では初めにマスターの設定を決めていきたいと思います。
まず性別から。
男・女の中から選んでください。
↓１

主人公は女性と決まりました。

次に年齢を決めます。
少女、大人、中年の内から選択してください。
↓１

少女

>>6を採用させていただきます。
主人公は少女となりました。

主人公の名前を付けていきましょう。（苗字だけ、名前だけでも結構です）
↓３から気に入った名前を選ばせていただきます。

名前は『縁（ゆかり）』に決定しました。


得意な魔術は？（なしでも構いません）
↓１

得意魔術は錬金術となりました。


プレイヤーの長所と短所は？
まず長所から。
↓２まででお願いします。

感情に流されない

正義感強く、優しい

>>22、>>23を選ばせていただきます。

主人公の長所は『感情に流されない』、『正義感が強く、優しい』となりました。

では短所は？
↓２まででお願いします

短所は『空気が読めない』、『人の顔を覚えられない』となりました。

外見の特徴は？
（服装や顔立ちなど）
↓５から気に入ったものをいくつか選択させていただきます。

黒髪ポニテ、前髪には少し白いメッシュ
だるんだるんの白衣を着て、その下には学生服を着用

金髪ツンテール、胸は大きいでも背は小さい為ロリ巨乳である

>>31、>>32を選択させていただきます。
『黒髪ポニテ、前髪に少し白いメッシュ』
『だるだるの白衣に学生服』
『ロリ巨乳』
でいきます。


聖杯に捧げる願いは？（『なし』でも構いません。『なし』の場合は『何も知らずに参加させられたマスター』となります）
↓３までで気に入ったものを選ばせていただきます。

なし
巻き込まれたからしいて言うなら生き残りたい

少し悩みましたが、>>37を採用させていただきます。

主人公は『何も知らずに参加させられたマスター』となりますが、『英霊と友達になりたい』という願望を有しています。



次に主人公のステータスを決めていきます。


身体能力：魔術を考慮しない素の身体能力
知力：一般的な知識、素養
戦術眼：戦闘中に相手の策謀を見破る／状況を好転させる策を思いつく力
魔力：魔術／サーヴァントを使役するために必要な力
技術力：器用さ。手先の器用さの他にも魔術を使用する器用さなども含まれる
幸運：高いほどコンマ判定時に有利がつく
魅力：他キャラと友好的な関係を築きやすくなる


上から順に、↓６までのコンマ一桁目で判定
数字が大きいほど能力が高くなります

身体能力と魅了が突出しているな

コンマ↓７の間違いでした…。
>>47までとします。
また書いてはいませんでしたが、『0』は最高値扱いとなります。

身体能力：『10』
知力：『4』
戦術眼：『5』
魔力：『5』
技術力：『7』
幸運：『10』
魅力：『7』

主人公のステータスは以上のようになりました。


では、次に主人公の『マスタースキル』を決定します。
令呪とはまた別に、聖杯大戦をしていく中で主人公や味方サーヴァントを有利にすることができる『スキル』となります。
『マスタースキル』は使用してから『100レス』を過ぎた時点で再使用できます。使用回数自体に制限はありません。


・【治癒能力】……サーヴァント・マスター問わず、任意の人物（己を含む）のダメージを回復できます。

・【魔力治癒】……任意のマスター（己を含む）の魔力を回復できます。

・【パワーブースト】……任意のサーヴァントの筋力を、一定時間向上させます。

・【スピードブースト】……任意のサーヴァントの敏捷を、一定時間向上させます。

・【ガードブースト】……任意のサーヴァントの耐久を、一定時間向上させます。


どの『マスタースキル』を獲得しますか？
↓５の内、多く選択された２つを獲得します。

マスタースキルは【治癒能力】、【スピードブースト】に決まりました。


確かに折角の身体能力ＭＡＸですし、何か武術を会得している設定も面白いですね。
では、そういう事にしましょう。

主人公は何の武術を会得している？
↓１

主人公は八極拳を会得しています。
会得練度は？　コンマ一桁が大きいほど練度が高くなります

技術力『7』…コンマ+１

コンマ判定↓１

コンマ判定：『2』
主人公は『護身術レベル』で『八極拳』を会得しています。


では、最後に陣営を決定していきます。
主人公の陣営は？
赤・白から選択してください。

↓１

主人公は【赤陣営】に決まりました。

最後にサーヴァントのクラスを決めていきます。
使役するサーヴァントのクラスは？

セイバー、アーチャー、ライダー、キャスター、アサシン、バーサーカーから選択してください。
（ランサークラスは該当するキャラクターが思いつかなかったため、いません）

↓３の内、多数決で決定します。　決まらなかった場合は選択された３つの中から再度多数決とします。

アサシン、バーサーカー、ライダーの中から再度多数決をとります。

↓３

以上で主人公の設定が決定されました。

名前：縁（ゆかり）
性別：女　年齢：少女（15～18歳）
長所：『感情に流されない』、『正義感が強く、優しい』
短所：『空気が読めない』、『人の顔を覚えられない』
得意魔術：錬金術
会得武術：八極拳（護身用程度）
聖杯に捧げる願い：なし（『何も知らずに参加させられる』・『英霊と仲良くしたいという密かな願望はあり』）

・ステータス
身体能力：『10』
知力：『4』
戦術眼：『5』
魔力：『5』
技術力：『7』
幸運：『10』
魅力：『7』


・マスタースキル
治癒能力、スピードブースト


・サーヴェント：赤ライダー


以上の設定で開始となります。
明日プロローグを投下したいと思います。
夕方か夜には更新できると思いますので、よろしくお願いします。

申し訳ございません。
>>1に重要な注意事項を記載するのを忘れていました。


注意

二次元キャラによる聖杯大戦を、オリ主と生き残るSSです。
地の文はありとなります。
安価・コンマによる判定を行いながら、プレイヤーを生存させ、陣営を優勝へと導きましょう。
聖杯戦争を元に書いていきますが、マスター・サーヴァント共にFateキャラは出てきません。
また進行上【キャラ死に】や【鬱展開】、【残酷描写】があります。
上記のことをご了承の上でご参加をお願いします。


このスレは上記のような内容が含まれます。
違う趣旨のスレだと思われて、本日協力していただいた方々には誠に申し訳ございませんでした。

本当に申し訳ありませんでした。
完結まで至れるよう、頑張っていきたいと思います。

では、プロローグを投下していきます。

と、その前に書いていて決めておきたい事があったので、安価をとります。


主人公はどのような錬金術を使用する？

↓１でお願いします。

人体改造とは「思考分割」、「高速思考」ということでよろしいでしょうか？
それで良ければ、改めてプロローグを開始していきます。

「ふわぁ～、今日も楽しかったなぁ」

　大きく欠伸を零し、両手を上にあげて背中を伸ばす。
　季節は春。もう暖房も厚着もいらない気候になってきた。
　ようやく新学期での生活にも慣れ、新しいクラスでも何人かの友人ができた。
　時に空気の読めないことが多々ある（らしい）自分とも仲良くなってくれるなんて、良いクラスメイトと出会えたものだ。
　……まぁ、その陰で、まだ決して少なくない人数のクラスメイトの顔と名前が一致していないのだが。

（うぅーん、どうして人の顔ってこんな覚え辛いんだろ？）

　決して人に興味がない訳でもないし、覚える努力もしているつもりだ。
　なのに、中々に人の顔は覚えられない。もしかしたら何かしらの発達障害なのだろうか。

「人生とは世知辛いものですなぁ。さぁーってと、ただいまぁーっと」

　帰りを待つ者のいない家へと帰宅する。
　自分が幼いときに両親は他界しており、今は親の遺産と親戚からの仕送り、アルバイトの収入で生活している。
　高校への進学を期に始めた一人暮らし。
　別に何か深い理由があった訳ではない。
　親戚の人はとても良くしてくれているし、幼い私を我が子同様に愛してくれ、育ててくれた。
　今は1人暮らしだって許して貰え、親の遺産が十分にあるにも関わらず、仕送りまでしてくれている。
　ありがたくて、足も向けて眠れやしない。感謝の念は伝えても伝えきれないほどだ。
　だからこそ、私は早く自立しなければならないのだ。
　自らで食い扶持を得て、自分一人で生活費を賄えるようにして、そしてこれまで私を支えてくれた人に恩返しをする。
　これは、その一歩目だ。
　
「うぅーん、宿題して、ご飯作ってっと……今日はご飯何にしようかなあ。あ、明日休みだし、今日は宿題やらなくていいかなあ」

