遊馬「カイト!」 カイト「^_^」 (382)

遊馬「久しぶりだな。元気してたか?」

カイト「^_^」

遊馬「何か学校通ってるって聞いてさ…楽しいか?」

カイト「^_^」

小鳥「ねえ遊馬」

遊馬「ん?」

小鳥「何か様子が変よ…ずっと笑ってるっていうか笑顔が張り付いてるっていうか」

遊馬「そうか?」

カイト「^_^」

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カイト「^_^」

遊馬「シャーク!こっちこっち!」

シャーク「カイトが何だって?俺は忙しいんだからよ」

璃緒「家でゴロゴロしてた癖に」

カイト「^_^」

シャーク「な、何だこいつ…」

小鳥「変でしょ?」

カイト「^_^」

シャーク「普段笑わねえから何かの反動でニヤニヤしてるだけじゃねえのか?」

小鳥「そうだとしてもカイトが笑う事ってあると思う?」

カイト「^_^」

小鳥「こんな風に」

カイト「^_^」

シャーク「気味が悪いからジロジロ見るなよ」

遊馬「でも楽しそうだからいいと俺は思うぜ」

カイト「^_^」

シャーク「…」

カイト「^_^」

シャーク「な、何だよ」

小鳥「シャークが怖がってるね」

璃緒「学校で友達がいっぱい出来たとか」

シャーク「天城カイトがダチが出来たからって喜ぶタマか?お前はカイトって野郎を知らなすぎるぜ」

璃緒「自分は何でも知ってるって言い方ね」

シャーク「とりあえず病院連れてこうぜ」

遊馬「病院?」

カイト「^_^」

シャーク「こりゃ何かの病気だ。間違いねえ」

カイト「^_^」

シャーク「カイト!行くぞ!!」

カイト「^_^」

バシッ

シャーク「反抗するってのか?てめえは病気なんだよ!」

遊馬「まだ病気って決まったわけじゃねえぞ!」

小鳥「そうだよ!」

シャーク「病気じゃねえか!」

璃緒「笑ってるだけだし…放っておいても」

シャーク「こういうのはな!同じようなタイプが増えるって相場が決まってんだよ!」

遊馬「ゾンビじゃねえんだから」

カイト「^_^」

シャーク「いいや…嫌な予感がするぜ。俺は勘がいいからよ」

カイト「^_^」

カイト「^_^」

ピピピ

小鳥「何かカイトの髪型の先端が」

璃緒「光ったわね」

ザッザッザ

ザッザッザッ

ザッザッザッ

遊馬「何だこいつら!?」

「^_^」

「^_^」

「^_^」

シャーク「な?同じような奴らが居ただろ」

遊馬「人数多すぎじゃね?どうするシャーク」

シャーク「逃げるんだよ!」

カイト「^_^」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ド

遊馬「シャーク!」

シャーク「璃緒!ドルべ達は!?」

璃緒「ドルべならインフルエンザで寝込んでるわよ」

シャーク「他の奴らは!?」

璃緒「遊びに行っちゃったわよ!」

シャーク「何で七皇は纏まりがねえんだよ!」

小鳥「Ⅲ達は!?」

遊馬「実家に帰ったらしいぜ」

小鳥「どうするの!?」

シャーク「どうするもこうするもねえ!」

遊馬「デュエルで決めるしかねえ!」

遊馬「久しぶりにタッグだぜ!」

シャーク「おうよ!」

「デュエルは逆効果だ!」

遊馬「誰だ!?」

「デュエルをすれば笑顔に染められた彼らを更にパワーアップしてしまう!」

遊馬「じゃあ何をすれば!」

「リアルだ」

遊馬「リアル!?」

「彼らを操っているカイトをリアルファイトで倒せば呪縛は解ける…かもしれない」

遊馬「かもしれないって!」

「^_^」

「^_^」

「スマイル中毒者が2人…来るぞ遊馬!」

遊馬「くっ…かっとビングだ!!!」

小鳥「誰なの!?」

シャーク「わからねえ…けどよ」

「右から2人!左へ避けろ!」

遊馬「ああ!」

「三歩進んだら飛ぶんだ!!」

遊馬「わかったぜ!」

璃緒「的確に指示を出してる…もしかして」

小鳥「アストラルが帰って来たの!?」

シャーク「声が違うっつうの」

「カイトの顔面に君のかっとビングパンチを叩き込め!」

カイト「^_^」

遊馬「うおおおおおおおおおおお!!!行くぜカイト!!!」

バキッッッ

カイト「^_^」

遊馬「笑いっぱなしじゃねえか!」

「これは弱ったな…」

遊馬「天の声!何者なんだよ!?」

「天の声というか俺は電柱の影に隠れているだけだが」

璃緒「他の人達は気絶したけど…どうしてカイトだけ」

小鳥「ほら!カイトのデッキが散らかったじゃない!」

シャーク「遊馬!お前も集めろ!」

遊馬「電柱の影!お前も手伝ってくれよ」

「あ、ああ」

小鳥「へえ…カイトってこんなカード入れてるんだ」

『スマイルワールド』

シュゥゥゥ…

小鳥「えぇ…溶けた」

カイト「何だゾロゾロ集まって」

シャーク「てめえのせいだぜ」

小鳥「デッキの枚数あってる?」

カイト「…」

小鳥「あってるよね!?」

カイト「ああ」

小鳥「それなら…いいんだけど」

遊馬「良かったなカイト!」

カイト「何があったんだ?」

遊馬「ニヤニヤしてたんだよ」

カイト「俺が?まさか」

シャーク「」

遊馬「お前は誰なんだ?」

ユート「俺はユートだ」

シャーク「名乗るなら苗字も名乗るのが筋じゃねえか」

ユート「…」

シャーク「おい!」

ユート「…黒咲」

シャーク「!?」

ユート「将来的になるんじゃないかと俺は思っている。婿養子っぽく」

シャーク「そ、そうか…帰るぞ璃緒」

璃緒「帰るの?」

シャーク「ああ…」

遊馬「顔色が悪いぞ?」

シャーク「何でもねえよ…」

カイト「…」

遊馬「どうだ調子は」

カイト「何も変わらん」

小鳥「…」

ユート「さあ彼らを起こそう」

遊馬「しかしカイトの満面の笑みはレアだったぜ」

小鳥「うん!」

カイト「…」

ユート「大丈夫か?」

遊馬「…」

小鳥「気絶した途端に真顔になったわね」

「…」

璃緒「どうしたのよ?急に青ざめて」

シャーク「黒咲か…」

璃緒「知り合い?」

シャーク「俺はデュエリストで1人のツッパリだ」

璃緒「今時ツッパリなんて言わないわよ」

シャーク「少年課の刑事に黒咲隼って名前を知らねえ奴が居たら、そいつはモグリだぜ」

璃緒「まさか喧嘩して負けたとか?凌牙が」

シャーク「ああ…」

璃緒「嘘でしょ?凌牙が喧嘩で負けるなんて」

シャーク「…」

璃緒「それで黒咲って人は?」

シャーク「1年前に派手に暴れて喧嘩相手を5人も病院送りに…そんでパトカー三台丸焼けにして少年院にぶち込まれたぜ…」

璃緒「…」

シャーク「もし遊馬が俺やカイトと同じノリで黒咲に絡んだら殺されるかもな…」

レンジ壊れた

アレン「!」

遊馬「あ、起きたぜ」

アレン「何やってたんだ俺?っつうか変な頭してんな」

遊馬「お前にだけは言われたくねえよ!」

カイト「…」

アレン「カイト!よくもやってくれたな!!」

カイト「何がだ」

アレン「頭から変な光出しやがって…そっから記憶がねえんだぞ!」

遊馬「やっぱカイトが原因なんか?」

ユート「見方によってはカイトだが…カイトにそんな特殊能力はあるのか?」

小鳥「ううん…無いと思うけど」

サヤカ「…」

遊馬「て言うか誰だお前?」

アレン「俺か?」

遊馬「神月?神月っていうのか!」

アレン「ああ」

小鳥「もしかしてアンナって知ってる?バズーカ娘の」

アレン「バズーカのアンナ?ありゃ俺の従兄弟だよ」

小鳥「やっぱりね」

アレン「お前は?」

遊馬「九十九遊馬だぜ!」

アレン「築根優也?築根優也だな!」

遊馬「九十九遊馬だよ」

小鳥「間違え方まで同じなんて、さすが従兄弟」

サヤカ「九十九遊馬ってWDCの優勝者でしょ」

アレン「そうなのか?トロンとかいう野郎だって聞いたぞ」

小鳥「イマイチ優勝者としてパッとしないのよね遊馬って」

遊馬「そうなんだよな…何でだ?」

小鳥「風格じゃない?何か抜けてるのよ」

サヤカ「今日は本当にごめんなさい」

小鳥「ううん!いいのよ別に」

アレン「アンナによろしくな!」

遊馬「ああ!」

ユート「…」

カイト「世話かけたな」

遊馬「全然会わねえから心配してたんだぞ?」

カイト「昔から頻繁に会う間柄じゃないだろ」

遊馬「それもそうか!」

カイト「…最近は平和だな」

遊馬「ああ…もうドン・サウザンドみたいな奴は御免だぜ」

小鳥「もしかして笑顔病もドン・サウザンドだったりして」

遊馬「そんな不吉なこと言うなよ…」

小鳥「ははは…」

ユート「俺は、この辺で」

遊馬「今日は助かったぜユート」

ユート「俺も1人のデュエリストだ。これぐらい当然さ」

遊馬「…」

ユート「どうした?」

遊馬「何か懐かしい感じがしてよ。ユート見てると」

ユート「俺が?」

遊馬「雰囲気が俺の相棒に似てるっつうかさ」

ユート「会ってみたいな。君の相棒に」

小鳥「いつか会えるかもね」

遊馬「じゃあな!」

小鳥「またね!」

ユート「ああ」

翌日

「何か道端で倒れててさ」

「あ、俺も」

「私もなのよ」

「何かクローバー校の生徒が全員だってさ」

「へえ…」

「不思議な事もあるよな」

カイト「…」

ガラッ

遊勝「…」

「起立!」

遊勝「ちょっと待ってくれ」

カイト「…」

遊勝「笑顔が足りないな。カイト」

カイト「…」

カイト「…」

遊勝「どういう事か説明してくれないか?」

カイト「必要か?」

カイト「…」

遊勝「どういう事か説明してくれないか?」

カイト「必要か?」

遊勝「笑顔が無ければ人は生きていけない」

カイト「それはわかる。だが今その笑顔が必要なのか?」

遊勝「勿論さ!」

ポンッ

遊勝「君が来てから君のように笑顔じゃない生徒が増えてね」

カイト「…」

遊勝「だからと言って私は君のような劣等生を見捨てやしないぞ。さあスマイルワールドで君も」

カイト「スマイルワールド?」

遊勝「いや…何でもないよ」

カイト「あんたは胡散臭い。派手な見なりで着飾って…笑顔など笑止千万」

遊勝「君も笑顔の偉大さがわかるさ」

アレン「カイト!」

カイト「お前も高等部の校舎に来るのが好きだな」

アレン「だって有名人だしよカイトって」

サヤカ「うん!」

遊勝「君達もカイトが好きだね」

サヤカ「あ、遊勝先生!」

アレン「おっす!」

カイト「…」

遊勝「今日も楽しそうだね。いい笑顔だ」

サヤカ「はい!」

アレン「俺もさ授業中に屁をこいて笑顔を振りまいちまったぜ」

遊勝「それは笑顔じゃないな」

アレン「え?」

遊勝「笑顔じゃない。全然ダメだ…話にならない」

アレン「じゃあ笑顔ってなんだよ?面白くていいじゃねえか」

遊勝「それは笑われてるだけだぞアレン」

アレン「んなもん関係ねえっつうの」

遊勝「後で君の先生と話さなければならないな」

アレン「何で!?」

遊勝「デュエルスクールに通いながら初心者同然だった君を救ったのは何だ?」

アレン「じゃあ笑顔ってなんだよ?面白くていいじゃねえか」

遊勝「それは笑われてるだけだぞアレン」

アレン「んなもん関係ねえっつうの」

遊勝「後で君の先生と話さなければならないな」

アレン「何で!?」

遊勝「デュエルスクールに通いながら初心者同然だった君を救ったのは何だ?」

アレン「…」

遊勝「それは笑顔じゃなかったか?」

アレン「努力と根性だぜ!」

遊勝「それは違うな」

サヤカ「今度問題起こしたら放校なのよ!大人しく言うこと聞いてよ!!」

アレン「くっ…」

遊勝「笑顔だっただろ?」

アレン「笑顔じゃねえ!俺の実力だぜ!!」

遊勝「…」

遊勝「…」

校長「^_^」

教頭「^_^」

遊勝「神月アレンは我が校の風紀を著しく乱しております」

校長「^_^」

遊勝「私としても彼の更生に尽くしましたが…結果的に笑顔には近づけませんでした」

校長「^_^」

遊勝「この前の校外授業では生徒全員が笑顔でしたが…例のハートランド学園の生徒のお陰で」

校長「^_^」

遊勝「安心してください。この街の住民は全て笑顔にしますので」

校長「^_^」

教頭「^_^」

「^_^」

「^_^」

遊勝「ありがとうございます」

アレン「え!?」

遊勝「残念だが君は放校してもらう事になったよ」

アレン「何で!?」

遊勝「君が笑顔じゃなかったからじゃないか?」

アレン「無茶苦茶だぜ!」

遊勝「残念だよアレン」

サヤカ「何とかならないのですか!?」

遊勝「私も全力を尽くした…しかし」

アレン「上等だよ!」

遊勝「…」

アレン「こんな学校こっちから願い下げだぜ!!」

サヤカ「アレン!」

アレン「人に強要されて笑うぐらいなら俺は笑顔なんていらねえんだよ!!」

遊勝「やれやれ」

サヤカ「待ってよアレン!」

サヤカ「アレンってば」

アレン「…」

サヤカ「逃げちゃダメよ」

アレン「逃げるんじゃねえよ…俺は先公を見返してやるんだ!」

サヤカ「…」

アレン「あの先公は頭がイかれてやがる…お前だって」

サヤカ「…でもデュエルスクールを追い出されたら」

アレン「行き場がねえっていうのか?」

サヤカ「隼だって…派手にやりすぎて公式戦には出られないって」

アレン「大会とか…そんなの関係ねえよ」

サヤカ「でも」

アレン「気の合う奴とデュエルするだけで楽しいだろ?俺はそう思うよ」

サヤカ「アレン…」

アレン「あばよ!」

サヤカ「…」

遊勝「…」

カイト「おい」

遊勝「ん?」

カイト「教師を殴れば俺も退学だろうな」

遊勝「フッ…体当たり教育だな」

カイト「そんな事を聞いてるんじゃない」

遊勝「私は君を後継者だと思ってる…多くの人を笑顔にする素質がある」

カイト「…」

遊勝「笑顔は大切だと思うぞ」

カイト「所詮は催眠術だ。笑顔など到底言える代物ではない」

遊勝「しかし君は笑顔になった。この事実は」

カイト「俺に2度目は無い」

遊勝「さすが私の後継者」

カイト「…」

遊勝「君の活躍を楽しみにしてるよ」

アレン「…」

遊馬「よっ!」

アレン「何だ遊馬か」

遊馬「何やってんだ?」

アレン「学校をクビになってよ」

小鳥「クビ!?」

アレン「まあ仕方ねえよ」

遊馬「何でクビに」

アレン「こいつは俺の問題だぜ…俺のな」

小鳥「私達と同い年でしょ?中学生なんだから義務教育だって」

遊馬「うち来るか?」

アレン「簡単に言いやがるな」

遊馬「手続きすりゃ誰だって入れる学校だしよ」

小鳥「名物のように転校生が来るしね」

遊馬「アレンみたいな癖のある奴だったら大歓迎だぜ!」

アレン「…」

数日後

鉄男「転校生?」

アンナ「俺の従兄弟だぜ」

アリト「アンナの従兄弟?絶対にヤバい野郎だぞ」

Ⅲ「バズーカ持ってるの?」

アンナ「身内だからってバズーカ持ってるわけねえだろ!」

アリト「どんな奴なんだ?」

小鳥「うーん…」

アリト「…」

小鳥「遊馬っぽいかも」

Ⅲ「遊馬っぽいってさ」

アリト「遊馬?遊馬が2人って騒がしいぜ!絶対に騒がしい奴だ!」

ギラグ「お前には負けるだろうよ」

Ⅲ「そういえば遊馬が居ないね」

小鳥「また寝坊よ」

今日はここまで

ギラグが2年で
ミザエルとドルべが3年で
アリトが1年でベクターは…真月の頃と同じで1年なのかな?

遊馬「あれ見ろよ」

アレン「あ、ユート!」

アリト「あれがユートか」

Ⅲ「へえ」

ユート「やあ」

遊馬「どうしたんだお前?こんな所で」

ユート「待ち合わせさ」

アリト「まさかデートか?男前だもんな」

Ⅲ「初対面だって言うのに失礼だよ」

アレン「瑠璃か?」

ユート「まあ…」

遊馬「瑠璃?」

アレン「サヤカのダチでユートのこれよこれ」

遊馬「これ!?」

ユート「ああ」

アリト「これだってさ」

Ⅲ「うーん…そりゃ中学生でも彼女ぐらい居るんじゃないかな?」

アリト「いくつよ?」

ユート「14歳」

アリト「Ⅲより一つ歳上じゃねえか!」

アレン「お前15か?」

Ⅲ「うん」

アレン「けど中1なんだよな…」

Ⅲ「色々とあってね」

アレン「家庭の事情でダブったってわけか…難儀な話だぜ」

Ⅲ「半分あってるよ…それに中学生で留年なんて滅多にないしね」

アレン「ふーん」

アリト「可愛いんだろ?ブスか?」

ユート「初対面なのに馴れ馴れしいな彼は」

遊馬「誰とでも友達になれるタイプなんだぜ?アリトって」

瑠璃「おまたせ」

アリト「何だよ可愛いじゃねえか!」

バシッ

ユート「…」

遊馬「いい奴なんだアリトって」

ユート「ああ…」

瑠璃「黒咲瑠璃よ」

アリト「黒咲?どっかで聞いた名だな」

Ⅲ「ミハエル・アークライトって言います。気軽にⅢって呼んでよ」

瑠璃「Ⅲ?」

アレン「あだ名みたいなもんだってさ」

瑠璃「へえ…」

遊馬「俺は九十九遊馬!」

瑠璃「九十九遊馬?あの優勝者の!?」

遊馬「ああ!」

アリト「良かったじゃねえか、有名人で」

アリト「しっかしカップルなんて初めて見るぜ!なあ!?」

Ⅲ「いやいや居ると思うよ?」

アリト「俺らの周りに居るのか?」

アレン「居るのか?」

遊馬「小鳥情報じゃサチと太一ができてるって噂だぜ?」

アレン「そういう噂ってさアテにならねえって相場が決まってるんだよな」

アリト「そうだぞ」

瑠璃「賑やかな子達ね」

ユート「アレンも元気そうで良かったよ」

アレン「まあハートランド学園のが俺にあってたって事さ」

ユート「かもしれないな」

アレン「隼には話したのか?」

ユート「いや話してないが」

瑠璃「…」

遊馬「隼?」

アレン「瑠璃の兄貴で少年院にぶち込まれてるんだ」

遊馬「少年院か」

アリト「へえ」

ユート「地区が違うからな」

瑠璃「私達の地区じゃ兄さんは…」

アリト「黒咲隼か…ナッシュが何か言ってたな」

遊馬「けどデュエリストなんだろ?」

瑠璃「うん」

ユート「俺と瑠璃の交際を知れば間違いなく殺しに来る」

遊馬「それはオーバーすぎじゃね?」

ユート「いや…」

遊馬「マジなのか?」

アレン「…」

アリト「そうだ!!!」

Ⅲ「な、何!?」

アリト「ナッシュをボコボコにした野郎だってメラグが言ってた奴か!間違いねえよ!!」

遊馬「シャークを!?」

ユート「彼も不良なのか?そんな目付きをしてたが」

瑠璃「もしかして神代凌牙くん?」

遊馬「知ってるのか?」

瑠璃「他人に興味の無い兄さんが珍しく私に話してくれてね」

ユート「あ、あの隼が」

遊馬「ほらボコボコにされたけど相手もボコボコになったってパターンだろ?」

Ⅲ「そうだよ。きっとそうだよ」

アリト「だよな?釣りと喧嘩だけは無敗って豪語してるぐらいなんだから」

アレン「デュエルは?」

アリト「普通より上だってよ」

瑠璃「圧勝したって言ってたけど」

ユート「じゃあ何で君に」

瑠璃「俺が同じ奴に挑まれるのは初めてだ。それも3度も…だって」

遊馬「世の中広いな…そんなヤバそうな奴が居るんだぜ?」

Ⅲ「そりゃ若いんだし…カイト以上の強者だって世界の何処かに居るかもしれないもの」

Ⅲ「ほら、そろそろ行こうよ」

遊馬「何で?」

Ⅲ「デート中っぽいし…ね?」

アレン「じゃあな!」

アリト「これからエッチな事するんだろなぁ…」

アレン「ユートは女にはヘタレだから、それはねえよ」

ユート「紳士と呼んでくれ」

遊馬「保険の授業で言ってた勃起不全ってやつか?」

Ⅲ「はあ…」

ユート「…」

瑠璃「…何処に居ても元気ねアレンは」

ユート「そうだな。気の合いそうな遊馬やアリトという友達にも巡り会えたようだし」

遊馬「もし瑠璃の兄ちゃんが挑んできたらさ!こいつを思い出してくれよ」

ユート「?」

遊馬「かっとビングをな!」

ユート「かっとビング…か」

瑠璃「どういう意味?」

ユート「調べてみよう」

ピッピッピ

瑠璃「…」

ユート「ふむ…」

瑠璃「どうだった?」

ユート「該当無しだ」

瑠璃「じゃあかっとビングって」

ユート「一種のおまじないじゃないか?」

瑠璃「おまじない?」

ユート「俺が思うにどんな困難にでも立ち向かう精神というべきか」

瑠璃「立ち向かう精神…」

ユート「隼の事は俺が必ず何とかするよ」

瑠璃「うん!」

璃緒「瑠璃?」

アリト「えっらい可愛い子でよ。なあ?」

ギラグ「古き良き日本の女って感じだぜ」

璃緒「へえ」

アリト「黒咲瑠璃って名前だってよ」

シャーク「おい」

アリト「ん?」

シャーク「…何でもねえよ」

璃緒「そんなに恐る事は無いんじゃない?そんな1年も前の」

ギラグ「兄貴の方はナッシュの事を覚えてるんだとさ」

シャーク「!」

アリト「けどよナッシュにも怖いものってあるんだな」

シャーク「うるせえ!」

ギラグ「んなに怒る事はねえだろ?人間ってのはみーんな苦手なのが一つや二つあるんだからよ」

アリト「そうだぜナッシュ」

シャーク「…」

ミザエル「その黒咲とかいう奴はドラゴン使いか?」

ドルべ「名前からしてドラゴンではないだろう」

ミザエル「何故だ?」

ドルべ「隼…ハヤブサは大まかに言えば鳥だ」

ミザエル「名前だけで何使いか決まってたまるか」

ドルべ「しかし喧嘩自慢という割りにデュエルの話は聞かないな」

アリト「ただの喧嘩自慢じゃねえの?」

ギラグ「街の不良なんて名前出すだけで怖がるんだぜ?」

ドルべ「私が聞いた話では喧嘩自慢の範疇を超えているんだが…」

ミザエル「人の話なんぞ脚色されているに決まっている。増してや何も考えていない不良共の話など」

ベクター「黒咲隼…間違いなくデュエリストだぜ」

シャーク「いつの間に帰ってたんだ!?」

璃緒「デュエリストなの?」

ベクター「まあな」

ドルべ「しかし私の調べでは」

ベクター「何も世の中は表だけじゃねえだろ?裏もあるんだからよ」

ドルべ「?」

シャーク「その裏ってのは」

ベクター「地下」

シャーク「地下?」

ベクター「黒咲隼は地下デュエル場の王者だ」

ドルべ「地下デュエル場?」

ベクター「おーい入って来いよ!」

ガチャッ

カイト「…」

ミザエル「カイト!」

カイト「地下デュエル場はMr.ハートランドが残した負の遺産ってところだ」

シャーク「あのインチキ眼鏡が?」

カイト「小遣い稼ぎだろう。最も死んだ今でも地下デュエル場でデュエルが行われているとは思わなかったがな」

アリト「でも大将格がぶち込まれてるってんなら誰が仕切ってんだ」

カイト「元が表社会から追い出された連中だ。誰が王者になろうと関係ないのだろう」

シャーク「で?場所は」

カイト「その黒咲隼に聞き出す」

一週間後

黒咲「…」

「あいつが出るのって半年も先じゃ」

「天城カイトが奴の身元を保証するそうだ」

「はあ…それでいいんですか?」

「うちの上司連中がデュエルで負けたんだ。飲むしかあるまいよ」

黒咲「俺の荷物は」

「ほ、ほら」

黒咲「世話になったな」

「2度と帰って来るなよ」

黒咲「それは約束できぬ」

「外に出れば怖がられ中に居ても悪ガキ共からは怖がられ」

「そういう生き方しかできない…不器用な男なんでしょうね」

「世が世なら天下統一してそうな奴だな…」

黒咲「…」

黒咲「…」

カイト「お前か」

黒咲「俺を外に出して何が目的だ?」

カイト「地下デュエル場は何処で開催されている」

黒咲「天下の天城カイトでも知らぬ事があるのか」

カイト「…」

黒咲「まあ俺を自由の身にした恩義がある」

カイト「…」

黒咲「だが貴様に地下の連中とやり合う実力があればの話だがな」

カイト「何?」

黒咲「WDC準決勝…妙なチビに敗北した奴が反則だろうと何だろうと平気でやる地下の連中とやり合えるとは思えぬ」

カイト「…」

黒咲「増してや裕福な坊ちゃん…そんな奴が」

カイト「デュエルで語れば理解できるだろう」

黒咲「フッ」

黒咲・カイト「デュエル!!」

黒咲「先攻は俺から行くぞ、RR-バニシング・レイニアスを召喚!そしてバニシング・レイニアスの効果で手札から2体目のRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!」

黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアス2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!RR-フォース・ストリンクス!!」

黒咲「カードを2枚伏せてターンエンド」

カイト「ドロー!自分フィールドにモンスターが存在しない事で手札からフォトン・スラッシャーを特殊召喚!そしてフォトン・クラッシャーを通常召喚!」

カイト「2体のモンスターをリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

黒咲「罠発動!『RR-ロック・チェーン』相手フィールドにRRモンスターの攻撃翌力より高いモンスターが特殊召喚された時、そのモンスターの表示形式を変更する!」

黒咲「さらに罠発動!『RR-リアクター』自分フィールドのRRモンスターより攻撃翌力の高いモンスターの表示形式が変更した場合、その相手モンスターを破壊し攻撃翌力分のダメージを与える!」

カイト「手札のクリフォトンを墓地へ送りライフを2000払う事でダメージを無効にする!」4000→2000

カイト「カードを1枚伏せターンエンド!」

黒咲「ドロー!『RUM-レイド・フォース』を発動!」

カイト「RUMだと!?」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク5!RR-ブレイズ・ファルコン!!」

カイト「こいつは何者だ?何故RUMを所持している」

黒咲「バトルだ!」

カイト「…」2000→1000

黒咲「ターンエンド」

カイト「ドロー!装備魔法『銀河零式』を発動!墓地の銀河眼の光子竜に装備し特殊召喚!そして自分フィールドにフォトンまたはギャラクシーモンスターが存在する事で手札の銀河騎士をリリース無しで通常召喚!」

カイト「魔法『銀河遠征』を発動!自分フィールドにレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーモンスターが存在する事でデッキから2体目のレベル8の銀河騎士を特殊召喚!」

カイト「レベル8の銀河眼の光子竜と銀河騎士2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク8!超銀河眼の光子龍!!」

ピシッ

カイト「超銀河眼の光子龍のオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手モンスターのオーバーレイ・ユニットを全て吸収!そして吸収した数×500攻撃翌力アップ!」

黒咲「速攻魔法『RUM-スキップ・フォース』を発動!自分フィールドのRRエクシーズモンスターより二つランクの高いRRモンスターを重ねて特殊召喚する!」

カイト「また別のRUMか」

黒咲「ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク7!RR-アーセナル・ファルコン!!」

カイト「攻撃翌力は二つ吸収した事で5500となり2度の攻撃が可能になった…だが」

黒咲「…」

カイト「こいつは何を隠しているのか検討が付かぬ…」

黒咲「ただのボンボンかと思えば目付きが俺に似ている…ククク」

カイト「あの日デュエルを捨てていたら俺はミザエルや隼と出会あう事は無かっただろう…なあ遊馬」

黒咲「さあ!かかって来い!!」

カイト「ここか」

黒咲「うむ」

カイト「…お互いボロボロだが」

黒咲「問題無いだろ」

カイト「フッ」

黒咲「…」

スッ

黒咲「マスター!地下デュエル場を潰しに来たぞ」

カイト「こいつはデュエルの腕はあるが価値観がズレているな」

「^_^」

黒咲「にやけてる場合ではない。久しぶりに俺と会って嬉しいのか」

「^_^」

カイト「こいつは…」

黒咲「何かわかるのか?」

カイト「とりあえず地下へ行くぞ」

黒咲「ここが隠し通路だ」

「^_^」

「^_^」

「^_^」

黒咲「どうなっている」

カイト「これは遊馬の言っていた笑顔病だ」

黒咲「笑顔病?」

カイト「俺やクローバー校の連中も罹った」

黒咲「どいつもこいつも笑いながら寝転んでいるが…こんなものなのか」

遊勝「笑顔は人を救う」

カイト「榊遊勝」

遊勝「第二段階は上手くいったようだ」

カイト「どうにもきな臭い奴だと思ったが…あの時の俺もお前が」

遊勝「あれが第一段階だ。未成年には第二段階はキツいからね…徐々にやるしかないんだよ。悪く思わないでくれ」

黒咲「麻薬でもやったのか?こいつらに」

「^_^」

「^_^」

遊勝「私は売人ではない。ただのエンタメデュエリストさ」

カイト「貴様の目的は何だ」

遊勝「かつて邪神によって傷つけられた世界に笑顔を届けに来た」

黒咲「ただの気狂いだろ」

遊勝「気狂いとは失礼な…だが君の技が必要になる」

黒咲「技?」

遊勝「カイトの力と隼の技が揃えばこの世界を笑顔に染め上げる事が可能だ!!」

カイト「…」

遊勝「私と共に世界を笑顔に導こう…さあ!」

バシッ

カイト「貴様のやり口は俺の知っている外道共以下だ」

遊勝「その外道には君の父親も含まれているのかな」

カイト「貴様…」

シュッ

遊勝「罠発動『衝撃の拘束剣』!!」

黒咲「何だこいつは!?」

遊勝「私が多くの人々に支持されたエンタメデュエルの一部さ」

カイト「…」

黒咲「身動きが取れぬ…」

遊勝「笑顔は人々を救うそれだけはわかってほしい」

カイト「こんなものは麻薬と同じだ」

遊勝「それを言うならかっとビングも同じだと私は思うぞ」

カイト「…」

遊勝「あれは宗教みたいなものだ」

黒咲「そんなもの俺は知らん!」

遊勝「近い将来…この街は笑顔溢れる街へと変貌する」

カイト「そんな事は俺がさせん」

遊勝「いいや君達は笑顔の素晴らしさを知るだろう」

クルッ

遊勝「必ずな」

ボンッ

黒咲「待て!!」

カイト「この屈辱は必ず晴らす…奴のにやけ顏を血に染めてくれる!!」

数日後

瑠璃「家まで貸してくれてありがとうね」

璃緒「ううん家が広いだけは誰にも負けないから」

瑠璃「私は黒咲瑠璃!よろしくね?」

璃緒「神代璃緒よ」

アリト「絵になるな美少女同士は」

ギラグ「そうだなぁ…」

ベクター「どうせ腹ん中じゃ自分が1番可愛いなーんて思ってるだろうぜ」

アリト「何で?」

ベクター「女が2人居れば悪口大会よ。それに自尊心が高いからなぁ~」

ドルべ「それは捻くれすぎだと思うが」

遊馬「ありがとうなシャーク!」

シャーク「璃緒が誰かの誕生日だとか言うからな。仕方ねえから貸してやんよ」

アレン「見た目と違っていい奴だな」

シャーク「で?誰の誕生日だ?お前か?それとも眼鏡の方か」

瑠璃「実は誕生日じゃないのよ…」

シャーク「あ?」

ユート「…」

黒咲「俺の出所祝いとはな」

ユート「ま、まあな」

カイト「…」

ユート「しかし驚いたな。君達が知り合いとは」

カイト「色々とな」

ユート「残り半年の筈と聞いたが…どうして」

カイト「俺が出した」

ユート「!?」

黒咲「そういう事だ」

ユート「そ、そうなのか…」

黒咲「ああ」

ユート「瑠璃に何か聞いているか?」

黒咲「いいや」

カイト「たかが交際程度で」

ユート「シッ!」

カイト「…」

シャーク「冗談じゃねえぞ」

璃緒「仲直りするチャンスじゃない」

シャーク「うるせえ!そう単純な事じゃねえんだよ!!」

遊馬「情けないぞシャーク」

アレン「格好だけか!」

シャーク「てめえらにはなぁ…」

サヤカ「怖い顔してるけど優しい所も少しはあるんだよ?」

アリト「何だったら挑もうぜ?4度目の正直ってやつだ!」

ギラグ「3度目だ3度目」

ドルべ「ただの人間なんだぞ」

ベクター「まあジャンルが違うからなぁ…なあミザちゃん」

ミザエル「私に聞くな」

シャーク「俺は参加しねえぞ!人を騙しやがって!!」

瑠璃「ごめんね。何か騙したりして」

璃緒「いいのよ私が黙ってたんだから」

ピンポーン

シャーク「き、来やがった…!」

璃緒「いらっしゃい」

カイト「…」

ユート「お邪魔します」

黒咲「…」

璃緒「あなたが瑠璃のお兄さん?」

黒咲「うむ」

カイト「ミザエルは相変わらずか」

璃緒「口を開けばドラゴンの生態を語ってるわ」

カイト「…そうか」

遊馬「へえ…」

アレン「あいつが隼ってんだ」

遊馬「俺は」

黒咲「WDCの優勝者にして神代凌牙のライバル…九十九遊馬」

サヤカ「知ってたんだ」

黒咲「面構えを見ればわかる」

ユート「それだけじゃ彼が凌牙のライバルだって」

黒咲「中で細かい情報は聞いた」

ドルべ「えーっ…黒咲隼の出所を祝って…乾杯」

アリト「テンション低いな」

ギラグ「誰だよドルべに司会させたの」

ユート「…」

瑠璃「い、言う?」

ユート「言うしかないだろ」

遊馬「どうしたんだ?」

小鳥「付き合ってる事じゃない?」

アレン「隼は瑠璃には甘いからな」

サヤカ「過保護なのよね」

シャーク「チッ」

遊馬「シャークもこっち来いよ」

シャーク「俺は連むのは好きじゃねえ」

アレン「そんな奴じゃねえだろ?」

シャーク「つい最近会った奴に俺の何がわかるってんだ!!」

璃緒「凌牙は気難しいからアレンやサヤカにはマニュアルを渡しておいたのよ。過去の経歴とか趣味とか特技なんか書いたのを」

シャーク「余計な事をしやがって」

黒咲「…」

ユート「隼!」

遊馬「お、行ったぞ」

黒咲「いきなり大声を出すな」

ユート「あの…あれだ」

黒咲「…」

ユート「反省しないとダメだぞ」

黒咲「…ああ」

ユート「パトカー三台燃やすなんて普通じゃない…普通じゃないだろ!」

黒咲「あれは引火しただけだ。俺の責任ではない」

瑠璃「ただでさえ目を付けられてでしょ?お母さんだって」

黒咲「…俺は死なん」

ユート「そういう事を言ってるんじゃ」

アレン「俺が言ってやろうか?」

サヤカ「ユートと瑠璃の問題なんだから」

小鳥「大人しく見守ってあげようよ」

アレン「わかったよ」

カイト「…」

ミザエル「何?」

カイト「隼はRUMを使う…それも複数枚」

ミザエル「そんなわけがあるか…あれは!」

カイト「バリアン世界とアストラル世界にしか存在しない代物」

ミザエル「若しくはⅤが開発したRUMのように…そうじゃないか?」

カイト「それもバリアンの紋章の力…ましてや隼の家は普通の家庭だぞ」

ミザエル「普通?あの男は普通じゃないだろ」

カイト「家庭の話だ。母子家庭ではあるが一般的な」

ミザエル「出処は聞いたのか」

カイト「いいや」

ミザエル「…」

カイト「奴は悪人ではない」

ミザエル「正体不明のRUM…その出処は」

カイト「後で聞いてみるか」

ミザエル「もし隼がドン・サウザンドに変わる新しい敵なら」

カイト「俺が始末する」

瑠璃「兄さん…あのね」

黒咲「言いたい事があるなら言え」

瑠璃「私…」

ユート「瑠璃と交際してるんだ!」

黒咲「交際?お前達がか」

ユート「ああ」

瑠璃「うん」

遊馬「どうなるんだろな」

アレン「パンチ一閃…とか?」

小鳥「他人事だと思ってすっかり楽しんでるし」

アリト「ほらナッシュ!あいつも妹には敏感だぞ!」

シャーク「俺は過保護じゃねえ」

ベクター「はっ!お前が過保護じゃねえ?世の中の妹持ちの兄貴に聞かせたい台詞だぜ」

黒咲「…」

ユート「ど、どう思う」

瑠璃「に、兄さん」

黒咲「…」

黒咲「…」

遊馬「何か言ってやれよ」

黒咲「…」

アレン「隼!」

黒咲「勝手にしろ」

ユート「それじゃあ」

黒咲「お前達の問題だ」

瑠璃「…ありがとう兄さん」

黒咲「それだけでウジウジしていたのか」

アレン「お前が怖えからだよ」

黒咲「九十九遊馬!」

遊馬「お、おう!」

黒咲「手を見せろ」

遊馬「手?手相占いでもするのか?」

黒咲「そんな機能はない」

遊馬「ははは!機能だってよ」

黒咲「…」

遊馬「睨むなって…ほら」

黒咲「かなりの修羅場をくぐってるな」

小鳥「色んな事があったからね」

黒咲「それに眼だ」

アレン「眼?」

黒咲「この中で1番強い奴の手をしている。カイトよりも」

遊馬「そんなに強くねえよ俺は」

黒咲「何故だ?」

遊馬「俺が強いのは周りに仲間が居るからだぜ!」

黒咲「仲間…俺には縁のない話だ」

遊馬「どうして?」

黒咲「俺は一匹狼だ。連むのが好きじゃない」

遊馬「一匹狼?だったらカイトやシャークも同じだったぜ?」

ユート「カイトは分かるが凌牙も」

小鳥「この前まで1番酷かったよね」

シャーク「う、うるせえな…反省してるっつうの」

ベクター「じゃあ俺は2番目ってか?」

小鳥「どっこいどっこいよ」

黒咲「腕だけではなく魂の強さか…」

遊馬「言っとくけど俺の目の黒い内は孤独にはさせねえぞ!」

小鳥「しつこいからね。遊馬って」

黒咲「ユート」

ユート「どうした?」

黒咲「面白い奴が居るもんだな」

ユート「世の中広いんだ。何も自分の周りだけが自分の世界ではない」

遊馬「何かまだまだ隼みたいなヤバそうな奴が多そうだぜ。なあシャーク!」

シャーク「は?」

遊馬「次のWDC!ユートや隼…それだけじゃねえ世界中から今まで会った事のねえデュエリストが大勢居るかもしれねえ!」

アレン「宇宙人も出れるのか?」

カイト「後で親父に聞いておく」

璃緒「ほら凌牙も」

シャーク「何が」

璃緒「1年前の事じゃない。それに凌牙が喧嘩売ったんでしょ?」

シャーク「…表出ろ」

黒咲「俺に言ってるのか」

シャーク「あんた…てめえだよ!!」

璃緒「何でそうなるのよ…」

アリト「それが手っ取り早いだろ?」

ギラグ「男同士だもんな」

黒咲「どっちだ」

シャーク「てめえは」

黒咲「前の3回と同じ流儀でいい…そうだろ」

シャーク「ペッ!デュエリストならデュエルで来いってんだ!!」

黒咲「…」

遊馬「シャーク!」

アレン「リアルファイトで挑む気だ!」

ドルべ「デュエルで来いって言ったのは君だぞ!」

シャーク「だったら覚えとけ!野球やってる奴が野球とデュエルの二足の草鞋を履いてんなら!」

黒咲「…」

シャーク「俺ら不良も二足の草鞋を履いてんだよ!!」

ドルべ「私には理解できんぞ!」

シャーク「考える時間なら腐る程あるじゃねえか!俺達は若いんだからよ!!」

黒咲「どうやら1年前とは違うようだな」

シャーク「かっとビングだ!俺!!」

黒咲「ふん」

シャーク「…」

遊馬「大丈夫かシャーク!」

黒咲「俺の顔面に一撃を叩き込むとは」

スッ

黒咲「奥歯が折れたようだ」

ユート「い、いや見せなくていいから」

黒咲「かっとビングと言ったな」

遊馬「言ってたけど…何か気になるか?」

小鳥「遊馬の口癖っていうか信念っていうか」

黒咲「誰かに強制したってわけではないな」

遊馬「そんな事するわけねえよ」

黒咲「お前…」

カイト「やめろ隼」

遊馬「何かあったのか?」

黒咲「これは俺の戦いだ」

遊馬「?」

瑠璃「大丈夫なの?」

璃緒「さ、さすがに大丈夫…だと思うけど」

シャーク「…」

カイト「遊馬」

遊馬「ん?」

カイト「両親は元気か」

遊馬「それが父ちゃんまた旅に出るかもってさ」

カイト「そうか」

遊馬「それがどうした?」

カイト「いいや」

遊馬「…」

カイト「今回の件は遊馬抜きでやるか」

アレン「なあ遊馬のおふくろってさ…本当に遊馬のおふくろか?」

小鳥「どうして?」

アレン「姉ちゃん二十歳だろ?だったら遊馬の母ちゃんって普通は」

小鳥「うちのママの話じゃ昔から見た目が変わらないんだって」

アレン「へえ…宇宙人なんかな。あの人…」

シャーク「…」

ユート「もう日が暮れて来たな」

瑠璃「片付けて帰りましょうか」

璃緒「あ、いいのよ。私達が片付けるから」

アリト「そんじゃよろしくな」

ギラグ「じゃあな」

璃緒「あんた達もよ」

ガシッ

ドルべ「えーっと…」

ミザエル「何で司会なんか」

ドルべ「誰かが纏めなきゃならないだろ」

ミザエル「あんまり気を許すと足元を掬われるぞ」

ドルべ「?」

ミザエル「RUM使いの黒咲隼…まともではないだろうな」

遊馬「そんじゃあな!」

アレン「また遊びに来るぜ!」

アレン「遊馬!」

遊馬「ん?」

アレン「お前ゴーシュと知り合いなんだって!?」

遊馬「ああ!」

アレン「交友関係広いんだな!」

ユート「確か極東チャンピオンとも」

小鳥「Ⅳ?」

サヤカ「あの紳士デュエリストの代名詞な」

小鳥「紳士っていうか獣よ」

瑠璃「やっぱり獣なのね」

サヤカ「どうして?」

瑠璃「どの写真も目が笑ってないもの」

小鳥「わかる人にはわかるんだね」

遊馬「Ⅳの化けの皮が剥がされるのも時間の問題ってか?」

アレン「何かゴーシュが街に来るんだろ?合わせてくれよ!飯奢ってやるからさ」

遊馬「仕方ねえな」

遊馬「それ本当かよ!?」

ドロワ「ああ」

小鳥「六階からダイブして足の骨にヒビって」

ドロワ「大事な試合だと言うのに」

アレン「おばちゃんはゴーシュのこれか」

ドロワ「マネージャーだが」

小鳥「ちょっとアレン!」

アレン「ん?」

小鳥「こう見えても19歳なのよ!」

アレン「んなわけねえだろ」

サヤカ「そ、そうよね」

ユート「失礼だが身分を証明するものを」

瑠璃「ユート!」

遊馬「試合中止か?」

ドロワ「もう遅い…」

小鳥「けどお客さんが」

ドロワ「私がドロワ・ザ・スターウーマンとして出る」

遊馬「!?」

瑠璃「あの全身タイツを着るのかな」

ユート「多分」

瑠璃「…」

ユート「…」

瑠璃「む、無茶よね」

ユート「ああ…悲しくなる」

アレン「おばちゃん!やめた方がいいぜ?」

小鳥「だから19歳…よね?」

遊馬「俺にはわからねえよ。ドロワが明里姉ちゃんより年下に見えねえし」

小鳥「…ユートはどう思う?」

ユート「俺は嘘だと思う」

瑠璃「女性って若いままで居たいって思うもんね…」

サヤカ「嘘だとしても私達も嘘に乗るしかないってわけか」

小鳥「うーん…そうしよっか」

ドロワ「だが観客が待って居る」

遊馬「だったら俺が出るぜ!」

ドロワ「身長が足りないぞ」

ユート「そうだ!」

ユート「完璧だ」

遊馬「何で俺が下なんだよ!」

ユート「小鳥が言うには遊馬のジャンプ力はハートランド一だと」

小鳥「うん」

ユート「そしてゴーシュの髪色は暖色系…アレンも同じような感じだ」

瑠璃「絶対にバレるわよ」

ユート「遠目だとバレないだろう」

小鳥「どうかなドロワさん?」

ドロワ「遊馬の友人にしては聡明な子だな。彼は」

小鳥「でしょ?アストラル以来って感じしない?」

ドロワ「そうだな…言われて見れば彼は何となくだがアストラルに」

遊馬「こんな肩車でデュエルできんのか?バレるぞ!」

アレン「何とかしてやるよ…つってもゴーシュのデッキを使いこなす時間もねえし」

ドロワ「自分の思うがままにして見るといいさ」

瑠璃「でも対戦相手に申し訳ない気がする…偽者って」

ドロワ「オイリー・マッスルはゴーシュと幾度も肉体と肉体をぶつけ合ってる男だ。事情を理解してくれる」

サヤカ「うーん…」

ドロワ「勝ち負けよりも多くの観客達に喜んで貰える事こそが真のプロ…私はそう思っている」

「ゴーシュ!ゴーシュ!」

「オイリー!オイリー!」

アレン「まさかプロとやり合うなんてな」

遊馬「ああ」

アレン「やっちまうか?」

遊馬「そうだな上半身!」

アレン「派手にやろうぜ下半身!」

瑠璃「大丈夫なのかな?」

ユート「だからこそ俺がセコンドへ付く」

ザッ

小鳥「何その眼帯とカツラ」

サヤカ「しかも腹巻してるし…」

ユート「テレビ中継だから変装する必要がある」

ドロワ「彼らを頼む」

ユート「任せてくれ!」

瑠璃「変装するって言うけど出っ歯って…やりすぎよ」

ユート「だからこそバレない筈だ」

オイリー「事情は聞いたが…何というべきなんだろうか」

アレン「とりあえず頼むわ」

オイリー「ああ」

遊馬「あ、俺は九十九遊馬ってんだ」

オイリー「股間の方が遊馬なのか?」

遊馬「俺を知ってるのか?」

オイリー「WDCのチャンピオンでゴーシュや大介とデュエルした事があると」

遊馬「大介?片桐プロか」

オイリー「うむ」

ユート「落ち着いて行こうアレン」

アレン「任せとけっての!」

ユート「しかし俺の采配は正しかったのだろうか…遊馬が上半身でアレンが下半身の方が」

遊馬「ドロワが言ってただろ?この観客が楽しんでくれたらって」

ユート「…そうだったな」

遊馬「アンナみたいな爆走で頼むぜ!」

アレン「へっへっへ」

遊馬「どうした?」

アレン「とっておきの隠し玉を見せてやるよ!」

アレン・オイリー「デュエル!!」

オイリー「先攻は私が貰おう!」

ユート「オイリー・マッスルは数多のマッチョデュエリストを屈伏させる程の男…テレビと生では迫力が違う」

オイリー「フィールド魔法『オイルゾーン』を発動!」

ツルンッ

遊馬「おわっ!?」

アレン「やっべえなツルツルじゃねえか!」

オイリー「そして男根天使Gマッスルを通常召喚!Gマッスルの効果を発動!Gマッスルが召喚に成功した事で手札から2体目のGマッスルを特殊召喚!」

オイリー「レベル3の男根天使Gマッスル2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!男根天使ガンボリー・マッスル!!」

