提督「『絆』・・・」時雨「ネクサス!」 (44)

●艦これ×ウルトラマンネクサスのSS。
●ご都合主義、鬱、グロ、ホラー展開あり。
●更新ペースは遅め。(なるべく週1を目標に)
●拙い文章。

以上の事を把握してくれた方のみ、進んでください。

守れない方は、ブラウザバックでお願いします。

――僕たちは生きる。当たり前の日常を

 鳥が歌い、花が咲き、人々が行き交うこの日常を

  でも、その日常がある日突然、何の前触れもなく崩れ去ってしまったら
 
   今の僕たちには一体、何が出来るのだろうか・・・――


Episode1 邂逅―ファーストコンタクト―

時雨「提督!ほら、こっちこっち。次はあの象を撮ってよ!」

提督「ん、ちょっと待ってろ。時雨も一緒に写るかい?」

時雨「うん!」

今日は久しぶりの休日。提督と時雨はこれを機に動物園に遊びに来ていた。

この後、とんでもない事件に巻き込まれることも知らずに・・・。

―鎮守府

所変わってここは提督と時雨たちの鎮守府。

執務室では、大淀や明石らが雑務をこなしていた。

大淀「提督たち、今頃楽しんでますかねー」

明石「そうでないとこっちが困るよ。休みの日でも『仕事するー!』って言ってた提督をムリヤリ行かせたんだから・・・」

大淀「時雨ちゃんも時雨ちゃんで、『提督の意見を尊重する』ですもんね・・・ケッコン艦なんだからこういう日くらい二人っきりで出かけてもらわないと・・・」

明石「ホント、あの二人には困ったものよ」

大淀はフフっと愛想笑いをし、再び作業に手を付けた。

夕立「むぅ~・・・提督さんも時雨もいなくてつまんないっぽい~」プクゥー

夕立はそう不満を漏らし、頬を膨らませながら机に突っ伏していた。

明石「ゴメンね・・・夕立ちゃん、手伝わせちゃって・・・」

夕立「提督さんと遊ぼうと思ったら、いないし、明石さんたちのお仕事手伝うことになっちゃって、もう踏んだり蹴ったりっぽい!」

大淀「夕立ちゃん、我慢してね・・・それに、頑張ってたら提督がお土産買ってくるかもしれませんよ?」

夕立「お土産!!夕立頑張るっぽい~~!!!」ポイポイポイ~~

夕立「終わったっぽい!!夕立、お部屋で待ってるっぽい~~!!」

大淀「は、速い・・・」

明石「効果てき面だったみたいね・・・」

夕立は机に置いてあった書類をすべて片づけると、自室へと戻っていった。

大淀「ホント、忙しない娘ね・・・あら?」

明石「どうしたの?大淀?」

大淀「いえ・・・さっきこの電探に、深海棲艦の反応が・・・それも、陸地に!」

明石「え?私ちゃんと定期的メンテナンスしてるのよ!そんなわけあるわけないじゃない。見間違いじゃないの?」

大淀「ええ。そうかもしれませんね・・・ちょっと休憩しましょう。多分、疲れて見間違えたかもしれませんね・・・」

明石「じゃ私、お茶煎れてくるね~」

大淀「お願いします」

電探『ピッピッピッピッピ・・・』


提督「ふぅー。ごちそうさま!」

時雨「美味しかったね。でもゴメンね。急だったもんだから、お弁当作れなくて・・・」

提督「いや、急だったから仕方ないさ。でも、今度出かけるときは頼むよ?」

時雨「うん!鳳翔さんたちに教えてもらいながら作ってみるよ!」

時雨「あ、提督。さっき撮った写真、見せてくれるかな?」

提督「ん?ああ。いいよ。ほら。」

時雨は提督から手渡られたカメラを取ると、1枚1枚スライドさせながら写真を見始めていった。

時雨「ねえ、提督の撮る動物の写真って、どれもみんな優しそうな顔してるよね。カバもキリンも象も。」

提督「まあな。こういう顔を見計らって撮ってるからなぁ・・・でも、野生のカバや象は縄張りに入ってきた相手には容赦なく攻撃して、殺してしまうことだってあるし・・・」

