魔王「魔王らしく世界を征服しよう。なんちゃって」(308)

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1464265278/l30

魔王「魔王らしく世界を征服しよう」

エルフ族長「伝令!!!!」

魔王「なんちゃって」

ダークエルフ族長「エルフ族長!!やるのか‼」

魔王「いや………じょ、じょうだんだよ?」アセアセ

エルフ族長「そ、そうですか…………残念です」トボトボ
ダークエルフ族長「泣くな、惨めになる」

魔王「…………」(えっ……私が悪いの?)

平和な日々

魔王子「おぎゃああああ!!」

魔王「あっ……えっと。お腹すいたのかな?」

魔王「はい……ご飯ですよ」

胸を出す

魔王子「ん」

魔王「大きくなるんだぞ~」

魔王「………本当にかわいい」

魔王「うんうん。女になって良かった」

魔王「母乳出るのは変な感じだけどね」

ずっと続けばいいなぁ

だだだだ!!

エルフ族長「魔王さま!!!」

魔王「はーい」

エルフ族長「あっ!!授乳中でしたか!!!」

魔王「気にするな。はい、ごちそうさまね」とんとん

魔王子「げっぷ」

魔王「はい、良くできました」

魔王「で、何でしょうか?」

エルフ族長「帝国と連合国が!!我が国を攻めるようです‼」

魔王「!?」

魔王「………盲点だった」

エルフ族長「はい………今までが平和過ぎたのです」

魔王「乳母を呼べ………」

エルフ族長「はい」

魔王「…………………休ませてはくれぬか」

魔王「」

人間の女神が消えても

世界は纏まりがないままだった

人間の女神なぞ関係なく

帝国は牙を
連合国は爪を研いでいた

浅はかだった

勇者という者がヒントだったことを

忘れていた

男状態の魔王では出来なかった

現魔王が導く

新しい物語

魔王「勇者が言ってたな………魔王がいなくなれば、帝国が動く。誤報でもないでしょうね」

魔王「エルフ族長は居るか‼」

エルフ族長「はい!!」

魔王「今から3時間後にこの近くにいる族長だけで軍義を行う」

エルフ族長「3時間後………そんな時間をかけられますか?」

魔王「………じゃぁ今すぐ。集まったら。余を呼ぶでいい?あと有力者も」

エルフ族長「はい!!畏まりました」

3時間後は昔、男だった時に緊急で集まるために要した時間

1時間後

エルフ族長「揃いました」

魔王「…………うむ」

軍義に赴く。場所は城の玉座がない間
いつのまにか会議室になっている

有効利用だろう

兵士に扉を開けてもらう

玉座の間
扉の外からは談笑が聞こえていたのが扉を開けた瞬間静まる

一様に胸に握拳を当て真っ直ぐ立つ

誰一人動かない
呼んだのは初めてだったが

魔王(お、おう………ひ、ひくな。我は魔王であるぞ)

自分の席の前にたつ

魔王「す、すわってもいいぞ?」

ざっ!!

魔王「…………」

めっちゃ規律正しい

エルフ族長「………」

一同「………」

魔王「………」

エルフ族長「魔王さま……一言」

魔王「あっ………すまぬ。皆、忙しい中集まっていただきありがとう!!あと!!!お前ら固い!!やりずらい!!」

エルフ族長「無理です‼魔王さま!!偉大すぎなので無理です‼」

魔王「泣く」

エルフ族長「皆!!休め!!」

ざわざわ

魔王「はぁ………うん」

魔王「えーと。帝国に我が国を攻める兆候があった」

魔王「故に集まってもらった」

ダークエルフ族長「質問いいですか?」

魔王「ん?」

ダークエルフ族長「それは確かでしょうか?」

魔王「わからぬ。が!!勇者が現れた事が事実。暗殺未遂に終ったが………諦めていなかった。そういうことだ」

トロール族長「あの!!………戦があると言うことですか?」

魔王「もちろん」

ざわざわ

魔王「故に軍義だぞ………さぁ議論してくれ」

魔王「どうする?」

皆が騒ぎ出す

どうすればいい

守るか攻めるか

皆が熱く語り合う

魔王「ふふ………」

魔王「めっちゃくちゃかなしい」

エルフ族長「えっ?」

魔王「なんで、男だった時より会議で討論するし、集まりもいいし、熱心だし………」

魔王「ショックが大きい」

エルフ族長「………それだけ。魔王さまが良くなったと言うことです」

魔王「………愚痴る。お前ら!!少しは昔の時頑張れよ‼」

ダークエルフ族長「仕方ないね」

魔王「………はぁはぁ。よし」

魔王「昔は水に流したぞ‼」

魔王「それよりも………決めた………」

魔王「今から………我が指示する‼」

魔王「とにかく今は情報を集めよ‼」

魔王「帝国の出方を探れ!!」

魔王「そして………もしも本当に戦が始まるなら」

魔王「一同!!着席!!」

ざっ!!

魔王「………もし。死にたくないやつは席を外せ」

魔王「許す」

誰一人動かない

魔王「ふぅ………いいのだな」

魔王「私はこの国が好きだ。それに子供もいる」

魔王「だから………私は立ち上がる」

魔王「我が子孫のために!!私は戦う!!ついてくるもの達よ!!意思は固いか!!」

一同が叫ぶ

魔王「なら………お前らの命を私に預けよ‼守るぞ‼我らの国を我らの手で!!!」

おおおおおおおおおおおお!!

魔王「では!!解散!!意思を見たかっただけで呼んだ。次回はしっかり話し合おう!!」

解散する

寝室

魔王「はぁ……もう。男の時に苦労した纏まりが一瞬で………」

エルフ族長「いい演説でした。今、情報を集めさせています」

魔王「豚屋とドラゴン商会に伝言」

エルフ族長「何でしょうか?」

魔王「戦争が始まるからよろしくって」

エルフ族長「?」

魔王「ふふ………仲悪いだろうけど。商売人だからね」

帝国領内

皇帝陛下「魔国への出兵はまだか?」

黒騎士団長「まもなく」

皇帝陛下「早くせい」

黒騎士団長「はい………おおせのままに」

皇帝陛下「さぁ………しゃぶってやろう。魔族どもを………はははは。げほげほ」

黒騎士団長「……………」

皇帝陛下「くくくく………」

魔王の寝室
赤子をあやす

魔王「よしよし」

愛の女神「帝国が動いちゃったわね」

魔王「………そうだろうね」

愛の女神「そう、なにも変わってない。表面は」

魔王「お姉さま。確かに変わってないですけど」

魔王「魔国は変わりました」

愛の女神「そうね………どうするの」

魔王「力は使いません」

愛の女神「………」

魔王「神は平等に。ですが……魔王として」

魔王「生きれるとこまで生きます」

愛の女神「わかった。手伝わない」

魔王「はい」

愛の女神「がんばれー応援してる」

魔王「それも不公平な気が?」

愛の女神「あなたが統一すれば不公平はなくなるよ」

魔王「統一はないです。種族で国がある方が自然ですから」

エルフ族長「情報出ました!!すでに皆が集まっております姫!!」

魔王「行ってくる。北の国に」

愛の女神「うん、子供は預かった」

魔王「ばいばい」

魔王子「きゃきゃ」

魔王が歩き出す
魔王として

玉座の間

魔王「情報を発表する」

皆が固くなる

魔王「帝国と連合国の軍隊が攻めてくる‼」

魔王「全戦力を投入すると言われている」

一同に激震が走る

魔王「相手は本気で蹂躙しに来る」

魔王「これが決定事項だ」

魔王「そして……攻めてくる砦は中央!!スパルタ国に隣接する砦だ!!!」

玉座の間に重々しい空気が流れる
私は………皆が不安がっていることを知っている

魔王「危機的だ。でもな………私は信じてるよ」

魔王「あなたたちを」

空気が和らぐ

魔王「では………軍義を始める!!」

勢いよく声を張り上げる

昔を思い出しながら

魔国を統一した日々を

魔王「その前に………自己紹介しよう。戦友なるんだから」

トロール族長「トロール族長!!父に替わり!!一族をまとめました!!」

サキュバス族長「サキュバス族長よ。過去のサキュバス族長は………まぁ察っして」

オーク族長「オーク族長。拳闘志だったが父の犯した罪を償うため。馳せ参じた」

妖精族長「妖精族長。イフリート族だ………新しき魔王のために傘下になった新参だ」

エルフ族長「エルフ族長。森の引きこもり以外のエルフを束ねている」

ダークエルフ族長「ダークエルフ族長。魔国軍を一括で管理している」

そして……種族づつ族長が名乗りをあげる

魔王「…………ふむ。では私だな」

「いまさらですね」

「ははは………知ってるよね」

魔王「北の国の王!!勇者の伴侶であり!!この国の代理王!!魔王だ!!」

エルフ族長「ちゃっかし代理王言ってますが他の王は認められません」

一同「そーだそーだ」

魔王「………はい。魔王です」

くすくす

エルフ族長「っというわけで。命令を‼」

魔王「え~」

エルフ族長「そこはきっちり決めてください‼」

ダークエルフ族長「姫!!………あなたが発言しないとまとまらん」

魔王「お前ら!!依存しすぎだぞ!!!」

一同「魔王に捧げる我らの魂!!!」

魔王「お、おう」

魔王「では……こほん」

魔王「先ず!!ドラゴン商会!!豚屋」

ドラゴン商会とは、新しく結成したヘルカイトと言うドラゴンの元に集まった魔物の集団
そして運送屋と商売屋である

豚屋も運送屋兼商売屋であり。陸路を海路を得意とする。

空輸は量が少ないが早く安全である
陸路は遅いが大量に運べる。危険性もあるが………狼の魔族長が守っているのであまり気にならない程になった

ライバルである

ドラゴン商会の長は前はヘルカイトだが。ドラゴンの寝城から一歩も出ないため。ドラゴン商会の長は別になった。黒龍らしい

豚屋はオークの店長が実権を持っている

豚屋「おい………鳥。俺が呼ばれたんだ」

ドラゴン商会「おい……地をはってこそこそしてろよ。俺が呼ばれたんだ」

そして、ライバル会社同士である

魔王「静かに」

ドラゴン商会「怒られたじゃないか!!」

豚屋「うっせ!!黙れ」

魔王「おい!!静かに‼今は有事……喧嘩は平和になってから今は………目を瞑り協力すること」

豚屋「で!!なんでさぁ!!姫!!」

魔王「スパルタ国の砦に物資をありったけ集めて。籠城をする。ドラゴン商会!!ドラゴンで意思伝達を速やかに‼ヘルカイトには戦争参加は?」

豚屋「は!!」

ドラゴン商会「はい!!ヘルカイト様は私たちには参加してもよいと!!」

魔王「わかった。ありがとう」

ドラゴン商会「いえいえ。ドラゴン商会よろしく」

魔王「うむ。では………二人には後方支援をしっかり頼む」

ドラゴン商会「ありがたき幸せ」

豚屋「へっへ………姫。約束ありがとう。楽しいぜ……本当に宿敵もいるしな」

魔王「うむ。ではもう行動に移せ‼」

魔王「次は‼エルフ族長!!城の守り、治安維持、資金を集めよ‼」

エルフ族長「はい!!」

魔王「ダークエルフ族長もエルフ族長一緒に」

魔王「後は………」

ひとりひとり配置していく
しかしスパルタ国の前線には誰も配置しない

魔王「質問は?」

妖精族長「代表して自分が」

妖精族長「前線には誰が行かれるんですか?」

魔王「…………えっ?」

一同「えっ?」

議事録には魔王を説得する言葉が多く残った

魔王「私が行くぞ?前線の指揮は私がやるよ」自分を指を指す

一同「ええええええええ!!!!!」

全員で説得

エルフ族長「姫さま!!あなたは自分の立場をわかってない‼」

ダークエルフ族長「姫!!私が替わりに!!」

魔王「行くと言ったら行く!!」

魔王「皆、命令したんだし早く行けよ‼兵は神速を尊ぶ!!」

エルフ族長「いやいや!!」

「考えて!!姫さま!!総大将が前線は立たないでしょ‼」

魔王「バカが!!」

一同が静まる

魔王「命を張って戦うのに!!自分だけぬくぬくするのはおかしい!!!それに誰が功績あげたか一目で見れる場所だぞ‼」

魔王「お前らだけに前線で戦わせない!!私はお前らの推薦で嫌々だろうが魔王だ!!」

魔王「期待に背くことはしない!!」

魔王「お前らが自分で命を捧げる言ったら!!自分が捧げないでどうする!!」どん

皆が静まる

エルフ族長「しかし………」

ダークエルフ族長「俺にやらせてください‼」

魔王「はぁ………お前ら……使命を言い渡したろ」

魔王「全うせよ。我が臣下ならな!!全できる者だけ前線に来い!!」

「むちゃくちゃだ………」

「くっ………命令は絶対」

魔王「では!!最後に!!質問は?」

「四天王復活は?」

「側近等も用意するべきでは?」

魔王「四天王について。側近については設けぬ」

魔王「理由は……皆大切な臣下だ」

魔王「平等にだ。それにお前ら」

私より強いか?

………………

誰も答えない

魔王「そういうことだ。私を倒せたら四天王や側近を設けてやろう」

一同(あっ在位中ないわこれ)

