更新遅め
百合要素
以上のことが大丈夫な方はぜひお付き合いください。
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ーーーーーー
異世界。
平行世界。
夢物語。
色々な呼び方はあるけれど、それは現実的なものじゃない。
あくまで作り物で、人の想像のなかだけにあるもの。
ただ、まぁ。
中学生の時とかに、そんな非現実に憧れたりして。
いつか自分はそんな世界に飛ばされるんじゃないかな、とか。
きっと、そっちの世界ではもっと凄い人物で、って。
結局そんなことはないんだって知る。
…………。
だから、私が今から話すのは、そんな妄想のお話。
うん。
たぶん、そのはず。
だから、怒らないで聞いてよね?
ーーーーーー
ーーーーーー
~~~~~~
ぷく。
ぷくぷく。
空気の音。
水の音。
水の中の空気の音。
あぁ、いい音、だな。
~~~~~~
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「………………ん」
今までぼんやりとしていた意識が浮上する。
目を開けると、そこはいつもの教室。
浦の星女学院の3年生の教室だった。
窓から射し込む西日。
それから、私以外に誰もいない教室。
そんな状況から考えるに、どうも机に突っ伏して眠ってしまっていたみたい。
珍しい。
自分でもそう思う。
果南「んっ……痛っ……」
伸びをしたら、肩にちょっとした痛みが走った。
慣れないせいなのか、少し身体が痛い。
こういうのは千歌に聞いたら、身体が痛くない寝方を教えてくれるかな?
ふふっ、なんてね。
果南「……さて」
帰ろう。
……っと、その前に部室に顔出そっか。
ダイヤ辺りが怒ってそうだもんね。
果南さん!
こんな時間まで、しかも、教室で居眠りをするなんて!
たるんでいますわ!
……なんてね?
果南「ははっ、うん。素直に謝ろう」
プリプリと怒るダイヤの姿を思い浮かべて。
それから、それを受け入れる覚悟、というほど大層なものじゃないけど。
とにかく私は立ち上がった。
…………。
そういえば。
私、いつの間に寝たんだっけ?
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「んっ……ルビぃ……っ」
ルビィ「おねぇ……ちゃんっ///」
ダイヤ「ほら……舌、出して?」
ルビィ「ぅ……ぅん……」
ダイヤ「ん……ちゅる……っ、あむっ……」
ルビィ「ゃっ……ゃめっ///」
ダイヤ「かわひぃ、でふわ……ルビィ///」
ルビィ「おね……ひゃ……っ/// もっとぉぉ……///」
果南「は?」
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
平日の部活の時間なのに誰もいない校舎とか。
いつもとは違う私の席とか。
破廉恥なことをしているダイヤとか。
大胆なことをしているルビィちゃんとか。
本当は色々と前兆はあったんだけど、私は鈍感で気づかなかった。
けれど、その感触で。
唇に触れたその感触で、やっと気付いたんだ。
……そう。
この世界は『違う』んだって。
ーーーーーー
今日はここまで。
更新遅めですが、お付き合いいただけると幸いです。
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果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーーー
結局、もう遅いからという理由でダイヤ達は帰っていった。
二人の話によると、どうやら今週は練習がないということになっているみたい。
だから、私も自分の家に帰ってきたんだけど……。
果南「まさか、家に誰もいないなんてね」
自分の部屋。
ベッドの上で、ポツリと呟く。
家に帰ってきたら、家には私一人。
あ、別に両親が本当にいないってわけじゃない。
二人とも旅行に出掛けてるって話だった。
ただ、私の両親は、一時とはいえ、ダイビングショップを閉めてまで旅行に行くようなタイプじゃない。
むしろ、ダイビングしてた方が落ち着くって人達だし。
まぁ、私もだけど。
だから、余計にこの世界が変なのだという感情が強くなる。
……それに、元の世界と違うのはもうひとつ。
果南「……なんで2台あるんだろ、スマホ……」
そう呟いて、手の中のそれを弄ぶ。
1台は確かに自分のスマホ。
そして、もう1台。
鞄の中にあった真っ赤なスマホ。
見覚えはない。
果南「……うーん……違うか」
残念だけど、ロックがかかっていて中身は見れない。
さっきから自分の誕生日とか思いつくものは入れてみた。
けど、開かない。
この中身が見れたら、なにか分かりそうな気はするんだけどなぁ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
私の記憶はそこで途絶えた。
ーーーーーー
ーーーーーー
~~~~~~
ぷく。
ぷくぷく。
その音がまた聴こえる。
心地のよい音。
微睡みの中で聴こえるその音はとっても魅力的だった。
~~~~~~
ーーーーーー
ーーーーーー
次の日。
朝起きた私は昨日の記憶を辿った。
覚えてはいる。
視界が歪んで、気を失ったこと。
回らない頭でぼんやりと周りを見渡したけれど、昨日と変化はなし。
相変わらず自分の部屋だし、両親もいないみたい。
そして、あのスマホも確かにある。
もしかしたら、元の世界に戻っているかもしれないなんていう甘い考えはどうやら完全に潰えてしまったようで。
結局、私は寝惚け眼を擦りながら、学校へと向かっただった。
ーーーーーー
ーーーーーー
鞠莉「かな~~ん♪ シャイニー♪」
教室に入るや否や、鞠莉の襲撃を受けた。
襲撃。
つまり……
鞠莉「んー♪ とっても柔らかいわぁ!!」
果南「なっ!? いきなり抱きつくなっ///」
鞠莉「あんっ♪ えー、いいじゃない、わたしとかなんの仲でしょ?」
そう言って、ウインクをする鞠莉。
だから、どんな仲なんだって……。
鞠莉を引き剥がしながら、昨日もしたようなツッコミを心の中で入れる。
…………えっと。
鞠莉「ん? どうかした?」
果南「え、あっ、ううん」
鞠莉「?」
ダイヤですらアレだったから、この世界の鞠莉はもっと凄まじいのかと思ったけど……。
……いや、うん。
そう言えば、鞠莉は元の世界でも充分凄まじかったね。
ダイヤ「おはようございます。鞠莉さん、果南さん」
果南「っ」
突然のその声に、身体がビクッと震えた。
振り返ると、そこにはダイヤの姿があった。
果南「お、おはよう、ダイヤ……///」
ダイヤ「おはようございます、果南さん」
目を反らしながら挨拶を返す私。
し、仕方ないじゃん……昨日のこと……思い出しちゃうし///
ダイヤは平然としてるけど、やっぱり私にとっては衝撃的なことだったわけだし……。
鞠莉「ダイヤ、シャイニー♪」
ダイヤ「……えぇ、おはようございます」
鞠莉「ぶーっ、ダイヤはツマラナイわね」
ダイヤ「……朝から随分御挨拶ですわね……」
鞠莉の一言に、少し不機嫌になるダイヤ。
……うん。
少し落ち着いた。
なんだかこういうやりとりを見てると、冷静さを取り戻せた気がする。
元の世界とおんなじ反応だから、かな。
果南「…………ふぅ」
ただ、簡単には落ち着かせてくれないのが、この世界のようで……。
次の瞬間には、
鞠莉「だって、ツマラナイから! ほら、見てて!」
ダイヤ「?」
果南「…………え?」
ーー モニュッ ーー
果南「ひゃんっ///」
私は鞠莉に胸を揉まれていた。
……割と本気で。
果南「……ま、まり!? やめっーー」
鞠莉「フフッ、やめるわけないでしょ?」
果南「んっ……/// やぁ……っ」
そう言っても、やめてくれない。
むしろ、より激しくさわってくる。
果南「っ、ま……り///」
鞠莉「やっぱり、かなんはcuteね♪」
果南「そんな、こと……ッ///」
言葉がでない。
……あぁ。
さっきまでの自分を殴ってやりたい。
何が鞠莉は元の世界と変わらないって?
あのダイヤですらあんなに情熱的だったんだから、その時点で気付くべきだった。
この世界の鞠莉が
鞠莉「……フフッ、よさそうね♪」
果南「ッ///」
普通な訳なかった。
鞠莉「ほら、ちゃんと見てて、ダイヤ♪」
ダイヤ「……///」
鞠莉「これがシャイニーなreactionよ!」
果南「っ、はっ/// おね、がぃ……やめっ///」
ダイヤの前でも、変わらずに触り続ける鞠莉。
って、止めさせないと!!
このままじゃ……っ!!
ーー キーンコーンカーンコーン ーー
果南「っ!!」
鞠莉「あっ、逃げられちゃった」
一瞬の隙に、鞠莉の拘束から抜け出した。
は、はぁぁぁ///
今ほど、始業の鐘が愛おしく感じたことはないよ。
ダイヤ「あっ……」
鞠莉「んー、残念だけどbellがなっちゃったから」
また後でね。
そう言って、肩を竦める鞠莉。
果南「そんな後があってたまるか!!」
そう、捨て台詞を吐いて、私は自分の席に向かう。
あぁ、もう!!
一体なんなの、この世界!!
鞠莉に触られて少し熱くなった身体をどうにか冷ましながら。
私は、絶対に元の世界に戻ることを心に誓ったのだった。
ーーーーーー
短いですが、今日はここまで。
レス感謝です。
本日更新予定。
ーーーーーー
果南「……うぐ……」
放課後。
不自然なほどに誰もいない教室。
そこで、私はただゲッソリとしていた。
理由は明快。
休み時間の度に襲撃を受けたからだ。
鞠莉に、ではなくて……。
「かなんちゃ~~ん!!」
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
この声……。
身体を起こして、そちらを見る。
すると、案の定その二人の姿があった。
果南「千歌、曜ちゃん……」
曜「果南ちゃん、ヨーソロー!」
千歌「えへへ♪ 来ちゃった」
ビシッと敬礼を決める曜ちゃん。
緩んだ笑顔を向ける千歌。
対照的な笑顔の二人。
果南「ど、どうかしたの? 二人とも」
念のため聞いてみたものの、その目的は大体分かっていた。
恐らく、いや。
きっと休み時間と同じ……。
千歌「えへへ♪ チューしにきたよ!」
曜「千歌ちゃんに同じ! 果南ちゃん、キスしよ?」
果南「…………」
あぁ……やっぱり。
また、あの……。
ーー 回想 ーー
千歌「かなんちゃ~~ん!」ブンブン
果南「ん? あ、千歌……」
千歌「んー? どうかしたの、なんかぐったりしてる?」
果南「いや、うん。なんでもないよ……」
曜「本当に?」
果南「あ、曜ちゃんもいたんだね」
曜「ヨーソロー! って、なんだか果南ちゃんらしくないね?」
果南「まぁ、ちょっとね……」ハァ
千歌「むっ」
千歌「かなんちゃん!」ズイッ
果南「っ、な、なに?」
千歌「ため息、ダメ!」
果南「えっ、あー、うん」
曜「本当に珍しいね。なにかあったの?」
果南「まぁ、気疲れかな……」ハァ
千歌「また!!!」
果南「え、あ……完全に無意識だったよ」
千歌「むむむ……こうなったら!」ズイッ
果南「え? な、えっ?」
曜「! よし!」ズイッ
果南「よ、曜ちゃんまで!? ま、まって、まさかっ///」
千歌「いやしてあげるね!」
果南「まっーー」
「「チューしよ♪」」
ーー 回想終了 ーー
といった次第で……。
二人は癒してくれてるつもり。
こっちはその度に体力持っていかれて。
だから、二人はもっと気合を入れてキスしてきた。
そんなサイクルが出来上がっていたんだ。
千歌「……かなんちゃん?」
果南「えっ、うん!」
曜「……疲れてる?」
果南「う、ううん、疲れてない!!」
シャキッと背筋を伸ばす。
うん。
二人には悪いけど、私も限界だ。
体力は人一倍あるつもりではあるけど、こうも立て続けにされると……。
しかも、一人はあの曜ちゃんだし。
とにかく今は空元気!
キス回避だ!
果南「うん、二人のお陰で元気出たよ!」
千歌「えへへ♪ よかったぁ」
曜「うん、頑張った甲斐があったね!」
千歌「うん!」
果南「あ、あはは……」
……よし。
とりあえず、これで大丈夫かな?
曜「あっ、そういえば、なんで果南ちゃんはまだここにいるの?」
私がいつまでも教室に残ってることに疑問をもったみたいで、曜ちゃんがそう聞いてきた。
果南「……ちょっと先生に用事を頼まれてね。やっと終わったところだよ」
千歌「ほへぇ……そうなんだぁ」
曜「もう終わったの?」
果南「うん。とりあえずね」
千歌「すごいなぁ、かなんちゃん。わたしなんか、先生に頼まれ事なんてされたことないよ」
曜「ち、千歌ちゃん……」
わいわいと。
話をする二人。
……盛り上がってるところ悪いけど、頼まれ事っていうのは嘘なんだよね。
実際は校舎……この世界の校舎を回っていた。
とは言っても、移動教室と放課後のちょっとした時間だけだったから、全部を見れた訳じゃないけれど。
ただ、収穫はあった。
人が極端に少ないってこと。
部活動を行っていないということ。
そして、それが変だと認識できているのが私だけだってこと。
分かったことはそれくらいかな。
あ、そうそう。
それから、
果南「ねぇ、千歌」
千歌「なに、かなんちゃん?」
果南「千歌のクラスの数学の先生って誰だっけ?」
千歌「?」
千歌「『 』先生だよ?」
果南「…………」
そう、これだ。
たまに、こんな風に聞き取れないことがある。
それは今みたいに人の名前だったり、物の名前だったり。
一体これはなに?
昨日の眩暈もそう。
世界が変なこととなにか関係があるのかな……?
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ」
不意に名前を呼ばれた。
気づけば、曜ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
曜「なんか怖い顔してたけど……」
果南「っ、ごめん、なんでもない」
曜「……そう?」
果南「うんっ!」
慌てて取り繕う。
ダメダメ!
本当に心配させちゃうよ。
千歌の言ったことが聞き取れないとか。
眩暈がするとか。
まして、この世界が変なんて……。
千歌「かなんちゃん!」
果南「え……って!?」
千歌「ん~~~~!!」
果南「ん~~~~っ!?」
千歌「ぷはあ!!」
果南「ッ、はっ///」
って、なんでまたキスッ!?
しかも、唐突にっ!
千歌「かなんちゃん! やっぱり元気ない!」
果南「っ、いや、そんなんじゃ///」
千歌「ゴマカしはムヨウ! よーちゃん!」
曜「りょーかい!!」
千歌の一声で、曜ちゃんが抱き着いてくる。
しっかり掴まれて、身動きがとれない。
そのまま、曜ちゃんは近付いてくる。
果南「ま、まってって!?」
曜「わたしも思ってたんだよ。果南ちゃん、元気ないなぁって」
果南「や、やめ…………やめて、ようっ///」
曜「あっ、ふふっ、呼び捨て……♪」
果南「くっ///」
曜「それ、好きぃ……///」
曜ちゃんの顔が近づいて……って!?
ま、待ってってばっ///
千歌「あ、よーちゃんズルい! わたしもぉ!」
曜「……うん」
わたしもじゃない!!
うんじゃない!!
千歌「ん~~」
曜「かなんちゃん……///」
果南「くっ……///」
ちょ、待ってよ!?
待ってて!!
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「……だ、ダウン……」
ベッドの上に横たわる。
ひ、ひどい目にあった……。
結局、あの後、二人のされるがままになっていた。
……まったく。
千歌は何回もしてくるし、曜ちゃんは回数は少なくても一回が長い。
だから、休むとすぐ次がやってくる状態で。
ぐったりと。
歩く力もなくなった私は、二人に支えられながら帰路に着いた。
あれから一時間は経ったけど……。
果南「かなり辛いかも……」
ポツリと呟く。
ダイヤやルビィちゃん。
千歌に曜ちゃん。
皆にキスをされた。
それに、鞠莉には胸を触られたし。
明らかに普通のことじゃない。
……まぁ。
女子校ではないこともないっていうのは聞いたことあるけど。
でも、
果南「今まではこんな感じではなかったし……」
だから、ないと思う。
今までのことを思い返してみてもーー
~~ グニャリ ~~
果南「っ!?」
記憶を辿る前に、またそれは起きた。
また、だ。
昨日と同じ眩暈。
景色が歪む。
果南「……だ、め……だ」
立っていられない。
私は、呼吸が苦しくなるのを感じながら。
意識を失った。
ーーーーーー
ーーーーーー
~~~~~~
ぷく。
ぷくぷく。
影がゆっくりと浮上していくのが見える。
それを見たから、安心してその音を聞けた。
もう、大丈夫。
もう音にならないその声は、ちゃんと届いてるかな?
届いてたらいいな。
……うん。
もう眠ろう。
~~~~~~
ーーーーーー
今日はここまで。
レスありがたいです。
次回更新は可能ならば明日です。
ダイルビですが、確かに書いてました。
一応貼っておきます。
ダイヤ「姉妹」ルビィ「水いらず」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1479632600
本日更新します。
ーーーーーー
果南「また、か……」
朝日が射し込む部屋で呟く。
こっちに来てたぶん3日目の朝。
あの眩暈のせいもあって、進展はない。
痛みが残ってないのはまだマシかな?
果南「……ふぅ」
息を吐いて、時計を見る。
朝の6時か。
いつもならランニングにでも行く時間なんだけど……。
果南「気が乗らないなぁ」
いつもと違うからこそ、いつも通りに過ごす。
普段の私だったら、きっとそうしてる。
けれど、如何せんいつも通りじゃないことが多すぎて。
果南「……久しぶりに二度寝でもしてみようかな」
らしくないことを考えてみる。
うん。
まぁ、今日はそれもいいかな。
昨日の千歌たちの件もあったしね。
果南「それじゃ、おやすみなさい」
こっちに来てから、初めてその言葉を口にしたところで、ふと思い出す。
そうだ。
アラームかけとかなきゃね。
果南「うーん、7時頃でいいか……」
そのくらいなら学校にも間に合うだろうし……。
って、
果南「あれ?」
枕元にアラームがセットされた自分のスマホを置いてから気付いた。
それが、目に入った。
真っ赤なスマホ。
私にとって一番身近な元の世界との相違点。
それが、
果南「光ってる……?」
スマホ自体が光ってる。
なんてオカルトな話じゃなくて、スマホの機能としての光。
たぶん、通知を知らせるものだ。
果南「っ!!」
慌てて、飛び起きる。
実は昨日、学校にも持っていって、どうにかロックを解除しようとした。
けれど、どんなパスワードも受け付けなかったこれが今、なにかを受け取ったんだ!
若干震える指で、本体の横に着いてる電源ボタンを押す。
果南「えっと……パスワードは……って、あれ?」
一瞬パスワードが必要かと思ったけれど。
私の予想に反して、それは画面に表示されていた。
果南「これって……」
ーーーーーー
ーーーーーー
『ね て』
『 ね いよ』
『か ん』
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「……ぐ、ぐ……」
昼休み。
私は部室でぐったりと机にもたれ掛かっていた。
なんかデジャブ……。
というのも。
朝から千歌の襲撃にあったり、ダイヤに迫られたり。
千歌が読んでた漫画の主人公は、よくこんな風に迫られてるけど。
……うん。
尊敬するよ。
よく保つよね……。
果南「体力には自信あったんだけどなぁ」
たぶん、体力じゃないんだろうね。
精神力とか?
