熱血データ男「オレはガキの頃から成績優秀だったッ!」
熱血データ男「当たり前のようにテストはいつも満点で、オレに敵うヤツはいなかったッ!」
熱血データ男「なぜならオレは天才の両親を持つ、生まれついてのエリート!」
熱血データ男「順風満帆のロードを歩むことは、ハナから約束されてたんだ!」
熱血データ男「だが、オレは決して勉強だけの人間じゃねえんだ!」
熱血データ男「オレの知力を使えば、戦闘というジャンルでも最強になれるゥゥゥゥゥ!」
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熱血データ男「徹底的に合理化した科学トレーニングを行いッ!」
熱血データ男「最適な量と成分のサプリメントを摂取し!」
熱血データ男「さまざまな格闘技から一流の家庭教師を招き!」
熱血データ男「オレは肉体を鍛え上げたァァァァァッ!」
熱血データ男「だがもちろん! 決して無理なトレーニングはしねェッ!」
熱血データ男「無理をするのは故障のリスクだけが増える愚かな行為だからなァァァ!」
熱血データ男「オレは対戦相手の情報収集も怠らねえッ!」
熱血データ男「部下の野郎どもを使い、対戦相手の過去のデータをかき集めッ!」
熱血データ男「さらにビデオカメラなどで現在のデータも収集ッ!」
熱血データ男「それを徹底的にコンピュータで分析ィッ!」
熱血データ男「そうすりゃ、対戦相手はもはや丸裸ってわけだァ!」
熱血データ男「さあさあ、今回の対戦相手もさっそく分析だァ!」
熱血データ男「なるほど……ふむふむ……うおおォォォォォォ!!!」カタカタッターン
熱血データ男「分析完了ォォォォォ!!!」
熱血データ男「オレの天才的頭脳と天才的肉体は、こいつのデータを刻みつけたッ!」
熱血データ男「ガッハッハッハッハ! もはや勝負は見えたァ!」
熱血データ男「うおォォォォォ! オレの勝率はッ! 99.95%だァァァッ!」メガネパリンッ
熱血データ男「いよいよ対戦開始だぜェェェェェ!」
熱血データ男「読めるッ! 読めるぜ、敵の動きがッ!」
熱血データ男「あっちの攻撃はまったく当たらず、こっちの攻撃ばかりがヒットするぜェ!」
熱血データ男「念のため、オレの体力と敵の体力を数値化しておくか……」カタカタッターン
熱血データ男「ガッハッハッハッハ! オレの残り体力は100で、敵はたったの5!」
熱血データ男「もはやオレの勝利はッ! 目前だァァァァァッ!」
熱血データ男「…………!?」
熱血データ男「こいつ、なかなか倒れやがらねェ!」
熱血データ男「オレのデータによれば、とっくに倒れてもいいハズだが……」
熱血データ男「クソがァ! とっととくたばりやがれっての!」
熱血データ男「ぐはっ!?」
熱血データ男「な、なぜだ……敵の攻撃が当たったァ!?」
熱血データ男「この野郎、オレのデータにはない攻撃をしやがった!」
熱血データ男「ぐほぉっ!」
熱血データ男「な、なんだ今の技は……!? データになかったぞ!?」
熱血データ男「こいつ……戦いの中で成長してやがるだとォ!?」
熱血データ男「ううう……こんなハズはねえ! オレのデータは絶対なんだ!」
熱血データ男「もう一度、オレと敵の体力を数値化してやるッ!」カタカタッターン
熱血データ男「ンなんだとォォォォォ!?」
熱血データ男「オレは40まで下がってるのに、敵は30まで回復してやがるゥ!」
熱血データ男「こんなハズはねェ! オレの勝率は……ッ! 99.95%なんだァァァァァ!」
熱血データ男「うぅおォォォォォォォォォォッ!!!」
熱血データ男「オレはッ! 最後までッ! オレのッ! データを信じるッ!」
熱血データ男「データよ、オレに力を貸してくれェェェェェ!」カタカタッターン
熱血データ男「喰らいやがれッ!」
熱血データ男「オレが科学トレーニングとサプリメントで築き上げたッ!」
熱血データ男「合理的な一撃をおォォォォォ!!!」
熱血データ男「ぐはぁ……っ!」
熱血データ男「バ、バカ……な……ッ!」
熱血データ男「99.95%で勝利するハズのオレがッ! なぜ負けちまったんだ……ッ!」
熱血データ男「オレの敗因は……一体なんだったんだァァァ!」
熱血データ男「ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!」メガネパリンッ
精神論クール男「フッ……世の中にはデータでは測れないこともあるのですよ」
精神論クール男「貴方は私の根性、底力、絆のパワーといったものに敗れたのです……」
― 終 ―
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