提督「キリンやシマウマだって、ライオンに襲われそうになったときは、後ろ足で思いっきり蹴り飛ばして撃退することだったあるからな・・・」

時雨「へぇ~。そうなんだ。提督って動物のこと詳しいんだね!」

提督「はは。こう見えて昔は動物学者になることが夢だったんだぞ?ま、今は訳あって提督業をやってるけどな。」

提督「さて、そろそろ他の動物たちも見に行こうか。何がいい?」

時雨「えっと・・・カンガルーが見たいかな」

大淀「う~ん・・・」

―再び鎮守府。大淀は先程反応があったと思しき電探とにらめっこしていた。

明石「またぁ?陸上に深海棲艦の反応なんてあるわけ・・・」

電探『ピッピッピッピッピ・・・』

明石「反応してる!?」

大淀「ええ。しかもここは位置的に・・・」

明石「提督と時雨ちゃんが出かけていった動物園の近く・・・」

大淀「もしこれが本当だとしたら大変なことになりますね・・・」

明石「『アレ』を使うときが来たかな?」

大淀「ええ。急いで準備にかかりましょう!」

二人は何かを察したかのように工廠へと向かって行った。

時雨「すっかり遅くなっちゃったね・・・・もう夕方か・・・」

提督「そうだな。でも、楽しかっただろ?」

時雨「うん!いろんな動物が見れたし、それに提督と一緒だったからより楽しかったよ!」ニッコリ

提督「そ、そうか。なら良かった・・・土産も買ったし、夕立もきっと喜ぶぞ!」

時雨の不意な満面の笑みに照れてしまたっため、提督は帽子を深々と被り、顔を隠した。

時雨「ふふっ。夕立きっと待ちくたびれてるだろうなー。・・・あれ?」

提督「ん?どうした時雨?」

時雨「なんか駐車場の方が騒がしいかなって・・・っ!」

提督「な、なんだあれは・・・!?」

二人が駐車場の方へ目を向けると、深海棲艦のような生物が次々と人を襲っていた。

『ギャアアアアア・・・』 『タスケテクレー!』 『オトウサァァン!!』

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!!」

その生物はただ襲うだけではなく、グチャグチャ、バリボリと生々しい咀嚼音を立てながら人間を捕食していった。

提督「イ級?いや、ここは陸上・・・そんなはずは・・・それに姿形が違う・・・?」

時雨「それよりも早くみんなを避難させないと!!」

提督「あ、ああ。そうだな。このままじゃみんな食われてしまう・・・」スッ

提督は懐に手をしのばせると、銃を取り出した。

時雨「提督!それって・・・!」

提督「護身用だ。明石に改造してもらった対深海棲艦用のな。効くかどうかわからないが、ないよりマシだ。時雨、先に避難誘導を頼んでいいか?」

時雨「いいけど、提督は?」

提督「鎮守府に連絡を入れて援軍を呼ぶ!」

無線『ピピピピッ』

大淀「はい。こちら大淀。提督、どうしました?」

提督『大淀か?緊急事態だ!援軍を呼べるか?それも、例のアレを使って!』

焦っているのか、提督の発言には落ち着きが見られずしかも大雑把すぎたが、大淀は難なく察する。

大淀「やっぱり、あの反応は間違いじゃなかったのね・・・・」

提督『なんだって!?』

大淀「いえ、何でもありません。メンテナンスの方も、明石と夕張のお蔭でたった今終わったところです。すぐに他の娘たちを招集して、出動させます!」

提督『頼むぞ!急ぎでな!』ブチッ

大淀「ふぅ・・・いよいよね!」キリッ


大淀『鎮守府内の全艦娘に緊急連絡!外出中の提督、及び駆逐艦時雨の身に危険が迫っている模様。出撃可能な艦娘は至急工廠まで集合を願う!』

大淀『繰り返す!鎮守府内の全艦娘に緊急連絡!外出中の提督、及び駆逐艦時雨の身に危険が迫っている模様。出撃可能な艦娘は至急工廠まで集合を願う!これは訓練でも演習でもない!』

