・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・明確にアニメ世界線と定めているわけではない為、一部その他のコンテンツの要素が入り混じることがあります
----事務所----
ガチャ
智絵里「おはようございます……」
かな子「私たちが一番乗り、かな?」
杏「ふぁ……ねむー」ゴシゴシ
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杏「まったく、今日はいい天気で絶好のだらだら日和なのに、朝から仕事だなんて……プロデューサーは鬼だよ……」
かな子「まぁまぁ、杏ちゃん。プロデューサーさんも、私たちのために頑張ってくれてるんだし……」
智絵里「絶好のクローバー探し日和でもありますよっ。杏ちゃんも、今度一緒に探してみない?」
杏「うーん……探してる間に寝ちゃいそうだから、遠慮しとく……」
智絵里「そ、そっか……」
かな子「でも確かに、クローバー畑でお昼寝するのって、気持ちよさそうだよね」
智絵里「う、うん! そうなんだっ。わたしも暖かい季節は、たまに日向ぼっこしながらお昼寝するんだけど、とっても気持ちいいよ!」
杏「ふむ……それは興味深い」
智絵里「最初は、葉っぱが肌に触れるのがちょっぴりくすぐったいけど……そよ風と、ぽかぽかのお日様の中で目を閉じると、すごくリラックスできるんだ」
かな子「へぇ……そうなんだぁ。今度私も、試してみようかな?」
杏「お昼寝キャラは杏の専売特許なんだけどなー」
智絵里「ふふっ。せっかくだから、三人で一緒にお昼寝しちゃいますか?」
かな子「いわゆる川の字になって、ってことだね」
杏「キャンディアイランドがキャンディリバーになるね」
智絵里「飴の川、かぁ」
杏「めっちゃどろどろしてそう」
かな子「泳ぎにくそうだね」
智絵里「かな子ちゃん、水泳得意なの?」
かな子「え? うーん……他の運動よりは、できるほうだと思うけど」
杏「さすが、キャンディアイランドのセクシー担当」
かな子「えぇっ!? せ、セクシーがどう関係あるの!?」
杏「水泳といえば水着、水着といえばセクシーじゃん?」
智絵里「確かに……!」
かな子「確かに、じゃないよ智絵里ちゃん~!」
杏「だから、セクシーといえばかな子ちゃんなんだよ。たぶん」ドヤァ
智絵里「かな子ちゃんといえば、セクシーっていうことだね!」フンス
かな子「もう、やめてったらぁ! ほら、私といえば、お菓子とかスイーツとかがあるでしょ?」
杏「……ま、実際そっちの方が先に浮かぶよね」
智絵里「スイーツアイドルといえば、かな子ちゃんの右に出る人はいませんからねっ」
かな子「うっ……そこまで言われちゃうと、少し恥ずかしいっていうか……」
杏「よっ、スイーツ界の女神!」
かな子「ま、待って! 女神はいくらなんでも盛りすぎだと思うな!」
智絵里「じゃあ、スイーツ界のお姫様、とか……?」
杏「それなら、スイーツ界の女王なんてのも」
智絵里「あっ! スイーツ界の天使とか、どうでしょう」
杏「天使はどっちかっていうと智絵里ちゃんっぽい」
かな子「……あの……二人とも、そろそろ私の話題から離れない……?」
杏「そう? せっかく盛り上がってきたところなのに」
智絵里「こんな風なあだ名……というか、二つ名って、格好良いですよね」
杏「うちにも、何人かもういるけどね」
杏「カリスマギャルとか、傷ついた悪姫とか」
かな子「蘭子ちゃんのは二つ名というか、単なる自称なんじゃ……?」
智絵里「傷ついたっていうのは、どこか怪我をしてるのかな? それとも、何か悲しいことがあって、心が傷ついているのかな?」
杏「……さぁ? そのへんの詳しい設定は、本人に聞いてみないと……」
かな子「蘭子ちゃん、よくスケッチブックにいろいろ描いてるんだよね。いつもの難しい言葉とか、衣装のデザインとか」
杏「グリモワール、だっけ? 頑なに見せてくれないけどね」
かな子「だよね。恥ずかしがることないのになぁ」
智絵里「で、でも、絵とか描いてる途中のものを人に見せるのって、なんだか恥ずかしくないですか……?」
杏「杏は、別にどうも思わないかな」
かな子「私、ケーキを作ってる過程の様子とか、たまに写真に撮ってSNSに載せたりしてるよ」
智絵里「そうなんだ……わたしだけなのかな……?」
杏「いや、かな子ちゃんのは若干方向性が違う気がするけど……」
智絵里「そういえばかな子ちゃん、今日は何も作ってきてないんだね」
かな子「うん。昨日、家に帰るのが遅くなっちゃったから……ごめんね」
智絵里「そんな、謝らなくてもいいよ! 逆に、普段おいしいお菓子を貰っちゃって、こっちがお礼を言わなきゃいけないぐらいだよ」
杏「なんたって、アイドルの手作りを毎度タダで食べてるわけだからねー。ファンなら垂涎モノだよ」
智絵里「……あれ? でも、昨日ってレッスンが終わって、三人一緒に事務所を出たよね? そんなに遅い時間じゃなかったような……?」
かな子「それは……」
杏「……ははーん。杏、分かったよ。これを買いに行ってたんでしょ」チョンチョン
智絵里「あっ。そのリボンの形の髪飾り……わたしも、初めて見るなぁって気にはなってたんだけど」