魔王「これで軍義を終わる!!解散!!」

エルフ族長「起立」

魔王「お、おう!?」

エルフ族長「国家斉唱!!」

~~~♪

魔王「!?」

エルフ族長「では……皆のもの!!かかれ!!」

魔王「エルフ族長?」

エルフ族長「はい?」

魔王「めっちゃ規律が凄いんだが?」

エルフ族長「ははははそりゃ……姫の忠義の賜物です」

魔王「……………私ってすごいの?」

エルフ族長「い、今さらですね!?」ずっこけ

魔王「まぁいいや………精一杯魔王を演じてやろう‼」

エルフ族長「あ、ありがたき幸せ」鼻血

魔王「お、おい!!大丈夫か‼」

エルフ族長「い、いえ……かわいいなっと」

魔王「ははは褒めてもなにも出ぬぞ」ニコニコ

エルフ族長(ファンですのでその笑顔で……満足です)

魔王の寝室

白いドレスのような鎧を見る

昔、勇者に作ってもらった白金の姫騎士鎧

今思う

魔王「めちゃめちゃ目立つなこれ!!」

白いし、私が姫だって戦場でわかる

魔王「まぁでも………目立っても私を護る自信があなたにはあったのね。ふふふ、愛を感じれて好き」

勇者を想う。今は北の国に引きこもってもらっている。我が子と一緒に

魔王「私が死んだら。勇者がいるもんね」

魔王「よし!!!!」

鎧を着る。そして口笛

ドレイク「姫、グランドドラゴンここに」

ドレイク。ドラゴン違い地を走る小型のドラゴン
に擬態している。翼をもがれたドラゴン
拾ったら………実は名のあるドラゴンだった
犬の鳴き声で誤魔化してたらしい

ドレイク「久しぶりに背に乗るか?姫」

ベランダにドレイク
それにまたがる

魔王「ふふ。ええ………また戦場をかけめぐるよ」

ドレイク「それは……楽しみだ」

魔王「うん。よろしくドレイク」

ドレイク「任せろ!!」たん!!

寝室から降りる

すちゃ!!

魔王「では……スパルタ国の砦へ‼」

ドレイク「へ!?」

魔王「ほら行くぞ~」

ドレイク(い、いいのか?いいのか?)

魔王「どうした?」

ドレイク「わ、わかった行こう…………」

数時間後
少し族長たちが混乱したと言う

ある族長が納める地

トロール族長「ただいま!!父上」

トロール「おう………おで………のこ。がんばてる」

トロール族長「頑張ってるよ!!それより父上が言っていた魔王は凄いな!!前線で戦うって」

トロール「!?」

がんっ!!

トロール族長「父上!?!?な、なに押さえつけて‼」

トロール「ぬげ……鎧貸せ」

トロール族長「わ、わかった」

トロール「よし………むかう………」

トロール族長「え!?」

トロール「おで!!……ひめ……のもとへ」

トロール族長「ちちうええええ!!!」(父上が!!!!)

北の国

勇者「…………」

愛の女神「戦が始まりますね」

勇者「魔王の元へ行きたいが」

勇者「子は置いていけぬ」

愛の女神「………今はいかない方がいいです」

勇者「そっか……信じているし」

勇者「気が向いたら俺だけで行くさ」

愛の女神「そうですか!!!楽しみです。おやつ」

勇者「始末しようかな……こいつ」

愛の女神「おやつ言って悪いですか?」

勇者「不謹慎だ」

愛の女神「そうですか?大丈夫です!!女神を倒した一人ですから」

勇者「油断はだめなんだがな」

遠くを見る

勇者(………まぁもしも)

魔王が死ぬなら………帝国を滅ぼしてもいいかもな

スパルタ国の砦
四角い石壁に囲まれた、小さい町のような場所である。非常に堅牢であり重要な拠点でもある

魔王「門を開けよ」

「姫さま!?」

魔王「あっ……やっぱいいや。ドレイク跳べ」

ドレイク「えっ……まぁ」

しゅっ

すたっ

魔王「ふぅ……ついたな」

ドレイクから降り
周りを見渡す

兵が驚いている

魔王「………砦の長は?」

砦長「私です」

砦の中を眺める
小さい町と言うように家が並び外壁で守られた集落とも言える場所
人間の商人等も見られ出店も多く、小さい都市の機能も持っていることが伺える

そして
砦の長っと言った者が手をあげる

砦長「ちょうど警備していた所ですが」

砦長「非常に怪しい者を見つけました。兵士!!引っ捕らえろ‼」

魔王「えっ!?」

ドレイク「………」

砦長「ここは魔国の国境。最前線であり………こんな、ところへ。わざわざ姫が一人で、お出にはならない!!偽物よ!!」

ドレイク「ですよねぇ………」

5人の亜人の兵士が剣を構える

獣人族なのか5人とも耳が生え
屈強な体をしている

魔王「えーと……………えーと…………証拠になるもの……証拠になるもの」小さい旅袋の中身を探る。

ドレイク「姫、降りてくれ」

魔王「は、はい………よいしょ」

ドレイクから降りる。周囲に人だかりができ。皆が私たちを見る。

ドレイク「…………はぁあああ!!」

ずんんんんん!!

ドレイクが膨らんだと思えば
一体のドラゴンが現れ
人だかりが悲鳴をあげる

砦長「な!?ドラゴン!!」

騎士の鎧を着込んだ彼を見ても驚いた表情が読み取れない。しかし、一歩後ろに下がっている

ドレイク「グランドドラゴン……我が姫のペットだ」

魔王「えっ!?ペット!?ペットだなんて思ったことないよ‼」

ドレイク「まぁ騒ぎを起こしたことはすまない。だが引っ捕らえるなら………暴れるぞ」

魔王「元に戻って………騒ぎが」

からだが縮み元のドレイクの姿に
しかし、町が喧騒に飲まれる。兵士も騎士も現れてもみくちゃに

砦長「…………そうですか。剣を納めよ」

砦長「確かに、姫でなければこんな化け物をペットだなんて言いません」

魔王「ペットじゃない!!ペットじゃないから‼」

砦長「しかし、砦を任された者なので。身分がわかるまで拘留させてください………もし、本当でしたら処罰を受けます。今は大事な時期です。商人も厳選しなくてはなりません………」

魔王「………郷に入れば郷に従えか。わかった」

砦長「………すみません」(スパイかもしれない……姫を語るサキュバス………わからない)

拘留されることになった

拘留される場所は牢獄
ジメジメした石煉瓦を歩く

ガチャン

囚人が寝泊まりする場所。しかし、何故かトイレは綺麗だ

砦の長「すいません。ここでおとなしくしていてください」

魔王「ええ」

牢屋の扉を開け
鉄格子の中へ進む

3人の兵士が牢屋の前の椅子に座る
監視だ。それも3人

くたびれたベットに座る

魔王「………」ふわっ

小さい窓がある。そこから風を取り込み
湿った空気を入れ替える
それと同時に風に乗せる

数分後

がちゃ

窓から袋が投げ入れられた。それをベットに広げる。商会のマーク、買い物

兵士「………」(咎めるべきか?)

兵士「おい!!一体何をしている‼」

魔王「文を書きます」

魔王「決めなくてはならない」

兵士「?」

魔王「ごめんなさい。秘密です」

兵士(落ち着いている。絶対この人は魔国の重要人物だぞ?)

ベッドの上で道具を広げる
インクと羽ペン……そして私を示す。太陽のメダルにサイン

一通り書き終える
封に入れ

封蝋用のロウソクで封蝋を施す

4通
北国
マクシミリア家
時計塔の都市
スパルタ国

魔王「よし」

窓に置く

その手紙を誰かが持っていく
届けてくれるだろう。仕事だから

魔王「では、待ちましょうか………砦の長さんは調べてくれるのでしょう」

兵士「は、はい………」

魔王「それでは、ここで休ましてもらいます」

魔王「やることはやりましたので」

窓を眺める。蒼い空に大きな影が過ぎ去っていく

魔王「………どうなるでしょうね」

今日の帝国の空は曇っていた
その中、城へ俺たちは集まる

室内
じめっとした空気のなか誰一人声を出していない

集まっているのは帝国を牛耳る騎士団

北騎士団、東騎士団、南騎士団、西騎士団

帝国の四方向を牛耳る者たちだ

そして、帝国城だけを護る。独立した黒騎士団

帝国の戦力が集まっている

5人

円の机に5人
にらみ合いが続き
部屋が重々しい空気は続いていく

しかし、ある男が声を出し沈黙を破る

黒騎士団「王は………出兵を望んでいる」

南騎士団「へへ、そうだな」

北騎士団「…………」

東騎士団「出兵か………今、魔国は非常に混乱していると聞く」

西騎士団「俺のとこにもそんな情報があるな」

黒騎士団「…………」

がちゃ

兵士「皇帝陛下さま!!どうぞ!!」

起立、そして、礼

豪華なマント、服を身に包み現れる

皇帝

この国を統べる者。体は老いても
力強さが衰えることを知らない

皇帝「軍義を始める」

会議室に重々しい言葉が投げられる

皇帝「魔国出兵はまだか?」

南騎士団「皇帝陛下。まだ、時間がかかります。規模が規模です。それに決めていただきたいことがあります」

皇帝「ふむ………なんだ?言え」

北騎士団「前線は誰がいくかです。それと諸外国の動きを」

東騎士団「あと、変な宗教が生まれております」

皇帝「わかった………」

南騎士団「先陣なら私に!!出兵の全指揮官をさせてください‼」

黒騎士団「…」ちら(金や色々な小細工で成り上がった騎士団長か。欲を出したな)

帝国「よかろう‼」

一同「!?」

南騎士団「ありがたき幸せ!!」

皇帝「連合国指揮官を命ずる。出兵し、魔国を食え」

南騎士団「はい!!!」

皇帝「連合国家は従属したな」

黒騎士団「はい。謀反を企て、ボロボロになり。国通しが纏まりません」

皇帝「教会を焼き討ちしろ。あと、新しく帝国k皇帝が神と言う宗教を広めろ」

西騎士団「その、任は私が」

皇帝「今、魔国は連合国と同じバラバラぞ」

皇帝「勇者よって、魔王が3回変わっている」

皇帝「今の動乱のうちに片をつけよ」

一同「はい!!」

皇帝「他国に加われと命令を出せ」

皇帝「北東西騎士団は仕事が終わり次第前線へ向かえ‼黒騎士団は………まぁなにもせんでええ」

皇帝「では!!軍義を終わる」

起立、礼

皇帝陛下が去る

部屋に騎士団だけになる

南騎士団「くくく、黒騎士団。なにもするな」

黒騎士団「仕事がない方はいい」

南騎士団「へっ………じゃ!!戦に準備で忙しい」

南騎士団「皇帝陛下の夢のために……」(そして俺のために)

黒騎士団「ああ………」

西騎士団「私も、邪教を成敗しなくてはな」

北騎士団「私も手伝おう」

東騎士団「南騎士団!!くれぐれも皇帝陛下に泥を被せないようにな‼」

南騎士団「ははは………おまえらこそ」

黒騎士団(………皇帝陛下が居なかったら纏まらない。各々が大将だからな)

故に軍義前は誰も喋らない
纏まらない……いいや。罵るだけだ

騎士団が速足で部屋を抜ける
黒騎士団「はぁ………誰も俺の忠告を聞かないだろう………そう、誰も」

帝国内教会

「い、命だけは‼」

西騎士団「切れ」

ザシュ

帝国領内で教会に居た人間を手当たり次第見せしめに殺す。

火を放ち、逃げてきたものを捕まえる

「女は引っ捕らえろ‼」

「男は磔だ」

小さい教会が音を立てて壊れる
炎の中に遺体を投げ込む

血まみれになった鎧で女を担ぐ

西騎士団「女は好きにしろ」

「はい!!」

「おい!!こい!!」

西騎士団「帝国のために」

教会を後にする
まだ、たくさんある

早くして前線に合流しなくては

南騎士団に功をすべて奪われてしまうのを

他の騎士団は嫌がる

帝国領内で宗教は鳴りを潜める
そして、南騎士団が出兵の準備を行う

諸外国に文を送り参戦を促す

しかし、断っても……断らなくても

魔国の次は

諸外国を目指す

スパルタ国の砦
牢屋

廊下に足音が響いている
紅茶を飲みながら聞き耳をたてる

兵士「こ、こちらです」

魔王「ん?」

表れたのは耳がとがったエルフ
男の癖に長い髪

エルフの族長が驚いた顔をしていた

エルフ族長「魔王さま!?」

魔王「はい。魔王です」

エルフ族長「今!!鍵を開けます‼何故こんなことに!!」

タタッタタ!!走ってくる足音

砦の長「エルフ族長さま!!本当に!!本当ですか!!」

エルフ族長「お前ら!!!魔王さまを知っていただろう‼」

砦の長「私たちはその……政変が起きる前の男の魔王さまが復権されたと聞いていましたが。申し訳ございません。兵には何も罪はありませぬ。私を処罰してください」(絶世の美少女に変わりすぎて変わりすぎて……物腰も女………過去の魔王様はとは違いすぎていた)

エルフ族長「追って処罰を下す!!」

魔王「待ちなさい処罰は我が決める」

エルフ族長「姫を捕らえる狼藉です!!厳しい物で………」

兵士たちが固唾を飲む

魔王「砦の長、お主をここの砦の主として帝国から死しても守りきれ。それが処罰だ」

エルフ族長「姫様!?」

魔王「文句はないだろ?砦と共に死ねと言う処罰だ」

エルフ族長「いや、しかし……」

魔王「砦の長。顔をあげよ」

砦の長が驚いた顔を見せる

魔王「非常にいい働きぶりだ。帝国の動きを判断し我を怪しみ捕らえた仕事。責任感。天晴れである」

魔王「故に処罰は軽いものとする。今後も働きを期待するぞ」ニコニコ

砦の長「はは!!………ありがたき幸せ」(変わりすぎている。大きく大きく)

砦の長「処罰を受けます!!………帝国から命をかけて守りきって見せます‼」(この人のために頑張りたい!!)

兵士たちが砦の長に集まり安堵する
そして、敬礼

魔王「さぁ……持ち場につけ。時間はないぞ」

皆がその場を後にした

エルフ族長「………」

魔王「すまんな………迷惑かけた。ごめん」

エルフ族長「いいえ、素晴らしい采配でした」

エルフ族長「姫様こちらへ………作戦司令部を設けます。私は自分の仕事が終わり、信用に値する部下を配置していますのでここへ来ました。他の族長も来るでしょう…………抜け出されてビックリしましたよ」

魔王「いてもたっても居られなかった。まぁ良いものを見たがな………うむ」

一歩

振り向く

魔王「エルフ族長!!作戦司令部を作る前に話がある」

エルフ族長「なんでしょうか?」

魔王「魔国の同盟者はいないと思え。北国だけである。知り合いと剣を打ち合うだろう………覚悟しとけ」

エルフ族長「やはり…………はい。人間ですから。致し方ないでしょう」

魔王「一応文は送った。これが模写だ」

エルフ族長に手紙の内容を纏めたものを渡した

エルフ族長「ダメです!!!」

魔王「………」

エルフ族長「スパルタ国へ、敵国に入って行くなど」

魔王「敵国になるかわからんけど中立で居て欲しいだけを伝えるよ。まぁうまく行くかわからない」

エルフ族長「伝令の任!!私が!!」

魔王「ダメ。知己に会いに行くだけだ。大丈夫」

エルフ族長「…………話を聞かないですよね」

魔王「ふふふふ、夫に似たのよ。変わり者って」

エルフ族長「わかりました。くれぐれも気を付けて」

魔王「ええ、作戦司令部にいい報告できるといいわね」

エルフ族長「帰ってくることがいい報告です」

魔王「善処します」てれてれ

エルフ族長(はぁ………)

エルフ族長(言っての聞かないですよね………)

エルフ族長(しかし)

魔王「~♪」

エルフ族長(本当に無茶苦茶だか……男の様な芯を持っている。外交もされる)

エルフ族長(………ならば。私は私の仕事を全うしましょう)

姫は鼻歌を唄いながら歩く
じめっとした廊下だったが………今は爽やかな風が流れていた

時間が流れスパルタ国城の一室

王の寝室

幾多の優勝旗。幾多のカップ
ベルトが飾られている

それ以外は武器を飾っている
城下町を窓から眺める筋肉隆々とした男がため息を吐く

スパルタ王「…………はぁ、宝玉」

スパルタ王の言う宝玉は勇者から頂いた宝玉内で決闘ができる宝具。使用しすぎは魂を傷をつけるため……取り上げられてしまった。