大淀のアナウンスは鎮守府内に響いた。しかし艦娘たちの頭には、何故出撃ドックではなく工廠なのかという疑問が残った。

―工廠

明石「ふぅ。いよいよね・・・」

夕張「頼んだぞ~君たち~!」

明石と夕張は工廠で、謎の機械のメンテナンスを終え、ペットを撫でるのようにそれらのボディを撫でた。

龍驤「大淀の放送聴いたでー!なんで、工廠なん?ドックじゃダメなんか?」

工廠に龍驤がやってきた。それを皮切りに次々と艦娘たちがやってきた。

大淀「これで全員ですか?」

由良「まだ、夕立ちゃんがいません!」

夕張「おかしいわね・・・あの二人のピンチに来ないなんて・・・白露型のみんな、知らない?」

白露「ううん。私たちも今、外から帰ってきたところ・・・」

村雨「部屋で休もうって思ったんだけど、そこに大淀さんのアナウンスがあって・・・」

五月雨「直行しちゃったんですよね・・・」

大淀「そう・・・ごめんなさいね・・・」

由良「私、探してきます!」

白露「あ、私も行く!」

由良と白露は、夕立を探しに工廠を後にした。


大淀「さて、ドタバタしちゃいましたが、本題に入ります。提督と時雨ちゃんは今、謎の敵に襲われています。電探に反応するということは、深海棲艦の可能性もありますが、まだ断定できません。」

大淀「また、提督たちだけではなく、民間人も襲われている可能性もあります。皆さんには、その救援及び撃退をお願いしたい思って、招集をかけました!」

龍驤「なるほど・・・話の内容はだいたいつかめた。で、さっきのウチの質問はどうなん?」

明石「相手は陸上にいるのよ?だったら移動手段として海は使えない・・・ということはつまり・・・」

夕張「これに乗るしかないわけよ!!」バァァン!!

明石と夕張は得意げにさっきまで自分らがメンテナンスを行っていた機械を指さした。

龍驤「こ、これは・・・」

そこには3機の戦闘機が準備万端で待機していた。

隼鷹「艦載機ィ!?とは、ちょっと違うようだな・・・」

鳳翔「みたいですね・・・私たちが使役しているものよりもなんと言うか・・・重装備?」

吹雪「すごい・・・圧力・・・なんだか、押しつぶされそうです・・・」

明石「こんなこともあろうかと、提督と私と夕張、後あきつ丸さんにも協力を頂いてで密かに開発した、秘密兵器です!左からチェスター・ホーク、チェスター・コンドル、チェスター・イーグルになっています!」

大淀「先ほど夕張さんがおっしゃったように、貴女達にはこれに乗ってもらって、現地へ向かってください!」

飛鷹「む、向かってくださいってそう簡単に言われても・・・」

隼鷹「あたしら操縦したことないっての!!」

明石「ふふーん。その心配はご無用♪」ガチャリ

明石はそう言うと、コックピットの下にある小さなハッチを開けた。

すると、そこには妖精さんたちがスタンバイしていた。

妖精さんズ「ドヤァァ」フンス!

明石「各機の操縦は全部妖精さんにお願いしているわ。」

夕張「その代わりみんなには、攻撃と通信をお願いしたいの。各チェスター機は全て2人乗りだから前衛の人が攻撃を、後衛の人が通信やサポートを頼みます!」

明石「攻撃は照準を合わせてボタンを押すだけなんで、さほど難しくありません。皆さんが、いつもやってるのとほぼ同じと思っていただいて結構です。」

大淀「さて、問題の誰が乗るかということですが・・・・こちらでもう決めちゃってます!」

全員(大明夕以外)「え?」

―チェスター・ホーク

江風「夕立の姉貴がいないのも心配だけど、そっちは由良さンと白露の姉貴任せて、提督と時雨姉貴助けに行くか!」

川内「夜戦にはちょっと早いけど、気合い入れて行くよ!!準備はいい?江風!」

江風「準備完了!いつせも行けるぜ!川内さン!」

川内「いい返事だね!行くよぉ!」

―チェスター・コンドル

球磨「木曾、大丈夫クマか?」クマ!

