オリキャラでダンガンロンパ――というよくあるSS。
キャラについてはまず主人公から決定。
世界観は原作と異なっておりますので、原作キャラは出てきません。
では主人公について。決まっている部分は既に埋まってます。
【名前】 月希 祐衣(つきまれ ゆい)
【性別】 女
【才能】
【容姿】
【性格】
【口調】
【好きなもの、嫌いなもの】
【備考】
このテンプレは後のキャラ募集にも使いますので、参考に
↓1~2 主人公の才能 超高校級の○○のような書き方で、良さ気なものを取る形で
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484487332
【スパイは強キャラな気がするのでバニーガール採用で】
【名前】 月希 祐衣(つきまれ ゆい)
【性別】 女
【才能】 超高校のバニーガール
【容姿】
【性格】
【口調】
【好きなもの、嫌いなもの】
【備考】
↓1~2 容姿を。服装はこっちで決めるので、スタイルや身長、髪型を。良さ気なものを取って、場合によっては2つ3つのレスの内容を複合したりします
【黒髪赤目 トランジスタグラマーで】
【名前】 月希 祐衣(つきまれ ゆい)
【性別】 女
【才能】 超高校のバニーガール
【容姿】 黒髪のストレートロング。平均より低い身長で小柄だがスタイルは抜群。身長に合った幼い顔立ちで、赤目が特徴的。うさ耳カチューシャを常に頭に付けていて、バニーガールの衣装であるレオタード、網タイツを身に着けている。学校で過ごしている時はサイズの大きなワイシャツをワンピースのように羽織ったり、冬はセーターを着たりと、一応は人目を気にしている。ただしどんな時も肩、胸元は大胆に露出している。靴は至って普通な茶色のブーツ。
【性格】
【口調】
【好きなもの、嫌いなもの】
【備考】
↓1~3 性格、口調 容姿と同じく複合したりしなかったり
【1~3全部採用で、織り交ぜま】
【名前】 月希 祐衣(つきまれ ゆい)
【性別】 女
【才能】 超高校のバニーガール
【容姿】 黒髪のストレートロング。平均より低い身長で小柄だがスタイルは抜群。身長に合った幼い顔立ちで、赤目が特徴的。うさ耳カチューシャを常に頭に付けていて、バニーガールの衣装であるレオタード、網タイツを身に着けている。学校で過ごしている時はサイズの大きなワイシャツをワンピースのように羽織ったり、冬はセーターを着たりと、一応は人目を気にしている。ただしどんな時も肩、胸元は大胆に露出している。靴は至って普通な茶色のブーツ。
【性格】 ですます口調で丁寧、物腰柔らかで柔和。人畜無害そうな人物だが好奇心旺盛でお喋り。はっきり断らないと延々と話をしたり質問をしたり、とめどない。好奇心故か性格が悪いのか、時折毒舌っぷりを発揮する。人のことをあまり信用しない質で、さらりとそれを毒舌に混ぜて暴露したりと悪気無く人を傷つけることが多い。
【口調】 ですます口調
【好きなもの、嫌いなもの】
【備考】
↓1~3 好きなもの、嫌いなもの さっきまでと同じ条件
↓4~5 備考。過去やらなにやら。10分くらい待ってなければこちらが勝手に
【名前】 月希 祐衣(つきまれ ゆい)
【性別】 女
【才能】 超高校のバニーガール
【容姿】 黒髪のストレートロング。平均より低い身長で小柄だがスタイルは抜群。身長に合った幼い顔立ちで、赤目が特徴的。うさ耳カチューシャを常に頭に付けていて、バニーガールの衣装であるレオタード、網タイツを身に着けている。学校で過ごしている時はサイズの大きなワイシャツをワンピースのように羽織ったり、冬はセーターを着たりと、一応は人目を気にしている。ただしどんな時も肩、胸元は大胆に露出している。靴は至って普通な茶色のブーツ。
【性格】 ですます口調で丁寧、物腰柔らかで柔和。人畜無害そうな人物だが好奇心旺盛でお喋り。はっきり断らないと延々と話をしたり質問をしたり、とめどない。好奇心故か性格が悪いのか、時折毒舌っぷりを発揮する。人のことをあまり信用しない質で、さらりとそれを毒舌に混ぜて暴露したりと悪気無く人を傷つけることが多い。
【口調】 ですます口調
【好きなもの、嫌いなもの】 好きなもの:自分自身。自分に正直な人。ヤラしい視線。うさぎ
嫌いなもの:偽善者。犬派と猫派
【備考】 孤児だった少女。生活のために幼い頃から水商売や怪しいお店でお手伝いをしており、才能もあり徐々にその世界の有名人に。最終的に仕事を依頼されてはお店やイベントを盛り上げる個人業に。スカウトされてからは学園のレベルに合う生徒になるよう仕事は中断。学業に力を入れている。性的に見られることを嫌っておらずむしろ喜ぶぶ危ない人物だが、軟派なわけではなくむしろ貞操観念は強い。
主人公はこれで。
ではここから↓1から合計15人に達するまでキャラを募集しま
再安価の時はズレたり、再度募集したりします。
主人公の時の項目である名前、性別、才能、容姿、性格、口調、好きなもの嫌いなもの、備考を入れてください
男女比は 男7人:女8人 又は 男8人:女7人 で。
ダンガンロンパなので死んだり色々あったり、私が書き足したりするので、そこら辺はご了承を
【名前】化野 純五(あだしの じゅんご)
【性別】男
【才能】薬師(くすし)
【容姿】短髪の黒髪でほんの少し日焼けをしている。甚平に草履という時代錯誤な格好をしている。
【性格】口数が少なく、あまり愛想は良くない。しかし、患者を見れば誰よりも早く駆けつけ治療に専念する人情深い性格。
【口調】呟くように話すのでよく聞き取れない時がある。
【好きなもの】生物全般、緑茶
【嫌いなもの】機械類全般 炎 暗くて狭いところ
【備考】幼少の頃から一人旅をして各地の病人を薬で治して行くという人生を歩んでおり学校にすら通ったことがない。故に文盲であったり、一般常識が欠如している場面が多々ある。
【名前】権現坂 桃萌(ごんげんざか ももえ)
【性別】女
【才能】ボクサー
【容姿】パッツンおかっぱで険のある吊り目のメガネっ子。ぴちっとしたスーツ。美人
【性格】利己主義であり、非常に高圧的。文武両道であることを鼻にかけ、他者を見下す事も多い。ただし、約束や義理はキチンと返す
【口調】高圧的で皮肉屋、ハキハキと話す
【好きなもの】自分、勝利、筋トレ、読書、甘いもの全般
【嫌いなもの】他人(特に男、あるいは自分より馬鹿だと判断した相手)、敗北、トマト、ゴキブリ、性的な話
【備考】文武両道才色兼備。他の馬鹿どもを一掃できるとコロシアイには積極的。ただし、非常に初心で、いまだに恋バナだけで顔を真っ赤にし、性的な話には気絶するレベル
【名前】的原 中矢(マトハラ チュウヤ)
【性別】男
【才能】ダーツプレイヤー
【容姿】金髪のミディアムヘアーで瞳の色はブラウン。黒い服とチェーンアクセサリーを好んでつけている。ベルトにはハードダーツを入れたダーツケースをつけている。
【性格】軽薄にして飄々とした性格のチャラ男だが、どこか冷めており、頭の中は常に冷静に物事を考えている。
【口調】「~しょっ」など、チャラ男っぽい
【好きなもの】 賑やかな所・ダーツ
【嫌いなもの】孤独・静かな所
【備考】 人間関係に達観しており、人とは常に「知人以上友達未満」の関係を保とうとする。意図的に「チャラ男」を演じている所があり、根は真面目である。
【キャラのプロフィールを書きつつ編集して、まとめました。多分全員採用です】
【主人公含め全員で16人です。では、まとめたものを】
『男子生徒』
【名前】影平 夕日(かげひら ゆうひ)
【性別】男
【才能】超高校級の脚本家
【容姿】ベレー帽をかぶっていて眠そうな男子。常に表情を変えずにいる。赤目で髪の色は緑
【性格】天然で頭が良い。自分が描いた脚本通りに物事を進めようとする。ただしそれは皆を救うための脚本で、支障が生じたらアドリブで変更できるが結末は変わらないらしい。
【口調】語尾に~をつけたり、えっとね~、うんとね~と濁したり、だとおもうよと曖昧
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:最高のハッピーエンド。
嫌いなもの:救われないバッドエンド
【備考】子供の頃から脚本を書いていて頭が良く口が上手いため良く結論まで皆を導く。必ずハッピーエンドに導くが、結末は見ての通りのお楽しみのため決してネタバレはしない。
【名前】小鳩 伝(こばと でん)
【性別】男
【才能】超高校級の郵便屋
【容姿】郵便キャップをかぶり、ブレザーの制服で手紙の入ったポーチを肩から提げている。リアクションが達者で驚くと手紙が飛んでカバンに戻ったり、嬉しいと笑い、悲しいと泣き、怒ると怒り――喜怒哀楽でコロコロ表情が変わる。
【性格】喜怒哀楽がはっきりしていてコロコロ表情が変わって、見ていて飽きない。コロシアイは反対派で止めようとする。人の想いを伝えようと努力したりする。優しく、人への気遣いができる。
【口調】敬語キャラで、一人称が自分の名前の「伝」。ハキハキ話すため「!!」や「!?」がよく出る
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:想いの詰まった手紙
嫌いなもの:SNSなどが流行っている現状
【備考】生まれつき郵便屋で働いていてどんな手紙も必ず届けることで有名。人の書いた文字から想いを読み取ったり、誰が書いたかなどが分かるという特技を持つ。
【名前】化野 純五(あだしの じゅんご)
【性別】男
【才能】超高校級の薬師
【容姿】短髪の黒髪でほんの少し日焼けをしている。甚平に草履という時代錯誤な格好をしている。
【性格】口数が少なく、あまり愛想は良くない。しかし、患者を見れば誰よりも早く駆けつけ治療に専念する人情深い性格。
【口調】呟くように話すのでよく聞き取れないことがある
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:生物全般、緑茶
嫌いなもの:機械類全般、炎、暗くて狭いところ
【備考】幼少の頃から一人旅をして各地の病人を薬で治して行くという人生を歩んでおり学校にすら通ったことがない。故に文盲であったり、一般常識が欠如している場面が多々ある。
【名前】桃色 晴(ももいろ はる)
【性別】男
【才能】超高校級のアニメ制作者
【容姿】金髪で碧眼の王道王子のような見た目をしていて、イケメン。
【性格】見た目どおりイケメンかと思いきや口を開けばアニメアニメアニメでアニメを知らない人には熱く語り、アニメが嫌いな人には夜通しアニメの話をしたりする。よくパロディを会話に入れる。
【口調】普段は特徴がないがアニメになると饒舌に。パロディーをよく混ぜる
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:アニメ
嫌いなもの:蛇足のアニオリ、意味のない引き伸ばしストーリー
【備考】爽やか王子のような見た目で女子が近づいてきて性格を知ってドン引きのくだりをよくやったせいで、女子のことがほんの少し苦手だったりする。
【名前】小坂田 佑(おさかだ さうく)
【性別】男
【才能】超高校級の怪盗
【容姿】マジシャンの様な帽子に金髪でチャラチャラしてそうなピアスをしている
【性格】どこかおちょくるような感じで本心が見えない。クロの味方をしたかと思えばシロの味方をしたりコロコロと考えを変えたり本当に真意が読めないキャラ。常にヘラヘラしてたり余裕な笑みを浮かべたりしている。
【口調】「だよ~」とか、「なんちゃって」みたいなからかいをよく使う
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:諦めない気持ち、面白いこと
嫌いなもの:諦め、つまらないこと
