里奈「ななな!」菜々「なんですと!?」 (27)


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柑奈「さななみかんな!」七海「にょろにょろ~」
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……事務所……


菜々「おっはようございまーす!」キャハッ♡

奈緒「……」

菜々「ちょっと聞いてくださいよー! 今日電車であった小さな女の子に「あっ、ウサミン星人だ! テレビで見るよりかわいい!」って言ってもらっちゃいましてね? 年甲斐もなく大喜びしちゃいました!」

紗南「…………」

菜々「おかげで今日は頭も冴えて体もよく動くんですよ! いやー、褒められると節々の痛みも消えて頑張れちゃうからアイドルって不思議ですよねー!」

麗奈「…………」

菜々「久々に歩道をスキップしちゃうくらい! スキップ、ターン、リセット! なんちゃって!」

紗南「…………」

菜々「……あ、あのー……みなさんどうしたんです? そんな深刻そうな顔をして……」

七海「菜々さん、今はそれどころじゃないのれすよ」

菜々「へ?」

夏美「始まってしまうらしいわ」

菜々「な、何が?」

柑奈「部署の統廃合……部署再編が……!!」ジャカジャーン

菜々「…………うえぇ!?」


菜々「聞いてないんですけど!?」

渚「アタシたちもさっき聞かされたばっかりだよ」

紗南「唐突すぎるよねー」ピコピコ

菜々「そ、それで!? どこがどうなるんです!?」

奈緒「それがな……詳しいことは何もわかってないんだ」

菜々「え?」

麗奈「比奈と里奈がここに来る途中、廊下でちひろがアイドル部署のお偉いさんと話してるのを聞いたみたいなのよ。部署再編をするって情報だけをね」

比奈「さながらスパイアクションのように」

里奈「盗み聞き☆」

七海「隠れる必要があったのかは疑問視したいところれすけどね」

菜々「最近七海ちゃんの言葉が刺々しくありません?」


菜々「それで、どんなことを喋ってたんですか?」

比奈「それがですね……」

里奈「回想イン! ミュージックスタート☆」

柑奈「いえっさー♪」ジャッジャッジャーン

菜々「それ要ります?」


……数時間前、プロダクション内廊下……


比奈「それが凄い臭かったんスよ」

里奈「かなりきつそ~☆」

???「……で…………はい…………」

比奈「……ん? あれちひろさんっスね」

里奈「あや、ほんとぽよ」

???「……して…………ああ……」

比奈「……お相手は……確か最近昇進したアイドル部署のお偉いさんっスね。部長だか副部長だか」

里奈「何やら不穏なお話系?」

比奈「ちょっと聞き耳立ててみましょうか」コソコソ

里奈「お忍び? おもしろそー☆」コソコソ


ちひろ「では……の部署は……」

部長「ああ…………1つになって…………」

ちひろ「…………できる限りのこと…………困ったもので…………なんだと思って…………」

部長「………………程度…………考えてない…………最後だ………………反故にしたら…………」

ちひろ「…………部署がなくなって…………最後だと思うと……肩の荷が…………」

部長「…………部署再編…………よく動いてくれた…………アイドル全員………………大変だったろう」

ちひろ「…………良い思い出…………部署分けが適当……………………2人………………正気か疑い…………」

部長「それ………………悪かったと………………私の責任…………」

ちひろ「……沢山……抱え…………苦労し…………」

部長「まったく…………し過ぎた………………来週の会議で…………頼んだよ」

ちひろ「はい……」


比奈「んん?」

里奈「何か重大系のお話ー?」

比奈「1つになる……?」

里奈「最後とか無くなるとか聞こえたっぽい?」

比奈「肩の荷がどうこうとも言ってましたね……それで、部署再編……?」

里奈「……なーんか、部署再編でうちの部署無くなりそうな気配?」

比奈「あはは、ようやく落ち着いてきたのに何を……何を馬鹿な……」ダラダラ

里奈「比奈っち、汗ヤバめ」

比奈「里奈ちゃんも目が笑ってないっスよ?」

里奈「……だって、笑えないっしょ……?」