かな子「あはっ。そうなんだ! 実は、あのあと帰り道で、偶然ラブライカの二人に会って」
かな子「今からショッピングに行くんだけど、よかったら一緒にどう? って誘ってくれたから、ご一緒させてもらったんだ」
杏「はー、相変わらず仲良いね、あの二人は」
かな子「だよね~! 私が混ざっちゃっていいのかなって、ちょっと考えちゃった」
かな子「それでね、三人で入ったアクセサリーショップで、アーニャちゃんが選んでくれたの」
杏「黄色いドット柄のリボンかぁ……うん、いいんじゃない? 似合ってるよ」
智絵里「わ、わたしもそう思いますっ!」コクコク
かな子「本当? うふふ、よかったぁ。アーニャちゃんも喜ぶよ! 今度の撮影の時に、着けていっちゃおうかなぁ……♪」
智絵里「それじゃあ、逆にかな子ちゃんが、アーニャちゃんや美波さんにアクセサリーを選んだり、したの?」
かな子「えっ? ……それが、私のセンスじゃ、ちょっと心許ないかなぁって思って……二人ともお洒落だから」
かな子「だから代わりに、私オススメのパフェが美味しい喫茶店に、三人で行ってきたんだ。……えへへ」
杏「あらら。そこはやっぱりブレないね、かな子ちゃん」
智絵里「さすが、スイーツの女神……」
かな子「ち、智絵里ちゃんっ! もう、その流れは禁止だよっ!」プンスコ
智絵里「あわわっ、ごめんなさい、つい……」
杏「しかし、レッスン終わりに友達とショッピング行って、おまけに喫茶店でパフェ、かぁ……」
杏「なんというか、すごいリア充してるよねー」
かな子「あはは……そう、なるのかな?」
杏「なるなる。ホント、引きこもり体質の杏とは正反対だ」
智絵里「でも、杏ちゃんも結構、わたしたちと一緒に買い物とか、お茶とかしてるような……」
杏「……うん、そうなんだよ」
杏「だから今、アイドルになる前の私じゃ想像もしてなかった状況になってるわけで……なんか違和感っていうか、さ」
かな子「杏ちゃん……」
智絵里「わたしも、杏ちゃんの気持ち、わかるな……。プロダクションに入って、アイドル仲間がたくさん出来て……わたし、引っ込み思案だから、それまで学校じゃ、あんまりお友達は多いほうじゃなかったし……」
杏「でしょー? 杏も知っての通りマイペースな性格だからさ。正直あんまり人付き合いとかに積極的じゃなくて」
智絵里「うん」
杏「……けど、こうやってかな子ちゃんや智絵里ちゃん、きらりや他の皆ともつるむようになってさ。今じゃまぁ、こーゆーのも案外いいなって思うようになったけど」
かな子「本当!? よかったぁ……! ひょっとしたら私、杏ちゃんの迷惑になってるのかなって、心配しちゃったよ~!」
杏「迷惑だなんて、とんでもない。 杏、これからも二人におんぶに抱っこで甘やかされながら、アイドルやっていくつもりだし?」ドヤァ
智絵里「ふふっ。……じゃあ、わたしもユニットでは最年少だし、杏ちゃんに思いっきり甘えちゃいますっ!」ギュー
杏「わ、びっくりした。近いよ智絵里ちゃん」
かな子「もう、二人ともしょうがないんだから」クスクス
かな子「だったら私も、困った時は二人に甘えちゃおうかな♪」ギュー
杏「ぐえぇ。か、かな子ちゃんまで……!」
智絵里「わぁ! なんだか、あったかいね」
かな子「私たちだって、美波さんとアーニャちゃんに負けないぐらい、仲良しだもん! ねー♪」
智絵里「ねー♪」
杏「ちょっと、何なのさこのノリ……」
杏「これじゃ、川の字じゃなくてただの……ただの……」
かな子「うふふっ」ギュー
智絵里「えへへ……」ギュー
杏「……いや本当、何だこれ」
杏「だーっ、おーもーいー。離れろーぉ」ジタバタ
かな子「」ピク
杏「……あ、今のはそういうニュアンスじゃ無いよ、かな子ちゃん」
杏「言うなれば、愛が重い、みたいな」
智絵里「重い、想い……なんちゃって」クスッ
かな子「……智絵里ちゃん、今のちょっと、楓さんっぽいね」
智絵里「ふぇっ!? こ、声に出てましたか……!?」
杏「うん、ばっちり」
智絵里「うぅ……油断したなぁ」
杏「……楓さんといえば、結構前の話になるんだけど、ロビーで楓さんと一緒になったことがあって」
杏「あの人、私達の『なんでやねん!』のくだりを知っててくれたみたいでさ」
杏「『お仕事で共演するときは、私、頑張ってボケるから、是非突っ込んでくださいね?』って笑顔で言われたんだけど……」
かな子「う、うわぁ……」
智絵里「す、凄いこと頼まれちゃったね……」
杏「ねー……とりあえず私はボケ担当だから、きっと残りの二人がビシッと突っ込んでくれますよって、伝えておいたけど」
かな子・智絵里「ええっ!?」ガバッ
智絵里「ど、どうしようかな子ちゃん! わたしたちに、そんな大役できるのかな……?」
ガチャ
卯月「おはようございますっ!」
かな子「えっと……れ、練習とか、しておいたほうがいいかな?」
智絵里「そうだね……楓さんを叩くのなら、それくらい必要かも……!」
卯月「た、叩く!? 楓さんをですか!? 二人とも、どうしちゃったんですか!?」
おわり
お付き合いありがとうございました。
前回
キャンディアイランドの終始毒にも薬にもならないおしゃべり
も、よろしければどうぞ。
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