ちひろ「十二支のはじまり」 (25)

こんばんわ。
今回は書きためを作っておりません。
ゆっくりお付き合いお願いします。

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文香「むかしむかし、ある動物の世界の神様は大変困っておりました」


ちひろ「この世界はいっつもケンカばっかりで大変困っています。プロデューサーさんのこととなると我先にとほとほと呆れております」


ちひろ「そこで、この世界にいるすべての動物に告げます。1月1日に私の所に来なさい。12番目までに来た者は1年ごとにプロデューサーさんの補佐をお願いします」


文香「それを聞いた動物たちは一気に燃え上がります。今まで争っていたプロデューサーさんを1年間だけとはいえつきっきりにしてもらえる権利が貰えるのです」


ちひろ「いいですか?1月1日ですからね!では頼みましたよ!」ペカー


文香「神のお告げを聞いたネズミは、得意の賢さを働かせます」


杏ネズミ「――1月1日はその時の指定まではしていない…。つまり…集まるべき1月1日は10年20年後ということも可能だろうということ…!」


智恵リス「そうだったんですね…。さすが杏ネズミさん。賢いです…」


かなこキリン「その時が来るまで私はのんびり高い葉を食べていますね」ムシャムシャ


文香「杏ネズミは、様々な動物に神様の言っていた1月1日はまだ先であると風潮してライバルを蹴落としていきます」


杏ネズミ「これで杏が1番決定だ!」


文香「しかし、この杏ネズミ大事なことに気付くのです」


杏ネズミ「――神様の所に向かうのめんどくさ!」

文香「そうです。神様のいる場所はここから千里離れた場所。怠け者の杏ネズミは自分の足で行くことにためらいが生まれてしまったのです」


杏ネズミ「リーダーになってプロデューサーに甘やかされたい…。でも千里の道を歩くのはメンドーだ…」


文香「杏ネズミがうんうん唸っていると、そこにきらり牛がやってきました」


きらり牛「あっれ~杏ちゃん。なにか考え中?」


杏「ウン…。ちょっとね…」


文香「その時、杏ネズミに電流が走ったのです」


杏「――きらり牛はノロマだから、今から神様の所に向かうはず!その背中に乗せてもらえば、自動的に神様の所に連れて行ってくれるはず!」


杏「ねえ。きらり牛はいまから神様の所に行くの?」


きらり牛「そうだにぃ。きらりは歩くの遅いから、今のうちに行かないと間に合わなくなっちゃうの。そうするとPちゃんをハッピハピに出来なくなっちゃうにぃ」


杏「一人で千里の道を歩くのは大変そうだから、話し相手にでもなってあげるよ?」


きらり「ホントにぃ!?じゃあ、杏ちゃんはやく背中に乗って!」


杏「うーん。やっぱりきらり牛の背中は広い。それにフカフカだぁ…」


きらり「きらりはゆっくり歩くけど、落ちないように気を付けるんだにぃ」


杏「――作戦成功!あとは1月1日の瞬間待つだけ!」


文香「こうして杏ネズミときらり牛は1月1日に向けて神様の所へ向かうのでした」

文香「一方、ある動物の集団がなにやら輪になって話していました」


辰の留美「ねえ。神様の話本当だと思う?」


美優うさぎ「どうでしょうか?神様が嘘をおっしゃるとは思えませんが…」


瞳子ヘビ「行ってみる価値はあると思うわ。ネズミがいつの1月1日か分からないから行かないと言っていたけど…」


瑞樹犬「そんなの次の1月1日に決まっているじゃない!私たちはもう後がないの。早い順番でリーダーを取って、プロデューサー君を落とさないと」


サルの早苗「アタシたちが行き遅れちゃうわ。ってだれが行きおくれよ!」


瞳子ヘビ「1月1日まで少し時間があるわね。千里と言っても、私たちの足にかかれば…」


辰の留美「造作もないこと。すぐにトップを取ってプロデューサーを独占してあげるわ」


サルの早苗「そうと決まれば酒盛りね!いっぱい持ってきたから、今はたっぷり楽しむわよ!」


美優「え?今のうちに近づいておくのではなく…?」


楓鶏「そのお話、聞きました」


辰の留美「あら、鶏の楓じゃない。相変わらずお酒の話は早いわね」


楓鶏「鶏頭ですから…。ケッコーな話じゃないと忘れてしまうんですよ…。それで良いお酒があるんですが…」


文香「こうして辰の留美、瞳子ヘビ、瑞樹犬、サルの早苗、楓鶏が酒盛りをはじめ、先に行きたかった美優うさぎがそれに巻き込まれてしまいました」

文香「一方の杏ネズミときらり牛はのんびりと神様の所に向かっていました。すると」


まゆねこ「あらぁ。きらり牛さん。どこへ向かうんですかぁ?」


杏ネズミ「まゆねこじゃん」


まゆねこ「杏ネズミさんもいたんですねえ。仲がいいんですね」


杏ネズミ「まあね。今からあの丘で日なたぼっこをしようと思ってるんだ」


きらり牛「あれえ?予定変わっちゃったのぉ?」


杏ネズミ「まあね。エサは逃げないよ。――そうだ、まゆねこ」


まゆねこ「なんですかぁ?」


杏ネズミ「神様から連絡があって、集合が1月2日になったって」


まゆねこ「あら。そうだったんですか。ご丁寧にありがとうございました」


杏ねずみ「きにしなくていーよー。それじゃ、杏たちはひたぼっこだ」


文香「杏ネズミの嘘にまゆねこは信じてしまいました」


きらり牛「なんで杏ちゃん嘘ついたんだにぃ?」


杏ねずみ「…この世界にはすべての人が幸せになるなんてありえないんだよ。誰かが笑えば、その陰で泣く人もいるんだよ…」


きらり牛「…杏ちゃんのお話は難しいにぃ」


杏ネズミ「幸せになるならさ、自分と仲のいい人くらいは幸せにしたいよねってこと」

文香「そして噂を聞いた動物はここにもいました」


麗奈トラ「アタシが早く行けば、1年間はいたずらし放題ってことじゃないっ!」


光ウサギ「なんだと?麗奈トラ!あたしはお前を見逃さないからな!」


文香「麗奈トラと光ウサギはお互いを牽制し合いながら神様の元へと走っていきます。時折、いたずらをする麗奈トラを返り討ちにする光ウサギ。たまに返り討ちも失敗してしまいます」