オイリー「カードを2枚伏せてターンエンド」

アレン「俺のターン!」

遊馬「隠し玉ってなんだ?」

アレン「それを今から見せてやるぜ」

ユート「列車ではないのか?」

アレン「これが俺の隠し玉!十二獣サラブレードを攻撃表示で召喚!」

遊馬「十二獣って何だ?」

ユート「そういえば神月家の先祖は十二支全てを大筒で倒して回ったと聞くがと聞いた事があるが…まさか」

アレン「そいつは俺の先祖だぜ」

きっつ

考えてみたら1人でチマチマと何やっとんねん俺は…

考えても仕方がない。一度やり始めたならチマチマやるしかないわな

ゴーシュ「へえ…珍しいカテゴリーだな…知ってたか?」

カイト「いいや」

ゴーシュ「あれが新しい仲間か?ったく、お前達の周りは賑やかだな」

カイト「うるさいだけだ」

ゴーシュ「素直じゃねえな。いや俺の見舞いに来るだけ進歩したってか?」

カイト「フッ」

ゴーシュ「あれは居ねえのか?」

カイト「オービタルか」

ゴーシュ「ああ」

カイト「あいつも所帯を持ち堅気の道へ戻った」

ゴーシュ「って事は相棒不在ってわけか?まあお前は一匹狼が」

カイト「人間の相棒ができた」

ゴーシュ「お前と連む人間が居るってのか!?」

カイト「ああ」

ゴーシュ「きっとヤバいノリした奴なんだろな」

カイト「テレビに集中しろ」

ゴーシュ「なあ!遊馬と組んでる奴は何て名前だ?」

カイト「神月アレン…あのバズーカ女のいとこだ」

遊馬「ツルツル滑りすぎだぜ」

アレン「我慢しろよ遊馬!」

ユート「右へ三歩!そこはまだオイルが行き届いていない!!」

遊馬「ああ!」

オイリー「ハッ!」

ダッ

遊馬「何て素早い動きだ!?」

オイリー「何故デュエリストの中に筋骨隆々のデュエリストが存在していると思う?」

アレン「知らねえよ!」

オイリー「それは肉弾戦に特化している事だ!!」

ドンッッ

ツルッ

遊馬「くっ…」

アレン「どうするチェンジするか!?」

遊馬「今日の俺は下半身だ!簡単に引き下がってたまるかよ!!」

オイリー「十二獣!その例を見ないエクシーズモンスターの使い手というだけ良い収穫だ。君達のような若いデュエリストがプロになり盛り上がって行くのだろうな」ムキッ

アレン「来るぜ遊馬」

オイリー「少年達よ!筋肉を付けるのだ!!」

アレン「エクシーズ召喚!ランク4!十二獣ブルホーン!!」

アンナ「あのバカ…持ち出しちまったのか」

ピッ

アンナ「やっべえな…おばちゃん知ってるのか?」

「どうしたのアンナ」

アンナ「母ちゃん!アレンのバカが十二獣のデッキを持ち出しちまったんだ」

「お、お父さん!アレンくんが」

「ああ…変装しているがアレンだったな」

アンナ「あれって俺たち神月家の先祖が大筒使って倒したんだろ?」

「時は文政6年…我々の先祖が十二の獣…今で言うモンスターを倒し封印したものだが」

アンナ「あのバカ使っちまったんだぜ?どうするんだよ!」

「…」

「お義兄さん達は何て」

「あそこも俺達と同じで自由にさせてるからな」

アンナ「知らねえぞ!あのバカが何かヤバい事したって」

「アレンくんはお盆も正月もバズーカを振り回さないわよ?」

「アンナは何かあるとバズーカを出して親戚を威嚇するもんなぁ」

アンナ「うっ…」

コンコン

ゴーシュ「誰だと思う?」

カイト「知らん」

ゴーシュ「俺の病院食賭けようぜ!いいだろ?」

カイト「必要無い」

ゴーシュ「ノリが悪い奴だぜ。入って来いよ!」

ガチャッ

ゴーシュ「絶対に遊馬だぞ」

カイト「…」

遊馬「生きてるか!」

ゴーシュ「ほら見ろ!」

カイト「遊馬達しか居ないだろう」

ゴーシュ「見てたぜ坊主」

アレン「俺はアレンだ!」

ゴーシュ「元気そうな野郎だな!」

小鳥「どうして足にヒビが入っただけで入院なんか?」

ゴーシュ「ドロワがついでに頭の検査もしてもらえって無理矢理ぶち込まれちまってよ」

ドロワ「フッ」

ゴーシュ「瑠璃にサヤカにユート…苗字は」

ユート「いや…それが」

ゴーシュ「ああ…ねえパターンか?」

ユート「…」

ゴーシュ「ま、そういうノリもあるってもんだな」

ドロワ「私達にも苗字が無い」

ユート「そうなのか?」

ゴーシュ「とりあえず苗字が必要な時は天城って名乗るけどよ」

カイト「おい」

ゴーシュ「負けちまったな2人とも」

アレン「負けたのは俺だよ。こいつは」

遊馬「今日の俺達は3人で1人のゴーシュだったじゃねえか!」

ゴーシュ「ま、そういう事だな」

小鳥「3人?」

遊馬「ユートだよ」

小鳥「遊馬とアレンじゃ…やっぱ知恵って必要だよね」

アレン「こ、こいつ一言多すぎじゃね?」

遊馬「そのうち慣れる…そのうちな」

遊馬「やっぱプロのフィールドってのは迫力あったよな」

アレン「俺らもいつかプロ…ってか?」

ユート「そうだな」

瑠璃「3人ともプロになるの?」

アレン「わかんねえ」

遊馬「だって中1だぜ?夢も希望も未来も溢れてるもんな」

ユート「いや俺は来年には高校受験が」

瑠璃「そっか…私達は」

小鳥「先ず受験があるでしょ?2人ともプロとか語るなんて10年早いわよ」

遊馬「甘いな小鳥」

アレン「勉強しなくても高校行けるんだぜ?」

小鳥「どうして?」

アレン「推薦だよ!」

遊馬「デュエルスクール高等部はデュエルの腕で入学できるんだろ?そうだよなユート」

ユート「いや勉強もある程度は必要だぞ」

小鳥「ほらね。推薦推薦って言うけど、そういう人達だってある程度は勉強するのよ?」

遊馬「だとよ」

アレン「お先真っ暗って感じだな…」

アリト「最近ドルべの野郎さ…」

ギラグ「気が立ってるって言いてえんだろ?」

アリト「ああ」

ギラグ「受験生だかんな」

アリト「そういや受験生だったな…あいつ」

ギラグ「ついで言うとミザエルも」

アリト「まあ俺が3年にならなくて良かったぜ」

ギラグ「何で」

アリト「勉強できねえし」

ギラグ「ヌメロンも気を利かせてくれたんじゃねえか?」

アリト「さすが全能だな!」

ギラグ「ん?」

アリト「どうした」

ギラグ「あれ」

アリト「遊馬とアレンじゃねえか」

ギラグ「何やってんだ」

アリト「おーい!」

遊馬「シッ!」

アリト「は?」

アレン「静かにしろってんだ!」

ギラグ「何があるってんだよ」

アレン「あれ」

アリト「ユートと瑠璃じゃねえか!?」

遊馬「見つけちまってよ」

アリト「覗きかよ」

遊馬「珍しい光景だからな」

アリト「そういえば…」

ギラグ「何が珍しいんだ?」

アレン「カップルだぜ!」

アリト「カップル?」

遊馬「俺らの周りに居ねえだろ?」

アリト「言われてみれば」

ギラグ「確かに」

遊馬「だろ?」

アレン「お前らは居るのか?」

アリト「こんな身の丈2mもあるタラコ唇のモヒカンに居るわけねえだろ」

ギラグ「おい」

アレン「お前は?」

遊馬「察してやろぜ」

アレン「あっ…悪りいな」

アリト「うるせえな!」

ギラグ「やっぱ付き合うとしたら年下だな」

アレン「おいおい!年下って言うけどギラグより年下って中1か小学生ぐらいだぞ?」

アリト「お前…」

ギラグ「いいから聞け!俺らに事情は遊馬が知ってるよな?」

遊馬「ああ」

アレン「どういう事よ」

遊馬「赫赫然々」

アレン「へえ…苦労してんのな」

アリト「それが何か関係あるんかよ?」

ギラグ「まあ俺の理論を聞いてやってくれや」

ギラグ「俺らは説明の通り、大昔は人間だった」

アレン「ああ」

ギラグ「そんで…まあ早い話が生まれ変わって中学2年生のギラグがここに居るだろ?」

遊馬「焦れったいな!」

アリト「早く言ってくれよ」

ギラグ「要するによ。俺は今生きてる爺さん婆さん世代より長生きしてるってわけだ。お休み期間があったけどよ」

アレン「あ、成る程な」

ギラグ「そうなると今生きてる歳上は大体、歳下になるってわけ」

遊馬「さすがギラグだぜ!」

アリト「じゃあ俺の立場はどうなるってんだ!?」

ギラグ「諦めるしかねえだろ」

アリト「俺は1年だ!13歳のアリトだぞ?それで問題ねえよな!!」

遊馬「んなこと言われてもよ」

アレン「何とも言え…」

ユート「…」

遊馬「お、おう」

ユート「俺達の動向を監視して何が目的なんだ」

瑠璃「まあ別にいいじゃない」

ユート「瑠璃が言うなら」

遊馬「悪りいな。珍しくてさ」

ユート「珍しい?」

遊馬「カップル」

ユート「そうか?」

アレン「見た事がねえ!化石だ!天然記念物だ!」

ユート「そんな大袈裟な」

アリト「大袈裟じゃねえし」

ギラグ「…」

ユート「君達は少し視野が狭いんじゃないか?よーく観察すれば」

アリト「…」

アレン「…」

遊馬「書き初めは何時なんだ?」

瑠璃「書き初め?」

ギラグ「多分、馴れ初めだと思うぞ」

瑠璃「馴れ初めか…」

アリト「そうか…そうだな」

アレン「へえ」

瑠璃「アレンは知らなかったっけ?」

アレン「別にサヤカに聞くまでもねえし」

ユート「やれやれだ」

アリト「これだ!」

ユート「?」

遊馬「何だ?これって」

アリト「この感じだよ!」

ギラグ「は?」

アリト「俺らってチビで猪突猛進ってやつだろ?」

遊馬「ああ」

アレン「何だよチョトツモーシンって」

ギラグ「何だ?遊馬は意味知ってるのか?」

遊馬「こう見えても4文字熟語は得意なんだぜ!」

ギラグ「それで何が閃いたんだよ」

アリト「まあ見てろよ」

アリト「どうよ」

ユート「?」

瑠璃「もしかしてユートの真似?」

アリト「ああ!」

ギラグ「買って来たのか?」

アリト「服買える程、メラグが小遣いくれるか?くれねえだろ?」

ギラグ「じゃあ」

アリト「ベクターだよ。あいつ黒い服とか持ってるの思い出してな」

ギラグ「で?格好だけじゃ真似できねえぞ」

アリト「一人称を私にするんだよ。いいか…」

遊馬「…」

アリト「私の名はアリト」

アレン「何だよそれ」

遊馬「アストラルに真似か?」

アリト「おう!」

ユート「それに何の意味が」

アリト「頭良さそうでクール!これがモテる秘訣なんじゃね?そう思わねえか?」

ギラグ「だからってユートとアストラルの真似して意味あるのか?男ならてめえの良さで勝負するんだよ!」

遊馬「アストラルか…」チラッ

ユート「君には君の良さがあると思うが」

遊馬「そういやカイトが笑顔病になった時だったか?ユートの指示で解決できたのって」

ユート「最近では俺のような無口よりもアリト達のような母性本能を擽るタイプがモテると聞いたが」

遊馬「…もしかしたらアストラルと同じ」

ユート「遊馬?」

遊馬「な、何にも思っちゃいないぜ!」

ユート「?」

アレン「やっぱ自分の良さなのか?」

瑠璃「うん」

遊馬「まあユートはユートだよな。何か不思議な感じがするけど」

ベクター「そういう甘さが弱点なんだよな」

遊馬「ベクター!?」

ベクター「信じるのは早いんじゃないの?どっかの転校生みたいに虎視眈々と狙ってるかもしんねえし」

ギラグ「そりゃお前だろ!」

アリト「人のこと言えねえだろ!」

ベクター「そーんなに怒るなよ。反省してんだぜ?俺だって」

遊馬「何が言いたいんだよ」

ベクター「俺はユートの事を調べてよ。妙な事に辿り着いた」

アレン「妙な事?」

ベクター「こいつには過去の経歴ってやつがねえのさ」

ユート「俺は孤児だ。何だったら」

ベクター「ハートランド院の子供…そこまでは知ってるよ。タダよ」

ユート「…」

ベクター「そこの連中の記憶が書き換えられたかもしれねえ…何たってRUMを所持してる1人だもんなぁ」

遊馬「RUM?」

ベクター「こいつと隼はRUMを持ってやがる…妙な話だぜ」

アリト「マジか?」

ギラグ「あれは…」

ベクター「お前はアストラルと似てやがる。それは俺らも満場一致だろ?」

ギラグ「ま、まあな」

遊馬「だったら尚更じゃねえか!俺も思ったよ!それにユートは悪い奴じゃねえ…そんな眼をしてるじゃねえか!!」

ベクター「それと同時にこいつは何かを腹ん中に飼ってやがる。俺も経験あっからなぁ~感じるのさ悪い気がビンビン来るぜ」

瑠璃「RUMは!」

ユート「瑠璃!」

ベクター「何か言いかけたな?」

アリト「いい加減にしろよベクター!」

ベクター「…」

ガシッ

アリト「最近まともになったと思ったら、また周りを引っかき回してえのか!!」

ギラグ「おいアリト」

アリト「その腐った根性を叩き直してやるよ!」

遊馬「アリト!」

瑠璃「待って!RUMは私が作ったの!」

遊馬「瑠璃が!?」

アリト「つ、作った!?」

ギラグ「どうやって」

瑠璃「何も描かれてない白紙のカードから…」

ユート「隼が言うには昔から不思議な力が備わってるらしい」

瑠璃「…」

ユート「瑠璃は気味悪がられるからと…ずっと隠していたんだ」

遊馬「ベクター」

ベクター「…」

アレン「気味悪くねえよ…そうだよな?」

アリト「当たり前よ!」

ギラグ「そんな芸当できる奴が大勢居たからな」

遊馬「なあベクター」

ベクター「あ?」

遊馬「俺は相手が俺を利用としてても信じるよ」

ベクター「めでてえ奴だぜ。お前は」

遊馬「人を信じられなくなったら人間お終いだろ?」

ベクター「お前は御人好しなんだよ。少しは学習しろってんだ」

ユート「俺を信じてくれなくてもいい。しかし」

ベクター「やめろやめろ」

ユート「…」

ベクター「どーせ瑠璃は信じてくれって言うんだろ?臭え奴だよ」

ユート「すまない」

ベクター「こんな臭え奴は悪党じゃねえだろうよ。悪党ってのは俺みたいな」

アリト「お前も甘ちゃんじゃねえか」

ベクター「うっせえな」

アリト「へへへ」

アレン「よし!俺が何か奢ってやるぜ!暗い話は終わりだ終わり!」

遊馬「金持ってんのか!?」

アレン「…ねえ」

アリト「その場のノリで言いやがって」

ベクター「それぐらい俺が出してやるよ」ポンッ

瑠璃「財布が分厚いわ」

遊馬「アリトとかシャークは金欠だってのに」

ギラグ「こいつコソコソとギャンブルで稼いでんだよ」

アリト「メラグにバレたら殺されるぞ」

ベクター「はっ!バレねえようにやってるから2倍楽しいんだよ」

遊馬「そんな特技があるなんてな」

ギラグ「こいつのはイカサマよ」

遊馬「イカサマ!?」

ユート「人の事を疑う割りに君も何気に」

ベクター「卑怯とハッタリは俺の専売特許でよ」

ユート「そ、そうか」

ベクター「それ以上に俺は度胸も超一流ってわけだ」

ユート「どうやら彼らはそれぞれ特技を持っているようだ」

瑠璃「うん」

Ⅲ「うち来る?」

小鳥「Ⅲの家って潜水艦でしょ?さすがに」

Ⅲ「新築だよ新築」

遊馬「完成したのか!?」

Ⅲ「うん」

遊馬「お前も来るだろ?」

アレン「サヤカ達を連れてってもいいか?」

Ⅲ「大勢の方が楽しいからね」

アレン「やったぜ!」

遊馬「アリトは?」

アリト「ギラグがアイドルの握手会行くとか行ってよ。俺も付き合ってやるんだよ」

アンナ「じゃあ俺も行くぜ」

Ⅲ「壊さないでね」

アレン「壊すなってよ」

アンナ「壊さねえよ!」

アレン「こいつ去年の夏に曾祖父さんの墓をぶっ壊したんだぜ?アホだろ」

アンナ「あ、あれは不可抗力だ!」

Ⅲ「心配だな…」

Ⅳ「久しぶりに帰って来たぜ、ハートランドによ」

ゾロゾロ…

Ⅳ「な、何だこの行列」チラッ

『何でも屋クロサキ』

Ⅳ「何でも屋?こんなに人が集まるもんかよ」

「はあ…何で俺らが」

「シッ!殺されるぞ」

Ⅳ「しかもヤンキーばっかじゃねえか」

「何だ?ジロジロ見て」

「派手な頭してんな?あ?」

「こいつ何処かで見た気がするぜ」

Ⅳ「喧嘩売るなら買ってやるぜ?来いよ」

「やめとけ、ここで騒ぎ起こすんじゃねえ」

「そ、そうだな」

Ⅳ「こいつら何にビビってやがるんだ」

「あんたも大将に呼ばれて来たのか?」

Ⅳ「大将?」

「黒咲隼だよ。他所者か?」

黒咲「次」

Ⅳ「…」

黒咲「テレビで見た事がある顔だな」

Ⅳ「極東チャンピオンのⅣだ」

「Ⅳ!?」

「テレビで見るのと全然違う!」

「すっげえ野蛮人っぽい」

Ⅳ「うるせえ!芸能人だって外面と内面があるの知らねえのか!?」

黒咲「で?お前のようなボンボンが何でも屋に何の用事だ」

Ⅳ「あまりにも群がってたからな」

黒咲「フッ」

Ⅳ「黒咲隼…あ?どっかで聞いた名前だぞ」

黒咲「用事が無いなら帰れ」

Ⅳ「そうか!凌牙の妹がLINEで言ってた…あの!」

黒咲「…」

Ⅳ「成る程な。こいつの眼つきは堅気じゃねえわ…」

黒咲「ここは何でも屋だ。それとも喧嘩かデュエルでも俺に売りに来たのか」

Ⅳ「…」

「どうしたどうした?」

「あれ」

「はあ!?」

黒咲「愚か者が!!」

ドボッッ

Ⅳ「チッ…この野郎…何て拳をぶち込みやがるんだ」

黒咲「…」

Ⅳ「ペッ」

黒咲「お前じゃ俺には勝てん」

Ⅳ「プロ舐めんなよ…っつうかな!」

黒咲「…」

Ⅳ「俺はガキの頃から殴り合いの喧嘩も得意なんだよォ!!」

バキッッ

バキッッ

Ⅳ「こいつが拳のファンサービスよ!!」

黒咲「いい拳だ…だがな」

Ⅳ「やっべ…」

黒咲「その程度だ!!!」

黒咲「ほら」

スッ

Ⅳ「凌牙がビビるのも納得できるわ」

黒咲「あいつがビビるか」

Ⅳ「ああ」

黒咲「あいつは俺に3度も喧嘩を売って来た男だ。本当に厄介な男は」

Ⅳ「執念深くて1度噛み付いたら死ぬまで離さねえ奴」

黒咲「どうやら俺もお前も同じ奴を思い出したって顔だな」

Ⅳ「トーマス・アークライトだ。気軽に呼んでくれよ」

黒咲「トーマス」

Ⅳ「いやⅣって言えよ」

「さすが極東チャンピオンですね」

「元ハートランド三羽烏の黒咲さんと互角にやり合うなんて」

Ⅳ「負けてんだよ。っつうか三羽烏ってなんだ?」

黒咲「知らん」

Ⅳ「何だよ三羽烏って」

「説明しましょう」

「この街には2年前まで三つの勢力が睨みあって居ました」

「陸王と海王率いるチームと風魔翌率いるバイカー集団」

Ⅳ「何がバイカーだよ。日本人だったら族って言えよ」

「そして黒咲さん」

Ⅳ「何だ?お前も舎弟連れてるタイプか」

黒咲「俺は連むのが好きではない。こいつらが勝手に言ってるだけだ」

Ⅳ「早え話が二つのチームを率いる親玉と一匹狼の隼が五分と五分ってわけか」

「はい」

「その陸王と海王兄弟も風魔も今じゃ更正して働いてるって話っすよ!なあギンジ?」

ギンジ「ああ」

「こいつは陸王と海王のチームに居たらしいっすよ」

ギンジ「あの傍若無人の不良が変わったのも九十九遊馬とシャークのお陰なんすよ」

Ⅳ「何処でも活躍してんだな…遊馬の奴は」

ギンジ「ありゃ神様ですよ!なあ!」

「あ、俺らは風魔さんのチームに居たんすけど遊馬のお陰で」

黒咲「お前も遊馬絡みか?」

Ⅳ「一応な」

Ⅲ「ここだよ」

「ワンワン!」

小鳥「犬!?」

サヤカ「お、大きすぎじゃない?」

Ⅲ「僕たち家族がバラバラになった時は普通のサイズだったんだけど…大きくなって」

「ワンワン!」

Ⅲ「野生に返って成長しすぎたんだよ」

アレン「野良から連れて来たのか?」

Ⅲ「Ⅴ兄様が三日三晩の死闘の末にね」

アレン「強えのか?」

小鳥「強いっていうか賢い?」

遊馬「世界一頼りになる長男坊だぜ!」

ユート「会ってみたいな」

小鳥「居るの?」

Ⅲ「最近は帰りが遅くてね。あ、でもⅣ兄様が帰って来るよ」

瑠璃「あの紳士的で有名な極東チャンピオン!?」

小鳥「やっぱり猫被るのかなⅣ?」

遊馬「Ⅳの本当の性格知ったらユート達もドン引きすっかもな」

カイト「銀河眼の光子竜とフォトン・カイザーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!」

Ⅴ「…」

カイト「ランク8!銀河眼の光子竜皇!!」

Ⅴ「…」

カイト「よし…」

ズキッ

カイト「うっ…」

ヒュンッ

Ⅴ「カイト!」

カイト「まだまだ…」

Ⅴ「無茶だ。かつてのNo.を人工で生み出し…剰え!」

カイト「超銀河眼の光子龍は可能だった…ならば」

Ⅴ「このままでは間違いなく死ぬぞ…それでもやる気か?」

カイト「遊勝は新たな災厄だ。それを止めねばならぬ」

Ⅴ「だがなカイト」

カイト「口出しは無用…少し休む」

Ⅴ「…」

Ⅴ「…」

Ⅳ「コソコソ隠れて何やってんだ?」

Ⅴ「よく嗅ぎつけたな」

Ⅳ「兄貴の居場所がわからねえ俺だと思うか?」

Ⅴ「しかし久しぶりに会ったと思えばボコボコだな」

Ⅳ「久しぶりに殴り合いの喧嘩したよ。施設以来だぜ」

Ⅴ「…」

Ⅳ「重症だな」

Ⅴ「あいつは一人で背追い込もうとしている」

Ⅳ「新しい敵か?そりゃ厄介だな…No.だってアストラルに」

Ⅴ「だからカイトは作り出した。人造No.を銀河眼の光子竜を再び」

Ⅳ「バカは死ななきゃ治らねえって言うだろ?気が済むまで」

Ⅴ「それが仲間に対しての言葉か」

Ⅳ「だったら?兄貴ならどうするよ」

Ⅴ「私達が居る。凌牙ら七皇も遊馬もだ!かつての」

Ⅳ「じゃあ兄貴は遊馬は戦いに巻き込むつもりか?せっかく両親の帰って来た遊馬を!」

Ⅴ「!」

Ⅳ「一歩間違えたら今度は遊馬が死んで2度と両親に会えなくなる!そうなるかもしれねえんだぞ!!」

Ⅳ「隼に会った事あるか?」

Ⅴ「いいや、Ⅲからは何度か」

Ⅳ「世界を救おうがWDCを優勝しようが13歳の子供…だってよ」

Ⅴ「彼は私達の戦いの歴史を知らぬ」

Ⅳ「だから言えるんじゃねえか?さっきも街の不良連中が遊馬のお陰で変わった奴の話を聞いてよ」

Ⅴ「…」

Ⅳ「あいつは色んな過程をすっ飛ばして上へ上へ上がって行った…それはデュエリストとして良い事かもしんねえ」

Ⅴ「しかし人間として未熟…何と言っても中学生だからな」

Ⅳ「わかってるじゃねえか」

Ⅴ「神格化するのは勝手だが時として重荷になる場合がある…そう言いたいのか」

Ⅳ「ああ」

Ⅴ「そして凌牙も」

Ⅳ「あいつは色んな呪縛からやっと解放された。まあ半分は俺の責任だからよ」

Ⅴ「フッ」

Ⅳ「こりゃ暫くはプロ休業だな。やる事ができちまったよ」

Ⅴ「お前も気がついたら言うようになったじゃないか」

Ⅳ「成長だ成長」

Ⅴ「今やれる事を精一杯やろう。口には出さぬがカイトも遊馬と凌牙を巻き込みたくはないのだろう」

Ⅴ「カイト」

カイト「…」

Ⅴ「口で言っても何をしてもお前は止まらんだろう」

カイト「何が言いたい」

Ⅴ「これを」

スッ

カイト「RUMか?」

Ⅴ「RUM-光子昇華…これなら少しは負担も減るんじゃないか?」

カイト「…」

Ⅳ「何か奥の手でもあるのか?」

カイト「銀河眼の光子刃竜…俺の思い描く俺だけのオリジナル…ランクは9だ」

Ⅳ「てめえがランク9?レベル9のモンスター何て持ち合わせてねえだろ」

カイト「…」

Ⅳ「とりあえず受け取れよ」

カイト「俺はRUMなど使わぬ」

Ⅳ「頑固な野郎だ。てめえの命を擦り減らしてるってのに」

Ⅴ「本当に良いんだな?」

カイト「問題無い」

Ⅳ「ま、死なねえように手を貸してやるよ。修行中にポックリなんてするなよ?人殺しなんて笑えねえんでな」

カイト「…ああ!」

遊馬「色々あるな」

アレン「やっぱ金持ちだな」

ポキンッ

アレン「ゲッ!?」

遊馬「やっべえな…どうするよ」

アレン「隠せ隠せ!」

Ⅲ「どうかした?」

遊馬「何でもねえ!」サッ

Ⅲ「?」

アレン「あっち行こうぜ!な?」

遊馬「あ、ああ!」

Ⅲ「まさか壊したとか?」

遊馬「そ、そんなわけねえよ!なあ!?」

アレン「壊したら…ちゃんと言うよな!」

Ⅲ「それならいいんだけどね。そこにあるのⅤ兄様の私物だから…」

アレン「壊したら…どうなるんだ」

Ⅲ「怒るだろうな。Ⅴ兄様って普段怒らない分、1度怒るとタダじゃ済まないから」

アレン「へ、へえ…」

サヤカ「小鳥はデュエルしないの?」

小鳥「うん」

サヤカ「何だ…せっかく渡そうかなって思ったのに」

小鳥「プレゼント?」

サヤカ「これなんだけどね」

小鳥「スマイルワールド?」

ユート「!?」

サヤカ「うん」

小鳥「あれ?何処かで見た気がする…」

ユート「サヤカ!」

パシッ

サヤカ「な、何!?」

ユート「それは捨てるべきだ…それを何処で」

サヤカ「遊勝先生だけど」

ユート「あの男…これは君だけが持っているのか?」

サヤカ「うちの学校はみんな…あ、学校のみんなも御近所に配ってるかも」

ユート「何て事を…」

瑠璃「ユート?」

ユート「これは…恐ろしいカードだ」

サヤカ「やめてよユート!」

ユート「ここ2ヶ月の間…俺が見てきた夢…もし正夢なら榊遊勝は」

アレン「どうした?」

サヤカ「ユートがカードを破ろうとして!」

遊馬「ユート!」

ユート「悪いが…このカードには」

遊馬「そんな事するんじゃねえよ!可哀想だろうが!!」

ユート「聞いてくれ!榊遊勝…あの男は」

黒咲「この街に笑顔をばら撒こうとして居る畜生だ」

瑠璃「兄さん!?」

小鳥「何処から」

黒咲「二階からだ」

アレン「不法侵入だぞ!」

黒咲「この辺の二階建て住宅は俺の制空権だ」

瑠璃「言ってないのに…何でここって」

黒咲「勘だ」

Ⅲ「制空権の意味をわかってるのかな…」

遊馬「カードにだって命をある!」

ユート「それぐらい理解している」

遊馬「だったら!」

黒咲「あれが原因だ」

小鳥「スマイルワールド?」

黒咲「あれは他人を強制的に笑顔にする麻薬」

小鳥「笑顔…あっ!」

瑠璃「?」

小鳥「あの時の…カイトやサヤカ達が笑顔になった時にカイトが持ってた!」

黒咲「いよいよ大事になって来た。探りを入れても奴は神出鬼没だ」

瑠璃「そんな危険なカードだったなんて」

ユート「聞いただろ?だから」

遊馬「見損なったぜ!俺はお前の事を優しい奴だって…信じてたんだぞ!!」

ユート「俺もだ。君は強い…しかし甘すぎる」

アレン「しょうもねえ事で喧嘩するなよ?ここは間を取って俺に渡せって」

小鳥「アレンは大丈夫なのね」

瑠璃「能天気だから…」

アレン「あ、待ちやがれ!海老とナスが喧嘩しても何も美味くねえぞ!!」

ユート「先攻は俺が行こう!幻影騎士団ダスティローブを通常召喚!そして自分フィールドに幻影騎士団モンスターが存在する事で手札から幻影騎士団サイレントブーツを特殊召喚!」

ユート「レベル3の幻影騎士団ダスティローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!」

ユート「カードを2枚伏せてターンエンド」

遊馬「どんなカードでも破らせねえ!ドロー!相手フィールドにエクシーズモンスターが存在する時、手札のグランドランは特殊召喚できる!そしてガガガマジシャンを攻撃表示で召喚!」

遊馬「レベル4のグランドランとガガガマジシャンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ガガガガンマン!!」

ユート「…」

遊馬「ガガガガンマンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い!相手モンスターを攻撃するダメージステップ時の間だけ、ガガガガンマンの攻撃翌力は1000アップ!そして相手モンスターの攻撃翌力は500ダウンする!」

ユート「ガガガガンマン…No.を持たぬ九十九遊馬に価値は無いか」

小鳥「何かブツブツ喋ってるけど」

アレン「あいつに独り言を言う癖でもあったか?」

瑠璃「無い筈だけど」

ユート「永続罠『幻影剣』を発動!攻撃翌力を800アップさせる!」

遊馬「それでも俺の攻撃は通るぜ!」

ユート「戦闘または効果で破壊される場合、このカードを身代わりにできる」4000→3800

遊馬「カードを1枚伏せてターンエンド!」

ユート「俺のターン!幻影騎士団ブレイクソードのオーバーレイ・ユニットを一つ使い、自分及び相手のカードを1枚破壊する!俺はブレイクソードを破壊し遊馬!君の伏せたカードを1枚破壊する!!」

遊馬「あっ!?」

ユート「ここからが…俺の本気だ」

ユート「ブレイクソードは破壊された時に墓地の幻影騎士団モンスター2体をレベルを一つ上げ、特殊召喚する!!」

ユート「レベル4となった幻影騎士団ダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイ!」

瑠璃「出るわよ…ユートのエースが」

ユート「漆黒の闇より現れし反逆の牙!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

遊馬「これがユートの…」

ユート「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのオーバーレイ・ユニットを二つ使い相手モンスターの攻撃翌力を半分にし、その数値分モンスターの攻撃翌力はアップする!」

遊馬「攻撃翌力3250…それにこのモンスター…」

「No.96ブラック・ミスト!!」

ベクター「なーんかきな臭えんだよな」

遊馬「そんなわけねえ…ただ似てるだけだ!ランクが違うじゃねえか!!」

アレン「どうしちまったんだよ!」

遊馬「何でもねえ!」

ユート「罠発動『幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ』相手フィールドのモンスターの攻撃翌力を600下げる!」

Ⅲ「次から次に攻撃翌力を下げられてる」

小鳥「大丈夫よ!いつだって遊馬はここから逆転して来たじゃない!」

ユート「そして墓地のダスティローブとサイレントブーツを除外しデッキから幻影騎士団カードを2枚手札に加える!」

ユート「バトルだ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンでガガガガンマンを攻撃!!」

遊馬「ううっ…!」4000→900

ユート「カードを3枚伏せてターンエンド!」

遊馬「俺のターン!」

ユート「…」

「お前を1人にはしない。お前は俺が守ってやる」

「ホープ剣・スラッシュ!!」

「エクシーズ・チェンジ!ゼアル!!」

ユート「何だ今のは…」

遊馬「ゴブリンド・バーグを攻撃表示で召喚!そしてゴブリンドバーグの効果でガンバラナイトを手札から特殊召喚!」

「この世界ごとヌメロン・コードの力を取り込んだのだ」

「さあ生贄のデュエルだ」

遊馬「何でドン・サウザンドなんて思い出してんだ…今はデュエルに集中しねえと!」

ユート「さっきから感じる違和感は何だ…俺の脳裏に浮かぶ光景は」

「来るぞ、遊馬!」

ユート「水色の幽霊…アストラル…この者がアストラルなのか」

遊馬「レベル4のゴブリンドバーグとガンバラナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!頼むぜゴーシュ!H-Cエクスカリバー!!」

ユート「九十九遊馬…ガンバラナイト…書き換え…ヌメロン…アストラル…!」

小鳥「よ、様子は変よ」

瑠璃「ユートの目つき…尋常じゃないわ」

遊馬「エクスカリバーのオーバーレイ・ユニットを二つ使い攻撃翌力を2倍にする!!」

ユート「永続罠発動!『幻影霧剣』対象となるモンスターは効果を無効化され攻撃されず攻撃対象にもならない!」

遊馬「!?」

ユート「お前にだけは2度も負けぬ…いいやお前達にだったな」

遊馬「何の話してんだよ!」

ユート「罠発動!『幻影騎士団シャドウベイル』このカードは装備カードとなり対象となった攻撃翌力と守備力を300アップ!2枚発動させた事で攻撃翌力は3850!」

遊馬「カードを1枚伏せてターンエンド!」

ユート「ドロー!」

遊馬「ただの喧嘩だった…それなのに」ギュッ

小鳥「遊馬!」

遊馬「何でドン・サウザンドの事を思い出しちまうんだ」

ユート「魔法『サイクロン』を発動!『幻影霧剣』を破壊!」

遊馬「いいや!考えたって始まらねえ…かっとビング…」

ユート「破壊した事により攻撃対象となる…バトルだ!!」

アレン「遊馬!ボケっとすんじゃねえ!!」

ユート「反逆のライトニング・ディスオベイ!!」

遊馬「うわああああああああああああああ」

ユート「…」

小鳥「しっかりしなさいよ遊馬!」

Ⅲ「ユート」

ユート「あ、ああ」

Ⅲ「君も様子が変だったけど、大丈夫?」

ユート「…平気だと思う」

瑠璃「スマイルワールド…これ私が預かっておくね」

サヤカ「返して!」

黒咲「俺に貸せ」

瑠璃「あっ!」

黒咲「返して欲しくば俺に勝ってみろ」

サヤカ「隼!!!」

アレン「お前が怒るなんて珍しいな…本当にやべえカードかも」

Ⅲ「目つきが中毒患者のそれだよ。まさに新種の麻薬」

瑠璃「これと同じ症状がクローバー校の生徒にも?カイトは」

黒咲「事を起こそうにも何をするか敵はわからん。クローバー校の連中は奴の忠実な配下と同時に人質みたいなものだ」

ユート「帰るよ、俺」

遊馬「勝手にしろよ!」

瑠璃「あ、待ってよユート!」

黒咲「…」

サヤカ「返して!」

黒咲「喧しい!!」

ドスッ

サヤカ「うっ!」

小鳥「女の子を殴るなんて最低!」

黒咲「峰打ちだ」

Ⅲ「やっぱり何処かズレてる…」

黒咲「これから俺は、クローバー校の生徒を片っ端から捕らえてくる」

アレン「捕まえても何処に閉じ込めとくんだ?」

黒咲「あるか?」

Ⅲ「ハートランド総合病院…あそこなら兄様の顔も効くから」

黒咲「連絡をしておけ」

Ⅲ「うん」

遊馬「…」

アレン「院長になんて言うんだ?病気じゃねえんだぞ」

Ⅲ「一種の感染症じゃないかな」ピッピッピ

アレン「まるでバイオハザードだな。っつうか遊勝の野郎!!」

Ⅲ「あ?兄様ですか…ええ…実は」

Ⅴ「そうか…院長には話をつけておく」

ピッ

Ⅳ「何だって?」

Ⅴ「カイト」

カイト「…」

Ⅴ「学友の笹山サヤカがスマイルワールドの犠牲になった」

カイト「何だと」

Ⅳ「遊勝って野郎のヤサは分からねえのか?」

カイト「あいつは教師でありながら住所不明だ。それに授業を終えたら忽然と姿を消す」

Ⅳ「見かけた時点で消しちまえば良かったじゃねえか」

カイト「あのクローバー校に居る時は、まるで頭を弄くられている感覚だった」

Ⅴ「頭を?」

カイト「何度も校内で片付けてやろうと考えたが不可能だ。そして外で追い詰めて奴は自慢の逃げ足で姿を消す」

Ⅳ「あれだな!何か洗脳装置が」

カイト「無い」

Ⅳ「ねえのか」

カイト「そして考えられる事は…何処からか遠隔操作で俺達の頭を弄っている奴が居る」

クリス「榊遊勝の協力者だな」

遊勝「…」

野呂「ドクトルが開発した装置で最初っから操れば楽じゃないですか?」

遊勝「君は零王から計画の全貌は聞いているのか?」

野呂「ありませんよ!私は中間管理職ですよ?あなたのように独自の権限は」

遊勝「笑顔にしなければ次元統合の意味は無いからな」

野呂「しかし今度のスマイルワールドは実に優秀な効果です。やはり最初の感染者が優秀だと効果さえも」

遊勝「カイトは優秀だよ。間違いなく私の後継者さ」

野呂「ですが!エクシーズ次元の制圧だけで時間がかかり過ぎている!融合次元を制圧した時期を考えて見たら!」

遊勝「あそこには笑顔でない者達も居るんじゃないか?彼らの方はどうなっている」

野呂「そ、それは」

遊勝「ユーリとセレナの居場所は掴めたのか?」

野呂「アカデミアのデュエリスト…特にカイザー亮の強力な抵抗が」

遊勝「ネオアカデミアに対して猛威を振るっているか」

野呂「それだけじゃない!アメリカもヨーロッパもアジアでもアカデミアの抵抗が…榊遊勝!さっさと済ませて帰還してください!!お願いします!!!」

遊勝「零王なら大丈夫だ!しかし君には笑顔が足りないな?」スッ

野呂「だ、大丈夫です!」

遊勝「私は武力による制圧は嫌いだ。最も悪魔の分身には別だがね…それと九十九遊馬も」

野呂「悪魔の分身?もっと大事な事があるでしょう…ほら黒咲瑠璃とか」

遊勝「そこまで言うなら今すぐにでも決着をつけよう。野呂守の笑顔の為に」

野呂「ありがとうございます!(チッ、狂人め)」

ユート「…」

瑠璃「ユート」

ユート「…」

瑠璃「ユートってば!」

ユート「ん?」

瑠璃「変よ」

ユート「ああ…変だな」

瑠璃「遊馬を睨んでた時…あれって」

ユート「俺は間違いなく殺そうとしていた」

瑠璃「[ピーーー]って…」

ユート「俺は…会った事も無い奴を憎んでる」

瑠璃「誰なの?」

ユート「アストラル」

瑠璃「あの遊馬が話してる?」

ユート「ああ」

瑠璃「でも何で」

ユート「わからないんだ。俺にも何で遊馬とアストラルに憎悪を抱いてるのか」

瑠璃「…」

ユート「わからないんだ…!」

遊馬「…」

小鳥「大丈夫かな?」

アレン「サヤカか?ああ見えてタフなんだぜ」

小鳥「へえ」

アレン「遊馬!負けた程度で落ち込むなっつうの!」

遊馬「そうじゃねえよ」

小鳥「どうしたの?」

遊馬「別に何でも無いぜ」

小鳥「嘘ばっかり」

遊馬「…」

小鳥「明らかに様子が変だったわよ」

遊馬「…」

小鳥「ねえってば」

アレン「やっぱり一本気な遊馬とクールなユートじゃ相性悪いよな。あ、でも俺はユートとも」

遊馬「わけがわからねえよ。何でユートが…あいつに見えてんだ」

アレン「そうだ!お前の家に行こうぜ、ほら姉ちゃんと母ちゃん美人じゃね?だから婆ちゃんも若い頃は美人なのか確かめてえしよ!」

遊馬「婆ちゃん?何か昔はハートランド小町とか言われてたって六十郎爺ちゃんが言ってたぜ」

アレン「ハートランド小鉢だってよ。酷いよな、人間を小鉢扱いなんて」

小鳥「小町よ」

遊馬「て言うか小町って何だ?」

アレン「さあな?俺ら学ねえし頭の良い小鳥に聞けばいいんじゃねえか」

小鳥「バカ…」

遊馬「やっぱり、ちゃんと謝らねえとな。俺もムキになって…」

小鳥「あっ!」

アレン「てめえ…!」

遊勝「元気そうだねアレン」

アレン「遊勝!!!」

遊勝「まさか元教え子に呼び捨てされるとは」

アレン「てめえのお陰でサヤカがなぁ!」

遊勝「九十九遊馬くん」

遊馬「何だよ」

遊勝「死んでくれないか?」

遊馬「いきなり何言い出すんだよ…[ピーーー]って言われて死ぬような」

遊勝「だから私が直接手を下すのさ」

小鳥「遊馬!」

遊勝「EMスカイ・マジシャン!」

アレン「おい、デュエルしろよ」

遊勝「こういう事にデュエルを持ち込みたくない性分なんだ。デュエルは楽しく笑顔にね!」

遊馬「何が笑顔だ!お前のやってる事は」

遊勝「君に私を非難できるのか?かっとビング…これだって君が広めた言葉なんだろ?」

遊馬「かっとビングはお前のように強制はしねえ!」

アレン「デュエルしねえ?上等だよ!」

遊馬「おいアレン!」

アレン「そっちがその気なら俺だってリアルファイトに持ち込んでやるよ!!」

シャキンッ

小鳥「何それ?」

アレン「神月家に代々伝わるデュエルローラーだ!」

遊勝「ふふふ」

アレン「何が可笑しいってんだ!」

遊勝「クローバー校では君は浮いた存在だったね。1番の劣等生…不良のようなものだった」

アレン「だから何だ!」

遊勝「君のような人にこそ笑顔が必要なんだよ」

アレン「だったら…そんなもんは、こっちから願い下げだぜ!!」

遊勝「…」

シュンッ

アレン「確かに俺は劣等生だ!デュエルのルールもサッパリわからねえし揉め事ばっか起こしてたよ!」

アレン「けど学校を放り出されて俺は出会ったんだ!遊馬やアリトみたいな一緒にバカやって面白えって思える奴がよ!!」

遊馬「アレン…」

アレン「付き合いは短いかもしんねえ!けど俺は2人の事を掛け替えのねえダチだと思ってる!」

遊勝「…」

アレン「そして…そんな俺を見捨てなかったサヤカを!てめえは傷つけた!!」

遊勝「いい動きだ…」

アレン「てめえのにやけ顔に叩き込んでやる!榊遊勝!!!」

アレン「!」

遊勝「こっちだよ」

遊馬「アレンの攻撃…おっさんに当たった筈なのに」

遊勝「魔法『ペーパー・ドール』を発動した」

アレン「じゃあ…こいつは」

遊勝「私の偽者だよ」

遊馬「デュエルしろ!」

遊勝「争いにデュエルを持ち込むのか?君という男はデュエリスト失格だ」

遊馬「でも俺はそうやってカイトやシャークと分かりあってきた!それだけじゃねえ!あのベクターも…」

遊勝「Mr.ハートランド…」

遊馬「!」

遊勝「邪神ドン・サウザンド」

小鳥「…」

遊勝「君は彼らの心を救えたのか?」

遊馬「何で知ってるんだ」

遊勝「私の同志に頭の切れる男が居る。彼の情報で厄介な男達の事は全て頭に叩き込んでいる…このエクシーズ次元の危機を救った九十九遊馬はその1人」

遊馬「エクシーズ次元?」

遊勝「多くを救うには君のような異分子は排除せねばならんのだ。大人しく死んでくれ」

アレン「させっかよ!」

遊勝「君は少し黙ってくれないか」シュッ

遊勝「永続罠『衝撃の拘束剣』を発動!」

アレン「なっ!」

遊馬「何でデュエルしねえんだ!デュエルなら俺はいつでも受けてやる!」

遊勝「…」

遊馬「そんなに俺を殺したいってんならデュエルしろ!俺が全部受け止めてやる!」

小鳥「ダメ!この人は話なんて!」

アレン「話が通じる相手じゃねえぞ!」

遊馬「今まで話の通じねえ相手にも通じて来た!確かにMr.ハートランドや蝉丸それにドン・サウザンドとは分かり合えなかった…けどな!」

遊勝「けど?」

遊馬「もし…また会えたら俺はわかり合いたいと思う。勝ち負けや切った張ったじゃねえ!デュエルをすれば分かり合える…俺は信じてる!」

遊勝「…フッ」

小鳥「逃げて遊馬!」

アレン「正々堂々と勝負しやがれ!!」

遊勝「…そうだな。デュエルをしよう」スッ

遊馬「本当か!?」

遊勝「ああ…」

ドスッ

遊馬「うっ!」

遊勝「嘘だ。どうしても君達には死んでもらいたい」

小鳥「遊馬!」

アレン「こ、この野郎!」

遊勝「無理に拘束を解かない方がいい!君まで死んでしまうぞ!!」

アレン「聖人気取りかよ…ここで動かねえなら…俺は…死んだっていい!!!」

遊馬「ううっ…」

遊勝「君の感化された影響でアレンは死を選ぼうとしているぞ」

アレン「かっとビングだ…俺…!!!」

遊勝「やれやれ…少し荒療治だが」スッ

小鳥「遊馬!しっかりして!!」

遊勝「スマイル…」

ユート「そんなにデュエルがしたくないなら俺がトドメを刺してくれる!」

遊勝「!?」

ユート「反逆のライトニング・ディスオベイ!!!」

遊勝「グッ!?」

ドォォォォォォォォォォォォ

ユート「傷は浅いぞ!しっかりするんだ!」

遊馬「ユ、ユートか…」

ユート「小鳥!救急車だ!!!早くしろ!!」

小鳥「う、うん!」

遊馬「俺の血…こんなに出て…残ってんのかな…」

ユート「気をしっかり持つんだ!そうだろ遊馬!」

遊馬「な、なあ…ユート…」

ユート「ああ!俺はここに居るぞ」

遊馬「悪かったな…さっき…」

ユート「そんな事…今は気にするな」

遊馬「つ、次は…絶対に…か、勝つぜ…」

ユート「わかってる…だから喋っちゃダメだ」

遊馬「カッコ悪りいな俺…まだ…やりたい事がいっぱいあるってのに…」

小鳥「ねえ!遊馬ってば!」

遊馬「みんなに…よろしくな…それに父ちゃん達に…すまねえって…」

小鳥「うん…!」

遊馬「アストラル…また会いたかったなぁ…」

シュゥゥゥ…

小鳥「遊馬!!!」

アレン「消えちまった…遊馬が…消えちまった…!」

ユート「榊遊勝…!」

遊勝「遊馬の命と引き換えに私の片足を奪うとは…さすがは悪魔」

ユート「黙れ」

遊勝「しかし見れば見るほど息子にそっくりだ」

ユート「息子?」

遊勝「遊矢と言うんだ。最も私が旅立つ前にトドメを刺したがね」

ユート「正気じゃない」

遊勝「私は正気だ」

ユート「…」シュッ

遊勝「君に理解できるか?信じていた息子が悪魔と分かった時の衝撃を」

ユート「幻影騎士団ラギッドグローブを攻撃表示で召喚!」

遊勝「無駄だよ。永続罠『拘束の衝撃剣』を発動!」

ユート「…」

遊勝「次は君だ…しかし足を奪われた」

ユート「幻影騎士団モンスターが破壊された事で手札から幻影騎士団フラジャイルアーマーを特殊召喚!」

遊勝「破壊?中断したんだが」

ユート「…」

遊勝「私の手で葬りたかったが…ほら足が」

ユート「2人の少年を殺した…罪の意識は無いのか」

遊勝「背負う覚悟だよ」

ユート「嘘をつくな」

遊勝「いいや本当だ。それにしても君はとんでもない男だな、デュエルもせずに私の足を吹っ飛ばすなんて」

ユート「…」

遊勝「まさに悪魔!君のような男にデュエルを語る資格などない!」

ユート「…」

翌日

ユート「失礼しました」

カイト「…」

ユート「カイト」

カイト「様子は」

ユート「…家族を亡くしたばかりなんだ」

カイト「…」

ユート「遊馬のお父さんもお母さんも姉さんもお婆さんも…それに小鳥だって!」

カイト「…」

ユート「どれだけ彼が愛されていたか…君にだって!」

カイト「ああ」

ユート「家族の居ない俺が…俺が代わりに」

カイト「誰が死んでも誰かが悲しむ」

ユート「そんな事は無い」

カイト「口で言ってもわからんだろな」

ユート「…」

カイト「表へ出ろ」

ユート「…」

カイト「自分フィールドにモンスターが存在しない事でフォトン・スラッシャーを特殊召喚!そしてフォトン・チャージマンを攻撃表示で召喚!フォトン・チャージマンの効果で攻撃翌力を2000に変更!」

カイト「フォトン・スラッシャーとフォトン・チャージマンをリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

カイト「カードを1枚伏せてターンエンド」

ユート「…」

カイト「アレンから事情は聞いた。お前が奴の片足を吹き飛ばした事をな」

ユート「デュエルでもない…俺はダーク・リベリオンを召喚し奴に攻撃をした」

カイト「だから何だ」

ユート「デュエリストがデュエルでもないのに攻撃をしたんだ!」

カイト「あいつを救う為だったんだろ」

ユート「しかし俺は遊馬を救えなかった…それなのに俺は!」

カイト「たった1度の失敗でか」

ユート「…」

カイト「咄嗟の判断だ。誰もお前を責めぬ」

ユート「それだけじゃない!俺は憎悪している…遊勝を…会った事もないアストラルを!」

カイト「アストラル?」

ユート「時々、感情を抑えきれないんだ。何かの拍子で爆発する…俺が悪魔というのなら…俺を君の手で」

カイト「死にたいなら腹でも切れ、その覚悟が無いなら俺と戦え」

ユート「…」

カイト「そしてお前の手でデュエルの本当の意味を遊勝に叩き込んでやれ」

ユート「俺のターン」

カイト「…」

ユート「カードを5枚伏せてターンエンド」

カイト「…ドロー!」

ユート「…」

カイト「どうやらお前は、そこまでの男というわけだな。バトルだ!!!」

ユート「…」4000→3000

カイト「ターンエンド」

ユート「ドロー!幻影騎士団フラジャイルアーマーを攻撃表示で召喚!そして罠発動!『幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ』表側表示のモンスターの攻撃翌力をターン終了時まで600ダウンさせレベルを2に変更!」

ユート「そして幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズは発動後、レベル2の通常モンスターとなり守備表示で特殊召喚する事ができる!」

ユート「レベル2の幻影騎士団フラジャイルアーマーと幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク2!幻影騎士団カースド・ジャベリン!!」

カイト「…」

ユート「俺は一歩も引かない…俺は奴と戦う!」

カイト「フッ」

ユート「奴もデュエリストならデュエルの土俵に引きずりこむ!そして…そして!」

カイト「遊馬は生きている。こいつを見ろ」

ユート「そのカードは」

カイト「No.62カイトとの思い出…あいつからの贈り物だろうな」

遊馬「遊馬の…」

カイト「俺の勘だが遊馬は生き返る。こいつと同じようなカードを凌牙やⅣの手元にも降りたそうだ」

ユート「それは本当なのか!?」

カイト「デュエリストなら死の間際に自らを複数枚のカードに変化させ敵の目を欺くぐらい可能だ。前例は無いと思うがな」

ユート「遊馬…君って奴は大した男だ」

ユート「幻影騎士団カースド・ジャベリンの効果を一つ使い相手フィールドのモンスターの攻撃力は0となり効果は無効となる!」

ユート「そして罠発動『幻影剣』攻撃力を800ポイントアップ!バトル!銀河眼の光子竜を攻撃!!」

カイト「…」4000→2400

ユート「ターンエンド!」

カイト「ドロー!魔法『フォトン・サンクチュアリ』を発動!フォトントークンを2体特殊召喚!そしてフォトントークンをリリースしフォトン・カイザーをアドバンス召喚!フォトン・カイザーの召喚に成功した事でデッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!」

