藤原肇「増える、二人の普段通り」 (42)


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繋がりはありませんが前作

藤原肇「ふと、不安が増える一瞬」
藤原肇「ふと、不安が増える一瞬」 - SSまとめ速報
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カタカタカタカタ


P「ふぅ…もう直ぐ終わるな」


肇「お疲れ様です。お茶、淹れましょうか?」


P「お、ありがとう。お願いしていいか?」


肇「はい、お湯既に沸かしてあるので少し待ってて下さい」


P(…仕事で疲れた心に優しさが染みる…)


P(もう日は落ちてるし、てっきりみんな帰ってると思ったけど…)


P「あとひと頑張りするか」


カタカタカタカタ


肇「……」じー


P「……」カタカタカタカタ


肇「……」じー


P「っよし!あとは後で提出して終わり!」


肇「お疲れ様でした。帰る前に、一緒に一息つきましょう」





P「ん、この湯飲み…事務所に無かった気がするな」


肇「あ、私が作ってきたんです」


P「ありがとう。やっぱりちゃんとした湯飲みで飲むお茶って違うよな」


肇「よろしければ、プロデューサーに一つ贈りましょうか?」


P「肇には感謝してもしたりないな」


肇「私が好きでやっている事ですから」


P「…ところで、さ」


肇「…?なんでしょう?」


P「…なんか近くない?」


肇「気の所為ではないですか?」




P「横長のソファがテーブル挟んで二つあるんだ」


肇「でも、別に離れる必要はありませんよね?」


P「…それもそう…なのか?」


肇「そうですよ、他には誰も居ないんですから、好きな場所に座ればいいんです」


P「それとさ…なんで湯飲み一つしかないんだ?肇の分は?」


肇「…?一つの方が洗う手間が省けるじゃないですか」


P「それもそう…なのか?」


肇「そうですよ。お水は大切にしないといけませんから」


P「…まぁ、肇がいいならいいか」


肇「はいっ!」




P(藤原肇、16歳)


P(見た目と本人の性格も相俟って、とても落ち着いて大人びているアイドル)


P(俺自身何度この気遣いと優しさに助けられた事か…)


P(…けれど)


肇「ふふっ…間接キス、ですね」


P「…そうだな」


肇「プロデューサーも、どうぞ?」


P(ご覧の通り、うん)


P(…多少、ほんの少しだけど)


P(かなり、甘えてくる女の子だった)




肇「…飲まないんですか?」


P「い、頂くよ勿論。ふー…美味い」


肇「私も一口頂きます」


P「はい、どうぞ」クルッ


肇「ふふっ、ありがとうございます」クルッ


P(…湯飲みの向き、少し回して変えたのに戻された)


