モバマスSSになるよ
大槻唯(17)
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前歯がかわいい
[夕方 事務所]
唯「へ?どったの急に」
美嘉「べっつにー。ただなーんか、最近距離感がアヤシイなーと思って」
唯「えー?まー、そりゃもう、ゆいとPちゃんは仲良しだけど☆」
美嘉「いや、それはわかるけどさ?そうじゃなくて」
唯「?」
美嘉「ふっと視線が絡んだときのやりとりとか、なんかさー」
美嘉「こう、傍から見てると……妙に柔らかいって言うか、優しいっていうか?」
美嘉「ははーん、これはこの二人なんかあったなー?って感じなワケよ」
唯「あー……マジ?そんな感じ?」
美嘉「そんな感じ。それに唯、最近はいつも事務所に居座ってんじゃん?」
唯「いつも、って程かなー。そんなことないと思うけどなー」
美嘉「うっそだー。前はお仕事終わったさっさと遊びいこーぜ!みたいなノリだったっしょ」
美嘉「それが近頃ぱったりないし、現場から直帰しないで事務所戻ってるし」
美嘉「おかげでアタシはぼっちで電車乗ること増えたし?」
唯「あはは、めんごめんご☆」
美嘉「いつも『ゆいちょっと用事ある!』じゃん。用事って何よ?」
唯「んー……ナイショ☆」
美嘉「どーせPさん絡みっしょ?」
唯「えー……あー……」
唯「バレたかーっ☆」
美嘉「いや、そういうのいいから。で、いつも何してんの?」
唯「んっとねー、事務所のソファーで雑誌開いて転がって」
唯「Pちゃんがお仕事終わったらご飯連れてってもらう感じ?」
美嘉「ダウト」
唯「ホントだし!ダウトなし☆」
美嘉「大人しくいい子に待ってるタチじゃないっしょ」
美嘉「絶対ゴリゴリに絡みに行ってる」
唯「……」
唯「たはーっ!バレたかーっ☆」
美嘉「はいはい。で、実際は何してんの?」
唯「まーそこはさ、ほら、甘やかしてもらってるだけだって」
美嘉「ふーん。甘やかしてもらうって?何すんの?」
唯「おー?今日はなんかがっつくね美嘉ちゃんよー」
美嘉「だーって最近さ、唯めっちゃご機嫌じゃん?」
美嘉「アタシとつるまなくなってそんなに楽しいかー?こんにゃろ」
唯「あははっ、ごめんて☆」
美嘉「相当美味しい思いさせてもらってんでしょ!」
美嘉「どーせまたイチャイチャしてんだろ★ どーこまでやっちゃってんのよ、吐きな★」
唯「やー……ちょっとこーゆーの話すのはなー。いくら美嘉ちゃんでもなー」
美嘉「え」
唯「?」
美嘉「えっ、何、話せないようなことしてんの?」
唯「んー、話せないというかー、ナイショというかー」
美嘉「え?えっ、え、何それ、マジ?」
美嘉「あっ、ご飯いいとこ連れてってもらってるとか?」
唯「それはあんまないなー。行くときは大体その辺のフツーごはん。ファミレスとか」
美嘉「じゃあ、え、なにしてんの」
唯「えー。それ以外とかその先とか、聞かれると……ちょーっとなー」
美嘉「……は?」
美嘉「ちょ、ちょちょちょ、どゆこと?」
美嘉「待って待って、え、その先?」
唯「やー、だって、だってねー?」
美嘉「ちょっと待って、何、え!?何してんの!?」
唯「それはさ、んー、話せない系のあれこれ?」
美嘉「はぁ!?え、なにそれ!?」
唯「んー、まぁなんてゆーか?」
唯「ゆいの甘々な魅力と?アピってたのが実っちゃってさ?」
美嘉「え、ちょ、聞かせて聞かせて、何、どこまでやってんの!?」
唯「んー……いい感じのとこまで☆」
美嘉「そうじゃなくて!いつから?どうやって?あ、何か食べる?アメいる?」