スパルタ王「まぁよいか」

トントン

スパルタ王「入れ」

一人の筋肉隆々とした兵士が文を持って入ってくる

兵士「帝国の使者がお見栄です。そして、これが親書です」

スパルタ王「魔国の次は帝国か………」

内容は参戦希望。読み破く

スパルタ王「使者に伝えよ決闘する」

兵士「はい!!」

数分後

兵士「申し訳ございません………使者は……その」

スパルタ王「………よい。所詮、伝令」

スパルタ王「追って手紙を送ると伝えよ」

兵士「はい!!かしこまりました!!」

スパルタ王「…………腰抜け。兵士同士決闘もやらぬか」

ドタドタドタ!!

スパルタ王「おい。今度はどうした?」

兵士「魔、魔国から使者が‼使者が‼」

スパルタ王「魔王が使者を送ると書いていたが………帝国の使者と同じなら追い返す。決闘で決めろ」

兵士「そ、それが………その……私では勝てないと思います………申し訳ございません」

スパルタ王「なに!?スパルタ国の兵士が決闘を拒否だと!!誇りはないのか‼」

兵士「あります!!しかし!!王!!!相手が部相応でない………そう、私が決闘するのもおごかましいです!!勝てない以上に相手に失礼です‼」

スパルタ王「誰が来ている!?お前も相当の手練れ……いったい………知っている者か?」

兵士「昔に………勇者とスパルタ王が戦ったあの日の商品として………偽装されてたひとです」

兵士「覚えております………綺麗な髪をもつ者を」

スパルタ王「見間違いでは?」

兵士「白い騎士鎧を纏い。二振りの剣を持ち、綺麗な声で魔王と名乗りました」

スパルタ王「案内しろ!!目で確認する………魔国の王がここに来るなど………護衛は?」

兵士「い、いません」

スパルタ王「なら………偽物だ‼従者を従えて来る筈」

スパルタ王「成敗してくれよう!!!」

王の謁見の間
魔国とは違い玉座がある

スパルタ王「使者よ………呼べ」

兵士「はい」

準備ができ、兵士が扉を開ける。
風が吹き荒れ、窓のカーテンがはためく

魔王「こんにちは。いきなりの訪問ごめんなさい。決闘の宝球はどうですか?」

スパルタ王「魔王!?」

兵士「私は扉の外で警護します」

スパルタ王「う、うむ……すまん。玉座から降りよう」

魔王「いいえ、客人は私でありここの王はスパルタ王です」

スパルタ王「うむ」

スパルタ王「いや……何故、護衛もつけず。いや護衛はいらないな」

魔王「逃げるのにも楽ですから」

スパルタ王「用事は………戦争か?」

魔王「話が速いです。はい」

スパルタ王「帝国からも使者が来た。参戦の申し出………脅しも兼ねてるな」

魔王「い、いいの?喋って?敵国ですよ?」

スパルタ王「ふん。気にしない」

スパルタ王「で、魔国に与しろと?言いに来たのか?」(探りをいれよう)

魔王「他言無用でおねがします。話しても良いですか?」

スパルタ王「ああ」

魔王「私たちは一応、親交してました」

スパルタ王「そうだ。交易も色々な………恩を売るか?」

魔王「いいえ。恩を忘れて良いと申します」

スパルタ王「!?」(考えが読めない!!)

魔王「スパルタ国はスパルタ王の治める国。私たちは他人です」

スパルタ王「………何が言いたい」

魔王「最悪、剣を向けあっても………悔恨を残さずにやりあいましょう」

スパルタ王「敵になれと申すのか!?」

魔王「帝国にも恩があるでしょう。私たちの事は忘れて帝国についても恨みません。それが国を存続させるための判断なのですから」

スパルタ王「…………それを言いに来たのか……わざわざ!!危険を犯してまで!!」

魔王「はい。しかし………もし良ければ帝国に与せずに中立を保っていてくれれば幸いです」

スパルタ王「……………そうか。戦を静観が第一でお願いか。しかし敵になってもいいと」

魔王「決めるのは私ではありませんから」

スパルタ王「……くく。ははははは!!」

スパルタ王「帝国は使者を送って手紙だけで命を投げ捨てろといっている」

スパルタ王「しかし……魔国は王を寄越した」

スパルタ王「兵士!!」

兵士「は!!!」

兵士がスパルタ王の元へ

何か……スパルタ王の深い笑みが

兵士「少し、お待ちよ」

魔王「?」

スパルタ王「遠路はるばる来たんだ。土産ぐらいは用意する」

魔王「ありがとう。ございます」

兵士が小さい金色の宝箱を膝をついて届ける

スパルタ王「受けとれ」

魔王「スパルタ王からの物、大切にしますわ」

スパルタ王「そういえば………魔王」

魔王「はい?」

スパルタ王「男だったよな」

魔王「昔の話です」

スパルタ王「いいや………男だ。胆の座りかたもな………さぁ開けよ男の物だ」

魔王「?」

金色の箱を開ける

魔王「!?」

スパルタ王「ふふはははははははは!!」

スパルタ王がイタズラした子供のように笑う

魔王はそれを手に取る
白い、きれいな………女性物の手袋
ドレスに合いそうなシルクの高級品

そして

スパルタ王「さぁ!!ありがたく受け取った!!兵士!!あと、扉の裏の者たち」

魔王「!?」

どちゃどちゃ
扉に数人の兵士がドミノ倒しになる

スパルタ王「魔王見たさに覗きは罰しないが!!見ただろ‼さぁ!!準備しろ!!」立ち上がり歩き出す

魔王「」

絶句している魔王に歩みよる

スパルタ王「俺は、色々な事は考えるのは苦手だ」

魔王「しかし、決闘なんて………死んでしまう」

スパルタ王「関係ない。魔国の王は腰抜けじゃぁ……ないだろ?」

魔王「女です」

スパルタ王「男だ」

魔王「はぁ………」

スパルタ王が横をすり抜ける

スパルタ王「こい……魔王」

魔王(何故………こんなことに)

スパルタ王「その剣が飾りでないならな」

魔王「わかりましたよ‼わかりましたよ‼」

魔王「手加減します」

魔王「それでいいですね‼」

スパルタ王「いい………が。手加減できなくさせてやる」

兵士「では!!決闘場へどうぞ!!!」

魔王(………エルフ族長ごめん)

コロシアム
城から護衛され兵士に連れられた場所は男の血と汗と涙が染み付いていそうな場所

待機所

ここからコロシアムへ……続くのだろう

兵士「スパルタ王が準備が出来しだいお呼びします」

魔王「うむ。はぁ………でも………」

廻りを見渡す

非常に

魔王「ふふ」

いい居場所だった
闘士達の魂の場所

実は決闘を見るのは好きだ
心が弾む。だから決闘者たちの待合室は何かこう
ファン部屋に来たみたいでちょっとワクワクする

魔王「あーここで皆さん精神を統一してるのね…………あ」

兵士「準備が出来ました」

魔王「わかりました。決めました。やります」

兵士「ありがとうございます。どうぞ……この廊下の先です」

暗がりの廊下を歩く
出口が眩しい

そこをゆっくりゆっくり踏み出す度に
歓声が大きくなっていく

一歩一歩踏みしめる

そして

明かりの中へ

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

膨大な歓声。熱気が包まれていた。

コロシアムの真ん中に仁王立ちする者。拳をうちならしている。

スパルタ王は上半身裸であり。拳にはガンドレットを装備している。筋肉隆々とし、歓声が王を称える物だとわかる

スパルタ王「さすが……魔王。こんだけ晴れ舞台なれているな」

魔王「踊り子でしたから」

スパルタ王「ははは………」

魔王「時間10分でいいでしょ?」

スパルタ王「くくく。いいぜ、剣を抜いたら………開始だ」

魔王「では!!」

魔王が剣を抜き走り出す。
それに応じてスパルタ王も走り出し

コロシアムの中心でぶつかる

剣を振り拳で弾く
体をねじり入れ、拳を繰り出す
拳を避け、剣が振るわれる

攻防を繰り返し、コロシアムに拳と剣を撃ち合う衝撃音が観客を沸かせる

スパルタ王「やるなぁ!!しかし………お前は魔法使い」

スパルタ王「甘い!!」

スパルタ王の動きが俊敏になる。獣のような連撃
剣で凌ぐ。炎が剣劇で吹き飛び。氷が撒き散らされる

魔王「くっ!!!」

ドドド!!

きぃいいいいいいいん!!

魔王「!?」

氷の剣が弾かれ、後方に飛び地面に刺さる。
炎のブロードソードを両手で持ち、拳を凌ぐ

スパルタ王「男の癖に力が弱い‼」

魔王「男扱いしないでください‼これでも経産婦です!!!」

がきぃん!!

スパルタ王「……なるほど。だが!!これでしまい‼」

スパルタ王「ちっ!!」

スパルタ王が避ける。
スパルタ王の居た場所に炎が吹き上げる
そして。炎が鳥の形をとり
魔王の肩に止まる

魔王「魔法使いなら………魔法でお相手します」
スパルタ王「ははははは!!………そうだ。手加減なしだああああああ‼」スパルタ王が走り込む。
魔王が剣を治める。
肩の鳥が手の上に………そして球体
炎の球体が赤から青。そして白く
うねり出す
魔王「避けてぇええ!!フレアアアアア!!!」
魔王が玉を打ち出す!!膨張し膨らみ続け。停止そして………
ピカッ
キィイイイン
しーん
膨大な熱量と光、音量で耳が聞こえにくくなる

観客の前に魔方陣の障壁でまもり
すぐさま魔力に戻す
コロシアムに濃密な魔力の結晶が生まれバラバラになる

バラバラになった結晶が光を乱反射し、ちかちか輝く

スパルタ王「耐えたぞおおおお!!」

スパルタ王「そこかぁあああ!!」心眼

魔王「くふっ!!見えてるんですか‼あの光のなかを‼」

スパルタ王「雰囲気だ!!」

魔王「でも、チェックメイトです」

炎のブロードソードに膨大な炎が纏い。炎の刀身となり、大きな大剣。

それを横にきり払う

スパルタ王「おおおおおお!!」しゃがみやり過ごす

魔王「これも避けるの!?」

スパルタ王「ははははは!!!!楽しい楽しいぞ!!チェックメイトがなんだ?まだまだまだ!!!!」

ピキッ

スパルタ王の拳が魔王の目の前で止まる

スパルタ王「!?」

魔王「ええ、私は確かに言いました」

魔王「スパルタ王」

スパルタ王の足、手などが氷が纏っている
そして、肩に………氷の鳥が止まる

スパルタ王「ははは………氷の剣は魔法の触媒なのだな」

氷の剣が刺さって居場所が凍っている

ピキッピキッ

スパルタ王「しかし、こんなもの!!力で」

魔王「一瞬でも………動けないと致命的です」

バチバチバチ

雷の鳥が空から落ちてくる

スパルタ王「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ビリ

魔王「少しの間、しびれて動けません」

スパルタ王「はぁはぁ………」

氷の鳥が剣を掴み魔王のもとへ
二振りの剣を納める

魔王「では、私の勝ちです。お返事………期待しますよ?」

踵を返し歩き出そうとするが

振り向いた先に兵士が並んでいた

兵士「お帰りは少しお待ちを」

魔王「?」

兵士「スパルタ王がお話があるそうです‼」

スパルタ王の廻りに看護兵が

スパルタ王「回復呪文なぞ悔しいが………今は。もっと重要だ」

スパルタ王「さぁ……新しきスパルタの支配者よ………何をする」

魔王「!?」

魔王が廻りを見る
コロシアムは静かであり
誰一人声を発しない

スパルタ王「王同士が決闘する。負けた方が国を取る。簡単だろ………楽しかったお礼だよ」

スパルタ王が膝をついて顔をあげている

魔王「…………なんでも従うのですね」

スパルタ王「ああ………負けたからな。なんだ?いい面構えだな」

スパルタ王「勇者に教わったからな‼最終的な勝利を………さぁ……俺の勝ちだ」

魔王「皆さん………言葉を待っているんですね」

スパルタ王「ああ」

魔王「わかりました」

魔王が髪をはためかせる

声を風にのせ‼

コロシアムの観客に届ける

魔王「聞け‼スパルタの民よ!!」

魔王「今!!動乱の世の中になりつつある」

魔王「優秀な指導者が必要だ。故に」

魔王「一度だけ命ずる‼」

魔王「スパルタ王!!!スパルタ国を治め!!動乱の世の中を生き抜け‼お前がこの国の王である‼」

スパルタ王「!?」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
コロシアムが歓声で脈動する
王の名前を叫ぶ

魔王「魔王が宣言する。スパルタ王はスパルタ国の王であり!!勇敢なる指導者の元!!未来を歩め!!」

スパルタ王「魔王…………」

魔王「これで元の鞘です」にや

スパルタ王「いいや………抜いたら最後までだ」

スパルタ王「魔王陛下のお言葉の通り!!スパルタ国を治めましょう‼同盟国として!!」

魔王「!?」

スパルタ王「元の鞘には戻さない。俺は見た!!あの女神との戦いを!!」

スパルタ王「故に強いものにしか従わない」

魔王「………はぁ。わかりました」

魔王が歩みよりスパルタ王のガンドレットを外した

スパルタ王「なにを?」

魔王「長年の傷、幾多の戦場と共にした武器」

魔王「新しい物を贈るよりも」

魔王「まだ、一緒に戦う慣れ親しんだ武器の方がいいでしょう」

魔王の手の中のガンドレットが浮く

そして光に包まれ

光が終息

綺麗になったガンドレット。しかし大きい傷はそのままに………すこし光を放つ。女神の烙印が追加される

魔王「ガンドレットに加護と補修をしました。烙印は消えず。解呪されても烙印が加護を続けるでしょう」

魔王「どうぞ」

ガンドレットをスパルタ王に手渡す

スパルタ王「同盟の証がここに。本当に………魅せる。焦がれるな………王に生まれてさえいなければ臣下として尽くしただろう」

コロシアムが沸く

スパルタ王がガンドレットをつける
拳を上げ
叫ぶ

熱気は………収まるびは時間を要し

その日はなにも会議さえ出来なくなった

一夜開ける

スパルタ王の玉座
スパルタ王が座り満面の笑みで話をする

スパルタ王「帝国の使者よ」

帝国の使者「はい!!」

スパルタ王「帝国に与してやろう」

帝国の使者「ありがたき幸せ!!!」

スパルタ王「だが!!帝国の援軍はしない!!我らは我らだけで戦う!!」

帝国の使者「そ、それは!?」

スパルタ王「今から………魔国に攻めいってやろう‼砦を落とす!!スパルタ兵士だけが‼」

帝国の使者「ま、待ってください!!!」

スパルタ王「待たん‼我らの武勇を広めるぞ‼それに使者よ‼お前は帝国に与せよしか言っておらん‼後は自由にする‼」

帝国の使者「そ、そうですね!!」

スパルタ王「帰るのを待たれよ‼砦を一つ土産だ!!」

スパルタ王「兵士!!馬を!!」

兵士「はい!!準備はできております‼」

スパルタ王「出陣だ‼魔国に我が威光を‼」

スパルタ王率いる精鋭301人の騎兵と魔王が出兵する。

他は自国を守る兵士だけが残った。出せる戦力がこれだけである。

使者は急いで帝国に戻った。

スパルタ王と魔王が馬を並べて魔国の砦へ向かう

舗装されていない道
道中

スパルタ王「芝居を打った」

魔王「はい。上手く行くといいですね」

スパルタ王「残したやつらに任せる」

魔王「残らなくていいのですか?」

スパルタ王「戦こそ!!楽しみなことはない!!」

魔王「はぁ………」

スパルタ王「それより………」

スパルタ王「魔王に聞きたい。どうやって女になった?」

魔王「えっ……えっ?」

スパルタ王「我が国はちょっと………あれなので。女になる方法を教えよ」

魔王「えーと。薬で………しかし、確率は低いし。愛がなければ。効果でないぞ」

スパルタ王「大丈夫。で薬はどこに?」

魔王「時計塔都市。錬金術師が作れる。我も勇者によって女になった」

スパルタ王「わかった。落ち着いたら探させよう」

後にスパルタ国は女性がモテない国になる。

砦前

