モバP「Zのあさん」 (163)
※キャラ崩壊、オリジナル設定あり。耐えられない人は、ここは私に任せて、さあ早く!
飯を食ったり風呂に入ったりしながらまったり投下していきます。今夜中には完結しているはずです。
前作
モバP「のあさん」
モバP「のあさん」 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1371219850
『暇を持て余した……』
——事務所内・昼休憩中
チク タク チク タク……
P「ふ〜っ……」
のあ「………」
P「暇っすね〜……」
のあ「………」
のあ「そうのあね」
P「………」
のあ「………」
P「あー……のあさん……」
のあ「なにのあ」
P「お昼……出前取りましたよね……何食べましたっけ……」
のあ「おそばのあ」
P「あー……でしたっけ……」
のあ「野菜の天ぷらそばのあ」
P「ウマそうっすねー……」
のあ「美味しかったのあ」
P「………」
のあ「………」
チク タク チク タク……
P「のあさん……」
のあ「なにのあ」
P「あいつの名前なんて言いましたっけ……ほら、よく逃げ出す……もりくぼ……」
のあ「のののあ」
P「………」
P「あー……そうそう……そうだった……乃々……」
のあ「………」
P「プロレス団体の……ほら……」
のあ「NOAHのあ」
P「……そうそう……ノアだけはガチ、ね……」
のあ「………」
P「方舟……あー、なんだっけなぁ……何とかの方舟」
のあ「ノアのあね」
P「………」
P「……そうそう……ノアの箱舟……」
のあ「………」
チク タク チク タク……
P「のあさん……」
のあ「なにのあ」
P「美嘉って……莉嘉とどんな関係なんでしたっけ……」
のあ「美嘉は莉嘉の姉のあね」
P「…………ぷっ…………くっ…………」
のあ「………」
チク タク チク タク……
P(……もうすぐ休憩終わりか……)
P(あ……そういや……)
P「〜♪」
のあ「………」
冷蔵庫<ガチャッ
P「……あれ? 昨日買ったガリガ○君が——」
のあ「知らないわ」
P「………」
のあ「………」
P「………」
のあ「知らないのあ」
『それも幸せ』
千佳「やったー、千佳がいっちばーん♪」
雪美「……わたしも……あがり……」
薫「ん〜……(チラッ)……こっち! ——わーい、そろったー!」
のあ「あら……負けてしまったわ……ふふっ、みんな強いのね……」
雪美「…………のあ…………」クイックイッ
のあ「どうしたの……? 雪美……」
雪美「のあは……いつもババの方を見てる……だから……わかっちゃう……」ヒソヒソ
のあ「そうだったの……教えてくれて、ありがとう……雪美……」ナデナデ
雪美「………ふふっ」ニコニコ
茄子「………」ジーッ
P「——茄子、やりたいなら混ざってきたらいいんじゃないか」
茄子「プロデューサー……。でも、多分私、勝っちゃいますから……」アハハ…
P「あー……なるほど……(子供相手だもんな……勝ってばかりだとつまらないか。わざと負けるってのもあれだしな……)」
のあ「……ごめんなさい、みんな……少し、待っててもらえるかしら……」
ツカツカ
のあ「茄子……」
茄子「あっ、のあさん。ババ抜きはもうやらないんですか?」
のあ「ええ……貴女に代わってもらおうと思って……」
茄子「でも……私が一緒に遊んだら……」
のあ「……一つだけ、ルールが有るの……」
ヒソヒソ
茄子「ええ!? それじゃ、なおさら……」
のあ「大丈夫よ……私を信じて……」
茄子「のあさん……。——わかりました、それじゃあ、少しだけ……」
茄子「みんな、私も混ぜてもらっていいですか?」
薫「かこちゃん! うん、いっしょにやろー!」
P「のあさん、ルールって一体何のことだったんです?」
のあ「……『誰かが連続で1位になったら、最下位の人間が服を1枚脱ぐ』……そういう罰を課してるだけよ」
P「ちょっ、子供相手にあんたはなんてことを! そんなことしたら……」
薫「わーい! こんどはかおるがいちばんだー!」
P「……って、あれ?」
茄子「あれ? 私、負けちゃいました……。——ふふっ、ビリになったのって初めてですー♪」
雪美「……茄子……ビリなのに……嬉しそう……」
千佳「あはは、へんなのー♪」
のあ「……彼女の幸運は人を不幸にして得られるものじゃない……自分も周りも幸せにするのが鷹富士茄子……そう思ったから誘っただけよ……」
P「はえ〜……そこまで考えて……」
のあ「別に確信があったわけじゃないわ……本当はつまらないルールなんて必要ないのかもしれない……だって……」
茄子「やったー、茄子が一番ですよ—♪」
のあ「『幸運』に関係なく今の彼女は『幸せ』に見えるから……」
P「……みんなのこと、よく見てるんですね。そういうところは素直に尊敬します。——どうです? 今度は俺とも勝負してみませんか」
のあ「あなたと……?」
P「のあさんも『わざと勝ったり負けたり』じゃつまらないでしょう?」
のあ「——ふふっ……さあ? なんのことかしら……。いいわ……勝負しましょう。けれど、貴女に本気の私の相手が務まるかしら……?」
P「うっ……ちょっとだけ手心をお願いします……」
のあ「そうね……考えておくわ……」
みく「あの……の、のあチャン……お弁当のおかずを勝手に入れ替えたりしたのは謝るにゃ……。だからそろそろみくの服を返してほしいにゃ……」サムイニャ…
『しおみけ』
——女子寮・とある一室
周子「〜♪」 [音楽鑑賞中]
奏「………」ペラッ [読書中]
アーニャ「………」 [暇]
アーニャ「………!」 [そういえば……]
ガサゴソ……
周子「?」チラッ
奏「?」チラッ
アーニャ「………!」 [あった]
カポッ
アーにゃん「………にゃー」
周子(かわいい)
奏(かわいい)
飯買って&食ってきます
『88という数字には無限の可能性を感じる』
ガチャッ
P「おはようございまー!」
のあ「おはよう……P」
楓「おはようございます」
茄子「おはようございますー♪」
P「キャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ダダダダッ
ガシッ バッ [割り込み]
茄子「プロデューサー?」
P「かこちゃん、おじちゃんちょーっとこのおばちゃんたちとお話があるから、向こうで遊んでなさい。ほら、これあげるから」
茄子「わーい、アメもらっちゃいましたー♪」
P「ふう……これでよし」
のあ「……P、一体何のつもり……? いきなり奇声を上げたりして……」
P「俺のプロデュサーとしての本能が告げました。『この二人と絡ませるのはマズイにぃ……』と」
楓「私たち、茄子さんとお話してたんですが……」
P「ちなみに何をおしゃべりしてたんで?」
楓「ダジャレについて」
P「ほーら、言わんこっちゃない! 未来あるアイドルを悪の道に引きずり込まないで下さい! 芸人枠はもうお腹いっぱいなんです! ノーモア、アイドル芸人!」
