【城プロ】フランケンシュタイン城「私はいつも孤独なのだ」 (11)

城プロSS
フランケンシュタイン城は俺の嫁

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「いつからだろう。この気持ちが芽生えたのは」

「……」

「思えば、はじめて逢った時から運命を感じていたのかもしれない。主は覚えているか?」

「……」

「斑鳩の地で、主と出逢ったな」

「……」

「あの時はまだ私が城娘としてこの世に現出し、それほど経っていないころだったな」

「……」

「はじめて遭遇した人間は私の怪物を見て逃げ出したよ」

「……」

「それから主に出会うまで、何人かの人間と遭遇したが、みんな私の怪物を不気味に……否、恐怖してか」

「……」

「みんな逃げるか気絶したか、だったな。その後も、誰一人として私に近寄って来なかったよ」

「……」

「私は逃げるように斑鳩の祠でひっそりと暮らした」

「……」

「寂しさを紛らわせるように錬金術の研究を続けたよ」

「……」

「でもすぐに孤独が押し寄せてきて……」

「……」

「私はなぜここにいるんだろう? 私はなぜこの世に城娘として生を受けたのだろう?」

「……」

「人間とのふれあいを求め、孤独を嫌う。これは城としての本能なのかな?」

「……」

「……すぐに限界がきたよ」

「……」

「もうだめだ。自分が自分でなくなってしまう。孤独に飲み込まれそうになったとき、主と出逢ったんだ」

「……」

「一目見たときに、心の底からなにかがこみあげてくるような感覚があったんだ」

「……」

「でもすぐに、『きっとこの人も私の怪物を不気味に思って逃げていくだろう』と諦めた」

「……」

「でも主は違った。私と私の作った怪物を見て『なぜこんな祠にいるんだ?』なんて聞いてきたな」

「……」

「訳を話しても『そうか、それは大変だったな』なんて涼しい顔で言うもんだから驚いたよ」

「……」

「『私の作った怪物が怖くないのか? 逃げださないのか?』そう聞いたら」

「……」

「主は何も言わず、微笑んだ」

「……」

「救われた。うん。私はその笑顔で救われたんだ」

「……」

「それまで私の心を支配していた孤独は消え、あたたかなもので満ち溢れたよ」

「……」

「自分はこの世にいてもいいんだって」

「……」

「無意識に『私を連れて行ってくれ!』と叫んでしまったな」

「……」

「主は驚いたような顔をしていたが、多分私自身が一番驚いていたんだと思う」

「……」

「最初『連れてはいけぬ。我々はこれより死地へ向かう』と言ったな」

「……」

「でも、どうしても主と共にいたかった」

「……」

「当時主がなにを相手にしていたのか知らなかったが、私にとって自身の死など些細なことだったよ」

「……」

「主は困惑していたが、『神に逆らおうとも、私が守ってやろう』と言ったら頭を縦に振ってくれたな」

「……」

「嬉しかった。ようやく私は主を見つけたんだって。やっと共にいてくれる人を見つけたんだって……」

「……」

「本当に感謝している。でもそれとは別にある気持ちが芽生えたんだ」

「……」

「主を見ていると……否、主のことを考えるだけで胸が熱くなる」

「……」

「最初は、私のことを理解してくれる人が近くにいてくれる。それだけで満足してたんだ」

「……」

「でも、今はそれだけでは満足できなくなってしまってな」

「……」

「主、これからも」

「……」

「死がふたりを分かつまで私と共にいてくれるだろうか?」

フランケンシュタイン城「よし、完璧だ! 練習に付き合ってくれて感謝する」

かいぶつ「ガンバッテー」

フランケンシュタイン城「待ってろよ主ー!」





おしまい

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