胆力とかかな。
まぁ。
それに加えて、スマホに届いたメッセージも意味のないものだったことも、私の精神を磨り減らした原因だ。
果南「はぁぁぁ……」
いつ迫ってこられるか分からない緊張感と期待を裏切られたことへのガッカリ感。
そんなわけで、深いため息を吐いてしまう。
……千歌と曜ちゃん、いないよね?
こうやって、二人に警戒してしまう自分が嫌になって、また疲れる。
悪循環だった。
そんな時、
ーー ガチャッ ーー
部室の扉が開いた。
果南「っ!?」
ビクッと体が弾み、そちらを向く。
ゆっくりと開いていくその扉の向こう。
そこにいたのは、
善子「あれ? 果南さんだけ?」
果南「……善子ちゃん?」
ポカンと間の抜けた表情をした善子ちゃんだった。
善子「って、ヨハネよっ!」
と、すかさず私の言葉を訂正する善子ちゃん。
果南「……はいはい、ごめんね、善子ちゃん」
善子「分かればいいのよ……って、だから、ヨハネ!!」
果南「ごめんごめん」
口では謝りながらも、つい笑ってしまう。
いけないね。
どうも善子ちゃんは反応が面白くて……ふふっ。
果南「……ふふっ」
善子「な、なに?」
果南「ううん。なんでもない」
いつもと変わらない善子ちゃんに少しだけ癒される。
って!
果南「…………はっ!」
善子「?」
いやいやいや。
ダメだよ。
松浦果南!
ここは元の世界じゃない。
千歌や曜ちゃんの時も、それで痛い目にあったんだ!
油断大敵。
いくら善子ちゃんが変わらないように見えるからといって、本当にそうかどうかは……。
果南「…………」
善子「え、えっと……な、なに……?」
果南「…………」
善子「……もしかして、なにか言っちゃった……とか」
果南「…………」
善子「……それなら、ごめんなさい」
果南「…………」
果南「…………あれ?」
反応が普通だ。
普通のいい子の善子ちゃんだった。
果南「えっと……ごめん、なんでもないんだ」
善子「そ、そう? なら、いいんだけど……」
私の反応を見たせいで、不安そうな表情の善子ちゃん。
……うぅぅ。
なんだか罪悪感が凄い……。
果南「そ、そういえば、善子ちゃんはなんでここに?」
気まずさから、話を強引に反らす。
まぁ、実際気にはなってたからね。
もしかして、なにか集まりあったかな?
そう思って、昨日の記憶を呼び起こしていると、善子ちゃんから返答が……。
善子「…………また、教室で堕天しちゃって……」
果南「…………」
しまった。
地雷だった。
いつだったかルビィちゃんから聞いたことがある。
善子ちゃんはたまに教室で暴走してしまうってこと。
なるほど。
今回もそれで気まずくなってってことか。
善子「だから、その……ここに……」
果南「うん、そっか」
善子「……うん」
果南「…………」
善子「…………」
ど、どうしよう……?
困ったなぁ……。
…………くっ!
この世界で使うのは危険、だけど……。
仕方ない……。
果南「えっと、善子ちゃん」
善子「なに、果南さん……」
果南「ハグ……する?」
善子「…………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「落ち着いた?」
善子「元からなんてことはないわ!」
果南「ふふっ、そっか」
しばらくして。
善子ちゃんはそう言って、少し赤い顔で強がる。
ふふっ、照れ隠し、かわいいなぁ。
善子「……こっちいい?」
果南「うん。どうぞ」
さっきよりはだいぶ落ち着いたようで、善子ちゃんは私の反対側の椅子に座り、こう尋ねた。
善子「それで、果南さんはどうしてここにいるの?」
果南「え? あぁ」
私は昨日のこと、今日のことを少しだけ話した。
眩暈とか元の世界のこととかは、勿論言わないけれど……。
大変ね、果南さんも。
善子ちゃんはそう言って笑う。
それから、こうも言った。
善子「でも、果南さんがそんなに疲れるなんて珍しい。まるでーー」
善子「ーーキスに慣れてないみたいね」
果南「…………え?」
珍しい。
キスに慣れてない。
その言葉にふと引っ掛かりを感じた。
本当に小さなもの。
けれど、それは……。
果南「ねぇ、善子ちゃん」
善子「? なに?」
果南「ちょっと聞きたいんだけどさ」
果南「私ってキスに慣れてるの?」
変な質問だってことは、自分でも分かってる。
ただそれが気になった。
善子ちゃん、というか他人から見た『私』の印象。
結果からいうと、善子ちゃんの答えからはそれは得られなかった。
その代わり、
善子「なに言ってるの? 慣れてるのって……」
善子「キスなんて当たり前のことでしょ?」
ーーーーーー
ーーーーーー
今まで何故か触れなかったそれに。
この世界の在り方に。
私はたった今、気付いた。
この世界は『キス』が当たり前の世界。
そうか。
だからか。
ダイヤやルビィちゃんが何の躊躇いもなく、部室で抱き合ってキスしていたのも。
千歌や曜ちゃんが私を元気付けるためにキスをしてきたのも。
……それに。
ハグのお礼って言われて、善子ちゃんにキスをされているのも。
『キス』が当たり前の世界だから。
…………もしかして。
……いや。
まだ仮説の段階だけど……。
………………。
ぼんやりとだけど、何かが見えた気がする。
これが終わったら。
善子ちゃんが舌を絡めるのを止めてくれたら動いてみよう。
私は声を我慢しながら、その時を待ったのでした。
……まぁ。
昼休みはずっと放してもらえなかったんだけどね。
ーーーーーー
短いですが、今日はここまで。
レス感謝。
次回更新は少し空くと思います。
ゆったり待っていただけるとありがたいです。
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
結局、もう遅いからという理由でダイヤ達は帰っていった。
二人の話によると、どうやら今週は練習がないということになっているみたい。
だから、私も自分の家に帰ってきたんだけど……。
果南「まさか、家に誰もいないなんてね」
自分の部屋。
ベッドの上で、ポツリと呟く。
家に帰ってきたら、家には私一人。
あ、別に両親が本当にいないってわけじゃない。
二人とも旅行に出掛けてるって話だった。
ただ、私の両親は、一時とはいえ、ダイビングショップを閉めてまで旅行に行くようなタイプじゃない。
むしろ、ダイビングしてた方が落ち着くって人達だし。
まぁ、私もだけど。
だから、余計にこの世界が変なのだという感情が強くなる。
……それに、元の世界と違うのはもうひとつ。
果南「……なんで2台あるんだろ、スマホ……」
そう呟いて、手の中のそれを弄ぶ。
1台は確かに自分のスマホ。
そして、もう1台。
鞄の中にあった真っ赤なスマホ。
見覚えはない。
果南「……うーん……違うか」
残念だけど、ロックがかかっていて中身は見れない。
さっきから自分の誕生日とか思いつくものは入れてみた。
けど、開かない。
この中身が見れたら、なにか分かりそうな気はするんだけどなぁ。
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
結局、もう遅いからという理由でダイヤ達は帰っていった。
二人の話によると、どうやら今週は練習がないということになっているみたい。
だから、私も自分の家に帰ってきたんだけど……。
果南「まさか、家に誰もいないなんてね」
自分の部屋。
ベッドの上で、ポツリと呟く。
家に帰ってきたら、家には私一人。
あ、別に両親が本当にいないってわけじゃない。
二人とも旅行に出掛けてるって話だった。
ただ、私の両親は、一時とはいえ、ダイビングショップを閉めてまで旅行に行くようなタイプじゃない。
むしろ、ダイビングしてた方が落ち着くって人達だし。
まぁ、私もだけど。
だから、余計にこの世界が変なのだという感情が強くなる。
……それに、元の世界と違うのはもうひとつ。
果南「……なんで2台あるんだろ、スマホ……」
そう呟いて、手の中のそれを弄ぶ。
1台は確かに自分のスマホ。
そして、もう1台。
鞄の中にあった真っ赤なスマホ。
見覚えはない。
果南「……うーん……違うか」
残念だけど、ロックがかかっていて中身は見れない。
さっきから自分の誕生日とか思いつくものは入れてみた。
けど、開かない。
この中身が見れたら、なにか分かりそうな気はするんだけどなぁ。
ダイヤ「んっ……ルビぃ……っ」
ルビィ「おねぇ……ちゃんっ///」
ダイヤ「ほら……舌、出して?」
ルビィ「ぅ……ぅん……」
ダイヤ「ん……ちゅる……っ、あむっ……」
ルビィ「ゃっ……ゃめっ///」
ダイヤ「かわひぃ、でふわ……ルビィ///」
ルビィ「おね……ひゃ……っ/// もっとぉぉ……///」
果南「は?」
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
結局、もう遅いからという理由でダイヤ達は帰っていった。
二人の話によると、どうやら今週は練習がないということになっているみたい。
だから、私も自分の家に帰ってきたんだけど……。
果南「まさか、家に誰もいないなんてね」
自分の部屋。
ベッドの上で、ポツリと呟く。
家に帰ってきたら、家には私一人。
あ、別に両親が本当にいないってわけじゃない。
二人とも旅行に出掛けてるって話だった。
ただ、私の両親は、一時とはいえ、ダイビングショップを閉めてまで旅行に行くようなタイプじゃない。
むしろ、ダイビングしてた方が落ち着くって人達だし。
まぁ、私もだけど。
だから、余計にこの世界が変なのだという感情が強くなる。
……それに、元の世界と違うのはもうひとつ。
果南「……なんで2台あるんだろ、スマホ……」
そう呟いて、手の中のそれを弄ぶ。
1台は確かに自分のスマホ。
そして、もう1台。
鞄の中にあった真っ赤なスマホ。
見覚えはない。
果南「……うーん……違うか」
残念だけど、ロックがかかっていて中身は見れない。
さっきから自分の誕生日とか思いつくものは入れてみた。
けど、開かない。
この中身が見れたら、なにか分かりそうな気はするんだけどなぁ。
ダイヤ「んっ……ルビぃ……っ」
ルビィ「おねぇ……ちゃんっ///」
ダイヤ「ほら……舌、出して?」
ルビィ「ぅ……ぅん……」
ダイヤ「ん……ちゅる……っ、あむっ……」
ルビィ「ゃっ……ゃめっ///」
ダイヤ「かわひぃ、でふわ……ルビィ///」
ルビィ「おね……ひゃ……っ/// もっとぉぉ……///」
果南「は?」
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
今日はここまで。
更新遅めですが、お付き合いいただけると幸いです。ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「んっ……ルビぃ……っ」
ルビィ「おねぇ……ちゃんっ///」
ダイヤ「ほら……舌、出して?」
ルビィ「ぅ……ぅん……」
ダイヤ「ん……ちゅる……っ、あむっ……」
ルビィ「ゃっ……ゃめっ///」
ダイヤ「かわひぃ、でふわ……ルビィ///」
ルビィ「おね……ひゃ……っ/// もっとぉぉ……///」
果南「は?」
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「んっ……ルビぃ……っ」
ルビィ「おねぇ……ちゃんっ///」
ダイヤ「ほら……舌、出して?」
ルビィ「ぅ……ぅん……」
ダイヤ「ん……ちゅる……っ、あむっ……」
ルビィ「ゃっ……ゃめっ///」
ダイヤ「かわひぃ、でふわ……ルビィ///」
ルビィ「おね……ひゃ……っ/// もっとぉぉ……///」
果南「は?」
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー(o^^o)
あ……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
ダイヤ「んっ……ルビぃ……っ」
ルビィ「おねぇ……ちゃんっ///」
ダイヤ「ほら……舌、出して?」
ルビィ「ぅ……ぅん……」
ダイヤ「ん……ちゅる……っ、あむっ……」
ルビィ「ゃっ……ゃめっ///」
ダイヤ「かわひぃ、でふわ……ルビィ///」
ルビィ「おね……ひゃ……っ/// もっとぉぉ……///」
果南「は?」
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「果南、さん……」
ルビィ「かなん、ちゃん……///」
果南「え……?」
ーー チュ ーー
果南「ーーーーッ!?」
気づけば、私は。
ダイヤとルビィちゃんと。
キスをしていた。
ーーーーーー
果南「理由を聞かせてくれる?」
二人が練習着に着替えたのを確認してから、私は二人と向かい合って座った。
机を挟んで、私と二人が向き合っている形だ。
取調、じゃないけど。
とにかくああなった経緯と理由を聞くことにした。
……んだけど。
ダイヤ「理由、と言われましても……」
ルビィ「う、うん……」
この姉妹、顔を見合わせて困った顔をしてる。
……いや。
困った顔をしたいのは私の方なんだけど……。
果南「……まぁ、二人がね? そういう関係だったとしても責めはしないよ?」
ダイヤ「はあ……」
果南「ただ、ほら。場所は考えなって」
そもそも、ノックをするのが決まったのだって、二人がきっかけなんだし。
そんな話をする。
けれど、やはり二人はいまいちピンときてないみたい。
ルビィ「…………おねえちゃん」
ダイヤ「……えぇ」
何を思ったのか、二人は顔を見合わせて頷いた。
……なんだろう?
なにか大事なことでも話してくれるのかな?
例えば、二人の関係性とか。
ま、まぁ。
こんなところで……は、半裸でキスしてたわけだしっ///
つまり、そういうことだよね。
姉妹以上の関係性を……。
……………………うん。
果南「話してみてよ」
私は意を決して、切り出した。
うん。
二人がどんな関係だって、私は全力でそれを応援する!
だって、大切なーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
……うん。
やっぱり、さっき思った通りなんだと思う。
この世界は、元の世界じゃない。
妄想めいていて。
荒唐無稽な考えだけど。
どうやら私は違う世界に来てしまったみたい。
だって、
ダイヤ「っ、ルビィ……///」
ルビィ「ぁんっ/// おねぇちゃ……だめだよぉ……///」
ダイヤ「駄目、なわけないでしょう? わたくしがルビィに触れたいと思ったのですから……ね?」
ルビィ「……おねぇーー」
果南「いや、駄目だから」
ーー ベシッ ーー
ダイヤ「ぴぎゃっ!?」
人をそっちのけで妹に手を出そうとするダイヤとか……うん。
まぁ、ありえないよね。
ーーーーーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
あけましておめでとうございます。
今年も色々と書いていこうと思いますので、よろしくお願い致します。
本日夜に更新予定です。
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「…………はぁぁ」
梨子「どうかしたの?」
放課後の部室にて。
盛大に吐き出したため息を聞いて、千歌を待っているという梨子ちゃんはそう訊ねてきた。
本当は後輩の前で、こんな姿見せたくはないんだけどね。
けど、私はただただ疲れていて。
果南「朝は千歌、昼はダイヤと善子ちゃんに迫られてね……」
梨子「あはは……それは、うん、大変だったね」
果南「うん」
流石に疲れたよ。
そんな風に弱音をぼやく。
恐らくこんな世界だ。
梨子ちゃんもキスに慣れているんだろうけれど。
ただ2年生で、千歌に近い立場だから、あの大変さはわかってくれるはず。
私はそんな風に考えていた。
…………。
『千歌』と『近』い。
かけたわけじゃないよ?
まぁ、そんなことは置いておいて。
果南「……梨子ちゃんもいつも千歌にされてて大変じゃない?」
梨子「……えぇと///」
同意を求めてそう訊ねると、梨子ちゃんは顔を伏せてしまった。
……って、あれ?
果南「梨子ちゃん?」
梨子「えっ、あっ! ごめんなさいっ!」
果南「……?」
なんだろう?
なんだか、違和感が……。
違和感の正体を突き止めるため、私は顔を伏せる梨子ちゃんにさらに質問を続ける。
果南「……梨子ちゃんもそう思わない?」
梨子「……その///」
果南「千歌、キス何回もしてくるよね? こっちはもう十分だって思ってるのに、何回も何回も」
梨子「……は、はい///」
果南「……」
うーん。
なんだろう?
なにかが……?
果南「曜ちゃんのキスも大変だよね」
梨子「えっ……///」
果南「回数はないけどさ。そのぶん、1回が長くて……舌を絡めてくる感じで」
梨子「っ///」
果南「………………梨子ちゃん」
梨子「………………は、はい」
果南「………………」
違和感。
……ううん、違う。
この世界に少し慣れてしまったせいで、おかしくなってたけれど。
この反応はっ!
果南「梨子ちゃんっ!!」
梨子「ひゃいっ///」
座っていた椅子から立ち上がる。
そして、そのまま梨子ちゃんの方へ回り込んで、
梨子「ちょっ、な、なんで近付いてくるんですか……///」
果南「梨子ちゃん、まって!」
梨子「っ///」
後ずさる梨子ちゃん。
って、もう!
それじゃ確認できないよ!
焦れったさを感じて、私は梨子ちゃんに近付いていく。
果南「…………」
梨子「ま、まって……かなんちゃん///」
果南「梨子ちゃん……」
ーー ドンッ ーー
梨子「っ、か、かべ……」
これで、梨子ちゃんを追い詰めた。
後ろは壁。
もう逃げ場はない。
私が梨子ちゃんを壁に追いやった形。
まだ梨子ちゃんは顔を伏せたまま。
私からその表情は見えない。
だから、告げる。
私の違和感を証明するために。
果南「梨子ちゃん、顔、見せてくれないかな?」
梨子「…………っ、だ、だめ……」
果南「そっか……」
拒否の言葉。
まぁ、そうだよね。
私もそうだったから。
……けれど、今はそうも言っていられない。
元の世界に戻る手がかりが、もしかしたらあるかも
しれないんだ。
だから、
果南「…………ごめんね」
ーー グイッ ーー
梨子「っっ///」
顎に指を添えて、梨子ちゃんに顔を上げさせる。
あぁ、やっぱり。
私は梨子ちゃんの表情を見て、確信した。
果南「ねぇ、梨子ちゃん」
梨子「……ひゃ……ぃ///」
果南「キス、苦手?」
千歌の話を出した時も。
曜ちゃんのことを話した時も。
たぶん梨子ちゃんはそれを思い出して、赤面していたんだ。
『キス』が当たり前の世界。
ダイヤや善子ちゃんですら、それに慣れてしまっていた世界で、この反応はおかしい。
そして、その疑念は今、確信に変わった。
果南「……ねぇ、梨子ちゃんは『こっち』側なんだよね?」
梨子「…………///」
顔を真っ赤にする梨子ちゃん。
その表情が、私の質問を肯定していた。
たぶん、今までの話を聞いてこうなっちゃったんだろうから。
元の世界の梨子ちゃんもきっとおんなじリアクションをすると思う。
あはは。
申し訳ないことしちゃったかな?
