千葉県銚子沖・知波単学園の学園艦…


絹代「えー、諸君！来月行われる黒森峯女学園との特別試合なのだが…」

細見「西隊長！あいつら今から楽勝ムードだそうですよ！」

玉田「ええい、なめおって！」

寺本「ですが向こうは装甲も火力も搭乗員の錬度も我々よりはるかに上回ります！」

池田「そんなもの精神力さえあれば！」

浜田「そうだそうだ！」

名倉「その通りだ！」

絹代「まあ待て、寺本の懸念ももっともだと思う。というわけで、新兵器を用意した！
旧帝国陸軍が本土決戦のために開発した秘密兵器だ！」

細見「おおっ！四式中戦車チトでありましょうか！」

玉田「五式中戦車チリかもしれんぞ！」

名倉「幻の超重戦車、オイ車では！」

絹代「はっはっは、どれも違うな」

絹代「見ろ！帝国陸軍の汎用人型決戦兵器、鉄人２８号だ！」

鉄人「がおー」

一同「　」

細見「あ…あの、西隊長、これ、いいんですか？」

絹代「年代のレギュレーションは問題ないぞ。それに競技規約のどこにも
『巨大ロボを使ってはいけません』とは書いてないし」

玉田「いいのかなあ…」

絹代「操縦士は福田に決定した！福田、頼んだぞ！」

福田（ブレザーと半ズボン着用）「はあ、それは良いのでありますが、このいで立ちは一体…」

絹代「なにを言うか！それは鉄人操縦士の正装だぞ！よく似合ってるじゃないか！」

細見「おおっ！本当だ！めちゃくちゃ似合ってる！」

玉田「可愛い！可愛過ぎる！」

寺本「そっちの趣味の人なら丼飯３杯はイケるぞ！」

福田「はあ…（恥ずかしい…）」

試合当日…


福田「ゆけ！鉄人！」

鉄人「がおー」

まほ「ふっふっふ、西、我々がその程度のことを予測していなかったと思っているのか？エリカ、出番だ！」

エリカ（ブレザーと半ズボン着用）「は…はい…、ゆけ、ジャイアントロボ…（すごく恥ずかしそうに）」

ジャイアントロボ（実写版）「ま」

絹代「ああっ！鉄人があぶない！みんな、戦車なんか乗ってる場合じゃないぞ！降りて応援するぞ！」

細見「がんばれー！」

玉田「負けるなー！」

まほ「エリカを操縦士に選んだのは正解だったな、あの半ズボン姿がたまらん」

小梅「そうですね、それにあの切ない表情がそれだけで丼飯３杯はイケそうです」

直下（なにこいつら…）

杏「おーやってるやってる、すごい迫力だねえ」

柚子「でもこれ、もう戦車道でもなんでもないですよねえ」

杏「西住ちゃんのお母さんや理事長が頭抱えてるってねえ」

桃「でしょうねえ…」

ケイ「はーいアンジー！あなたも観戦に来てたの？」

杏「やあ、おケイ、ってなんで詰襟なんて着てるの？」

ケイ「ああこれ？やっぱりこれからのトレンドは巨大ロボよ！で、ウチでも導入することになって、
私がポセイドンでナオミがロプロスを担当してるのよ。もーナオミの学ラン姿に下級生の女の子たちが
キャーキャー大騒ぎで…」

杏「だろうねえ、ところでロデムは？」

ケイ「それなんだけどねえ、アリサが担当してたんだけど、タカシに変身させていやらしいことしようとしたら、
怒って帰っちゃって」

桃「うわぁ…」

柚子「『ロデムを美少女に変身させてＨなことをさせるバビル２世』って薄い本のネタを実行する人がいたなんて…」

桃「あ、勝負がついたみたいですよ」

・試合結果　ジャイアントロボがエリカの命令を無視して鉄人を抱えて宇宙に飛んでいったので引き分け。

杏「いやー西ちゃん、惜しかったねえ」

絹代「はあ、くやしいです！」

ケイ「でも、あの黒森峰を相手に引き分けに持ち込むなんて大健闘じゃない？」

絹代「そう言っていただけるとありがたいです」

まほ「うーむ、やはり実写版のはダメだな。服装にあわせてＯＶＡ版にすればよかった」

エリカ「あの…、次回から自分でやってください…。この格好もういやです…」

杏「そういえば西ちゃん、前から気になってたんだけど、鉄人のリモコンってボタン３つとレバー２本で
どうやってあんな複雑な動きを制御してるの？あれだと前進・後退・右・左くらいしかできないと思うんだけど」

絹代「それはですね、あの３つのボタンがそれぞれ『ゆけ鉄人！』『飛べ鉄人！』『がんばれ鉄人！』になっていて、
レバーの操作とボタンの押し方の組み合わせによって『負けるな鉄人！』や『強いぞ鉄人！』なったりするんです」

ケイ「９０年代から提唱されてるファジー理論の先駆けだったのね」

杏「大日本帝国の技術ってすごいねえ、５０年は先を行ってたってことじゃない」

絹代「同感です」