肇「…あの…お仕事、改めてお疲れ様です」グイッ


P「みんなが頑張ってるんだから、俺も頑張らないとな」


肇「きっとみんな、プロデューサーの頑張る姿を見ているからこそ、だと思いますよ」グイッ


P「そうだったら嬉し…なんか更に近くなってないか?」


肇「気の所為じゃないでしょうか?」


P「さっきまで肩に頭が乗せられるほど近くは無かった気がするんだけど」


肇「最初からそうだったと思いますよ?」


P「…割と恥ずかしいな」


肇「でしたら、一緒に慣れてゆきましょう」






肇「ところで、お菓子食べますか?」


P「甘い物なら是非とも。頭使ったりした跡は凄く欲しくなるな」


肇「はい、ポッキーです。先週の金曜日に買おうと思ったら、売り切れてしまっていたので…」


P「ポッキーか。そう言えばあの日はポッキーの日だったからな」


肇「私も他の方から何本か頂きましたが、落ち着いて食べる事は出来なかったので…」


P「まぁ撮影だったり他のアイドルがいるののんびりは出来ないな」


肇「そこで聞いた話によると、世間にはポッキーゲームと呼ばれる遊びがあるそうなんです」


P「俺もよく分からないから取り敢えず普通に食べないか?」


肇「ポッキーゲームのやり方、ご存知ですか?」


P「きっと何方がポッキーをより美味しそうに食べられるか競うゲームじゃないか?少なくとも闘いでも恋人同士でやるものでもないと思うぞ」


肇「では、今から調べますのでもしプロデューサーが間違えていたら私とやって貰います」





肇「…なるほど、二人で…」


P「…絶対知ってただろ…」


肇「というわけで私とポッキーゲーム、やってみましょう」


P「あぁ言うのはきっと女の子同士男の子どうしてワイワイやるもんだよ多分」


肇「…やってくれませんか?」


P「…やるよ、うん。誤魔化そうとしてたのは俺だし」


肇「では失礼します…よいしょ」


P「…肇さん、あの」


肇「なんでしょうか?」


P「なんで膝の上に乗っているんでしょうか」


肇「横を向いてやるより楽だと思ったからです。立つと身長差がありますし、これが一番適切だと調べたサイトにもありました」


P(サラッと言おうとしてるけど、かなり顔が赤くなってる)


P(…持ち堪えろ、俺)


P「まぁやってみるか。俺もポッキーゲームやったこと無いから恥ずかしさ半分嬉しさ半分だけど」


肇「初めてなんですか?…よかった」







肇「では、咥えて下さい」


P「はいよ」


P(俺がチョコ側を咥えると同時に、チョコが塗られてない部分を肇が咥えた)


P(もう…なる様になれ)


パキッ


P(…近い、凄く近い)


パキッ


P(まって想像以上に恥ずかしいんだけどこれ)


パキッ


P(噛まれた時の振動ダイレクトに伝わってくるし肇顔真っ赤だし凄く可愛いし)


パキッ


P(あと噛むスピードはやくないか?)


パキッ


P(やばいもう鼻先くっつく超近い目を瞑るな!)




あと一口噛み出せば、唇と唇が触れてしまいそうな距離。
そんな状態で、二人は一度動きを止める。
まるでこのギリギリの状態を堪能するかの様に。
まるであと一歩で届いてしまう距離を味わうかの様に。


ふと、閉じられていた肇ちゃんの瞳が開かれた。


恥ずかしさを押し殺し、真っ直ぐにプロデューサーさんを見つめる。
瞳同士の距離も、殆どない。
次は、貴方からお願いします、と瞳で伝えていた。


負けを宣言してポッキーを放そうとするプロデューサーさん。
けれどそれよりも早く、プロデューサーさんの頭の後ろに肇ちゃんの腕が回し込まれた。


…もう、やるしかない。


いけ!プロデューサーさん!
やっちゃえ!プロデューサーさん!


