耕介「え?」
耕介「すまん、慕、なんつった今」
慕「おじさんが童貞なのか聞いたんだよ?」キラキラ
耕介(目を輝かせて聞くことじゃねーだろ!?)
慕「教えて欲しいな」
耕介(……)
↓1
①「当たり前だろ!」(見栄を張る)
②「どこでそんな言葉知った?」(はぐらかす)
③「はい……」(素直に認める)
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耕介「当たり前だろ!」
慕「大声出さないでよ、びっくりしちゃった」
耕介「あっ、すまん」
慕「それで、童貞なのが当たり前なんだ……その年で……」
耕介「うっ……違うって!俺だって昔はヤンチャしてたし……その、もう童貞ではないというか」
耕介「童貞でないのが当たり前なの!」
慕「ふーん。で、何人とシたの?」
耕介「そ、それは…」
↓1
何人と答えますか?
耕介「3人くらい、かな」ハハッ
慕「へー」ニヤニヤ
耕介(なんだ!?この含みのある笑み!まさか疑ってる?いや、あり得ない)
耕介(こいつだってろくに男と話した事ないだろ!男は俺しか知らないはず……ってこの言い方やべーな……)
耕介(だが問題はどこまで俺の嘘を疑っているか)
耕介(見栄を張った手前、後には引けねーぜ……まあ、3人くらいならマジっぽいだろ??)
慕「3人ってさ」
耕介「ゴクッ」
慕「おじさんってプレイボーイだったんだね!」キラキラ
耕介(ぷ、プレイボーイ??3人でか??今時の女子からしたら3人でプレイボーイなのか!?)
耕介(盛りすぎちまったか?クソッ!10年近く姉貴探しに明け暮れて、若い子の考えが読めねー!)
慕「で、おじさん、最初に経験したのはいつ?誰と?」グイッ
↓1
①慕くらいの時だよ
②お前が産まれた頃かな
③馬鹿な事聞いてないで早く飯歯磨いて寝ろ
耕介「お前くらいの頃だったかなー思えば随分と昔の話さ」
耕介「俺のバンドの追っかけだった子と、一晩の苦い思い出を……」
慕「へー」
耕介「って感じで」
慕「それだけ??相手はどんな子だったの?」
耕介「うっ」
慕「年上?年下?」
慕「どういう流れで?二人はお付き合いしていたの?」
慕「その子とはどーなったの?」
慕「教えてよ、おじさん」
耕介(まるで警察の取り調べじゃねーか!ってか何で俺、こんな話に付き合ってんだろ)
耕介(姉貴見つからなくて少し疲れてんのかもなぁ……思えば長いこと女と遊んでねーし……友達もみんな結婚しちまったし)
耕介(よく考えたら、もう腰を落ち着けてもいい年だよな)
耕介(こんな年になってまだ女性経験もまともにないって……不味いんじゃね?)
慕「おじさん!聞いてる?」
耕介「うわっ」
耕介(慕の高校卒業してるのにまだ昔みたいに俺と一緒に暮らして、料理一緒に作ったりしてるけど)
耕介(こいつだっていつかは姉貴みたいに男作って家出てくんだろーな…)
耕介(姉貴と一緒で男を見る目はないから心配だぜ)
耕介(って、そうなったら俺は一人ぼっちか)
耕介(あれ?すげー怖くなってきたぞ……)
慕「……ね、おじさん」
耕介(慕は髪の色こそ姉貴に似てないけど、ふとした仕草に時々ドキッとしちまう)
耕介(仕事から帰って、キッチンで料理してる後ろ姿なんか)
慕「相談があるんだけど」
耕介「なんだよ…(さっきの話はただの前振りかーい!)」
慕「実は、今週末、閑無ちゃんに合コンってのに誘われてるんだ」
耕介「えっ」
耕介(この時、俺はーー)
慕「私、今までそーゆーのに縁無かったから、断ろうと思ったんだけどね」
慕「閑無ちゃんがどうしてもって言うから」
慕「おじさん、私どうしたらいいかな?」
耕介(なぜ俺に聞く?)
慕「一応、家族ですから」
耕介(その時の慕の顔が少し切なくてーー俺は姉貴の面影を重ねてしまった)
↓1
①行っちゃ駄目だ!
②好きにしろよ
耕介「行っちゃ駄目だ!」バンッ!
慕「ふぇっ」ビクッ
耕介「あっ、いや、その、なんだ……週末は……横浜でビラ配りがあっただろ……」
耕介「手伝いは一人でも多い方がいいっちゅーかな、その」
慕「……うんっ、閑無ちゃんにはお断りのメールしておくねっ!」
耕介「わりーな、慕。お前だって同い年の友達とか……男の子とかと遊びたいだろ……」
慕「ううん、いいんだよ、おじさん。好きでやってる事だから」
耕介(慕の顔は心なしか嬉しそうだった)
慕「さーて、断るぞ断るぞ~!閑無ちゃんのお誘い断るぞ~」クルクル
耕介(くるくる回りながらスマホを握って自分の部屋に戻っていく慕を見届け……俺はコルクボードに飾ってある写真を見た)
耕介(小学5年生頃の慕。元気がなかったから、岡山の遊園地まで遊びに連れて行った時の写真)
耕介(それから、小学生の麻雀大会で東京まで行った時の表彰台での一枚)
耕介(小学校卒業式で友達に囲まれて……慕は友達に恵まれてんなぁ)
耕介(中学、高校の頃の色々な思い出。大会は毎回応援に行ったっけ)
耕介(慕は俺にとって娘みたいなもんだ。だから、さっきの感情は……娘に悪い虫を付けたくない頑固親父のそれだ)
耕介(俺はそう納得して、今日は寝る事にした)
耕介「おーっす」カランカラン
質屋「らっしゃいーって、なんだリチャードソンかよ」
耕介「露骨にガッカリしてんなぁ、客じゃなくて悪かったね」
質屋「客ですらねーのか!」
耕介「景気はどうだ?」
質屋「サッパリだね。アマゾンがウチのシマに手を出してっからなぁ」
質屋「客も片手で数えるほどしか来ねーし、来てもロクでもない粗大ゴミしか入れてくれーねよ」
耕介「大丈夫なのか?」
質屋「まー、ニッチな層からの需要はあるし、目利きはアマゾンさんにゃ出来ねーからな」
質屋「で、今日は何?」
耕介「ほら、これ」
質屋「ん?なんだこれ?食器?」
耕介「出産祝い。おめでとさん」
耕介(こいつの名前は周藤瞬斗。俺のかつてのバンドの仲間で、DTsという2ピースバンドを組んでいた時期もある腐れ縁だ)
耕介(名前負けしているというのがコンプレックスの童貞野郎だった)
耕介(そんなこいつも結婚して今では一児のパパ。こいつが今の奥さんと付き合い初めて、卒業した晩は朝まで2人で飲んだっけ)
耕介(そんな気の置けない友人も、家庭を持ってすっかり所帯染みてきたーー)
質屋「……すげー嬉しいわ、サンキュ」
耕介「おう!写真見せてくれよ~お前に似てなきゃいいけど」
質屋「狙うなよ?ウチの娘は三国一のべっぴんだから、お前にゃもったいねー」
耕介「お前を父さんと呼ぶ日が来る前に地球に隕石が落ちた方が幸せかもな」
耕介(案の上、こいつはスマホの待ち受けを娘の写真にしていた。分かりやすい奴だ)
耕介(幸せそうな写真の数々。周藤の顔はどれも笑顔だった)
耕介(俺は友の幸せを心から祝福している。しかし、心の奥底に芽生える、この感情はなんだ?)
質屋「……なぁ、お前。もし良ければ、なんだけどさ」
質屋「ウチの奥さんの友達で、いい人がいるらしいんだ。お前よりちょっと年下だけど、気立ては良くて、写真も見たけどかなり美人!」
質屋「良い人すぎて高嶺の華みたいで、中々相手が見つからないそうなんだよ。で、今度の週末、うちに遊びに来るんだけどお前も来ねーか?」
質屋「きっとーー」
耕介「悪りぃな、週末は横浜だ」
質屋「横浜?お前ひょっとしてまだ」
耕介(慕の合コンの誘いを断らせといて、俺だけがそんなこと出来る訳ねーだろ…)
耕介「ああ、姉貴が最後に働いてたのが横浜だから」
質屋「でももう10年も前だろ??俺だって昔一緒にビラ配りしたし、横浜中の店聞き回っただろ?もうあの頃と住んでる人も変わってるしーー」
耕介「おい、それ以上は言葉を選べよ」
耕介(姉貴の事。こいつは最後まで俺の手伝いをしてくれていた。だから分かっている。慕が高校を卒業してからはもう誘ってない)
耕介(こいつが俺の事を心配しているってことも、姉貴がもう)
質屋「悪りぃな、コースケ。ダチとして言わせて貰うわ。もう諦めろ。ナナさんの事は俺も心配だが、お前達は自分の人生を歩むべきだぜ」
耕介(友達だから?)
耕介(俺はこの時、心の奥で何かにヒビが入った音がした)
耕介(俺が必死に姉貴を探している間に、こいつは奥さん見つけてよろしくやって、子供まで作ってーー)
耕介(俺だって、姉貴が慕を捨てなければーー!)
慕「おじさん?どうしたの?」
耕介「あっ、すまん、ぼーっとしてた。なんか言った?」
慕「ううん、目の隈、酷いよ?寝てないでしょ」
耕介(土曜日の朝早くから、俺は慕と新幹線で横浜へ)
慕「ほら、おじさん、アイマスク!横浜付くまで寝てていーよ。起こしてあげるから」
耕介「いや、起きてるからいいよ」
慕「今回こそ…見つかるといいね、お母さんの手がかり」
耕介「そうだな」
慕「私ね、今週ずっと調べてた。昔おじさん達が探し回った時のメモ見て、まだ聞き込みしてない場所とかーー案外、まだたくさんあるよ!市内に20ヶ所、横須賀に48ヶ所、川崎31ヶ所!」
慕「神奈川は西の方に行けばまだまだたくさんあるし」
慕「ビラ配り終わったら、行ってみない?」
慕「あと、私ね、横浜に知り合いいるから、その娘にも会いたいなーって」
耕介「知り合い?」
慕「うん。妙香寺高校の」
耕介(横浜駅に着いてすぐ、駅前の広場で暗くなるまでビラを配る)
耕介(俺は季節の変わり目に年に4回、これをもう10年も続けている)
耕介(最初の頃は、姉貴を見たことある、会ったことがあるって人がよく話をしてくれたけど)
耕介(ここ数年、ろくな手応えはなく)
耕介(高校を卒業して暇になった慕も手伝ってくれるようになって、逆にもう辞めようと言い出せなくなってる始末だ)
耕介(母親を探すためにインハイまで出た彼女の前で、俺が諦めるだとか、もう自分達の人生を歩むべきだとか)
耕介(そんな事は口が裂けても言えない)
耕介(俺に出来るのはーー)
耕介「いなくなった家族を探してます!!御心あたりの方は是非、些細な事でもいいです!!連絡下さい!!」
耕介(声が枯れるまで呼びかける事くらいだ)
慕「おじさん、どうだった?」
耕介「……」フルフル
耕介(相変わらず手応えなしだ)
耕介「慕は?」
慕「チャラチャラした男の人から連絡先たくさん貰っちゃった」
耕介「全部捨てとけ。はぁ……もう暗いしこれくらいにしとくか」
慕「うん」
咏「この人がおねーさんの?」
耕介「あ?君は」
耕介(気がつけば慕の側に着物を着た子供がいた)
慕「紹介するね、三尋木咏ちゃん。地元の高校生で、インハイチャンプ。おじさん、覚えてる?私の小学生の頃の全国大会の決勝戦の」
耕介「ああ、もちろん!慕の保護者の白築耕介だ。よろしく」
咏「おねーさんにはお世話になってます。三尋木咏です、よろしく~」
耕介(ほとんど小学生の頃と変わってないから驚いた。雑誌で見るよりちっこいな~)
耕介(せっかくだし2人で飯でも食ってこいと言ったが)
咏「ウチは構わないっすよ~おねーさんの家族なら」
慕「咏ちゃんもこう言ってる事だし、おじさんも一緒に!」
耕介(と、強く押されて3人でファミレスで夕食を食べる事になった)
慕「今日はおじさん持ちだから好きなの食べて!咏ちゃんも」
咏「ゴチになりまーす」
耕介(おっさんが女子高生と小学生を連れてファミレスに入るの図)
耕介(インハイチャンピオンなんて有名人連れてるからかなり変な目で見られてしまう)
慕「閑無ちゃんは相変わらずで~女子大生やってるよ~杏果ちゃんとのコンビも健在で」
咏「2人は同じ大学?」
慕「うん。2人とも麻雀辞めちゃったけどー」
耕介(共通の知り合いの話に華を咲かせている)
咏「そういや赤土さんは?すっかり名前聞かなくなったけど」
慕「私も連絡とってないからわかんないなぁ」
耕介(この娘と慕は結局、小学生の全国大会以来直接戦ってはいない。それでその時の縁が続くって中々のものだと思う)
咏「最近はやりさんの人気すっごいねぃ、男の人はああいうのが好きなんだねぃ、知らんけど」
慕「で、どうなの、おじさん。男の人の代表として意見を聞きたいな」
耕介「えっ!?」
耕介(流れが無茶だったけど!)
↓1
①まあ、俺もファンだしな
②そりゃあのおもちは男なら一度は揉んでみたい
③俺は苦手だな
慕「えっ!?おじさん、はやりちゃんのファンだったの!?」
耕介「慕の友達になった時から応援してるんだぜ?実は」
慕「それって小学生の頃だよね?」
咏「なんだか犯罪の香りがするねぃ」
耕介「振り付けもパーペキだぜ!はっやりーん!」
咏「どう思います?おねーさん」
慕「ぐぬぬ……思わぬ強敵出現……」
耕介(瑞原はやりは今では2代目牌のお姉さんとして先代の遺志を継ぎ、日夜恵まれない子供と寂しい夜を過ごす大人達の為に戦っている)
咏「あはは、おっさん面白いねぃ」
慕「もうっ!おじさん!」
咏「そういや最初にあった時から気になってたけど……2人はどういう関係?」
耕介「はい?」
慕「えっ……ちょっと咏ちゃん!私達はその……そういう関係ではまだなくって」
咏「いやー、すっごい仲良さそうだから。これは怪しいねぃ、私のシックスセンスがそう言ってるよ、知らんけど。そういやシックスってちょっとセックスみたいだねぃ」
慕「あうぅ…」チラッ
耕介(顔を赤らめながら慕は俺の方を見た)
咏「どうなの~どうなの~教えてくれるまで寝かさないぞ~」ウリウリ
耕介(こ、これが迫り来る怒濤の火力!)
耕介(俺にとって慕とは)
↓1
①娘みたいなもんだな
②奥さんみたいなもんだな
③ただの姪だろ
耕介「娘みたいな存在だよ」
耕介(慕を引き取ると決めた時ーー不安はたくさんあった)
耕介(慕は姉貴に似てないけど、根は優しくて頑張り屋な所はそっくりで)
耕介(そんな慕を真っ直ぐ育てられるのか、駄目にしちまわないか、そんなことばかり考えてたけど)
耕介(慕は友達にも恵まれて、すくすくと育って)
耕介(慕はワシが育てた、とみんなに自慢したいくらい)
慕「娘、かぁ…」
咏「ええっと……そ、そうそう、おねーさんはおっさんの事をど、どう思ってるんかね~」
慕「もう、いいよ咏ちゃん」ニコッ
咏「はい」
慕「話題変えよう。そういえば小鍛治さん最近凄いねー最年少八冠達成も年内視野だって」
咏「そうっすねー」
慕「麻雀始めたの高校生からだって。ホント恵まれてるよねー」
咏「わっかんねーけど、やっぱ運ゲーですかい」
慕「運でタイトル、5個も取れないよ」
咏「……ウチがやりますから」
咏「ウチが、おねーさんの仇、とりますからっ!」ブワッ
耕介(そんな慕だけど、娘扱いすると途端に機嫌が悪くなる。そんな時、俺は自分が父親の代わりになれなかったのかと堪らなく苦しくなる)
耕介「ええっ!?一部屋しか空いてないだと!?」
耕介(三尋木ちゃんと別れた後、俺たちは今日泊まる駅前のビジネスホテルについたが)
「大変申し訳ございません、予約システムの手違いで、シングル2部屋のところ、すでに満室となっておりまして」
耕介(ホテルの支配人のおっさんが汗水垂らして不手際を謝罪してきた)
「本日のお代金は結構ですので、もしよろしければ、ダブルが一部屋、空いておりますからこちらを御用意させて頂くことなら可能ですがーー」
耕介「いや、でもーー」
慕「いいでしょ、お父さん」
耕介「慕!」
耕介(慕が子供の頃は遊びに行く時は同じ部屋で2人で泊まってたけど)
耕介(高校を卒業した後は自分でもおかしい事だけど妙に意識してしまって)
耕介(こうやって横浜に来るときは、別々の部屋に泊まるようになって久しいが)
慕「それじゃあその部屋で構いませんから。お父さん、ラッキーだね!タダだよ、タダ!」ワ-イ
「ありがとうございます。恐れ入ります」ペッコリン
慕「おじさんと泊まるの……久し振りだね」
耕介「いやいや、泊まらんぞ」
耕介(部屋にダブルベットが一つ……これはさすがに限度が)
耕介「せっかくタダだから利用させてもらったけど、お前1人で使え。俺は近くの漫画喫茶で夜を明かすから」
慕「そんなの、体悪くするよ!もういい年なんだから、いいところに泊まらなくちゃ」
耕介「駄目だ」
慕「……」ジワ
耕介(強く言うと、気が付いたら慕は目に涙を溜め、体を震わせていた)
慕「ごめ、ごめんね、おじさん…甘えちゃって…めーわくだよね…」
耕介「あっ」
耕介(慕は強い。自分の中の暗い感情を表に出さず、明るく前向きに戦い続けてきた)
耕介(慕は無敵じゃない。何度も負けたし、それを糧に麻雀を楽しんできたんだ)
耕介(それがポッキリ折れたあの夏の後も、慕は麻雀以外では何も変わらなかった)
耕介(旨い飯を作ってくれるし、相変わらずドリアンジュースが好きで、俺を騙して飲ませにくる)
耕介(そんな慕もーー)
慕「おかーさん……もう会えない…んだよね?」
耕介(涙声になって、慕はそう漏らした)
耕介(俺だけじゃない。慕も戦っていたんだ。寂しくて一人ぼっちで…そんな彼女を俺は…少し邪な目で見てしまって)
耕介(だけど…!)
耕介(慕の体を見る。出るところは女らしく出てきて、姉貴に似た端正な顔立ち……)
耕介(そんな慕と一晩、夜を明かすと、間違いが起こらないとは言い切れない)
耕介(ただ、俺には一つだけ強い自信がある)
耕介(それは、この年まで守り続けてきた童貞という誇りッ!)
耕介(銃の撃ち方を知らない兵士に戦場で人を殺せるか?答えはNo)
耕介(ただ、慕には以前、見栄を張って経験人数3人というふかしをこいてしまった)
耕介(もし間違いが起こらなければそれでいいが、慕にはバレてしまうかもしれない)
耕介(一晩緊張して一睡も出来ない俺の事を、慕ほどの洞察力の持ち主は容易く見抜くだろう……)
耕介(その時、俺の父親としての尊厳は)
耕介(無様に砕け散るっ…)
耕介(慕に俺が童貞という事実はバレちゃあいけないんだ。何に変えても、この秘密は守りきるっ…!)
慕「……」チラッ
耕介(どうする、どうする、俺!)
↓1
①仕方ないな、今日だけだぞ
②やっぱり無理だ、一人で寝ろ
小休止します
耕介「仕方ないな、今回だけだぞ?」
耕介(慕の涙には弱い…まあ、ベッドも大きめだしいいだろ。小学生の頃は隣で寝てたんだし)
耕介(気にするな、気にしたら負けだ)
慕「ありがとっ、おじさん大好き!」ド-ン!
耕介(そう言いながら慕は突進してきて…)
耕介「ぐほ!」
耕介(なんと言うタックル!中学時代よりパワーが……!)
耕介(情けないことに俺はバランスを崩して後ろに倒れた)ボフ
耕介「もういい大人になるんだから、それやめてくれ…んっ…?」
慕「ごめんなさい、おじさん」
耕介(倒れたダメージが少ないと思ったらベッドで……慕が俺に抱きつきながら…)
慕「……」
耕介「慕……離れてくれ」
慕「えへへ~」ギュ
耕介(あのー精神年齢小学生に戻ってませんか?)
慕「久しぶりのおじさん…もう少しだけ」
耕介(甘えたい、だけ、か。そんな慕の頭を俺は昔のように撫でた。サラサラの髪の毛が、心地良かった)
慕「おじさん……二人っきりだね」
耕介(そんな事を言って、慕は顔を上げて俺の目を見た)
耕介(さっきまで泣いていたせいか、目が潤んで頰が紅く染まって嫌でも欲情を煽られるーー)
慕「……」
耕介(目が合ってしまった…しまったと思ったら最後……目線を切れない……)
耕介(慕の息遣いまで聞こえて来るくらい、部屋は静まり返っていた)
耕介(俺の心臓は破裂しそうなくらい脈打っていた)
耕介(目を背けたら負け。意識しちまったって認めるようなもんだ!でも、こうして見つめ合い続けるのは、もっと危険な気がする……わ、話題を反らさねば!)
↓1
①姉貴の事、まだ頑張ってみる?
②たくさんビラ配って汗かいたからシャワー浴びてーなぁ
③慕って処女なのか?
慕「おじさん……」
耕介(慕が俺を体を掴む力が強くなって、顔をゆっくり俺の方に下ろしてきた時)
耕介「しゃ、シャワー」
慕「ん?」
耕介(キーワードだ…慕の動きを止めるキーワードを先に打ち込んだぜ)
耕介(慕は動きを止めた)
耕介「たくさんビラ配って汗かいたからなーシャワー浴びてーなぁ」
慕「シャワー……」ポ-
耕介「ちょっと体どけてくれ」
耕介(惚けた慕を体の上から退くことに成功し、一先ずの危機を脱した俺だが)
耕介(これは想像以上に危ない夜になりそう…というか、もう引き返すべきじゃないのか?叔父と姪はヤバいだろ)
耕介(それに、姉貴に申し訳ない。信じて娘を俺に託したのに)
慕「じゃあ、どっちから浴びる?そ、それとも…い、一緒…とか…ありなのかな?」
↓1
①慕からどうぞ
②俺から、ね
耕介「慕からどうぞ」
慕「レディーファースト?」
耕介「ああ」
耕介(不穏な一言があったし…俺から入ったら乱入されかねん…この選択はファインプレーっ……!)
慕「じゃあ先に浴びさせてもらいます」
耕介(慕はシャワールームに消えていった…)
慕「覗かないでよっ!」
耕介「誰が覗くか!」
慕「えへへ…これ、やって見たかったんだ~で、でも、おじさんになら…」
耕介「早く浴びろ」
慕「はーい」
耕介(シャワールームから水音が聞こえる…)
耕介(慕の奴、何考えてんだ?ただ甘えたいだけと、こう、何かが違う)
耕介(あいつから、もっと危険な意志を感じるのは気のせい…か?)
耕介(とにかく、あいつがシャワーを終えるまでにこの状況を打開する策を展開しないと…!)
↓1
①部屋を調べる
②知り合い(閑無)に相談する
③先に寝逃げする
耕介(そうだ、俺は疲れてんだ)
耕介(周藤とも色々あって、ここ数日心労で寝てないし)
耕介(慕には悪いが、先に眠らせて貰おう)
耕介(眠りに落ちれば逃げられるはず……慕だって今は寂しくて少しおかしくなってるだけだ)
耕介(一晩一緒に過ごせば冷静になってくれる…はず)
耕介(過ちを犯してはならない)
耕介(シャワールームから水音が聞こえる)
耕介(嫌でも、慕の裸を想像してしまう)
耕介(それを振り切って…おれは深い眠りにつくことにした…)
↓1 コンマ50以上で眠れる
耕介(がっ……駄目っ……!隣で裸の女がシャワー浴びてるのに眠れる訳ないっ!)
耕介(それどころか、想像して、たたせてはいけないものが…!)
シャワーの音が止んだ。
俺は固唾を飲んで向こうの様子を伺っていた。
慕「おじさん、長くなってごめん」
耕介(慕はバスタオル一枚でシャワーから出てきた!)
耕介(待て待て待て~!何当たり前の様にバスタオル一枚なんですか慕さん!)
慕「小学生の頃思い出した?あの時はおじさんに全部見られちゃったんだよね…」クスッ
耕介(あの頃はただのガキんちょだったけど今はやばい……既に成長して……胸も、腰も際どいラインが見えそうで…)
慕「おじさんも早くシャワー浴びてきて…待ってるから」
耕介(というか、本気で不味いことになった)
先刻から愚息の屹立が一向に治らない。
耕介(姪は駄目……という建前も、このままだとあっさりなし崩しにされそう)
シャワーを浴びながら俺は色々なものを天稟に測る。これからの慕との生活や、姉貴の事……
耕介(このままでは童貞卒業、だな…ははっ…笑えよ、周藤。俺は姪で童貞を捨てる…)
慕は何を考えているのか分からないが、妙に女の雰囲気をアピールしている。
耕介(あの天真爛漫な慕がませちまった責任は…俺が取るしかないのか…)
だが落ち着け。俺は慕に見栄を張って、経験人数3人という嘘をついた。
耕介(やべぇ!いざとなったらどうする??若い頃単車でブイブイ言わせてたぜ!って飲み屋でホラ吹いてるおっさんの目の前に、ハーレーが用意されてそれを乗りまわせ、と言われてるようなもんだぞ!?)
耕介(このままじゃ慕に童貞という事がバレる…それだけは…それだけは回避しなきゃなんねぇ!)
慕「おじさん大丈夫?いつもより長いけどー」
耕介「わ、わりぃ!今すぐ出る!」
俺は、ホテルに用意されている寝間着を着てシャワールームを出た。
慕も同じものを着ていた。
そして、ベッドに腰掛けて、顔を赤らめながら俺の方を見ていた。
慕「おじさん、隣に座って」
そう言って、慕は自分の隣をポンポン、と叩いた。
俺はそこに無言で腰掛けた。
長い長い沈黙だった。
気がつくと、慕が俺の手の上に自分の手を乗せていた。
心臓が、痛い。
耕介「姉貴は」
耕介「悲しむと思うぜ」
それが乾ききった喉から出た、精一杯の一言だった。
慕「もう、いいの」
慕の握る手の力が強くなった。
慕「あかーさんは……もう、いいの」
姉貴がいなくなって10年経った。
俺と慕は十分戦ったんだ。
慕は姉貴に見つけて貰うため、インターハイにまで出た。
それでも姉貴は答えなかった。
あの夏、慕は燃え尽きた。
そんな慕の隣で俺は……姉貴を探し続ける事が自分の人生の目的と決めて……1人で仕事も、友人も捨てて、のめり込んだ。
そんな俺のために慕は自分の人生を犠牲にして……
慕「もう、おじさんしか見えない」
ナナ「ロッタ!ロッタ!」
ニーマン「どうした?」
ナナ「星が墜ちた。ほら、東の方」
ニーマン「……」
イーヴリン「ニーマン…これは」
ニーマン「トーキョーに行く必要がある。飛行機を手配しろ、イーヴリン」
イーヴリン「わかりました」
ナナ「星が墜ちた…2つ……涙が止まらない、涙が…」
イーヴリン「ナナ?」
ナナ「シノ…ハユ…」
イーヴリン「ニーマン!記憶が!」
シノ……ハユ……ハユ……
それは星を食む音。
カン!
>>47に戻りますか?
それとも事後に進みますか?
↓1
耕介「慕からどうぞ」
慕「レディーファースト?」
耕介「ああ」
耕介(不穏な一言があったし…俺から入ったら乱入されかねん…この選択はファインプレーっ……!)
慕「じゃあ先に浴びさせてもらいます」
耕介(慕はシャワールームに消えていった…)
慕「覗かないでよっ!」
耕介「誰が覗くか!」
慕「えへへ…これ、やって見たかったんだ~で、でも、おじさんになら…」
耕介「早く浴びろ」
慕「はーい」
耕介(シャワールームから水音が聞こえる…)
耕介(慕の奴、何考えてんだ?ただ甘えたいだけと、こう、何かが違う)
耕介(あいつから、もっと危険な意志を感じるのは気のせい…か?)
耕介(とにかく、あいつがシャワーを終えるまでにこの状況を打開する策を展開しないと…!)
耕介(だが先に寝るのは詰みな気がする…!)
↓1
①部屋を調べる →近藤さんを見つける
②知り合い(閑無)に相談する →閑無ルート解禁or修羅場END
耕介(ん?LINEに通知が)
閑無『慕にLINE見るよう伝えろ』
耕介『なんで俺が』
耕介(こいつの名前は石飛閑無。昔の慕の同級生で、親友の1人だ。彼女たちが高校生の頃、俺は暇なおっさん、としてよく地方の練習試合への足代わりに使われていた縁で連絡先を知っている)
耕介(そして小学生から知ってるせいもあってか、馴れ馴れしさマックス!)
閑無『今日の夕方からLINEスルーされてんの!』
耕介(しかし、この状況を打開するには…こいつを使わない手はないな)
耕介「慕の弱点教えてっと」
耕介「って、俺もどうかしてるぜ。慕のことは一番知ってるつもりなのに」
閑無『ちくび』
耕介「ブー!!」
閑無『うっそぴょーん!バーカ!』
耕介『そういう冗談いらない』
耕介『実は慕とのっぴきならない事態になって』
閑無『のっぴきwwwリアルで使う奴初めて見た!』
耕介『何とか慕を正気に戻したいんだ!頼む!』
閑無『はぁ?とりあえず抱いとけ』
耕介(叔父と姪で、さらに童貞のせいで抱けませんっ…!)
この時俺は閑無とのLINEに夢中になっていて気がつかなかった……シャワーの音が止んでいる事に……
耕介『そういやお前今日合コンだったんじゃ?』
閑無『慕いないせいで相手のテンション低めで最悪ー』
閑無『まっ全員、潰れたジャガイモみたいな連中だったから慕にはもったいねーけど!』
閑無『おかげで一次会で終われてラッキークッキーもんじゃ焼きー』
閑無『で、杏果と反省会中~暇だから慕も横浜から来いって連絡した訳~』
耕介『無茶苦茶だな!』
閑無『そういやおっさん、社会人にいい男いないの~杏果が年上の渋いおっさんと合コンしたがってるー』
耕介(こいつ酔っ払ってるな…)
閑無『好みのタイプは高倉健さんだって』
耕介『俺より二回りくらい上だぞ』
閑無『バーカ、網走番外地の頃の健さんだよby杏果』
耕介『知るか!ぽっぽやの健さんしか見た事ない世代の癖に!』
閑無『あっ、おっさんに杏果から質問あるって』
閑無『おじさんって童貞なの??』
慕「おじさん」
耕介「うわわっ」
耕介(気がついたら慕が目の前に立っていた)
慕「どうしたの?そんなにニヤけて」
耕介「ニヤケ…て、慕!?ふ、服着ろ!」
耕介(慕はバスタオル一枚で突っ立ていた)
慕「誰とLINEしてたの?教えておじさん」
耕介(なんか黙ってた方がいいような気がするぞ)
↓1
①閑無とだよ
②質屋とだよ
③今の彼女とだよ(見栄を張る)
耕介「閑無とだよ」
慕「閑無ちゃん?」
耕介「お前がLINE見てないから心配してたぞー」
慕「ふーん。現役女子大生とLINEしてそんな顔してたの?」
耕介「そんなにニヤついてた?」
慕「そりゃ、もう!鼻の下がぞうさんみたいに伸びてたよ」
耕介「そりゃ俺も男だからなーって、閑無も慕も小学生のチンチクリンだった頃のイメージしかねーわ!」ワッハッハ
慕「もうっ…おじさんったら…!」
耕介「よし、シャワー浴びてくるぞ」
耕介(よしっ!閑無の話題のおかげで、うまくスルー……バスタオルの下は素っ裸の慕をスルー…!ナイスアシスト…!)
耕介(つーか、杏果ちゃんから童貞なの?って質問されるとは……)
耕介(この年のおっさんにそういう質問するって事は、童貞って思われてるんだよなぁ)
耕介(流石に情けなくて胸が痛くなるぜ)
耕介(ん?しかもさっきのタイミングで返事途絶えたら)
耕介(まるで俺が童貞で、ずばり図星を女子大生に突かれたから逆ギレしてLINE切ったみたいになってるじゃねーか!!)
耕介(やばいな……閑無は口が軽いから一気に広まっちまう……慕の周辺にっ…!)
耕介(となれば最終的に慕にも…!俺が見栄を張ってたことがバレる!)
耕介「しかし、こんな考えしてるからいつまでも童貞なんだよなぁ」
耕介「いい加減、捨てちまうか…」
シャワーを終えて、バスローブを羽織って部屋に戻ると、慕がベッド横になっていた。
バスタオルがはだけかかっている。
顔を火照らせ、胸もとが見え、肉付きのいい太腿がぬらりと照明で光っている。
据え膳食わぬは男の恥。しかし逃げるは恥だが役に立つ。
慕「んっ……」
慕がくねっと体をよじらせて、さらにバスタオルが乱れる。
耕介(いつでも捨てられる……いつでも……だが相手は)
耕介(姉貴の娘。俺の姪。そして小学生の頃から一緒に暮らした、俺の娘ーー)
耕介(だが、目の前で横たわる慕はーーただの女にしか、見えなかった)
喉がごきゅっと鳴った。かんかん照りの砂漠を旅して、ようやく目の前にオアシスがある。
ただそこは禁足地なのだ。ヒトが踏み入れると呪いがかかる。先人たちは怖れ、踏み入れたが最後、ヒトの群から去らなければならない。
だが、俺は渇いている。抱きたいーー!この時、脳髄の奥底で、本能が悲鳴をあげていた。
耕介「慕……」
心臓が爆発しそな程脈打つ。
全血流が下腹部に集まったのではないか、というほど、アレが熱くなりそそり立つ。
アドレナリンが出ているのが嫌でもわかる。
目の前の雌をこれから犯す。
種の本能が刺激され、理性だとか、世間体とかはどんどん遠くへ去っていく。
この時、俺は自分が童貞かどうかすら、定かではなくなっていた。
遺伝子が憶えている。だから、かもしれない。
静かにベッドに乗り、慕うに覆いかぶさった。
慕は不気味なほど微動だにしなかった。
白い肌に紅潮した頰がやけに卑猥だった。
小さく開いた唇は潤っていてーー
耕介「慕……いくぞ」
小声でそう呟いた。
慕は何も言わず、目を閉じたまま、動かなかった。
でも、唇が少しだけ、震えていた。
~~~~~
慕「おじさん起きて。おじさん!」
耕介「あ…?」
慕「あと15分でチェックアウトの時間だよ」
耕介「ふあぁ…もうちょっと寝かせて……」
慕「駄目だってば!だらしないなぁ、もうっ……コースケさんは」クスッ
耕介「Zzz」
慕「もーっ!今日島根に帰らないと行けないのに!全然聞き込み出来てないじゃん!」
耕介「悪りぃ…そういや、慕って明日暇?」
慕「うん。特に仕事も学校もないし、私」
耕介「俺もフリータイムの記者だからな」
慕「ん?」
耕介「わざわざ今日島根に変える必要もないんじゃ?これからのんびり姉貴の手がかり探して、夕方には箱根温泉行こうぜ」
慕「……」
耕介「慕?」
慕「……」ポロポロ
耕介「どうした!?慕!今更になって…!」
慕「ううん。嬉し泣き。やっと結ばれたんだなぁって、私達」
耕介「あっ…」
慕「不束者ですがよろしくお願いします」ペッコリン
慕「ハッピーエンド!カン!」
~~慕と行くしっぽり温泉旅行編~~
慕「んっ…。あっ…コースケさん、抜いちゃ駄目っ」
耕介「しの~」ギュ-
……ハユ…ハユ…ハユ
慕「はぁ~❤️」
出した後に挿れたままギュッと抱きしめられるのが慕は好きみたいだ。
俺も、何回出しても慕の中なら勃ち続けられる。
耕介「しの~」スッコン スッコン
ハユ…ハユ…ハユ…シノ…ハユ
俺は情けない声を出しながら、また慕の中で腰を動かし始める。
慕「やだっ…あっ、もうっ…休ませてっコースケさんっ!」
耕介「しのっ!しのっ!しのぉ~」
慕「んんっー!」
ハユ……ハユ……
頭が真っ白になって、また中に出す。
慕「抜かないでっ、コースケさんっ」
慕が背中に足を絡めてきて、俺たちはまた抱き合う。
耕介「しのぉ!しのっ!しのー!」
慕「っ!❤️」ビックン
耕介「しの!しの!しのぉ…」ビュ-ビュ-
ハユ…ハユ…シノ……ハユ
慕「っ~~❤️❤️駄目になっちゃう❤️」
耕介「おおっ!しのぅ…しのぅ…」
ハユ…
慕「このまま抱きしめてっ……❤️」
世界に俺たちしかいないのような感覚に襲われる。
慕は俺の腕の中で震えて、慕が感じるとそれが俺にも伝わってくる。
着いてから、温泉にもろくすっぽ入らず、俺たちは抱き合っている。
耕介「おおおっ!しの!しの!しのー!」
ハユ……ハユ…シノハユ……
慕「ああっ!くるくるっ!」
耕介「しのー!しのっ……」
慕「はひー……❤️また、イっちゃった❤️」
耕介「しの…」
慕「はゆ❤️」
耕介「しのっ!しのっ!しのっ!しのぉぉぉ!!!」
慕「はゆ❤️はゆ❤️」
星が落ちてきそうなくらい澄んだ空の下で俺と慕は愛を育んだ。
慕と過ごした10年間の思い出がすべて色褪せるような、めくるめく快感が俺を襲う。
慕を抱いている。あの、慕を!
純真無垢で、誰よりも優しく、そして美しい慕を!
それだけで……俺は救われた、のかもしれない。
もう、姉貴の事とか、血の事とか、そんなことはどうでも良くなる。
この俺だけの女の為に、生きて生きていこう、誰に何を言われたって関係ない。
慕は、最高の女だ。
シノ……ハユ…ハユ……
ニーマン「それは星を食む音」
Rで立てろおじさんがくる前にカン!
閑無「あれからおっさんの返事がないだが」
杏果「私しーらないっ」
閑無「はぁ?あの時はお前だって…!」ワナワナ
杏果「確かに、小学校の頃から女の人の影全くないし、最近の全員処女認定を鑑みると、耕介さんが童貞でもおかしくないとは言ったのは認めるけど…」
杏果「普通それ本人に聞く?あんまりにも失礼すぎ…(あっ、これやばい奴かも)」
閑無「……チッ」
杏果「閑無…ごめ」
閑無「ちょっと頭冷やしてくる」
閑無「あー!むしゃくしゃするぜ!」
閑無(私の名前は石飛閑無。素敵で無敵な女子大生だ)
閑無(また杏果にキレちった…はぁ…私ってば、いつまでもガキだなぁ)
閑無(つーか、おっさんもおっさんだろ!そんな事でいちいち怒るなよ!別に恥ずかしい事でもねーんだからよ…それにちょっと安心した、というか…)
閑無(私には好きな人がいる)
閑無(中学校の頃の男子は、体が大きくなっただけのクソガキだった)
閑無(そんな時に、割と近くにいて、すこし暗い影のある大人のおっさんに惹かれるのもーー仕方がない事だろ?)
閑無(と、昔杏果に打ち明けたら大笑いされたので以後私の中では黒歴史になっているけれども)
閑無「やっぱ好きだ」
閑無(あのおっさんのせいで新しい恋が出来ない)
閑無(多感な思春期の時にカッコいいって思っちまって、高校の頃はよく一緒にドライブ行ったし……)
杏果「いやいや、ドライブって。私たちも居ましたから。部活の練習試合でしょ?」
閑無(あー!私の理想の男性像がおっさんに固定されちまって、そしておっさんは割とすぐ近くにいるのが悪いんだ!)
閑無(このままじゃ拗らせちまう…らしくねーぞ、私)
閑無(でも、おっさんが童貞ってことは、つまり今、付き合ってる女はいないって事だろ?)
閑無(これはひょっとして大チャンスなんじゃねーか?)
閑無(でもーーとりあえず今はーー)
↓1
①おっさんに謝りに行く
②杏果に謝りに行く
年末に凄いスレを出すなぁ…(感嘆)
むしろRに移してくれ
寝落ちすみません
修羅場(閑無)編を書いたら終わる予定です~
>>90
濡場を書いてもギャグにしかならんので
ただ、もっと童貞という設定を活かして書きたかったです
やや持て余している感が。
閑無「杏果、ごめん!さっきはヘソ曲げちゃって」
杏果「んっ。謝ってくれればよし。私も、ごめん。あんたのせいだけにしちゃって。」
閑無「はぁ…しかしおっさんの方どうしようかな…」
杏果「慕に聞いてみれば?どれくらい怒ってるのか」
閑無「慕は…」
閑無(慕は私の大事な友達。でも、おっさんに対する感情を少しでも悟られる訳にはいかない)
閑無(おっさんは彼女を姪としか見てなかったが…時折慕がおっさんに見せる顔は、女のそれだったから)
閑無「慕は駄目だ!あっ、その……流石に家族相手に童貞って馬鹿にした、なんて言ったら……慕まで怒っちまう」
杏果「クスッ」
閑無「何がおかしいんだよ!杏果!」
杏果「閑無……ひとつ聞きたいんだけど。あんた、まだ耕介さんの事、好きなの?」
↓1
①うなづく
②全力で否定する
閑無「うぅ…」
杏果「ジロ-」
閑無「……///」コクリ
杏果「……」
閑無(認めちゃった。いつもの私なら、ここは全力で否定だけど)
杏果「そっかーで、どうすんの?」
閑無「告白、しようと思う」
閑無(でもその前に……童貞って馬鹿にした事、謝んねーと)
閑無(悪ノリして、煽りまくっちゃったし……一切返事なくて焦ったら、もう後の祭り)
閑無(そんなに気にしてんなら、私で卒業しても…)
閑無(うわっ!何考えてんだ私!どうにかしてるぞ!)
閑無「んっ…コースケさん…」クチュ
閑無(いや…おっさんだって嬉しいだろ?現役JDでしかもスーパー美少女の私で卒業出来るんだから…)
閑無「んっ……私だって……んっ、んっ……」
杏果「……」
杏果(高校を卒業して私と閑無は島根を出て大都会岡山の大学に通い始めた)
杏果(大学の麻雀部から熱烈な勧誘を受けたけど、閑無はもう麻雀はやらないと決めていて)
杏果(私もそれに倣った)
杏果(かといって閑無は何をするという訳でもなく)
杏果(授業にバイトに飲み会、時折合コンと)
杏果(ごく当たり前の大学生活を送っている)
杏果(私たちはルームシェアで同棲しているけど)
杏果(特に私は閑無との距離を縮めるられないでいる)
杏果(閑無には、想い人がいた。それは私達の大事な友人の家族でもあってーー)
杏果(二段ベッドの上で、夜中に閑無が切ない声を漏らしているのを聞きながら)
杏果(私はたまらなく切なくなる)
杏果(そして祈るのだ。あの人さえいなければーー)
杏果「島根に帰る!?」
閑無「ああ。返事がないなら、会って直接謝らねーと」
杏果「それまた突然」
閑無「なーに、岡山から松江までバスで一本だし。久しぶりに慕とかユエにも会いてーし」
杏果「私も、行く!」
閑無「え?」
杏果「だって、耕介さんを童貞と馬鹿にしたのは、お酒が入ってたとは言え、私も同罪だから」
閑無「でも実際馬鹿にしたのは私だしーー」
閑無(どうしよっかな……つーか、前から思ってたけど杏果って)
閑無(いつまでも私に付いてくる必要ねーのに……)
閑無(それにおっさんの事馴れ馴れしく耕介さんって)
閑無(……)
↓1
①杏果を連れて行く
②杏果を連れて行かない
閑無「久しぶりの島根だなー」
杏果「そうだね」
閑無「相変わらず何もねー街」
閑無(でもここで全てが始まったんだよなー…)
閑無(麻雀を知ってはやりの奴に負けた事 慕と出会えた事 負けて全てを失った私を支えてくれた杏果 中学での新たな出会い そして高校 インターハイ……おっさん……)
杏果「慕の家も変わらないね」
閑無「慕……まだ立ち直ってねーのかなぁ」
杏果「仕方ないよ」
閑無(慕は怪物と2度戦った……私だったら一度で折られちまう)
閑無(私達が自転車でレースしているところ、奴はF1のマシンで走ってるんだ もう麻雀はこれっきりにしよう)
閑無(そういう女子高生が多い夏だったぜ…)
ピンポーン
閑無「おーい!しのー!いるかー!閑無様が来たぞー!」
ピンポンピンポンピンポーン
耕介「はーい!お待たせ……ってあれ?」
閑無「よっ……久しぶりじゃん」
杏果「突然お邪魔してすみません」
耕介「慕と約束?ごめん、慕はトマト安売りしてるとか言ってスーパーに」
杏果「いえ、気になさらず。実は今日は」
閑無「おっさん…!ごめん!」
耕介「えっ??」
閑無「ふー、謝ったからな?聞いただろ?」
杏果「ちょっと、閑無、耕介さんキョトンとしてるよ?」
耕介「いやー、俺、何か悪い事された?」
閑無「いや、その……前の週末に、LINEで…ゴニョゴニョ」
杏果「私も謝ります。心無い事を言ってごめんなさい。」
耕介「あー、あの事!(童貞か?って聞かれた奴ね…あの後、いろいろあり過ぎてすっかり返事忘れてた)」
耕介「こっちも返事忘れてて悪かったよ。ちょっと仕事が立て込んでしまって。むしろ、そんな事言いに島根まで?」
閑無「ま、まーな!久しぶりに慕とも会いたかったし」
耕介「じゃ、上がってく?慕ももうそろそろ帰ってくると思うし」
閑無(おっさんの家…久しぶりだな)
杏果「あのっ、これ岡山名物きびだんご」
耕介「サンキュー、慕もよろこぶよ」
耕介「大学生活どう?はい、コーヒー。閑無はブラックで良かったよな?」
閑無「おっ、おう」
杏果「勉強もだんだん大変になってきました。でも新しい友達もたくさん出来て」
閑無(おっさんと合うのも高校以来でーーなんか少し落ち着きがいっそう出て来てーー)
耕介「杏果ちゃんは、卒後は家帰るの?」
杏果「まだ考え中。お母さんは帰って来いってうるさいですけど」
耕介「閑無は?」
閑無「わ、私?私は、特に」
閑無「……」
閑無(やばっ……意識しちゃって、駄目だ)
閑無(何とか、話題振らねーと!)
↓1
①おっさんって童貞なの?
②おっさんって彼女いるの?
③その他、自由
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