楓「でも彼女のダジャレもなかなかのものでしたよ?」フフッ
のあ「ええ……磨けば光るものがあるわ」フフッ
P「聞いてね—YO! なんでそんな上から目線なんだYO! このミステリアス芸人どもはYO!」
のあ「ミステリアス……?」キョロキョロ
楓「芸人……?」キョロキョロ
P「Youuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!! ユゥー! ッアンド、ユゥゥゥゥー!!(お前だぁぁぁぁぁ!! お前とっ! お前だぁぁぁぁ!!)」ユビサシ & ユビサシ
ガチャッ
留美「——ごめんなさい、合鍵を作ってたら遅くなってしまったわ。打ち合わせ、もう始まってるかしら?」
P「で た。ブライダル芸人」ファーッ
留美「どうしたの? 明○家さんまみたいな声を出して。打ち合わせまだなら、ちょっとそこの区役所まで行って飲み物でも買ってくるけど」
P「コンビニ感覚で役所行ってんじゃねーYO! 俺にメーヴェとつけた紙ヒコーキ何号機まで作らせれば気が済むんだYO!」
楓「——そうだ、今度のお仕事の打ち合わせ、せっかくですからお食事しながらにしませんか?」ポンッ
のあ「それはいい考えね」
留美「それなら私、この前美優に教えてもらったお店があるのだけれど……」
P「誰も聞いちゃいねー!」ズコー
のあ「……ということなのだけれど、どうかしら、P」
P「ダメダメ、今月お財布ピンチなんだから、無理無理無理のカタツムリよ。可愛い可愛いかこっぱいとの席ならいざしらず、なんで——」
のあ「かこっぱい?」
楓「かこっぱい?」
留美「かこっぱい?」
P「あっ」
タッタッタッ
茄子「見て下さーい、みんなからお菓子たくさんもらっちゃいました—♪ このチョコ、皆さんにも差し上げますねっ。ちょこっとだけ♪」
のあ「かこっぱい」
楓「かこっぱい」
留美「かこっぱい」
P「あー、やっべ、俺急に酒飲みいきたくなっちゃったなー! 飲み会? 行こう行こう、チョーイイネ、サイコー!」
茄子「あっ、皆さん飲みに行かれるんですか? はーい、茄子も行きたいでーす♪」ピョンピョン
のあ「ええ、みんなで行きましょう」ゾロゾロ
楓「チョコをちょこっと……ふふっ」ゾロゾロ
留美「それなら早めに予約入れておかないと……」ゾロゾロ
P「うぅ……ヂグショーメー!」
P「あ、和久井さん」
留美「はい?」
P「出して、鍵」
留美「はい」
『しおみけ2』
アーにゃん「………」ゴロゴロゴロ [とりあえず猫っぽく過ごしてみる]
周子「………」
奏「………」
アーにゃん「………」ゴロゴロゴロ [やっぱり暇]
周子「………」
奏「………」
アーにゃん「………!」ゴロゴロゴロ…ピタッ [一発ギャグを思いつく]
周子「?」
奏「?」
アーにゃん「アー……」
周子「………」
奏「………」
アーにゃん「……にゃー……」 [途中で恥ずかしくなった]
周子(かわいい)
奏(かわいい)
楓「ふふっ」
周子「!?」
奏(誰もいない……!?)
『りんちゃんさん』
——副題『みくがオフの日』
凛「………」
凛(卯月達遅いなぁ……)
ガチャッ
のあ「……あら、しぶりん……貴女、一人なの……?」
凛「のあさん。うん、今卯月たちが帰ってくるの待ってて——んん?」
のあ「……?」
凛「えっと、聞き間違いかな。ごめん、のあさん。ちょっとさっきの台詞、もう1回言ってくれない?」
のあ「……? 私、なにかおかしなことを言ったかしら……しぶりん」
凛「それ。今だよ今言った。なに、その……なに?」
のあ「しぶりん?」
凛「その『しぶりん』って……なに?」
のあ「渋谷の凛ちゃんだから、『しぶりん』だけれど……」
凛「ごめん、私の言葉が足りなかった。由来じゃなくて、どうしていきなりそんな呼び方をしたのか聞きたいの」
のあ「ダメかしら……?」
凛「ダメ、っていうか……だって、卯月や未央たちだって呼ばないよ? 私たち結構仲いい、と思ってるけど」
のあ「でも、Pは呼んでいたわ……昨日も『しぶりーん、今日もパンツ見せておーくれ!』って……」
凛「いや、言ってないよ。私の記憶に無いよそれ。いくらプロデューサーでもそこまで露骨に変態じゃないよ」
のあ「そしたらしぶりんが『もう、しょうがないなあ……ちょっとだけだよ……?』、そう言ってスカートの裾を上げて——」
凛「言ってないよ! やってないよ! 私ただの痴女だよ! というかさっきから声真似上手すぎてちょっと怖いよ!」
のあ「私の2000の特技の一つよ……他にも『Pチャン、みくは突然お魚が大好きになったにゃあ。今度マグロのお船に乗りたいにゃあ』……こういうのも」
凛「わ、すごい。じゃ、なくて。話が逸れてる。もう言った言わないはいいからさ、なんでそんな呼び方にしたくなったのか教えて」
のあ「……私なりに……親交を深めようと思って……」
凛「親交……ね」
のあ「でも……私の思い違いだったようね……貴方とも、それなりの絆は深められたと思っていたのだけれど……」シュン
凛「え、ちょっと待ってよ、なんでそんな悲しそうな顔をするの? 『しぶりん』如きで今そんなレア顔を見せちゃうの?
私、すごい悪いことをしてる気分になるんだけど」
のあ「………」
凛「やめ、そんな捨てられた犬みたいな目で見るのやめて! わかった、わかったから。もう『しぶりん』でもなんでも好きに呼んでよ」
のあ「ホント……?」
凛「うん……いいよ。……その、みんながいるところだと恥ずかしいからさ、控えて欲しいけど……」テレテレ
のあ「分かったわ…………ありがとう…………スィブリーン」
凛「わ、か、分かってない。私が分かってない。なに、その……なに?」
のあ「スィブリーン?」
凛「それだよ。さっき『しぶりん』で決着着いたでしょ? なんで数秒でそうなるの?」
のあ「え……でも、さっき『もう『しぶりん』でもなんでも好きに呼んでよ』って……」
凛「言った。悔しいけどその声で言ったよ。でも、嫌、そんなジャクリーンみたいな呼び方はやめて」
のあ「ふふっ……わがままさんなのね、スィブリーンは……」
凛「そんな『わがままさんなのね』なんて言うキャラじゃなかったでしょ、のあさん」
のあ「……今のは……あまり……似てなかったわ……スィブリーン……」
凛「っ! い、いいのそこは拾わなくて! 別に本気で真似たわけじゃないし! ちょっとそれっぽく言ってみただけだし!」
のあ「照れるスィブリーンも……可愛いわ……ふふっ」
凛「ああっ、もう、調子狂う! とりあえずその『スィブリーン』だけはやめて、ホントにやめて」
のあ「じゃあ……なんて呼べばいいの……?」
凛「なんでそこ忘れるかな! さっき、さんざん呼んでたでしょ、『しぶりん』って!」
のあ「え?」
凛「だ か ら !」
ガチャッ
凛「私 の こ と は 『 し ぶ り ん 』 っ て 呼 ん で っ て 言 っ て る で し ょ !
