某ギャグ漫画家「ネタが無い…もうダメだ…」(16)

※某有名雑誌の某漫画を参考にしています

ギャグ漫画家「ぐおおおおおおおお・・・」

担当「せ、先生、締切まであと2日しか無いんですよ!?」

担当「原稿白紙ってどういうことですか!!」

ギャグ漫画家「ネタが無いんだ…」

担当「5年近く『あの漫画もうネタ切れだろ』と言われながら頑張ってきたじゃないですか!」

担当「諦めたら、そこで試合終了ですよ・・・?」

ギャグ漫画家「う、うるせえええええ!」

ギャグ漫画家「俺の気持ちがお前にわかるもんか!」

担当「ノベライズもゲームもアニメ化も実写映画化もされてるじゃないですか」

担当「もっと頑張れよお!」

ギャグ漫画家「全部爆死が確定してた奴じゃねえか!ふざけるな!」

ギャグ漫画家「いいか、ギャグ漫画ってのは要するにこういうことなんだよ」

担当「回想に入ってる暇なんてないですよ――――」


芸人『ハイハイコンニチハ~』

芸人『これから毎週15分のギャグ番組を頑張ってやっていきたいと思います!』

芸人『盆と正月以外はずっと続けていきます、視聴率10%切って3週経てば打ち切りなので』

芸人『よろしくお願いしマスコ・ダ・ガマ!時は大航海時代!』

「うわあ…最初からパクリじゃねえかつまんね」「もう打ち切りで良いよ」
「バスコ・ダ・ガマって誰・・・?意味わかんね、しね」

芸人『』

ギャグ漫画家「な?」

担当「『な?』じゃありませんよ、さっさと書いてください」

ギャグ漫画家「最初から無理ゲーなんだよ!」

ギャグ漫画家「一人で企画・撮影・演出・編集をこなしてるようなモンだぞ!」

ギャグ漫画家「しかも休み無し!テレビ番組だったらどんなに長くても2クールで終わるのに!!」

担当「終わらせるのは簡単ですよ、いつでもやめさせてあげます」

ギャグ漫画家「ぐぅ…」


ギャグ漫画家(クソッ!人気バトル漫画だったら強引に引き伸ばす癖に!)

ギャグ漫画家(所詮は単行本売上が見込めないギャグ漫画枠…印税収入は見込めない…描くのを止めたら餓死する…)

ギャグ漫画家(バトル枠やエロ枠なら5年も続けば少しは売れるのに!!有名になるのに!!)

担当「せんせーい?早く書いてくださぁい?」

ギャグ漫画家「ぬおおおおおおおおお…」

ギャグ漫画家(そ、そうだ!シリアスだ!シリアス展開に逃げよう!!)

ギャグ漫画家(10年近く続いてる某人気ギャグ漫画は定期的にシリアス・バトル展開に持ち込んでる…これだ!)


芸人『ハイハイコンニチハ~』

『ふっふっふ・・・ついに俺の出番がきたか』

芸人『だ、だれだ!?』

芸人B『俺は貴様の命を頂戴する悪の組織「デモンソウラー」だ』

芸人『な、なに!?悪のお笑い団体「デモンソウラー」だと!?』

芸人『俺はその組織からもう足は洗ったんだ!この番組の平穏は崩させはしない!』

芸人『くらえ!第112回に放映した一発ギャグ「電柱にとまったカラスに糞をかけられた中年女性」!!』

芸人『次回に続く!あと15回はこのストーリーで戦うからよろしくお願いしマーリン!アングロサクソンぶっ倒せ!』

「この三文芝居は何?」「あと15回も続くの?構成力も演技力も最低なんだが」
「うわあ、キャラ変えちゃったよ。いよいよ老害番組だな」「迷走しすぎ漫画しね」

芸人『』

担当「本当につまんないですね。書くのやめたら?」

ギャグ漫画家「ウリィ~~~~」


ギャグ漫画家「ボツにしよう・・・俺は5年もシリアス抜きで戦ってきたんだ・・・」

ギャグ漫画家「今更逃げるくらいなら、打ち切りで美しく終わったほうが何倍もマシだ!!」

担当(ネタ無いくせに美学だけはあるんだよな。。。ネタ無いくせに。)