けれど、これで繋がった。
梨子ちゃんが元の世界との繋がりだ。
果南「…………すぅ、はぁ」
梨子「…………///」
深呼吸をひとつして。
私は切り出すことにした。
果南「梨子ちゃん、聞いてくれる?」
果南「…………唐突な話、ではあるんだけど……」
果南「私は別の世界から来たんだ」
真剣さが伝わるように、梨子ちゃんの目を見ながら。
必死さが伝わるように、そのままの体勢で。
私は梨子ちゃんに全てを話した。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「……という訳なんだ」
全てを話し終わった。
元の世界との皆の違い。
空白になる言葉。
極端に人数の少ない学校。
真っ赤なスマホ。
私の眩暈。
そして、梨子ちゃんの存在。
梨子「………………」
一気に話し過ぎてしまったせいだと思うけど、梨子ちゃんは惚けたような様子だった。
少し焦点が合ってない。
……うーん。
やっぱり変な話だったよね。
でも、今のところ、手がかりは梨子ちゃんだけなんだ。
だから、
果南「……ねぇ、梨子ちゃん」
梨子「……うん」
果南「だからねーー」
協力者を作りたい。
そんな思いで、私はこう言った。
果南「ーー梨子ちゃんのこと、全部教えてほしい」
ーー プツンッ ーー
梨子「ーーちゃんが」
果南「え?」
梨子「果南ちゃんが悪いんだよ?」
何かが切れる音がしてーー。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「協力するね、果南ちゃん」
果南「……ありがとう」
結果から言うと。
梨子ちゃんは協力してくれることになった。
ただ、元の世界の梨子ちゃんとは全くの別人だったけれど。
梨子ちゃん曰く。
顔を伏せていたのは、普段の千歌達とのキスを思い出してしまったからで。
顔が真っ赤だったのは、
果南「……そんなに好きなの、壁クイ」
梨子「うん♪」
いい笑顔すぎだよ……。
不覚にも。
というか、無意識で。
私は梨子ちゃんに壁クイをしてしまったらしい。
それで、梨子ちゃんはスイッチが入ってしまった。
そんな経緯らしい。
梨子「……でも、信じられないよ」
果南「まぁ、そうだよね。私もそうだったから」
梨子「うん」
キスをして少しは落ち着いたみたいで、梨子ちゃんは腕を組んで考えを巡らせている。
梨子「この世界、かぁ」
まぁ、やっぱりピンと来ないよね。
私の言葉に梨子ちゃんは頷いた。
スケールが大きいからなぁ……。
梨子「ねぇ、果南ちゃん」
果南「なに?」
梨子「今まで、キスしたのは……」
果南「ええと……」
千歌に曜ちゃん。
ダイヤとルビィちゃん、善子ちゃん。
そして、梨子ちゃん。
梨子「ふふっ、2年生はコンプリート?」
果南「……やめて」
梨子「ごめんごめん♪」
鞠莉はまぁ、教室で会ったしね。
あと会ってないのは、
梨子「花丸ちゃん?」
果南「……うん」
そうだね。
あと1人。
会ってみるんだよね?
梨子ちゃんのその言葉に頷く。
ここまで来たら全員と会おう。
そうすれば、きっとなにかが分かるはずだ。
梨子「果南ちゃん」
果南「ん?」
梨子「『は き よ』」
~~ グニャリ ~~
果南「ーーーー」
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子ちゃんの声を聞きながら。
ううん。
聞こえてはいなかった。
またあの空白。
そして、あの眩暈が私を襲って……。
また私の意識は暗闇に落ちていった。
ーーーーーー
ーーーーーー
~~~~~~
体が重い。
心臓が破裂しそうなほど激しい。
嫌だ。
嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
絶対嫌だ。
頭にあるのはそれだけ。
嫌だって思いだけ。
大好きはずのそれが今はとても憎らしい。
絶対に嫌だよ。
だからーー
~~~~~~
ーーーーーー
短いですが、今日はここまで。
レス感謝です。
明日も更新できたらしようと思います。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
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ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
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唸るかないや。
ーーーーーー
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部室のドアをノックする。
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いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
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ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
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部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
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果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
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ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
(1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
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果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー)
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果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
(ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー)
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「コホン……それじゃあ、私が仲間外れにされたから拗ねて二人を注意した」
果南「ダイヤもルビィちゃんもそう思ったってわけ?」
あれからしばらくして。
どうにか落ち着きを取り戻した私は、取り調べを再開した。
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「う、うん……だから、キスしたんだよ」
果南「くっ///」
けれど、二人とも悪びれる様子もなく。
まぁ、二人が悪びれるところなんて想像はつかないんだけど。
とにかく、何の疑問もなく私の言葉に頷いた。
ダイヤ「確かに、周りを気にしていなかったのは、わたくし達に落ち度はあると思いますが……」
ルビィ「……ぅん……ガマンできなかったから」
えへへ、と。
可愛らしい表情で、中々に際どいことを言うルビィちゃん。
……ええと?
ルビィちゃんってこんなこと言う娘じゃなかったよね。
それに、ダイヤも。
果南「うーん」
腕を組んで、唸る。
唸るかないや。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃんが……悪いんだよ」
果南「ま、まって……私が悪かったからっ」
梨子「…………」
果南「り、こちゃん……?」
梨子「…………」
果南「……分かってくれーー」
梨子「ーーーーフフフッ」
果南「っ、まッ!?」
夕陽の射し込む部室。
ひんやりと冷たさを感じる壁を背にして。
焦点の合っていない梨子ちゃんを前にして。
私は思い返していた。
こうなるまでのことを……。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ダイヤ「ん、ちゅ……ぁむっ///」
果南「……っ、は……っ!?」
ルビィ「……かな……ひゃ……っ、ちゅる……///」
果南「る……びッ……まで……!?」
なにも、考えられなかった。
いきなりのことで。
予想外すぎて。
非日常すぎて。
気持ちよすーーッ!?!?
ーー バッ ーー
果南「っ、はっ……はぁ……はっ……///」
強引に二人を離れさせる。
果南「ななな、なにをっ///」
いつもの私はいなかった。
もう、うん、いや、ほんと動揺してたよ……。
そんな私とは裏腹に、ダイヤはこう言った。
ダイヤ「……ふふっ、どうしたんですの?」
いや、それはこっちの台詞!!
どうしたのさ、ダイヤ!?
そんな風に叫んでも。
ダイヤ「ふふっ♪ 今さらそんなに照れなくてもいいでしょう? わたくしと果南さんの仲なのですから♪」
ダイヤは余裕の微笑み。
え、なに!?
私とダイヤって、そんな深い仲だったっけ!?
動揺。
混乱。
頭のなかがぐちゃぐちゃだった。
そして、そんな私に追い討ちをかけるように、
ルビィ「えへへ♪」
果南「……る、るびぃちゃん?」
ルビィちゃんはこう言い放った。
ルビィ「かなんちゃんとのキス……キモチよかったぁ///」
果南「なっ……///」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
少しだけ更新。
ーーーーーー
果南「っ、はぁっ!!」
果南「…………あ、あれ?」
意識が覚醒するのと同時に飛び起きる。
そして、辺りを見渡す。
ここは、
果南「……自分の部屋……?」
間違いない。
ここは私の部屋だ。
果南「ふ、ふぅぅぅ……」
ため息がもれる。
安堵のため息。
なんだろう……。
凄く嫌な夢を見ていた気がするよ。
その証拠に、シーツが汗でじっとりと濡れていた。
汗をかくような季節でもないのに。
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
果南「……っ」
私は慌ててスマホを取り出す。
そして、梨子ちゃんへメッセージを飛ばした。
もしかして、昨日私のことを部屋まで運んでくれた?
数分後。
返ってきた答えは、否定の言葉。
けれど、私が話した元の世界のことは覚えていたみたい。
ということは、梨子ちゃんは気を失った私を放って帰ったってこと?
……ううん。
それは流石にない。
梨子ちゃんはそんなことする娘じゃないしね。
でも、なら……?
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
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そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
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私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
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梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
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いいですか!
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同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
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けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
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梨子「果南ちゃん、お待たせ」
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梨子「…………大丈夫?」
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授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
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のだけど……。
梨子「…………うーん?」
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果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
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まぁ。
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梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
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ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
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また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
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そうだ。
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それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
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昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
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部室のドアをノックする。
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いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
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ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
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さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
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果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
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そう思って、ベッドから起き上がったところで。
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果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
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部室のドアをノックする。
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いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
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……………………って、え?
果南「……あれ?」
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また、だ。
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今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
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果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
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いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
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そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
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部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
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同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
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そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
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梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
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そう思って、ベッドから起き上がったところで。
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果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
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梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
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そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
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部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
ーーーーーー
ーー コンコン ーー
部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
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部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
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それは起きた。
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果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん、お待たせ」
果南「……梨子ちゃん」
梨子「…………大丈夫?」
果南「……うん。ありがとう」
朝。
授業が始まる前の時間に、私達は部室で待ち合わせた。
ありがたいことに、梨子ちゃんもすぐ駆けつけてくれて。
私は昨日と今日のことを話すことができた。
のだけど……。
梨子「…………うーん?」
私の話を聞くなり、梨子ちゃんは腕を組んだ。
難しい顔をしながら、唸っている。
果南「梨子ちゃん、なにか変なことあったかな?」
難しい顔をする梨子ちゃんにそう訊ねる。
私の質問に、梨子ちゃん、やっぱり困ったような表情をしてる。
まぁ。
変なことばっかりだからなぁ……。
なんて、心のなかでそんな皮肉気味なことを考えながら、梨子ちゃんの言葉を待つ。
やがて、梨子ちゃんは、ひとつ息を吐いてからこう言った。
梨子「果南ちゃん」
梨子「私、果南ちゃんが倒れたこと全く覚えてないよ」
果南「え?」
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
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それは起きた。
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果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
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部室のドアをノックする。
それは、私たち三年生が入ってから、というか、ダイヤがAqoursに加入して作った決まり事だ。
いいですか!
わたくし達はアイドル!
同性、メンバーと言えども、安易に肌を他人に晒すことは控えるべきですわ!
よって、部室で着替えることを禁止します!!
そんな風に熱弁してたダイヤ。
けど、皆女子校でそこまでしなくても、と言って最初は全然聞かなかったんだけどね。
ただ、ルビィちゃんの一件……。
ええと……ルビィちゃんが少し大人びた下着を着けてきたのを、鞠莉が目敏く見つけた時のあの事件があったからなぁ……。
あの時のダイヤの形相ときたら……。
果南「ふふっ、ウツボの数倍は怖かったね」
で、今のノックの形に落ち着いたってわけ。
さて。
果南「入るよ?」
返事はないけど、一応声をかける。
ルビィとかダイヤが着替えたら大変だからね。
……うん。
まぁ、いいかな。
ーー ガチャ ーー
言葉にするのは難しい。
強いて言うとすれば、不安かな。
何かをなくしてしまうような気持ち。
嫌だって思う気持ち。
そんな気持ちが私の心を支配していた。
果南「っ、もう……」
果南「…………交換、しなきゃね」
そんな嫌な気持ちを切り替えるために、そう呟く。
替えのシーツはどこだったかな。
……………………って、え?
果南「……あれ?」
違和感。
また、だ。
またそれを感じた。
今度のは昨日の梨子ちゃんの時みたいな勘違いじゃない。
だって、
果南「私、昨日部室で倒れたはず……なのに……」
そうだ。
いつもの眩暈がして、確かに私は倒れた。
それ自体は、こっちの世界に来てからは毎日のことだから変じゃない。
変なのは、私が自分の部屋にいること。
昨日、私は梨子ちゃんに元の世界のことを話した。
そして、梨子ちゃんは協力してくれるってことになったんだ。
そこであの眩暈が襲ってきた。
だから、私は本来ここにいるはずないんだよ。
ーーーーーー
昼休み。
授業を受けた私……といっても、ほとんど授業の内容なんて頭に入ってこなかったけど。
とにかく私は、すぐに部室へ向かった。
果南「…………」
誰かを呼び出した訳じゃない。
梨子ちゃんにも伝えてない。
だから、偶然でもない限りそれはないはずだ。
ただ、それはきっと偶然じゃない。
確信はなかった。
ただ、予感はあった。
いつか立てた根拠に乏しい仮説が正しいとするならば。
私の予想が正しいとするならば。
ーー ガチャッ ーー
その扉を開けた先には……。
………………。
あぁ。
やっぱり予想通りだ。
そこには、彼女の姿があった。
花丸「ずら?」
果南「…………まるちゃん」
ーーーーーー
昼休み。
授業を受けた私……といっても、ほとんど授業の内容なんて頭に入ってこなかったけど。
とにかく私は、すぐに部室へ向かった。
果南「…………」
誰かを呼び出した訳じゃない。
梨子ちゃんにも伝えてない。
だから、偶然でもない限りそれはないはずだ。
ただ、それはきっと偶然じゃない。
確信はなかった。
ただ、予感はあった。
いつか立てた根拠に乏しい仮説が正しいとするならば。
私の予想が正しいとするならば。
ーー ガチャッ ーー
その扉を開けた先には……。
………………。
あぁ。
やっぱり予想通りだ。
そこには、彼女の姿があった。
花丸「ずら?」
果南「…………まる」
まる。
はなまるちゃん。
国木田花丸ちゃん。
この『キス』が当たり前になった世界で、私がまだ会っていなかった最後の1人。
花丸「果南ちゃん? どうしたの?」
果南「…………」
彼女が『ここ』にいる。
そのことで、私のなかで仮説が確信に変わっていく。
果南「ねぇ、まる。ちょっと聞きたいんだけど、いい?」
花丸「?」
果南「まるは今日、図書委員の仕事はどうしたの?」
花丸「…………?」
まるは不思議そうな表情で、私の方を見る。
そして、
花丸「今日も図書委員の仕事はあるよ」
果南「……じゃあ、なんで部室にいるの?」
花丸「あっ!」
忘れてたずら!
そう言って、まるは勢いよく立ち上がる。
花丸「おら、もう行くずら!」
果南「っ、まっーー」
私の制止を聞く暇もなく、まるは部室を飛び出した。
果南「っ!」
追う。
彼女を追う。
部室を飛び出して。
渡り廊下を渡って。
それから階段を上がって。
私達はそこに辿り着いた。
花丸「…………ふぅ、間に合ったずら」
果南「っ、はっ……ま、まる」
花丸「あれ? 果南ちゃん? ついてきてくれたの?」
果南「…………そうだよ」
花丸「そっか、ありがと」
にこりと柔和な笑顔を見せるまる。
私がよく知った笑顔だ。
花丸「じゃあ、果南ちゃんも一緒に入るずら」
果南「……うん」
まるの言葉に頷く。
そして、私はその教室の名前を示すプレートをしっかりと目に焼き付けた。
『図書室』
いつもの私とは無縁の場所。
浦の星女学院に入学してから一度も入ったことのない場所。
ーー ガラガラッ ーー
引き戸が開く音がして。
私はそこへ足を踏み入れた。
何もない真っ白なーー『空白』の場所に。
ーーーーーー
ーーーーーー
この世界は極端に人が少ない。
それはきっと私が『知らない』人はいないから。
私が知らないことが『空白』で聞こえる。
それはきっと私が『知らない』ことだから。
私が知らない場所には何もない。
それは私が『知らない』場所だから。
思えば最初からおかしかったんだ。
この世界ですれ違う人は、私が見知った人で。
この世界で会う人は、私がよく知る人で。
この世界で『キス』をした人は、Aqours以外にはいない。
この世界に私が『知らない』人は1人もいなかった。
部室で倒れたかと思えば、目覚めた時には誰が運ぶでもなく、自分の部屋だったことも。
『キス』が当たり前になってしまった世界の常識も。
全て。
全部説明がつく。
この世界の正体。
それはーー
ーー私の夢だ。
ーーーーーー
ーーーーーー
今夜はここまで。
レス本当にありがたいです。
今夜も少し更新予定。
ぜひお付き合いください。
ーーーーーー
果南「また……か」
自分の部屋のベッドの上で呟く。
何もない真っ白な場所。
まる曰く、図書室に入った途端、私はまた意識を失った。
そして、またここに帰ってきてしまった。
果南「夢……みたいな話……」
そりゃそうだ。
ここはたぶん私の夢の中なんだから。
まぁ、夢というのが正確かは分からないけど、とにかくここは私の意識が作り出した世界で間違いないと思う。
そして、
果南「……今度は昼休み」
果南「短くなってる」
最初、この世界に来たばかりの頃は、意識を失うのは夜、寝る前だった。
けれど、それが放課後になって、今は昼休みにまで短くなっている。
…………。
このままだと……。
果南「…………」
果南「……うん、動こう」
すぐにベッドから起き上がり、制服に着替える。
……うん。
食欲ももうない。
少しだけ身だしなみを整えて、私は家を出た。
ーーーーーー
ーーーーーー
登校して、直接部室に向かう。
授業は出ない。
いつもは大切だけど、今はそんなことをしている暇はないから。
ふふっ。
ダイヤに見つかったら怒られそうだ。
まぁ。
私がこの世界の創造者だからって言って勘弁してもらおうかな。
……そんなこと言ったら呆れられそうだけどね。
ーー ガチャッ ーー
くだらないことを考えながら、扉を開ける。
そこには、
梨子「……果南ちゃん」
果南「梨子ちゃん」
私の協力者、梨子ちゃんの姿があった。
朝、私は梨子ちゃんにメッセージを飛ばしていた。
大切な話があるから、と。
果南「……授業、ごめんね」
梨子「ううん」
果南「……そっか。ありがと」
梨子「ううん、気にしないで。私が好きでしてることだから」
私の言葉に、梨子ちゃんは笑顔を返してくれる。
ありがたいよ、本当に。
梨子「……ダイヤさんに見つかったら、怒られそうだけど」
果南「フフッ、同じこと考えてたよ」
正直言えば、私がこの世界が自分の夢だということを自覚して、梨子ちゃん達に何か影響が出るんじゃないかと思っていた。
だけど、梨子ちゃんは変わってないみたいで、少し安心する。
果南「…………それで」
梨子「うん。大切な話、だよね?」
梨子ちゃんの言葉に頷く。
……んだけど。
果南「その前に聞いていいかな?」
梨子「え、あっ」
果南「なんで、善子ちゃんもいるの?」
善子「ヨハネよ!」
そう。
ここで待っていたのは、梨子ちゃんだけじゃなく。
善子ちゃんも、梨子ちゃんの横にちょこんとイスに座っていた。
不思議な話なら、善子ちゃんの方が詳しいだろうから。
というのは梨子ちゃんの弁。
たぶん前回の話を受けて、梨子ちゃんなりに考えてくれた結果なんだと思う。
ふむ。
確かに、えっと堕天使?だっけ?