木曾「なぁに、心配いらないさ・・・」

球磨「怖かったら姉ちゃんが変わってあげるクマよ?」クマ!クマ!

木曾「いやだから、心配は・・・」

球磨「ハンカチもったクマか?ティッシュは?ご飯ちゃんと食べたクマ?」クマ!クマ!クマ!

木曾「」

木曾(一緒に乗る相手間違えた・・・)

―チェスター・イーグル

龍驤「しっかし、パイロットの人選をまさか昨日カレー食べたかどうかで選ぶとはエラいいい加減やなぁ・・・」

加賀「でもお蔭でスムーズにいきました。その配慮には感謝しないと・・・」

龍驤「それもそうやな・・・でも加賀」

加賀「なんでしょう?龍驤さん」

龍驤「うちがパートナーでホントにええんか?なんなら、赤城と交代しても・・・」

加賀「赤城さんの昨日の夕食はカレーではありません。それにここだけの話、貴女の実力は一目を置いています。なので、何の問題もありません。共に参りましょう・・・」

龍驤「そ、そうか・・・そう言われるとなんか照れるな~///。よっしゃ!行くで!司令官と時雨を助けに!」

加賀「ええ。」

大淀「第4ゲート開いてください!!間もなく発進します!!」

明石『操縦の方、頼んだわよ妖精さん達!』

妖精さんズ「ガッテンテン!」「ジーアイジー!」「ガレット!」

吹雪「工廠に戦闘機の滑走路あったんですね・・・」

大淀「チェスター・ホーク、チェスター・コンドル、チェスター・イーグル、発進!!」
3機はゲートから勢いよく飛び出し、現場へと向かった。

―動物園・駐車場

時雨「皆さん!こっちです!こっちに避難してください!!」

来園者は我先にと逃げ出す者もいれば、イ級(?)に捕まって食べられてしまう者もおり、一瞬にしてその場は地獄と化した。

大淀『提督、たった今チェスター3機発進しました!』

提督「わかった。こっちも避難誘導を引き続き行いつつ、ヤツの気を逸らす。」

大淀『了解。無理はしないでください!』

提督「ああ。善処する!」

提督は無線を切り、時雨と共に避難誘導を始めた。

時雨「提督!流石に人数が多すぎるよ!このままじゃみんな食べられちゃうよ!」

提督「くっ!喰らえ!!」BANG!BANG!

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛!!」

提督は深海棲艦擬きに向かって威嚇射撃をした。

すると、案の定怒りの矛先をこちらに向け攻撃を仕掛けてきた

時雨「提督!危ない!!」

提督の身の危険を感じ取り、時雨が駆け寄ってくる。すると、イ級(?)は標的を時雨へと変えてきた。

時雨「っ!!」

提督「時雨!!!!!」

提督(マズい・・・この距離だと間に合わない・・・ここまでか・・・)

提督があきらめかけたその時だった・・・

"諦めるな・・・!"

提督「え・・・?」

???「ヘアッ!!!」

グシャリッ!

