・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・明確にアニメ世界線と定めているわけではない為、一部その他のコンテンツの要素が入り混じることがあります
----事務所----
ガチャ
杏「おはよーございまーす」
かな子「……静かだね」
智絵里「……誰もいないの、かな?」
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みりあ「いるよーっ!」ヒョコ
智絵里「ひゃっ!?」ビク
杏「ぅお、びっくりした」
かな子「みりあちゃん、どうして机の下なんかにいたの?」
みりあ「あっ、いけない! 私、かくれんぼしてる途中なんだっ」モゾモゾ
みりあ「ねぇねぇみんな。オニさんが探しに来ても、私がここにいるって、教えないでね!」
智絵里「う、うん……わかった」
かな子「……あらら。また机の下に戻っちゃった」
杏「子供は元気だねー」
かな子「じゃあ、私たちはこっちのテーブルでお茶しようか?」
智絵里「ですねっ」
杏「……うー、お茶もいいけど、お菓子……どうか私にお菓子を恵んでおくれ……」
かな子「あ、杏ちゃん? お菓子なら、持って来てるけど……今日はどうしてそんなに必死なの?」
杏「……食欲無くてさぁ。朝から飴とウィダー的なゼリーしか口にしてないんだ……」
智絵里「ええっ!? だ、ダメだよ杏ちゃん! 体調崩しちゃうよ!?」
かな子「それは、お腹も減るよ……待ってて、今準備するから」
杏「……助かるよ、かな子ちゃん」
杏「あー、なんか今になってお腹空いてきたんだよね」
智絵里「本当は、お菓子よりもちゃんとしたご飯を食べたほうがいいと思うけど……」
杏「それとこれとは別だよー、智絵里ちゃん」
杏「ほら、よく言うでしょ? 『パンがあってもケーキを食べれば美味しいじゃない』って」
智絵里「うん……あれ? そんな言葉でしたっけ?」
杏「細かいことは気に……」パタリ
智絵里「……あ、杏ちゃん?」
杏「……もう、しゃべる、ちからも、でない」
智絵里「そんなぁ、せめて言いかけたことは最後まで言い切ってから倒れようよ……!」
かな子「もう、すっかりバッテリー切れじゃない」
智絵里「あっ、かな子ちゃん。杏ちゃんが……」
かな子「ほら起きて、杏ちゃん。学校の近くの洋菓子屋さんで買ってきたフィナンシェだよ」
杏「うー」モグモグ
杏「……おいしい」
智絵里「わたし、フィナンシェのひとくち目を食べるときの、ちょっぴりさくっとした食感が好きです」モグモグ
かな子「わかる~! それでいて中はしっとりしてて、バターの風味が口の中に広がるの、たまらないよね!」モグモグ
杏「んむ、ちょっとHP回復したよ。ありがと、かな子ちゃん」
かな子「うふふ。よかった、元気になってくれて」
智絵里「次からはちゃんと、朝ご飯食べてきてね?」
杏「うーん……智絵里ちゃんが作りに来てくれるなら、いいよ?」
智絵里「えぇっ!? わ、わたしが……?」
杏「智絵里ちゃんの作る味噌汁を毎朝飲みたい」
かな子「わぁ、プロポーズみたい」
智絵里「えぇと……でも、うちは普段、朝はパン派だから……」
杏「……問題はそこなんだ」
杏「かな子ちゃん家は、やっぱり朝からケーキとかバウムクーヘンとかが出てくるの?」
かな子「そ、そんなこと、たまにしか無いよぉ」
智絵里「たまにあるんだ……」
かな子「うん……前の日に作り過ぎて、余っちゃった時とか……」
杏「三村家に嫁ぐと、摂取カロリーがえらいことになりそう……」
かな子「う……やっぱり、そうだよね……? カロリー、もっと気にしなくちゃ駄目かなぁ……」ズーン
杏「あ、いや……、あくまで、いつもの杏が比較対象だから。ね?」
智絵里「……あれ……? つまり今までの話を合わせると……」
智絵里「かな子ちゃんの奥さんが杏ちゃんで、杏ちゃんの奥さんが、わ、わたし……?」
杏「ややこしいな」
かな子「あはは……」
智絵里「えへ……ごめんなさい、自分で言って、ちょっと照れちゃいました」
杏「……」
智絵里「……杏ちゃん? 急に黙っちゃって、どうしたの……?」
杏「……いやぁ、その」クイクイ
智絵里・かな子「?」
みりあ「……」ジー
杏「(……めっちゃ見てる)」ヒソ
かな子「(本当だ……)」ヒソ
智絵里「(……もしかしたら、みりあちゃんもお菓子、食べたいのかも)」ヒソヒソ
かな子「……こほん。みりあちゃん? 良かったらこっちで、一緒に食べる?」
みりあ「いいの!?」パァァ
かな子「もちろん!」
みりあ「あっ。でも私、かくれんぼの途中だから、ここに隠れてないといけないし……こんなところでしゃがんでお菓子食べるのは、お行儀悪いよね?」
智絵里「えっと、少しぐらいなら、出てきても大丈夫じゃないかな?」