そういうのに詳しい善子ちゃんなら、もしかしたらってことはあるかもしれないか。
果南「えっと……」
善子「話、聞くわよ」
善子「果南さんには、ほら、前に慰めてもらったし……」
善子「だから、何でも言って! 力になるわ!」
果南「……善子ちゃん」
切り出し方を迷って言い淀んでいた私に、善子ちゃんはそう言った。
うん。
基本はやっぱりいい娘なんだよね。
善子ちゃんは。
梨子「というわけだから、大切な話、聞かせてほしいです」
果南「…………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子ちゃんの微笑みに背中を押されて、私は口を開いた。
現状を、単刀直入に。
私が違う世界から来たということを知らない善子ちゃんもいるから、最初から丁寧に。
善子ちゃんは何か言いたそうにそわそわしていたけど。
ともかく、二人は私の話を真剣に聞いてくれた。
そして、
果南「……という感じなんだ」
私は今、分かっていることをすべて話し終えた。
梨子「…………」
善子「…………」
初めてこの話を聞く善子ちゃんは勿論、既に1度目の話を知っている梨子ちゃんでさえ、困っているように見える。
まぁ、当然か。
この世界が私の夢だというなら。
二人は……。
善子「つまり、『キス』が当たり前なこの世界は、果南さんの夢で」
善子「わたし達は……偽物ってことよね」
果南「…………っ」
善子ちゃんがそうまとめた。
偽物。
私はその言葉を肯定できない。
いや、したくない。
……けれど、
梨子「うん。そういうことだよ、よっちゃん」
私に代わって、梨子ちゃんが頷く。
その声はひどく落ち着いていた。
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
『キス』は特別なもの?
それはそうだよ。
海外ならともかく日本では特別なことだ。
当たり前みたいにするものじゃない。
まして、女の子同士でなんて……。
善子「……じゃあ、それがなにか関係してるんじゃないの?」
善子「果南さんがこの夢を見た理由って」
果南「え?」
私の言葉を聞いて、善子ちゃんはそう言った。
それが関係している?
それって、『キス』?
善子「……うん」
果南「………………」
そっか。
そうだよ!
今までこの世界がどんな世界なのかとか、どうやったら元に戻れるのかとか、そういうことしか考えてなかった。
なんで『キス』が当たり前の世界なのか。
それは確かに考えたことがなかった。
そう。
なにか理由、原因があるからこんな世界を作ってしまったはずなんだ!
なら、もしかしたら……。
果南「その理由を突き止めれば……夢は覚める」
ポツリ。
呟いたその言葉に、梨子ちゃんも善子ちゃんも頷く。
……うん。
見えた気がする。
この夢から覚める方法。
それは、夢の理由を突き止めること。
『キス』にまつわる何かを見つけ出す。
そうすればきっと……。
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
ーーーーーー
またやってしまった。
1回目の梨子ちゃんの時とまったく同じだよ……。
自分の軽率さに呆れながら。
私は二人と口づけを交わし続けた。
………………///
くっ。
忘れそう……!
『キス』にまつわる何か。
『キス』にまつわるなにか。
『キス』にまつわるなにか。
あっ、『キス』気持ちいい。
……じゃなくて!
『キス』にまつわる何かを見つけ出すんだよ!!
ーーーーーー
今夜はここまで。
色々と応援していただいてありがたいです。
!poker:
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
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気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
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果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
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そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
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善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
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梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
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果南「……ごめん」
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気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
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つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
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善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
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果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
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それが証拠になるはず。
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やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
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気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
(
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー)
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
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果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
善子「…………そ、そっか」
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梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
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果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
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それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
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たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
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果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
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善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
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自分はなにもしてないから。
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まったくもう!
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いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
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気付けば、また何かが切れる音がした。
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善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
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善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
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果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
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梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
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梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
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善子「ねぇ、果南さん」
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そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
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まぁ、勿論。
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善子「……うん。わたしも……」
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善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
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そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
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梨子「そっか……」
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梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
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善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
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後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
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善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
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つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
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善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
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果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
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梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
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梨子「そっか……」
夢から覚めること。
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梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
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善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
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しかも今回は2つ。
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果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
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果南「~~っ、ハグッ!」
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善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
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善子「…………そ、そっか」
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梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
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果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
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……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
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梨子「そっか……」
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梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
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善子「ねぇ、果南さん」
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そして、世界が反転する。
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果南「~~~~~~っ!?!?」
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善子「……うん。大丈夫」
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一体どうしたら……?
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果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
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果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
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そんな風に遠慮する二人。
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いじらしい二人の姿を見て、私は、
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善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
梨子「えっと、夢から覚めようとはしてみたんだよね」
果南「うん。今日の朝、何回か試してみたけど……」
梨子「そっか……」
夢から覚めること。
それがこの世界から抜け出す方法だってことは、簡単に予測できた。
だから、朝も試してみたけど、相変わらず世界はこのままだ。
梨子「うーん……」
果南「どうしたものかなぁ……」
二人で唸る。
いつぞやと同じだ。
解決策がいまいち見当たらない。
一体どうしたら……?
そう思っていた時だった。
善子「ねぇ、果南さん」
善子ちゃんが声をあげた。
そして、彼女はそれを尋ねた。
善子「そっちの世界では……」
善子「『キス』って特別なことなの?」
やっと光明が見えたことと二人が私の話を信じて向き合ってくれたこと。
たぶん、それが身体を突き動かしたんだろうなぁ。
後から考えると、そんな風に分析できる。
まぁ、勿論。
その時の私にそんな冷静さなんてなくて……。
ーー プツンッ ーー
ーー プツンッ ーー
気付けば、また何かが切れる音がした。
しかも今回は2つ。
そして、世界が反転する。
ーー ドサッ ーー
果南「……へ?」
梨子「私は悪くない……っ///」
善子「……いっしょに、だてんしゅる……///」
果南「~~~~~~っ!?!?」
ーーーーーー
果南「…………うん。うん!」
果南「ありがとう、二人とも!」
果南「見えた気がする!」
梨子「ううん。私はなにも」
善子「……うん。わたしも……」
自分はなにもしてないから。
そんな風に遠慮する二人。
まったくもう!
謙虚すぎるよ、二人とも。
いじらしい二人の姿を見て、私は、
果南「~~っ、ハグッ!」
梨子「ひゃっ///」
善子「っ、かなんさんっ///」
つい二人を抱き締めていた。
果南「ありがとう、梨子ちゃん♪」
梨子「っ、あっ、かなんちゃ~~///」
果南「善子ちゃんも♪」
善子「っ、だ、だめっ、堕ちちゃぅから……///」
ーー スリスリスリスリ ーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
ーーーーーー
果南「………………ん」
今までぼんやりとしていた意識が浮上する。
目を開けると、そこはいつもの教室。
浦の星女学院の3年生の教室だった。
窓から射し込む西日。
それから、私以外に誰もいない教室。
そんな状況から考えるに、どうも机に突っ伏して眠ってしまっていたみたい。
珍しい。
自分でもそう思う。
果南「んっ……痛っ……」
伸びをしたら、肩にちょっとした痛みが走った。
慣れないせいなのか、少し身体が痛い。
こういうのは千歌に聞いたら、身体が痛くない寝方を教えてくれるかな?
ふふっ、なんてね。
果南「……さて」
帰ろう。
……っと、その前に部室に顔出そっか。
ダイヤ辺りが怒ってそうだもんね。
果南さん!
こんな時間まで、しかも、教室で居眠りをするなんて!
たるんでいますわ!
……なんてね?
果南「ははっ、うん。素直に謝ろう」
プリプリと怒るダイヤの姿を思い浮かべて。
それから、それを受け入れる覚悟、というほど大層なものじゃないけど。
とにかく私は立ち上がった。
…………。
そういえば。
私、いつの間に寝たんだっけ?
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「………………ん」
今までぼんやりとしていた意識が浮上する。
目を開けると、そこはいつもの教室。
浦の星女学院の3年生の教室だった。
窓から射し込む西日。
それから、私以外に誰もいない教室。
そんな状況から考えるに、どうも机に突っ伏して眠ってしまっていたみたい。
珍しい。
自分でもそう思う。
果南「んっ……痛っ……」
伸びをしたら、肩にちょっとした痛みが走った。
慣れないせいなのか、少し身体が痛い。
こういうのは千歌に聞いたら、身体が痛くない寝方を教えてくれるかな?
ふふっ、なんてね。
果南「……さて」
帰ろう。
……っと、その前に部室に顔出そっか。
ダイヤ辺りが怒ってそうだもんね。
果南さん!
こんな時間まで、しかも、教室で居眠りをするなんて!
たるんでいますわ!
……なんてね?
果南「ははっ、うん。素直に謝ろう」
プリプリと怒るダイヤの姿を思い浮かべて。
それから、それを受け入れる覚悟、というほど大層なものじゃないけど。
とにかく私は立ち上がった。
…………。
そういえば。
私、いつの間に寝たんだっけ?
ーーーーーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
ーー キーンコーンカーンコーン ーー
果南「っ!!」
鞠莉「あっ、逃げられちゃった」
一瞬の隙に、鞠莉の拘束から抜け出した。
は、はぁぁぁ///
今ほど、始業の鐘が愛おしく感じたことはないよ。
ダイヤ「あっ……」
鞠莉「んー、残念だけどbellがなっちゃったから」
また後でね。
そう言って、肩を竦める鞠莉。
果南「そんな後があってたまるか!!」
そう、捨て台詞を吐いて、私は自分の席に向かう。
あぁ、もう!!
一体なんなの、この世界!!
鞠莉に触られて少し熱くなった身体をどうにか冷ましながら。
私は、絶対に元の世界に戻ることを心に誓ったのだった。
ーーーーーー
1番近くにある相違点。
だから、少し期待してたんだけど……。
果南「……ふぅ、開かないか」
ま、いいや。
誰かから着信とかあれば進展するだろうしね。
……さて。
時計を見れば、もう夜の7時を指してるし。
果南「ご飯にするかな」
幸いなことに、両親がいなくても、食材とお金はあったようだった。
だから、軽くなにか作ろうかな。
そう思って、ベッドから起き上がったところで。
それは起きた。
~~ グニャリ ~~
果南「あ、れ……?」
立ちくらみ、にも似た感覚。
世界が回るみたいに、視界が歪んで。
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
善子「…………そ、そっか」
果南「……っ」
梨子ちゃんとは対照的に、俯く善子ちゃん。
それを見てると、なんだか申し訳なくなる。
自分が偽物だって言われるなんて……そんなの想像がつかない。
果南「……ごめん」
梨子「果南ちゃんが謝ることじゃない」
気にしないで。
そう言って、梨子ちゃんはまた微笑む。
……うん。
ありがとう、梨子ちゃん。
梨子「よっちゃん」
善子「……うん。大丈夫」
梨子「…………うん」
善子ちゃんが大丈夫だってことを確認してから、梨子ちゃんは私に向き直る。
そして、話を続けた。
梨子「この世界が果南ちゃんの夢の中の世界。それは間違いないの?」
果南「うん。それはたぶん間違いないと思う」
意識を失った後、必ず私の部屋に移動してること。
そして、私が知らないものや人がこの世界に存在しないこと。
それが証拠になるはず。
そう言うと、梨子ちゃんは軽く頷いた。
ーー キーンコーンカーンコーン ーー
果南「っ!!」
鞠莉「あっ、逃げられちゃった」
一瞬の隙に、鞠莉の拘束から抜け出した。
は、はぁぁぁ///
今ほど、始業の鐘が愛おしく感じたことはないよ。
ダイヤ「あっ……」
鞠莉「んー、残念だけどbellがなっちゃったから」
また後でね。
そう言って、肩を竦める鞠莉。
果南「そんな後があってたまるか!!」
そう、捨て台詞を吐いて、私は自分の席に向かう。
あぁ、もう!!
一体なんなの、この世界!!
鞠莉に触られて少し熱くなった身体をどうにか冷ましながら。
私は、絶対に元の世界に戻ることを心に誓ったのだった。
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「………………ん」
今までぼんやりとしていた意識が浮上する。
目を開けると、そこはいつもの教室。
浦の星女学院の3年生の教室だった。
窓から射し込む西日。
それから、私以外に誰もいない教室。
そんな状況から考えるに、どうも机に突っ伏して眠ってしまっていたみたい。
珍しい。
自分でもそう思う。
果南「んっ……痛っ……」
伸びをしたら、肩にちょっとした痛みが走った。
慣れないせいなのか、少し身体が痛い。
こういうのは千歌に聞いたら、身体が痛くない寝方を教えてくれるかな?
ふふっ、なんてね。
果南「……さて」
帰ろう。
……っと、その前に部室に顔出そっか。
ダイヤ辺りが怒ってそうだもんね。
果南さん!
こんな時間まで、しかも、教室で居眠りをするなんて!
たるんでいますわ!
……なんてね?
果南「ははっ、うん。素直に謝ろう」
プリプリと怒るダイヤの姿を思い浮かべて。
それから、それを受け入れる覚悟、というほど大層なものじゃないけど。
とにかく私は立ち上がった。
…………。
そういえば。
私、いつの間に寝たんだっけ?
ーーーーーー
フリーズ、した。
もう、うん。
……え?
なに?
果南「……は?」
もう言葉が出なかった。
というか、理解が追い付かなかった。
いや、だってさ。
目の前で、ダイヤとルビィちゃんが……えっと、その……///
キス、してるんだよ?
しかも、下着姿で。
部室に入ってきた私にも気付かず一心に……。
……………………。
って!
果南「ストーーーーーップ!!!」
ダイルビ「「へ?」」
私の出した大声でやっと気づいた二人。
よ、よかった。
これで気付かなかったらどうしようかと……。
いや、今はまず……。
果南「えっと……服、着よう」
そう言った。
その……うん、流石にちょっと目のやり場に困る、かな。
ーーーーーー
本日更新予定。
一応酉つけます。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
この世界。
『キス』が当たり前の世界。
ここに来てから、沢山『キス』をした。
果南「…………感触、残ってる」
指でそっと口元をなぞる。
さっきまでしてたから、って訳じゃない。
たぶん初めての感触だったから。
そういえば。
元の世界……えぇと、現実で『キス』したことあったっけ?
果南「………………うーん」
ふと思い返してみる。
昔。
お母さんにはしたことあったはず。
それから、千歌とか曜ちゃんにされたことはあった気がする。
いや……勿論、全員頬にだけど。
…………うん。
そうだね。
それくらいかな?
だから、
果南「私のファーストキスは……ダイヤなのかぁ……」
思わず苦笑する。
……うーむ。
果南「夢の中なら、ノーカン……だよね?」
誰に聞くでもなく、ポツリと呟いた。
勿論、それに答える人は誰もいない。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
果南「…………はぁ」
思わずため息が出る。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
なんだったんだろう?
いきなりだったけど……。
心労かな?
果南「…………うん、そうだよね」
たぶんそうだ。
夢の中に放り出されて困ってるんだもんね。
きっと疲れてるんでしょ。
いつもより睡眠はとってるはずなんだけどね。
……それこそ体感で5日間ほど。
そういえば。
こっちの世界では5日間経ってるはずだけど、元の世界はどうなんだろう?
よくあるよね。
夢では長い時間過ごしてるけど、実際は数時間しか経ってなかったとか。
もしくは、逆で、夢では少しだけど、起きたら数年も経ってたとか。
あとは、夢の時間と現実の時間が変わらないってことも。
…………。
果南「浦島太郎は嫌だな」
起きてみたら、Aqoursの皆がおばあちゃん……。
ふふっ、それは流石にないよね。
果南「…………ないよね?」
一抹の不安を抱えながら、時は流れてく。
あれから30分。
そろそろ授業終わりの鐘が鳴る頃だ。
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
ルビィ「……えへぇ、もういっかい……///」
果南「っ!?」
どうやら、今のルビィちゃんは私の様子も見えてないみたいで、もう一度キスを求めてくる。
いや。
これはここで許してしまったら、きっと際限がなくなる!
そう思った私は、どうにか話題を反らそうと考える。
考えろ!
考えろ、考えろ!
なにかルビィちゃんに話を振ってーー
っ、そうだ!
果南「ねぇ、ルビィちゃん?」
ルビィ「……ほへぇ、なぁに?」
果南「もう授業、始まるよ?」
そう。
それだ。
きっとダイヤのことを気にするルビィちゃんは、授業をサボるようなことはしない。
まぁ、ダイヤのことがなくても、真面目なルビィちゃんのことだから……。
とにかく、これで……!
ルビィ「……はなまるちゃんに、つたえてきたからだいじょぶ♪」
果南「……つ、伝えてきたって」
ルビィ「かなんちゃんにキスしてくるね、って♪」
果南「」
そ、それが許されるの!?
くっ、なんて世界だ……。
って、ん?
果南「…………」
ルビィ「かなんちゃん……?」
ひとつ引っ掛かる。
昨日は色んなことが衝撃的すぎて忘れてたけど。
そうだ。
うん。
思い出した。
昨日の昼休みの目的は、そもそも図書室に行くことじゃなかった。
私の目的は、
果南「ルビィちゃんってさ……」
ルビィ「ぅゆ?」
果南「まるとは『キス』する?」
まると会う。
この世界で、私が『キス』をしていない相手と会って話をすること。
それが昨日の目的だったはずだ。
すっかり忘れてた。
ルビィ「はなまるちゃん?」
果南「うん、そう」
この質問の意図。
それは、まるがこの世界に当てはまってるのか。
それを確かめたかったから。
思えば、まるは。
『キス』が当たり前の世界で、私と『キス』をしていない人物で。
私を図書室に導いて、この世界の真実に辿り着かせた人物だ。
正直に言うと。
私は、まるが鍵を握ってるんじゃないかって思ってる。
もし、まるがルビィちゃんともキスをしないなら。
この世界の例外ならば。
話を聞いてみよう。
そう思った。
ただ、どうも私の予測というか、目論見は甘かったようで、
ルビィ「はなまるちゃんとも、たくさんするよぉ♪」
ということらしい。
果南「そう……」
ルビィ「ぅん!」
満面の笑みで頷くルビィちゃん。
よっぽどまるとのキスが好きみたいで、それから、少し二人のことを話していた。
ほほえましい。
と同時に、落胆する。
そうか。
手がかり、じゃなかったんだね。
果南「……残念」
ルビィ「……え?」
果南「っ」
しまった!
思わず口から出たその言葉は、まるとのことを話していたルビィちゃんの耳にも聞こえてしまったようで……。
ルビィ「ざんねん……それって?」
果南「い、いや、なんでもないから!」
ルビィ「…………」
果南「ほら! 私、あんまり、1年生とそういうのしたことないからっ!!」
ルビィ「………………」
果南「だから、残念だなって!!」
誤魔化すように、言葉を並べる。
その間も、ルビィちゃんは不思議そうな表情をしていた。
ここで、私のことがバレるのはまずい。
善子ちゃん曰く。
あまりこの世界が私の夢だってことは話さない方がいいらしい。
世界っていうのは、人間の認識の上に成り立っているもので、それが揺らぐと世界が保てなくなる可能性があるとかなんとか。
よくわかってないけど、現実の善子ちゃんもそんなことを言ってた覚えがあった。
私じゃなくて、ルビィに語ってたのを、何となく盗み聞きしてただけだけどね。
たぶんその時のことが、こっちの世界の善子ちゃんの言葉として、現れたんだと思う。
私が知らないことは『空白』になるはずだし。
さて。
とにかく今は……。
果南「…………」
ルビィ「…………」
この場をなんとかしないと……。
ルビィちゃんに不審がられるわけにはいかないんだ。
果南「と、とにかく、残念って言ったのはそういう意味だから」
果南「だから、気にしないでね」
……これで、どうだ?
