【モバマス】人体の60%は白菊ほたるで出来ている (39)

比奈「原稿終わったあああああああああ」

比奈「NKT……今ここに、荒木比奈伝説の第一章閉幕ッ。次回作にご期待しないでください」

比奈「……あれ、予定表見ると」

比奈「……もしかして、ひょっとしたら、コピー本のひとつくらいなら形にできるんじゃ」

比奈「…………」

比奈「馬鹿言ってないで取り敢えず水飲むスか」

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比奈「はー、危うく修羅場を繰り返すとこだったッス。開場ギリギリまで製本したあの夏の日を思い出せ」キュッ

じゃーーーどぽんっ!!

比奈「!?」びくっ

比奈「……」

比奈「今なんかコップに入ったような……」

ぷるぷるぷる

比奈「!? み、水が震えてるッス! 気持ち悪っ!」

ぐにょぉぉぉぉん

比奈「あっなんかこれデジャヴ! なんだっけ……あれだアクアネックレス!」

ぐにょにょにょ

比奈「人型になった!! この顔は……」

ほたる「こ、こんにちは、比奈さん……」

比奈「いやいやいやいや。説明を求めるッス」

ほたる「??? 説明……ですか……?」

比奈「なんスかその不可思議そうな表情。ほたるちゃんがそうなった理由ッス。何なんスかその水の精霊みたいな格好」

ほたる「そう、とは……何かおかしいでしょうか、私……?」

比奈「あっこれアタシだけがまったく別の常識の世界からなんやかんやでトリップしてきた奴だ、SCPとかあれ系案件の不思議体験だ」

ほたる「比奈さん、徹夜続きでお疲れなのでは……? 一度寝たほうが……」

比奈「えーやだー寝て起きたくらいでどうにもならない奴じゃないッスかこれ……ああでも夢オチって可能性もあるか。寝よ」

ほたる「あ、一眠りの前の水分補給……忘れないでくださいね……?」

比奈「ああそうだった、水飲もうとしてたんだっけ……」ガタッ

ほたる「……? 比奈さん、水なら私ですよ……? 何故横に置いたんでしょうか……」

比奈「ほたるちゃん飲むなんて無理ッス」キュッ

じゃーーーどぽんっ!!

比奈「えっ」

ほたる「……どうも、こんにちは……」ぐにょーん

比奈「」

ほたる(旧)「比奈さん……? ですから、お水は私ですよ……」

ほたる(新)「すみません、出来れば先に汲んだほうの私から飲んでいただけると……」

ばしゃーーっ

比奈「……………」

ほたる(旧)「あっ、シンクに捨てるなんて勿体ない……もしかして、虫さんでも入りましたか……? すみません……」

比奈「……………」キュッ

じゃーーーどぽんっ!!

ほたる(New)「……おはようございます、比奈さん……体調はいかがですか?」ぐにょーん

比奈「ああ逃げられない!」ばしゃーーっ

比奈「いろいろ調べてみたところ、世界中の水分という水分が白菊ほたるちゃんにすり変わってしまったみたいッス」

比奈「何を言ってるのかわからねーと思うんスけどアタシにも理解できません」

比奈「例えば」

夕美「おはよう藍子ちゃん! 朝のお散歩?」じゃーーー

藍子「おはようございます夕美ちゃん。いいお天気ですからね、夕美ちゃんはお花の水やりですか?」

夕美「うんっ、鉢植えのノヴァーリスには、表面の土が乾いたときにたっぷりのお水をあげるの」キュッ

ほたる(inジョウロ)「きれいなお花を咲かせるために頑張ります……」

藍子「ほたるちゃん、ファイトッ。……あ、そう言えば、夕美ちゃんの水やり姿、写真に撮っていいですか?」

夕美「えっ、私の水やり風景? 別に構わないけど……撮って楽しいかなぁ?」

藍子「はいっ、夕美ちゃんとっても楽しそうに水をあげますから。心から楽しそうにしてる姿って、見てる人もぽかぽかとした気持ちにしてくれるんですよ。アイドルと同じです」