——あっ……」
P「り、凛……?」
奈緒 アチャー…
加蓮 ニヤニヤ
未央 ニヤニヤ
卯月「え、えっと……し、しぶり〜ん♪ ……ダメ?」
凛「………!」プルプルプルプル
のあ「どうしたの、凛。いきなり大声を出して」
凛「〜〜〜〜!!」ポカポカポカポカ
のあ「いたいわ、凛」
——このあとしばらく『しぶりん』『スィブリーン』が事務所内で流行。
後に今回の一件は加蓮と未央による差し金と判明し、
加蓮、未央、奈緒の三人は怒った凛から性的なお仕置きを受けるのであった……——
次が最後になるのですがちょっと長い&書きながらになるので、もし今追ってる方は、眠って、どうぞ
『さぎさわさん』
——夕刻・事務所内
晴「なー……」カチカチ
P「んー?」
晴「素材とるの手伝って」カチカチ
P「ダメ。ご覧の通り仕事中じゃ」
晴「ケチ。仕事なんかテキトーにパッパと終わらせちゃえよ」
P「何いってんだ。今もお前にカッコい衣装着せるために頑張ってるんだぞ」
晴「え、マジマジ?」
P「ああ、カッコいいフリフリの衣装だ」
晴「なんだよそれ! ——あー、ゲーム飽きた」ポイッ
P「つーかそろそろ帰りなさいよキミ。もう日も落ち始めてるぞ」
晴「……んー、もうちょっと——」
ガチャッ
文香「……ただいま……戻りました……」
P「おう、文香か。おつか——」
晴「おかえり、文ねーちゃん!」
文香「晴くん……? どうしてまだ事務所に……?」
晴「……文ねーちゃん待ってた! 一緒に帰ろーぜ!」
P「なんだ、そういうことか」
文香「まあ……ありがとう、晴くん……。でも……」チラッ
P(ん?)
文香「ごめんね……私、まだ少し用事があるから……一緒には帰れないの……」
晴「ええー、そんなー……」シュン
文香「本当にごめんね……?」
P「まあまあ晴、あまり文香を困らせるな。暗くなったら文香は俺がちゃんと送っていくよ。安心しろ」
晴「むぅー……絶対だぞ、ねーちゃんに変なことすんなよな」
P「せんわ」
晴「——じゃあ、俺、帰る。文ねーちゃん、またな!」フリフリ
文香「はい……晴くんも……気をつけて帰って下さい……」フリフリ
晴「ロリコンも、じゃーなー!」
P「誰がロリコンじゃしばくぞこんガキャ」
ハハハッ ロリコンガオコッター ニゲロー
P「くそっ、晴の奴……絶対今度きらりが思わずお持ち帰りしたくなるようなフリフリのひらひらを着せてやる……」
P「——さて」
P「文香、用事って、俺にか?」
文香「……はい。お気づきになられましたか……?」
P「まあな。——とりあえず立ち話も何だから座りなよ」
文香「はい……ありがとうございます」
P「それで、どうした?」
文香「実は……プロデューサーさんに一つ、お尋ねしたいことがあります……」
P「ふむ、なにかな」
文香「この事務所では……男性の方のアイドルも……所属しておられるんでしょうか……?」
P「んん? いや、うちには女の娘しかいないが……」
文香「そうですよね……。……では何故……晴くんだけはここに所属しているんでしょうか……?」
P「晴? だけ? だけってどういう……」
文香「晴くんは……男の子なのに……」
P「……うん?」
文香「男の子なのに……周りに女の人ばかりだと……晴くん、少し、かわいそうです……」
P「いやいや、文香さん。あなた勘違いをしておられる」
文香「……え……?」
P「大変申し上げ難いのですが……晴は……女です。キュートでクールなれっきとした女の娘です」
文香「……女の娘……?」
P「(ガサゴソ)……ここに、彼女についての調書があります。守秘義務の関係で色々隠させてもらっていますが……ここを」スッ
文香「……性別……女……」
P「Exactly」
文香「そんな…………そう、だったんですか…………」
P「はっはっは、天然さんだなぁ、文香は。そうか、だから『晴くん』なんて呼んでたんだな」
文香「私……ずっと……晴くんのこと、男の子だと思って……」
P「はっはっは」
文香「男の子だと思って……あの手この手で誘惑してました……お恥ずかしい……」
P「はっはっは……うん」
P「うん」
P「……うん?」
P「ちょっと待った! ちょ、ちょっと待った!! 勝負はこれからさ張った! 張った!」
文香「……?」
P「いや、スマン。あまりにも衝撃的な発言を聞いた気がして取り乱してしまった」
P「オーケイ、ちょっと整理しようか」
P「えーと、鷺沢文香さんは結城晴さんのことを、今まで男の子だと思っていたんだよね?」
文香「はい……」
P「仮にだよ、晴が本当に男の子だとしたら、君は相手が男だと知りながら、誘っていたということになる」
文香「はい……でも、晴くん、女の娘でした……」
文香「ふみちん、しょっく、です……」
P「やめてよ、どうしてそんなんなっちゃうの? 君まで属性黄色くなっちゃったの? エブリデイどんなときもクールハートを持っていてよ」
P「ええと、文香くん、君は今ジュークで、晴くんはジューニだ。そんな二人がいろいろアレしちゃうとあかんことは知ってるよね?」
文香「はい……」
文香「でも……これは純愛なんです……」
文香「ぷらとにっく・らぶ……なんです……」
P「ぷらとにっく、ときましたか……」
P「文香……そう言えばお前は晴と愛媛での知り合いなんだよな?」
文香「はい……」
P「アイドルの恋愛云々と今回の件は、ちょっと特殊すぎて俺もどうすりゃいいのか分からんからさ。良ければお前たちの出会いみたいなもんを聞いておきたいんだが」
文香「……出会い……ですか……」
文香「分かりました……あまり、お話するのは得意ではないのですが……」
文香「お話し……します」
文香「プロデューサーさんは……私が、愛媛で叔父の書店の手伝いをしていたのは……ご存知、ですよね……?」
P「ああ。なんたってそこで文香をスカウトしたからな」
文香「はい……——あれは、私が大学に入学したばかりの頃……桜の花が、人々の出会いを彩る、春のことです……」
文香「私は……大学で講義を受ける合間に……書店のカウンターに座り、本を読みながら、訪れる人達を待つ……そんな緩やかな日々を過ごしていた頃です……」
トンッ トントントン……
『………』
文香「……ボールの跳ねる音がしたので、お店の外を伺ってみると……一人の男の子……いえ……女の娘が……サッカーボールを手に、私のことを見ていました……」
『………?』
文香「しばらく……お互いのことを見ていたと思います……。——『何かお探しですか?』。……私の口から、その言葉が出かかった時です……」
『おーい、晴! なにしてんだよー、早くみんなのところ行こうぜー!』
『……おーう!』
文香「……サッカーボールの女の娘は……友達の呼ぶ声に誘われて……お店の前から、去って行きました……」
文香「……それから数日後……女の娘は、また、お店の前にやって来ました……」
『何か……お探しですか……?』
文香「今度は……話しかけることが出来ました……」
『! ………』
文香「……女の娘は、私に話しかけられたことに少し驚いたようで……少しの間のあと……彼女はこう、聞いて来ました……」
『……ねーちゃん、幽霊……?』
文香「はじめは……質問の意図が……分かりませんでした……」
『……なわけねーよな』
文香「私が呆けていると……女の娘は、自分の言葉を否定したあと……初めての笑顔を、見せてくれました……」
文香「——あとから聞いた話なのですが……私は、この容姿ですから……暗い書店の中という状況も相まって……気味悪がる子供も、いたそうです……」
『ここ、漫画とか置いてないの?』
文香「……それから女の娘は、ためらいなくお店の中に足を踏み入れると、物珍しそうにお店の中を眺めていました……」
『……少しだけなら……』