提督が恐る恐る見上げると、そこには銀色の巨人がその拳でイ級(?)を叩きつぶしていた。

そして提督はその巨人を見て、こう呟いた。

提督「ウルトラマン・・・」

――これが、僕たちとこの巨人の初めての邂逅であり

   それと同時に、日常の崩壊でもあっただなんて、この時は知る由もなかった・・・――

To be continued

次回予告

提督「あの巨人は味方だ!追って攻撃する必要はない!」



提督「この生物の死骸の一部を持ち帰って、何者なのか分析するんだ!」



大淀「提督!!深海棲艦擬きが出現しました!今度は海!南西諸島付近です!」



提督「出動ッ!!!」



提督「教えてくれ・・・君が本当にあの巨人なんだね?」


Episode2 巨人―ウルトラマン―

とりあえず、今回はここまでです。

次は1週間以内になんとか投稿しようと思っています。

では・・・

すいません。ちょっとプライベートでドタバタしているので、更新の方、少し遅れます。
初っ端からこんなんで、申し訳ありません。

すいません。長らくお待たせしました。以下投稿です。

夕立「ここは・・・どこ・・・?」

夕立「遺跡・・・っぽい?」

夕立はどこか太古の遺跡のような場所に立っていた。

夕立「あ!あれは何?」

夕立は石碑のようなものを見つけ、それに触れてしまった。

夕立「わっ!!」

すると突然彼女は謎の光に包まれた。

そしてその光の中に銀色の巨人が現れた。

夕立「貴方は誰っぽい?」

巨人「・・・・・」

巨人はただ黙っていた。しかし、夕立には何故か何かを伝えようということが分かった。

夕立「え?提督さんと時雨が!?」

巨人「・・・・」

夕立「貴方が力を貸してくれるの?」

巨人「・・・・」

夕立「じゃあ行きましょう!素敵なパーティーをしに!!」

Episode2 巨人―ウルトラマン―

提督「ウルトラマン・・・」

巨人「デュアッ!!」

巨人はイ級(?)を倒すとその場から飛んで立ち去った。

―その頃上空

木曾「ん?」

球磨「どうしたクマ?」

木曾「いや、何かがこっちにむかって・・・うわぁ!!」

球磨「クマッ!?」

巨人は木曾達が乗ったチェスター機とすれ違った。

それは、ほんの少しずれていたら衝突しかねない距離であった。

川内「危ないなー。何だったの?」

江風「追いかける?川内さン?」

加賀『今我々に与えられた任務は、提督と時雨ちゃんの救出です。余計な行動は慎んで・・・』

江風「って、冗談ですよ、加賀さン。」

加賀『貴女の場合冗談に聞こえない時がt多々あるので、今後そういった言動は慎むように・・・』

加賀は無線越しに江風に注意を促した。

川内「言われちゃったねー。江風・・・」

江風「うぅ・・・」

川内「って、そろそろ着くよ!」

―動物園

時雨「提督、無事?」

提督「あ、ああ。俺は平気だ。時雨は?」

時雨「僕も平気さ。何だったんだろう・・・さっきの巨人は・・・」

提督「いや、俺にも分からない・・・ん?」

提督が上空を見上げると3機の戦闘機がこちらへ向かってくるのが見えた。

江風『おーい。ていとくー。あねきー!』

提督「その声、江風か?」

球磨『助けにきたクマー!』

加賀『無事で何よりです・・・』

龍驤「あれ?でも、怪物おらんな・・・」

加賀「本当ですね。どういうことなんでしょう?」

提督「みんな・・・」

時雨「え?あの飛行機に江風達が乗ってるの!?あんなものいつの間に・・・」

提督「明石たちに秘密裏に造らせておいた。」

江風『あ、提督!さっき変な銀色の巨人が横切ったンだけど、あいつが提督達を襲ってた奴ら?追いかけて攻撃する?』

提督「いや、あの巨人は味方だ!追って攻撃する必要はない!それより、誰かの機体にサンプリングセット置いてないか?」

加賀『こちらにはありませんね』

球磨「こっちにもないクマー」

江風『ン?これか?何か大きいトランクケースみたいなのがあるけど・・・』

提督「それだ!とりあえず、みんな着陸してくれないか?詳しく話がしたい」