カイト「魔法『死者蘇生』を発動!墓地の銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

ユート「…」

カイト「レベル8の銀河眼の光子竜とフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク…」

ガクッ

ユート「どうしたんだカイト」

カイト「何でもない…ランク8!超銀河眼の光子龍!!」バチッ

ユート「かなり具合が悪そうだぞ」

カイト「心配はいらぬ…俺は…」

黒咲「前も同じ事が起こったな」

ユート「隼…何処から来たんだ」

黒咲「天」

ユート「相変わらず何を考えているのやら…デュエルを中断すべきだ」

カイト「デュエリストに中断などという言葉は存在せぬ!何が起こってもだ!!」

アストラル「しかしハルトの具合が悪かった時、君は真っ先に中断しただろ」

カイト「アストラル…いつの間に」

アストラル「遊馬の危機を察知し馳せ参じた」

ユート「こいつがアストラル…」

アストラル「君には私が見えているようだな」

ユート「…」

アストラル「き、君はまさか…」

黒咲「おい」

アストラル「何て眼つきをしているんだ…まるで人殺しのような」

黒咲「霊か?」

アストラル「違う。私がアストラルだ」

黒咲「ふざけた事を」

カイト「前に教えただろ。こいつがアストラルだ」

黒咲「外国人かと思ったが…まさか霊とはな」

アストラル「ある意味ではカイトやシャークより厄介そうなタイプか」

カイト「…」

アストラル「肉体を酷使しすぎているな」

カイト「何がってもデュエルは辞めぬ。俺は…」

アストラル「かつての罪滅ぼしか」

カイト「…」

アストラル「だが事態は私達の予想を遥かに上回っている。君1人が背負う覚悟じゃ…」

黒咲「榊遊勝の事だな」

アストラル「ああ…そして全次元を意のままにしようとする赤馬零王率いるネオアカデミアが全次元制覇の為に行動を起こしている」

黒咲「あのキチガイの仲間か?」

アストラル「そう…赤馬零王もまたキチガイだ」

黒咲「キチガイ同士引き合っているわけか」

ユート「…」

野呂「ですから…榊遊勝さんがですね!」

ドクトル「片足を失ったと?ククク…」

野呂「でしょ?本部に帰ってるんでしょ?だったら…バレットやドクトル…あなた達が」

ドクトル「側近である私達が行けると思ってるのか?」

野呂「そ、そうですけども」

ドクトル「何の実績もない君をエクシーズ次元制圧の総司令官に選んだ理由を考えてくれ」

野呂「は、はあ…」

ドクトル「因みに榊遊勝は帰っちゃいない」

野呂「へ?」

ドクトル「シンクロ次元へと進むと…働き者だねえ」

野呂「あの狂人…先に私を助ける方が先決なんじゃないのか!?」

ドクトル「自分が動く必要はないと判断したのだろう。時期にエクシーズ次元にスマイルが侵食する…筈だ」

野呂「屈しない連中は!?どうするんですか!!!」

ドクトル「それは君が指揮すればいい。送っただろ?新しいデッキと戦闘員を」

野呂「ええ…ですが華やかさが足りないんですけど」

ドクトル「それは自らの手腕で補いたまえ」

野呂「ではリストに乗ったデュエリストは笑顔にする前に殺しても」

ドクトル「プロフェッサーの意思は榊遊勝の意思!3日!期限内に連中を根絶やしにしろ」

野呂「ビバ・プロフェッサー!(面倒な事になって来たぞ…クソ)」

カイト「つまり融合次元という世界は既に笑顔に浸食されたと」

アストラル「はっきり言ってドン・サウザンドの方がマシだ」

黒咲「他の世界がどうなろうと俺は知った事ではない」

アストラル「この世界にも魔の手は伸びている。いや…遅かったんだ」

カイト「しかし本当に別の次元が存在していたとはな」

アストラル「一馬さんやDr.フェイカーは…」

ユート「榊遊矢」

カイト「誰だそいつは」

ユート「遊勝の息子…自ら手を下したと言う話だ」

カイト「実の子を?」

ユート「そして俺も同じく悪魔だと」

アストラル「…かもしれないな」

ユート「何?」

アストラル「君は人であるが人ではない。私には感じる…君から奴の気配が!」

黒咲「お前も人の事は言えんだろ」

アストラル「それだが…いや今は口論すべき時じゃないな」

ユート「…」

アストラル「招集してくれ!シャークやⅤ達を!」

カイト「ああ」

シャーク「いい時に来てくれたな」

アリト「何か日焼けしてねえか?」

ドルべ「まさか…」

アレン「お前がアストラルか?へえ…マジで幽霊っぽい」

アストラル「どうやら遊馬のカードが届いているようだ…小鳥は?」

瑠璃「寝込んでいるわ」

アストラル「…」スッ

シャーク「そいつは」

アストラル「私とエリファスの元にも届いてた」

Ⅳ「全部で何枚あるんだ?まさか千とか万じゃねえだろな」

ベクター「100枚」

ミザエル「根拠は」

ベクター「ねえよ」

アストラル「100枚だろうな…私の時も」

カイト「…」

アストラル「長話をしている時ではないな。No.を君達に返そう」

シャーク「待てよ!そいつはお前の記憶じゃ」

アストラル「私の肉体を引きちぎりカードに加工した。No.と大差はない…だがNo.以外のモンスターにも破壊される欠点を持っている」

アレン「自分の肉体を…男だぜ、こいつは」

黒咲「幽霊にしては根性があるな」

ユート「問題は笑顔病がどれだけ増えているかだ」

瑠璃「サヤカ…サヤカだけじゃないわよね」

アレン「サヤカの両親も手遅れだった。それだけじゃねえ!」

ユート「学区内に入っている地区は全て笑顔に飲まれた…恐るべきは、その爆発的な感染力!」

アストラル「その感染力を考慮し既に感染した者が海外または他の人間に接触する事で」

ドルべ「世界の何処かで笑顔病に感染した者が何処かの誰かに…」

Ⅴ「人と人の輪は途切れぬ事はない。それを利用すれば」

シャーク「けど前の時はすぐに気絶したぜ?まだまだ大丈夫じゃ」

ザッザッザッ

ザッザッザッ

ザッザッザッ

「イイーッ!」

ベクター「何だこいつら?笑顔じゃねえぞ」

野呂「ネオアカデミア製作のアンドロイドマン!私の部下だよ」

アレン「小せえおっさんだ」

ギラグ「えらいチンチクリンな親父だな」

野呂「容姿に関しての罵りはやめてもらおうか!」

カイト「何だお前は」

野呂「エクシーズ次元制圧部隊総司令官・野呂守!ネオアカデミアの幹部と記憶するがいい」

アレン「プッ」

アリト「こんなとっちゃん坊やが幹部?はははははは」

Ⅳ「笑わせるじゃねえか!」

野呂「ぐぬぬ…」

アストラル「これが幹部なのか」

野呂「爆発的な感染力の原因は天城カイトによって採れたスマイルワールドだからだ!」

ミザエル「カイトから?」

Ⅴ「どうりで凄まじい感染力なわけだ」

野呂「そういうわけだ。君達のような計画の妨げになる連中は武力で消す!」

「イイーッ!」シュッ

「イイーッ!」シュッ

アレン「上等だ!」

アリト「バラバラにしてやんよ!」

シャーク「デュエ…」

「機械の光子兵を召喚!」

「機械の時空兵を召喚!」

ミザエル「何だと!?」

Ⅴ「フォトンとタキオン…何故」

野呂「ネオアカデミアは、それぞれの次元における特性に応じてモンスターを生み出す!」

カイト「エクシーズ相手には…そいつらか」

アレン「ビビる事はねえ!俺らもデュエルで応戦するまでよ!」

野呂「愚か者め!武力で消すと言ったではないか!!!」

ドルべ「ネオアカデミアはカードを兵器として」

野呂「ごっこ遊びなどやってられるか!こっちにも生活がかかっているんでな!」

璃緒「卑怯よ!」

野呂「卑怯もらっきょもないわ!」

黒咲「ほぉ…」

Ⅲ「僕達も」

Ⅳ「デュエルもしねえのにモンスター出して攻撃するいうな奴らとデュエルしてやる義理はねえよ」

Ⅴ「デュエリスト失格だな。あのチンチクリンは」

アリト「じゃあデュエルするように持ってくか」

ギラグ「アンドロイドだぜ?んなのインプットされてねえだろ」

ベクター「…」

ミザエル「どうしようも無い敵だな」

ドルべ「何の為のデュエルなのか理解に苦しむ」

シャーク「この機械兵共を叩き潰す!行くぜ、てめえら!」

アレン「おうよ!」

野呂「ふふふ…後は」

黒咲「卑怯もらっきょも無いか」

野呂「なっ!?」

黒咲「同じ事をほざいて腹に穴を開けて死んだ奴が居た」

カイト「…」

ユート「どうする?リーダー格ならデュエルしてみろ」

野呂「…ライフは」

カイト「俺達は3人でお前は12000でいい」

野呂「あんたら3人なんだから私のデッキは40×3!120枚でいいな!?それに手札だって」

カイト「勝手にしろ」

野呂「命知らずめ!私とてエクシーズ次元制圧を任されているのだぞ!!!」

ユート「…」

野呂「始めようか?」

カイト「…」

黒咲「…」

ユート「…」

ユート・黒咲・カイト・野呂「デュエル!!!!」

野呂「先攻は私だ!ドロー!自分フィールドにモンスターが存在しない事で機械の銀河竜を特殊召喚!」

カイト「…」

野呂「そして魔法『双機械竜降臨』を発動!デッキから同名モンスターを特殊召喚する!」

アストラル「ユート」

ユート「何だ」

アストラル「奴はシャッフルをしていない」

ユート「ああ」

アストラル「だったら」

ユート「俺はカイトと隼を信じている。何が起こっても…俺達は負けないという事を!」

アストラル「…」

ユート「それに俺はデュエルの本当の意味を連中に叩き込みたい!遊馬や遊矢の仇を!!」

アストラル「どうやら私が思ってたよりも彼は真っ当な人間のようだ…しかし何故、私は奴の事を思い出してしまったんだ」

黒咲「あれも科学の結晶ってわけか」

カイト「敵は何処までも俺達の事を調べ上げているようだな」

野呂「当たり前だ…失敗は処刑!それがネオアカデミアの鉄の掟!」

アストラル「機械の銀河竜…光属性・攻撃力2100/守備力1600」

ユート「同じモンスターが2体…」

アストラル「ああ…来るぞユート!」

野呂「レベル5の機械の銀河竜2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!超機械の新星龍!!」

超機械の銀河龍 攻撃力2100/守備力1600

カイト「融合ではないのか」

野呂「ここからだ!魔法『機械の宝札』を発動!手札を1枚墓地へ送りデッキから1枚ドロー!」

野呂「そして蝶機械の新星龍のオーバーレイ・ユニットを一つ使い墓地の機械の銀河竜を特殊召喚!そしてフィールドの機械の銀河竜を除外する事で攻撃力を除外した機械の銀河竜分だけアップ!」

黒咲「…」

野呂「さあバトルと行こうか!」

ユート「バトルだと!?」

アストラル「攻撃力4200が直撃すれば!」

野呂「先ずはお前!遊勝に見初められた天城カイト!!!」

カイト「…」

野呂「死ねい!」

ユート「カイト!」

野呂「ふふふ」

カイト「手札のクリフォトンを墓地へ送る事でライフを2000払い、このターン俺へのダメージは全て無効となる」4000→2000

野呂「カードを5枚伏せてターンエンド!」

黒咲「フッ」

アストラル「何処まで卑怯な男だ」

「ユート…ユート…」

ユート「誰だ!?」

アストラル「どうした?」

ユート「何処からか声が」

遊矢「俺は榊遊矢…」

ユート「遊矢!?しかし君は」

遊矢「そう、鬼畜外道に成り下がった実の父に殺された男さ…」

ユート「でも何で」

遊矢「俺達は繋がっている…何処に居ても」

ユート「…」

遊矢「君と話がしたい。だから…このデュエルを制してくれ」

ユート「…ああ!」

黒咲「俺のターン!」

野呂「何が起こっても、このデュエルの勝者は私だ!私がデュエルを支配している!!」

黒咲「貴様は既に見捨てられている。聞こえぬか?カードの魂の叫びが」

野呂「は?何を言っているんだ」

黒咲「カードは持ち主を選べぬ。だが自らの意思で行動に移す事も可能!」

野呂「お前も遊勝同様に気が狂っているのですね!所詮は兵器でしょうが!!!」

黒咲「ルールも守れぬ下劣な貴様は、この戦場では丸腰に過ぎぬ!」

カイト「くっ…」

アストラル「大丈夫か」

カイト「ああ」

黒咲「RR-バニシング・レイニアスを攻撃表示で召喚!そして手札から2体目のRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!さらに自分フィールドにRRモンスターが存在する事で手札からRR-ファジー・レイニアスを特殊召喚!」

黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアス2体とRR-ファジー・レイニアスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!RR-ライズ・ファルコン!!」

黒咲「ライズ・ファルコンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手フィールドに特殊召喚されたモンスターの攻撃力分アップする!」

野呂「罠発動!」

黒咲「フッ」

野呂「な、何!?」

アストラル「どうやらデュエルを甘く見ていたようだな」

野呂「何故?何故ですか!?」

黒咲「貴様の舐めきったデュエルでカードが怒っている。それだけだ」

野呂「こんな物が!?」

黒咲「武力で制圧したくば重火器を持って来い!デュエルで挑むなら真正面からデュエルで語れ!」

野呂「ぐぬぬ…アンドロイドマン!アンドロイドマン!」

ユート「まだ何かをやる気か」

野呂「ネオアカデミア必殺!乱入戦術だ!!!」

黒咲「周りを見ろ。貴様が放ったガラクタ兵は全滅しているぞ」

野呂「くっ…」

ユート「…」

黒咲「装備魔法『ラプターズ・アルティメット・メイス』を装備!これにより攻撃力は1000アップ!」

野呂「いや…まだ手はある」

黒咲「ブレイブクロー・レボリューション!!!」

野呂「ううっ…」12000→10900

黒咲「…」

野呂「超機械の銀河龍が破壊された事でエクストラデッキから融合モンスターを召喚できる!現れろ、機械の三頭竜!!」

黒咲「カードを1枚伏せてターンエンド!」

カイト「俺のターン!」

野呂「待て!私に回してくれ…私に…!」

カイト「ハンデは腐る程やっただろ。儀式魔法『光子竜降臨』を発動!儀式召喚!光子竜の聖騎士!光子竜の聖騎士をリリースしデッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚!」

野呂「おい!何故だ…何故発動しないんだ!?」

カイト「バトル!この瞬間、効果を発動!」

野呂「!?」

カイト「貴様のモンスターと銀河眼の光子竜をバトルフェイズ時まで除外する!」

野呂「除外…」

カイト「そして銀河眼の光子竜が除外された事で手札のディメンション・ワンダラーを墓地へ送り相手に3000のダメージを与える!」

野呂「あああああああああああああああああああ」10900→7900

カイト「ターンエンド…」

ユート「俺のターン!」

野呂「参った!参った!!」

ユート「君の力を借りるぞ、カイト」

カイト「俺の力?」

ユート「このカードで俺の運命を切り開く!」

ユート「カードを1枚セット!この瞬間、幻影騎士団シェード・ブリガンダインの効果を発動!自分墓地に罠カードが存在しない場合、このカードはセットされたターンに発動する事ができる!このカードは発動後、レベル4通常モンスターとして特殊召喚!」

ユート「そして幻影騎士団クラックヘルムを通常召喚!」

ユート「レベル4の幻影騎士団シェード・ブリガンダインと幻影騎士団クラックヘルムでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!!」

ユート「魔法『希望憑依』を発動!自分フィールドのエクシーズモンスターのランクをフィールドのモンスターと同じレベルに変更する!銀河眼の光子竜と同じ8に変更!」

アストラル「希望…」

「アストラル!」

アストラル「遊馬!?」

ユート「俺は今、2人の少年の思いを受け継ぎ戦っている!人間は1人じゃ何もできない哀れな存在だ。アストラル!お前も俺を信用できないだろう」

アストラル「…」

ユート「だが俺は…いや我は借りだけは返す!レベル8となったダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンと銀河眼の光子竜でオーバーレイ!銀河の眼よ!黒き希望を震わせ、闇の大河を貫き今その力が一つとなる!エクシーズ召喚!ランク8!希望魁竜ギャラクシーアイズ・リベリオン・ドラゴン!!!」

アストラル「そうか…君が誰なのか、やっとわかったぞ」

ユート「このモンスターがレベル8扱いのエクシーズモンスターを素材に召喚に成功した時、相手フィールドのレベル8以下のモンスターを全て破壊した数×1000のダメージを与える!」

野呂「ぐあああああああああああああああああああ」7900→6900

ユート「そして、このモンスターは1度のバトルフェイズに3回の攻撃が可能となる!」

野呂「攻撃力3000の3回攻撃!?こ、これは」

ユート「今度デュエルをしたければ正面から来るがいい。自分ルールなんぞ…いや我が言うのも烏滸がましいか」

野呂「ううっ…」

ユート「しかと己が魂に刻むがいい!バトルだ!破滅のギャラクシー・ディオベイ!!!」

ドワォ!

野呂「…」

カイト「…やったか」

黒咲「お前…見えてないのか」

カイト「…」

アストラル「君は無茶をしすぎる」

カイト「お前の相棒は俺以上だったろ」

ユート「ふぅ…」

「おめでとうユート」

ユート「…遊矢」

「あいつも喜んでるぞ」

ユート「あいつ?」

「それは折り入って話よ。じゃあ」

ユート「待ってくれ!どうやって俺は君に会えば」

「うーん…」

黒咲「で?貴様らはどうやって次元移動した」

野呂「決まってるでしょう!アジト内にある次元移動装置ですよ!」

黒咲「やけに素直だな」

野呂「こうなったら一切合切喋りますよ!裏切るので許してください!」

黒咲「フフフ」

野呂「ははは…」

黒咲「殺す」

野呂「ヒッ!?」

ユート「やめろ隼」

Ⅴ「つまりアジトに次元移動装置があると」

ユート「このとっちゃん坊や」

野呂「とっちゃん坊やの意味を知ってるのか?私は心も大人だぞ!」

アレン「やかましいチビ!」

アリト「童貞の匂いがプンプンするぜ!」

野呂「ううっ…」

黒咲「案内しろ」

野呂「あ、はい」

Ⅴ「では機械に強い私も同行しよう」

ドルべ「では私も」

シャーク「お前が率先して行動するなんてな」

ドルべ「たまには私だって」

ミザエル「見つけたら移動するんだろ?だったら」

Ⅴ「様子見だ。相手の数が何人かも分からぬ」

アリト「雑魚が千人ぐらいで幹部が5人ぐらいで首領が1人だろ?」

アレン「そんなもんだろ」

野呂「ブッブーッ!そんなレベルじゃありませんよー!」

黒咲「…」

野呂「あ、いえ…えーっとですね。この世界の総人口が幾つは知りませんが…おおよそネオアカデミアの数は融合次元の半分以上はネオアカデミアに所属するデュエリストです」

ユート「地球の総人口?幾つなんだ」

Ⅴ「約73億7763…そして今も増え続けている」

アレン「って事は…悪の組織の総人数は」

アリト「ザッと30億近くってわけか?んなバカな話があってたまっかよ!」

Ⅴ「そんな大勢を相手にするとなると」

ドルべ「だが全員が悪人というわけではないだろ」

ユート「そうなのか」

野呂「ええ…純粋なネオアカデミアはプロフェッサー、バレット、ドクトルの3人と無数のアンドロイドマンぐらいですからね」

ユート「本当か」

野呂「本当ですよ!あ、でも少年兵も居ましたね」

黒咲「ほぉ…子供を戦場に借り出すか」

野呂「いやいや私じゃないですよ!そ、それに少年兵達は全員逃げ出しまして」

ユート「逃げた?」

野呂「ちょうど君に似た男が音頭を取りましてね。そういえば名前も似ているな」

ユート「何て名前なんだ」

野呂「ユーリ…」

ユート「ユーリ?」

野呂「私も詳しい事は」

ユート「本当か?」

Ⅴ「しかし壮大な規模だな。誰か反旗を翻す者は居なかったのか」

野呂「何でも反旗を翻しそうな厄介なデュエリストが消息不明になったとかで行動を開始したようですよ」

ドルべ「遊馬のようなタイプか?」

野呂「えーっと確か名前は十城遊代とか遊城だったか?うーん…」

黒咲「さっきから聞いていれば貴様は本当に最高幹部なのか」

野呂「勿論ですとも」

ユート「きっと捨て駒感覚で派遣されたんだろうな」

ドルべ「憐れな男だ」

野呂「さあご覧下さい!これが次元移動装置」

ガチャッ

ユート「実に普通のアジトだ」

ドルべ「もっと地下にあると思ったが」

Ⅴ「二階建て住宅とは」

野呂「えぇ…」

バレット「…」

黒咲「まだ仲間が居たのか」

バレット「作戦は失敗に終わったようだな」

野呂「バ、バレット…隊長」

バレット「で?お前は裏切ったと」

野呂「く、黒咲さん」

黒咲「あの残骸は次元移動装置だな」

野呂「ええ…はい」

黒咲「このデカブツが破壊したと」

野呂「でしょうね…気をつけてくださいよ。この人は不死身のバレットと言って」

黒咲「俺にガンを飛ばすと痛い目を見ると言う事を知らないらしいな」

バレット「図に乗るなよ小僧」チャキッ

ドルべ「拳銃だ…」

ユート「隼!相手は銃を」

黒咲「頭に当たれば死!それ以外なら生きる!」

バレット「跳ねっ返りめ」

バンッッ

ポタポタ…

黒咲「代償はデカかったな」

バレット「私の片目を潰すとは…」

Ⅴ「さすがにカイトが引っ張り出しただけはある」

ドルべ「まるで獣のような動き…いや彼なら隼か」

野呂「…」

バレット「貴様の名は」

黒咲「黒咲隼」

バレット「バレットだ。次に会う時は貴様を殺す」ピッ

ユート「消えた」

野呂「転送ですよ転送」

ユート「しかし唯一の装置が破壊されては」

Ⅴ「この残骸から再び作り出せばいい」

ドルべ「可能なのか?」

Ⅴ「時間はかかると思うが」

ユート「それでは間に合わない」

野呂「そうですよ!プロフェッサーは全次元制覇の為に…」

黒咲「戦える連中は居ないのか」

野呂「融合次元ですか?まあ…負けるでしょうね。何せ数が」

ドルべ「…」

野呂「まあ残りはスタンダードやシンクロのデュエリストと手を組むのがベストでしょうな。返してくれるかは知りませんが」

ユート「シンクロとスタンダード」

野呂「そういえば遊勝はシンクロへ飛んだんでしたっけね。早く行かないと大変な事になるかもしれませんね」

数日後

ユート「…」

「ユート」

ユート「遊矢」

「何か手はあるか?」

ユート「時間がかかるそうだ」

「…」

ユート「先に君に会うんだったな」

「スタンダードは舞網市…そこの舞網総合病院に俺は寝たきりになってる」

ユート「起き上がれないのか」

「頭でわかっていても身体が拒否してる…だから外側から君が」

ユート「…わかった」

アストラル「ユート」

ユート「アストラル」

アストラル「方法が見つかった」

ユート「完成したのか?」

アストラル「完成は先になるそうだ」

ユート「じゃあ…」

アストラル「No.の力で飛び立つ」

ユート「No.の?」

アストラル「ああ」

ユート「…」

カイト「…」

コンコン

カイト「…」

ガチャッ

ゴーシュ「勝手に入るぜ」

カイト「お前達か」

ドロワ「どうだ具合は」

カイト「何も変わらん」

アレン「ったく無茶しやがってさ」

カイト「他にも連れて来たか」

ゴーシュ「俺ら3人だけだぞ?」

アレン「あれだろ。おばちゃんに纏わりつく霊じゃね?」

ドロワ「私に?」

アレン「男泣かせっぽいし」

ゴーシュ「こう見えてもモテねえんだぜ?気が強えからよ!」

ドロワ「余計なお世話だ」

カイト「霊だな」

ドロワ「…本気で言ってるのか」

カイト「アレン」

アレン「お?」

カイト「モンスターが魔物と呼ばれていた時代…お前の先祖は大筒で退治していたそうだな」

アレン「ああ…それがどうした?」

カイト「だったらある筈だ。霊に干渉できるアイテムがな」

アレン「持って来たぜ!」

ゴーシュ「いいノリしてんな」

ドロワ「鏡ではないか」

アレン「霊界ポケット!映せば霊も見えるし入れば霊にもなれる代物よ!」

ドロワ「どうしたんだ?怪我をしているようだが」

アレン「蔵を弄ってたらアンナに暴露て一悶着よ」

ドロワ「あの子は凶暴だからな…」

ゴーシュ「どれどれ…本当に居るのか?」

ハートランド「…」

蝉丸「…」

クラゲ先輩「…」

蚊忍者「…」

ドロワ「Mr.ハートランド!?」

ハートランド「…」

アレン「おお!Mr.ハートランドじゃねえか!?死んだって聞いたぞ!」

ゴーシュ「こいつ悪党っつうか小悪党だったんだよな」

ドロワ「何か口パクで喋っているが」

カイト「こっちへ来い…か」

アレン「野郎!あっちの世界に引っ張り込む気だな!!」

ブンッッ

ゴーシュ「こりゃ面白えノリだぜ!マジで入っちまったぞ」

ドロワ「感心している場合ではない!私達も行くぞ」

ゴーシュ「ああ!」

アレン「おい!カイトをあの世に誘うなんて、そうは問屋が卸さねえぞ!」

ハートランド「な、何だ!?」

ゴーシュ「久しぶりじゃねえか?なあハートランドよ」

ドロワ「死んでまで何かを企むとは」

ハートランド「元気そうだね2人とも」

ドロワ「見慣れない奴らが居るが」

ハートランド「悪魔デュエリストの方々だ。地獄で知り合ってね」

ゴーシュ「バネとラジカセ?普通じゃねえな」

ドロワ「その3人は知ってる。お前の部屋に飾られていた写真に写っていた連中だな」

クラゲ先輩「クラゲ先輩っす」

蝉丸「先輩が敬語使ってんぞ!?」

蚊忍者「カッカッカ!年功序列を重んじる先輩が歳上に敬語を使うのは至極当然ってか?」

ハートランド「19歳ですよ先輩」

クラゲ先輩「はあ!?んなわけねえ!俺だって色々と下の連中見たがよぉ~!こーんな老け顏の年下見た事ねえぞ!」

蝉丸「最近のガキは大人びてるって言うけどよ…それはねえだろ」

蚊忍者「お前は疲れてるんだ」

ハートランド「うーん…履歴書には」

ドロワ「そんな事はどうでもいい!」

ゴーシュ「相手になってやるぜ」

ハートランド「せっかち!何でもかんでも敵対すると思うんじゃない!」

蝉丸「俺とハートランドは、こいつを渡しに来たのよ」

アレン「遊馬のカードだ!」

ゴーシュ「どういう事だ?」

ハートランド「ふふふ」

ドロワ「何かの罠か?」

ゴーシュ「改心したってか?」

ハートランド「ノーファンタスティックッ!それはあり得ない!」

ドロワ「本当だろうな」

蝉丸「嘘ついて何になるんだよ」

ハートランド「こんなものを所持してたら、いつまで経っても苦い記憶が消えない!せっかくの地獄ライフが憂鬱になるのだよ」

蝉丸「ってわけだ」

ゴーシュ「へっ!あんたでも他人を思う気持ちってのがあるんだな」

「あ、時間だ」

「新入り!早く帰らねえと将軍に怒られるぞ!」

クラゲ先輩「おう行くぞ」

蚊忍者「ハートランド!蝉丸!」

蝉丸「お前は何か言う事ねえのか!」

蚊忍者「天城カイト死ね」

クラゲ先輩「神代凌牙とクソファンサービス死ぬ」

ハートランド「では」

アレン「…」

ハートランド「そこのちびっ子は叩けば強くなると思うぞ」

ゴーシュ「やっぱり思うか?」

ハートランド「腐っても私は君達や大勢のデュエリストを育成した身!この目に狂いは無いのだよ」

蚊忍者「やっぱ元天才詐欺師が言うと説得力あるってか?」

ハートランド「サラッと私の前職を漏らすのは辞めたまえ」

カイト「あいつが?」

ドロワ「今は将軍と名乗る者に使えているようだ」

カイト「相変わらず誰かの下に付くのが好きな奴だ」

ゴーシュ「復帰できそうか?」

カイト「知らん」

ゴーシュ「この適当っぷりよ」

アレン「へっへっへ」

ドロワ「何かあったら言ってくれ」

ゴーシュ「春まで暇だからよ!」

カイト「考えておく」

アレン「そういや小鳥から聞いたんだけどさ」

ドロワ「どうした」

アレン「カイトに惚れてんのか?」

ドロワ「ああ」

アレン「恥じらいなさすぎじゃね?」

ゴーシュ「妙に達観してるからよ」

アレン「こりゃサヤカに分はねえな」

ドロワ「何故だ?」

アレン「そりゃ…ドロワが美人で巨乳だし?熟女の色気っつうのか」

ドロワ「だがあの子には私と違い。若さと奥ゆかしさがある」

アレン「ちょいと内気だけどな」

ドロワ「どちらが優れているというわけではないんだ。それにこれは女の戦い!男の口出しは無用!!」

アレン「お、おっす!」

アリト「来ちまったぜ!生きてるか?」

ミザエル「ノックぐらいしろ」

ギラグ「どうだ」

カイト「問題はない」

ミザエル「意外と早くに行けるかもしれないぞ」

ゴーシュ「何処に」

ミザエル「次元超え」

アレン「説明になってねえぞ」

カイト「完成したのか?」

アリト「そうじゃねえんだと」

カイト「…」

アリト「アストラルの船あるだろ?あれで飛ぶってよ」

カイト「そんな機能があるのか」

ギラグ「先史遺産の力でな」

カイト「先史遺産の?」

ギラグ「何でも、あれにはこの世界と異次元を繋ぐ力ってのがあるらしいわ」

ミザエル「というわけだ」

アリト「あの船って俺ら全員が乗れるだろ?だからよ」

カイト「やめておけ」

アリト「何で?」

アレン「全員で殴り込めば!」

ゴーシュ「こいつらの言う通りだぞ」

カイト「得策ではない」

ミザエル「得策ではない?」

カイト「第一に俺達の目的はネオアカデミア打倒以外にも遊馬を取り戻さねばならぬ」

ゴーシュ「…そうか」

カイト「第二に大勢で押しかければ他の世界の連中とのいざこざが起こる」

アリト「何で?」

カイト「俺はそれぞれの世界の文化・風流は違うと踏んでいる。融合はともかくシンクロなど聞いた事もないだろ」

ギラグ「ああ」

カイト「そうなれば俺達は連中側からすれば侵略者扱いだ。無駄な戦いが生まれる」

アレン「そうか?」

カイト「俺なら攻撃を加える。見知らぬ奴など信用はできんからな」

ドロワ「なるほど」

カイト「第三に俺達が全員で行けばもぬけの殻となるのは必然…第二の遊勝や新たなネオアカデミア最高幹部が押しかけてくる可能性もある」

ミザエル「…」

カイト「最後に笑顔病の侵攻を止める必要がある。デュエリストならまだしも非デュエリストが巻き込まれるなど、言語道断」

アリト「って事は少数精鋭ってわけか?」

ミザエル「ナッシュそれに隼、ユート辺りは残すか行かすか」

アレン「ユートと隼は行くと思うぜ。俺もだけど」

ミザエル「お前も?」

アレン「俺には遊勝への借りがあるんだよ!それに」

ミザエル「お前のような小童が?笑止!」

アリト「いいじゃねえか?別にさ」

ミザエル「これは遊びじゃない!」

アレン「だったらデュエルで語ろうぜ」

アリト「2対1だ!文句ねえだろ!?」

アレン「何でだよ!」

アリト「別にバカにしてるわけじゃねえぞ?お前の実力はプロのオイリー・マッスル相手に良い線行ってたしよ」

アレン「じゃあ」

アリト「ミザエルは強え」

アレン「そんなにか?」

アリト「ナンバー1が満場一致でカイトならナンバー2はミザエルって専らの評判よ」

アレン「あいつがね」

アリト「ナッシュもタイマンじゃミザエルには負ける…と思う」

アレン「じゃあ何でシャークは頭なんだ?お前らの頭なんだろ?」

アリト「ミザエルは器がねえんだ。唯我独尊っての?そういうタイプでさ」

アレン「プライド高そうだもんな」

アリト「だろ?冗談なんて通じねえし」

アレン「わかる気がするわ」

ミザエル「聞こえてるぞ」

ギラグ「人の趣味に口出すしよ。アイドルは居るけどドラゴンなんて今のご時世、居ねえっつうの」

ゴーシュ「カイトのライバルだけあって突き抜けてんな」

ドロワ「ふふふ」

ミザエル「そんなに人望がないのか!いいだろ、このデュエルで証明してくれる!私が」

アレン「へえ!あいつバカだな」

アリト「告られて酷い振り方してだぜ?3年の女共に総スカン喰らってんだわ」

アレン「ハハハハハハハ!!!」

ミザエル「おい!」

アレン「先攻は俺らからな」

アリト「アレン→ミザエル→俺→ミザエルの順にな。お互いに1ターン目は攻撃ができねえって事で」

ミザエル「フン」

アリト「じゃあ始めようか!」

アレン「フィールド魔法『ゾディアックS』を発動!そして十二獣クックルを攻撃表示で召喚!そして」

ミザエル「文政の世…暴れ狂うモンスターを大筒で倒したと呼ばれる神月家の秘伝だったか」

アレン「エクシーズ召喚!ランク4!十二獣ドランシア!!ゾディアックSの効果で攻撃力と守備力は300アップ!カードを2枚伏せてターンエンド!」

ミザエル「私のターン!相手フィールドにエクシーズモンスターが存在する場合、半月竜ラディウスは手札から特殊召喚する事ができる!この方法で特殊召喚された半月竜ラディウスのレベル8!フィールドにレベル8モンスターが存在する事で星間竜パーセクをリリース無しで召喚!」

ミザエル「レベル8の半月竜ラディウスと星間竜パーセクでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク8!No.107銀河眼の時空竜!!」

ミザエル「カードを1枚伏せてターンエンド」

アリト「俺のターン!BKヘッドギアを攻撃表示で召喚!そしてBKモンスターが存在する事で手札からBKスパーを特殊召喚!」

アリト「レベル4のBKヘッドギアとBKスパーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!BK拘束蛮兵リードブロー!!」

アリト「カードを1枚伏せてターンエンド!」

アレン「ドロー!十二獣ドランシアのオーバーレイ・ユニットを一つ使い、相手フィールドの表側表示モンスターを破壊する!」

ミザエル「速攻魔法『時空浄化』を発動!選択したモンスターを1度、フィールドから除外し自分フィールドに戻す!」

アレン「逃げちまったか…だったら俺は手札の十二獣ヴァイパーの効果を発動!手札の十二獣ヴァイパーをフィールドの十二獣エクシーズモンスターに重ねる事ができる!」

ミザエル「まるで未知のモンスター達だ」

アレン「ターンエンド!」

アリト「俺のターン!野郎…久しぶりにタキオンとデュエルしてニヤニヤしっ放しじゃねえか」

ミザエル「お前はどうなんだ」

アリト「楽しいに決まってるじゃねえか!」

ミザエル「だろうな…だからこそ私達はデュエルをする。お前もだろアレン」

アレン「当たり前じゃねえか!」

アリト「バトルだ!拘束蛮兵リードブローで銀河眼の時空竜を攻撃!」

ミザエル「自らを破壊し効果で攻撃力を上げるか?その手は通じぬ!刮目せよ!銀河眼の時空竜の効果を!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ギラグ「あっ!」

ゴーシュ「どうした?」

ギラグ「ミザエルのデュエルって高確率で中断するジンクスがあるんだよ」

ドロワ「まさか…」

ギラグ「いや…けど相手がカイトの時に限られてるからなぁ…」チラッ

カイト「…」

ギラグ「カイトは病室から見てるし…大丈…」

バチッ

ギラグ「じゃねえ!ミザエルの野郎…完全に荒ぶってやがる!」

ドロワ「何だと!?」

ミザエル「ククク…」

ギラグ「ぶっ飛ぶぞ!」

アレン「ぶっ飛んでたまるかよ!」

アリト「やるからには全力で決めてやるぜ!」

ギラグ「こりゃ呪われてるわ…」

カイト「また中断か」

ギラグ「病室から顔出すな!お前も半分は関係してるかもしれねえんだぞ!」

カイト「何故だ」

ギラグ「とりあえずデュエル庵行って御払いして来い!」

カッ

ザッザッザ

「^_^」

「^_^」

「^_^」

璃緒「ドルべ」

ドルべ「ああ」

璃緒「^_^」

ドルべ「^_^」

ザッザッザ

ドルべ「やり過ごしたな」

瑠璃「ここよ!」

璃緒「あ、居たわ」

ドルべ「これがアストラルの船なのか」

璃緒「前より大きくなってるわ」

アストラル「これで飛べる」

ユート「試した事は」

アストラル「無いが」

瑠璃「大丈夫かな?」

璃緒「どうかな…次元を超えるなんて前代未聞だろうし」

ドルべ「…」

ユート「君も行くのか」

ドルべ「私は残る。アストラル」

アストラル「…」

ドルべ「遊馬は、私にもカードを託した」

アストラル「それが何か疑問でも」

ドルべ「そこまで私と遊馬に関わりはない」

アストラル「そんな事は問題じゃないと思うぞ」

ユート「俺にだって託したんだ」

瑠璃「真面目なのね。ドルべって」

璃緒「それが弱点なのよね。真面目すぎるっていうか」

ドルべ「真面目でいいじゃないか!大体、最近の若者は」

カッ

ブオオオオオオオオオオ

瑠璃「ドルべ!」

ドルべ「な、何だ!?」

ユート「バイク…見た事もない形状だが」

ユーゴ「またワープか!?おい!クリアウィング!俺に何か恨みでもあるってのか!?」

瑠璃「…」

ユーゴ「リン!」

瑠璃「え!?」

ユーゴ「とうとうワープしたんだな!な?俺の言った通りに」

ユート「その手を離してもらおうか」

ユーゴ「…やっべえ」

ユート「怪しい奴め、正体を現せ!」

ユーゴ「俺も驚いたんだ!お前も驚くだろうぜ!!」

アストラル「何!?」

璃緒「似てないけど似てる…輪郭とか背丈が」

ドルべ「君の兄弟なのか?」

ユート「俺は天涯孤独だ」

ユーゴ「俺も孤独よ」

瑠璃「…」

ユーゴ「まあ安心しろよ!俺は軽く6回もワープしてっから」

瑠璃「そ、そうなんだ」

ユーゴ「だから言ったろ?ワープするって!」

ユート「だから手を離せと」

ユーゴ「やい!てめえはリンの何だ!!」

ユート「…彼氏」

ユーゴ「んなわけねえだろ!ふざけた事を言いやがって!!」

ドルべ「事実だぞ」

ユーゴ「てめえは引っ込んでろ!」

ドルべ「私の苦手なタイプだ…」

アストラル「体構造はそっくり…しかし髪型だけは違うな。仮に双子だとしても…いや双子なら尚更、髪型が違うか」

ユーゴ「この俺とデュエルしろ!」

ユート「ああ」

瑠璃「何か大変な事になったわ」

璃緒「そうね…」

ユーゴ「リン!ここで見てろよ。俺は、こういうクールな野郎が大っ嫌いなんだ!」

ユート「瑠璃だ」

ユーゴ「瑠璃じゃねえ!リンだ!」

ユート「先攻は俺が頂くぞ!」

ユーゴ「いいぜ!」

ユート「モンスターを裏側守備表示にしカードを3枚伏せてターンエンド!」

ユーゴ「俺のターン!自分フィールドにモンスターが存在しない事で手札からSRベイゴマックスを特殊召喚!ベイゴマックスの効果を発動!ベイゴマックスが召喚に成功した事でSRモンスター一体を手札に加える!」

ユーゴ「そしてSR赤目のダイスを攻撃表示で召喚!赤目のダイスの効果を発動!赤目のダイスが召喚または特殊召喚に成功した時、自分フィールドのSRモンスターのレベルを1から6までターン終了時まで変更する事ができる!ベイゴマックスのレベルを3から4に変更!」

ユート「レベルの違うモンスターを揃えて何をする気なんだ」

ユーゴ「レベル4のSRベイゴマックスとSR赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!」

璃緒「シンクロ!?」

ドルべ「アストラル!」

アストラル「聞いた事が…」

野呂「御説明しましょう!」

ドルべ「…」

野呂「何ですか!知ってるんですよ!!」

瑠璃「じゃあ…お願いします」

野呂「シンクロ召喚とはシンクロ次元に伝わる召喚なのです!」

瑠璃「シンクロ次元?」

野呂「遊勝が向かった新たな世界!どうせ、ノッポのバカも遊勝には苦労しているでしょう…ヒヒヒ」

ドルべ「ノッポ?」

野呂「ジャン・ミシェル・ロジェ…取り柄は身長なだけのしょーもない奴ですよ」

ドルべ「そうか」

ユーゴ「シンクロ召喚!レベル5!HSRチャンバライダー!!」

ユート「シンクロ召喚…これは未知の召喚か」

遊矢「ユート…ユート…」

ユーゴ「チャンバライダーでモンスターを攻撃!」

ユート「…」

ユーゴ「チャンバライダーは1度のバトルフェイズ中に2度の攻撃が可能だぜ!」

ユート「罠発動!『幻影騎士団ウロング・マグネリング』相手の攻撃を無効にしレベル2のモンスターとして特殊召喚する!」

ユーゴ「カードを1枚伏せてターンエンド」

ユート「俺のターン!」

遊矢「君のドラゴンは出すな」

ユート「どういう意味だ」

遊矢「俺の中に居る俺が囁いている。悲劇は繰り返すなって」

ユート「あいつも俺達の」

遊矢「兄弟みたいなもんだろな…確実に父さんは狙いに来る」

ユート「ならば…クレーンクレーンを攻撃表示で召喚!クレーンクレーンの効果で墓地のレベル3モンスターを特殊召喚する!墓地のサイレントブーツを特殊召喚!」

ユート「レベル3のクレーンクレーンと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!」

アストラル「クレーンクレーン…フッ」

ユート「ブレイクソードの効果を発動!自分フィールドと相手フィールドのモンスターを対象に破壊する!俺は幻影騎士団ウロング・マグネリングとHSRチャンバライダーを指定!」

ユーゴ「くっ!」

ユート「バトルだ!」

ユーゴ「…エクシーズ?全然知らねえな」4000→2000

ユート「ターンエンド」

ユーゴ「俺のターン!」

ユート「というか君の中に居る君は何て名前なんだ」

遊矢「ズァーク…ズァークだよな!?」

ユート「俺達は本当に人間なのだろうか」

ユーゴ「ターンエンド」

ユート「俺のターン!あのセットされたカードは怪しいな…しかし!迷っている場合ではない」

ユーゴ「…」

ユート「これで決める!ブレイクソードで攻撃!!」

ユーゴ「クールに見えて中身は熱い…てめえは俺の大っ嫌いな野郎にそっくりだぜ!罠発動!『ダイスロール・バトル』墓地のスピードロイドモンスターと手札のスピードロイド・チューナーモンスターを墓地へ送りシンクロ召喚を行う!俺はHSRチャンバライダーと手札のSRドミノバタフライを墓地に送る!」

ユート「!」

瑠璃「璃緒!ドルべ!離れた方がいいわ」

璃緒「え?」

ユーゴ「シンクロ召喚!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!!」

ユート「なっ…」

ユーゴ「返り討ちにしてやるぜ!」

ドゴッッッ

ユート「…」4000→3500

遊矢「四天の龍?へえ…そうなのか」

ユート「野呂!」

野呂「はい!」

ユート「ユーリとかいう奴もドラゴンを」

野呂「は、はあ…持ってますよ」

ユート「遊矢は」

遊矢「俺も持ってるよ」

ユート「俺達は共にドラゴンを所持し似てような顔立ち…」

遊矢「俺達は元はズァークだったんだって、それがよ四人に分裂して」

ユート「この戦いが終わったら、詳しく聞かせてもらうぞ」

ユート「ターンエンド」

ユーゴ「ドロー!あいつのセットされたカードは残り2枚か…しかしランクってのはレベルと違うっぽいから厄介なモンスターだぜ」

ユート「次のターンで俺は召喚する。ダーク・リベリオンを」

遊矢「ダメだ!ズァークも言ってる…ドラゴン同士が引き合えば」

ユート「だったら我がユートの力を使いダーク・リベリオンを上回ればよい」

遊矢「わ、我?」

アストラル「…」

ユート「また何か言ったか」

遊矢「…」

ユート「遊矢?」

「ドラゴンがズァークの力なら、お前はお前の力でやればいい」

ユート「誰だ」

「話は後だ…来るぞ、ユート」

ユート「…ああ」

ユーゴ「攻撃!」

ユート「うっ!」3500→1000

ユーゴ「カードを1枚伏せてターンエンド!」

ユート「俺のターン!幻影騎士団クラックヘルムを攻撃表示で召喚!そして罠発動!『コピー・ナイト』このカードは同じレベルの同名モンスターとして特殊召喚する事ができる!」

ユート「レベル4の幻影騎士団クラックヘルム2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

ユーゴ「てめえもドラゴンか」

ユート「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果を発動!オーバーレイ・ユニットを二つ使い相手フィールドのモンスターの攻撃力を半分にし、その数値分だけ攻撃力をアップする!これでダーク・リベリオンの攻撃力は3750!」

ユーゴ「…」

ユート「あいつは、今のダーク・リベリオンじゃ倒せないだろう…必ず何かを使う!バトル!!」

ユーゴ「罠発動!『くず鉄のかかし』てめえの攻撃を無効にする!」

ユート「やはりか」

ユーゴ「そして…こいつは墓地へ送らずセットできる」

ユート「俺は墓地の幻影騎士団サイレントブーツを除外しデッキからファントムと名のつく魔法または罠をデッキから手札に加える…ターンエンドだ」

ユーゴ「俺のターン!SRダブルヨーヨーを攻撃表示で召喚!召喚に成功した事で墓地のレベル3以下のSRモンスターを特殊召喚する!SR赤目のダイスを特殊召喚!」

ユーゴ「赤目のダイスの効果でSRダブルヨーヨーのレベルを4から5に変更!レベル5のSRダブルヨーヨーにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!HSR魔剣ダーマ!!これで揃ったぜ、魔法『ヒドゥン・ショット』を発動!墓地のSRモンスターを2体まで除外し、除外した数だけ相手フィールドのカードを破壊する!」

ユート「罠発動!『幻影翼』フィールドの表側表示モンスターの攻撃力を500アップし、このターン1度だけ戦闘または効果で破壊されない!」

ユーゴ「くっ…」

「お前のような弱い奴がサティスファクションに必要はない!!!」

ユーゴ「遊星…じゃねえ!あの野郎が遊星とダブって見えやがる…カードを1枚伏せてターンエンド」

ユート「俺のターン!ドロー!!」

スッ

ユート「…ありがとう」

ユーゴ「何か引きやがったのか!?」

ユート「RUM-幻影騎士団ラウンチを発動!」

アストラル「RUM!?」

璃緒「アストラルは知らなかったわね」

ドルべ「ベクターの話では瑠璃はRUMを作る事ができるらしいんだ」

アストラル「まさか…」

ユート「煉獄の底より、いまだ鎮まらぬ魂に捧げる反逆の歌!永久に響かせ現れよ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク5!ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン!!!」

アストラル「煉獄の底…鎮まらぬ魂…」

「それで良い。貴様らがズァークの呪縛から解放される手段は一つ!己の力でズァークの竜を未知の世界へと導く事だ!」

ユート「行くぞユーゴ!」

ユーゴ「負けちまったな」

ユート「ああ」

ユーゴ「ユートだっけか?悔しいけどよ…リンもお前に惚れてるようだ…大切に」

ユート「待て」

ユーゴ「言うんじゃねえ!やっぱりリンはクールタイプが好きだったんだな。遊星の野郎…」

ユート「誰なんだ遊星とは」

ユーゴ「俺の兄貴みたいな奴だった…けど絶縁したよ」

ユート「…」

瑠璃「珍しいバイクね」

ユーゴ「バイク?Dホイールだって!俺とリンの愛の結晶ってやつじゃねえか!」

瑠璃「そ、そうなんだ」

ユーゴ「ほら、ここ見てみろよ。ここはリンが」

瑠璃「どんな子なんだろ?私に似てる子って」

カッ

ドルべ「!?」

璃緒「き、消えた…瑠璃と白いユートが」

ドルべ「何処に行っ…はっ!?」

ユート「デュエルの勝敗を蔑ろにし瑠璃を拉致するとは…遊矢!どうやら君の方へ行くのは後回しになりそうだ」

「無駄だ。奴との交信は我が断ち切った。貴様の成長への妨げになりそうだからな」

ユート「アストラル!異次元への突破は成功するのか!?」

アストラル「予想ではな…No.の力を信じる」

ユート「だったら行くメンバーを集めてくれ!奴がシンクロ使いならシンクロの世界…どうやって行くのかは知らんが遊馬の言うかっとビングで異次元の壁だろうが宇宙の果てだろうが飛び越えて見せる!」

