犬「動物の温泉旅館へようこそ」(51)

犬「女将の犬です」

男「犬が喋った…」

犬「ですから、ここは動物の温泉旅館ですって。私は女将の犬です」

男「では、ほかの従業員も動物なのですか?」

犬「はい」

ササッ

猫「仲居の猫だニャン」

ササッ

熊「板前の熊だモン」

ササッ

鰐「雑用の鰐だワニ」

男「まじか」

犬「動物による心からのもてなしで」

猫「お前を快楽人形にしてやろうか!」

熊「ブハハハハ!」

鰐「ブハハハハ!」

男「まじか」

犬「動物による心からのもてなしで」

猫「お前を快楽人形にしてやろうか!」

熊「ブハハハハ!」

鰐「ブハハハハ!」

男「なんて高慢な態度だ…言うからには、満足させてもらえるんだろうな!」

犬「もちろん、動物にしかできない癒しを!貴方に!」

猫「ニャニャーン」

熊「蜂蜜塗るモン」

鰐「人肉食べたい」

男「おい鰐」

鰐「あ、嘘嘘。人肉食べたい訳じゃなーい」

ジュルリ

男「そう言いながら俺を見てヨダレを垂らしているじゃあないか!」

鰐「だって…ここ最近人肉食べてないし」

男「ちょっと待て。じゃあ数日前には人肉を食べたのか、お前は!」

鰐「わにーん」

男「ごまかすな!」

犬「まぁまぁお客様。この旅館では人が行方不明になる事件がよく起きていますが…鰐さんとは無関係ですので安心して下さい」

男「なにそれ…不安しかない」

猫「あーもう!しのごの言わずに宿泊するニャン!」

クネックネ

男「!」

男(猫がなまめかしく体を揺らして…揺らして揺らして揺らして…)

sexy sexy

ボッキーン

男「ぬぅっ!」

猫「ひゃあ!威力棒!」

ビィィィ

鰐「わにーん…」

熊「くまーん…」

トロォン…

男(しまった…勃起により強烈なフェロモンを発してしまったか)

犬「わんわんっ!」

サムワンワン!

男(犬まで俺のフェロモンに…このままでは…俺が動物達に犯されに犯される事案発生の予感!)

熊「くまーん…」

ギラッ

鰐「わにーん…」

ギラッ

男(熊も鰐も狩人の目だ…今にも八時ちょうどのあずさ二号で旅立ちそうな目だ!)

熊「…」

フゥー

熊「はぁっ!」

シュオシュオシュオ

バベル!

男「なっ…熊の股間から突き出したのは…まるでバベルの塔!天まで届くかのごとく!」

熊「私の愛棒は少々荒っぽくてな…手加減などしてやれんのさ!」

バベル!
バベル!

男「まだまだでかくなるのか…」

犬「おっほっほ…熊さんのご自慢の【戦具(ハウペエ)】…」

『天を貫く黒い巨塔(バベル)』

熊「ふはは!バベルの能力により私の海綿体は常人の30倍!故に勃起時に血液が溜まる!溜まるのだ!肉棒になぁぁぁぁぁ!」

バベル!

男「すでにスカイツリー並の高さじゃあないか…だがそこまで勃起して、支えきれるのか、あんたは!?」

熊「くっくっくま…心配ご無用…バベルの能力は私の足筋をも強化してくれている…巨大な肉棒を支えうる足の筋肉を!持っているのさ、私は!」

ビキッ ビキビキッ

熊「もはやこの肉棒…貴様の尻穴を犯し、直腸を満たすまで収まらぬ!」

男「ふぇぇ…そんなの入らないよぉ…」

熊「!」

キュンッ

熊「くまーん!」

ビキッ ビィィィ

熊「い、いかん…胸のトキメキで肉棒がオーバードライブ…暴走を!」

ビキッ ビキビキッ

熊「力が…勝手に…うわぁぁぁぁぁ!」

ニクニクニク

熊「肉が増殖して…チンポからこぼれ落ち…」

ボタボタボタ!