チェスター機3機は、駐車場の開けたスペースに着陸した。

そして、江風はサンプリングセットを持って、提督に手渡した。

―チェスター・イーグル内

提督と時雨はチェスター・イーグルの倉庫に乗せてもらうこととなった。

しかし、提督は自家用車が破壊されてしまったため、ひどく落ち込んでいた。

時雨「て、提督・・・ホラ、元気出して・・・」

提督「ローン組んでやっと買った新車なのに・・・保険利かないよな・・・はぁ・・・」

時雨「・・・」ギュッ

時雨は提督を静かに抱きしめた。

提督「え・・・?時雨・・・?」

時雨「車はダメになっちゃったけど、提督が無事だった。僕はそれだけでいいんだ。」

提督「時雨・・・」

時雨「もう、これ以上・・・僕の前で・・・大切な人がいなくなるのはイヤだから・・・」

時雨の声はどこか涙ぐんでいた。

提督「時雨・・・すまなかった・・・俺は絶対にいなくなったりしない!!」

時雨「提督・・・///」

江風『おーい。ご両人。お話は済んだかい?』(ニヤッ

提督「え!?はっ!?か、江風!?どうして!?って、無線!!切るの忘れた!?ってことはつまり全部筒抜け!?」」

江風『いや~、ホントは聞く気はなかったンだけどね~。にっしっし。』

提督&時雨『///』

加賀『流石に気分が高揚します。』

龍驤「加賀、自分それ言いたいだけやろ・・・」」

球磨『青春してるクマね~』ニヤニヤ

木曾「き、きいてるこっちが恥ずかしい///」

提督「お、お前たち!!上官をからかうんじゃない!!」

こうして三機は無事に鎮守府へ帰投した。

だが、提督と時雨の顔はまだ真っ赤に染まっていた。

―鎮守府内・地下

提督と大淀は地下にある研究施設を訪れていた。

そこに様々な実験機器や設置されており、薬品や試験管なども至る所に置いてあった。

大淀「ここが提督のお父上が研究をなさっていた施設ですか・・・」

提督「ああ。もう何十年も前になるけどな・・・でも、時々はこうやってきて機器のメンテナンスからアップデートとかをしているから、まだまだ現役だぞ!」

提督「さてと、今からやるのはただの分析だから、この機械に採取したサンプルを入れるだけなんだ。」

大淀「え?じゃあ、なんで私を呼んだんですか?」

提督「あんなことがあった後だ。俺は恐らく大本営から呼び出しが掛かる事が増えるだろう・・・その時の代理として大淀、君に分析の方を頼もうかと思ってな・・・」

提督「分析自体はボタンを押して、1日待てば自動でやってくれる。けど、そこからまた別の分析をしなければいけない事があるかもしれない。ま、念のためだ。」

大淀「そういうことですか・・・分かりました。もしもそのような事があれば私にお任せください。」

提督「頼んだよ。明石にも声はかけたんだが、アイツはチェスターのメンテナンスで手一杯だそうだ。」

大淀「はは。その辺は仕方ありませんね。」

提督「よし。試験管セット完了!ボタンを押して、1日待つだけだ!」

無線『ピピピピッ』

大淀「提督、無線が・・・」

提督「はい。こちら提督。何があった?」

時雨『あ、提督。夕立が話があるみたい。執務室まで来てくれるかな?』

提督「わかった。すぐ行く。」

大淀「夕立ちゃんといえば・・・」

提督「どうかしたか?」

大淀「ええ。何故か行方が分からなくなっていたんです。提督たちが襲われている間だけですが・・・」

提督「え?」

―執務室

提督「夕立、どうした?」

夕立「提督さん、それに時雨。2人を助けてくれた巨人いたよね?」

時雨「うん。あと少しの所で僕も提督も危なかったから、あの巨人には感謝してるよ。」

提督「でもなんで夕立がそのことを知ってるんだい?・・・まさか・・・」

提督はある事が脳裏をよぎった。しかし、このことが真実ならとんでもないことだ。

提督「教えてくれ夕立。君があの巨人なんだね?」

夕立「・・・うん。お昼寝してたら変な夢見たっぽい。」

時雨「夢?」

夕立「その夢にあの巨人が出て来て、それで2人が危ないって教えてくれたっぽい。」