　呑気に独り言を零しながら、バックを放り投げる。
　こんなガサツなことしても怒られないのは、一人暮らしの利点な気がする。

「とりあえずテレビつけてっと……ん？　なんだろ、これ」

　と、リビングの座椅子に座り込んだその時だった。
　私は『それ』に気付く。
　テーブルの上にぶっきらぼうに投げ捨てられた広告の山の中。
　その中に見覚えのない封筒があった。

　ポストに入っていたものを適当に置いといたのだろうか。
　捺印はなし、差出人も不明。
　何となく惹かれるものがあって、封を開けると黒字に白文字の用紙が。
　用紙には、一言だけ記されていた。

『汝、戦いを望むか？』

　……うーん、何ともリアクションに困る代物であった。
　ややオカルト的なジョークグッズ？　それとも中二病ノートの切れ端？
　うぅーん、こんなものを買った覚えも書いた覚えもないのだけれど。
　よくよく見ると用紙はもう一枚綴られている。
　ぺラリとめくると、そこにはまた別の質問が。


『汝、願いはあるか？』


　うーん、訳が分からない。
　気味が悪いったらありゃしない。

「魔術……的な反応はないよねえ」

　しっかりと確認するが、魔力反応もなし。
　割と意外に思われるかもしれないが、私は魔術を扱える。
　まぁ、アニメや映画とかであるアレ的なものだ。
　更にいうと両親なんかは、魔術師だったし、その血と刻印、技術を相続している。
　幼い頃はバリバリに英才教育を施されたものだったが、両親の死によりそれもなくなった。
　親戚は魔術のまの字も知らない、ごく平凡（というかそっちが当たり前なのだが）な家庭だったし、私も両親の死と共にそちらの道は諦めた。
　両親の知り合いらしき人が、魔術の道を勧めにきたこともあったが、それも断った。
　そんなに未練はなかったし、これ以上親戚に心配を掛けさせたくないという想いもあった。
　何より、両親の教えに従った。
　両親は魔術を『根源』への到達にではなく、誰かの役に立てるように学べと教えてくれた。
　ならばこそ、時計台で研鑽のためだけに魔術を極めるのは道理が違うと思った。
　私は私として日常を生き、その中で役立てる機会があれば魔術を使用していく。
　それでいいと、思っている。
　……ちなみに、一つ断っておくと、両親は決して魔術的な因縁やら何やらに巻き込まれて謀殺された訳ではない。
　ただ居眠り運転していたダンプカーが対向車線にまで突っ込んできて、私と私の両親ごと車をペシャンコにしただけだ。
　そこに魔術的な介入は一切存在しない。
　何回も現場に赴き、相手の運転手をとことんまでに調べあげ、調査をしまくった末の結果だ。間違いはないだろう。
　分かったのは、最期のその瞬間まで両親は自分を守ろうとしてくれたこと。
　ペシャンコになった車からは、人間が行使できるそれを遥かに凌駕した魔力の痕跡が伺えた。
　必死に、それこそ自身の限界を越える程の力でもって、守ろうとしてくれたのだ。
　自分ではない誰かのため―――他でもない私のため―――に、己が生命を犠牲にしてまで、両親は魔術を使ったのだ。
　私を、救う為に。

「……意味わかんない。何さ、これはぁ」

　……少し滲んだ視界で、手に持った黒色の様子をくしゃぽいする。
　戦いは望まないし、特別に叶えたい願いもない。
　今の生活にそれなりに満足はしているつもりだ。
　続いて広告の山を覗く。
　すると、今度こそ私の目を大いに引きまくる紙が紛れ込んでいた。
『一泊二日・孤島クルージングツアーの旅』……そこには、そう書いてあった。

「ほうほう、孤島で旅行かぁ」

　丁度明日からは連休で予定もなし。値段はそんなに高くない。
　興味が頭をもたげる。
　新学期からここまで何かとバタバタしてしまい、ゆっくりと休めていないのも事実。
　バイトで稼いだお金もそれなりには貯まっている。

「……たまには贅沢しようかなぁ」

　何だか働き疲れたＯＬみたいな独り言を零しながら、携帯を弄る。
　広告の旅行会社へ連絡。明日開催だったが、滑り込みでＯＫを貰った。
　押入れをひっくり返して、旅行に必要な物々を引っ張り出す。

「そうと決まれば準備だね！　準備！ 明日は旅行、楽しい旅行、孤島で旅行～♪」

　―――さて、物語の始まりには導入というものがある。
　ならばこそ、『こう』語っておかねばならないだろう。
　この時の私には知る由もなかったのだ。
　この何の気ない選択が原因で、あんな戦いに巻き込まれることになるなど、知る筈がなかった。
　条理を越え、倫理を越え、常識を越えた、超越者たちの戦い。
　英雄とされる人々を集め、英雄を倒す、人智及ばぬ超常の戦い。
　聖杯大戦が、私を待ち受けていることなど、知る由がなかった―――。

◇


「あぁー、気持ちいいなあー」

　照り付ける太陽。光り輝く海原。
　心地よく風が頬を舐め付ける。
　この世のしがらみから解放されたような気分だ。
　くるくると首を回すと、そこには同じくツアーに参加された人々がいる。
　それぞれ写真を撮ったり、景色を楽しんだり。
　うーん、旅行って良いものだなあ。

　と、旅行気分を満喫していると、何となく目に付く人物がちらほらといた。
　まずは外人さんが２人。１人は中々に仕立ての良いスーツを纏っていらっしゃる。
　もう１人の外人さんは小柄な少年だ。同い年かそこらへんかな？
　後は私と同年代の子がちらほらと。
　大体は友人を連れているが、私のように一人で来ている者もいる。
　この年代の子が一人旅とは渋いというか危ないというか……何となく珍しい気がする。
　ひー、ふー、みー。自分を除くと３人。
　ちなみに男子１人に、女子２人だ。
　１人は平凡そうだが、どこか優し気な男の子。静かに景色を眺めている。
　１人は活発そうな女の子。サイドを三つ編みにしているところが何とも可愛い。
　１人は少し大人しそうな女の子。茶髪のショートヘアで、少し思い悩んだ様子で景色を見てる。
　旅先で新たな友人ができるのも乙なものである。

　折角だし、誰かに声を掛けてみようかな？
　勇気を出して外人さんのどちらかに？　それとも同年代の子の誰かに？

　うーん……。



　誰に声を掛けますか？
　↓１

　
　

　ふーむ…。
　外人さんは流石にハードルが高すぎる気がする。
　となると同年代の３人だが……邪険に扱われたら泣いちゃいそうだなあ。
　取り敢えず、一番年も近そうで、優しそうなあの子にしようかな。


「へい、彼女！　少しお茶しない～♪」


　明るく、軽いノリで声を掛ける。
　女の子はびっくりした様子で私に視線を向けてきた。
　そして、右を見て、左を見て、また私を見る。
　他の誰かに声を掛けたのではと思っている様子だった。

「えーっと、あなたに声掛けたんだ。ごめんね、いきなり」
「私……わ、私ですかぁ！？　ど、どどどーも失礼しましたぁ！」

　わたわたと見てるこっちが面白くなる勢いで慌て始める。
　自分の世界に入っている時に声を掛けられると慌てるものだ。分かる分かる。
　というか、若干申し訳なくなるほどのきょどりようだ。
　うーん、というか改めて間近で見ると、何処かで見た事があるような気がする。
　身近で、という訳ではなくテレビや雑誌か何かで……。


「あはは、あなた面白いねえ。私、縁（ゆかり）っていうんだ。よろしくね～」
「ゆかり、さん……？」
「おっ、良いねえ。いきなり名前呼びとはコミュ障と見せかけて、実は結構フレンドリーなタイプでしょ」
「あ、ごごごめんなさい！　と、友達に同じ名前の子がいたもので」
「いいっていいって。ゆかりでも何でも好きな風に呼んでよ。それで、あなたの名前は？」
「あっ、わ、私、西住みほって言います！」
「西住みほ……みほちゃんね」


　名前も、聞いたことがあるような……。
　うーん、もう少しで思い出せそうなんだけど……。


　主人公は『西住みほ』のことを思い出せる？
　コンマ一桁　５以上で思い出せる

　コンマ判定↓1

　うーん、思い出せないや！　ま、大したことじゃないでしょ！


「じゃあ、私も名前で呼ぶね、みほちゃん！」
「は、はい！　よろしくお願いします、ゆ、ゆかりさん」


　はにかみながらも可愛げある笑顔を浮かべる……うーん、可愛い子だなあ。
　小動物的な可愛らしさがあるよ。
　それにしてもさっきは結構に思い悩んでいたようだけど……。
　と、兎に角折角できた旅先での友人だ。
　何を話そうかなーっと。



