小梅「ノロッター」 (15)
寒くなってきたので熱が恋しいですね。
142'sだったり物騒なゲストが出たりするお話です。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1481030883
小梅「あ……」
いつもの事務所。
P「ん? どうかしたか、小梅。スマホ持って固まって」
小梅「あ、ごめんなさい、プロデューサーさん。ちょっと、気になることがあって……」
P「気になること?」
小梅「これ、なんだけど……」
P「どれ。お、ツブヤイター(*)。小梅もやってたのか」
(*)ツブヤイター:色々察してください。
小梅「ううん、違うよ……これは、ツブヤイターじゃなくて……」
P「なくて?」
小梅「《ノロッター》、だよ」
P「ノロッター」
小梅「そう、ノロッター……呪いの言葉を呟くためのアプリなんだぁ」
P「なにそれこわい」
小梅「大丈夫、だよ……呟くだけで、実害は無いから……」
P「それだけで十分すぎるほど恐いんだけど」
小梅「でもね……このアプリには、一つだけ大きな力があるんだぁ」
P「力とは」
小梅「呪いの言葉を呟くとね、同じ思いを持った人が《ノロワー》さんになってくれるんだけど……」
P「ノロワー」
小梅「その呪いの言葉が、ノロワーさんを通じてたくさんの人に《リノロー》されると」
P「リノロー」
小梅「その呪いが、一部現実になっちゃうの……」
P「……マジで」
小梅「うん……昨日、幸子ちゃんが途中で帰っちゃったでしょ……?」
P「そういえば、なんかブツブツと『どうせボクはカワイくないんですよ』とか言いながら帰って行ったな」
小梅「これ、昨日のノロッターの《ノロイライン》なんだけど……」
P「ノロイライン」
小梅「ここ……」
P「どれ……『彼氏に捨てられて鬱だ。アイツも鬱になれ』……2万リノロー……」
小梅「昨日の《ベストノロー》、だね」
P「もう突っ込まんぞ……」
小梅「幸子ちゃんは、これの影響を受けたんだと思う……多分……」
P「え、なにアプリのせいでそうなったって事? めっちゃ実害出てるんですけど。今すぐ消そうそうしよう」
小梅「ううん、アプリを消しても、他の人のアプリに伝染するだけだから……意味ないと思うよ……えへへ……」
P「笑い事じゃ無いんだよなぁ……」
小梅「私のも、他の人から伝染ってきたアプリだから……」
P「ウイルスじゃねーか……」
小梅「それで、今日のベストノローなんだけど……」
P「あぁ、さっき気になるって言ってた」
小梅「うん、ここなんだけど……」
P「『リア充爆発しろ』……5万リノロー……」
小梅「……今日は、爆発……するかも……」
P「……いやいやいやいや、いくら何でも爆発は無いだろう、爆発は」
小梅「ふふ……そうかな……?」
P「なんでちょっと楽しそうなの怖いんだけど」
輝子「おはようございます……フヒ」
P「お、輝子。今日は遅かったな」
輝子「う、うん……実は、道で珍しいキノコを見つけてね……思わず採取してきちゃったんだ……」
P「相変わらずだなオイ」
小梅「どんなキノコ……?」
輝子「フヒ……これ、なんだけど……丸くて、ゴツゴツしてて……傘はちょっと小さいけど、軸はなかなか……」
P「……あのさ……一個聞いて良いかな……」
輝子「ん……? な、なに……?」
P「……それ、ちょっと金属っぽい固さじゃ無い?」
輝子「お、おぉ……良く分かったな、プロデューサー……固くて、重くて、金属っぽい……アレ、こんなところにピンが」
P「手榴弾じゃねぇかァァァァァァァァッッッッ!!」
輝子「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッ!?」
小梅「あ……爆発……」
P「もォォォォッッッッ!! 数分もしないうちにフラグ回収しちゃったじゃんもォォォォッッッッ!!」
輝子「わ、私はどうしたら良いんだ……と、取りあえず床に置くか……」
P「だァァァァ!! やめろ! 衝撃を与えたら爆発するかも知れんッ!!」
輝子「ヒッ!? そ、それは困るよ……リア充は爆発しても良いけど……事務所が爆発するのは困る……」