夕立「そしたら夕立の手にこれが握られてたっぽい!」

夕立はそういうと白い短剣のようなものを取り出した。

大淀「これは・・・脇差のように見えますね・・・」

夕立「これを鞘から抜いて、上に掲げたら、変身できたっぽい!」

提督「夕立が“ウルトラマン”に・・・」

夕立「ウルトラマン??」

時雨「あの時もそんなこと言ってたよね?提督、何か知ってるの?」

提督「いや、俺も頭に浮かんだ言葉を口走っただけだから・・・」

時雨「そうなんだ・・・でも、いい名前だね!」

夕立「えーっ!もっと可愛い名前がいいっぽい~!」

提督「いいじゃねぇかよぉ!かっこよくてさぁ!」

夕立「むぅ~~!」プクー

電探『ピピピピッ!!!』

突然電探が鳴り響いた。

4人「!!!!」

提督「何だ!?」

大淀「提督!!またイ級擬きが出現しました!今度は海!南西諸島付近です!」

提督「何だって!?でもあいつは夕立が倒したじゃないか!」

大淀「恐らく、別個体の可能性が・・・」

提督「チェスター各機のメンテナンスは?」

大淀「終わっていると、先程明石から連絡が!」

提督「よし!出撃準備だ!メンバーは前回と同じ、川内、江風、龍驤、加賀、球磨、木曾の6名だ!」

大淀「了解しました。すぐに呼び出しを・・・」

工廠

大淀「提督!3機とも出撃準備、整いました!」

提督「出動ッ!!!」

ギュィィン!!

3機は勢いよく発進していった。

夕立「提督さん、夕立は?夕立はどうすればいいっぽい?」

提督「君は待機だ・・・俺の指示があるまで、変身して戦ってはダメだ・・・」

夕立「えっ!?なんで!?」

提督「こういうことは、利用しているみたいであまり言いたくないが、君は万一のための切り札なんだ・・・。あいつらの攻撃が通じなかった時のな・・・」

提督「出動許可は俺がする。いいね?」

夕立「ぽいっ!!」


南西諸島付近

江風「こちら、江風。間もなく現場付近に到着!」

大淀『了解。標的を見つけ次第、攻撃をしてください。』

龍驤「って、行ってるそばから見つけたで!しかもデカい!」

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛」

そいつは、動物園の時よりも遙かに大きく、優に50mを超えていた。

球磨「来るクマ!木曾!ビビらずやれクマァ!!」

木曾「言われなくてもそのつもりだ!」

川内「夜戦じゃなくてもやっちゃうよ!」

加賀「龍驤さん、油断しないで・・・」

龍驤「ほな、いっくでぇ!!」

3機は攻撃準備にかかった。

イ級(?)「?」

川内「喰らえ!!」ドガガガガガガ

木曾「弱すぎる!!」ドガガガガガガ

龍驤「さぁ~て、これはどうや?」ドガガガガガガ

3機は一斉に攻撃を始めた。

川内「よし、とどめのロケランだよ!!いっけぇ!!」ズドォォォン!!

チェスター・ホークの放ったロケランが見事にイ級(?)に直撃した。

江風「ふぅ~。終わった終わった。川内さン、みンな、帰りましょ・・・」

加賀「待って・・・!」

川内「え?」

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!!」

怒ったイ級(?)が反撃を仕掛けてきた。

とっさのことに、みんなは驚き戸惑い編成が乱れてしまった。

木曾「うわっ!!」

加賀「怒らせてしまったみたいね・・・」

龍驤「なーんか嫌な予感するんやけど・・・ひょっとして、このままだとアカン?」

加賀「かもしれませんね・・・」

龍驤「いや、何で自分そんな冷静なん?」

加賀はそう言うと無線で鎮守府へ通信を始めた。

―鎮守府

加賀『こちらチェスター・イーグル加賀!応答してください。』

提督「こちら提督。どうした?何があった!?」

加賀『目標に攻撃命中。効き目こそあったが、致命傷までには至らず、逆に興奮させ怒らせてしまった模様・・・』

龍驤『だからなんで、そんな冷静なんやって!わわわ・・・危ないっ!!』

加賀『これは少々まずいk・・・』ブツン!