スパルタ王「このまま行けば矢が降ってくる。魔王………どうする」

魔王「実は………廻りに帝国兵が潜伏してます。戦う振りをしなくては行けません」

魔王「なので………私が行き」

魔王「今の門を開けたままの状態でそこに入り込んでください。合図は……入った瞬間」

魔王「矢は飛ばしますから避けてください」

スパルタ王「ははは……わかった」

魔王が砦に向かう

砦の獣人兵士が気付く
砦まで一直線
門に入り込み

魔法を練る

魔王「門を開けたまま!!矢を射れ!!!!敵襲ぞ!!!」

音を砦の兵士に伝える

兵士が矢をつがえ
そして

スパルタの騎兵が突き進む

矢を弾きながら

スパルタ王「チャンスは今ぞ!!!」

矢の雨

矢の雨のなか騎兵が進む
そして門に入り………

門を閉める

スパルタ王「はぁはぁ………皆は生きておるか‼」

兵士「はい!!」

魔王「全員!?矢に当たらなかったのか!?」

スパルタ王「矢を払い除けるぐらいお手のものだ」

スパルタ王「それよりも………包囲を解いてくれないか?」

砦の長「魔王さま!?これはいったい!!」

魔王「300名の騎兵の援軍だ」

砦の長「!?」

魔王「兵舎と魔国の鎧を用意させよ。では司令部に行こうか」

兵士に案内させスパルタ王と一緒に入る

中には見知ったら顔

エルフ族長
ダークエルフ族長
そしてオーク族長がいた

魔王「ただいま」

スパルタ王「久しい面子だな」

エルフ族長「ぶふうううううううう!!」

勢いよくお茶を吹き出す

エルフ族長「スパルタ王!?何故ここに!!」

スパルタ王「くくく。戦の匂いだ」

魔王「ごめんついてきちゃった」

ダークエルフ族長「はは………えーと」

ダークエルフ族長「何卒、ありがとうございます」

スパルタ王「気にするな無礼講だ。我は一般兵士。傭兵とでも思え。では、挨拶だけだ失礼する」

魔王「エルフ族長」

エルフ族長「は!!」

魔王「しっかり帰ってきたぞ」

エルフ族長(何があったか知りませんが………これは大きい)

エルフ族長にスパルタ国の立ち位置を説明した

スパルタ国の立ち位置は建前は中立
1名拷問し城から放逐
その1名がスパルタ国の敗戦を偽装した
帝国に与することは支援物資だけ

そしてスパルタ王騎兵隊は全滅といいながら
こちらの陣営で戦うこととなる
錬金術師の薬は商売人豚屋が持っていたため
譲渡した。

大きな成果になった。

そして………諸々族長が集まる

司令部がギチギチに詰め込まれた状態で軍議が始まった

魔王「軍議を始める。各人進捗状況」

族長一人一人が状況を説明した
概ね、準備はいい。前線に兵を送り込む
砦に兵舎増設をする。ぐらいが足らないようだ

他の砦も無事

魔王「大体、準備はできた。問題は帝国の兵がどこまで来ている?」

エルフ族長「それが………まだ。出発してないと」

魔王「…………」一同「…………」

エルフ族長「まだ、時間はあります」

魔王「………準備早すぎた?」
ダークエルフ族長「早くて越したことはない」

魔王「そ、そうだな。案外動きが遅いな」

エルフ族長(魔王さまの指示と他の動きの連携が上手くやれたのが大きい)

エルフ族長(時間がある。どうするか)

魔王「…………よし」

魔王「スパルタ王!!起きろ!!」

スパルタ王「んぁ……ふぁああ!!」

一同(誰も起こせんよなぁ……無礼講でも王だし)

魔王「売って出るぞ」スパルタ王「!!!!」

エルフ族長「魔王さま!?」

魔王「まぁ驚くな。今から戦う上で、時間がある優位のうちに砦を補強、増強せよ!!!」

エルフ族長「しかし!!!それは!!!時間が厳しいでしょ‼」

魔王「時間なら私たちが稼ぐ」

エルフ族長「無茶はしませんか?」

魔王「しない。時間を稼ぐのが勝利条件だ」

ダークエルフ族長「…………よし。私も参加する。エルフ族長は砦で指揮。おれが監視に当たる」

エルフ族長「………親友。お前なら安心だな」

オーク族長「俺も、行こう。拳闘士としてスパルタ王の強さをみたい」スパルタ王「ほおう……くくく。お前も拳か…………」

魔王が軍議終了を宣言する。個々に時間が許す限りのことをやるように指示した。

そして
新しく参入した精霊族長が誰よりも早く砦を出たことに、私は気付いた。
ドレイクに乗り
追いかける
外交、として気になることがある。
黒炎の馬、ナイトメアにのる。イフリートは………非常に近寄りがたく見える。炎出ていない。赤い体が見える

魔王「ゆっくり休まず。今日、帰るのか?」

精霊族長「はい、魔王どの」

魔王「……………精霊族長。余を姫や后と言わないな。それは妖精の女王がいるからか?秘密にしておく。肯定なら受けとれ」

精霊族長「ありがたく。いただきます」

手渡すは、姫と騎士のメダル

魔王「妖精の女王はさぞ美しいのであろうな」にこっ

精霊族長「もちろん。姫もお会いになりたいと申しておりました。羨望も。綺麗な半透明の羽をお持ちですが………翼がない魔王の方が自由で飛び回っていると」

魔王「そうか?」精霊族長「そうです」

魔王「なら………お忍びで会いに行く。飛べないなら飛んでいこう」

精霊族長「ありがたき幸せ。姫も嬉しがります」

妖精の女王が納める深き西の森
ハイエルフが住まう森は全て妖精の女王の領土だ
しかし、今は魔国の下に与した妖精国となっている。

魔王「西は任せたぞ」

精霊族長「はい」

魔王「それと………教えてくれ」

精霊族長「?」

魔王「何故、魔国の傘下に?同盟国でも」

精霊族長「太陽は、全ての母です。後生まれの母上」

魔王「?」

精霊族長「私たちはマナを食べる生き物」

精霊族長「従わないとお腹が空きます」

魔王「ふむ………なるほど」

精霊族長「それに…………歴代で唯一」

精霊族長「魔国をまとめきった人です」

魔王「………過大評価だ。だたの婬魔だよ」

精霊族長「ええ。そうただの婬魔です」

精霊族長「されど………太陽」

精霊族長「では……西は任せてください武運を」

マクシミリアン家

マクシミリアンは古き時代の騎士団であり
昔は一国を持つほどの勢力だった
魔物との戦争の果てに国は滅びたが

家を護り血筋は続いている

そして当主は異人であり
マクシミリアン王の正妻である

名をエルミア

息子は戦死
孫がマクシミリアン上級騎士団長である

第一線を退き隠居していた

ある出逢いで………彼女は避けに溺れる

エルミア「…………」

寝室に散乱する酒瓶
起きている日はいつもお酒を飲んでいる
昔は嗜む程度だった

エルミア「…………はぁ」

無気力
何も考えないようにする

上級騎士団長「おばあちゃんは……また?」

使用人「はい………また」

上級騎士団長「…………泣いてたのか」

使用人「はい」

医者「すいません。お邪魔します」

使用人「お願いします。今日も」

医者によるカウンセリングと健康診断

医者は言う
外見ではないと

皆もわかっている

でも

癒しかたがわからない

上級騎士団長「………まぁ。おばあちゃんが元気になるまで俺らが頑張らないといけないしな‼」

上級騎士団長「任せたぞ」

その場を去った

寝室

エルミア「あっ………父上医者」

医者「こんにちは。父上はもう。ずっと前から居ません」

エルミア「そっかそうだったな………良く似ている。いい医者だった。はは物忘れがひどい。もう歳だな」

痛々しい。外見は耳の尖った美人な人

エルミア「ああ、あれをほしい」

医者「これですか?。夜寝るときだけ使ってください」

精神安定剤を渡す

エルミア「ありがとう。これがないと眠れないんだ」

医者「………では。そうですね。今日は、聞かせてください」

エルミア「何を?」

医者「あなたの夫のことを」

エルミア「………はは………夫か」

エルミア「ははは………マクシミリアン王」

エルミア「うっ!!」

医者「無理そうなら……今回は見送ります」

エルミア「はぁはぁ……大丈夫、大丈夫だから」

エルミア「ふぅ……ふぅ…………ふぅ……」

エルミア「王に拾われたのは……ああ商人に売られたからだった」

エルミア「最初は……また次もか」

エルミア「そう思ってた。飽きられて捨てられて」

エルミア「私の体は人間にとって果実のように甘いらしい………今回もそう思っていた」

エルミア「そして、売られた日に綺麗な洋服を着せて貰ったな」

エルミア「奴隷服じゃない。白い汚れひとつない綺麗な洋服だった」

エルミア「驚いた。こんな綺麗な洋服があるなんて」

エルミア「そしたら、今度は暖かいご飯とシチューさ…………覚えてる味、でもさ形は覚えてなんだよ……涙でグシャグシャで」

エルミア「マクシミリアン王は………優しかった」

エルミア「その日の夜の営みも優しかった」

エルミア「あー………優しかった」

エルミア「いっぱい。側室、正室がいた。子も」

エルミア「でも、それらには一切なにも他人行儀だった」

エルミア「自分は寝室の家具と一緒。周りもそんな扱いだった。けど」

エルミア「王は家具に話しかけるだよ沢山」

エルミア「弱味から愚痴やら何やら全部、全部」

エルミア「今になってわかったよ………本当は戦い好きだけど………心優しい人だったって」

エルミア「でも、王にそれは求められない。強さだけ………マクシミリアン王を皆は強く勇ましい王であり、恐怖の対象であり、完全無欠の騎士であり続けなくちゃいけないって言ってた」

エルミア「私はそのときバカだから。頑張って偉いねってしか言えなかった。でも他にもっとあったんじゃないかって思う」

エルミア「マクシミリアン王は………そう。私だけに心を開いてたと思う」

エルミア「それを私は………今まで今まで………」

エルミア「目をそらして」

エルミア「そして………マクシミリアン王は言い切った」

エルミア「愛してるって。ありがとう……幸せだったって」

エルミア「優しい目でさ………ひっく………ごめんなさい。一人にして」

医者「はい………ご当主」

医者「気を強く持ってください。マクシミリアン王のためにも………」

医者が部屋を出た

エルミア「………何もしてあげられなかった」

エルミア「……………何も」

エルミア「………」

エルミア「会いたい……もう一回」

エルミア「もう一回だけでも」

エルミア「死ねば会いに行けるかな」

エルミア「………」

剣を抜く

エルミア「………………あなた」

剣を首筋に、その瞬間
胸の中に熱い物が

エルミア「あつっ!!!?」

胸のペンタンドをとる
赤くなっている
熱を持ち
胸の谷間に跡が残る

エルミア「…………」

エルミア「王は見てらしたのですね」

マクシミリアン王「もちろんだ」

エルミア「!?」

マクシミリアン王「待っているが。急いで来るな………世界が変わる。お前が必要だしっかりしろ」

エルミア「えっと………王?」

懐かしいお姿に近付く
暖かい。温かい

マクシミリアン王「ああ。お前が心配で黄泉に行けそうにない」

エルミア「も、申し訳ないです」

マクシミリアン王「まぁ、せっかくだ………夜は長い。そう夜は」

ちゅんちゅん

エルミア「ん………ん?」

朝の日差し。窓から照らされた日差しによって目が覚める。ベットではなく、椅子で眠っていたらしい。部屋の散らかった酒瓶はきれいに掃除されている。

エルミア「ゆ……め……?」

幸せな夢の一日だった
王に抱かれ、何度も愛し合った夢
長い長い夢

エルミア「………」

メダルは赤くはない

エルミア「いたっ!?」

胸に痛みが。跡が残っている。
メダルの跡

エルミア「あぁ……魔法のような夢」

エルミア「でも………幸せな魔法のような夢でした」

部屋を出る

使用人「ご当主さま!!お体は大丈夫なのですか?」

エルミア「心配をかけた………もう。大丈夫だ」

エルミア「私が不甲斐ないから怒られてしまったし、眠りを妨げてしまった」

使用人「?」

エルミア「体を綺麗にする。風呂を頼む」

使用人「かしこまりました」

エルミア(私はやっと………)

あなたの死を乗り越えられそうです

風呂に入り綺麗にした
部屋に戻り服を外行きに着替える

どたどたどた

ガチャ!!

上級騎士団長「おばあちゃん!!元気になったのか!?」

エルミア「…………」

上級騎士団長「あっ………ごめん!!」

バァン!!

エルミア「孫にこう言うのを言うのもあれだが」

エルミア「女性の部屋はノックしなくちゃいけません」

上級騎士団長「は、はい!!」(おれの母さんより綺麗なんだよなぁ!?!?)

エルミア「壁越しでいいので、用件を、なんで急いてたの?」

上級騎士団長「本当に今、帝国から使者が」

エルミア「使者?」

エルミア「いったい………」

上級騎士団長「魔国に攻めるらしい」

エルミア「そうですか。参加しろと」

上級騎士団長「しかし………魔国とは………」

エルミア「同盟カンケイデスネ」

困った

これは

エルミア「あなたが……現れたの納得」

エルミア「上級騎士団長。私は決定権がない。どうしたい?」

上級騎士団長「申し上げにくいのですが」

上級騎士団長「おばあちゃん………部下はおばあちゃんに聞けと。私は降格します。もう一度上へお立ちください‼」

エルミア「老兵に鞭を打つか」

エルミア「…………いいや。騎士団長はそのままで」

エルミア「借用地だからな」

エルミア「帝国に恩を返さないといけない」

エルミア「しかし、魔国」

魔王のにも、恩はある

上級騎士団長「難しい…………だから皆が納得するためにも………」

エルミア「うむ。………どうするか」

使用人「………実は魔国から手紙が届いております」

エルミア「魔国から!?何故早く言わないんだ‼」

使用人「ご当主にお渡しするのを私が渋っただけです。罰は受けます」

エルミア「…………いや、すまない。そうだよな荒れてたから」

エルミア「罰はない。正しい判断だ………手紙を」

使用人「どうぞ」

手紙を手渡され読み上げる

エルミア「………」

それを孫に渡す

上級騎士団長「…………」

内容は中立を求むが。恩を返すために帝国に与することを恨まない。正々堂々戦う。

エルミア「帝国に与してもいいか………」

上級騎士団長「恩を仇で返すことを魔国は恨まない。気にせず帝国に………」

エルミア「………帝国からは?」

上級騎士団長「借用地の恩を返せと」

エルミア「お前はどうしたい?」

上級騎士団長「帝国に与するべきでしょう………魔国が許してくれるのです」

エルミア「そうだな………魔国に恩ができるな。兵士を騎兵500程度送ればいい」

上級騎士団長「はい。準備をします」

エルミア「…………どうなるか。見なくてはな」

それから数日
マクシミリアン騎士団の騎兵が出発
当主も激励した

上級騎士団長「では、いってきます」

エルミア「いってらっしゃい」

エルミア「…………」

使用人「ご当主さま………お客様が御越しです」

エルミア「わかった。行くよ………」

エルミア(孫には死ぬなと言ってある。帰ってこいと…………胸騒ぎがする。いや、恐ろしい)

相手の強さは帝国を凌ぐ

お客は………蜘蛛の巨体に綺麗な人の姿をもった人外だった。知恵がある魔物、アラクネ族の女の子である。
そして彼の夫は………皇帝のご子息
魔国を旅をし、出逢い
恋に落ち
今は時計塔を守る管理者である

エルミア「あら?アラクネの姫」

アラクネの姫「やぁ……姫じゃない婦人」

エルミア「いいえ、あの都はもう国よ………お金の流れや、拡大、ここ1年で膨大な大きさになった」

アラクネ「魔国の魔王のおかげだ。本当に、全てあーあーあーだりぃ!!!!」

エルミア「?」

アラクネ「夫が仕事で忙しくて‼私が来たんだ‼あー面倒面倒!!!」