　西住みほと何を話しますか？
　↓１

「あなたも一人旅なの？」
「うん。何となく興味がそそられて」

　そう言ってみほちゃんはまた人懐っこい笑顔を浮かべた。
　この調子だと何やかんやで友人も多そうなのに、どうして一人で来たんだろうか？
　私みたいにやや変人入ってるのか、それとも何か理由でもあるのか。


「縁さんも一人なの？」
「うん、まぁね～。少し羽を伸ばしたいなって思ってさ。クルーザーなんて乗るの初めてだけど、いいもんだねえ」
「はい！　私は学園艦で普段は過ごしてるんだけど、これもまた違う趣があって楽しいよ！」
「学園艦！　へぇー、すごいね、みほちゃん！　ちょっと興味あったんだあ。どんな感じなの？　教えて、教えて！」
「うーん、でも普通の学校と取り分け変わりはないと思うけど」
「だって、船の上に街やら山があるんでしょー。想像つかないよお！　それに船を動かしてるのは、学生さんが中心だって聞いたし！　すごいよぉ！」
「あはは、船を動かしてるのは船舶科なんだ。私は普通科だから、普段はそういうのにはノータッチなんだ」
「へええ、でも、すごいなあ。あ、そういえば最近は学園艦廃止とかの噂もあるんでしょ！　みほちゃんの所は大丈夫なの？」


　と、興奮そのままに言葉を並べたところだった。
　さっとみほちゃんの表情に暗色が漂ったような気がする。


「あ、あはは、そうみたいだね。でも、私の所は大丈夫、だから」


　でも、それも一瞬、みほちゃんは元の笑顔を浮かべてそう言った。
　うーん、さっきのは勘違いかな？
　何となく気になりもするけど、どうしよう？
　もうちょっと踏み込んで聞いてみようかな。


―――


【短所：『空気が読めない』】


　コンマ判定　７以下で学園艦廃止の話題を続けてしまう。

　↓１
　

　やっぱり気になるよねえ。何だか辛そうだったし。
　よーし、もうちょっと突っ込んでみますか。


「本当にぃ？　みほちゃん、何だか辛そうな表情してたよ？」
「！　そ、そう、かな？　あはは」
「私が話しかける前にもそんな顔してたし。何なら、私に話してみる？」


　みほちゃんは困った表情で押し黙ってしまった。
　……マズったか。
　出会って数分の私に話せるような悩みではなかったのかもしれない。
　ど、どどど、どうしよう。怒らせちゃったかなあ。
　もしかして、また『空気が読めていなかった』のだろうか……。



―――――


【西住みほとの友好度：６０】

※友好度はそれぞれのマスターやサーヴァントに設定されます。
　５０が初期値で、数値が小さくなるほど嫌われており、高いほど好かれていることになります。
　友好度は安価の選択によって上下します。友好度が高いほど聖杯大戦において主人公に協力的な行動をしてくれます。
　また、友好度の初期値や上がり方は『魅力』のステータスで変動します。


　コンマ判定　４以上で西住みほは『悩み』を話してくれる。

　↓１

　
　

「その、実は……」

　あわあわと困っていると、みほちゃんは意を決した様子で『悩み』を打ち明けてくれた。
　みほちゃんがいる学園艦が廃合されようとしていること。
　一度は戦車道の大会で優勝して廃合が取り消されたが、先日その約束が破棄されたこと。
　今度の戦車道の試合で勝てば、廃合が免れること。
　だが、相手は強大で勝てるかどうかは分からないこと……。

　その重責に耐えかねて、みほちゃんはこの旅行に参加したそうだった。
　少しでも気分転換になれば、と仲間たちも快く見送ってくれたらしい。
　正直にいえば、予想以上に重い話だった。
　学園艦に住まう人々は学生だけじゃない。その家族や職員、街の住民たちもいる。
　学園艦の廃合とはそれらの人々の暮らしすらも奪ってしまうのだ。
　役人達の書類上の数字だけでは推し量れぬものがある。
　その廃合の有無が、みほちゃんの小さな両肩に重いプレッシャーとして圧し掛かっている。

　全てを語り終えたみほちゃんは泣きそうな表情で俯いている。
　私は―――私は、この子になんて声を掛けてあげればいいのだろう……。


―――


　『西住みほ』に何て声をかける？

　↓２の内のどちらかから選択させていただきます。



　

世界観がよーわからんな

>>115
申し訳ありません。確かに分かり難かったですね。
世界観は簡単に言えば、スパロボ時空といった感じで沢山の世界が統一されている設定です。
ただサーヴァント（とマスターの内の何人かは）は全く別の世界から参戦している感じです。
その中で色んなキャラと仲良くしたり、敵対しながら生存を目指していくものとなります。

―――


「みほちゃん」
「は、はい」

　ずい、と顔を近づけてみほちゃんへ言う。
　その落ち込んだ痛ましい様子は、とても旅先で浮かべるようなものではなかった。

「今は何も考えず、旅行を楽しもう」

　ずずい、と更に顔を近づけて言った。
　そう、今は旅行中だ。楽しまなくちゃ損なのだ。
　辛い日常から逃げてきたなら、それを少しでも忘れなくちゃ。
　そうじゃなくちゃ、可哀そうだ。

「で、でも……」
「でももへちまもない！　楽しむの！」

　盛り上げるように大声をあげる。
　今この一時だけでも全てを忘れて楽しもう！

「縁ちゃん……えへへ、ありがとう」

　みほちゃんも私の気持ちを察してくれたのだろう。
　またあの明るい笑顔を浮かべてくれた。
　えへへ、見てるこっちも嬉しくなる笑顔だなあ。

　―――私達は他愛のない話を楽しんだ！


【みほの友好度が上がりました】
【西住みほとの友好度：６５】

　

◇



　そうしてどれくらいの時間が経過しただろうか。
　ふと、違和感が頭の片隅に過った。
　何か周囲の空気が変わったような―――これは。

（これは―――魔力……？）

　久しく感じていなかった感覚。
　さ、と反射的に思考が冴え渡る。
　やばいとか、こわいとか、いう思考を置き去りにして体が無意識に動いていた。
　魔術回路を通して、生命力を魔力に。
　己の施行を『細分化』する。
　まるで頭の中に爽やかな春風がそよいだかのようだった。

「みほちゃ―――」

　隣の友人に手を伸ばし、抱き寄せる。
　何が起きるかは、僅かに予想できている。
　予想はできているが、間に合わない。
　抱き寄せ、抱きかかえ、船の手摺へと手を伸ばす。
　せめて、『それ』が起こるよりも先に海へ―――。
　そう考える傍らで、もはや間に合わないということも頭の片隅で理解している。

　そして、手摺に辿り着くよりも前に。
　『それ』が起きた。
　船の中心が光り輝き、爆発した。
　全身をハンマーで殴られたような衝撃が走った。
　何もわからなくなる。
　抱きしめているハズのみほちゃんも、自分の体すらも知覚できなくなって。


　私は―――、

◇


「うぅ……」

　遠くで波の音が聞こえる。
　ぼんやりとした思考。
　ここは、一体どこだろうか。
　魔力を感知して、爆発が起きて……。
　身体はどうやら五体満足で済んでいる様子だった。
　少しばかり痛むところもあるが、まぁ自制内だ。
　それよりも心配なのは―――、

「みほちゃん！」

　思わず大声を挙げてしまう。
　立ち上がれ、はしなかった。
　手足が椅子に縛り付けられていたからだ。
　勢いそのままに思わず、ズッコケてしまいそうになる。

「ゆ、縁さん……」

　声が聞こえた。
　みほちゃんの声だ。
　目を開き、周りを見回す。
　みほちゃんがいるのは巨大なテーブルを挟んだ対面。
　映画や何かで貴族的な人が使ってそうな縦長のテーブルがそこには置かれていた。

「みほちゃん、無事だったんだね！」

　テーブルを挟んで声を掛けるが、みほちゃんは不安げにほほ笑むだけであった。
　改めて周囲を見回す。確かに事態は急変していた。
　テーブルを囲んで座らされている人物が何人もいる。
　１、２、３……およそ１２人もの人が私と同じように座らされていた。
　どこかで見たことのあるような、ないような人もいる。
　うーん、一体……。