【備考】怪盗のため不明。ただ怪盗ジャスティスと名乗っている。ネーミングセンスは皆無らしい。
【名前】的原 中矢(マトハラ チュウヤ)
【性別】男
【才能】超高校級のダーツプレイヤー
【容姿】金髪のミディアムヘアーで瞳の色はブラウン。黒い服とチェーンアクセサリーを好んでつけている。ベルトにはハードダーツを入れたダーツケースをつけている。
【性格】軽薄にして飄々とした性格のチャラ男だが、どこか冷めており、頭の中は常に冷静に物事を考えている。
【口調】「~しょっ」など、チャラ男っぽい
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:賑やかな所、ダーツ
嫌いなもの:孤独、静かな所
【備考】人間関係に達観しており、人とは常に「知人以上友達未満」の関係を保とうとする。意図的に「チャラ男」を演じている所があり、根は真面目である。
【名前】赤井 武(あかい たけし)
【性別】男
【才能】超高校級のアイドル
【容姿】赤っぽく染めた髪とアイドル衣装
【性格】明るく軽い女好き。ただし決めるときは決めるタイプ
【口調】チャラい上に最初から距離が近い
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:女の子、歌、真面目に頑張る人、料理
嫌いなもの:暗い空気、卑怯者、牛乳
【備考】女好きのチャラ男。実は誰よりも真面目で仲間思い、いざというときは命も張れる。どんな相手でも仲間に加えようとするムードメーカー。地味に料理がプロ級。
【名前】黒子 陰(くろこ いん)
【性別】男
【才能】超高校級のオカルトマニア
【容姿】見た目は爽やかな感じでクラスに一人はいる目立たないけれどモテそうな可愛い顔をしている。
【性格】見た目の通り爽やかでコミュ力が高い。モノクマの悪意に立ち向かったり男女問わず距離感が近かったりする
【口調】普通の男子高校生。親しい相手は下の名前で呼ぶ
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:オカルト、霊、降霊術
嫌いなもの:オカルト関連を実際に体験すること
【備考】オカルトが大好きで死人が出たら蘇りの魔法陣を試みようとしたり、モノクマを倒す儀式を行ったり色々試そうとする
『女生徒』
《主人公》
【名前】月希 祐衣(つきまれ ゆい)
【性別】女
【才能】超高校級のバニーガール
【容姿】黒髪のストレートロング。平均より低い身長で小柄だがスタイルは抜群。身長に合った幼い顔立ちで、赤目が特徴的。うさ耳カチューシャを常に頭に付けていて、バニーガールの衣装である黒いレオタード、網タイツを身に着けている。学校で過ごしている時はサイズの大きなワイシャツをワンピースのように羽織ったり、冬はセーターを着たりと一応は人目を気にしている。ただしどんな時も肩、胸元は大胆に露出している。靴は至って普通な茶色のブーツ。
【性格】ですます口調で丁寧、物腰柔らかで柔和。人畜無害そうな人物だが好奇心旺盛でお喋り。はっきり断らないと延々と話をしたり質問をしたり、とめどない。好奇心故か性格が悪いのか、時折毒舌っぷりを発揮する。人のことをあまり信用しない質で、さらりとそれを毒舌に混ぜて暴露したりと悪気無く人を傷つけることが多い。
【口調】ですます口調
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:自分自身、自分に正直な人、ヤラしい視線、うさぎ
嫌いなもの:偽善者、犬派と猫派
【備考】孤児だった少女。生活のために幼い頃から水商売や怪しいお店で手伝いをしており、才能もあり徐々にその世界の有名人に。最終的に自立し、仕事を依頼されてはお店やイベントを盛り上げる個人業に。スカウトされてからは学園のレベルに合う生徒になるよう仕事は中断。学業に力を入れている。性的に見られることを嫌っておらず、むしろ喜ぶ危ない人物であるが、軟派なわけではなくむしろ貞操観念は強い。
発言力:5
集中力:5
SP:3
【名前】雀宮 小鳥(すずめのみや おどり)
【性別】女
【才能】超高校級のウグイス嬢
【容姿】深窓の令嬢然とした黒く長い髪に白い肌の少女。ブレザータイプの制服をきっちり着こなしている。
【性格】天然で世間知らずだが教養は高い
【口調】ゆったりとしたテンポで和らげ
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:可愛い女の子、庶民的なもの
嫌いなもの:野蛮な振舞い、特別扱い
【備考】大物議員の娘でお金持ち
【名前】甘噛 悠(あまがみ ゆう)
【性別】女
【才能】超高校級のマッサージ師
【容姿】茶髪をポニーテールにまとめているクセッ毛気味なロングヘアー。八重歯がトレードマークで、高身長。
【性格】サバサバしてる感じの気さくなお姉さん。色々と大人びており、浪人疑惑も持たれているがそこには突っ込まない方が良さそうである。マッサージの腕はかなりのものだが、同性や歳下の男子に対しては結構セクハラ気味なマッサージをしてくる。
【口調】「だぜ」系の口調。あっけらかんとした感じ。
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:おでん、ビーフジャーキー、勝負事、歳下の男子
嫌いなもの:汚い大人、人を悲しませること、パクチー
【備考】かなりアウトローな性格に見えるが正義感や思いやりは人一倍強い。
こう見えても生まれた頃から天涯孤独であったため、多くの修羅場をくぐっており、言動にもそれが見え隠れするときがある。
【名前】権現坂 桃萌(ごんげんざか ももえ)
【性別】女
【才能】超高校級のボクサー
【容姿】パッツンおかっぱで険のあるつり目のメガネっ娘。ぴっちりとしたスーツ。美人。
【性格】利己主義であり非常に高圧的。文武両道であることを鼻にかけ、他者を見下すことも多い。ただし、約束や義理はキチンと通すし返す。
【口調】高圧的で皮肉屋。ハキハキと話す
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:自分、勝利、筋トレ、読書、甘いもの全般
嫌いなもの:他人(特に男、あるいは自分より馬鹿だと判断した相手)、敗北、トマト、ゴキブリ、性的な話
【備考】文武両道才色兼備。他の馬鹿どもを一掃できるとコロシアイには積極的。ただし、非常に初心でいまだに恋バナだけでも顔を真っ赤にし、性的な話には気絶するレベル。
【名前】銀冷 鋭子(ぎんれい えいこ)
【性別】女
【才能】超高校級の切絵師
【容姿】黄色がかった銀髪をサイドテールにまとめている。黒いセーラー服を身に着けており、サイドテールをまとめるゴムに紙でできた花の飾りを付けている。
【性格】強気で男勝りな性格。プライドも高く、高慢なようにも見えるが内面は小心者で寂しがり屋。所謂ツンデレ。
【口調】一人称は「アタシ」。だが弱気になると「わたし」。若干男勝りな口調で話す
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:刃物、少年漫画、自分を褒めてくれる人
嫌いなもの:血、ボンクラ、一人ぼっち、追い詰められること
【備考】本人は切り絵の才能をあまり誇りには思っていない
【名前】綾島 来華(あやしま らいか)
【性別】女
【才能】超高校級の園芸師
【容姿】濃い紫の髪。瞳の色は緑。正統派なセーラー服を着ており、腰には銀色の霧吹きを付けている。黒い手袋を両手につけ、大体日傘を手にしている。
【性格】高飛車な性格
【口調】ルー○柴的な会話の動詞が所々英単語になる感じ
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:薔薇、自分を讃える者
嫌いなもの:植物を荒らす者、醜い者
【備考】園芸は勿論、大抵のことはそつなくこなせるが料理だけは何故かダークマターを作り出す。生まれ育ちが海外だったらしく日本語が少し変。
【名前】蔵本 深海(くらもと ふかみ)
【性別】女
【才能】超高校級の海女
【容姿】細面の中性的な美形。白いワイシャツとミニスカートを着ており、下に着ている水着がシャツから浮いて見える。
【性格】自由奔放で享楽的
【口調】女性相手には丁寧だが男性相手だと雑
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:女性、賭け事
嫌いなもの:束縛、女性に危害を加える奴
【備考】脅威の肺活量を持つ海女さん。惚れた相手にはとことん一途。
【名前】扇田 夏帆(おうぎだ かほ)
【性別】女
【才能】超高校級の家庭教師
【容姿】大人っぽく黒髪。暗い紺色のブレザータイプの制服で、下はミニスカートで白ニーソックス。スタイルはかなりいい方。
【性格】オカン気質でみんなの世話をしたりする。優しい性格で完璧に物事をこなす大人な雰囲気がある。
【口調】「だわ」など大人びた口調
【好きなもの、嫌いなもの】好きなもの:お世話
嫌いなもの:努力をしないこと
【備考】指導だけではなく朝食など身の回りのお世話をする。相談に乗ったりと大人びた態度を取る。みんなのお母さん。
ということで本編を少しだけ書いて、落ちま
【PROLOGUE:どこにでもある悩みと生活】
最初の悩みなんてくだらないもので、私達はすぐより大きな困難にぶち当たることになるのです。
この世に生を受けて早10数年。悩みと困難と、忙しさと、その他マイナス要素多数で構成された私の人生は、日本人の平均の下を行く惨めなものでした。華やかといえば華やかな生活を送ってはいましたが、それはさながらレールのような一本道。
私は一生その道でしか生きていけないことを無意識に悟っていたのです。
だからかの有名な希望ヶ峰学園に入学できることが決まった時、私は本当に喜んだものです。
日陰を行く私が表の道を堂々と歩ける。
スカウトの旨を伝える通達がまるで私にはそう書かれているように見えました。
だから断る理由なんてありませんでした。
私は学園に通い、才能を伸ばし、そして表舞台に。私自身の選択の幅を増やすのです。
祐衣「……と思ってましたけど」
入学から数日。
私は学校――ではなく、車の中にいました。
移動の大型すぎるバスの中。生徒一人一人にあてがわれた部屋はすごく快適なのですが……間違っている気がしてなりません。
学校、それも移動。そしてこれから半年ほどの共同生活が始まるとなれば、もっとこう、席を並べてガヤガヤと雑談するのが常識でしょう。
豪華なのはいいです。でも大切な何かが失われているような気がしてなりません。
祐衣「自分から行ってみますか。これから一緒に暮らすんですし」
席から立ってうさ耳装着。気が引き締まるのを感じつつ、私は自分の部屋を出ました。
※今回はここまでで
【それはちょっとあれですね。名前がかぶってますし、設定も同じだと少し……。
まだ本編開始してないので再安価にします。書いてくださった方は申し訳ないです。こちらの条件が不十分でした。他のスレのキャラの設定を書くのは、スレの著者であったり、キャラを考えた方も、ご遠慮を】
【開始後に発覚した場合は、>>1がキャラについて編集します】
【ではあと一人、男か女で募集です】
【せっかくなので二人取って計16人に。プロフィールは後ほど】
廊下は部屋に比べて狭いものです。人が一人通れるスペースがあるくらいで、二人は並べて歩けないでしょう。
まぁバスといえど車。そこら辺は仕方ないもの。微妙に揺れる社内を、廊下の壁に手をついて歩きます。バスは今頃高速道路の上でしょうか。エンジンとタイヤと道路の擦れる音だけが聞こえます。
祐衣「よっと……ん?」
よろついて、壁に寄りかかった私。単に車が揺れてバランスを崩しただけなのですが、何か違和感を覚えました。
なにか、脳が揺れたような奇妙な感覚が。気のせい?