文香「うちは……古書店だったので……あまり扱っていなかったのですが……少し古めの漫画ならいくつかあったので……それを紹介しました……」
『これ、読んでいい?』
『……どうぞ……』
文香「他にお客さんもいなかったので……私は、女の娘をカウンターの中の座敷に招待しました……」
文香「初対面の人に、いきなり親しげに接してこられたのは……経験がなかったので……私は少しだけ、緊張していました……」
『………』
『………』
文香「その時は特に会話もなく……私も女の娘も、自分の本に目を向けていました……」
文香「でも……不思議と……そこに、気まずい空気はありませんでした……」
『これ、買う』
文香「時の流れが遅くなったかのような……そんな感覚を覚えた頃です。女の娘は、100円玉を1枚、私に差し出して来ました……」
『……お買い上げ……ありがとうございます……』
文香「女の娘は、お財布をポケットにしまうと、脱いでいた靴を履き、カウンターの外へと出ました……」
文香「そして……振り返り、私に、こう、訪ねました……」
『ねーちゃん、名前なんていうの?』
文香「名前を聞かれるとは……思わなかったので……少し、驚きました……」
『……鷺沢……文香と……申します……』
『文香ねーちゃんか……俺、晴!』
『これ、面白かった! また買いにくっから!』
文香「私に名前を教えてくれた女の娘——晴くんは、そうして、元気よく、お店の外に飛び出して行きました……」
文香「これが……私と晴くんが出会った頃のお話です……」
まずいにゃあ……このペースだと朝までかかるにゃあ……でもみくは自分に負けないにゃあ……
P「……うまく言えないけど、いい出会い方をしてたんだな、文香と晴は」
文香「そう……ですか……? ——そう、ですね……そう、かもしれません……有難うございます……」
P「率直な感想を言ったまでだって。——しかし、あれだな! 友達の家に遊びに行って、お互いずっと漫画読んでるってのはよくあるけど、
初対面の二人がその状況ってのは、なかなかシュールな画だな!」
文香「お恥ずかしながら……私もその頃読んでいた本に夢中になっていまして……」
P「はっはっはっ、さすが読書家だな。ちなみになんて本を読んでたんだ?」
文香「T○LOVEるです」
P「あー、T○LOVEるかー、俺も読んでるよそれ。面白いよね、あれ。そういやたしか彼も晴と同じ結城くんだったなー、なるほどなるほど。
でもさすがにそのチョイスは俺も読め、ねーよ! 読まねーよ! 普通古書店で店番してる儚げな美少女はT○LOVEるを読まねーよ!」
文香「あ……違います……」
文香「その時読んでいたのはダークネスの方です……」
P「一緒だよ! いーよ補足しなくて! じゃあ何か? さっきまでの回想シーンは全部T○LOVEる片手に行われてたのか? 台っ無しだよ、ちょっといい雰囲気台無しだよ!」
文香「リトくん、カワイイです……」
P「キミと晴との出会いより、むしろキミとT○LOVEるとの出会いが気になってきたよ、俺は。あ、俺はちなみに古手川ちゃんが好きー」
文香「聞いてないです……」
P「なんだよ! なんで急にそんな辛辣になるの! 冗談交じりに話に乗っただけじゃない! 私がなにしたっていうのよ!」
文香「ところで話の続きですが……」
P「認めるよ。君は確かにクールなアイドルだよ。見た目はキュート、頭はパッションなだけで、クールなハートを持ち合わせているよ……」
文香「……聞きたいですか?」
P「なんだよ、急に乗り気じゃないか。話したくてしょうがないっていう無表情してるよ。分かったよ、聞くよ、この自分語り大好きっ娘め」
文香「違います……私が好きなのは晴くんとT○LOVEるです……」
P「同列に語るのか……」
文香「では次は……夏のお話になります……」
P「お、2クール目か。ということは……?」
文香「春夏秋冬……4本立てです」
P「4クールものか。いいよ、どんどんいこう。もう構えて聞く必要がないって分かったからね。あ、お茶飲む?」
文香「はい……いただきます」
文香「……ごちそうさまです。——それでは、始めます……」
P「わーい、ドンドン、ぱふぱふー」
文香「茶化さないで下さい……」
P「はい」
文香「よく出来ました……良い子のプロデューサーさんのために、今回は少し、えっちぃお話です……」
P「えっ」
P「ちょ、ちょっとタンマ!」
P「すぅー、はぁー……」
P「にぃ、さん、ごぉ、なな、じゅういち、じゅうさん……」
文香「……?」
P「おk、把握。続けて、どうぞ」
文香「どうして体育座りなんですか……?」
P「気にしてはいけない。さあ、はよ、はよ」
文香「……わかりました——と、その前に……」
P「な、なにかな?」
文香「プロデューサーさんは、アイスの箱を御存知ですか……?」
P「アイスの箱?」
文香「うちのお店では……夏の間だけですが……店先に、アイスの箱を出すんです……」
P「店先に……? ——あーっ、もしかしてアイスのショーケースのことか? 駄菓子屋とかでも見る……」
文香 コクリ
文香「……夏の間は……子どもたちやお年寄りの方たち……いろんな人が、冷たいアイスを手にとって……お店のベンチに腰を掛けて……お話をして……」
文香「少しだけ……お店が賑わいます……」
P「へー! いいなぁ、それ。こう、情緒溢れるっていうかさ、画になるよなぁ。俺も夏に訪れればよかったよ」
文香「………」
文香「アイスの箱が……あるんです……」
P(あ、ちょっと自慢げ)
文香「……今からお話するのは……アイスクリームが、人々を連れてきた、夏のことです……」
文香「初めて出会ったあの日から……晴くんはよくお店に顔を出してくれるようになりました……」
文香「サッカーが好きと聞いていたので……私と本を読んでいるのは退屈ではないかと、聞いたりもしました……」
『んー、別に?』
文香「素っ気なく答える晴くんでしたが……だからこそ、それは晴くんの本心なのだろうと……私は安心しました」
文香「……私たちは、いつしか、友達、になっていました……」
チリーン チリーン……
『う゛〜……あっぢぃ……』
文香「春の陽気が去り、代わりにうだるような暑さがやってくると……いつも元気な晴くんも、気だるそうにベンチに腰掛けていることも多くなりました……」
『……中に……入りませんか……? 扇風機……ありますよ……?』
『んー……』
文香「私が、こっちのほうが涼しいよ、と誘うのですが……晴くんは中には入ろうとはしませんでした……」
チリーン チリーン……
『………』
『あ……ねーちゃん』
文香「私は、晴くんが何故中に入ろうとしなかったのか、気になって……晴くんの隣に腰掛けました……」
文香「そして、しばらくして……その理由がわかりました……」
ヒュウ……
『ん〜……』
文香「晴くんは、時折吹く風に、心地良い涼を感じて……」
チリーン チリーン……
文香「共に訪れる風鈴の音色に、心を澄ませる……そんな一瞬が、好き、だったみたいです……」
文香「隣に座って、晴くんの、少し汗ばんだ表情を眺めていることで……私はそう、理解しました」
『……これ……どうぞ……』
文香「隣に座る晴くんに……私は、アイスの箱から二本のアイスを手に取り……一つを差し出しました」
『……いいの?』
『私の……おごり、です……』
文香「……人におごるというのは、その時の私にとって、初めての経験でした……」
文香「なので……突き返されたらどうしようか……少し、不安でした」
『……サンキュー、ねーちゃん!』
文香「……私は……その笑顔を見て……人と触れ合うことに怖さを感じることが……少し、無くなりました……」
文香「二人でアイスを食べた日から……晴くんは、お店の中に入って、私と一緒に涼むことが、多くなりました……」