『汝、戦いを求めるか』


　その時、声が響き渡った。
　どこからかは分からない。
　ただ形容するならば、地の底から響くような。
　そんな底冷えするような声が、響き渡る。


『汝、願いはあるか』


　あの時の言葉だった。
　戦いを、願いを求める問いかけ。



『―――ならば、与えよう―――』


　誰も何も答えはしない。
　なのに、全てが進行していく。
　それが当たり前のように、それが正道であるかのように。


『―――戦う権利を、願いをかなえる権利を―――』


　その瞬間だった。
　頭に何かが入ってきた。
　無理矢理に、思考を蹂躙するかのように『情報』が。


　―――聖杯大戦―――
　―――赤と白の英霊たちによる殺し合い―――
　―――勝利した陣営に与えられる願望成就―――

　
　私たちはこれから聖杯大戦をする。　

　分かったことは、ただ一つだけだった。
　願いを叶えたければ、戦い抜くということだけ。
　赤と白。
　分けられた二つの陣営による戦い。

　周囲を見渡す。人々がいる。
　誰が赤の陣営で、誰が白の陣営なのかは『知識』としてあった。
　一人はアイドル。私ですら見覚えのある国民的なアイドルだった筈だ。
　一人は少女。サイドを三つ編みにした少女。
　一人は青年。どこにでもいそうな平凡な雰囲気な青年。
　一人は少年。赤色の外套を纏った金髪の外国人。
　一人は青年。赤色の甲冑を身に着けた、まるで戦国の時代から来たかのような青年。
　そして、私。

　白の陣営も６人。
　一人は少女。オレンジ髪のサイドテールが似合う少女。
　一人は少年。もじゃもじゃ頭の小柄な外国人。
　一人は大人。気品ある振る舞いを見せる、体格の良い外国人。
　一人は少女。おどおどした様子で周囲を見渡す、ピンク髪の女の子。
　一人は青年。白髪と白色のスーツ、その口元に狂気の笑みを浮かべた青年。
　そして、西住みほ。

　彼女は、白の陣営にいた。


　光が走った。
　閃光が、すべてを染め上げていく。
　始まってしまう。
　戦いが、超常の戦いが。
　私は何かを言わなければいけない気がした。
　彼女に、西住みほに。

　何かを―――、



――――


　主人公は『西住みほ』になんと声を掛ける？

　↓１

「みほちゃん、のんびりしている暇はないよ！　この戦いは―――」


　そして、光が輝き狂う。
　平穏が崩れ去り、戦争が始まる。
　この戦いの中で、私は何を選択し、何をしていくのか。
　まだ、今の私には分からない。
　私は、一体―――、




――――――


本日は以上で終了となります。
何だか分かり難くなってしまって申し訳ありません。
次回は３日の夜あたりに更新したいと思います。何か質問などあれば書いていってください。
答えられる範囲で答えていきます。

おつー

まだキャラが分からんなぁ
この中では結構強い方なのかな？

乙
勝利条件について「最後に残った人物の陣営が勝利となります」と書いてあるけど、この「最後」の基準が知りたい
仮に白陣営の鯖あるいは鱒が全滅したとして、残った赤陣営の鱒達は全員勝利になるの？
それともその状態から最後の一人までバトルロイヤル？

ん？
「サーヴァントを失ったマスターが最後まで生存していても、その陣営の勝利となります」
これもしかして、敗者側のマスターは全員死亡確実？
西住殿に救いはないんですか！？

質問ありがとうございます。少しお答えしていきます。

>>124
マスター陣の中でも中の上～上の下といったところですかね。
八極拳の練度によっては上の上に至れたかもしれません。


>>125
相手陣営が全滅した時点で残った全員の勝利となり、願いも全員分叶えられます。
上記の勝利条件は『ルール』として参加者全員が把握しております。

>>126
確実、という訳ではありません。
あまり多くは言えませんが、西住殿を救う方法も存在します。

では、更新していきます。

　光が消えた後、私は森林の中にいた。
　鬱蒼と生い茂る木々、空は暗く染まり夜となっている。
　周囲は無音。人の気配はなかった。
　焦る感情とは裏腹に、思考は冴えわたっていた。
　魔術を使っている訳ではない。ただ、私は元々そういう人間だ。
　窮地に陥った時、身の危険が迫った時、恐怖や焦燥を押し退けて、頭が澄み渡る。
　先の船の爆破の時だって、そうだった。
　だから、今も。
　私はただ冷静に何もない暗闇を見詰めて、思考を回す。

「ほう、案外落ち着いてるなあ」

　そんな私に、声を掛ける存在があった。
　それが何なのか、私には『分かっていた』。

「あなたが私のサーヴァント？」
「そうらしい。いやはや、何とも嘆かわしいことだ。こんな非文化的な催しに俺を参加させるとはな」
「私は縁。よろしくね」
「俺はライダー。ストレイト・クーガーだ。ひかりねえ、俺のマスターに相応しい良い名前だ」
「いや、縁（ゆかり）ね」

　後ろへ流れるように鋭角に整えられた髪型。
　紫と白のスーツにピンクの細縁のサングラスが印象を強くする。

「ライダー、ねえ……」
「おお、何だその訝しげな目は。まぁ、最速を信条としている俺からすれば、『ランサー』のクラスで呼ばれなかったのはやや不満だがな。
　だが、生来槍なんぞ使ったことがなかったから仕方ない。そこはまあ甘んじて受けるとしよう。ともかくだ！」

　言葉を切り、ライダー―――ストレイト・クーガーはずずいと顔を寄せてくる。
　不敵な笑み。この狂気の中で尚も揺らがぬ強さが垣間見えた。


「さぁて、まずはどうするマスター。物事の真髄は何よりも速さにある！　一秒の停滞が取り返しのつかない事態を招き、十秒の停滞が運命を決める事もある。
　物事は即時即決即座即答！　何よりも彼よりも速さをもって決めねばいけない！　さぁ、どうする、ヒカリ！　さぁさぁさぁ！」
「いや、だから、縁だって……」


　……気付けば、言葉の弾幕が私を襲っていた。
　凄まじいほどの早口でまくし立てられた言葉は、だが物事の芯を突いているように感じる。
　速さ。
　確かに今のこの状況では迅速な行動が求められる。
　何をするべきか、何をなさねばならないのか。
　やるべきことは山のようにある。
　目の前のサーヴァントのことだって何も知らないし、他のサーヴァントやマスターのことも何も知らない。
　みほちゃんだってどうなっているのか分からない。
　私は何をすれば良いのか。
　冷静に、迅速に、思考する。
　私は―――、


　まず主人公は何をする？
　↓１

　

「同じ赤の陣営と合流しよう。陣営と言うからには何処かにアジトがあるかも」

　私の提案にライダーは大きく頷いた。

「了解だ、ひかり！　では、俺の速さでオーダーを達成してみせよう！」

　一瞬の光が場を包み込んだ後、現れたのは一台の車だ。
　流線形のフォルムと蛍光色が良く目立つデーハー全開の車であった。
　どうやらライダーの宝具のようである。僅かな魔力消費が感じられた。

「―――ラディカル！　グッドスピィィィド！！」
「成る程、車を使うからライダーなのね―――って、ライダー！　あなた許可なく宝具を！」
「言った筈だ！　この世界では何よりも速さが必要だと！　なぁに、宝具の一つや二つを見せたところで問題はない。
　見せたところで、知ったところで、俺の速さに着いていける筈がないからだ！」
「スゴイ自信だよ！？」

　あれよあれよと車に押し込められ、助手席へと座らされた。
　シートベルトを付けさせられ、座席へと深く深く腰を下ろす。
　非常に嫌な予感を感じるが、とてもこのライダーを止められる気にはならなかった。
　今はただこのシートベルトに希望を託すのみだ。

「よぉーし、行くぞっ！」
「ラ、ライダー、お手柔らかにね――――ェェェェェェェェェェ……」

　直後にあったあまりの加速に、自分の悲鳴すらドップラー効果で聞こえる（気がした）。
　速い。というか速すぎる。
　どれだけ改造されていようと車が出していい速度ではないし、何より私達がいるのは森林だ。
　木々が鬱蒼と生い茂っている筈なのだが―――、

「フゥゥゥゥゥゥハッァァァァッァァァア！！」

　凄まじいというか、さすがは人知を越えたサーヴァントというべきか。
　ライダーはその悉くを、傍目には何をどうしているか分からないドライビングテクニックで避けていく。
　当然、助手席に乗せられている私は回避運動のたびに全身がシェイクされているのだが、隣のスピード狂が気を遣う様子はない。