杏「いざとなったら、このうさぎクッションの陰に隠れればいいよ。これならでっかいから、みりあちゃんぐらいならすっぽり隠れられるし」
みりあ「ほんと? ……じゃあ、ちょっとだけ! おじゃましまーす!」トコトコ
智絵里「ふふっ。いらっしゃい」
かな子「はい、どうぞ。召し上がれ」
みりあ「わーい! いっただっきまーす♪」アム
みりあ「んーーっ! おいしーい!」
杏「これまた、おいしそうに食べるねぇ」
智絵里「かな子ちゃんといい勝負ですねっ」
かな子「あ、あはは……そうかな?」
智絵里「それにしても、かくれんぼかぁ……懐かしいなぁ」
かな子「小さかった頃を思い出すね」
杏「杏、かくれんぼでは最強だったよ」
みりあ「そうなんだ! 杏ちゃんすごーい!」
杏「小さいから、人よりも隠れられる場所が多いしねー」
智絵里「なるほど……」
杏「まあ、たいてい隠れてる間に寝ちゃって、知らない間にかくれんぼが終わってたりしたんだけど」
かな子「あはは……さすが、杏ちゃん……」
みりあ「えーっ、じゃあさ、今度はみんなでやろうよ、かくれんぼ!」
かな子「みんなでって、わ、私たちも?」
智絵里「……少し、楽しそうかも。このプロダクション、広いから隠れ場所も多そうだし」
杏「寝ててもいいなら、杏はいくらでも付き合うよー」
みりあ「本当!? やったぁ♪」ピョンピョン
杏「ああほら、騒いでると鬼が探しに来ちゃうよ」
みりあ「あっ! そうだった……そろそろ机の下に戻らないとっ」
タッタッタッ
智絵里「(わわっ、外から足音が……!)」
かな子「(みりあちゃん、早く!)」
みりあ「(う、うん!)」モゾモゾ
みりあ「(ぜーったい、ナイショだからね!)」シー
杏「(わかってるよ)」シー
ガチャ
未央「おっつかれー!」
智絵里「あっ、未央ちゃん」
かな子「お疲れさまっ」
未央「ありゃ、キャンディアイランドの三人だけか……」
未央「おぉ! なになに、美味しそうなの食べてるじゃん! 私も貰っていい?」
かな子「あ、うん! どうぞどうぞ」
未央「どうもどうも」モグ
智絵里「未央ちゃん、何か用事ですか?」
未央「いやー、ちょっとばかし、人探しをねー」キョロキョロ
杏「……ふーん」
かな子「そうなんだぁ……」
智絵里「……」ドキドキ
未央「ごちそうさま! いやー、相変わらずみむっちのお菓子選びのセンスは抜群ですなぁ」
かな子「そ、そんなことないよぉ」
未央「さて、と」トコトコ
智絵里「み、未央ちゃん?」
未央「うーん……隠れるとしたら、このあたりかな?」ヒョイ
みりあ「!」
かな子「あっ」
未央「はい、みりありゃんみーつけたっ」
みりあ「あーん、見つかっちゃったぁ! ざんねーん」
智絵里「……よ、よく分かったね……」
未央「んー? いやぁ、ちえりん達のおかげだよ」
智絵里「わたしたち……ですか?」
未央「普段なら、三人はお菓子食べてる間楽しそうにいろいろお喋りしてるじゃん? なのに今日は妙に口数が少なかったからさ。かと言って、ケンカしてるようにも見えなかったし」
未央「ははーん、これは何か隠してるな、ってね」
杏「なるほど……隠そうとしたのが裏目に出たか」
かな子「ごめんね、みりあちゃん」
みりあ「んーん! 仕方ないよ、未央ちゃんがすごかったんだもん!」
未央「はっはっはー! 未央ちゃんの観察眼を、舐めてもらっちゃぁ困るよ?」
智絵里「さすがです……」
みりあ「ねぇねぇ、見つかったの、私が最初? だったら、他のみんなも探しに行こうよー」
未央「そうだね。じゃあ、みりあちゃんにも探すの手伝ってもらっちゃおうかなっ」
みりあ「うんっ!」
杏「鬼が増えていくシステムか……結構難易度高いな」
未央「てなわけで、ちょっくら行ってくるねー」
みりあ「ばいばーい! また今度、遊ぼうねー!」
ガチャ
かな子「ばいばーい」
智絵里「……行っちゃいましたね」
かな子「あんなにすぐに見抜くなんて……凄いね、未央ちゃん」
杏「まぁ、未央ちゃんもこういう遊びは得意そうだもんね」
智絵里「わたし、てっきり莉嘉ちゃんとか、年少組の子が探しに来るんだと思ってました」
かな子「確かに。高校生組も混ざってるのかな?」
杏「となると、隠れ場所が机の下ってのは、ちょっと安直過ぎたかな」
かな子「そうかもね……」
智絵里「うーん、そうですね……。例えば、あそこのロッカーの中、ぐらいじゃないと……」
カチャ
杏「……ん? 今あのロッカー、なんか中から音が……」
バタン
卯月「……ふぅ、なんとか未央ちゃんに見付からずに済みました……っ」
三人「いたのっ!?」
おわり
ゲスト回(?)でした。
前作
キャンディアイランドの案の定毒にも薬にもならないおしゃべり
も、よろしければどうぞ。
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