文香「もしかしたら……自分が外にいることで、私に気を使わせてしまう……そう、思わせてしまったのかもしれません……」
文香「なので……私は、アイスの日を設けることにしました……」
文香「二人で二つのアイスを買って……二人一緒に食べる……ただ、それだけの日です」
文香「——さて、ここからがお待ちかねの……えっちぃお話です」
P「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
文香「……喜びすぎです」
P「ソンナコトナイヨフツウダヨ」
文香「………」
文香「……それは……とあるアイスの日に起きた出来事です」
文香「この日、私が着ていたのは……薄手で、汗ばむとうっすらと下着の線が浮かんでしまうような……白のワンピースを着ていました」
文香「実は……胸も少し開けていて……せくしー、です」
P「せくしーすなぁ」
文香「……そんなせくしーな私と晴くんは、ベンチに腰掛け、思い思いのアイスを食べていました……」
文香「と、その時です……」
文香「私は、バニラ味の、棒状のアイス……世間的にはホー○ランバーと呼ばれるものを食べていたのですが……」
『——あっ』
文香「欠けたバニラアイスが、すってんころりん、私の胸の間に落ちていきました……」
文香「欠けたアイスは、私の胸の上で、少しずつ、少しずつ、溶けていきました……」
文香「ベタベタしましたが……冷たくて、少し、気持よかったです……」
P(ゴクリ……!)
文香「晴くんは、そんな私を見かねて……」
P「な、舐めたの!?」ガタッ
『ん』
『ねーちゃん、、これで拭けよ』
文香「……私にハンカチを差し出してくれました……」
P「あらヤダ、あの娘ハンカチとか持ち歩いてたの?」
文香「萌え……ですよね」
P「……萌えだな!」
文香 オヤユビグッ
P グッ
文香「……以上が、私が晴くんの意外な一面を見れた、夏のお話です……」
P「……ふう、なかなか興味深い話だったよ」
文香「ありがとうございます……」
P「——しかしあれだな! 晴にもそこは是非アイスを舐めとってやるくらいの気概が欲しかったな!」
文香「晴くんはそんなことしません……」
P「あ、いや、うん。そうだったな、あいつ女の娘だったな、そう言えば」
文香「……もしかして、プロデューサーさんが、晴くんが実は男の子であることを隠している可能性が……」
P「無いから」
文香「……そこをなんとか」
P「まかりません」
文香「……そうですか……」
P「諦めないね、君も」
文香「……先ほどお話した頃の私は、晴くんにまだ、特別な感情を抱いていなかったのですが……」
文香「……あの時こうしていれば、あるいは……と、今頃になって悔やまれます」
P「この場にタイムマシンがなくてよかったよ。そもそも世界線を変えでもしない限り晴が女である事実は変わらないけど」
文香「……世界線……? なんですか……それは? 少し、興味があります……聞かせて下さい」
P「忘れた、今忘れた、たった今忘れた、あー、世界線に関する記憶が、海馬の底に——あ、あーっ、ボッチャ—ン……」
文香「残念です……」
P(与太話でも実現しかねないよこの娘)
文香「……あの、次のお話の前に私、お手洗いに行きたいのですが……」
P「ん? ああ、いいよ。行っトイレ。なんちて」
楓「ふふっ……」
文香「……あの、すみません、よく聞こえなかったのですが……もう一度」
P「やめたげてよぉ! もうオヤジギャグなんて言わないからぁ!」
文香「……お話が長くなってしまいましたが、プロデューサーさんは良かったのですか……」
P「いや、実は俺も催してはいるのだが、目下危機敵状況に陥っているため立ち上がることが出来ない。たってはいるが、たてない」
文香「どうかしたんですか……?」
P「あ、あちがちびれた」
文香「体育座りです……」
P「ぎ、ぎっくり腰に」
文香「大変です……救急車を」
P「と、とにかくだ! 君は君のやれることをやるべきだ。はやくしろっ! 間にあわなくなってもしらんぞーーっ!」
文香「……? では、そうさせてもらいます……」
P「安心しろ……俺もあとから駆けつける」
文香「駆けつけないで下さい……トイレに……」
この辺で一旦寝ちゃうにゃあ……昼から再会するにゃあ……約束守れなくてごめんにぃ……
文香「……落ち着きました。——それでは、始めます……」
P「わーい」
文香「……その前に、お話を聞いてくれる良い子の皆に、ねりあめ——」
P「え、くれんの?」
文香「——は、無かったので……代わりに割り箸を、どうぞ……」ハイ
P「どーしろっていうのさー」
文香「その割り箸を……どう扱うかで……あなたのくりえいちぶなセンスが試されます……」
P「何故今試されなければならないんだ……」
文香「……今回は秋のお話になりま——なにやってるんですか……? ズボンのベルトを外したりして……」
P「え? いやとりあえずこの箸を尻で割ろうと思って……あ、やべ。今日俺Tバック履いてねーや」
文香「やめて下さい……女子もいるのに……普段Tバックなんて履いてるんですか……知りたくなかったです……」
P「ごめんね。ところでそれに関連付けて聞くけど、普段文香はどういう下着を——冗談です、その割り箸を握った手を下げて下さい」
文香「……セクハラです……この件は上に報告させて頂きます……」
P「上、ってどこさ?」
文香「110です」
P「お上じゃねーか!」
文香「村上組でもいいです……」
P「すいません、許してください。なんでもしますから」
文香「ではちゃんと、話を聞いて下さい……」
P「ネタをふってきたのはあなたじゃない……うっ、うっ……」
文香「——あの夏の日からしばらくして……だんだんとセミの声が聞こえなくなり……
じりじりとした暑さも……やがて、去って行きました。……秋の訪れです」
文香「うちのお店では秋になると……秋になると……」
P「?」
文香「すみません……秋は……なにもありませんでした……」
P「なにも季節ごとに新機軸を打ち出さなくても」
文香「迂闊でした……」
P「秋は焼き芋でも焼けばいいんじゃない」
文香「! ……なるほど……」メモメモ
P「冗談だよ、メモらないでよ。書店で火を扱うとか洒落にならないよ。ふみちん本気でやりそうで怖いよ」
文香「残念です……焼き芋、食べたかったです……」
P「個人的にかい。そんなに食べたいなら女子寮の庭でみんなで焼けばいいよ。俺、要らない紙たくさんあるし。紙ヒコーキになってるけど」
文香「……楽しそうです……そうします……」
文香「秋は……ベンチで涼む人の声がが、聞こえなくなってしまうので……少し、寂しくなります……」
文香「でも……今度は本を求める人が……少しずつ、増えてきます……」
文香「……読書の……秋です……」
文香「……今からお話するのは……本が、人から人へと渡っていった、秋のことです……」
『文ねーちゃーん、なんか面白い本、ない?』
文香「本を求める人々……晴くんも、そのうちの一人でした……」
文香「晴くんの学校では……読書週間ということで……本を読んで、読書感想文を提出するのが、恒例となっているそうです……」
『俺、漫画しか読まねーし……』
文香「晴くんは……この恒例を……あまり、快くは思っていないみたいでした……」
文香「それでも……私を頼ってくれたのは、嬉しかったです……」
『これなどは……いかがでしょう……』
『うーん……』
文香「……私と晴くんは……お店の中を探し回りました……」
『——なにか、見つかりましたか……?』
『あっ』
『……晴くん……探しているのは、漫画じゃないです……』
『へへへ……』
『……こら』