ルビィ「…………」
果南「…………」
沈黙。
ただ見つめ合う。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
なんてこった。
……そんな言葉実生活で使うとは思ってなかった。
まぁ、夢の中だけれども。
とにかく、これでルビィちゃんにバレることはないだろうな。
そして、まるとも図らずもキスすることになったし。
まぁ。
いいか。
まるがこの世界に当てはまってることが分かった後だから、私はすっかり安心していた。
キスすることにも以前よりは抵抗がなくなってきたし。
その時の私はそう思っていた。
だから、あえてここで言っておこうと思う。
自分への戒めも兼ねて。
この昼休みで、事態は急変する。
ーーーーーー
一旦ここまで。
もしかしたら、夜にまた更新するかもしれません。
少しだけ更新。
ーーーーーー
果南「…………」
そして、やってきた昼休み。
結局、私は授業には出ず、校内を散策した。
その結果、入学以来行っていなかった図書室の他にも、事務室とか体育倉庫とかも、何もない空間になっていることが分かった。
けれど、それだけ。
正直、十分な成果とは言えず、徒労に終わったことを嘆いていたところに。
約束通り二人は来た。
そして、
ルビィ「えへへ♪ すっごくよかったね、はなまるちゃんっ」
花丸「うん! しあわせだったずらぁぁ……」
果南「……ち、力が……」
今に至る、と。
ルビィちゃんとまる。
二人合わせても、私の体力には及ばないから、大丈夫だろう、という計算は残念ながら間違っていたみたい。
ルビィちゃんは、千歌と同じタイプで何度も何度も求めてきて。
それはまるも同じなんだけど、コンビネーションがすごい。
ルビィちゃんとのキスが終わったと思ったら、間髪入れずにまるがきて……って感じだった。
というわけで、体力は二人の方が上だったらしい。
こと、キスに関しては。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
さて。
次だ。
果南「……ねぇ、まる」
花丸「なに?」
果南「キス好き?」
この質問に、まるは頷いた。
うん。
これも予想通り。
やっぱりまるはこの世界の住人だ。
キスをしなかったのは偶々タイミングが合わなかっただけってことね。
冷静に考えれば当然か。
学年も違うし、昼休みの過ごし方だって違うもんね。
片や図書室、片や3年教室。
そりゃタイミングが合うわけない。
つまり、
果南「私の深読みだったわけか……」
はぁぁぁ……。
口には出さない。
二人に心配かけるし。
けれど、本当はため息でも吐きたい気分。
特大のやつ。
さて。
次だ。
果南「……ねぇ、まる」
花丸「なに?」
果南「キス好き?」
この質問に、まるは頷いた。
うん。
これも予想通り。
やっぱりまるはこの世界の住人だ。
キスをしなかったのは偶々タイミングが合わなかっただけってことね。
冷静に考えれば当然か。
学年も違うし、昼休みの過ごし方だって違うもんね。
片や図書室、片や3年教室。
そりゃタイミングが合うわけない。
つまり、
果南「私の深読みだったわけか……」
はぁぁぁ……。
口には出さない。
二人に心配かけるし。
けれど、本当はため息でも吐きたい気分。
特大のやつ。
結局ふりだしに戻った。
まぁ、2回目のふりだしならまだいいか。
なにも分からないふりだしよりはマシだろうから。
果南「……っ、ふわぁぁぁぁ」
ふいに出た欠伸。
あぁ。
きっと気を張りすぎたんだろう。
さっきの胸の痛みと似たようなもの、かな。
…………いや、ちょっと違うような気がしないでもないけれど。
さっきのは精神的なもので、今のは完全に肉体的なものだ。
果南「……疲れが出てきたみたいだね」
二人に聞こえないように、小さな声で呟く。
うん。
なんだろう、本当に眠いや。
こっちの世界に来てから初めーーーー。
果南「ーーあ、れ?」
瞬時に思い返す。
初めて?
……そうだ、初めてだ。
この世界に来てから、眠くなったのは。
今までは、疲れこそあれど、眠気なんて一切なかった。
夜も眠くなる前に、あの眩暈がやってきたから。
だから、
ーー ゾワリッ ーー
果南「っ」
違和感、どころの話じゃない。
それはもう悪寒だ。
なにか嫌なことが起こるような……。
ルビィ「あ、れ?」
ルビィ「はなまるちゃん……?」
果南「……………………え?」
ルビィちゃんの声で我に返る。
それと同時に異変に気付いた。
果南「まる……?」
まるがいない。
ルビィちゃんと同じように、きょろきょろと部室のなかを見渡してみても、彼女の姿はなかった。
ルビィ「っ、え? はなまるちゃん……どこにいったの?」
果南「っ、まる!!」
悪寒。
それから、眠気はますます強くなる。
必死にそれを抑えて、まるの姿を探す。
けれど、いない。
いない。
いない。
ルビィ「……っ、どこいっちゃったの……?」
ポツリ。
ルビィちゃんの声。
その声からだけでも、不安が感じ取れる。
とりあえず、皆に連絡をしよう。
少なくとも、善子ちゃんと梨子ちゃんだけでも。
それを提案しようとして、振り返る。
果南「ルビィちゃん! ここから離れよーー」
果南「…………え?」
目を疑う。
振り返った先。
本来ならば、不安そうな顔をしたルビィちゃんの姿があったはず。
けれど、
ル ィ「…………かな ちゃ……」
果南「ルビィ……?」
言葉がでない。
信じられない。
けど、それは確かに私の目の前で起きていた。
私の目の前で、ルビィちゃんが消え始めている。
なにさ、これ。
いったいどういう……?
果南「っ、ルビィちゃんっ!」
声をあげて、抱き締める。
すり抜ける。
ル ィ「 な ちゃ……」
果南「っ、なんでっ!?」
なんでっ!?
なんでなんでなんでっ!?
ありえない!
消えてくなんて!?
ル ィ「 ん ゃ……」
果南「っ」
なに、これ……。
ルビィちゃんが消えていく。
無くなっていく。
これじゃまるで……。
あの『空白』だ。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
意味が分からなかった。
ここは私の夢じゃなかったの?
私はルビィちゃんをちゃんと覚えてる。
なのに、消えてしまった。
私の目の前で。
なんで……?
意味が分からない。
これが、悪寒の正体?
果南「………………っ」
また、体が震える。
……もしかして、まるも……?
いつの間にか消えてしまったまる。
たぶん、いや……きっとそうだ。
果南「…………ルビィちゃん……まる……」
ーー ゾワリッ ーー
果南「……っ」
まだ悪寒は続いてる。
そして、眠気も更に強まっていく。
果南「…………い、かなきゃ……」
上手く動かない体を無理矢理叩き起こす。
二人が消えた。
これはたぶん偶然じゃない。
としたら、次は……っ!
意味が分からなかった。
ここは私の夢じゃなかったの?
私はルビィちゃんをちゃんと覚えてる。
なのに、消えてしまった。
私の目の前で。
なんで……?
意味が分からない。
これが、悪寒の正体?
果南「………………っ」
また、体が震える。
……もしかして、まるも……?
いつの間にか消えてしまったまる。
たぶん、いや……きっとそうだ。
果南「…………ルビィちゃん……まる……」
ーー ゾワリッ ーー
果南「……っ」
まだ悪寒は続いてる。
そして、眠気も更に強まっていく。
果南「…………い、かなきゃ……」
上手く動かない体を無理矢理叩き起こす。
二人が消えた。
きっとこれは偶然じゃない。
そう何かが告げている。
だとしたら、次は……っ!
~~ グニャリ ~~
眩暈。
果南「っ、な、んでっ……!」
こんな時にっ!!
絶対気を失うもんかっ!
そう思っていても、意識は遠のく。
悪寒。
眠気。
眩暈。
私は抗うことも出来ずに
果南「る……びぃちゃ…………ま、る……」
闇に飲み込まれた。
ーーーーーー
ーーーーーー
~~~~~~
名前を呼ばれた気がした。
辺りを見渡しても誰もいない。
気のせいじゃない?
みんなはそう言った。
けど……ううん。
そんなわけはない。
あの声は確かに……。
もう一度。
二度、三度見渡す。
……………………え?
ちょっと、待ってよ……。
な、んで?
あんなところに……?
疑問。
そのせいで一瞬遅れてしまった。
私は、駆け出す。
足元が覚束無い。
それは足場のせいか、それとも言い様のない不安からか。
分からない。
けど、今はどうでもいい。
今はただーー
私は、彼女の名前を呼んだ。
~~~~~~
ーーーーーー
今日はここまで。
レス感謝です。
酉は慣れていないもので、色々とミスも多いです。
見にくくて申し訳ないです。
次回更新は少し間が空きます。
ご了承ください。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
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チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
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早速捕まる私。
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まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
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ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
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って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
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果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
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……まぁ、そうだよね。
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うん。
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ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
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まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
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ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
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ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
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果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
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果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
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果南「…………」
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果南「……………………いや」
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この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
果南「…………はぁ」
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って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
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……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
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果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
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ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
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昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
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日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」(o^^o)
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
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分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
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果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
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果南「……うぐぅ……」
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ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
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日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
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ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
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ーーーーーー
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果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
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ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
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私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
ーーーーーー
果南「……うぐぅ……」
朝の善子ちゃんと梨子ちゃんとの一件の後。
私は教室に戻らずに、部室にいた。
ここが夢の中だからっていうのもあるけど、体力を持っていかれたことの方が原因としては大きいかな。
果南「……10時か」
チラリと時計を見ると、そんな時間。
昨日は昼休み半ばに眩暈に襲われたから、今日は……。
果南「あと二時間くらいかな……」
果南「…………ふぅ」
時間はない。
いや、なくなってきてるって言った方が正確かもしれない。
日に日に短くなってるから、ね。
果南「…………」
動き出そう。
果南「……………………いや」
…………として、考える。
この世界のこと。
私は……。
果南「なんでこんな夢を見てるんだろう……」
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
花丸「はっ! 果南ちゃん、ごめんね?」
と、どうやらグロッキー状態の私に気づいたようで、まるは心配そうにこちらを見てくる。
それに倣うように、ルビィちゃんも顔を覗き込んできた。
果南「……ん、大丈夫だよ」
勿論、強がり。
本当は結構キテる。
特に、足腰に。
ルビィ「ぅゅ……ぼうそう……しちゃった……」
花丸「あはは……やっちゃったねぇ」
二人は顔を見合わせて、ばつが悪そうに苦笑した。
……ふむ。
さっきまでの表情とは違う。
ちょっとは落ち着いてくれた、のかな?
果南「……まる」
花丸「っ、なに? 果南ちゃん?」
果南「昨日、ごめんね」
花丸「?」
昨日のこと。
図書室でのことをさりげなく触れてみる。
けれど、私の言葉にまるは首をかしげるだけで。
……まぁ、そうだよね。
これは梨子ちゃんの時と同じだ。
私が倒れたことを覚えていない。
うん。
想像の範囲内。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
そんなはずない!
私は、ルビィちゃんを知ってるっ!
ダイヤの妹で!
アイドルが大好きで!
おどおどしてるように見えて、とっても優しい女の子だ!
ほら、覚えてる!
なのに……。
ル 「 ちゃ 」
果南「…………なん、で……」
もう、ルビィちゃんの姿はほとんどなかった。
顔の右半分と左の手のひらだけが浮いている。
ル 「 」
果南「………………」
言葉も聞こえない。
そして、
ル 「『 ねが 、も って て』」
果南「っ、ルビィちゃーー」
最後になにか言い残してーー
ーー消えた。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ほんの少しだけ更新します。
ーーーーーー
果南「ーーーーーー」
自分の声で、飛び起きる。
……また、夢か。
ポツリと呟く。
ハッキリとは思い出せないけど、すごく不安な気持ちになってる。
悪夢、だったんだろうな。
それにしても、
果南「…………誰かの名前を叫んでた気がする」
その声で飛び起きたんだから、覚えていてもおかしくないはずなんだけど。
一体、だれの……?
ーー ズキッ ーー
果南「痛っ」
と、不意に頭痛に襲われた。
しかも、頭も靄がかかったみたいにボーッとする始末だ。
果南「……なんで、こんな……」
昨日の出来事を思い返してーー
果南「っ、そ、そうだっ……」
ーーあの光景が蘇った。
ルビィちゃんが目の前で消えてしまったあの光景がーー。
果南「……っ」
フラッシュバックするあの映像を無理矢理首を振って頭から追い出し、スマホを取り出す。
真っ赤な方じゃなくて、自分のスマホだ。
そして、ルビィちゃんに電話をする。
果南「………………」
果南「…………っ、出ない」
次は、まる。
でも、
果南「………………」
果南「………………まるも」
二人とも出ない。
いやいや。
まだ寝ているだけかも……。
…………ううん。
きっと違う。
自分の記憶が正しいことを、そして、自分のこの言い様のない不安が的中していることを確信する。
やっぱりあれは幻でもなんでもなくて……。
果南「…………現実なんだね」
そう言って、私はいつまでも繋がらない通話画面を閉じた。
果南「……っ」
フラッシュバックするあの映像を無理矢理首を振って頭から追い出し、スマホを取り出す。
真っ赤な方じゃなくて、自分のスマホだ。
そして、ルビィちゃんに電話をする。
果南「………………」
果南「…………っ、出ない」
次は、まる。
でも、
果南「………………」
果南「………………まるも」
二人とも出ない。
いやいや。
まだ寝ているだけかも……。
…………ううん。
きっと違う。
自分の記憶が正しいことを、そして、自分のこの言い様のない不安が的中していることを確信する。
やっぱりあれは幻でもなんでもなくて……。
果南「…………現実なんだね」
そう言って、私はいつまでも繋がらない通話画面を閉じた。
夢の世界なのに。
現実か。
果南「……ふっ、おかしいよ」
おかしい。
本当におかしい。
本当に、笑えない。
果南「…………」
果南「…………うん」
果南「もう行こう」
それだけ口にして。
いつの間にか着替えていた寝間着を脱いで、壁に掛けてある制服に袖を通す。
きっともう、私には時間がない。
昨日は昼休みの途中で途切れた。
初めて感じる眠気といつもの眩暈と共に。
だから、今日はそれより短い時間だ。
果南「急ごう」
ルビィちゃん。
まる。
早くこの夢から出て、二人の顔を見るからね。
ーーーーーー
ーーーーーー
梨子「果南ちゃん!!」
部室の扉が大きな音を立てて開いた。
梨子ちゃんだ。
その後ろには善子ちゃん。
果南「……二人とも、ありがとう」
梨子「ううん。そんなーー」
善子「それより、どういうことよ!」
私達の声を遮るようにして、善子ちゃんが机を強く叩きながら言った。
その声は少し震えている。
果南「……メッセージ飛ばした通りだよ」
善子「っ、それが意味わかんないって言ってるの!」
梨子「よっちゃんっ」
動揺を隠し切れない。
そんな様子で私に詰め寄る善子ちゃん。
梨子ちゃんはそれを必死に抑えてる。
梨子「よ、よっちゃん、そういう気持ちは分かるけどっ! 果南ちゃんだって……」
善子「っ、そんなのっ! でもっ! だって、訳分からないわよ! なによっ!」
善子「ルビィとずら丸が……消えたって!!」
昨日のことを二人に説明する。
私も動揺してて、上手く話せたかは分からない。
けれど、とにかく話をした。
梨子「そ……か……。ルビィちゃんも花丸ちゃんも……」
果南「……うん」
梨子ちゃんの言葉にどうにか頷く。
脇目で善子ちゃんを見ると、涙を溜めて下唇を噛んでいた。
果南「…………ごめん」
善子「……っ」
口を突いて出た言葉。
それが何になるでもないことは分かっていたけれど、善子ちゃんを見ていたら言わずにはいられなかった。
善子「…………っ、かな……んさんの……せいじゃないわよ」
果南「…………」
善子「…………わたしこそ、ごめんなさい……っ」
果南「…………ううん」
昨日のことを二人に説明する。
私も動揺してて、上手く話せたかは分からない。
けれど、とにかく話をした。
梨子「そ……か……。ルビィちゃんも花丸ちゃんも……」
果南「……うん」
梨子ちゃんの言葉にどうにか頷く。
脇目で善子ちゃんを見ると、涙を溜めて下唇を噛んでいた。
果南「…………ごめん」
善子「……っ」
口を突いて出た言葉。
それが何になるでもないことは分かっていたけれど、善子ちゃんを見ていたら言わずにはいられなかった。
善子「…………っ、かな……んさんの……せいじゃないわよ」
果南「…………」
善子「…………わたしこそ、ごめんなさい……っ」
果南「…………ううん」
それから。
全員が落ち着いて話せるようになるまで少しかかった。
もう一時間目の授業は始まってる。
勿論、誰も戻ろうとしない。
そんななか、
梨子「ねぇ、果南ちゃん」
梨子ちゃんが口を開いた。
善子ちゃんと一緒に、梨子ちゃんの方を見る。
果南「なに? 梨子ちゃん?」
梨子「……ここが果南ちゃんの夢の中ってことはたぶん間違いないのよね?」
頷く。
私の知らないものが見えなくて色んな不思議なことが起こっている以上、それが一番納得できる説のはずだ。
梨子「……でも、ルビィちゃんと花丸ちゃんが消えてしまった」
善子「っ…………か、果南さんは二人のことは……」
果南「勿論、覚えてるよ」
うん。
思い出せる。
二人の性格とか二人と話したことだって、話せるし覚えてる。
仲間なんだ。
忘れるわけない。
善子「そうよね……」
果南「二人も、ルビィちゃんとまるのこと覚えてるでしょ?」
梨子「えぇ」
善子「覚えてるに決まってるじゃない!」
うん。
だよね。
……とすると、図書室の件とはまた別の原因があるってこと?
………………。
梨子「……原因は……?」
果南「……残念ながら」
梨子「そう、だよね」
さっぱり分からない。
ここが私の夢だって分かって、せっかく少しだけ前に進めたと思ったのに……。
一体、なんなのさ。
訳が分からない。
気が重くなる。
その時、
梨子「…………ねぇ、二人とも」
梨子「一回、教室に行ってみない?」
梨子ちゃんがそんな提案をした。
真面目な梨子ちゃんのことだから、やっぱり授業が気になるのかな?
そう思って聞いてみたけれど、それはどうやら違うらしく、梨子ちゃんは首を横に振った。
そうじゃなくて。
そう言って、梨子ちゃんは言葉を続けた。
梨子「……1年生の教室」
梨子「ルビィちゃんと花丸ちゃん。もしかしたら来てるかも……その、しれないから」
淡い希望。
たぶんそんなことはあり得なくて。
だけど、私も善子ちゃんもその言葉に頷いた。
ーーーーーー
ーーーーーー
スクールアイドル部の部室。
私達の部室は、体育館の中にある。
だから、私はいつも朝、教室に寄らずに真っ直ぐここへ来ている。
今日の朝は二人もそうだ。
教室まで行くより、ここの方が距離的にも近いし、何より今は時間をロスする訳にはいかない。
…………。
なぜいきなりこんな話を?