「おっと、魔力の反応があるな！　北と東！　どちらへ向かう！」

　声なんか出せる訳ない状況で、質問をしてくるとはどういう了見なのか。
　こんな状況で魔力感知などできる訳もなく、私は当てずっぽうにその方角へと指を指し示す。
　私は―――、


　1.北へ向おう

　2.東へ向おう

　↓１

「北だな！　よぉし、任せておけ！」

　どうやら私が指示した方角は北だったらしい。
　そんな事も分からず、私を載せた車のような怪物乗物は走り続け―――


　地獄は急に終了した。
　車体を横滑りさせながら急制動。一段と大きな圧力が身体に圧し掛かったと思いきや、直後に解放される。
　暴力的な『動』から、唐突なまでの『静』に、何とか堪え切っていたものが、遂に限界を迎えていた。

（ヤバ、戻しそう―――）

　何とか車外へ這い出して、地面に両手をつく。
　そして―――、



　コンマ一桁３以下で……、

　コンマ判定↓１
　

　………はい、りーむー。
　例え女ゴリラと学校の男子たちに揶揄されていた私であろうと、それは耐えきれるものではなかった。
　ええ、身体能力とかそういうあれで我慢できるものではないですよ、これは。
　甘酸っぱい何かが喉奥から込み上げてきて、踏みとどまろうと頑張って、でも無理で。

　…………やって、しまいました。



「おい、大丈夫か？　体調でも悪かったのか？」

　後ろから聞こえてくるライダーの素っ頓狂な問い掛けに、私は今口が塞がっていて良かったと心底から感じていた。
　もし喋れていれば、そのまま令呪を使ってライダーを自害させていたかもしれない。
　そうして、数十秒。
　胃の中の物を粗方吐き終えた上で、たっぷりと深呼吸をして体を整えてから、顔をあげる。


「ラァァァイダァァァァ！！　あんたねぇぇぇぇぇぇぇ！！」


　割とマジで切れながら顔をあげ、ライダーを睨め付け―――ようとして、私は気付いてしまった。
　顔をあげて直ぐ側の所で、三人の人物が立っていることに。
　1人は少女。私でも顔を覚えている、最近売り出し中の大人気アイドル。
　1人は青年。赤色の甲冑を身に着け、腰に刀をさした、武士のコスプレイヤー（？）。
　1人は少年。赤色の外套を羽織った、金髪の外国人さん。
　三人はそれぞれ苦笑して、溜め息を履いて、冷や汗を垂らして、私を見ている。
　瞬時に分かる。
　彼等は『赤』の陣営のマスターさん達。
　空気がコッチンコッチンに凍り付いていた。
　初対面、初めて出会う人前で、止まらぬ嘔吐、冷めた視線。


「い、」


　さすがの私も今だけは『感情に流されない』でいることは出来なかった。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ！！」


　―――絶叫が、深夜の森林に響き渡った。

　
　

「うぅぅぅぅ、ひどい、ひどいよ、ライダァァァァァァ……」
「す、すまん、すまん。さすがに悪かった」
「だ、大丈夫だよ！　私なにも見てなかったし！　ね！」
「あ、ああ、俺も何も見てないな」
「おいは見たぞ」
「って、おい！」
「トヨヒサさん、空気読んで！」


　そうして数分後、最悪の邂逅を果たした私達は木々の影で輪を描いていた。
　私の醜態をフォローしてくれているのは、天海春香さん。
　今テレビで引っ張りだこの、765プロ所属の新鋭アイドルである。
　もう二人は初めて出会う人物だった。
　あああ、まさか初対面のマスターにあんな醜態を見られるなんてえええ……。


「私は天海春香。よろしくね」
「俺はエド。エドワード・エルリックだ」
「島津豊久」

　春香さんに、エドワード君に、豊久さん。
　こうしてみると相当に個性的な面々である。
　ふうむ、取り敢えず気を取り直していこう。
　折角無事に出会えた仲間陣営なのだ。今の内に何か情報交換をしておきたいところである。
　さぁて、何を話そうかなっと。



　三人にどんな話題を話す？
　↓１
　

　そうだなあ、やっぱりまずはサーヴァントについてだよね。
　どんなサーヴァントか知っていれば協力もし易いし！

「そう言えば皆さんのサーヴァントってどんな感じなんです？」

　軽い調子で三人へと話しかける。
　すると、それまで（私の嘔〇騒ぎ）で和やかだった空気が途端に凍り付いた。
　春香さんの笑顔が翳り、睨め付けるような視線をエドワード君に向ける。
　……いや、ような、じゃない。これは普通に睨め付けている。
　唯一、素知らぬ風なのは豊久さんだけ。
　腕を組み、身を瞑り、どっかりと構えて立ち尽くしている。


「……悪い。俺は教えられねえ」
「私もかな。少しね」

　
　エドさんと春香ちゃん。互いに視線を送り合って、黙り込んでしまう。
　うーん、何だか険悪なムード？
　このまま話題に踏み込むべきか、否か……むむむ。


　コンマ判定・コンマ７以下で話題を続ける

　コンマ↓１　

「……二人とも喧嘩しちゃった感じかな？」
「どうだろうな。喧嘩、で済ませられるような雰囲気にも見えないがなあ」

　ひそひそと話しかけるも、ライダーは呑気な様子で二人を見ている。
　うーん、何とも声をかけ辛いけど……ここで臆病風に吹かれても話は始まらない。
　気合注入。意を決して二人に話かける。


「えーっと、春香ちゃん」
「何？　縁ちゃん」
「それとエドさん」
「何だ？」
「どーして二人はそんなに険悪な雰囲気なんですか？」


　ここは下手に気を回さない方が良いでしょう。
　ドストレートに問題へ一直線。
　まずは二人の意見を聞いてみなくちゃね！
　虚を突かれたのか、少し表情を崩しながら再び押し黙る二人。
　痛いほどの沈黙が流れるが、ここは我慢。
　二人が話し出してくれるのを待たなくては……。

　と、横を見ると豊久さんが眠たげに欠伸を浮かべている。
　中々にマイペースというか、何というか……。


「私……」


　最初に口を開いたのは、春香ちゃんの方だった。
　いつもの天真爛漫な笑顔ではなく、どこか思い詰めた様子の表情。
　これから話す内容が、おそらく今後の展開に大きな影響を与えるであろうことを、私は何となく察知する。


「私、願いがあるの……何を推しても叶えたい、願いが……」


　訥々と春香ちゃんが語りだす。
　７６５プロオールスターで行われようとしているライブ。
　だが、皆はスケジュールが合わなくて、漫然と時は過ぎていって。
　頑張らなくちゃいけない、でもどう頑張ればいいかもわからない。
　ただ、それでも皆を繋げ止めようとしてくれていたプロデューサー。
　悩みを聞いてくれようとしてくれて、それを拒絶するかのように逃げて。
　そこには何故か舞台のせりが下がっていて、足元の感覚が消えて、プロデューサーが身を呈して助けてくれて。
　そして、プロデューサーが―――、


「私の……私のせいなの！　私がぼんやりしてなければ！　悩みを素直に打ち明けていれば―――ううん、そもそも悩みなんてしなければ！！」


　いつしか呟きは叫びへと変わっていて。
　春香ちゃんは涙を流しながら、己を責めていた。
　責めて、責めて、責めて―――その中で『願い』を求め、気付けばこの場にいた。


「私は、私は何があってもプロデューサーさんを助けるの！　そうじゃなくちゃいけないの！　だから！」


　私は何も言えなかった。
　いつもキラキラで輝いていて、可愛くて面白くて楽しい彼女が見せた、必死の感情に。
　何も言えずに、押し黙る。


「だから―――他の奴等を殺すのか」


　だが、彼は違った。
　彼―――エドワード・エルリックは、春香ちゃんの激情を正面から受け止めて、口を開く。

「こんな何がなんだか分からねえ殺し合いを真に受けて、それでその『願い』とやらのために他の誰かを犠牲にするのか？
　ふざけんなよ、お前。そんなふざけた事をして、お前の言うプロデューサーさんとやらが喜ぶと思ってんのかよ！」
「分かってるよ！　プロデューサーさんはそんなことを望まないって！　それでも私の、私のせいなの！　プロデューサーさんが喜ばなくても良い！
　それでも！　それでもやらなくちゃいけないことなんだよ！」


　感情と感情がぶつかり合う。
　多分エドワード君の言う事は正しくて、でも春香ちゃんの気持ちも私は痛いほどに分かってしまって。
　両親を亡くした時、私もそうだった。
　私を庇って死んだ両親。私がいなければ両親は助かったのかもしれない。私のせいで、私のせいで―――。
　分かる。分かるのだ。