麗奈トラ「アーハッハッハッハ!ウサギの身体で無茶するからよ!それじゃ、あたしは先に行くわ。――ってうわぁぁぁ!」


光ウサギ「バカだなあ…。自分で仕掛けた落とし穴にはまるなんて…」


麗奈トラ「う、うるさい!早く助けなさい!」


文香「二人はいろいろ言いながらも順調に向かって行きました」

うさぎ被ってる

文香「世界の様々な動物たちが様々な動きをしてついに――」


ちひろ「おまたせいたしました!1月1日です!かいもーん!」


杏ネズミ「あらよっと。――へへ。一番乗り」


ちひろ「おめでとうございます。杏ネズミさんが1番乗りです」


きらり牛「無事についたにぃ。きらりもみんなもハピハピしてほしいな~」


ちひろ「きらりちゃんなら、素晴らしい補佐が出来ると思いますよ。はい2番目です」


文香「すると後ろからものすごい叫び声が」


麗奈トラ「うぉぉぉ!まけないわよー!」


光ウサギ「まけるかぁー!」


文香「猛然と走って来る麗奈トラと光ウサギ。しかし、その後ろからさらに凄まじい勢いで走ってくる動物がいました」


茜イノシシ「ボンバァーーーーー!」ギューン


麗奈トラ「」


光ウサギ「」


ちひろ「」


文香「三人は一瞬、何が通り過ぎたのか分からりませんでした」

>>7ありがとうございます。
訂正 ×美優うさぎ ○みゆうま に訂正します。


麗奈トラ「ちょっと!ちひろ!結果はどうなったのよ!?」


光ウサギ「アタシの方が早かったよね!?」


ちひろ「えっと…。茜イノシシが早くて、その次は麗奈トラ。そして光ウサギの順番だけど…」


文香「少し待っても、茜イノシシは戻ってこないため、3番目に麗奈トラ。4番目は光ウサギになりました」


麗奈トラ「ふん!今回はあたしの勝ちね。ま、ウサギの割には頑張った方じゃないかしら?」


光ウサギ「くそー!次こそは負けないからな!今度はどっちが優れた補佐が出来るか勝負だ!」


文香「そして、酒盛りをしていた辰、馬、蛇、鶏、猿、犬はというと…」


辰の留美「Zzz」


みゆうま「Zzz」ウーンウーン


瞳子ヘビ「Zzz」


サルの早苗「Zzz」


瑞樹犬「Zzz」

文香「初日の出が5匹の身体を照らすと、楓鶏がゆっくりと起きました」


楓鶏「あら…。私は何かをしなければいけないのですが…」


文香「少しだけ寝ぼけた頭で考えていると、自分の使命を思い出しました」


楓鶏「コ、コケコッコー!」


文香「楓鶏の鳴き声で今まで眠っていた動物が起きだして、一斉に神様の所へ向かって行きました」


サルの早苗「なんで起こしてくれなかったのよ!」


瑞樹犬「散々起こしたのに、あんたが起きなかったからよ!」


みゆうま「は、はやくいきましょう!」


瞳子ヘビ「ちょっと待って!私、早く走れないから…!」


楓鶏「こ、コケッコー・・・。ケッコーキツイですね…」


サルの早苗「なんで、楓ちゃん起こしちゃったのよ!」


瑞樹犬「楓ちゃんは朝を告げるのが使命なのよ!起きなかったあんたが悪い!」


文香「5人は慌てていたり、ケンカをしながら向かっていきます」

瞳子ヘビ「ちょっと留美。乗せなさい!」


辰の留美「ちょっと!何するのよ!」


瞳子ヘビ「あなたは翼があってズルいわ。少しだけ私を乗せて頂戴」


文香「先に着いたのは辰の留美。上にのっていた瞳子ヘビ。そしてみゆうまが入りました」


辰の留美「ちょっと。早苗さんと瑞樹さんと楓が来ていないわよ…」


みゆうま「ずっとケンカしていましたからね…。きちんと辿りつけるか不安です…」