祐衣「まぁ異常はないですし」
なるようになれです。身体に強気になれるのは若い内の特権でして。
気を取り直して廊下を進む私。青春を突き進む私に怖いものはなしです。
祐衣「とんとん、と」
適当な部屋を見つけ、ドアをノック。返事がくるのを待っていると、すぐにドアが開きました。
夕日「はい~」
出てきたのは夕日くん。ベレー帽をかぶった眠たげな男の子です。
漫画家、なんて肩書も似合いそうですが彼は『超高校級の脚本家』。プロとして活躍を期待されている生徒であります。
夕日「あ、祐衣さん。こんにちは~」
若干間の抜けた口調はそんな人物であることを感じさせないのですけれど。
それもまた良い人柄とも言えますか。
夕日「?」キョトン
【超高校級の脚本家】 影平 夕日 (カゲヒラ ユウヒ)
祐衣「こんにちは、夕日くん。お話したくて、来ちゃいました」
夕日「あぁ、うん。大丈夫だと思うよ。今は……」チラッ
伝「あれっ? 月希さん。邪魔になっちゃいますかね?」
後ろを向いた夕日くんの後ろ。ちょこっと見える部屋の中にもう一人、クラスメイトがいました。
きっちり着た制服に郵便屋さんの帽子。椅子に座っている今も、手紙の入った鞄を肩に提げていて――彼の才能は人目見れば察しがつくでしょう。
【訂正:人目 → 一目】
そう。彼こそ超高校級の郵便屋。感情表現豊かな少年。
既に郵便屋として働いている、プロなお人。
【超高校級の郵便屋】 小鳩 伝 (コバト デン)
伝「まさか部屋に直接お邪魔とは――入学からそこまで親密に……!」
夕日「そういうのじゃないと、おもうよ……」
祐衣「ええ。適当に近い部屋から回っていこうかと。偶然です」
夕日「少し喜んで損した」
伝「正直者ですよねー月希さん」
祐衣「分かりやすい格好してますからね。どうです? このファッション」
夕日「さ、祐衣さんどうぞ~」
うむ、スルー。相変わらずマイペースなお人です。
祐衣「どうもです。では伝くんのお隣に」
部屋に上げてもらい、ドアをしっかり閉じてから伝くんの座っているソファーの隣の席へ。
私の部屋とまったく変わらないのですけど、やっぱりそこにいる人で雰囲気が変わりますね。
伝「……ちょっと緊張しますね」
祐衣「そうですか?」
夕日「伝は初心だよね~」
伝「そ、そんなことないです!!」
夕日「それに声がでかい」
祐衣「ふふ。緊張しなくていいんですよ? クラスメイトなんですから」
夕日「祐衣さんはちょっといかがわしい」
祐衣「そっ、そんな……」
自覚はありますけど。
さて……折角来たんですし、二人に何か聞いておきましょうか。
↓1 夕日への話題
↓3 伝への話題
険悪になったり、板がRに移りそうな話題だったり、問題が生じそうなものは安価下か再安価に
【Choice! これからの学園でやってみたいこと
Choice! 今のメンバーで気になってるのは?】
祐衣「ではお話の方を。夕日くん」
夕日「うん?」
祐衣「これからの学園でやってみたいことはなんですか?」
伝「面接ですか?」
祐衣「試験官と思っていただいて構いません」
夕日「うーん……やってみたいこと」
コホンと咳払いする私の前で、真面目に考えはじめる夕日くん。
眠たげな目を閉じて私の質問を反芻する彼は、いつもの天然な雰囲気はなく、職人気質な鋭い空気が――
夕日「……ぐー」
伝・祐衣『おいっ』
夕日「よくあるジョーク」
ナイスツッコミと言うように親指を立てる夕日くん。流石脚本家……油断なりません。
夕日「えっとね……やりたいことは学園の生徒達との交流を脚本に活かすこと。こんな環境中々、ないとおもうから」
祐衣「なるほど真面目です。てっきり学園生活でゆっくり休みたいとかかと」
伝「ですね! 意外な答えです」
夕日「僕もボケたけど、君達もひどいよね」
まさに遠慮なし。
でも確かにこんな環境普通はないですよね。超高校級の才能を持つ人に囲まれて、自身も才能を伸ばす勉強をして生活するなんて。
この学校で一本立派な物語が作れそうなものです。
祐衣「それで、伝くん」
夕日「あれ? 僕の話終わり?」
祐衣「試験の結果は追々伝えますので」
夕日「ひどくない?」
と言いつつ視線を伝くんに向け、話を聞く気満々な彼。
話題をシフトしても良さそうですね。
祐衣「今のメンバーで気になってるのは?」
伝「……どういうことですか?」
祐衣「決まってます……恋バナです」
伝「恋……!」
夕日「バナ……」
祐衣「なんですそのタメは」
ひどくびっくりしてらっしゃいます。
男子高校生たるもの恋バナの一つや二つしているものかと思いましたが。
伝「そ、それは……どうですかねっ!」
祐衣「どうなんですか? やっぱり才能豊かで容姿も麗しい女性が揃ってて、こう、くるでしょう」
伝「く、くる!?」
この反応を見る限りそういうことに縁がないみたいですね。
流石、才能を持つ人間。同年代の男子達が夢中になるようなことにも興味が薄いということですか。
夕日「僕も、ちょっと、そこらへんの話は分からないなぁ」
伝「で、ですよねっ!」
祐衣「二人とも存外似てるものですよねぇ……」
自然と似たもの同士集まるということですか。
昔の人はうまいこと言ったものです。
伝「じゃあ、祐衣さんはどうなんですか!?」
祐衣「私ですか? 私はですね……なんにも」
夕日「祐衣さんもあんまり人のこと言えないとおもうよ」
……本当、うまいこと言ったものです。
※今日はここまでで
さて、再び廊下。
祐衣「話しやすい方達ですよね」
二人と別れて私は再び廊下を歩いておりました。
次の目的地は私の部屋から二つ隣のお部屋。誰がいるかはさっぱりですが、断られたりはしないでしょう。
祐衣「ノックノックと」
こんこんこんとノック。さぁ、この部屋には誰が――
傑「……」ガチャ
祐衣「あ、傑くん。ルームサービスで」
傑「要らん」バタコン
祐衣「冗談ですから開けてくれませんかー?」ノックノック
傑「……仕方ないな。何の用だ」
静かに、けれど重々しく。その声に似合ったシリアスなお顔が半開きのドアから覗きます。
学校の行事。移動時間というのにスーツを着込んだこの男性は私たちと同じく学園の生徒。仁籐傑くんです。
【超高校級の任侠】 仁籐 傑 (ジンドウ スグル)
祐衣「お話しようとお部屋を回ってまして。駄目でした?」
傑「――同じことを考えるものだな」
祐衣「同じ?」
純五「……祐衣か」
おおう、この方がこの方の部屋に。意外でした。
私の部屋とまったく変わらないのですけど、やっぱりそこにいる人で以下略。ここはさながら暗殺者とその依頼者が話している映画のワンシーンみたいに重苦しいです。
同じバスでここまで違うものですか。
傑くんに招かれ部屋に入る私。感心しながら見ていると、部屋のソファーに座っていた純五くんが何かを差し出します。
祐衣「えっと……なんでしょう?」
純五「酔い止めだ」
祐衣「ほ、ほほう。ありがとうございます」
酔い止め。それだけ言って閉口。
囁くような小さい声で言う彼へ、お礼を言って受け取ります。
それっきり黙ってしまう純五くんと傑くん。私が来る前に果たしてまともな会話があったのでしょうか。神のみぞ知ります。
さて、甚平に草履、今時旅行でもしないであろうこの浮世離れした風貌の和装男子は同じくクラスメイトの男子。
日常生活に遠出に、あらゆる場面で頼りになる無口なクールボーイです。
【超高校級の薬師】 化野 純五 (アダシノ ジュンゴ)
そしてよく見れば傑くんの座っている前、テーブルにも同じ薬らしき包みが置かれております。
傑くん……酔うんですかね。
↓1 傑への話題
↓3 純五への話題
【Choice! 学園に来る前の生活について
Choice! 乗り物酔いしやすいの?】
祐衣「では早速お話をしようと思いますが――」
一分くらい沈黙に身を任せていましたが、私の性に合わないことがよく分かりました。
ソファーに背を預け、私は前の二人を見ながら口を開きます。
ベッドに腰掛けている二人。なんだかよからぬ妄想が膨らんでしまいそうな絵面と、それを前に一人ソファーへ座る女子。紳士なお二人だからこそ部屋はおかしな状況となっておりました。
傑「どうした?」
祐衣「あ、いえ。傑くん、学園に来る前はなにしてたんですか?」
傑「……」
興味のまま尋ねると彼は黙ってしまいました。いやまぁ、さっきからずっと黙ってるんですけど。
でも任侠ですからねぇ。彼、何も話したがりませんし気になってもしょうがないでしょう。
傑「ふっ、面と向かって訊かれるのはこれで5回ほどか」
祐衣「あ、結構質問されてますね」
傑「場が場だ。遠慮なんてない」
祐衣「確かに……メンバーすごいですからね」
さっきの部屋でもそれはもう混沌としてましたから。私の質問のせいですが。
どこか楽しげな雰囲気の彼はやがて、きっぱりと言い放ちました。
傑「が、こっちも遠慮はしない。黙秘させてもらおう」
祐衣「そうきますか……」
傑「知ってもいいことはない。世間話でそこまで危険を背負うこともないだろう」
そう言われてしまうと追求できません。善意のようですし。
祐衣「傑くんは真面目ですよね」
傑「『くん』は慣れんな……未だに」
そこで初めて表情を変える傑くん。
恥ずかしげにしている彼を見て、私は笑います。
お互い遠慮はしない関係。時間さえあればきっともっとお互いを知り合うことができるでしょう。楽しみです。
祐衣「では次、黙っている純五くん」
純五「……俺も『くん』か」
祐衣「友達ですからね。さ、何を訊きますか……」
うーんと考え込む。その最中目に入った、テーブル上の薬について尋ねることにします。
祐衣「車酔いするんですか?」
純五「……意外だな」
祐衣「はい?」
純五「もっと重い質問がくるものかと思った」
祐衣「傑くんならそれでもいいんですけど」
傑「どういう意味だ」
祐衣「何にも言ってないですよ、ぴょんぴょんっと」
二人『……』
祐衣「……黙られると恥ずかしいんですけど」
せっかく胸を寄せてポーズ決めたのに、二人とも器用に目だけ逸らしてますし。
祐衣「ごほん。それで、酔いやすいんですか?」
二人『ああ』
意外にも二人ともでした。ほうほう。シリアスなお二人の意外な弱点を発見しましたね。
純五「傑から依頼された薬は常に俺も常備している……」
傑「超高校級だけあって、効果は市販とは段違いだ。リスクも圧倒的に少ない」
祐衣「それはすごいですね……」
純五「自分のためだ。だが患者の役に立つならば――」ゴニョゴニョ
聞こえてませんけど、多分いいことを言ってます。
無口でむっつりしてますけど、純五くんは自分の仕事に対してとっても誠実ですし。患者を見るとすぐ飛んでいきますし。
祐衣「真面目で職人気質で――嗚呼、重苦しい」
傑「それは褒めているのか」
ツッコミも比較的すぐ飛んできますし。
むしろお喋りなだけの人と違って、最短ルートでツッコミが飛んでくるので気分がいいくらいです。
純五「……」
純五くんのツッコミを引き出すのは、まだまだ私の努力が必要そうですが。
このお二人とも是非仲良くなりたいものです。
ハードボイルドなお部屋を出て再び廊下です。
部屋の連なる廊下を通り抜け、バスのちょうど中心辺り、食堂へと出ます。
大きなテーブルが中心に置かれた食堂。
揺れる車内の中、彼らはそこでパーティーをしているみたいでした。
晴「はっはっは。どこへ行こうというのかね、僕のプリンよ」
佑「ここで飛んだ枝豆を箸でキャッチ――できない!」
中矢「甘いな、佑。俺は串で刺せるぜ!」
陰「なにやってるんだろうなぁ……この人達」
……パーティー?
祐衣「何してるんですか」
晴「おおっ、黒髪のリアル版17歳。キャハッ」
祐衣「違います」
わーきゃー好き勝手暴れていた四人は私に気がつくと動きを止め、あっさりと揺れで跳ねていた食べ物を口にします。
……食べ物で遊ぶ超高校級。少年ってことですかね。むしろ生徒っぽいテンションで嬉しいものです。ハードボイルド、時代劇との落差ですかね。
陰「あ、月希さん。来てくれて助かったよ。この三人悪ノリの相乗効果ですごくてさ」
祐衣「みたいですね」
はぁ、とため息を吐いて我らがクラスメイト、特にコミュニケーション能力が高い面子を眺めます。
まず一人目。遠巻きに三人を見ながらチョコ菓子をさくさくしていたのが黒子 陰くん。
あまり目立たない人ですけど顔立ちは可愛らしく、やる時はやる主人公気質な男の子です。
陰「そろそろ呪おうかと思ってたから助かったよ」サッ
こうしてオカルトチックなグッズを常備していたり、思考がそれに染まっていなければ、もっと人気も出るんでしょうけど……。
【超高校級のオカルトマニア】 黒子 陰 (クロコ イン)
中矢「月希ちゃん、お腹すいたの? ささ、どうぞどうぞ座って食べてって」
祐衣「え? あ、あの、お腹空いたわけでは」
佑「いやぁ、むさいところに華が来たね~。ほら座って」
対処に困っている内に左右を囲まれ、肩の後ろを押され、席に座らされます。
祐衣「あのー、私話をしに来ただけなんですけど?」
春「ほう。何の話だい?」
中矢「気になるね」
佑「なんでも話してよ。君の言う事ならなんでも聞くよ。なんちゃって」
か、囲まれた……。女子一人にこの仕打ち。皆さん初めての学校行事に相当舞い上がっております。
陰「来るタイミングが悪かったね」
祐衣「本当に……とほほ」
あからさまに私は迷惑がってるのに、他三人の様子に変わりはなく。
祐衣「……はぁ」
ため息。左、前、右、テーブルの席に着いた男子を順番に見ます。
晴「アニメの話なら、僕がいつでものるよ」
まず一人目。思わず見惚れてしまいそうな麗しい容姿で、さながら王子様のように整った見た目の彼。
子供みたいに目を輝かせてこっちを見てくる彼も、勿論クラスメイト。超高校級の才能を持った男子です。
けれどその才能は、見た目にあまり似合わないもので。
【超高校級のアニメ制作者】 桃色 晴 (モモイロ ハル)
晴「月希さんのような人がどんな趣味嗜好なのか……今後の参考になりそうだ」
モデルみたいなイケメンさんなのですが、彼はアニメ大好き。
アニメ制作についてプロ級の知識を持っていて――その情熱はプロを超越するかもしれません。
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そして二人目。ワイシャツに黒いパーカー、下は制服のズボンを穿いた、なんともまぁ絵に描いたみたいなチャラチャラした男性。コミュニケーション能力が高くて、ほぼ誰とでも打ち解けてしまう美形さん。
軽そうですけど、いい人だというのは短い付き合いでもなんとなく分かる。そんな人。
中矢「いやー、可愛いね月希ちゃん。相変わらずセクシーだしっ」
【超高校級のダーツプレイヤー】 的原 中矢 (マトハラ チュウヤ)
軽いのは否定できませんが、世界規模の実力を持つ、ダーツのスーパープレイヤーであります。
賑やかに騒がしいところでも驚異の集中力を見せ、それでいて本人もチャラチャラと、けれどしっかり結果を出しているのだから大したものです。
ダーツをしてる姿は結構かっこよくて、ギャップと言いますか……私の中の男心をとてもくすぐられます。
佑「いいよね、バニー。怪盗とも世界観が一致するし、低身長、網タイツに胸……」
中矢「ロマンっしょ!」
佑「なんて言ったり」
中矢「あっ、きったねーぞ佑!」
祐衣「ふふ、ありがとうございます」
佑「そこでお礼を言う辺り、やっぱり超高校級だねー」
さて、クラスの最後の男子ですね。
中矢くんと同じく金髪で、負けず劣らずチャラチャラしていてテンションの高い彼は、このクラスでも中々変わった才能を持っております。
佑「面白いなぁ、このクラスは」
屈託のない笑みを見せる彼は、なんと――
【超高校級の怪盗】 小坂田 佑 (オサカダ サクウ)
そう、怪盗の才能を持つ男子なのです。
実際に犯罪を犯しているのか、何を盗んだのか、超高校級と呼ばれるようになった理由は不明。彼らしき人物がニュースや新聞に出たこともないらしく、クラスでも謎の人物です。
佑「……? どうしたの?」
祐衣「なんでも。気にしないでください」
けど、悪い人ではないでしょう。本当に悪い人ならば学園がスカウトする前に他のお迎えが来てるはずですから。
きっと怪盗の才能があるだけで、実際は怪盗ではなかったりするのでしょう。
祐衣「さて……」
囲まれてしまいましたし、何か言われる前に話を振ってしまうことにしましょうか。
四人それぞれ、一つずつ挨拶代わりに――
↓1 陰への話題
↓2 晴への話題
↓3 中矢への話題
↓4 佑への話題
『ここで一度落ち』
【V3やってました。あとはトリックをあれこれと】
【Choice! 面倒見がいいんだね
Choice! どんなアニメを作ってきたの?