「……そういう訳だ。俺はこんなふざけた殺し合いなんかに参加する気は毛頭ない。俺の力は、俺のサーヴァントの力は、戦いを止めるために使う。
　だから、教えられない。少なくとも……ハルカ、お前にだけはな」
「私もだよ。私の『願い』を邪魔しようとする人に、私のサーヴァントを教える事なんてできない」


　話は平行線のままに過ぎようとしていた。
　豊久さんの様子はまるで変りない。二人の言葉も激情も、彼にとっては微風のようなものなのだろう。


「俺からも聞かせてくれ。縁、お前はどちらの立場につくつもりだ。
　大戦に参加し、他の奴らを殺してでも『生還』を、『願い』を求めるのか―――」


　私は重要な分岐路に立っているのだろう。
　おそらく聖杯大戦を生き抜くうえで、避けては通れない重要な選択。
　その前に、立っている。


「―――それとも、大戦を止めたいと願うのか」


　みほちゃんの笑顔が、脳裏に過る。
　ほんの少ししか共に過ごしていないが、それでも大事な大事な友達だ。
　彼女は、『白』の陣営にいて。つまり戦わなくてはいけないという事で。
　でも、戦わないで聖杯大戦を終結させられる方法はあるのか。
　エドの言っている事は絵空事でしかないのではないか。


「お前は―――どうなんだ？」


　ライダーは、何も語らない。
　あんなに饒舌だった口は真一文字に縛られて、何も言わずに私を見詰めている。


　私は、私は―――、






　主人公の答えは―――？

　↓５の内で多い方を選択　　23時まで定数に行かなければ、その時点で多数決をとります。

「私は、大戦を止めたい」

　本心は、すらりと口から零れた。
　誰でもない。それが私自身の『願い』だった。
　ライダーがほくそ笑むのが見えた。
　春香ちゃんの表情が強張り、瞳に敵意が宿るのが見えた。
　エド君が強く頷くのが見えた。豊久さんはわれ関せずを貫いている。


「そう、なら、縁ちゃんは私の―――敵、だね」


　言葉は心の奥へと冷たく突き刺さる。
　そう、私は今敵となったのだ。
　春香ちゃんの、『願い』を求めて戦う者の、敵に。


「私、行くね。これだけ言っておいて勝手かもしれないけど……出来れば、どうか無事で」


　春香ちゃんはそう言い残して、場を後にしていった。
　他人から拒絶されるという事はこんなにも辛い事だったのか。


「……気にするな。お前は間違っちゃいねえよ」


　エド君は励ますように肩に手を置いてくれた。
　私はただ黙って春香ちゃんが去っていった方向を見詰めることしかできなかった。


「で、だ。お前さんはどうなんだい？」


　と、ここまで沈黙を貫いてきたライダーが豊久さんに問い掛ける。
　春香ちゃんの言葉にも、エド君の言葉にも、もちろん私の言葉にも興味を示さなかった人。
　正直なにを考えているのか、さっぱり分からない。


「おいには関係なか。戦場ちゅうなら戦う。そうでねば信ん所へ帰る」
「ほぉー、達観してんだか何も考えてないんだか」


　何ともにべもない感じだ。
　とはいえ、そもそも何が起きるのかも分からない現状だ。
　手を組める人は多い方が良いとは思うけど…。




　豊久を仲間に誘う？

　↓１　
　

「あのー、豊久さんも私達と一緒に行動しませんか？」
「おいが？　お前たちと？」

　豊久さんは真っ直ぐに私を見詰めてくる。
　じっと、何を言うでもなく、見てくるだけだ。
　何となく私も視線を外しちゃダメなんだと思い、豊久さんを見つめ返す。
　そうして、少しばかりの時間が経った後に、ゆっくりと口を開いた。


　その答えは―――、



　コンマ判定　コンマ6以上で豊久が仲間に。

　↓１

豊久が仲間に、といったところで中途半端ですが一旦終わりにしたいと思います。
時間があれば明日夜に再開したいと思います。本日はありがとうございました。

勝って相手の蘇生を願えばwin-winではなかろうか
一人分の願いで相手陣営全員蘇生できるかわからんが

陣営の鞍替えとかは可能なのかな

>>160
可能です。
ですが、その前にどちらかの陣営を『全滅させる』という行程が入るので…。

>>161
マスターの陣営鞍替えは不可能ですが、サーヴァントの譲渡は陣営を越えて可能です。勿論双方の同意もあってですが。


24時くらいまで、少しの間ですが更新していきます。

「良ぞ」
「え？　本当ですか、やったあ！」
「だが、一つ言うておくが。おいはおいのしたいようにしか動かん」
「うーん、そんな気がしてました！　万事問題なし！　だよね、エド君！」
「お、おう」
「じゃあ、よろしくね、豊久さん！」
「おう」

　３人の仲間。
　春香ちゃんは去っていってしまったけど、それでも私達は手を取り合うことができた。
　『聖杯大戦』を止める。
　それは絵空事でしかないのかもしれないけど、それでも。
　それでも、私はそう選択したのだ。


「―――ほんじゃま、まずはサーヴァントの紹介としますか」


　そう話を切り出しのはエド君だった。
　凛とした瞳で私達を見回し、軽く手を挙げる。
　話を切り出した以上、まずは自分からと考えたのであろう。
　彼の合図に合わせて、そのサーヴァントは姿を現した。
　木々の上から、まるで猿のように身のこなしで着地。
　顔をあげると、私達の表情を一瞬の間につぶさに観察していった。


「こいつが俺のサーヴァント―――」


　私は単純に驚愕していた。
　サーヴァントの姿にではない。
　直ぐ近くの木の上にいたというのに、ほんの少しの気配を感じ取れなかったという事実にだ。
　その様子からするとずっと現界して、そこに潜んでいたようだった。
　アサシンのサーヴァント。
　そう、脳裏に言葉が過ぎったが、私の予想は、その悪戯っ子のような微笑みと共に否定される。


「―――キャスターのアルセーヌ・ルパン三世だ。よろしく頼むぜい」


　エドのサーヴァント―――キャスターは、容易く真名をも明かした。
　まるで何でもないかのように、普通の自己紹介のようにさらりと、だ。


「……おい、キャスター」
「ん？　何だよ、ガキンチョ」
「ガキじゃねえ！　俺はお前のマスターだ！　ってそうじゃなくて！　なに当たり前のように真名言ってんだよ！」
「うるっせーなぁ。別に名前しられたところで、どーってことないだろうが。俺を誰だと思ってんだ」
「天下のルパン三世っつーんだろ！　さっきも聞いたっつうの、それは！」
「ニヒヒ、分かってるじゃねーの」


　アルセーヌ・ルパン三世。
　その名は世界中の人々が知っていた。
　神出鬼没。不可能を可能にする天下の大怪盗・ルパン三世。
　あらゆる堅牢な守りから世界の秘宝を盗んでいく彼は、確かに『魔術師』と呼ぶには相応しいかもしれない。
　というか、彼は存命中の筈だが……。


「ま、俺も良く分からない内に呼ばれてなあ。せっかくならナイスバディなお姉ちゃんにでも呼ばれたかったけどよお」


　うーむ、簡単に心が読まれてしまった。
　流石はルパン三世と思っておくしかないのだろう。


「……素材は良いねえ。後１０年ってとこだ」


　やや下に向けられた視線が私の胸を捉えている。
　……スケベ親父という噂に間違いなかったのだろう。
　ぶん殴りたくなる感情を抑えて、ルパンから少し距離をとる。


「おいおい、そいつは俺の女だぜ。横取りは困るな」


　ライダーが何か言っているが無視。いつ、あんたの女になったのよ！

「さて、俺のサーヴァントは紹介した。次は―――」
「おいか。出てこい、ばぁさぁかぁ」


　続いて、豊久さんが前に出る。
　今度は霊体になっていたサーヴァントが、光と共に現れた。
　その瞬間だった。
　場の空気が一変する。
　私も、エド君も。
　飄々としていたライダーやキャスターでさえ、目を見張り、身構え、警戒を見せる。
　現れたのは長身の男。
　赤色の帽子に、赤色のコート、そして透き通るような白色の肌。
　瞳は血のような真紅に染まり、私達を射竦めた。


「こんばんは、ヒューマン。この島津豊久がサーヴァント―――アーカードだ」


　味方の筈だというのに、寒気を感じた。
　瞬時に理解する。こいつはヤバい奴だ。
　おそらくは、この場にいる誰よりも。
　ライダーやキャスターだってぶっ飛んだ存在だが、こいつは違う。
　何か次元を越えたところで、こいつは異質だった。


