コナン「やっぱ巨乳は最高だな!」 阿笠「ハァ……」 (35)

阿笠「新一は死にたいのかのう……」

コナン「……は?」

阿笠「何が見た目は子供、頭脳は大人じゃ。笑わせる」

コナン「……何が言いてーんだよ博士」

阿笠「いかにもガキの発想じゃと言うておるんじゃよ」

コナン「何言ってんだ?男なら巨乳に憧れるのは至極真っ当じゃねーか」

阿笠「分かっとらんの……」

コナン「なんだと……?」

阿笠「真に美しきは微乳……そんなことが分からんでなにが名探偵じゃ」

コナン「……」

阿笠「君と話していても時間の無駄じゃ」

阿笠「麻酔銃の針は補充してやったからさっさと帰るがいい」スッ

コナン「待てよ」

阿笠「?」

コナン「話はまだ終わってねー……」

阿笠「なんじゃ、まだ自分の非を認めきれないというのか」

コナン「その言葉そっくりあんたに返すぜ、博士」

阿笠「なんじゃと……?」

コナン「巨乳こそ至高!それがこの世の真理に決まってんだろ!」

阿笠「……!分からずやめ……微乳こそが偉大なる神の果実じゃ!」

コナン「こうなったら徹底的にやりあうしかねーみてーだな」

阿笠「そのようじゃの」

コナン「俺には見えるぜ、敗北したあんたが貧乳の如く萎んでいく様がな!」

阿笠「わしには下品に膨らんだ脂肪のようにふくれっ面をする君の顔が見えるわい!」


灰原(なんなのこの男たちは……)