Choice! ダーツ教えてください
Choice! それじゃあ付き合ってみます?(冗談)】
祐衣「っ……陰くんはずいぶん面倒見がいいみたいですね。男子三人を見守ってるなんて」
陰「そう? あと一分遅かったら呪いを開始してたけど」
中矢「またまた、そんなこと言ってなんだかんだコイツは許して――」
陰「……」スチャ
中矢「本気なのかよ!」
佑「彼はいつでも本気じゃないかな」
即座に釘のケースとハンマー、藁人形を取り出した陰くんに狼狽える男子一同。どうやら呪おうとしていたのは本当らしいです。
陰「それにあんまり係わりたくなかったから見てたんだし」
晴「正直者だよねぇ、黒子くん」
祐衣「それくらいじゃないと貴方達を相手にできないのかもしれませんね。ふふっ」クスッ
佑「優しい口調でスラスラとひどいね」
陰「ま、遠目に見てただけだから、面倒見とか関係ないよ」
そう言って彼はチョコ菓子をまたさくさくと。彼はああ言ってますが、部屋に帰らず残って見ている時点でわりと面倒見がいいような気がします。人当たりがよくて、コミュニケーション能力の塊みたいな陰くんが、こうしたツンケンした態度をとっていると……ツンデレみたいでほほえましく思えたり。
祐衣「それでは次の方、晴くん」
晴「面接みたいだね……」
祐衣「間違ってはないですね。さぁ、あなたには――どんなアニメを作ってるのかをお聞きしましょうか」
晴「どんな?」
佑「あっ」
中矢「やべ」
陰「長くなる……」
私の漠然とした問いに男子達が何かを察したような顔をしました。
そのリアクションで私もまた何かを察してしまいました。
晴「そうだなぁ……それはジャンルの話かい?」
祐衣「うーん、今回は心意気といいますか、こだわりを」
晴「こだわりか。なるほど」
考え込む晴くん。真剣な表情で彼は数秒思考し、口を開きます。
晴「まず、観ている人を楽しませようってことが毎回考えてるかな」
祐衣「ほう」
中矢「意外とまともだな」
晴「娯楽のジャンルだからね。やっぱり楽しめるか否かが大切だよ」
晴「その点引き伸ばしのストーリーとか、原作と関係ない蛇足の話だとか、制作側の事情も大切だけどもっと重要なことがあるんじゃないかと僕は思うんだ。メディアを通しているんだから人に係わっていることを常に意識して――」
祐衣「は、はへぇ……」
陰「晴。三行で」
佑「月希ちゃんが口開きっぱなしだよ」
晴「っと、ごめん! つい」
ハッとして頭を下げる彼。情熱を持っていたのは知っていまいたが、こう早送りされたテープみたいに一方的に話されると呆然としてしまいます。晴くんもだけど、私も悪かったですね。話を聞いたのは私なのに。
祐衣「気にしないでください。興味があったことですし、私が聞いたんですから」
晴「う、うん。けど気を付けないとね」
佑「だねー。せっかくイケメンなんだから」
中矢「ハハ、まぁ晴の魅力でもあるけど、残念なのは否定でねぇな」
陰「ここには残念な男子しかいないけどね……」
祐衣「あはは……」
確かに。否めません。――ってこれ口悪いですね。黙っときましょう。
祐衣「えっと……」チラッ
中矢「おっ。次は俺か? 何でも聞いてくれ」
話題を変えるため視線を向けると、中矢くんが嬉しそうに笑います。人懐っこい方です。
祐衣「質問ではないですけど、今度ダーツを教えてくれませんか?」
中矢「ああ。手取り足取り教えてやるよ」ビシッ
陰「下心満載……」
晴「セクハラ?」
佑「俺にも教えてよ」
中矢「お前ら静かにしてろっての」
佑「勿論手取り足取りね!」クワッ
中矢「特にお前!」
ダーツ教えて、でここまで騒げるのだからこの人達の愉快さ具合は計り知れません。
中矢「ごほん。ま、口でも説明できるし気軽に聞いてくれ。ダーツには自信あんだから」
中矢「とりあえずあれだな。姿勢の指導だ。共同生活で時間はあるだろうし」
祐衣「分かりました。頼りにしてますね」
ダーツをする機会は私の才能上結構ありそうですし、ネタとしては覚えて損はないでしょう。
ぜひとも時間があれば習いたいですね。
祐衣「で、最後に佑くんですね」
佑「俺ね。月希ちゃんなら何でも言うこと聞いちゃうよ」
出会ったときと同じように冗談っぽい台詞をすらっと口にする彼。
……ふむ、こうして冗談を言っている姿を見ると何か言ってやりたくなりますね。
祐衣「それじゃあ付き合ってみます?」
佑「いいよ」
陰「つ、付き合――げほっ!」
中矢「なんで陰が反応してんだ」
佑「……」ジーッ
祐衣「……」ジーッ
晴「あはは……」
陰「あの、二人とも? 僕達いるんだけど?」
見つめ合うこと数秒。沈黙していた私達はまるで惹かれ合うようにほぼ同じタイミングで口を開きました。
祐衣・佑「――なんちゃって!」
陰「」ズコーッ
中矢「いいリアクションだ、陰」
祐衣「冗談の仕返ししてみようと思いましたが、佑くんは一枚上手のようですね」
佑「あのタイミングだとね。誰でも分かっちゃうと思うよ」
晴「そりゃね……」
陰「……。分かってたよ!」
中矢「嘘つけ」
祐衣「むう……いつか佑くんを冗談で打ち負かすくらいにはなりたいです」
佑「怪盗として受けて立つよ。口先はうまくないと」
晴「うんうん、怪盗キャラはそうだよね」
陰「バニーガールと口喧嘩するのはどうなの?」
佑「――相手が超高校級なら勝負のし甲斐もあると思うけど?」
すっと細まる目。一瞬彼から普段とかけ離れた『何か』を感じたけど、それは一瞬のことでした。
次の瞬間にはいつも通りの彼がいて、他のみんなは刹那の変化に気づいていないようでした。
流石怪盗……その底は窺い知れません。
食堂から先へ。再度廊下に。
男子はこれで全員ですかね。後は女子。同性の方とは男子以上に仲良くしておかねば。学校で行動を共にすることが多いでしょうし。
祐衣「適当に……」
一番近いドアに向かい、ノックします。
するとドアがすぐに開きました。
悠「おっ、祐衣。何か用か?」
チビな私が際立つ高身長。茶色のポニーテールを揺らし、元気よく姿を現したのはクラスメイトの一人。
高校生というよりは大学生じみた大人っぽさの女子で、とても同級生とは思えないみんなのお姉さんみたいなお方です。
彼女は見た目ではよく分かりませんが、こう見えても――
【超高校級のマッサージ師】 甘噛 悠 (あまがみ ゆう)
マッサージ師、なのです。
社会とは身体を壊しやすい過酷な環境。
故に疲れや不調、怪我さえも解消できる力を持つマッサージ、それを自在に操れる彼女は結構な有名人であります。
悠「もしかして、オレのマッサージを受けに来たのか? ふふふ」
……知名度には彼女のこの人柄も影響してそうですけど。
一度彼女のマッサージをクラスの全員が受けたことがありますが――悲惨でした。可愛い系の男子、女子は全員がセクハラをされ、けれど彼女のテクニックで抵抗できず……泣き寝入り。実際身体の調子は快調となったのですが、代わりに大事なものを失くしたような気がしてなりません。
彼女自身が美人なのでグレー判定ですが……いやもうアウトですよね。冷静に考えても。
ま、まぁ効果はあるので責められてないんでしょうね。
祐衣「違います。お話に来まして。お一人ですか?」
悠「いや? 一人いるけど」
悠「なぁ、深海」
深海「どうしたの? ――あ、祐衣くん」
部屋の中を悠ちゃんの横からちらっと見れば、そこには深海ちゃんが。
この面子は――
祐衣「帰りま」
悠「よっし、話し相手確保!」ヒョイッ
祐衣「離してくれません?」
悠「ヤダ」
即答。有無を言わさず部屋へ拉致された私はソファーに座らされました。
祐衣「わ、私に何かしたら犯罪ですからね……?」
悠「そんな煽ること言うと大変なことになるぜ?」
深海「まったくだね」
祐衣「ううう……」
帰りたい。身の危険を感じます。男子がこういう時にいてくれたら……。
ベッドに悠ちゃん。私の隣に深海ちゃん。一見すると健全な女子の集会なんですけどね。
祐衣「……」
もう来てしまっては仕方ありません。来たというよりいつの間にかいたんですけど。
さて……覚悟を決めて視線を横へ。
深海「どうしたの?」
私の目線に気づいて首を傾げる深海ちゃん。
すらっとした綺麗な身体に、中性的な顔立ち。綺麗さとかっこよさが合わさった、女性の私でもドキッとしてしまいそうな雰囲気を持つ彼女。
もう説明するまでもなく彼女も超高校級の才能を持つ生徒で、クラスメイト。
【超高校級の海女】 蔵本 深海 (クラモト フカミ)
足を組みつつ小首を傾げる彼女の姿は絵画みたいで――って、いけません。
祐衣「な、なんでもないです」
悠ちゃんもそうですけど、深海ちゃんも女性人気が高いお方達。性格的な危険もありますが容姿的にも極めて危険です。
覚悟を改め、深海ちゃんを観察します。
スカートに白いワイシャツ。悠ちゃんと同じような格好をしてますが、その差は歴然としています。
細い身体のラインに、シャツの下から透けて見える紺のスク水らしき水着。流行の着エロというジャンルを取り入れた、決して下品ではない色気があって――
祐衣「はっ!?」
いけないいけない。
……早いところ出ていかないといけませんね。
↓1 悠への話題
↓2 深海への話題
【Choice! 他のクラスメイトで気になる人は?
Choice! 海の話】
祐衣「悠ちゃん、他のクラスメイトで気になる人はいます?」
悠「ん? なんだいきなり」
祐衣「お話です。ちょっと、聞きたくて」
悠「ん―? まぁいいけど。気になる人……夏帆だな」
祐衣「夏帆ちゃん?」
意外……でもないですけど、個人名が出てきたのはちょっとびっくり。
深海「なんでだい?」
悠「オレより若そうに見えるから」
祐衣「なるほど。キャラ的にはお姉さんとお母さんですしね。なのに見た目逆と」
悠「……」モミッ
祐衣「おもむろに触るの止めてもらえます!?」バッ
悠「イラッときてつい」
深海「今のは祐衣くんが悪い」
祐衣「え、何か悪いこと言いました?」キョトン
悠「えー……」
深海「悪い意味で鈍感だね……」
祐衣「だって事実でしょう」
深海「こいつはひどい」
祐衣「見た目が大人っぽいのって悪いことではないですし、綺麗で羨ましいですけど? 悠ちゃんも夏帆ちゃんもセクシーで好きです」
悠「そ、そうか? そうだよな!」
深海「……。悪気がないならそれも本心、ってことか」
なんだかよく分かりませんけど、丸くおさまった――んですよね?