鰐「わ、わにぃ!?」

バキャッ

鰐「ぐはっ…」

犬「に、肉の隕石だ…これはまるで肉の隕石だ!!!」

ヒュー ベチャ ヒュー バキャッ

猫「に゛ゃあ゛あ゛あ゛!」

ヒュー バキャッ

犬「わ゛あ゛あ゛あ゛ん!」

男「み、みんな肉の隕石が直撃して…死んでいく!うわぁぁぁぁぁ!みんな死んじゃうよぉぉぉぉぉ!」

――アメリカ――

米国民A「ファッツ!?」

ヒュー バキャッ

米国民A「マイガッ!」

ヒュー バキャッ

米国民B「ファック!」

ヒュー バキャッ

米国民C「ジーザス…」

バタリ

――日本――

日本人A「な、なんだあれは」
ヒュー バキャッ

日本人A「ぎぃやぁぁぁ!」

ヒュー バキャッ

日本人B「くにゃっ!?」

ヒュー メコッ

日本人C「らきすたっ!」

――パニォヌマィ帝国――

パニォヌマィ帝国民A「ダダラッパイ!?」

ヒュー バキャッ

パニォヌマィ帝国民A「ハッサン!?」

ヒュー バキャッ

パニォヌマィ帝国民B「ハンサーランサー!」

ヒュー バキャッ

パニォヌマィ帝国民C「タカハシサーーン!」

―――――

その日地球は
陸地の90%が壊滅した。

それに伴う海面の上昇
気温や大気の変化

地球はもはや絶望に包まれた。

人々は地球を諦めた。
各国が極秘裏に進めていた宇宙移住計画が前倒しになり
ごくわずかの選ばれた人間だけが宇宙へと逃げ出したのだった。

地球に残された人々は
それでもなお生きることを諦めはしなかった。
他者を押しのけても
生きることを諦めはしなかった。

それは
力による支配の時代の訪れであった…

――パニォヌマィ帝国、とある酒場――

男「…」

グビッ

店主「今日も随分飲むねェ…おかわりかい?」

男「あぁ…そのままでな」

店主「まったく…パニォヌマィ帝国原産の酒を薄めず飲むのなんか、あんたくらいのもんだよ」

男「強い酒はいい…嫌な事を忘れさせてくれるからな」

店主「ちげェねぇ…ほいよ」

トンッ

男「…」

グビッグビッ

男「ふぅ…こうして酔っている間だけが、まともに人間をやっていられるような気がするよ…」

店主「…」

男「…15人だ」

店主「?」

男「今日倒した人間の数…」

店主「…」

男「つい数ヶ月前は震えてろくに銃も持てなかった俺が、だぜ?」

店主「…この国にはまともに戦える奴が少ない…あんたには…いや、よそう。口にすると安っぽくなりそうでな」

男「あぁ…」

グビッ

男「…」

男(そうさ…慰めも同情もいらないし、意味がない…今の俺は…ただのいち兵士だ)

グビッ
ブルッ

男(飲み過ぎたか…少々尿意が…)

ブルブルッ

男(ま、まずい!)

ショパン…

男(あ…膀胱が…駄目…いやっ…あぁぁぁんっ!)

ショパパパパパパパパパパ…
ショパン!

男「はぁぁぁぁぁん!」

店主「う、うわぁぁぁ!男の股から黄色い液体が!溢れる!溢れてるぞぉぉぉ!」

ウットリ

ブルブルッ

男(ま、まずい!)

ショパン…

男(あ…膀胱が…駄目…いやっ…あぁぁぁんっ!)

ショパパパパパパパパパパ…
ショパン!

男「はぁぁぁぁぁん!」

店主「う、うわぁぁぁ!男の股から黄色い液体が!溢れる!溢れてるぞぉぉぉ!」

ウットリ

店主「実は俺は黄色い液体に目がないんだ!オロナミンもジンジャーエールもビタミンすぅーなマッチも!黄色い液体を見たら飲まずには!いられない!体質なんだよ!」

ダダダッ
ズサー
カパァ

そして店主は男の股下に滑り込み
大きく口を開けた。

男「なっ…貴様何をしている…何をしていると訊いているぅぅぅ!答えろ!答えろと言っているぅぅぅ!」

その時である。
感情が高ぶった事により
男の排尿力量は激増した。

ダパァァァン…
ダパァァァン…

DA PUMP!

男「な、なんて言うんですか緊張感…」

ブルルッ

店主(さぁ、来い!)

ガガガ!

ガガガ!

ガガガSP!

その排尿力量、実に百メガトン!

ガガガ!

店主「ぶばばばば!」

ガガガ!

店主「に゛ょ…尿圧が…強すぎて…じ、死゛ぬ…」

ガガガ!

店主「り、陸で…溺れる…」

店主「…」

男「…」

チョロ…
ピタ

男「ふぅ…おや、うん?」

男が股の下に視線を落とした
そこには
店主が息絶えていた。

男「なっ…店主!」

男「しょ、ションベンまみれじゃねぇか…誰がこんな酷い殺し方を!」

男は怒りに震えた。
この酒場はお気に入りで
そこの店主も気に入っていた。戦いに傷つき疲れた時は
何度と無く慰められた。

その店主を、誰が!?

もちろんやったのは男自身だ。
だが彼には記憶がない。
排尿時の、記憶がない。
彼は特異体質であり
尿を出す際のアンモニアが脳内の記憶回路を乱すのだ。

男「くそっ、店主の敵は必ず…!」

プルプル

男は怒りに震えた。
その震えは大地を揺らし
地球の奥深くマントルをも沸き立たせた。

そして活動するマグマ。
あちこちで休眠していた火山が目覚め、噴火した。
容赦なく流れる高温のマグマに対し
人々は為す術を持っていなかった…

それから世界は荒れに荒れた。
マグマで焼かれた大地を追われ
人々は水上で暮らす道を選んだ。
かつての生活は消え
新たな暮らしや文化が生まれた。

だが依然として人々は
力による支配を続けていた…

そんな時代なのだろうか。
男は変わった。
中身も、外見も。
体はまるで獣のように巨躯になり
気温の低下に適応するかのように太い体毛に覆われた。

爪を切ることもできないので
太く黒く鋭い爪になってしまった。



――その姿はまるで――
――熊のようであった――

それからなんやかんやあって
男は旅の途中で倒れた。
そこをある女性に拾われ救われた。
その女性は旅館を経営しており
男はしばらくそこで働く事となった。



――その女性の姿はまるで――
――犬のようであった――

その女性は、旅館の主。
つまり女将である。

女将は世話焼きであった。
男のほかにも行き倒れを何度か拾って連れてきては
旅館の従業員にして面倒をみた。

いつしか旅館も随分と賑やかになった。

仲居の女性。
彼女はまるで猫のような外見と性格をしていた。

雑用係の男性。
彼はまるで鰐のような顎と鱗を持っていた。

そんな不思議な
まるで動物園のような旅館。

いつしか男は
過去を忘れていた。
今の暮らしが大切になっていた。
この旅館が好きになっていた。

その旅館に
人間が一人、訪れようとしていた。

?「ふぅん…この時空は人間が随分変質してるんだな」

?「俺の故郷に比べかなり寒いな。それに空気が獣臭い…どういう歴史を辿ったらこうなるんだか」

?「まぁそれを調べるのが俺の仕事か。さぁて、行きますかね」

ガチャリ



『動物の温泉旅館へようこそ』



【完】

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