コナン「言うまでもねーが先に巨乳の魅力を語らせてもらうぜ」

コナン「まず何と言ってもあのデカさ!そして重量感!」

コナン「動けば波打つ柔らかさ!服越しにもわかる存在感!」

コナン「包容力と圧倒的母性!その上で淫靡でミルフな女の魅力!」

コナン「男のDNAに深く刻み込まれた双丘への憧れは本能さえも超越する!」

阿笠「浅薄……!浅はかじゃよ、新一」

阿笠「女性のしなやかな肉体に映えるのは微かな隆起……」

阿笠「慎ましく、決して主張せず……しかしふとした瞬間にその存在を意識させる」

阿笠「例えばそれは屈んだときに服の隙間から……例えばそれは風が身体をそっと撫でた瞬間に……」

阿笠「存在への根本的な感謝が微乳にはつまっておるんじゃよ」

コナン「そんな抽象的な説明で魅力を伝えられると思うのか?」

阿笠「君こそ、ただ現象を語るだけで実が伴っておらんよ」

コナン「……」

コナン「なぁ博士、古代のヴィーナスって知ってるか?」

阿笠「なんじゃ急に……古代の遺跡から発掘された石像じゃろう」

コナン「あぁ……女性をモチーフにしたと思われる小さな像だ」

コナン「それに象徴的に現れているのは女性性……つまり女性器と、そして豊満な胸!」

阿笠「!!」

コナン「もう分かったみてーだな……巨乳こそがアニマであり、同時にグレート・マザー」

コナン「深層心理が求めるどうしようもねー到達点なんだよ」

阿笠「……確かに、人の心理において大きな胸が直感的な女性性を示すことは認めよう」

コナン「なら!」

阿笠「しかし、それ即ち究極であるという説明にはならんのじゃよ!」

コナン「!!」

阿笠「所詮は感覚と嗜好の問題じゃ。この議論に明確な到達点があるとも思えん」

阿笠「じゃがわしはその上で微乳の優位性について論じたいんじゃ!」

コナン「……わーったよ、聴いてやる」

コナン「だけどよ博士、俺の考えはそう易々と変わらねーぞ」

阿笠「承知の上じゃわい」

阿笠「……じゃが、その前に一つ話をさせてもらおうかのう」

阿笠「微乳を取り巻く環境についての悲しい話じゃ」

阿笠「よく小さいことを気にしてるのがいいだとか、『貧乳好き』という自分に対してアイデンティティを持っておる男がおる」

阿笠「わしは彼らを否定するわけではない。しかし、それ自体を微乳の魅力に据えるのは間違いじゃ」

阿笠「微乳とは男の都合で消費されるべき存在ではない」

阿笠「ただそれだけで、それ自体が魅力的なのじゃよ」

阿笠「じゃが、その魅力の源泉とはなんなのじゃろうか」

阿笠「そこでわしは考えた。なぜわしは微乳が好きなのじゃろうと。その理由を、クリ日も来る日も」

阿笠「眠れない夜も過ごした。自分も彼らと同じように、ただ表面だけを見ているだけなのではないかと」

阿笠「そんなある日、わしは出会ったのじゃよ……その答えに」

コナン「答え……」

阿笠「うむ……それこそ、他でもない哀くんだったじゃ」





灰原「え」

阿笠「忘れもしないあの雨の日」

阿笠「白衣を着た少女がわしの家の前に倒れておった」

阿笠「慌てて抱き起すと、わしの目には弱り切った哀くんの顔と」

阿笠「華奢な身体……そこには『無』が『有』った……」

阿笠「気づいたんじゃよ……理由なんてないんじゃと。わしは微乳が好きだからこそ好きなんじゃという、トートロジー的な答えにの」

コナン「でもそれって……」

阿笠「うむ……冷静に考えると全然答えになっとらんの」

コナン「よく考えたら俺も普通にデカい方が気持ちよさそうっていうふわっとした考えだったわ」

阿笠「うむ。すまんのう、死にたいのかとか言ってしまって」

コナン「いいさ。俺も大人げなかったところもあるしさ」ハハハ

灰原「」


コナン「結局は個人の自由だな」

阿笠「そうじゃの」

コナン「でもよー博士、一つ言っていいか?」

阿笠「なんじゃ?」

コナン「微乳ってさ……パイズリできなくねーか?」



阿笠「!!!!」

コナン「蘭にもしてもらったことねーから知らねーけど、やっぱできないよりはできる方がよくねーか」

阿笠「い、いや、できないのに無理に胸板を押し付ける感じもアリじゃろう」

コナン「それって小さいことを気にしてるのがいいってのと似てると思うぜ」

阿笠「むっ……!」

阿笠「じゃ、じゃが!微乳の方が感度は良さそうじゃろう!」

コナン「それも感覚の話じゃねーか!」

コナン「巨乳だと感度が悪いってことにもならねーだろ!」

阿笠(やばい負けそうじゃ)

阿笠(大人としてのメンツ上ここで引き下がるわけにはいかん……しかし)

阿笠「……!!」

阿笠「哀くん!今すぐ服を脱ぐんじゃ!」

灰原「……は?」

阿笠「早くするんじゃ!組織に居場所をばらすぞ!」

灰原「!?」

コナン「……!!」

コナン「灰原!!早く脱げ!!」

灰原「く、工藤君!?」

阿笠(狙い通りじゃ!)

阿笠(新一は性欲に正直な男……そこに女の裸体があれば主義も趣向も捨て去る!)

阿笠(しかも哀くんの微乳を求めたという既成事実で新一に弱点を付与できる!)

コナン「バーロォ!脱がねーんなら脱がせてやるぜ!」グイッ

灰原「ちょ、工藤君やめっ……あっ!」

阿笠(いい感じに暴漢になっておる……いける!!)



「そこまでです!!」

コナン「!?」

灰原「!?」

阿笠「……き、君は!」

光彦「はい!案の定ぼくです!」

コナン「光彦ォ!!テメェ、タイミング考えろ!!」

光彦「いえ、そういうわけにはいきません」

光彦「ぼくが灰原さんのピンチを黙って見過ごせるわけないでしょう?」

阿笠「クッ……外道め……!」ポチッ

光彦「」サラサラサラ…

コナン「よし」

灰原「痛快ね」

阿笠「よし、気を取り直して続けるぞい」

コナン「よし、覚悟しろよ灰原!!」

灰原(くっ……誰でもいい……助けて……!!)


光彦「ちょっと待ってください!」

コナン「そんなにすぐ復活するんじゃねーよ!!」

光彦「……コナン君、これを見てもまだそんなことが言えますか?」

コナン「なんだと?何を見ろって……い……うん」

阿笠「あ、あれは……」ガクガク

光彦「やっと気づいてくれたようですね……」

コナン「なんだ、あの美しい乳は……!?」ムクムク

灰原「」

光彦「黄金比と完璧なハリとツヤ、これぞぼくが作り上げた最高の乳……極乳ですよ」ブルンブルン

阿笠「信じられん……目にしただけでわしの息子がフル勃起しておる!」ビンビン

コナン「あぁ……あまりの美しさに瞳が絶頂してやがる……!」ビクビク

光彦「灰原さんの身代わりにはぼくがなります。ですから灰原さんを解放してあげてください」

コナン「あ、あぁ……」スッ

光彦「さぁ灰原さん、今のうちに逃げてください」

光彦「この二人の性欲はぼくが引き受けます」ニコッ

灰原「」

コナン「な、なぁ光彦……触らせてもらってもいいか、それ」

阿笠「ずるいぞ新一!わしにも触らせてくれ光彦君!」

光彦「ご心配なく。取り合って喧嘩にならないよう二つついてますから」ブルンブルン

コナン「そいつは嬉しい限りだぜ!」

阿笠「まったくじゃ!」


ハハハハハ

…………

……


その後、円谷君は男として異例のグラビアデビュー。

各メディアは「神より賜りし胸」「宇宙の乳」「パーフェクトおっぱい」など様々な文句で円谷君を、いや、彼の胸を囃し立てた。

しかし胸を隠せば円谷君なので気を抜いて服を着るとすぐ博士に爆破されている。

どうしてこうなってしまったのだろう。

もっとちゃんと乳の議論を練っていれば、こんな展開にならずに済んだのではないか。

その答えは、しかし深い谷間の底にある―――。

…………

……



歩美「ねぇ哀ちゃん、光彦君の雑誌に胸を大きくする方法が載ってたんだけど!」

灰原「やめなさい」

BAD END

すいません>>15の「クリ日も」って意味不明ですね
来る日も来る日もです

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