ギャグ漫画家「そ、そうだ!ラブコメにしてしまおう!」

ギャグ漫画家「コメディもギャグも似たり寄ったりだろ!よし、これでいこう!」

ギャグ漫画家「幸いヒロイン登場回はアンケート下位を中位にしてくれるパワフルキャラ…」

ギャグ漫画家「人気漫画家に・・・おれはなる(ドドンッ!!)」

担当「ギャグ作家としてのプライドはねえのか!?」


芸人『さあ次の一発ギャグは・・・あれ?川萩ちゃんじゃないか』

川萩『芸人さん、やっぱり貴方を忘れられないの・・・』

芸人『うおおおおお!川萩ちゃあああああん』

川萩『あんっ!優しくしてね(パンツピラー)』

芸人『へっへっへ、ひん剥いてやるぜ、カワハギだけに・・・な!!』

宣伝『さて、次の番組はシリアスなのにエロ満載、新進気鋭の新番組です』

宣伝『チャンネルはそのまま、テレビ飛京で』

「うわあ…いつのまにかラブコメ路線にしてる」「ラブコメテーマの老害番組が一つ終わった所だし要らないだろ」
「川萩さんよく見たらブスだな。新番組のほうがエロかわいい!!」「ウヒョお!おっぱいいっぱい!ギャグいらない!」

芸人『』

ギャグ漫画家「だ、だめだ… 画力向上したとは言え、色っぽい絵を追求してる奴に勝てるわけない!」

担当「自分の技術じゃ勝てないって分かった?漫画家の生命線である画力で大敗してるんですよ」

ギャグ漫画家「ギギギギギギ」

担当「ねえねえ今どんな気持ち?どんな気持ち?」


ギャグ漫画家(だ、だめだ…もう終わりか)

担当「あと、連載でギャグ漫画2つぐらい追加してるので先生の漫画は老害として打ち切り候補筆頭です」

ギャグ漫画家「な、なにぃ!?」

担当「わが漫画雑誌のテーマは『血統・才能・勝利』。正直、ギャグはお腹いっぱいなんですよねぇ(チラッ」

ギャグ漫画家「・・・・・・」

ギャグ漫画家(俺はギャグ一筋で十年以上描き続けてきたんだ・・・)

芸人C『芸人さんの番組正直つまらんのや』

芸人C『あんなギャグじゃ小坊もわらわん。老害はん、はよ消えな』

ギャグ漫画家(イケメンの番組に負けたら納得する。それはしょうがないんだ、ブサメンの俺の負けだ)

ギャグ漫画家(だけど!同じ土俵で戦う芸人だけには!負けたくない!)

ギャグ漫画家(ギャグ漫画連載の難しさは俺が一番良く分かってる…だからこそ、この勝負は譲れない!!退けないんだよ!!」

担当(先生、声出てます)


ギャグ漫画家「笑点みたいに、テンプレで笑いと視聴率を取れるほど力がある訳じゃない」

ギャグ漫画家「彗星のように眩く輝き儚く散る一発屋でもない」

ギャグ漫画家「俺は…淡々と安定したギャグで…社会に疲れた電車内の人をニンマリさせる…」

ギャグ漫画家「そういう仕事にプライドを持ってるんだ!!腐女子やキモオタに媚びてたまるか!!」

ギャグ漫画家「そうだ、ハートフルコメディでいこう!コメディもギャグみたいなもんだろ!」

ギャグ漫画家「逃げてないよ?・・・逃げてないからな?」

担当「オチが見えてる上に、このSS長くてつまらないから、もう誰も聞いてませんよ・・・」


芸人『やっぱり、お前と一緒にいるのが一番楽しいな』

芸人B『へへっ、突然どうしたんだよ』

芸人『俺もピンでこの番組を支えるのは疲れたんだ』

芸人『俺と一緒に… 盛り上ゲイ♂』

芸人B『ウホウホ!今日から俺らはおほもだち♂』

「とうとう腐女子に媚びやがった」「マジキモイ」「キモい?気持ち悪いの間違いだろ」
「え?私腐ってるけど、このコンテンツに最初から価値を見出してないよ?」

芸人『』

担当(購買力最強の腐女子には勝てなかったよ…ビクンビクン)

ギャグ漫画家「だめだ・・・ハートフル路線は腐女子に魂転売疑惑が出てしまう・・・」

ギャグ漫画家「普通のギャグを描こ」

担当「それが一番ですよ。」


担当「ところで、ネタは出来ましたか?」

ギャグ漫画家「そうだ!ネタが無かったんだあああああああああ!あばばばばばぁ!」

ギャグ漫画家「うひゃああ~~~もう気が狂っちゃったああああ!死のう!今すぐ死のう!」

ギャグ漫画家「絶望した!!人を笑わせるギャグ漫画家が笑えない漫画雑誌に絶望した!!」

担当「とうとう存在そのものがシュール系ギャグになってしまったか・・・」



担当「ギャグ漫画家は本当に大変。みんなも彼らがダークサイドに落ちるまで、応援してあげてね☆」

『ギャグ漫画家先生の作品は、諸事情により連載終了となりました。先生の来世にご期待下さい!』

終わり。

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