文香「……そんなやり取りも何度かあったりして……」
文香「……本を探している間……私は……不思議な気持ちでした……」
文香「いつも見慣れている……カウンターの中からの景色……」
文香「そこに映っていたどの本も……手にとって開いてみると……新しい世界が広がっていました……」
文香「……恥ずかしながら、私も晴くんと同じで……目的を忘れて、読みふけってしまうこともありました……」
文香「——本探しの旅は……お店の外にも広がって行きました……」
文香「町の中の本屋さん……時には二人で電車に乗って……隣町まで足を運ぶこともありました……」
文香「……その時は、本以外にも、いろんなお店を回ったりして……二人で、目を輝かせていました……」
『………』
『それ……面白いですか……?』
文香「……ある時、晴くんは……一冊の本に、じっと目を向けたまま、夢中になっていました……」
文香「その本は……うちのお店にありました……」
文香「叔父が店番をしている時に……新しく買い取ったものだそうです……」
文香「……本の内容は……小さな冒険譚でした……」
文香「一人の男の子が……心を閉ざしてしまったお姫さまの手を取り、お城の中を飛び出して……世界に触れたお姫さまは、やがて笑顔を取り戻す……」
文香「そんな……お話です……」
文香「晴くんは結局、その本を選び……読書感想文を書くことにしました……」
文香「——私たちの小さな冒険が終わって……しばらく経った日のことです……」
文香「晴くんは、一枚の賞状を持って……学校からそのまま、お店にやって来ました……」
『俺……センセーに、すげーほめられた!』
文香「その賞は……一番のものではなかったのですが……作文で賞をもらったのは、初めてのことだったそうです……」
文香「私は……自分のことのように、嬉しくなってしまって……」
『……おめでとう……』
文香「自然と……笑って……そう、言ってあげる事ができました……」
文香「……以上が、私が晴くんに、初めて笑顔を見せてあげる事ができた、秋のお話です……」
P「——読書感想文かぁ……懐かしいなぁ。俺もさ、子供の頃は頭スッカラカンにして外で遊びまわってるクソガキだったからさ、本を読むのは苦手だったよ」
文香「そうでしたか……」
P「本を読む子読まない子ってのは、結構はっきりと別れるもんだよ。まあ、文香みたいなたくさん本を読む子なら、
あまり読書感想文に苦労した覚えは無いだろうけどな、はははっ」
文香「いえ……私もT○LOVEるしか、まともに読んだことはありませんでした……」
P「またT○LOVEるかよ! ちょっと忘れかけていたのにまたそれが出てくるのかよ! じゃ、なにか?
君は推定18の秋まで、T○LOVEる以外にろくに本をは読んだこと無いのに、古書店の看板娘然としていたのか?」
文香「自慢ではありませんが……」
P「ホントだよ! むしろ汚点でしか無いよ! 教養偏り過ぎだよ! 本屋ちゃんとか先人のいろいろな人達に謝れよ!」
文香「幸い、本を読むのは苦手ではなかったので……読書感想文で困ったことは、ありませんでしたが……」
P「おかしいと思ったよ……回想の中の君、まるで読書の世界に初めて触れましたー、みたいなリアクションとるんだもの。どうして文学部専攻なんてしちゃったのよ……」ブツブツ
P「晴はなにも言わなかったのか? その、隣で本読んでるねーちゃんが肌色満載の漫画読んでることに……」
文香「いえ……さすがに私も、その時は恥ずかしかったので……」
P「ああ、まあその辺の意識はあるよな、さすがに……」
文香「無印のほうを読んでいました」
P「だから一緒だよ! キミの中で無印のT○LOVEるとダークネスとの間にどういうセーフティライン敷かれてんの!」
文香「晴くんは『あー、ジャ○プでやってるやつ? 読んだことね—けど』と言っていました……」
P「そりゃ女子小学生のリアクションはそうなるわな……むしろそれで済んでよかったよ」
文香「本当は晴くんにもオススメしたかったのですが……グッと我慢しました」
文香「子供にはまだ早いです……えっちぃのはダメです……」
P「そうだね、えらいね」
残りは最後まで書き終えてから今日中に上げます
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高峯のあ(24)
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森久保乃々(14)
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城ヶ崎美嘉(17)
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城ヶ崎莉嘉(12)
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横山千佳(9)
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佐城雪美(10)
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龍崎薫(9)
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鷹富士茄子(20)
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塩見周子(18)
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速水奏(17)
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アナスタシア(15)
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高垣楓(25)
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和久井留美(26)
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渋谷凛(15)
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神谷奈緒(17)
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北条加蓮(16)
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本田未央(15)
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島村卯月(17)
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結城晴(12)
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鷺沢文香(19)
文香「——次のお話が……最後になります」
P「4クール目……冬か」
文香「いよいよ大詰めです……感動のクライマックスです……全米が泣いてしまいます……」
P「どんな使命があって君はそんなに無駄にハードルを上げてるのかね」
文香「すみません……私、こんなにたくさん喋ったのは初めてなので……少し興奮しています……」
P「実は舞台度胸があったってことだろう。アイドル向きの性格だ。悪いことじゃない」
文香「ありがとうございます……」
文香「——最後のお話は……少し……悲しいお話……でした……」
P(でした?)
