男「新たな生活を始めるのは少々不安ですが、なんとかやっていきますよ」
『そうですか。体調にしっかり気を付けてください』
男「はい。改めて、資金面での支援について、ありがとうございました」
『問題ありません。これで貸し借りはなしということにしてください』
男「はい。では……」
男「……さて、荷物の整頓をするか」
男「……」ピンポーン
男「……」
「はい、どちらさま?」
男「あ、朝早くからすみません。私、向かいに引っ越してきました男です」
男「引っ越しの挨拶をと思い、アスモさんのお宅にお伺いさせていただいた所存です」
「ああ、それはどうもご丁寧に……夜から起きてるから大丈夫だけど」
男「こちらは心ばかりの品でございますが、よろしければお受け取りください」
「これはまたどうも……あ、これって人間界限定のチョコレート菓子じゃん!」
男「ご存知でしたか、喜んでいただけるなら嬉しいです」
「君、男って言ったっけ」
男「え?……はい、そうです」
「私はヴィスティ・ニール・アスモ。ヴィスティでいいよ」
男「……よろしくお願いします、ヴィスティさん」
ヴィスティ「うん、よろしくー」
男「では、また他のお宅にご挨拶に行きますので、これにて失礼します」
ヴィスティ「ん、またね」
男「それではまた……」
男(彼女、あんなに簡単に人を信用していいのだろうか……?)
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