唯「おーっと、ちょいちょい、怖いって怖いって。美嘉ちゃんマジでウケる☆」
唯「それにほら、こゆのはファミレスで話すのもアレだしさー」
美嘉「じゃあうち来る?来るよね?来るっしょ??」
唯「えっ、ちょ、マジで怖いって……引く……」
美嘉「こ、こちとら必死なんだってば!教えて、ちょっと、マジで教えて!」
・・・
・・
・
[夜 城ヶ崎家]
唯「ぶー。家で読みたい雑誌あったのにー」
美嘉「まあまあそう言うなって、とっておきのブランケット貸したげるから★」
唯「わーい……おー、もっふもふだ~♪」
美嘉「でしょー。あ、プリン食べる?」
唯「それはいーや、遅いし」
美嘉「それじゃ足揉もっか?それとも肩?アタシ上手いらしいよ☆」
唯「……え、なんかきしょ……」
美嘉「言うなし!」
唯「あはっ、マジで必死すぎっしょ」
美嘉「うっさいなー。必死でいいから、で、どこまでやってんの?」
唯「えー。こゆのあんま話したくないんだよねー」
美嘉「大丈夫、絶対言いふらしたりしないから。任せとけって★」
唯「じゃあなんで知りたいのさ?」
美嘉「え?あー、それは、その、さ?」
唯「教えてくんなきゃ話さなーい」
美嘉「……それは、ほら」
美嘉「アタシも、うちのアイツと、その、それで参考、というか」
美嘉「アタシも結構アピってるつもりだけど……結局は全然だし」
美嘉「その点、唯はそゆの上手いし、聞きやすいし」
唯「あ、そーゆーアレ?」
美嘉「……うん」
唯「なーんだ!最初っからそう言えよー☆」
美嘉「うっさいなー……アタシだって言いづらいんだから」
唯「あはは、ま、そだけどさ。そっかそっか、うん、美嘉ちゃんもそれかー」
唯「それならアレだね、埼玉ギャルズとして団結しなきゃね☆」
美嘉「で、何、どこまでやったの、いつ?どうやって?」
唯「えーっとねー、んー、まあゆいとPちゃんは結構ずっと仲良しだったしなー」
美嘉「でも何かあるような仲じゃなかったっしょ?」
唯「そうなんだよねー。PちゃんもPちゃんで、なんつーかなー」
唯「あー、ちなったんは『愛犬みたいな扱い』って言ってたな」
美嘉「ぷっ」
唯「あー!笑うなし!」
美嘉「ご、ごめん、え、なにそれウケるんだけど、愛犬?」
唯「そー……めっちゃ可愛がってくれるし甘やかしてくれるけど」
唯「抱き付いたりしてアピっても『おー、よしよし』みたいな?」
美嘉「あー、なんかわかるなーそれ」
美嘉「立場あれこれ以上に、女として見てくれないよね」
唯「そう!そーなんだよなー」
美嘉「仕事以外では結局子供扱いされんの」
唯「それなー。好きーっ!って言ってもなんか軽く流されちゃってさ」
唯「はいはい可愛いかよ~って感じのこと言われて終わっちゃうの」
美嘉「アタシもそんな感じ……で、唯はどうやったの?」
美嘉「やっぱアレ?色気出してって女の武器で勝負?」
美嘉「ガッと押し倒したり……はないかー、流石に。あはは」
唯「や、最終的にはソレだったけど」
美嘉「……」
美嘉「…………」
美嘉「………………」
美嘉「………………え?」
唯「あ、正確には引き倒した、かも?ゆいが下でPちゃんが上で」
美嘉「え!?えっ、ちょっと待って、ちょ、ちょ」
美嘉「つまりそれって、アレ?」
美嘉「……キスしちゃった☆ とかいうオチじゃないよね?」
唯「キス、うん、まあ、それもしたけど」
美嘉「あ、うん、そうだよね、そりゃ、うん」
美嘉「その……やることやっちゃった感じ?」
唯「……うん。まあ、やっちった」
美嘉「一線超えた」
唯「……超えた」
唯「って、あーもーなんだこれ!照れるなー☆」