アラクネ「文字の書き方とか!!学がなんたら!!もう!!うんざり!!」

エルミア「ふふ。必要よ………夫をたてるために」

アラクネ「わかってる‼人間の世界は面倒だな………狩りして、子作りしてだけじゃダメなのか」

エルミア「そう。人間や魔国の人型はみな……道理がある」

アラクネ「くうううう。ふぅ……落ち着いた」

アラクネ「これ、夫から」

手紙を受取り読み上げる

エルミア「…………ふむ。魔国に」

アラクネ「すまない……支援をいただいてたのに」

エルミア「いいえ、こうなることはわかってた…………だけど」

エルミア「いいチャンス」

エルミア「私たちは西の新しい驚異を排除のために兵を引ける理由ができた。一応停戦はするけど………兵のにらみ合いはしよう」

アラクネ「???」

エルミア「………夫と話がしたい」

アラクネ「わかった。どうする?今すぐ立つなら案内する」

エルミア「すぐ向かう。状況は緊迫している」

アラクネ「わかったわ」

アラクネ「では、案内しますわ」

エルミア「あら?貴婦人らしい行いができるんですね?」

アラクネ「仕込まれた」

エルミア「ふふ、じゃぁ……行きましょうか」

使用人に出る旨を伝え
旅たつ

そして、この日
帝国が軍を動かした

帝国軍出兵

帝国の赤い旗が動き出す

その姿を

私は見た

魔王「動いたな」

スパルタ王「ああ」

ダークエルフ族長(くっそ恐ろしい)

帝国領土を小高い山から眺めていた
軍議のあとすぐにたち
監視をしていた

スパルタ王「さすが魔王。迅速に兵を整え、敵領地に遊びに来る剛胆さ。いかほど魔国を治める王に相応しい力量だ」

魔王「部下が頑張ってるだけだよ。ダークエルフ族長もありがとう」

ダークエルフ族長「誉めていただきありがとうございます!!!!」

スパルタ王「で、どうする?魔王?」

魔王「決まってます。歩兵はゆっくりと歩を進めるでしょうが………騎兵は先を行ってますね」

スパルタ王「そうだな」

地図を出し、指を指す

魔王「………ここで迎え撃ちます‼」

歩兵部隊の先頭

南騎士団「ふむ、スパルタ王が倒されるとは」

南騎士団参謀「はい………300の精鋭が一人を残して全滅」

南騎士団「どう思う?参謀?」

南騎士団参謀「一人を残したのは………吹聴でしょう。現に名のある戦士として有名だったスパルタ王が倒される。我が部隊も少し物怖じしております」

南騎士団長「そうだろう。そうだろうな……しかし300程度で自信満々に出たバカな者だけだろう」

南騎士団参謀「はい。ですので、兵を整えていると思われます」

南騎士団「ふふふ………万に敵うわけはない」

南騎士団「さぁ、スパルタ国までの長旅だ。気を引き締めい」

南騎士団参謀「はい。一応先行で騎兵を送ります」

南騎士団「うむ。先に町等に入り、長に通ることを伝える。こんな多いとビックリするだろうからな……あとは貢ぎさせるために」

高笑いが響く。軍が道を占領し、他の者を道のはしに追いやる。皆がひれ伏し、威光を見せつけた

騎兵は100

先に町に入り段取りを行う手筈だった
道を進み、町に入るだけの簡単なお仕事

「ん……ん?」

向かい側に馬の兵が見える

先発騎兵「なんだ、味方か」

どこの部隊かわからないが、軽装鎧を着た兵士が待ち構えてる。きっと町から迎えと思いそのまま

通りすがろうとした瞬間

自分が地面に落馬し
痛みを驚きながら口を開けた

「えっ………どういう?」

魔王「すまない………これも戦だ」

綺麗な人を見た瞬間……目の前が真っ暗になった

「敵だぁああああ!!」

「町が裏切った!!」

「皆!!剣を、、、ぐふっ」

乱戦。戦の準備をせず突っ込んだため
皆、馬を切られ、落馬し
そこを止めを刺される

スパルタ王「おおおおおおお!!」

馬から馬へとび移ったり
馬に拳を叩き込み落馬させる猛者

美しい女性が両手に長い炎の剣と氷の剣をすれ違いざまに切り払い倒す猛者

大きな紅い槍を振り回す黒い肌の猛者

ダークエルフ族長「首級とったり!!!魔王さま!!見ていますか‼」魔王「見てる!!見事なり」

スパルタ王(あのエルフ………いいなぁ。戦いてぇ)

先頭の結果は相手を全滅させ
こちらは負傷兵のみだった

負傷兵も10人と非常に少ない
大体落馬、馬が転けた等だった

魔王「負傷兵は帰れ」

負傷兵「そ、そんな!!これからもっと!!」

スパルタ王「残念だったな。我が民。負傷したら帰る。鉄則だ………ははははは運が悪いなぁあああ!!」

負傷兵「ぐううううう。ご武運を‼」

負傷兵は皆が悔しそうに帰っていく

ダークエルフ族長「はぁはぁ、衛兵でも!!いけますね!!」

魔王「日頃の鍛練の賜物だ。ダークエルフ族長。長い間の成果………私は見たよ」

ダークエルフ族長「はい!!!」(やったぜ!!やったぜ!!やああああああああったあああああ!!!)

魔王(日に当たらない猛将も居るんだな………うむ)

そして私たちはまた、後方へと下がる

今度は、大変だろう

魔王「今回は勝ったが気を抜くな‼」

魔王「奴等は準備してくる」

魔王「次はうまくいかない」

魔王「わかったな」

「「「はい!!」」」

スパルタ王(俺の部下がもうすでに………まぁ仕方ないよな………おれも好きだし)

スパルタ王「素晴らしい男だからなぁ……おまえ」

魔王「女です‼これが目に入りませんか‼」ムニムニ!!

胸を揉む

魔王「胸もある。子供も産めた!!女の子です‼」

スパルタ王「いいや。男だ。気が強く。そして素晴らしい戦士である。元男じゃない男だ」

魔王「いいえ!!正真正銘!!女の子です‼」

スパルタ王「お前の中ではそうなんだろうが。俺らスパルタの民は皆が男だと知っているぞ?」

魔王「男だった時期があるだけです‼」

スパルタ王「女になったのは数年だろ?」

魔王「こ、これからは淑女で生きていきます」

ダークエルフ族長(おっかしいなぁ淑女は前線出ないぞ?)

スパルタ王「ははは。女は体だけであろう?」

魔王「心もです!!乙女です‼」

スパルタ王「そうか?そうは見えぬが………まぁいい。どっちにしろ妙薬がある」

魔王「…………」

スパルタ王「我が国は戦士同士ホモが多くてな」

スパルタ王「薬で欲情しても男にしか興味がない」

魔王「うっ」

スパルタ王「引くな」

魔王「あっ……いえ」

スパルタ王「で、もう。諦めた。魔王も人気だし」

魔王「もしかして………私が元男だから?」

スパルタ王「綺麗な男はいい。人気な理由だ」

魔王「知りたくなかった………」

魔王「で……もしかして」

スパルタ王「そうだ。薬でホモを女にする」

スパルタ王「このままでは………優秀な戦士の子が産まれないからな」

スパルタ王「苦肉だよ」

魔王「…………まぁうん」

魔王「うん」

ダークエルフ族長(引かれておりますね)

魔王「が、がんばれ」

スパルタ王「まぁ。俺の一番愛している側室は元男だったがな。1回試したら良かったよ」

魔王「………………」(この国やばい)

2日目
行軍

そして、前方で騒ぎが

南騎士団「なんだ?」

南騎士団参謀「行ってみます」

参謀が馬を走らせ
顔面蒼白で帰ってくる

南騎士団参謀「先発した騎兵隊の」

死体です

南騎士団「な、なに!?」

南騎士団参謀「ぜ、ぜんめつ。服など物品を奪われてないですから……族ではないです」

南騎士団「ど、どういう事だ?」

南騎士団参謀「わ、わかりません。敵と鉢合わせしたのでは?」

南騎士団「ここは帝国内だぞ‼」

南騎士団参謀「考えたくないですが。町側が傭兵を雇い。反旗を翻したかもしれません」

南騎士団「確認方法は?」

南騎士団参謀「このまま進み。聞くしかないでしょう。騎兵隊は送ってはまた同じことに」

南騎士団「わかった……全軍進めさせよ。全軍なら安心だ」

南騎士団参謀「はい」

半日後

そのまま進み町に護衛と一緒に入った
内容を聞くと………全くそういった物はないと言う
実際荒事で調べたが証拠がなかった

南騎士団参謀「ふむ。出ないですね」

南騎士団「………なら……他の場所から?」

南騎士団参謀「騎兵隊100を倒せる戦力はそれはそれは多いと思われます。敵の死体が一切ないですから。撤収作業も行える兵がおりますね」

南騎士団「しかし、町の者はそんな多い兵を見たことがない言っていたな」

南騎士団参謀「はい。嘘はいってません」

南騎士団「………わかった。騎兵隊を数倍にして先行させよう。今度は、気を付けて行けと」

南騎士団参謀「はい。そしてあった瞬間逃げよと言います。情報がほしい」

南騎士団「うむ。そうしよう」

騎兵隊を500先行させる

何処から現れたかわからない

しかし、500なら大丈夫だろうっと言うことで決まった。

非常に屈強な騎兵を選び

走らせる

南騎士団「………しょせん100。万の騎兵が万を少し切っただけだ」

南騎士団参謀「はい。雀の涙です」



見晴らし台で2人が松明を燃やしそれを振るのが見える

「見えた……松明をつけよう」

「敵が出発した」

それをまた松明をつけ振る

また遠くで松明が灯る

そして………スパルタ王の目に松明が写った

スパルタ王「出発した。何人かわからないが」

ダークエルフ族長「なりほど。こうやって順繰り伝えればいいのか。人間だから不振に思わないしな」

スパルタ王「出発した敵兵が気づけばだが。気づいても………意味はわかるまい」

スパルタ王「行くぞ………第2回戦だ‼」

見晴らしのいい場所から森をくだる
目の前にはドレイク
魔王の騎乗するドレイクが森の道を教える
馬でも歩ける場所を選んでくれる

魔王「ん?」

スパルタ王「どうどう」

馬を魔王の目の前で止める

スパルタ王「避けぬか危ない」

魔王「止まるでしょ?」

スパルタ王「怖くないのか?」

魔王「落馬した痛みとどちらが痛いのです?それよりも動きがあったのでしょう?」

スパルタ王「そうだ。道に兵を展開しよう」

スパルタ王「今度は、ダークエルフ族長より首級を多くとってやる」

ダークエルフ族長「負けませんよ」

魔王「引けと言ったら引きなさいよ?」

スパルタ王「わかってる。時間は?」

魔王「10分でいい?」

スパルタ王「ああ、いい」

スパルタ王「者共!!展開!!」

兵を道に展開し。待つ

そして、見える

魔王「…………前より多い。それに準備してる筈」

スパルタ王「では……行こうか」

スパルタ王「突撃!!!」

「「「おおおおおおおおお」」」

馬が駆ける
相手が止まる
剣を抜くのが見えた

魔王「500程度か!!」

スパルタ王「全滅まで持っていけそうだ」

部隊が真っ正面からぶつかる
駆け抜ける途中に切り払う

500の部隊を抜けきり、折り返す

「敵だぁ!!くっそ!!!」

「どこの軍だ‼」

魔王「皆のもの!!次の突撃で離脱する」声を風に乗せて届ける

魔王「我についてこい!!」

魔王が二人の騎兵の間に入る
右は炎を纏う剣。左は氷の纏う剣を
過ぎ去りながら切り払う

後ろを見ず。次の獲物を目指す。同じように過ぎる瞬間切り払う

部隊が抜け……そのまま走り去る

魔王「皆行け、相手の損害を見る」

ダークエルフ族長「はい」

魔王「200ほど切り落とせた」

ダークエルフ族長「では、このまま町を過ぎ次の町まで走りましょう」

部隊を私は追いかける

魔王「…………相手に魔法を使う騎兵はいないのか?」

ダークエルフ族長「いえ。後方の部隊にいるでしょう」

魔王「そうだな……ああそうだ」

魔王「いないではなく。いると思えだな」

ダークエルフ族長「ええ。よっし………今回も首級とったぞ」

魔王「お見事」

スパルタ王「遅い。皆はもう行ったぞ?」

スパルタ王が馬を止めて待っていてくれた
そして並んで走る

スパルタ王「さぁ。町で休憩だ」

南騎士団に先行させた騎兵隊が半壊したことを知らされる

南騎士団がたじろく

南騎士団「誰も打ち倒せなかっただと!?」

「はい………目の前で怪しい動きがあり剣を抜いたのですが。突撃また後ろから突撃をされ………気付いたら………」

南騎士団参謀「騎兵の突撃は重要。足を止めたのが敗因ですね。しかし、これほど統制がとれた部隊はマクシミリアン等。熟練の兵士………」

南騎士団「お前らぬけぬけと帰ってきたのか?」ピキピキ

南騎士団「敵が逃げるのを追いかけることぐらいしろ!!!逆襲だ。敵が背中を向けているのはチャンスだぞ‼」

「そ、それがあっという間のことで………」

南騎士団「はぁあああ!!く………許せん帝国をこけにしてくれて!!!参謀!!!」

南騎士団参謀「は、はい」

南騎士団「騎兵全軍で向かわせろ」

南騎士団参謀「わ、わかりました」

南騎士団「1回ならまだしも‼許さん!!許さん‼」

南騎士団長から離れる

南騎士団参謀(おかしい………300未満の兵士)

生き残りに聞く

南騎士団参謀「本当に300未満か?」

「はい……半分でした。しかし、皆………強く。味方がドンドン落ちていきました。一番隅っこにいたので………生き残りましたが」

南騎士団参謀「指示は誰が?人間か?」

「…………」

南騎士団参謀「どうした?」

「一人。ドレイクを乗っている女性がいました。魔法使いです」

南騎士団参謀「魔法使い!?馬上で?………卓越した魔法使いだな。瞬唱しなければ戦えない筈」

「はい。しかし、武器に属性を入れ鍛えた剣ではあり得ない力を持ってました。そして………先陣を切り。指示も飛ばしてたと思います」

南騎士団参謀「わかった…………伝令」

伝令「はい!!」

伝令にお願いする

帝国の黒騎士団長に情報を求むと

南騎士団参謀(南騎士団長より知っておられるからな)

南騎士団参謀「生き残り。特徴を教えよ………調べる」

「はい!!!」

半日休まずに馬を走らせ
2つ先の町につく

スパルタ国まで
あと5個ほど町があり
一つはもうない連合国の町だった

町は砦を兼ね
魔物を防ぐ作りである

大体は石作りである

魔王「よし。ついたな解散」

スパルタ王「よし、飯だ飯。魔王が呼ぶまで自由」

「「「了解」」」

ダークエルフ族長(魔王さまの風に音を乗せる魔法は意思伝達に便利だ…………本当に部隊を指揮するために生まれた人なのだろうか?)

魔王「ダークエルフ族長」

ダークエルフ族長「はい?」

魔王「飯にしよう」

ダークエルフ族長「は、はい!!!!」

レストランに入り
昼食を取りながら喋る
どこも作りは似ている
丸テーブルに椅子だ

魔王「おいしい」もぐもぐ

ダークエルフ族長「姫さま……えっとそんな質素なものでいいんですか?」

魔王「別に王だから料亭の料理が好きとは言わないぞ。庶民だったしな。勇者………勇者………会いたいなぁ」

スパルタ王「会いたいなぁ。絶対勝てないが………挑戦したいなぁ」

ダークエルフ族長「ああ、勇者さまと一緒でしたね姫は」(そういえば姫は料理を作れるのだった)

スパルタ王「で、どうする?」

魔王「次ですか?正直上手く行きすぎて不安です。当初の目的は少しでも騎兵を減らす。行軍速度をおとさせるのが目的でした」

ダークエルフ族長「上手く削れていってますね」

スパルタ王「いや………数はもっといる」

魔王「ですよねぇ……でも行軍速度を落とせましたし。時間を稼げば稼ぐほど有利ですから」

スパルタ王「では………次はどうする?」

魔王「どうしたらいいですか?」

ダークエルフ族長「あー意見いいですか?」

魔王「どうぞどうぞ」

ダークエルフ族長「少しちょっかいをだし、明後日の方向へ逃げるのです。そして惹き付ける。時間を稼げるでしょう」

スパルタ王「惹き付けるのが少数なら潰せるしな」