「我も高みの見物に洒落込むか、ユート…お前は何処まで強くなれるだろうな」

ベクター「お前が待ち伏せなんてな」

シャーク「街の不良の頂点だ。っつうか喧嘩でも4回負けてんだぜ」

ベクター「で?隼とデュエルする理由は」

シャーク「俺も他次元に行くんだよ」

ベクター「お前は遊馬助け隊かと思ったけどなぁ~」

シャーク「助けてえ…それ以上に遊勝とかいう野郎にイラっとしてるんだよ!」

ベクター「ふーん」

シャーク「まあドルべとお前が居るから七皇は安心だろうけどよ」

ベクター「おいおいおーい!安心するのは早すぎるんじゃないの?俺は」

シャーク「遊馬の借りを返してえ…違うか?」

ベクター「すっかり御人好しになりやがってよ」

ザッ

黒咲「…」

シャーク「待ってたぜ、俺とデュ」

黒咲「瑠璃がシンクロ男に拉致されたと連絡が来た。ケジメを取りに行く」

シャーク「瑠璃が?」

黒咲「貴様もさっさと来い」

シャーク「じゃあデュエルしろ」

黒咲「後でできる」

ガシッ

シャーク「てめえ!人を猫みたいに掴みやがって!!離しやがれ!」

黒咲「猫はお前の天敵だろ」

シャーク「猫程度に負ける鮫が居ると思ってんのか!?離せって言ってんだろ!」

Ⅲ「よし…よろしく頼むよ、アトランタル!マシュ=マックそれに…君はデュエルで使ってあげられなかったけど、よろしくね、フォーク=ヒューク」

Ⅳ「大丈夫か?あいつも行くって」

Ⅴ「頭脳は私譲り好奇心は父様譲り容姿は母様譲り…度胸はお前譲りのⅢなら文句はあるまいよ」

Ⅳ「融合より先にシンクロか…まあユートの気持ちも分かるけどよ」

Ⅴ「あわよくばシンクロの人々と手を組み融合の人々を救う可能性がある」

Ⅳ「会った事の無い連中の為にか?」

Ⅴ「デュエリストなら助け合う…違うか?」

Ⅳ「まあな」

アストラル「Ⅲと先史遺産No.の絆を信じよう」

Ⅴ「それに遊馬を殺したとされる遊勝という男がシンクロに居るという話だ」

Ⅳ「それで行く面子はユートに凌牙に隼…それに」

アレン「驚いたぜ!連絡来た時にはさ」

Ⅳ「あいつで大丈夫かよ?何か1人だけ死にそうだぞ!」

Ⅴ「荒みそうな3人だ。彼のような元気な存在が居れば助かるだろう」

Ⅳ「本当かよ?いや…兄貴の言ってる事って微妙に当たるもんな」

アレン「何っつうかサヤカやみんなの事は頼むぜ…遊勝は俺が絶対に!」

Ⅳ「誰に物言ってんだチビ?俺は極東チャンピオンだぞ」

アレン「じゃあ帰って来たらデュエルしてくれよ!」

Ⅳ「いいぜ」

アレン「勝ったら俺が極東チャンピオンな!」

Ⅳ「大きく出やがって」

Ⅴ「ああいうタイプの方は将来、大物になる可能性がある」

璃緒「凌牙の事をお願いしますわ」

黒咲「ああ」

シャーク「おい」

ミザエル「1度言い出したら梃子でも曲がらぬからな」

ギラグ「妙な拘りあるし」

アリト「短気だしよ」

ベクター「オマケに単独行動の常習犯」

シャーク「てめえらに言われたかねえぞ!全部てめえらの欠点じゃねえか!」

ドルべ「君も落ち着いて行動するんだ。たとえ瑠璃がシンクロに居なくても…白い彼は」

ユート「そんな北海道土産みたいな名じゃない。それにネガティブな事を言うな」

ドルべ「あ、すまない(温厚なタイプ程、怒らせると怖いんだな…)」

カイト「銀河眼の光子竜はお前に預ける。あの時見せた力で遊勝に引導を渡せ」

ユート「ああ」

アレン「俺も居るぜ!」

アリト「遊勝って強えんだろ?」

アレン「卑怯なだけだぜ」

アリト「っていうか帰って来いよ?またお前や遊馬とバカやりてえからさ」

アレン「当たり前だ!男に二言はねえ!」

シャーク「しかし似合わねえな車椅子」

カイト「…」

シャーク「俺も入院の常習犯だがよ、車椅子の世話にはなった事がねえぜ」

カイト「だから何だ」

シャーク「チッ、相変わらず面白くねえ野郎だ」

アストラル「ユート」

ユート「…」

アストラル「これを君に託そう」

ユート「これは」

アストラル「希望皇ホープ…私と遊馬の相棒だ」

ユート「これは受け取れない」

アストラル「いいんだ。それに気をつけてほしい」

ユート「気をつける?何を?」

アストラル「奴は昔とは違う一面を見せ始めた。だが油断はできない…それと同時に奴の力が君を導いてくれるだろう」

ユート「…」

アストラル「君達の宿命を見守ろう。何が起ころうとも私達は」

ユート「すまない」

アストラル「…」

ユート「俺は君を誤解していた」

アストラル「誤解されるタイプだからな私は」

ユート「…」

アストラル「だが君に会えて感謝している」

ユート「何故だ」

アストラル「もしも私が人間なら君のような見た目だったかもしれない」

ユート「好きな色は黒か?」

アストラル「水色」

ユート「だったら私服は水色一色だろうな。意外と似合ってるかも」

アストラル「フッ」

Ⅲ「さあ行こう!」

アレン「アストラルは来ねえのか?」

シャーク「何か事情があるんだろ」

黒咲「…」

アレン「失敗したら終了じゃね?どうなるんだ」

ユート「縁起でもない事を…」

黒咲「白いカラス」

アレン「何だそりゃ?」

黒咲「家を出る時に俺の前を横切った」

アレン「それが何だって」

黒咲「運が良い。俺達は成功する」

シャーク「まあⅤの次元移動装置が完成するまで待てば」

ユート「…」

シャーク「待てねえわな。てめえの女とクソ野郎を潰すまでは」

アレン「あいつら大丈夫か?笑顔病と遊馬No.の二段構えだぞ?」

シャーク「まあ心配はいらねえよ」

アレン「そうだよな。何か頼りになりそうな連中だしさ」

シャーク「お前も分かって来たじゃねえか」

アレン「俺も仲間なんだよ!」

シャーク「…けどカラス程度で当たるのか?」

Ⅲ「大丈夫だよ。僕と先史遺産の付き合いも長いんだから!」

シャーク「ま、今まで何だかんだ言ってクリアして来たもんな」

ユート「…」

ミザエル「我ら七皇は遊馬No.の探索に当たる!異論はないな!?」

ベクター「ミザちゃんが音頭取るのかよ」

ドルべ「大丈夫だ。私が保障する」

アリト「本当かよ」

ギラグ「あと何枚だ」

璃緒「えーっと…73枚」

アリト「はあ!?マジかよ!」

ベクター「こりゃ先の長い戦いになりそうだぜ」

Ⅳ「俺らは笑顔病になってねえ連中の保護か?」

Ⅴ「ああ」

Ⅳ「ゴーシュにドロワ、風也にデュエル菴師弟コンビにアンナ…それと俺らか?この街のデュエリストで平気なのは」

Ⅴ「他にも明里さんの彼氏にサッカー一家の国立の末っ子、油圧ショーべェ、矢農豊作?後は早見…大勢残っている」

Ⅳ「あの気の強え姉ちゃんに彼氏居るのか?」

Ⅴ「知らなかったのか」

Ⅳ「知らねえよ」

カイト「他にも世界各地でデュエリストが動いて居る」

Ⅳ「何処情報だよ?交友関係の無さそうな兄貴とカイトが…」

Ⅴ「…」

Ⅳ「どうせ科学の力だろ?この頭でっかちが!大体何でも科学科学ってな」

カイト「俺も回復次第で行動に移す」

Ⅴ「大丈夫なのか」

カイト「1度死にかけて裏返った」

Ⅳ「やっぱカイトは化け物だぜ…心配して損した」

シンクロ次元

ユーゴ「マジで悪りい」

瑠璃「ここ何処よ!?」

ユーゴ「こら!デュエルの時は俺の相棒の癖に私生活じゃ反抗してばっかじゃねえか!!」

瑠璃「ねえってば!」

ユーゴ「お?」

瑠璃「何処なの」

ユーゴ「ここはサテライト!俺の故郷だ」

瑠璃「そうなんだ…これが次元移動ってやつなの?何かしっくり来ないと言うか」

ユーゴ「ほら元の場所に戻してやろうや?なあクリアウィング」

シーン…

ユーゴ「おい!」

ラリー「何やってんだユーゴ?」

ユーゴ「誘拐犯になっちまってよ」

ラリー「とうとう犯罪者になっちまったか…やりそうな顔してたけど」

瑠璃「…」

ラリー「リン?イメチェンしたのか!?」

瑠璃「そんなに似てるの?」

ユーゴ「ああ」

ラリー「違うのか?まさかリンの姉ちゃんか妹!?」

ユーゴ「その手があったか!全員に知らせろ!リンの家族が見つかったってな!」

ラリー「わかった!」

瑠璃「何か徐々にややこしい事になって来たわ…」

クロウ「調子はどうだ?」

ブルーノ「バッチリだよ」

クロウ「しかしゾーンもアポリアもパラドックスも粋な事をするわな。お前を生き返らせるなんてよ」

ブルーノ「うん」

クロウ「あいつらも今頃は未来で頑張ってるだろうぜ」

ブルーノ「うん!」

遊星「…」

ジャック「…」

クロウ「そんで燃え尽き症候群のコンビ」

ブルーノ「大丈夫なの?ピクリとも動かないけど」

クロウ「こいつらは人生の事を考えてんだろうよ」

ブルーノ「人生か」

クロウ「あの戦いで道がねえのは俺ぐらいよ」

ブルーノ「僕も新しい人生を歩まないとね…ゾーンが賭けた僕の現代での生きる道を」

クロウ「その意気込みだぜ!」

プルルルルル

クロウ「電話だぞ遊星」

遊星「もしもし」

リン「遊星?元気なさそうね」

遊星「またユーゴか」

リン「消えちゃったのよ!これで何度目だと思う!?」

遊星「大丈夫だ。俺が今から向かう」

ジャック「ユーゴ?何かやらかしたのか」

遊星「前からリンに相談されていてな」

クロウ「相変わらずの腕白坊主だな」

ブルーノ「誰?」

クロウ「俺らの弟分と妹分」

ブルーノ「って事は幼馴染か」

ジャック「遊星」

遊星「…」

ジャック「お前とユーゴは仲違いしたっきりだったな」

遊星「…」

クロウ「お前もキツい言い方するもんな」

遊星「あの頃は、そうでもしなきゃユーゴは」

クロウ「とりあえず行くか?ジャックなんて何年も顔見てねえだろ」

ジャック「言われてみれば」

遊星「…」

クロウ「で?何をした」

遊星「ワープしたとか他の世界に言ったとか」

クロウ「とうとう頭がパーになっちまったか」

ジャック「底抜けだからな」

遊星「フッ」

ブルーノ「僕も行っていい?」

遊星「勿論だ」

クロウ「そんじゃ行こうぜ!」

アキ「って事は2人とも微動だにしないってわけ?」

龍亞「何かを考え込んでるって感じだってさ」

アキ「あれだけの戦いの後だもの」

「そこの子連れの人妻!」

龍可「クロウは元気らしいけど」

「子連れのお姉ちゃん!」

アキ「ブルーノは?」

龍可「ブルーノは…」

「シカトしてんじゃねえぞ!」

アキ「何なのよ!?」

「遊星ん家ってのは真っ直ぐか?右か左か?」

龍亞「ここを真っ直ぐ行って右だけど…俺も行くから一緒にどう?」

「いい奴だな!将来は大物間違いなしだぜ!」

龍可「怪しい」

「娘さんの方は疑り深いな?お母ちゃん」

アキ「お母ちゃん!?誰が!」

「あんただよ。その格好は教育上に良くねえぞ」

アキ「この子達は私の」

「腹を痛めて産んだ子だろ?わかってるっての」

アキ「だから!」

「あっちか?」

龍亞「うん」

龍可「誰なんだろ」

龍可「サテライトに行きます…ほら張り紙が」

「そっちか?しかし8年ぶりに帰って来て驚きだぜ」

アキ「幾つなの?」

「18」

アキ「私より一つ歳上じゃない」

「シティとサテライトに橋がかかってら…サテライトって事はマーサの家か?」

龍亞「知ってるの?」

「育ての親だからなぁ…急に帰ったら驚くだろうぜ」

龍可「まさか遊星達の幼馴染じゃ」

「正解!頭良いな」

龍可「何となくわかるでしょ」

「そういや名前を聞いてなかったな?何て名前よ」

アキ「十六夜アキ」

龍亞「俺は龍亞!」

龍可「私は龍可よ」

「アンナにリョーガにリオな。よし」

アキ「全然違うわよ!」

「いい名前だぜ?でも格好派手じゃね?バツイチのヤンママか?」

アキ「だ、だから」

「ま、助かったぜ!ありがとうよ」

龍可「あなたの名前は!」

シンジ「シンジ!シンジ・ウェーバー!」

アキ「かなりの変わり者ね…」

瑠璃「黒咲瑠璃…です」

リン「ビックリしたでしょ?私にそっくりなんだもの」

遊星「…」

ユーゴ「…」

ジャック「いい加減にしろ。大体ユーゴ!お前は」

ユーゴ「うるせえ!」

ジャック「その口は何だ!!」

ユーゴ「やろうってのか!?ひとっ走り付き合えよ!」

ジャック「貴様!」

クロウ「やめろってんだよ!ガキじゃねえんだぞ!?」

遊星「今はユーゴのワープ病の事だ。それに人攫いとは」

ユーゴ「あ?」

遊星「違うな。瑠璃を拉致した…」

ユーゴ「拉致した?俺が拉致したように見えるか!」

ブルーノ「不仲なの?」

クロウ「昔は仲良かったんだぜ?けどな」

ブルーノ「けど?」

クロウ「ありゃ俺が…」

シンジ「よっ!」

ジャック「!?」

クロウ「う、嘘だろ…」

ユーゴ「は!?」

リン「シ、シンジ…!?」

シンジ「助かったぜ。サンキューな」

アキ「右って言えば左に進むし」

龍可「前って言えば後ろに行くし」

龍亞「何か反逆者って感じがしてカッコいいよ!」

シンジ「だろ?ジローは女の子なのに理解あるんだな!」

龍亞「俺は龍亞だし男だって!」

シンジ「ん?そうだっけか」

龍可「しかも名前変わってるし…女って言ってるのにジローって」

アキ「ど、どうしたの?固まって」

ジャック「足はあるな」

クロウ「頭に三角頭巾ねえよな」

ユーゴ「ば、化けて出たのか!?」

アキ「どうしたの?」

リン「シンジは8年前に死んでるのよ」

アキ「死んでるって…」

リン「あれ?もしかして…あんたがアキ?遊星の彼女の」

アキ「か、彼女!?」

リン「だってマーサが言ってたけど…違うの?」

アキ「ち、違うけど…違わない…」

シンジ「表出ろや遊星」

遊星「ああ」

ブルーノ「あの人と遊星は不仲?」

ジャック「いや…」

シンジ「…」

遊星「…」

シンジ「遊星…てめえ!」

遊星「…」

ブルーノ「遊星!」

シンジ「結婚おめでとう」

遊星「結婚?」

シンジ「おうよ!リンが言ってたな?ありゃ遊星の嫁だって」

リン「違う違う。彼女だって」

シンジ「そういやイチローとジローはお前に似てるな?賢そうな部分なんてよぉ」

遊星「相変わらずだなシンジ」

シンジ「お前らの噂は聞いてるぜ?っつうか最高じゃねえの」

ユーゴ「生き返ったのか?」

シンジ「死んでねえんだよな」

アキ「あれ?あの子…」

ブルーノ「何かあったの」

ジャック「台風の日に釣りをやって消息不明になった」

クロウ「死んだかと思ったぜ」

シンジ「って事は墓あるの?俺の?」

遊星「命日にはカップラーメン蜂蜜味を供えているぞ」

シンジ「そりゃ許すっきゃねえな!あんまし怒るなよクロウ?」

クロウ「怒ってねえよ!」

ジャック「変わらぬ図太さだ」

シンジ「はあ…じゃあルンはリンの姉になるのか?」

瑠璃「瑠璃ですけど」

シンジ「いやリの次はルだから妹か?けどリンより大人っぽい気がするしよ…」

アキ「あなた兄弟居る?」

ユーゴ「居ねえよ。遊星以外の奴は俺の兄弟分だけど」

アキ「そう…(確かに輪郭と背丈は似てるけど違うわね)」

ユーゴ「そうだろうが遊星」

遊星「お前は勘違いをしている」

ユーゴ「ひとっ走り付き合うか?行っとくけど俺は!」

遊星「マッハで決めてやる…そうだろ?」

ユーゴ「ああ!来いよ遊星!!!」

遊星「なら出場しろ」スッ

ユーゴ「フレンドシップカップ…何だこりゃ」

遊星「新長官誕生記念らしい」

クロウ「イェーガーも出世したもんだぜ」

遊星「ジャン・ミシェル・ロジェ…そいつが新長官らしい」

クロウ「知らねえな…ジャック!」

ジャック「聞いた事も無い」

ユーゴ「遊星も出るのか」

遊星「お前が出るならな」

ユーゴ「大観衆で遊星を…ついでにジャックも」

ジャック「おい」

遊星「どうだユーゴ」

ユーゴ「へっ…へへへ」

遊星「…」

ユーゴ「上等!」

シンジ「面白そうじゃねえか」

ジャック「副賞にキングに返り咲く権利…この新長官は舐めているのか!?」

クロウ「このマヌケ顔を見ろよ?身長2m5cm?随分とデカい長官だな」

瑠璃「…」

リン「迎えの人は来るのかな?」

瑠璃「大丈夫。信じてるから」

ユーゴ「俺は強くなったぜ!エクシーズだとか融合だとか色々戦ったんだよ」

遊星「そうか」

ユーゴ「融合はせこかった。万丈目サンダーとかいうの倒したら大勢に追いかけ回されたし…それに黒い俺」

シンジ「黒い俺?何だお前にも色違いが居るのか」

クロウ「ゲーム見たいだな」

ユーゴ「あいつとは戦いたい…もう一度」

クロウ「本当に迎えに来るのか?次元移動って…」

ジャック「未来から過去へ比べると簡単だろ」

遊星「例えるなら後ろ向き歩きがタイムワープなら次元移動は横跳びみたいなものだ」

シンジ「良かったなルン!」

リン「ユートとはどんな関係?」

瑠璃「…恋人」

シンジ「ペッ!そりゃ来ねえよ」

クロウ「ユーゴとリンと同い年で恋人?んなの認めねえぞ!」

アキ「そうだわ遊星」

遊星「どうした?」

アキ「この子知ってる?ユーリって子なんだけど」

遊星「ユーリ…」

シンジ「これでユータとかいう奴の写真があれば」

瑠璃「はい」

クロウ「物持ちいいな」

ジャック「どういう関係だ?」

アキ「パパの車に跳ねられて記憶を失ってね。パンツに名前が書いてあったから名前だけは」

シンジ「微妙に違うな」

クロウ「間違い探し…って程でもねえな」

ジャック「似てるようで似てない…微妙なラインだな」

ユーゴ「変な眉毛しやがってよ」

シンジ「ルンの彼氏のユータ…それに母ちゃんの息子…いや義理の息子か?」

アキ「母ちゃんって…私?」

シンジ「ああ」

アキ「やめよ…この人は遊星の幼馴染の中で1番の変人だわ」

遊星「この少年は今」

アキ「記憶が戻るまで預かるけど…何者なのかサッパリなのよ」

ジャック「ZONEが新しく送り込んで来た未来人か?」

ブルーノ「こんな子は見た事ないな」

ジャック「再び大きな戦いが始まる予感がする…そう思うだろ遊星」

遊星「ああ」

遊星「さてと帰るか」

ポンッ

ユーゴ「触るなよ」

遊星「リン!荷物を纏めろ」

リン「何処か行くの?」

遊星「家に来るか?お前達も学校に通った方がいいだろ」

リン「学校!?」

遊星「それにサテライトでは瑠璃は危険そうだからな」

クロウ「トニーとデイモンが覗いてるぞ」

トニー「成仏してくれ…成仏してくれ…」

デイモン「まだ春だってのに…シンジが生き返るなんてよ!」

ジャック「みんな死んだと思っている」

シンジ「後で驚かしてやろうかな。ラリーとか小便漏らすんじゃね?」

遊星「学校に行きたい派だったろ?お前とリンは」

ユーゴ「誰が行くか!」

遊星「お前と会わない間の俺を知れる。弱点もな」

ユーゴ「どうなっても知らねえからな」

遊星「そっちの方が張り合いがある」

ユーゴ「借りは返す」

遊星「デュエルでな」

ジャック「明日にでもユーリとかいう奴を連れて来てみろ」

アキ「時間は大丈夫なの?」

ジャック「俺はいつでも暇だ」

スタンダード

ユート「ここがシンクロ次元…」

アレン「ワクワクするな!どんな強えのが」

Ⅲ「とりあえず瑠璃を探して」

シャーク「隼!」

黒咲「何だ貴様ら」

北斗「LDSはランサーズメンバーの志島北斗!」

刃「同じく刀堂刃」

真澄「光津真澄」

シャーク「派手やんなってんだよ」

バシッ

刃「怪しい野郎だな!俺らが成敗してやるよ!!!」

シャーク「て、てめえ…」ガシッ

ユート「凌牙!」

シャーク「人の頭に竹刀振り下ろした罪はデカいぞ!コラァ!!!」

Ⅲ「ちょっと2人とも!」

真澄「怪しいわね。さてはネオアカデミアの」

ユート「ネオアカデミアだと?」

Ⅲ「じゃあ僕達と同じ」

黒咲「こいつは俺の獲物だ」

シャーク「待てよ!竹刀チビは俺が」

黒咲「知らん」

シャーク「あ?だったら今この場で片付けてやるよ!あんたも纏めてよぉ!」

Ⅲ「ミハエル・アークライトです。気軽にⅢで構いませんよ」

赤馬「赤馬零児だ」

Ⅲ「申し訳ありません…隼が大暴れして」

赤馬「気にする事はない。しかし君は…」

黒咲「…」

赤馬「警官10名を殴り倒しパトカーは6台も焼く…どうすれば」

黒咲「かかって来る奴は手が出る。本能的にな」

赤馬「まるで動物だ」

Ⅲ「あなたは街の権力者とお見受けします。実は」

赤馬「ネオアカデミア…」

Ⅲ「知っているのですね」

赤馬「このスタンダードでもネオアカデミアに向けての戦いを開始している」

Ⅲ「スタンダード!?」

赤馬「ああ」

Ⅲ「シンクロじゃ」

赤馬「違う」

黒咲「あの船は欠陥品か」

Ⅲ「まさか…君達が僕達を導いたの?」

ピカッ

黒咲「何だ」

Ⅲ「どうやら別の力が僕達を引っ張ったようだよ」

黒咲「…」

赤馬「君達の世界について聞きたい」

真澄「ここ」

ユート「すまないな」

北斗「…」

アレン「起きてるか!竹刀丸!!」

刃「…」

アレン「死んでるんじゃねえか?」

ユート「まさか」

シャーク「いい病院じゃねえか」

ユート「外観だけでわかるのか?」

シャーク「俺ぐらい入院してりゃ外観でわかるんだよ」

真澄「…」

シャーク「黒咲隼って野郎は女子供には派手にしねえんだ。まあ強かったと思うぜ?」

アレン「隼マニアだな」

シャーク「うるせえ!っつうか仲間まで巻き込みやがって…危うく火達磨じゃねえか」

アレン「仲間ってか舎弟じゃね?」

シャーク「舎弟?あいつと俺は!」

真澄「似てるわ」

シャーク「タコ!俺のが理知的だ」

真澄「じゃなくて彼が」

ユート「俺?」

真澄「ええ」

ユート「あの白い俺の知り合いか…瑠璃が近くなって来たぞ」

シャーク「保険証とか通用するのか?俺らエクシーズの者だぞ」

真澄「この810号室に」

ユート「…」

コンコン

「どうぞ」

ユート「失礼します」

ガチャッ

柚子「え!?」

ユート「瑠璃!」

柚子「ちょっと!?誰なの!」

ユート「ち、違うのか?」

真澄「この子は柚子…そして」

遊矢「…」

アレン「派手な頭してんな」

真澄「この眠ってるのが榊遊矢」

ユート「彼が…榊遊矢?シンクロ次元では」

真澄「ここはスタンダードよ」

アレン「しかし似てるよな?激似じゃね?そっくりさんコンテストに出したら優勝間違いねえって!」

ユート「どうして…俺達は確かにシンクロに」

アレン「やっぱ無理だったんじゃねえか?けど次元移動はちょちょいって感じだな。まだ実感ねえけど」

遊矢「俺が呼んだんだ…来てくれユート」

ユート「…」

ピカッ

ユート「!?」

ドサッ

ユート「ここは」

遊矢「バトル!」

ズァーク「オオオオオオオオオオオオオ!!!」300→0

遊矢「こ、これで50勝23敗27引き分け…」

ズァーク「まだまだ…!」

遊矢「ちょっと休憩しようよザーク」

ユート「ここは」

遊矢「俺の精神の中…って言っても信じないだろうな」

ユート「…」

遊矢「俺が引っ張った?違うな、ザークの力で」

ユート「そいつの」

「我の力を上回るか、覇王の名は伊達ではないか」

ユート「何故」

遊矢「俺がユートなら熱くなる。見境も付かなくなる」

ユート「何?」

遊矢「見知らぬ場所に大切な人が飛ばされたんだ。誰だって」

ユート「俺は熱くならない」

遊矢「本当に?」

ユート「時間がない!どういう世界かわからない場所に瑠璃が!」

遊矢「だったらデュエルで決めようか」

ユート「望むところ」

ズァーク「我ながら全然似てないな。こいつら」

遊矢「それは俺のデュエルディスクに対応するのか?」

ユート「DゲイザーとDパッドか?大丈夫。既に白い俺とのデュエルで実証済みだ」

遊矢「じゃあ始めようか」

ユート「先攻は俺だ。銀河眼の光子竜…早速」

「無駄だな」

ユート「何?」

「お前の幻影騎士団との相性は最悪だ。闇と光そして戦士とドラゴン…素人が見てもわかる」

ユート「だがこれはカイトが」

「奴のヒントだ」

ユート「ヒント?」

「その力をお前の力に変化し真の切り札を生み出せ…ここまで言えば理解はできるだろ」

ユート「つまり創造?」

「うむ」

ユート「そんな…俺は瑠璃のような」

「可能だ」

ユート「君を信じよう。どういう奴なのかサッパリだが…何て呼べばいい?」

「お前の好きな名で呼べ」

ユート「…ゲキジャガー」

「千」

ユート「千?昔は千尋とかいう名前だとか言うんじゃないだろうな」

「…」

ユート「いや!デュエルに集中しよう」

「そうしろ」

ユート「幻影騎士団ラギッドグローブを攻撃表示で召喚!そして幻影騎士団モンスターが存在する事で手札から幻影騎士団サイレントブーツを特殊召喚!」

ユート「レベル3の幻影騎士団ラギッドグローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!ラギッドグローブの効果でブレイクソードの攻撃力は1000アップ!」

ユート「カードを1枚伏せてターンエンド」

遊矢「俺のターン!俺はスケール1の星読みの魔術師とスケール8の時読みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング!」

ユート「また新たな召喚か」

「あれは三つの特殊召喚とは違う場所で誕生した召喚だ」

ユート「何処で?」

「我が知る限りでは宇宙だ」

ユート「宇宙?」

「今は集中しろ」

遊矢「俺はレベル4のEMドクロバット・ジョーカーとEMペンデュラム・マジシャンでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!EMトラピーズ・マジシャン!!」

遊矢「カードを1枚伏せてターンエンド!」

ユート「ドロー!幻影騎士団ブレイクソードのオーバーレイ・ユニットを一つ使い自分フィールドと相手フィールドのカードを1枚ずつ選択し破壊する!」

遊矢「トラピーズ・マジシャンが戦闘または効果で破壊された時、デッキからEMモンスターを特殊召喚する!EMボッドアイズ・リザードを守備表示で特殊召喚!」

ユート「ブレイクソードが破壊された時、墓地の幻影騎士団モンスター2体を特殊召喚しレベルを一つ上げる!」

ユート「レベル4の幻影騎士団ラギッドグローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

遊矢「これが生ダーク・リベリオンか」

ユート「ターンエンド」

遊矢「ドロー!よし…ペンデュラム召喚!レベル1!調律の魔術師!レベル6!EMキングベアー!」

ユート「ペンデュラムは展開力の代わりに手札を消耗するようだ」

「世の中そう甘くはない。最強と呼ばれるデッキも弱点がある。または最弱と呼ばれるデッキにも強者を打ち砕く可能性もある…これは神と人間にも当てはまる」

遊矢「レベル4のEMボッドアイズ・リザードにレベル1の調律の魔術師をチューニング!シンクロ召喚!レベル5!EMオッドアイズ・ライトフェニックス!!」

遊矢「ライトフェニックスをリリースしキングベアーの攻撃力をターン終了時まで1000ポイントアップ!」

ユート「お次はシンクロか!」

遊矢「とりあえず基礎的なのはできる…こいつのせいで」

ズァーク「俺の分身の癖にこいつ呼ばわりか?」

遊矢「大家だぞ俺!家賃代わりに取っても罰は当たらないだろ!?」

ズァーク「鬱陶しい奴だ」

遊矢「俺も驚いたよ。父さんに殺されて、気がついたら」

ズァーク「…」

遊矢「こんなのが居た」

ズァーク「おい」

遊矢「大体ザークなんて名前を通す役所って何だよ。ユートもそう思わないか?」

ユート「それは言えてるな」

遊矢「だろ?俺達の秘密聞き出すのにも苦労するしさ」

ズァーク「100回勝てば全部教える。半分は教えたろ」

遊矢「柚子達も待ってるし」

ズァーク「出た出た!柚子!こいつは二言目には柚子、柚子って」

遊矢「うるさいな!」

ズァーク「だいたい俺は嫌いなんだよ。あの顔」

遊矢「あ、そうだ!ユートが戻ったら柚子に伝えてよ」

ユート「ああ」

遊矢「必ず生き返るって…だから泣くなって言ってくれよ」

ズァーク「死ねって言っとけ」

ユート「…わかった」

遊矢「それまでデュエルで語ろうよ。ちなみにユートへの勝利は俺のザークデュエルの勝利に加算するから」

ズァーク「チッ、勝手にしろ!俺も負けるのは癪だからな!!」

シャーク「手続き済んだぜ」

アレン「良くわかったな」

シャーク「虱潰しだ。っつうか8階の病院って」

遊矢「…」

シャーク「何があった」

アレン「親父にやられて昏睡状態」

シャーク「…」

アレン「あっ!ユートだと思ったろ?」

シャーク「そ、そんなわけねえだろ」

柚子「…」

シャーク「ん?」

アレン「瑠璃じゃねえぞ」

シャーク「う、うるせえな」

真澄「…」

シャーク「…」

アレン「アリト」

シャーク「こいつは知ってる」

ビシッ

柚子「またあの人達だわ!」

アレン「誰?」

真澄「舞網チャンピオンシップ…あの日から榊遊矢は多くのデュエリストから目の敵にされているわ」

シャーク「あ?どういう意味よ」

真澄「榊遊勝は息子の抹殺の為に大量のアンドロイドマンを放ち多数の犠牲者が出た…あの男には罪悪感など皆無なのよ」

騎士S「おりて来い榊遊矢!」

騎士A「騎士道の名の下に成敗してくれる!」

アレン「8階の窓ガラスに石ぶつけるなんて、すっげえ強肩じゃね?」

シャーク「言ってる場合か!」

柚子「私が!」

真澄「柚子!」

柚子「行かせてよ!私が」

真澄「心が揺れてるわ」

柚子「そんなの関係…」

真澄「ある!遊矢がこんな状態になってから…柚子はずっと」

シャーク「…」ガシッ

アレン「何するんだ?」

シャーク「あのタコ共を成敗してやるんだよ」

アレン「まさか飛び降りるのか?」

シャーク「ああ」

アレン「8階だぞ」

シャーク「それが何だ!」

アレン「落ちて全身の骨が砕けて自分がタコになっちまう」

シャーク「ここまで来て階段で降りれるかよ」

アレン「じゃあ俺に任せろよ!」

シャーク「何する気だ」

アレン「このローラー靴で」

シャーク「嫌な予感するぞ…」

騎士B「何か降りてくるぞ」

騎士C「何だあれは!?」

アレン「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

シャーク「て、てめえ!ぶつかるぞ!!!」

アレン「そりゃあ!」

キキキッッ

騎士S「な、何だ…」

アレン「ふぅ…」

シャーク「死ぬかと思ったじゃねえか!頭おかしいんじゃねえのか!?」

アレン「俺はローラーの天才だぜ?高所からだって」

シャーク「勝算あったのか」

アレン「始めてだけどな!」

シャーク「後で殺してやる」

騎士S「何だお前ら!」

シャーク「あ?名もなき不良だよ」

騎士S「チッ!こいつらをモンスターで切り刻んでやれ!!」

シャーク「喧嘩するのか?デュエルするのか?」

騎士A「カッコつけるな田舎者!」

騎士B「我々は騎士道の下にお前達に制裁を下す!」

騎士C「そういう事だ」

アレン「こいつら…ムカつくぜ!デュエルを何だと思ってんだ!?」

シャーク「…」

騎士S「不良程度が私達の崇高なる意志はわからんだろうよ」

シャーク「デュエルしたけりゃデュエルで挑む。喧嘩したけりゃ喧嘩で挑む」

騎士S「何?」

シャーク「俺の知ってる悪党も不良もルールだけは守ってやがった」

騎士A「プッ」

騎士B「何を気取ってやがるんだ」

騎士C「マヌケ!」

シャーク「モンスターを喧嘩の道具だと思ってるのか?てめえら騎士道ってのが聞いて呆れるぜ」

アレン「騎士道っつうかキモ道だぜ!キモい髪型しやがって!」

騎士S「ではどうする?」

シャーク「…」

騎士S「2度とデュエルができないようにして見せるか?なあ不良少年!」

シャーク「ああ」

騎士S「やってみろよ。言っておくが私達は…」

シャーク「吐いた唾飲むんじゃねえぞ!」

シュッ

騎士S「!?」

ガシッ

シャーク「この手が悪いんだろ?なあ金色野郎」

騎士S「おい!離せ!無礼だぞ!?私を誰だと!」

シャーク「知るか」ググッ

騎士「な、何をする気だ!」

シャーク「折るんだよ!」

バキッッ

騎士S「ぎゃあああああああああああああああ」

騎士A「お、折った!」

騎士B「マジか…」

騎士C「あわわ…」

シャーク「おい!」

ドスッ

騎士S「ブッ!」

シャーク「てめえ死んでみるか!?アァン!?」

騎士S「ちょっと…待って!」

シャーク「喧嘩に待ったなんてねえんだよ!」

ドガッドガッドガッドガッドガッ

騎士S「や、やめて!ごめんなさい!ごめんなさい!」

シャーク「喚いてんじゃねえぞ!おい!言ってみろ!てめえらの騎士道精神ってやつを!なあ!!」

バキッッ

騎士S「ううっ…」

シャーク「言えねえんだったら死ねよ」

アレン「シャーク!」

シャーク「引っ込んでろ遊馬!」

アレン「俺はアレンだ!てめえらも金ピカ連れて逃げろ!」

騎士A「あ、ああ」

アレン「病院が目の前にあるけど」

騎士B「え、遠慮しとく」

シャーク「逃げんじゃねえ!」

シャーク「…」

アレン「怖えな」

シャーク「…」

アレン「隼も結構ヤバいぜ?だってよ」

シャーク「知ってる。4度もボコられてんだ」

アレン「そっか」

シャーク「血の気が多いからよ…俺って」

アレン「引くぐらいにな!本気で殺す気だったろ?」

シャーク「ああ」

アレン「…」

シャーク「俺は根っからのツッパリだ。少なくとも10代までは、そうでありてえ」

アレン「二十歳越えたら?」

シャーク「さあな」

アレン「ま、落ち着くんじゃね?シャークも隼も」

シャーク「隼が?」

アレン「ああ」

シャーク「あれは破滅型の人間だ。戦いの中でしか生きられねえ…そんな男だ」

アレン「内心憧れてるって本当か?」

シャーク「デュエルを捨てグレてた俺にとって街の不良の頂点だった隼は恐ろしかった…でもそれ以上に」

アレン「それ以上に?」

シャーク「化け物に食らいつく快感ってのが最高だった。隼がパクられるまでよ」

アレン「そんで遊馬とデュエルしてデュエリストとして復活だっけか?いいよなシャークは!ライバルが沢山居て」

シャーク「ライバルか…そういや変なのばっか多いぜ。俺の周りは」

黒咲「Aカード?」

赤馬「それが我らランサーズの武器となり絆となる」

黒咲「下らん」

赤馬「何?」

黒咲「己のデッキを信じず落ちているカードに運命を託すのか?情けない連中だ」

赤馬「勝つ為に手段を考えてはいかん。これは戦争だ」

黒咲「戦争…フフフ」

Ⅲ「わ、笑ってる」

月影「笑い声が物の怪のそれでござる」

日影「う、うむ」

黒咲「戦争?お前は戦争で相手に塩を撒くのか」

シュッ

黒咲「そいつらを見ろ」

赤馬「…」

黒咲「回避と奇跡…これは敵も使えるんだろ?少しは考えてみろ」

赤馬「私には彼らを預かる責務がある。どんな手段を使ってでも勝つ!それが私の考えだ」

黒咲「小細工を使う弱者は永遠に弱者だ。お前もお前の集めた連中も…全て弱者のままだ」

赤馬「では真っ向勝負をする気か?馬鹿げている」

黒咲「俺に何度も喧嘩を売ってくるバカを知っている。奴は常に真っ向から攻撃を仕掛けてくる…俺より弱い癖に噛み付く奴がな」

赤馬「…」

黒咲「魂の籠らぬカードを絆だの武器だの言う奴に戦う資格はない。大人しく家に引き篭もっている事だ」

赤馬「君はプロフェッサー…赤馬零王の恐ろしさを知らない」

黒咲「知る必要はない。俺の敵は潰すまでだ」

赤馬「これを見てくれ」ピッ

Ⅲ「な、何ですか!?この異様な光景は」

赤馬「これは零王がスタンダードに居た頃に行った所業だ」

Ⅲ「この映像…まるで戦争が」

赤馬「国一つを吹き飛ばす兵器を生み出した。我が社も私が社長に就任するまで軍需産業だったからな」

月影「たった1人の子供を残しA国は滅び去った」

日影「まさに鬼畜の所業よ」

Ⅲ「こんなの…許される筈がない!」

赤馬「許されるわけがないな」ピッ

黒咲「…」

赤馬「兵器の名はジャイアントデビル…始めて私は父に刃向かった」

日影「結果は零児殿は深手を負いプロフェッサーも頭部に大怪我を負った…らしいでござる」

月影「そしてジャイアントデビルは破壊した…かに見えたが」

赤馬「再び融合次元でジャイアントデビルの製造を始めているそうだ」

素良「そう…融合次元に残された道は殺されるか笑顔にされる事なんだ」

Ⅲ「君は?」

素良「紫雲院素良!融合次元からの逃亡者さ」

赤馬「零王は子供さえも道具のように扱う男だ。あいつにとって自分以外の人間は…」

黒咲「…」

赤馬「駒としか思っていない。それは榊遊勝とて同じ!あの2人は自らの思惑通りにならぬ者は平気で消す!」

素良「…」

黒咲「…」

Ⅲ「あ、待ってくださいよ!」

黒咲「…」

Ⅲ「隼!」

黒咲「…」

Ⅲ「融合次元へ…僕達も」

黒咲「知らん」

Ⅲ「ですが!あんなの許しちゃ」

黒咲「行きたいのなら連中と行けばいい」

Ⅲ「瑠璃ですか!?瑠璃だって大切ですよ!ですが今この瞬間にも」

黒咲「放っておけ」

Ⅲ「そこまで薄情なのですか!?」

黒咲「ああ」

Ⅲ「僕達は仲間じゃないですか!あの野呂の時だって!!」

黒咲「!」

Ⅲ「隼?」

黒咲「感じる…奴の殺意を!」

Ⅲ「待ってくださいよ!」

黒咲「…」

サッ

サッ

サッ

Ⅲ「まるで忍者だ」

黒咲「今度こそ奴を始末してくれる…!」

バレット「…」

沢渡「街の連中の避難は!」

権現坂「ここは既にアクションフィールド内!無関係な者への被害は皆無!」

勝鬨「…」

バレット「狩り場には最適な場所だ」

権現坂「何が狩りだ!貴様らの悪行もここまでよ!!」

沢渡「赤馬が動かねえってんなら俺らは独断で融合次元に殴り込むぜ!」

バレット「…」

勝鬨「貴様らは自分の誇りを穢した!万死に値する!!」

バレット「榊遊矢か?たかが1人の人間が死んだ程度で喚く必要はあるのか」

沢渡「人の命を何だと思ってやがるんだ!」

バレット「快感だぞ。相手の生命を自らの手で経つのは」

勝鬨「貴様ァ!!」

沢渡「あいつらとのデュエルってどうすりゃいいんだ?なあ権現坂!」

権現坂「奴らがモンスターを道具として扱うのならば鍛え抜かれた肉体で倒すまで!!」

沢渡「む、無茶言うな…何て言ってられねえよな。遊矢の仇だ!俺も一肌脱ぐぜ!!」

勝鬨「アチョーッ!!!」

バレット「…」

沢渡「な、何だあれ?」

権現坂「どうした!?」

沢渡「空が割れてるぞ…まさか誰かが入ってくるんじゃ!?」

権現坂「ソリッドビジョンを砕くだと?そんな事は」

バリンッッッ

スタッ

黒咲「…」

権現坂「な、何者だ」

沢渡「ほら三馬鹿病院送りにしたエクシーズ使いの」

権現坂「あの男が」

黒咲「…」

バレット「貴様か」

黒咲「…」

バレット「2度目は無いぞ」

黒咲「それは俺のセリフだ」

勝鬨「邪魔をするな」

黒咲「死ぬぞ」

バレット「私も運がいい!再び会えるとはな!!」

黒咲「戦争は楽しいか」

バレット「無論!鍛え抜かれた技で!新兵器で多くの人間を殺すのは快感だ!!」

黒咲「それは女子供でもか」

バレット「フハハハハハハハハハ!!!愚問だなぁ!」

黒咲「そうか」

バレット「あの時の続きだ!今度こそ殺してやる!この眼を奪った貴様に…復讐を!」

黒咲「…」

ドンッッッ

権現坂「!?」

沢渡「!」

バレット「カウンター…だと…」

黒咲「…」

バレット「お前は…殺す気だったのか…最初から…私を…」

黒咲「ああ」

バレット「ゴフッ!」

黒咲「人間を拳で貫いたのは初めてだ」

バレット「お、お前は…私と同じ道を辿る…必ず…」

黒咲「お前のように弱ければな。だが安心しろ。俺は強い」

バレット「バカめ…貴様は…怪物だ…ネオアカデミア…万歳…!」

沢渡「…」

黒咲「ランサーズだな」

権現坂「うむ」

黒咲「1日だけ時間をやる。全員呼べ」

勝鬨「何をする気だ?」

黒咲「こいつらはデュエルをする気などない。最初から戦闘兵器として攻撃を仕掛ける」

沢渡「ああ」

黒咲「ならば鍛えて奴らをデュエルの土俵に引き摺り出してやれ」

権現坂「可能なのか」

黒咲「そんな事は知らん。赤馬零児のとこへ集めろ」

沢渡「お、おう!」

黒咲「お前達は心配なさそうだな」

勝鬨「無論」

権現坂「同じく」

翌日

黒咲「名を名乗れ」

沢渡「俺は沢渡シンゴ!このランサーズで最も強く!そして沢渡世代の」

黒咲「次」

沢渡「おい!」

権現坂「権現坂昇」

勝鬨「勝鬨勇雄」

日影「風魔日影」

月影「同じく月影」

北斗「志島北斗…名乗りましたよね?」

刃「刀堂刃…っす」

真澄「光津真澄」

柚子「柊柚子」

ユート「瑠璃に似てるだろ?だが瑠璃とは」

黒咲「声と髪型が違う」

ユート「そ、そうか」

北斗「人を病院送りにしといてさ」

刃「無茶苦茶じゃねえか!」

黒咲「…」

刃「なーんちゃって!なあ?」

北斗「うん!」

権現坂「一体何を」

黒咲「鍛えてやる」

柚子「どういう人なの?」

ユート「心配はしなくてもいい…と思う」

柚子「けど…ううん考えてる暇はないわ!」

ユート「…」

柚子「あなたから遊矢への伝言…私だって泣いてばかり居られない!」

ユート「それを聞いて安心した」

柚子「何処か行くの?」

ユート「俺は俺で目覚めなくてはならない」

柚子「?」

沢渡「気取りやがって」

ユート「ちょっと来てくれ」

沢渡「俺!?」

ユート「少し借りたい」

赤馬「ああ」

黒咲「では始めるぞ」

勝鬨「デュエルの土俵とは?」

黒咲「生身の攻撃で敵わぬと見れば、奴らは確実にデュエルに持ち込む」

権現坂「本当か!?」

黒咲「エクシーズ次元の司令官は少なくとも、そういう奴だ。ネオアカデミア…大層なのは名ばかりで腰抜け連中ばかり」

権現坂「バレットとかいう奴は強かったぞ!奴クラスの連中が」

赤馬「そのバレットの件だが」

権現坂「何かあったのか?」

赤馬「部下の話では、バレットの死体が無かったそうだ。消失したのか…或いは誰かが回収したのか」

赤馬「君はどう思う」

権現坂「お前に分からぬ事を俺がわかると思うか」

赤馬「…」

権現坂「しかし奴は躊躇なく殺した。許されて良いのか?」

赤馬「覚悟の差…そしてデュエリストの根底にある黄金の精神とは真逆の意思」

権現坂「何だそれは」

赤馬「それを漆黒の意思と呼ぶ…君達には理解できぬと思うが」

黒咲「とりあえず相手の顔面を狙え」

柚子「こう?」

黒咲「戦闘員はアンドロイドマンと名乗る機械の塊だ。それを打ち砕く手足を作れ」

月影「拙者らの武器が通用せなんだな」

日影「体術を身につけるのも修行の内よ」

真澄「そもそもネオアカデミアにデュエリスト何て居るの?」

素良「アンドロイドマン以外はデュエルをするよ。特に最高幹部連中は」

赤馬「側近はバレットとドクトル…そして幹部が2人だったか」

素良「うん」

権現坂「だが規模が多いのだろ?相手は融合次元のスマイルワールドに洗脳された者と兵隊連中」

勝鬨「で?融合次元にも自分達と同じく戦える連中が」

素良「少ないと思うよ」

勝鬨「何?」

素良「僕らはユーリ…遊矢に似た奴を失ったし、避難先のデュエルアカデミアも十代って人が行方不明で戦う気も無いらしいし」

権現坂「…」

素良「どっちにしろカイザーとエドやヨハン達じゃ時間の問題…もう倒されてるかも」

黒咲「腰抜けは放っておけ」

素良「何だって?」

黒咲「十代とユーリ?そいつらが居なければ動けぬマヌケに明日は無い」

権現坂「黒咲!少しは素良の気持ちを察したらどうだ!」

黒咲「知らんな」

権現坂「狂人め…!」

柚子「権現坂!」

権現坂「この男・権現坂!貴様に鉄槌を下す!!」

黒咲「…ククク」

権現坂「何がおかしい!」

黒咲「来い」

権現坂「何でだ?お前の言う拳でか!」

黒咲「デュエルしかあるまい」

権現坂「…!」

黒咲「で?どうする」

権現坂「受けて立つ!!!」

黒咲「…」

権現坂「お前には人しての温かみも無いければ情もない!敵という理由で問答無用で奴を抹殺した!」

黒咲「だから何だ」

権現坂「人としての倫理観はないのか!?」

黒咲「あって何になる」

権現坂「来い!この俺がお前を倒す!!」

黒咲「…」

黒咲・権現坂「デュエル!!」

黒咲「RR-スカル・イーグルを攻撃表示で召喚!そして魔法『RR-コール』でデッキまたは手札から自分フィールドのモンスターと同名モンスターを特殊召喚する!RR-スカル・イーグルを特殊召喚!」

黒咲「レベル3のRR-スカル・イーグル2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!RR-デビル・イーグル!!スカル・イーグルは素材となった時にエクシーズモンスターの攻撃力を300アップさせる。2体で合計600だ」

黒咲「カードを1枚伏せてターンエンド」

権現坂「俺のターン!墓地に魔法または罠が存在しない場合、超重武者ホラガ-Eは特殊召喚する事ができる!そして超重武者ジシャ-Qを攻撃表示で召喚!ジシャ-Qの効果で手札からレベル4以下の超重武者モンスターを特殊召喚する!俺は超重武者ソード-999を特殊召喚!」

権現坂「レベル4の超重武者ジシャ-Qと超重武者ソード-999にレベル2の超重武者ホラガ-Eをチューニング!シンクロ召喚!レベル10!超重荒神スサノ-O!!」

黒咲「…」

北斗「あいつのモンスター達は守備表示の癖に攻撃できるんですよ。反則じゃないですか?」

黒咲「見ればわかる」

刃「俺が教えたんす!シンクロは俺が教えたんす!」

黒咲「だから何だ」

刃「どう接していいのか理解できねえよ!」

北斗「負けてくれないかなぁ…」

真澄「情けないわね。だから弱いのよ」

北斗「…」

刃「…」

権現坂「バトル!超重荒神スサノ-OでRR-デビル・イーグルを攻撃!」

黒咲「…」4000→2200

北斗「やった!」

刃「ざまあみろ!」

黒咲「速攻魔法『RUM-デス・ダブル・フォース』を発動!このターン破壊され墓地へ送られたRRエクシーズモンスターを特殊召喚し!その倍となるRRエクシーズモンスターをエクストラデッキから、対象のモンスターに重ねて召喚する事ができる!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!」

北斗「RUM!?何だよそれ!」

黒咲「ランク6!RR-レボリューション・ファルコン!!」

権現坂「この男…ターンエンド」

黒咲「ドロー!バトル!レボリューション・ファルコンで超重武者スサノ-Oを攻撃!」

権現坂「バカな!?そのままではお前は!」

黒咲「レボリューション・ファルコンが相手フィールドの特殊召喚された表側表示モンスターと戦闘を行う時、そのモンスターの攻撃力と守備力を0にする!」

権現坂「!?」

黒咲「レボリューショナル・エアレイド!!」

権現坂「ッッ!!」4000→2000

黒咲「カードを1枚伏せてターンエンド」

柚子「あの人のデュエルディスクって変わってるのね。それに左眼も何か変だし」

アレン「俺らの世界の…早え話がデュエルディスクってやつ見たいなもんだぜ」

赤馬「…」

黒咲「拾え」

権現坂「何?」

黒咲「お前達の武器がAカードとやらなら拾ってみろ」

権現坂「俺は…拾わぬ!」

黒咲「どうやら貴様らの大将が武器と思っているだけで他は違うようだな。なあ赤馬零児よ」

赤馬「…」

権現坂「俺のターン!超重武者テンB-Nを攻撃表示で召喚!テンB-Nが召喚または特殊召喚に成功した時、墓地のレベル4以下の超重武者モンスターを特殊召喚する!墓地の超重武者ホラガ-Eを特殊召喚!」

権現坂「レベル4の超重武者テンB-Nにレベル2の超重武者ホラガ-Eをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!超重武者シュテンド-G!!」

権現坂「墓地に魔法または罠が存在しない場合、特殊召喚したシュテンド-Gは相手フィールドの魔法・罠を破壊する!」

北斗「やった!」

刃「やっちまえ権現坂!」

権現坂「行くぞ!」

黒咲「…」2200→1700

権現坂「ターンエンド」

黒咲「俺のターン!」

勝鬨「どういう人生を歩んで居るんだ…あの男は」

月影「…」

日影「…」

北斗「?」

刃「何だよ急に」

素良「彼らのような武芸者にはわかるんだ。黒咲の眼つきやオーラで何をして来たか、どういう奴なのかって…それは権ちゃんだって」

柚子「危ない人?」

アレン「街の不良の頂点で地下デュエル場の王者だったんだぜ」

柚子「そ、そうなんだ」

黒咲「RUM-ソウル・シェイブ・フォースを発動!ライフを半分払い墓地のRRエクシーズモンスターを特殊召喚し、そのモンスターのランクより二つ上のモンスターを重ねて召喚する事ができる!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク8!RR-サテライト・キャノン・ファルコン!!」1700→850

真澄「また倒されたモンスターを…まるでゾンビね」

アレン「あいつの怖さは執念深さだってよ。こいつは聞いた話なんだけどよ」

黒咲「ふふふ…」スッ

権現坂「Aカードを使う気か!?」

黒咲「こいつの場合!守備表示のまま攻撃が可能だが攻撃表示になれば、ただの藁の家と化す!アクション魔法『守備封じ』を発動!」

権現坂「くっ…」

アレン「勝つ為なら手段は選ばねえ何せ中学1年の時に大学空手部のやつの頭をバットでフルスイングしたって話だからな。今じゃ喧嘩相手をしばらく病院送りで落ち着いたらしいけどよ」

柚子「えぇ…」

黒咲「サテライト・ファルコン・キャノンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手モンスターの攻撃力を墓地のRRモンスター×800ダウンさせる!」

アレン「やっべえ!隼に奴、マジでおっさん殺す気だぞ!!」

権現坂「くっ…黒咲!」

黒咲「…」

権現坂「良きデュエルだった」

黒咲「お前いくつだ」

権現坂「何?」

黒咲「俺より歳上だろ」

権現坂「14だが」

黒咲「…おい」

権現坂「こら待たんか」

黒咲「時にお前達は何の為に戦うんだ」

刃「俺か?そりゃ…何でだ」

北斗「世界平和というか…」

黒咲「志島北斗」

北斗「はい!」

刃「やべえよ名前覚えられてるぞ」

黒咲「融合次元へ殴り込む方法はあるのか」

赤馬「ある」

黒咲「ならばお前だけでも行けた筈だ」

赤馬「…」

黒咲「こいつらは弱い。だが弱い奴らでも腰抜けとは違う」

赤馬「それは私に行っているのか?」

黒咲「他に誰が居る。俺の目の前に居る腰抜けはお前だけだろ」

赤馬「…」

月影「黒咲!」

日影「今の言葉を聞き捨てならぬぞ!」

黒咲「俺に文句を言いたいのなら3人揃ってからにしろ。居るだろ白いのが」

日影「3人?どういう意味でござる」

権現坂「赤影、青影、白影だと思っているのだろう」

月影「拙者達は風魔!故に赤影達とは敵同士でござった!」

アレン「何で?」

柚子「最後の敵が風魔だからじゃないの?」

アレン「そうなのか?」

真澄「変なメイクした奴だったと思う」

赤馬「腰抜けか…私に面等向かって啖呵を切ったのは榊遊矢ぐらいだ」

権現坂「何故、今日まで?確かに俺達の実力は…」

赤馬「私が経営者であるが故…そして」

素良「離れるわけにはいかない。家族の為に…そうでしょ?」

赤馬「…」

月影「零児殿は16歳で大企業の長となった」

日影「故にそれを気に入らぬという古株の社員も居る。言わば零王の配下だった連中」

月影「そして零王に虐げられ赤馬一族を憎む者も少なからず存在する」

日影「零児殿が居なくなれば母上と零羅殿に被害が及ぶのは必須!」

素良「それに融合次元は手遅れかもね。そうでしょ赤馬社長?」

赤馬「融合次元に居るスパイの話では一部のデュエリストの除いて、モンスターが消失したそうだ」

アレン「スパイ?やっぱ忍者みたいなものか」

素良「デニス・マックフィールド…僕の友達さ」

アレン「融合から先に行こうぜ!なあ可哀想じゃねえか?」

黒咲「瑠璃が先決だ。知らん奴らを救う意味など俺には無い」

素良「そうだよ。誰だって事情があるんだから」

アレン「達観してんな!」

素良「君は明るくて羨ましいよ」

北斗「…」

刃「…」

真澄「…」

勝鬨「自分は行くぞ。別に赤馬が居なくても話は進むだろ」

赤馬「…」

勝鬨「次元移動装置を組み込め」

赤馬「君は」

勝鬨「自分は他の連中と違い家族はおらぬ!死んだ所で誰が悲しむ!」

柚子「少なくとも私達は悲しむと思う」

勝鬨「昨日今日会った奴らに」

刃「ある!てめえは俺をボコったんだからな、その落とし前だけは必ずつけさせるぜ!」

権現坂「それに遊矢もお前の事を気にかけて居たぞ?何度でも戦って勝鬨とデュエルで語り合いたい…生前の話だが」

赤馬「君達の御両親は」

日美香「この子達の御両親には既に許可を取って来ました」

Ⅲ「さあ零羅くん」

アレン「Ⅲ!姿が見えねえと思ったらデートしてたんか!?」

Ⅲ「いやー流石に無理があるよ」

零羅「…」

日美香「この度は何と御礼を…」

北斗「いやいや、そんな」

刃「そうっすよ」

黒咲「死んでるのか」

零羅「…」

Ⅲ「この子が昨日社長さんの仰っていたA国の生き残りの子ですよ」

黒咲「こいつがか」

零羅「…」

日美香「私達の事なら心配いりません。中島を筆頭に零児派の人間は何人も居ますから」

赤馬「…」

日美香「それに零王の罪は私が背負う義務があります。あなたは子供…何も心配は為さらなくてもいい」

赤馬「しかし母様!」

バシッ

勝鬨「!」

赤馬「…」

日美香「たまには母親に甘えなさい。あなたはまだ子供なのですよ?」

赤馬「…」

日美香「社長として一人のデュエリストとして…そして私の子供…この子だって」

零羅「…」

日美香「何の心配もいらない。あなたが居る限り彼らは決して倒れたりはしない。だって零児さんの生まれて始めてできた友人ですものね」

赤馬「友人とは…いえ友人なのかもしれませんね」

北斗「黒咲さん!僕らを鍛えてください!!デュエリストとして…この人の友達として、僕達に戦う力を!!!」

黒咲「いいだろ。但し死んでも保険は下りんぞ」

沢渡「おいおい!何で俺だけ呼び出したんだ?まさか…告白じゃねえだろうな」

ユート「違う」

沢渡「そ、そうか」

シャーク「こいつと組んで俺に何をさせようってんだ?こんな…」

沢渡「…」

シャーク「見た目からしてタコっぽい奴と」

沢渡「誰がタコだ!」

ユート「遊矢は君と戦えば俺に新しい可能性を持たらせてくれると言っていた」

沢渡「寝たきりだぞ」

ユート「彼の魂と会話した」

沢渡「…」

ユート「信じられないかもしれないが」

沢渡「けっ!今更、SFとかホラーじみた事を言われても信じるっつうの」

ユート「…」

沢渡「早い話が柔軟性だ!わかるだろ?」

ユート「ああ」

沢渡「で?何て俺を評価してた?どーせ馬鹿だとかうるせえ奴だとか」

ユート「俺に本当のエンタメは何なのか教えてくれた。あいつは俺以上にデュエリスト…だと」

沢渡「…」

ユート「だから俺を導いてくれる。沢渡シンゴって男は根は生真面目で真っ直ぐな奴だと」

沢渡「なあリョウスケ」

シャーク「凌牙だ」

沢渡「信じられるか?そんなお前…俺と遊矢って犬猿の仲だぜ?それをべた褒めだなんて、ドッキリだろ?」

シャーク「ムカつくやつ程、本当は認めてるってもんだぜ」

カイト「…」

Ⅳ「…」

ベクター「…」

黒咲「…」

シャーク「それに真っ直ぐなんだろ?嫌でも感化されるもんだぜ」

遊馬「…」

シャーク「遊馬以外は社会不適合者ばっかだけどよ」

沢渡「そんなもんか?」

シャーク「んなもんだよ。大体デュエリストなんて単純だろ?1度のデュエルでそいつの人柄ってのがわかるぜ」

カイト「…」

シャーク「こいつは本気でわかんねえけど…」

沢渡「お前も誰かに影響されたタイプか?」

シャーク「ああ…」

Ⅳ「…」

ベクター「…」

シャーク「こいつらは死んでも負けたくねえタイプだな」

遊馬「ホープ剣・スラッシュ!」

黒咲「中学生が俺に喧嘩を売るなど千年早いわ!!」

シャーク「遊馬に何度も負けて隼にも何度も負けて…勝ちまくりの奴より負けを積み重ねた方が人は強くなれるんだろうぜ」

沢渡「頭悪そうなのに賢いんだな」

ユート「学校の成績は良いが内申は悪すぎて高校への進学が危ぶまれているそうだ」

シャーク「璃緒…瑠璃経由でどんどん広まってるじゃねえか!」

シャーク「先攻は俺だ!魔法『おろかな埋葬』を発動!デッキからモンスターを一体墓地へ送りダブルフィン・シャークを攻撃表示で召喚!ダブルフィン・シャークの効果で墓地のレベル3または4の水属性・魚族モンスターを特殊召喚できる!カンツウツボを特殊召喚!そして手札からサイレント・アングラーを特殊召喚!」