「おや、驚かせてしまったかな、お嬢さん」


　怪物が笑顔を見せる。
　凶悪な、まるで肉食獣が獲物を前に見せるような、笑み。
　それだけで、私は意識が遠のいていく感覚を覚えた。
　この場から逃げ出したいと、本能が叫んでいる。


「―――言っただろ。こいつは俺の女だってな。手を出すようなら蹴り飛ばすぞ、トマト野郎」


　だが、その笑顔はいつの間にか消えていた。
　私の視界を埋めたのは白色の背中だった。
　ステレイト・クーガー。
　彼が庇うようにして、怪物と私の間に立っていた。


「これは失礼した。謝罪しようと思っただけなのだが」
「はっ、そのお気持ちだけ受け取っておくよ」


　ライダーは……クーガーは、この怪物を前にして一片も怯みはしなかった。
　相対している姿を見ると、改めて理解させられる。
　これがサーヴァント。怪物と、怪物を前にして一歩と引かぬ男と。
　超常の人物達が、そこにいた。


「やめい、ばぁさぁかぁ」
「そうしておこう。我らは仲間、らしいからな」


　アーカード―――バーサーカーが豊久さんの後ろへと引いていく。
　場を支配する『圧』が消えていくのが分かった。
　恐ろしいサーヴァントだと、思う。
　同じ陣営で心底から良かったと思うと同時に、果たして御しきれるのか不安となる。


「―――次は、私の番だね」


　不安と恐怖を押し殺して、次に私はクーガーの紹介を始めた。
　といっても、私もその真名とちょっとした性格しか知らないから、殆ど顔見せ程度だ。
　だが、一応なりとも私達は手を取り合うことができた。
　バーサーカーという巨大な爆弾は見つかったが……。

「よーし、じゃあ次にどう行動するかだね！　皆意見はある？」


　話を次の段階に進めていく。
　聖杯大戦を止めるため、どのような行動をとっていくかだ。
　正直、現状では皆目見当もつかないが、そこは三人揃えば何とやらだ。
　それにエド君やキャスターみたいに、私よりもずっとずっと頭の良さそうな人たちもいるのだ。
　何か画期的な良い案を出してくれるに違いない、と、気楽に考える。
　だが、誰も何も案は出さなかった。
　エド君もキャスターも何かを考えているようだったし、豊久さんは何も考えていないようだった。
　悲しい静寂が流れていく。
　うーん、ここは私が何か案を出さないといけないのかな。

「じゃあ、私の案を言うね！　まずは―――」


　主人公の行動案は？
　↓１

「ライダーの足を使って遊撃とかはどうかな？」
「遊撃か……」

　私の意見にエド君は顎に手を当てて、考え込む。
　どうやら何か思うところがあるようだ。


「一つ聞かせてくれ。遊撃ってことは、それを行使するべき対象がいる筈だ。その対象はどうするつもりだ？
　白陣営全員に喧嘩売ってたら、それこそ戦いは激しくなるだろうし、大戦は泥沼化するぞ」


　た、確かに。
　エド君の言う事にも一理ある。
　全員に敵対してしまったら、それこそ大戦が止まる訳もない。火に油を注ぐようなものだ。
　対象、対象……私達はどんな相手に対して遊撃をしていった方が良いのか。


　どんな相手に対して『遊撃』を行っていく？
　↓１

　
　

行動指針が決まったとことで、短くなってしまいましたが今回はここまでにしたいと思います。
また明日時間があれば再開していきます。本日はありがとうございました。

少し更新していきます。

「赤陣営が攻撃を受けていた場合は敵対者を遊撃して守ろう。赤陣営が攻撃していた場合は……その戦いを、止めよう」
「……戦闘に対する遊撃って訳か。良いぜ、のった」

　提案に、エド君は笑みと共に頷いた。
　豊久さんはノーリアクションだが、拒否はしていないので良しとしたのだろう。
　そうと決まれば、まずは行動あるのみだ。

「ライダー、お願い！」
「助手席には女性しか乗せないって決めてるんだがな」
「えぇ～、良いじゃん～。なら、私が助手席に乗るからぁ～」
「……まぁ、今回は事情が事情だ。仕方ないだろう」

　僅かに溜め息を吐きながら、クーガーは地面へと手をついた。

「ラディカル・グッド・スピィィィド！」

　発現するは先程よりも二回りほど大きく、だが見た目は変わらずド派手な車。
　車内に乗り込むや否や、エンジンが獣のような唸りをあげる。
　少し前の嫌な記憶がフラッシュバックするが、この戦いを止める為なのだ。
　今は我慢、我慢……いや、むしろあわよくば、エド君たちも吐いてしまえば。


「では、行くぞ！　世界を縮めに！」


　などと、どす黒い思考をしているうちに車はフルスロットルで加速していく。
　エド君と豊久さんの驚愕の悲鳴、キャスターとバーサーカーの楽し気な笑い声が、遠くなった耳に届いた。

　　
　

　そして、走り始めて数分。
　『それら』は発生した。
　北と南。それぞれの方角で魔力の激突が感知できたのだ。
　距離にして数キロ程。だというのに、二カ所の魔力は膨大なものでライダーの運転という地獄の中だというのに直ぐに分かった。。
　どちらも凄まじい魔力であるが、知覚できる範囲に於いては北の方が輪をかけて強大なものだった。
　圧倒的なまでの、絶対的なまでの、魔力。
　思わずライダーも車を止め、深刻な顔でこちらを見る。

「戦いが始まっているな。どっちに向かう？」

　グロッキーだったエド君も、事態の急転を察知して既に思考を回しているようだった。
　北と南での同時戦闘。対する私達は一つのチームでしかない。

「……俺は、どちらかを優先するという選択肢は取りたくない。
　片方の戦闘を止めてる間に片方の戦闘で誰かが犠牲になってしまえば、俺達の行動に意味はなくなる。
　チームを二つに分けて行動するべきだ」

　エド君の提案は、両方の戦場に向かうとの事だった。
　チームを二つに分け、どちらの戦闘も止める。
　確かにそれが出来なければ、私達が介入しなかった側の戦闘は野放しとなってしまう。
　脱落者がでる確率は高くなるかもしれない。

「青臭いガキの考え方だねえ。冷静に考えてみろよ。感知できる魔力量だけでもかなりのもんだぜ、こりゃあ。
　戦力を分ければ戦闘を止めることだって出来ねえかもしれないし、最悪返り討ちにあうぜ」

　だが、キャスターの意見も最もであった。
　戦力のバラつきは少なからず発生するし、感知できる魔力からして相当な実力のサーヴァント達が戦っていることが分かる。
　力を分散し、返り討ちにあってしまえば、意味はない。
　それこそ大戦を止めようとする存在がいなくなってしまうかもしれない。

「ガキで結構。それだけのリスクを背負ってるのは百も承知だ。それでもやらなきゃいけねぇことなんだろうが」
「賭けに出るタイミングを間違えるなって言ってんの。命の賭け時は本当に今なのか、慎重に考えな」

　火花を散らす二人。
　どちらの考えも間違ってはいないように思える。
　この状況。
　果たして私達はどのような行動を取った方が良いのか。
　私は―――、





　北と南の二カ所で大規模な戦闘が始まっています。
　主人公はエドとルパン三世のどちらの案に賛成する？

　↓５　の内から多数決で選択します。

「私は―――ルパンさんの案に、賛成かな」

　私達はチームだ。
　たった三人しかいない、ここで出会ったばかりのチーム。
　これから向かう先でどれ程の戦闘が行われているのか、どれ程のサーヴァントがいるのか、予想しきれない状況だ。
　なら、ここでチームを分けるのは……余りにリスクが高過ぎる。


「……そうかよ。なら、俺達が行かない戦場の奴等はどうするつもりだよ」
「……片方を止めてから向かおう」
「それじゃあ間に合わないって言ってんだよ」
「でも……それしか無いよ。この魔力は余りに危険すぎる」
「っ……なら、そいつ等は犠牲になっても良いって言うのかよ！」
「そんなこと言ってないよ。でも、そうするのが一番確実だって思うの……！」


　エド君は感情に、信念に従って動こうとしている。
　私も本心はそうだ。全員を全員たすけるために動くべきだと思う。
　でも、それじゃあエド君や豊久さんの危険が高まるのだ。
　今は『感情に流されず』、動かなければならない状況だ。

