シン・ゴジラVSヱヴァンゲリヲン (136)

2020年7月 日本 旧東京駅跡地

巨大な灰色の墓標が、ただ静かにそこにあった。



かつて人々を恐怖と絶望のどん底に突き落とした「それ」は、いまはただ冷たく無機質なオブジェとしてそこに「在る」だけに見えた。
だが、しかし、それは・・・・・・





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第三新東京市 新東京大学 キャンパス内
「バカシンジ!次の講義、代返宜しく!」
「えーまたアスカサボるのかよ!?」
「人聞きの悪いこと言わないでくれる?訓練よ訓練。新しいシミュレーターが本部に納入されたから、早く行って試したいの!
アンタも4限終わったら合流しなさいよ。アンタこそ最近たるんでんじゃないの?びっちりしごいてやるから!」
「う、うん、NERVとの契約は続いてるし、そりゃ訓練大事なのはわかるけど・・・・あの第8使徒以降5年も使徒が現れてないって思うと・・・・」
「だからってサボっていい理由にはならないでしょ!
4年前の、あのゴジラみたいなのが現れないとも限らないし・・・・・・・
あーあんとき2号機を東京に空輸してくれさえすれば、あたしが奴を仕留めたのに!」
「仕方ないわ、エヴァはあくまで使徒迎撃翌用兵器だもの、国連が許可しなかったのよ・・・・・」
「・・・・・エコヒイキ、あんたいきなり横から現れて冷静なつっこみを・・・・・あんたも最近訓練に顔出さないじゃない・・・・」
「わ、わかったよアスカ。訓練にはちゃんと参加する。綾波もくるよね?」
「・・・・・命令があれば参加するわ」

碇シンジ 
式波・アスカ・ラングレー
綾波レイ 

3名とも今年で20歳。新東京大学の二年生であり、国連特務機関NERVの戦闘要員(一尉待遇)でもある。
3者それぞれに、ここ数年のぬるま湯の平和を退屈しつつも、それなりに謳歌していた。

神奈川 新横浜駅構内
コーヒーショップ内のテレビでは、報道番組が流されていた。
「・・・というわけで4年が経ちましたが、やはりまだ危機は去ったとは言い難いのでしょうか。」
「当然です。ゴジラはあくまで休眠しているだけなのですから・・・・しかも東京のど真ん中で!いつ爆発するかもわからない時限爆弾を抱えているようなものです。」
「では都心部への避難民の一時帰宅というのも・・・・・・」
「とんでもない話です!私個人は米国の主張通り、熱核攻撃で滅却すべきと考えますね!そうしなければ根本的には何も解決しません。第二東京への遷都プランも進んでいるのなら・・・・・・」
テレビの騒々しい議論を背に、席に座っていた男は煙草をふかしていた。
(核で滅却か。そういう簡単な相手ならばいいんだが、な)
煙草を吸いつくすと、男はアタッシェケースを手に席を立った。

第三新東京市




同日夕刻 特務機関NERV本部 トレーニングエリア 


「感心ねシンジ君。週一回程度の訓練で、これだけのシンクロ率を維持しているのだから・・・・」
赤木リツコ NERV技術開発部長である。
「本人の努力ってより、もともと持ってる初号機との親和性の高さでしょうね。シミュレーター訓練では相変わらずからっきしだし」


複雑な表情で、葛城ミサトNERV戦術作戦部長(将補待遇)は返した。
「あまりモチベーションが上がってないってことかしら?」
「ちょっちね。まあ5年も生殺しの身分じゃ無理もないし、アスカのようになれなんて無理強いできるわけもないけど・・・・・」






「あー!もうヌルゲーじゃないこれ!訓練になんないっつーの!つぎは2ランク難易度上げてくれる!?」
通信回路にアスカの騒々しい声が入ってきた。

「やっぱり実戦に勝る修業はなしね。はやいとこ使徒でもゴジラでも襲ってきてくれないとー!」


個人用ロッカールームに向かいながら、アスカがいささか物騒なことを口にしたとき、通路の曲がり角から人影が現れた。





「・・・・アンタ誰?」

「初めまして、式波アスカさん、綾波レイさん。僕はこの度配属されたソエド・エヴァA号機パイロット、
荒木ヨウスケといいます」

浅黒い肌、均整の取れた体格の青年であった。


「ソエド・エヴァ・・・・アンタが・・・・」

「お逢いできて光栄です」
差し出された手を、アスカは華麗にスルーした。
「ま、せいぜい足引っ張んないようにすることね」
そう言い残し、ロッカールームのほうへ去っていくアスカ。
意味ありげな笑みを、荒木は浮かべていた。