P「…ってなんでちひろさんが居るんですか?!」


肇「えっ?!きゃっ!」


ちひろ「飲み物を補充しに行ってる間に…ちなみに、ポッキーゲームを始めるあたりからいましたよ?」


P「あとなんなんですか今の語りは…」


ちひろ「完全に二人の世界に没頭してましたね。仲が良いのは素敵な事ですが、きちんと場所は弁えて下さいね?」


P「流石に外でポッキーゲームをやる度胸は持ち合わせてませんよ…」


ちひろ「では、お邪魔しました。二人ともきちんと自宅に帰るんですよ?」


P「ははは、俺も事務所暮らしは嫌ですしちゃんと帰りますって」


ちひろ「そういう意味ではなくて…まぁいいでしょう。お疲れ様でした」


P「お疲れ様でした」


肇「お疲れ様でした」


ガチャ


P「…ふぅー…見られたのがちひろさんで良かった…あの人なら優しいから弱みを握られるなんて事もないだろうしな」


肇「流石に、事務所は不味かったですね…」


P「さて、じゃあそろそろ帰るか」





肇「あ、プロデューサーはもう夕飯食べてますか?」


P「ん、まだだぞ。まぁ家にインスタント麺のストックがいっぱいあるからそれにするつもりだったけど」


肇「…昨晩の夕飯はなんでしたか?」


P「味噌」


肇「…その前は?」


P「塩。コーン入れると美味んだよな」


肇「…私が夕飯を振舞います。自信はありますから」


P「お、ありがたいな…ん?」


肇「まったく…体調管理が一番必要なのはプロデューサーではないですか」


P「まってちょっと落ち着こう。割とついていけてないから」




肇「プロデューサー、良ければ、その…スーパーまで…手を…」


P「さっきまで膝の上に座ってた割にそういう所恥ずかしがるの凄く可愛いけどさ、一旦認識の齟齬が無いか確認しよう」


肇「…繋いで、くれませんか?」


P「そうだな先ずは手を繋いでから考えようか」ギュ


肇「あったかい…ふふ、ありがとうございます」


P「最近冷えるからな…コートとマフラーが欲しくなってくる」


肇「ところで、スーパーはこっちであってますか?」


P「違う、いやあってるんだけど違うって。先ず肇、お前俺の家に来るつもりか?」


肇「…ダメでしょうか?私は純粋に、プロデューサーに手料理を、と…」


P「そ、それはまた今度事務所で…」


肇「このままプロデューサーが一人で帰宅したら、絶対夕飯は醤油ラーメンですよね?」


P「何故ばれた、今トンコツと迷ってたところだ」


肇「そんな食生活をされていたら、此方が心配になりますから…」


P「…まぁ、遅くならない様にな」


肇「はい!」




~スーパー~


肇「此処からプロデューサーの家まで、歩いてどのくらいですか?」


P「歩いて7分くらいだ。まぁ荷物が多くなっても俺が持つから問題無いよ」


肇「プロデューサー、ちゃんと野菜傷む前に食べられますか?」


P「…まぁラーメンに突っ込めば…」


肇「…多く買いすぎてしまった場合、また近いうちに私が作りに行きます」


P「面目無い…」


肇「大丈夫ですよ、好きでやっている事ですから。それに、こうやってカートに商品を一緒に乗せていくのってまるで…」


P「まるで?野菜マシマシ?」


肇「……」プクー


P「ごめん、ついその表情が見たくてな。まるで夫婦みたいだ」


肇「…ですね!後は挽肉とピーマンと…」


P(さっきまで以上に気分が良さそうだ、可愛い)