　睨み合う私達。空気は険悪なものへと変わっている。
　そんな空気を見かねて間に入ってきたのは、ライダーだった。

「落ち着けよ、エド。お前は言ったな、それじゃあ間に合わない、と。
　おいおい忘れて貰っちゃあ困るな。ここにいるのを誰だと思っていやがる。世界最速の男だぞ？
　最速最短で戦場に向い、最速最短で戦闘を止め、最速最短でもう一つの戦場に向えばいい。
　そう、お前は良く分かっているよ。今何より必要なのは『速さ』だ。全てを助け、全てを救うために、全てを『速く』解決すればいい。
　至極単純なことだ！　小学生にだって分かる計算だ！　行くぜ！　お前等に『速さ』の真髄を見せてやる！」

　早口でまくし立て、騒々しいエンジンを吹かし始める。
　確かにクーガーの言葉に間違いはなかった。
　『間に合わない』のなら『間に合わせればいい』―――何よりも『速さ』で。
　それが出来ないからという話ではあるのだが、クーガーが言うと説得力があった。
　彼の『速さ』なら何とかできるのではないかと、思ってしまうのだ。
　エド君も納得はいっていない様子であったが、渋々と口を閉ざした。


「さぁ、世界を縮めるぜ！　どちらの戦場に向かう！」


　向える戦場は一つ。
　魔力の大きさは北の方角が強大。
　私達が向かうべき戦場は―――、



　どちらの戦場へ向かう？

　↓１

申し訳ありません。急用ができてしまい、本日は以上とします。
時間があれば明日の夜に再開したいと思います。本日はありがとうございました。

少し早いですが、更新していきます。

　

　向う方角は決まった。
　どちらかを選択しなければならないのだとしたら、せめて困難な戦場を止めたい。
　フルスロットルで直進していく車に揺られて、だが今はクーガーの運転に恐怖を覚える事すらできず。
　強大な魔力を発生させ鉄火場に進んでいく緊張に、身を縮こませることしか出来なかった。
　それはエド君も同じなのだろう。
　勿論、本意でない選択を取らされた事実もあるのだろうが、険しい表情で窓の外を睨んでいる。
　ただ一人、豊久さんは違った。
　笑顔でもって先を見つめる。それは遊戯を前にした子供のようにも、精神を病んだ狂気の笑みにも見えた。


「―――ここで、止めるぞ」


　数分後、車がこれまでとは違い静かに停車する。
　戦場から少し離れた地点なのだろう。
　戦闘音が聞こえてくる。
　銃声と何かが倒れるような音。音がなる度に地面が揺れる。
　魔力の密はこれまでとは段違いで、立っているだけで気圧されるのを感じた。

　強敵との邂逅を前に緊張感に呑まれ、僅かに立ち尽くす。
　その、最中だった。

「―――いくさの匂いじゃ」

　一切と場に呑まれる事なく、誰よりも何よりも早く行動するものがいた。
　島津豊久。赤の鎧を身に着けた、狂戦士のマスター。
　彼は車が止まるや否や、にぃぃと頬を吊り上げて、刀を手に走り出す。
　
「ちょちょちょっと、豊久さん！？」

　何でこんな信じられない位の魔力の放出を見て、ノータイムで動けるのか、動いてしまうのか。
　信じられない光景に私達は、あのバーサーカーですら、言葉を失っていた。

「主やらは戦を止めるだ、何だ小難しいこと言っておったが、俺にできるのはただの一つしかなか―――」

　既に小さくなっていく背中が、驚くほどに通る声が聞こえてくる。

「―――首ぃ、とる。それだけじゃ！」

　答えは、簡潔にして明瞭だった。
　が、それが理解できるかは全くの別である。
　私は茫然と彼の後ろ姿を見詰めてしまっていた。

「フ、ハハ」

　自失の中で、笑い声が響く。
　彼のサーヴァントたるバーサーカー。彼もまた狂気の笑みに口を歪める。

「そうだ！　それでこそだ！　仮初とは言え私の『マスター』となってみせたのだ！　これくらいはやってくれなくては困る！！」

　叫び、真紅の獣もまた駆け出す。
　まるで疾風の如く脚力で、戦場の方角へと進んでいく。

「あーれま、言っちまったぜえ、あいつら」
「いやぁ、中々のもんだ。カズヤ並みの馬鹿だなアイツは」

　言葉を失う私とエド君の横で、サーヴァント陣は呑気に笑っていた。
　ああ、もう。何でいきなりこうなるかなあ……。
　ともかく！
　私達も動かなければ始まらない。
　豊久さんの後を追って戦場に突入するか、それとも慎重に状況を探っていくか、まずは―――



　豊久・バーサーカー陣営の暴走！
　主人公たちはどうする？

　↓１
　

「ともかく2人を追おう！」
「分かった！　くそ、何つー奴だよ、全く！」

　悪態を付きながらも二人で走り出す。
　つまりは、戦場へと一刻と近付いている事を示すのだが仕方ない。今はとにかく二人を追わなければ。
　とはいえ、スタートに遅れたせいか脚力の差か、その背中は一向に見えてこない。
　駆け足なら相当に自信があるが、まるで追い付ける気配はなかった。

（森が開けてる―――）

　そうこうしている間に、森林を抜けようとしていた。
　魔力の密度は特大だ。おそらくは、その先は戦場と化しているのだろう。
　豊久さん達の姿が見えないという事は、おそらく戦場に突っ込んでしまっているのだろう。

（どうしよう、私達も突っ込む、それとも様子見―――）

　思考を超速で回転させる。
　ここは、まずは……。


　戦場へと突っ込む？

　↓１
　

（まずは様子見！）

　森林の境目で足を止め、木陰に隠れる。
　エド君も同様の選択をした様子で、少し離れた所に身を潜めていた。
　慎重に、木陰から場を見る。
　そこには――――――、


　血が、広がっていた。


　地面一体が、吸水しきれぬ赤で濡れている。
　ひゅっ、と息を呑み、吐きだし方を忘れる。
　何だ、これは。何なのだ、この光景は。
　血の最中には、幾数もの肉片があった。
　まるで精肉のように、綺麗に腑分けられた肉片。
　切断面は、一切の起伏もなく『面』と化している。
　刀や何かではない。尋常ならざる切れ味の何かで斬らねば、こうはならないだろう。


「―――っ！」


　隣にいたエド君が、激情を浮かべているのが目に見えた。
　彼の表情は怒りに染まっている。
　理由は一瞬で理解できた。
　その紅の海の中に、生首が転がっている。
　魂の抜けた瞳。それは、数瞬前まで共に行動していた者の顔だった。
　バーサーカー。
　私達の陣営の中で、おそらくは最強を誇ったサーヴァントが一瞬の内に絶命していた。
　ほんの数十分を共にしただけの、しかも相当な危険人物であったろうバーサーカーの死に対して、それでも。
　それでも、エド君は明確な怒りを露わにする。

（ダメだ、止めなくちゃ―――）

　本能的に危機を感じた。
　今でれば殺される、と。
　心の奥底の部分が、声高に叫ぶ。
　私は必死にエド君へと手を伸ばす。
　その手は―――、



　コンマ判定　コンマ6以上でエドの制止に成功。

　↓１

　手は、届かない。
　木陰から飛び出しエド君は、一人の男と相対した。
　おそらくはバーサーカーを殺害した下手人―――白陣営のサーヴァントだ。

「何やってんだよ、テメェは―――！！」

　怒りのままに叫び、右の拳を大きく振り被り、男へと接近していく。
　透き通るような白の肌に白を基調としたスーツ。短い金髪に碧の瞳。
　男はエドに視線を向けることすらしない。
　ただ超然と、そこにいた。
　近付く距離。振り抜かれる拳。
　

「な―――」


　だが―――拳は、届かない。
　男の左腕から発生した『何か』が、その拳を止めていた。
　それは巨大な刃。人間の身長程はあろうという刃渡り。その刀面で、エドの拳を受けたのだ。
　同時に男の左腕から、刃が複数噴出する。
　まるで男の腕が爆ぜたかのように、その左腕を中心として数えきれない程の刃がエドへと殺到する。
　それは死、そのものだった。
　突如として現れた数十の刃が、エド君へと襲い掛かる。
　前触れもない唐突な現象に、エド君は反応すら出来ていない様子だった。
　それは、私も。
　反応がまるで追い付いていかない。
　魔術を行使する事も、手を伸ばす事すらも、声をあげる事すらも、できやしない。
　そうして、私の視界の中でエド君は―――





　コンマ判定　コンマ1以下で―――、

　↓１