野崎「高校受験に失敗した」 (23)

野崎「浪漫学園……並みの頭なら普通に入れる高校だったが……」

野崎「……」

野崎「締め切りに追われていた俺は漫画のことばかり考えてしまって全くテストができなかった……」

野崎「しょうがない、ほかの高校を受験しよう……」

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浪漫学園 入学式当日

佐倉「うわあああああああああああああ!!! 遅刻だああああああああ!!!」

佐倉「電車乗り間違えたあああああ!! お母さんと行けば良かったああああああああああ!!!」





桜のせいかな……ピンクに染まる視界。

そこに現れた子は……衝撃だった。






瀬尾「あー校門登んのめんどくせー」

佐倉「……」

瀬尾「あれ、あんたもこの学校の人? 遅刻?」

佐倉「は、はい!! 遅刻です!!」

瀬尾「よし、遅刻も一人じゃなければ怖くない。 ほら、登ろうぜ」

佐倉「いや無理だよ!?」

瀬尾「なんだよあんた、登れねーのかよー」

瀬尾「しょうがねぇなー。 じゃあ風車してやるよ。 ほら、乗って」

佐倉「は、はい!!」

佐倉「あ、あの……ありがとうございました」

瀬尾「いいって別に」

佐倉「えっと……入学式に来たってことは……一年生の人ですか?」

瀬尾「うん……ってやべ!! 話してる場合じゃねえじゃん!! 速く行かなきゃ!!」

佐倉「!!! そ、そうだね!!!」

青木「入学式から遅刻とは……」ガミガミ

佐倉「す、すいません!! すいませんでした!!」

瀬尾「あー……ねむい……」

青木「!!?」

佐倉「ちょ、ちょっと!!」

瀬尾「ねー早くクラスに移動させてよー。 もう遅刻しないからさー」

青木「……」プルプル

瀬尾「ん? どうしたんだよ、いきなり震えて」

青木「それが話を聞く態度かあああああああああああ!!!」

佐倉「……」

佐倉「さっきの先生怖かったなぁ……」

佐倉「どうしよう……私、やっていけるかな……」

佐倉「……ってそんな暗いことばっかり考えちゃダメだよ私!! 明るくポジティブに行かなきゃ!!」

佐倉「ええっと……私のクラスは……ここだ!!」

ガラガラ

佐倉「!!」

ワイワイガヤガヤ

佐倉(うわあ……みんな綺麗だなぁ。 ここにいるみんなクラスメイトかぁ)

佐倉「私の席は……『さ』だから……ここだね!!」

佐倉「……あれ、隣の席だけ空いてる」

佐倉「……」キョロキョロ

佐倉(どうしよう……よく見たら周りのみんな、もうグループを作ってる)

佐倉(そ、そうだ!! まだ来てない隣の子と友達になればいいんだ!!)

佐倉(名前は……えっと……私の次の番号の人だから……)

佐倉(『瀬尾結月』……瀬尾さんだね!! 可愛い名前だなぁ)

ガラガラ

佐倉「来た!!」

瀬尾「あーやっと先生から開放されたわー」

佐倉「」

瀬尾「あれ、あんたさっきの」

佐倉「え、ええっと……瀬尾さん?」

瀬尾「うん、そうだけど。 つうかなんで私の名前知ってんの?」

瀬尾「あ!! もしかしてもう有名になったとか!!?」

佐倉「いや、名簿に書いてあったから……」

瀬尾「なーんだ。 えっと、私の席どこだ?」

佐倉「こ、ここだよ!!」

瀬尾「おーなんだよ!! あんたの隣かー!!」

佐倉「よ、よろしくね瀬尾さん」

瀬尾「結月でいーって。 それよりあんたの名前は?」

佐倉「わ、私? 千代……佐倉千代!!」

瀬尾「すげー! 苗字も名前っぽーい!!」

瀬尾「よろしくな千代!!」

佐倉「う、うん!! よろしく結月さん!!」

瀬尾「さんもいらないよ。 呼び捨てでいいって」

佐倉「ゆ、結月はどこの中学出身なの?」

瀬尾「私? 私は◯◯中。 千代は?」

佐倉「私は××中出身だよ!!」

瀬尾「おーマジか!! あそこ私の小学校ん時の友達が通ってた所じゃん!!」

佐倉「本当!? 誰々!? 結月の友達って誰!!?」

瀬尾「確かそいつはねー……」










瀬尾「じゃあ私、こっちだから」

佐倉「うん!! また明日ね結月!!」

瀬尾「うん、じゃーねー」








佐倉(最初はちょっと怖そうな人って思ったけど……全然そんなことなかった!!)

佐倉(友達もできたし……楽しい高校生活になりそう!!)