美嘉「…………」
美嘉「……え、まじ」
美嘉「え、そこまで?ちょ、ちょちょ」
美嘉「こ、これアタシ以外の誰かに話した?」
唯「や、それは流石にないし」
美嘉「わかった、うん、アタシも絶対口外しないから」
唯「おう☆」
美嘉「だから安心して全部話して。全部。詳しく」
唯「お、おう?」
美嘉「よし。で、どうやったの?いつ?毎日事務所戻って何してたの?」
唯「え、えーっと、あーっと、や、美嘉ちゃんこえーよ」
美嘉「うん、じゃあ一個ずつね」
唯「えー、あー……や、なんか恥ずいなー……」
美嘉「うん、うん、プリン食べる?話そ?」
唯「や、プリンはいいし……てか、やっぱ話すのキツいってこれ」
美嘉「お願い!アタシもなんか進展あったら報告するから!」
唯「いやー……えー……」
美嘉「お願いっ!この通り!」
唯「マジ、もー……」
唯「しょーがないなー……」
美嘉「っしゃ★ さっすが唯★」
美嘉「で、で?どうやってそこまでいったの?」
美嘉「やっぱ、なんか急接近しちゃうハプニングがあったとか?」
唯「んー、急接近っ!って感じじゃなかったんだよね」
美嘉「じゃあ何、自然な流れで、って感じ?」
唯「てよりも、もうちょっとジワジワ仕掛けていった系?」
美嘉「え?全然唯のキャラじゃないじゃん」
唯「そーなんだけどさ?でもオトすには手段は選んでらんないし」
美嘉「……あ、うん、確かに。オトす。うん、なるほど」
美嘉「で、ジワジワって?何したのさ」
唯「一日一回、感謝のハグ☆」
美嘉「……抱きついてたの?」
唯「ま、そゆこと」
美嘉「怒られるっしょ」
唯「んー、ちゃんとキッカケあったからねー」
唯「なんか街でフリーハグ?やってる人見かけてさ」
唯「ゆいが何あれ意味わかんないって言ってたら、Pちゃんが説明してくれて」
唯「打算のないスキンシップがなんとか?って。で、そいじゃゆいたちもハグすっかー、みたいな?」
美嘉「相変わらずノリだけで生きてんなー……」
唯「最初はPちゃんも渋々でさー。ちょこちょこ怒られたなー」
美嘉「そりゃそうでしょ」
唯「『まーたハグしにきたのか』みたいな感じでさ」
美嘉「え、でもそれが上手くいったんでしょ?」
唯「うん。えっへへー」
美嘉「どうやったの?」
唯「んー、ちゃんとPちゃんの言うことは守って」
唯「ハグは一日一回、一回三秒まで!」
美嘉「なんだそれ」
唯「でも毎日してるとそれが当たり前というか、習慣になってくわけじゃん?」
美嘉「毎日……あー、それで毎日事務所に戻ってたワケ?」
唯「そゆこと!」
唯「で、慣れてきたらハグ以外にもオマケつけられるようになってきて」
美嘉「オマケ?」
唯「ハグしてる間にいろいろ話すようになったり、逆にPちゃんからハグしてくれるようになったり」
唯「そすると、ゆいが絡んでるだけじゃなくて、お互いほっこりしてくんじゃん?」
美嘉「おー……」
唯「ハグしてるときも、なんか雰囲気とか甘々な感じになってきてさ」
唯「気がついたらもう三秒ルールもなくなってたし?」
美嘉「おおー……ジワジワ系じゃん」
唯「でしょ!」
唯「そっからはハードルめっちゃ超えやすくなったなー」
美嘉「ハードルって?どんな?」
唯「長めにハグしたりー、あとは手つないだり」
美嘉「うん、うん」
唯「最後の方はゆいが横になってるとこにハグしてもらって、ちょっとエロい空気なったり」
美嘉「え、なにそれ。どゆこと?」
唯「なんかPちゃんが全然仕事終わんない日あってさ?」
美嘉「うん。うん」
唯「ゆいはソファで待ってたんだけどね」
