善子「私と悪魔のブルーズ」(60)

書き溜めはないのでごゆるりと
無茶苦茶設定があります

#1『Crossroad Blues』

私達Aqoursは三年生が卒業して解散していて...それでもみんな音楽が好きだから時々音楽室に集まってはリリーや千歌さんの歌を聞いたりしていた。

善子「二人ともさすがに上手くなったわね」

花丸「失礼ずらよ」

今日も変わらない日常、その一つに過ぎなかった......

梨子「ごほっ、ごほっ」

千歌「どーしたの!?風邪?」

梨子「最近よくあるの...でも大丈夫よ」

善子「ふうん、風邪ね」

ルビィ「伴奏無くなっちゃうね」

梨子「だ、大丈夫だってば。歌お?」

ポロンポロン...

梨子「ごほっ、ごほっ」

曜「無理しちゃダメだよ!」

梨子「そ、そうね......今日は早引けするわ」

千歌「お大事にね?絶対だよ!」

梨子「何を絶対?」

曜「とにかく安静に、ね?」

梨子「ええ......」

善子「...」



善子「確か...ここに」ガサゴソ

善子「あった!」

善子「埃被ってるけど...使えるわね、このギター」

バンバン

善子「少しは...ましね」

善子「中学2年で衝動買いしたギターだけど...」

善子「Fはよかったけど、Bが押さえられずにやめちゃったのよね」

善子「少しは...弾けるわよね...」



千歌「アハハハハハ!やめてよ善子ちゃん!」

善子「ヨハネよ!」ボローン

花丸「でも下手ずらよ」

善子「むー!」ボローン

梨子「よ、善子ちゃん?もう大丈夫だから。うん、ありがと」

ルビィ「よ、善子ちゃんは頑張ってるよ!」

千歌「そういうルビィちゃんも笑うのすごい我慢してるじゃん!」

ルビィ「うう...」

善子「ヨハネよ!み、見てなさい!弾けるようになってやるから!」ダッ

バン

曜「い、言い過ぎだよ。みんな...フフ」

梨子「ギターかあ...カッコいいなあ」

千歌「弾けたらね?」

梨子「...ごほっ」



善子「むきー!なによ、みんなして!」

善子「しかしさすがに今の腕で伴奏は無理ね...」

善子「上手くなる方法、ないかなあ?」

善子「ちょっと調べてみよ...」カタカタ

善子「...なるたけ早いほうがいいわね」

善子「えーと、『ギター 上達 早い』っと」

善子「ビミョーね...」

善子「し、調べ尽くしてやろうじゃない!」カタカタ



善子「はあ、ろくなサイトがないわね...」

善子「もう11時半...そろそろ来なさいよ!」カタカタ

スッ

善子「あら?このサイト、URL が無いわね...」

カチッ

『Crossroad 』

善子「クロスロード?」

パッ

善子「きゅ、急に画面が暗転...」

『Where are you from?』

善子「ど、どこから?ええと日本...」

善子「これを選択して...」カチッ

パッ

善子「また画面が!」

『夜、一人で十字路へ行き膝を追って演奏する。どんな曲でも構わない。すると後ろから大きな者に話しかけられギターを取られる。調律をしてその者が1曲演奏する。終わればギターが返される』

善子「な、何これ...」

ガッ

善子「も、物は...試しよ...」

善子「ま、間に合うかな」ガチャ

バタン...

プッ

『ようこそ、『ブルーズ』の世界へ...』

タッタッタ...

善子「この交差点でいいかしら...」

善子「人も来なさそうだしちょうどいいわ」

善子「リトルデーモン召喚儀よ!」

ボローンジャラーン



善子「ふう...」キョロキョロ

善子「はあ~やっぱりガセね。もう」

善子「クロスロードなんて知らないわよ!」ボローン

善子「もう!なんか!もっと!面白いこと!ないの!?」ジャラーン

グオッ

善子「...はあ。帰りましょ」

パシッ

善子「え?」

「よお、さっきのなんて曲だ?」

善子「嘘!何!?」

「ちょいちょい!ビビりすぎだぞ!」

善子「だ、誰?」

「あー...俺は...」

『Robert Johnson』

善子「へ、へえ...」

善子(が、外国人?旅行者かしら?)