第二東京仮設首相官邸地下 危機管理センター会議室

巨大不明生物特設災害対策本部 内閣諮問特別会議
(矢口防衛大臣は米国視察のため不在)

「ゴジラ滅却作戦・・・・・これが国連の推す作戦というのかね・・・・・・」
林田内閣総理大臣は、一通りのレクチャーを受けた後、うめいた。

13: 名無しさん@おーぷん 2016/09/09(金)00:21:34 ID:ZVl
「はい、確実に現状の脅威を排するには、このプランしかないと考えます」


力説するのは国連安保理G対策委員会広報部長 小村直樹であった。


「もう一度お尋ねしますが、その方法で本当に核爆発、汚染の範囲を限定できるのでしょうか?」
そう問いかけたのは赤坂官房長官である。

14: 名無しさん@おーぷん 2016/09/09(金)00:23:27 ID:ZVl
「ええ、先ほど申しあげましたように、外径400メートルの超耐熱複合材ドームで目標を密閉したうえで、
内部で爆風のエネルギーのみを制限し、超高熱に特化した核爆発を起こします。

熱線、爆風、放射線等が外部に漏れることは一切ございません。

成功後は汚染等のリスクを一切負うことなく、東京都全体が復興することが可能となるのです。」




おおっ、と感嘆8割、当惑2割のどよめきが起こった。

その反応に、小村が満足げな表情を浮かべたとき、一人のスーツ姿の女性が挙手した。


「あの・・・・安易に外部からの物理攻撃での駆除に踏み切るのは無謀と考えます」



巨災対副本部長(環境省より出向)尾頭ヒロミである

「どこがどう無謀とお考えなのですかな」
小村のにこやかな表情が、若干ひび割れていた。



「ご存知のようにゴジラは体内に熱核エネルギー変換生体器官を擁する未知の生命体です。
体内で核反応を起こせるということは、肉体そのものがそれ相応の卓絶した強靭さを持っているということです。
またゴジラの細胞が有する膨大な~人類の8倍もの~遺伝情報は、私たちの生物学の常識をはるかに逸脱した自己防衛、
自己再生能力を有している可能性が極めて高いと考えます。それらが一体どれほどのものなのかすら判然としない状況で、見切り発車すべきではありません」

「す、数百万度の超高温に耐えられる生物などおるわけがないでしょう。
そもそもこの作戦は明後日にも国連安保理で可決されるであろう、いわば決定事項であるのです!
そのような難癖をつけられる筋合いはありません!」




逆ギレ。としか言いようのない小村の剣幕に、しかし尾頭はわれ関せずの無表情であった。

「ま、まあ事実上の国連の決定事項であるのならば、我々としても協力して後押ししていくという方向でですな・・・・・」


岸谷外務大臣がその場を無理やりに収めにかかった。


ある種の気まずさを包含しつつも会議は作戦決行の方向で収束していき、そしてこの2日後の国連安保理で正式に決議されることとなる。



ゴジラ滅却作戦「イフリート作戦」であった。

第三新東京市 NERV本部 トレーニングエリア

パイロットミーティング

また、最下位だったかぁ・・・・・・
席に着いたシンジはうなだれ・・・・・はしなかった。悔しさも屈辱感もない。
もう訓練でスコアを出せないことに対する感覚がマヒしてしまったのだろうか。
どうやっても、プラスであれマイナスであれ、現状をどうこうしようというエネルギーが湧いてこない・・・・・・・

ちらりとアスカのほうを見やるが、腕組みをしたまま、前を睨むように見つめて黙ったままであった。


綾波も・・・・文庫本に視線を落したままだ。

声高に発言したのは荒木であった


「碇くん!あれはいただけないですよ!
格闘も射撃も鈍すぎる、式波さん、綾波さんもこれでは不安でしょう!」



アスカは怒ったような、レイは淡々とした表情のまま押し黙っていた。






「謝るのではなくて、改善する気はあるのかって話ですよ。聞けば訓練自体にあまり顔を出さないって話じゃないですか。自覚はあるのですか!?

