幼馴染「もういい加減諦めたら?」 (32)

幼馴染「あなたも飽きないわね。これで何度目かしら」

「幼ちゃんが頑固なのがいけないんだ!」

幼馴染「仕方ないじゃない。その気がないのだから」

「でも、これがきっかけで好きになるかもしれない」

幼馴染「あなたのことは好きよ。世界で一番愛しているわ」

「じゃあ、なんで30回も告白を拒絶するのさ!」

幼馴染「何度も言ってるじゃない。貴女が女だからよ」

女「ぐぬぬ……」


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女「性別なんて関係ないよ!」

幼馴染「大有りよ。私は子供が欲しいの。貴女ではそれは叶わないじゃない」

女「いまは体外受精とかあるじゃん!」

幼馴染「知らないの? 独身の場合は体外受精の治療を受けるのは難しいのよ」

女「でも、私と結婚するんだし、問題ないよね?」

幼馴染「日本の法律では同性での結婚はできないでしょ、お馬鹿さん」

幼馴染「それに知らない男の遺伝子を持った子供を育てるのなんて嫌だもの」

女「そうだ! うちの弟と子供を作ればいいじゃん!」

幼馴染「確かに名案かもしれないわね。私、弟さんのこと嫌いではないから」

女「よし決まり! それでいこう!」

幼馴染「不束者ですがお願いしますわ、お義姉さま」

女「ま、待ってよ!」

幼馴染「なんですか、お義姉さま?」

女「その呼び方やめてよ!」

幼馴染「だって、貴女が提案したのよ。私と弟さんが愛しあうことを」

女「してない! 弟と子供を作ればいいって言ったの!」

幼馴染「なるほど。では私に、愛のないセックスをして、弟さんの子供を産めというのね」

女「あ……」

幼馴染「貴女のそういう幼稚な思考は嫌いではないけれど、今回はさすがの私も怒るわよ」

幼馴染「そもそも貴女、私が男に抱かれてもいいの?」

女「い、嫌! 私以外の誰かに触れてほしくない!」

幼馴染「ほら。こんな杜撰な計画、遂行できるわけないじゃない」

女「じ、じゃあ、私が誰かと子供を作れば……」

幼馴染「ふざけたこと言わないで! 貴女が他の誰かに抱かれるなんて、想像もしたくないわ!」

女「はい……」シュン

女「幼ちゃん……」

幼馴染「そんな顔しないの」

女「でも……」

幼馴染「貴女が私と交際したい気持ちは充分わかったわ。でも、他の誰かと身体を重ねるなんて言わないで?」ナデナデ

女「……うん。わかった」

翌日
女「さあ、告白を受け入れてもらうよ」

幼馴染「貴女も飽きないわね」

女「今日のわたしは一味違うよ」

幼馴染「そうなの?」ペロッ

女「ひゃあ! なにするのさ!」

幼馴染「いつもと同じ貴女の味じゃない。期待して損したわ」

女「そういう意味じゃない!」

女「幼ちゃんの本音を聞きだす秘策があるのさ」

幼馴染「いつも本音で答えているのだけれど」

女「これを見よ!」

幼馴染「あら、今日は青と白の縞パンツなのね。似合っているわ」

女「そこじゃないよ! スカートおろしてよ!」

幼馴染「これは……」

女「弟との手繋ぎ写真だよ!」

幼馴染「……」

女「幼ちゃんが付き合ってくれないと、これ以上のことをしちゃうかもしれないよー?」

幼馴染「この画像を見てもらえるかしら」

女「な、なにこれ!?」

幼馴染「弟さんと一緒に買い物した記念に撮ったプリクラよ。弟さんは、貴女によく似ていて可愛いわ」

女「だからって、肩を抱くことないじゃん!」

幼馴染「ごめんなさい。欲望が抑えきれなかったの。貴女が下らないことを続けると、次はベットインしてしまうかもしれないわ」

女「もうしない! 絶対しないよ!」

幼馴染「貴女って本当にお馬鹿ね。貴女たち姉弟が手を繋いでいるところなんて、子供の頃に見ているのに、今さら嫉妬なんてしないわよ」

女「むう……」

幼馴染「私と交際したいなら、正々堂々と口説き落としてくれないかしら」

女「それが難しいんだよぅ……」

幼馴染「当然でしょう? そう簡単に屈服しないわ」

女 自宅

女「たのもー!」

弟「勝手に入ってくんじゃねえ!」

女「なんで怒鳴るのさ。可愛い姉が自分の部屋を訪ねてくるなんて、興奮するもんじゃないの?」

弟「可愛い? 俺に、そんな形容詞がつく姉はいないんだけど」

弟「んで、なんの用だ。また変な写真撮ろうとか言い出すんじゃねえだろうな」

女「ううん。今日はちゃんとした相談だよ」

弟「ほう。言ってみろ」

女「あのね、幼ちゃんを口説くにはどうしたらいいと思う?」

弟「どこがまともなんだよ」

女「そりゃあ、同性同士だから、周りから見たらおかしいかもしれないけど……」

弟「違う。童貞の俺に恋愛相談するその思考回路がまともじゃねえんだよ」


女「でも、弟は告白マスターじゃん。何十人もの女の子に愛を囁いてきたわけで」

弟「全部拒否されたけどな」

女「だからこそ、だよ! 失敗が多い分、なにをしたらダメなのか、わかってるでしょ?」

弟「それがわかるなら、今頃俺は10股くらいしてるよ」

女「はあ……。そんなんだから、童貞なのさ。ちゃんと、失敗から学ばないとダメだよ」

弟「そういうお前はどうなんだよ。幼さんに何十回も告白してはフラれてるけど、それを活かせてんのかよ」

女「……それは」

弟「だいたい、お前はグイグイ攻めすぎなんだよ。少しは我慢を覚えろよ」