唯「Pちゃんが仕事終わって、そういうときは待たないで帰れよーみたいなこと言うわけじゃん」
美嘉「うん」
唯「『でも今日のハグまだしてなーい』って返したら、そんなに大切なことじゃないだろ的なこと言われちゃってさ」
唯「でもゆい的には大切なことだし、Pちゃんが疲れてるときこそハグしてあげたいーって言ったら」
唯「Pちゃんったらもう真っ赤になってんの!ちょーかわいくてさー」
美嘉「いや、アンタ健気すぎっしょ……そりゃ落ちるわ」
唯「そっかな?へっへー、照れんなー☆」
美嘉「それ、本音?」
唯「へ?」
美嘉「疲れてるときこそハグしてあげたい、って」
唯「本音に決まってんじゃん☆ ゆい、Pちゃんのこと大好きだし☆」
美嘉「……アンタもいい子だなー」
美嘉「で、で?エロい空気になったって、どうなったの?」
唯「……」
美嘉「……いや、何その目」
美嘉「気になるんだって!いいじゃん!」
唯「美嘉ちゃんってば、むっつりさんだな☆」
美嘉「……ああもう、むっつりさんでもいいから!」
美嘉「で、何、何したのさ」
唯「んとね、それでPちゃんにありがとうとかごめんな的なこと言われて」
唯「ソファで横になったまま『お詫びにハグちょーだーい』ってやったら」
唯「Pちゃんがこう、上から被さる感じでハグしてくれて」
美嘉(上から)
美嘉(……被さる)
美嘉(…………)
美嘉「け、結構がっつり?」
唯「全力!ぎゅーっと☆」
美嘉(え、何それ、ヤバ……)
唯「それで『これ押し倒されてるみたーい!』って言ったら、Pちゃんめっちゃ照れちゃって」
唯「実際さ、普通にハグしてるよりもなんか意識しちゃうというか」
唯「温度とか感触とか匂いとか、超気になっちゃうし」
唯「やー……アレはヤバいくらいドキドキした☆ 心臓飛び出ちゃうかと思ったもん」
美嘉「…………」
唯「……あれ?どったの?」
美嘉「なんか……想像するだけで、うん、ヤバい」
唯「……たはは」
美嘉「てか唯もホントよくそこまで攻めんねー。アタシだったら途中でヤケになっちゃうな」
唯「そこもちょっと慣れがあったかなー」
唯「ほら、ゆいも最初は無理無理!って感じだったし」
美嘉「そうなの?」
唯「うん。ハグするだけでいっぱいいっぱい」
唯「でもなんか、徐々にもうちょっといけんじゃん?的な?」
美嘉「はー……アタシもそんくらい体張らないとかなー」
唯「そーそー☆ てか、体張ったら美嘉ちゃんのがポイント高いっしょ」
美嘉「唯のがスタイルいいじゃん」
唯「そーかもだけどさ?ゆいは普段から結構グイグイからかってたし」
唯「その辺、普段は変なことしない子がグッと攻める方が効くと思うよ?」
美嘉「うーん……結構攻めるとこは攻めてるつもりなんだけどなー」
唯「もっとあからさまに『今攻めてんだぞー、わかってるかー』みたいな空気出してみるとか」
美嘉「難しいこと言うなー」
唯「ま、その辺はさ、なんか『今じゃね?』って感じのタイミングあるって、そのうち」
唯「ゆいも最初はここまで上手くいくとは思ってなかったし、なんだかんだジワジワだったし?」
美嘉「でも最終的にはその『今じゃね?』ってタイミングで押し倒したんでしょ?」
唯「…………うん、まあ」
美嘉「そこ聞かせて、詳しく、なるべく詳しく」
唯「う……さすがに恥ずい……」
美嘉「いつ?」
唯「……先々週」
美嘉「割と最近じゃん……え、どこで?」
唯「や、えと……それがさ、ホントはちゃんとしたとこ行きたかったんだけど」
唯「もうさ、完全にそういう空気だったし、どっか別のとこでって感じじゃなくて」