シャーク「レベル4のダブルフィン・シャークとカンツウツボとサイレント・アングラーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!No.32海咬龍シャーク・ドレイク!!」

シャーク「カードを1枚伏せてターンエンド」

「相変わらず荒削りな奴だ」

ユート「怒ってるのか?」

「我には決して許せぬ奴が3人居る」

ユート「そ、そうか」

「負けは許さぬぞ」

ユート「わからないぞ」

「勝て」

ユート「…」

沢渡「俺のターン!俺はスケール1の魔界劇団-デビル・ヒールとスケール8の魔界劇団-ファンキー・コメディアンでペンデュラムスケールをセッティング!」

ユート「なあ千」

「どうした」

ユート「いや…何でもない」

沢渡「ペンデュラム召喚!魔界劇団-ビッグ・スター!!」

シャーク「ここはスタンダードだろ?」

沢渡「ああ」

シャーク「スタンダード召喚はねえのか」

ユート「凌牙が代弁してくれた」

「あれはあれで抜けているからな」

ユート「俺のターン!千!俺は必ず新しい力を手に入れるぞ!」

「…」

数日後

コンコン

ガチャッ

沢渡「邪魔するぜ」

柚子「…」

シャーク「沢渡!」

柚子「ど、どうしたの」

シャーク「キスしてるかと思ったんだよ」

柚子「顔を拭いてただけよ」

遊矢「…」

沢渡「初心だな」

シャーク「誰が初心だ!てめえだって女知らねえだろうが」

沢渡「おいおい!この沢渡シンゴは女子にモテるって評判なんだぜ?なあ柚子」

柚子「一応ね」

シャーク「てめえの中学の女は視力に異常でもあるんじゃねえか?」

沢渡「うるせえ!てめえだって」

柚子「シッ」

沢渡「そら見ろ。怒られたじゃねえか」

シャーク「てめえのせいだろうが」

柚子「黒咲の特訓に居ないけど、どうかしたの?」

沢渡「俺は特別メニューってやつだ!心配してるのか?」

柚子「何か沢渡も顔つきが変わったなって」

シャーク「マヌケ顔だけどな」

沢渡「なあ凌牙」

シャーク「あ?」

沢渡「もしかしたら俺に惚れてるんじゃね?なあ!」

シャーク「どう見ても寝たきりユートに惚れてるだろうが」

沢渡「バーカ!遊矢っつうの!」

シャーク「てめえと話すとストレスが溜まるぜ。アレンは生きてるか?」

柚子「1番扱かれてるわ」

シャーク「そりゃ大変だな」

柚子「そのうち倒れそうだもの」

シャーク「ああいうタイプは倒れねえって相場が決まってるんだよ」

柚子「ふーん」

シャーク「だから遊馬と気が合ったんだろな。俺も間違えちまったしよ」

沢渡「じゃあ俺も合流すっかな?お前もどうだ」

シャーク「特訓のフリして隼の顔面殴るのも悪くねえな」

柚子「ユートはどうなったの?」

沢渡「この天才沢渡シンゴと凡才神代凌牙がコンビを組んだんだ!成功に決まってるじゃねえか!」

シャーク「逆だタコ!てめえが俺の足引っ張ってたんだよ!」

柚子「だってさ」

遊矢「…」

沢渡「そういやユートは何処に行ったんだ」

シャーク「フラフラしてんだろうよ」

沢渡「ま、起きたらデュエルしようぜ、遊矢」

遊矢「…」

沢渡「やっぱ将来結婚するんかな」

シャーク「気が早えよ」

騎士A「おい!」

騎士B「…」

騎士C「…」

シャーク「1人足りねえな?死んだのか」

騎士A「入院したんだよ!お前が腕と肋骨を3本も折ったおかげでな!」

沢渡「こいつら誰だっけ?て言うか鬼だなお前」

シャーク「生きてるだけラッキーと思えよ。で?何の用事だよ」

騎士A「騎士道の名の下に制裁を下す!」

シャーク「あ?お前もバカと同じように入院してえってか?マゾって奴は何を考えてるのかサッパリだぜ」

騎士B「何を!」

騎士C「大口を叩くのも今のうちだ!」

シャーク「先に行ってろよ」

沢渡「大丈夫かよ?」

シャーク「道端に落ちてるクソが人間様に喧嘩売ってるなんてレアだろ?俺だけでいいんだよ」

沢渡「そりゃレアどころかウルトラレアだな」

シャーク「だろ」

騎士A「来い!」

騎士B「その減らず口を叩けなくしてやる!」

シャーク「面白えじゃねえか」

騎士C「ふふふ」

沢渡「まあ大丈夫だろ」

シャーク「3人だけか」

騎士A「お願いします!」

ザッザッザ

ザッザッザ

シャーク「何だこいつら」

竹田「梁山泊塾の竹田!」

梅杉「同じく梅杉!」

シャーク「1、2、3…16か?そんでお前ら合わせて21」

騎士A「どうだ!少しは恐るだろ!」

騎士B「梁山泊塾は常に肉体を鍛え最近までは外界との接触は禁止されていた!」

騎士C「それを榊親子が大勢を巻き込み今では禁は破られたというわけだ!」

シャーク「聞いてねえよ。この街は塾が盛んだとか言ってたが梁山泊?男塾じゃねえんだぞコラ」

梅杉「生意気な…梁山泊を知らんとは田舎者としか言いようが…」

ゴンッ

梅杉「ブフッ!?」

シャーク「ベラベラ喋ってんじゃねえぞ、もう始まってんだからよ」

竹田「こいつ!」

シャーク「来いよ」

竹田「モンスターを召喚しろ!こいつを袋叩きにしてしまえ!!」

「オオッス!!!」

騎士B「我々も!」

シャーク「…」

騎士A「やれ!!!」

赤馬「ナイト・オブ・デュエルズのメンバー2人は腕と脚を折られ重傷…そして梁山泊塾も16名中15名が手酷く痛めつけられ病院送り…」

黒咲「…」

赤馬「現場は凄惨だったそうだ」

Ⅲ「…」

沢渡「すまねえ…俺が」

ユート「君の責任じゃない」

権現坂「奴らは特に遊矢を嫌って居たからな…あの男に飛び火をするとは」

勝鬨「…」

アレン「ぶっ殺す!」

素良「何処に行くの?」

権現坂「たった1人を大勢でやる性根が許せん!」

勝鬨「梁山泊は自分の古巣だ」

アレン「シャークは俺の友達だ」

月影「待たれ!」

日影「今はネオアカデミアに注意を向けるべきでござる!」

黒咲「1人で十分だろ」

北斗「大丈夫ですか?」

黒咲「こいつは喧嘩だ。生粋のデュエリストが踏み込む領域ではない」

刃「…」

黒咲「こいつは俺や凌牙のような穀潰しが得意とする分野だからな」

ユート「隼!」

黒咲「安心しろ。殺しはしない…ただ梁山泊とかいう連中の心と身体を砕いてやるだけだ」

勝鬨「黒咲…場所は知っているのか」

シャーク「薄味…やっぱ次元で病院食も味付けが違うんか」

柚子「元気ね、大丈夫なの?」

シャーク「俺の地元じゃ釣りと入院で俺の右に出る奴は居ねえんだよ」

遊矢「…」

シャーク「寝たきり病人と同じ病室なんて配慮が足らねえよな」

ガチャッ

黒咲「…」

シャーク「お、おう」

黒咲「くだらん事でリタイアしたな」

シャーク「一週間もありゃ治るぜ」

黒咲「3日だ」

シャーク「3日!?冗談じゃねえぞ!」

黒咲「やれ」

柚子「ねえ!着替えないの?何か夏服ばっかよ?凌牙の荷物」

シャーク「エクシーズは夏だったからな。しかしスタンダードが真逆の冬だなんて信じられねえな」

黒咲「…」

シャーク「いつ出発するんだ?」

柚子「私達もユートも明日にでもそれぞれ行くべき場所に」

シャーク「俺はどうやって行くんだ」

黒咲「赤馬の会社に次元移動装置が置いてある。インプットして融合でもシンクロでも好きな場所に行け」

柚子「本当に治るの?」

シャーク「ああ…でねえと隼の怒りに触れて再入院の可能性はあるからな。身勝手で傲慢で短気だからよ」

柚子「そ、そうね」

黒咲「じゃあな」

シャーク「隼!」

黒咲「…」

シャーク「ジョーカー校って知ってるか?」

黒咲「卒業生の大半が裏デュエル界に流れ込む札付きのワルが集まるデュエルスクールだろ」

シャーク「ベクターの情報じゃ、あんたを潰すって話だぜ?」

黒咲「逆に潰せばいい」

シャーク「ネオアカデミアの一件が終わったら手を貸してやってもいいぜ」

黒咲「勝手にしろ」

シャーク「あんたに恩を売るのも悪くねえからよ」

黒咲「何故それを今」

シャーク「何となくだよ」

黒咲「…」

シャーク「あ、それと」

黒咲「一回で言え」

シャーク「舐めた奴は死ね」

黒咲「…」

シャーク「あんたから伝えといてくれよ。あいつらに」

黒咲「…」

柚子「ま、まさか敵討ち?」

シャーク「そんな聖人君子に見えるか?あいつが」

柚子「ううん」

シャーク「暴れてえんだよ。俺だって同じ事をするぜ」

騎士A「いやぁ流石です!」

梁山泊塾長「うむ」

「噂によると街の顔役達は街を離れるそうですよ」

「今まさに梁山泊が街を牛耳…」

ドォォォォォォォォォォォォォォ

「な、何だ!?」

ゴロゴロ…

騎士A「こ、こいつ!」

竹田「…」

「竹田ァ!」

黒咲「…」

「な、殴り込みか!?」

黒咲「フン」

梁山泊塾長「カッカッカ!命知らずめ!ここを何処と心得ている!」

黒咲「ゴミ捨て場だろ」

「何を!」

黒咲「そこのバカが口を割らなくてな、苦労したぞ」

「す、凄い角度で曲がってるぞ竹田…」

竹田「…」

梁山泊塾長「生かして帰すな!八つ裂きにしてしまえ!!」

騎士A「あわわ…何なんだよこいつら!」

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオ」

黒咲「舐めた奴は死ね」

翌日

柚子「だ、大丈夫よ!」

修造「しかしだな!あまりにも危険だぞ!!!」

アユ「遊矢お兄ちゃんとタコさんウィンナーお兄ちゃんは任せてよ」

タツヤ「僕達が見ててあげるからさ!」

フトシ「そうだよ」

赤馬「私が責任を持ちますので」

修造「社長…」

赤馬「零児で構いません」

修造「零児くん…君も遊矢と同じく父親に裏切られた。しかし」

赤馬「息子が父に引導を渡す…この世で最も残酷な事」

修造「だから…何と言うか」

赤馬「私の決意は変わりません」

修造「…そうか」

赤馬「願わくば、あなたが私の父であった世界を見てみたい」

修造「そんな大袈裟な」

赤馬「それに…あなたにも償いをしなくてはなりませんので」

修造「償い?それは一体」

赤馬「いえ…それは」

権現坂「出発するぞ!」

柚子「それじゃあねお父さん!」

修造「あっ!」

沢渡「…」

北斗「沢渡!」

沢渡「悪いけど行けねえわ」

刃「ビビったのか?らしくねえぞ!」

真澄「お調子者だけど、ここぞって時に燃えるタイプの癖に」

沢渡「凌牙の事…責任があるからな」

月影「…」

日影「…」

沢渡「あいつとはウマが合うっつうか…まあエクシーズ次元の沢渡的な?」

勝鬨「全然違うだろ」

権現坂「うむ」

沢渡「とにかく!俺は行くぜ、柚子止めるなよ」

柚子「うん」

沢渡「いや…一瞬でも止めてくれよ?寅さんだって妹に」

権現坂「お前は温室育ちだが何処にでも適応できるだろうからな」

沢渡「余計なお世話だぜ!」

権現坂「間違っても命は落とすな」

沢渡「そりゃ俺のセリフだぜ権現坂!」

権現坂「ふふふ」

沢渡「へっへっへ」

赤馬「くれぐれも迷惑をかけぬように」

沢渡「子供じゃねえんだぞ!」

北斗「しかし融合次元に飛ぶって言っても知り合いも居ない状況じゃ」

赤馬「次元移動装置は最もデュエリストが集まる地へ転送される。そして私達は丸藤亮と合流する」

柚子「どういう人なの?」

赤馬「3年前に私を救ってくれた恩人だ」

ユート「さてと」

素良「…」

アレン「お前も俺達と?いいのかよ」

素良「探さなきゃダメな奴が居る。スタンダードにも居ないとなると次はシンクロしかない」

沢渡「おーい!」

黒咲「…」

ユート「沢渡?どうして」

沢渡「俺も一緒に行かせてもらうぜ!」

アレン「置いてかれたのか!?」

沢渡「違うっつうの!」

Ⅲ「さあ乗り込んで!」

沢渡「飛行船?大丈夫かよ」

ユート「ああ」

アレン「とりあえず次元移動はできるっぽいし」

沢渡「それで融合次元に行ったら笑うしかねえな」

Ⅲ「シンクロ…シンクロ…シンクロ…」

沢渡「祈祷じゃねえか」

アレン「亀頭?何処がだよ!」

沢渡「あいつ」

アレン「全然普通じゃねえか!」

沢渡「いや普通じゃねえぞ」

素良「先が思いやられるね」

ユート「あ、ああ」

シンクロ次元

ユーゴ「転校生の不動ユーゴっす!別に不動じゃねえけど」

リン「リン…リン・アトラスです」

ユーゴ「ブフッ!」

リン「笑わないでよ!」

ユーゴ「だってリン・アトラスって…リン・アトラスだってよ!」

リン「笑うなって言ってるでしょ!」

ユーゴ「笑っちまうだろ?リン・アトラス!」

リン「くっ…ウェーバーでもホーガンでも語呂最悪だし…マシかなって思ったアトラスも笑われるし」

パチパチ

ユーゴ「ん?」

ユーリ「いい名前だと思いますよ」

ユーゴ「何だお前?」

「転校生なんだよ。あの子も」

「少し変わった奴でさ」

ユーリ「十六夜ユーリです。本名じゃありませんけど」

リン「十六夜?アキと同じ苗字なのね」

ユーリ「十六夜家は僕を引き取ってくれました。記憶喪失なんですよ」

リン「苦労してるのね」

ユーゴ「何か微妙に似てるな、俺の舎弟にしてやるよ!」

ユーリ「舎弟ですか?まあ…別に構いませんよ」

リン「はあ…」

ユーゴ「さあ!念願の学園ライフってやつの始まりだ!!」

ブルーノ「ええ…そうです…はい」

ジャック「…」

牛尾「何だ?あいつ前と変わらねえじゃねえか」

遊星「これからの道を考えているんだろう。俺もだが」

牛尾「どうやって説得したんだ」

遊星「ゾーンか?」

牛尾「ああ」

遊星「赤き竜の力…そしてゴドウィンとルドガーが俺を導いてくれた」

牛尾「ゴドウィンか…」

遊星「あの2人の魂がアーククレイドルを逆回転させ防いでくれた」

牛尾「死んでもお前らを見守ってんだな」

遊星「ああ…そしてゾーン、パラドックス、アポリアは新しい道を…ブルーノも赤き竜の力で人に転生できたんだ」

牛尾「へえ…赤き竜って役に立つんだな」

遊星「勿論だ」

牛尾「そういや頼まれてた調べ物の事だけどよ」

遊星「…」

牛尾「このシンジって野郎の経歴見て驚いたぜ。何せ15の時に建国したんだからな、地図にもねえ小さな国だけどよ」

遊星「…」

牛尾「只者じゃねえな」

遊星「あいつは飄々としているが誰よりもサテライトを変えようと考えていた」

牛尾「俺も見たが眼つきが修羅場をくぐり抜けた男の眼…って感じだったぜ」

ブルーノ「遊星!ユーゴが学校で大暴れしたらしいよ」

遊星「…やれやれ」

ユーゴ「問題ねえんだよ」

龍亞「凄いね!全員コテンパンにしちゃうんだもん!」

天兵「いやぁ…やり過ぎだよ」

ボブ「カッコいいと思うぜ!」

リン「悪影響!この子達が真似したらどうするのよ!」

ユーゴ「いいんじゃね?」

リン「良くないわよ!だいたい昔から」

龍可「まあまあ」

アキ「ユーリも喧嘩したの?」

ユーリ「見様見真似ですよ」

ユーゴ「そうか?お前もいい筋行ってたぞ?喧嘩慣れしてるっていうか」

ユーリ「そうですか?」

アキ「喧嘩慣れ…もしかしたら記憶の糸口かもしれない」

遊星「派手に暴れたんだってな」

ユーゴ「んだよ。チクったのか」

遊星「お前の保護者だからな」

ユーゴ「まさか説教じゃねえだろうな?」

遊星「ああ」

ユーゴ「丸くなったなぁ…昔は俺らの中じゃ一番ワルで怖かったってのに」

遊星「大人にならないとダメなんだ」

ユーゴ「そりゃ賢くて素晴らしいぜ!だがな、今のてめえにゃサテライト魂が感じらねえ!」

遊星「俺はサテライト魂を捨てて無い」

ユーゴ「嘘つけ!今じゃ立派な飼い犬じゃねえか!?野良犬だった頃の事を忘れてんじゃねえのか!!」

龍亞「サテライト時代の遊星ってどんなのだったの?」

リン「怖かったかな…私達には優しかったけど」

龍可「そんなに?」

アキ「た、確かに遊星のガンの飛ばし方は怖いわね」

リン「本気で怒ったらジャックでさえ畏怖するって話よ?私達は見たこと無いんだけどね」

龍亞「遊星が」

龍可「あのメンタルの強いジャックが畏怖するって…」

アキ「余程の事ね」

ユーゴ「てめえの根性を叩き直してやるぜ!フレンドシップカップでよ!」

遊星「ああ」

龍可「出るの?」

龍亞「参加費1500円だろ?出るに決まってるじゃん!」

ユーリ「僕も出場していいですか?」

アキ「うん」

龍亞「それに面白そうだしさ」

リン「え?」

龍亞「あの2人の因縁の対決が」

遊星「帰るぞ」

ユーゴ「上等だよ!」

遊星「腹が減ったな。そういえば近くにバナナと蟹の煮付けを出す食堂を見つけたぞ」

ユーゴ「それ先に言えよ!あれ好物なんだから、それとも自分も好きだからって独り占めしようって魂胆か!?」

龍可「言うほど仲は悪くないかも」

リン「変な所が似てるからね…」

ユート「ここがシンクロ次元か」

Ⅲ「らしいね」ピッ

沢渡「消えちまった!?おい!消えたぞ飛行船」

アレン「どういう原理になってんだ?まあ聞いてもわからねえけども」

ユート「瑠璃…君は何処に居るんだ」

黒咲「…」

素良「…」

ファンファンファンファンファンファン

沢渡「警察だ!」

アレン「やべえぞ!何で到着するたびに」

黒咲「蹴散らせばいい」

ユート「隼!もう通用しないんだぞ!」

227「コラ!お前達か!?妙な宇宙人とは!」

ユート「いえ俺達は宇宙人では」

227「通報があったんだ!通報が!宇宙人の襲来だとな!」

黒咲「だから何だ」

素良「やめなよ」

シンジ「お?祭りか?」

227「何だお前は?」

シンジ「シンジってんだ」

227「シンジ?牛尾さんの言っていたシンジ・ウェーバーか!?」

シンジ「ま、俺の顔に免じて許してくれや」

227「顔役じゃない癖に」

シンジ「で?何て名前よ」

ユート「ユート」

黒咲「黒咲隼」

アレン「神月アレン」

素良「紫雲院素良」

佐渡「沢渡シンゴ」

Ⅲ「Ⅲです」

シンジ「そうか…有名人に会えるなんて光栄だぜ」

黒咲「誰かと勘違いしているな」

シンジ「黒板純なんて国民の半分以上は知ってるぜ」

黒咲「黒咲隼だ」

シンジ「ああ…黒板純だろ?」

黒咲「黒咲…隼だ!」

シュッ

ユート「隼!」

シンジ「おっと!」

アレン「隼の右ストレートを避けた!?」

シンジ「随分と派手な…」

ドボッッ

シンジ「うぉぉ…」

黒咲「図に乗るな」

ユート「早速揉め事を起こしているじゃないか!」

素良「はあ…」

Ⅲ「だ、大丈夫?」

ザワザワ…

沢渡「ギャラリーが集まって来たぞ!こりゃ凄えや!」

素良「ねえ!はしゃいでる場合じゃないでしょ」

シンジ「スイッチが入っちまったよ…純くんよぉ~」

黒咲「…」

ユート「待ってくれ!黒咲瑠璃を知らないか?若しくは榊遊勝を!」

シンジ「邪魔だ!」

ガシッ

ユート「隼の非礼は謝る…申し訳ない」

黒咲「来い」

素良「もういいじゃないか」

ユート「瑠璃は俺の大切な人で隼の妹なんだ!何か情報があれば」

シンジ「妹の蛍だぁ?知らねえよ!富良野にでも行って来いや!!」

クロウ「ちょっと退いてくれ!シンジ!!」

シンジ「俺の服は土足厳禁なんだよ!」

クロウ「馬鹿野郎!街中で喧嘩する奴が居るか!!」

黒咲「邪魔だ!!」

バキッッ

クロウ「グアッ!?」

ユート「大丈夫か!」

クロウ「誰のツラ叩いてんだ!このクロワッサン野郎!!」

沢渡「血の気多すぎじゃねえか」

227「おい!また騒動があると思えば喧嘩か!?」

沢渡「やっべえ!」

アレン「あのオマワリ仲間連れて来たぞ!」

素良「逃げなきゃ!」

Ⅲ「早く!」

ユート「いい加減にしろ!」

ゴスッ

黒咲「うっ!」

バタッ

アレン「おお!」

ユート「逃げよう!」

227「逃がさん!」

素良「えいっ!」

ボンッ

モクモク…

227「煙幕か!?」

クロウ「おい!」

シンジ「汚ねえぞ!」

ガチャッ

クロウ「こ、この嫌な感触は」

シンジ「マジか!?」

227「逮捕」

クロウ「そう来たか」

ゴンッ

ゴンッ

牛尾「ったくよ」

クロウ「痛え!」

シンジ「加減しろ!」

牛尾「うるせえ!クロウ!少しは自覚を持ちやがれ!」

クロウ「わ、悪りい」

牛尾「シンジ!少しは賢いタイプかと思ったら輪にかけたような馬鹿じゃねえか!」

シンジ「喧嘩売られたんだよ」

牛尾「売られたのか?」

シンジ「おう」

牛尾「だったら仕方ねえか」

遊星「失礼するぞ」

クロウ「お、来たな」

シンジ「悪いな」

遊星「…」

牛尾「まあ売られた喧嘩だしよ?大目に見てやろうぜ」

クロウ「このタンコブ見ろよ」

シンジ「頭割れるかと思ったぜ」

牛尾「ちゃんと躾といたからよ」

遊星「帰るぞ」

クロウ「おう!」

シンジ「そんじゃあな!」

遊星「…」

クロウ「見た事ねえ野郎でな」

シンジ「それも腕っ節が強えの何の」

遊星「…」

ロジェ「…これこれは」ペコッ

遊星「!」

クロウ「あれが噂の新長官か」

シンジ「タッパあるのな」

遊星「大会の主催者…参加費は1500円」

クロウ「あんましがめつく無いタイプかもな」

シンジ「変な鼻してっけど」

遊星「臭いな」

クロウ「こいてねえぞ」

シンジ「俺も」

遊星「いや」プスッ

シンジ「お、屁だな」

クロウ「遊星の負けだぜ」

遊星「フッ」

シンジ「そういや大会まで後少しだな」

クロウ「出るのか?」

遊星「あいつとの約束だからな」

クロウ「ユーゴが何処までやるか楽しみだぜ」

遊星「ああ(新長官ジャン・ミシェル・ロジェか…)」

ロジェ「ふふふ…素晴らしい!ネオアカデミアに入社して15年!ついに天下を取ったぞ!!」

遊勝「…」

ロジェ「足の具合はどうですか?」

遊勝「ああ!笑顔を届けるまでね」

ロジェ「私はチビのように不覚は取らない!だってそうでしょ?私の方が身長高いんだから!」

遊勝「ああ」

ロジェ「遡ること高校時代…私とチビは甲子園のマウンドで初対決をした。こう見えても東東京では有名な強打者でしてね」

遊勝「それよりも笑顔は届けられそうかな?」

ロジェ「ええ!ドクトルが言う通りならばエクシーズ次元でパワーアップした新型スマイルワールドで」

遊勝「カイトは最高の弟子だったよ」

ロジェ「しかしハゲ…ではなくプロフェッサーが笑顔を求めるとは」

遊勝「不思議か?」

ロジェ「そりゃ不思議でしょ!だって」

遊勝「零王と私は同じだからだよ」

ロジェ「同じとは?」

遊勝「それは教えられないな」

ロジェ「どちらへ」

遊勝「不動遊星は邪魔だ。残念ながら死んでもらうしかない」

ロジェ「しかし不動遊星はネオアカデミアがシンクロ次元を制圧するのに危険な」

遊勝「遊星かジャック…2人のうちの1人が消えれば簡単に崩壊する」

ロジェ「へ?」

遊勝「光と影はどちらも必要不可欠だからね」

ロジェ「はい(こいつキチガイなのか?付いて行けないぞ)」

ユート「いきなりだぞ」

素良「反省してよ!僕らには探し出さなきゃダメな人が!」

沢渡「凌牙があの世で泣いてるぞ!」

アレン「遊馬とカイトだってあの世で!」

Ⅲ「少なくともカイトとシャークは死んでないよ」

黒咲「…誰だ!」

ユート「何?」

黒咲「そこで隠れている奴だ」

スッ

沢渡「な、何て長いバイクなんだ!?」

アレン「乗りにくくねえか?」

001「…私の名はデュエルチェイサー001」

ユート「001?全身が真っ白だ…目が痛くなる」

アレン「変な仮面被ってるしよ」

001「…」

黒咲「俺を捕らえる気か」

001「それはない」

黒咲「ならば何が目的だ」

001「私の誇りを取り戻す為に」シュッ

黒咲「つまりデュエルだろ」

001「その通り」

黒咲「来い」

001「ライディング以外のデュエルは久しぶりだ」

黒咲・001「デュエル!!」

黒咲「先攻は俺が貰うぞ!RR-ミミクリー・レイニアスを召喚!そして魔法『Rコール』を発動!デッキから2体目のRR-ミミクリー・レイニアスを特殊召喚!1体目のRR-ミミクリー・レイニアスの効果で自分フィールドのRRモンスターのレベルを一つ上げる!」

黒咲「レベル5のRR-ミミクリー・レイニアスでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク5!RR-エトランゼ・ファルコン!!カードを1枚伏せてターンエンド!」

001「私のターン!ホワイト・モーレイを攻撃表示で召喚!そして魔法『ホワイト・サークル・リーフ』を発動し自分フィールドのホワイト・モーレイを破壊する!」

黒咲「自分のモンスターを破壊だと?」

001「効果で同名モンスターをデッキから手札に加え手札から魔法『ホワイト・プロスプリティ』を発動!手札の同名モンスターを2体特殊召喚する!ホワイト・モーレイを2体を特殊召喚!さらに魔法『ホワイト・リボーン』を発動!ホワイト・モーレイを特殊召喚!」

黒咲「同じレベルのモンスターが3体か」

001「そして墓地から特殊召喚されたホワイト・モーレイはチューナーに変化する!」

001「レベル2のホワイト・モーレイ2体にレベル2のホワイト・モーレイをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!ホワイトオーラ・ドルフィン!!」

001「ホワイトオーラ・ドルフィンの効果を発動!1ターンに1度、相手フィールドのモンスターの攻撃力を半分にする!」

黒咲「…」

001「バトル!ホワイトオーラ・ドルフィンでRR-エトランゼ・ファルコンを攻撃!!」

黒咲「罠発動!『RR-レディネス』を発動!このターンRRモンスターは戦闘では破壊されない」

001「カードを1枚伏せてターンエンド」

黒咲「ドロー!」

001「異国のデュエリストだな」

ユート「いや…まあ」

001「君達はD・ホイーラーとしての素質がある」グッ

沢渡「何だそりゃ?」

アレン「知らねえ」

黒咲「御託はいい」

素良「得体の知れないタイプだね」

001「…」

黒咲「エトランゼ・ファルコンのオーバレイ・ユニットを一つ使い!相手モンスターを破壊し元々の攻撃力分のダメージを与える!」

001「ホワイトオーラ・ドルフィンは破壊された時、墓地のホワイトモンスターを一体除外し墓地からホワイトオーラ・ドルフィンを特殊召喚!そしてホワイトオーラ・ドルフィンはチューナーモンスターとして生まれ変わる!」

黒咲「だがダメージは受けてもらうぞ」

001「…」4000→1600

黒咲「RUM-レイド・フォースを発動!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク6!RR-レボリューション・ファルコン!!」

黒咲「このモンスターが特殊召喚された相手モンスターと戦闘を行う時、その攻撃力と守備力を0にする!」

001「…」

黒咲「法の番犬よ!これで最後だ!!」

沢渡「行け!!」

001「永続罠『シンクロ・ゾーン』を発動!このカードはシンクロモンスター以外の攻撃を封じる!」

黒咲「ターンエンド」

001「私のターン!魔法『ホワイト・サルベージ』を発動!墓地のホワイト・モーレイを手札に加えホワイト・モーレイを通常召喚!」

ユート「墓地のモンスターを使い回すか」

アレン「エコだなエコ!」

素良「そんな生易しいものじゃないよ。負けだね黒咲」

Ⅲ「まさか」

素良「けど1度は負けた方がいいんじゃない?少しは薬になると思うよ」

001「レベル2のホワイト・モーレイにレベル6のホワイト・オーラ・ドルフィンをチューニング!シンクロ召喚!レベル8!ホワイト・オーラ・ホエール!!」

001「ホワイト・オーラ・ホエールの効果を発動!ホワイト・オーラ・ホエールの効果を発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、フィールドの全てのカードを破壊する!」

黒咲「…」

001「そして破壊された時、墓地のホワイトモンスターを除外しホワイト・オーラ・ホエールをチューナーとして特殊召喚!」

ユート「倒れても倒れても復活する…そしてレベルを上げて行く」

001「これが私の輪廻シンクロ!私のシンクロは渦潮の如く止まる事は無い!!」

牛尾「珍しいな、帰ってねえのか」

227「はい?」

牛尾「001」

227「あの人は一匹狼ですからね。けど一桁台のデュエルチェイサーはいいですよね?服装とか自由だしDホイールも好き放題改造できるし」

牛尾「あいつは特別だ。経歴が凄いからな」

227「へえ!あの人って何かやったんですか!?」

牛尾「コンチネンタルサーカスのチャンピオンだ」

227「何ですかコンチネンタルって?」

牛尾「簡単に言えばヨーロッパ大陸で開かれるライディングデュエルみたいなもんだ。難しいらしいぜ?大陸横断するんだからよ」

227「あの一匹狼の001が」

牛尾「それだけじゃねえ…野郎は血筋も完璧だからな」

227「血筋ですか?」

牛尾「そうだ」

227「何でも知ってるんですね牛尾さんは」

牛尾「ま、俺も古株だからな」

227「おっさん臭いですよ」

牛尾「ハッハッハ!」

ガンッ

227「何するんですか!」

牛尾「俺は若いんだよ!」

227「いいや俺らデュエルチェイサーからすればですね」

牛尾「怒るぞ!」

227「も、もう怒ってるじゃないですか!」

001「私の勝ちだな」

黒咲「…」

001「いい加減に素性を明かそう」

沢渡「お、仮面を取るのか!」

アレン「ブサイクだぞブサイク!」

Ⅲ「やめなよ2人とも!」

パカッ

素良「!」

蓮「私の名は蓮」

ユート「仮面の上に仮面?」

蓮「ヘルメット用の仮面だ。こっちは素顔用に」

素良「…少しは反省できた?」

黒咲「何が言いたい」

ユート「隼!デュエルで負けたんだ…だから喧嘩はしないでくれ」

黒咲「約束しよう。負けは負けだからな」

沢渡「そ、そんな約束したのか」

ユート「シッ!」

Ⅲ「話を合わせて!」

ユート「実は瑠璃…この写真の女の子を探してて」

素良「僕は、この薄気味悪い笑顔浮かべてる奴」

蓮「…」

沢渡「知らねえだろ?だって地球って広いんだぜ?もしかしたらイタリアとかフランスに居るかもしれねえだろ」

蓮「…」

蓮「お金があるなら大会に出るといい」

アレン「通貨は円か?」

蓮「いやペソだ」

ユート「ペソ!?」

蓮「冗談だ」

沢渡「そうか!大会に出りゃ目立つし俺らが居る事もわかるじゃねえか!」

アレン「瑠璃も遊勝の野郎も俺らの存在に気がつくぜ!」

黒咲「あのコンビも出るのか」

ユート「彼らもデュエルディスクを付けてたからな」

沢渡「よし!派手にやってやろうぜ!死んだ凌牙の分も!」

Ⅲ「まだ死んでないよ」

ユート「瑠璃…ちゃんと飯を食べてるんだろうか」

黒咲「…」

蓮「そういえば同じように写真の彼を探してる人を知っている」

素良「本当に!?」

蓮「ああ…その人に別世界の事を教えられた」

素良「僕と同じ融合次元のデュエリストだ…誰なの?目つきの悪い黒コート?それとも変なネクタイの銀髪?」

蓮「天上院明日香…と言っていたな」

素良「明日香?明日香か…」

沢渡「女か?」

アレン「美人か!」

素良「まあゴリラみたいな女かな」

アレン「何だゴリラか」

クロウ「えっらい豪華だぜ」

シンジ「こりゃ凄いわ」

リン「瑠璃と共同作業よ」

瑠璃「居候だからね」

シンジ「やっぱルンは女子力高いわ!なあ!」

クロウ「おお!」

リン「どういう意味よ!同じぐらい私にも女子力あるわよ!」

ユーゴ「おいコラァ!将来の俺の嫁に何っつう口の利き方してんだ!!」

ジャック「いや女子力だけなら瑠璃の圧勝だぞ」

リン「いつも寝てばっかの癖に」

ジャック「俺は将来の事をだな!」

クロウ「遊星はどっちだと思う?」

遊星「瑠…」

リン「…」

遊星「リンだな」

ユーゴ「ほら見ろ!」

ブルーノ「さあ食べよう!」

シンジ「そういや酷い目にあったぜ?クロワッサン頭の野郎に因縁吹っかけられてよ」

瑠璃「クロワッサン頭!?もしかして黒咲隼って名乗ってなかった!?」

シンジ「いいや黒板純だとよ」

リン「人違いか…」

瑠璃「うん…」

遊星「次元移動か…ユーゴは何度かやっているようだが…今度ジャンク置き場から材料でも集めて作ってみるか」

明日香「素良くん?」

素良「や、やあ」

蓮「では私は職場の方へ」

黒咲「…」

アレン「…」

沢渡「…」

アレン「ゴリラか?」

沢渡「ゴリラじゃねえ!全然ゴリラじゃねえぞ!!」

アレン「だよな?全然違うよな!こんなゴリラが居てたまるかよ!!」

明日香「新しい仲間?」

素良「バカユーリを探す為にね。明日香さんは何でまた」

明日香「融合次元からモンスターが消えたわ。だから私も戦う力を求めてシンクロへ」

素良「努力してるんだね」

明日香「何か棘のある言い方するわね」

素良「別に」

明日香「それに2度と仲間を失いたくないわ」

素良「…それを聞いたらユーリも喜ぶよ」

明日香「それにユーリの扱いには慣れてるし…あの子は昔から」

沢渡「お前が声かけろよ!」

アレン「行けよ沢渡!お前ならやれる!!」

明日香「あ、あの子…面影あるわ」

素良「全身からオーラ出してるでしょ?」

明日香「万丈目くんと同じ匂いがするわね…」

蓮「…」

牛尾「おう」

蓮「牛尾課長補佐」

牛尾「デュエルしたって顔してるな」

蓮「仮面ですよ」

牛尾「上司だぞ?余裕だよ余裕」

蓮「…さっきのデュエルでわかりました。私の右腕は使い物にならないと」

牛尾「…そうか」

蓮「はい」

牛尾「やっぱ3年前のジャックとのデュエルが原因か?」

蓮「ええ…しかし彼に非はありません」

牛尾「…」

蓮「あれは私の不注意だった」

牛尾「そんなしんみりすんな」

ポンッ

蓮「…私には声があります。それにデュエル以外でなら私生活にも影響はありませんので」

牛尾「何か決まってるのか?」

蓮「私がコンチネンタル・サーカスで学んだ知識を経験を若きデュエリスト達に教えようかと…そして別世界の彼らにDホイールを動かす技術を」

牛尾「そうか、だったら有給休暇だな?」

蓮「お願いします」

牛尾「だがDホイールを操縦させる技術って何やらすんだ?」

蓮「限られた時間でフレンドシップカップへ出場させる為に」

牛尾「あと一週間もねえぞ?」

蓮「私が出会った彼らには筋があります。きっと物にするでしょう」

コンコン

アキ「ん?」

ガチャッ

ユーリ「アキさん」

アキ「どうかしたの?」

ユーリ「机にこんなものが」

アキ「1500円?パパよ」

ユーリ「おじさんですか?」

アキ「大きな大会でデュエルをすれば記憶も戻るかもしれないわ」

ユーリ「予選通過できたらじゃないですか?」

アキ「そうだけども」

ユーリ「できますかね?」

アキ「あなたなら大丈夫よ!」

ユーリ「優しいですね」

アキ「そう?」

ユーリ「僕は記憶を失って良かったです。十六夜家の方々に出会えて」

アキ「明日も早いでしょ?もう寝なさい」

ユーリ「おやすみなさい」

バタンッ

アキ「うん」

当日

ユート「ごった返してるな」

沢渡「Dホイール…あいつ持ってくるのか?ずーっと仮面なんて被りやがってさ」

アレン「あいつの一族は仮面外したら自害する掟なんだぜ」

沢渡「そりゃ本当か!?」

アレン「そういう友達が居てな。スグルってんだ」

ユート「何処かに瑠璃が居る可能性がある。しかし人が多すぎる」

素良「予選落ちとかしないでよ。恥ずかしいんだから」

明日香「まさか、あなた達は高校生組を舐めてるけど私達だってね」

素良「はいはい(そういうのがうるさいってんだよ。何様なんだか)」

ユート「瑠璃ー!」

黒咲「叫んで現れる程、瑠璃は単純じゃない」

瑠璃「ユート…兄さん…アレン…」

ユート「瑠璃…瑠璃なんだな!?」

瑠璃「ユート!」

ユーゴ「おい!ここで会ったが100年目!!」

ユート「お前…」

ジャック「お前が黒板純か?随分とウチの連中が世話になったな」

黒咲「あのマヌケコンビの親玉か」

ジャック「うむ」

ブルーノ「クロウとシンジ居ないね?それに遊星も」

リン「2人はトイレだと思うけど…そういえば遊星ってば昨日から帰ってないわね」

ブルーノ「何か胸騒ぎがするぞ…」

龍亞「あ、居たよ」

ユーゴ「この前は悪かったな拉致ってよ」

ユート「…」

ユーゴ「一発殴ってもいいんだぜ?」

ユート「いいんだな」

ユーゴ「ああ…けど殴ったら倍になってくるシステムだがよ」

瑠璃「ちょっと待って!この人達にはお世話になったんだから」

龍亞「敵?」

ユーゴ「おう!龍亞もユーゴ組の若頭なら俺の戦いを!」

リン「恥ずかしいからやめろって言ってるでしょ!」

ザワザワ…

ザワザワ…

リン「ほら見られてるじゃない」

アキ「遊星は?」

ブルーノ「それが昨日から帰ってなくてね」

ユーリ「…」

素良「ユーリ!生きてたんだ!?あんまり嬉しくないけど嬉しいよ!」

ユーリ「僕の知り合いですか?」

素良「気持ち悪いな…何時もの5倍は気持ち悪くなってるよ」

アキ「もしかして知り合い?この子の」

明日香「うん」

アキ「私は十六夜アキ!この子を預かってる家の者よ」

明日香「天上院明日香…こいつ様子が変だけど何かあったの?」

明日香「記憶喪失…ユーリが?」

素良「このままでいいんじゃない?とりあえずデュエルできれば万々歳だよ」

アキ「かなり嫌われてるけど、この子ってそんなに」

明日香「贔屓目に言ってもキチガイね」

素良「キチガイといえばユーリだからね」

アキ「キチガイ?」

ユート「出るのか?」

瑠璃「うん!」

ユーゴ「っつうか遊星の奴!何処に行っちまったんだよ!?」

龍可「居ないの?」

リン「昨日から帰って無いのよね」

アキ「はあ…」

ユーリ「遊星さんってアキさんが片思いしてる人ですよね?」

アキ「シッ!」

クロウ「黒板!」

シンジ「ついに見つけたぞコラァ!!」

黒咲「舎弟コンビは引っ込んでろ」

シンジ「誰が舎弟だ!?」

黒咲「このデカい奴のだろ」

クロウ「これの舎弟のわけがねえだろ」

ジャック「誰がこれだ!」

黒咲「どうせやるなら舎弟よりも親玉の方がいいからな」

クロウ「野郎…マジでぶっ潰す!」

ロジェ「みなさーん!お集まりのみなさーん!」

ガヤガヤ…

ロジェ「私はご存知ジャン・ミシェル・ロジェ…やっとこさ権力を掴んだジャン・ミシェル・ロジェです」

遊勝「ふふふ」

ユート「榊遊勝!」

ロジェ「ここにお集まりのえーっと何人居るんだ?多すぎだろ」

遊勝「説明してやったらどうかな?」

ロジェ「あ、はい…あなた達には三つの予選を行ってもらいます!」

ユーゴ「予選?」

ロジェ「画面を御覧なさい!!」

一次予選じゃんけん

二次予選モンスター挙げ

三次予選借り物競争

アレン「運動会じゃねえんだぞ!」

シンジ「ノッポ!デュエルさせろデュエル!!」

ロジェ「だまらっしゃい!こんな大勢でデュエルさせたら事故になるでしょうが!!」

沢渡「そりゃ言えてるな…けど俺は目立つぜ」

素良「別に君の為にある舞台じゃないし」

ロジェ「さあ始めてください!いいですか」

ユート「…」

ユーゴ「ここで負けたら赤っ恥だぞ」

ユーリ「…」

ロジェ「最初はグー!じゃんけん!」

ジャック「フンッ!」

クロウ「こんな物ぐらい!」

シンジ「どうって事ねえ!」

黒咲「…」

沢渡「マジで重い…死んじまうぞ!」

素良「これはデュエリストの実力で重さが変わる錘だね」

ユーゴ「ほら!どうだユート!!」

ユート「これぐらい!」

瑠璃「よいしょっと」

リン「意外と軽いわね」

素良「あいつは」

ユーリ「重くありませんね」

素良「案の定、明日香はじゃんけん勝負で負けてるし」

明日香「…」

ユーゴ「龍亞!龍可!お前らの分まで勝ってやるからなぁ!!」

龍亞「ユーゴも頑張ってよ!」

龍可「別途で入場料取るなんてケチな長官よね」

アキ「何か見た感じケチっぽいし」

アレン「次だろ!さっさと始めようぜチョーカン!」

ロジェ「次の予選で16名まで絞れますね」

遊勝「ああ」

ロジェ「新型スマイルワールドの方は」

遊勝「本戦中に発動するよ」

ロジェ「これで16人か…」

遊勝「ああ」

ロジェ「不動遊星は」

遊勝「しばらく身動きを封じさせてもらったよ。もう1人の方もね」

ロジェ「誰ですか?」

遊勝「この世界には名物実況者が居るそうじゃないか?彼が居ると私が実況できないだろ」

ロジェ「そうですね(自分勝手な奴…あのリーゼントは何もやってないと言うのに)」

遊勝「ユーリはともかくユートとユーゴは這い上がって来たか」

黒咲隼VSクロウ・ホーガン

ボマーVSセルゲイ・ヴォルコフ

アンドレVSシンジ・ウェーバー

ユートVSデュエルチェイサー227

神月アレンVS沢渡シンゴ

ジャック・アトラスVS炎城ムクロ

黒咲瑠璃VSリン

ユーゴVS紫雲院素良

遊勝「またユート…あいつは1番先に始末しておくべきだった」

ロジェ「え?」

遊勝「しかし始末などしなくても融合次元に集結させれば私の野望は完遂できるか」

ロジェ「野望って…給料とか上がります?」

遊勝「ああ」

ロジェ「本当ですか!?」

遊勝「私の言葉は零王の言葉だ」

明日香「榊遊勝…」

アキ「知り合い?」

明日香「ちょっとしたね」

ユーリ「…」

明日香「本当に思い出せないの?」

ユーリ「申し訳ないです。どういう関係なのですか?」

明日香「同じ小学校の先輩と後輩よ」

ユーリ「そうでしたか」

明日香「あいつは私達の世界に笑顔を蔓延させた元凶…あいつから何かを吐かせる事ができれば」

龍亞「あの人クロウと当たって運が無いよな」

龍可「どうして?」

龍亞「だってクロウだよ?そう簡単に」

アキ「普通じゃないわね」

龍可「アキさんも思う?」

アキ「うん」

明日香「確かに」

龍可「ほら」

明日香「Dホイールとかいう乗り物を軽々と操ってたし…何より」

アキ「…ああいう眼をしたタイプを見た事がある。間違いなく破滅型のタイプの眼」

龍可「とにかく見守るわよ」

龍亞「頑張れクロウ!」

クロウ「初っ端からお前とはな」

黒咲「…」

遊勝「…」

クロウ「ルールは知ってるな!?」

黒咲「ああ」

クロウ「スピード・ワールド-ネオって言ってな?破壊されねえんだ」

黒咲「…」

クロウ「おい!言っとくがお高く止まってられるのも今の内だぜ!!」

黒咲「…」

クロウ「てめえは俺が倒す!」

黒咲「荒々しい奴だ」

クロウ「あ?」

黒咲「嫌いじゃないがな」

クロウ「お、おう…もしかしてホモなんじゃねえだろうな」

黒咲「…」

クロウ「先にコーナーを取った方が先攻だ!」

黒咲「…行くぞ」

クロウ・黒咲「ライディング・デュエル!アクセラレーション!!!」

ドンッッ

ドンッッ

クロウ「いい型してんな。ブラックメタルなんてレア物じゃねえか」

黒咲「借り物だ」

クロウ「そうかい…先攻は俺が貰った!!」

黒咲「…」

クロウ「俺のターン!」

クロウ「BF-極北のブリザードを攻撃表示で召喚!自分フィールドにBFモンスターが存在する事でBF-黒槍のブラストを特殊召喚!」

クロウ「レベル4のBF-黒槍のブラストにレベル2のBF-極北のブリザードをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!BF-アームズ・ウィング!!」

クロウ「カードを1枚伏せてターンエンド!」

黒咲「俺のターン!RR-バニシング・レイニアスを攻撃表示で召喚!そしてバニシング・レイニアスの召喚に成功した事で手札から2体目のRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!さらに魔法『RR-コール』を発動!デッキから3体目のRR-バニシング・レイニアスを特殊召喚!」

黒咲「レベル4のRR-バニシング・レイニアス3体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!RR-ライズ・ファルコン!!」

クロウ「てめえも闇属性・鳥獣族か…っつうかエクシーズってなんだ!?」

黒咲「ライズ・ファルコンのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手フィールドに特殊召喚されたモンスターの攻撃力分アップする!」

黒咲「バトルだ!ライズ・ファルコンでアームズ・ウィングに攻撃!!」

クロウ「くっ…罠発動!『ブラック・サンダー』自分フィールドのBFモンスターが破壊された時、相手フィールドに存在するカード1枚につき400のダメージを与える!」4000→3900

黒咲「…」4000→3600

クロウ「だったら尚更、負けたくねえぜ!!」

黒咲「ターンエンド」

クロウ「ドロー!BF-蒼炎のシュラを攻撃表示で召喚!そして自分フィールドにBFモンスターが存在する事でBF-疾風のゲイルを攻撃表示で召喚!疾風のゲイルの効果を発動!1ターンに1度相手フィールドのモンスターの攻撃力と守備力を半分にする!」

黒咲「…」

クロウ「俺はレベル4のBF-蒼炎のシュラにレベル3のBF-疾風のゲイルをチューニング!シンクロ召喚!レベル7!BF-アーマード・ウィング!!」

黒咲「また新手のシンクロか」

クロウ「行くぜ!BF-アーマード・ウィングでRR-ライズ・ファルコンを攻撃!」

黒咲「自分フィールドのRRモンスターが攻撃対象にされた時、手札のRR-ブースター・ストリンクスを除外する事で相手フィールドのモンスターを破壊する!!」

クロウ「!?」

黒咲「カラスがハヤブサに勝てるわけがない」

クロウ「やっべえな完全に調子乗っちまったぜ…けどよ、負ける気はねえぞ」

黒咲「そうか」

クロウ「ターンエンド」

黒咲「ドロー!RUM-レイド・フォースを発動!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク5!RR-ブレイズ・ファルコン!!」

黒咲「ブレイズ・ファルコンでダイレクトアタックだ!!」

クロウ「相手モンスターの直接攻撃宣言時に手札からBF-熱風のギブリを守備表示で特殊召喚!」

黒咲「…ターンエンド」

クロウ「これで俺の手札は0か…ドロー!へっ…魔法『死者蘇生』を発動!墓地のBF-アーマード・ウィングを特殊召喚!」

黒咲「…ククク」

クロウ「何が可笑しいんだ」

黒咲「そいつが好きなんだろ」

クロウ「こいつだけじゃねえ!BFは俺のダチの魂のカード達だ!!」

黒咲「…」

クロウ「そりゃハヤブサは強えよ一羽で何でもできちまう…だがな!カラスは群れで行動するんだ!人間と同じように群れで助け合うんだ!」

黒咲「…」

クロウ「同じ鳥獣族同士シンプルに行こうぜ?得意だろ頭使うよりストレートでケリつけるの」

黒咲「ああ」

クロウ「ここからは小細工は入らねえ!バトルだ!!」

黒咲「…速攻魔法『RUM-デス・ダブル・フォース』を発動!このターン破壊されたRRエクシーズモンスターを特殊召喚し、その倍のランクを持つRRエクシーズモンスターに重ねて召喚する事ができる!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!ランク10!RR-アルティメット・ファルコン!!」3600→2100