魔王「採用」

ダークエルフ族長「………」

魔王「どうした?なんかついてるか?」

ダークエルフ族長「本当に変わられたのですね」しみじみ

ダークエルフ族長「昔は衛兵なぞ、守ってるだけの雑魚っと罵った人とは思えません」

魔王「あっと……えっと……黒歴史だから」あせあせ

ダークエルフ族長「ええ。昔の魔王は………こう。気を張りすぎてました。今の魔王は………柔らかいです」

スパルタ王「胸かな?」

ダークエルフ族長「申し訳ない!!そう言った意味ではないのです!!」

魔王「よいよい!!柔らかしな!!女は柔らかし」にぱー

ダークエルフ族長(なに、この魔王。かわいい)

脇役では黒騎士団長も好き

>>182
お目が高い

第2回戦後
数日
黒騎士団長の元に伝令がつく
場所は地下の法の外
いつもの団長室定位置に黒騎士団長はいた

黒騎士団長「なんだ?参謀から?」

伝令「助力をとのこと」

黒騎士団長に手紙を渡した
非常に達筆である

黒騎士団長「………………」

仮面の奥の顔は伺えない

黒騎士団長「伝令、確かにこの特徴なのだな‼」

伝令「はい!!」

黒騎士団長「手紙を書く絶対見るな…………絶対見るな」

伝令「えっ!?」

ささっと書き込む
そして………手渡し向かわせる

一人机でため息を吐き
黒騎士衛兵に声をかける

「なんでしょう」

黒騎士団長「内密だ。魔王が我が領地で活動している」

「魔王!?魔王とは………魔国の王!?!?」

黒騎士団長「ああ、そうだ。それで情報を集めよ…………内密に。バレたら帝国の威信に響く」

敵の王が悠々自適に帝国の領土を脅かしているなぞ。皇帝陛下は激怒するだろう。
しかも……広まれば………帝国の強さに疑問がついてしまう。

黒騎士団長「状況が悪い。しかも、出兵に会わせている…………情報は筒抜けか」

黒騎士団長の頬に汗が滴る。背中に悪寒
非常に………非常に不味い

「すぐさま調べます‼では!!」

黒騎士団長「ああ………」(黒騎士団長として護ることを専念しよう)

黒騎士団長「…………誰にも悟られず。部隊を動かせる」

黒騎士団長「くっそ。帝国を空には出来ないか」

目と鼻の先に魔王軍が居てもおかしくない

黒騎士団長「出兵取り止めるか?いや………聞かないだろう」

見えない敵。目的が見えない。そして…………
黒騎士団長は考えを改めなければいけないことを知る。

町の手前
騎兵の大軍が見えた

魔王「よし!!見えた………多い」

ダークエルフ族長「はい」

スパルタ王「では!!皆、弓を射れ!!」

馬から降りて
町で買った弓を射る

馬に乗り直す

遠くでほんの数騎、落馬したのが見えた
そして、突撃してくるのが見える

魔王「訓練通り、森を抜ける」

スパルタ王が先頭になり
森に入った
森すでに走りやすいよう枝を切り
逃げ道を確保している
一番後方を魔王

魔王が聞き耳をたてる

道をそれた森の中

魔王「…………」

魔王「追いかけてきている!!!」

魔王「皆のもの!!出口で応戦!!!」

指示を飛ばし

森を駆ける。自分達の後を追いかける。しかし
追いかけかたが自分達の道を使うため
一直線に一人ずつ追いかける形になる
他も森に入るが
一番走りやすいところを走るため
結局………直線に

森の出口に出た

町で休息しながら、訓練した結果。
誰も倒れずに森を出る

そして森の出口を囲むように3方向
右はスパルタ部隊王反対はダークエルフ族長部隊が守る
そこから屈強だと言うものを中央に魔王の部隊を据える

森の出やすい出口をからおってくる騎兵

出てきた瞬間100の部隊に出くわす

出口を出たままの勢いで急いで急停止

だが足を止めたの瞬間、騎兵に囲まれ倒された

「止まれ止まれ!!!!」

「いきなり止まるな‼あああああ!!!」

後方で………落馬する者
他の道をいこうとし 落馬する者が増える
向こうも森の中で平面に展開した気配を感じ取り
指示を飛ばす

魔王「撤収!!」

後方へ……逃げた

騎兵長「うぐううう………」

「どうしますか?」

騎兵長「南騎士団長は追いかけろと、もうした!!」

騎兵長「追いかけろと!!!本隊に合流される前に‼」

「はい!!」

森を抜けた平原を走った

魔王「あーついてきますね」

ダークエルフ族長「このまま東へ行き、迂回。砦へ帰りましょう」

スパルタ王「そうだな………どこまでついてくるか」

魔王「はい。故郷が恋しいですね」

スパルタ王「さぁ帰ろう。帰ればまた戦える」

そのまま平原から森の中にまぎれ
魔王が声を出しながら誘導する
魔王の声がする方へ行くため道に迷わず
また平地に出たあとに合流した

魔王「うーむ。まだ。来ますが。もう無理でしょうね」

ダークエルフ族長「私たちは抜けるのが早いですから」

スパルタ王「本当に恐ろしい魔法使いだ」

そのまま迂回。そして砦に帰ることにした

スパルタ国から数個前の町に留まる。帝国軍、騎兵の成果待つ
その待つ間に黒騎士団長の手紙が届いた

南騎士団参謀「………とどいた」

内容を読む

南騎士団参謀が顔色が変わった

南騎士団参謀「伝令……真か?」

伝令「黒騎士団長は読むなと言いました。なんのことかわかりません」

南騎士団参謀「…………南騎士団長」

南騎士団参謀「………そうか」

南騎士団参謀(嘘ではない!?)

南騎士団参謀(嘘ではないなら………あの指揮している者が魔国の王)

背筋が冷える

南騎士団参謀(何故だ!?何故だ領地に!?)

南騎士団参謀(影武者の線もあるのか?)

南騎士団参謀(だが……影武者にする必要はあるのか?)

南騎士団参謀(魔王が女だとは‼昔は男だった筈………いったい何が?)

わからないことだらけになる

南騎士団参謀(もしも……もしも魔王だったら)

いったい何故。少数で戦う?
いや………いや………

南騎士団参謀(もし………相手の強さを測る目的なら………本隊はどこだ?)

南騎士団参謀(もしや……いや……前線に……非常識だ)

南騎士団「どうした?騎兵の報告はまだか?」歩いてくる

南騎士団参謀「黒騎士団長からです」

手紙を渡す

南騎士団「……………なに?率いてる奴が魔王だと?」

南騎士団「ふん。黒騎士団長だ嘘だろ」

南騎士団「敗戦主義者に興味はない」

南騎士団「しかも。魔国の王が直々に攻めては来ないだろ?しかも前線に」

南騎士団参謀「だから悩んでるんです」

南騎士団参謀「わからないことだらけなんです」

南騎士団「ははーん」

南騎士団「大丈夫さ。万の騎兵。なにもできますまい」

南騎士団参謀「そ、そうですね」

南騎士団参謀(おかしいしな。王が直々に来る方が……皇帝陛下が前線来るのは激励だけ。なら違うか)

そしてそれから数日
騎兵軍が帰ってくる

南騎士団「ふふ。どうだったか」

騎兵長「そ、それが………見失いました」

南騎士団「なにぃ!」

騎兵長「申し訳ございません。森を探したのですが………追いかけきれませんでした」

騎兵長(騎兵に損害が出たのは黙っていよう)

南騎士団「ふざけるんぁあああ!!!」ドンッ‼

南騎士団「たった300!!なぜ手間どる!!」

南騎士団参謀(勝てないと逃げに徹してる。それの判断が早く部隊が少ないから迅速に対応する。厄介ですね)

南騎士団「くそ!!胸くそが悪い!!」

南騎士団参謀「進言します………ゆっくり前進しましょう。ここに留まっても兵糧が消えるだけです」

南騎士団「くっ……まぁいい。300、どうでもいい数だ。そう思うことにしよう」

南騎士団「砦に行けば………恐怖を教えられるだろう。はははは」

南騎士団参謀「騎兵長。お疲れでした。今度は歩兵と歩みを一緒にゆっくり行きましょう」

騎兵長「はい!!」

南騎士団「待っていろ……魔国」

次の日
帝国軍は町を出た

黒騎士団室

黒騎士団長「わかったか?」

「はい。貴族の姫の旅行者が300人ほど町を練り歩いてたそうです」

黒騎士団長「大胆な」

「ええ、町の人もよく覚えています。大層綺麗なお嬢様だったらしいです。皆が話しかけながらワイワイ遊んでたそうです」

黒騎士団長「なるほど…………大金持ちと思われたのか………しかし。なぜ皆疑問に思わないんだ?」

「それが………いいお客さんと言ってました。物腰も柔らかく仲良く話し合っていた姿は軍には見えなかったそうです」

黒騎士団長「…………はぁ。そうかそうか」

黒騎士団長(本隊は別のところと思っていたが………本当に少数で練り歩いてただけなのか?いや……情報を買っているだろうな。そして、先発の腕試しか?)

黒騎士団長は悩む
予想外の結果は魔王が前線に居ること
もしも

勇者が動向していたら

「黒騎士団長さま………何かお考えで?」

黒騎士団長「いいや。おれは皇帝陛下から前線を立つ権限を失った」

「何故ですか?」

黒騎士団長「皇帝陛下に出兵は考え直すこと進言し………嫌われたよ。敗戦主義だと」

「!?」

黒騎士団長「悪い勘が働くんだ。異常なほど」

「悪い勘………」

黒騎士団長「そうだ。皇帝陛下は………魔国は勇者の襲撃。そして下克上から始まり。魔王が死に新しい魔王が生まれ。そしてまた死に今の魔王が居る。何度も下克上が起き。纏まりが薄い今がチャンスと思われている」

「その通りでしょう」

黒騎士団長「それが………そうでもないと考える」

「な、何故ですか?」

黒騎士のくぐもった声が響く

黒騎士団長は顔を上げる

鉄の仮面が蝋燭によって怪しく光る

黒騎士団長「今の魔王は………下克上前の魔王であり。冒険者のトップランカーであり。有名な踊り子であり………太陽の宗教の創設者もとい太陽の化身である。噂では女神と言う神を勇者と共に刈り取ったと聞く」

「…………」

黒騎士団長「そして……彼女は奇跡を起こしている」

「いったい何を………知っているんですか?」

黒騎士団長が机の上に本を出す
それは………太陽の絵柄と女性の姿があった

黒騎士団長「聖書だ」

「聖書?………捏造でしょう」

黒騎士団長「いいや。本当にあった出来事を書いてるだろう。勇者の冒険をこと細かくな」

黒騎士団長「帝国は知らない。敵のことを」

黒騎士団長「だから、危ない。それに勇者もいる」

「勇者ですか………あの頃も強かったですね」

黒騎士団長「ああ……その勇者は北の王だ」

「えっ!?あいつが!?」

黒騎士団長「そうだ………そして勇者は魔王の」

夫だ

「い、いったい何が!?北の国は私たちに関係ない筈です」

黒騎士団長「聖書には……魔王は北の出身だ」

黒騎士団長「知らなすぎるんだ皆………」

「黒騎士団長さま!!皆にその事を‼」

黒騎士団長「聖書は邪教として焚き書だ。誰も信じんさ。俺だけ………俺だけが信じれる根拠があるんだよ」

「………………全部聞いてもいいですか?」

黒騎士団長「教える前にこれからの黒騎士団は敗戦処理を考える。皆に伝えよ」

「…………はい。ではお聞かせください。負ける理由を」

黒騎士団長「先ずは聖書が足しい理由からだな」

「はい………」

黒騎士団長「勇者は魔王を襲ったと帝国は認識してるが違う。勇者は魔王を愛している。恐ろしいほど………それはわが黒騎士団に壊滅的な被害をもたらした。すべて………書かれている」

「!?」

黒騎士団長「第二。今の魔王は下克上前の昔の魔王とは違う。男だったが女になり。そして周りの推薦で魔王に復権した。太陽の神子として非常に慕われる。魔国に宗教が生まれ今までなかったために皆がハマったのだ。今の魔国は一致団結しやすい」

黒騎士団長「そして………魔王には北の王の勇者の支援を頼める。魔国だけではなく後方の国も敵だ。そして………交友も危ない。時計塔の都市は魔国側。黒騎士の土地もあるが………奪われるかもしれない。他にもあるだろう。外交が」

「………悲観的ではないですか?」

黒騎士団長「じゃ聞こう………お前らに勇者を倒せるものは居るか?」

「……………………」

黒騎士団長「一騎当千の勇者。同じ強さを持つと言われる魔王に………一致団結した族長。聞けば交易も盛ん。魔物の一部やドラゴンも味方にいるらしい噂。相手は………大きい」

「………ありがとうございました。では敗戦処理を考えときます」

黒騎士団長「ああ……国土が小さくなれど国が存続第一だ…………そう。第一だ」

暗がりの中で黒騎士団の方向性が決まった

昔々。あるところに美しい少年が居ました。
北の国、寒い地方の出身でしたが、父親と一緒に国を追い出されてしまいました。少年は父親を守るため。剣を学び。生計をたてて居ましたが父親は病気でなくなってしまいました。
悲しみの中、父親の遺言で戦士学校に入学します。しかし、そこは魔王を育てる学校であり……少年は頭角を示し四天王、側近に魔王として推薦されました。少年は魔王となり………いつしか魔国を武力で統一するまで誘導されました。少年は人間からの刺客、勇者に出会います。しかし、その刺客は少年を愛し、裏切った側近から少年を護り刺客の毒で少女にさせられ連れ拐われます。少女は怒りました。怒りますが。少女のために何でもする姿に少女は少しずつ勇者に惹かれていきます。

少女は勇者に恋をします。少女は少年だった自分を思い返し、そして少年だった自分を捨て。勇者のために自分のために少女で居ることにしました。少女は勇者と結婚し、幸せを手にします。しかし、女神に邪魔をされ消されてしまいます。怒った勇者と少女は女神に復讐を誓いました。二人でもう一度幸せになるために。そして少女は知らず知らず勇者のお陰、皆のお陰で神格化し、そして新しい魔王になりました。魔王となった少女は色々な助けを借りついには女神を打ち倒し。幸せを手に入れました。

広報用簡略聖書

昔々あるところに帝国の小さな孤児院がありました。そこで、日頃から熱心に訓練し魔法も独学で学び。いつしか黒騎士を夢見る少年が居ました。少年は大きくなり青年となった日。占い師に占ってもらいます。黒騎士団に入るために。そこで、魔法を教えてもらい黒騎士団の入団テストを合格しました。しかし、青年はそこで歩みを止めませんでした。色々な技術を学び。色々な戦場で自分を鍛えました。青年は難しいことが好きでした。そんなある日。占い師に御礼に行った日の事です。占い師の気紛れで未来の花嫁を占いました。大多数の花嫁の中。青年はほんの一瞬を見逃しませんでした。ほんの一瞬。されど青年には永遠に思えます。その花嫁は綺麗な綺麗な微笑みを青年に向けるのでした。未来の花嫁。青年は花嫁よりも………あまりの綺麗な笑みに心を奪われ。知りたいと渇望します。占い師の情報はあまりに驚愕な物でした。敵の魔王が花嫁らしいと言うこと。しかし青年は諦めませんでした。茨の道をあるきだしました。少女に会うために。笑みの意味を知りために。青年は黒騎士団を止め。勇者になり魔王を倒す口実を手にし。女体化の試薬品を手に入れ。お金を集め。宝を集め。少女が好きそうな物を用意しました。そして、魔国を歩き。魔王の少年に毒を盛りました。

少年は少女になり。勇者は嬉しくなりました。ずっと夢見ていた想い人そっくりであり。笑みの意味を知る。手かがりでした。勇者は少女に尽くします。少女の危険をすべて払いのけ。黒騎士団の罠を破滅させ。勇者はすべて失いながら少女を護りました。少女はそんな勇者を知り。恋に落ち。二人は結婚しました。しかし、勇者はまだ笑みの意味を知りませんでした。勇者は捧げても捧げても意味を知りませんでしが。幸せを手にする直前。少女は微笑みます。優しく夫を呼び掛け、少女は勇者を愛おしく微笑みました。勇者は気付きます。微笑みの意味を長い年月かけた意味をやっと知ったのでした。それはそれは……………太陽のように優しく暖かいものだったのです。

広報用聖書

北国

寝室で、ベビー用のベットに
赤子がいる