文香「春が訪れ……夏が来て……秋が過ぎていくと……冬になります……」
文香「——終わりを感じてしまう、少し、寂しい季節です……」
文香「……今からお話するのは……寂しくて、冷たくて……でも、最後に暖かかった……冬の、終わりのことです……」
文香「……冬になっても……私と晴くんの関係は……特に変わることはありませんでした……」
文香「一緒に出かけて……一緒にお菓子を食べて……一緒に本を読んで……『また明日』と言ってお別れする……」
文香「——でも……『その日』は思いがけなく、やってきました……」
ザァァァァー……
『………』
『……晴くん……?』
文香「……その日は……冷たい、冷たい雨の降る日でした……」
文香「傘もささず……ずぶ濡れのまま……晴くんはお店の外に……立っていました……」
文香「私は、慌てて晴くんをお店の中に入れ……持ち合わせのタオルで体を拭いてあげ……着ていたショールを掛けました……」
文香「その時見えた……晴くんの目は……少しだけ……赤くなっていました……」
ザァァァァー……
『………』
『………』
文香「座敷の中でも……晴くんは押し黙ったまま、なにも話してくれませんでした……」
文香「ただ一言……『オヤジと喧嘩した』と……それきり……」
文香「……私も……情けないことに……言葉が見つかりませんでした……」
文香「晴くんを……辛そうな表情の晴くんを見るのは……初めてで……どうしたらいいのか……分かりませんでした……」
ザァァァァー……
『………』
『………』
文香「沈黙がしばらく続いたあと……私が、初めて、晴くんと二人きりでいることに……気まずさを覚えた頃です……」
文香「晴くんは……コロン、と……私の膝に、頭を乗せて来ました……」
文香「顔は私の方に向けて……まるで、お母さんに甘えるように……ゆっくりと……目を閉じて行きました……」
ザァァァァー……
『………』
『………』
文香「……気づいたら、私は、晴くんの頭を撫でていました……やわらかい髪の感触を確かめるように、ゆっくりと、何度も……」
文香「……やがて……私は……拙い言葉で……ぽつり、ぽつりと、話し始めました……」
ザァァァァー……
『………』
『……晴くんが……お父さんと仲直りしたいとき……』
『……でも……なにを言えばいいのか……わからなくなった時……』
『……少しだけ……勇気を出して……』
『ごめん……と言ってみて下さい……』
『……少しだけ……勇気を出して……』
『お父さんの目を……見てあげて下さい……』
『……そうしたら……お父さんの気持ち……少しだけ……分かるかもしれません……』
『……それでもダメなときは……私に……頼って下さい……』
『……私……役立たずかもしれないですけど……なんとかします……』
『……友だちのために……私……頑張りますから……』
文香「私が……言葉を出し終えたあと……ふと下を向くと……」
『………』
文香「晴くんの瞳が……下から、私の顔を覗き込んでいました」
文香「そして——」
『……ねーちゃんの目……すげーきれーだな……』
『………!』
『……今までよく、見えなかったけどさ……』
文香「……それだけ言うと……晴くんはまた、眠ってしまいました……」
文香「……晴くんの寝顔を見届けたあと……私は……電話帳で、結城さんの電話番号を探して、連絡を入れました……」
文香「……しばらくして……晴くんのお父さんが、やって来ました……」
文香「肩で息をして……手には傘を二本持って……だけど、晴くんと同じようにびしょ濡れで……」
文香「慌てた様子で……駆けつけて来ました……」
文香「……お父さんにお礼を言われたあと……私は晴くんを起こしました……」
文香「……少し愚図る晴くんを見て……お父さんは、優しく笑って……背中を向けて、しゃがみました……」
文香「……晴くんは……お父さんの背中に乗って……帰って行きました……」
文香「……雨の中……私は二人の背中を見送っていると……」
文香「晴くんが……背中越しに、お父さんに何かを告げ……お父さんは、晴くんの頭を、優しく撫でていました……」
文香「——そして……晴くんは……お店に、来なく、なりました……」
文香「私は……晴くんと出会う前の……書店のカウンターに座り、本を読みながら、訪れる人達を待つ……
緩やかだけど、何かが欠けてしまった……そんな日々を過ごしていた頃です……」
トンッ トントントン……
『………』
文香「……ボールの跳ねる音がしたので、お店の外を伺ってみると……晴くんが……サッカーボールを手に、私のことを見ていました……」
『……引越し……することになった……』
文香「晴くんは……引越しをする前日に……私に、会いに来てくれました……」
『……そう……ですか……』
文香「私は……別れの予兆に、気づいていました……だから……それほど、驚きはありませんでした……」
『………』
『………』
文香「お店の外と、お店の中……間に生まれる沈黙は……二人の間では、珍しいものではありませんでした……」
文香「……私は……意を決して……晴くんに、あるものを渡しました……」
『……これを……』
『……?』
文香「それは……私の手作りの……サッカーボールのイラストが描かれた、栞です……」
文香「……人に……手作りの贈り物をするのは……初めてのことでした……」
『……いつか渡そうと思って……作りました……』
『……私は……遠くに行っても……晴くんのこと……忘れません……』
『……大切な友達のこと……忘れたりしません……』
『……受け取って……もらえますか……?』
文香「晴くんは、栞を受け取ると……私にしがみついて……大声で……泣き出しました……」
文香「顔をくしゃくしゃにして……泣きました……」
文香「ずっとずっと……泣き続けました……」
文香「……私はその時……泣くことができませんでした……」
文香「……感情を出すことが下手で……涙を流すことができませんでした……」
文香「だから……私は……晴くんとお別れしたあと……」
文香「……一人で……泣きました……」
文香「——これで、私の話は、終わりです……」
P「………」
文香「……プロデューサーさん……?」
P「ん、ああ、ごめん。そうか……最後、ってそういうことだったんだな……」
文香「はい……悲しいですけど……でも、今ではひとつの……大切な思い出です……」
P「——だな! また晴と再会出来たんだしな!」
文香「はい……出会いは大切ですね。晴くんも、プロデューサーさんも……同じです」
P「俺? 俺も入ってんの?」
文香 コクリ
文香「私……プロデューサーさんに、感謝しています……」
文香「プロデューサーさんが、あの時、私に声をかけてくれなかったら……私は、ここにいなかったと思いますから……」
文香「だから、私……晴くんとのことをお話しておきたかったんです……」
P「……ありがたいけど……それは違うな、文香」
文香「……?」
P「文香がここにいるのは、文香がこの道を選んだからだ。それは俺の功績じゃなく、文香自身が誇るべきことなんだ」
文香「……でも……」
P「そうだな……文香がアイドルとして輝きだして……トップアイドルにまで上り詰めたら……その時は胸を張って自慢するよ。『俺が見つけたアイドルだ!』、って」
文香「……わかりました……」
文香「……プ、プロデューサーさん……!」ジッ
P「は、はい!」ドキッ
文香「……まだまだ新米のアイドルですけれども……私、せめて顔を上げて……こうして……目を見てお話できるように頑張ります」
文香「だから……これからも、よろしく、お願いします……!」
P「——ああ!」
文香「……ところで、プロデューサーさん……」
P「ファッ!? な、なに……?(あれ? おれ今すげー爽やかに締めたはずなんだけど……)」
文香「……晴くん……晴ちゃんは、カワイイですよね?」
P「えっ、ああ、うん。応募は親父さんからだけど、晴の写真を見てイケる! と思ったのは俺だし、カワイイと思ってるよ」
文香「……なおかつ、カッコイイですよね?」
P「ボーイッシュなところのも売りだしな……そっちの路線でも活躍できる逸材だよ」
文香「なるほど……なるほど……」
文香「……うん……うん……」
P「?」
文香「……分かりました」
P「えーと、何が?」
文香「晴ちゃんでもいいです」
P「……ハイ?」
文香「女の娘でもいいです」
P「あはははははははは!」
文香「……? プロデューサーさん?」
P「……そんな『え、うどんないの? じゃ、そばで!』くらいのノリで気軽にバイ宣言されてもPちゃん困っちゃうにぃ……」
文香「私……気づいたんです……男の子でも……女の娘でも……晴くんは晴くんだって……!」
P「違うんですけど……そういう一見カッコ良さげな台詞はこういう時に使ってほしくないんですけど……」
P「……ふみちんさん、あなたはさきほどこの恋は純愛だ、ぷらとにっく・らぶだとおっしゃいましたよね……」
文香「はい……」
P「女の子同士でぷらとにっくというと、手をつないだりとかそういう軽いスキンシップでも満足だということですよね?」
文香「え……違います」
P「はい?」
文香「えっちぃことしたいです。晴くんと」
P「ハーイ! じゃない、違う! 衝撃的すぎて思わず幼児退行してしまった!」
P「さぎさわぁっ! お前はT○LOVEるなんか読んでばっかりだからそんな娘になってしまったんだ!