クロウ「ターンエンド…デカいな。ハヤブサってより怪獣だぜ」

黒咲「アルティメット・ファルコンの第三の効果!お互いのエンドフェイズ毎に相手モンスターの攻撃力は1000ダウンする!」

黒咲「俺のターン!シンプルにケリをつけるんだったな?」

クロウ「ああ」

黒咲「敬意を表してやる。同じ属性と種族を仲間にする者同士として」

クロウ「そいつは光栄だぜ…黒板純!」

黒咲「俺は黒咲隼だ」

遊勝「勝者は黒咲隼!実に笑顔溢れるデュエルだったよ」

クロウ「黒咲隼…じゃあ瑠璃の兄貴ってお前か?」

黒咲「ああ」

クロウ「シンジの野郎!紛らわしい事を言いやがって!!」

黒咲「お前も同レベルだろ」

クロウ「いいや!俺はシンジよりは賢いぜ」

黒咲「榊遊勝!」

遊勝「しばらくだね、元気だったかい?」

黒咲「今この場で八つ裂きにしてやってもいいんだぞ」

遊勝「歳上には敬意は敬うべきだぞ?だが許そう…私は寛大なのだから」

黒咲「お前の何処が寛大だ…殺してやる」

遊勝「私を殺せば不動遊星の居場所は突き止められないがね」

クロウ「待てよ黒咲!」

黒咲「何だ!」

クロウ「てめえ…遊星に何をした!」

遊勝「少しばかり教育をね…お陰で前歯を4本も吹っ飛ばされたよ」

クロウ「おい!」

遊勝「だが笑って許そう!それが私の流儀だ」

スッ

遊勝「だから大人しく大会をするべきじゃないかな?君を満足させ…」

バキッッ

遊勝「おっと…これはこれは」

黒咲「で?それがどうした」

黒咲「舐めるなよ」

遊勝「ふふふ…私の判断一つで爆破の拘束剣が起動し不動遊星とMCは吹き飛んでしまうぞ」

クロウ「デュエルすりゃいいんだろ」

遊勝「みんなで明るく楽しくね」

セルゲイ「美しいぞ」

黒咲「ほぉ…その大柄の体格で俺の背後に立つとは」

セルゲイ「お前は俺のハートを射止めてしまった!もう逃げられんぞ」

黒咲「お前を地獄へ叩き込めば逃げられるだろ」

セルゲイ「イイ男だな…ムラムラする」

クロウ「セルゲイ・ヴォルコフ…黒咲!こいつは」

黒咲「人殺しだろ。見ればわかる」

ボマー「後は私に任せてくれ」

クロウ「気をつけろよボマー」

遊勝「会場に居る諸君!これより君たち観客は1人でも会場の外へ出れば爆発しここは吹き飛ぶ仕掛けとなっている!」

「何だそれは!?」

「ふざけるな!」

遊勝「但し席を立ちトイレへ行く休憩は設けよう」

「そういう事を言ってるんじゃねえぞ!」

遊勝「何故怒る?みんなで楽しく笑顔に行こうじゃないか!君たち1人1人がお互いの命を握っているのだからね」

クロウ「おい…俺は負けちまったんだ。自由に行動できるぞ?俺は客じゃねえもんな」

黒咲「なら外に居るⅢと合流しろ。赤髪の童顔だ」ピッ

クロウ「おう」

黒咲「俺だ。大至急大会を行っているドミノドームに来い」

ロジェ「あーあ…これじゃ私が犯罪の片棒を担いでるじゃないか」

プルルルルル

ロジェ「次元電話?まさか…本部からの指令じゃ」ピッ

野呂「おい!さっさと出ないか!!」

ロジェ「チビか!?何だ!負け犬が私に媚を売ろうというのか!」

野呂「黙れノッポ!いいか1度しか言わないぞ」

ロジェ「おいおい声が小さいぞ?チビすぎて声も小さいのかな?」

野呂「身長だけ高い奴は頭が悪いなぁ…だから膝壊して野球の道が絶たれるんだ」

ロジェ「そっちは肩だろ!」

野呂「それはいいとして…スマイルワールドは発動させたのか?」

ロジェ「いいや、今度のは凄いぞ?何せ画面を伝うんだからな」

野呂「は?何て事を!」

ロジェ「文句ならドクトルと遊勝に言え!」

野呂「スマイルワールドが段々とパワーアップしてるぞ…」

ロジェ「本気で裏切るのか?」

野呂「そうだ」

ロジェ「バカな奴だ。裏切れば私達の平穏は消え失せ永遠と連中に追われるんだぞ」

野呂「私は連中に賭けたい」

ロジェ「賭ける?」

野呂「奴らならネオアカデミアを潰す事が可能かもしれない」

ロジェ「…」

野呂「どうだノッポ?昔馴染みだからお前もチャンスをやるぞ」

ロジェ「私は…お前の指図を受けない!」

ジャック「…」

シンジ「負けちまったなボビーとかいう奴」

ジャック「ああ…ボマーを倒すとはセルゲイ・ヴォルコフ…確か奴は死んだと聞いていたが」

シンジ「次は俺だな」

ジャック「アンドレは強いぞ」

シンジ「俺は安藤より強えよ」

ジャック「大した自信だな」

シンジ「ま、俺のデッキは未来的だかんな」

ジャック「未来的?」

シンジ「まあ見てろよ」

ユーゴ「シンジ!負けんじゃねえぞ」

シンジ「てめえもだ!」

リン「大丈夫かな?シンジのデュエルって少ししか覚えてないよ」

ジャック「お前達は小さかったからな」

ユーゴ「どうなんだ?」

ジャック「強かった。はっきり言えばガキの頃は遊星以上の天賦の才を秘めていた」

リン「今は」

ジャック「今は知らん」

ユーゴ「知らねえのか!」

ジャック「だが剽軽に見えて奴の眼は時々ギラついている」

リン「そう?」

ユーゴ「抜けてると思うけどな」

ジャック「10歳で狂犬呼ばわりされてた奴だ…そう簡単に変わるわけがない」

ユート「大変な事になったな」

瑠璃「あ、シンジが勝ったわよ!」

アレン「何かシンジとは運命的なの感じるぜ」

沢渡「ホモ臭えんだよ」

アレン「うるせえな!」

沢渡「けど大変な事になったぜ?どうするよ」

227「大会を終了すれば解放されるぞ」

アレン「何だお前」

227「覚えてないのか?」

アレン「同じタイプの奴ウジャウジャ居たし」

沢渡「金太郎飴か?」

227「ならば魂に刻むといい!私の名はデュエルチェイサー227」

ユート「デュエルチェイサー?蓮と同じか」

アレン「001だけあって特別なんだな」

227「まあ…あれだ!あのド派手な奴の好きにはさせないぞ!不動遊星は街の宝であって…それに治安維持局は悪事は見逃さん!」

瑠璃「どういう気なんだろ?今度は堂々と宣言して悪事を」

ユート「逃げ切る算段でもあるんだろうな」

227「ほら行くぞ」

ユート「ああ」

227「こう見えても検挙率は100%でな」

ユート「凄いな」

227「だろ?」

ユート「だが俺は負けないぞ」

ユート・227「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」

227「ダッシュ!」

ユート「…」

227「先攻!サスマタ・ガードナーを攻撃表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

ユート「俺のターン!これは…」

「あれを出すのか」

ユート「ああ!俺はスケール1のオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンとスケール8のオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンでペンデュラムスケールをセッティング!これによりレベル2から7のモンスターの同時召喚が可能!」

227「何だそれは!?」

ユート「ペンデュラム召喚!レベル7!オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!!」

227「良くわからんがエラーしないのなら合法的なんだろ!許可しよう!」

ユート「ありがとう!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンの効果を発動!このモンスターがペンデュラム召喚に成功したこのモンスターが相手モンスターを戦闘ダメージを与えた時、ペンデュラムゾーンのオッドアイズの数×1200のダメージを与える!バトル!夢幻のスパイラルフレイム!!」

227「罠発動!『攻撃の無力化』残念ながら攻撃は無効だ!」

ユート「カードを1枚伏せてターンエンド」

227「ドロー!ジュッテ・ナイトを攻撃表示で召喚!レベル3のサスマタ・ガードナーにレベル2のジュッテ・ナイトをチューニング!シンクロ召喚!レベル5!ゴヨウ・チェイサー!!」

227「装備魔法『ムラサメブレード』を装備!装備モンスターの攻撃力は800ポイントアップし効果では破壊されない!そしてゴヨウ・チェイサー自身の効果で攻撃力を300ポイントアップ!」

ユート「攻撃力3000か」

227「抜けば玉散る氷の刃!大捕物だ!!」

ユート「罠発動!『幻影翼』装備したモンスターの攻撃力は500アップしこのターン1度だけ戦闘または効果では破壊されない!」

227「相打ちかと思えば私のモンスターだけ破壊か…カードを1枚伏せてターンエンド」

ユート「俺のターン!」

「榊遊矢の持つペンデュラムも力とカイトの持つドラゴン力を自らの物にしたか」

ユート「俺は借り物をタダ使うんじゃない。自らの力に変化させる!遊馬とカイト…彼らの力を自分の手で!」

「それが成長だ。飲み込みの早いお前なら多少の努力で会得できるだろう」

ユート「このまま直接攻撃を狙えるが」

227「罠発動!『ロスト・スター・ディセント』墓地のシンクロモンスターのレベルを一つ下げ守備力を0にし守備表示で特殊召喚!」

ユート「ならば再びゴヨウ・チェイサーを打ち砕く!バトル!」

227「罠発動!『シンクロン・リフレクト』自分フィールドのシンクロモンスターへの攻撃を無効にし相手モンスターを破壊する!」

ユート「…」

227「やった!」

ユート「カードを2枚伏せてターンエンド」

227「私のターン!トラパートを攻撃表示で召喚!レベル4のゴヨウ・チェイサーにレベル2のトラパートをチューニング!シンクロ召喚!レベル6!ゴヨウ・プレデター!!」

227「このデュエルに勝利をすれば数日前の件で取り調べる!」

ユート「何故だ!?」

227「それが私の職務!デュエリストである前に私はデュエルチェイサーなのだ…罪は逃さんよ」

ユート「ならば俺が勝てば不問にしてくれ罠発動!『幻影騎士団ウロング・マグネリング』相手モンスターの攻撃を無効にする!」

227「カードを1枚伏せターンエンド!約束しよう」

ユート「俺のターン!フィールドで破壊されたペンデュラムモンスターはエクストラデッキから再召喚が可能!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンを召喚!」

227「!?」

ユート「永続罠『幻影剣』を発動!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンの攻撃力を800ポイントアップ!今度こそ!オッドアイズ・ファントム・ドラゴンでゴヨウ・プレデターを攻撃!」

227「うっ…」4000→3100

ユート「そして2400の追加ダメージ!」

227「ぐああ!」3100→700

ユート「ターンエンド!」

227「私…いや俺のターン!」

「まるで犬だな」

ユート「ああいう人物が居るから治安が守られているのだろう」

227「ジュッテ・ナイトを攻撃表示で召喚!ジュッテ・ナイトの効果を発動!相手モンスターを守備表示に変更!」

ユート「!」

227「さらに罠発動!『リビング・デッドの呼び声』ゴヨウ・プレデターを墓地から特殊召喚!」

227「レベル6のゴヨウ・プレデターにレベル2のジュッテ・ナイトをチューニング!シンクロ召喚!レベル8!ゴヨウ・キング!!」

227「生き返るのなら生き返ればいい!こうなれば根比べ!何度でもやってやるぞ」

ユート「それは勘弁してほしいな」

227「再びオッドアイズ・ファントム・ドラゴンを破壊だ!」

ユート「…幻影剣を墓地へ送る事で破壊を無効にする!」

227「ターンエンド!」

ユート「俺のターン!ドロー!魔法『一騎加勢』を発動!ターン終了時まで攻撃力を1500アップする!」

227「ついに終わるか」

ユート「ああ!これで最後だ!!」

227「ッッ!!」700→0

ユート「ふぅ…」

キキッ

227「俺の負けだな」

ユート「お巡りさんは強いな」

227「だろ?筋があるし試験受けてみるか?」

ユート「いや…俺は普通に就職して普通の余生を送りたい」

227「何だ…勿体無い」

ユート「遊勝!俺は勝ったぞ!」

「ユート!ユート!」

遊勝「所詮は悪魔…偽りの娯楽で彼らを洗脳して何を自慢気になっているんだ。傲慢すぎて許す気にもなれないよ」

ユート「…」

ユーゴ「勝ち進めば俺とお前で決勝だな」

ユート「勝ち進めばな」

ユーゴ「いいや俺は勝つ!ジャックに勝たなきゃ俺は遊星にも勝てねえ!」

ユート「憧れってやつか?」

ユーゴ「そんなんじゃねえよ!」

ユート「だったら決勝は俺達で飾ろうじゃないか…兄弟」

ユーゴ「当然だぜ!」

ムクロ「俺を覚えてるだろ?」

ジャック「ああ」

ムクロ「だったら名前言ってみろよ」

ジャック「氷室仁」

ムクロ「炎城ムクロだ!」

ジャック「変わらん!」

ムクロ「変わるじゃねえか!炎と氷だぞ!?」

ユーゴ「転けるんじゃねえぞ」

ジャック「クラッシュには慣れてる」

ユーゴ「じゃねえよ」

ジャック「俺を超えるか?」

ユーゴ「いつまでもガキじゃねえんだよ」

ジャック「…そんな事は俺と遊星が1番知っている」

ムクロ「何か言ったか?」

ジャック「さっさと行くぞ」

ユート「…」

瑠璃「お疲れ様」

ユート「かなり疲…」

227「…」

ユート「ど、どうした」

227「これか?」

ユート「…ああ」

227「くっ…思い起こせば俺ってロクな青春を送ってないな」

黒咲「…」

227「おお!この前の罪は不問にするから安」

ゴスッ

瑠璃「兄さん!」

ユート「隼!」

黒咲「俺は警察が嫌いだ」

227「人の頭に頭突きとは!公務執行妨害罪で逮捕だぞ」

素良「どういう生き方したら凶暴さ丸出しで生きて行けるんだろ」

沢渡「そういや次は俺らか?」

アレン「ついに来ちまったな。あっ!ジャックが勝ったぜ」

ザッ

ユート「ん?」

カイト「何も変わらんな」

ユート「カイト!」

アレン「カイトじゃねえか!」

ユート「次元移動装置が完成したのか!?」

カイト「ああ」

瑠璃「みんなは大丈夫なの?笑顔病は」

カイト「解決した」

アレン「遊馬のNo.は!?」

カイト「それも集まった。お前達が旅立って既にひと月経ったからな」

ユート「よくここが分かったな」

カイト「ギャラクシーアイズが俺を導いた」

沢渡「コート一族が増えたぞ」

素良「何だよコート一族って」

瑠璃「よく解決できたよね」

カイト「小鳥が鍵を握っていた」

ユート「小鳥が?」

カイト「その話は後だ。遊勝の奴へのトドメは俺に任せろ」

アレン「具合いいのか?」

カイト「言っただろ?小鳥が鍵を握っていたと…それがあったから俺は完全に復活した」

アレン「小鳥って凄えんだな」

沢渡「やっべ!次は俺らだぞ」

アレン「おう!」

カイト「凌牙の姿が見えんが…また入院でもしてるのか」

黒咲「良くわかったな」

カイト「あいつとの付き合いも長くなって来たからな」

瑠璃「ひ、頻繁に入院してるって感じなのね」

アレン・沢渡「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」

沢渡「やっぱ天才だな!たった数日で乗りこなすんだぜ?」

アレン「蓮のお陰じゃねえか!おっと、先攻は貰うぜ!」

アレン「永続魔法『十二獣の会局』を発動!自分フィールドの表側表示のカードを対象に発動できる!そのカードを破壊しデッキから十二獣モンスターを特殊召喚する!俺は十二獣の会局を破壊し十二獣ラムを特殊召喚!そして十二獣ラビーナを通常召喚!」

アレン「レベル4の十二獣ラムと十二獣ラビーナでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!十二獣ブルホーン!!そしてブルホーンの攻撃力は攻撃力800のラビーナと攻撃力400のラムの攻撃力を足した1200!」

沢渡「1200?たったの1200か!」

アレン「そして正規エクシーズ召喚以外にも十二獣は重ねてエクシーズ召喚ができる!エクシーズ召喚!ランク4!十二獣タイグリス!!」

アレン「カードを1枚伏せてターンエンド」

沢渡「俺のターン!遊勝のせいで会場の空気が沈んでるじゃねえか…忌々しい野郎だぜ!スケール1の魔界劇団-デビル・ヒールとスケール8の魔界劇団-ファンキー・コメディアンでペンデュラムスケールをセッティング!」

沢渡「現れろ!舞台を盛り上げる劇団員!!レベル4!魔界劇団-プリティ・ヒロイン!レベル4!魔界劇団-ティンクル・リトルスター!そして真打ち登場レベル7!魔界劇団-ビッグ・スター!」

アレン「出たなペンデュラム!」

沢渡「アレン!主役はお前だ!」

アレン「は?何で!」

沢渡「エクシーズもペンデュラムもやったろ!けど、お前の同じランクからのエクシーズ召喚なんて聞いた事もねえよ!レアだレア!」

アレン「そんなんでいいのかよ?八百長だぜ!」

沢渡「誰がわざと負けるなんて言った!勝つのは俺だけど主役はお前なんだよ!」

アレン「意味がわからねえ」

沢渡「要するに観客を笑わせてやるんだよ…可哀想じゃねえか?せっかくの大会だってのに空気が沈んでよ」

アレン「ま、まあな」

沢渡「ってわけだ!魔界劇団-デビル・ヒールのペンデュラム効果を発動!プリティ・ヒロインをリリースしプリティ・ヒロインの攻撃力分相手フィールドのモンスターの攻撃力をダウンさせる!そして魔界劇団-ファンキー・コメディアンのペンデュラム効果を発動!ティンクル・リトルスターをリリースしビッグ・スターの攻撃力をティンクル・リトルスターの攻撃力分アップさせる!」

アレン「攻撃力3500!?」

沢渡「アレン!観客が1番盛り上がるデュエルって何か知ってるか?」

アレン「さあ?何だ」

沢渡「シンプルに普通のデュエルをする事だ!モンスターとモンスターのぶつかり合い!魔法や罠の応酬をな!」

アレン「罠発動!『攻撃の無敵化』このターンに1度だけモンスターは戦闘または効果じゃ破壊されねえ!」

沢渡「だがダメージは受けてもらうぜ!」

アレン「上等だ!」4000→2300

沢渡「ターンエンド!」

アレン「俺のターン!続いて十二獣ドランシアを重ねてエクシーズ召喚!そして俺は十二獣サラブレードを攻撃表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

沢渡「俺のターン!さあ…今度こそ!バトル!!」

アレン「永続罠発動!『ビーストライザー』自分フィールドの獣族または獣戦士族を除外し除外したモンスターの攻撃力分ドランシアの攻撃力をアップ!攻撃力2800だ!」

沢渡「それだけじゃビッグ・スターの攻撃は止まらないぞ!」

アレン「まだだ!罠発動!『幻獣の角』これで800アップ!」

沢渡「くっ…」4000→3900

アレン「戦闘で破壊した事でデッキから1枚ドロー!」

沢渡「ターンエンド!」

アレン「ドロー!」

沢渡「さて…ギリギリだな。これで通るわけが」

アレン「魔法『野性解放』を発動!守備力分だけ攻撃力をアップ!」

沢渡「!?」

アレン「俺は難しい事が嫌いでよ!シンプルに決着つけるのが大好きなんでよ!」

沢渡「そういうタイプって顔してるもんな」

アレン「バトル!」

沢渡「…」3900→0

アレン「よっしゃ!」

沢渡「ま、今日は勝ちを譲ってやるよ」

アレン「じゃあ明日は?」

沢渡「俺が勝つ!」

遊勝「強くなったなアレン」

アレン「うるせえ!」シュッ

コンッ

遊勝「…」

アレン「そのマヌケ顏を鏡でよーく見てみろ!デコから血が出てるぜ!」

遊勝「許そう」

アレン「こ、この野郎」

沢渡「エンタメデュエリストの開祖ってのも蓋を開ければイかれた中年ってわけか」

遊勝「君は誰だ?」

沢渡「エンタメデュエリストNo.1の沢渡シンゴ!てめえの息子のライバルだぜ!」

遊勝「おいおい遊矢をエンタメデュエリストだと認めているのか?あの悪魔を」

沢渡「ああ!胸を張って言えるぜ!」

遊勝「所詮は死ぬ為に生まれてきた存在だが…それでもか?」

沢渡「何だと!」

遊勝「しかし生きている?違うか」

沢渡「!」

アレン「な、何で知ってるんだ」

遊勝「そうでなくてはダメだ。悪魔なら悪魔らしく私の…私の為になればいい」

アレン「何だ今の?声が重なって」

遊勝「君達の無礼は許してあげよう」

アレン「クソ!」

沢渡「疲れてんのか?遊矢と赤馬の親父が重なって見えたぞ」

アレン「何が大会だ!デュエルってのはてめえの物だけじゃねえんだぞ!!」

アレン「もう我慢できねえ!やっちまおうぜ!」

ユート「それは得策ではないと思うぞ」

アレン「けどよ!」

ユート「下手な行動をすれば観客に被害が及ぶ」

アレン「あいつならやりかねないってか」

ユート「ああ」

沢渡「何が笑顔だよ。自分から笑顔を奪っといて…自分の息子を殺すような真似しやがって!」

ジャック「…クロウから何か連絡は」

シンジ「さあな」

ジャック「俺も色んな敵と戦ってきた。だがゴドウィンもアポリアも己の魂を賭け俺達に挑んで来た」

シンジ「イリアステルってやつか」

ジャック「ああ」

シンジ「俺のデッキは遊星とやり合いたがって居てよ。ま、その遊星が居ないんじゃ話にならねえけど」

ジャック「遊星と?それは何故だ」

シンジ「何故?そりゃデッキが語るんだ。遊星を倒す…自分の生み出された理由だってな」

ジャック「水属性で機械族…クリストリン…聞いた事も無いモンスター達だったが…だが感じる」

ユーゴ「どうした?」

ジャック「あいつの意思を…かつて遊星をギリギリまで追い込んだ男の意思を!」

リン「次は瑠璃ね」

瑠璃「うん」

沢渡「お前も頑張れよ素良」

素良「言っとくけど負けるわけには行かないんだ。僕だって」

沢渡「捻くれチビが珍しくやる気出してら」

瑠璃「よろしくね」

素良「…」

瑠璃「どうかした?」

素良「ううん別に(とても柚子とセレナのそっくりさんとは思えない…)」

瑠璃「?」

素良「悪いけど僕は負けないから…おいユーリ!いつまでボケっとしてるんだ!!」

ユーリ「…」

素良「記憶なんて失っても何にも面白い事なんだぞ!変に真面目になって!!」

アキ「あの子とユーリの関係は?」

明日香「私も詳しくは知らないけど…けどユーリを心配してる数少ない友人なんじゃないかしらね」

素良「その寝ぼけた顔面に風穴を開けてやる!覚悟しろ!!」

ユーリ「紫雲院…素良」

遊勝「さあ楽しませてくれ!観客達を笑顔にして見せるんだ!」

明日香「榊遊勝…!」

アキ「明日香?」

明日香「こいつの事…お願いね」

アキ「まさか遊勝と?だったら私も」

明日香「あいつとだけは私が決着をつけたい。それにユーリの事を頼めそうなのはアキぐらいだもの」

ユーリ「はい?」

明日香「良かったわね。あなたを理解してくれる人が2人も居て…小学校の頃より成長したんじゃない?」

ユーリ「明日香さん?」

素良「ムカつく奴だけど…君には命を救われた借りがある。それだけは必ず返すよ」

素良・瑠璃「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」

瑠璃「先攻は取ったわ!私のターン!自分フィールドにモンスターが存在しない事で手札からLL-ターコイズ・ワープラーを特殊召喚!LL-ターコイズ・ワープラーの効果を発動!このモンスターが手札から特殊召喚に成功した事で手札から鳥獣族・レベル1のモンスターを特殊召喚する事ができる!LL-コバルト・スパローを特殊召喚!コバルト・スパローが特殊召喚に成功した事でデッキから鳥獣族レベル1モンスターを手札に加える事ができる」

素良「同じレベルのモンスターが2体か」

瑠璃「そして自分フィールドに鳥獣族モンスターが存在する時、手札のLL-サファイア・スパローと鳥獣族レベル1モンスターの特殊召喚が可能!LL-サファイア・スパローを2体特殊召喚!そしてLL-コバルト・スパローを通常召喚!」

瑠璃「レベル1のLL-ターコイズ・スパローとレベル1のLL-サファイア・スパロー2体とレベル1のLL-コバルト・スパロー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク1!LL-アセンブリー・ナイチンゲール!!」

瑠璃「ターンエンド!」

素良「僕のターン!ユーリ!これが君と僕の故郷の主力召喚だ!手札のエッジインプ・シザーとファーニマル・ベアを融合!融合召喚!全てを切り裂く戦慄のケダモノ、デストーイ・シザー・ベアー!!」

ユーリ「融合…」

素良「悪いけど小鳥の群れは追っ払わせてもらうよ、バトルだ!」

瑠璃「LL-アセンブリー・ナイチンゲールのオーバーレイ・ユニットを一つ使いターン終了時まで自分フィールドのLLモンスターは戦闘または効果では破壊されずダメージも0になる!」

素良「カードを1枚伏せてターンエンド」

瑠璃「私のターン!アセンブリー・ナイチンゲールはオーバーレイ・ユニットの数×200ポイント攻撃力をアップする。オーバーレイ・ユニットを持つこのモンスターは直接攻撃ができ、そしてオーバーレイ・ユニットの数だけ1度のターンに攻撃ができる!」

素良「お上品かと思ったら兄さん譲りの容赦の無さ…けどね!」

ユーリ「…」

素良「こっちは地獄を生き抜いて来た!そして大勢の仲間の魂を生きている僕らは背負っている…そうじゃないのかユーリ!」

ユーリ「…」

素良「あの地獄から僕らを出した君は礼儀の正しさなんて欠片もなかった!あるのは冷酷非情!残酷無比の氷の魂!まさに悪魔としか言い様がない男だったじゃないか!それが君の本質じゃないのか!!」

アキ「今のままの方がマシなんじゃ…」

ブルーノ「どっちに転んでも君は君なんじゃないかな?ユーリ」

ユーリ「どうしてですか?僕は今の僕のままの方が」

ブルーノ「そうだね…世の中には思い出さない方がいい事もある。けど人は逃げちゃダメなんだ!」

ユーリ「彼が言う事が正しいなら…僕は人として最低ですよ?」

ブルーノ「もし最低の人間でも僕は君の味方になるよ。だってアキさんの家に暮らしてるんだろ?だったら君も…僕達の仲間だ!」

瑠璃「バトル!」

素良「くっ!」4000→800

瑠璃「ターンエンド」

素良「ブチ破るなら速攻しかない…あの子の手札がl揃った時、再び攻撃が来る…それどころか、次のターンで…ドロー!」

素良「永続魔法『デストーイ・ファクトリー』を発動!墓地の融合カードを除外し手札のファーニマル・ライオとエッジインプ・ソウを融合!融合召喚!すべてを切り裂く百獣の王!デストーイ・ホイールソウ・ライオ!!」

素良「バトル!デストーイ・シザー・ベアーでLL-アセンブリー・ナイチンゲールを攻撃!」

瑠璃「LL-アセンブリー・ナイチンゲールの効果を発動!」

素良「だから僕は…前に向かって進むしかない!デストーイ・ホイールソウ・ライオで攻撃!!」

瑠璃「うっ!」4000→2200

素良「ターンエンド」

瑠璃「私のターン!自分フィールドにモンスターが存在しない時にLL-ターコイズ・ワープラーを手札から特殊召喚!ターコイズ・ワープラーの効果を発動!手札から特殊召喚に成功した時に手札または墓地から鳥獣族レベル1モンスターを特殊召喚する!LL-コバルト・スパローを特殊召喚!コバルト・スパローが特殊召喚に成功した事でデッキから鳥獣族レベル1モンスターを手札に加える!自分フィールドに鳥獣族モンスターが存在する事でLL-サファイア・スワローとLL-コバルト・スパローを特殊召喚!」

瑠璃「レベル1のLL-ターコイズ・ワープラーとLL-サファイア・スワローとLL-コバルト・スパロー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク1!LL-リサイト・スターリング!!」

瑠璃「サファイア・スワローを素材にした事で墓地のLLモンスターを重ねる事ができる!そしてエクシーズ召喚に成功した場合フィールドのモンスターを対象に、そのモンスターの攻撃力と守備力はオーバーレイ・ユニットの数×300アップする!」

素良「攻撃力1500…だが恐る事は無いね」

瑠璃「…」

素良「違う…あの目つきは!」

瑠璃「バトル!LL-リサイト・スターリングでデストーイ・ホイールソウ・ライオを攻撃!」

素良「何だって!?そんな事をすれば!」

瑠璃「エクシーズ召喚に成功したこのモンスターが戦闘で受けるダメージは相手も受ける!」

素良「その差は900…これは!」

瑠璃「大丈夫。あのユーリって子の記憶は必ず戻る…きっとね」

素良「そんな事…信じられるの?」

瑠璃「うん!」

素良「ふふふ…豪快な所は柚子そっくりだ」

ユーリ「くっ…」

龍亞「大丈夫!?」

ユーリ「だ、大丈夫です…」

「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」

「ユーリ!遅刻するわよ!」

「またゴリラが呼んでるよ?」

「何するんだよ!このキチガイ!!」

「何だ?助けてくれるのか?」

「誰が平らだ!」

「女の子に言うセリフなの!?」

「か、海賊なんだよ…いてて!」

「ガルルル…オレ、オマエノトモダチ」

「背が高いだけが取り柄の奴にロクなのが居ない」

「チビって言うのはネチネチとしてて嫌になる」

「お前達はモルモットなのだよ!ケーケッケッケ」

「消耗品風情が!」

「お前達は道具だ…立場を弁えろ!このクズ共が!!」

龍可「ユーリ!」

ユーリ「!」

ブルーノ「何か思い出せそうかい?」

ユーリ「遊城十代…6年前…全日本デュエル大会小学生の部の屈辱…僕が唯一デュエルで敗北した男…封印していた忌まわしい記憶…」

ブルーノ「大いなる一歩だよ。徐々に思い出して行こうね」

ユーリ「は、はい」

素良「僕は負けた…けどユーリを思い出させるには融合しかないと思う。あいつは腐ってるけどデュエルだけは正々堂々としてたからね」

瑠璃「融合?借りていい?」

ユーゴ「お?どうした」

リン「じゃあ私も借りていいかな?」

素良「いいの?だって2人とも」

瑠璃「カードを生み出すのには慣れてるから」

リン「私も、それに融合って使って見たいしね。エクシーズもだけど」

ユーゴ「おいおい!2人揃って子供産みたいとかユーゴとエッチしたいとか…行けるかな?3Pって夢じゃね?」

ユート「融合だ」

ユーゴ「おう!俺はユーゴだ!」

ユート「融合」

ユーゴ「人の名前連呼して何だ?」

ジャック「カードを生み出すか…あれは鍛錬が必要だが、リンなら心配はいらんだろ」

シンジ「何で?」

ジャック「お前とクロウは知らなかったな。あいつのデュエルを見て教えてやる」

シンジ「昔から秘密が多いんだよな…ホモかよ」

ジャック「誰がホモだ!」

アレン「やっぱ女って青臭い中坊より三十路のがいいと思うんだよな」

沢渡「そうか?」

アレン「これだけは胸を張って言えるぜ!」

沢渡「若い方がいいに決まってるだろ?なあ黒咲」

黒咲「歳上の方が楽だろ」

アレン「ほら見ろ!」

龍亞「あ、出てきたよ!」

ユーゴ「おーい!おーい!」

龍可「楽しそうね…こっちは命がかかってるのに」

アキ「遊星の幼馴染だけあって肝っ玉が据わってるのよ」

龍可「ユーゴはマシだけどシンジなんて…全然名前覚えようとしないし」

アキ「ははは…」

ブルーノ「あの人大丈夫かな?遊勝を倒すって言ってたけど」

龍可「あそこで浮いてるしね」

アキ「やるとすれば一回戦終了後…休憩中に遊勝を闇討ちするのかも」

ブルーノ「加勢する?」

アキ「明日香の遊勝への恨みは尋常じゃない…そんな眼をしていたわ」

ブルーノ「そう…けど心配だよね」

ユーゴ「見てろよ龍亞!天兵!ボブ!マッハで決めてやっからよ!」

リン「大口叩いて」

ユーゴ「悪りいなリン」

リン「何が?」

ユーゴ「この大会で俺は倒さなきゃならねえのが2人居る!あいつらだけは」

リン「誰にも渡さねえ…でしょ?」

ユーゴ「ああ!ってわけで俺が勝ったら交際スタートな!」

リン「はあ!?」

ユーゴ「んじゃ始めるか!おい審判!解説?実況だっけ?何でもいいや、おいヒゲ親父!」

遊勝「…」

ユーゴ「何でもてめえの思い通りに行くと思ったら大間違いだぜ!覚悟しな!!」

ユーゴ・リン「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」

ブオオオオオオオオオオオオオオオ

ユーゴ「よーし先攻ゲット!俺のターン!」

リン「融合か…」

ユーゴ「SR OMKガムを攻撃表示で召喚!そして自分フィールドに風属性モンスターが存在する事で手札からSRタケトンボーグを攻撃表示で召喚!レベル4のSRタケトンボーグにレベル1のSR OMKガムをチューニング!シンクロ召喚!レベル5!HSRチャンバライダー!!」

ユーゴ「OMKガムがシンクロモンスターの素材となり墓地へ送られた場合、デッキの一番上のカードを墓地へ送りそのカードがSRモンスターだった場合、そのシンクロモンスターの攻撃力は1000アップする!」

ユーゴ「よーし…これでHSRチャンバライダーの攻撃力は3000!カードを2枚伏せてターンエンド!」

リン「私のターン!自分フィールドにモンスターが存在しない事で手札からWW-アイス・ベルを攻撃表示で召喚!召喚または特殊召喚に成功した事で相手に500のダメージを与える!」

ユーゴ「久しぶりに…興奮して来た」4000→3500

リン「や、やめてよ気持ち悪い!少しはユートを見習えないの?あんたと似た顔してるって言うのに落ち着いてるし!」

ユーゴ「男は度胸なんだよ!」

リン「ったく…何が度胸よ」

ユート「ユーゴは本当に俺自身だったんだろうか」

「お前は他の連中とは違う」

ユート「そ、そうか?」

シンジ「融合召喚なんてできんのか?カード持ってねえだろ」

ジャック「俺達のデュエル道はカードを拾う事から始まった」

シンジ「まあな、けど苦労したぜ?何たってチューナーが居ねえんだからよ。特に遊星なんてシンクロンが要じゃねえか」

ジャック「そう…チューナーモンスターとはシンクロモンスターの命!そして俺のリゾネーターと遊星のシンクロンはリンからの贈り物だった」

シンジ「は?そりゃ初耳だぞ」

ジャック「気が強いように見えて女だからな…そんな得体の知れぬ力をベラベラ喋るわけがない」

シンジ「だったらリンは…やれるのか!?融合を!」

ジャック「当たり前だ!」

シンジ「とりあえず声がデカいんだよ!この人間メガホンが!」

リン「融合召喚!WW-クリスタル・ベル!!」

ユーリ「また融合…」

ブルーノ「うん」

ユーリ「瑠璃…リン…そうか、僕は見た事があるんだ…確か…思い出せません…」

ブルーノ「大丈夫だよ。徐々に近づいてる」

ユーリ「このデュエル…ユーゴくんの勝ちですね」

アキ「そうね」

ユーリ「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン…彼のエースもドラゴンなのですね」

龍可「具合悪そう」

ユーリ「い、いえ…問題ありません」

ユーゴ「罠発動!」

ユーリ「…」

ユート「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!」

ユーゴ「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!」

ユーリ「こんな感じだ…僕は何処かでデュエルをしていたんだ」

デニス「やっぱユーリってクズだけどデュエルは強いよね…ちょ!失言!失言だって!!」

ユーリ「親友…デニス・マックフィールド」

アキ「ユーリ?」

ユーリ「デニス・マックフィールド…僕の親友らしいです」

龍亞「らしい?親友なのにらしいって」

龍可「仕方ないでしょ」

ブルーノ「お、決着がつくよ!」

龍亞「行けーっ!ユーゴ!!」

ユーゴ「よっしゃあ!じゃあ付き合ってくれよな」

リン「3日だけね」

ユーゴ「おいコラァ!そりゃ約束違いだろ?男なら!」

リン「女よ!」

「ハハハ!」

「何だあいつ?」

「噂じゃ遊星の弟らしいぞ」

「だからエースモンスターが似てるんだ!」

「ユーゴ!ユーゴ!」

「ありがとう!何か心が少し和らいだよ!」

ユーゴ「よーし…全世界に中継してんだよな!この大会!!」

遊勝「ああ」

ユーゴ「遊星!何処に消えてっか知らねえが耳の穴をかっぽじって聞きやがれ!」

ジャック「…」

ユーゴ「俺は絶対に優勝する!遊勝じゃねえぞ?優勝だ!!」

シンジ「…」

ユーゴ「けど本物のチャンピオンが居ねえんじゃ面白くねえ!俺の優勝を手土産に…遊星!俺はお前と決着をつける!」

リン「…」

ユーゴ「だから死ぬんじゃねえぞ!」

遊勝「下品なデュエルに偽りの笑顔…所詮は悪魔か」

ユーゴ「以上!あ、それと控え室のユート!お前って瑠璃と付き合ってやるまで何ヶ月かかったんだ?」

ユート「ブッ!」

ユーゴ「終わり!休憩タイムだ!!」

沢渡「な、何だ」

「あ、あの面白かったよ」

「エクシーズとかペンデュラムとか見た事ない召喚をさ!何か…嫌な大会になったけど」

「ありがとう!」

沢渡「お、おう!」

アレン「へへへ」

沢渡「遊矢…権現坂…凌牙(故)…何か何処の世界でもデュエルって変わらねえよ」

ユート「死んでないぞ…それよりユーゴは何処だ!?あいつ…大声で不埒な事を!」

リン「どうせトイレよ」

瑠璃「次の相手はユーゴか…」

素良「セクハラされないようにね」

シンジ「クロウ?お前生きてるのか?見つかったか!」

クロウ「片っ端から探してるけど見つからねえんだ!」

シンジ「風俗街とか」

クロウ「居るわけ…いや逆に捕まって閉じ込められてる可能性も」

ユーゴ「あースッキリした」

ユート「ユーゴ!」

ユーゴ「んだよ?すっげえ剣幕で」

カイト「…」

黒咲「そろそろ話せ」

カイト「笑顔病を砕いた方法か」

黒咲「ああ」

カイト「あれは…」

エクシーズ次元

野呂「そういうわけで融合次元を支配したスマイルワールドより格段にパワーアップしているようで」

カイト「…」

野呂「カイト…さん?聞いてるんですか!?」

カイト「…」

野呂「こりゃ死ぬな…」

カイト「最初の現場だ」

野呂「さ、最初の?」

カイト「鍵はそこにある」

野呂「そ、そんなアホな!て言うか最初の現場って」

カイト「現場百遍というだろ」

野呂「いやぁ…刑事じゃないんだから…フォトン刑事」

カイト「…」

野呂「睨まんでくださいよ」

ゴーシュ「入るぜ」

ドロワ「…」

カイト「ドロワ!小鳥を俺が指定する場所へ連れて来い」

ドロワ「いきなりだな」

カイト「ゴーシュは俺の肩を貸せ」

ゴーシュ「事件か?フォトン刑事」

カイト「その妙なあだ名で呼ぶのは止めろ」

ゴーシュ「じゃあ天さん」

カイト「そのベテラン風に呼ぶのも止めろ」

カイト「ここだったな」

スッ

ゴーシュ「寝転ぶなよ」

カイト「…」

ドロワ「さあ小鳥」

小鳥「カイト…遊馬が死んでカイトも頭が変に」

カイト「消えたと言ったな」

小鳥「何が?」

カイト「俺に寄生したスマイルワールドだ」

小鳥「う、うん」

カイト「…」

小鳥「調度ここだったかな」

カイト「…」

ドクンドクン

カイト「この鼓動は…そして地下から流れるエネルギーは俺の力と同じ」

ドクンドクン

カイト「見つけたぞ…スマイルワールドのコアを」

ゴーシュ「そりゃ本当か!?」

カイト「どうやら俺から離れ地下で成長し大勢のデュエリストを操っている…そして俺の生命エネルギーと連動している」

ドロワ「生命エネルギー!?」

カイト「愚かなり榊遊勝…今の弱り切った俺を選ぶとは」

小鳥「破壊するの?」

カイト「ああ…当然のように俺は死ぬがな。だが賭けに出るのも悪くはない」

カイト「そして俺は死んだ」

黒咲「…」

カイト「だが地獄へ落ちた俺を現世まで送り返した連中が居る。Mr.ハートランド…余程、俺が地獄に居るのが不都合のようだ」

黒咲「そしてお前と連動しているスマイルワールドは死に呪縛から解き放たれたと」

カイト「俺の完全復活というオマケ付きでな。考えてみれば体力が低下しているのならば死んで耐性を付ければいいだけの話」

ユート「カイト」

カイト「ああ…しばらく見ないうちにデュエルの経験を積んだな」

ユート「ちょっと遊矢の精神の中でな」

カイト「わけのわからん事を」

アレン「どっちもどっちじゃね?」

ユーゴ「エクシーズってヤバい奴の集まりだぞ」

沢渡「カイトに黒咲…可哀想に凌牙は虐められてたんだろうな」

ユート「死んでないぞ」

沢渡「殺してねえだろ」

カイト「銀河眼の光子竜…」スッ

アレン「何処行くんだ?」

カイト「遊勝よりもシンクロ次元制圧司令官に会う方が先だ。そっちは任せたぞ」

アレン「街は広いぞ!」

227「外にデュエルチェイサーが居る!私の事を話してDホイールを借りるんだ!」

沢渡「操縦できるのか!」

カイト「問題無い」

シンジ「カイジか…ありゃ強えぞ」

ジャック「カイトだ」

ロジェ「こ、ここは見晴らしが良くてですね…ほら安全でしょ?」

ドクトル「…」

ロジェ「テレビもあった大会も見れますよ?何たって主催者は私ですからね…しかも!全世界同時中継!!」

ドクトル「怖くて怖くて1人帰り美味しいところだけは掻っ攫う…まるでハイエナだ」

ロジェ「ま、まあ(当たり前だろうが!遊勝が無茶苦茶して下手すりゃ暴動ものだぞ!)」

ドクトル「…」

ロジェ「えーっと資金もがっぽりですよ。この1500円がミソなんですよ。塵も積もればと言いますか」

ドクトル「必要か?」

ロジェ「はい!?」

ドクトル「こんな大会など必要かと聞いているんだよ」

ロジェ「そ、そりゃ必要でしょ?しかし!我らのような巨悪が絡む大会は途中で壊れるのが世の常…ですが私としては」

ドクトル「お前達のような底辺の連中の意見など誰も聞いてはいないよ」

ロジェ「そ、そうですか…」

ドクトル「喜怒哀楽の喜だけが足りなかった…そして融合次元とエクシーズ次元の笑顔エネルギーで満タンとなった」

ロジェ「えぇ…は、はい(最高幹部もボスもキチガイばっかだな…証券会社に勤めてた頃が懐かしい…)」

ドクトル「私の新型兵器の実験には調度良いな!」

ロジェ「新型兵器?何ですか?あ、例のアンドロイドマンのモンスターですね!いやー凄いですよ!あれは特別中の特別と言いますか!」

ドクトル「あの方が目を付けただけはある…私の13体の親衛隊」

ロジェ「ははは…(もしかして私は所謂一つのブラック企業に勤めてるんじゃないのだろうか?いや…ブラックすぎるな。こいつらの所業は)」

ドクトル「では開始しよう…ハンティングゲームの始まりだ!ヒヒヒヒヒ!」

ロジェ「遊勝が怒りますよ!あれ絶対に変な奴なんですから!!」

ドクトル「プロフェッサーの考えは遊勝の考え…そして遊勝の考えはプロフェッサーの考え…少しは足りない頭を使いたまえ」

ロジェ「じ、じゃあ勝手にしてください!(同じキチガイでもヒゲとハゲは別物のキチガイだぞ…ああいう中年にはなりたくない)」

遊勝「ふぅ…どうやらカイトとクロウが勝手な行動をしているようだ。しかし愛弟子の行動を許すのが師である私の務め」

サッ

明日香「榊遊勝!覚悟!!」

遊勝「わかってたよ」シュッ

明日香「デュエルね!」

遊勝「衝撃の拘束剣!」

明日香「こ、これは!」

遊勝「デュエルを争いの道具に使うんじゃない」

明日香「それは…こっちのセリフよ!」

遊勝「だが許そう…私は寛大だからね」

明日香「くっ…」

遊勝「そして君は私に勝てない。私の世界に入門できれば話は別だがね」

明日香「世界?入門?」

遊勝「ああ…お見せしよう」

明日香「何か来る…!」

遊勝「最初の手札は氷結界の紋章が2枚、氷結界の虎将ライホウ、氷結界の守護陣それに氷結界の舞姫」

明日香「いつの間に私のデッキからカードを!?」

遊勝「ふふふ…この空間と時間が!私をデュエル界の頂点へと昇らせた!あいつが出現するまで!」

明日香「どういう効果なの…持って生まれたもの?まさか榊遊勝はモンスター…?」

遊勝「おっと感情的になってしまったな。さあ準々決勝を楽しもうじゃないか!」

明日香「何なの…こいつは一体何を」

遊勝「しかし偽りの笑顔を振りまく大会だ…ここはドクトルの実験場にでもしよう。悪魔が変わろうと多くの人々を傷つける…許されない連中だ」

明日香「…」

黒咲「…」

セルゲイ「お前と戦うのが楽しみだったぞ!あのホウキ頭を叩き潰した時にな!興奮してたまらん!!」

黒咲「何人殺した」

セルゲイ「わかるのか!?」

黒咲「貴様からは死臭が漂っている。武器ではなく拳による撲殺か」

セルゲイ「さ、さすがだ…俺好みの男だけある!お前の美しさに俺は…イっちまいそうだ!!」

黒咲「貴様を倒し…いや地獄にでも送ってやろう」

セルゲイ「ンフッ…フフフ…お前程の男は滅多に拝めないぞォ…」

黒咲「化け物め」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

黒咲「あの暗雲は何かの前触れ…そして」

「黒咲!黒咲!」

黒咲「バレットの気配がする」

セルゲイ「おい!俺を見ろ!」

黒咲「丸焼きか轢死…どちらかを選べ」

セルゲイ「んん?それはどういう意味だ」

黒咲「お前の死に様だ」

セルゲイ「決めたァ…お前の首を跳ね飛ばし!俺の部屋に飾ってやろう!!」

黒咲「死ぬのは貴様の方だ」

セルゲイ「ふふふ」

黒咲「…」

セルゲイ「はあ…」

黒咲・セルゲイ「殺す!」

黒咲「ターンエンド」

セルゲイ「何!?どういう事だ!俺を感じさせろォ!!!」

黒咲「…」

セルゲイ「俺のターン!」

黒咲「先のボマーとかいう奴とのデュエルで確信した。お前は相手に痛めつけられ自らの力へ変えるタイプの奴だ」

セルゲイ「ああ!だから攻撃しろ!!モンスターを出せ!俺を感じさせろ!」

黒咲「何でもお前の望みになると思うなよ。俺やお前のような人の道を外れている人種が…デュエルすべきだと思うか」

セルゲイ「ああ!楽しいぞ!デュエルは俺を感じさせる!イかせてくれる!!」

黒咲「そうか…だったら、こんなバカな大会は終わりだ」

セルゲイ「何!?」

黒咲「榊遊勝!餞別代わりだ!よく見ておけ!!」

ブオオオオオオオオオオオオオ

「どうするんだ」

「さ、さあ」

「すっげえスピード出してるぞ」

黒咲「聞け!客の中に女子供が居るなら目を瞑れ!」

「ど、どうして!?」

黒咲「そんなもの…これを見ればわかるだろ」

キキッ

ブオオオオオオオオオオオオ

セルゲイ「まさか体当たりする気か!?俺は望んでないぞ!!」

黒咲「薄汚い獣がデュエルを口にするな…さっさと地獄へ行け」

セルゲイ「おおおおおおおおおおおお」

ゴオオオオ…

黒咲「…」

ゴンッッ

黒咲「化け物も消し炭になれば呆気ないものだな」

「や、やりやがった」

「て言うかピンピンしてるぞ」

「な、何て男だ…」

遊勝「デュエルが嫌いなのか?」

黒咲「これが大会か?俺にも我慢の限度がある」

遊勝「…」

黒咲「お得意の寛大な心で許してみろ」

遊勝「ああ…さっき考えていたんだ。大会を実験場にしようとね」

黒咲「…」

遊勝「許す」

黒咲「マヌケ顏して許すしか言えんのか」

サッ

サッ

「こ、今度は何だ?観客席の方に飛んだぞ!」

黒咲「さっさと逃げろ。今から戦場になるぞ」

アキ「けど爆弾は!?」

黒咲「そんなものは…爆発する前に逃げてしまえばいい」

ユーリ「…」

黒咲「肝心なのは自分と家族そして親しい者の命だ。他人を助けても意味はないだろ」

黒咲「おい」

バレット「躊躇なく奴を焼き殺した…立派だな」

黒咲「生きているとはな」

バレット「俺は不死身だ」

黒咲「そしてもう1人」

バレット「…」

黒咲「2人居たのか?まさか双子ではないだろうな」

バレットα「俺達は死ぬ事によってパワーアップする!」

バレットβ「それが私達が長い年月を生き続けた理由だ」

黒咲「貴様らの理由など知らん。そして再びトドメを刺せばいい」

バレットα「ククク…トドメを刺す?これは面白い!たかが街の不良の頂点が!地下デュエル場の王者が!何の躊躇もなく人を一人殺す!お前は俺達側なんだよ!」

バレットβ「感謝しろ…ネオアカデミアとの邂逅がお前の本質を解き放ったのだ」

黒咲「ベラベラとうるさい奴らだ。自分の効果を話して楽しいか?」

バレットα「…ここでやるのか」

黒咲「何処でも同じだろ」

バレットβ「…」

黒咲「2人纏めて相手してやる」

バレットα「…」

バレットβ「…」

黒咲「来い」

バレットα「黒咲イイイイイイイイイイイ!!!」

バレットβ「図に乗るなよ…若造が!」

黒咲「…」

ユート「…」

遊勝「睨まないでくれ…その薄気味悪い顔で」

ユーゴ「てめえ!」

アレン「蓮のDホイール焼いちまったぞ?どうするんだよ!」

沢渡「あ、後で弁償してやるよ!」

ジャック「実験場だと?どういう意味だ!」

遊勝「それを今から見せよう!さあドクトル!君の最高傑作を見せつけてやろじゃないか!」

ヒュンッ

ザザッ

シンジ「あ?こりゃ…どうなってんだ」

カイト「…」

瑠璃「カイト!?それも何人も居る」

リン「13人のカイト…」

遊勝「御来場のみんな!申し訳ないが大会は中止させてもらうよ!」

ジャック「十六夜!龍亞!龍可!ブルーノ!お前達が先導し安全な場所へ避難しろ!」

アキ「わかったわ!」

ジャック「そしてユーリだったな?記憶を思い出したいなら降りて来い!」

ユーリ「は、はい!」

ブルーノ「頑張ってね」

アキ「危険だけど…荒療治の方がもしかしたら」

ユーリ「…わかりました。やれるだけの事はやって見ます!」

ユーゴ「やい!啖呵切ったってのに恥ずかしいじゃねえか!!ぶっ飛ばすぞ!!」

遊勝「さあ…デュエルだ!!」

カイト「手札のサイファー・ウィング2体で融合!融合召喚!降臨せよ!銀河眼の光波竜!!」

カイト「一匹たりとも逃がさん」

カイト「ハンティングゲームの始まりだ」

カイト「融合召喚!」

カイト「融合召喚!」

カイト「融合召喚!」

ユート「あれはロボットの類なのか?」

「クローン人間とかいう奴だな」

ユート「クローン人間?」

「強さだけなら天城カイトと大差がないぞ」

ユート「それ以外は?」

「誇りを失ったガラクタだ」

ユーゴ「本物は大丈夫と思うか?」

アレン「じゃあ助けに行くか?何処に居るのか知らねえけど」

ユーゴ「そうだよなぁ…おい、クリアウィング!テレポートだ」

リン「任意じゃ発動しないんでしょ?」

ユーゴ「そうなんだよなぁ…何っつうか反抗…」

ブンッッ

瑠璃「き、消えた!?」

素良「反抗期っていうかユーゴがバカすぎて嫌なんじゃない?」

アレン「かかって来いやカイト!」

沢渡「俺達が相手してやるよ!」

カイト「…」

ドサッ

ユーゴ「痛え!おおおおおおおお!?勝手に動くなって!!」

蓮「…」

カイト「…」

ユーゴ「てめえ!」

ガンッガンッガンッ

カイト「おい」

ユーゴ「偽者だろ!ヘンテコな仮面野郎連れて!!」

蓮「…」

ユーゴ「しかも長いんだよ!てめえらも敵だな!?蹴っ飛ばしてひっくり返してやるぜ!」

ガンッガンッガンッ

蓮「…」スッ

ユーゴ「デ、デュエルチェイサー!?」

蓮「かなりの腕白坊主のようだ」

カイト「…」

蓮「彼に頼まれ治安維持局に向かっている途中だ。君も来るか」

ユーゴ「おう!そういやカイトの偽者が大暴れしてるぜ?」

カイト「俺の偽者だと」

蓮「…」

ユーゴ「なあ長くね?そのDホイール?それってレアな奴だろ?雑誌で見た気がするぞ」

蓮「君の名は」

ユーゴ「見てねえよ」

蓮「…名前は」

ユーゴ「俺はユーゴ!よろしく頼むぜ、チェイサーの兄ちゃん」

蓮「ここだ」

ユーゴ「治安維持局じゃねえか?殴り込みか!」

カイト「ジャン・ミシェル・ロジェ…そいつがシンクロ次元制圧の総司令官」

ユーゴ「行くぜ!」

蓮「君は正面から突撃する気か」

ユーゴ「違うのか?」

蓮「DホイーラーらしくてDホイールで行く」

ユーゴ「だから突撃だろ?」

蓮「いいや…垂直走りで行く」

カイト「…」

蓮「これはオートパイロットモードでは不可能だ。Dホイーラーのテクが物を言う」

ユーゴ「お前は大丈夫なのかよ?」

蓮「ああ」

ユーゴ「お前は?まあ落ちねえように座るだけだけども」

カイト「問題無い」

ユーゴ「じゃあ決まりだ!」

蓮「君は」

ユーゴ「やった事ねえけど…やるっきゃねえだろ?」

蓮「では」

カイト「…」

ユーゴ「ミスったら一発で天国逝きだぞ…けど頑張るっきゃねえよ」

蓮「将来が楽しみな少年だ」

ユーゴ「おーっし!俺の夢をぶっ潰した奴をぶっ潰す!」

カイト「サイファー・ウィングを素材に融合した銀河眼の光波竜はフィールドのサイファーモンスターをリリースし攻撃力を倍にする」

カイト「サイファー・エトランゼを素材にした銀河眼の光波竜が墓地に存在し、フィールドに銀河眼の光波竜が存在する場合、そのモンスターを特殊召喚する!」

ユート「フィールド…この場が全て13人のカイトが共有するフィールドなのか」

カイト「ああ」

カイト「俺達こそネオアカデミア最強のデュエリスト…そしてドクトルの最高傑作!」

瑠璃「あのカイトと同じ強さだったら…たった半日でクローバー校の頂点に立ったカイトの強さだったら」

ユート「本物のカイトだったらの話だ」

瑠璃「…」

ユート「デュエリストは年間720回デュエルを行う。平均だがな」

カイト「それがどうした」

カイト「今この場で何か関係でもあるのか」

ユート「俺は遊矢の精神の中でデュエルを行った。現実世界では半日程度だったが…その世界では1年近い歳月だった」

瑠璃「本当に!?」

ユート「大凡だが…だが、そこで俺は多くを学び腕を磨いた。その答えを見せてやる」

カイト「何?」

カイト「フン!」

瑠璃「ユート…私も戦うわ!」

ユート「だったら君はカイトを頼む」

瑠璃「…どっちの?」

ユート「右」

瑠璃「デュエルよ!」

カイト「…」

ユート「行くぞカイト!」

「相手は攻撃力6000のモンスターだぞ」

ユート「一掃する」

「一掃だと?」

ユート「奴らはフィールドを共有していると言った…だったらドロー!」

ユート「カードを4枚伏せてターンエンド」

「あれを使うのか」

ユート「そうだ…俺が身につけた…シャイニングの輝きを」

カイト「俺のターン!」

ユート「この瞬間、速攻魔法『非常食』を発動!このカード以外のフィールドのセットされたカードを墓地へ送り墓地に送ったカード×1000ポイント回復する」4000→7000