式波さんたちは日々人類を護るという自覚をもって研鑽しているというのに・・・・・・」




悔しさが・・・・・やはり湧いてこない。


頭の中にもやもやした異物があって、思考や感情が妨げられているようだった

「荒木君!」
たまりかねてミサトが割って入った
「問題提起してくれてるのはありがたいけど、パイロットの教育面に関する発言はあなたの領分ではないわ。

以降は慎んでちょうだい。」


「・・・・・はい。了解です・・・・・」



シンジは内心で大きく息をついた。
すこし、もやもやが晴れた気がした。

NERV司令執務室

「ご苦労、加持監察官・・・・・・・・」


NERV副指令、冬月コウゾウは受け取ったアタッシェケースを、執務机の上に置いた。



それを静かに開け、微かに笑みを浮かべるNERV司令 碇ゲンドウ。

「ネルフの切り札・・・・・ですか」


加持の問いに、口元を歪めるゲンドウ。


「手駒の一つだ。いまは少しでも多く揃えておきたい」


「なるほど・・・・・そう言えば、例のゴジラ殲滅作戦ですが・・・・・・」

「我々が関知することではない。」

「でしょうな。ちなみに中国ロシアが安保理でかなりプッシュしたようです・・・・・」

「ほう、初耳だ。」

「・・・・・では、私はこれで。しばらくはこちらで好きにやらせていただきますよ。」


一礼し、踵を返す加持。

同時刻 本部内第8ケイジ

整備されているエヴァは、これまでのものとは明らかに異質なフォルムであった
中世の鎧騎士を思わせる武骨な外観
全身は銀色にカラーリングされていた。

「ソエド(疑似)エヴァ・・・・・これが」



ミサトは腕組みしつつ、それを見上げた。

「ええ、ダミープラグを限定的に操作系に関与させることで、適格者でなくとも操縦できるようにした、
いわば次世代の量産型エヴァよ。暴走のリスクは大幅に減り、
しかもATフィールドも含めた防御性能は格段に向上している・・・・・」


手元のタブレットから目を離さぬまま、リツコは答えた。


「これをここに配備したってことは・・・・使徒の再襲来が近いとみているのかしら?」


「上層部の意図はわかりようもないわね。ゴジラに関してはエヴァは出撃不要ということで終わりそうだけど・・・・・・・」

一週間後 科学技術館屋上 20時


多国籍軍「イフリート作戦」実行部隊作戦本部

巨大な球状のドームが、凍結中のゴジラを完全に閉じ込めた形で聳え立っていた。



「超耐熱ドーム、完全密閉完了!」
「耐爆外殻シールド、展開完了!」
「W334核弾頭、アナログタイマーにてカウントダウン、現在360秒前」

「これであの化け物も完全に死ぬ。そしてわが国連G対策委員会のみが危機を根本的に解決できる存在であると
世界に示すことができる・・・・・・」

防護服姿でほくそ笑むのは小村広報部長であった。




カウントダウンは進行し、ついにテンカウントを切った

「3、2、1・・・・・起爆!!」

ドーム全体がくぐもったような音を響かせ、小刻みに震えた
95秒後、ようやくそれが収まる。
「やった・・・・・・・・か?」





効果測定は気密扉から調査用ロボットを進入させ行う。
その準備が完了した。

そのときであった。



すさまじい地響きが響く。



「なんだ!?何が起きている!!」
「判りません!詳細不明!振動が止まりません」
「ドーム表面に亀裂発生!!」
「ばかな!核爆発に耐える超硬度複合材だぞ!!それ以前になんで・・・・・・」