P「…結構買ったな。いい運動になりそうだ」


肇「すみません…つい」


P「でも、また肇が作りに来てくれるんだろ?」


肇「そうですね。あ、でもプロデューサーも少しはちゃんとした物を自炊した方がいいと思いますよ?」


P「耳が痛い…」


肇「プロデューサーの両手が塞がっていると、手が繋げませんね」


P「それはまぁ、でも肇に持たせる訳にもいかないからな」


肇「…でしたら、そちらの軽い方で良ければ持ちますよ?」


P「いいのか?こっちは確かに割と軽いけど」


肇「そうすれば…」ギュ


肇「…ほら、腕が組めますから」


P「…腕組むのって、慣れないとアンバランスで難しいよな」


肇「まったくプロデューサーは…でも、でしたら。これから慣れればいいんです」


P「…勝てないなぁ、肇には」





~プロデューサー宅前~


P「ここだ、鍵出すからちょっと待っててくれ」


肇「大きなマンションですね…」


P「給料は悪くないからな。時たま見覚えの無いドリンク代が差っ引かれてるけど」


肇「ここの何階なんですか?」


P「五階だ。階段で登るにはしんどいけどエレベーター待つのも面倒なんだよな」


ポーン、五階です


P「到着、じゃ少し片付けないとまずいから2分だけ待っててくれるか?」


肇「散らかっているくらい気にしませんよ?」


P「俺が気にするんだよ。外は寒いし、玄関に居てくれ」


肇「…早く、戻ってきてくださいね?」


P「それは俺が死ぬやつだ」





P「ふぅ…それではどうぞ」


肇「なんでそんなに畏まってるんですか…お邪魔します」


P「…肇も緊張してる?」


肇「…少し」


P「取り敢えず、キッチンにあるものはなんでも使ってくれ。俺は申し訳ないけどさっきの書類出し忘れてたから提出させてもうぞ」


肇「では、その間に…愛情を込めて、作ってます」


P「…少し顔赤いぞ」


肇「プロデューサーもですよ」


P「…仕事仕事あーカタカタカタカタ」


肇「さて、では私も…あの」


P「ん?どうした?」


肇「…包丁、どこでしょうか?」


P「まぁ初めてはそうなるよな。一緒に作るか」


肇「すみません、邪魔してしまって…次までには場所を覚えますから」




肇「こうやって二人でキッチンに並んでいると、本当に夫婦みたいですね」


P「…コショウどこだったかな…」


肇「誤魔化さないで下さい…あ、お塩取ってもらっていいですか?」


P「はいよ。あ、先にコップと箸並べてるから」


肇「…ふふっ」


P「もう直ぐ完成だな。凄く楽しみだ」


ぴぴぴっ、ぴぴぴっ


P「ん、俺じゃないな」


肇「私ですね…あ、ちひろさんから…」


『肇ちゃん、そろそろ自宅に着きますよね?きちんと帰っていれば。申し訳有りませんが、確認の為に部屋がある程度写る様に時計の写真を撮って送って頂けますか?』


肇「……」


P「…まじか」


肇「…すみません、プロデューサー…私は急いで帰らないと…」


P「車出すよ…確かに、明日肇早いからな。ちひろさんはそっちの心配をしてるんだろうけど」


肇「…また、近い内に来ますから」




P(肇を急いで送り届けて、部屋に戻ると慣れたはずの一人が凄く寂しく感じられた)


P(ちひろさんに対して何か言うつもりはない。完全に俺に非があるのだから)


P(明日肇は早朝からロケで遠出するのに、こんな事で夜更かしして遅刻させる訳にはいかない)


P「…取り敢えず仕事するか」


P(ぱぱっと送信し、さっき肇と一緒に作った料理を食べる)


P(あれだ、友達を家に呼んで遊んで帰った後の喪失感的なアレだ)


P(…そういえば、明日明後日は肇は事務所に来ないんだよな…)



~翌日、事務所~


P「おはようございます」


ちひろ「おはようございます、昨日は二人ともきちんと帰っていた様ですね。変な心配をしてしまって肇ちゃんに確認しちゃいました」


P「まぁ事務所でポッキーゲームやっているのを見た後だったらそうなりますよね」


ちひろ「今朝から肇ちゃんはロケですから、体調管理もしっかりしていただきませんとね」


P「じゃ、俺は少しまわってきます」


ちひろ「頑張って下さい。あ、ささやかながら私から応援を…」


P「お、このドリンクいつも助かってますよ」


ちひろ「ふふっ、では良い結果をお待ちしてますよ」



~夜、事務所~


P「ふぅ、そろそろ終わるな」


ちひろ「お疲れ様です。そういえば、冷蔵庫に何か入ってましたよ」


P「なんだろう…今朝のドリンクは飲み切ったから入れてない筈だし…」


パタ


『プロデューサーへ。一日お疲れ様です。よければ一息つきながらでも食べて下さい』


P(冷蔵庫にはメモとどら焼きが入っていた)


P(…ほんと、ありがたいなぁ)


ちひろ「まぁ私は昨日から知ってたんですけどね」


P「このタイミングで伝えてくれてありがとうございます。丁度終わりますから、この後頂きます」


ちひろ「では、私はそろそろ帰りますね」


P「お疲れ様でした」


ちひろ「お疲れ様でした。明日も頑張りましょう!」





~P宅~


P「ただいまー」


P(…とうぜん、一人暮らしなんだから返事はない。むしろあったら怖い)


P(…今日は醤油ラーメンにしよう。贅沢にハムも乗せてやる)


P(美味い、でも非常に寂しい。何故だろう、メンマが無いからだろうか)


P(…違うね、うん)


P「…さて、明日もあるし早めに寝るか」



~翌日、事務所~


P「おはようございます」


ちひろ「おはようございます、今日も頑張りましょう!」


P「じゃ、俺はまた少し出てきます。書類等あったら夕方には戻ってくるんでデスクに置いといて下さい」


ちひろ「あ、プロデューサーさん。ささやかながら、私から応援を」


P「ありがとうございます。このドリンク、いつも助かってますよ」


ちひろ「いえいえ、それでは頑張って下さい!」







~夜、事務所~


P「…うーん、なかなか進まない…」


ちひろ「終わりそうですか?」


P「一応、今日中には…おそらくですが」


ちひろ「私もまだ終わりそうにないですし、付き合いますよ」


P「ありがとうございます…少し休憩するかな」


パタ


P(…なんとなく癖で冷蔵庫を開けてしまった。とうぜん中には飲みかけのペットボトルしか入っていない)