文香「その間に、ゆっくりとあるく動物が一匹。ひつじの卯月でした」


ひつじの卯月「めぇ~」


ちひろ「卯月ちゃんは8番目です」


ひつじの卯月「やりました!無事に補佐役がもらえました!」

文香「ひつじの卯月が到着してしばらくすると、なにやら騒がしい賛美気がやってきました」


サルの早苗「だから!私は悪くないわ!」


楓鶏「けっこー。コケッコー」


瑞樹犬「アンタが悪いの!」


辰の留美「…何をやっているの?あの人たちは…」


みゆうま「早くしないと誰か一人が入れないかもしれませんよ!」


サルの早苗「そうなの?じゃ、あたしが先ね」


ちひろ「はい。早苗さんは9番目です」


瑞樹犬「…」


楓鶏「どういたんですか?」


瑞樹犬「楓鶏。あなたが先に行って。あのサルの次なんて、私は嫌だわ」


瞳子ヘビ「何をやっているのよ…。まったく」


楓鶏「そうですか。ではわたしが」


ちひろ「はい。楓鶏さん。10着です」


瑞樹犬「…」


ちひろ「はい11着です」

訂正 賛美気→三匹


文香「そして最後の一匹が逆方向からやってきました」


茜イノシシ「おそくなりましたぁーーー!勢い余って止まれませんでした!」


ちひろ「さいごは茜イノシシですね。はい。以上12匹が決まりました!皆さん。1年間よろしくお願いします!」


文香「こうして、12匹のリーダーが決まったのですが1匹それに異議を唱える動物がいました」


橘イタチ「ちょっと待ってください。私はそのような話は聞いていません」


ちひろ「あ、あれ?ありすイタチちゃんは聞いていなかったの?」


橘イタチ「はい。なのでもう一度やり直しを要求します。後、私は橘イタチです。ありすではありませんから」


文香「橘イタチの要求に、神様は少し困ってしまいます」


橘イタチ「あ、文香さんになら、あ、ありすとよんでもいいですよ…」


ちひろ「分かりました。橘イタチには付の一番最初の日をあなたにあげます。1日をついたちと呼びましょう。それで良いでしょうか?」


橘イタチ「…分かりました。それで良いですよ」


文香「無事にありすイタチも納得したところですべてが収まりました」

文香「次の日。まゆねこは開門と同時に姿を現しました」


まゆねこ「まゆねこが1番を取りましたよぉ。プロデューサーさん。まゆは…」


ちひろ「…まゆねこちゃん。その取り決めは昨日終わりましたよ。残念だけど、まゆねこちゃんは補佐役になれないの。顔を洗ってきなさいな」


文香「門前払いを食らったまゆねこは、ふらふらとした足取りで顔を洗い、杏ネズミを問いただすのです」


まゆねこ「杏ネズミはどこですかぁ!?どこに隠れましたかぁ!?」


瑞樹犬「杏ネズミなら、トヨスとかいう場所で地下に溜まった水を調べるとか言っていたわよ」


文香「まゆねこはもう二度とそんな失態を侵さないようにと、顔を念入りに洗い、自分をだましたネズミを追い続けるのでした」


文香「おしまい…」


仁奈「わー!ふみかおねーさん楽しかったですよ!」


千佳「今度は、ばふぁろーずぽんたのお話聞きたいなあ!」


文香「…ぽんたのお話は、辛く険しいお話ですので、『それいけ!みちるちゃん』をお話しします」


薫「つぎもたのしみだねー!」

以上となります。


年末がやってきますので、皆さんも体調にご自愛くださいではまた。

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