷「もっとほら、借金があるとか、闇金にまで手を出しちゃったとか!」

提督「さすがにそこまでは」

雷「司令官、そんな事で悩んでいたの?」

霞「バカみたいね」

提督「そうかな……?」

雷「今所持金が無いなら消費者金融から借りてくれば良いのよ!」

雷「100万円借りてきて、それを競馬でもなんでも良いから賭けるの!」

霞「そうすれば例え二倍だとしても200万。すぐに返せば借金も無くなって手元には100万円ちかく残るでしょ」

提督「でも外れたら……」

雷「外れたら次は200万円借りればいいのよ!」

霞「それで二倍にして300万返しても100万円ちかく残るでしょ」

提督「……よし、やってみようか」

雷「さすが司令官!さっそくお金を借りに行きましょ!」

提督「しかしもしハズレたら……」

霞「やる前から負ける事考えるなんて本当にクズなんだから!」

雷「大丈夫よ!もしハズレて司令官が借金地獄に落ちたとしても私がいるじゃない!」

霞「食費くらいなら母乳でなんとかなるでしょ」

青葉「お金の事でお困りですか?」

1年後 2月14日

長門「駆逐艦からバレンタインチョコが貰いたい」

陸奥「…………」

長門「手作りの本命チョコを貰いたい」

陸奥「あ、そう……」

長門「おかしいと思わないか?この一年で私なりに駆逐艦との距離を詰めてきたつもりだったのに」

長門「昨日なんて睦月型の子供達と鬼ごっこをしたと言うのに」

陸奥「あなたが鬼をやると目が怖すぎて文月ちゃんや弥生ちゃんが泣いちゃうのよ」

陸奥「まぁ1番の理由はあれでしょうね」

暁「はやく司令官にチョコを渡しに行くわよ!」

電「暁ちゃん、まってなのです!」

鈴谷「提督ー、鈴谷のあれ入り特性チョコ食べてよー」


陸奥「みーんな提督に夢中だから♪」

長門「ぐぬぬ……」

陸奥「なんか借金した時代もあったらしいけどどんどん増やして今じゃ億万長者。ルックスも性格も性欲も文句無しの完璧な人なんだもの♪」

長門「に、人間見た目や中身や金だけじゃ無いだろ!!」

陸奥「人間見た目と中身と資金力が全てでしょ?私だって手作りチョコ作ったんだから♪」

長門「貴様……!裏切る気か!長門型を破門にするぞ!」

陸奥「良いの?もう長門型は私とあなたの2人しかいないのに?」

長門「……」

陸奥「あなたもチョコを貰いたいじゃなくて、あげる方になりなさい」

陸奥「駆逐艦が可愛いのは分かったけど、あなただって気になってるんでしょ?提督のこと♪」

長門「バカを言うな。私は駆逐艦一筋だ。……確かに非の打ち所がない提督だとは思うが」

陸奥「ほんと、意地っ張りなんだから」

長門「……」

陸奥「じゃあ私だけ渡してきちゃうわね♪早くアピールしないと、後で後悔しても知らないわよ?」

長門「うるさい」

陸奥「あっ、バレンタインはともかく、今夜の提督着任100日記念のパーティーには出なさいよ?」

長門「わかっている」

陸奥「じゃーねー♪」


長門「まったく……」

雷「司令官、司令官。今日はバレンタインデーよ」

雷「懐かしいわね。ちょうどこのくらいの時期にココへ来たんだっけ?」

雷「大丈夫よ。今月分の支払いは済ませて来たから」

雷「何言ってるのよ。司令官の面倒は私が見るって言ったでしょ?気にしないで♪」


霞「もうあんたは司令官でもなんでもないけれどね」

霞「ほら、さっさと寝るわよ。はやくこっち来なさいな」

雷「司令官、借金地獄の生活はどう?雷は凄く幸せよ……」

終わります

真っ白になった提督を見つけた雷達と一緒に堕ちて即終わりだったのに最悪のタイミングで寝落ちゃったね、うーちゃん……

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