勇者「…………」

赤子はすやすや寝ている
女の子だから。魔王に良く似ている。
目など鼻など

勇者(夜泣きもしないし。大人しいな)

授乳は他の母から貰う。
魔王は今………それどころじゃない

勇者「………いつ行くか」

赤子は任されているが。乳母もいるため………任せてもいい。それよりも……赤子を眺めながら思うのが。自分の子とは思えないことだ

勇者「………産まれたんだなぁ」

しみじみ思う

勇者「良く寝る子は育つ。しっかり育てよ」

勇魔「うっうううううう」

勇者「ん?起きた?」

勇者「ああ。うんちね」

おむつを変える。しっかり拭き取る

勇者「本当にグズらんなぁ」

勇魔「………まぁまぁ?」

勇者「ママはお仕事だ。よしよし」

勇者(…………魔王。寂しくないんかな?)

バランス調整の為お留守番か

勇者(いや……あれだけ嬉しがって暴れまわってたんだ。寂しくないわけないな)

勇者「まぁ忙しそうだし」

勇者(俺が出る幕でもないか………)

勇者「だが………夫がなにもしないのも悪いな」

勇者「衛兵軍団長!!」

声を風に乗せて軍団長を呼ぶ
数分後
物音を立てて表れた

北国衛兵「勇者さま!!なに用で‼」

勇者「動こうと思う。子は乳母に任せる」

北国衛兵「はい!!ならば……国はお任せください‼」

勇者「俺がいなくても大丈夫だろう」

北国衛兵「もちろん‼」

勇者「魔王は表に立っている。なら………裏は俺の領分だ」

黒い鎧を着たまま、紅い豪華なマントを翻す。
大きな鉄塊のグレードソードを背中に背負う。
頭に双頭角がうまれ。片方は折れている。

北国衛兵「では。国はお任せください」

勇者「ああ。知っている。お前はあのときから北国最強を持つ兵士だ問題ないだろ」

一般の衛兵長だが。新しい戦術の流派をつくり上げ。衛兵軍団を結成までした。大出世である。

北国衛兵「勇者さまのお陰です‼」

勇者「」

>>217
察し良すぎ

勇者「俺はなにもしてないが?」

北国衛兵「私の流派は勇者殿の真似事です。ですがいつか長い年月で真に迫るでしょう‼」

勇者「そうか………では行く」

ベランダに出る。
城下町が見えた。

北国衛兵「はい。お気をつけ………られなくてもいいですね」

勇者「全くだ」

ヒョイ

そこから飛び降りる。そして………

ドラゴンが通りすぎた。

スパルタ国の城
補強工事が行われ途中だった

城の外から帰ってく途中に見える
木の足場がいくつもいくつも並んでいる

魔王「ふみ。まだまだ……かかりそうだな」

スパルタ王「これについては。判断が遅かったな」

ダークエルフ族長「古いからなぁ……これ」

門の前まで来る
今は、ここを閉門し
公益は他の場所からお願いしている

交易路はあまりに遠くなってしまった。

魔王「門を開けろ」

「はい!!姫がお帰りだ‼」

鉄の門が外開きで開く。
兵士十人がやっと動かせる門だ。重い

砦に入る

エルフ族長「おかえりなさいませ」

魔王「うむ。まぁそうでもなかったな」

エルフ族長「時間はどのぐらい稼げますか?」

魔王「わからん」

スパルタ王「早く戦いたい」

ダークエルフ族長「一応は本隊が帝国領を町を避けて森を進み進軍してる噂は流した。歩がゆっくりなればいいが………」

エルフ族長「ええ………突貫工事。どこまで補強、増強できるか」

魔王「うむ」

エルフ族長「敵の数は?」

魔王「軽く10万………正確な数字はわからぬ」

スパルタ王「第一陣10万。野原にイッパイだぜ」

ダークエルフ族長「しかし。こちらは1万………きつい」

エルフ族長「仕方がない。他の砦に兵を分配しなくては………ここだけではないかもしれないからな」

魔王「人間は畑からでも子供ができるって本当か?スパルタ王?」

スパルタ王「嘘だぞ。魔王。だが………魔族より体が弱い分、繁殖力で補う。ネズミみたいなもんだ」

魔王「少しでも削りたいが………兵が足りん」

スパルタ王「そうだな。守りに徹するしかないな」

魔王「はぁ……昔の自分を殴ってやりたい。帝国は強いんだぞって」

ダークエルフ族長「いいえ。昔の魔王さまが兵を増強していたのでよかったのです。ええ」

魔王「攻める気だったしなぁ………うむ」

エルフ族長「まぁ………やってみないとわかりません」

魔王「そうだな………」ぐううう

エルフ族長「ご飯の用意させます。お待ちを」

魔王「いや!!いい………勝手に食べる」

エルフ族長「いえ!!!」

エルフ族長「前線でお疲れでしょう‼やはり姫様にはそれ相応の」

ダークエルフ族長「エルフ族長。姫様もう行ったぞ」

エルフ族長「は、はや」

エルフ族長「何処へ行かれるのですか‼」

スパルタ王「ダークエルフ族長。訓練付き合おう
」にぎぃいい

スパルタ王「いやぁ~おれっち王だから外交問題になるよなぁ~断るなんて」にぎぃいい

ダークエルフ族長「…………」(あかん。ロックオンされた)

兵士用食堂
兵士のご飯を支給する場所
質素な食事だか………貧乏人には救いになるらしくこれ目当てで兵士になりたがる者は多い

「はい、シチューとパン」

魔王「うむ」

エルフ族長「姫様………こんなところで食事をされては」

魔王「ここ、いいかな」

兵士「あっ……はい……はいいい!?姫様!?」

魔王「いただきます」

エルフ族長「姫様、姫様………ここはあなたのような人の来る場所では」

魔王「なぜだ?ここは戦う者たちの場所だ。別に問題なかろう?兵士。これ美味しいな‼」もぐもぐ

砦長「姫様……ここで何を?」

魔王「飯」

砦長「姫様………大丈夫なんですか?」

エルフ族長「いや、だめです」

魔王「………はぁ」

魔王「一緒に戦う者と飯を一緒にと思ったが誰も相手にしてくれぬし、エルフ族長はうるさいし」しゅん

エルフ族長「!?」

砦長「ははは……そういうことでしたか」

砦長「じゃ、お隣りいいですか?」

魔王「うむ」

兵士「姫様………優しいんですね」

魔王「そうか?まぁそう思うのならそうなのだろう」にこぉ

兵士(綺麗な方がこんなところで食事を……でも)

エルフ族長(旨そうに食べるなぁ………)

食器を片付ける

魔王「ごちそうさま」

食器洗い係「はい、ありが…………姫様!?」

驚いた声が響く

魔王「皆、驚きすぎであろう?なぁ兵士」

兵士「正しい反応ですよ。姫様、ははは」

砦長「まぁ無理もない」

エルフ族長「すまない」

魔王「また来る!!」

その日から魔王が食堂に来ることになり
兵士と会話をすることになった
大体は………恋愛の相談事が多くなる

帝国軍は時間をかけて進軍をした。
警戒し、進軍
敵を気にしながら進軍

故に………スパルタ国に予定より大幅に遅れて到着をする。

季節が変わっているほどに

作戦会議

エルフ族長「作戦会議を始めます」

魔王「zzz」

トロール「魔王………おきろ………おで、おきてる」

魔王「ふぁあああ!!」

魔王「すまない。なにもすることがないからな」

エルフ族長「砦は完成しました」

砦長「兵の鍛練も十分」

トロール「おでの傭兵団も………だいじょうぶで」

魔王「トロール………ありがとう。大変だったろ?」

トロール「だいじょうぶ。おでたち……魔王にはかんしゃしてる」

魔王「なにを感謝することがあったが知らないが。戦力増強は大きい」

ダークエルフ族長「で、打って出ますか?」

魔王「………一回だけいいかな?」

エルフ族長「何を?」

魔王「もし、城の前に出たなら………いやいい」

魔王「何でもない」

魔王「ああ、何でもない」

スパルタ王「問題は魔法使いか………」

魔王「魔法使いには魔法使い」

魔王「あれは………根気比べさ」

エルフ族長「問題は数はあちらが上」

ダークエルフ族長「野戦は得意だが魔法は厄介だなぁ」

魔法は才能である。
故に………使えるものが少ない。
一般家庭ではそこまで求められないが
殺すとなると違ってくる

魔王「まぁ………魔法使いは私もやる」

魔王「だから、他は任せるかもしれない」

一同「お任せください‼」
スパルタ王「まぁ魔法を塞がればいい」

魔王「はい、戦は近い。必ず勝ちましょう」

おおおお!!

部隊の指揮が決まった。
そして、士気を上げていく
長い戦いになりそうだ

決戦前の準備中

兵士「エルフ族長何をされてるんですか?白い布地に」

エルフ族長「国旗を作ってる」

兵士「国旗。紅い絵の具は品薄でしたよね?」

エルフ族長「そうだ。皆が国旗を作るから真似ようとな………せっかく姫の元戦うんだ。国旗をかがけて戦いに出たいからな」

兵士「それで、絵の具は?」

エルフ族長「これだ」ナイフ

ぴっ

血を出し。絵の具の皿に採る

兵士「エルフ族長どの!?な、なにを!!」

エルフ族長「我が血はこの国旗の太陽のように熱い」

白い布地に紅い丸を書く

多く採り、塗る

そして乾かし。かがけた

エルフ族長「我の体は、この国旗のように暑く紅い!!魔王の忠誠を誓う者ぞ!!」

エルフ族長「まぁ……国旗は我が故郷でもあり……血を養った場所。国旗に相応しい絵の具ぞ」

兵士「ははは、それはいい」

エルフ族長「満足」つやつや

少し赤みが薄い国旗だが
意思は強く感じれる

エルフ族長「名前書こう」

散歩

豚屋商会「姫様。最近赤い絵の具と白い布地にしなりがいい竹などが売れてます」

魔王「…………ふーん」

豚屋商会「国旗を作るからだそうです」

魔王「かがけてるではないか?砦の高いところに?」

ダークエルフ族長「個人で背負って戦うのが流行ってるんです。国を背負うとかけて。あとは名前を刻んで功を見えやすくするためらしいです。スパルタ王が広めてました」

魔王「へぇ~」

ダークエルフ族長「あと、自分の血を絵の具に混ぜるのも流行っているそうです。我が血は太陽のように熱いという示しで」

魔王「私もやろうかな?」

豚屋商会「あはは!!ええですな!!縁起がええですな。よし。用意します‼布地に赤い絵の具を」

魔王「うむ」

砦の物見いっぱいに旗が立つようになった

兵士は体のどこかに国旗の一部に名前を書き携行しだす。もし………死んだら。もらってくれと言う物。

魔国の兵士たちの士気は高かった。

マクシミリアン騎士団
帝国軍とスパルタ国で合流し、南側で怪しい動きがあるため少数のみの編成っと言うことにした
スパルタ国を出発し数日後

南騎士団「ふむ。上級騎士団長」

上級騎士団「はい!!」

南騎士団「若いな」

上級騎士団「はい!!若輩ながら頑張らせてもらいます‼」(適当にな)

南騎士団「うむ………父上は立派な人だった」(くっそ嫌いだった。西側に位置しおったからいいものを)

上級騎士団(この人がマクシミリアンを陥れて西側の制圧しようとしたひと)

スパルタの砦の前
平原が広がっている

建てやすい場所に砦を立たせてるため
守り難い

その平原の中心に私は立つ

魔王「そろそろ」

ちいさな地響き
大軍が歩く音と臭い

帝国軍が攻めてきている

魔王「ドレイク。隠れよ」

ドレイク「わかった」

魔王「…………」

運試し時間だ

帝国軍の歩兵が展開しながら迫る

「ん………あれは」

「女が一人」

魔王「我は魔王なり‼」

帝国軍の足が止まる
一声
帝国軍兵士は全員聞こえた

南騎士団「魔王?」

南騎士団参謀「伏兵か!?」

マクシマリアン騎士団「…………」(引く場所はわきまえよう)

「報告!!前方に一人の女性が仁王立ちしております‼」

南騎士団「ふむ」

魔王「我は魔王なり‼大将と一騎討ちを!!」

魔王「我は国を背負うておる。大将一騎討ちで雌雄を決めようぞ‼」

南騎士団「…………参謀」

南騎士団参謀「はい。弓兵待機させております」

南騎士団「やれ」

マクシマリアン騎士団「!?」

弓兵が一斉に斜めに矢を射る



エルフ族長「姫様は!!!姫様は!!!」

「一人で外に出られました」

エルフ族長「な、に!?」

エルフ族長「いったいなぜ!!兵をあげよ!!姫をつれもど」
ダークエルフ族長「まて!!」

エルフ族長「ダークエルフ族長!?」

ダークエルフ族長「兵を見な!!見張らしのいい場所へ!!………魔王さまは一騎討ちをされに行かれた。しかし、魔王さまは賭け事っと仰っていた」

ダークエルフ族長「………それでも賭けたい事が帝国兵への慈悲………我らへの慈悲」

エルフ族長「………」

ダークエルフ族長「魔王さま………いいえ姫様は。一騎討ちで雌雄を決まらないことを知っている。でも一縷に望みをかけるわがままだけはさせてほしいっと言った。信じて待とう」

エルフ族長「…………わかったお前が言うなら」

ダークエルフ族長「それより見に行こう」

エルフ族長「ああ」

砦に兵が殺到し、遠方を覗く
姫様一人で仁王立ちして、声を響かせ砦にも届く
勇ましいお言葉
しかし

魔王「!?」

空一面に魔法で威力の増した矢が降り注ぐ

エルフ族長「姫様!?」
ダークエルフ族長「姫様!!!!」
スパルタ王「…………」

しゅぱぱぱぱ

地面に幾本の矢が刺さり続ける

何千本
たった一人に向かって

矢の雨が治まる

魔国の兵が息を飲んで見守っていた
帝国兵も見ていた

魔王「…………答は受け取った」

帝国兵が慌てて南騎士団の元へ

「無、無傷です‼」

南騎士団「!?」

南騎士団参謀「馬鹿な!?」

砦でも驚きの声が上がる

エルフ族長「本当に」

ダークエルフ族長「見ろ………姫様の周りだけ矢が一本も刺さってない」

スパルタ王「騎兵の準備。迎えに行くぞ」

ダークエルフ族長「騎兵準備!!旗をもて!!我らには!!!!奇跡がついてるぞ‼」

エルフ族長「…………おお。なんと目の前で………」

魔王「…………ふふふ」(いいこと思い付いた)

周りを見渡す。
幾本の矢
一切当たらせなかった

魔王「ははははは!!帝国兵ども!!聞け!!」

魔王「南騎士団長はさぞ。臆病者であるな‼そしてその矢も同じ臆病者であった。故に」

魔王「一本も当たらぬ」

「衛生兵!!味方に矢が刺さってる!!」

「ひぃいい………化けもん!!」

南騎士団参謀「不味いです‼前線の士気が落ちています‼」

南騎士団「どうしてだ!!」

魔王「どうしてか?…………帝国兵よ!!見たか‼奇跡を!!臆病者ではない!!私と剣を交えること、覚悟しろ!!」

南騎士団「だ、黙らせろ‼」

南騎士団参謀「騎兵隊!!前へ!!首を取れ!!」

騎兵隊が動き出す

ドレイクが走り込んでくる。

ドレイク「姫乗れ」

魔王「はい」

ドレイクの背中に乗り。砦まで走る
後ろから騎兵隊の大軍が迫ってくる
蹄の音が戦場に響く

魔王「………やっぱり無理だった」

ドレイク「ハズレくじだったな」

魔王「…………大丈夫。覚悟した。覚悟しろ全員」

殺す。

騎兵隊長「!?」(私たちは………今取り返しのつかないことを………いや!!今は目の前の‼魔王討つ!!)



エルフ族長「騎兵隊だけが引き剥がせた。好機」

エルフ族長「矢を構えろ‼バリスタも準備だ‼魔法の詠唱開始!!!!引き付けて放つ!!」

エルフ族長「準備せよ!!姫様自ら囮を勝手出た!!我らは答えなければいけない‼姫様の奇跡に!!旗をかがけよ!!」

「「「「オオオオオオオオオ」」」」

砦が声量だけで震える

スパルタ王「我らは砦の射撃後突撃する」

ダークエルフ族長「突撃し、騎兵隊を討ち取る!!首級は弾むぞ‼」

「「「「オオオオオオオオオ!!」」」」

「開門!!ご武運を」

スパルタ王「展開!!」

魔王「……………うん。作戦変更」

魔王「あそこで止まる」

ドレイク「なぜ!?囲まれてしまう!!」

魔王「囮になる。あそこは射程ギリギリより少し行った所………ドレイク転けて」