P(…今更になって、いつも差し入れを用意してくれていた肇が占めていた心のウエイトを実感する)


P「…缶コーヒーでも買ってきます」


ちひろ「あ、ついでに私の分もお願い出来ますか?」


P「了解です。無糖でいいですか?」


ちひろ「むしろその方が有難いです、凄く」


P「…?」





P「ふー、そろそろ終わりそうです」


ちひろ「お疲れ様です。私ももう終わってますし、そろそろ閉めましょうか」


P「あ、書類提出したいんで少し待って頂けますか?」


ちひろ「…うーん…よし、では私がやっておきますから、プロデューサーさんはお先にどうぞ」


P「え゛?」


ちひろ「プロデューサーさんは私を何だと思っているんですか…」


P「いえ、何か悩んでいる様だったんで…」


ちひろ「兎に角、プロデューサーは早く自宅に帰って下さい」


P「…了解です。明日は休みなんで、何か連絡等あれば何時でもお願いします」


ちひろ「はーい、お疲れ様でした」


P「お疲れ様でした」





P(コンビニでメンマ買って帰るか)


P(…あれ、メンマに謎のカードがついて5108円になったぞ、何故だ)


P「さっむ、走ろう」


P(…ん?マンションのロビーに誰か居るな…どっかで見た事のある…)


P「…え?肇?」


肇「…お、お疲れ様です…」


P「なんで…ってずっと待ってたのか?寒いだろ直ぐ開けるから!」



P「どうぞ、今暖房入れたから」


肇「すみません、お邪魔します…」


P「…で、なんで来てるんだ?」


肇「近い内に来る、って言ったじゃないですか」


P「格好的にロケ終わってから直で来ただろ」


肇「ちひろさんが気を回して下さって、この近くの最寄り駅にバスを送ってくれたんです」


P「あー…だから早く帰れって言ってたのか」


肇「…迷惑、でしたか?」


P「んな訳あるか。むしろ来てくれて凄く嬉しいよ」


肇「よかった…では、夕飯を作りますから。どうせ、今日もラーメンにするつもりだったんですよね?」


P「…メンマとハムのラーメン添えにするつもりだったよ」


肇「ラーメンじゃないですか…」






P「器具の場所はおぼえてるか?」


肇「当然です。ですが…先日みたいに、一緒に作りたいです」


P「もちろん協力するよ。あ、一昨日の料理美味しかったぞ」


肇「それは良かったです。では、今日はそれよりもっと美味しく感じさせますから」


P「練習したのか?この二日間で」


肇「いえ…ですが、二人で囲む食卓は、一人よりもきっと美味しいはずです」


P「…かもな。慣れてた筈なのに、なんだか一人が寂しくなったし」


肇「食材は、どうせ使ってませんよね?」


P「なんか若干棘がないか?」


肇「ふふっ、私を待たせたからです」


P「それを言われると何も言い返せないな…」



~食後、リビング~


P「ふぅ、美味しかった…やっぱり一緒に食べる人がいると良いな」


肇「翌日が休みでしたら、何時でもお付き合いしますよ」


P「ほんと、肇には感謝してもしたりないな…今日も、癖で冷蔵庫覗いてさ。いつも肇に支えられてたんだって改めて実感したよ」


肇「支えてる、ではなく支えあっている、ですよ」


P「そう言ってくれると本当にありがたいな」


肇「ふぅ…お腹もいっぱいです」


P「さて、車出すかな」


肇「あの、プロデューサー。食後に何か甘いものは欲しくありませんか?」


P「ん、何か買ってきてるのか?家には甘いものなんて砂糖しか無かったはずだけど」


肇「はい…ポッキーです」





P「…ポッキー、か…」


肇「…あの、プロデューサーは明日お休みですよね?」


P「まぁ、一応な」


肇「…私もです。ご存知だとは思いますが」


P「…当然知ってるよ」


肇「…だから…その、ですね…先日は中断してしまいましたが…」








肇「デザート代わりに…ポッキーゲーム、しませんか?」







めんどくさ成分薄くしてストレートティーにしてみました
お付き合い、ありがとうございました

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