カイト「少しはやるかと思えば…砕け散れ!!!」

ユート「ッッ!!!」

ドンッッ

ユート「…」8000→1000

カイト「ルールを知ってるか?お前は話にならない…ターンエンド」

ユート「ドロー!ターンエンド」

カイト「俺のターン!先ずは一匹!これで地獄へ送ってやろう!!」

ユート「相手の直接攻撃宣言時、墓地の幻影騎士団シャドーベイルを守備表示で特殊召喚!」

カイト「…ターンエンド」

ユート「本物のカイトだったら…パワーに頼った戦術はしないだろうな」

「勝利の方程式は揃った…勝つぞユート」

ユート「勿論だ!俺のターン!レベル4の幻影騎士団シャドーベイル2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!No.98幻影皇ファントム!!」

「ここからが腕の見せ所だぞ、ユート!」

ユート「ああ!」

ユート「オッドアイズ・ファントム・ドラゴン!!」

遊矢「おお…やったな!」

ユート「長い間この世界に居るが…大丈夫なんだろうか」

遊矢「時間の流れが違うから…まあ大丈夫だと」

ユート「そろそろ戻るか」

「待て」

ユート「どうした?」

「今度は我が直々に特訓してやろう」

ユート「それは有難いんだが」

「こいつを受け取れ」シュッ

ユート「3枚の白紙のカード?これは!」

「アストラルから盗んでおいた」

ユート「い、いつの間に…盗むな!只でさえ彼からホープを譲り受けたんだぞ?それを更に3枚も盗むなんて」

「我はアストラルとホープが嫌いだ。そしてお前は我だからな」

ユート「何をする気なんだ」

「大昔に廃れた力…カオスと双璧を成すシャイニング!」

ユート「シャイニング?」

「さっさと始めるぞ。これはお前の人生の為であり我の宿命でもある」

遊矢「あいつも俺か?」

ズァーク「あんなロン毛の美形なんて俺のわけないだろ」

遊矢「それは言えてるな」

「構えろユート!」

ユート「あ、ああ!」

ユート「…」

「行け」

ユート「魂を宿す…俺達の輝き!シャイニング・エクシーズ・チェンジ!」

カイト「シャイニング?何だそれは」

ユート「SNo.98幻影皇ファントムONE!!」

「それで良い」

ユート「ファントムONEのオーバーレイ・ユニットを三つ使い自分のライフが相手より3000少ない場合自分のライフを10にし、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターを全て除外し破壊する!」

カイト「何!?」

カイト「バカな!」

カイト「俺のモンスターが」

アレン「おいおい!」

シンジ「どうなってやがるんだ?」

ジャック「これは」

ユート「フィールドの共有…それはお前達13人が同じフィールドに並び立っていると同じ事だ」

カイト「だから何だ?」

カイト「また融合すれば良い話」

カイト「思い上がるなよ」

ユート「それはどうかな」

「ファントムONEは除外したモンスターの数×300のダメージを相手に与える」

ユート「13体の銀河眼の光波竜は全て除外されている」

「お前の負けだ…数で我らを倒せると思っているのか」

カイト「くっ…作戦変更だ!行け」

カイト「フォトン・ハンド!!」

カイト「はぁはぁ…」

カイト「こいつだけでも奪い取る!」

瑠璃「うっ!」

リン「…!」

カイト「受け取れ榊遊勝!」

遊勝「…」

カイト「俺達は負けだ…だがな」

カイト「俺達は何度でも蘇る…偉大なるドクトルの力で…」

カイト「次こそは…必ず…」

遊勝「不完全なクローンではダメだな」

アレン「瑠璃!大丈夫か!?」

シンジ「生きてるかリン!?」

瑠璃「だ、大丈夫…」

リン「けど何だったの」

遊勝「さてと」

牛尾「待てよ」

遊勝「警察…いやシンクロ次元ではセキュリティだったかな」

牛尾「逮捕だ」

遊勝「私を裁く法律はあるのか?戸籍のない私に何の罪がある」

牛尾「さあな…けどお前は大勢の人間を泣かせた」

遊勝「泣かせた?私は笑顔を届けているのだがな…君達には理解はできないようだね」

牛尾「はあ…逮捕だ」

遊勝「ふふふ」

遊星「こんな地下があるとはな」

イェーガー「ここは囚人達の強制労働の場でしたからね」

MC「どうすべきか!ここは不動遊星の腕の見せ所だぞォ!!」

遊星「しかし妙な動きをすれば俺とMCを繋いでいる電撃の拘束剣から電流が流れてMCが黒焦げになってしまう」

イェーガー「あのロジェとかいう男…人を簀巻きにして地下に放置するなんて許せませんよぉ!イーヒュヒッヒ!!」

遊星「イェーガーも地下生活のせいで気が狂って来ている…何としてでも」

バキッッ

ドガッッ

Ⅲ「こんな地下に本当に居るの!?」

クロウ「痣舐めるなよ!て言うか何でロボットみたいなのが居るんだ!?」

遊星「クロウ!俺はここだ!!」

クロウ「遊星!驚いたぜ?痣が導いたと思ったら地下だもんな」

遊星「よし…そこにセットされているカードを抜いてくれ」

クロウ「おう!っつうかイェーガーも居るのか!?」

イェーガー「クロウ!」

MC「さすがは遊星とクロウだ…ありがとう」

Ⅲ「クロウ!」

ゾロゾロ…

ゾロゾロ…

ゾロゾロ…

Ⅲ「アンドロイドマン…」

クロウ「抜いたぞ遊星!」

遊星「やっと自由になれた」

遊星「クロウ!MC達を連れて外に脱出してくれ!」

クロウ「任せとけ!」

Ⅲ「大丈夫!?この数じゃ」

遊星「ああ…」

クロウ「ありゃキレてるな」

イェーガー「遊星がですか!?」

MC「普段と同じように見えるが」

クロウ「逃げた方がいいぜ…あいつがキレちまったらジャックでも止められねえ!」

遊星「…」

「地縛囚人ストーン・スィーパー!」

「地縛囚人ライン・ウォーカー!」

遊星「地縛?まがい物か」

「イィーッ!」

「叩き潰せ!!」

遊星「デュエルで奴を拘束しろと言うが…遊勝もお前達も」

ガシッ

ガシッ

「モンスターの攻撃を防いだ!?」

遊星「あまりにもデュエルを舐めすぎている」

「こっちも居るぞ!」

「死ね!」

「イイーッ!」

遊星「…」

黒咲「ペッ」

バレットα「…」

バレットβ「ず、随分とダメージを受けているようだな…」

黒咲「…」

バレットβ「ま、また私を殺した…これで再びパワーアップできる」

黒咲「俺に勝つまでか」

バレットβ「当然…」

黒咲「…」

バレットβ「お、お前は…私達が戦った中でも最も強い戦士だ」

黒咲「…」

バレットβ「また会おう…そし…」

バゴッッ

黒咲「うるさい奴だ」

バレットα「…」

バレットβ「…」

黒咲「お前達の対処方法が今わかった気がする…そして」

バレットα「…」

バレットβ「…」

黒咲「お前を2度と俺に逆らわん方法もな」

素良「うわっ!?何これ!」

黒咲「あいつらは」

素良「無事に終わったよ」

黒咲「…そうか」

ロジェ「あーあ…負けちゃったよ」

ドクトル「ふむ…まだまだクローンの完成度が低いようだね」

ガシャンッ

ロジェ「おお!?」

カイト「お前だな」

ロジェ「ドクトル!ほら偽者が来ましたよ!!コラ!Dホイールで窓ガラスを突き破るんじゃない!!」

カイト「偽者?」

ロジェ「生きてて良かったな!」

ドクトル「そいつはオリジナル」

ロジェ「え?オリジナルですか?」

ドクトル「ふふふ」

カイト「薄気味悪い奴だ」

ドクトル「私はドクトル…ネオアカデミア最高幹部の1人だよ」

カイト「俺の偽者とは何だ」

ドクトル「知りたいか?エクシーズ次元を襲撃したアンドロイドマンに君の血を」

カイト「喋るな。気分が悪くなる」

ドクトル「可愛げの無いオリジナルだ」

カイト「…」

ドクトル「そっちは任せたよ。私は帰るから」

ロジェ「えぇ!?何故ですか!」

ドクトル「ん?気分が乗らないからね、ほらデッキをあげるから」

ロジェ「ちょっと!」

ドクトル「融合次元で待ってるよ。カイト」

ロジェ「あっ!001!」

蓮「…」

ロジェ「何をやってるんだ!ほら私に手を貸して」

蓮「既に辞表を提出した。あなたの部下ではない」

ロジェ「やめてどうするんだ!?あれか!実家の手伝いでもするってのか?お坊っちゃまは違うねぇ!」

ユーゴ「ボンボンか?」

ロジェ「そう!全世界に手を広げるブルーアイズマウンテンの製造・栽培・販売を一手に担う!ブルーアイズ社の御曹司!彼こそがホワイト・レン!!」

蓮「良く知ってるな」

ロジェ「人のプライバシーを覗くのが大好きでね」

蓮「では私の過去の経歴も3年前の事故も」

ロジェ「そりゃ当然だろ?何たって私は君の元上司なんだから!実家にでも帰るのか?んん?」

蓮「いいや」

ユーゴ「何だ事故って?」

蓮「3年前のジャックとのデュエルで派手にクラッシュしてね…この様だ」

ユーゴ「すっげえ傷だな」

蓮「もうデュエルできる時間も短い」

カイト「それは肉体ではなく精神の面だな」

蓮「精神の?」

カイト「ああ…クラッシュ事故で腕以外は何もないだろ」

蓮「…」

カイト「なら問題はない」

ユーゴ「やいノッポ!てめえは俺と蓮が相手してやるよ!!」

ロジェ「誰がノッポだ!」

ロジェ「はっ!舐めてもらっては困るなぁ…私は中学時代に全日本で優勝した実績があるのだ!」

蓮「蓮…それは私がデュエルの世界に踏み込んだ時に祖父が名付けた名」

ロジェ「さらに!高校二年生の時に春の甲子園で私の特大ホームランが紫紺の大優勝旗を掴ませたのだ!」

ユーゴ「へえ…高校球児なのか」

蓮「泥の中でも美しく咲き続ける蓮の花…苦労知らずのレンがコンチネンタル・サーカスの舞台で泥に塗れ蓮になれた瞬間だった」

カイト「野呂の言う通りお喋りな木偶の坊か」

ユーゴ「やっちまおうぜ蓮!」

蓮「今一度、デュエルの世界に戻ろう。そして再び泥に塗れよう」

ユーゴ「おう!お喋りはもういいんだよノッポ!」

ロジェ「チビは高身長の者を見るとノッポだとバカにする傾向があるのか?ムカつくからやめろ!」

蓮「そしてデュエルを通しユーゴのような若きデュエリストと戦おう」

ロジェ「私のターン!手札の地縛囚人ストーン・スィーパー2体で融合!融合召喚!地縛戒隷ジオクラーケン!!」

ユーゴ「俺の!」

蓮「私のターン!」

ユーゴ「蓮!」

蓮「私にやらせてくれ」

ユーゴ「はあ?俺だって」

カイト「構わんだろ」

ユーゴ「けど腕が悪いんだろ?だったら」

カイト「そこで腕が潰れれば、所詮その程度だったというわけだろ」

ユーゴ「けどな!」

蓮「私は」

ロジェ「負けたら処刑…負けたら処刑だぞ…」

翌日

ロジェ「ははは…」

遊星「…」

ロジェ「わ、私的にはですね!何と申しますか…えーっとネオアカデミアを退職します!だから助けて!」

遊星「ああ」

ロジェ「本当ですか!?」

バシッッ

遊星「ただしビンタ一発だ」

ジャック「それだけで良いのか?」

クロウ「絞れば金取れるぜ?」

シンジ「金出せ!」

ユーゴ「聞いてるのか!?」

ロジェ「無い!そんなものは無い!!」

リン「本当に?何か嘘っぽい」

ロジェ「嘘じゃないですって!」

遊星「ま、それは良いとして」

シンジ「お?どうした遊星」

遊星「シンジ…俺を殺したいか?」

シンジ「は?何で」

遊星「お前のデッキを渡してくれ」

シンジ「ほら」

ジャック「お前もデッキから漂う殺気を感じたか」

遊星「ああ」

遊星「ブルーノ…これは」

ブルーノ「カードの素材からして現代の物じゃないね。これは未来のだ」

ジャック「未来…まさか」

遊星「水晶機巧-フェニキシオン…アクセルシンクロが可能なモンスターだ。そして製作者は」

ジャック「プラシドか」

遊星「何処で手に入れた?」

シンジ「ありゃ1年前だったか?妙な施設があってよ」

遊星「全身白で固めた左利きの男が出入りしていた」

シンジ「左利き?そういや剣のぶら下げ方からして左だな」

ユーゴ「プラシド?」

クロウ「遊星のライバルだった男…ライバルか?」

遊星「ああ」

ジャック「お前に真っ二つにされた後だろうな。お前を倒す為に創り出した」

遊星「だが結局はイリアステルの最終作戦の為に放置したままだった」

クロウ「憎たらしい野郎だったけど今じゃシンジに力を貸してんだな」

シンジ「モーツァルト…会った事ねえけど借りができちまったぜ」

リン「プラシドよ」

遊星「そして新たな敵…奴らはゴドウィンやゾーンのような誇りを持たぬ獣だ」

カイト「入るぞ」

蓮「…」

ジャック「蓮」

カイト「次元移動装置の設計図だ」

遊星「すまない」

アレン「本当に俺らと行かねえのか?」

シンジ「遊星がやりたい事があるんだと」

クロウ「黒咲は?居ねえのか」

カイト「何処かに居るだろう」

シンジ「なあカイジ」

カイト「何だ」

クロウ「賢そうだな…ジャック!同じコート族なら少しは」

リン「あの仮面の人と外に出たわよ」

クロウ「弄ってやろうと思ったのに」

シンジ「あいつガキの頃から弄ると面白えよな」

カイト「…」

シンジ「ダメだ…弄ると面倒なタイプだぞ」

クロウ「きっと無反応だな」

リン「ごめんね、こんなので」

カイト「慣れている」

リン「て言うか本物?」

カイト「ああ」

遊星「これなら一週間で可能だ」

カイト「ほぉ…次元移動装置をか」

遊星「ああ」

カイト「ここが手こずると思うが」

遊星「ここか…確かに難しい作りになってるな。しかしエネルギーと強度さえあれば」

クロウ「な?遊星相手に難しい話してるぞ」

シンジ「俺らが百年かかっても理解できねえわ」

アレン「なあカイト!」

カイト「こいつは…」

遊星「これは凄いな。見た事のないデュエルディスクだ」

アレン「カイトが楽しそうにしてるぞ」

シンジ「天才と天才は気が合うんじゃね?」

ユーゴ「俺らみたいに学がねえと」

クロウ「ポカーンとしちまってよ」

リン「瑠璃はあれから平気なの?」

アレン「何ともねえってさ」

シンジ「カイジ!」パシッ

カイト「こうすればいいわけだ」

遊星「是非ともエクシーズ次元に行ってみたいな」

シンジ「無反応だぞ…次クロウ」

クロウ「度胸試しみたいなもんだな」

アレン「じゃあクロウの次は俺だ」

ユーゴ「じゃあアレンの次は俺だ!」

リン「やめなさいよ!子供じゃないんだから」

カイト「そろそろ時間だな」

クロウ「よっと!」バシッ

カイト「…」

アレン「や、やべえ…」

カイト「クロウとシンジだったな?そこに並べ」

クロウ「シンジ!」

シンジ「馬鹿野郎!タイミング合わせて叩けよ!」

ジャック「どうだブルーアイズマウンテンは…最もお前に言うだけ無駄か」

蓮「淹れ方によってコクと香りは変わるものだ。ここはいいお店だぞ」

ジャック「フッ…しかし俺を尋ねるとは」

蓮「再びプロの世界へ戻ろうと思っている」

ジャック「…腕はいいのか?あのクラッシュ事故の」

蓮「病は気から…甘えていたんだ私は」

ジャック「…クラッシュはDホイーラーにとって一番のトラウマだからな」

蓮「そして再びヨーロッパを制す」

ジャック「そうか」

蓮「君は」

ジャック「世界だ!世界を制しキングの道を突き進む!」

蓮「…」

ジャック「それまでにヨーロッパを制覇しろ!」

蓮「そうだな…」

ジャック「あのDホイールはお前のか?随分とコンパクトになったものだ」

蓮「退職祝いに同僚が組み立ててくれた」

ジャック「お前は行くのか?融合次元へ」

蓮「乗りかかった船には降りない主義でね」

ジャック「なら待っていろ。俺達もすぐに行く」

蓮「ああ…それと一つ伝えに来た」

ジャック「何?」

蓮「榊遊勝が脱獄した」

ジャック「ブッ!?」

素良「しっかし捕まるなんて…プププ」

明日香「くっ…」

ユーリ「それでは…お世話になりました」

父「ユーリ!」

ユーリ「はい?」

父「すまなかった私の不注意で…君を」

ユーリ「いいえ、その代わりに十六夜家の人達に出会えましたから」

父「…」

ユーリ「また会ってもいいですか?」

父「ああ…勿論だとも」

母「いつでも遊びにいらっしゃい」

ユーリ「はい!アキさんも勉強頑張ってくださいね?」

アキ「うん」

素良「グズグズするなよ!」

ユーリ「は、はい!」

明日香「あいつの記憶が戻ったら殺されるかもね」

素良「記憶喪失でしょ?だったら今の記憶は上書きされてノーカウントじゃないの?」

明日香「…」

素良「だったら威張っても文句はないはずさ…多分」

ユーリ「はい?」

素良「さっさと行くぞ!」

ユーリ「はい!」

明日香「長生きできないわね…」

ユート「じゃあ先に行ってる」

ユーゴ「死ぬんじゃねえぞ」

カイト「…」

ジャック「…」

クロウ「やっぱカイトもジャックと同じで夏場もコート羽織ってるんだろな」

アレン「ちゃんと来いよ!」

シンジ「おうよ!」

沢渡「ま、俺に任せとけよ!」

蓮「そういえばDホイールを燃やしたと」

黒咲「弁償する」

瑠璃「他の私達にもよろしく言っておくね」

リン「うん」

素良「おーい!行くよ」

明日香「…呪文みたい」

Ⅲ「融合…融合…融合…」

ユーリ「遅れますよ!」

ユート「融合次元には先に行ったランサーズのメンバーが居る筈だ」

沢渡「けど広いんだぜ?」

アレン「何か島とか言ってなかったか?」

瑠璃「島もいっぱいあるわよ?」

カイト「行ってから決めればいい」

黒咲「どの道そこが最終決戦の場だからな」

蓮「…」

遊星「さてと」

ジャック「鍛錬だな」

遊星「不眠不休でな」

クロウ「本気かよ?」

遊星「俺達は多くの戦いを制し怠けていた。それが今回の俺の敗因だった」

クロウ「俺も一回戦敗退だったからな」

ユーゴ「なあ遊星」

遊星「聞こえていたぞ、地下に居たがユーゴの声はデカすぎる」

ユーゴ「へっ…へへへ」

遊星「俺がお前を遠ざけていた理由…本当はわかっていただろ?」

ユーゴ「う、うるせえな」

ジャック「サティスファクション時代…こいつは俺達の後ろをチョロチョロして敵対チームに大怪我を負わされたからな」

クロウ「あん時の遊星は怖かったな…ジャックと鬼柳が止めても相手をボコボコにしてたしよ」

ブルーノ「こっちは任せておいてよ」

遊星「いや俺も手伝う。次元移動装置なんて楽しみだ」

ブルーノ「大丈夫なの?」

遊星「ああ」

リン「何か私達にも秘密があるし」

遊星「たとえ何があってもユーゴとリンは俺の弟と妹に代わりはない」

シンジ「っつうか秘密なんて誰でもあるんじゃね?クロウなんて8歳まで寝小便してたしよ」

クロウ「シンジ!」

ジャック「そういうシンジは8歳まで野糞してただろ」

シンジ「う、うるせえ!」

融合次元

デニス「アカデミア本島ももぬけの殻だね…無理も無いか」

権現坂「見慣れぬ顔だな!何者だ!?」

デニス「えーっと三沢大地さんは居ますか…先生ですよね?あ、体育の先生でしょ」

権現坂「先生?俺は未成年だぞ」

デニス「そんなバカな…因みに年齢は」

権現坂「14」

デニス「まさか…嘘だよね?」

BB「デニス!権現坂は俺のトモダチ!」

デニス「BB!」

グロリア「来るなら言えば良いだろ」

グレース「デニスもユーリもアポ無しだよね」

デニス「いやー元気そうで良かったよ…けどアカデミアの様子が」

グレース「まあ逃げたんだよね高校生達は」

グロリア「…」

万丈目「見つけたぞネオアカデミア!この万丈目が成敗してくれる!!」

権現坂「やめんか万丈目!」

万丈目「ええい離さんか!」

三沢「君の情報で助かったよデニス」

デニス「三沢さん!」

三沢「いよいよ決戦の日が近いぞ」

デニス「やりましょう…僕達の世界を取り戻す為に」

三沢「ああ!」

アレン「窓の外見ろよ!融合次元だぞ融合次元!」

沢渡「んなのわからねえだろ?移動したのか?」

Ⅲ「融合…融合…融合…」

沢渡「…」

瑠璃「海だわ」

ユート「ああ」

ユーリ「僕の故郷ですか?」

明日香「うん…あなたは綺麗な景色とか毛嫌いしてたけど」

ユーリ「そうだったのですか?」

明日香「自然なんかより自分の方が綺麗だとか何とか…小学校の時の話だけどね」

ユーリ「…」

ユート「あれは」

明日香「何だろう?海賊船かしらね」

素良「海賊?まさか…」

黒咲「威張るだけあって怪我の治りは早いもんだな」

ユート「どうした」

黒咲「あそこに凌牙が乗っている。そして榊遊矢だったか」

沢渡「よく見えるな」

アレン「視力が両方とも4.0らしいぜ」

黒咲「6.0だ」

ユート「行ってくる」

瑠璃「飛び降りるの?危ないわよ!」

ユート「大丈夫だ」

シャーク「赤馬の野郎!欠陥品じゃねえのか!?」

遊矢「ま、無事に辿り着いたんだし」

シャーク「だからって移動して海に落ちるか?落ちねえだろ!」

遊矢「でもソロが居たから大丈夫じゃない?」

シャーク「じゃねえよ!」

ソロ「そうだ!いきなり海から現れたと思ったら胸倉掴まれて、シージャックかと思ったぞ!」

遊矢「だってソロはデュエルアカデミアの島の場所知ってるしさ…運が良いって事で」

シャーク「のほほんとしやがって」

スタッ

シャーク「ん?」

ユート「凌牙!遊矢!」

遊矢「ユート!」

ユート「目が覚めたんだな!?」

遊矢「ああ!瑠璃は?」

ユート「無事に保護した」

シャーク「そりゃ良かったな…んだよ飛行船が真上に居たのか?気がつかなかっ…何だありゃ」

ユート「!?」

シャーク「落書きしてあんぞ!エクシーズ号って…アストラルに何て言い訳するんだ!」

ユート「きっとシンジやクロウがやったんだろう…何て事を」

遊矢「ユートぶつたおす…汚い字だな」

ユート「きっとユーゴだろうな。あの時の借りもあるだろうし」

シャーク「知らねえぞ、アストラルに殴られても」

ユート「…後で謝っておくよ」

ソロ「それじゃあな!俺は海に帰るから」

素良「あいつ仕事やめて海賊になったんだよ」

蓮「異色の経歴だな」

素良「でしょ?僕がプロフェッサーに拉致される前は同じ地元に住んでてね、変わり者だったんだ」

蓮「…親御さんは」

素良「勘当されたっぽいよ。この御時世に海賊だなんて」

柚子「遊矢!」

遊矢「柚子!」

権現坂「沢渡!無事だったか!!」

北斗「沢渡だ!沢渡が来たぞ!!」

刃「沢渡!」

真澄「無事だったのね」

月影「あ、兄者…沢渡が生きておるぞ」

日影「うむ」

勝鬨「ふん」

沢渡「お、おう…何で歓迎されているんだ」

権現坂「最初の数日間はお前を忘れていてな…色々とあったんだ」

沢渡「んだよそれ?忘れてたのに妙に嬉しがりやがって!」

権現坂「あいつの行動や言動を見ているとお前を思い出してな…段々と俺達も心配になって来た」

沢渡「あんなアホそうな奴と俺が?冗談じゃねえぞ」

万丈目「誰がアホだ!権現坂!こいつが噂の沢渡か?ただのバカにしか見えんぞ!!」

沢渡「俺は絶対にてめえより強えし顔も良いぞ」

万丈目「俺の方がお前より賢くて身長もあるぞ」

柚子「海?」

遊矢「移動してドボンさ」

柚子「私達なんてエジプトよ?」

遊矢「エジプト!?良く島に辿り着いたな」

柚子「偶然そこに居る猫がリビアに来てたのよ。墓参りとかで」

ファラオ「…」

遊矢「へえ…賢いんだなお前!どうやって導いたか知らないけど」

ファラオ「ニャーッ」

セレナ「この島がこいつの住居だからな」

遊矢「融合次元の柚子?」

セレナ「セレナだ」

瑠璃「ユート達は似てないけど私達は似てるね」

遊矢「そりゃそうさ」

柚子「え?」

アレン「やっちまえ!」

沢渡「デュエルできねえのか!ざまあねえな!」

万丈目「融合次元からデュエルモンスターが消えたんだ!文句あるか!」

シャーク「うるせえぞ!少しは静かにできねえのか!?」

万丈目「タコ頭は黙ってろ!」

沢渡「けが人が無理するなよ?今度は死ぬぞ」

シャーク「あ?てめえら程度、片手で十分だろうが」

遊矢「シンクロの俺は居ないんだ」

カイト「連中は遅れてくる。四つの次元は時間の流れが違うようだから、時期に来るだろ」

赤馬「その質問には答える義務はない」

権現坂「ミスは素直に認めるべきだぞ」

遊矢「よっ!」

勝鬨「アタァッ!!」

ガシッ

遊矢「随分な挨拶だな」

勝鬨「貴様と自分は宿命のライバルだという事を忘れるな」

ググッ…

遊矢「ああ…少なくとも俺は沢渡と勝鬨はライバルだと思ってるよ」

赤馬「その件は善処する」

権現坂「まるで汚い政治家だぞ!」

遊矢「赤馬もね」

勝鬨「フン!自分の拳を受け止められただけ…良しとしてやるか」

遊矢「ありがとう」

万丈目「…」

沢渡「…」

シャーク「痛えじゃねえか!」

黒咲「少し黙れ」

蓮「大丈夫なのか」

素良「ん?あの手のタイプは僕らが死んでも生きてるでしょ」

万丈目「め、目から火花が出たぞ」

沢渡「ありゃ怒らせたらダメなタイプだからな…死ぬぞ」

素良「ほらね」

デニス「ユーリ!」

ユーリ「あ、おはようございます」

デニス「は?待って待って…何言っちゃってんの?頭大丈夫?」

明日香「記憶喪失なのよ」

デニス「明日香さん?色っぽくなったね!いやー感激だよ僕は」

明日香「女性を見ると声をかける癖は直らないのね」

デニス「何たってデニス・マックフィールドだよ?」

明日香「そうだけども…今でもエンターテイメントは続けてるの?昔から人を笑顔にするのは得意だったけど」

デニス「ま、まあね…」

明日香「?」

デニス「榊遊矢」

遊矢「ん?」

デニス「ちょっとデュエルしてもらうよ」

遊矢「デュエル?」

デニス「言っとくけど断る権利は無いんじゃないかな…君は遊勝の息子でネオアカデミアの最終目標らしいしね」

遊矢「ああ…受けたデュエルは必ず買う!それが俺のスタイルだ」

ユーリ「デニス…親友のデニス」

デニス「えぇ…勘弁してよ。気持ち悪すぎる」

明日香「や、やっぱりそう思う?けど本心じゃないかしらね」

デニス「おいおい!僕と君はコンビだけど友情なんて無かったろ?違うのかい?」

ユーリ「わかりませんけど…友達だとは思ってます」

遊矢「ユートはクールでユーリは素直なんだな」

デニス「いいや…ユーリの本性は外道な卑怯者だよ?お互い赤ん坊の頃から知ってるんだから…いや赤ちゃんの頃なんて覚えてないか」

遊矢・デニス「デュエル!!」

デニス「じゃあ先攻は僕が頂くよ!僕はスケール2のEmウォーター・ダンサーとスケール6のEmファイヤー・ダンサーでペンデュラムスケールをセッティング!」

遊矢「ペンデュラム!?何で!」

ズァーク「…」

遊矢「それだけじゃない俺と似てるEmとEM!」

デニス「そして僕は魔法『融合』を発動!融合召喚!Emトラピーズ・フォース・マジシャン!!」

遊矢「トラピーズか」

デニス「彼らは君より昔にペンデュラムの力を得たモンスターさ」

遊矢「じゃあ先祖?へえ!だってさトラピーズ!」

デニス「トラピーズ?」

遊矢「俺も持っているんだ。俺と違って曲者な所があってね」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

ズァーク「奴が融合次元を選んだ理由…今やっとわかった」

デニス「ターンエンド!ハハッ…ハッハッハ!」

遊矢「ど、どうした!?」

デニス「いや遊勝の息子だからね!Emを見て嫌悪感を表すかなって思ったけど違うようだ」

遊矢「あいつは人と違うからね…て言うかご先祖だし嬉しいに決まってるだろ!」

デニス「君もエンタメデュエリストかい?雰囲気がそれっぽいけど」

遊矢「ああ!けど俺のエンタメはデニスとは違うと思うぞ」

デニス「どういう意味?」

遊矢「俺には俺の!沢渡には沢渡の!そしてデニスにはデニスのエンタメがある!みんながみんな同じじゃ面白くないだろ?」

デニス「ああ…君の言う通りだ!」

遊矢「ってわけだデニス!」

遊矢「ほら」

デニス「トラピーズ?それは君の」

遊矢「デニスとならトラピーズも輝ける。俺は荒っぽいからなぁ…元が元だし」

ズァーク「…」

デニス「エクシーズか」

遊矢「教えようか?」

デニス「いいのかい?」

遊矢「齧った程度だけど」

カイト「あの外道の息子…子は親を選べぬか」

遊矢「エクシーズの人」

カイト「カイトだ」

遊矢「デニスにさエクシーズ教えてあげてくれよ」

カイト「断る」

遊矢「ケチケチしないでさ…頼むよ!」

カイト「他を当たれ」

遊矢「近場に居たし」

カイト「それは貴様を見ていたからだ。あの外道の息子だからな」

遊矢「どうだった」

カイト「あいつの息子にしては…いい眼をしていた」

遊矢「だったら教えてやってくれよ!俺にやらせたら間違えそうだしさ!」

カイト「こいつも遊星も遊の付く奴には何か周りを惹きつけるものでもあるのか」

遊矢「頼む!お願いします!」

カイト「勝手にしろ。但し俺の教えは荒っぽいぞ」

デニス「ちょっとの事じゃへこたれないんだよね」

カイザー「黒咲だったな」

黒咲「ああ」

カイザー「君にエクシーズ召喚を教わりたい」

黒咲「知るか」

カイザー「君からは俺と同じ匂いがする…そう、地下の匂いが」

黒咲「この次元にも地下デュエルが」

カイザー「ある」

黒咲「だが所詮は制圧された次元の人間…底が知れている」

赤馬「失礼だぞ。彼は3年前…私を」

黒咲「…」

カイザー「タダでとは言わん…礼は必ず」

バキッッ

赤馬「!」

カイザー「…頼む。救いたい仲間が大勢居る。そして俺の故郷も…今のままのサイバー流では決して勝てぬ」

黒咲「俺の拳を受けて微動だにしないとはな。あのバレットすらも吹き飛んだぐらいだというのに」

カイザー「…」

黒咲「死んでも知らんぞ」

カイザー「ここで死ねば丸藤亮も所詮ただの人」

黒咲「フッ…こいつへの借りとはなんだ?」

赤馬「野犬に襲われていた所を救われた」

黒咲「…」

赤馬「獰猛な野犬だった…数もかなり」

黒咲「もういい」

翌日

アレン「カイトと隼は?」

シャーク「弟子ができちまったとよ。こりゃエクシーズ次元は日照り続きになるぜ」

ユート「そんな大袈裟な」

瑠璃「あの兄さんが…大丈夫かな亮さん」

Ⅲ「来た!」

シャーク「また海賊野郎の船じゃねえか!?」

ソロ「おーい!」

「ソロさん!これじゃ水上タクシーですよ!」

ソロ「キャプテンと呼べ!」

「はあ…」

「あいつら知り合いか?」

Ⅳ「おお」

璃緒「元気そうで良かったわ」

シャーク「何で船なんだよ」

アレン「ミスったんじゃねえか?難しいんだよ人口物は」

瑠璃「その点じゃアストラル船は便利ね。天然物だもん」

Ⅲ「僕が疲れるよ…」

ユート「遊馬」

シャーク「…遊馬じゃねえか」

アレン「遊馬!おーい遊馬!」

瑠璃「遊馬ー!」

遊馬「お?」

アレン「っつうか何だそれ!?」

遊馬「これか?心配するなよ。生えてくるから」

シャーク「再生失敗か」

アストラル「いや成功している。しかし下半身が元通りになる前に融合次元へ行くと飛び出してな」

ベクター「魚みたいに飛び跳ねてアストラル世界も大変だったんだとよ」

ユート「良かった…」

「その程度で死なれては意味がない」

シャーク「で?何で背負ってんだ」

Ⅳ「知らねえよ」

アリト「遊馬も居ねえしカイトもナッシュも居ねえ」

ギラグ「自然とⅣが俺らに纏め役になったってわけよ」

Ⅳ「押し付けただけじゃねえか!何が悲しくておたま遊馬の面倒見なきゃいけねえんだ!」

Ⅲ「そんな遊馬をおたまじゃくしみたいな言い方をするのは、おやめください」

Ⅳ「見ろよ!カエルに成り立てのおたまじゃくし見てえだろ?なあ兄貴」

Ⅴ「私的には手が生えた段階でカエルだと思うが」

ユート「これは返すよ」

遊馬「お、ありがとよ」

ユート「1度も使う事はなかった…だが」

遊馬「そっか…ホープがな、ユートはユートで新しい力を身につけてたって言ってるぜ」

ユート「この力を大切に使って行く、相棒と一緒に」

遊馬「腹減っちまったよ!飯にしようぜ」

Ⅳ「そういや途中で変な6人組拾ったぜ?これがユートと瑠璃に似ててよ」

ユート「ああ…それはきっと」

ドルべ「起きたか」

遊星「…」

ジャック「…」

クロウ「…」

シンジ「…」

ユーゴ「…」

リン「シャキッとしなさいよ」

遊星「不動遊星…こいつは白イタチのノロイだ」

ジャック「ジャック・アトラス…ブルーアイズマウンテンをよこせ」

クロウ「クロウ・ホーガン…眠い」

シンジ「シンジ・ウェーバー…あだ名は何でもいいぜ」

ユーゴ「ユーゴ…リン一筋」

リン「私はリン」

シャーク「何処で狩って来たんだ…そのイタチ?死んでるんだよな」

アレン「デカすぎじゃね?」

遊星「俺達が到着した島の支配者でな。倒すのに苦労したぞ」

ジャック「何せイタチの癖に賢くてな」

クロウ「鍋にしようぜ」

シンジ「いい手土産だろ?なあアキラ」

アレン「俺はアレンだ!」

ユーゴ「おう!生きてたかユート!」

ユート「彼らは君の飛行船に落書きした大罪人だ」

アストラル「私の飛行船に!?」

遊矢「さてと揃ったの?」

ズァーク「少なくとも俺の分身とクソの分身は居る」

遊矢「クソじゃなくてレイだろ?」

ズァーク「あいつは許さない」

遊矢「じゃあ勝手にしろよ」

遊星「できたぞ…人数が多いな」

ジャック「他のイタチは海の藻屑になったからな」

クロウ「こいつらのしつこい事しつこい事」

シンジ「ま、順番に食おうや」

ユーゴ「おーっし!早い者勝ちだぞ!!」

リン「ちゃんと会話に参加しなさいよ!五人揃ってだらしないんだから!」

柚子「大変そうね」

瑠璃「ほ、本当はいい人なのよ?セレナは寝てるし」

セレナ「zzz」

遊馬「怒るなって!消せばいいんだから」

アストラル「…」

権現坂「遊矢よ!今こそ全てを明かせ!!」

沢渡「わかりやすくだぞ!」

万丈目「尚且つスピーディにだ!」

シャーク「さっさとしろ!」

ユーリ「賑やかですね」

ユート「あ、ああ」

遊矢「多分かなり引くと思うから心して聞いてくれよ!」

北斗「はあ!?デッキ持ってないって…バカじゃないの!?」

勝鬨「拳がある」

北斗「炎星貸しただろ!」

勝鬨「置いてきた!それに自分にエクシーズを渡すとは言語道断!!」

刃「シンクロもあるじゃねえか」

真澄「…」

権現坂「真澄よ…お前の気持ちもわかるが俺とて」

真澄「たとえ何であれ…柚子は私の友達よ」

権現坂「…だな」

柚子「驚いたな…まさか私と赤馬が…それに遊矢も」

デニス「これを受け取りなよ」

勝鬨「何だこれは!言っておくが自分はエクシーズは拒否するぞ」

デニス「ネオアカデミアの製造した錬金術とペンデュラムのデッキさ…まあ早い話が融合」

勝鬨「いいだろう」

柚子「プロフェッサーとの決着それにおじさん…いいえ遊勝との決着は」

権現坂「お前は遊矢の側に居てやるんだ。雑魚は俺が蹴散らす」

刃「愛だよなぁ~柚子ってさ可愛いだろ?なあデニス」

デニス「僕は瑠璃かな?」

北斗「わかる!お淑やかな感じがいいよね」

デニス「師匠は?」

カイト「誰が師匠だ」

デニス「君はどう思う?あ、君も普通に可愛いよ」

真澄「バカばっか」

瑠璃「世界が一つで私の前世はレイ…それに」

ユート「君が創造できる理由は体内に存在していたエン・バーズというカードの作用だった…か」

瑠璃「あの時、私とリンが偽カイトに奪われたのは…あのカードだったのね」

ユート「ああ」

アリト「やっべ」

ギラグ「ありゃ行くところまで行くぞ」

Ⅲ「そんな出歯亀みたいな真似を」

アレン「ほら」

Ⅳ「ローラースケート?」

アレン「遊馬背負ってちゃ移動に不便だろ?これなら少しは軽くなるぜ」

Ⅳ「だってよ遊馬」

遊馬「zzz」

Ⅳ「寝てんじゃねえ!」

黒咲「デニスの話では融合次元の笑顔病の連中は途端に真顔になって微動だにしなくなった」

アストラル「どちらにしろ最終決戦の地へ向かっているんだ」

黒咲「ユートと瑠璃の運命は俺が守る」

アストラル「いい奴だな」

黒咲「何処がだ」

アストラル「人は守りたい者の為になら無我夢中に行動する…そして奇跡を巻き起こす」

黒咲「…」

アストラル「少なくとも人間でない私と奴は感じている…ユートは奴を相棒だとも言った」

黒咲「ユートの中に居る何かの事を言っているのか」

アストラル「今の奴は私達の知っている奴ではない…きっとな」

ジャック「敵は南米を本拠地にしている」

遊星「この荒廃してしまった世界ではやりたい放題だろう」

ゴンッッ

クロウ「プロフェッサーの野郎!」

ゴンッッ

シンジ「ハエだかゴキブリだか知らねえが俺達が引導を渡してやる!」

ゴンッッ

ユーゴ「舐めんじゃねえぞ!」

ゴンッッ

ジャック「その意気だ!」

ゴンッッ

遊星「ああ!」

ゴンッッ

リン「な、何やってんのよ…壁に穴が!」

遊星「やってしまったな」

ジャック「この飛行船には再生能力はないのか」

明日香「エド達が!?」

カイザー「ああ…ネオアカデミアに洗脳されている筈だ」

素良「根拠は?」

カイザー「俺が親玉なら間違いなく洗脳する」

素良「エドとヨハン…確かにネオアカデミアが融合次元において要注意人物だったけども」

セレナ「何か知らんが暴れるんだな!」

ファラオ「ニャーッ!」

素良「君は緊張感がないね」

沢渡「夜空か…」

万丈目「何を黄昏ているんだ」

沢渡「別に」

万丈目「明け方には着くだろう」

沢渡「だったら手入れしとけよ」

シュッ

パシッ

万丈目「何だこれは」

沢渡「デッキ」

万丈目「何!?」

沢渡「消えちまったなら俺の貸してやるよ」

万丈目「お前の2軍デッキか」

沢渡「俺に2軍はねえよ。一流は何を使っても一流だぜ」

万丈目「礼は言わんぞ!」

沢渡「当たり前だ!お前に礼なんて言われたら背中が痒くなるぜ」

シャーク「けど相手はデュエルしねえスタイルだぜ」

万丈目「何だ凌牙が」

沢渡「ストーカーか?」

シャーク「誰がストーカーだ!」

沢渡「だったらデュエルするまでだ」

万丈目「相手に食らいついてでもデッキから五枚のカードを引かせてやるわ!」

シャーク「長生きするぜ…お前ら」

日影「…」

月影「…」

遊矢「日が明けたら決戦か…終わったら何をする」

赤馬「何も考えてない…いや会社の事があるな」

遊矢「えーっと弟の零羅?その子うちの塾に連れて来なよ」

赤馬「それは構わんが…零羅は」

遊矢「あんたの弟だろ?立ち直るさ」

赤馬「血の繋がりはない」

遊矢「けど背中を見てる。大きな兄貴の背中を」

赤馬「…」

遊矢「俺達の血筋は最悪だ…けど悩んでたって仕方がない」

赤馬「目的はネオアカデミアの最終計画の阻止と…そして」

遊矢「父親達…いや父親との決着」

赤馬「君達と柚子達…そして私の」

遊矢「うん」

赤馬「君は何をする」

遊矢「デュエルでしょ」

赤馬「デュエルか」

遊矢「だから今、やるべき事は必ずやる。父親そして12体のジャイアントデビルの破壊」

赤馬「零王の事だ。数年前スタンダードで完成した奴を上回っているだろう。最終計画の内容はシンプル…そして破壊的な」

遊矢「四つの次元を更地にする」

赤馬「ああ…零羅の故郷と同様にな」

遊矢「もう2度と誰も悲しませない…全ての元凶を俺達が」

デニス「えーっと右下にあると思われるのがネオアカデミアの本拠地です」

遊馬「さ、寒いな」

遊矢「外だし飛んでるからな…みんな薄着だし」

アストラル「穴を開けるなんて」

遊星「後で弁償しよう」

瑠璃「何あれ…」

リン「穴だわ…それも12個!」

セレナ「どうしてだ?」

柚子「さ、さあ」

「勇敢なるデュエリストよ…我々と戦いたくばゲートを通って来い」

「我らが相手をしてやろう」

アレン「そうかよ…だったら俺が一番乗りだ!」

遊馬「頼むぜⅣ!」

Ⅳ「じゃあ適当に突っ込むぞ!」

三沢「待て!迂闊に飛び込むのは危険だぞ!!」

カイザー「大丈夫だ。彼ら12人を信じよう」

三沢「しかしだな…」

ユーリ「あの穴…!」

明日香「あ、待ちなさい!」

シンジ「じゃあ暴れてくるか」

デニス「僕は…ここで良いか」

万丈目「何か知らんが行くぞ!!」

沢渡「じゃあ俺は…ここだ!」

三沢「セレナも飛び込んだのか」

カイザー「一緒に姉妹も飛び込んだから大丈夫だろう」

カイト「…」

黒咲「…」

シャーク「あのポンコツコンビは大丈夫かよ」

赤馬「遊矢と柚子も飛び込んだ…おそらく行き先は遊勝の所だろう」

カイザー「それぞれ聞いた事のある声だった」

三沢「ああ」

カイト「離陸しろ」

三沢「最後に聞いておくが」

クロウ「問題ねえよ」

遊星「任せてくれ」

ジャック「…」

蓮「…」

素良「レッドとホワイト…紅白饅頭みたい」

黒咲「亮」

カイザー「吐いた唾は呑まん」

クロウ「っつうか黒咲!お前こそ倒れるんじゃねえぞ」

黒咲「それはお前達だろ」

カイト「しかし一気に減ったが」

赤馬「戦力を分散する作戦…或いは」

カイト「単純に落ち着きがないだけだろ。俺達が」

赤馬「…そう来たか」

デニス「ビショビショだ…何だここ」

ヨハン「水のフィールド」

デニス「って事は第3施設のある場所だね…そして君が施設を護る守護者」

ヨハン「寄虫獣ルビー・パラサイトを攻撃表示で召喚!カードを1枚伏せてターンエンド!」

デニス「ドロー!宝玉虫の使い手ヨハン・アンデルセン…ネオアカデミアが指定した融合次元5人の特記戦力の1人」

ヨハン「ヒヒヒ…それは元の宿主の名だ。俺はドクトルによって生み出されこいつの肉体を頂いたのだ」

デニス「そう…Emフレイム・イーターを攻撃表示で召喚!このカードが召喚または特殊召喚に成功した時、お互いは500のダメージを受ける!」

ヨハン「…」4000→3500

デニス「そして自分に与える効果ダメージが発動した時、手札のEmフレイム・イーターを特殊召喚!」

デニス「レベル4のEmフレイム・イーター2体でオーバーレイ!ショー マスト ゴー オン!天空の奇術師よ、華やかに舞台を駆け巡れ!エクシーズ召喚!ランク4!Emトラピーズ・マジシャン!!」

トラピーズ「…」

デニス「僕と君の共同舞台が虫相手とはね…残念かい?」

トラピーズ「…」

デニス「彼の宝玉獣が嘆いている?そうだね…あんな虫に寄生されて」

ヨハン「ヒヒヒ」

デニス「反吐が出る」

トラピーズ「…」

ヨハン「そうか?俺は感じてるぜ…その証拠にルビーは攻撃力も守備力の変動もない…ちょっと変わった効果があるがね!ヒヒヒ!これが俺と宝玉獣…いや宝玉虫との絆ってか?」

デニス「…バトルだ!トラピーズ・マジシャンでルビー・パラサイトを攻撃!!」

ヨハン「罠発動!『宝玉の双璧』自分フィールドの宝玉虫モンスターが破壊され墓地に送られた時、デッキから宝玉獣モンスターを相手フィールドの魔法または罠ゾーンに寄生する!」

デニス「なっ…」

ヨハン「そして宝玉虫モンスターが破壊された時…破壊した相手モンスターに寄生する事ができる!そして寄生したモンスターの攻撃力と守備力は宝玉虫モンスターの攻撃力と守備力だけダウンする!」

Emトラピーズ・マジシャン攻2500/守2000→攻2200/守1700

ヨハン「お前も運がないなぁ?トラピーズよ」

トラピーズ「…」

ヨハン「初陣らしいけどよ…とんだ奴の下に付いちまったな!」

デニス「…」

ヨハン「このバカ知ってるか?てめえと相棒が企んだ計画で脱獄させやがったんだぜ?大勢のガキ共を!なあデニス!」

デニス「…」

ヨハン「あいつらも組織に居た方が幸せなんじゃなのか?それを勝手な行動で…俺らの敵に回ってよ。寿命を縮ませてるってわかってるか?」

ヨハン「そして自分はスパイとして残る…バレバレ!ぜーんぶバレバレなんだよ!偉大なるドクトルは全てお見通しだ!!」

デニス「言いたい事はそれだけか」

ヨハン「は?」

デニス「お前が寄生してるデュエリストは一流だ。そしてお前は何の取り柄のない二流…その二流を生み出したドクトルは三流以下の虫の親玉じゃないか」

ヨハン「強がるなよ」

デニス「フレイム・イーターの効果ダメージの時だ。お前は確かに恐れていた…虫だからね、炎に弱いって事はわかる。こっちは命賭けてるんだ!それをしょーもない遊び心で僕を生かした連中が悪い…君が駆除されるのもドクトルやプロフェッサーに責任があるよね」

ヨハン「くっ」

デニス「人間の皮を被っちゃ居るが虫は虫…あまり強がらないでくれよ。殺虫剤かけちゃうよ?カードを1枚セットしターンエンド」

ヨハン「俺のターン!宝玉虫コバルト・パラサイトを攻撃表示で召喚!」

デニス「破壊すればトラピーズに寄生する…さて、どうしたもんかな」

ヨハン「俺達が何で12人の守護者なのか教えてやろうか」

デニス「何かやる気だな」

ヨハン「12の惑星の波動だ!そいつをドクトルがカードに変えたんだよ…そいつは宇宙の光と闇の波動にも引けを取らねえ!!」

ヨハン「フィールドの3体の宝玉虫を融合させる事でそいつは出現する!てめえのマヌケなエースモンスターも俺が融合してやるよ!!」

デニス「フィールド…僕の魔法・罠ゾーンのカードとトラピーズに寄生したルビーそしてコバルト…」

ヨハン「こいつが融合を超えた融合!コンタクト融合だ!!」

ヨハン「ザ・トリッピング・マーキュリー!!」

デニス「惑星の波動…聞いた事が無いぞ」

ヨハン「てめえら人間は我が物顔で歩いてやがる!何故だ?人間なんて俺らから見りゃ後から来た連中!それを虐げていいってのか?」

デニス「僕の言うなよ」

ヨハン「だったら見せてやる!融合召喚に成功したトリッピング・マーキュリーは1度のバトルフェイズ中に二度の連続攻撃が可能!じゃあなデニス・マックフィールド!」

デニス「…」

ヨハン「2回攻撃でくたばれ!!」

ドンッッ

デニス「ぐっ!」4000→2000

ヨハン「これで決まりだ!!」

デニス「罠発動!『魔法の筒』相手の攻撃を無効にし、弾き返す!!」

ヨハン「ガァッ!?」3500→1500

デニス「後から来た連中の身体を借りてしかデュエルができない…滑稽な奴だ。人間を小馬鹿にしてるけど君も行動と言動が合致しないんじゃないか?」

ヨハン「こ、こいつ…」

デニス「12体の虫が全員同じなのか知らないけどさ…君が1番弱くて強い人の後ろじゃなきゃ調子に乗れないってのはわかる」

ヨハン「何だと…」

デニス「墓地を見てみなよ」

ヨハン「!?」

デニス「あんまりデュエリストとモンスターの絆を舐めない方がいい。彼ら宝玉獣は理性を取り戻したけど」

ヨハン「はっ!それがどうした?」

デニス「今にわかる」

ヨハン「カードを2枚伏せてターンエンド…宝玉獣…さっさとフィールドに戻れ!」

デニス「僕のターン!(噂には聞いてたけど宝玉獣とヨハンの絆はかなりのものだね。僕も見習わないと)」

デニス「魔法『マジカル・ペンデュラム・ボックス』を発動!デッキから2枚ドローしお互い確認する。それがペンデュラムモンスターだった場合、その2枚を手札に加える」

デニス「2枚ともペンデュラムモンスターだ。僕はスケール1のEmカップ・トリッカーとスケール6のEmオーバーレイ・ジャグラーでペンデュラムスケールをセッティング!」