比奈「と、とにかく……部署に戻って情報整理しましょうか」


……現在……


比奈「とまあ、こんな会話を」

里奈「聞いちゃったぽよー……」ドヨーン

柑奈「ああ、ようやく元気になってきたと思ったのに……」

渚「里奈ちゃんはムードメーカーだし、明るく振舞ってくれようとしてたんだよね」

里奈「うう……渚っちー!!」ガバッ

渚「はいはい、よしよし」ナデナデ

菜々「そんなことがあったんですね……これを聞かされたのはナナが最後ですか?」

奈緒「ああ。まあ最後と言ってもそんなに時間差はないけどな。アタシだって10分前くらいに聞いたばかりだし」

麗奈「そうね……アタシ以外は時間差はなかったでしょうね……アタシ! 以外は!!」

紗南「わかったわかった」ピコピコ

麗奈「雑な扱いするんじゃないわよ!!」

七海(落ち込んだ里奈さんを励まし続けたのは、1番最初にこの話を聞かされた麗奈ちゃんだったそうれす)ヒソヒソ

菜々(ははぁ、なるほどなるほど)ヒソヒソ


紗南「でも実際のところはわかんないよねー。断片的な話をパズルみたいにしただけだしー」ピコピコ

夏美「そうねぇ……ところで紗南ちゃん」

紗南「んー?」ピコピコ

夏美「電源くらい入れたら?」

紗南「」ピタッ

菜々「えっ」

紗南「…………こんな時にゲームなんてやってらんないよ……でもゲーム触ってなきゃ落ち着けないよ!!」ウガー!

麗奈「あら、そのリアクション美玲みたいね。こんどあそこの部署お邪魔してきたら?」

紗南「あたしはここから離れないもん!!」

夏樹「……とまあ、結構殺伐としてんだよ」

菜々「なるほど……それにしては夏樹ちゃんは冷静ですね?」

夏樹「……さっき柑奈と一緒に散々ギター掻き鳴らしたからな。少しは落ち着いてるよ」

柑奈「弦が足りなくなるかと思いましたよ」ジャラーン

菜々「そんなに!?」


奈緒「まあ時間も経ってしばらくみんな落ち着いたところらしくてさ」

比奈「どうしたもんかと考えていたところなんスよ」

菜々「なるほど……」

麗奈「頭を冷やすために筋トレ始めたり、ギター弾き始めたり、魚食べ始めたりするのはやめてほしかったけど」

夏美「筋トレすると落ち着くのよ?」

麗奈「知らないわよ……」

夏樹「ギター鳴らすと熱くなるんだぜ?」

麗奈「逆効果じゃないの!」

七海「DHAを摂取すると視力改善に」

麗奈「もう頭の熱関係ないじゃない!!」

菜々「麗奈ちゃんはもう本調子に戻ってるみたいですね!」

麗奈「今のツッコミを判断材料に使われるの甚だ不本意なんだけど」


菜々「あ、そうだ! 件のちひろさんはどこにいるんですか? 直接聞いちゃえば……」

七海「確かに、ちひろさんに直接聞くのが手っ取り早いことは間違いないんれすけど……」

渚「別の部署に資料取りに行ってて返ってこないんだよね」

里奈「すぐ戻ってくると思ってたんだけどー」

夏樹「……待つしかないってのは歯痒いもんだ」

柑奈「…………」ポロンポロン

ななな「「「…………」」」

ガチャッ

ななな「「「ッ!!」」」ガタッ!

春菜「うわっ!? びっくりした……」

比奈「……あれ、春菜ちゃん?」

春菜「ええ、この眼鏡を見ればおわかりでしょう! ご存知、上条春菜ですよ! お邪魔しますね!」キラーン

紗南「まず顔見ればわかるよ」


春菜「それにしても……皆さん怖い顔してどうしたんですか?」

夏美「いやぁ、色々あったのよ」

七海「鮭のお刺身が冷凍だったりして……」

麗奈「1番関係ないことを口にしないでくれる?」

春菜「はぁ……何やらお忙しかったようで……」

比奈「それで、春菜ちゃんはどうしてここに?」

春菜「あれ、まだ聞いてませんか? 私、今度からここのお世話になるんですけど」

ななな「「「!?」」」


里奈「ほ、ほんとだったぽよぽよぽよ」ガタガタ

柑奈「お、おおお落ち着きましょう皆さん! い、いいいい今から安心できるメロディーを奏でますから!」デrrrrrrrrrrrrrrrr

奈緒「そんな早弾きされたら逆に焦燥感煽られるわ!!」

菜々「1回ギター置きましょう!!」

紗南「今の震えなら高橋名人超えられそう……あれ、ゲーム始まらないなおかしいな」ガタガタ

麗奈「手が震えて電源ボタンすら押せてないじゃない」

夏樹(阿鼻叫喚だなこりゃ)