時々こんな空気になることがありますし、失言には気を付けなくては。
深海「さぁ、祐衣くん。僕に質問はないかい?」
【>>82 ミスです。申し訳ない。途中で書き込んだので、気にせず】
深海「さぁ、祐衣くん。僕に聞きたいことはないかい?」
祐衣「聞きたいことですね。勿論、ありますよ」
悠ちゃんとの話が一段落。わくわくした様子の深海ちゃんが私に話を促します。
彼女に対して振る話題ももう既に考えてありますから早速。
祐衣「海についての話――そうですね。海の何が好きですか?」
深海「海が好きなこと前提なんだね。好きだけど」
深海「僕は海そのものが好きかな。青がどこまでも広がっていて、果てしなくて。何が好きって聞かれるとはっきり言えないけど、海ってものが好きなんだと思う」
祐衣「なるほど、色々ありすぎて分からないと」
深海「だね。一言じゃ言えないかな」
ううむ、言うこともかっこいい。私たちのクラスでもかっこよさが頭ひとつ抜けてます。
深海「まぁ、そんな深いところまで潜ったりはできてないし、海女としての範疇なんだけど」
祐衣「いえ。なんとなく分かりますし、羨ましいです」
私も好きなものがある。でもそれの何が好きかと問われれば言い淀んでしまうかもしれません。
それを、そのものが好きだと答えられる人はかっこいいと思うのです。
だってそれは自信を持っているということですから。
誇り、とも言いますか。
祐衣「ありがとうございました。お二人と話せて楽しかったです」
悠「え? もう帰るのか?」
深海「こちらこそ楽しかったよ。これからもよろしく」
祐衣「はい。では、また」
他の部屋も回らなくてはなりませんし、ここは退室です。ソファーから床へ。頭をぺこりと下げて、部屋から出ていこうとします。
悠「最後にマッサージを――」
祐衣「ごめんなさい!」ピューッ
そして加速。私は振り向かずにドアを開き、廊下へと飛び出しました。
――ふぅ。警戒していて良かったです。
※一度落ちま
廊下から出るとまたすぐ部屋のドアをノックしました。
祐衣「コンコン」ノックノック
小鳥「はい? わぁ、祐衣ちゃん。どうしたの?」ナデナデ
出て来るなり私の頭を撫でてきた女の子。優しい手つきで、聞き惚れてしまいそうな透き通った声で問いかける彼女は、ご存知の通り超高校級の才能を持つ少女であります。
小鳥「あぁ、ちっちゃくてかわいい……」
こんなゆるんだ顔で言い放たれた言葉すらも心に響いてしまう彼女の才能は――
【超高校級のウグイス嬢】 雀宮 小鳥 (スズメノミヤ オドリ)
ウグイス嬢。野球の試合で聞くあのアナウンスです。
プロと比較しても遜色はなく、声も容姿もキャラも優れた彼女は各メディア、男性達から注目されている、将来を約束されたお方であります。
祐衣「小鳥ちゃん、お話しませんか? 今クラスメイトの方たちを巡ってまして」
小鳥「お話? うん、いいよ。あ、じゃあちょっと待ってて。私も話したい人がいたんだ」
部屋で待っててね、と言って部屋から出ていく小鳥ちゃんを見送り、言われた通り部屋で待つことに。
やっぱり私たちの部屋と変わらない家具の配置。けど小鳥ちゃんの私物でしょうか、綺麗な花瓶に花が入れてあったり、お茶の用意がしてあったり、優雅さが6割ほど増しておりました。お嬢様……。
ソファーに座って待機。ちょっとして、小鳥ちゃんは戻ってきました。
小鳥「お待たせ。連れてきたよ」
のんびりした口調の声を若干弾ませ、入ってきた彼女。
ベッドに腰掛けた彼女に続いて一人の女の子が部屋に入ってきました。
来華「なんで私が呼ばれますの……」
車内だというのに傘を持ち、露骨なくらい嫌な顔をしたその方。優雅な動作で私を一瞥すると丁寧にソファーへ座ります。ふわっと香る花のにおいが品があってよろしいです。
来華「月希さんがいますし、もうリターンで」
祐衣「ならなんで座ったんですか?」
来華「あなたが、帰りますのよ、月希さん」
す、すごいハキハキと。三回カメラズームで集中線付きですね。
【超高校級の園芸師】 綾島 来華 (アヤシマ ライカ)
お嬢様然とした小鳥ちゃんと同じく、気品あふれる彼女は超高校級の園芸師。
美しく、植物を愛する優しい――と思う女の子なのですが、私にきつく当たってくるのが玉に瑕。彼女曰く品がない下品な女らしいです。意味が重複してるような気がしていますが、反論することすらできませんでした。実際バニーガールという格好に品というものはありませんからね。それに同年代の同性に面と向かって罵られたのも初めての経験でして。
まぁ、いい機会です。来華さんも加えて、お話するとしましょう。
↓1 小鳥への話題
↓3 来華への話題
【Choice! 来華ちゃんに何か気になることがあるんですか?
Choice! 園芸について】
祐衣「そういえば小鳥ちゃん、来華ちゃんに何か気になることがあるんですか?」
話がしたい人物と言って、小鳥ちゃんが来華ちゃんを連れてくるのは意外でした。
タイプがまったく違いますし。
小鳥「うん。来華ちゃんもお嬢様っぽいから前から興味があったんだ」
祐衣「ああ、なるほど……」
来華ちゃんへ視線を向けます。
彼女も確かにお嬢様っぽい人です。性格の点を言うならば、小鳥ちゃんよりも創作物に出てくるようなお嬢様イメージに近いでしょう。
来華「ジロジロとルックするのは止めていだけませんこと? 下々の人間からしたら、私のような人間は珍しいのは分かりますが」
……けど、なんだかなぁって感じです。人柄的に。見た目はいいんですけど。
小鳥「あ、ごめんなさい。ジロジロ見ちゃって」
来華「いえ。雀宮さんは平気ですわ。問題は月希さんだけで」
なんだかなぁ……です。
来華「雀宮さんとは私もフレンドリーに接したいと思っていましたの」
小鳥「本当に? 嬉しいなぁ」
祐衣「私も来華ちゃんと仲良く――」
来華「ちゃん付けはやめていただけませんか?」ズバッ
……ううう。来華ちゃんのことに関しては、自分がバニーガールなのが嫌になってきます……。
もっと上品なお仕事できてれば、こうも目の敵にされることもなかったでしょうに。
祐衣「では……あの、お話いいですか? 来華ちゃん」
来華「いいでしょう。あなたのような方にトークしてあげるのも私の役目の一つですわ」
祐衣「……」
むかつきはしないですけど、ただただ悲しいというか。なんというか。
祐衣「来華ちゃんは園芸の才能があるらしいですけど――園芸の何が好きですか?」
来華「なるほど。私の趣味嗜好を知りたい、と」
祐衣「え?」
なんですか、この、慕う来華ちゃんのことを私が知りたがってるーみたいな。
くっ、しかし趣味嗜好を知りたいのは事実。仲良くなりたいですし。
祐衣「し、知りたいなぁ……来華ちゃんの好きなところ」
来華「仕方ありませんわね。教えてさしあげましょう」
めっちゃ得意気に来華ちゃんは胸を張りました。こういうところは可愛らしいんですけども。
来華「園芸の好きなところ。それは植物が美しいところです」
来華「醜いものを目に入れることなく、平和にガーデニングする楽しさ――感無量ですわ」
小鳥「一人で好きなことをするっていいよね……」
来華「ええ。嫌いなものを見ることもないですから」チラッ
私見とる……。
くそうぅ。そんなに嫌うことないじゃないですか。
彼女に好かれるようにせめて振る舞いには気をつけなくては……気が重いです。
服装を改める気はさらさらないんですけどね。
そんなこんなで見慣れた廊下へ。
祐衣「次は……どうしましょうか」
また適当に次の部屋を訪れましょうか。さて――
祐衣「こんにちはー」コンコン
ドアをノック。すると中からすぐ返事が。
夏帆「はいはいー。ちょっと待って。よっこいしょ」
夏帆「あ、祐衣ちゃん。どうしたの?」
若干年寄りくささを感じさせる掛け声とともにクラスメイトの一人、夏帆ちゃんが顔を出しました。
きっちり制服、暗い紺色のブレザーを身に着けており、下はスカートと白いニーソックス。女性らしい凹凸のある身体が目を引きます。
一目見ただけで人の良さ、聡明さ、包容力を感じさせる彼女。彼女の才能は見た目でもなんとなく分かってしまうでしょう。
【超高校級の家庭教師】 扇田 夏帆 (オウギダ カホ)
美人な家庭教師、夏帆ちゃん。超高校級と呼ばれる手腕は伊達ではなく、彼女が教えた生徒は必ず志望校する――と言われるほど。
まだ何日も一緒に過ごしていませんが、彼女が自分の家庭教師になったら間違いなく頭が良くなると断言できます。
祐衣「ちょっとお話しようと思いまして。どうですか?」
夏帆「あぁ、大丈夫よ。ちょうど他の子もいるんだけど」
祐衣「私は構いませんよ。その人は?」
夏帆「大丈夫よ。さ、入って」
招かれるままに中へ。部屋の中では――
鋭子「あ? 何しに来たんだ?」
桃萌「……なんでこんなに集まるのかしら」
数多「夏帆、おかわり」
三人の女の子達がぎゅうぎゅう詰めでご飯を食べてました。
……なにしてるんですかね。
↓1 夏帆への話題
↓2 鋭子への話題
↓3 桃萌への話題
↓4 数多への話題
【Choice! 勉強を教える時に意識している事
Choice! 今の生活の感想
Choice! そういう桃萌さんは何故この部屋に
Choice! 気になる異性】
まだスペースのあるベッドに座るよう夏帆さんから言われ、座ります。
部屋に女の子が五人。すごく狭い……。
祐衣「それで……そういう桃萌ちゃんはどうしてここに?」
隣。行儀よく座っている彼女へと問いかけます。
桃萌「見て分からない? 食事をとっていたの」
フッと鼻で笑い、彼女は膝の上に乗せているお盆を見ました。
その上にはパスタが。ミートソースですね。いいにおい……お腹空いてませんけど。
桃萌「ま、勝手に連れて来られたんだけど」
いつもの険しい顔で淡々と丁寧に食べていく彼女。
そういえばパスタって吸収がいいそうな。これから運動するわけでもないでしょうに、これも才能故でしょうか。
【超高校級のボクサー】 権化坂 桃萌 (ゴンゲザカ モモエ)
きっちりとスーツを身に着けた彼女は、超高校級のボクサーである桃萌ちゃん。
眼鏡をかけた美人、引き締まった身体のスポーツマンさんです。ただスポーツだけでなく勉学も優秀らしく、まさに完全無欠。彼女に憧れる人も少なくないでしょう。
桃萌「で、あんたは何の用? そこの世話好き馬鹿に呼ばれたわけじゃないでしょ」
夏帆「せ、世話好き馬鹿って」
だからこそこの厳しい物言いがなければなぁ、なんて思ってしまいます。
祐衣「話をしに来まして。ほら、せっかくの合同生活なんですから」
桃萌「ふーん」
うう、自分から聞いたのにその反応……どゆこと。
夏帆「お話! いいわね。みんなあんまり話さないから心配だったのよ」
夏帆「せっかくみんなでご飯食べようって集まってたのに」
手を合わせて嬉しそうに笑う夏帆ちゃん。
数多ちゃんはともかくとして、この面子で会話が少ないなんてあまり想像できないです。
鋭子「アタシは夏帆のご飯食いに来ただけだし」
桃萌「同じく」
数多「……」モグモグ
なるほど、ストイック勢が揃ってしまったと。鋭子ちゃんはなんかそわそわしてるんですけど、桃萌ちゃんは他のメンバーに興味なさそうです。数多ちゃんは無言でモグモグしとります。この上司に誘われた呑み会を即座に断りそうなメンバーでは、確かに会話はないかもしれません。
……ここは私が会話を振ってみますか。
祐衣「鋭子ちゃん。学園での生活はどうですか?」
鋭子「……アタシからか」
面倒そうに言って、姿勢を正す鋭子ちゃん。話をする気は持ってくれているみたいですね。
鋭子「生活って言われてもな……まだロクに授業もしてないし」
祐衣「――ですよね。でも入学式から何日かは経ったんですし、どうです?」
鋭子「部屋が広いからスペースには困らないかな。集中できるしいい作品ができそうだ」
祐衣「ほうほう……それは楽しみですね」
でもこれから長い期間学園を離れることになりますし、目的地の環境に影響されそうです。
彼女の今後、作品に期待ということですかね。
鋭子「だろ? 期待して待ってるんだな」
【超高校級の切り絵師】 銀冷 鋭子 (ギンレイ エイコ)
黄色がかった銀髪のサイドテール。黒いセーラー服。黒と白のコントラストが映えるファッションに、紙で作られた髪飾りのアクセント。大きめな目に女の子らしい可愛い顔立ちで、身長スタイルともに平均的。
ただのアイドル的な美少女に見えますが、彼女は超高校級の切り絵師。彼女の作品はかなり有名らしいのですが、私は縁がなくてまだ見たことがありません。というか、切り絵自体あまり見たことがない気がします。
なので超高校級の彼女の作品を見ることは、この学園生活での目的の一つであります。
※短いですが、ここで落ちま
祐衣「さてでは次は……」
鋭子ちゃんへの質問を終えて、私は視線を巡らせます。
夏帆「……」ワクワク
するとワクワクした様子の夏帆ちゃんと目が合いました。
いつも落ち着いた、大人っぽい彼女ですがこうして見ると子供っぽい一面もありますね。
祐衣「夏帆ちゃんですかね」
夏帆「ええ。何でも聞いて?」
そしてそこから色気すら感じさせる大人っぽさを発揮させるから、ギャップが。
祐衣「では、勉強を教える時に意識していることはなんでしょう?」
夏帆「意識してること……」ウーン
夏帆「分かりやすく、かつ親身になって勉強だけじゃなくて力になれるように気を付けてるかな」
夏帆「私たち子供って色々悩み事あるから」
夏帆「先生じゃなくて家庭教師だからできることもあるし」
祐衣「り、立派……家庭教師の鏡ですね。流石超高校級……っ」
夏帆「ふふ、家庭教師については自信あるからね」
頭がよくて見た目がいいだけじゃないということですね。
家庭教師ならではのできること――その想像はつきませんが、教える人が大人じゃないっていうのは大事なことなのかもしれません。
祐衣「最後に……」
一通り皆さんと話しましたし、最後はご飯をもくもくと食べているお方へ。
数多「……」モグモグ
自分へ順番が回ってくることは薄々分かっていたらしく、私へ視線を向けジッと見つめる数多ちゃん。
平均的な身長に華奢な身体。翡翠色をした綺麗なロングヘアはサラサラで、各種PCのアクセサリを収納しているポケット多めの制服、高そうなヘッドホン、と近未来的な印象の女の子であります。
黙って食事をしている彼女の姿は小動物みたいでかわいいです。若干警戒されてる風なのも小動物みた――あれ? 私警戒されてます?
祐衣「数多ちゃん。お話いいですか?」
数多「」ビクッ
……警戒されてます。
数多「いい、ですけど。なんですか?」
夏帆ちゃんとはタメ口だったような……。そうですよね。清楚お姉さんな夏帆ちゃんと、見た目ロリないかがわしい女とは警戒度は違いますよね。フフフ……悲しい。
って泣きたい気分に浸るのはやめておきましょう。
数多「私の分野って、話聞いても分からないと思いますけど……」
いたいけな少女な彼女も勿論超高校級。
【超高校級の情報処理技術者】 東雲 数多 (シノノメ アマタ)
数多くの情報処理技術者の試験に合格している天才、それが彼女です。
見た目からは想像できないほどの知識と実力を持っていて、今すぐ社会に出ても引っ張りダコだという噂です。即戦力ってことですね。
祐衣「あ、いえ。情報処理にちなんだことではなくて――気になる異性はいませんか?」
数多「……」スチャ
祐衣「あ、ヘッドホンで逃げないでください」
数多「いないです。気になる人なんて」
祐衣「そうですか? 健全な女子ならば、一人くらいいるでしょう。やっぱりイケメンですか? それとも強面系な男らしい方とか」
夏帆「祐衣ちゃん、数多ちゃんが圧倒されてるから」
祐衣「あ。ごめんなさい。つい盛り上がって。でも一人は教えてほしいですね。さぁ、どうですか?」
桃萌「ぐいぐいいくわね……」ボソ
鋭子「この面子で女子トークとかな……」
祐衣「そこっ、いいじゃないですか、恋バナ。この年齢ならではですよ」
祐衣「数多ちゃん、どうぞ。さぁ」
私を見る冷たい目や数多ちゃんへの同情の目やら、アウェイ感がすごいですけど果敢に私は答えを引き出そうとします。
やがて困ったように視線を泳がせていた彼女は静かに告げました。さぁ、青春をまさに今生きている女子生徒の気になる異性――それはつまり恋のはじまり。私はわくわくして彼女の答えを待ちます。彼女の答えとは――
数多「黒子さん、です……?」
――疑問文でした。
正解か否か、私の顔色を窺う彼女の姿に、上司のセクハラに困るOLさんを見る私でした。
……だって青春、学校、って私まともに縁がなかったんですもの。はしゃいでも仕方ないじゃないですか。――と、被告人席に座る不貞腐れた気持ちの私。
なんやかんやとみんなと過ごしてから、私は自室へと戻りました。
祐衣「皆さん個性が中々……」
クラスメイト全員と話して帰ってくる。ただそれだけのことなのに、私はどっと疲れてしまいました。
ソファーにぐったりと寝そべり、欠伸を一つ。頭に付けていたうさ耳を外します。ぴょこんと癖っ毛が跳ねて立つのを感じました。
準備に移動の疲れ、これからの不安。あれこれ考えている内に、私は学校のことを自然と思い出していました。
祐衣「……」
希望ヶ峰学園。才能豊かな生徒――各分野にて超高校級の才能を持った少年少女のみを集め、その才能を育成することを目的とした有名校……ですよね。
その学校に入学すること自体が超高校級の才能を持つことの証明で、立派なステータスになるほど。卒業すれば将来を約束されたと言っても過言ではありません。
で、見事その生徒に選ばれた私が入学を経て希望ヶ峰学園の生徒として過ごす、初めての大きなイベント。
それが共同生活。
まぁ、学園は寮があってその中で生活するので、学園にいても共同生活状態なのですが、これから半年近くは学園から離れて極めて自由に過ごすことができる――らしいです。細かいことはさっぱりで、私達は担任の先生とお別れ。少ない準備期間で荷造りを要求されて、現在に至ります。
あの面々と自由に過ごしたらどうなるか……不安が強いのは言うまでもないでしょう。
これからどうなるんでしょうか。
祐衣「――なんて、不安なのはみんなのせいだけじゃないですけど」
苦笑し、私は目を閉じました。
自分にクラスメイトに学校に。超高校級だとか言われても結局はどこにでもある悩みを私は解消できないでいて。
私にできることは束の間の睡眠に身を委ねるくらいでした。
◇◇◇
――さ、て、と。
ついにはじまりましたね。
希望ヶ峰学園一年生、ワックワクのドッキドキの共同生活!
自己紹介が長くてダレ気味だったけれど、これから! これからです!
これから、タイトル通りの――うぷぷぷぷ!
いやぁ、楽しみですね。
主人公としてこれからどう物語を盛り上げていこうか……今からワクワクが止まらないです。
さぁ、では退屈な日常は捨てて、嘘と殺戮とコロシアイの世界へ、レッツゴー!
あ、ここで一旦止まります。
◇◇◇
バニーガールって職業を、超高校級になる前でも今でも私は理解していないのかもしれません。
接客にイベントの司会、手品の助手。様々な場所で人前に立ち、色々なことをこなす仕事で、何をすればバニーガールなのか。はっきり言うことはできません。
特に私は、酒場の仕事から離れてからは依頼が来るままに仕事をしていたのでバニーガールの本質というものをさっぱり理解してないと言っても間違いないでしょう。
超高校級に選ばれたって、実のところ実感はないのです。
ただの生きるための手段。だから私は必死になって努力をしてきましたし、楽しもうとしてきました。
その結果私は成功し、仕事を楽しめるようにもなってきました。青春の大部分を犠牲にして。
そんな最中希望ヶ峰学園のスカウト。超高校級に認定されたのですが――それまでの努力を否定されたような気がしたのは否定できません。
才能を認められる。即ち私は世間にバニーガールの才能がある人間だと思われるわけです。
努力もしないで手に入れていた才能を評価されて――でも、私は嬉しかったです。
バニーガールのことを理解していなかった私が、才能を持っている。
つまり努力をすればもっと私はバニーガールらしく、楽しむことができる。他の道を選べるくらいの余裕はある。
それは素晴らしいことだって、思ったのです。
だから――
祐衣「……あ、れ?」
うっすらと、段々と。次第にクリアへなっていく意識を遠くから感じ、私は目を開きました。
寝ぼけた頭で部屋を見回し、自分があのままソファーで眠ってしまったことを思い出すと、私は漠然とした不安感に駆られます。
起きたときから抱いていた違和感。それが何なのか。すぐに分かりました。
祐衣「車が停まってる?」
走っている時に感じていた振動はなく、今は完全なる無音。エンジンの音すらしておらず、鳥のさえずりが聞こえます。
祐衣「起こしてくれてもいいと思うですけど……」
これも女子陣から離れた部屋に一人配置されたせいでしょうか。
男子は私の部屋に入り難いでしょうし……。
祐衣「車の部屋割考えた人は恨みます……」
なんて小言を呟きつつうさ耳装着。ぴょこんと跳ねていたアホ毛を押えるようにして、固定させます。
目的地に着いたなら私も急がないといけませんし、さっさと起きなくては。
祐衣「私を除け者にすると盛り上がらないのに、まったくもうです」
さぁて。共同生活の舞台は果たしてどんな場所なんでしょうか。
置いてかれた寂しさ半分、らくらく半分で私は足早にバスから外へ出ました。
外に出るとそこは異質な世界でした。
きらびやかな世界を見慣れた私ですら一目で分かる異常さ。
祐衣「……なんですか、ここは」
質素だとか豪華だとかそんな括りではありません。
例えるなら、ファンタジーとSF、サスペンスとラブコメ。色々なジャンルが入り混じった奇妙な世界。
私の眼前に広がるのはそんな、おかしな場所でした。
まず私が立っているのは学校らしい校舎があり、ホテルみたいな場所がその隣に建つ――まぁ、普通といえば普通な場所。
けれどその左右。塀に囲われていて全貌は見えないですが、お城みたいな場所とか、海らしき場所が見えていて……なんです、ここ。テーマパークかなにかですか。
祐衣「……みんなの姿は見えませんね」
見ていてもしょうがないです。まずは合流を優先しなくては。
さて――
???「お、月希さん。ようやく起きたんだね」
祐衣「ふえええ!?」
急に死角から声をかけられ、飛び上がる私。
こっちは真面目に考えていたのに、場違いなくらいのほほんとした声をかけられてついびっくりしてしまいました。
慌てて声のした方を見ます。すると小さな何かがいました。
祐衣「――え?」
それは異質な存在。けれど秩序のないこの場所において、彼の存在は妙にしっくりきました。
白と黒。そしてほんの僅かな赤。デフォルメされたデザインに見える確かな狂気。丸っこい身体に耳を持つ――
祐衣「クマ?」
???「そうです。ボクがモノクマです」
バスの出入り口の前に立っていたのは、クマ。その名の通り白と黒のモノクマなクマ。
ひょうきんな声で、彼は片手を挙げぴょこんと跳ねました。
【訂正 『モノクマな』→『モノクロな』】
祐衣「モノクマ?」
モノクマ「そうそう。モノクマ。学園のニューマスコット。ここの生活での案内をしているんだ」
祐衣「あぁ、なるほど。そういうことですか」
合点がいきました。この方、ロボット……か何かでしょうし、きっと案内の先生か誰かが操作しているのでしょう。ならば彼がここにいるのも納得です。ネていて遅れた私のことを待ってくれていたのでしょう。
祐衣「わざわざお待ちしてもらってありがとうございます。それで皆さんは? それと私の荷物……」
モノクマ「あ、はいはい。荷物は運んであるよ。月希さんのお部屋に。みんなは体育館じゃないかな」
祐衣「そうなんですか? 手間をおかけしたみたいで……」
モノクマ「いいのいいの。これからオマエラには楽しませてもらうんだから」
祐衣「……? 『楽しませてもらう』?」
モノクマ「そうそう。大事なことを忘れてたよ。はい、月希さんへ」
と、どこからか手紙みたいなものを取り出して私へ手渡すモノクマ。長方形のそれはどうやらタッチパネルで操作するらしき小型の端末みたいでした。
モノクマ「じゃ、ボクは行きます。またすぐ別の姿で会うことになるからお楽しみに。うぷぷっ」
こっちが理解しない内に一方的に喋って、モノクマはコミカルな動きでどこかへと消えていきました。
……流石、希望ヶ峰学園。共同生活の舞台も、マスコットも典型的とは遥か遠くをいくセンスであります。マスコットにクマ……クマ、ですか。ウサギとか人間襲わないですし、イメージはいいんですけど、いかがでしょうか? という宣伝。
祐衣「体育館って言ってましたよね」
キョロキョロと辺りを見回します。二つの建物と遠くに見える景色以外、特に新しいものは見つかりませんでした。……が。
祐衣「……なんですか、これ」
大きなバスの方へ視線を向けた私は、呆気にとられることになります。バスの後ろ。おそらくはバスがこの場所へ入ってきた門でしょう。厳重そうなゲートが閉じた上から、更に厳重に鉄の扉で封鎖されていました。
それは開くことなんて考えていない閉じ方で、実際あの状態の門が開くことはないでしょう。
雑で、急いだ感のある塞ぎ方に、私は違和感や疑問よりも、不安感を強く抱きました。
あんなことをする理由が思い当たらないのです。まるで外に何か驚異がいるみたいな……いや、閉じ込められてるのは……。
祐衣「……みんなのところに急ぎましょうか」
共同生活中は出られない、ってだけかもしれませんし。学園側の何か意図があるのでしょう。だから私の不安はただの考え過ぎ。気にしないでおきますか。
私は目の前の光景を否定するかのように頭を横に振り、足早に体育館を探しはじめました。
体育館は校舎らしい建物に入ってすぐ、奥の連絡通路を渡った場所にありました。
祐衣「大きいですね……」
校舎の建物は勿論、バスの位置からは校舎の陰で見えなかった体育館も結構な大きさです。
立派なかまぼこの形をした体育館で、扉はモンスター的な跳び箱すら通れそうなほど高くて広いです。
祐衣「みんながこの中に……」
ドアは鉄製。中は見えません。大きなそれへ近づき、ノブを捻ります。