美嘉「……え?え、つまりちゃんとしてないとこでしたの!?何それ、外とか!?」
唯「は?外って、え、マジでありえないし」
美嘉「…………あ、うん。そ、そだね、じゃアレ?車の中とか?」
唯「車って、それもほぼ外じゃん……」
美嘉「あ……た、確かにそうだけど」
美嘉「……え、事務所?」
唯「……」
美嘉「……え!?マジで事務所でしたの!?」
唯「……うん、その、流れで、的な?」
美嘉「……ソファ?」
唯「……うん」
美嘉「マジ!?ちょ、もう絶対あそこ座れないじゃん!!」
唯「ちゃ、ちゃんと掃除したし!」
唯「てかそんな汚してないし!志乃さんがゲロ吐いたときより全然マシだし」
美嘉「いや、掃除すんの当たり前っしょ!」
美嘉「ま、それはいーや……で、そういう空気になっちゃった、って?」
唯「う゛ー……なんかさ、こう、ちょっとイチャイチャしてて」
美嘉「そこ端折んなって!ほら、詳しく、詳しく!」
唯「……ソファでPちゃんの隣座って、仕事終わるの待ってたんだけどさ」
唯「ゆい、寝落ちしちゃって、こう、Pちゃんの肩にぐだーって」
美嘉「肩枕」
唯「そそ。それで起きたら、Pちゃんが毛布かけてくれててね」
唯「お仕事終わってたのにゆい起こさないで、逆にゆいに寄りかかってまったりしちゃってて」
唯「なんかさ、わーって、ヤバいめっちゃ幸せーって感じになっちゃってさ?」
美嘉「えー……そんなん嬉しいの?」
唯「だってさ、ドキドキさせんのは頑張ればできるじゃん」
唯「でも、隙だらけで甘えてくれんのはさ」
唯「こう……いい感じになってないとないじゃん?」
美嘉「あー……なるほどなー……」
唯「それでさ、そゆこと考えてたらめっちゃアガっちゃって」
唯「勢いでハグしたらPちゃんもぎゅーってしてくれて」
唯「でもPちゃんの顔見たかったから、ゆいから離れちゃって……そ、そしたら、さ?」
美嘉「うん」
唯「目が合って、ちょっと『あっ』みたいな感じになって」
唯「なんか……なんとなーく、そのとき、かな」
美嘉「……そのとき、って、え、何が?」
唯「その……『今じゃね』って。これって、そういう雰囲気だなーって」
美嘉「……そゆのってわかるもんなの?」
唯「わかるというか……これ拒否られないなー、完全に受け入れられてんなーって感じ」
美嘉「受け入れられて……うん、なるほど……」
美嘉「じゃ、じゃあアレ?押し倒したって、その、無理矢理ってワケじゃないんだ?」
唯「や、無理矢理ってそれ最悪っしょ」
美嘉「……フツーにした感じ?」
唯「うん、まあ。普通」
美嘉「ゴム使った?」
唯「あ、当たり前じゃん」
美嘉「あ、あはは、そりゃーね★」
唯「……や、美嘉ちゃんさ、マジであんま変なことしないほうがいーよ?」
美嘉「あ、アタシのことは今はいいから!」
美嘉「で、で!唯の話、続き!押し倒したとこ!」
唯「んー……だから、押し倒したわけじゃなくて」
美嘉「じゃ、どうしたの!」
唯「こう、Pちゃんの隣で寝転がって、『ハグちょーだい』って言ったら、さ」
唯「『寝転がっては駄目』って言うから、だから、その」
唯「『いーじゃん☆』って、手握って、その……ゆいの上に引き倒した」
美嘉「引き倒した」
唯「そ、そしたら、Pちゃんがこう、ゆっくり、ゆいに体重乗せてきて、覆い被さって」
唯「そっからえっと、なんかさ、まあ、自然な流れ?」
美嘉「キスして触って、みたいな?」
唯「そ、そ、そんな感じ!あとは説明しなくても大体わかるっしょ!」
美嘉「……個人的なイメージなんだけどさ」
唯「うん?」
美嘉「唯ってめっちゃキスすんの好きそう」
唯「…………」