そう思うよね。
立地を確認したかった、とかでは勿論ない。
私が言いたかったのは、
梨子「っ、う、うそ……!?」
善子「…………どういうこと?」
果南「……これは……」
今朝、善子ちゃんが寄らなかった1年生の教室。
それは、
善子「……なんで何もないのよ……」
見事に無くなっていた。
『空白』
机も椅子も教卓も。
ロッカーや生徒の鞄もない。
いや。
それどころか、
果南「…………誰もいない」
そう。
授業中であるにも関わらず、誰もいなかったのだ。
ーーーーーー
スクールアイドル部の部室。
私達の部室は、体育館の中にある。
だから、私はいつも朝、教室に寄らずに真っ直ぐここへ来ている。
今日の朝は二人もそうだ。
教室まで行くより、ここの方が距離的にも近いし、何より今は時間をロスする訳にはいかない。
…………。
なぜいきなりこんな話を?
そう思うよね。
立地を確認したかった、とかでは勿論ない。
私が言いたかったのは、
梨子「っ、う、うそ……!?」
善子「…………どういうこと?」
果南「……これは……」
今朝、善子ちゃんが寄らなかった1年生の教室。
それは、
善子「……なんで何もないのよ……」
見事に無くなっていた。
『空白』
机も椅子も教卓も。
ロッカーや生徒の鞄もない。
いや。
それどころか、
果南「…………誰もいない」
そう。
授業中であるにも関わらず、誰もいなかったのだ。
善子「っ、なによ……これ……」
梨子「よっちゃんっ!!」
果南「善子ちゃん!」
崩れ落ちる善子ちゃんを慌てて支える。
梨子「…………なんで? 果南ちゃんもこの教室は知らないはずないよね……?」
果南「……うん。よく知ってる教室だよ」
確かに、梨子ちゃんの言う通り、知らないはずはない。
浦の星は学年によって階が決まっていたから、私が1年生の時もこの教室を使っていた。
ダイヤと。
鞠莉と。
一緒に過ごした教室だ。
だから、生徒はともかく教室まで消えるなんて、本来ならありえない。
梨子「ルビィちゃんや花丸ちゃんの時と、同じ?」
果南「…………うん」
眠気はないけれど、同じだ。
知ってるのに、覚えてるのに、消えている。
善子「っ、怖い……」
梨子「…………よっちゃん」
果南「…………」
少しして。
善子ちゃんが落ち着いたのを確認して切り出す。
果南「ねぇ、二人とも」
果南「…………私がそれを知ってても消え始めてるのは、なんでだと思う?」
梨子「えっと…………」
善子「…………」
頭を抱える梨子ちゃんとは対照的に、善子ちゃんはこちらをしっかりと見ていた。
果南「善子ちゃん」
善子「……えぇ」
梨子「…………よっちゃん?」
さっきとは打って変わって落ち着いている。
……うん。
たぶん、善子ちゃんはなにかに気付いたんだ。
それはきっと私が考えてることと同じこと。
果南「ねぇ、善子ちゃんはなんでだと思う?」
善子「…………的はずれかもしれないわよ?」
果南「…………教えて」
善子「…………」
善子「夢が終わりかけてるんじゃないかしら……」
善子ちゃんはそう言った。
梨子「夢が……終わり?」
善子「そうよ」
果南「…………」
それは私と同じ推論だった。
善子ちゃんは、首を捻る梨子ちゃんに向けて続ける。
善子「……たぶん夢を見れる状態じゃなくなってきてるんじゃないかしら」
梨子「夢を見れる状態って……目が覚めるってこと」
善子「…………えぇ。だから、世界が消え始めてる」
なるほど。
梨子ちゃんは善子ちゃんの話を聞いて、そう言った。
確かに、それはありそうなことだ。
今までは『知らない』から消えていたけど。
今回は『見れない』から消えていく。
世界が維持できなくなってきてる……のかもしれない。
梨子「! なら、もしかして、果南ちゃんは元の世界に戻れるってこと?」
善子「…………たぶん」
梨子「っ、果南ちゃん!」
果南「………………うん」
うん。
それなら、納得はできる。
それにすごく嬉しい。
目さえ覚めれば、ルビィちゃんやまるにまた会えるわけだし。
……けど、
善子「善子ちゃん」
善子「…………っ」
名前を呼ぶと、善子ちゃんは体をビクッと震わせた。
梨子「よっちゃん……?」
善子「っ」
うん。
やっぱり気付いてるよね。
果南「…………善子ちゃん」
善子「っ、でも、それはっ……!」
果南「…………」
善子「…………っ」
私の目を見て、俯く善子ちゃん。
心配そうに見つめる梨子ちゃんと。
ただ彼女を見る私。
可能性は低いけど。
そう前置きをしてから、善子ちゃんは私達にそれを話した。
善子「夢が終わるのは、目が覚めるだけじゃないわよ」
梨子「……え? そ、それって……?」
果南「…………」
善子「夢が終わるのは、果南さんの脳がそれを見れない状態になってきてる……ってことも……」
梨子「……え、えっ!? 待って、よっちゃんっ!! その言い方だと……?」
それ以上は言いたくない。
俯いた善子ちゃんから、そんな音にならない言葉を感じた私。
だから、その続きを口にする。
私が至った推論と同じであろうその続きを……。
果南「私は、もうすぐーー」
梨子「なっ!?」
善子「……っ」
はっきりとした根拠はない。
けれど。
昨日感じた異様な眠気。
いつもの酷い眩暈。
それから、日に日に短くなっていく時間。
それらは、なんとなく悪い方法へ私を引っ張っていくような気がしてる。
梨子「そ、そんな、うそ、だよね……?」
善子「えぇ、か、可能性の話だし! そんなのありえないわっ!」
果南「…………」
大丈夫。
なんて言えないや。
目が覚めるって方は更に根拠が薄いわけだし……。
それに、
~~ グニャリ ~~
果南「痛っ……!」
またあの眩暈。
それから、眠気がして。
視界が歪んだ。
梨子「果南ちゃん!」
善子「果南さんっ!!」
果南「…………」
梨 「か んちゃ ! お て!」
善 「 なんさ ! ねぇ! や よ!」
果南「……………………ごめ、ん……二人とも」
ぼやけていく視界。
それから、透き通っていく二人を見ながら。
私はまた意識を失った。
ーーーーーー
はっきりとした根拠はない。
けれど。
昨日感じた異様な眠気。
いつもの酷い眩暈。
それから、日に日に短くなっていく時間。
それらは、なんとなく悪い方向へ私を引っ張っていくような気がしてる。
梨子「そ、そんな、うそ、だよね……?」
善子「えぇ、か、可能性の話だし! そんなのありえないわっ!」
果南「…………」
大丈夫。
なんて言えないや。
目が覚めるって方は更に根拠が薄いわけだし……。
それに、
~~ グニャリ ~~
果南「痛っ……!」
またあの眩暈。
それから、眠気がして。
視界が歪んだ。
梨子「果南ちゃん!」
善子「果南さんっ!!」
果南「…………」
梨 「か んちゃ ! お て!」
善 「 なんさ ! ねぇ! や よ!」
果南「……………………ごめ、ん……二人とも」
ぼやけていく視界。
それから、透き通っていく二人を見ながら。
私はまた意識を失った。
ーーーーーー
本日はここまで。
ミスが多くて申し訳ないです。
今更ながら追加です。
更新遅め
シリアス展開
百合要素
以上のことが大丈夫な方
出来ることならばもう少しだけお付き合いください。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
しばらくして。
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ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
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ただ、
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あの眩暈よりはマシだ。
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精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
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ルビィ「ん~っ///」
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重くはない。
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けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
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しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
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果南「………………え、あっ」
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しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
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……ふ、ふぅ。
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果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
ーーーーーー
ルビィ「……かなんちゃ……もっとぉ……///」
果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
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ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
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しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
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ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
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果南「っ……」
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目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
気を失いそうな眩暈があるわけでもない。
ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
…………。
果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
ーーーーーー
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果南「っ、ルビィちゃん……っ///」
早速捕まる私。
くっ……。
まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
そう。
分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
果南「へ?」
ルビィ「3人で、いっぱいキスしよぉ♪」
果南「………………え、あっ」
果南「………………うん」
ーーーーーー
しばらくして。
ルビィ「……ぅん」
ルビィちゃんは頷いた。
……ふ、ふぅ。
わかってくれたかな?
ルビィ「かなんちゃん」
果南「あ、うん? なに?」
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分かってくれた、と思ったんだけどなぁ……。
ルビィ「おひる、はなまるちゃん連れてくるね!」
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早速捕まる私。
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まさか、こんな半端な時間にルビィちゃんが部室に来るなんて!
予想外だった!
ルビィ「ね、かなんちゃん……いいよね///」
果南「お、落ち着いて、ってぇ!?」
ルビィ「ん~っ///」
果南「ちょ、まっーーんっ!?」
椅子に座る私の上にルビィちゃんが向かい合って乗るような体勢。
重くはない。
むしろ軽くて心配になるくらいだ。
けど、少し回復したとはいえ、こうも続けてキスされると……。
ルビィ「~~っ、はっ……」
果南「ぷはっ……はぁ、はっ……」
ルビィ「…………えへへ♪」
正直体力の限界……いや、精神力の限界だ。
さっきみたいに、胸が痛くなりそうだよ。
果南「…………はぁ」
ため息。
って、あれ?
果南「っ……」
果南「なに、これ……」
目の前に、なにか大きな変化があった訳じゃない。
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ただ、
果南「…………胸が痛い」
ズキッと痛む。
耐えられないほどじゃない。
あの眩暈よりはマシだ。
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果南「…………っ」
酷くはない。
そもそも身体的な痛みじゃないと思う。
これはたぶん、胸を痛める、とかいう表現にもあるようなもの。
精神的なもの。
果南「……っ、すぅ……」
果南「……はぁぁ……すぅ……はぁ……」
果南「……ふぅ」
うん。
良くなった気がする。
少し更新します。
ーーーーーー
果南「…………」
目覚めは最悪だった。
当たり前だよ。
Aqoursのメンバー半分が私の目の前で消えて。
その原因が……。
果南「……私だもんね」
原因。
この夢を見てる本人。
そして、消している本人。
それが私だ。
果南「…………」
果南「…………あと、どのくらい……残ってるのかな」
ポツリと呟く。
この世界に来て、もう1週間くらいが経った。
実際はどうなのかわからないけど、もし現実も同じだけの時間が流れているとしたら……。
果南「………………行こうか」
ベッドの上からゆっくりと起き上がる。
今は朝7時。
今日が終わるまで、あと3時間。
ーーーーーー
ーーーーーー
登校途中。
所々、景色が消えているのに気付いた。
本当に時間がなくなり始めてるのが分かる。
たぶん、私がそれを自覚したのもあるだろうけど。
歩きながら、スマホをチェックする。
ダイヤが見たら、行儀がよくないって怒られそうだけど、今くらいは許してほしいよね。
果南「…………出ない」
ルビィちゃんも、まるも。
梨子ちゃんも、善子ちゃんも。
全員に電話をかけてみたけど、出ない。
果南「……っ、うん、分かってたこと、だよ」
目を閉じて、静かに口にする。
うん。
分かってたこと。
分かってたこと。
………………。
いつもなら、こんな風に独り言なんて言わないんだけどな。
通い慣れた通学路。
そこを歩く人影はない。
ーーーー
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
果南「っ!?」
突然聞こえた大声に、体を震わせた。
反射的にそちらを見る。
そこには、
千歌「きょ、きょーしつが……ない!!」
曜「……よーそろ……」
呆然とした表情で、『空白』を見上げる千歌と曜ちゃんの姿があった。
千歌「な、なんで!? いったいなにが!?」
千歌「あ! もしかして、昨日宿題してなくて、明日の数学の授業なくなれー! って千歌が思ったから!?」
曜「ち、千歌ちゃん、落ち着いて!」
千歌「ど、どうしよう! 曜ちゃん!」
曜「え、えっと……そうだ!」
千歌「!」
曜「とりあえず、ここで宿題をしてみたら、教室が現れるかも!」
千歌「それだぁぁ!!」
果南「……ぷっ」
千歌「ほぇ?」
曜「あ、あれ?」
ようちか「「果南ちゃん!?」」
果南「ふふっ、なに、コントしてるのさ、二人とも」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「……なんでもないから」
曜「…………」
にこりと笑う。
きっと曜ちゃんには、この強がりはバレてるんだろうなと思いながら。
話さないことは、私のエゴだ。
……うん。
それは十分わかってるつもり。
分かってる、よ。
だから、曜ちゃんを、私自身の心を誤魔化すように千歌に話を振る。
果南「千歌」
千歌「んー? なに、果南ちゃん?」
果南「教室もないし、部室にでも行かない?」
千歌「うん!」
私の言葉に千歌は頷く。
いつもの柔らかい笑顔で。
部室に向かう道すがら。
この笑顔が見れるのが、最後だと思うと、少し胸が痛んだ。
ーーーーーー
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
扉を閉めたと同時に、私は抱きつかれていた。
千歌「っ」
曜「…………」
千歌と曜ちゃん。
二人が私の正面から抱きついてくる。
果南「千歌?」
千歌「……っ」
果南「曜ちゃん……」
曜「…………」
二人は私の呼びかけには答えない。
その代わりに、きゅっと強く抱かれる。
果南「…………」
千歌「…………」
曜「…………」
果南「…………そっか」
二人の行動の意味。
それが何となく伝わってくる。
……そっか、うん。
果南「二人とも、何となく気付いてた……そうだよね?」
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
あの眩暈だ。
果南「っ、なん、で……」
薄れ始めた意識の中、時計に目をやると、まだ9時を少し過ぎたくらい。
くっ。
予想以上に早い……。
それだけ限界が近付いてるってこと……?
千歌「果南ちゃんっ!!」
曜「……か、なんちゃんっ!」
私の名前を呼びながら、二人の力は更に強くなる。
はは……ちょっと痛いよ、二人とも。
その言葉は伝えられない。
口に出せない。
果南「っ、はっ……」
千歌「 んちゃ !」
曜「か ん ゃん!」
いつものように消えていく。
今度は千歌と曜ちゃんが。
ごめん、ごめんね。
もう言葉は出ない。
だから、せめて心の中で謝る。
私のせいで辛い思いをさせて、ごめんねって。
ーー ポロッ ーー
涙が落ちるのが分かった。
たぶん酷い顔をしてるんだと思う。
声にならない。
でも、叫び続ける。
ごめんね。
二人とも。
ごめんね、みんな。
ーー チュッ ーー
ーー チュッ ーー
果南「……っ、え……」
千歌「……んっ」
曜「んーー」
気付くと、私は二人にキスをされていた。
いつかのキスじゃなくて。
頬に唇を添えるだけの幼稚なキス。
それはまるで、私の涙を拭うように、頬を這う。
果南「……ち、か……よ、う……」
なんとか二人の名前を絞り出す。
眩暈は激しくて、二人の顔すらもぼやけて見える。
そして、二人の温もりが頬から離れて。
歌「な な いで」
曜「 なんちゃ はわ くないよ」
歌「ねぇ、 ん ゃん」
歌「『 って から』」
「『も って き よ……』」
『 んちゃ 』
ーーーーーー
ーーーーーー
なんて言ったかははっきり分からない。
それに、表情もよく見えなかった。
けれど。
泣かないで。
果南ちゃんは悪くないよ。
そう言ってくれたのは、分かった。
消える最後のときまで、私のことを気にしてくれた二人。
まったく、優しすぎるよ。
でも、そのお陰で、少しだけ楽になった。
……うん。
そうだ。
もう、私には時間がない。
だから、許されるのならば、次起きたときは…………。
悔いのないようにしよう。
ーーーーーー
短いですが今日はここまで。
お付き合いいただいてありがたいです。
不快にさせてる方には申し訳ない。
もう少しで終わると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
ーーーーーー
学校に着いて。
私は最初に、ある場所に向かった。
それは部室ではなく、
果南「…………」
果南「…………やっぱり、か」
そこには、案の定なにもなかった。
2年生教室。
正確には2年生教室だった場所。
まぁ、当然か。
昨日は1年生の教室が消えてたわけだし……。
果南「…………」
2年生の時。
確かにあまりいい思い出はなかった。
鞠莉が留学して学院を去り。
ダイヤも生徒会に入って忙しくなっていった。
だから、2年生の時は楽しいよりも辛い思い出はの方が大きかったかも。
まぁ、それでもーー
「あぁぁぁぁ!?」
ーーーーーー
部室に着くまでに、私は色々と考えた。
たぶん部室に着いたら、色々と話をしようとするんだろうな。
さっきのやり取りで何かを察してくれた曜ちゃんはともかく、千歌は確実に聞いてきそう。
話さないとは決めたものの、千歌を納得させるのは大変そうだ。
まぁ。
幸い今はもう8時。
あと2時間で今日が終わるわけだし……。
なんだかんだ考えている間にも、部室に到着。
果南「じゃ、入ろっか」
千歌「うん! 梨子ちゃんもいるかなぁ?」
果南「っ、ど、どうだろう」
またズキッと痛む。
ごめん、千歌。
もう梨子ちゃんは……。
ーー ガチャッ ーー
たぶん詳しいことは分からないと思う。
けれど、なんとなく分かっていたんだ。
私の質問で、一層強くなるこのハグがその証拠。
果南「…………いつから?」
曜「…………果南ちゃんが元気無さそうだった時かな」
曜ちゃんはそう答える。
元気が無さそうだった時……あぁ、キスしてきた時か。
そっか。
あの時点で、なにか変だって分かってたんだね。
曜「……果南ちゃん、キス慣れてなさそうだったから」
果南「……あはは」
あー、それでバレるんだね。
まぁ、確かにキスとかしたこと…………っ
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
突然。
それは来た。
千歌「誰もいないや」
曜「うん」
果南「…………」
部室には誰もいない。
予想通り。
千歌「うーむ。とりあえず、中で待とっか!」
曜「そうだね。梨子ちゃんもそのうち来るだろうし」
千歌の言葉に、曜ちゃんも頷いて、中へ入る。
私も、その後に続いて入った。
ーー パタン ーー
ーー モギュッ ーー
果南「…………え?」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
本日出来れば更新します。
現実多忙のため更新がまちまちですが
とりあえず今から更新します。
ーーーーーー
果南「…………ん」
朝の日差しで目が覚める。
スマホの画面を見ると、アラームはまだ鳴っていない。
早朝、と言ってもいい時間だった。
果南「でもまぁ、好都合かな」
昨日、私が気を失ったのが9時。
うん。
その前に比べて、加速度的に短くなってきてる。
……つまり。
残された時間はあとわずか。
果南「ふぅぅぅ……」
果南「はぁぁぁ……」
果南「…………よし」
私に残された時間がどのくらいなのか、正確には分からない。
けど、決めたんだ。
あの二人が……ううん。
みんなが教えてくれた。
最期の時を。
後悔しないように、って……。
ーーーーーー
ーーーーーー
一昨日は1年生教室。
昨日は2年生教室。
だから、今日は3年生の教室が消えてると思う。
思う、というのは、私がそこには行かなかったから。
そこに行っても無駄な気がした。
時間の無駄。
そう言うと、なんだか随分冷徹な感じを受けるけれど。
まぁ、実際そこまで長い時間を過ごした訳じゃないからね。
期間にしてみれば、1年生の教室の方が多く過ごしてるわけだし。
まぁ。
そんなこと、今はどうでもよくて。
「果南さん」
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
ダイヤ「果南さんの呼び出しですからね。まぁ、相手がどこかの誰かさんなら、来るかどうか分かりませんでしたけど」
果南「ふふっ」
少し悪戯っこのような表情のダイヤに、笑い返す。
確かに、そうかもね。
さて。
なにか大切な用があったのでしょう?