夕美「なるほどそういうこと! じゃっ、今回は張り切っちゃうよー。可愛く撮ってね♪」

しゃーーーー


比奈「解説するッス」

比奈「夕美ちゃんのジョウロの蓮口から出たほたるちゃんは、」

ほたる's『わーっ……』

比奈「と、無数の極小サイズのほたるちゃんに分裂し、」

ほたるA「わぷっ」

ほたるB「へぶっ」

ほたるC「ちゃくちっ」

ほたるD「おっとっと」

比奈「と、いった具合に土に降り立ちます。着地成功するのは2割くらいです」

比奈「全く関係ない話しますけどじょうろの先っぽのアレって蓮口って言うんスね、スマホは実に便利ッス」

比奈「土の上のほたるちゃん達は、」

ほたるB「いそいそ……」ざっざっ

ほたるE「はやくはやく……」ざっざっ

比奈「と、土を掘って、」

ほたるC「すみません、お先に失礼します……」のそのそ

ほたるA「あ、お疲れ様でした……」ざっざっ

比奈「と、土の中に潜っていきます」

比奈「ああしてノヴァーリスへの水やりが行われているのです」

比奈「いや、冷静そうに解説してますけどね? わりと気が狂いそうな光景ッスよこれ」

比奈「ほたるちゃんだからまだかわいいで許せてるレベルッス」

比奈「いや許す許さないじゃあないッスね、許容範囲を飛び越えてるのに」



藍子「ふふっ、夕美ちゃーん。こっち向ーいてっ」パシャパシャ

夕美「ほたるちゃん、カメラの前だよっ! セクシーポーズ!!」

ほたる(inじょうろ)「せ、せく……こう、でしょうか……?」うっふーん



比奈「飛び越えてるのに」

由愛「……おはようございます、比奈さん」

比奈「ハロッス、由愛ちゃん。……絵描きセットなんか取り出して、早朝から何かインスピレーションでも湧いてきたんスか?」

由愛「その……夕美さんたち、楽しそうだから……」

比奈「ああ、まあ、本人達は楽しいんでしょうね」

由愛「ほたるさん、見える? 夕美さんのセーターの色……」

ほたる(in筆洗バケツ)「うん、見える……ちょっと待ってね……」

比奈「そんなとこにいたんスか」

ほたる(in筆洗バケツ)「えーっと……」

ぐにょー

比奈「色が変わっていく!?」

黄緑菊ほたる(in筆洗バケツ)「こんな感じの色かな……?」

比奈「許容範囲を飛び越えてるのに!!」

由愛「うーん、お日様の光に照らされてる感じが欲しいかな……」

比奈「注文が多い!!」

黄緑菊ほたる(in筆洗バケツ)「お日様の光……」

ぐにょー

明るめの黄緑菊ほたる(in筆洗バケツ)「こんな感じで、どうかな……」

比奈「神下請け!」

由愛「あ、ちょっと赤みが欲しいかも……」

比奈「ちょっとは妥協しろや発注!!!」

ぐにょー

明るめの黄緑ちょっと赤みプラス菊ほたる(in筆洗バケツ)「由愛ちゃん、これはどう……?」

比奈「神下請け!!!!」

藍子「わあっ、凄い! ほたるちゃんのおかげで大輪の白菊が咲きました!」パシャパシャ

夕美「さすがほたるちゃんっ!! ほたるちゃんのおかげで、お花がすぐ育つねっ!!」

白菊ほたる「えへへ……」てれてれ

比奈「ノヴァーリスどこやった白菊ァ!!!!!」

比奈「事務所ッス」

ネネ「皆さんおはようございます。朝の健康ジュースの時間ですよー」

夕美「ふうっ、水やりしてたら疲れちゃったっ」

比奈「水やりしてないのに疲労困憊のアタシは何なんスかね」

ネネ「今作りますからねー」

どんっ(ミキサー設置

ぽいっ(バナナ

じゃばー(牛乳

ほたる(牛乳)「待っててくださいね、今美味しくなりますから……」

比奈「……嫌な予感ッス」

じゃばー(オレンジジュース

ほたる(オレンジジュース)「おはよう、牛乳の私……」

ほたる(牛乳)「オレンジジュースの私、今日もよろしくね……」

比奈「ミキサーに投入されたほたるちゃん……」

比奈「スプラッタの予感……?」

小梅「ほ、ほんと……?」にゅっ

比奈「多分ほんとッス、おはよう小梅ちゃん」

ネネ「おいしくなーれっ」ぽちっ

比奈「ああああああ見たくない見たくない!」

ギュイイイイイイイイイイイ

ほたる(牛乳+オレンジジュース)「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」

比奈「夢に! 悲鳴が夢に出る!!」

由愛「?」きょとん

比奈「なんで平然と! 可愛らしく首を傾げられるんスか!?」

ほたる(牛乳+オレンジジュース)「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」ギュイイイイイイイイ