美嘉「……どう?」
唯「え、何、それゆい答えんの!?」
美嘉「うん」
唯「う……ある、かも」
美嘉「でしょ」
唯「そのときも気がついたら口の周りとか、ベトベトだったし」
唯「その……してる最中も、キスしすぎでやりづらいって、Pちゃんに言われたし」
美嘉「…………え、あっ、そ、そうなんだ。へー」
唯「って、あーもー何言わせんだー!やめやめ!」
美嘉「で」
唯「うん?」
美嘉「……ど、どうだった?」
唯「何が?」
美嘉「その……最後までしたんでしょ?」
唯「ちょ、だからやめれって、マジで勘弁してよ」
美嘉「こ、これで最後だから!」
唯「……なんかね」
美嘉「……うん」
唯「ほんと、なんもわかんなかった」
美嘉「えー……」
唯「だ、だってさ、場所が場所だし」
唯「その……いざとなったらいっぱいいっぱいだったし」
唯「頭も体もなんか、どろどろでぐちゃぐちゃで」
唯「でも、なんか、ね?」
美嘉「……うん?」
唯「超、幸せだった」
美嘉「……」
唯「Pちゃんがめっちゃ近くにいて、いくらでも優しくしてくれて」
唯「この人のこと、好きになれてよかったーって、ずっと好きでいたいなーって」
唯「……思った」
美嘉「……」
美嘉「……あ゛ー!」ボフン
唯「なにさー」
美嘉「羨ましい。めっちゃ羨ましい」
唯「えへへ……」
美嘉「で、その後ってどうすることにしたの?」
唯「へ?」
美嘉「関係、いろいろと複雑じゃん。立場あるし」
唯「えっと、とりあえずもう事務所でするのはやめようってことで☆」
美嘉「当たり前」
唯「あとは、まあ……基本、今までと変わらず?」
美嘉「変わらずって?」
唯「テキトーにご飯行ったり、遊びくらいはOK、みたいな」
唯「その……それ以上はおあずけ」
美嘉「それ以上って、厳密にはどこまで?」
唯「……キス以上?」
美嘉「え、許容範囲広すぎっしょ……」
唯「や、要はちゃんと節度は守ってさ、変なことにならないようにってコト!」
美嘉「大丈夫なの?それ」
唯「あはは……頑張るって☆」
美嘉「はー……『楽しくなきゃダメ☆』で変なことすんなよー?」
唯「だいじょぶだって。そこはPちゃん第一でいくし☆」
唯「Pちゃんと会えなくなったら、全部台無しだもん」
唯「Pちゃんも、その辺はテキトーに甘やかしてくれると思うし。上手くやるよ☆」
美嘉「……ホント、どんだけ惚れてんのさ」
唯「えへへ」
唯「よーし!そいじゃ、次は美嘉ちゃんの番だな☆」
美嘉「え?アタシの番って?」
唯「なんかあったら報告してくれるっつったじゃん」
美嘉「え、あー、うん。するする」
唯「でもなんか作戦立てないと、なんも起こんないっしょ?」
美嘉「……え、や、アタシはそゆのはいいって」
唯「よくない!なんだっけ、来週?アメリカ行くんでしょ?」
美嘉「行くけど……でもそれは」
唯「ホテル泊まんじゃん?めっちゃチャンスっしょ!」
美嘉「い゛っ、え、あ、そ、そうだけど」
唯「じゃあさ、思い切ってさ……」
・・・
・・
・
[しばらく後 事務所]
唯「~♪」
唯「ね、ね、ちっひー、そろそろ美嘉ちゃんの飛行機着いてる頃?」
ちひろ「えっと……あ、そうですね。17時に成田着です」
唯「おっしゃー☆ それじゃ、早速連絡してみよーっと」
唯「えっと、『作戦どーだった?』、っと」
唯「……」
ピロン
唯「お、返事早いじゃ……ん……」
『ゴムわされた。やばあ』
唯「……」
唯「…………」
唯「?」
 ̄ ̄ ̄二二ニ=-
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