ダイヤは少し引き締まった表情をして、そう訊ねてくる。
私もそれに黙って頷いた。
ダイヤ「果南さん」
ダイヤ「それは、もしかして……」
ダイヤ「いなくなったルビィと関係することですか?」
果南「…………うん」
頷く。
それから、痛む。
ズキリ。
それは、いつもは決して見せない不安そうなその表情のせい。
その表情をさせたのは、私のせい。
……ううん。
止めよう。
私は悪くない。
そう言ってくれたもんね。
ダイヤ「そう、ですか……」
果南「…………うん」
ポツリと呟いて、ダイヤは息を吐いた。
この様子は、なんとなく何かを察していたんだと思う。
たぶん、千歌や曜ちゃんと同じ。
それが何かは分からなくても、漠然と変だと感じていたんだと思う。
だから、
果南「………………」
ダイヤ「………………」
果南「……ねぇ、ダイヤ」
ダイヤ「…………なん、でしょうか」
果南「私、今からたぶん突拍子もをない話をする」
ダイヤ「…………」
果南「でもね、それは全部本当のことなんだ。だからーー」
ダイヤ「はい。聞かせてください」
そう言ったダイヤはとても綺麗で。
何かを決意したような、意志を秘めた瞳。
私はその目をしっかりと見つめて、話を始めた。
ーーーーーー
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
ーー ギュッ ーー
果南「……え?」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ダイヤ「ここは果南さんの夢の中、なのですよね?」
果南「うん」
ダイヤ「……その夢が終わりかけているというのは、目が覚めるということなのでしょう?」
果南「……………………」
ダイヤ「…………そう」
あぁ。
まったく嫌になる。
すべてだって偽った自分が。
そして、いつもは頭硬い癖に、察しがいいこの幼馴染が。
思えば、いつもそうだった。
ダイヤは察しがよすぎる、よね。
私がスクールアイドルを辞めた時だって、すべては聞かなくても私の考えを理解してくれて。
嫌われ役も演じてくれた。
そんな女の子だ。
だから、
ダイヤ「……果南さん」
果南「なに? ダイヤ?」
そこで、ダイヤは私の体をパッと突き放した。
そして、告げる。
ダイヤ「ありがとうございます」
ダイヤ「最期に、わたくし達と会ってくれて。そんな世界を作ってくれて」
果南「っ」
ニコリ。
微笑むダイヤは本当に綺麗で。
言葉に詰まる。
言葉が、出ない。
ありがとう、なんて。
言われる資格は私にはない。
私は悪くない。
千歌たちはそう言ってはくれたけど。
勝手に作り出して、消していってしまってる私なんかに、感謝される資格なんてーー
ダイヤ「……きっと現実のわたくしがここにいたとしても同じことをいっているでしょう」
頬を流れそうになるそれを、ダイヤはそっと拭き取り、続ける。
ダイヤ「ここが夢の中だとしても、果南さんにお別れを言うことができるんですから」
ダイヤ「…………不幸中の幸いですけれど」
ニコリ。
ダイヤは微笑む。
私と変わらない赤い目を隠すように、無理矢理に笑顔を作って。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
ーー チュッ ーー
ダ 「『『 』でし わ』」
ダ 「だ ら、わ て」
そこで意識が途切れた。
もうほとんど消えてしまったのに。
空白になっていくダイヤは微笑んでいた。
必死に強がって、微笑んでいた。
だから、私もそれを見て、笑った。
バイバイ。
ありがとう。
私の親友。
ーーーーーー
今日はここまで。
>>808は私です。
更新できなくて申し訳ありませんでした。
もう少しで完結予定です。
もしかしたら、スレを跨ぐかもしれませんが、そうなってもお付き合いいただけたらと思います。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
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果南「ごめんね」
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果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
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果南「……ダイヤ」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
抱き締められていた。
ハグ、だ。
果南「えっと……ダイヤ……?」
ダイヤ「………………」
私の呼び掛けには答えない。
ただ、彼女は私の体をハグし続ける。
果南「…………」
ダイヤ「………………」
果南「………………」
ダイヤ「………………」
ダイヤに抱き締められたまま、静かに時間は過ぎる。
……そういえば。
こうやって、ダイヤにハグされるなんて中々なかったな。
心のなかでそんなことを考えたりして。
けれど、それは口にはしない。
なんだか、今、口を開いてしまったら、この時間が終わってしまうような気がしたから。
勿論。
そんなのは杞憂で。
ダイヤ「………………果南さん」
沈黙を破ったのは、ダイヤの方から。
なに?
そう問い返す。
部室の入り口。
そちらから名前を呼ぶ声が聞こえた。
果南「来てくれたんだね」
部室の壁掛け時計を見ると、まだ短針が7を指したばかりで。
まだ早い時間。
普段だと学校に生徒なんて数人しかいない時間だった。
ま、今は1人もいないだろうけどね。
「…………なんですか? こんな時間に部室に呼び出しなんて……」
果南「ごめんね」
「いえ、別に構いませんけれど」
いつも……現実の世界と変わらない彼女とのやり取りに少し安心して。
私は、彼女の名前を呼んだ。
果南「……ダイヤ」
ーーーーーー
この世界が私の夢だってこと。
皆も私の夢の登場人物だってこと。
夢が終わり始めたこと。
ダイヤには全てを話した。
勿論、ルビィちゃんたちのことも全部。
我ながら酷い奴だと思う。
妹が消えてしまったことをその姉に話すなんて。
本当ならば。
貴女のせいで、とか。
そんなこと聞きたくなかったのに、とか。
そう責められてもおかしくない。
そのはずなのに、
ダイヤ「…………そうですか」
全てを聞き終わったダイヤは、それだけを口にした。
そうですか、って……。
私のことを責めないの?
そう訊ねても、ダイヤは首を横に振るだけ。
果南「……えっと」
ダイヤ「…………」
果南「………………」
沈黙。
何を言えばいいんだろう?
全てを知ったダイヤに、いったい何を……?
その問いへの答えは出ない。
その前に、私はーー
果南「っ…………ダイヤ!」
果南「わたっ……しは!」
~~ グニャリ ~~
果南「な、っ」
視界が歪んだ。
いつもの眩暈だ。
もう、なのっ!?
まだダイヤには伝えたいことがっ!!
私を抱きかかえるダイヤにどうにか伝えようと、顔を上げる。
けれど、
ダイ 「 なんさん」
果南「っ、ダイヤ……も……」
消え始めた。
遂に、ダイヤまで……。
ダイ 「正直 たくしが 期ではな のは、少 悔 いですわ」
果南「……ダイヤ……?」
ダ 「やは 貴女の一 は さんなのですね」
聞こえない。
聞こえないよ。
ダイヤ……?
なんで、そんなに切なそうな表情してるのさ!
止めて、止めてよ!
最期がそんな表情なんて……!
ダ 「 ぇ、か さん」
この非常時にも変わらない二人のやりとりを見て、つい笑ってしまった。
曜「果南ちゃん、なんでここに?」
果南「ちょっと、用事があってね」
千歌「それより、果南ちゃん!」
果南「ん?」
千歌「教室がなくなってるよ!」
果南「…………うん。そうだね」
千歌の言葉に頷く。
なくなってる。
うん、そう。
私が消してるんだ。
きっともう限界が近いから。
…………もう少しで。
果南「…………」
曜「……果南ちゃん?」
果南「え、あっ……なに?」
曜「…………なにか、あった?」
本当にこういう時、鋭いよね、曜ちゃん。
私や千歌のこと、よく見てる。
…………うん。
やっぱり話すべきなんだろうな。
曜「…………果南ちゃん」
果南「…………」
でも、
果南「なんでもないよ」
言えない。
たぶん、本当のことを言えば、この娘たちは悲しむから。
自分たちが消えることじゃなくて、私が……ことに悲しむ。
そういう娘たちだもん。
言えないよ。
本日更新予定です。
ーーーーーー
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
花丸「調子悪いなら、無理はしない方がいいと思うずら」
果南「あ、いや。大丈夫大丈夫」
って、あれ?
果南「ちょっと寝不足でね。昨日、ダイヤから借りた本を読んでたせいかな」
ルビィ「お姉ちゃんから?」
果南「そ。スクールアイドル関係のね」
ルビィ「!! どの本ですか!?」
果南「えぇと……それは……」
な、なにこれ?
私は喋っているつもりはないのに、口が勝手に動く。
身体が言うことを聞いてない……?
果南「……ダイヤに直接聞くといいよ」
ルビィ「?」
花丸「……あっ」
ダイヤ「……わたくしのことを呼びましたか?」
果南「あ、ダイヤ」
善子「げっ……」
ダイヤ「あ! 善子さん! 善子さんはバーベキュー担当だから曜さんと用意を手伝ってくださいと言っていたでしょう!」
私の意思とは関係なしに話が進んでいく。
なんだろう?
劇かなにかを見てるような感覚。
…………あ、あれ?
でも、このやりとりどこかで…………。
善子「くっ、撤退よ!!」
花丸「あっ、善子ちゃーん!」
ルビィ「ぅゅ……ま、まってよぉ」
ダイヤ「まったく、善子さんは油断も隙もありませんわ!」
果南「そうカッカしないの。せっかくの夏休みなんだからさ」
ダイヤ「まぁ、それはそうですが……」
……夏休み……?
果南「…………それに、2年ぶりでしょ? こうやって遊べるの」
ダイヤ「果南さん……」
果南「すれ違ったままだったから……うん。こうやって、また遊ぶことができて、よかったよ」
ダイヤ「っ、はい」
果南「………………」
ダイヤ「…………」
果南「ダイヤには、ほんとに……苦労かけたよね」
ダイヤ「……いえ」
果南「その……ありがとね」
ダイヤ「……気にしないでください。わたくしは何もしてないです。お二人は結局わたくしが何かしなくても、こうやって分かり合えたのですから」
果南「…………」
ダイヤ「…………」
果南「……………………ありがと、ダイヤ」
ダイヤ「ふふっ、いいえ」
なんてことはない光景。
それから会話。
なのに、なんでだろう。
こんなに…………寒気がするのは……。
ダイヤ「…………さて、そろそろ戻りましょうか」
果南「ん、そうだね。千歌あたりがお腹を空かせてそうだしね」
ダイヤ「ふふっ、その様子が簡単に想像できますわ」
果南「…………あれ?」
ダイヤ「……どうかしました?」
果南「そういえば、鞠莉は?」
~~ーー~~ーー
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「…………んっ」
目が覚める。
……いや、またこっちに来てしまったって方が正しいか。
とにかく、時間はない。
周りを見れば、相変わらず自分の部屋だけれど。
遂に、ここも消え始めてるらしく、所々床とか壁がなくなっている。
果南「…………今日が最後かな」
正確なところは分からないけれど。
なんとなくそんな予感がする。
まぁ。
自分の体のことだから、きっとその感覚だけは正確なんだろう。
果南「…………時間は……時計もなくなっちゃってるんだね」
果南「うーん? 外は明るいから朝、かな」
体感的には、昨日と同じくらいの時間だろう。
毎朝のジョギングを始めるくらいの時間だと思う。
…………ふむ。
果南「……行ってみよう」
どうせこのまま消えるんだ。
日課納めってことで。
消えるその時が練習着っていうのは、女の子としてどうかと思うけれども。
果南「スクールアイドル、らしくはあるか」
布団から勢いよく出ると、私はいつもの練習着に着替える。
うん。
しっくりくる。
そして、私は部屋を出た。
最期の日課をこなすために。
それから、たぶんそこにいるであろう『彼女』と会うために……。
ーーーーーー
ーーーーーー
景色が流れていく。
やっぱり気温がまだ上がってない時間は気持ちがいい。
じっくりとまとわりつくような空気とは違って、爽やかだ。
勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
だから、やっぱりこの時期は好き。
果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
いつもの神社へ向かう階段がすっかり消えてしまっていたから。
跡形もなく。
『空白』だ。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
……ううん、見ないようにしていただけで、この世界のほとんどが既に『空白』になってしまっていた。
道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
声。
それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
ーーーーーー
短いですが今日はここまで。
レス感謝です。
もう少しだけお付き合いをよろしくお願いいたします。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
……ううん、見ないようにしていただけで、この世界のほとんどが既に『空白』になってしまっていた。
道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
声。
それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
ーーーーーー
ーーーーーー
景色が流れていく。
やっぱり気温がまだ上がってない時間は気持ちがいい。
じっくりとまとわりつくような空気とは違って、爽やかだ。
勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
だから、やっぱりこの時期は好き。
果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
いつもの神社へ向かう階段がすっかり消えてしまっていたから。
跡形もなく。
『空白』だ。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
……ううん、見ないようにしていただけで、この世界のほとんどが既に『空白』になってしまっていた。
道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
声。
それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
ーーーーーー
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景色が流れていく。
やっぱり気温がまだ上がってない時間は気持ちがいい。
じっくりとまとわりつくような空気とは違って、爽やかだ。
勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
だから、やっぱりこの時期は好き。
果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
いつもの神社へ向かう階段がすっかり消えてしまっていたから。
跡形もなく。
『空白』だ。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
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って、え?
嘘?
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善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
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海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
……ううん、見ないようにしていただけで、この世界のほとんどが既に『空白』になってしまっていた。
道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
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そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
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その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
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ーーーーーー
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身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
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ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
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それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
ーーーーーー
ーーーーーー
景色が流れていく。
やっぱり気温がまだ上がってない時間は気持ちがいい。
じっくりとまとわりつくような空気とは違って、爽やかだ。
勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
だから、やっぱりこの時期は好き。
果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
いつもの神社へ向かう階段がすっかり消えてしまっていたから。
跡形もなく。
『空白』だ。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
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道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
声。
それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
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景色が流れていく。
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勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
だから、やっぱりこの時期は好き。
果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
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跡形もなく。
『空白』だ。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
……ううん、見ないようにしていただけで、この世界のほとんどが既に『空白』になってしまっていた。
道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
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それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
ーーーーーー
ーーーーーー
景色が流れていく。
やっぱり気温がまだ上がってない時間は気持ちがいい。
じっくりとまとわりつくような空気とは違って、爽やかだ。
勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
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果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
いつもの神社へ向かう階段がすっかり消えてしまっていたから。
跡形もなく。
『空白』だ。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
果南「まぁ、当たり前だよね」
嘆息する。
そう。
それは当然のことだった。
走っていたから見えてなかった。
……ううん、見ないようにしていただけで、この世界のほとんどが既に『空白』になってしまっていた。
道も。
建物も。
空も。
勿論、人もいない。
果南「…………ここまでかな」
ここまで、だ。
ここがちょうど終点だ。
だって、
「…………かなん」
声。
それは、まだ消えていなかった浜辺から。
そちらを向く。
そこには、『彼女』の姿があった。
鞠莉「久しぶり、かなん」
果南「うん」
早朝の海を背に。
鞠莉は微笑んで、私の名前を呼んだ。
その場所は奇しくも……いや。
たぶん決まっていたことなんだろう。
それは、夏休みにAqoursのメンバーで遊んだ浜辺で。
そこは、私がーー
ーー鞠莉に『キス』をした場所だった。
ーーーーーー
ーーーーーー
景色が流れていく。
やっぱり気温がまだ上がってない時間は気持ちがいい。
じっくりとまとわりつくような空気とは違って、爽やかだ。
勿論、冬は冬で楽しいんだけど。
北日本ほどではないにしろ早朝の寒さは流石に堪える。
だから、やっぱりこの時期は好き。
果南「……ふっ、ほっ……」
腕を振って。
足を前に進める。
果南「……ふっ…………はっ」
淡島ホテルや千歌の家。
マリンパークも越えて。
いつものコースだ。
ここが夢の中だってことを忘れそうになるほど順調だ。
ここ何日かサボってしまったにもかかわらず、いいペースだった。
なんなら、このまま走り続けて1日を終えるのも悪くない。
そう思っていた。
けれど、そんなことは叶うわけもない。
叶ってほしくもないけれど。
とにかく、私の最期の日課は突然に終わりを告げる。
何故ならば。
いつもの神社へ向かう階段がすっかり消えてしまっていたから。
跡形もなく。
『空白』だ。
~~ーー~~ーー~~
身体に力が入らない。
フワフワと浮いてるような感じだ。
見渡しても辺りは真っ暗。
夜の暗さじゃない。
闇って言った方がしっくりくる。
そんな暗さ。
あれ?
ここは……?
私、確か、夢の世界にいたはずじゃなかったっけ?
……うん。
そのはずだ。
皆と会って消えていって。
……そうだ。
ダイヤも……。
「果南ちゃん!!」
果南「っ!?」
不意にした声。
反射的にそちらを向くと、
ルビィ「かなんちゃん……?」
花丸「……大丈夫ずら?」
果南「……え?」
そこには、ルビィちゃんとマルがいた。
って、え?
嘘?
消えたはずじゃ……?
善子「…………体調でも悪い?」
それだけじゃない。
善子ちゃんもいる。
ここから離れたところには、千歌たちもいる。
それに、辺りの景色もはいつの間にか変わっていて。
海沿いの浜辺。
朝の日課で通る近くの見慣れた景色がそこにはあった。
更新します。
ーーーーーー
ーーーーーー
ダイヤ「…………さて、そろそろ戻りましょうか」
果南「ん、そうだね。千歌あたりがお腹を空かせてそうだしね」
ダイヤ「ふふっ、その様子が簡単に想像できますわ」
果南「…………あれ?」
ダイヤ「……どうかしました?」
果南「そういえば、鞠莉は?」
周りを見渡す。
近くに鞠莉の姿はなかった。
ダイヤ「おかしいですわね……さっきまであの辺りにいましたが……」
首をかしげるダイヤ。
指差す方には誰もいない。
果南「っ、ダイヤ!」
ダイヤ「は、はい?」
果南「皆を呼んできて!」
ダイヤ「果南さん!?」
ダイヤにそれだけを告げ、私はダイヤの指差した方へと急ぐ。
嫌な予感。
夏の暑さじゃない。
じんわりと変な汗をかいていた。
梨子「鞠莉さーーーん!!」
曜「おーい! 鞠莉ちゃーーーーん!」
千歌「鞠莉さーーん!!」
皆と一緒に鞠莉を呼ぶ。
返事はない。
善子「これだけ呼んでも、返事がないってことはいないんじゃない?」
花丸「うーん? どこかに買い出しとかずら?」
ルビィ「そうなのかなぁ……?」
果南「…………」
3人の言う通り、なのかもしれない。
……うん。
そうだよ。
あの鞠莉のことだ。
どうせ、どこかで油をうってるに違いないよ。
…………うん。
果南「…………」
ダイヤ「果南さーー」
「ーーーー」
果南「…………え?」
ダイヤ「果南さん? どうかされました?」
果南「今、声が……」
ダイヤ「声?」
声がした。
名前を呼ばれた気がした。
けれど、辺りを見渡しても誰もいない。
曜「…………聞こえないよ?」
千歌「気のせいじゃない?」
かもしれないけど……ううん。
そんなわけはない。
あの声は確かに……。
もう一度。
二度、三度見渡す。
果南「……………………え?」
ちょっと、待ってよ……。
な、んで?