由愛「か、かわいい……なんて、いきなり言われても」てれてれ

比奈「何なのなのこの絵面!!!」

ほたる(牛乳+オレンジジュース)「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」ギュイイイイイイイイ

ネネ「完成です。どうぞ」

藍子「んくっんくっんくっ……ふぅーっ、ネネちゃんの作るジュース、美味しいです」

比奈「……」

由愛「小梅さんも……はい」

小梅「あ、ありがとう……」

比奈「………………」

夕美「ほたるちゃん、ちゃんと美味しくなれてたよっ。今日も一日頑張ろうねっ!」

ほたる(ミックスジュース)「よかった……今日もうまくできました」

ほたる(由愛の絵)「おはよう、ミックスジュースの私……と言っても、私もミックスジュースみたいなものだね……」

ほたる(ミックスジュース)「わあ……すっごくキレイな絵になれたんだ、私……」

比奈「あの、どういう集まりなんスかここ」

ネネ「目指すはトップアイドルです!」

比奈「それ以前の問題だとアタシは言いたいんスよね」

ほたる(ミックスジュース)「……比奈さん、もしかして……バナナ、嫌いだったりしますか……?」おどおど

比奈「えっ、いや、そういうわけでは……バナナとバナナのぶつかり合いとか大好物ッスよ」

ほたる(ミックスジュース)「でも、比奈さん、私に全く口をつけようとしてくれませんし……」しゅん

比奈「ちょっと考えれば理由わかるッスよね?」

ほたる(ミックスジュース)「すみません……私なんかがミックスジュースですみません……」どよーん

比奈「アタシも謝るんでもう勘弁して欲しいッス」

夕美「あー、比奈ちゃんがほたるちゃん泣かせたー」

比奈「泣きたいのアタシのほうなんスけど」

小梅「ほ、ほたるちゃん……痛いの、我慢して……、み、ミックスジュースに……なって、くれたんです……よ……?」

比奈「小梅ちゃんが言うとガチホラーッスよね、猟奇系の」

藍子「比奈さん。昨日までネネちゃんのジュース、美味しいって飲んでたじゃあないですか……」

比奈「これ『はい』選ばないと終わらない選択肢じゃあないッスか!! わかったッスよ飲みます飲みます!! さー荒木比奈選手グラスを手に取ったーっ!」

ほたる(ミックスジュース)「あっ……えへへ、美味しく飲んでいただけると……嬉しいです」

比奈「頑張れ荒木先生! とっくの昔に限界振り切ってるSAN値、ほんのわずかでいい! アタシに力をっ!」ぐびーっ

ごっきゅごっきゅごっきゅ

ほたる(ミックスジュース)「あ、奥歯に青のりついてます……」

比奈「見るな報告するな口の中で喋るな!!!」

ごっくん

比奈「………………」

ほたる(体内)「……今日も一日、比奈さんの活力になれるように、精一杯頑張ります……!」

比奈「ぎゃあああ身体の中から声がするゥ! 予想は! 予想はしてたけど!! 想像以上に吐きそうッスよおこれ!!」

ほたる(体内)「今日は午前中はダンスレッスン、午後は衣装合わせです……」

比奈「スケジュール管理してくれるんスかすげえ!?」

ほたる(体内)「張り切って行きましょう、比奈さん……比奈さん?」

比奈「あ、これ限界吐くわもうマジ無理ッス!!」

ガタンッ!

比奈「あがっ」

比奈「痛っっ…………つゥぅぅ~ッ」

比奈「な、なんスか、なんか膝にぶつかって……」

比奈「……なにこれコタツ?」

チュンチュン

比奈「……鳥の鳴き声。射し込む朝日。見慣れたコタツテーブル。つっぷしてたアタシのヨダレ跡」

比奈「……アタシの部屋」

比奈「えっと」

比奈「………………」

比奈「ぃぃぃいよっしゃああああああ夢オチだあああああ」

比奈「うわああああ本ッッッ当怖かったああああ何なんスかあの悪夢! なんかチビってそうで下半身見るのも怖いんスけどね!」

比奈「あっこの夢コピー本のネタにできるかも」ティン!

原稿「輝く白さ」

比奈「あっ」

時計「お昼のニュースの時間です」

比奈「あっ」

スマホ「電池切れやで」

比奈「ああ、そういや昨晩原稿の途中でダイスDEシンデレラはじめて……だからかぁあんな夢見たの」

原稿「輝く白さ」

比奈「あっ」

比奈「………………」

比奈「夢オチなんてサイッテー」


おしまい

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