女「我慢……?」

弟「そうそう。会話を控えてみたりして、相手を焦らしてみるのも大事なんじゃねえの?」

弟「恋は駆け引きが大事なんだと思うぞ。俺は実践できてないけど」

翌日 
女「……」

幼馴染「おはよう。……どうして、黙って先に行ったの? 私、ずいぶん待ったのよ」

女「ごめん……」

幼馴染「謝罪なんていらないわ。私は理由を訊いているのよ」

女「……っ!」ダッ

幼馴染「ちょっと、どこに行くの!?」

女「なんでついてくるのさ!」

幼馴染「私から逃げる理由を問い詰める為よ」

女「に、逃げてないもん! 健康のために走ってるだけだもん!」

幼馴染「なら、余計に捕まえないといけないわね。校舎の中でランニングなんて、迷惑だもの」

女「もう、ほっといてよ!」

幼馴染「それは本気で言っているの?」

女「そうだよ! わたしを一人にしてよ!」

幼馴染「……そう。わかったわ。これからは距離を置きましょう」

幼馴染「登下校も別々にして、学校でも目も合わせないようにしましょう。もちろん、放課後も互いの家には近づかず、休日恒例のお泊り会もナシよ」

女「や、やっぱり無理!」

幼馴染「さあ、急いで教室に戻らないと」ダッ

女「待ってよ!」

屋上前 踊り場
幼馴染「なんでついてくるの? 貴女、ストーカー?」

女「わたしの話を聞いてよ!」

幼馴染「知らない人と話すな、と母に教えられているの」

女「ごめんって! さっきの発言取り消すから!」

幼馴染「さっき? 貴女と話すのは、これが初めてよ」

女「~~~~! 幼ちゃんの馬鹿!」

幼馴染「馬鹿なのは貴女。大方、私を避けることで、私の想いを引き出そうとしたのでしょうけど、そんなことをしても無駄よ。どんなに貴女が逃げようとしても、私は貴女を逃さないもの」

幼馴染「貴方は、私という監獄から逃れることはできないの」

女「なら、私と付き合ってよ!」

幼馴染「付き合う? なぜ?」

女「幼ちゃんを誰にも奪われたくないからだよ!」

幼馴染「面白いことを言うのね」

女「なにがさ!」

幼馴染「私の心を動かせる人物が貴女以外にいるなんて、面白い見解だわ」

幼馴染「交際なんてしなくても、私は貴女の女」

女「で、でも……」

幼馴染「安心できない?」

女「……だって、幼ちゃんは美人だもん。いつか素敵な男の人に奪われちゃうよ」

幼馴染「言っているでしょう。貴女以外は眼中にないわ」

女「だけど!」

幼馴染「……」チュ

女「……っ!」カァァ

幼馴染「いい加減、私を信じなさい」

女「は、はい……」

幼馴染「まったく。世話がやける子ね」

女「幼ちゃんが素直じゃないのがいけないんだ……」

幼馴染「母に似て捻くれ者だもの。仕方ないわ」

女「開き直らないでよ!」

幼馴染「わかったわ。たまには素直な私を演じてあげましょう」

女「いいの!?」

幼馴染「どうして、この場所に逃げたと思う?」

女「んーと、誰にも邪魔されずに、話がしたかったから?」

幼馴染「そう。ここには人が来ない。つまり、思いっきり甘えられるということよ」

女「えっ?」

幼馴染「……」ギュ

女「お、幼ちゃん?」

幼馴染「もう私を置いていかないで……」ギュウ

女「……ごめんね」ナデナデ

幼馴染「……私は、貴女なしでは生きていけないのよ」

キーンコーンカーンコーン
女「……どうする? 教室戻る?」

幼馴染「もう少し、貴女を堪能したい後にね」ギュウウ

女「甘えん坊さんな幼ちゃんも素敵……!」

幼馴染「ありがとう。でも、甘えるのはこれっきりよ」

女「なんでよー。もっと甘えていいんだよ?」

幼馴染「自制しないと、歯止めが効かなくなるもの」

女「いいじゃんそれで。わたしも幼ちゃんに甘える。幼ちゃんもわたしに甘えるってことで」

幼馴染「嫌よ。そんなバカップルみたいな関係性は。もっと健全な……」

女「HRサボって、抱きあってる時点で、健全ではないよ」

幼馴染「……その勝ち誇った顔やめなさい。不愉快よ」

女「ふふん。たまにはいいでしょ? わたしが上に立つのも」

幼馴染「悪くはないわね……」

幼馴染「さあ、そろそろ行きましょうか」

女「やだー。今度はわたしが幼ちゃんを堪能するのー!」

幼馴染「……少しだけよ」

女「えへへ。ありがとー」ギュー

幼馴染「愛してるわ」ナデナデ

女「うん! わたしも世界で一番愛してる!」チュ






End

以上です。
ありがとうございました。

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男「ずっと前から好きでした!」 後輩「……誰?」
男「ずっと前から好きでした!」 後輩「……誰?」 - SSまとめ速報
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見たことあるトリだと思ったわw
もう一つの方の更新はよ

NLでは堪能できない萌え
すばらでした

>>25
お前だったのか
ずっと待ってるからあくしろ

>>27
今月中にはなんとか……

>>29
百合こそ至高。百合が世界を救う。
次回は姉妹百合を書きたい。

>>30
あ、あくしますから……

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