あんなところに……?
疑問。
そのせいで一瞬遅れてしまった。
果南「っ!!!」
千歌「果南ちゃん!?」
善子「どこ行くのよ!?」
私は、駆け出す。
みんなの声も聞かずに。
足元が覚束無い。
それは足場のせいか、それとも言い様のない不安からか。
分からない。
けど、今はどうでもいい。
今はただーー
果南「鞠莉ッッ!!!」
私は、彼女の名前を呼んだ。
鞠莉は確かにいた。
それは、予想外の場所。
海の中。
そう。
鞠莉は溺れてた。
果南「鞠莉!!」
バシャバシャと。
水音を激しく立てながら、彼女の元へ急ぐ。
けれど、進まない。
いつもより体が重い。
思ったように動かない。
それでも、必死に水をかく。
果南「鞠莉っ!!」
私の呼びかけに応える声はない。
さっきまで見えていたのに、もう水面には鞠莉の影は見当たらなかった。
果南「っ、すぅ!!」
大きく息を吸い込んで、潜る。
見渡す。
昼間でも水中は暗い。
装備が整ったダイビングとは違う。
それでも、
どこ?
どこだ!?
どこっ!!!
必死に目を凝らす。
果南「っ!!!」
いた!!
果南「…………はっ!!」
一度、海面に顔を出してから、再び潜る。
今度はその姿をすぐに見つけた。
果南「っ……」
鞠莉「…………」
しっかりと掴み、抱きかかえる。
意識はない。
たぶん、水を飲みすぎたんだと思う。
まずは、このまま浜辺に戻って、人工呼吸だ。
そう思って、私はまた海面から顔を出した。
果南「っ、ぷはっ!!」
果南「鞠莉! すぐにーーーー」
そこで見たのは、
果南「なっ」
最悪の光景だった。
浜辺が遠い。
すぐに理解した。
私たちは思ったよりも流されていた。
潮の流れが早かったんだ……。
果南「くっ……鞠莉!!」
鞠莉「………………」
返事はない。
顔は真っ青なまま。
どうする!?
いくら私でも、このまま完全に体から力が抜けている鞠莉をつれて戻るのは……っ!
ろくな装備もないまま飛び込んだのは失敗だった。
人1人抱えて着衣泳で遠泳できるほど、甘くはない。
それに、私の体力も……。
せめて……。
せめて、鞠莉が意識を取り戻してくれたら……!
鞠莉「…………」
果南「……っ、まり……」
体が重い。
心臓が破裂しそうなほど激しい。
顔面蒼白の鞠莉を見ていると、最悪な考えが頭をよぎる。
嫌だ。
嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
絶対嫌だ。
頭にあるのはそれだけ。
嫌だって思いだけ。
大好きはずの海。
それが今はとても憎らしい。
果南「…………だめ」
たぶん、このままじゃ間に合わない。
潮の流れも速いせいで、どんどん体力も持っていかれてる。
このまま普通に泳いだら、浜辺に着いた頃には……。
果南「…………や」
果南「そんなのっーー」
絶対に嫌だよっ!!
だからーー
ーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「私は鞠莉に『キス』をした」
鞠莉「…………」
『キス』
というか人工呼吸だけれど。
果南「…………それで、鞠莉が息を吹き返すのを見て安心したんだろうね」
果南「いきなり体の力が抜けて、私はそのまま沈んでった」
そう。
それが全容だ。
この夢の世界で時々見ていた、夢。
それは、現実での記憶だった。
夏の海で溺れた鞠莉を助けようとして。
『キス』をして鞠莉を目覚めさせて。
結局、私はーー。
鞠莉「…………」
果南「…………」
沈黙。
何を言っていいか分からない。
目の前の彼女に、一体何を言えばいいんだろう。
鞠莉「…………」
鞠莉はなにも話さない。
……いや。
話せない、のかな。
この世界の人物は、私の記憶でできてるから。
たぶん、私の中で、鞠莉がこんなときにどんなことを言うのか見当もつかなかったから。
鞠莉「………………」
だから、こちらを見つめる鞠莉に、私は1人語りかける。
果南「……ごめんね、鞠莉」
果南「……ファーストキス、だったよね?」
鞠莉「………………」
果南「…………ごめん」
仕方がなかったこととは言え、奪ってしまった。
だから、私は謝る。
たぶん、ずれたことを言っているっていうのは自覚してる。
でも、私にとってはすごく重要なことで……。
だって、それがーー
果南「……なんとなくだけど、この世界で『キス』が当たり前なのはさ」
果南「そのせいなんだよ」
そのせい。
それが夢の理由。
私が鞠莉に『キス』をしたせい。
罪悪感があった。
鞠莉の初めてをこんな形で奪ってしまった。
それをどうにか有耶無耶にしたかったんだろう。
だから。
『キス』が特別じゃない世界を作り上げた。
それがこの夢の真実。
うん。
そうだった。
今なら全部分かる。
思い出せる。
だって、あの時もそう思っていたんだから。
果南「……ははは……我ながら情けない」
それでいて、本人……鞠莉とは、この夢の中では『キス』をしてないんだから。
『キス』が当たり前の世界で、鞠莉とは唯一『キス』をしなかった。
罪悪感、のせいだったんだろう。
…………うん。
それ以上はきっとない。
鞠莉「………………」
果南「…………ごめん」
口を突いて、出るのは謝罪の言葉。
ただの自己満足だってことは分かってる。
けれど、
鞠莉「……謝らないで、かなん」
果南「…………え?」
今まで見れなかった鞠莉の顔。
どんな表情か知るのが怖かったから。
その顔を私は見た。
その声に、促されるように。
彼女はーー
鞠莉「…………謝らないでよ、かなん」
ーー笑顔だった。
……あ、れ?
果南「……おこって、ないの?」
鞠莉「……変なこと、聞くのね?」
助けてもらったのよ?
感謝こそすれ、怒るわけないじゃない。
そう言って、彼女は微笑んだ。
果南「…………そっか」
鞠莉「そ!」
果南「………………」
鞠莉「そ・れ・に! girls同士だからノーカンでしょ♪」
果南「…………うん」
思っていたよりもずっと呆気なく。
鞠莉は許してくれた。
『キス』のこと。
それから、
鞠莉「……わたしを助けてくれたのよね?」
鞠莉「ありがと、かなん♪」
鞠莉「だから、もう頑張らなくていいのよ」
鞠莉を助けて、いなくなろうとしていることも。
許してくれた。
果南「…………うん」
ストン、と。
なにかがはまる音がした。
途端に、
ーーーーーー
世界が消え始める。
さっきまでとは全然違う。
建物も。
空も。
道も。
海も。
すべてが急激に消えていく。
まるで、役目を終えたかのように。
……………………。
…………あぁ、そっか。
その通りだ。
きっとこの夢の世界は役目を終えた。
私の未練が。
鞠莉に許されたかったっていう未練が消えたから。
だから、終わるんだ。
果南「…………」
鞠莉「………………」
果南「……ねぇ、鞠莉」
鞠莉「なに? かなん」
果南「…………最期に、『キス』してもいいかな?」
鞠莉「うん」
世界が消えていく。
『空白』に埋め尽くされる。
空の青も。
暑い夏の匂いも。
海の音も。
すべてが消えていく中で、私はーー
ーー ピリリリリリーー
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
極端に人の少ない校舎や私の知らないことが聞こえないのは、夢だから。
世界が消えていくのは、それが終わろうとしてるから。
『キス』が当たり前の世界なのは、私の罪悪感がそうしたから。
全部説明はついた。
けれど、これは。
この真っ赤なスマホのことは、まだ何も分からないままだった。
果南「……っ」
画面をタッチする。
画面は着信がきていることを示している。
果南「……っ、こ、これ……!」
でも、誰から?
夢の世界に、電話?
世界が消えかけてるから、なにかバグでも発生してるとか?
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
ーーーーーー
「『バカ!!』」
ーーーーーー
果南「……………………へ?」
電話口から聞こえてきたその声は、確かにそう言った。
バカって。
「『ふざけないでっ!』」
「『ワタシを助けてヒーローになったつもり!?』」
「『そんなの迷惑よッ!!』」
果南「…………これ、この声……」
その声は、罵倒を続ける。
それは私がよく知った声。
「『助けるだけ助けて、それでおしまいとか、無責任にもほどがあるわ!!』」
「『バカ! 大バカ!!』」
果南「…………」
鞠莉「………………」
私は理解した。
電話から聞こえてくるのは、今、目の前にいる彼女と同じはずの声だ。
……あぁ、そうだ。
……そうだった。
目の前の彼女は、私が作り出した鞠莉で。
だから、私を許してくれるのは当然のことだった。
だって、私がそれを望んでいるから。
けど、
「『こっちは腹たってるの!』」
「『また昔みたいに勝手なことして』」
「『こっちの都合なんてオカマイナシ』」
「『そういうとこ、ほんっっっと腹立つ!!』」
「『ゼッタイ、許さないんだからっ!』」
彼女は許してくれないらしい。
……そっか。
ごめん、ごめん……。
そう呟いても、電話の向こうの彼女には聞こえてない。
この思いは伝えられない。
「『しかも、ワタシの初めても奪って……っ』」
「『全部……ゼンブ……』」
果南「…………」
鞠莉「…………かなん」
…………やっぱりダメか。
許してもらえないんだね。
未練、消せたはずだったのにな。
果南「…………っ」
未練が生まれて。
でも、もうこの世界の消滅は止められない。
だから、せめて。
もう、伝えられないけど。
私は最期に、告げる。
ごめんなさいって気持ちと。
今までありがとうって気持ちを精一杯込めて。
果南「…………鞠莉」
果南「さよなーー
鞠莉「戻ってきてよ、かなん……」
鞠莉「…………っ、かなぁん……」
果南「い、いまっ……」
電話の声と目の前の彼女の声。
それが重なった。
見れば、目の前の鞠莉も泣いてる。
果南「……ま、り?」
鞠莉「……っ、イヤよ……」
鞠莉「さよならなんてイヤ!!」
すがりつく。
鞠莉「……いかないで……っ」
果南「……っ」
彼女は、私が作り出した存在だから。
ここから私がいなくなったら消えてしまう。
私が消した皆みたいに。
それは、きっとすごく怖いはずだ。
果南「…………私、は……」
何かを言おうとして、言葉が出ない。
その間も、目の前の彼女の言葉は、気持ちは溢れていく。
鞠莉「いっちゃイヤ……っ」
鞠莉「ひとりは、イヤなのっ」
鞠莉「……わかってる!! かなんがしたいこと!」
鞠莉「でも……でも……っ」
果南「…………まり」
何も言えない。
私には、何も……。
鞠莉「……一緒にいきましょ……」
果南「…………」
彼女の言葉に、首を横に振ることは出来なかった。
私は、彼女の手を取る。
そして、
鞠莉「大好き」
ーー チュッ ーー
果南「………………え?」
彼女は『キス』をした。
私の額に。
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
ーーーーーー
ーーーーーー
果南「………………ん」
目が覚めた。
目の前に広がるのは、見慣れない真っ白な天井。
私は……?
そう言おうとして、声が出ないことに気付く。
えっと……?
何故かうまく動かない首をどうにか動かして、回りを確認すーーーー。
「かなぁぁぁぁぁぁんんんっ!」
へ!?
うわっ!?
なな、なに!?
ただでさえ何があったのか分からない頭を混乱させるような一撃。
まさに一撃だった。
飛びかかるように、抱きついてきた人物。
それは、
鞠莉「かなぁぁぁぁぁぁんっ!!!」
大泣きをする鞠莉だった。
って、ちょっ!?
痛い!
なんか痛いってばっ!!
ーーーーーー
ーーーーーー
その後。
散々、私に抱きついて大泣きしていた鞠莉が落ち着いたのは、一時間も後のこと。
……まぁ。
落ち着いた鞠莉がAqoursのメンバーを呼んだから、また余計に大騒ぎになったんだけどね。
結局、落ち着いたのは私が目覚めてから、三時間後だった。
ダイヤから受けた説明によると。
私はどうやら1週間ほど眠っていたらしい。
その原因は、溺れた鞠莉を助けて、ってやつらしく。
それで、みんなから怒られた。
特に、1年生3人からはこっぴとく。
まぁ、全員泣きながらだったから、何を言ってるかはまったく分からなかったんだけどね。
そして、皆が帰ったあと。
果南「………………」
鞠莉「………………」
病室には、私と鞠莉だけがいた。
どちらも何も喋らない。
ただ、
ーー ギュッ ーー
果南「………………」
鞠莉「………………」
何かを確かめるみたいに、手を握り合う。
いつもだったら。
こうやって、鞠莉とボディータッチしてるなんて、恥ずかしくて堪らないはずなのに……。
鞠莉「…………」
果南「…………」
今は違った。
なんとなく、こうしてないといけないような気がする。
………………。
ううん。
こうしてたい。
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
ーーーーーー
果南「ーーんっ」
ーー チュッ ーー
ーーーーーー
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
鞠莉「!?!?」
鞠莉「ん~~っ///」
許さない。
その言葉を聞いた途端に、私の身体は動いていた。
動いて、鞠莉と『キス』をしていた。
1。
2。
3。
4。
5。
5秒間。
『キス』をした。
果南「っ……ふぅ」
鞠莉「はっ……っ、なっ///」
すぐ目の前には、真っ赤な顔の鞠莉。
……うん。
可愛い。
鞠莉「な、なんでっ!?」
果南「……え? あっ……」
そこで、我に返る。
わ、私はなにを……っ///
鞠莉「な、な、なっ///」
果南「……え、えっと……鞠莉……?」
鞠莉「ギルティ~~ッ///」
ーー バチンッ ーー
ーーーーーー
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
ーーーーーー
この夏の大事件を経て。
私はどうやら大きく変わってしまったみたい。
『キス』
何が起こったのかはさっぱり分からないけれど。
それを当たり前のようにしてしまうという体質になってしまった。
……まぁ。
勿論、特定の人限定なんだけどね。
百合の楽園になりそうだって?
いやいや。
楽園どころか修羅場に発展するんだよ。
ま、それは冬のお話。
詳細は追々語るとして。
兎にも角にも。
この『 』は私の中に確かに根付いてしまったみたい。
…………ん?
って、あれ?
そういえば、『 』ってなんだっけ?
……うーん。
それは多分だけど。
誰かさんが私にかけた傍迷惑なものに違いない。
ーーーーーー fin ーーーーーー
以上で
『果南「異世界に飛ばされた。百合の楽園だった」』完結になります。
レスをくださった方
読んでくださった方
稚拙な文章・表現にお付き合いいただき、ありがとうございました。
以下、過去作です。
よろしければどうぞ。
ダイヤ「姉妹」ルビィ「水いらず」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1479632600
にこ「にことにこにー」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1424791780
近々書きます。
またお付き合いいただけると嬉しいです。
では、また。
>>1-16
>>22-36
>>48-59
>>64-74
>>144-157
>>234-238
>>345-350
>>354-366
>>497-530
>>648-667
>>747-763
>>809-823
>>871-879
>>906-937
>>939
>>942-943
一応見にくくなってしまったところもあったので参考までに。
整理してくださっていた方ありがとうございました。
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
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鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
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そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
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え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
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果南「っ、これ……っ!?」
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入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
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~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
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鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
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それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
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鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
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鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
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そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
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果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
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果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
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これで、最期だ。
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鞠莉「か、かなん?」
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それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
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それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
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それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
少し顔を突きだしたら触れてしまう距離。
そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
私はーー
ーー トンッ ーー
鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
~~ グニャリ ~~
果南「っ」
眩暈。
それは今までのものとは少し違う。
微睡みに近い感覚。
だから、彼女の口づけの意味はすぐに理解できた。
これは、決別だ。
鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
彼女の言葉は聞こえない。
最後に、見えたのは、彼女の涙。
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ーーーーーー
果南「…………ロックは……」
かかってる。
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パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
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果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
そうだよ。
もう、私は…………。
……………………。
果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
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鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
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その音は突然鳴り響いた。
無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
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鞠莉「?」
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鞠莉だった。
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果南「…………」
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鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」
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果南「っ」
眩暈。
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鞠莉「…………ねぇ、かなん」
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鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
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鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
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鞠莉「……かなん……?」
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ポケットの中。
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無機質な冷たい音。
果南「……っ」
鞠莉「……かなん……?」
目と鼻の先。
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そこで止まる。
鞠莉「……どうしたの?」
果南「…………鞠莉」
鞠莉「?」
果南「…………聞こえなかった、の?」
鞠莉「???」
キョトンとする鞠莉。
え?
あんなに響いたのに?
…………っ!!
果南「っ、ごめん! 鞠莉!」
鞠莉「え? What's!?」
鞠莉から一歩離れる。
そして、ポケットをまさぐった。
果南「っ、これ……っ!?」
ポケットの中。
入れた記憶もないのに、それは確かにあった。
果南「……真っ赤な……スマホ」
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果南「っ」
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鞠莉「…………ねぇ、かなん」
果南「……っ」
鞠莉「ワタシね、さよならなんて……したくない」
鞠莉「けど、果南が死んじゃうのはもっとイヤ」
鞠莉「……だから、果南は生きて」
鞠莉「でも、ワタシのこと忘れてほしくない」
鞠莉「だから、これは『 』よ♪」
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それから、悪戯っぽいその笑顔だった。
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果南「…………ロックは……」
かかってる。
これを解除しないと、着信には出れない。
起きる度に、ロックは解除しようとしてみたから。
パッと思いつくような数字は試してる。
だから、
鞠莉「かなん……」
その声で、そちらに意識が戻る。
果南「…………鞠莉」
鞠莉「ね、かなん……『キス』しましょ……」
そ、そうだ。
うん。
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もう、私は…………。
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果南「……うん。ごめん、鞠莉」
鞠莉「…………うん。きて、かなん♪」
目を閉じる。
これで、最期だ。
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鞠莉「か、かなん?」
果南「…………」
ーーその数字を、鞠莉と出会った日を表すその数字をスマホに打ち込んだ。
それから、どのくらいが経っただろう。
先に口を開いたのは、
鞠莉「ねぇ、果南」
鞠莉だった。
なに?
静かに問い返す。
鞠莉「…………」
果南「…………」
また沈黙。
けれど、今度はすぐに言葉が返ってくる。
鞠莉「……ゆるさない」
鞠莉「だからーー」ま
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