大きさに反してドアは軽く、あっさり開きました。軋む音もなくスムーズに開いたドアから中へ。話し声一つなかった静けさから、体育館に入ると一気に賑やかになりました。
ざわざわとみんなでそれとなく距離を空けて集まっていて、手持ち無沙汰にしているようです。だからか、入ってきた私に彼らはすぐ気づきました。
晴「おや、月希さんが来たよ」
夏帆「おはよう。祐衣ちゃん」
みんなの視線が一気に私へ。ずっと誰もいなかったですし心細かったのですが、みんないて良かったです。モノクマの言ったことは本当でしたね。
祐衣「おはようございます。みなさん何故ここへ?」
鋭子「適当だ。施設が無人で色々歩き回ってた」
夕日「うんとね、たぶん予定通りのはずなのにね~。職員なら脚本と同じくらい予定表を大切にしてほしいな~」
深海「車が目的地を間違えた、とかはないかな?」
数多「それはないと思います……。ハイテクな自動操縦ですし」
傑「ああ。場所は間違えていない筈だ。俺も入る前に表札を見た」
中矢「ってことはサボり? 希望ヶ峰にもんな人間いたんだな。親近感湧くわ」
……ふむ。まるで誰にも会ってないような口振り。でも私は一人、会った人物――人物? クマ? ここはクマにしておきますか。一匹、会ったクマがいます。
祐衣「あの、私バスから出て変なマスコットに会ったのですが」
伝「ええ!? 本当ですか!?」
来華「マスコット……? 怪しいですわね。もし嘘ならば――甘噛さん」
悠「マッサージか?」ヒョッコリ
祐衣「ちょっ、本当ですよ? 起きてからまっすぐここへ来れたんですから」
桃萌「くだらないことしてないで、そのマスコットを呼んで。そうすれば解決でしょ」
佑「そうそう。権現坂ちゃんは二人のマッサージで喘ぐ月希ちゃんを見たくないんだから。あれ? 権現坂ちゃん、喘ぐに変な想像してない?」
桃萌「……早く、月希。倒れる前に」カァァ
小鳥「倒れちゃうんだ……」
わぁ、顔真っ赤。彼女のためにも被害に遭う前にモノクマを呼びたいんですけどね……呼んで出てきてくれるのか、というのが問題でして。
純五「……呼べないのか」
祐衣「まぁそうですね。呼んで出てくるなら今もうとっくに来てそうですし」
これだけ騒いでいるんですし、名前読んだくらいでねぇ、みたいな。
陰「それは分かるけど、一回くらい呼んでみるのはどう? 声に出して喚ぶのは大切だよ」
ふむ。それもそうですね。
漢字の変換とか響きが常用のものと違うような気がしましたが、一度呼んでみるのも確かに大切です。
恥ずかしかったので避けてましたが……仕方ありません。
祐衣「モノクマー! あ。さーん!」
夏帆「さん付けなのね」
祐衣「私のキャラなので」
傑「一回忘れてたがな」
私の呼ぶ声に指摘とツッコミが飛んできますが、モノクマの反応はなし。
とりあえず体育館全体に聞こえそうな声を出して――召喚失敗。
深海「来ないね」
夕日「モノクマ?」
祐衣「ええ。白と黒の熊さんです。ひょうきんな方で……えーっと、みんなのいる場所を教えてくれたり、私たちの荷物を部屋に移したと伝えてくれたり」
伝「荷物……って、ええ!?」
晴「本当かい? 僕らの荷物がそのマスコットに……」
夏帆「仕事熱心なのね。私たちと入れ違いになったのかしら。通りで荷物が見つからなかったわけね」
来華「なるほど……。それではこの無人も違和感がありませんわね」
鋭子「いやいやおかしいだろ。この広さだぞ?」
小鳥「確かに。もっと使用人がいてもおかしくないよね」
夏帆(お嬢様感……)
悠「つまりマスコット一人で経費削減ってことか?」
桃萌「……色々、不自然じゃないかしら」
ぽつりと、桃萌ちゃんがもらした言葉。
薄々とみんなが気づいていたであろう違和感を、それは一気に明確にしました。学校、それも希望ヶ峰学園のような場所がマスコット一人に生徒を任せるような教育機関でないことは皆分かりきっています。
それなのに出迎えもなく案内もなく放置して、挙句の果てに門をずさんに封鎖――っていうのは私しかまだ知りませんが、とにかく異常な事態でありました。
来華「……そうですわね。予定では教師の方がガイドしてくださるはずですが」
伝「ま、まさかトラブル!?」
佑「それしかなさそうだね」
一同『……』
皆さん沈黙。超高校級といえど未成年。常識の外での経験が圧倒的に不足している状態では、どうしようかと問うこともできません。
クラスメイトの過半数はそのようなお人。
才能が溢れていても縁がなければ係わりもしない世界での経験。それがないのは当然のことで、むしろ良いことであるはずなのです。……こんな場面じゃなければ。
私は夜の世界で生きてきた人間なので若干の耐性はあります。こうして不安そうにしている皆さんの様子を眺めてあれこれ考えるくらいには。
傑「――ひとまず連絡をとるか」
たっぷり時間を置くこと約一分。最初に言葉を発したのは傑くんでした。
シリアスな顔を崩さず、いつも通りな彼。きっとその考え自体はすぐ浮かんでいたのでしょう。落ち着き払った様子で言う彼から、なんとなく察しがつきました。皆さんのために時間を空けてくれたんだと思います。
中矢「連絡、か。そうだな。ちょっと待て――」
意外と冷静な中矢くんが反応します。ポケットから携帯を取り出し、スイッチを押し――彼は硬直しました。
数多「……電波、届いてない」
鋭子「は、はぁっ!?」
同じく携帯を見つめる数多ちゃんから衝撃的な発言が。私も携帯電話を手にしますが、確かに圏外。このご時世、屋外で圏外……有り得ないです。余程田舎に来たとか?
悠「確認したり、助け呼んだりできねぇってことか」
夕日「それはちょっと、困っちゃうなぁ」
深海「ちょっとどころじゃないね。完全に閉じ込められ――」
途中で台詞が途切れます。
確定はでませんが、その言葉が今の状況におそろしいほど一致する感覚がありました。
その場にいる私達は本能的に悟ったのです。
私達は今、閉じ込められているのだと。
誰に? 何の目的で?
理由も意図も分からず、ただ不安と恐怖、焦燥、負の感情が襲い、今すぐにでもここから逃げ出したくなります。
でもそれすらできない。
見知らない場所で、通ってきたはずの道は閉ざされて、どう帰れと言うのでしょう。
祐衣「み、みんな――っ、とりあえず車にもど――」
落ち着ける場所で話し合うべく、私は不安にうわずった声で移動を提案しようとします。
体育館から出ても何も変わらないのに、逃げようと精一杯で。
???『うぷぷぷぷ……』
そんな私を嘲笑うように、あのわざとらしい笑い声が聞こえてきました。
祐衣「こ、これは……」
小鳥「誰の声?」
晴「笑い声で特徴を出そうとするのはあまり感心しないね」
鋭子「い、言ってる場合じゃないだろ……きっと悪人だぞ、悪人っ」
夏帆「あの、鋭子ちゃん? 掴まれる手が痛いんだけど……」
純五「……誰だ? 姿を現せ」
陰「そうだよ。説明してもらわないと」
???『うんうん、いいね、みんな元気で。やっぱり生徒ってそうでなきゃいけないよね』
???『じゃあ登場します』
声がする方向、体育館のステージを自然とみんな見ていました。
この声は多分……でもさっき聞いた声の印象が今はまるっきり変わって聞こえました。
無邪気で悪意のないふざけたような声。今はそれが妙におそろしく聞こえます。
彼への疑惑故か、それとも元からこうだったのか。
私は無意識に唾をのみこみステージから彼が登場するのを待ちました。
モノクマはすぐに登場しました。緊張している私たちを馬鹿にするかのような、軽やかな動きでステージの上に飛び上がり、着地。
あのステージの下に仕掛けでもあるのでしょう。ぴょーん、なんて効果音が付きそうな間抜けな手足の動きで空中を跳び、落下からそのままスムーズにステージの縁へ腰掛けました。お尻痛そう……。
モノクマ「うぷぷぷぷ。やあ、初めまして! ボクはモノクマ」
桃萌「……? 『モノクマ』?」
伝「それって、月希さんが会った……」
モノクマ「そう、マスコットです」
夕日「やっと来たんだね」
モノクマ「でも今は違うよ。なんとボクは希望ヶ峰学園の共同生活所――その支配人なんだ」
悠「は……? 支配人?」
傑「どういう意味だ」
疑惑と恐怖。そしてほんの少数ですが敵意。色々な感情を向けられ、大人数を相手にしているのにモノクマに怯む様子はありません。むしろ口元に手を当てて笑みをこぼしています。
モノクマ「その通りの意味だよ。支配してる人。いや、クマだね。今この場所はボクが支配しています」
モノクマ「勿論、この場所にいるオマエラのことも」
瞬間的に冷たくなる声。私の背筋がぞくっと震えました。
中矢「……お前、学園の教師なのか?」
モノクマ「教師じゃないよ、支配人だよ。今さっき言ったのに話を真面目に聞かない子だなぁ」
深海「そういうことを聞いてるんじゃないよ。共同生活は予定通り進行しているのか、学園に問題が起こってないのか、それを聞いてるんだ」
モノクマ「うぷぷ。ああ、そういうこと。それならそうだなぁ……うん、共同生活は順調に進行中です」
モノクマ「ただ、集合からこれから先は新たに支配したボクに従ってもらいます」
佑「つまり、そのロボットを操作している君は学園の人間じゃないと」
モノクマ「操作? ボクはボクだけど。けどね、うぷぷぷぷ……ここにいた邪魔な人たちはもういないよ。ボクがぜーんぶ、まるごと支配しちゃったからさ」
来華「な……っ」
晴「そんなことが……」
私たちが考えてしまった自体が、もっと悪い形で実現されようとしていました。何者かにこの施設を支配されて、私たちが閉じ込められた。これから何が怒るのか……考えたくもありません。
悠「従わねえ、って言ったら?」
モノクマ「支配者に逆らう下の人間がどうなるか……それは言わなくても分かるでしょ?」
陰「……罰? それとも閉じ込め――」
モノクマ「ルールに従わない生徒は即処分、処分します。慈悲もなく伏線も回想も見せ場もなく、あっさり死んでもらうから」
処分。死。
いよいよもって私たちが危険な状況下にあることが分かってきてしまいました。
支配者に逆らえば殺される。なら逆らわなければいい、なんて簡単な話ではありません。私たちをルールで縛るほどの力があるのが問題でして。
鋭子「なな、なんでこんなことに……」
モノクマ「あ、見本見る?」
モノクマがすっと手を挙げます。するとステージの天井からどこともなく数本のパイプと一体化した銃らしきものが下がってきました。
駆動音と共にそれらがゆっくりと銃口を動かします。無機質な機械の動きが、私たちの恐怖を煽りました。
モノクマ「これみたいなのが施設の至るところにあって――」
純五「……もうよい。俺たちに何を要求するんだ?」
モノクマ「そう? それならこんな物騒なのはしまっちゃいますか。もっと反発してくると思ったのに。ゆとり通り越してさとりだね」
またもやスッとスムーズに銃が戻っていきます。武器はあのモノクマを操作している人の意のままのようです。
……これで彼へ逆らえないことはよく分かりました。人間、銃で撃たれたらそれで終わりですから。
モノクマ「さて、ではボクの要求ですが……ここでの共同生活です。ただし永遠の」
真顔でいとも簡単に、彼は言い放ちました。
永遠の共同生活……? それって……。
伝「一生出す気はないってことですか!?」
モノクマ「うん。でも衣食住は約束するよ。のんびり人生を謳歌してください」
晴「そんなこと納得できないと言ったら……?」
モノクマ「そうだね。それでも文句がある奴もオマエラの中にいるでしょ」
モノクマ「そんな生徒のために、支配人のボクが特別なルールを用意しました!」
夏帆「そ……それって?」
モノクマ「手段は問いません。誰にもバレずに生徒を誰か殺してください」
……は? と誰かが言いました。自分かもしれないし、その両方かもしれません。
あまりに現実味のない言葉を簡単に口にされ、私の思考が一瞬飛びました。
誰かを殺す……? そうすることでしかここから出られない?