RJ「それとさ、ギター下手すぎんだろ?」

善子「な!し、失礼ねえ!」

善子「こ、これからよ!これから上手く...」

RJ「あーご託はいいから。あーあチューニングも狂わして...」ガッ

善子「ちょっと!何!?」

RJ「貸せ、ほら」グッ

善子「あ...」

RJ「ふうん、いいギターだな?」ジャラーン

善子「返してよ!旅の人!」

キュイィィン!

善子「へ?」

RJ「I went to the crossroad. Fell down on my knees!」

善子(す...)

ジャラーン!

善子(すごい!!)

RJ「ふう...」

善子「...」

RJ「あん?どした?」

善子「...すごい」

RJ「ふ、そりゃどーも」

善子「...教えて!ギター!」

RJ「は!?いきなり!?」

善子「そ、そのジャンル...えーと何て言うの?」

RJ「今のか?...ブルーズだ」

善子「『ブルーズ』......」

RJ (こいつクロスロードで来たんだよな?)

善子「ほら、教えなさいよ!」

RJ「まてこら!えーと名前は?」

善子「あれ?私?」

善子「ヨハネよ!」

RJ「ヨハネ?お前イタリア人か?」

善子「違うわ!日本人よ」

RJ「日本人?あーサムライ?それぐらいしか知らねえ」

善子(観光じゃないの?)

RJ「それと俺が教えられるのはギターの弾き方だけだ」

善子「どういうこと?ブルーズは?」

RJ「あれは教えられるもんじゃない...」

善子「何それ!教えなさいよ!」

RJ「あのなあ...ブルーズってのはなあ教えられるもんじゃないだよ」

善子「?」

RJ「これはサンの...俺の師匠の受け売りだが...」

RJ「ブルーズは俺の中にも、ええと、ヨハネ?の中にもある」

RJ「それをつかんで...表現するだけだ」

善子「い、意味わかんないんだけど...」

RJ「すぐに...すぐに分かるさ」

RJ「まずてめえはギターの弾き方すらなってねえからな。そこからだ」

善子「むきー!すぐに!教えなさいよ!」

RJ「へいへい...」

ジャラーン

RJ「ちげえ!そうじゃねえ!聞いてたのかタコ!」

善子「ちょ...」

善子(き、厳しすぎるわよ!)



RJ「ふう...お前時間は?」

善子「え?」スッ

5:30am

善子「嘘!?早く帰らなきゃ!」

RJ「あーそういえば...お前、何のためにギター弾くんだ?」

善子「リリーの変わりよ!」

RJ「リリー?」

善子「友達よ!」

善子「あ、ありがとう!旅の人!日本語上手いわね?」

タッタッタ...

RJ「あいつ...英語喋ってなかったのか...」

RJ「友達ねえ...」ニヤ


RJ「お前の絶望(ブルーズ)はこれからだよ、ヨハネ」

#2 Me and Devil Blues

チュンチュン

善子「結局寝れなかったわね...」

善子「昼休みには音楽室で練習しましょ」

ガラ

善子「あら?誰も...いない?」

善子「音楽室に行ってみよ」

タッタッタ

善子「いない...」

善子「もしかして今日休校日!?それなら不幸だわ...」

善子「なら...」ガッ

キュイィィン!

ガッ

ジャラーン!

鞠莉「ん...?」

鞠莉「ミュージックルーム?」ガラ

鞠莉「!?」

善子「あら?鞠莉さん!?アメリカの大学に...」

鞠莉「な、何で!?」ガッ

バタン

善子「ええ?行ったわね...」

善子「どうしたのかしら...」

ドタドタ...

善子「...騒がしいわね...?」

バアン!

ルビィ「善子ちゃん!?」

善子「ヨハネよ!」

花丸「善子ちゃん!何してたずら!?」

善子「はあ?」

善子母「善子!」

善子「お母さん!?どうしてここに...」

パアン!

善子「...へ?」ヒリヒリ

善子「あんたどこにいたのよ!?」

善子「どういう...」

ルビィ「ルビィ達探し回ったんだよ?それで...」

善子母「今は私が話しています!!」

ルビィ「!...ごめんなさい」

バタバタ

曜「ホントにいた...」

善子「みんな揃って何よ?卒業生まで...」

善子母「この半年...私達はあなたを探し回りました...」

善子「は?半年...?」

善子母「どこかで事故に遭ったんじゃないか...夜どこかで暴漢に遭ったんじゃないか...」

善子母「探し...回ったのよ?」ポロポロ...