ドームは激しく鳴動し、そしてついに中心から真っ二つに割れた。

膨大な水蒸気が噴き出し、その中から赤黒い巨体が姿を現す。


確かに傷ついてはいる。血管や筋肉、骨や内臓がところどころ露出している。


が、それらの傷はすさまじい勢いで再生しつつあった。


「ひいいいいいい・・・・ゴ・・・・・ゴ・・・・・ゴジラ・・・・・・・・」

「な、なんという奴だ・・・・・・・・」



「化け物め!!」


ゴジラ、咆哮。

地獄の底から響くような・・・・・・それは日本国が再び、恐怖と絶望に支配される。

その事実を宣告するものであった。

第三新東京市 某所のアパート


彡(゚)(゚)「グビグビ・・・・よっしゃ!!かっ飛ばせええええ北條!!サヨナラや!!」


(´・ω・`)「もーおにいちゃん飲み過ぎだって!」


彡(゚)(゚)「ええんや!!今日勝って首位固めや・・・・ヒック」


不意に、テレビ画面が切り替わる

「ここで臨時ニュースをお伝えします」

彡(゚)(゚)「は!?(威圧)」

「たったいま、都内東京駅跡地にて、凍結されていた巨大不明生物、
いわゆるゴジラが覚醒し、活動を再開したとの情報が入りました。繰り返します・・・・・・・」


彡(゚)(゚)「ファーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

(´・ω・`)「ま、マジかよ・・・・・・・」

同時刻 第三新東京市 繁華街 フレンチレストラン「グランドアルメ」


屋外テラス席

アスカは大学の友人らに誘われ、20代の会社員男性数名との会食の場にいた。
ようするにエリートサラリーマンたちとのディナー合コンである。


「ええすごーい、恩慈英証券なんですかぁ~」



シンジらには間違っても見せないテンションと笑顔を見せるアスカ。

アスカに狙いを定めたらしい向かいの青年が、熱心に口説いてくる。


「どう?この後二人で・・・・・夜景がきれいなとこ知ってるんだ。」


「えーどうしようかなー」

と、アスカのバッグの中のスマホが振動する。


メッセージ画面を一瞥したアスカの表情が一変した。

「ど、どうしたの・・・・・?」


「ごめんなさーい。私急用でいかなきゃならなくなっちゃって~」

相手の青年の顔がやや歪む。


「き、急用なら僕が送っていくよ・・・・・・」
「あー大丈夫だから。」



店舗全体に轟音が響き渡った。

周囲の客たちがどよめく。


国連軍所属のVTOLが、ゆっくりと高度を下げてきた。


すさまじい風圧に、テーブルクロスが吹き上げられ、グラスが床に落ちる。


「みんなごめんねー、弁済請求は特務機関NERV宛てでハイ、ヨロシクゥ!」
おろされた縄梯子に足をかけ、美脚をあらわにしつつもスカートの中を巧みに隠しながらアスカはVTOLの機内へと俊敏に登っていった。


残された青年も、他の若者たちも髪と服をかき乱され、皆一様に口をあんぐりとさせていた。

第二東京 仮設首相官邸危機管理センター  

モニターに映し出されたゴジラは、我が物顔でゴーストタウンと化した東京都心を蹂躙していた。

「凍結されていた時より若干大きくなっていないか!?姿形も・・・・・」

泉国土交通大臣の言葉に、巨災対の代表としてこの場にいた尾頭ヒロミが答える。


「はい。推定身長130メートル、また上肢の発達が顕著に見られます。第5形態というほど劇的な進化ではありませんが、
第4,5形態と呼んで差し支えないかと。」

たしかに、かつての細く短い腕が一変し、長く逞しい腕となっていた。



「とんでもないものを目覚めさせてしまった・・・・・・」



文部科学大臣の言葉に、林田首相はうつむき加減に応えた


「わたしがあのような作戦を認めなければ・・・・・・・」

「総理の責任ではありません。国連安保理が決議したことに従ったまでですから。
それよりも、現状にいかに対処するかです。そうであろう?防衛大臣!」

赤坂官房長官の言葉に、矢口防衛大臣は強くうなずく。

「その通りです。現在自衛隊はゴジラの熱線攻撃の届かない遠距離からのMLRSによる攻撃を試みているところです。
まずはわずかでも敵を消耗させ、侵攻を遅らせねば・・・・・」

「しかし、通常兵器では・・・・・」

「もちろん阻止は出来ません。再度凍結させるには新たなプランが必要となりますし、
実現するには動いてもらわねばならぬところがあります。」

「特務機関NERVか・・・・・・」
首相は唸った。

第3ケイジ 


初号機は、依然として起動しないままであった。


「なぜだ、なぜ私を拒絶する・・・・・・・ユイ・・・・・・・」



その時であった。

「乗せてください!!」



ゲンドウの眼下の整備用通路から、見上げる人影・・・・・・

「シンジ。なぜそこにいる。」

「父さん!!」

「!?」

「僕は・・・・・・僕は・・・・・エヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです!!」

ジオフロント内

2号機を完全に押し倒した第9使徒の股間から、太く長い何かが伸びる

それは2号機の胸部から浸透し、エントリープラグの中へ触手となって侵入した。

「くくくく・・・・アスカ嬢。わたしと一つになりませんか?それはとても(以下略」

荒木のみなぎったナニを思わせるそれは、アスカに絡みつく。

「こんちくしょう・・・・・・・」



抵抗しようにもアスカの体には力が入らない。

「くうううううう伝わる!感じますよあなたの・・・・・・・」
「ううううう・・・・・・」

次の瞬間、紫色の巨大な影が飛んできた



「うおおおお!!すべてを斬り裂け!!マゴロクソード!!」


初号機が刃を一閃させ、第9使徒の股間から伸びた触手を両断した!