渚「ねえ春菜ちゃんそれホント!? 嘘じゃないの!?」

春菜「え、ええ……正式には来週からみたいですけど、とりあえず挨拶だけでもと」

ひなりな「「来週!?」」


比奈「お偉いさん来週正式にって言ってたっスよね……」

里奈「あの話は嘘じゃなかったぽよね……」

七海「……ほんとなのれすね」

ななな「「「……」」」

夏美「……おほん! さあみんな! そんなしょげた顔するのはもうやめましょ!」

奈緒「夏美さん……」

夏美「ちひろさんが帰ってきたら交渉するわよ。折角この部署が馴染んできたんだもの、みすみす解体なんてさせられないわ」

麗奈「そんな簡単に行くとは思えないけどね」

紗南「じゃあ、麗奈は黙って見てるだけ?」

麗奈「……文句の1つや2つ、言ってやるに決まってるじゃない」

紗南「だよね! それでこそ麗奈!」ムギュー

麗奈「ちょ、ええい! くっつくんじゃないわよ!」


菜々「よーし! ナナも頑張っちゃいますよー!」

渚「アタシも最後まで諦めないよ! まだブザーは鳴ってないからね!」

七海「この部署がなくなるとゲストが足りなくなっちゃうので」

柑奈「存続させないといけませんね♪」ポロローン

奈緒「よっしゃー! 徹底抗戦だー!」



ななな「「「おー!!」」」



春菜「……あ、あのー……」

里奈「むむ? どうしたぽよ?」

春菜「別にこの部署が解体されるわけじゃありませんよ?」


菜々「……」
比奈「……」
里奈「……」
奈緒「……」
紗南「……」
麗奈「……」
夏美「……」
柑奈「……」
七海「……」
夏樹「……」
渚「……」


ななな「「「え!?」」」


夏樹「ちょっと待て! じゃあなんで春菜はここに来てるんだよ!」

春菜「ですから、来週からここの部署に……」

奈緒「部署再編でだろ!? それならここだってどうなるか…………あっ」

夏美「そう言えば……最初から「ここでお世話になる」とは言っても「部署再編で」とは一言も行ってなかったわね」

春菜「はい! 前の部署のプロデューサーがそこそこの役職に昇進することになって……とてもじゃないんですけどアイドルの面倒が見れる余裕がなくなってしまったそうでして。そこで急ではありますけど、それぞれの部署に何人かずつ新しく配属させてもらうことになったんですよ!」

比奈「……昇進……?」

里奈「どっかで聞いた話系……」


ガチャッ

ちひろ「ただいま戻りましたー」

紗南「あっ、ちひろさん!」

麗奈「ちょっとちひろ! こっち来なさい!」グイッ

ちひろ「おっと!? ……な、なんです?」

春菜「どうもちひろさん!」キラーン

ちひろ「あら春菜ちゃん。もう来たんですね」

春菜「挨拶は早い方がいいと思いまして! オフですけどきちゃいました!」

ちひろ「ふふっ、大歓迎ですよ♪」

渚「あのー、ちひろさん? できれば説明をしてほしいんだけど……」

七海「来週部署再編があるとかどうとか、比奈さんと里奈さんが密告してきたんれすよ」

ちひろ「来週……? ああ、この部署の人数が増えるって話ですね! 別に部署再編とは違いますけど」

夏樹「…………おいお前ら」

比奈「いけない! 原稿の締切が!」ダッ

里奈「今日は乃々っちと机の下で少女漫画読み比べの日だったぽよ!」ダッ

渚「逃がすかっ!」ガシッ


柑奈「ということは……2人の早とちり?」

七海「なんてお騒がせなお姉さんたちなんれしょうね~」

比奈「だって! 部署再編って聞こえたんでスもん!」

里奈「そうぽよそうぽよ!」

夏美「ちひろさん、実際のところは廊下で何を話してたのかしら?」

ちひろ「えーとですね」


ちひろ『では、こちらの部署は……』

部長『ああ。悪いが受け皿の1つになってもらうことになった。勝手に決めてしまって悪かったな』

ちひろ『これくらい構いませんよ。折角の昇進ですし、できる限りのことはしてあげたいですしね。それにしても社長には困ったものです……部署の担当者をなんだと思ってるんですかね……』

部長『小学校の級長程度にしか考えてないんだろうな。もっとも、こんな異動もこれで最後だ。今後部署再編を勝手にしないという約束を反故にしたら、私を含めたプロデューサー総動員でボイコットしてやるとも』