善子「な、何いってんのよ!私は昨日夜に少しだけ十字路にいただけよ!」

善子「確かに...帰る時間は遅くなったけど、半年なんて...」

ガッ

善子「ちょっと!果南さん!?」

果南「外を見なよ...」

ダイヤ「果南さん!乱暴は!」

果南「今はもう9月...」

善子「え...」

果南「世間じゃ秋って言うんだよ?」

善子「そんな...何で...」

千歌「...何ではこっちのセリフだよ...」

善子「ち、千歌さん...?」

千歌「何で!梨子ちゃんの墓にも行かなかったの!?」

善子「は、墓...」

千歌「梨子ちゃん...死んじゃったよ。肺の何かで...善子ちゃんはそんなのも知らんぷりだったなんて!」

善子「リリーが...死んだ?」

善子母「...親として...言ってはいけないのでしょうけど...」

善子母「何であなたじゃなく...梨子さんが死んだんでしょうね...?」

善子「お...母さん?」

ダッ

善子「お母さん!」

花丸「流しのアーティスト気取りだったの?」

善子「違っ!私はリリーのために...」

花丸「こんな子を...本気で心配しちゃった...丸はいけない子ずら」

善子「ちょっと...何言って...」

花丸「もう2度と顔見せないで!!」



善子「どういうことなの...?」

善子「曜さんからの地図は...」

善子「墓地...か...」

ザクザク...

善子「ここね...」

『桜内家の墓』

善子「リリー...」

RJ「調子は?」

善子「!?あんたは!」

RJ「代償だからな。これがブルーズだ」

善子「何...いってんのよ!」ガッ

善子「あんた、私とリリーに何したわけ!?」

RJ「掴むなよ。お前はブルーズを知りたがった。だから教えた」

善子「半年って何!?どうなってんの!?」

RJ「んー...ちょっとお前。ブルーズ弾いてみろ」

善子「何言って...」

RJ「いいから。ほれ」スッ

善子「...ふん!」チャッ

キュイィィン!

ジャッ!ガッ!