ここで通信は途切れてしまった。

提督「加賀!龍驤!どうした?応答しろ!!」

大淀「チェスター・イーグルと通信不能!他のチェスター機も同様に通信不能!」

提督「くっ!」

夕立「提督さん!夕立行くっぽい!!」

提督「・・・・・すまない・・・頼む!」

数秒の沈黙の後、提督は夕立に深々と頭を下げ懇願した。

夕立「任せて!!」

夕立はそう言うと勢いよく外へ飛び出して行った。

夕立「っ!!」

彼女は変身アイテム、エボルトラスターを鞘から引き抜き天へと突き上げた。

ウルトラマン「デュワァッ!!」

変身した夕立はものすごい速さで空を飛び、現場へと向かった。

木曾「くっ・・・マズいぜ・・・」

川内「動けない・・・」

加賀「・・・」

3機はイ級(?)の触手のような物で捕らわれてしまい、身動きが取れないでいた。

球磨「球磨たち、どうなるクマ?」

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!!!」

イ級(?)はチェスター各機を口元へと持って行き、捕食の準備にかかった。

江風「う、うわああああ!!姉貴ぃ!!!」

ウルトラマン「ヘアッ!!」ブチィッ!!

間一髪。ウルトラマンが間に合い、触手を蹴りで切り落とした。

江風「あ、ああ・・・」

加賀「あの時の・・・」

ウルトラマン「シュワッ!!・・・ハァァァァ・・・デュアッ!」

ウルトラマンは掛け声と共に、右腕を左腕の方まで、持って行き腕をクロスさせた。

そして右腕を空へ突き上げると、突然その周りが光に包まれ、2体は姿を消した。

球磨「どこ行ったクマ?」キョロキョロ

ウルトラマン「デュアッ!」

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!!」

2体はウルトラマンが展開した異空間で戦闘を始めていた。

さっきの光は、この異空間・メタフィールドを展開するものだったのだ。

ウルトラマン「ヘアッ!!」

ウルトラマンが殴りかかろうとしたその時

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛!!」バチィン!

イ級(?)の触手がウルトラマンを投げ飛ばしたのだ。

ウルトラマン「デュアッ!?」

イ級(?)「イ゛イ゛♪」

まるで、小馬鹿にするようにご機嫌なイ級(?)は間髪入れずにウルトラマンを殴り続けた。

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛~♪」

ウルトラマン「アッ・・・アッ!!」ピコーン!ピコーン!

ウルトラマンの胸のエナジーコアが点滅しだした。もう時間がない証拠である。

ウルトラマン「ウッ・・・デュア!!!」

なんとか、攻撃を振り払い間合いを取るウルトラマン。

イ級(?)「イ゛?」


ウルトラマン「ヘアッ!!!ハッ!!ハァァァァァ!!デュアッ!!」

ウルトラマンは両腕を胸の前で伸ばし、クロスさせた。

そしてそのまま両腕を頭上に上げた後、顔の前でL字に組んで、必殺技のオーバーレイ・シュトロームを放った。

イ級(?)「イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛!!」ドゴォォォン!!

イ級(?)は爆音と共に、消し飛んだ。それと同時に、メタフィールドも消え去った。

龍驤「あ、出てきた」

ウルトラマン「デュアッ!!」

ウルトラマンはまた飛び去り、どこかへ行ってしまった。

江風「あ、おい!待て!」

加賀「いったい何だったんでしょうね・・・」

球磨「まるで夢のようだクマ」

To be continued



次回予告

提督「こちらが例の生物の分析結果です。」



提督「ご覧の通り、ヤツと深海棲艦は似ている部分があります・・・」



上官「つまり、君はあのイ級擬きは深海棲艦の亜種とでも・・・?」

提督「間違いないでしょう!」


ウルトラマン「ヘアッ!!」


ヲ級(?)「ヲォォォ!!」



大淀「いつまでも“深海棲息擬き”だなんて、回りくどいですね。名前考えてみたんですけど・・・」



提督「どんな名前だ?」


大淀「“深海棲獣”(デプスビースト)」


Episode3 深海棲艦獣―デプスビースト―

今回はここまでです。

週1と言っておきながら、投稿できなくて申し訳ありません。

でも、途中で投げ出さず必ず最後までやり遂げてみます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年11月19日 (日) 23:12:03   ID: DyFf_PX1

自分はコメントこそしてなかったけど見てて面白いと思ったので続けてほしいです

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