ちひろ『ようやくまとまってきた部署がなくなってしまうと悲しいですからね。この異動が長い部署再編の最後だと思うと、ようやく肩の荷が降りたような気がします』

部長『君は部署再編の当初からよく動いてくれたよ。アイドル全員がごった返していた時なんか大変だったろう』

ちひろ『今では良い思い出ですよ♪ 社長の部署分けが適当すぎて新人アイドル2人だけのところに配属された時は正気か疑いましたけどね』

部長『それに関しては手伝えずに悪かったと思っているよ。もっとも、当時の部署再編は私の責任ではないから何ができたかわからんがね』

ちひろ『ふふっ、でも今後は沢山の責任を抱えることになりますね。肩書きが立派になると苦労しますよ?』

部長『まったくだ……おっと、立ち話をし過ぎたかな。また詳しいことは来週の会議で正式に、な。うちの子らを頼んだよ』

ちひろ『はい、お任せ下さい♪』


ちひろ「こんな感じでしたね」

渚「……まあ聞き間違えてもしょうがないかなって感じだけど……」

七海「少なくともちひろさんの表情は深刻そうじゃなかったはずれすよね~」

柑奈「夏美さん、判決は?」

夏美「今から私とブーブーエスの心臓破りの坂巡りの刑~♪」

比奈「ちょ、横暴っス!!」

里奈「あ、アタシ~今日は運動の用意してないから~」

夏美「大丈夫よ、この部署の全員分の予備があるから! さあ行きましょ!」ガシッ

ひなりな「「いやぁああああああああああ!!」」ズルズル

菜々「……全員分の予備……?」

奈緒「……夏美さんには歯向かっちゃいけないな、うん……」


春菜「相変わらず賑やかな部署ですねー」

紗南「今度から春菜さんもここのお仲間……なんだよね? ここはいつもこんな感じだけど平気?」

春菜「はい! 自慢じゃありませんが、前の部署もそこそこに騒がしかったので!」

麗奈「ほんとに自慢にならないわね……」

七海「ところでちひろさん、ここの部署には春菜さんだけが配属されるんれすか~? 確か春菜さんがいた部署には10人近いアイドルがいたような気がするのれすけど~」

ちひろ「おっと、そこも話しておかないとダメでしたね。私たちの部署には春菜ちゃんを含めて4人のアイドルが配属される予定ですよ!」

渚「おおっ、一気に大所帯だ!」

ちひろ「来週から正式に部署仲間ですので、皆さん仲良くしてあげてくださいね♪」

柑奈「勿論ですよ! 新しい仲間を盛大に歓迎する……それはなんとラブ&ピースなことでしょう!!」ポロローンポロローン

麗奈「久々にラブ&ピースのまともな使い方を聞いた気がするわね」


夏樹「それじゃあ来週はパーッとやるか。柑奈、新しいお仲間のために1曲披露してやろうぜ」

柑奈「ええ、喜んで♪」

菜々「じゃあナナはお料理作りますね!」

七海「お魚料理はお任せなのれす!」

奈緒「あ、それアタシも手伝うよ!」

渚「じゃあ飾り付けはアタシたちでやろうか!」ガシッ

麗奈「ちょっ、いきなり肩を組むんじゃ……」

麗奈(いや……飾り付け担当ならドッキリを仕掛けるタイミングはいくらでもある……)

麗奈「しょうがないわね、やってやろうじゃない!」

紗南「……麗奈を見張っておいた方がいいかな」


ちひろ「急な部署移動でしたけど……大丈夫そうですか?」

春菜「はい! 前の部署も楽しかったですけど、プロデューサーさんに負担はかけられませんからね……あっ、もうプロデューサーさんじゃなくて部長さんですけど」

ちひろ「ふふっ、1度あの人を部長さんって呼んであげたら面白い反応すると思いますよ?」

春菜「うーん……あの人なら間違いなく拗ねますね」

ちひろ「ええ、間違いありません」

春菜「……ところで、比奈ちゃんと里奈ちゃんは本当に走らされるんですか?」

ちひろ「ええ、この部署の名物ですよ」

春菜「ひええ……おっかない……」


……ブーブーエス前……


ひなりな「「」」チーン

夏美「ほーらまだ半分よー!」

比奈「げっほ、うえっほ……!!」ゼェゼェ

里奈「あ、明日筋肉痛……間違いないこれ……明日筋肉痛で立てない系……」ハァハァ

夏美「若いんだから頑張りなさい!」

比奈「若さの問題じゃなっ……ぅえっほげっほ!!」

里奈「買い置きの湿布あったっけ……」


以上です。今回のお話でななな部署は15人になりました。
前々からいつどうやって残り4人を参加させようか迷っていましたが、このたび183人のアイドル全員を23の部署にわけることができましたので、この機会に一気に参加させることにしました。
ななな部署を除いた168人のアイドルと22の部署、いつか紹介できたらいいなとは思ってますけど……どうなることやら。

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