辞書持ってきて、ぷらとにっく・らぶの意味を調べるんだ! 今すぐ! ハリアーッ!」
文香「私のことは悪く言ってもT○LOVEるのことは悪く言わないで下さい……!」
P「どんだけ矢○先生心酔してんの! キミの教祖か何かか!」
文香「バイブルです……T○LOVEるだけに」
楓「ふふっ……」
P「たかがきぃっ! ——クソッ、逃げられた!」
ガチャッ
晴「ロリコーン、まだいんのー? P○P忘れたー……って文ねーちゃんも、まだいたの?」
P「誰がロリコンじゃわりゃこんクソガキャ」
文香「晴くん……ちょうどいい所に……」
晴「へ?」
文香「晴くん……私のこと……好き……ですか……?」
晴「な、なんだよ急にそんなこと!」
文香「答えて下さい……大切な……ことなんです……」
晴「ねーちゃん……」
晴「——うん、好きだよ。文ねーちゃんやさしーし、一緒にいるとたのしーし!」
文香「……! 晴くん……ありがとう……」
文香「私も……晴くんのこと……す……好き……です……」カーッ
晴「へへっ、なんか恥ずいな……」
文香 クルッ
P「お?」
文香「愛があれば……大丈夫……!」オヤユビグッ
P「大丈夫、じゃねー!!」
文香「それじゃあ、晴くん……一緒に帰りましょうか……」
晴「うん! ——じゃーなー、ロリコーン」
文香「プロデューサーさん……それでは……失礼します……」
ガチャッ
P「ま、待ちたまえ! ふみちん、はるちん! まだ話は終わって——」
バタンッ……
P「あ……」
ナニカタベテカエリマショウカ マジデ? ヤッター! フフフッ ハハハッ
P「………」
P「う〜ん……」
P「う〜〜ん……」
P「う゛〜〜〜ん……」
P「………」
P「もう、いっかー♪」フレデリカー
P「〜♪」クネクネ
P「プンプンププーンプンププー、プロデューサー♪」クネクネ
プンプンププーン プロデューサー♪
……ププーン ……デュー……
………ン …………サー……
………
……
…
おわり
やっと終わりました……さぎさわさんがこんなに長くなるとは思いませんでした
最後はのあさん成分ゼロになってしまったので、もしまとめていただける時は、
「のあさん」と「さぎさわさん」で分けていただけると嬉しいかなーって……
次回からはちゃんと完結させてから投稿するようにします。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
『おまけ』
時事ネタをひとつ
みく「〜♪」コツコツ
蘭子「〜♪」カツカツ
みく→ ♪〜○>
<●〜♪ ←蘭子
みく「〜♪」コツコツ
蘭子「〜♪」カツカツ
♪〜○>
<●〜♪
蘭子『やみにのまれ……にゃん♪』
みく「!? にゃ、にゃあああああ!!!」ガクッ
蘭子「き、機関の攻撃か!?(ど、どうしたんですか! みくさん!)」
みく「あっ……ああ……ら、蘭子チャン……? い、今の声は一体……」
蘭子『ニャッハハハハハ! 我が名は、『神崎にゃん子』! 愚民どもよ、我にひれ伏すがいいにゃ!』
みく「に゛ゃっ……! に゛ゃ゛っ、がぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ガクガクブルブル
蘭子「猫の者よ!(みくさん、しっかりして!)」
みく「……ハッ、ハハッ……情けないにゃ……みくとしたことが、ありもしない幻聴や幻覚にうろたえるにゃんて……」
ゴソゴソ
蘭子「!(そ、それは……)」
みく「こんなものに……頼らないといけないにゃんてな……」
ザッザッ
みく「うっ、ぐっ……」
蘭子「禁断の白き氷錠……!(フ○スク……)!」
みく「ポリポリポリ……へへっ、口の中がスースーしやがるにゃあ……」
蘭子「恐ろしきはその胆力よ……!(一度に、あんなに……!)」
みく「……ふう、落ち着いたにゃ……」
スクッ
蘭子「猫の者よ!(みくさん、まだ立っちゃ……)」
みく「蘭子チャン……迷惑かけたにゃ……みくはもう行くにゃ……」
<○……
<●……
クルッ○>
<●!
みく「蘭子チャン……まずは、シンデレラガール、おめでとうにゃあ……」
みく「だけど……次のその座につくのは……ウチや」
蘭子「!」
みく「それまでその席……預けておくで……」コツ コツ コツ コツ……
ユメヲ ハタスマデ イッポモ シリゾクニャ……
マケタト オモウマデ ミクハ マケニャイ……
蘭子「猫の者よ……(前川さん……)」
のあ(強くなるのよ、みく……)
頑張れみくにゃん! 負けるなみくにゃん! シンデレラガールになるその日まで!
【シンデレラガール神崎蘭子リミテッドガチャ】絶賛開催中!
ノシ 画像兄貴、ありがとうございました
OVAまで扱うと収集がつかないにゃあ……
三点リーダのせいでテキスト量が無駄に増えちゃうんだにゃあ
このSSまとめへのコメント
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