RJ「まだ気付かないのか?」

善子「は?」

RJ「お前、いつから...」

RJ「そんなにギター上手くなったんだ?」

善子「え......?」

RJ「ギターっつうのは...」

RJ「五時間ぽっちで上手く弾けんのか?」

善子「あ...あ...」

RJ「そういうこった。つまり...」


RJ「俺がクロスロードで降りてきた悪魔だってわけだ」

善子「クロス...ロード...」

RJ「俺は悪魔だ。今になっちゃあな。だから教えるには代償がいる」

善子「リリー...」

RJ「そうだ。お前はあの時何のためにギターをひくかという問いにリリーと答えた」

RJ「ブルーズってのはなあ...大事なものをなくし、悲しみの淵に立たされたものしか歌えない。いわば救いの叫びだ」

RJ「お前が大事だった親友はいない。これがブルーズを知るってことだ」

善子「や...止めてよ...嘘だと...」

RJ「逃げるな」

善子「...」

『善子ちゃんみたいにカッコよくなりたいなあ』

『善子ちゃんと同じユニット!頑張っていこうね!』

『ありがとう、善子ちゃん...』

善子「り、リリー...」フラッ

バタン

RJ「うおっと!?ヨハネ、何も倒れるこたあねえだろうが...」



善子「...ここは...?」

RJ「気付いたか...」

善子「!まだいるの!?」

RJ「俺はお前が死ぬまで離れられない。今までもそうだった」

善子「...悪魔」

RJ「そうさ?俺は悪魔だ」

善子「...どうすりゃ良いのよ...」

RJ「捨てろ」

善子「は?」

RJ「全てを捨てて、ここを去るぞ」

善子「何言ってんのよ!そんなこと...」

RJ「しなきゃならない。お前はもうブルーズマンだからだ」

善子「...なら」

善子「...質問があるわ、悪魔」

RJ「悪魔だが悪魔って呼ぶのはやめろ。ロバートかRJで呼べ」

善子「...ロバート。私以外でクロスロードの儀をしたのは過去にいたの?」

RJ「ああ。死ぬほどいたぜ?大体の奴は俺らが出てこずにのたれ死んだがな」

善子「!?」

RJ「クロスロードは覚悟を持ったやつの物だ。失敗は死だ」

RJ「お前は運良く俺と組めた。ありがたいと思え」

善子「ちょっと待って。あなたさっき俺らって言ったわね?つまり悪魔は複数?」

RJ「...ゆくゆく会えるさ」サッ

善子「ちょっと待って!置いてかないで!」タッタッタ


RJ「他の悪魔ねえ...『ウィリー』は元気にしてんのかね...?」

#3 Walking Blues

善子「それで?どこに行くの?」

RJ「は?んなもんしるか」

善子「ちょっと!無責任でしょ!」

RJ「決められて行くもんでもねえよ」

善子「...じゃあ、まずは東京にでもいくかしらね」

RJ「どっちだ?」

善子「東よ」

RJ「ふーん...」

善子「じゃあ携帯...も時間の問題ね...」

RJ「なんだそりゃ?」

善子「スマートフォンってやつよ...」

善子「そういえばさ?あなたって実在?」

RJ「ああ?当たり前だろ」

善子「ふーん...」ポチポチ

RJ「何してんだ?」

善子「ちょっと、ね」

善子「あった。ロバートジョンソン...」

RJ「あら?俺って有名人?」

善子「みたいね...『ロバートリロイジョンソンは1911年生まれで1938年死んだ伝説的ブルーズマン』」

RJ「なんか照れるな...」

善子「あんた27歳でしんでんのね...若いわね」

RJ「くっくっく...」

善子「どうしたの?」

RJ「いいや、なんでも。それより俺の事はいいから早く行こうぜ。その...トーキョーとやらに」

善子「分かったわよ...」



善子「さすがに...疲れた...」

RJ「まだ3時間しか歩いてねえぞ?」

善子「3時間も!よ!」ドカッ

善子「ふー石があってよかったわ...」

RJ「おい、こういうときこそ、だろ?」

善子「ん?あー...そうね!」

ガチャ

キュイキュイ...

ジャラーン!

キュイィィン!ガッ!

善子「I woke up this morning, feeling round for my shoes!」

RJ「良いね~...」

善子「ふー...」

RJ「上等だな」

善子「ありがと。ってこのために私はリリーを...」

RJ「それ以上言うな。いいな?」

善子「うん...」

RJ「今ここは?」

善子「えーと、伊豆半島のうえ...まだまだ先ね...」

RJ「へえ...夜は野犬が出るからな、気を付けろよ」

善子「いつの時代よ...」

善子「でも確かにどこで寝ようかしら?」

RJ「野宿に決まってんだろ?」

善子「イヤよ!?考えられないわ!」

RJ「はあ...ならあそこに光があるぜ?」

善子「こんなど田舎に民家!?ありがたいけど...」

RJ「決まりだな」

善子「そうね、イイ人であることを祈るわ」ザッ

RJ「そうだな」

『現在のニュースです。静岡県静岡市において...』

ザクザク...

善子「結構山道ね...」

RJ(裸の...足跡?)

善子「ふう!着いた!」

RJ「さっそく呼べよ」

善子「意外としっかりとした家ね...」

ピンポーン...

善子「...いないのかしら」

ガチャ

男「はい?どちら」

善子(わ!意外とカッコいい...)

RJ (...)

善子「す、すいません。今日1日泊めてくれると嬉しいんですが...」

男「はあ...あっ!少しお待ちを...」パタン

善子「あっ...」

善子「まあ、普通の人だったわね」

RJ「ほーん...」

ガチャ

男「すいません!どうぞ!」

善子「え?いいんですか?」

男「ええ!もちろんですよ...」

善子「やった!」

男「ギターですか、それ?持ちますよ?」

善子「ありがとうございます!...あれ?右手に怪我が」

男「ああ大した事はないですよ、どうぞ」

善子「お邪魔します!」

RJ(日本人ってのは家にはいんのに靴脱ぐのか...)

RJ(他の...靴は?)

善子「段ボール多いですね?引っ越しですか?」

男「へ?ああ...明日にはね」

善子「そんな忙しそうなのに良かったんですか?」

男「ああ!大丈夫です!」

善子「ありがとうございます」

男「いいんですよ...」

RJ(あんな派手な花柄のスリッパ良くはけんな...)