ドレイク「……………わかった。痛いぞ」

魔王「痛いのは出産でなれてる」

ドレイクがつまづくフリをする
魔王が投げ出され転がり、地面で倒れる

魔王「エルフ族長。聞こえるか?」

エルフ族長「姫様!?大丈夫ですか‼」

魔王「演技だ………囮になる。我を中心にしっかり打て。我もろとも」

エルフ族長「しかし!!」

魔王「大丈夫。当たらない」

エルフ族長「…………はぁ……わかりました」

エルフ族長「構えます」

魔王「うん」

よっこらしょっと

騎兵隊「落馬した!!踏み潰せ‼」

白い騎士鎧が泥まみれ
立ち上がり。空を仰ぐ

魔王「今日もいい天気」

魔王「雨。降りそう」

騎兵軍団が自分の目の前まで迫り

魔王「今!!」エルフ族長「放て!!!!!」

砦から魔法矢が降り注ぎ

突撃中の騎兵軍団浴びせた
射程は相手には、わからず

砦から放たれたのを確認し。阿鼻叫喚が起きる
止まり後ろとぶつかるもの。混乱が来す。

スパルタ王「好機!!全軍突撃!!」

ダークエルフ族長「騎兵を討ち取れ!!」

魔王「………ドレイク。近くへ」

しゅん!!!!

矢が降り注ぐ

私以外の場所へ

魔王「魔法は………便利」

魔王「矢は横風にあおられやすい」

ビュビュビュ!!

矢が降り注ぐ
騎兵たちに
そして。放り注ぎ終わった瞬間
ドレイクに跨がり
後方から全力で突撃する部隊
それに揉まれる

ダークエルフ族長「姫は後方で!!」

スパルタ王「ダークエルフ族長、勝負だ‼」

ダークエルフ族長「いいぜ!!首の数だろ!!」

スパルタ王「もちろん」

どっどっっどどっど!!!

「逃げ!!逃げろおおおお!!」

ドレイク「いくか?」

魔王「いいや………私は女だ」

二人の背を見る
安心以上に

魔王「戦場での戦いは………男の花」

邪魔をしてはいけない気がした

撤退を打ち負かし
連携によって半数を討ち取る

結果は
大きな勝利だった

しかし、騎兵は攻城に必要なのは斬り込むとき

大局には今のところ必要はない

南騎士団が敗戦の日

城を囲み陣を作った

四方の陣は厚く

万の兵に睨まれる

そして、夜中の作戦所

集まった

エルフ族長「初戦は勝った。しかしここからが本番ですね」

魔王「そうだね。私は魔法隊を指揮するよ」

魔王「四方は任せた」

エルフ族長「はい」

魔王「…………さぁ我慢比べだね」

酒場

スパルタ王「くやしいいいいい」

ダークエルフ族長「勝つとは」

スパルタ王「はぁ……ここからはただの我慢比べ。次に出るのはまたずっと後だ………」

ダークエルフ族長「仕方がない」

ダークエルフ族長「次を待とう」

スパルタ王「くく。楽しみだ」

ダークエルフ族長「戦闘狂め」

スパルタ王「誉め言葉だ」

魔王「おとなりいいかしら?」

ダークエルフ族長「姫様!?」

スパルタ王「魔王!?」

魔王「会議は終わりました。持久戦です」

ダークエルフ族長「兵糧持つのですか?」

魔王「大丈夫。大丈夫です」

魔王「それは考えてあります。問題は落ちないこと」

ダークエルフ族長「砦がですね」

魔王「ええ」

魔王「諦めさせましょう。頼みましたよ」

ダークエルフ族長「はい!!」

魔王はこのあと色々の長の元へ出向き
激励を飛ばした
王と話せる事と
期待を寄せていることを伝えたため
士気が上がった

初戦

砦四周に兵士が囲む
そして、砦の魔法の障壁に魔法がぶつかり、光を散らす

魔法部隊は障壁の維持を行う

攻城の基本は障壁を消し、魔法による攻撃での城への飽和攻撃し制圧か
障壁の下をくぐり砦に登り、内側から開門
騎兵隊が雪崩れて制圧する

故に
この二つを潰せば負けない

魔法隊長「抑さえろ‼」

「くぅ!!帝国兵は数が多いが!!質なら俺らが上だ‼」

障壁に色々な魔術がぶつかり合う

私はそれを見上げる

魔王「………昔の我は、砦に登り門を開けたが……いや、攻められたことがなかったか?」

魔王「こうなっていたんだな……」

障壁とぶつかり虹色に輝き魔力が空気に混ざる

魔王「綺麗ではないか……………」

呑気にそう口にした

魔法長「1陣!!2陣と交代!!3陣は準備!!3、2、1!!今!!」

「よし!!!」

「「「「ゴットブレス!!!!!!」」」」

魔法長「交代まて!!大魔法だ!!!全員で防げ‼」

砦の上に幾枚の魔方陣が現れる
内容は魔力で押し潰す奔流
大きな柱が落ちてくるかのように打ち出されたが

魔王「くちゅん」

バシィン!!!!!!

障壁に当たる前に光とぶつかり塵になる。

魔力長「………姫様、今何を?」

魔王「ん?ああ、くしゃみだよ………障壁は大丈夫そうですね。任せましたよ。壁へ行きます」

魔力長「あっ!!はい!!」(我ら姫様はここまで強く………)

魔王(恥ずかしい。くしゃみで魔法が失敗したなんて………言えない)

壁へ向かう

歩くたび声が聞こえる

兵の声、指示する声

壁へ上がらせないようにするため矢を放ち
矢を受ける兵たち

魔王「エルフ族長………」

エルフ族長「姫様!!魔法隊は!?」

魔王「問題ない。いまのところは?」

エルフ族長「梯子などは叩き落としてます。矢による兵の削りも中々」

魔王「わかった。任せた臣下よ………我は他へ行く」

魔王「先は長い………肩のちからを抜け」

エルフ族長「……はい!!」

魔王(焦るな自分、焦るな私。臣下に任せるんだ)

私が出て………倒すのは最後だけ………

魔王(魔族が切り開けなければならない)

個人じゃなく。全員で

帝国側指令室

南騎士団長「堅牢か」

南騎士団参謀「ええ………異常に。魔法は打ち消され、城の下へ向かう前に出っぱりからの矢の雨の射程が長いのも辛いとこです。が」

南騎士団長「が?」

南騎士団参謀「兵が多い。持久戦で相手を疲弊させましょう」

南騎士団長「それが最善。魔法も長くは続かんだろ………くくく。魔法回復薬もな」

南騎士団は夕暮れに撤退。夜営を始めた

そして、夜は帝国兵が叫ぶ

オオオオオオオオオオオオオオオオ

城に向け四方から

大音量

そう、夜に攻めてくる雰囲気を出す

魔王「あー攻めてこない嫌がらせだ」

エルフ族長「不眠を誘う手段です」

魔王「知っておる。余もやる手だ………だがな」

シーン

魔王「音なぞ。我の領分だ」

エルフ族長「………はい。姫様」

魔王「兵を休ませ」

エルフ族長「はい」

魔王「では、私は………また巡るよ。全員に」

エルフ族長「姫様もお休みください………」

魔王「ええ………」

ゴオオオオ
雲を掻き分ける
夜空を飛ぶ

「2番、来てるか?」

「1番うるせぇ」

「1、2番。点呼始め」

1、2、3、4、5、6……………

数人が始めた点呼が数が増える

そして数がいい終える

「全員いるな。そろそろ、見えるぞ」

篝火が列になって焚かれている。
兵士が見え、旗を振る

「着陸準備!!1番から降りろ!!」

篝火で姿が見える

鋭い爪
強固な鱗

色が様々なドラゴンが篝火を横目に降りる

「1番!!降りたらどけ!!」

「お前もどけ!!後ろがつっかえる!!」

兵士「ドラゴン商会さん、荷下ろしはあちらです」

ドラゴンを誘導し、荷下ろしする

ドラゴン商会「これが納品書だ」

補給隊長「ありがとう」

ドラゴン商会「いえいえ、お仕事です」

ドラゴン商会「まったく………魔王には驚かされますね」

補給隊長「ええ。空を指差し………空があるなんてね」

ドラゴン商会「豚屋が悔しがってたな。くく」

補給隊長「はい。これ、一本づつ持っていきな……魔王から」

ドラゴン商会「酒か?ふふ、いただいていくよ」

「おい!!帰るぞ………明ける前に帰るからな」

ドラゴンが酒を持って飛び立った。

補給隊長「………持久戦は勝てるな」

帝国

皇帝陛下の部屋
きらびやかな部屋
豪華な装飾
そこで皇帝は窓のそばを立ち
眺める

皇帝「………ごほごほ」

使用人「皇帝陛下………皇子です」

皇帝「通せ」

皇子「父上………第2皇子ただいま」

皇帝「うむ。使用人下がれ」

手で使用人を下げる

皇帝「息子よ………ワシは永くない」

皇子「………はい」

皇帝「遺言を言い渡す」

皇子「………」

皇帝「魔国を滅ぼせ」

皇帝「帝国を、人間を頂点に」

皇子「はい………わかりました」

皇帝「王位継承はお前に………生きてる間に」

皇子「はい」

帝国では皇帝陛下が変わる準備が進められていた

候補者に姫が居たが暗殺され
第2皇子が皇帝になる

他の皇子は、微妙なものが多いためである
そう微妙な皇子ばかり

第2皇子「…………占い師お前の言う通り皇帝は永くないらしいな」

第2皇子の寝室
そこに一人の女性が赤いワインを啜る

占い師「ええ、そうでしょう?占い通りです」

妖艶に笑う。彼女は大罪人である。勇者を作った元凶。しかし………故に

第2皇子「魔国を滅ぼせ………命令だ」

占い師「ふふふ………ええ。良いでしょう」

占い師「この大賢者。魔国を滅ぼして見せましょう!!!ふふふふ」

占い師(若返り力を戻し。皇子の妃として潜入)

占い師(そろそろ………実った果実は摘み取らないといけない)

占い師(そう………ふふふ。やっとやっと)

予想外で実ったのだから

占い師(ふふふ。はははは)

皇子「楽しそうだな?」

占い師「ええ。楽しい」腕を回し笑う

占い師「いい結果が出たんです。嬉しいでしょう?」

皇子「ふん」

皇子「ああ、そうだな……大賢者」

占い師「ふふふ」

皇子(飼うのは………俺のため)

皇子(しかし)

皇子(本当に魔王を相手することができるのだろうか?)

時計塔の都市
帝国の皇帝候補者が納める地
そして………時計塔に守られた都市

数年で町から都市へと発展し
魔国と人間の国を結ぶ重要拠点に成長した
帝国は気にしなかったがスパルタ国の砦と同じぐらい、それ以上の重要な場所になりつつある。

魔国の中枢に近い。妖精の治める地を越えた先がを魔王の都市なのだ

第2皇子の弟
第3皇子が治める

第3皇子は旅によってアラクネ族の女性を嫁とした変わり者だ。帝国に場所はない。故にここに居を構え、治める実力者にまで登り詰めた。

「第3皇子どの」

ここは国の力を持つまでになっている。
スパルタ国のような物に。

第3皇子「なんだ?また嫁が騒ぎだしたか?」

部下は人間と魔族が混じっている。
どちらも付かない者たちが集まって国ができた。
異様に多種族である。

「いえ、お客人です。それも………ここ国の所有地をお持ちの………」

第3皇子「執務室に通せ」

「はい」

執務室に一人の男が現れる

第3皇子「………禍々しいオーラ。勇者王ですね」

勇者「うむ。久しいな皇子………奥さんはまぁ大変そうだな」

第3皇子「ええ………めっちゃわがままでわがままで」

第3皇子「かわいいです」にこにこ

勇者「そうか。それはよかった」

第3皇子「用件は戦争ですか?」

勇者「ああ。もちろん………で」

勇者「呼んだ」

アラクネ「おぅ!!勇者連れてきたぞ」

エルミア「勇者どの。こんにちは」

第3皇子「ふむ………これはこれは………マクシミリアンを呼んだと言うことは停戦ですか?」

勇者「停戦………まぁゆっくり話そう。ゆっくりとな…………」

スパルタ国の砦、夜

何日目の夜
補給を済ませ
月明かりの下
砦の門が空く

砦の出っ張りの見晴台に魔王は立ち
砦の門から出ていく兵を見る

月明かりに照らされた騎馬がゆっくりと歩を進める。

声を叫んでいる敵に向かって

スパルタ王「寝る邪魔をしおって」

魔王「今回はちょっかいだけですからね?夜襲は危険ですから」

夜襲はむずかしい攻めかたである

スパルタ王「わかってる。魔王、砦の場所だけをわかるようにしてくれれば帰る」

魔王「……………わかりました照明弾見えたら帰って来てください」

スパルタ王「ああ!!野郎共!!夜襲だ!!!行くぞ‼」

ダダダ!!!

「なんだ?騎馬の音がするぞ?」

スパルタ王「目的地はあの夜営地。火を放ち‼燃やすぞ‼」

「「おおおおお!!」」

騎馬が松明を持って進む

周りの兵士たちを馬で蹴散らし

進み、明かりがあるところまでつく
そして篝火など倒し、布のテントに火を放つ

「敵襲!!!!!!!」

南騎士団長「何が騒がしいな」

「て、敵襲です‼」

南騎士団長参謀「!?!?」

南騎士団長「前線は何をしていた!!!!」

「わ、わかりません‼」

南騎士団長参謀「兵を整え迎撃準備!!槍を持て!!!」

ピカァ!!!

南騎士団長「なんだ!?あの光は‼」

南騎士団長参謀「魔法!?魔法隊!!!!!」

砦に帰宅

スパルタ王「はははは!!!敵は大慌て大慌て!!」

魔王「おかえりなさい」

スパルタ王「うぐっ………」(なんだ……この気持ちは………ああ。なるほど)

スパルタ王「くくく。最高に楽しかったぞ」

魔王「うまく行きました。五月蝿かったですから」

スパルタ王「くくく。では、寝るとしよう。明日もいいな!!魔王!!」

魔王「はい。夜は騎馬で打って出てください」

夜は騎馬、昼は歩兵が起きている。

魔王「さぁこれから疲弊させていきましょう‼」

それから数ヵ月
無駄に時間が過ぎていく

南騎士団長「くっ………何故落とせん‼兵力も十分!!」

南騎士団長参謀「川に毒を流しても意味はなかった………」

南騎士団長参謀「補給を断っているはず!!!」

南騎士団長「………くっそなんだあの砦は!!!」

マクシミリアン騎士団長「………すいません私は帰国します。西に……怪しい動き」

南騎士団長「くっそ。打って出てきやがったか?」

南騎士団長参謀「南騎士団長さま………あの砦を諦め。兵を分けて後方を叩きましょう‼そちらの方が兵は少ないでしょう」

南騎士団長「……………よし。参謀半分の指揮権をやろう‼」

それから数日後
敵の攻めが緩む
そう、まるで力を抜いたように
砦の物見から眺め、悩む

エルフ族長「……………何を企んでいる」

エルフ族長は………気付かない
1000ずつ
1日ごとに減っている事を

気付いたのは。後方の砦に囲まれている情報が夜になって届いてからだった。

ドラゴンの運送屋が気が付いた。
元々後方の砦から運送しているため。隠れた兵が一気に押し寄せたのを確認した。

各々の長が集まる

そして、緊急軍義

エルフ族長「状況は以上です‼」

状況は、封じ込める兵だけ残し後方の砦を攻められている。
後方の砦は最低限の兵士しかおらず………民もまだ………逃げていない

魔王「やりますね」

エルフ族長「ええ」

参謀らしく何故か二人だけで話をする

軍義と言っても………悲しいことに軍師はエルフ族長しかいない

エルフ族長「では………どういたしましょう?」

魔王「…………」

ぶぅん!!

ザワザワ!!

魔王が手を広げた瞬間。地図が空中に写し出される。それは、風の魔法だ。

魔王「皆!!注目!!敵はここより先に後方を叩くらしい!!このままでは時間の問題だ‼そこで…………」

地図に矢印が出る

魔王「ここから援軍を出す!!他の場所よりここからの方が速い!!!!」

ダークエルフ族長「しかし!!囲まれてます‼この砦は!!!」

魔王「撃ち破り、騎兵だけでも向かわせる!!」

魔王「北に打って出る!!私とトロールが道を開ける!!そこをスパルタ王とダークエルフ族長は駆け抜けよ!!」

エルフ族長「相手の追っ手も振り抜き援軍として騎兵全軍で向かい砦と一緒に敵を撃破せよ‼」

魔王「作戦決行は………今から午後一時とする。時間を窮する…軍義は解散!!北門へ集まれ!!」

「「「は!!」」」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom