スタ、スタ……

京太郎
「あー……部活なんて入らなくても良いのにな」

咲
「んー、でもやっぱりせっかくだから入った方がいいと思うよ？ 三年間、なにもしないのも勿体ないしさ」

京太郎
「お、人見知りの咲から意外な言葉じゃん」

咲
「私だっていつまでも子供じゃないんだからね」

京太郎
「そうか？」

咲
「怒るよ」

京太郎
「なんも言ってないのにな。分かってるんじゃねぇか」

咲
「…………」ﾌﾟｸｰ

京太郎
「悪かった悪かった。怒るなって……ん？」

咲
「どうしたの？」

京太郎
「あー。いや、ちょっと待っててくれないか？ すぐ戻る。動くなよ迷子になるから」ﾀﾀﾀｯ

咲
「え、ちょ……京ちゃーん！？」

そもそもこの設定が全く分からないんだが>>1は咲読んでるの？

京太郎
「………………よぉ、久しぶりだな。【のどっち】さん」

和
「……はい、【KYO】さん」

京太郎
「こんなところまで……なにか用か？」

和
「私も清澄に入学したんですよ」

京太郎
「ハ……嘘だろ？ なんでまた」

和
「分かってるでしょう？ 須賀くんは、なんで麻雀を……やめたんですか？ アカウントも消してしまって」

京太郎
「……連絡もしなかったのは悪かったよ。色々あったんだ。もう麻雀なんてしたくもない」

和
「何があったんですか？ あの【KYO】がネット麻雀を引退して、音沙汰も無くすなんておかしいです」

京太郎
「……つまらねーんだよ。麻雀なんて、くそつまんねぇ。分からねーだろ、お前には。そんなオカルトありえないって笑うだろうさ」

和
「オカルト……何があったのか教えてください」

京太郎
「【KYO】に用なら二度と関わるな。あいつは消えただろ？ 須賀京太郎に用があるなら歓迎するさ、原村……だっけ。可愛いしな」

和
「…………そう、ですか。ライバルが消えて寂しかったのですが、忘れた方が良さそうですね」

京太郎
「……悪いな。そういうことにしておいてくれ。さようなら、【のどっち】」

和
「はい、さようなら。【KYO】さん」

>>8 京太郎主人公の創作ですから、必ずしも本編通りではありません


京太郎
「悪いな、咲。帰るか」

咲
「ん」

京太郎
「……麻雀、麻雀ねぇ……」

咲
「京ちゃん、あんなに好きだったのに……本当にもう」

京太郎
「やらんよ。お前も……あー……麻雀、できるだろ？ なんなら、そっち始めたらどうだ？」

咲
「…………私は」

京太郎
「そうか」

咲
「…………」

京太郎
「まぁ、これから楽しい高校生活な訳だし。新しい楽しみを見つけようぜ」

咲
「……うん、そうだね。ごめんね」

京太郎
「いいさ」

次の日

京太郎
「…………なんだよ」

和
「須賀くんに用があって来ました」

京太郎
「須賀くんに、ね」

和
「私と麻雀をしてくれませんか？」

京太郎
「お前な……」

和
「何があったかは分かりません、教えてくれませんから。でも、もしなにか悩んでいて、本当は麻雀がやりたいのにできないのなら……友人として力になりたいんです」

京太郎
「………………。そうか。……これ以上麻雀を打ちたくないって気持ちは強いよ。でも、麻雀は好きだ。好きだった」

和
「……やめるにしても、せっかくですから。最後に一度だけ……やりましょう。負け越しで終わりなのは、嫌ですし」

京太郎
「…………。……条件がある。卓に着くのは咲……あー、昨日俺と一緒に歩いてたやつ。あいつと、原村と……あと一人は、なるべく普通のやつで頼む。変なことはしないタイプのやつ……いるか？」

和
「変なこと……というのは？ イカサマとかですか？」

京太郎
「いや……例えば、和了するごとに点数が高くなったり、常に役に嶺上開花が含まれたり」

和
「そんなオカルトありえません」

京太郎
「……どうなんだ」

和
「…………。一人います、特別なことはしない人なら」

京太郎
「ならそれで。放課後、麻雀部にいけばいいか？」

和
「はい」

京太郎
「……悪いな咲、巻き込ませてもらうぜ」

途中寝落ちしました。
おやすみなさい

コンコン

ガチャ

咲
「……失礼します」

京太郎
「こんにちはー。お邪魔しまーす」

優希
「おお？」

久
「あら？ 入部希望者かしら？」

京太郎
「あはは、残念ながら違います」

和
「部長、彼が須賀くんです」

久
「あー……なるほど」

京太郎
「どういう紹介されたのか分かりませんけど、須賀京太郎です。こっちは宮永咲、今日はよろしくお願いします」

久
「聞いてるわよー？ ネット麻雀で１、２位率９割なんですってね」

京太郎
「はは……昔の話ですよ」

和
「二年前を昔とは言わないと思いますよ」

京太郎
「そうか？」

久
「で、二人はどういう関係なの？ その辺りは和から何も聞けてないんだけど」

京太郎
「なんすかね、ライバルかな。ネットで絡まれて勝ったり負けたり繰り返してチャットするようになって、毎日のように話すようになって……まぁ、そんな感じです」

和
「いきなり連絡先も何もかも消されましたけどね」

京太郎
「本当、いろいろあったんだよ。原村には悪いけどさ、マジで麻雀なんて二度とやる気無かったから。今日一回だけ、最後に……原村の頼みでやるけどさ」

和
「…………」ﾑｯ

まこ
「ははは。痴話喧嘩はそんくらいにして、始めようかのぅ？」

まこ
「染谷まこじゃ。よろしく、京太郎」

京太郎
「あ、はい。よろしくお願いします。……咲、頼むな」

咲
「う、うん……分かった。今日が最後だし、ね……」

京太郎
「悪い」

和
「早く始めましょう。腕が鈍ったなんて理由じゃないなら、何か……私を納得させられるようなものを見せてください」

京太郎
「………………どうだかな」

カラカラ……

京太郎
「……親は俺ですね」

久
「お手並み拝見させてもらいましょうかしら」

京太郎
「楽しいもんでも無いですよ」

優希
「のどちゃんが怒りながら褒めてた相手だじぇ。楽しみだー！」

京太郎
「はいはい……」

………………

久
「（うーん……いまいちパッとしないというか、凄く打ちにくそうにしてるわね。本当に最近麻雀をやってなさそうな感じかしら？）」ﾁﾗ

まこ
「…………」ﾁﾗ

まこ
「（まったく、京太郎も和も堅いなぁ。宮永も慣れた雰囲気はあるし、一筋縄じゃあいかんじゃろうな。直撃取るのも一苦労じゃな）」

京太郎
「………………カン」

咲
「……ッ、あ」

京太郎
「ツモ。嶺上開花ツモ、ドラ２の満貫です」

優希
「おー！ 嶺上開花なんて久しぶりに見たじょ！」

久
「ええ。まぁ、狙って出る役でもないしね」

京太郎
「………………」ﾁﾗ

咲
「…………うん」

京太郎
「はぁ……」

優希
「なんで和了ったのにため息なんて吐いてるんだじぇ？ 私なら滅茶苦茶自慢するのに！」

京太郎
「お前みたいにお気楽ならそれでも良かったんだけどな」ｶﾞｼｶﾞｼｯ

優希
「わわっ！ やめれー！」ｻｻｯ

京太郎
「さて、と……。終わらせるぞ、原村」

和
「え？」