DIO「『ザ・ワールド』ッ! 時計よ、止まれッ!」
ピタッ
DIO「フハハハハッ! 止まったぞッ!」
エンヤ婆「さすがですじゃ! DIO様こそ世界を支配するお方ですじゃ~~~~~!」
DIO「……って」
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DIO「なんなのだ、この踏み潰されたカエルからはみ出したクソのような能力はッ!」
DIO「こんな能力で一体なにをどうしろというのだァッ!」
エンヤ婆「お……落ち着いて下され、DIO様」
エンヤ婆「ブタもおだてりゃクソの山に登るといいますし、きっと使い道があるはずですじゃ!」
DIO「暗に『カス能力つかまされましたね、お可哀想に』といってるではないか!」
エンヤ婆「ヒイッ! つい本音が出てしまいましたですじゃ!」
DIO「クソッ、なぜこのDIOがこんな目に……!」
夜の散歩中――
DIO(あのレストランでメシを食ってから、館に戻りたいが……)
DIO(まもなく『閉店時間』だッ! まずいッ!)
DIO(しかし……あそこの店主は閉店前に入れば、注文を受けつけてくれるタイプ!)
DIO「『ザ・ワールド』ッ! 時計よ、止まれッ!」
ガチャ…
DIO「こんばんは」
店主「すみません、お客さん……もう閉店でして……」
DIO「ンン~~~? そいつはどうかな?」
店主「へ?」
DIO「時計をよく確認してみるがいい……」
店主「ハッ! まだ閉店時間になっていないッ! 『閉店5分前』だッ!」
店主「失礼しました! カウンターのお席にどうぞ~」
DIO「うむ、長居するつもりはないから安心しろ」
試験中――
DIO(ひょんなことから資格試験を受けてみたが……)
DIO(この配点の高そうな問題を解くのに、時間が足りんッ!)
DIO(時間をかければ解くことができるだろうに、試験時間はもう残りわずか……)
DIO(まさかこのDIOがッ!)
DIO(試験終了チャイム直前まで問題を解いている受験生のような必死こいた気分を味わうとはッ!)
DIO(ハッ、そうだ!)
DIO「『ザ・ワールド』ッ! 時計よ、止まれッ!」
ザワザワ… ガヤガヤ…
受験生A「会場全体の時計が止まってて、試験時間が10分も延びちゃったらしいな」
受験生B「でも今さらやり直しなんかできないだろうし、ラッキィ~」
受験生C「会場の時計だけでなく、おれたちの時計も止まってたもんなァ~……」
DIO(ククク……このDIOに感謝するがいい)
待ち合わせ――
プッチ「DIO……遅いぞ。10分の遅刻だ」
DIO「わたしが遅刻……? よく時計を見てごらんよ……」
プッチ「こ、これはッ! 今がちょうど『待ち合わせ時刻』だったというわけか!」
プッチ「すまなかったDIO……君を遅刻者扱いしてしまった」
DIO「いや、いいんだよ……気にしないでくれ。わたしと君との仲じゃあないか……」
DIO(時計を止めておけば……遅刻は遅刻にはならないッ!)
読書中――
DIO「――ん」
DIO「おおっ! デジタル時計が『11:11』を表示しているッ!」
DIO「このDIOは、実はこういうゾロ目が揃うシーンが結構好きなのだッ!」
DIO「『ザ・ワールド』ッ! 時計よ、止まれッ!」
ピタッ
DIO「フフフ……これでいつまでも『11:11』を眺めていられる……」
買い物中――
DIO「この時計、もう少し安くならないのか?」
店員「なりませんねェ~、この値段でイヤならよそへ行って下さいよォ~」
DIO「『ザ・ワールド』ッ! 時計よ、止まれッ!」
ピタッ
DIO「おい、この時計、針が止まっているぞ。欠陥品じゃあないのか?」
店員「あれェェェ!? こんなハズが……ッ!」
DIO「なにがこんなハズだ。現に止まっているではないか」
店員「ヒィィーッ!」
DIO「ところで、値段……」
店員「はいっ、お客様の言い値で売らせていただきますゥ!」
DIO「フッフッフ……ン~フフフフフ……」
エンヤ婆「DIO様、近頃妙に『ハイ』になっておられますが、どうしたんですじゃ?」
DIO「エンヤ婆よ」
DIO「時計を止める能力……結構役に立つッ!」
< 完 >
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