「おああああああああ!?私の%&#が!!」





「バカシンジ!!還ってきたの!?・・・・ほんとにバカね」

「ごめん、待たせて・・・・・今度はもう逃げない!!



エヴァンゲリオン初号機 F型装備 見参!!」

初号機F型装備は、第9使徒に挑みかかる!


「く・・・・・この私に勝とうなどと・・・・クズの臆病者が・・・・・
身の程を知れ!!」


第9使徒の腕がしなる


初号機の右腕に当たるが、重装甲と増幅されたATフィールドに阻まれる。


「!!」


くらえ!!


マゴロク一閃! 第9使徒の右腕が斬り飛ばされる!


「ぐおおおおおばかなああああああ!?」


初めての苦痛に悶える荒木。


ATフィールドが弱まる

そこへ回復したアスカが大上段から、片腕でデュアルソーを振り下ろす。


第9使徒の頭部が両断され、さらにエントリープラグ付近まで構造物が破断される。



「くらえ!!インパクトボルト!!」



初号機の両肩から、ATフィールドを増幅した指向性電撃が放たれる!!



第9使徒の胸部に直撃し・・・・・・・・・


エントリープラグが完全に潰される。



「ぐぎゃあああああああこんなところでぶべぽぴっ!?」

荒木の肉体が侵食した使徒ごと崩壊していく。


「ごあああああああああ!!!こんな・・・・こんなところで[ピーーー]ん!力を!!もっと力を!!!!!」











NERV司令執務室 特殊金庫

その扉が、内側からガタガタとうごめき、ついには3重の扉が破られた。
飛び出してきたのは金色の球体。

それはすさまじい速度で飛翔しいくつもの隔壁を破ると、ジオフロントの瀕死の第9使徒に激突した。

そして浸透していく。

第9使徒が金色の光に包まれる!!
すさまじいエネルギーのうねり。もはや第9使徒、ソエド・エヴァの面影は全くない。そしておそらく荒木も・・・・・

「まさか・・・・・あれが例の地球外生物!?」


ミサトがつぶやく。


ゲンドウは無言であった。

そしてその巨大な光の塊が・・・・・・・・
「みろ!何か形になっていくぞ!」



誰かが叫んだ。


「パターン青から急激変化・・・・・これは・・・・まったく未知の・・・・・」


マヤは絶句した。




金色に光り輝く、三本首の巨竜が姿を現した・・・・・・・・・・・。

「あれは何なの!!」


ミサトの問いに、いつの間にか発令所にいた加持が答えた。


「超巨大宇宙生物・・・・米国NASAのコードネームは・・・・・・キングギドラだ」




神経をかきむしるような鳴き声。



これまでとは異質な恐怖を、シンジとアスカは感じていた。

小田原近傍 山岳地帯

(´・ω・`)「もーおにいちゃんやばいって!立ち入り禁止区域だよ!?」

彡(゚)(゚)「やばくてもやるんや!ゴジラの細胞、肉片は数千万円単位で売れるんやからな・・・・・」

(´・ω・`)「放射能汚染も、ゴジラの近くだと・・・・・・・」


彡(゚)(゚)「そのために米軍払い下げの防護服着てるんやないか!すでにこいつに20万投資してるんやから、

四の五の言わず・・・・・・お!みつけたで!」


(´・ω・`)「にーちゃん多分それ獣のウンコだよ・・・・・・・」

次の瞬間、どくん!と腹に響く音・・・・・・・


彡(゚)(゚)「!!!?????」

ふと見上げると、巨大な黒い影・・・・・・・・ゴジラの両眼が、くわっと開いた。

そして、すさまじい咆哮!!!