ヨハン「バカがマーキュリーの効果は二度の連続攻撃だけじゃねえんだ。マーキュリーがフィールドに存在する限りこいつの攻撃力分だけ相手の攻撃力を下げる」

デニス「魔法『死者蘇生』を発動!墓地のEmトラピーズ・マジシャンを特殊召喚!そしてカップ・トリッカーとオーバーレイ・ジャグラーのペンデュラム効果を発動!二体を自分フィールドのエクシーズモンスターに重ねる事ができる!」

ヨハン「良く見てみろよ!」

デニス「攻撃力500!?」

ヨハン「諦めろ…俺の勝ちだ!」

デニス「フッ」

ヨハン「何を笑ってやがるんだ」

デニス「ま、そう来ると思ったよ。カードを1枚セットしターンエンド」

ヨハン「俺のターン!」

デニス「…」

ヨハン「あの眼は何だ…まさか!」

デニス「攻撃しないのかい?」

ヨハン「2度もある筈がねえ…そんな!」

デニス「二度ある事は三度ある…いや二度目だから違うか」

ヨハン「…ターンエンド」

デニス「ドロー!」

ヨハン「違う!あれは魔法の筒じゃねえ…いや…だがしかし!」

デニス「恐るなよ前に踏み出して見なきゃたどり着けない」

ヨハン「もし…あれが同じだったら俺は死ぬ!せっかく得た肉体どころか…この俺自身も!」

デニス「さあ、丁と出るか半と出るか!この舞台の主役は君だ!ターンエンド!」

ヨハン「お、俺のターン!」

ヨハン「ッッ!」

デニス「モンスターが存在しないのに魔法の筒は発動できた。何故だろうね」

ヨハン「!?」

デニス「君を…ヨハン・アンデルセンを救いたい宝玉獣達が巻き起こした奇跡だ。君はふざけ過ぎている」

ヨハン「ひ、卑怯だぞ」

デニス「君に言われる筋合いはないけど」

ヨハン「サレンダーだ…手打ちにしろ!」

デニス「ショー マスト ゴー オン…何があってもやり遂げる。途中でやめてはいけない…わかるね?」

ヨハン「助けろ…!俺は死にたくねえ!」

デニス「同じ舞台に上がった二人のデュエリスト…逃げる事は許さない」

ヨハン「…」

デニス「逃げ道は僕に勝つ事ぐらいじゃない?」

ヨハン「こ、この…殺してやる!お前を殺して俺は生き延びてやる!!バトルだ!!」

デニス「一つだけわかったよ。君達はデュエルでの敗北=消滅」

ヨハン「死ねぇ!!!」

デニス「罠発動!『魔法の筒』」

ヨハン「や、やめろおおおおおおおおおおおお」

デニス「今度はタネも仕掛けもない。正真正銘の効果さ」

ヨハン「ああああああああああああああああああ」1500→0

デニス「先ずは1人目」

ヨハン「ううっ…」

デニス「ヨハンさん!」

ヨハン「こ、ここは」

遊星「ここがマルハーゲ帝国か」

ジャック「そうだな素良」

素良「別に名前は決まってないと思うけど…」

三沢「万丈目は大丈夫なんだろうか」

北斗「沢渡も…心配だ」

カイザー「あのタイプは四つの次元が滅んでもエンジョイしている筈だ」

刃「能天気だもんな」

真澄「出会ってからずっと取っ組み合いの喧嘩してたし」

クロウ「シンパシーってやつか」

ザッザッザ

ザッザッザ

ザッザッザ

赤馬「あれは」

黒「熟練の黒魔術師」

白「熟練の白魔導師」

カイザー「覇王の側近…生きていたのか」

黒「原初の闇の力で生き返ったのだ」

白「ここがお前達の墓場だ!かかれ!!」

アリト「よっしゃあ!!」

ドルべ「アリト!」

アリト「んだよ!アンドロイドマンをスクラップに!」

ドルべ「彼らは人間だ」

アリト「人間!?」

白「感情を失った人間達だ」

黒「今ではプロフェッサーの忠実なる兵士だがな」

赤馬「零王…!」

遊星「是が非でもお前が決着をつけねばな」

ポンッ

赤馬「それは」

遊星「ユーゴのDホイール…乗れるか?」

赤馬「バイクの免許を持っていない」

ミザエル「あのカプセルは何だ?何故そこからバイクが」

遊星「カプセル怪獣と同じ原理だと思えばいい」

赤馬「…」

蓮「君達の世界にアクションデュエルがあるようにシンクロ次元にもライディングデュエルがある。私が思うにライディングデュエルは究極のアクションデュエルだと思うがね」

赤馬「何?」

蓮「運動神経、動体視力、反射神経、集中力そして直感力…その全てを極めなければ頂点には立てない。ライディングデュエルとは奥が深いものだ」

クロウ「ま、オートパイロットモードがあるけどな。でも結局は自分自身の腕が物を言うぜ」

カイザー「奴とはお前が戦え」

Ⅴ「私達が活路を開こう」

ドルべ「君は何も考えず前へ前へ進むんだ」

蓮「乗り方は私の動きを見てくれ…行くぞ零児!」

月影「さあ零児殿」

日影「道中の敵は拙者達に」

赤馬「…行こう!」

遊星「そういうわけだ。俺がお前達の相手をする」

ベクター「ま、気絶させるだけでいいか?」

ドルべ「当然だ!今日だけは私の言う事を聞いてもらうからな!」

黒咲「瑠璃、リン…己の運命を変えたいなら奴らを倒せ」

瑠璃「私達が?」

リン「どうしてよ」

黒咲「あいつらに勝たねばお前達もユート達も明日がない」

黒「死ねえ!!!」

瑠璃「!?」

リン「この!」

白「ふふふ!」

「ワンワン!」

カイザー「野犬!?まさかあの時の!」

ジャック「奴らを見ろ。口にカワウソを咥えているぞ」

遊星「許さん!この黒い野犬集団は俺達がやるぞ!」

ジャック「うむ!」

北斗「しかし酷いな…ここが周りには建造物が何も無い…」

素良「あいつは一欠片の情がない。僕達のような拉致された子供も道具のようにしか思ってなかった…」

Ⅲ「…」

素良「そして訓練中に亡くなった子供達を…あいつらはゴミを捨てる感覚で…」

Ⅲ「僕達が居る限り誰にも負ける気はしないよ」

素良「…」

Ⅲ「だからユートや瑠璃達の未来と同じように融合次元の未来も切り開こう!ね?」

素良「…うん!」

零王「猿共が侵入して来たか…計画通りだな」

遊勝「当然さ」

零王「しかし出来損ないのレイそっくりだ…この私に逆らうとは」

バレット「次こそは黒咲隼を!」

零王「お前には何も期待しておらん」

バレット「し、しかし!」

零王「お前は殺される事で怒りと憎しみを糧に再生しパワーアップする…1度目は許可する。だが2度も同じ奴に敗北した無能者に何の価値がある」

バレット「こ、これは私と黒咲隼の因縁…戦士として!」

零王「戦士?くだらん」

遊勝「ははは!良いじゃないか零王」

バレット「…」

遊勝「無い知恵を振り絞り今日まで彼は貢献してきた。そうだろバレット」

バレット「はい…」

遊勝「彼に知性を求めるなど馬鹿らしい」

零王「負ければ自害せよ。これは私の命令だ」

バレット「…了解しました」

遊勝「では私も愚かな息子とあの子を始末するか」

零王「レイの力を最も宿した柊柚子…これは面白いショーだ」

遊勝「そっちもそっちで零児が迫っているぞ」

零王「どいつもこいつも私に逆らうとは話にならん。おい」

バオウ「はっ!」

零王「柊柚子の首を跳ね飛ばし我が眼前に持って来い」

遊勝「君達覇王五人衆を生き返らせてやったんだ。有難く第二の生を使うんだ…全ては私の為に」

カイト「俺も先に進む…ドクトルの居場所は何処だ」

素良「えーっとね」

カイト「移動しながら説明してもらうぞ、来い」

素良「あ、待ってよ!」

黒咲「…」

シャーク「大乱戦だな」

クロウ「早え話が大人数で俺らを潰しに来てるんだろ?無関係な人間を使って」

黒咲「下がれ」

クロウ「あ?」

ザッ

バレット「…」

黒咲「そいつらは護衛か?」

タイタン「我が名はタイタン!原初の闇の力により現世へ蘇ったのだ!!」

シャーク「何が原初の闇だ!ふざけやがって」

斎王「…」

クロウ「こっちは何だ」

カイザー「恐らく洗脳されているのだろう…そして」

藤原「…」

カイザー「藤原優介…そうだな」

藤原「さすがは丸藤だ。僕を覚えているなんて」

カイザー「1度デュエルをした相手は忘れん。たとえお前が黒魔術に手を染めてもな」

藤原「ついて来なよ」

カイザー「ああ」

黒咲「いい加減に決着をつけるぞ」

バレット「そのつもりだ」

シャーク「…」

タイタン「デュエルしろ!」

ドスッッ

タイタン「ううっ…」

シャーク「後にしろ。うるせえんだよ」

タイタン「何で最近のガキは…こうクソ生意気なんだ…」

黒咲「…」

バレット「デュエリストとしても一流だ。野呂守やセルゲイとかいう奴とのデュエルを見ての感想だがな」

黒咲「格下のチビと薄汚れた獣とのデュエルを見てか?まあ妥当だろうな」

バレット「…」

黒咲「俺のような奴が本来デュエリストを名乗る方が烏滸がましい」

バレット「…」

スッ

バレット「もういい」

黒咲「俺達の戦いに決着をつけてやる」

スッ

バレット「もう小細工は抜きだ」

黒咲「…始めるぞ」

コンッ

バレット「黒咲イイイイイイイイイイイイ!!!!!」

黒咲「ふん」

シャーク「あれから一年か…」

一年前

ドンッ

シャーク「おい!」

黒咲「…」

シャーク「何処に目をつけてやがるんだ!!」

黒咲「ルーキーか」

シャーク「あ!?」

黒咲「ドロップアウトして日が浅いガキだな」

シャーク「そ、それが何だってんだ!」

黒咲「1度グレたら2度と戻れぬぞ」

シャーク「はあ?」

黒咲「人を殴った感触が拳に染み付く」

シャーク「それが何だってんだ!グレるのにルールなんて居らねえだろうが!!」

黒咲「…」

サッ

シャーク「あ、てめえ!」

黒咲「他人を殴り飛ばした事も無いんだろ。もっと気合を入れろ」

シャーク「うるせえ!!!」

黒咲「だったら勉強しろ」

バゴッッッ

シャーク「ガハッ!?」

黒咲「お前じゃ無理だ」

シャーク「…」

翌日

黒咲「…お前」

シャーク「よぉ」

黒咲「また殴られに来たのか」

シャーク「俺はデュエルを捨てたんだよ!文句あっか!?」

黒咲「デュエリストは何があってもデュエルを捨てられぬ」

シャーク「証拠があるってのか」

黒咲「俺がいい例だ。無様にデュエルにしがみ付いている」

シャーク「ペッ!それが不良の頂点か?情けねえ!聞いたぜ!てめえがハートランドシティの不良の頂点だってな!」

黒咲「…」

シャーク「受け取れよ」ポイッ

黒咲「何だこれは、ゴミか?」

シャーク「南ハートランド中のボタンよ。あんたにボコボコにされてニヤついてたからよボコってやった」

黒咲「…」

シャーク「20個はあるんじゃねえか?俺も後には引き返せないだろうな」

黒咲「名は」

シャーク「神代凌牙」

黒咲「俺に2度も喧嘩を挑んで来たのは貴様が始めてだ」

シャーク「俺の行く道に未来も希望もねえ…たった1人の妹さえも守れねえ腰抜けだからな」

黒咲「妹か…」

シャーク「ここじゃ目立つ」

黒咲「ああ」

シャーク「こっち来いよ」

アレン「すっげえな!」

サヤカ「瑠璃!こっちこっち!」

瑠璃「兄さん!」

黒咲「…」

瑠璃「ちょっと…大丈夫!?」

黒咲「触るな!」

シャーク「…」

黒咲「こいつは1人で立ち上がる。手出し無用」

瑠璃「どうして、こんな事ばかりするの!」

黒咲「俺だからだ」

瑠璃「デュエルもしない癖に学校へは来る!その癖デッキだけは肌身離さず持ってる…何がしたいのよ!」

黒咲「力」

瑠璃「力?」

黒咲「俺には親父に変わって瑠璃とおふくろを守る義務がある」

瑠璃「そんなの…お父さんだって喜ばないわよ」

黒咲「だろうな」

瑠璃「じゃあ何で」

黒咲「聞きたいのなら俺より強いデュエリストを連れて来い」

瑠璃「兄さん…」

アレン「何か、倒れてるあいつとは何処かで会いそうだぜ」

サヤカ「不良よ?何か中学に上がるのが怖くなって来た…ああいう人や隼がゴロゴロ居たんじゃ虐められそう」

アレン「そうか?俺は怖いけど憧れるよ。強えんだから」

シャーク「こ、ここで…負けて…たまるかよ…へっへっへ…食らいついたら離さねえぞ…俺は」

黒咲「バトルだ」

ドーベルマン犬飼「ぎゃああああああああああああああああ」

「こ、これで黒咲隼は10回の防衛に成功だ!地下デュエル場の王者!黒咲隼!!!」

「黒咲!黒咲!」

「黒咲!黒咲!」

「黒咲!黒咲!」

チンパンジー猿山「私の眼に狂いは無かったようですね」

黒咲「…」

猿山「しかし表舞台でも十分に活躍できるでしょう?何故、私の勧誘を承諾したのですか?」

黒咲「俺とデュエルをする奴は2度とデュエルなどしようと思わない」

猿山「ほほほほ!ではスターをもう1人用意しましょう!二枚看板で表舞台のプロや腕利きを倒すのです」

黒咲「もう1人?」

猿山「神代凌牙!彼はプロ間違い無しと言われた天才デュエリスト…しかし!不正行為を働きデュエル界から追いやられた」

黒咲「あいつが」

猿山「どうでしょう?なーに心配は入りませんよ!彼となら」

ガシッ

猿山「グェッ!?」

黒咲「あいつと接触してみろ。首の骨をへし折ってやる」

猿山「ちょ、ちょっと待って!」

黒咲「わかったな」

猿山「は、はい…」

黒咲「不正などする奴に見えんかったがな」

猿山「へ?」

黒咲「…」

シャーク「待ってたぜ」

黒咲「あれから一週間…3度目だな」

シャーク「勝つまでやる。あんたは俺の目標だ」

黒咲「デュエルの世界に帰れ」

シャーク「断るぜ」

黒咲「バカな奴だ」

シャーク「チッ」

黒咲「で?どうする」

シャーク「大人になりゃ嫌でも社会の壁にぶち当たる。俺は何だっていい!ガキの頃やりてえ事だけをやってやるよ!!」

黒咲「…」

シャーク「俺は輝きを奪われた…だが恵まれた肉体がある」

黒咲「なら気が済むまでやってやる。徹底的にな」

シャーク「そうか…よっ!」

ドガッッ

黒咲「…」

シャーク「油断してんじゃねえ!もう始まってんぞ!!」

黒咲「殴られたのは久しぶりだ」

シャーク「勝つまでやる!何度だって俺はやってやる!!」

黒咲「思い上がるなよ」

シャーク「そりゃ、あんたの方だぜ!!」

黒咲「…」

シャーク「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」

シャーク「それから数日だ…隼がチンピラ5人をボコボコにしてパトカー3台も焼く暴れっぷりを見せたのは」

ゴスッッ

ゴスッッ

タイタン「に、人間同士の殴り合いじゃないぞ…」

シャーク「目標を失いチンピラ以下の存在になった俺は遊馬と出会った。そして再び隼と再会した」

黒咲「フンッッ!!」

シャーク「俺も丸くなっちまったせいか完全にビビったよ…なあ隼」

ゴンッッ

黒咲「ッッ!!」

ガシッ

黒咲「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

バレット「!?」

シャーク「何かを目標にする…そりゃ遊馬と同じだ。あいつにはカイトが居る…目標があるってのは楽しい事だぜ」

黒咲「ハァッ!!!」

バレット「ガードもせず…真っ向から私を…」

黒咲「負けられぬ理由がある。俺が殴り合いで敗北するのは!」

ダンッ

黒咲「あいつに取ってある!」

ゴンッッ

バレット「こいつ…私とは違う…まさに戦士…」

黒咲「…」

バレット「だが私も戦士!命果てるまで戦おう!」

黒咲「フッ」

シャーク「おい」

タイタン「私と殴り合いでもするのか」

シャーク「デュエルだ」

タイタン「笑止!私とデュエルだと?原初の闇の力でパワーアップした私の力を見よ!!」

シャーク「セイバー・シャークを攻撃表示で召喚!そしてサイレント・アングラーの効果で手札から特殊召喚!セイバー・シャークの効果を発動!セイバー・シャークは1ターンに2度フィールドの魚族モンスターのレベルを一つ上げる!」

シャーク「レベル5のセイバー・シャークとサイレント・アングラーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク5!No.73激瀧神アビス・スプラッシュ!!」

シャーク「カードを2枚伏せてターンエンド」

タイタン「私のターン!フィールド魔法『伏魔殿-悪魔の迷宮』を発動!そして戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモンを攻撃表示で召喚!」

シャーク「レベル8のモンスターをリリース無しで召喚だと?」

タイタン「但しリリース無しで召喚した場合、このモンスターの攻撃力と守備力は半分になる…しかぁし!フィールド魔法『伏魔殿-悪魔の迷宮』の効果を発動!自分フィールドのデーモンと名のつくモンスターを除外し手札またはデッキ、墓地から同レベルのデーモンと名のつくモンスターを特殊召喚する!私はデッキから2体目の戦慄の凶皇-ジェネシス・デーモンを特殊召喚!!」

タイタン「カードを1枚伏せてターンエンド!」

シャーク「俺のターン!」

タイタン「永続罠『闇次元の解放』を発動!除外されている闇属性モンスターをフィールドに特殊召喚する!」

シャーク「同じレベルのモンスターが2体?エクシーズ…のわけがねえか」

タイタン「暗闇の恐ろしさを知っているか?」

シャーク「知らねえよ」

タイタン「あれは恐怖としか言いようがない…しかし!プロフェッサーが私達の住む世界と裏宇宙の境界を破壊し私は再び復活する事ができたのだ!」

シャーク「目的は何だ」

タイタン「知らんよ。だがプロフェッサーは人間の持つ愛や情などは一切持ち合わせていない…あれこそが悪!私が崇高する悪のカリスマなのだ!!」

シャーク「悪のカリスマ?遊矢の中に居るザークの話と赤馬の話を聞く限りクソ野郎じゃねえか?どうせバカな顔したアホなんだろ?」

タイタン「取り消せ!!!」

シャーク「取り消せだと?何度でも言ってやるよ!ただのアホだってな!!」

タイタン「後悔させてやる…貴様の発言を!!」

シャーク「アビス・スプラッシュのオーバーレイ・ユニットを一つ使い相手のエンドフェイズ時まで攻撃力を倍にする!」

タイタン「なっ!?」4000→3100

シャーク「但し与えるダメージは半分だがな」

タイタン「速攻魔法『デーモンとの取り引き』を発動!レベル8以上のモンスターが破壊された場合、手札またはデッキからバーサーク・デッド・ドラゴンを特殊召喚する!」

タイタン「そしてジェネシス・デーモンの効果を発動!手札または墓地のデーモンモンスターを除外し相手フィールドのカードを選択し破壊する!」

シャーク「罠発動!『激流蘇生』自分フィールドの水属性モンスターが戦闘または効果で破壊された時に発動する!破壊されたモンスターを特殊召喚しモンスターの数×500のダメージを与える!!」

タイタン「くっ…カードを1枚伏せてターンエンド!」3100→2600

シャーク「俺のターン!RUM-バリアンズ・フォースを発動!カオス・エクシーズ・チェンジ!CNo.73激瀧瀑神アビス・スープラ!!」

タイタン「何が来ようと同じ罠『ヘイト・バスター』の効果でお前のライフを空にしてくれる!」

シャーク「アビス・スープラのオーバーレイ・ユニットを一つ使いアビス・スープラはダメージ計算時のみ戦闘を行うモンスターの攻撃力分アップする!!」

タイタン「罠発動!」

シャーク「アビス・スプラッシュを素材にしたアビス・スープラは効果では破壊されねえ!!」

タイタン「バカな!?」

シャーク「理由は知らねえが生き返ったなら命を大事にしろ!たった1度の人生だからな!!」

タイタン「お、お前の名は!」

シャーク「神代凌牙だ!!」

タイタン「またまたガキに敗北するのか!?」

シャーク「バトルだ!!」

タイタン「おおおおおおおお!?」2600→0

シャーク「…」

タイタン「そ、そんな…今回は闇に飲まれなくてセーフだが…悔しい」

シャーク「あの箒頭は大丈夫なのかよ」

タイタン「む、無念…」

斎王「当然正位置!」

クロウ「…」

斎王「何!?」

クロウ「デュエルってのはデッキとデュエルの絆で始めて成立するもんだ」

斎王「バカな!この斎王の肉体はドクトルが提供した中でも…」

クロウ「どういう理屈か知らねえがお前じゃ操れねえってわけだろ」

斎王「くっ…」

クロウ「(そんなギャンブルデッキを縦横無尽に振り回す斎王ってのは相当強え奴だろうな)」

斎王「だったらデュエルなど関係ないわ!!」

クロウ「1度デュエルの土俵に立ったなら最後までやりやがれ!!BF-アーマード・ウィングで攻撃!!」

ドサッ

斎王「…」

シャーク「終わったか」

クロウ「何か耳から出てるぞ」

シャーク「虫じゃねえか!気持ち悪りいな」

三沢「これは」

クロウ「うおっ!?」

シャーク「いつの間に居たんだ」

三沢「デュエルモンスター…だが何処かで見た姿だ。確か…」

クロウ「黒咲は」

シャーク「終わったっぽいぜ」

三沢「そ、そうか…この虫は」

バレット「私の負けだ…」

黒咲「潔いな…もう俺も十分だ」

バレット「お前と私の差が理解できた…お前には背負うべき者が大勢居る…それは大義名分の為に戦って来た私の敵とは違う…」

黒咲「もう眠れ」

バレット「3度目か…何度やってもお前に勝てるビジョンが浮かばぬ…」

黒咲「…」

バレット「だが覚えておけプロフェッサー達はお前達の常識を超えている…」

黒咲「それも榊遊矢から聞いている。奴ら…いや奴の正体もな」

バレット「…」

黒咲「レイなど知らん。だが瑠璃は俺の妹!俺が戦う理由はそれだけで十分」

バレット「血の繋がった娘を侮蔑するプロフェッサーとは違うな…私も人の事は言えぬが…人間として破滅的な人物だ。数千年もプロフェッサーに仕えて来た私が言うんだ」

黒咲「…」

バレット「不死身の私も…怒りも恨みも無い…満足できた長い長い時を経て…さらばだ黒咲隼…お前は私の生涯で出会った最初で最後のライバルだ…」

黒咲「…」

バタッ

黒咲「さすがに動けぬか…バレットめ」

シャーク「…」

クロウ「…」

シャーク「寝てろよ隼」

クロウ「その代わり死ぬんじゃねえぞ」

黒咲「…」

クロウ「俺らは終わったけどユーゴやシンジは何やってんだかな」

シャーク「遊馬達もな」

シンジ「金ぴかじゃねえか!ちょっと削って持って帰ってもバチは当たらねえわな」

レジー「…」

シンジ「お前が守護者か?こりゃラッキーだぜ!パツキンゲロマブのボインなんてよ」

レジー「人間とは外見で判断するのか?」

シンジ「野太い声してんな…おっさんか?チェンジ」

レジー「レジー・マッケンジー…デュエルアカデミアアメリカ校の生徒らしい」

シンジ「ラージナンバーズ?ま、何でもいいや」

レジー「人間の身体は便利でいい。何でもできる」

シンジ「そりゃ良かったな」

レジー「ここは第5施設…別名・金のフィールド」

シンジ「へえ…金ね。金のかかった施設だぜ」

レジー「人の話を聞いているのか」

シンジ「聞いてるよ。てめえの名前がラージナンバーズで俺がお前を倒すって話だろ」

レジー「私を舐めるな」

シンジ「舐める価値もねえだろ?話の流れから察するに他人様の身体借りて動いてる変なのってな!」

レジー「下手すればお前の一撃でこいつは死ぬ可能性もある」

シンジ「それが何だ?そいつは俺と知り合いでもねえし…別にいいんじゃね?」

レジー「狂っているな」

シンジ「俺は正常だぜ」

レジー「デュエルだ」

シンジ「それを待ってた」

レジー「お前の思い上がりを叩き潰してくれる!」

シンジ「…」

シンジ「じゃあ俺から行くぜ、水晶機巧-ローズニクスを攻撃表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

レジー「私のターン!勝利の導き手フレイヤを攻撃表示で召喚!そして永続魔法『コート・オブ・ジャスティス』を発動!自分フィールドにレベル1の天使族モンスターが存在する場合、手札から天使族モンスターを特殊召喚が可能!私は手札から光神テテュスを攻撃表示で召喚!」

シンジ「天使っつうか虫が出てやがる…気持ち悪りい!」

レジー「勝利の導き手フレイヤがフィールド上に存在する限り自分フィールドの天使族モンスターの攻撃力と守備力は400アップする!」

シンジ「罠発動!『クリストロン・エントリー』自分の手札と墓地からチューナーモンスターを1体ずつ選び特殊召喚する!あいにく墓地にはモンスターが存在しねえ、だから手札から水晶機巧-クオンを特殊召喚!クオンの効果を発動!クオンは相手のメインフェイズ及びバトルフェイズで手札のチューナー以外のモンスターを特殊召喚しシンクロ召喚を可能にする!俺は手札から水晶機巧-シストバーンを特殊召喚!」

シンジ「レベル3の水晶機巧-シスト・バーンにレベル1の水晶機巧-クオンをチューニング!シンクロ召喚!レベル4!シンクロチューナーモンスター・水晶機巧-クオンダム!!」

レジー「シンクロのチューナーだと?」

シンジ「驚いてんじゃねえよ、っつうか虫がはみ出してる天使のが驚きだぜ!」

レジー「バトルだ!光神テテュスで水晶機巧-クオンダムを攻撃!」

シンジ「罠発動!『シンクロン・リフレクト』相手モンスターの攻撃を無効にし相手フィールドのモンスターを1体選び破壊する!テテュスの攻撃を無効!そしてフレイヤを破壊だ!!」

レジー「くっ…カードを1枚セットしターンエンド!」

シンジ「俺のターン!墓地のクリストロン・エントリーを除外しデッキから水晶機巧モンスターを墓地へ送る!そしてフィールドに存在する水晶機巧モンスター1体を対象に墓地へ送ったモンスターと同じレベルになる!俺が送ったモンスターのレベルは5!ローズニクスのレベルを5に変更!」

シンジ「シンクロを超えたシンクロを見せてやるよ」

レジー「シンクロを超えたシンクロ?まさか」

シンジ「てめえら情報持ってんだってな?こいつは俺のダチの得意技だって」

レジー「偉大なるドクトルの調べではシンクロ次元には二つの特別なシンクロ召喚があると聞いた」

シンジ「よく調べてんな?探偵かよ」

レジー「ドクトルは偉大だ」

シンジ「偉大?そのドブクサとかいう奴は偉大なのか?変な名前の癖に」

レジー「ドクトルだ!」

シンジ「どうせ生まれた時にドブみたいな臭いしてたから名付けられたんだろな。可哀想によ」

レジー「き、貴様」

シンジ「ちなみに俺はシンジ・ウェーバーだ!頭に刻んどけよ?」

シンジ「水晶機巧-リオンを攻撃表示で召喚しカードを1枚伏せてターンエンド」

レジー「ターンエンドだと!?」

シンジ「俺の自由だろ?ほらお前のターンな」

レジー「ドロー!」

シンジ「へっへっへ」

レジー「こいつバカそうに見えて何かを企んでいる…一体何を」

シンジ「…」

レジー「テテュスがフィールドに存在する限りドローしたカードが天使族だった場合、もう1度ドローができる。ドロー!魔法『死者蘇生』を発動!勝利の導き手フレイヤを墓地から特殊召喚!」

レジー「コート・オブ・ジャスティスの効果で手札から神聖なる魂を特殊召喚!光神テテュスでクオンダムを攻撃!フレイヤの効果により攻撃力と守備力は400アップ!忌々しいクオンダムを墓地へ送ってやる!!」

シンジ「罠発動!『チューナーズ・バリア』選択したモンスターは戦闘または効果では破壊されねえ!」

レジー「だがダメージは受けてもらうぞ!」

シンジ「…」4000→3000

レジー「ターンエンド」

シンジ「俺のターン…やったぜ!」

レジー「何!?」

シンジ「水晶機巧-クオンを攻撃表示で召喚!」

シンジ「レベル5の水晶機巧-ローズニクスにレベル1の水晶機巧-クオンとレベル3の水晶機巧-リオンをダブルチューニング!!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

シンジ「こいつの本来の持ち主の声が聞こえるぜ…けど悪いが遊星とジャックには手を出させねえよ。何処からか俺のデュエルを見てろよ!シンクロ召喚!!」

レジー「!?」

シンジ「レベル9!水晶機巧-グリオンガンド!!」

シンジ「効果を発動!除外したモンスターの数だけ相手フィールドのモンスターを除外する!!」

レジー「チッ」

シンジ「行くぜラージナンバーズ!グリオンガンドで攻撃!」

レジー「罠発動!『攻撃の無力化』お前の攻撃を無効にする!」

シンジ「まだクオンダムが残ってるぜ!」

レジー「ガハッ!」4000→2200

シンジ「墓地のローズニクスの効果を発動!ローズニクスを除外し水晶機巧トークンを1体特殊召喚!ターンエンド」

レジー「ドロー!負けてたまるか…どんな事をしてでも私は勝つ!速攻魔法『次元融合』を発動!ライフを2000払い可能な限り除外されているモンスターを特殊召喚する!」2200→200

シンジ「そりゃ禁止カードじゃねえか」

レジー「勝つ為なら手段など選ばぬ!文句あるか」

シンジ「ねえよ。俺だって人の事は言えねえ柄だからな」

レジー「私は帰還した3体のモンスターでコンタクト融合!融合召喚!スプレンディッド・ヴィーナス!!」

シンジ「ヴィーナス?金星か」

レジー「学の無い顔をしているが良く理解できたな」

シンジ「だから金のフィールドか?言っとくが金星ってのは灼熱らしいぜ?行った事ねえけど」

レジー「効果を発動!このモンスターがフィールドに存在する限り天使族モンスターの攻撃力と守備力は500ダウンする!」

レジー「やれヴィーナス!グリオンガンドを破壊せよ!!」

シンジ「…悪りいな出番あんだけで、だがグリオンガンドが戦闘または効果で破壊された時、除外されているモンスターを1体特殊召喚する!」3000→2700

シンジ「てめえがプライドの高いタイプで良かったぜ。普通ならトークンを攻撃すりゃ俺の負けだってのによ」

レジー「なら何故トークンを召喚したのだ」

シンジ「博打よ!丁と出るか半と出るか俺にもわからねえしよ」

レジー「その博打にまんまと私は」

シンジ「手段を選ばねえとか言いながらグリオンガンドを倒すって確固たる信念が丸出しだったぜ。今日の運は最低だな!」

レジー「くっ…ターンエンド」

シンジ「俺のターン!」

シンジ「墓地の水晶機巧-シストバーンの効果を発動!こいつを除外しデッキからクリストロンモンスターを手札に加える!そして俺は水晶機巧-プラシレータを攻撃表示で発動!プラシレータの効果を発動!自分フィールドのカードを破壊しデッキからクリストロン・チューナーモンスターを特殊召喚する!水晶機巧トークンを破壊し俺は水晶機巧-リオンを特殊召喚!」

シンジ「レベル2の水晶機巧-プラシレータにレベル3の水晶機巧-リオンをチューニング!シンクロ召喚!レベル5!水晶機巧-アメトリクス!!」

レジー「だが…いや待て!」

シンジ「アメトリクスの効果で相手フィールドのモンスターを守備表示に変更!」

レジー「レベル5の水晶機巧-アメトリクスにレベル4の水晶機巧-クオンダムをチューニング!」

「不動遊星…お前を倒すのは俺だけだ。この総力を結集し生み出した水晶機巧で貴様のクリアマインドを破ってくれるわ!!」

シンジ「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」

パリンッ

パリンッ

レジー「!」

シンジ「シンクロ召喚!」

レジー「2度の特殊なシンクロ召喚の影響で…施設が!」

シンジ「壊れるなら勝手に壊れろ!だがお前のライフは0にしてやるよ!!」

レジー「いいだろう!だが代償としてお前も押し潰されるかもな!」

シンジ「デュエルして死ぬなら本望よ!だが俺は死なねえよ」

レジー「何!?」

シンジ「運を握ってるからな」

レジー「減らず口を…!」

シンジ「シンクロ召喚!」

ドンッッ

シンジ「レベル9…!水晶機巧-フェニキシオン!!」

レジー「なっ…」

シンジ「ケリをつけようや」

黒「魔法『古のルール』を発動!レベル5以上の通常モンスターを特殊召喚する事ができる!私はブラックマジシャンを特殊召喚!」

瑠璃「ブラックマジシャン!?」

黒「エクシーズ次元人のお前も知っているのか?」

瑠璃「伝説のデュエリストのみが扱えるモンスター…それを何で」

黒「選ばれているからだ!かつて私はエド・フェニックスに敗北し消滅した…だが原初の闇が私達を再び現世へ戻したのだ。それが赤馬零王!原初の闇の力を操る男…そしてお前の父!」

瑠璃「私の父は私が3歳の時に亡くなった…空軍パイロットの父だけよ!」

黒「はっ!何をほざくか、カードを1枚伏せてターンエンド!」

瑠璃「私のターン!LL-コバルト・スパローを攻撃表示で召喚!召喚に成功した事で鳥獣族レベル1モンスターを手札に加える。そして自分フィールドに鳥獣族モンスターが存在する事でLL-サファイア・スワローを特殊召喚!サファイア・スワローの効果で手札からLL-コバルト・スパローを特殊召喚!」

瑠璃「私はレベル1のLL-コバルト・スパロー2体とLL-サファイア・スワローでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク1!LL-アセンブリー・ナイチンゲール!!」

黒「お前を始末しろだとさ恐ろしい父親だな?あの男を一目見て確信したよ。あいつにとって自分以外はゴミ…それ以下か?ははは」

瑠璃「だったら尚更、父親を名乗る資格なんてない!」

黒「何処かで見ているんじゃないか?命令はたった一つ!私の前で出来損ないの娘達を始末しろ…だとさ」

璃緒「何て人間なの…それでも」

黒「人間など超越したお方なのだろうよ!」

瑠璃「アセンブリー・ナイチンゲールはオーバーレイ・ユニットの数だけ1度のバトルフェイズに攻撃ができる!3回!合計で1800のダメージよ!」

黒「直接攻撃!?」

瑠璃「一つ!」

瑠璃「二つ!」

瑠璃「三つ!」

黒「笑止!」4000→2200

瑠璃「カードを1枚伏せてターンエンド!」

黒「私のターン!」

璃緒「負けないで瑠璃!そんな奴コテンパンにしちゃいなさい!」

黒「私のターン!魔法『千本ナイフ』を発動!ブラック・マジシャンが存在する事で相手モンスターを破壊する!」

瑠璃「罠発動!『エクシーズ・リフレクト』相手の魔法・罠・モンスター効果を無効にし相手に800のダメージを与える!」

黒「くっ」2200→1400

黒「ならばブラック・マジシャンで攻撃!伝説の一撃を受けるがいい!!」

瑠璃「LL-アセンブリー・ナイチンゲールのオーバーレイ・ユニットを一つ戦闘、効果では破壊されずダメージは0となる!」

黒「相手にダメージを与えるだけ与え貴様は逃げる気か!ひれ伏せ!敬え!お前の目の前に居る伝説のモンスターを!!」

瑠璃「それは伝説のデュエリストが使ってこその伝説よ。その金看板だけで戦ってるあなたはモンスターと心と心で繋がっちゃいない!」

黒「ターンエンド!」

瑠璃「私のターン!ドロー!アセンブリー・ナイチンゲールで直接攻撃!」

黒「ふざけるなよ…小娘!貴様は父親に見捨てられた哀れな女だ!!」1400→600

瑠璃「でも生まれ変わった私は頭のおかしい父親に縛られず鳥のように自由に羽ばたいているわ。魔法『融合』を発動!」

黒「融合だと!?」

瑠璃「あなた達ネオアカデミアによって故郷を滅ぼされ自分は苦痛を伴う訓練を強いられて来た子から貰ったのよ」

黒「は、はあ?私は知らんぞ!」

瑠璃「だったら知らなくていい…永遠に!」

瑠璃「フィールドのLL-アセンブリー・ナイチンゲールと手札のターコイズ・ワープラーで融合!融合召喚!LL-インディペンデント・ナイチンゲール!」

瑠璃「心を持った人間よ。LL-インディペンデント・ナイチンゲールの効果を発動!オーバーレイ・ユニットの数だけレベルを上げる!これによりレベルは2!そして攻撃力はレベル×500アップする!」

黒「はっ!その程度か?所詮は小鳥よ。知恵も鳥と同じだな!伝説だぞ伝説!鳥が倒せるのか?この私が伝説を支配している!!」

瑠璃「インディペンデント・ナイチンゲールは1ターンに1度、相手にレベル×500のダメージを与える」

黒「500?500×2は」

瑠璃「1000」

黒「ああ…あああああああああああああああああ!!!」

瑠璃「…」

リン・白「デュエル!!」

リン「先攻は貰うわ!自分フィールドにモンスターが存在しない事でWW-アイス・ベルを特殊召喚!そして2体目のWW-アイス・ベルを攻撃召喚!アイス・ベルの効果を発動!1ターンに1度召喚または特殊召喚に成功した時、相手の500のダメージを与える!」

白「…」4000→3500

リン「そして自分フィールドにモンスターが2体以上存在する事で手札からWW-スノウ・ベルを特殊召喚!レベル3のアイス・ベル2体にレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!レベル7!WW-ウィンター・ベル!!」

リン「WW-ウィンター・ベルの効果を発動!墓地のWWモンスター×200のダメージを与える!」

白「チマチマと…それがシンクロ次元流か?」3500→2900

リン「カードを1枚伏せてターンエンド!」

白「私のターン!破壊剣士の伴竜を攻撃表示で召喚!破壊剣士の伴竜の効果を発動!このモンスターをリリースしデッキからバスター・ブレイダーを特殊召喚!!」

リン「バスター・ブレイダー!?」

白「うむ…如何なるドラゴンをも叩っ斬る戦士!それが例えギャラクシー・アイズだろうとシグナーだろうと四天の竜だろうとな!まさに貴様達にうってつけのモンスターよ!!」

リン「別にドラゴンじゃないけど」

白「ならば死ね。それが新しい主の望み…お前の父親のな」

リン「私に父親なんて居ないわよ。居るのは同じハウスで育った子達!それ以外の家族なんて必要ないわ」

白「…だが勝つのは私だ!手札の破壊剣-ウィザードバスターブレードを装備!これにより相手は墓地からの効果の発動を不可能にする!」

白「これだけは頭に叩き込んでおけ!私は覇王の側近だった男よ。覇王だぞ?お前達の仲間に居る覇王の力を色濃く継いだ遊城十代に仕えていた!側近中の側近!更に私はエド・フェニックスをも追い込んだ!!」

リン「ベラベラとうるさいのよ!他人が強くても、あんたが強くなけりゃ意味なんてない!」

白「何を?私が弱いと言うのか!」

リン「本当に強い男はベラベラと語らないものよ。遊星とジャックみたいにね」

白「くっ…」

リン「それに十代とエドって人は、あんた何か眼中に無いんじゃない?煩すぎるのよ」

白「ならば貴様のモンスターを叩き斬ってくれるわ!」

リン「罠発動!『シンクロン・リフレクト』相手モンスターの攻撃を無効にし破壊する!」

白「!?」

白「カードを1枚伏せてターンエンド」

リン「私のターン!」

白「罠発動!『破壊剣の追憶』デッキからバスター・ブレイダーを特殊召喚!そして墓地のこのカードと破壊剣士の伴竜を除外し竜破壊の剣士バスター・ブレイダーをエクストラデッキから特殊召喚する!」

リン「ウィンター・ベルの効果を発動!墓地のWWモンスターを対象に、そのモンスターのレベル×200のダメージを与える!ダメージを与える!」

白「足掻くがいいさ」2900→2300

リン「そして魔法『融合』を発動!自分フィールドのWW-ウィンター・ベルと手札のWW-グラス・ベルで融合!融合召喚!レベル8!WW-クリスタル・ベル!!」

リン「WW-クリスタル・ベルでバスター・ブレイダーを攻撃!」

白「…」2300→2100

リン「ターンエンド」

白「私のターン!手札の破壊剣-アームズバスターブレードを装備!これにより相手の魔法・罠は通用しない!しかし!それだけじゃないぞ!装備されたアームズバスターブレードを除外する事でこのターン攻撃力を1000上昇させる!消え失せろクズモンスター!バトルだ!!!」

リン「うっ…クリスタル・ベルが破壊された時、墓地のウィンター・ベルとレベル4以下のWWモンスターを特殊召喚できる!私はWW-アイス・ベルを特殊召喚!WW-アイス・ベルが特殊召喚に成功した事で500のダメージを与える!」4000→3000

白「ターンエンド」2100→1600

リン「私のターン!ドロー!」

白「まさか融合を使うとはな…憐れみか?この荒廃した世界で感情の失った人間の住む世界でデュエルを失った世界でシンクロ次元の人間が融合を使用している!」

白「さすがはプロフェッサー!生温い制圧しか出来なかった覇王十代とは違う!これこそが私の望む世界!そして残り三つの次元も同じようになるのだ!」

リン「うるさいっての…ウィンター・ベルの効果を発動!墓地のクリスタル・ベルのレベル×200のダメージを与える!」

白「な、何だと…」

リン「この融合カードは素良がくれたカードよ。あんた達に虐げられて来た子のね」

白「し、知らん!私は新参者だぞ!?八つ当たりだ!」

リン「そしてカードをクズと罵る奴を私は許さない」

白「あ、相棒…は!?あいつもライフを0にされているのか!?」

リン「そんな奴の野望なんて今日で終わりよ。そして融合次元に明るい未来を取り戻す…私達の運命も変える!」

白「また…私は闇の世界へと戻るのか…クソ…」

瑠璃「リン!」

リン「瑠璃!」

パンッ

真澄「一つの召喚に拘らず別の召喚で相手を倒すなんてね…」

北斗「やっぱ僕は瑠璃だよ」

刃「いいや俺はリンだね。男勝りな所が可愛くねえか?」

ドルべ「先に進むんだ!」

アリト「この人達は俺らに任せとけよ!」

シャーク「んなこと言ってもよ!」

黒咲「もう平気だ」

クロウ「復活早えな…痩せ我慢しやがって」

シャーク「…そういや」

クロウ「あ?どうした」

シャーク「いいや移動しながら話す」

カオス・ソーサラー「はあ…この醜態は何だ?」

真澄「また新しい敵…北斗!」

北斗「はい!」

真澄「あなたに頼みがあるわ」

刃「俺は?」

真澄「黒咲さん達と一緒に先に進みなさい!瑠璃!リン!」

瑠璃「ん?」

真澄「友達を…柚子をお願いね」

リン「任せといてよ!」

カオス・ソーサラー「私は覇王五人衆のカオス・ソーサラー…こう見えてもリーダー格でね」

真澄「リーダー格?」

カオス・ソーサラー「あんな無様に散った双子とは格が違う!それをデュエルで証明してくれよう」

真澄「…北斗」

北斗「どうした?」

真澄「エクシーズ召喚の指示をして」

北斗「デュエル中に!?」

真澄「そう…ぶっつけ本番でね」

北斗「無茶言うなよ」

カオス「私のターン!プチモスを攻撃表示で召喚!そして手札の進化の繭を装備!魔法『光の護封剣』を発動!カードを1枚伏せてターンエンド!」

真澄「私のターン!ジェムナイト・ガネットを攻撃表示で召喚!カードを2枚伏せてターンエンド!」

北斗「指示も何も同じレベルのモンスターを揃えればいいんだよな…まあ融合専門じゃ難しいと言えば難しいし、いや待てよ!エクストラデッキに存在しないんじゃないか!?」

カオス「私のターン!永続罠発動!『DNA改造手術』種族を一つ指定するぞ、昆虫族だ!お前の煌びやかな宝石を昆虫に変える!そして永続魔法『虫除けバリアー』を発動!昆虫族モンスターは攻撃宣言ができない!私はプチモスを守備表示にしターンエンド!」

真澄「私のターン!ジェムナイト・エメラルを攻撃表示で召喚!」

北斗「これで同じレベルのモンスターが2体…今だ真澄!」

真澄「レベル4のジェムナイト・ガネットとジェムナイト・エメラルでオーバーレイ!エクシーズ召喚!」

北斗「だ、だめだ…できっこないよ!」

真澄「なら何で柚子と権現坂は存在しない筈の融合とシンクロを出したの?それなら私にだって…ターンエンド」

カオス「私のターン!ターンエンド!この瞬間、光の護封剣の効果は切れる!そしてプチモスの進化は止まらない!」

真澄「私のターン!ジェムナイト…私の想いに答えて」

北斗「頼む…何とかしてやってくれよ」

真澄「2体のモンスターでオーバーレイ!」

北斗「頼む…!」

真澄「はぁはぁ…ターンエンド」

カオス「お互いに時間が経過し…先に鍵を握ったのは私のようだな!!進化の繭を破り真の姿を現せ!!」

ピシッ

北斗「特に召喚の難しいモンスターを耐えに耐え続けて出現させる気だ…あいつユースクラスの実力者だぞ!!」

カオス「これだけは言っておこう!君がエクシーズを習得する為にボヤボヤしていようがしていまいが私はグレート・モスを召喚していたのだ!!さあ!見るがいい、これが究極!完全態!グレート・モス!!」

カオス「魔法『サイクロン』を発動!虫除けバリアーを破壊しジェムナイト・エメラルを攻撃!!」

北斗「真澄!」

カオス「守備表示だったな…まあいいさ、ターンエンド」

真澄「ドロー!あいつはたった1人で奇跡を起こした。グレート・モスなんて腕利きのデュエリストだって先ず召喚なんて難しいわ」

真澄「けど、あいつは同じグループに所属している仲間を罵った…私には付き合いの長い北斗や刃!それにランサーズの仲間も居る…そして唯一無二のライバルの柚子…」

カオス「相変わらず美しいフォルムだ。あの小娘を片付けたらカイザー亮!奴に引導を渡してくれるわ」

真澄「ジェムナイトは仲間との絆で強くなれる…だからお願い!私にも力を…!」

ピカッ

北斗「な、何だ」

「あなたの想いは私達へ届いた。さあジェムナイトを新たなる道へ進めてくれ」

真澄「ありがとう…ジェムナイト・サフィアを攻撃表示で召喚!レベル4のジェムナイト・ガネットとジェムナイト・サフィアでオーバーレイ!エクシーズ召喚!」

カオス「むっ!?」

真澄「ランク4!ジェムナイト・パール!!」

カオス「成功か?そんな攻撃力で私に勝つとは思えんがな」

真澄「だからこそ魔法と罠があるのよ」

北斗「やっちゃえ真澄!!」

カオス「笑止!片田舎の小娘と覇王軍の2番手であった君と私では雲泥の差がある!」

真澄「だったら見せてあげるわ…ジェムナイトの絆を私達デュエリストの絆を」

グロリア「この火のフィールドの守護者は奴のようだな」

グレース「そうだけど…何なの?あの大穴」

セレナ「お前を倒す!覚悟しろ!!」

ファラオ「ニャーッ!」

スカルビショップ「チッ、オブライエンの奴め!様子を見に来てやったと思ったら消えおって」

セレナ「おい!」

スカルビショップ「虫が火に弱いのは必然!だというのに炎属性使いのオブライエンを火のフィールドに配置するとは…所詮は人間の浅知恵!プロフェッサーもドクトルも私が倒しネオアカデミアを乗っ取ってくれようぞ!先攻は私だ!私はモンスターを裏守備表示で召喚!そして魔法『太陽の書』を発動!伏せモンスターを表側攻撃表示に変更!この瞬間!魔導雑貨商人の効果を発動!魔法または罠が手札に加わるまでデッキを墓地の送り続ける!」

スカルビショップ「よし!そして私は儀式魔法『合成魔術』を発動!手札とフィールドのモンスターをリリース!儀式召喚!ライカン・スロープ!!」

スカルビショップ「ライカン・スロープの効果を発動!墓地の通常モンスターの数×200のダメージを与える!合計で14!よって」

グロリア「2800!」

スカルビショップ「その通り!」

セレナ「くっ…」4000→1200

スカルビショップ「ターンエンド!見ているかプロフェッサー!お前の愚かな娘がいたぶられる様を!」

セレナ「私は…あいつの娘じゃない!」

スカルビショップ「娘なんだろ?あの薄気味悪い目付きなんてお前にそっくりだぞ?」

セレナ「私のターン!私は手札の月光蒼猫と月光白兎を融合!融合召喚!月光舞猫姫!!」

グロリア「セレナの出自を知ってるか?」

グレース「さあ?あの子ってずっと幽閉されてたんでしょ?」

グロリア「何でも3歳までは老夫婦に育てられていたそうだ。血の繋がりはなく竹林に捨てられていたセレナを引き取り育てていたそうだぞ」

グレース「竹取物語みたいね」

グロリア「そして住んでた家の隣に居たのが遊城十代の実家だったそうだ。十代の事はボンヤリと覚えているらしいがな」

グレース「そっか…十代か…部族最強のタニヤさんを倒した実力者だもんね」

グロリア「会ってみたいものだ。最も行方不明じゃ会う事もできんだろうが」

セレナ「手札の月光紫蝶を墓地へ送り自分フィールドのムーンライトモンスターの攻撃力をターン終了時まで1000アップする!」

セレナ「そして月光紅狐を攻撃表示で召喚!月光舞猫姫の効果を発動!このモンスターをリリースし相手モンスターは1度だけ破壊されず2度の連続攻撃が可能!そして効果で墓地へ送られた月光紅狐は相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を0にする!」

スカルビショップ「な、何だと!?」

セレナ「バトルだ!!!」

スカルビショップ「くっ…」

零王「聞けスカルビショップよ」

グロリア「プロフェッサー!」

グレース「何処から!?」

零王「貴様程度の実力者が私に下克上を考えるとは疎かとしか言いようがない」

スカルビショップ「黙れ!原初の闇の力を持とうが貴様は所詮人間!我々に蹂躙される側の人間だ!!」

零王「私がモンスターを使ってやっているんだ…有り難く思え」

ドクトル「ふふふ…私の虫達が火に弱い?それはあり得ないのだよ」

スカルビショップ「現にオブライエンは居ないぞ!」

ドクトル「いいや君は五人組の中でプロフェッサーに殺意を向けて居たからね…ちょうど良いからオブライエンに抹殺してもらおうと思っていたわけだ」

ザッ

ファラオ「!」

オブライエン「…」

グロリア「グレース」

グレース「わかってるわ」

ドクトル「居ただろ?かつての宿敵に惨めな最後を見てもらいたまえ…さよならだ」

ピッ

スカルビショップ「チクショウ!!!」

零王「所詮クズはクズか」

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