モノクマ「そうすればその人は晴れてボクの支配下――共同生活からの脱出! 卒業となります!」
モノクマ「あ、殺さないとずーっとここで生活してもらうよ? まあそれもいいんじゃない? ここは安全なんだから」
理解が追いつかず呆然とする私達を前に、モノクマはペラペラと言葉を叩きつけてきます。
祐衣「そんな……こと、聞けるわけないじゃないですか!」
なんとか頭を回転させ、捻り出したのは理不尽への抵抗。
半年近くは覚悟していました。でもそれが永遠になるだなんて誰が予想できたでしょうか。
私はまだやりたいことが山ほどあるのです。ずっとここから出られないなんて、到底受け入れられませんでした。
小鳥「そ、そうだよ! 言うことなんか聞かないんだからね」
数多「それに助けもすぐ――」
モノクマ「うぷ。うぷぷ。あーはっはっは!」
私に続いて身構え、反論するみんな。十数人の勇気と敵意を前に、モノクマはお腹を押さえ楽しそうに高笑いします。
モノクマ「オマエラも分かってるんじゃないの? この施設が支配されて、なのに何の連絡もなしにまんまと閉じ込められて。その上電波も届いてない」
モノクマ「……異常だよね? 外は今、そういう状況なんだ。助けなんか来ないよ、ずっと」
返す言葉もありません。
確かに、何もなければこの場所がモノクマに支配された時点で学園へ何らかの連絡がいくはず。そして移動している私達は退避させられるのが道理です。
加えて、電波の問題。高速道路に乗ったものの都会からそれほど移動はしていませんし、電波は山の中だとしてもそれなりに通るべきなのです。
つまりはその『道理』や『べき』が適用されない何かが起こっている、とかんがえられるのです。
モノクマ「でも良かったね。ここは絶対安全だから。うぷぷ」
悠「……」
傑「……」
佑「……」
いつもは頼れる方も、他のみんなも揃って沈黙。
勝手に展開していく悪夢を見ているような気持ちで、私は反論する気力すらありませんでした。
モノクマ「ようやく大人しくなってくれたかな? じゃ、早速始めようか!」
モノクマ「希望ヶ峰学園の共同生活――コロシアイ共同生活をさ!」
浮かれていた気分は既に跡形もなく地の底、それよりも下へ下へ、深い闇へと沈んでいました。
学園生活の悩みは、いつしか共同生活への不安に。そしてそれはコロシアイ――クラスメイトとの友好関係への悩みへと変貌します。
こんな危機的状況に陥っても、私は私のことを気にかけていて、クラスメイトに嫌われないように、仲間外れにされないように気を遣って……。
それはきっと、どこにでもある悩みと生活なのでしょう。
……けれど、違う。
私たちの物語はここからもっと展開していく。
下へ、底へ、絶望へ。
――最初の悩みなんてくだらないもので、私たちはすぐより大きな困難にぶち当たることになるのです。
私はまだこの時、分かっていなかったのです。
今より大きな困難が現れること、そしてそれをどう乗り越えていくのかも。
私はただ見ていることしかできませんでした。
そうして、始まったのです。
私たちの命を賭けたゲームが。助け合うべき仲間と騙し合う生活が。
私たちの悪夢じみた青春が――
【PROLOGUE:どこにでもある悩みと生活】
―END―
生き残りメンバー 17人
Tobe continued
モノクマ「さてと……じゃ、宣言も終わったしオマエラに渡すものがあります」
固まって何も言えずにいる私たちへ、モノクマが近づいてきます。
彼は何を気にするふうでもなく気軽に間近へ来ると、私たち一人一人に何かを手渡しました。
桃萌「なに? これは」
モノクマ「電子生徒手帳です。自分のプロフィールから他の生徒のプロフィール、共同生活所の地図に共同生活のルール。色々使うことになるから、大切に扱ってください。あ、ルール――校則の項目は絶対に確認するように。くだらないことで人数が減っちゃうのはボクも嫌だからね」
タッチパネル式のスマホに似た端末でした。
……そういえば、私はこれに似たものをモノクマから貰ってますよね。今、私にも電子生徒手帳を渡されましたしあれはなんだったのでしょうか。
モノクマ「それと、このエリアの部屋に入れるようにしておくから探索はご自由に。出たくなったらいつでも殺しちゃっていいからね」
中矢「誰がんなことするか! さっさとどっか行け」
モノクマ「うぷぷ、そうかな? 案外乗り気な人もいるかもしれないよ?」
モノクマ「まいいや。ボクはオマエラをのんびり監視させてもらうから。オマエラもせいぜい頑張ることだね」
――コロシアイを。そう言っているとしか思えない意味深な笑みを残し、モノクマはどこかへと消えていきました。
後に残ったのは沈黙。静寂。
でもこの場にある感情はなんとなく読み取れました。
不安に恐怖、そしてクラスメイトへの疑心。
絶対に誰かが誰かを殺さない――なんて、言い切れるだけの材料は私たちの間になく。
入学から今まで、どれほど生温い関係を築いてきたのか痛感させられるようでした。
祐衣「……」
誰とも話す気になれず、私は生徒手帳を起動させました。
校則。それを一目確認しようと思ったのです。
『希望ヶ峰学園 共同生活 校則』
1 生徒達は共同生活所内のみで生活しましょう。共同生活の期限はありません
2 夜10時から朝7時までを夜時間とします。夜時間には立ち入りを禁止される場所があるので注意してください
3 就寝は寮の個室でのみ可能です。その他の場所での睡眠は居眠りとみなし罰されます
4 支配人のモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊もまた禁止です
5 仲間の誰かを殺したクロは卒業できますが、自分がクロだということを他の生徒に知られてはいけません
……監視カメラ?
一通り読んで目についたのはそれでした。
それらしい物はなかったような――いえ、今のご時世気づけないくらい小型のカメラもありますよね。
モノクマも監視するとか言っていましたし、どこかに仕掛けてあるのでしょう。
祐衣「……」
生徒手帳をシャツのポケットにしまい、私は周囲に視線を巡らせました。
黙ってどこかを見ている生徒に、私と同じように周りを気にしている生徒、手帳を眺める生徒……何をしていいのか皆さん決めかねているようでした。
私も……何をすればいいのかさっぱりです。
鋭子「な、なぁ……。お前ら信じてるのか?」
静寂を破ったのは狼狽えた様子の鋭子ちゃん。おろおろとみんなを順番に見て、今にも泣き出しそうな顔をしております。
張り詰めていた空気が若干緩んだような気がしました。
純五「……どういうことだ?」
鋭子「だってさ、本当かどうかも分からないんだぞ? 閉じ込められたのだって、嘘かも」
深海「それが嘘でも出ようとすれば撃ち殺されるだろうね」
夕日「えっと、一応聞いておくね。その銃は本物なのかな?」
佑「間違いなく本物だね。怪盗目線で見て」
晴「銃はとりあえず本当みたいだね。となると――」
陰「閉じ込められているのか、ってことかな。調べられるのは」
外のことが本当なのかは今のところ調べようがありません。
となれば、閉じ込められているのか、脱出ができないのか。それを確かめるのが最優先事項。外に出る手段が見つかったならば自然と外のことも分かるでしょうし。
悠「だな。やるしかないな」
夏帆「大人しくしてられないものね。私も頑張るわ」
伝「協力ですね! 頑張りましょう!」
みんな一致団結ムード。
コロシアイをする気はなさそうに見えます。けどそれは、今は追い詰められていないから――という面が大きいのでしょう。今はまだ私たちを囲う状況が半透明です。銃口が向けられているのは事実。けど閉じ込められているのかがまだ不確かな今は、皆さん早まったりしないでしょう。
むしろ忘れようとみなさん明るく協力しようとしているようにも見えます。
桃萌「……決まったみたいね。私は勝手に探索させてもらうわ」スッ
来華「私も疲れましたので部屋に行かせてもらいますわ」スタスタ
小鳥「え!? あ、ちょ二人とも――」
夕日「おつかれさまー。後は任せて~」
中矢「見送っちゃったよおい!」
傑「あの二人は仕方ないだろう。俺たちだけでも探索するとしよう」
純五「そうだな……」
夕日「じゃあはじめようか~。まずは校舎――」
祐衣「――あの。私も一度自分の部屋に行ってきます」
いざ探索というムードの一行。彼らの団結に水をさすようでものすごく言い難いのですが私も一人での行動を宣言します。
さっきから気分が悪くて、とても探索という気持ちにはなれませんでした。
夏帆「あら、大丈夫? 寝起きで色々大変でしょ?」
祐衣「あはは……ちょっと休んだら元気になると思いますので、間に合えば私も後で参加します」
愛想笑いを浮かべながら私はそそくさとみんなから離れました。
桃萌ちゃん達の時と同じようにみなさん快く見送ってくれ、呆れた様子もありません。
佑「……」
ただ一人、佑くんは私の方を見てにやけてたのが気になりましたが……今はすぐにでも休みたいです。
急いで私は体育館を出て自室に向かいました。
寮は綺麗なホテルみたいな見た目をした建物でした。2階建てで入り口は自動ドア。表札には『共同生活所 寄宿舎』の文字が。
入り口の横にあるお知らせなどが貼られた掲示板には、寄宿舎の地図らしきものがありました。
この寄宿舎にはキッチンに食堂、ランドリーに個室、大浴場があるようです。
祐衣「……こんな状況じゃなければ喜ぶんですけどねぇ」
今はただただその充実さが虚しく感じられるもので。快適ならいいという話ではないのです。
豪華さに慣れてしまった成金おじさんみたいな気持ちで、私はため息。
場所を変えてもやっぱり現状も自分の気持ちも変わらず、もったりとした動きで自室へと向かいました。
大きな入り口の自動ドアを越え、まるで未使用同然の綺麗な寄宿舎内部を進み、個室が並ぶ2階の廊下へ。
長い廊下にドアが並ぶ様は、ホテルのようでした。静かなのもそっくりです。
祐衣「……私の部屋は、ここですね」
室内、無音、初めての場所……息苦しさと緊張感を感じながら、私は自分の部屋の前へ着きます。
ドアにはドットで描かれた私の顔が。ウサミミもしっかり付けていてかわいいです。どうでもいいところですけど。
祐衣「……」
きょろりと見回せば、他の部屋のドアもそのようになっておりました。どうやらここが私の部屋で間違いないみたいです。
ノブを掴み私は部屋へと入りました。
祐衣「これは……」
普通なお部屋でした。ベッドがあってタンスがあって、シャワー、トイレも完備。何も問題ありません。
……ただ、監視しているのならここにもカメラが置いてある……んですよね。その可能性の方が高いでしょう。
……そうなると、たとえ自室でも気が抜けません。アダルト的な目的がモノクマにあるとは思えませんが、極力バスルームとかで着替えるようにしますか。
そこにもカメラがあったら無意味なんですけども。
祐衣「……はぁ」
『見られているかもしれない』という不安感は予想以上に強く、ベッドに寝転がっても気持ちが落ち着く様子はありません。
それどころか『閉じ込められている』、『コロシアイ』、様々や悩みが頭の中をぐるぐるとかき混ぜます。
とても休む気になんてなれませんでした。休もうとここに来たのに。
遠足前日の夜に似ていて、その実まったくの逆。明日が来ないで欲しい、昨日に戻りたい、夢であってほしい――とにかく後ろ向きで、沈みきった気持ち。
ごろごろと寝返りを打っては深く息を吐き、それを何度か繰り返して私は身体を起こしました。
祐衣「……」
改めて私はこの困難に何もできないのだと痛感しました。眠気や疲れという本能や身体の仕組みがないと、眠ることすらもできない弱い人間なのだと。
悔しがったり、悲しんだり、不安に嘆いたり、叫んだり、そういうことさえもできません。
受け入れたくない絶望的な状況に、ただぼんやりと思考を放棄して立ち往生するばかり。
祐衣「……」
もう一度眠る努力をしてみよう。そう思った私は、身体に感じる重さを少しでも和らげようとポケットの中身を出そうと手を伸ばしました。
電子生徒手帳を枕の横へ置き、それから――
祐衣「あ……そういえば」
手にした瞬間私はその存在を思い出しハッとしました。
モノクマに貰った何か。電子生徒手帳に似ている小型の端末。
貰った時はなんとも思わなかったのですが、今は何故かそれを持つと胸騒ぎがしました。
何故? 考えてみればすぐ、胸騒ぎの理由が分かりました。
モノクマに会ったのが体育館で初めてじゃないのは私だけ。つまり2個目の端末を持っているのは私だけ。
なら……この端末は何なのでしょう?
祐衣「……」
震える手で端末を起動。間もなく表示された画面を見て――
祐衣「――は?」
――私は、コロシアイやモノクマ以上の衝撃を受けました。
あまりに膨大な情報量に、理解しがたい事実。ずっと胸の奥で感じていた吐き気と息苦しさが、すぐ喉元まで登ってくるのが分かりました。
私は耐えきれず、すぐに電源を切ってしまいました。
祐衣「これ……は……」
何故モノクマがこんなものを私に渡したのか。そもそも何故こんなものが存在するのか。分からないことだらけですが、一つ、分かったことがあります。
祐衣「これを見つけられたら……」
こんなものを私が持っていると知られれば、間違いなく不審に思われる、ということ。それだけは確かでした。
ましてやこれはモノクマから私だけが貰った物。内通者と疑われることは間違いありません。
私の意思がどうとか、そういうのは全く意味がないのです。
祐衣「……」
どうすることもできない問題がまた一つ増え私が頭を抱えていると、不意に部屋のインターホンが鳴りました。
……誰か、やって来たみたいです。
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