彡(゚)(゚)「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」

第三新東京市ジオフロント


インパクトボルトを放つ初号機


しかしそれは金色の鱗にはじき返される。
キングギドラは三つの頭から、強烈な破壊光線を放つ。


それは初号機F型の重装甲をも貫き、エントリープラグ付近を直撃した
「ぐうああああああああああああああ!!??」
血反吐を吐き、悶えるシンジ。


「シンジ君!!」

叫ぶミサト。



そこへマヤが悲鳴交じりの報告をもたらす。
「凍結中のゴジラが覚醒!現在ジオフロントリニアスロープからこちらへ向かっています!!」


「なんですって・・・・・・・・」

「シンジ!!」

アスカは萎えそうな肉体と意思を奮い立たせる。

「モードチェンジ!!コードトリプルセブン!!!」


2号機の全身が隆起し、咆哮する。


すさまじいスピードでキングギドラに飛びかかる2号機。



デュアルソーは・・・・・・キングギドラの体組織にはじき返され、折れた。

「うおおおおおおおおお」

2号機はキングギドラの中央の首に組み付き、締め上げた。

首を激しく左右に振るキングギドラ。


ついに2号機が振るい落される。

地べたに倒れこんだ2号機へ向け、キングギドラが破壊光線をまさに吐こうとしたその時。

青白い熱線が、キングギドラの翼に当たった。


向き直った先には、黒々とした巨体。



「ゴジラ・・・・・・」



ミサトがつぶやいた。

ゴジラは大股でキングギドラのほうへ歩み寄る



そこへ破壊光線が立て続けに叩き込まれる。

ゴジラも負けじと熱線を放つ。

両者の光線が中央で激しくぶつかり合う・・・・・が撃ち合いはキングギドラのほうがやや優勢だった。

よろめき、倒れこむゴジラ。

そこへさらに追い打ちの破壊光線が叩き込まれる。


血しぶきが上がり、ゴジラが苦悶の叫びを上げる。

「ゴジラが・・・・・・地球生命の代表が・・・・・宇宙生命に滅ぼされてしまったら・・・

・・もはや私たちに希望は・・・・・・・」

リツコはうめく。


「ゴジラやサードインパクト以前に、キングギドラによって人類が滅ぼされてしまう・・・・・・」


ミサトは十字架のネックレスを握りしめた。

初号機 エントリープラグ内


体中が痛い
力も入らない・・・・・・

もう僕は死んでしまうのか・・・・・・・・・



お母さん・・・・・・・











「シンジ・・・・・・・・」

声が聞こえる。
まさか・・・・・・・・・
「シンジ・・・・・生きることをあきらめたら駄目よ。
強い意志の力があれば、何度でも立ち上がれるわ。
あなたの大切な人たちを、その未来を護るために・・・・・・・
さあ、もう一度強く念じなさい。私も手伝うわ・・・・・・・」


どくんっ



エヴァ初号機の両眼が赤く光った。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


初号機もシンジの強烈な意思に感応し、咆哮した

「初号機、再起動!」
「暴走?」
「判らない、一体何が、初号機に起きているのか・・・・・・・」



リツコは汗を拭った。

「シンクロ率が、急激に上昇中!300・・・・310・・・・320・・・・・」


「信じられないわ・・・・・・・」


マヤの報告にミサトはうめいた。

立ち上がった初号機に向け、キングギドラが光線を放つ
が、強靭化したATフィールドにはじき返される。

ゴジラも起き上がった。
全身が青白く発光し、全身の筋肉が肥大していく。


首相官邸 危機管理センター

「あれは・・・・・第5形態!?」
尾頭ヒロミである。

初号機 両目から深紅の光線を放つ。

キングギドラのそれと激しくぶつかり合う。
やや初号機が押され気味かと思われたその時

ゴジラからも熱線が放たれた。

これまでより太く、力強い熱線!
はじめて撃ち負け、後ずさりするキングギドラ。

さらにゴジラと初号機は追い打ちをかける。

キングギドラの中央の首に光線が集中し、首が切断された。


たまらず飛翔し、逃れようとするキングギドラ。

初号機、そこでエネルギーを使い果たしたのか暴走状態が解け、活動を停止してしまう。
2号機もパイロットが消耗し戦闘不能状態。

ゴジラは・・・・・・・・・

背びれをかつてない規模で発光させ、上空へ向け、再度渾身の熱線を放つ。

キングギドラの全身が溶け、業火に包まれ・・・・・・・ついに爆発四散した。



咆哮するゴジラ。

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