男「すいません、私は2階で作業がありますからここで休んでいてください」

善子「はい!大変そうなのに申し訳ありません...」

男「いえいえ...」タッタッタ

RJ「おい、ギターのチューニング直しとけよ?」

善子「ああそうね...」

ボーン

善子「イイ人そうで良かったわ」

RJ「イイ人、ねえ...」

善子「ほら、またギター教えてよ!」

RJ「その前にほれ」ヒョイ

善子「何これ?」

RJ「サムピックってやつだ。良く考えればスライドバーを渡してたのにサムピックがないとなって」

善子「ふーん、ブルーズに必要なの?」

RJ「いや...手でもいいが俺に必要だ」

善子「良く意味わかんないけどもらっとくわ...」

RJ「じゃあリリーにブルーズでもあげてやれ」

善子「え?」

RJ「お前にブルーズを教えてくれたのはそいつだぜ?」

善子「...そうよね」

善子(リリーからしたら私が悪魔だものね...)

善子「...」スッ

キュイィィン!

善子「Oh, why did you leave me alone!」

善子「Mmm.I got a summer time lily blues!」

RJ(こいつ...もうここまでブルーズを...)

善子「Mmm, where are you now. Baby!」ポロポロ...

RJ「すごく...いいぜ?ヨハネ」

男「ど、どうしました!?」

善子「あ...ごめんなさい」

男「...何か辛い事でもありました?」

善子「いいえ、大丈夫です」

男「...お風呂入ります?」

善子「え?」

男「そこでしっかり泣いたら大丈夫です!」ニコッ

善子「あ、ありがとう...ございます」ポロポロ



サーッ

善子「はあ...リリー...」

RJ「くよくよすんな。お前が望んだことだ...」

善子「ドアにいるのね...そうね私のせいね」

RJ「ああ...」

善子(リンスは...これね)

善子(うわ!椿のプレミアムリンス!やったね)

RJ「さてと...」

スッ

RJ (おっと...やっぱりか)

『静岡県でおきた婦女強姦殺人の犯人は現在も行方が...』

男「...くそっ」

ガチャ

善子「ふー...ありがとうございました...?」

『犯人は赤井玉雄、37歳で...』

善子「え?...え?」

男「...ちぃぃ!」スッ

ガッ

善子「キャアッ!?」バン

男「悪いな...死んでもらうぜ?」

善子「ちょっと!?むぐう...RJ...」

RJ「これもまたブルーズ...ってか」

男「いい顔してますねえ!ヤらせろよ!」スッ

善子「あっ...やぁ...ん!?」ゴソゴソ

男「中々可愛いなあ、嬢ちゃんいくつよ?」ゴソゴソ

善子「ああ!やん!」ブンブン

男「答えろよ!おら!」

RJ「気付くべきだったなあ!靴がない玄関に花柄のスリッパ。段ボールだらけの部屋もだし山道の裸足の足跡もな」

善子「!?」

男「ほら、いい声で泣けよ!なあ?」ゴソゴソ

男「ほうら...入れるぞ?」ゴソゴソ

善子「やあ!!RJ!!」

男「はあ?誰に向かっていってんだ?」

RJ「チッ、しゃあねーな...」

RJ 「サムピックをしっかり握れ!!そしてクロスロードと叫べ!!」

善子「!?」

男「はあはあ...いくぜ!?」ボロン

グッ

善子「クロスロード!!」

ブン

男「お前...何言って...?」

バキィ

RJ「おー生身は久々だな...」


RJ「テメエはヨハネのブルーズを奪う資格はねえんだよ」

#4 When You Got a Good Friend

男「いってえ!」ガシャ

RJ「走れ!善子!」

善子「う、うん!」ダッ

男「だ、誰だ!?お前なんかいなかっただろ!?」

バキィ

RJ「うるせえ、クソヤロウ」

RJ「善子を追おう」ダッ

男「ぐう...くそっ、逃がすか!?」

善子「はあっ!もうっ最悪!」

RJ「大丈夫か?」

善子「ロバート...どういうこと!説明しなさい!?」

RJ「バカか!今は逃げるぞ!」

善子「ふうっ!ふうっ!」ポチポチ

プルルルル...

善子「かかった!」

男「待て!メスガキ!」

善子「もうきた!?」

『こちら警察です』

善子「!すいません、今追われてて、殺人鬼です!」

『え!?現住所は!?」

善子「え!?えーと、伊豆半島の上あたりよ!」

『近くに目印かなにかは?』

男「くそっ!殺してやる!」

善子「ああ!もうダメ!」

ブチッ

RJ「このままじゃ埒空かねえぞ!」

善子「分かってるわよ!」

男「貴様、待て!」

RJ「仕方ねえ!山に入れ!」

善子「くっ!」キュッ

ダッダッダッ

ガサガサ

善子「うわっ見えない!」

RJ「真っ直ぐ進め!」

男「くそっ!山に入ろうが無駄だぞ!」

善子「ふうっふうっ」

男「どこだ!?待て!」

RJ「そこの穴に飛び込め!」

善子「はあっ!えい!」ダッ

ドサッ

善子「はあっ!はあっ!」

RJ「静かに!」

ザッザッ

男「くそっ!どこだ!?」

男「出てきやがれ!」

善子(早く行ってよ...!)