P「どっちも大概困るからね!?」
小梅「ど、どうしよう、プロデューサーさん……このままじゃ、輝子ちゃんが動けないよ……」
P「ちょ、ちょっと待ってろ、今しかるべきところに連絡を……」
??「ちょっと待ったであります!」
P「はッ! この頼れる口調はッ!!」
亜季「大和亜季、推参であります!」通気口パカリ
P「部屋には必ず扉がついてるのご存じ!?」ドンビキ
亜季「いついかなる時も進入経路を確保する、それが生き残るための知恵であります!」
P「いったい何と戦っているのか」
輝子「あ、亜季さん……これ、何とか出来るの……?」
亜季「不発弾処理でありますな! お安いご用であります!」
小梅「カッコイイ……」
P「どういう経歴をたどったらお安いご用になるのか」
亜季「さ、輝子殿、その不発弾をそっとこちらに!」
輝子「う、うん……そ、そうっと……あ」
亜季「あ」
P「あって何だ!?」
不発弾「」ゴトリ
小梅「落ちた」
P「オィィィィィィィィッッッッ!?」
亜季「だ、大丈夫であります! 不発! 不発であります! セーフ!!」
P「アウトだよ!? 落とした時点で完全にアウトだからね!?」
輝子「し……心臓が止まるかと思った……」
小梅「輝子ちゃんも、ゾンビの仲間入りするのかな……」ドキドキ
P「下手したらゾンビどころか俺たち全員破片も残らんとこだったよ!?」
亜季「今度こそ、慎重に処理するのであります! 信管さえ抜けば、爆弾など恐るるに足らぬのでありま……あ!!」
P「おい、今度は何だ!?」
亜季「……手持ちの道具では処理できないタイプでした……いやー迂闊でした! あっはっは!」
P「笑い事じゃ無いぞ!? どうすんだよこれ……やっぱり警察なり自衛隊なりに連絡を……」
亜季「いえ、もう一つ、確実に処理する方法があります!」
P「本当か!? 一歩間違えたら洒落にならんからな!?」
輝子「爆発したら、焼けキノコ……フヒ」
小梅「バラバラになっても……ゾンビなら、復活できるかな……ふふ……」
P「失敗前提で話すのやめてくれる!?」
亜季「では、参ります! プロデューサー殿、覚悟は出来ておりますな?」
P「覚悟ってなんだおいッ!?」
亜季「でやァァァァァァァァッッッッ!!」ブンナゲ
P「アァァァァァァァァッッッッ!?」
不発弾「」窓バリーン
亜季「そこをすかさずシュートであります!!」発砲
不発弾「」サヨナラ!!
P「空中で爆破しやがったッッッッ!!」
亜季「ふ……汚い花火であります!」
P「お前……それが言いたかっただけじゃ……」
亜季「状況終了! 撤収であります! ではプロデューサー殿、報酬はスイス銀行の以下の口座へ!」窓バリーン
P「窓ガラス代でマイナスだこのバカヤローッッッッ!!」
輝子「亜季さん、なんでわざわざさっき割ったのと別の窓を……」
小梅「自分で割りたかったのかな……」
P「もうやだ……呪いやだ……」
翌日。
幸子「ふふーん! やっぱり何かの間違いでしたね! ボクは世界一カワイイんですよ!」
幸子「昨日までのボクはどうかしてました! 今日はその分のカワイイを皆さんに振りまきますよ! それが、カワイイボクの義務ですから!」
幸子「それにしても、なんでしょうね、今朝からスマホに出てきたこの奇妙なアプリは……こんなの入れた覚えは無いんですけど……」
幸子「小梅さんのイタズラですかねぇ……」ポチ
幸子「見た目はツブヤイターのパクりみたいですけど……えーと、『今日のベストリノロー』? なんですかこれ……」
幸子「『今日は気分がどん底だ……みんな穴に落ちればいい』……なんですかこれは。こんな子供みたいな事を書くなんて、どうかしてますねぇ!」
幸子「それに、穴に落ちるなんてこと、普通に生活しててあるわけが」
マンホール「」アイテルヤデ
幸子 「あ!? ちょ、ま、ふぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
(了)
ありがとうございました。
スマホ歩きは危険なので良く前を見ましょう。
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