若松「ええっ!? 野崎先輩、浪漫学園落ちたんですか!?」

野崎「ああ、あそこだと色々と好都合だったんだがな……」

若松「じゃあ違う高校に行くんですね」

野崎「そうだな」

若松「……じゃあ俺もそこに行きます!!」

野崎「……前から思ったんだがどうしてお前は俺が行く高校に拘るんだ? 俺が浪漫学園に行くと言ったら浪漫学園に行くって言ってたし」

若松「野崎先輩を尊敬してるからです!! 兎に角俺、浪漫学園には行きません!!」

野崎「ま、まあお前がそれでいいなら俺は止めないが……」

佐倉「ねぇねぇ結月!! 結月は部活決めた?」

瀬尾「部活? そっか、もう決めないといけないのかー」

瀬尾「千代は決めたの?」

佐倉「うん! 私は美術部にする!!」

佐倉「中学の時も美術部だったから高校もそうする!!」

瀬尾「そっかー、どうしよっか私」

瀬尾「中学は声楽部だったけど……今度は運動部がいいなー」

佐倉「声楽部!? 結月、歌上手いの!?」

瀬尾「勿論。 なんせスカウトされたぐらいだぜ?」

佐倉「スカウト!? すごい!!」

瀬尾「中学の時に歌ってる所を先輩が聞いてそれで声楽部に入ったの」

佐倉「あ、スカウトってプロじゃなかったんだね……」

瀬尾「よし!! そうと決まればありとあらゆる運動部に見学に行くぜ!!」

佐倉「あっ!! 待ってよ結月!!!」














瀬尾「もう部活に入るなって言われた」

佐倉「なんで!?」

瀬尾「でもまた来てって言われた」

佐倉「どっちなの!!?」

「ねぇねぇ!! あの一年生見た!?」

「見た見た!! 凄くカッコイイ!!」

「あんなカッコイイ人と同級生なんて幸せ!!!」

佐倉「? なんの話だろう……」

瀬尾「すげーイケメンがいるんじゃね? 行ってみよーぜ千代」

佐倉「う、うん!!」









「御子柴くーーーん!!」

「御子柴くんカッコイイーーーー!!!///」

御子柴「ギャーギャーギャーギャーうるせえな……」

「キャーーーーーーーーー!!///」

瀬尾「おーイケメンだー」

佐倉「た、確かにカッコイイ……」

「ねえねえ御子柴くん!! 今度私と一緒に遊ばない!!?」

御子柴「おいおいいいのかお前?」

御子柴「遊ぶっつうことは……そういうことだぜ? 子h「鹿島くーーーん!!!!」

「鹿島くんカッコイイーーーー!!!」

鹿島「ありがとう……こんな可愛い女の子に囲まれるなんて私は幸せ者だよ」

瀬尾「あれ、スカート履いてるじゃん。 女装?」

佐倉「ち、違うよ!! 女の子だよ!!」

佐倉「女の子だけど……」

佐倉「確かにかっこいいなぁ……」

御子柴「鹿島お前……」

鹿島「あ、御子柴」

御子柴(こいつがいなければ俺だけがモテたのに……)

御子柴「鹿島ぁ!! 俺はお前に勝負を申し込む!!」

鹿島「勝負?」

御子柴「今度の体力テストでの総合点を競う!!」

鹿島「面白そう!! いいよ!!」

御子柴「へっ、後悔させてやるぜ……」

御子柴「なぁお前ら!! 俺が勝つと思うよな!?」

「どっちも勝ってーーーーー!!!」










瀬尾「なんか始まった」

佐倉「う、うん……」

鹿島「体力テストオールA評価!!」

御子柴「が、学力!! 学力テストで勝負だ!!!」











鹿島「学力テストもオールA!!!」

御子柴「度胸試し!! トーク術!!!」












御子柴「鹿島!! 今日は一緒に帰ろうぜ!!」

鹿島「いいよー」

瀬尾「あいつらすげー仲良くなってる」

佐倉(相手にならなかったんだね……)

堀「何帰ろうとしてんだてめぇ!!」

ドゴォ!!

鹿島「いてっ!!」

御子柴「!」

堀「今日は部活あんだろ!! ほら行くぞ!!」

鹿島「は、はい……分かりました」

ズルズル

「見て、2年の堀先輩よ」

「鹿島くんのお目付役なんだって」

「なんであの人が?」

「なんでもあの人が鹿島くんをスカウトしたからだとか」

「へー」

御子柴「……」ポツーン

「御子柴くーん!! 一緒に帰ろー」

御子柴「! お、おう」

御子柴「……」

御子柴「美少女フィギュア……買ったのはいいけど……家に置く場所がねぇ」

御子柴「それに親に見られちまうかもしれねえし……」

御子柴「……」

御子柴「くっそー……誰か俺の友達で俺の趣味を理解してくれるやついねーかな……」

御子柴「そこまで心許せるやつがいねぇんだよなぁ……」

佐倉「おはよう結月!!」

瀬尾「おーおはよー」

佐倉「さっき鹿島くん見たから目の保養になったよ!!」

瀬尾「へーよかったなー」

「結月ー、今日の助っ人のことなんだけどさー」

瀬尾「うん、今行くー」

佐倉「あ、行っちゃった……」

佐倉「……」

佐倉(友達もできたし……憧れの人もいるし……)

佐倉(高校生活って楽しいな!!)

若松「野崎先輩すいません!! またはみ出しました!!」

野崎「ああ、大丈夫だ。 気にしないでくれ」

野崎「しかし一人でベタや背景……花も描くのは無理がないか?」

若松「だ、大丈夫です!! なんとかなります!!」

野崎「いや、現になんとかなってないんだが……」

若松「……あ! 見てください!! トーン貼ってみました!! どうですか!?」

野崎「!! 凄い、上手いじゃないか」

若松「ありがとうございます!! この調子で他のも頑張ります!!」

若松「……ああ!! また花描くのに失敗した!!」

野崎「先が思いやられるな……」

野崎が浪漫学園にいなかったら

野崎・背景真っ白の漫画ができあがる

佐倉・御子柴、鹿島の存在に早く気付く

御子柴、鹿島・佐倉と友達にならない(モブ女子と同じくらいの関係)

堀・後に台本製作に葛藤する

瀬尾・バスケ部以外の部活にも頻繁に助っ人に来る

若松・一人で全てのアシスタントを担当する


結論・鹿島くんと堀先輩はいつも通り

終わり

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