男「ふうっ、畜生!」ダッ

ザッザッ

善子「...行った?」

RJ「俺が見てこよう」

善子「え?」

RJ「お前はそこでじっとしとけ」

ザッ

RJ(チイッ、まだ遠くに行ってねえな)

男「くそっ、くそっ!」

男「どこに消えやがった?」ガサガサ

男「おっと、こっちは崖か...」

男「つまりはめられたか?」

RJ「まずっ!」ダッ

男「まだ山道の近くのはずだ!」

ダッダッダッ

RJ「善子!」

RJ「な、なんでいねえんだ!?」

善子「やっぱりギター取らなきゃ...」

ガサガサ

善子「ひっ!早く行かなきゃ!」ダッ

RJ「ヨハネ!!」ザッ

善子「!ロバート...」

ザッ

男「よお...やっとみつけたぜえ!」ダッ

善子「逃げなきゃ!」ダッ

男「坂道を登って行くってのはどんな気分だあ?」ダッ

善子「くぅぁ!」

男「あと少し!」

善子「くっ...」

RJ「くそっ!」ブン

ガッ

RJ「当たったな...木の棒」

男「だ、誰だ!?」ブン

善子「今!」ダッ

男「あ!」

善子「開いて!」スッ

ガチャ

バン

カチャン

善子「これで時間が稼げる...」

善子「ギター!」ダッ

善子「あった!」

バンバンバン

善子「ひっ!?」

善子「何とかしなきゃ...」

男「くそっ、あいつ鍵閉めやがったな!」

善子「ここは給湯システムじゃなかったのね...」

善子「ここもどうせあいつの家じゃないでしょうね」

ゴソゴソ

善子「ゴミ...袋...」

ガサガサ

ゴトッ

善子「キャアアア!?手!?」

男「気付きやがった!?まだ開かねえのか!」バンバン

善子「ひっ...」

善子(殺される...殺らなきゃ...死ぬ!)

ダッ

善子(給湯じゃないということは...)

善子「あった!灯油」

善子(後は火を!)

バキィ

男「やっと...開きやがった...!」

男「奴は...殺す!」

善子「!?」

善子(開けたのね!でもこっちは火も見つけた!このライターで...)

男「2階か?」スッ

善子「...えいっ!」クルッ

ジャバア!

男「ぐあっ!?何だこれは!?」

シボッ

善子「...死になさい!」ヒュッ

ボォオオオ

男「ギャアアアアア!?」バンバン

善子「早く逃げなきゃ!」ダッ

善子(飛び降りても死にはしないでしょ!)

スッ

ドサッ

善子「いった~!」

RJ「お前も無茶するねえ...」

善子「ロバート!」

RJ「ついてこい!」ダッ

善子「うん!」ダッ

男「に、逃がすかぁぁああああ!」ダッ

善子「ひっ!」

RJ「気にするな!走れ!」

男「ぬおおおおお!」

キラッ

RJ「!?」

RJ「横に避けろ!」スッ

善子「へ!?」

善子「くっ!」スッ

男「あああああああああ!」ダッ

バン

男「!?」

『警察だ!赤井玉雄!婦女強姦殺人の容疑で逮捕する!』

男「な!?」

『こいつ、燃えてるぞ!?』

『そのまま取り押さえろ!』

男「くっ、くっそ!」ダッ

ガッ

『確保!手錠!』

男「くっ、離せええええええ!!!」



善子「...はあ」

RJ「山の上で吸うタバコってのはうめえなあ...」

善子「なんで警察から逃げたの?」

RJ「てめえ、自分がなにしたのか覚えてるだろ?」

善子「う、うん...」

RJ「はあ...タバコ、いるか?」

善子「ヨハネは未成年よ?」

RJ「殺人未遂よりは軽いけど?」

善子「ふう...それもそうね...」スッ

シボッ

ハァアアア

善子「ロバート...あんた良いやつね。さすが私のデビルだわ」

RJ「そりゃどーも...」


善子「これも...ブルーズ?」

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